昨年11月に米国オバマ大統領が来日されましたが、懸案の米軍基地再編問題は正面から議題となりませんでした。この問題については、現在の辺野古沖建設案を容認する北沢防衛大臣と、普天間基地の嘉手納基地への統合をも模索する岡田外務大臣と、強硬に沖縄県内移設に反対する福島内閣府担当大臣の方針がまとまりません。そのような中で米国は早くも在日海兵隊のグアム移転にかかる予算を、対日交渉の不透明を理由に大幅に減らす動きを見せています。沖縄の負担軽減が先送りされることとなり、見逃すことのできない動きです。
昨年10月22日付アジア版ウォールストリート・ジャーナル紙には、ブッシュ前政権のキャロリン・レディ元国家安全保障会議(NSC)拡散防止部長が、「米軍再編合意の見直し要求は東アジア安保の礎石である日米同盟を弱体化する恐れがある」と指摘した原稿が掲載されています。また、同日付ワシントン・ポストでは一面で、「同盟再定義を検討する新政権を懸念」という見出しに続き、ゲーツ国防長官が来日した際、普天間基地移設問題につき早期履行を要求したことを報道し、国務省長官の「今や最も厄介なのは中国でなく日本だ」とのコメントを掲載しています。アジアの重視は無論結構ですが(私も昨年自民党国際局次長として中国に出張し、幹部と意見交換をしてきました)、米国との信頼関係がゆらげば、経済問題も農業問題も北朝鮮問題も暗礁に乗り上げてしまいます。
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