議事録

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第179回 国会 衆議院 法務委員会 New!!

第179回 国会 衆議院 法務委員会 第3号
平成23年12月2日(金)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党、影の法務大臣の柴山昌彦でございます。
 大臣に、先ほど大口理事から質問のあった大王製紙、オリンパス問題について、関連でお聞きしたいと思います。
 この問題は、私ども自由民主党も、法務部会、財務金融部会、経済産業部会、合同で調査をしておりまして、この後も十一時から、私ども会議をすることとなっております。
 先ほど大口理事から、企業はだれのものかという極めて重要な問題提起がありまして、これについて大臣が言いよどんだことは、わからなくはありません、いろいろな考え方はあると思います。しかし、極めて基本的、かつ古典的な疑問であって、先ほどおっしゃったように、所有について解釈すればというように、むしろ、この質問を予想して、大臣の側からしっかりとした答弁をしてもらえたらよかったのかなというように思っております。
 しかも、これについて、聞き方が悪いというやじは、私は言語道断だと思っております。これについて我が党の理事が抗議をしたときに、委員長もしっかりと議事整理をしてほしかったというように、残念に思っております。
 大臣にお伺いします。
 これらの問題の本質的な、根源的な原因というものは一体何だとお感じになりますか。

○平岡国務大臣 
 お答えしたいと思いますけれども、今、これらの問題というのは、会社法の問題でしょうか。はい、わかりました。
 これは、やはり制度の問題もあるだろうというふうに思いますし、それから制度の中で行われているガバナンスの問題でもあるだろうと思いますし、さらには個々の経済人の心構えというものもあるだろうと思いますし、いろいろなものがあるだろうというふうに思います。
 本質は何かと言われれば、これだというふうに決めつけるということはなかなか難しいわけでありますけれども、多くの企業がある中で起こってしまったということについて言えば、やはり個別的な問題というのもあったのではないだろうかなというふうには思います。

○柴山委員
 個別的な問題というふうにおっしゃいましたけれども、私はそれは極めて認識が甘いと思っています。
 社員という言葉は、大臣、御存じでしょうけれども、社員というのは法律的に一体どういう概念でしょうか。

○平岡国務大臣 
 多分、社員という言葉以外に、従業員というような言葉とか、あるいは労働者、勤労者というような言葉とか、いろいろあるんだろうと思いますけれども、社員というのは、社がついていますから、会社あるいは何とか社とついたようなところで雇われて働いている方々のことではないのかなというふうに思います。

○柴山委員 
 今の答弁が根本的な誤りを内包しているわけです。今大臣が御答弁になったのは、従業員なんです、先ほど御答弁になったとおり。
 いま一度答弁を求めます。

○平岡国務大臣 
 ちょっと質問の趣旨を私が十分に理解していないような気もいたしますので、どういう御質問の趣旨なのかをちょっと教えていただければというふうに思います。

○柴山委員 
 極めてわかりやすい質問だと思います。社員とは一体どういう概念ですかというふうにお聞きしているんです。

○平岡国務大臣 
 先ほど答えましたように、何とか社というふうに、株式会社、有限会社、合資会社、いろいろあろうかというふうに思いますけれども、そういう何とか社において雇われて働いている方々を社員というのではないだろうかというふうに思います。(発言する者あり)

○柴山委員 
 今、我が党の理事からさまざまな形で声が上がっておりますけれども、基本的に、法律的な会社法の概念で社員というと、会社に出資してその持ち分を構成しているもののことを社員というわけです。株式会社になれば、いわゆる株主が社員。だからこそ、先ほど大口理事の方から話があったように、企業というのは、本来、出資者であるオーナーのものであると。そして、そこから経営陣が経営の委託を受け、そして、経営陣は、従業員を雇って、そのオーナー、社員あるいは株主の利益が最大になるようにさまざまな仕事をするというのが会社法の仕組みであるはずなんです。
 今大臣が御指摘になったように、社員というのはまさしく我が社の従業員だと。我が社のということが会社の経営者あるいは社員の認識であるからこそ、株主あるいは本来的な社員を軽んじるような経営というものが出てきてしまっているのではないか、また、ワンマン企業が物言えぬ雰囲気をつくり出しているんじゃないか。やはり、そこの意識改革をしっかりとやらなければ、どのような制度構築をしても、それはもうすり抜ける対象でしかないというようなことになりかねないわけですから、会社法の改正だけでなくて、例えば公益通報制度も含めて幅広い議論をしなければいけないというように考えておりますので、ぜひしっかりとした検討をお願いしたいと思っております。
 続きまして、平岡法務大臣の政治姿勢について伺います。
 この委員会あるいは予算委員会でも取り上げられた、大臣秘書官と公設秘書との給与二重取り問題についてお伺いします。
 大臣、あなたは、今回の二重取り問題、制度の欠陥だからしようがないという考えでよろしいんでしょうか。

○平岡国務大臣 
 制度の欠陥というふうに呼んでいいのかどうか、私もそこは、本当に皆さんが欠陥だと思われているのであれば、制度は直さなければいけない。ただ、これまでこうした仕組みがずっと続いていたということについて言えば、やはりそれなりの理由あるいは事情というものがあってこういう状況になっているのではないだろうかというふうに思います。ただ、制度が欠陥であるということであるならば、その欠陥はしっかりと正していかなければならないというふうに思います。

○柴山委員 
 制度的欠陥論以前の問題ではないでしょうか。
 大臣が予算委員会で、いや、二重取りではない、公設秘書が例えば九月二日で辞職をして、後任の公設秘書は九月分の給料は取れませんというふうにお答えになりましたけれども、これはもう当たり前のことであります。問題は、九月一日に公設秘書として採用し、そして二日からその方を大臣秘書官として登用し、そして秘書官としての給与と公設秘書の月割りの給与を二重取りにされてしまって、大臣秘書官としての給与は返納が可能であるにもかかわらず、その返納処理をしなかったということが一般の常識に反するのでないかということが問題とされているわけですけれども、そういう処分をとるように大臣の方から働きかけをしなかった根拠をお聞かせください。

○平岡国務大臣 
 今の御質問、大臣秘書官としての給与を返済しなかったというようにちょっと私には聞こえたんですけれども、大臣秘書官の給与については、私の承知しているところによりますと、日割り計算でございますから、一月分まとめていただいた分については、たしか、彼が勤務しなかった月の残りの部分、働いていない部分に対しては返納をしたというふうに聞いております。

○柴山委員 
 大臣秘書官が辞職をしたのは十月の何日だったんですか。

○平岡国務大臣
 十月の十九日であったというふうに記憶しております。

○柴山委員
 今大臣が返納をしたのではないかというようにお答えになったのは、つまり、十月十九日、辞職をした後の、十月十七日振り込みだったかと思いますけれども、一カ月分の給与のうち働いていなかった分の給与を返納したというだけにすぎないわけです。
 公設秘書として九月、そして九月の大臣秘書官としての給与を、二カ月分受け取り、そして十月分の大臣秘書官としての給与をしっかりと、十月一日から十月十九日の勤労の分を受け取っている。それで本当に世間常識が納得するかという質問なんです。

○平岡国務大臣 
 ちょっと今、私、聞き間違ったのかもしれませんけれども、公設秘書の給与を二カ月分受け取っているというふうに言われたような気がしたんですけれども……。(柴山委員「いや、それは違います」と呼ぶ)それは九月分の一カ月ということですね。
 その点については、棚橋委員を初めいろいろな方々から、この委員会あるいは予算委員会でも御質問をいただきまして、私の方からも答えさせていただいておりますけれども、これまでの取り扱いということがそういうことであったということであり、これは野田総理も答弁をしておられますけれども、制度の問題というものがあったということもこういう事態が生じた一つの原因であったというふうに認識をしておるところでございます。

○柴山委員
 驚きですよ。
 今申し上げたように、秘書給与は九月分、そして大臣秘書官としての給与は九月分と十月の一日から十九日分、都合三カ月分、当該秘書の方は受け取り、そして、二重取りの部分は、大臣秘書官分については理屈の上では返納が可能なんです。
 これについて、返納をアドバイスしていない、制度の問題として何らそのままにして放てきしているということでよろしいんでしょうか。

○平岡国務大臣 
 大臣秘書官分は返納可能であるというふうに今御質問がありましたけれども、大臣秘書官として働いていない部分については、これは返納をしました。ただ、これまで問題となっている公設秘書の分については、返納という仕組みがないということも確認をしております。
 ですから、これを本当に皆さん方が指摘しているような形での事実関係を発生させようと思えば、返納という仕組みではなくて、国庫に対して寄附をするという仕組みで対応せざるを得ないという状況になっている。これも予算委員会で私は答弁させていただいたところでございます。

○柴山委員 
 予算委員会でのテレビ中継入りの棚橋理事からの質問で、公設秘書としての給与については返納という仕組みがない、これは大臣が衆議院の議員課の方に問い合わせをしたところをそのように答えられたということなんですけれども、私が今聞いているのは、大臣秘書官としての九月二日から勤務をしていた分の給与については、公費ですから、何らかの形で返納ということができるのではないかと。棚橋理事も、何らかの形でその部分については返納ができるのでないかということをテレビ中継入りのときにおっしゃっていたと思うんですけれども、これについて検討はされたんですか、されなかったんですか。

○平岡国務大臣 
 九月二日からの九月分の大臣秘書官としての給与については、勤務の実態がございますので、それを返納するということは筋としておかしいのではないかなというふうに私は思いますけれども。

○柴山委員 
 それが一般常識とかけ離れているというんです。
 勤務の実態は確かに大臣秘書官としてはあったかもしれないけれども、でも、公費としては、九月一日の公設秘書としての勤務の分と、それから九月二日以降の秘書官としての給与の分と、これは一本なんですね。にもかかわらず、九月二日から九月末日までは、公設秘書としての給与と大臣秘書官としての給与を二本分丸々もらっているわけです。これがおかしいというように感じられませんか。大臣秘書官としての勤務の実態がある以上、何ら手当てをしなくていいんですかということが棚橋理事の問題提起であったかと思います。
 もう一つ問題があります。
 私が先日この委員会で指摘をさせていただいたとおり、いわゆる公費の詐欺で有罪判決を受けていたことが発覚をしたのは九月下旬であります。九月下旬に発覚しながら、給料日である十月十七日の後の十月十九日に辞表を受理した。そして、翌十月二十日からこの臨時国会が始まり、そこでいろいろな形で追及を受けることが予想された。
 まさしく、臨時国会対策として、そして、給与日をまたいで、その給与をもらうために辞職を引き延ばさせたというふうに疑われても仕方がないんじゃないですか。

○平岡国務大臣
 柴山委員の今の御指摘について言えば、私が、給与日をまたいで、給与を支給させるために引き延ばしたとかいうようなことは全くございません。これも委員会で答弁させていただいた記憶がございますけれども、私としては、当時、大臣秘書官であったものの、事実関係というものを自分なりに確認をしなければいけない、そういう確認作業等をしなければいけないという状況の中で判断をしてきたということでございます。
 確かに、臨時国会が始まってからそういう事態にならないようにという気持ちを持ってやっておりましたのでタイミングとして十九日ということになったかもしれませんけれども、ただ、十九日にそういう発令を出すためにはもっと前の段階で意思決定をし、そして手続を進めなければならないということもあるわけでございますので、その点は真摯に対応してきたということで御理解をいただきたいというふうに思います。(発言する者あり)

○柴山委員
 今我が党の議員からも指摘があるとおり、これはかなり古い事件のはずです。そして、既に裁判が終了しているわけですから、一件記録を本人から出させて、本人から事情を聞けば、一カ月かかるはずがないじゃないですか。
 今大臣がいみじくも答弁されましたけれども、十月二十日から臨時国会が始まるということもあったかもしれませんがというようにおっしゃいましたけれども、結局、そういった調査とは関係ない諸事情によってこういった辞職のおくれということがあったんじゃないんですか。もう一度答弁を求めます。

○平岡国務大臣
 何回も繰り返しになりますけれども、決して、給料日をまたぐためにとか、あるいは少しでも長くいさせてやりたいからとか、そういうことではなくて、自分なりに今度の処分をどうしていくべきなのかということをしっかりと考えていくという中であった話でございます。

○柴山委員
 全く説得力がない。多分、この委員会質疑をインターネットでごらんになっていらっしゃる方々もそう思われるんじゃないかと思います。
 次の質問に行きたいと思います。
 十二月一日に、堺市で象印マホービン元副社長の尾崎宗秀さんが亡くなった。手足を縛られ、ラップを顔に巻かれるという大変痛ましい事件だったわけですけれども、この事件について大臣はどのように思われますか。

○平岡国務大臣
 個別事件のことについては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○柴山委員
 私は、それが大臣の犯罪とか犯罪被害者に対する基本的な考え方のあらわれであろうかと思うんです。もちろん、私が聞いているのは、この事件の実態がどうだとか、それに対する刑事処分をどうするべきとか、そういうことまで突っ込んでお話を聞こうとしているわけじゃないんです。こういった凶悪事件があったときに、それに対して、まず、大臣の職責と矛盾しない範囲で、人としてどう感じるのかと。そのことが全く大臣の口からは聞こえてこないんですよ。
 もう一度お伺いします。この事件についてどうお考えなんですか。

○平岡国務大臣
 報道されている中身は私も承知しておりますけれども、大変痛ましい事件だとは思います。さらに、職責としていえば、こうした犯罪が起こらないような、そうした社会をつくっていくということは、法務大臣、閣僚の一人として与えられている使命であるというふうに思っております。

○柴山委員
 この委員会で取り上げた、四年前の「太田光の私が総理大臣になったら」というテレビ番組で、息子を少年のリンチで殺害された被害者のお母さんの目の前で、加害者にもそれなりの事情があった、子供たちにどうなってもらいたいのと発言された問題で、大臣はお母様のもとに謝罪に行かれたんですか。

○平岡国務大臣
 柴山委員の御質問がいつの時点の話をされているのかちょっと私も定かではありませんでしたけれども、お母さんのもとに謝罪に行ったのかという質問であるならば、参りました。

○柴山委員
 いついらっしゃったのか、その日時をお答えください。

○平岡国務大臣
 十一月の十三日の日曜日であったというふうに思います。

○柴山委員
 ことしの十一月。これは私が申し上げるまでもなく、この委員会で同僚の平沢勝栄委員が十月二十五日に質問をして、四年前のその番組で共演をした元同僚の大村秀章議員が、その後、このお母様のところにお線香を上げに行かれたということを指摘されて、それで大臣が新幹線の中から電話一本で済ませたということについて問いただしたのに対して、謝罪に行きますということを約束され、そしてその後行かれたんじゃないかなというように思います。
 ただ、このお母様が大臣の謝罪に全然満足していないんですよ。早く帰ろうという気持ちがありありで心がこもっていなかった、あのときのテレビの自分の発言の言いわけに終始していたと。私は、これはあんまりだったんじゃないかなというように思うんです。
 ちなみに、大臣、この日はお一人で謝りに行かれたんですか。

○平岡国務大臣
 一人ということではございませんけれども、運転をする者、警護をする者、そういう人たちもおられました。そういう意味では、一人ではございません。

○柴山委員 
 SPさんや運転をされる方を連れてぞろぞろと行かれて、しかも、いろいろとお忙しいのはわかりますけれども、後の日程を気にしてそわそわ、そういったお気持ちは相手に伝わるんです。本当に心から謝罪をされていたのかどうかということについて、かえって御遺族を悲しませる、あるいはいら立たせる、そういうきっかけになってしまったことは、私は非常に残念だと思います。
 大臣のこういった凶悪犯罪に対する考え方、引き続いてお伺いいたします。とりわけ死刑の執行です。
 大臣は、私の先日、十月の質問で、千葉景子元法務大臣が法務省内に設置した勉強会において大臣御自身の考えを整理されている間は当然死刑執行の判断はできないと就任のときの記者会見でおっしゃったということにつき、間違いありませんというようにお答えになりました。そのお考えに変更はあるんですか、ないんですか。明確にお答えください。

○平岡国務大臣
 今の委員の御指摘については間違いございませんけれども、ただ、私も、この記者会見の模様というものをしっかりと調べさせていただきました。
 確かに私は、勉強会で考えている間は死刑執行をしないのかという点については、勉強会そのものが結論を出すという性格のものでないというものであるとするならば、考えている間は当然判断ができないだろうと思います、その後、ただ、勉強会が結論を出すという性格のものでない以上は、勉強会でやっていることを踏まえて私なりに結論を出していくということはあるのかもしれないというふうに思いますというふうに、ここまでが私の言葉でございまして、今委員が指摘されているのはその前段部分だけを取り出して言われているので、その後の私のいろいろな予算委員会あるいは法務委員会での質疑のときに、何か今まで言ってきたことと違うじゃないかというふうに御指摘をされているという点だろうというふうに思います。
 先ほど私が冒頭に申し上げたところが私が初登庁後の記者会見で申し上げた全体像ということで御理解をいただきたいというふうに思います。

○柴山委員
 その後、いろいろ質疑を、その後というのは大臣就任後、いろいろと質疑ですとか法務省の仕事をしていくに従って、今お述べになった後段の部分、すなわち、勉強会をやっている間にも死刑執行について職務命令を下す可能性がある、あるかもしれないというより、あるというような形で、慎重ながらこれを進めていく余地が明確にあるということに変わっていったということでよろしいんでしょうか。

○平岡国務大臣
 表現ぶりは確かに最初の記者会見のときの言い方とは違ってきているかとは思いますけれども、考えている基本は同じだというふうに思っています。制度は制度の勉強として、私は、しっかりと国際的な動向等も踏まえて勉強していかなければならない。そういう勉強会というものが今法務省の中に千葉景子元大臣がつくられたものがあって、まさにやっているわけですから、その制度の勉強もしっかりとやっていかなければいけない。
 ただし、その勉強会というものが死刑制度について何らかの結論を出すという性格のものでない以上は、個々の死刑の取り扱いの問題については私なりに考えていかなければならないという可能性があるというふうな認識を持っているということは、基本の路線として、私は、基本の考え方としてずっと持っているところであり、その考え方に従って、質問の角度といいますか、質問の視点に応じて私が答弁をさせていただいたというふうに考えているところでございます。

○柴山委員
 何が核で何が周辺なのかよくわかりませんけれども、私は、ただ、大臣の基本的なスタンスが変わっているとは実は思えないんです。それをうかがわせるのが、先日、オウム真理教の遠藤誠一被告の上告審判決が出た十一月二十一日、この後の大臣のコメントなんです。このことに関して大臣が、一般論だが、死刑については慎重に判断していかなければいけない問題だというように述べておられるんですね。
 日本の犯罪史上、最悪のテロを巻き起こして、二十五人以上の死者を出した団体の代表である松本智津夫を含めた幹部の者の処分について聞かれて、このような一般論に終始した慎重なコメントを出すというのは、私は、余りにも法秩序あるいは死刑制度に対する見識の低さをあらわしているんじゃないかなというように思うんですが、いかがでしょうか。

○平岡国務大臣
 これは何度も答弁したことがございますけれども、死刑というのが極めて重い刑であるということを考えたときには、慎重に判断をしていかなければいけないということは私は間違っていないというふうに思います。
 そういう意味で、法律の規定の中でも、いろいろと死刑執行に当たって考えなければならない要素というようなものも書かれているわけでございます。そういう意味で、私は、執行に当たっては慎重に考えていくということは間違っていないというふうに思っています。

○柴山委員
 全くお答えになっていません。刑訴法四百七十五条で、今大臣がおっしゃったように、死刑執行に当たっていろいろと考慮しなければいけない問題というのは確かに書かれていますよ。しかし、その一般論をこの上告審判決のときに述べることが果たして対外的なメッセージとしてふさわしかったんでしょうか。私は、このコメントを聞いた、二十五人を超える犠牲者の方々あるいは地下鉄サリン事件で負傷された六千人を超える方々、非常に納得がいかなかったと思うんです。今の御答弁で本当に国民に対して正確なメッセージが発信できたというように大臣はお考えになるんですか。

○平岡国務大臣 
 これも繰り返し御答弁申し上げているところではございますけれども、個々の事案についての死刑執行の問題については、検討しているかどうかも含めて、お答えすることは従来から差し控えさせていただいているという中で、一般論として申し上げたということで御理解いただきたいというふうに思います。

○柴山委員 
 一般論として、あるいは個別の事案については答えられない、それで辞職をした法務大臣もいますけれども、もし大臣が誠実に刑事訴訟法どおりに職責を全うしているのであればそういった答弁もあるいは受け入れられるかもしれませんけれども、大臣のこういった職責に対する姿勢が一向に見えてこないというよりは、逆に非常に後ろ向きである。先ほど私が申し上げたように、直近の凶悪犯罪について、あるいは御自分の被害者の方への対面の姿勢について、そういうところから私は、平岡大臣がこの治安の維持ということについて極めて関心が薄いのでないかというように感じざるを得ないわけです。
 そこで、お伺いします。このオウム真理教の地下鉄サリン事件、発生から十六年余りたちます。平岡大臣は、法務関係のお仕事をされて長いわけですけれども、この地下鉄サリン事件の遺族であられる高橋シズヱさんと何度お話しになったことがありますか。

○平岡国務大臣 
 このオウム真理教の地下鉄サリン事件が発生したときは私もまだ役所に勤めていたときでございまして、平成七年だったというふうに思います。そういう事件というので、大変私も、大きな事件が起こったということで自分自身もショックを受けたわけでありますけれども、今御指摘のあられた高橋シズヱさんについては、お会いしたことはございません。

○柴山委員 
 それでは、犯罪被害者が構成するさまざまな団体がありますけれども、その団体の方ですとか、あるいは被害者の会の岡村勲弁護士とは、これまで何度お目にかかったでしょうか。

○平岡国務大臣
 岡村弁護士とは、たしか法改正のときの参考人として来ていただいたときに、いろいろとお話を伺ったことがございます。
 犯罪被害者の方々について言えば、犯罪被害者週間がきのうまであったわけでありますけれども、そういう機会にもいろいろな方々にはお会いさせていただいているところでございます。

○柴山委員
 私は若輩でありまして、平成十六年が初当選です。しかし、私は、この方、当選してからこのわずかな期間に、高橋シズヱさん、そして今お名前を紹介した岡村勲弁護士、あるいは交通被害者の方を初め被害者団体、もう何十回もお目にかかっています。もちろん、弁護士会の方々ともお会いしておりますので、自分として被害者の方々に偏ったさまざまなヒアリングをしているとは思いません。
 ただ、この間、犯罪被害者の救済ということが、今も御紹介があったように国会の場でも議論をされ、そして、民主党の中でもこの法案をめぐってさまざまな取り扱いがされ、そして、平岡大臣も法務委員会の理事をお務めになられる中で、高橋シズヱさんとは全く会ったことがない、岡村弁護士とはこの法改正のときの参考人の質疑でお会いしただけだ、また、大臣になってから被害者週間で犯罪被害者の方々とお会いになっただけだというのは、私はちょっと、これまでの御経歴としてはいささか偏っているんじゃないかなというように思います。
 私と大臣とどちらがその席に座るのにふさわしいかということは、いずれ民意が判断することかというように思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 この私の質問が決まったのが実はついきのうでしたので資料としてお配りするに至っていないんですけれども、ここにあるのは、二〇一〇年五月二十三日、見直せ米軍再編五・二三岩国大集会、来るな艦載機、要らない愛宕山米軍住宅、連帯しよう沖縄・全国と、この集会に冒頭でごあいさつをされている平岡大臣のお姿でございます。
 説明書きがあります。一番手の平岡さんが登壇するや、民主何やってんだ、公約守れと怒号で騒然。平岡さんは岩国出身だそうで、断腸の思い、岩国の意思は総理に必ず伝えますと苦渋の表情であいさつしよったけんど、参加者は冷ややか。一人激高して壇上に上がろうとし、警備の人に連れていかれてしまうという一幕もという説明書きがあるんですけれども、これはホームページからの出典でございます。
 この事件について、平岡大臣、御記憶ですか。

○平岡国務大臣
 記憶はございます。

○柴山委員
 このときの平岡大臣の御感想を、あるいは今の時点で結構ですので、お伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣
 民主党が今から二年前の総選挙を戦うときに、米軍再編については、その基地のあり方を含め、見直しの方向で臨むということを申し上げておりました。当時の鳩山代表も、そういう観点に立って普天間基地の問題についてもいろいろと発言をされておられたというふうに思います。私も、民主党政権になってすぐに、そうした見直しの方向で臨むという方向でいた当時の民主党政権に対して、私は政府に入っておりませんでしたので、関係する大臣、外務大臣、防衛大臣等に対して、岩国の問題について、かつての政権ではこういうことが行われている、なぜこんなことになったんだろうかということについてしっかりと検証してほしいという、二十六項目の検証項目というものを提示して取り組んできたわけでございます。
 そういう一連の活動があった中で、最終的に、鳩山内閣の判断として、普天間基地については国外、県外は難しいという判断をされたということに対して、私自身も大変に残念に思いましたし、これに対しての地元住民の皆さんあるいはこれまで運動にかかわってこられた皆さんから私たちに対して厳しい御批判があるということもまたこれはやむを得ないというか、批判は甘受しなければならない、そういう思いでその集会に出させていただいたということでございます。

○柴山委員
 これまでの大臣のさまざまな活動に照らして、断腸の思いだったということなんですけれども、それでは大臣にお伺いします。
 一川防衛大臣が、つい先ほど、平成七年の九月に沖縄で少女を暴行したという有名な三米兵の事件について聞かれて、この事件について知らなかったというような発言をしたということなんですけれども、平岡大臣の感覚からいって、この一川大臣の発言をどう思われますか。

○平岡国務大臣
 ちょっと詳しい状況、一川大臣がどういう状況のもとで言われたのかということも私ちょっとわかりませんので、私のコメントは控えさせていただきたいと思います。

○柴山委員
 中身を知らなかったというコメントだったんです。これについて平岡大臣は、日本の防衛、特に米軍再編について責任あられる防衛大臣としてどのように受けとめていらっしゃいますか。

○平岡国務大臣
 柴山委員の言われていることを別に疑うわけではないんでございますけれども、どういう状況のもとでどういう表現を使われてどうなのかということがわからないということもございますので、私としてはコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)

○柴山委員
 今、同僚の稲田理事の方からも話がありましたけれども、支援者はがっかりすると思いますよ。
 最後に、大臣、このときの、というのは五・二三岩国大集会のときのいわゆる五団体との懇談会についての大臣の御発言を紹介しておきます。これもホームページが出典です。私は日本に外国の軍隊が居続けるのはおかしいと思う、あなたはこのように支援者の方々の前でおっしゃっているわけですよ。あなたのこういったスタンスと今のさまざまな答弁の食い違いというものを決して有権者の方々は見過ごさないであろうということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第179回 国会 衆議院 憲法審査会

第179回 国会 衆議院 憲法審査会 2号
平成23年12月1日(木)
午前十時三分開議

○柴山委員
 前回に引き続き発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 まず重要課題は、申し上げるまでもなく、国民投票法の三つの宿題、とりわけ、本法施行までの間に対応しなければいけない投票権の問題と公務員の政治的行為、これに関する法整備であろうかと思います。
 そして、先ほど、選挙権の十八歳の実現のための法整備については閣法でというお話があったんですけれども、これについては、当然、民法等関連の法律が非常に多岐にわたるわけでもあります。ですので、国会が閣議における立案にしっかりとコミットすることが私は極めて重要だと思いますし、一度この審査会の場で、関連する、成人年齢というものがどのようなものが想定され、そして十八歳への引き下げというものがどういう効果を持つかということをしっかりと検討する場を一覧表とともに設けることが私は有用だと思いますので、会長にぜひ御検討をお願いしたいというのが一点目でございます。
 そして二点目については、憲法の改正の中身についてでありまして、前回も私は申し上げたとおり、これについてもやはり、ここで集中的に議論をするべきだという考えを申し上げさせていただき、時代の変化によってその必要性が高まったということを申し上げさせていただきました。
 そして、私も実は一度ですべての改憲というものが実現できるとは思っておりませんでして、とりわけ、今、棚橋委員からもお話がございました九十六条の問題というものは、また、先ほど緊急権についてお話がありましたけれども、緊急性の高い部分についてやはり先行的に考えをまとめていくべきだというように思っております。
 九十六条については諸先生から慎重論がありましたけれども、私は、硬性憲法ということが、憲法の発議要件、国会での発議要件を引き下げることによってあいまいになってしまう、あるいはなくなってしまうとは思っておりません。
 何となれば、この硬性憲法の本質は、国民投票というプロセスが最後に控えているということ、それから、一般の法律と違って衆議院の優越性というものが定められていない、つまり、再可決ということが存在しないので衆参両方の決議が絶対に必要であるということ、この二点において、私は、憲法改正発議の要件を例えば二分の一に引き下げることによって硬性憲法の内実が損なわれることはない。
 その一方で、私は、国民一般により憲法の改正のチャンスを広く与える、しかも、政治的なバイアスということも懸念されますけれども、やはり国民トータルで議論することで、そのバイアスが党派的な色彩を薄めて深められるというように理解をしております。
 ですので、こういった優先的な課題についてぜひこの審査会で集中的に議論をし、そして国民にイエス、ノーがわかりやすく提起できるようにぜひ御検討いただきたいというように会長にお願いをいたします。
 以上でございます。

第179回 国会 衆議院 憲法審査会

第179回 国会 衆議院 憲法審査会 2号
平成23年11月17日(木)
午後九時十一分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 憲法調査会そして特別委員会でずっとお世話になってまいりました中山参考人、そして橘部長のお話を私も胸の詰まる思いで伺っておりました。
 あれから四年間の空白期間がありまして、私は、その間、国民投票法そして憲法を取り巻く環境は、大きくむしろ審議が必要な事態になっているというように考えております。
 この政権交代以後の、例えば普天間基地をめぐる問題等で、本当に日本がみずからの安全をみずから守れるようにしなくてよいのかという意見を私は地元で数多くの主婦の方からいただくようになりました。また、国民投票法の問題についても、原発立地の可否をどのように決めるか、あるいは先般のギリシャでのEU包括支援策を国民投票にかけることの是非等で、その対象について、これをどのように解するかということが、間接民主制をしく我が憲法との整合性から非常に大きく問題となってきていると思っております。
 先ほど、笠井議員や辻元議員からは、やはり国民の多くの意思を尊重すると、拙速に進めるべきではないというようなお話もありましたけれども、むしろ、その国民の意思をしっかりと確認するためにもこうした手続を進めるということが必要になってくると思いますし、政党色が憲法改正案にそれほど反映されてはならないというからこそ、国民投票がしっかりと硬性憲法の最終的な手続として定められていることも言うまでもございません。
 そういうことをもろもろ勘案すると、やはり私は、国民投票が一刻も早くしっかりと現実的な社会において機能するように、この投票法の三つの宿題をこの場で集中的に議論するとともに、今の憲法の緊急権制度を初めとしたさまざまな課題についても、それこそ並行して議論をすることを強く訴えさせていただきたいというように思っております。
 会長の精力的な審査会の開催を心よりお願い申し上げまして、私からの意見表明とさせていただきます。

第179回 国会 衆議院 法務委員会【NO.2】

第179回 国会 衆議院 法務委員会 第2号
平成23年10月25日(火)
午前九時開議

○柴山委員
 柴山昌彦です。二度目の質問をさせていただきます。
 今の棚橋委員の質問を引き継ぎますけれども、法務大臣の政務秘書官が公金詐欺で有罪判決を受けていたことが採用後発覚した。そして、それに基づいて、今月の十九日付で辞任の申し出があり、平岡大臣は自発的な辞職という形で処理をされたという御説明があったんですけれども、繰り返しの質問になりますけれども、九月の下旬に発覚しながら、なぜ十月十九日に辞表を受理するという扱いになったんですか。(発言する者あり)

○小林委員長
 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕

○小林委員長
 定足数になりましたので、では、速記を起こしてください。再開します。

○平岡国務大臣
 委員の御質問について言いますれば、本人からこういう事件で取材を受けているという報告があり、その中身について私なりに確認する必要があるということであったので、先ほども御答弁申し上げましたように、判決文あるいは関係者の供述調書といったようなものについて本人から提出を受け、さらに本人からもいろいろな事情を聞いたというような作業をしておりまして、自分なりに調査をし、その調査を踏まえた判断をするということに少し時間を必要としたということでございます。

○柴山委員
 今おっしゃったんですけれども、もうかなり前の事件なんですね。一件記録を読み、そして本人から事情を聞くのに一カ月必要だったとは到底思えません。十月二十日からこの臨時国会が始まり、そして、当然のことながら、この問題について法務委員会で追及される。
 ちなみに、この政務秘書官は、最後のお給料はいつもらったんですか。

○平岡国務大臣
 私としては、十九日付で退職したということ以上に今おっしゃったことについての情報は持ち合わせていません。

○柴山委員
 簡単なことですので、ここで確認をしてください。

○平岡国務大臣
 具体的な通告もございませんでしたので、後刻御報告をさせていただきたいと思います。(柴山委員「今すぐわかるでしょう」と呼ぶ)

○小林委員長
 特別な措置を講ずることがなければ、何日にやめると給料がどうなるかということは自動的に決まっていますので、多分、多分というか、自動的に決まったはずだというふうに大臣が申している。それを踏まえて質問してください。(発言する者あり)

○柴山委員
 まず速記をとめてください。

○小林委員長
 では、速記をとめて。
    〔速記中止〕

○小林委員長
 それでは、速記を起こしてください。再開します。
 では、大臣、回答を。

○平岡国務大臣
 今報告がありましたので、お答えいたします。
 九月二日から九月末日までのものについては九月十六日に支給をされた、十月一日から十月の十九については十月の十七日に全額支払われたけれども、勤務をしていない部分についてはこの後戻入するというのがルールになっているというふうに聞いております。

○柴山委員
 今御答弁のとおり、要するに、給与日をまたぐために辞任の時期をおくらせたんじゃないかという疑いが極めて濃厚なんですよ。要するに、給料泥棒ということで、事実が発覚をしていたのに、そういうことが非常に疑われるわけです。しかも、この政務秘書官は、公設秘書は辞任されているんですか、していないんですか。

○平岡国務大臣
 公設秘書も辞職をしております。

○柴山委員
 公設秘書の給料日はいつですか。

○平岡国務大臣
 公設秘書については、先ほどの説明にもありましたけれども、九月一日に公設秘書になって、九月二日に大臣秘書官になりましたので、九月の二日には公設秘書は辞職をしております。

○柴山委員
 要は、公設秘書に採用されたことによって、兼職の禁止ということで、公設秘書は自動的にやめた、そういうことでよろしいわけですか。失礼しました。
 それでは、ちょっと棚橋委員からの質問の補足ですけれども、これは、懲戒解雇相当ではないということで、退職金が支払われる扱いになるはずですけれども、退職金の額は幾らですか。

○平岡国務大臣
 退職金はなしというふうに聞いております。

○柴山委員
 それは、在職期間が短いからということでよろしいでしょうか。

○平岡国務大臣
 そのとおりであります。

○柴山委員
 いずれにいたしましても、先ほどお話があったように、極めて一般感覚からしておかしい処分ではなかったかなと。また、給与の問題も含めて、極めて不透明であるということを指摘せざるを得ません。
 次の質問に移らせていただきます。
 大臣、ことしの五月、今席をお立ちになっている黒岩宇洋前政務官にも質問をした、市民の党についてお伺いします。
 横浜市議会を国旗引きずりおろしという理由で除名された井上桜氏や、拉致犯で国際指名手配中の森容疑者及びよど号ハイジャック犯故田宮容疑者の子供で、三鷹市議選に立候補した森大志氏などが所属する市民の党、そして、その関係団体が菅直人前総理や民主党と資金面、活動面で密接な関係にあることについて、これを望ましいことと考えていますか。

○平岡国務大臣
 望ましいというふうには別に思いませんけれども、そこは私が論評することではないというふうに思います。

○柴山委員
 私が論評することではないというふうにおっしゃいましたけれども、政権与党の資金関係について、今言ったように、北朝鮮等との関係も疑われる団体との関係について、論評をするべきではないというふうに大臣はおっしゃったんですけれども、それでいいんですか。

○平岡国務大臣
 望ましいという言葉が何を意味しているのかというのは私もちょっとよくわからないんですけれども、個別の事案について、私の立場で、これがどういう法的評価を受けるかというふうなことも含めて、論評するのは適当でないというふうに思っております。

○柴山委員
 法務大臣は公安調査庁の責任者でもありますが、これについて全く情報を入手されていないんですか。

○平岡国務大臣
 私としては、特に報告は受けておりません。

○柴山委員
 既に同僚議員からさまざまな場面で問題提起がされ、そして何度も報道でも明らかになっているとおり、この市民の党については、責任者斎藤まさし、本名酒井剛氏がさまざまなセクトの活動をし、問題とされている。特に、この人物は北朝鮮、そして日本赤軍関係者らとの面会も認めている。そして、今申し上げたような形で、所属する構成員が横浜市議会やあるいは身内の関係者にそういう犯罪を犯したとされる方々がいらっしゃる。そういうような、極めて日本の治安で問題となり、そしてメディアでも報道されているということは、もうこれは公知の事実だと思います。そういった方々が民主党の議員に多額の寄附をし、そして関連団体は前総理の菅直人さんの資金管理団体に六千万円を超える寄附をしている。
 こういうようなことについて、私は論評する立場でないということを現職の法務大臣でおっしゃって、本当にいいんですか。

○平岡国務大臣
 お尋ねの政治資金の流れの詳細については私自身も承知しておりませんし、前提となる事実関係についても承知しておりませんので、よろしくお願い申し上げます。

○柴山委員
 では、今後調べるつもりはおありですか。現在活動している団体について、これについて関心を持つということはないんですか、あるんですか。

○平岡国務大臣
 捜査に関する話であれば、捜査当局が法と証拠に照らして適切に対応するというふうに思います。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、日本の治安にかなり大きな影響が出てくるのではないかというように考えられ、報道されている団体についての活動に、公安調査庁の責任者である法務大臣として関心を寄せないということでいいんですか、今後。

○平岡国務大臣
 公安調査庁が何をするのかということについては、一義的には公安調査庁が判断していくということだろうというふうに思います。
 私自身としては、御指摘のあった団体については現時点では承知していないので、どうすべきかということについてコメントすることはできません。

○柴山委員
 大臣は、山口二区の補欠選挙で、市民の党のメンバーの選挙応援を受けていましたね。

○平岡国務大臣
 市民の党というふうには承知しておりませんけれども、いろんな方々からの支援をいただいておりましたので、その中にはおられたのかもしれません。

○柴山委員
 把握をしているところによりますと、ざま市民の党、沖永明久市議会議員のホームページからの引用ですけれども、「衆院山口二区補欠選挙の結果から」、これは二〇〇八年四月二十八日月曜日、選挙の恐らく翌日ではないかと思いますけれども、衆院山口二区補欠選挙で民主党平岡さんの応援にこの間はほぼ集中と。「今後の政治の流れを決める重要な選挙でしたが、見事に平岡さんが当選。「死に体」の福田政権をさらに追い詰める結果となりました。」このように書かれております。
 また、市民運動家の方の、Dといいますけれども、Dという方のホームページからの抜粋ですけれども、衆議院山口二区補欠選挙の最終日、午前中は岩国の平岡事務所で電話かけをしました、電話かけを終えて、応援に来ていた市民の党の面々と一緒に平岡事務所を出ようとしたら、民主党の人たちが最敬礼で見送りしました、私は何だと思ってしまいました、こういうような記載があるわけですね。(発言する者あり)
 こうした団体、今、辻理事の方から政治活動の自由というふうに言われたわけですけれども、このように問題が指摘をされている団体からの応援をもって選挙戦を戦ったということについて、何らの痛痒も感じないということでよろしいでしょうか。

○平岡国務大臣
 委員がホームページ等でお調べになったことなので、多分応援に来ていただいていたのではないかというふうに思いますけれども、私自身は、市民の党であるかどうかということについては認識はございませんし、応援に来てくれた方々に対して最敬礼でお見送りというような形での感謝の気持ちを伝えるというようなことも、選挙ではそんなに不思議なことでもないような気がいたします。

○柴山委員
 私は、もう一度質問させていただきますけれども、問題のある方々が、団体の構成員、例えば私だったら、自分の選挙事務所に、いかに厳しい選挙だからといってですよ、言い方は大変失礼になるかもしれませんけれども、反社会的な団体の構成員が応援に来ているということがわかったら、即座に来るのをやめてくださいと言いますよ。それは私は、政治に携わる人間のモラルとして当然のことだと思うんです。
 今こういう形で私の方から問題点を指摘させていただいたので、今後大臣が御自分の選挙で、そういう方々からの応援の申し出があった場合、あるいはそのお申し出がなくても、今後選挙を戦われる場合に、そういう方々の応援は御遠慮したいということをきちんとおっしゃっていかれるかどうかということについてお伺いしております。

○平岡国務大臣
 反社会的団体であるのかどうかということの仕分けというものをどこでするのかということもあろうかというふうに思いますけれども、仮にそういう位置づけの団体であるということが客観的にも明白であるならば、それはお断りするということになるというふうに私も思います。
 ただ、その人がどういう団体に所属しているのかということについては、すぐに一見して判断がつくということでもないだろうというふうに思いますので、その辺は注意しながら対応しなければいけないことではないかというふうにも思います。

○柴山委員
 条件つき、すなわち、この団体が反社会的な団体であるかどうか明確になればという条件つきではありましたけれども、そのように判明した暁にはこうした団体からの応援は受けないということを今この委員会の場で明言されたということについて銘記したいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 先ほども質問がありましたけれども、郵便不正事件の国家賠償訴訟についての質問であります。
 大阪地検特捜部の担当検事が不当な形で自白を引き出し、冤罪ということで精神的な苦痛を受けたということで、村木元厚生労働省の局長から国家賠償請求があり、これに対して国側、国側というのは要するに法務大臣が被告となるわけですけれども、全面的に認諾をし、約三千七百七十万円を賠償するということになったわけでございます。
 ただ、これも先ほど質問にありましたけれども、この事件についての故意が当該取り調べの前田検事等の検事にあったということであれば、当然、こうした責任のある検事たちに求償していくということになろうかと思いますが、間違いありませんか。

○平岡国務大臣
 求償の問題については、先ほどの階議員とのやりとりの中でも申し上げたというふうに思いますけれども、あくまでも、国家賠償法第一条の第二項の要件に該当するかどうか検討した上で適切に対応してまいりたい、このように考えております。

○柴山委員
 大変重要な今の御指摘であったと思います。
 というのは、当該検事が、みずからが不法行為を行ったというように、国と同じように認めてくれればいいんですよ。だけれども、国からの求償訴訟でこの事実関係ないし法律関係を争ったことによって、国が求償債権を取りはぐれるという可能性があるわけなんですね。
 この取りはぐれるかどうかということを防ぐためには、例えば、元検事らとの一体的な判決を求めるというようなことをするべきではなかったかと思いますし、また、担当検事がどういうスタンスをとるかということについて事前に確認をする、あるいは訴訟告知をするというようなことも考えられたかと思います。
 こういうような、いわば国の大切なお金をしっかりと無駄にしないで確保するための方策というものを法務大臣はおとりになったんでしょうか。

○平岡国務大臣
 今言われたような措置はとってきていなかったというふうに承知しておりますけれども、これも先ほどの階議員の質問に答えました、今回のこの国家賠償請求について言えば、刑事事件の重要な証拠であるフロッピーディスクを改ざんする行為に及ぶという重大な犯罪行為が行われているという本件事案の特殊性にかんがみて認諾をしたというふうに承知しているところでございます。

○柴山委員
 改ざんをされたということは事実かもしれないけれども、それが国家賠償法上しっかりと請求を基礎づけるものであるかどうかというものは、ある程度訴訟が進行しないと見えてこないのが実態だと思うんですね。
 特に、前田検事等が全面的に否認をしているわけですね。全面的に刑事事件で否認をし、当然のことながら、そういった関連の求償事件についても争ってくるだろうということが明確な中で、事実関係をしっかりと法的な評価の裏づけをもって明らかにしない段階でこれを認諾するというのは、まさしく、先ほど来問題となっている検察改革に対して法務省として後ろ向きにしか取り組んでいないんじゃないか、結局事実隠ぺい体質というものが改まっていないんじゃないかという疑念を持たざるを得ないんですけれども、いかがでしょうか。

○平岡国務大臣
 本件については、認諾に当たりまして、私にも事前に説明があり、私も了承したという経緯がございますけれども、その説明の中には、この損害賠償請求事案の中身について、請求の趣旨に対する認諾というのは損害賠償義務の存在を認めるものという枠組みの中で、これは認諾せざるを得ない、認諾することが適当であるというような事案であるというふうに私としても判断をしたところでございます。

○柴山委員 要するに、法務大臣がこの判断についての責任を負うということなんですよ。事務方から説明が上がってきて、私が申し上げたように、将来それが国の、国庫の損失になり得るかもしれないという事情の中で、いわば法務省の人たち、事務方からの言い分をうのみにして、大臣御自分がその認諾をする。要するに、原告、村木元局長の言っていることを認めて争わないという判断をしたということですから、これが将来、もし求償債権が取りはぐれるということになった場合、これは大臣御身の責任になるということで間違いないですね。

○平岡国務大臣
 責任という言葉がどこまでのことを含めて考えるのかということはあろうかと思いますけれども、何がしかの責任というものは、それぞれ物事を判断するときには私はあるというふうに承知しております。

○柴山委員
 今ここで御自分の責任について言及をされましたので、次の質問に移らせていただきます。
 先ほどもお話がありました取り調べの可視化についてでございます。
 私も、この委員会で再三にわたり取り調べの可視化については質問をさせていただいておりますし、これを進めるということについては、基本的には大臣と意見、認識を共有しているというように考えております。
 ただ、その中でぜひお伺いしたいのは、冤罪を防止することももちろん大事なんだけれども、結局、うそをつけば逃げられると。要するに、取り調べが甘くなって、本来であれば、これまでのような取り調べであればしっかりと本人が自白をしたにもかかわらず、今後は、取り調べ官が萎縮をしたり、あるいは関係者のプライバシーですとか、それこそ反社会的勢力の構成員からの報復を恐れるなどして取り調べの実が上がらないというようなことになってしまってもこれは困るわけでして、どのようにこの可視化に伴う治安確保に対する悪影響というものを防止するのか、これについて大臣の御所見をお伺いします。

○平岡国務大臣
 ただいま柴山委員が御指摘になった話というのは、取り調べの可視化を図る中でも、特定の事案については、可視化をすることによっていろいろな別の問題と申しますか、犯罪を摘発したり、あるいは犯罪の手がかりをつかんだりというようなところに問題があるんではないかという御指摘だというふうに思いますけれども、その点については、十分にそういう問題を認識しながら可視化について検討していくべきであるというふうに私も思っております。

○柴山委員
 というふうに口ではおっしゃっているんですけれども、ただ、先ほど大臣は、新たな捜査手法の導入が可視化の条件ではないというようにおっしゃっているんですね。
 先ほど、GPS位置情報の獲得ということにはいろいろと副作用があるというような御質問もありました。それ以外にも、盗聴ですとか、あるいはおとり捜査、司法取引、先進国では当たり前のように導入されている捜査手法で、日本で取り入れられていない、あるいは不十分なものもあります。それを導入することが今後の自白に頼らない裁判というものに非常に重要なウエートを持ってくるのではないかと思うんですけれども、先ほどの大臣の新捜査手法の導入に対するいわば消極とも言える姿勢ということについては、私は非常にバランスを欠いたものがあるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○平岡国務大臣
 先ほどの私の答弁では、新たな捜査手法の導入が必ずしも可視化の実現の前提条件となるものではないと考えているというふうに申し上げたところを今御指摘されたというふうに思いますけれども、現在、これは国家公安委員会の方でも研究会をつくっていろいろ検討されているということでもありますし、また、法制審議会の中でもそういう検討結果というものも踏まえながらこれから検討をしていくということでございますので、私としては、その検討で大いにいろいろな問題点を議論していただきたい、このように思っているところでございます。

○柴山委員
 しっかりと国家公安委員会とも連携をして、こうした問題点について検討してもらいたいと思います。
 一方、国家公安委員会とは違いますが、先ほど申し上げたとおり、法務大臣は公安調査庁の責任者でもあるわけですから、くれぐれもこういったさまざまな情報収集についてのバランスを逸することのないような形での法務行政というものをぜひ心がけていただきたいというように思います。
 先ほどリーダーシップが見えないというお話がありましたけれども、こういう問題でこそ、やはりさまざまな機関での検討を踏まえてリーダーシップを最終的には大臣に発揮していただかなくてはいけないと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 もう質問時間があとわずかとなりましたので、最後に、城内委員からも質問があった人権救済法案についてお伺いしたいと思います。
 大臣は、記者意見で、遅くても来年の通常国会までにはこの人権救済法案を提出したいというように言われているわけですけれども、法務省の中の検討状況はそういうことでよろしいんでしょうか。

○平岡国務大臣
 部内の検討状況についても逐次報告を受けているところでございますけれども、この事務方からの説明の中では、法案提出の時期についてはいろいろな調整等もあって確定的なことは申し上げられないというふうに聞いておりますけれども、私としては、できる限り来年の通常国会には出せるように、私自身もいろいろな調整に取り組んでまいりたいというふうに思いますし、事務方にも督励をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○柴山委員
 そこまで急ぐ立法事実というのは一体何なんですか。先ほどの質問にもあったように、各国に確かに人権救済機関というものはありますけれども、今、日本で検討されているような網羅的な人権委員会という、三条委員会で、さまざまな調査権限もあるようなものをどんと据えるような仕組みを持っている国というのはないと私も理解をしております。これの成立を急がなければ日本の人権が侵されてしまうというような立法事実があるのか、ぜひお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣
 委員御案内のように、もともと、平成十三年の五月に人権擁護推進審議会が政府から独立性を有する新たな人権救済制度の創設を提言されたという過去の経緯というものがございます。その後、いろいろな議論がなされてきておりますけれども、先ほども申し上げましたように、国連の各種人権条約に基づく委員会も我が国に対してこうした人権機構の整備の必要性についてたびたび言及しておりますし、先ほども申し上げましたけれども、新たな人権侵害事態に対して対応するというのに個別的な対応をとっていくということでは迅速さに欠けるというようなこともございますので、我々としては、早急に、できるだけ早く政府からの独立性を有する人権救済機関を創設することが必要であるというふうに考えて行動しているところでございます。

○柴山委員
 個別の機関では救済がおくれるとおっしゃいますけれども、それは個別の機関のネットワークがしっかりしていないからたらい回しが起きるというだけのことなんです。
 それで、窓口をそんな世界に全く例の見ないような人権委員会という強大なものに一元化をしなければ救済の迅速性が図られないということは、諸外国の例から見てもあり得ないですよ。そんなものに意を注ぐぐらいでしたら、例えば法律扶助ですとかADRとか駆け込み寺の充実ですとか、そういうことをもっとしっかりとやっていくべきではないんですか。
 今度の第三次補正予算でも、例えば福島で放射能のいわれなき中傷を受けた人たち、あるいは、さまざまな原子力による損害を風評被害も含めて受けた人たちの権利の救済ということに対する法律扶助の予算というものが計上されていないじゃないですか。そういう身近な、本当に必要な施策を充実させずに、みずからの既得権益の拡大につながるような、そんな機関を設置することについては極めて疑問が大きいということをこの場で申し上げさせていただいて、時間ですので質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第179回 国会 衆議院 法務委員会【NO.1】

第179回 国会 衆議院 法務委員会 第2号
平成23年10月25日(火)
午前九時開議

○柴山委員 
 柴山昌彦です。
 このたび、自由民主党、影の法務大臣を拝命しましたので、平岡大臣とはさまざまな議論をさせていただくことになろうかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、米軍再編に絡み、大臣の政治姿勢についてお伺いします。
 今の政権が厚木基地からの空母艦載機五十九機の御地元岩国基地への移設を進めている理由は何でしょうか。

○平岡国務大臣
 米軍再編というのは、委員も御案内のとおり、抑止力の維持、そして地元負担の軽減ということであるというふうに理解しております。
 その中で、特に私なりに理解しているのは、空母艦載機が厚木にあるべきなのか岩国にあるべきなのかについて言うと、抑止力の維持という観点からするならば、私は、余り大きな違いはないのではないだろうかと。むしろ、厚木基地周辺における地元負担というものを、岩国の方が、どちらかといえば飛行場が海に面しているわけでありますから、負担が小さいというような視点で行われたのではないかというふうに私としては認識をしているところでございます。

○柴山委員
 余り違いはないけれども、どちらかというとと。負担の違いということで岩国基地への移設を進めているというような御説明だったかと思います。
 それで、ことし九月二十七日の衆議院予算委員会における我が党河井議員の質問に対して、大臣はこの件について、「賛成とは申し上げませんけれども、閣議で決まったことについては従っていく所存でございます。」と答弁をされました。間違いありませんか。

○平岡国務大臣
 一言一句は覚えておりませんけれども、たしか、委員が今御指摘になられたような趣旨のことは申し上げたというふうに記憶しております。

○柴山委員
 これまで大臣は、この米軍基地再編あるいは空母艦載機移転の反対派の集会に出席をされ、この問題について反対の意見を繰り返し表明されてきたというように考えておりますけれども、閣僚に入ったら、それについては閣議決定すれば従う、そういうことでよろしいのですか。

○平岡国務大臣
 委員も御案内だとは思いますけれども、一政治家としての発言あるいは一政党人としての発言というものと閣僚としての閣内不一致の問題等については、既に政府見解というものが出されておりまして、その政府見解によれば、閣僚の一人が一政党人、一政治家として自分の意見を述べることは、それはそれで差し支えないけれども、閣議で決定したことあるいは閣内で統一して実施することについて従うということがあくまでも前提となっての話であるというような、これも細かい表現ぶりは覚えておりませんけれども、たしか平成五年、当時の統一見解として示されているというふうに記憶しております。その範囲内で私も行動してきているつもりでございます。

○柴山委員
 それでは、滝法務副大臣にお伺いします。
 副大臣は、平成十七年の七月、時の小泉内閣において法務副大臣をされておりました。私が副大臣に何度か郵政民営化法案について質問をさせていただきましたね。大臣は、この法案に反対を貫かれるためにどういう行動をとられましたか。

○滝副大臣
 どういう行動かということでございますけれども、さかのぼれば大変長い昔にさかのぼるものですから一つ一つ覚えておりませんけれども、基本的には、郵政民営化そのものに対しては大変危惧を持っておりましたので、これを何とか郵政事業全体として立ち行くようなシステムに修正すべきだ、こういう観点から常に行動をしてまいりました。

○柴山委員
 平成十七年七月の四日、どういう行動をとられましたか。

○滝副大臣
 七月五日に衆議院の本会議でいよいよ採決がある、こういうことになりましたので、それまで、何とか郵政事業が事業として成り立つように修正をしてもらいたい、そういう行動をとってまいりましたけれども、いよいよその修正もだめになる、こういうことでございましたので、私は、七月四日の午後三時ぐらいでございますか、当時の法務大臣に法務副大臣としての辞表を提出させていただきました。

○柴山委員
 そうなんです。副大臣は、小林委員長と同じように、この郵政民営化法案に対して反対の意向でありました。当然のことながら、政治家としての意思とそして閣内の一員としての行動というものは別だ、平岡大臣おっしゃったとおりかもしれません。しかし、そこで滝副大臣は、南野知恵子法務大臣に対して辞表を提出されたんです。
 再度確認しますが、平岡大臣、平岡大臣は、米軍基地再編に反対して閣僚を辞任することなく、閣議決定を進める立場だということでよろしいわけですね。

○平岡国務大臣
 予算委員会の場でも申し上げましたけれども、今私がすべき最も重要なことは、私の地元の中にさまざまな声がある、その声をしっかりと政権、内閣に伝えることであるというふうに考えております。そういう認識のもとに、しっかりと活動してまいりたいというふうに思っております。

○柴山委員
 私の質問に答えていただいておりません。
 再度お伺いします。
 大臣は、米軍基地再編に反対して閣僚を辞任することなく、閣議決定を進める立場だということで間違いないわけですね。

○平岡国務大臣
 閣議決定を進めるというのが、私の与えられた法務大臣という職責の中で何か具体的なことがあるかどうか、私はわかりませんけれども、閣議決定されたことについては、閣僚の一員としてそれには従ってまいります。

○柴山委員
 いや、その閣議における決定、閣議というのは全会一致が旨とされておりますけれども、賛成の意思を表じられる、サインをされるということで間違いないですねということを申し上げているんです。

○平岡国務大臣
 これから行われるべき閣議決定というのがどういう内容になるかということをあらかじめ想定しての発言にはしたくないと思います。
 閣議決定をされることがあるのであれば、そのときに、どういう閣議決定であるべきかについてはしっかりと意見を述べていきたい。その結果として、閣内で、みんながこういう認識でいこうということであるならば、それはそれで私も従ってまいります。

○柴山委員
 今大臣がおっしゃいました、閣議の中でみずからの意見については申し上げたい、そして議論をしたい、そのかわり、議論をした結果には従う、そういうように私は受けとめさせていただきました。
 では、お伺いします。
 そのようなプロセスを経て、納得してサインをされたら、大臣は、今後大臣を退かれた後でも空母艦載機の移設に反対するのか、それとも賛成をするのか、どちらでしょうか。

○平岡国務大臣
 今の仮定の話は、私が大臣を退いたらということだけではなくて、民主党が、あるいは民主党政権がこれからの米軍とのかかわりをどう持っていくのかについては、その時々の国際的な情勢あるいは国内情勢によって変わってくるというふうに思いますので、内容をあらかじめこれというふうに想定して、どうするのかということについてはお答えしかねます。

○柴山委員
 私の質問を御理解していただいていないようなので、再度質問をさせていただきます。
 どのような閣議が行われるか、それは不明確だ、そのとおりです。私は何も、将来行われるべき閣議のプロセスを今ここで予言しろとか、どういう結論が出るかとか、そういうことを平岡大臣にお尋ねしているのではありません。私が平岡大臣にお尋ねしているのは、先ほど大臣みずからお述べになったように、閣議でみずからが参加をし議論をして決まった結論について、それに従うとおっしゃいましたけれども、その将来出た結論については、内閣を離れた後についてもその方針を堅持されるということで間違いないんですか、そういうふうにお伺いしているんです。

○平岡国務大臣
 質問の趣旨が私にはよく理解できないところがあるのかもしれませんけれども、閣議決定をしたときの情勢というものと、その後の時を経て起こっている状況というのは違うわけですよね。ですから、あるときにこういうふうに閣議決定しました、だからそれを未来永劫守っていかなければいけないというふうな立場には多分立たなくて、やはり閣僚として、その内閣が続いている限り、その閣議決定したことが新たに変更しない限りはそれは生きているということでいいと思いますけれども、閣僚でなくなった後にかつての閣議決定の中身に従うのかということについては、一概には私は申し上げられないというふうに思います。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、今、平岡大臣は、閣議決定が行われ、そしてその後、閣僚の一員たる地位をやめられた後の事情の変化というものがあるだろうというようにおっしゃいました。そのとおりだと思います。事情の変化があれば、それに対して政治も動きます。
 ただ、当該時点の判断については、これに参加をし、そしてその決定に加わったということについて、それをひっくり返すというようなことを御地元でされることはいたしませんねということを私は聞いております。

○平岡国務大臣
 今のお話は、閣僚時代に閣議に参加して決定したことについては、閣僚でなくなっても、それを地元との関係では守っていくのかという御質問だったのかなというふうに思いますけれども、それは、先ほども申し上げたように、その時々の情勢についてはいろいろ変化がございますから、その変化を見ながら、閣議決定した当時の状況というものを踏まえて、なおかつ維持しなければならないものであれば維持していきたいと思いますし、維持するという状況ではなくなっていると思えば、それは政治家の一人として、自分の考え方を、その時点における考え方を主張していくということになろうかというふうに思います。

○柴山委員
 この質疑の様子は、当然のことながら議事録にしっかりと記載されるわけです。
 今、大臣は、みずからお話しになったように、閣議決定後、みずからが閣僚たる地位を離れた後、事情の変化があれば、それについては考慮するということをおっしゃいましたけれども、少なくとも、その時点において決断したことについて、その時点での判断について、御地元でこれをひっくり返して、いやいや、あのとき私は反対だったんだというようなことはおっしゃらないということを今ここで明言されたということでよろしいわけですね。

○平岡国務大臣
 閣議決定をする前の、閣議でのいろいろな意見交換といいますか議論の中では、閣議決定とは異なる意見を述べているかもしれません。その事実を私は否定するものではありません。
 私はこういう主張をしたけれども、閣議の中では多くの皆さんの意見がこういうことであり、私も、全体的な流れの中で、それは自分としても受け入れざるを得ないということであったというような事実関係の説明は当然あってしかるべきだというふうに思いますけれども、私が参加した閣議決定において、私はその閣議決定に反対だったというふうなことを言うということ自体は、私にはちょっと想像がつかないところでございます。

○柴山委員
 それは賛成をするということですよ。署名をするということは、それはいろいろと議論はあったかもしれないけれども、賛成すると。
 滝法務副大臣が辞任をされたように、政治家としての立場と閣僚としての立場は確かに一致はしません。だからこそ、滝副大臣は辞任をした。そして、小林委員長、今、後ろにいらっしゃいませんけれども城内実委員は、自民党の決定に賛成できないということで党を離れられているわけですね。私は、立場は違いますけれども、そういった滝先生、小林先生、城内先生の行動自体は敬意を持って受けとめております。
 先ほど大口委員が平岡大臣にいろいろと質疑をされて、平岡大臣は別人みたいだというふうにおっしゃったんですよ。私もそう思いますよ。
 だって、平岡大臣のこれまでのさまざまな活動や、あるいはいろいろと培ってきた政治的な実績に平岡大臣の御地元の有権者は信頼をし、そして一票を平岡大臣に投じておられると思うんですね。だけれども、立場が違って、いや、これまでは移設に反対だったんだけれども、大臣になったから進めます、あるいは、大臣じゃなくなったからまたもとに戻って反対しますということでは、有権者は一体何を信じて投票すればいいんですか。
 もう一度お答えください。

○平岡国務大臣
 有権者の皆さんには、私の主張なり意見なりというものは、私の責任においてしっかりと説明してまいりたいというふうに思います。
 私が別人のようだというお話がありましたけれども、別人ということではなくて、今までも、野党時代を含めていろいろなことを考えながら、そのときにおいて最も主張すべきことを主張してきたというふうに考えております。

○柴山委員
 それぞれの議員が地元で、私は反対だったんです、でも政府が私の言うことを聞かないんです、皆さんの思いを実現するために、私を次も、またその次も当選させていただいて、ポストにつけるようにしてください、そう言って選挙活動をされていらっしゃる方がかなり多いんじゃないかなと思うんですよ。実際、ポストにつくと、役所の決定、閣議の決定に従いますと。こういうのを詐欺というんじゃないんですか。違うんですか。

○平岡国務大臣
 どういうふうに呼ぶかというのは、私も、ちょっと適当な言葉が見つかりませんので、そういうふうにいうんじゃないですかと言われても、そうですと言えるような見識は持ち合わせておりません。

○柴山委員
 見識を持ち合わせていないということをお答えになったことに失望を感じざるを得ません。
 次の質問に移ります。
 大臣は先日の就任あいさつで、「国民が安心して生活することができるよう、社会の法的基盤を整えることが、法務省の大きな役割である」とされています。一方、いわゆる共謀罪や死刑の問題については一言の言及もありませんでした。その理由をお聞かせください。

○平岡国務大臣
 どの場面のお話をされているのかというのも私にはちょっとよくわかりませんでしたけれども、死刑の問題についてはいろいろなところでいろいろな質問等がありまして、所信ですか、失礼いたしました。今、私が述べたところというのは、所信、あいさつのことであったというふうにちょっと指摘がありました。その中には特に触れられていませんけれども、その問題について言えば、私にとってみれば、共謀罪の問題は既に私たちの考え方として整理されている問題であるというふうに思いましたので、特に入っていなかったかというふうに思います。
 死刑の問題については、私なりの考え方を整理しなければいけないということでありますので、ここで所信として述べるほど固まった考え方は今持ち合わせていないということでございます。

○柴山委員
 共謀罪の関係は、今後、もしかすると別の議員からも質問があるかと思いますが、それでは、死刑の問題についてお伺いします。
 千葉景子元法務大臣が法務省内に設置した勉強会について、大臣は就任会見において、ここで御自分の考えを、今おっしゃったように、整理をするとした上で、考えている間は当然死刑執行の判断はできないとお話しになりました。間違いありませんね。

○平岡国務大臣
 前後の脈絡があろうかと思いますけれども、その部分だけ取り上げれば、確かにそのように申し上げたと思います。

○柴山委員
 その御発言の当否はともかく、では、いつになったらその死刑執行の判断というものをされるんですか。

○平岡国務大臣
 その問題については、今ここで具体的に申し上げられるような状況ではございません。コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○柴山委員
 それはおかしいですね。当然、勉強会というわけですから、成果が出るはずであります。お勉強ばかりずっとやっているというわけじゃないと思います。具体的な時期をまず当然お答えいただきたいんですけれども、それに加えて、今言ったような勉強会がどのような段階になったら判断できる段階だと言えるのかということをお聞きしたいと思います。

○平岡国務大臣
 委員御指摘の勉強会については、先日も新しい政務三役になったところで初めての開催をさせていただいたところでございます。
 その勉強会では、これまでの勉強会がどういうことをやってきたのかということについて総括的なおさらいをするということでございました。さらに、これまでの勉強会がやってきたことについて同じような問題意識を持って取り組んでいくということについても合意をさせていただきました。
 今後の取り進め方については、法務省の政務三役を初めとして、この勉強会に参加しているみんなと協議しながら考えていきたいというふうに考えているところでございます。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、そうすると、具体的な時期のみならず、その勉強会の検討状況がどのような段階になったら死刑執行をするかしないかを判断するようになるのかということも、今この段階で、大臣になった、しかも勉強会のレクチャーを受けた、その段階にあってもお話しすることができない、そういうことでよろしいですか。

○平岡国務大臣
 今の段階では申し上げることはできません。

○柴山委員
 死刑制度が法律上明定され、刑事訴訟法四百七十五条一項に、これが大臣の判断、職責であるというように定められているということは御存じでしょうか。

○平岡国務大臣
 刑事訴訟法第四百七十五条に死刑の執行についての規定がございます。第一項が「死刑の執行は、法務大臣の命令による。」、第二項は「前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。」というふうに規定してあるということについては承知しておるところでございます。(発言する者あり)

○柴山委員
 今、棚橋筆頭理事の方からもあったように、四百七十五条二項には、死刑の判決確定の日から六カ月以内に、今おっしゃった再審請求とか、さまざまな特段の事情がなければ、法務大臣は死刑執行の判断をしなければいけないと明確に書かれているわけなんですよ。
 今、勉強会でいろいろと議論をされていることはともかくとして、既にこういう法律がある以上、民主党政権になってから千葉法務大臣のもとで二件だけ死刑は執行されましたけれども、これに反してずるずると滞留をさせているということは職務の懈怠じゃないですか。いかがですか。

○平岡国務大臣
 死刑の執行については、大変重い刑罰でございますから、その執行に際しては慎重な態度で臨む必要があるというふうに考えております。
 それに加えて、私が一つの問題意識として持っておりますのは、現在、国際的な状況を見たときに、OECD三十四カ国の中で死刑制度が維持されているのは三カ国、その中の一つである韓国は過去十年間死刑が執行されていないということで、国連の事務総長の発表によれば事実上の死刑廃止国、そしてもう一つ、アメリカ合衆国は五十州ある中で十六州は死刑を廃止している、こういう状況にあって、いろいろな国際機関からも、あるいは特にヨーロッパ諸国からも、日本の死刑制度についての問題提起というのがされているという状況にあるわけです。
 そういう状況もやはりしっかりと我々としては踏まえて、死刑制度のあり方をどうするのかということを考えなければいけない時期に今来ているのではないか、こういう問題意識も私の中にはあるということも、あわせて御理解いただきたいというふうに思います。

○柴山委員
 さまざまな国際的な潮流ですとか、あるいは諸機関からの指摘というようなお話がありましたけれども、私たちは、当然、日本国憲法のもとで法制定、そして法運営をしているわけですね。現在の死刑制度は、憲法に反しているんですか。

○平岡国務大臣
 憲法解釈を私がする立場ではございませんけれども、私が承知している限りにおいては、最高裁の判決でも、日本の死刑あるいは死刑の執行の仕方については、違憲という判決が出たことはないというふうに承知しております。

○柴山委員
 非常に正確な御答弁、ありがとうございました。
おっしゃるとおり、我が国の死刑制度、そしてその死刑のやり方も含めて、最高裁の判決で憲法に反してはいないということが明確に判示され、そしてそれは現時点でも変更されておりません。何度かこれについては争われていますけれども、判例は変更されておりません。
 とすれば、先ほど大臣みずからが御指摘のとおり、現在の刑事訴訟法四百七十五条のもとでは、法務大臣は、少なくとも、どのような確定事案があり、そして死刑執行を判断するべきかどうかということを精査した上で、職務執行を行うべきと考えるのですが、違いますか。

○平岡国務大臣
 私も、私の職務は適切に執行してまいりたいというふうに思っております。その中で、さまざまな要素を考えながら、何が今の時点で最も適切なのか、このことについても判断をしてまいりたい、このように考えています。

○柴山委員
 私の質問に答えられていないんですけれども。今の憲法そして憲法解釈、そして刑事訴訟法のもとで、今の平岡大臣のスタンスというものが違法状態になるのではないかということをお聞きしているんです。

○平岡国務大臣
 これも、かつての判例でございますけれども、地方裁判所段階での判例ですけれども、刑訴法四百七十五条二項の規定についての判断が示されております。先ほどの六カ月以内に執行するということについてでありますけれども、こういうふうに述べております。
 第二項の趣旨というのは、第一項の規定を受け、死刑という重大な刑罰の執行に慎重な上にも慎重を期すべき要請と、確定判決を適正かつ迅速に執行すべき要請とを調和する観点から、法務大臣に対し、死刑判決に対する十分な検討を行い、管下の執行機関に死刑執行の準備をさせるために必要な期間として六カ月という一応の期限を設定し、その期間内に死刑執行を命ずべき職務上の義務を課したものと解される。したがって、同条第二項は、それに反したからといって特に違法の問題が生じない規定、すなわち法的拘束力のない訓示規定であると解するのが相当である、このような判例も出ているということを御紹介申し上げたいというふうに思います。

○柴山委員
 今、この六カ月は訓示規定だという下級審の判断があるということをおっしゃいました。私もその判例についてはよく存じております。
 しかし、今まさしく御答弁になったとおりに、それは、法務大臣がそれぞれの事件について慎重な検討をすることを前提として判断されているわけですね。大臣は、今、滞留件数百二十件と言われていますけれども、この確定死刑案件について、そういった十分な検討をされているんですか。

○平岡国務大臣
 ちょっと質問の趣旨が明確に私には把握できていないことがあるかもしれませんけれども、死刑執行の問題については、いろいろな影響を生じさせる問題であるので、従来から、検討しているのかどうかについてはコメントは差し控えるというふうに、これまでも対応してきたところでございます。(発言する者あり)

○小林委員長
 それでは、まず質問者からもう一度。
 柴山君。

○柴山委員
 一言で再度お伺いします。
 滞留されている、百二十件を超えると言われている確定死刑判決の案件について、平岡大臣は、その職務執行、つまり死刑の執行のための検討を行ったんですか、行っていないんですか。

○平岡国務大臣
 死刑については、先ほど来から申し上げているように、人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であって……(発言する者あり)ちょっと待ってください。最後まで聞いてから。
 事務方から死刑執行のために具体的な案件が上がっているか否かを含め、死刑執行の検討を行っているか否か等、その執行の判断にかかわることについて大臣である私から発言すること自体で、死刑の執行を待つ立場にある死刑確定者の心情の安定を害するおそれがあるものと考えられており、従来から、死刑執行の検討を行っているか否かについてはお答えを差し控えさせていただくということとさせていただいております。

○柴山委員
 先日、九月二十七日のテレビ中継入り予算委員会において、我が党の河井委員が、百二十人の経歴、事件、読んだのかというように質問されたとき、平岡大臣は「その資料はまだ見ておりません。」というふうにちゃんと答えているんですよ。違いますか。

○平岡国務大臣
 そのときは確かにそう申し上げましたけれども、その時点では、まだ私が法務大臣に就任して間がない時期であったので、当然そういうことが想定されるということで申し上げたところでございます。

○柴山委員
 想定というのは何ですか。

○平岡国務大臣
 一般的には、就任して間がないときに、どれだけのことがどれだけできるのかというのはある程度想定できるというふうに思います。そういう意味で、就任して間がないときなのでそこまでは手が回っていないということで、そういうふうに申し上げたということでございます。

○柴山委員 九月二十七日の予算委員会の質問のときから、きょうは十月二十五日、一カ月近くたっておりますけれども、それこそ、先ほどちらっとお話があったような時間の経過、事情の変化があったということをおっしゃっていると善意に解釈をさせていただきました。
 次の質問に行きたいと思います。
 大臣は、覚えておられるでしょうか、四年前に出演された「太田光の私が総理大臣になったら」という番組で、息子を少年のリンチで殺害された被害者の母親の眼前で、目の前で、加害者にもそれなりの事情があった、子供たちにどうなってもらいたいのと発言し、猛烈な批判を浴びています。
 あなたは犯罪被害者の気持ちというものについてどう考えておられるんですか。

○平岡国務大臣
 あのときの状況については、私が言った発言そのものの是非がどうかということではなくて、犯罪によってお子さんを亡くされた方に対して質問をする、あるいは私の言葉で物を申し上げるということについて、被害者の御遺族への配慮に欠けていた部分があるということで、その当時もおわびの気持ちを明らかにさせていただいたところでございます。
 ただ、被害者の皆さん方の問題については、実はあのテレビは、放映されたのは多分五十分程度だろうと思いますけれども、二時間半ぐらいにわたって議論をしまして、被害者の方々に対するいろいろな支援なりあるいは救済なりというようなことについてもしっかりと議論したんですよ。そのことについて、みんながやはり被害者の皆さんに対する支援なり救済なりというものはしっかりやらなきゃいけない、どうやったらいいんだろうかというふうなことについてもしっかりと議論しました。
 しかし、その部分については一切放映されていないという状況の中で、あの部分だけが取り上げられていましたから、そういう意味では、私が被害者に対して何の温かい気持ちもないというふうに受けとめられるような状況になっていたのではないかということで、その点については、私は大変に申しわけなく思うとともに、残念に思っているところでございます。

○柴山委員
 犯罪被害者の問題について、オンエアされなかった時間帯について、しっかりと関心を持って議論をされたという大臣のお言葉ですから、それでは大臣、現在法務省で進められている犯罪被害者権利強化の方策はどのようなものがありますか。御自分で把握されているものを事務方に聞かずにこの場で説明してください。

○平岡国務大臣
 犯罪被害者の問題について言えば、犯罪被害者給付金という仕組みも随分前に出てきておりますけれども、果たしてそれで十分なのかどうかというような問題、あるいはメンタルケアについて、どういうふうな形で支援していったらいいのか、さまざまな取り組みをしているところでございます。

○柴山委員
 メンタルケアと給付金の問題、二つだけお答えになりましたけれども、被害者の問題について二時間検討されたという割には随分あっさりとしたお答えじゃなかったかなと思います。
 これ以外にも、当然のことながら、裁判の結果を遺族の方々に通知する、あるいはそういった方々に陪席をしていただく、あるいは、今メンタルケアというお話がありましたけれども、さまざまなカウンセリングの制度を充実していくというのは当然のこととして、あとは、やはり今、例えば振り込め詐欺などで各金融機関に滞留しているお金をこういった犯罪被害者の御遺族の方々、そういう方々に支給をしていく、本当にさまざまな方策がとられているわけです。
 犯罪被害者基本法に基づいて、犯罪被害者あるいはその御家族に対してさまざまな政策をもっともっと私たちは幅広くとらなければいけないということを訴えさせていただいているので、大臣、そういうことについても、ぜひしっかりと温かい心を持って進めていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○平岡国務大臣
 まさに柴山委員が言われたように、犯罪被害者に対するいろいろな支援、救済、あるいは生活設計等についてもできる限りの支援をするということが大事だと思います。
 先ほど私が、裁判における犯罪被害者の方々の関与の問題とか、あるいは委員が御指摘になった振り込め詐欺等の被害の救済の話については、既にある程度の法律も整備されているということでございますので、今それについて特に具体的な検討をしているということではないという意味で申し上げませんでしたけれども、裁判制度の問題、あるいは犯罪による被害の復活、そうした点についても当然取り組んでいかなければならない課題であるというふうに考えています。

○柴山委員
 死刑の問題についてもう一つお伺いします。
 大臣は、御地元の山口県光市の母子殺害事件の死刑判決について、御自分の山口二区補欠選挙でどのように説明をされていましたか。

○平岡国務大臣
 私は、補欠選挙でこの問題について何か訴えたという記憶はございません。
 先ほどの私のテレビでの発言というのも、タイミング的にいうと、判決が出る前に収録をされ、そして判決が出た後に放映されたというような時間的関係の中で取り扱われていたというふうに承知をしているところでございます。

○柴山委員
 死刑の判決が出て、その後、先ほどのテレビ放映があって、そしてその後、まさにあの山口二区の平岡さんの補欠選挙があったのですね。当然のことながら、しかも地元の問題ですから、特に平岡さんというのは法務行政に明るい方ですから、死刑制度のあり方ですとか、あるいは治安の根本をどう考えるかとか、そういうことは訴えてしかるべきじゃなかったかなというように思うんですけれども、そういうことが全く、街頭演説とかあるいは議論をなさらなかったということでよろしいわけですか。

○平岡国務大臣
 あのときの選挙をちょっと思い起こしてみますと、当時の与党の大物政治家の方が来られて、私のテレビにおける発言と光市における事件とを結びつけて私を批判するような場面があったというふうに私としては承知しておりますが、私自身は、光の事件について言えば、これは司法で裁かれている問題でもございますので、私からこの問題についてとりたてて何か主張するといったようなことはなかったというふうに記憶をしております。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、法務行政に通じ、そして先ほど来お話があるように、この法務委員会で筆頭理事として治安の問題、死刑の問題についてずっと議論をされてきた平岡議員が、この選挙においてこういうことについて一切口を封じていたというのは、私は全く納得ができない部分があるかと思います。
 時間がもう間もなく経過をしてしまいますので、後で私の持ち時間はもうワンピリオドありますので、残りの質疑はそちらの方にゆだねたいと思いますが、給費制の問題についてお伺いしたいと思います。
 法曹の卵、司法修習生への給費なわけですけれども、従来、国が司法修習生の生活資金を公費の給費で賄っていたところ、平成二十二年の十一月から無利息の貸与制となるはずだった。しかしながら、さまざまな考慮の結果、議員立法によって一年間の給費制の延長ということになっていたわけです。
 先ほどちょっとお話がありましたが、衆議院の法務委員会では、平成二十三年の十月三十一日までに、所要の検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることという附帯決議をされています。
 きょうは十月二十五日、十月三十一日まであと六日間であります。法務省としてどのような検討をされたのか、お伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣
 先ほど来からいろいろとお話が出ておりますけれども、法務省の中では、法曹の養成に関するフォーラムというところで、まさにこの法務委員会の決議をしっかりと受けとめるための議論を積み重ねてまいりました。八月にそのフォーラムで第一次取りまとめというものが出ました。
 そこの中身は、貸与制は貸与制でありますけれども、法務委員会の決議の中にも示されているように、司法修習が終わった方々の経済的状況というものをしっかりと踏まえた制度にすべきであるということで、司法修習終了後五年たったところで返済が開始されるわけでありますけれども、そのときのその人の経済状況というものをしっかりと踏まえた制度であるべきだということで、そのために必要な法案の提出の準備を今させていただいているというところでございます。

○柴山委員
 先ほども少し大口委員の方からもお話があったんですけれども、余りにも枝葉末節、びほう的な検討に歪曲化、矮小化されているんじゃないかというように言わざるを得ません。
 この法曹養成フォーラムは、今、給費制、貸与制の問題というものは法曹養成トータルパッケージの一局面として、総合的な検討を加えるという形で発足をしているはずなんです。にもかかわらず、この期限間際になって貸与制の経済的な困窮の状況についてちょこちょこっと検討して、それで今回法案を出そうとしている。
 この法案にも私はいろいろな議論すべき論点があると思っていますよ。それについてはこの後の質疑で突っ込ませていただきたいと思いますので、私の持ち時間は過ぎましたので、ひとまずここで終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 法務委員会

第177回 国会 衆議院 法務委員会 第16号
平成23年6月15日(水)
午前十時三十分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 今回、私たち自由民主党の第三次提言におきまして、相続の承認または放棄をすべき熟慮期間を延長してほしいという要望を出していたところでしたので、こうして対応していただいたことには率直に感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、先ほどもお話がございましたとおり、私どもの提言は五月中に既にされておりますので、時間的に大変時間がかかり過ぎているんじゃないかなということには不満を申し上げたいと思います。
 さらに、幾つか伺いたい点がございます。
 まず、今回の大震災で多数の相続が発生してしまって、その相続人の救済のために一律の熟慮期間延長処理をする必要性があることはわかります。しかし、震災の前に相続が発生していて、通常であればあと一日で相続放棄のできる三カ月が経過してしまうはずだった方が、たまたま三・一一の災害があったからといって、こうした震災で相続が発生した方々と全く同じ救済を受けるというのは、公平の観点から問題だとお思いになりませんか。提出者、いかがでしょうか。

○階委員
 柴山委員にお答えします。
 今の点は、提案者としても、立案段階で悩んだ点でございます。震災前に相続の放棄の熟慮期間が進行中の方々を救済の対象にすべきかどうか、かつ、今御指摘のような残り一日というような人まで救済の対象にすべきかどうか、その点は悩んだわけでございますけれども、たとえ残り一日であっても、その最後の一日に大災害が起こった、そして、相続する財産、それまではプラスだったかもしれない、しかし、震災によって家も店舗も漁船も何もかも流されて、今度は、プラスだと思っていたのが大きくマイナスになっているかもしれない、そのように状況が大きく変化し得る今回の大災害でございます。
 したがいまして、熟慮期間が現に進行中だった方々についてもこの際救済対象にすべきではないかというように考えまして、このような立案をさせていただきました。

○柴山委員
 最後の部分は理由になっていませんからね。
 というのは、震災前に例えば単純承認をした人は、これでは救われないんですよ。単純承認をした後、この震災によって財産が失われたということと、さっき言った一日残っているという利害状況というのがそんなに違うのかということは、今、階議員が御指摘になった最後の理由によっては、私はちょっとやはり不均衡というのは説明できないんじゃないかなと思いますので、まずその点を申し上げたいと思います。
 それともう一点。民法の時効であれば、期間の途中でも、一定の事情があれば、リセットをして、改めてすべての進行を始めるという中断制度というものはございます。しかし、天災などの場合は、そういった障害がなくなってから二週間は時効が完成しないという意味での時効停止制度が認められているにすぎず、これと同様に考えた場合には、先ほど私が申し上げたように、震災前に相続開始を知った被災相続人に関しては、災害復興、ひとまず、一段落させる日を法定した後、より短期に権利関係を確定させることとすべきではないでしょうか。あるいは、相続を知ったのが震災の前後を問わず、震災から一定の日までに一律に残存期間の進行を停止させる、こういうふうにすることが簡明かとも思われるんですが、以上のような二つの道については考えられないんでしょうか。

○階委員
 まず、震災前に相続の開始を知った人について二通りのやり方、一つは、一定期間を置いて、三カ月というよりも短期に権利関係を確定するということでございますけれども、それについては、私どもは、確かに御指摘のようなことも考えられるかと思いますけれども、やはり一律に制度を構築するということがわかりやすいのではないかということでございます。
 それからもう一点、震災前に、平時の状況で熟慮期間が一カ月なり二カ月なり進行していたわけでございますから、その部分についてはもうカウントせずに、残った、残存期間の分だけ熟慮期間を延長すればいいのではないか。例えば、我々の考え方に沿えば、八月末から残り期間一カ月なり二カ月ということで考えればいいのではないかということでございますが、いろいろ委員の御指摘も踏まえてまた議論もさせていただきましたけれども、やはり、相続を知った日がいつであるかということが、震災の結果によって証明するのがなかなか難しいこともあるのではないかという問題があるかと思います。
 したがいまして、相続を知った日ということを立証せずとも、しっかり必要な期間は熟慮できるという意味では、八月末から三カ月という期間を設けてあげるというのが震災前の相続人に対しても望ましいのではないかというふうに考えました。

○柴山委員
 ちなみに、財務省にお伺いしたいんですけれども、国税通則法では、十一条で、災害その他やむを得ない理由によって期限までに申告などをできないときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から二カ月以内に限り、当該期限を延長することができると定められています。この手続は、今回の震災に当たってはどのように適用されているのか、また、今回のこの相続に関する熟慮期間の扱いとのバランスをどう考えたらよいのか、御説明ください。

○尾立大臣政務官
 柴山委員にお答えいたします。
 国税における申告期限の延長、特に災害等に関しての質問でございますが、今委員御指摘のとおり、国税通則法第十一条においては、災害その他やむを得ない理由により申告等の行為をすることができないと認められるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から二月以内に限り、期限を延長することができるとされております。
 この理由のやんだ日ということでございますが、これは、申告等をするのに差し支えないと認められる程度の状態に復した日、この日を起算日といたしまして、国税庁長官または税務署長等が二月以内の日を延長期限の期日と指定することとしております。
 現在どうなっているかということでございますが、震災発生後、三月十五日に、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の五県全域をこの延長の対象地域と指定をいたしました。そして、今も継続中でございますが、一部、青森県及び茨城県、これは比較的被害が軽微と判断し、もう申告の準備ができるということで、平成二十三年七月二十九日を延長期限の期日と指定をさせていただいたところでございます。

○柴山委員
 まず、エリア的には、青森と茨城が今、七月二十九日という形でおしりを区切ったというか、期限を到来させたという扱いにしたんですけれども、災害救助法の適用地域を見ますと、青森は除外されていて、茨城は入っているんですよね。ですので、国税とこの相続とでエリアの不均衡、扱いの不均衡というものが生じてしまう。これは一体どのように考えたらいいのか。ちょっと通告していないんですけれども、もし説明があればお伺いしたい。
 あと、今御説明があったように、要は、申告ができる期間を終わり二カ月間延長するということですから、それは別に、既存の権利関係を、例えば時効の中断のようにフルに延長させる、例えば、相続税の申告期間がそれより長い場合には、それには全く影響しないというようなことで間違いないですか。

○尾立大臣政務官
 済みません、税法上の扱いだけ私の方から御説明させていただきますが、先ほど青森、茨城の両県のことの質問がございました。実は、なお書きがございまして、この二県についても、個別の申請によって、どうしても申告ができないという場合にはさらなる延長ができるということになっております。
 以上、国税の扱いでございます。(柴山委員「あとの質問に答えてください」と呼ぶ)

○階委員
 国税のお話だったかと思いますけれども、多分、委員の問題意識をそんたくさせていただきますと、我々の法案は、遡及効というものを設けて、一たん熟慮期間が終わったものについても復活させるとか、あるいは熟慮期間の残存期間が短いか長いかにかかわらず一律延長している、そこが国税とは違うのではないか、こういう問題意識なのかと思います。
 しかし、この点については、先ほどの繰り返しになるかもしれませんけれども、今回の震災によって状況が大きく変わったということで、私どもは一律に十一月三十日というふうに定めさせていただいたということでございます。

○柴山委員
 よく理解できません。
 次の質問に移らせていただきます。ちょっと先ほどの質疑の中で納得のできない質疑がありましたので、確認をさせていただきます。
 震災後の承認、単純承認でしょうか、個別の事情によるというような御答弁があったかと思うんです、その効果が。要するに、動機の錯誤に当たるけれども、その動機が表示されていないから、それが必ずしも効力を有しないというようなお話だったんですが、これは条文を読むと、明らかに、震災後の法定単純承認については、猶予、延長ですね、相続熟慮期間の延長の保護を受ける、震災後の法定単純承認であれば。要するに、相続人の債権者の保護というものは一歩後ろに下がるとしか読めないですよね。だって、これは当該相続人についても適用されると。
 発災日前の法定単純承認はこの限りではないと書いてあるわけですから、これを反対解釈すると、発災後の法定単純承認事由においては、これは法定単純承認というのは意思表示ではありませんから、要するに、事実関係に対する債権者の保護というものを優先するために、それを承認と同じように扱うというのが法定単純承認ですから、これについては、やはり、発災後にそういう事情が生じた場合は、例えば財産の処分とかそういうものは一律に、やはりもう一回相続放棄をし直すことができるというように解釈しないと、私は、法文にも適合しないし、法定単純承認のもともとの趣旨にも合致しないと思いますので、そこをちょっと確認させてください。

○江田国務大臣
 熟慮期間経過後に、そして本法律案の施行前に、単純承認を意思表示によって行った場合には、錯誤という問題が出てき得る。ただし、その錯誤は、その場合にはこれは動機の錯誤ですから、表示をされていなければ法律行為の錯誤による無効という問題にはならないので、そこのところの、法律が後からできて、何もしなければ、遡及適用で熟慮期間が十一月の三十日まで延びるということについて錯誤があったということが法律行為にどういうふうに影響するかということは個別の事情によるということを申し上げたのであって、法律行為の錯誤の問題を今申し上げたところでございます。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、あくまで法律行為の効力の問題であって、この熟慮期間の延長には当然影響しない、そこは間違いないですね。

○江田国務大臣
 私が先ほど御説明させていただいたのは、法律行為の効力の問題です。

○柴山委員
 続きまして、住所の意義についてお伺いしたいと思います。
 今回の法案の文言によれば、東日本大震災におきまして、先ほど申し上げたとおり、災害救助法が適用された市町村の区域に震災時に住所を有していた者となっておりますけれども、この住所の有無の判断に住民票の登録というものは関係がないということを再度確認させていただきたいと思います。

○辻委員
 住民登録の有無というのは、そこを実質的な住所としているということを推測させる資料としては重要でありますけれども、民法上の住所というのは生活の本拠とするということでありますから、住民登録の有無とは関係なく判断されるということで間違いありません。

○柴山委員
 それでは、震災時に単身赴任をしておられた方が相続人になった場合というのはいかがでしょうか。また、介護のためにその地に滞在をしておられたというような方はいかがでしょうか。

○辻委員
 お答えします。
 いずれも、具体的な事情によって裁判所により判断されるということでありましょう。
 単身赴任の場合には、やはり、赴任期間の長短とか、家族のもとへの往来の頻度等の事情を勘案して判定することになりますし、介護のための滞在の場合も、その滞在期間等を勘案して判断する。いずれにせよ、個別の事案における具体的事情を具体的に判断して、裁判所により認定されるものと考えております。

○柴山委員
 それはいかがなんでしょうか。
 今言ったような、個別の事情によって住所かどうかを判断するというその考え方自体は私は正しいと思うんですけれども、いかなる疎明資料があればそのような住所地性というものが判断されるかということでございます。

○辻委員
 例えば、郵便物が届いているとか光熱費の支払いをしているとかいうようなものも具体的な判断材料でありましょうし、通勤証明や通学証明というものがその地域でとれるということであれば、それも具体的な資料として有益であります。また、近所の人とか友人、知人が、確かにそこに住んでいたとか日常生活をしていたという、例えば陳述書をとったり証言をしていただくということが具体的な判断材料となると思います。

○柴山委員
 しかし、先ほどの階議員の御答弁によると、そういった個別の、例えば、相続が発生したかどうかというものがわかった時期というものを判断する資料が流されてしまったから一律三カ月間にするという御説明があったわけですね。
 相続を知ったということの疎明資料はなくなっちゃったけれども、住所地かどうかということを判断する例えば光熱費等の領収書は持っているということを考えるのは、私はちょっとおかしい立論じゃないかなというように思うんですけれども、いかがでしょう。

○階委員
 私が今考えますに、やはり、相続を知ったかどうかというのはすぐれてプライベートなことで、なかなか自分以外に証拠資料を持っている人は少ないのではないか。
 一方で、どこに住んでいるかということは、先ほど辻委員もお答えになりましたけれども、学校であり職場であり、あるいは隣近所の人であり、周りの人から証明していただける可能性が高いのではないかということで、私どもとしては、委員御指摘の点について、特段矛盾はないのかなと思っております。

○柴山委員
 ひとり暮らしの方もいるでしょうし、周りの方々がみんな津波で流されてしまったというような方もいらっしゃるでしょうから、私は、それは程度問題だと思いますよ。
 次の質問に行きますけれども、これは、発災時には当該エリアに住んでいたけれども、事後的に域外の仮設住宅に避難をしたというような方々については含まれるんでしょうか。

○辻委員
 発災時にそこを生活の本拠としていたかどうかが判断の基準です。

○柴山委員
 先ほども桑原委員の方から御質問がありましたけれども、遠く離れたところに避難をされておられる方々は、今回のこういった処理についてほとんどわからないと思うんですね。ですので、それに対する周知徹底方法というものが非常に重要になると思うんですけれども、こういった域外に避難しておられる方々への周知というのはどのようにされるおつもりなんでしょうか。

○辻委員
 例えば、私の選挙区の堺にも、被災地の方々が約百世帯の規模で避難されておられます。ですから、全国あちらこちらに避難をされている被災者の方々には、やはり最終的には市町村で具体的に周知徹底を図る必要があるだろう。
 ですから、法務省の方でウエブサイト等々で周知されることとあわせて、先ほど桑原委員への大臣の御回答にもありましたけれども、とりわけ市町村に対してその周知を徹底させるということが重要かなと考えております。

○柴山委員
 くれぐれも、不都合、また救済の手が漏れないようにお願いをしたいと思います。
 私の質問は以上です。ありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 法務委員会

第177回 国会 衆議院 法務委員会 第15号
平成23年5月31日(火)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 今も少し出ましたけれども、今回の、コンピューターウイルス作成段階で処罰可能とする法案は、私たちが前政権で治安確保のため必要だと考えて一体として提出した法案のうち、組織的な犯罪の共謀を処罰可能とする部分を落としたものです。
 ともに、現行法の処罰範囲を、実害発生以前の行為という点で拡大することを内容としながらも、国会で承認した条約に基づく法整備であって、一方の共謀罪はあれだけ強硬に反対だとしておきまして、一方のコンピューターウイルス作成罪は結構ですという方針に、民主党との調整はきちんと済んでいるんでしょうか。

○江田国務大臣
 きちんと済んでいると理解をしております。

○柴山委員
 済んでいたらいいんですけれども、前々回の質疑で橘委員から、民主党の法務部門会議では、相当これは異論であったり反対というものが相次いでいたのですが、何かいつの間にか結局決まってしまって、法案が提出をされてしまったんじゃないかといった印象を持つものでありますというような御指摘もありますし、また、橘委員のブログでも、手続上の問題ということがるる書かれているように思います。
 さはさりながら、民主党の党内手続が仮に済んだといたしましょう。今御指摘のあった共謀罪については、これはどうなっているのかということについてぜひお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣
 前政権といいますか、一昨年の九月の政権交代以前の政権が提案をされておりました共謀罪、いわゆるつきですが、これについて民主党として反対という態度を決めているのは、これは事実でございますが、そのときに出されましたさまざまな問題点を踏まえて、条約締結のための国内整備にどういうものが必要であるか、可能であるか、これは党としても十分検討をこれからしていただけるものと思っております。
 共謀罪というのは犯罪の実行に着手する前の段階の処罰、コンピューターウイルスは作成という実行行為が行われた場合の処罰でありまして、根本的に違うので、そこは、先ほど委員の御質問の冒頭にありました点はちょっと見解を異にするかなと思っております。

○柴山委員
 ところが、これまで累次の共謀罪での質疑におきまして、例えば対象犯罪を絞り込むですとか、今、江田大臣がおっしゃったように、純粋たる共謀はやはり処罰の対象とするのはおかしいんじゃないかというような御指摘を受けて、明確な外部的行為というものを伴った形でやはり処罰をするというような、さまざまな限定の方向での修正ということも議論されてきたことも事実なんですね。
 コンピューターウイルス作成罪についても、いろいろと濫用のおそれがないように修正をしているわけですから、これとしっかりと理論的な一貫性を貫くような形で共謀罪についてもぜひ検討していただきたいと思うんですけれども、江田大臣は、これに対して、新規立法が必要かどうかはいろいろ意見があるというようなことも、今お話があったように前回質疑でおっしゃっていますが、結局、いつまでにどうされるんですか。

○江田国務大臣
 これは今、この委員会でもいろいろ御質疑があったところで、両方の意見もございますし、また関係省庁との協議も十分進めていかなければならないことでございまして、いつまでにという確定的な日時を今お答えする段階には至っていないと思っております。

○柴山委員
 しかし、コンピューターウイルスに対する対応も喫緊の課題かもしれませんけれども、さまざまな組織犯罪だとか暴力団とかあるいはテロへの対処ということも、これもやはり国際的な喫緊の課題でもあります。
 前回の質疑で、組織犯罪防止条約の五条に定める共謀罪または参加罪の立法化などの措置がなければ結局条約上の義務を果たしたことにはならないと、同僚の稲田議員などの質問に対して外務省が明確に答弁をされていましたが、これについて再度確認をさせていただきたいと思います。

○武藤政府参考人
 お答えいたします。
 国際組織犯罪防止条約、TOC条約でございますけれども、この五条1、これは、重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団の活動に積極的に参加することの少なくとも一方を犯罪とするということを義務づけてございます。したがって、この条約を締結するに当たっては、上記行為のうちいずれか一つが犯罪とされている必要があると考えております。
 TOC条約につきましては、平成十五年に国会承認をいただきまして、その国内担保法についての議論がなされてきたところでございますけれども、TOC条約の締結に伴う法整備については、これを進めていく必要があると考えておりますが、条約に従っていかなる形で進めるのが適当かという点も含めて、関係省庁との間で協議をしながら検討を行っているところでございます。

○柴山委員
 必要性はありますし、今お話があったように、やはり何らかの形で、どういう形をとったらいいのかということは協議をしなければいけないわけですから、くれぐれも立法不作為というようなそしりを免れないように、どういう検討が行われているかということも含めて、しっかりと……(発言する者あり)辻議員、ちょっとやじを飛ばさないでください。しっかりと議論の状況については委員会でも明らかにしていただくようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○江田国務大臣
 これは、今まさに関係省庁がしっかり議論をしていくべきことであって、その議論については、もちろん委員会での審査の対象になるものと思います。

○柴山委員
 次の質問に移りますが、事前には通告をしていませんが、先ほどちょっと大臣の答弁をお伺いしていて気になる点がありましたので、一点確認をさせていただきたいと思います。
 フリーソフトウエアのバグの問題で、バグがあることを知りつつも、引き続きそれをインターネット上の提供状態に置いていた場合に、提供者にウイルス提供罪、ウイルス供用罪が成立するかどうかというところで、大臣は、成立する可能性はあるんだけれども、ただ、目的として、損害や誤作動を与えるというような積極的な目的を持っていなければこれを処罰できないというようなお話をされていたのかなと思うんですけれども、ただ、これは条文を見ると、目的はあくまでも「電子計算機における実行の用に供する目的」というように書かれておりますので、大臣がおっしゃったような目的を私は限定の材料にすることはできないんじゃないか。
 もちろん、利用者の推定的な承諾、推定的という言葉を使うかどうかはともかく、それは一つ根拠になります。あと、正当な理由なくといって、つまり、やはり一定のそういったバグがあっても、それを上回るさまざまな効用というものがあれば、これを提供し続ける正当な理由があるのかどうか。そういうようなところで縛りをかけるのはともかく、条文上、やはりこの目的のところで限定というものをすることはできないんじゃないかなというように思いますので、江田大臣、先ほどの御答弁を繰り返してください。

○江田国務大臣
 条文の一つ一つの文言についての細かな解釈ということになりますと、私もよく吟味をしながらお答えをしなきゃならぬかと思いますが。
 全体にこれは故意犯で、そしてもちろん故意は積極的な故意だけじゃなくて未必の故意と言われるものもあるわけですけれども、やはりそういう故意犯であるということは一つの縛りになるし、さらに、フリーソフトウエアというものが持っている社会的な効用、フリーソフトの場合にいろいろなそういうフリーズなどのことが起きるということをあえて引き受けながら、しかし、フリーソフトの世界をより有効に、有用に社会的に活用していこう、そういう、ここへ参加をしてくる者の多くの認容というものはあるわけで、そういう意味では、ある程度のバグ的なものがあってもこれは許された危険ということになっていくのだと思いますし、そこはまた、もし時間がありましたら、この条文の一語一語について細かなコンメンタール的な解説というものは必要かと思います。

○柴山委員
 今御指摘のように、許された危険というのは一つの考え方かと思います。
 続きまして、保全要請の問題について質問をさせていただきます。
 今回、通信履歴の電磁的記録の保全をプロバイダーなどに要請する制度を新設するに当たって、書面によることとするとともに、要請主体を検察官、検察事務官や司法警察員に絞りました。そしてまた、「差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるとき」に限定をいたしました。しかし、これらはいずれも捜査側の行為規制であって、濫用防止として不十分じゃないかという指摘もあるところです。
 そこで、大臣に伺うんですけれども、この保全要請の運用状況の国会報告など、外部の目を入れる制度について検討されていますか。

○江田国務大臣
 濫用防止について、保全要請をする側にいろいろな縛りをかけるということで濫用にわたらないようにしようという努力をしてまいりまして、ここまで歯どめをかけますと、濫用ということは考えがたいと思っております。
 さはさりながら、やはりどの程度の件数、どういうものがあったか、そうしたことを把握して事後的に報告をする制度を設けてはどうだという御指摘については、そういう御指摘をいただいているところでございますが、なかなか、捜査現場の負担のことも考え、また、迅速かつ機動的な捜査に支障が起きるかといったことも考えていかなければいけませんので、そうしたことを総合勘案いたしますと、これが濫用にわたらないよう適正に運用されること、これの周知を十分していき、そして、それを踏まえた上で、運用を見守らせていただきたいと今のところ思っております。

○柴山委員
 ちょっと今の御答弁には納得できません。というのは、今申し上げたとおり、書面によって要請するということを義務づけているわけですよ。紙が出ているわけなんです。紙の枚数を数えれば、すぐにそんなもの、事務作業なんかは必要なくわかるわけですよね。
 また、緊急性というふうにおっしゃいましたけれども、これは別に、捜査の途中に出せなんて私は言っているわけではありません。実際に捜査を遂げ、そして、要請の後に続く差し押さえなんかも終わった形で、その件数ですとかあるいは要請した理由、こういうものをただ統計的に報告させればいいということですから、これに例えば警察上の何か手間が過大にかかるということは全く考えられないと思うんですけれども、警察庁、いかがですか。

○樋口政府参考人
 通信履歴の確保は、私ども、サイバー犯罪の捜査、検挙が非常に大きな課題になっていますけれども、それだけではございませんで、各種の犯罪捜査で、被疑者特定で欠かせない捜査事項でございます。
 現状におきましても、御承知のとおりでございまして、通信事業者の通常の保存期間の制約があるものですから、現状でも、捜査の進捗状況を踏まえて、必要があると考えた場合には、関係の通信事業者に対しまして特定の通信履歴の保存をお願いいたしておるところであります。その際には、過度の負担にならないように、十分な配意をしながらやっておる。
 ただ、件数的には、申し上げますと、サイバー犯罪に限らず、さまざまな犯罪捜査で必要があるものですから、サイバー犯罪の検挙だけでも、昨年、年間で約七千件ございます、等々勘案をいたしますと、保全要請の件数は相当多数になるものですから、仮にこの報告が求められるということになりますと、捜査現場にとりましては非常に大きな負担になるのではないかと危惧をいたしております。

○柴山委員
 紙の枚数を集計して出すということに、そんなに私は、そんな十万件も二十万件もあるなら話は別ですよ、負担があるとは到底思えませんので、ぜひこれを国会報告の対象にしていただきたいということを、この法案とは別に強く要請させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 法務委員会

第177回 国会 衆議院 法務委員会 第11号
平成23年5月17日(火)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 昨日付で、中村明福島地検検事正を交代させるという人事が発表されました。これは、私が三月三十日に質問させていただいた、東日本大震災後、同地検が勾留中の容疑者を処分保留で釈放したことを問題とした更迭処分でしょうか。

○江田国務大臣
 福島地検における委員御指摘の被疑者の釈放、これは、個別の事案について、さまざまな要素を判断してなされたもので、違法であるというようなことはなかったと思っておりますが、しかし、釈放された者が後に同種の事犯を起こすとか、軽微だと言われたものが必ずしもどうかなというようなことがあったとか、あるいは関係の役所との連絡がどうも十分ではなかったのではないかとかいろいろなことが言われて、混乱が生じたこと、これは確かでありまして、反省しなきゃならぬ点もあるし、私も申しわけないということを言ったところでございます。
 そうしたことも踏まえて、さらに、当該検事正の在任期間も相当の期間になっているとか、あるいは震災後の対応で大変な状況にあった福島地検も落ちつきを取り戻してきたとか、関係の役所との連携を一新しなきゃいけないとか、そうしたことを総合勘案して、人心一新の趣旨も込めて、人事異動ということをいたしました。
 委員の御指摘の点も踏まえているというふうに御理解いただければと思います。

○柴山委員
 率直な御答弁、ありがとうございました。
 続いて伺います。
 釈放された被疑者については、その後、身柄の所在の把握や、捜査は進んでいるんでしょうか。

○江田国務大臣
 これは、私は、いろいろな、やれ処分だとか何だとかのことよりも、まずはこの釈放した事件についての捜査をしっかりと遂げて、そして適切な最終処分に全力を挙げてほしいと願っておりました。
 そして、現在、警察ともいろいろ協力をいたしまして、釈放した被疑者三十一名のうち、既に福島地検が発表しております部分もございますが、残りの事件も含めてすべて処分ができる見込みになったというふうに承知をしております。すべての処分が終われば、その段階で検察庁から発表するものと思っておりますが、そういう状況にやっとなってきたということを申し上げておきます。

○柴山委員
 とにかく、被災されている住民の方々に生じる不安というものをぜひ払拭していただきたいと思います。三十一名の方々の中には、私が前回のこの質疑で申し上げたように、住所不定の方もいらっしゃると思いますので、それは今法務大臣が重い御答弁をされましたので、引き続き、この案件の推移については見守らせていただきたいというように思っております。
 法案質疑に先立ちまして、もう一つ確認をしたいことがあります。
 前回の当委員会で、黒岩政務官は、あなたが御自分のキャッチフレーズとしていた越後の暴れん坊という名称を使い、その上、あなたの名前が収支報告書の表紙に載っている登録政治団体の存在をお認めになりました。
 この団体は、あなたを応援する団体ということで間違いありませんね。

○黒岩大臣政務官
 せんだっての委員会でも、私、答弁させていただきましたけれども、私の承知しているところでは、その団体は、その他政治団体ということで、いわゆる二号団体ということだと承知をいたしております。その際に、私のことを応援するという意思を持ったということを、今委員御指摘のような、書面上あらわれているということで承知をいたしております。

○柴山委員
 前回の、同僚である河井議員の指摘によれば、横浜市議会を国旗引きずりおろしという理由で除名された井上桜氏や、拉致犯で指名手配中の森順子容疑者及びよど号ハイジャック犯故田宮高麿容疑者の子供で、三鷹市議選に立候補した森大志氏などが所属する市民の党に、この越後の暴れん坊が献金と選挙応援をしていたということですが、政務官はこれらのことは御存じでしたか。

○黒岩大臣政務官
 それらの事実については、私は承知をしておりませんでした。

○柴山委員
 あなたは、越後の暴れん坊の役員である山本ひとみ市議会議員、菅総理のおひざ元である武蔵野市の市議さんですけれども、この役員の方を御存じだと前回答弁されました。間違いありませんね。

○黒岩大臣政務官
 山本ひとみさんという方が市議をしているということは存じ上げております。

○柴山委員
 前回の質疑後、今私がいろいろと申し上げたことについて、越後の暴れん坊の山本さんを含む役員に事実を確認されるなどの行動をとられましたか。

○黒岩大臣政務官
 事実確認ということがちょっとどういうことかあれなんですけれども、ただ、この前も私、申し上げたんですけれども、私が参議院をしているときに、当時、選挙に向けてさまざまな勝手連が、最初の補欠選挙のときもそうですが、その後の二度目の選挙のときにも多数の勝手連ができたということは、私、承知しております。その中には、例えば私の黒岩という名前を使ったところもあるでしょうし、私のキャッチフレーズを使ったようなところもあるでしょうし、そういった幾つもの勝手連というものができたということは承知しております。
 そのうちの一つが、政治的に、政治団体として多分登録をされたんでしょう。ですから、そういったことで私を応援いただけるんだったらそれはありがとうございますということだったと思います。ですが、その団体がその後、どういう独自の政治活動をされているかというようなことは、私、せんだっても何度も申し上げましたけれども、私自身は承知をしておらなかったということでございます。
 ただ、そういう経緯の中で、時間がかなり経過した中で、もともと私のことは応援してくださる、参議院のときはということは認識しておったんですが、その後、時間の経過によって、応援するとかそういったことも、多分、当初の向こうの団体の意図等とも、今時点では現状が変わってきているという認識もありますので、私の事務所の方からは、先方の団体の方には、私を応援する意図とか団体とかそういったことではないような、そういうような事務的な手続をしてほしいということは私の方から申し上げました。

○柴山委員
 ちょっとわからなかったんですけれども、あなたのキャッチフレーズを冠している越後の暴れん坊という団体で、しかも、あなたの登録政治団体であるというその団体の方に、あなたを応援するという形をとらないでくれというようにあなたの事務所から要望した。
 具体的には、一体どのような手続で何を要望したんですか。もっと具体的に細かく教えてください。

○黒岩大臣政務官
 繰り返し申し上げますけれども、私の団体、黒岩の団体というところは、ちょっと事実の考え方というのがいろいろとあると思います。
 私の場合は、一号団体では、例えば私の資金管理団体とか、私が代表者を務めているような団体が一号団体ですので……(柴山委員「質問に答えていただければ結構です。誤解していませんから」と呼ぶ)今の委員の御指摘のような二号団体ですと、応援をいただく場合は被推薦書とかそういった書類を当初出しておると聞いておりますので、それについて、異動届というのでしょうか、そういった書類を出していただくように要請をいたしました。

○柴山委員
 名称の変更は申し入れましたか。

○黒岩大臣政務官
 名称は、そこは、その団体自体がどういう意図か、主体的にやっておるので、そこまでは申し入れてはおりませんけれども、ただ、誤解を招くようだったら、その活動は……。名称変更については特段何かを申し上げてはおりません。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、武蔵野市議さんが役員をされていて、それで横浜市議さんですとか、あるいは、今言ったように、三鷹の方から立候補をされた、問題のあるとされる方々がいる中で、越後の暴れん坊という団体、しかも、あなたの名称を付した収支報告書が提出されている、そしてあなたを応援する団体である。これは私は極めてイレギュラーだとしか言いようがないと思っています。
 だから、この名称はやはりあなたとの結びつきを強く推認させるものですから、これは名称も含めて変えさせるのが当然じゃないですか。

○黒岩大臣政務官
 今委員からそういう御指摘を受けまして、それは私としても、また自分なりにしっかりそれは考えさせていただく、きょうはこう答えさせていただきます。

○柴山委員
 そもそも、先ほど来私が申し上げた市民の党ですとか、所属メンバーである井上桜氏の、河井議員がいろいろと指摘をした事柄について、あなたは御自身でどう評価されているんですか。

○黒岩大臣政務官
 これもせんだっての委員会で申し上げましたけれども、ある政治団体は政治団体として独自の活動をされているということだと理解しておりますので、そのことについて私が特段どうこうというのを評価という形でするのは、それは政治団体にとっては政治活動の自由があるというのは一般論としてあると思いますので、それ以上のことは私はなかなか申すことはできないと思っています。

○柴山委員
 ここにあなたのホームページのコピーがあります。「黒岩たかひろブログ 本人が書く活動日記」とあります。この二〇〇二年六月二十八日の部分を今から読み上げます。繰り返します。あなたが書いた活動日記です。
 ところで皆さん、横浜市議除名のニュース知ってますよね。写真は
 このブログには写真が添付されています。
 写真は二十六日付新潟日報の社会面です。
 概説すれば、横浜市議会が議場に国旗を掲揚することに反対した女性市議が二人、議長席を六時間に渡り占有し、強制退場。その後、その責を負って議会の四分の三以上の多数決をもって市議を除名されたと言うもの。
 写真左のきれいな女性が、除名された井上さくら市議。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この度の補選、一ケ月ほど新潟に入り、私のうぐいすをして下さった方です。さくらさんとは堂本選挙以来の付き合い。当時、「気の強い方だな」という印象でしたが、確かに気は強いが、気さくな素敵な方です。
 今回の騒動での問題点は二つ。一つは国旗国歌法を通過させたとき、国歌斉唱や国旗掲揚の強制はしないと政府は言っておきながら実際には様々の現場で強制が行なわれていること。もう一つは「除名」という重い処分。
 政令指定都市では初めての議員除名。有権者からの負託を受けた議員と言う身分を議会の多数決で剥奪すると言う、およそ民主主義を崩壊させかねない暴挙。
 さくらさんに早速電話したら意外にしょげてました。この事件は新潟日報のみならず全国各紙、朝日新聞にいたっては社説で取り上げるほど。凄まじいパブリシティー効果です。裁判をおこすでしょうから「横浜市議除名処分裁判」として日本の稚拙な議会制民主主義の足跡として後世に残ることでしょう。「功績デカいよ」と伝えたら喜んでいました。
 さくらさん頑張れ。
 これがあなたの日記です。あなたが書いた日記ですよ。(発言する者あり)

○奥田委員長
 御静粛に。御静粛にお願いいたします。

○柴山委員
 先ほど述べたことと違うじゃありませんか。
 そして、前回の質疑、覚えていらっしゃいますか。あなたは、河井議員から、井上議員が「市議会から除名処分を受けている。そのことは御存じ、そしてその理由も御存じでしょうか。」政務官「済みません。その除名云々の厳密な認識というのは、ちょっと私、わからないんですけれども、」こういうふうに御答弁されているんですよ。虚偽答弁でしょう。いかがですか。

○黒岩大臣政務官
 私、率直に正直に申し上げます。
 せんだって指摘を受けたときには、九年前のことで、細かなことは本当に私はもう失念をしておりました。ただ、そのときも、記憶を手繰る中で、何らかの議会で議論というか、多分もめたことがあったなというのは徐々に思い出してきたことは事実です。ただ、それが、一個一個の事実、除名とかそういったことについての正確な記憶はこの前の委員会ではなかったもので、私はそれは率直にそのことを申し上げた次第です。

○柴山委員
 御自分が書いて、しかも写真まで御丁寧に添付して、そして井上議員と電話までやりとりをして、「さくらさん頑張れ。」というように書いておきながら、いや、九年前、日韓ワールドカップの年ですよ、これは記憶にありませんでした、でもだんだん思い出してきました、こんなことで通じると思ったら大間違いです。
 そしてもう一つ。先週の河井議員の質疑の直後、直後です、あなたはこの日記を迅速に見つけ出して、御自分のホームページから削除されましたね。違いますか。

○黒岩大臣政務官
 私もホームページの記述とかについては本当に記憶はかなり薄れておったんですけれども、ある方から、こういった形でブログがあるということで、私、確認しました。先ほど柴山委員がお読みになった内容を私も読みました。ただ、私の記憶の中ではもう一カ所記述がありまして、議場占拠したことはもうこれは明らかに不適当である、井上市議が悪いんだということが書いてありました。
 私は、国旗・国歌法については、私は国旗は間違いなく敬礼しますし、国歌についても大きな声で斉唱いたします。(発言する者あり)いや、それは私は尊重しております。ただ、九年前に……(発言する者あり)

○奥田委員長
 御静粛に。答弁中です、御静粛に。

○黒岩大臣政務官
 九年前に、強制云々が政府の見解としてはいかがなものだろうかと。
 私は、その中でもっと書いてあったのは、私は当時は無所属の議員だったので、多分、私の記憶だと、議会から除名というのは国会でもないですし、無所属の議員が四分の三以上か何かの規定で除名をされるというようなことがあれば、これは大変重いことであると。
 ですから、少数会派であるとか無所属の議員が活動するに当たっては、この除名処分というのはいかにも重いということで、非常に、私は、民主主義というのは、少数派の意見を尊重することも民主主義の一つの大きな要素だと思っておりますので、これを、ともすると、かなり……(発言する者あり)

○奥田委員長
 不規則発言はおやめください。御静粛にお願いいたします。

○黒岩大臣政務官
 かなりその権利を阻害するような、そういったことはいかがなものかということを私は記述したと、その後自分の文章を見て改めてその点は思い出させていただきました。(発言する者あり)

○奥田委員長
 不規則発言はおやめください。御静粛にお願いいたします。

○柴山委員
 ちゃんと井上議員が悪かったということも書いているというふうにおっしゃいました。内容に自信があるんだったら削除なんかしなければいいじゃないですか。河井議員の質問の直後、削除をしなければよかったんです。
 どうぞ皆さん、メモしてください。メモしてください。(発言する者あり)

○奥田委員長
 速記をとめてください。
〔速記中止〕

○奥田委員長
 速記を起こしてください。
 柴山議員の方から、もう一度、政務官の答弁に不足がある、あるいは答弁が入っていないという点がありましたら、再度御指摘をいただきたいと思います。
 柴山君。

○柴山委員
 繰り返します。
 今、黒岩政務官は、御自分の書かれた内容についてるる正当化の弁明を行われましたけれども、御自分のおっしゃっていること、書かれたことに自信があるのであれば、なぜ、河井議員が質問した直後、これを抹消したんですか。ほかの日記の部分については削除されていないんです。この日記の部分だけ削除したんです。お答えください。なぜでしょう。

○黒岩大臣政務官
 前回の委員会質問で、河井委員の方から、例えば他の方に与える印象についてどうかとかと、いろいろなことを聞かれました。
 私は、九年前から今に至っても、それはもちろん私の考え方だってその時々で少しずつ変わりがあります。そして、私の今持っている真意とか本意とか、それが仮に伝わりづらいとすれば、それについては私は訂正しなければいけないという思いがございます。
 ですから、先ほど、私は最後ちょっと結論的な答弁が、的確に答えなくて、それは柴山委員に申しわけなかったんですけれども、今言ったそういった意図はあるんだけれども、とらえようによっては、確かに、ともすれば国旗・国歌に対する否定的な見解ととられかねない。そうなると、それは私の本意と違うことですから、これは明らかに本意と違うことですから、私は、自分の著作物として、その部分は削除をさせてもらったということでございます。

○柴山委員
 いつ削除したんですか。正確な時間をお答えください。

○黒岩大臣政務官
 法務委員会が昼に終わって、その後、その報告を受けまして、私はその日のうちに削除したと思っております。

○柴山委員
 今でも、例えばヤフーあるいはグーグルなどの検索ページで、二〇〇二年六月二十八日、横浜市議除名、黒岩たかひろブログということで検索をかけて、出てきたページのURLを押したら見られないんですけれども、その後のキャッシュという欄をクリックすると、削除された日記を見ることができます。
 黒岩政務官、こうやってやりとりをされた後、この日記は、きちんともう一回、今おっしゃったような留保つきで、復活をさせるおつもりはありますか。

○黒岩大臣政務官
 今、柴山委員の指摘は初めてそういう形で受けたので、どういう形で私の表現をするかは、またこれはちょっと私、考えさせていただこうと思います。

○柴山委員
 江田法務大臣は、前回の質疑で、法務大臣……(発言する者あり)

○奥田委員長
 御静粛にお願いいたします。

○柴山委員
 大臣は、前回の質疑で、黒岩政務官の適格性について疑いはないと述べられました。今のやりとりを聞いて、あるいは、黒岩政務官の答弁内容ですとか、今のさまざまなその後の経過をお聞きになった上で、黒岩政務官の政務官としての適格性に問題はないというお考えに変化はありませんか。

○江田国務大臣
 そうです。変化ありません。

○柴山委員
 市民の党は北朝鮮に近い立場にある疑いが濃厚である、河井議員の質疑から明らかになったと思っています。そして、この市民の党のメンバーが黒岩さんの登録政治団体の管理を行っていたことも、河井議員の前回の質疑で明らかになりました。これからも、市民の党の構成メンバーと黒岩さんの関係は、今の質疑を皮切りに明らかになっていくことだと思います。
 にもかかわらず、黒岩さんは、民主党政権発足後、平成二十一年九月から十二月まで、衆議院で北朝鮮拉致問題特別委員会の筆頭理事でありました。民主党は、拉致問題の担当者にこういった人物を置いていた。大臣は、このことをどうお考えになりますか。

○江田国務大臣
 申しわけありませんが、そのこと自身は私は存じておりませんが、しかし、これは、党の方でそういう決定をしているということだと思います。

○柴山委員
 党人事だからコメントの限りではないということでした。
 それでは、法務省の責任としてお伺いします。
 公安調査庁は、法務省下にあります。菅内閣は、法務大臣政務官として公安情報に関与できる立場に、今さまざまなことを申し上げた黒岩さんを任命されているんです。李下に冠を正さず、日本の国益を守らなければいけないという職責が法務大臣にはおありのはずです。この人事に問題があるとは思われませんか。

○江田国務大臣
 思っておりません。

○柴山委員
 なぜでしょうか。(発言する者あり)

○奥田委員長
 御静粛に。

○江田国務大臣
 今いろいろやりとりをされていますが、まだ私も、ここで聞いて、何が事実であるかというのもよくわかっておりませんし、また、黒岩大臣政務官が公安調査庁が視野に入れている団体とどういう関係にあったかもよくわかっていないので、むしろ、私の判断としては、それはそういうような組織的な関係はないということを私は確信をしておりまして、それ以上でも以下でもありません。

○柴山委員
 ないと確信をしているというふうにおっしゃいましたけれども、あるかないか、どうぞ調べてください。
 この問題は引き続き私どもも追及してまいりますが、時間もありませんので、次に移ります。
 東京電力の株式の問題です。
 枝野長官は、金融機関に東電の債権放棄も求めたというように報じられていますが、法的には、ガバナンスの一端を担う株主がまず損失を負うべきではないでしょうか。上場廃止どころか、新しい国の機構が資本の充実を行うという決定をしたというように、関係閣僚会合の決定、このペーパーは私も思っておりますけれども、報じられています。法的にバランスと透明性を欠く処理は、国際的にも日本の信用性を失わせると思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。

○江田国務大臣
 東京電力が今回の原発事故によって負担をする債務をどういうふうに弁済していくか、それについてだれがどう負担をしていくかという話の中で、今の債権者と株主との関係について問題提起をされたものだと思います。
 原子力損害賠償法、いわゆる原賠法では、原子力の事業者は、一元的な責任、無過失責任そして無限責任というものが規定をされております。それを免れる場合というのは、原賠法三条一項ただし書きの場合ですが、このただし書きには当たらないということで今のスキームはできておりまして、しかも、十六条によると、その事業者が十分な賠償ができない場合は、もちろん予算措置の範囲内ですが、国が支援をする、そういうスキームになっておりまして、清算であるとか破産であるとか会社更生であるとか、そういうような手続の場面というのは想定できませんので、私としては、どちらが優劣というような話にはなっていかない。
 株主というのは有限責任でございまして、自分の株券が紙切れになればそれ以上の責任を負うわけではないので、株主が後に追加的に何かの支出を求められるということはあり得ない話だと思っておりまして、そのような認識でおります。

○柴山委員
 株主有限責任のことを今大臣にはお聞きしたんじゃないんです。仮に破綻とか更生の処理がされなくても、法のたてつけとして、やはりガバナンスの一端を担っている株主が、会社債権者である金融機関を初めとした、社債権者も含まれますけれども、そういう方々にあたかも優先して守られるかのごときメッセージが発せられているのは、これは国際社会から見て極めて異例である。これは自民党の関係者のところにも、何で債権放棄を求められて、上場廃止もされていないし、これっておかしいんじゃないかという声が届いているというように実際に私は聞いているんです。
 大臣、再度、法律の専門家として、今議論の方向性がおかしいと思われないかどうか、御答弁ください。

○江田国務大臣
 大変申しわけないんですが、東京電力の負債の弁済の仕方というものは、これは法務省の所管ではないという前提でお答えを申し上げますが、恐らく東京電力に対しては、国も、あるいはこれはこれからいろいろなスキームをつくっていかなきゃなりませんが、原子力発電をしていた他の電力の事業者も、いろいろな形で支援をしていかなければ賠償ができないのではないかなと感じております。
 そういうときに、債権者あるいは社債権者、そういう人にもステークホルダーとして一定の拠出をお願いするということは、これはちゃんとそういうスキームができれば、行われてもいたし方がないことだと思います。
 ただ、その場合にも、今申し上げたとおり、株主であることによって追加の負担が求められるというようなスキームは、これは考えようがないのだと思います。

○柴山委員
 具体的にお話を進めたいと思います。
 今回改正案が提出されている非訟事件手続法、これは株式価格の決定も対象にします。今後、東電を処理する中で、仮に事業譲渡ですとか会社分割ですとか、あるいは一〇〇%持ち株会社をつくるための株式移転といった組織変更を行うとすると、議案に反対する株主はどのような手段をとればいいんでしょうか。

○黒岩大臣政務官
 今委員御指摘の個別の事案については、回答することは適切でないと考えますけれども、ただ、当然一般論としては、株式会社が事業譲渡、会社分割または株式移転をする場合は、反対株主は株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができるとされております。そして、買い取り価格については、株主と株式会社との間で所定の期間内に協議が調わないときは、株主または株式会社は裁判所に対して価格の決定の申し立てをすることができるとされております。

○柴山委員
 まさしく非訟事件手続に入るわけですけれども、その際の株式の価格決定について、利害関係を持つ会社ですとか、あるいは他の株主の利益に配慮する必要があるのではないでしょうか。

○黒岩大臣政務官
 確かに、反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合において、裁判所が価格を決定する裁判をすると、会社はその裁判により拘束されることになりますから、会社については、その手続保障を図るため必要な措置を講ずる必要があると考えております。
 他方、これに対しまして、特定の反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合において、裁判所がその株主の株式について価格を決定しても、他の反対株主の株式の価格が決定されることにはなりません。したがって、特定の反対株主の価格の決定に係る事件において、他の反対株主については、その手続保障を図るために必要な措置は講じる必要はないと考えております。

○柴山委員
 とすれば、株主や会社がこういった手続に対応する機会を保障するために、例えば、一部株主から、反対株主ですよ、反対株主から買い取り請求というものがあれば、それについて会社や他の株主に、そういった申し出がなされたという通知をするといったような制度は設けられたんですか。

○黒岩大臣政務官
 今委員御指摘のように、このような問題意識のもと、今回の整備法においては、会社法を改正し、反対株主が株式の価格の決定の申し立てをした場合には、会社が反対株主の主張に対し反論する機会を十分に保障するため、原則として、会社に対し申し立て書の写しを送付して、申し立てがあったという事実を知らせることとしております。
 そのほか、原則として、審問の期日を開いて、株主と会社の陳述を聞かなければならず、そしてまた、主張及び反論の期限を設定し、裁判をする日を定めなければならないものとしております。

○柴山委員
 会社はいいんですけれども、今政務官が御答弁になったように、ほかの株主にも事実上大いに影響が出てくるんだと私は思うんです。それはやはり私は等閑視してはいけないというように思っております。
 それに、もう一つ申し上げさせていただくと、今でも裁判所が関係者を審尋するということは行われていると思いますけれども、裁判所の許可を得て参加をすることができるようになるということにどれだけ意義があるんですか。

○黒岩大臣政務官
 お答えいたします。
 委員が今御指摘されたように、これまでも裁判所は、事実の調査として当事者以外の者を審尋し、その言い分を聴取することがあったものと承知をしております。ただ、もっとも、これは、その者の言い分を聞くのみで、その審尋を受けた者は、例えば証拠の申し立て権など手続上の権能を行使することができるものではございません。
 ですから、今回の非訟事件手続法案では、参加制度を設け、参加した者は、証拠の申し立て権など当事者が行使することができる手続上の権能を行使することができるとしているところでございます。

○柴山委員
 そういう意味では、いろいろなことができるようになるということ自体は評価をしたいと思うんですけれども、ただ、今回は、それに加えて和解の制度というものが取り入れられています。
 例えば、株主が理不尽に低い価格で会社と和解してしまった場合に、その効果というものが他の株主などには及ばないということで間違いないでしょうか。

○黒岩大臣政務官
 委員御指摘のとおり、今回の非訟事件手続法案では、第六十五条において和解を可能としております。
 ただ、この和解についてでございますけれども、株式の価格の決定に係る事件では、反対株主と会社との間で和解をすれば、その反対株主の株式の価格を決めることができます。もっとも、この和解は、当該反対株主の株式の価格を決めるのみで、他の反対株主の株式の価格を決めるものではございません。したがって、仮に特定の反対株主と会社との間で例えば低廉な価格で和解が成立いたしましても、他の反対株主の株式の価格の決定に法律上の影響を及ぼすものではない。ですから、他の反対株主に悪影響を与えないものと考えております。

○柴山委員
 そこが不徹底だと思うんですね。
 やはりアメリカなんかでは、例えばクラスアクションなんかで、あるクラスター、層の一部から法的手続があった場合には、同じような立場にある方々にそれについての告知を広くされるというような制度もあります。私は、手続保障ですとか関係人の立場というものを考えるんだったら、やはりそういったことまで踏み込んで対応するべきだったというように思っております。
 端的に伺いますけれども、訴訟事件の扱いと今回の改正法での非訟事件の扱い、それはどこが違うんですか。

○黒岩大臣政務官
 これも委員の御指摘のとおり、今回の非訟事件手続法案では、例えば証拠調べや電話会議システムなどに民事訴訟法の手続に類似した制度を導入しております。
 ただ、もっとも、非訟事件の手続は民事訴訟に比して簡易迅速に処理すべきものであり、よって憲法上の公開の要請がございません。そこで、そのような特質を踏まえて、民事訴訟では必ず弁論期日を開き、そして弁論を公開しなければならないのに対しまして、大きな違いとしては、非訟事件の手続では、その審理は非公開とし、期日を開かなくても裁判をすることができるとされております。
 ただし、非訟事件の中にも紛争性がある事件もあることから、個別法におきまして、例えば借地非訟やきょう議論になりました株価の決定の申し立て事件などの会社非訟の一部などは、期日を開かなければ裁判をすることができないこととしております。

○柴山委員
 公開の原則が必ずしも貫徹されていないというふうにおっしゃったんですけれども。
 今回、利害関係人の記録閲覧権というものについて定められましたが、利害関係人については裁判所の許可に係ることとなっているんですね。当然認められるべき労働審判事件などとの不均衡というものが私は指摘され得るというように思っているんですけれども、同じ訴訟ではないにもかかわらず、これはどのように説明されるんですか。

○黒岩大臣政務官 
 お答えいたします。
 非訟事件一般におきましては、この非訟事件手続法案の閲覧、謄写等の規定は、特段の定めがない限り広く非訟事件一般に適用されますけれども、非訟事件の中には、紛争性の程度、そして収集される証拠の種類や秘匿性の高さ等においてもさまざまなものがあり得る。
 そこで、非訟事件手続法案においては、このような多様な事件に対応できるように、閲覧、謄写等の請求が当事者からされた場合と利害関係を疎明した第三者からされた場合とでは、要件を異にしつつも、いずれについても閲覧、謄写等を許容しない場合を認めることとし、それぞれ要件に該当するかどうかを判断するために裁判所の許可に係らしめております。
 他方、これに対しまして、労働審判法が手続を規定している労働審判事件は、紛争当事者の利害の対立が顕著な事件であるため、当事者等が裁判資料を十分に了知した上で主張、反論をすることができるようにする必要がございます。そのため、労働審判手続においては、当事者及び利害関係を疎明した第三者は特段の例外なく記録の閲覧等をすることができるものとするのが相当であり、裁判所が許可を通じて記録の閲覧等を認めるか否かを判断すべきものとはしておりません。
〔委員長退席、牧野委員長代理着席〕

○柴山委員
 ぜひ、許可において不明朗な運用がなされないようにお願いしたいと思います。
 そして、改正法では、鑑定によらないで機動的に専門的な知見を活用するために専門委員制度の創設を決めました。
 ただ、非訟事件には借地条件の変更なども含まれまして、今回の東日本大震災で、こういった借地条件の変更などのニーズは非常に大きくなることも予想されます。当局として、専門委員の確保、恐らく鑑定士などだと思いますけれども、こういった問題をどうするかなどの対応は考えておられるんでしょうか。

○永野最高裁判所長官代理者
 お答えいたします。
 専門委員については、既に訴訟事件の審理のために専門家が専門委員に任命されておりますので、これらの専門家を非訟事件においても利用していくことが考えられますほか、さらに、事件の動向を見ながら、必要な分野の専門家の確保に機動的に当たってまいりたいというふうに考えております。
 また、御指摘のように、借地非訟の分野では、専門家が鑑定委員という形で必要になってまいります。被災地におけるニーズ等も把握しながら、こういった形での専門家の確保についても遺漏のないよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

○柴山委員
 最後に、家事事件手続法の改正案について伺います。
 当事者の権利を強化する方向には一定の評価ができると思うんですけれども、子供の陳述の聴取について、各法条で十五歳以上に限定されている趣旨は一体何でしょうか。

○黒岩大臣政務官
 十五歳以上に限定している理由についてお答えさせていただきます。
 子の陳述聴取とは、子から言語的表現による認識、意見、意向等を聴取するものであるから、子の陳述を聴取するためには、子がみずからの認識を表現し、または意思や意向を表明することができる能力があることが前提であると考えております。
 したがって、そのような能力がある程度に発達した子から陳述を聴取すべきということになりますけれども、それぞれの子の発達の程度には個人差がございます。他方、陳述聴取を必ずしなければならない対象者を法律で定めるためには、明確な基準を定めなければいけないことから、従前の例に倣いまして、少なくともその年齢になれば陳述を聴取することができると考えられている十五歳を基準とした次第でございます。〔牧野委員長代理退席、委員長着席〕

○柴山委員
 委員の方で、今のやりとりをお聞きになっておられる方は、先日私が合同委員会で質問した親権の停止や喪失などの質問で、何で子供単独でできるんだということを聞いたのを御記憶だと思うんですね。意思能力があれば特に申し立てができるというふうにしているんですよ。なのに、証拠方法だとか陳述を聞くというのに必要的な要件として十五歳以上に限るというのは、これは私は筋が通らないと思う。通らないんじゃないんですか。

○黒岩大臣政務官
 お答えさせていただきます。
 民法等の一部改正では、十五歳未満の子であっても意思能力があれば親権喪失等の請求をすることが可能となっております。
 十五歳未満の子の取り扱いについてでございますが、陳述聴取について、家事事件手続法案では、家庭裁判所は、子の陳述の聴取、家裁調査官による調査その他の方法により、子の意思を把握するように努め、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならないとされております。
 そのことから、十五歳未満の子であっても、陳述聴取が常に不要ということになるのではございません。その子に意思能力があり、手続行為能力が認められる場合など、その年齢や発達の程度等を考慮して、陳述聴取の方法により子の意思を把握することが適切であると家庭裁判所が判断するときは、十五歳未満の子であってもその陳述が聴取されることになりますし、たとえそうでない場合であっても、他のさまざまな方法により、子の意思の把握に努めることとなる、そういう次第でございます。

○柴山委員
 ぜひ、さまざまな法律の間の整合性というものをしっかりと検討してやっていただきたいと思います。
 それから、政務官においては、今の答弁だけじゃなくて、やはり私が最初に質問したことにも、きちんと国民が納得できるような、そういう答弁を改めてしていただきますように、これから質問続きますから、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

第177回 国会 衆議院 法務委員会青少年問題に関する特別委員会連合審査会

第177回 国会 衆議院 法務委員会青少年に関する特別委員会連合会審査会 第1号
平成23年4月20日(水)
午後一時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 今回提出されている親権についての民法改正案についてですが、二〇〇〇年、平成十二年に、実は民主党が議員立法案をまとめています。そこでは、子供に対する懲戒について定めた民法八百二十二条は削除することになっていましたが、江田大臣は当時、党内でどのようなお立場でしたか。

○江田国務大臣
 かなり古いことなので十分記憶をしていないんですが、資料をいろいろ調べましたら、当時、民主党の司法ネクスト大臣というものを務めておりました。これは、詳しい説明はいいかと思いますが、影の内閣ではちょっと暗いので、明日の内閣というものをつくりまして、ネクスト大臣という制度を入れて、その司法を担当していたわけでございます。

○柴山委員
 そして、今回は、表の大臣として法案を提出されたんですけれども、この法案では、先般から出ているとおり、条文が削除されておりませんけれども、なぜでしょうか。端的にお答えください。

○江田国務大臣
 経過を調べてみますと、当時、民主党が用意をしました児童虐待の防止等のための体制の整備に関する法律案、これは、私は司法ネクスト大臣ですが、千葉景子男女共同参画・人権・総務ネクスト大臣がネクストキャビネットに提案をして、了承を受けております。そこで、私から提案しているものではなくて、しかも、これは国会には提出をされていないものでございまして、最終的に国会に委員長提案で現在の児童虐待防止法が提出されて、そして成立をした、そういう経過でございます。
 さはさりながら、私どもが取りまとめました今の児童虐待防止の法律案では、民法改正をして、懲戒というところを削除することになっているのは事実でございます。それは、その当時の、これはプロジェクトチームがございまして、田中甲座長のところでそういうものを取りまとめたということでありまして、民主党の中の議論でそうなった。
 今回は、私どもが提案をさせていただいたのは、さまざまな識者の皆さんから、法制審の答申なども含めて議論をしていただいて、懲戒権というものを削除する案ももちろん検討されましたが、しかし、さまざまな事情から、今懲戒という言葉を削除することによってかえって誤った認識を広げることになってはいけない、それよりもむしろ、懲戒という言葉は残しながら、ただし、これは子の利益のために行われるものですよ、そのことを明確に記述することの方が、社会の誤解を防ぎ、児童虐待を防ぐことに資するのではないか、そういう思いから今回の文言ということになったわけでございます。

○柴山委員
 長い御答弁でしたけれども、短くまとめると、いやいや、自分はネクスト大臣だけれども、実際にこれをまとめたのは千葉景子さんだよと。それから、学べば学ぶほど、やはりこの条文を削除するといろいろ問題がある。
 確かに虐待は許されないことです。しかし、条文を削除することは、当然、先ほど来お話があるように、必要なしつけまでもが許されないという誤った考え、イデオロギーと言ってもいいかもしれませんが、こういうことを広げかねないわけです。当時、大臣は、ネクスト大臣という立場にありながら、そういう御発言をし、そして党内論議に生かしてこなかった。このことは私はしっかりと反省していただかなくてはいけないというように思って、次の質問に移らせていただきます。
 これまでは、親権の喪失などについて家庭裁判所への請求権を有していたのは、子の親族と検察官に限られていました。これを今回の改正法では、子供本人にも請求権を認めています。
 しかし、児童の裁判申し立ては有効なんでしょうか。具体的に何歳の子供がどう請求することを想定しているんですか。

○江田国務大臣
 この法律案では、年齢を問わず、意思能力がある限り子に請求権を認めるということにしております。子供がそういう家庭裁判所への親権喪失等の申し立てをすることができるか。これはできるということにしているわけです。
 ただし、もちろん、そういうことを行う意思能力がなければそれは当然できないわけでありまして、実務では、十五歳以上であれば、特段の事情のない限り、意思能力があるものとして本人の申し立てを認めているということだと承知をしております。
 それ未満の年齢ではだめだと一律に決めるのではなしに、まさに事案ごとの本人の成熟度等の判断によって決まるということでございます。

○柴山委員
 十五歳以上は、それは遺言もできるし、養親子契約だってできるから、これはできるのは当然だと思いますよ。
 ただ、今大臣が、意思能力があればできる扱いになっているというふうにおっしゃいましたけれども、これまで、意思能力というのは小学生でも認められているんですよ。今おっしゃるように、ケース・バイ・ケースで、裁判所に対する申し立てが、あるいは有効だ、あるいは無効だ、こんなことになったら、これは私は手続の安定というものを極めて阻害するんじゃないかと思っています。
 それともう一点。弁護士に対してこれを依頼する、子供が一人じゃできないから弁護士に対して依頼するということも当然想定されると思うんですが、弁護士に対する委任契約は有効なんですか。

○江田国務大臣
 有効な場合も無効の場合もあると思います。

○柴山委員
 そのメルクマールは何でしょうか。

○江田国務大臣
 子供の法律行為を行う能力は、一般には、これは未成年者ですから、親権者なりあるいは未成年後見人の同意が要るわけでございますが、しかし、専ら権利を受けあるいは義務を免れる、これについてはそうした同意が要らないということで、したがって、弁護士との契約においても、弁護士に対する報酬債務を負わなければ、これは子供も弁護士と契約ができることになるということでございます。

○柴山委員
 要は、私的な関係で弁護士を頼むということは事実上できないということなんですよ。こういうことをもっとしっかりと議論した上で法律の制度設計というものをしてもらいたいというように思います。
 また、午前中の参考人に対する質疑で、子供が申し立てをするということによって、親子関係が再統合ができなくなってしまうような決定的な事態にならないかというようなことも言われていましたけれども、御説明の中では、いやいや、家庭裁判所と児童相談所とか関係者の連携を密にして適切に対応しますと。場合によっては取り下げということもあるかと思うんですけれども。
 まず、取り下げが有効なのかということと、あと、そういう連携をしなくちゃいけないということが何かに書いてあるんですか。

○江田国務大臣
 例えば、十七、八ぐらいの子供で親から性的虐待を受けて弁護士と相談をしている、こういうような場合もあるわけです。そういう場合に、その子が弁護士を代理人として親権の停止や喪失を求めるということ、これは容易に想像できる具体的事案だと思います。(柴山委員「報酬が発生しなければね、弁護士報酬が」と呼ぶ)もちろんです。報酬は発生しない場合でなければ、さっき申し上げたとおりです。
 そして、そういう場合に、それでは再統合は無理じゃないかと。それは無理な場合もあるし、しかし、そうではなくても、やはりいろいろな人のサポートによってまた再統合という道が開けるかもしれません。その道を閉ざすわけではもちろんありません。
 さらに、申し立ての取り下げはもちろんできますし、また、私ども別に、子供が直接に親に対してそういう申し立てをすることを奨励しているわけではありません。そういうこともできる道だけは残しておこうということで今回決めているわけでございます。

○柴山委員
 ぜひ、今最後に申し上げたことも含めて、具体的な不都合というものが生じないように、しっかりと政省令なり含めて手当てをしていただかなくてはいけないというように感じております。
 それと、概念的な整理のために質問をさせていただきますが、今回、未成年後見人にも親権喪失などについての申し立て権を認めていますが、そもそも、親権者がいないときに選ばれるのが未成年後見人なのに、親権喪失の申し立て権を未成年後見人に認めるというのは一体どういうことですか。

○原政府参考人
 今回の法改正によりまして、親権停止制度というのが創設されます。したがいまして、まず親権停止制度が活用されて、その後に親権喪失の申し立てがされるというケースがございますので、そういうケースであれば、親権停止によって選任されている未成年後見人が申立人になる、そういう場合を想定しております。

○柴山委員
 それではお伺いしますが、親権停止を一たん受けた、そして選ばれた未成年後見人が、再度、親権停止の更新というものも請求できるんでしょうか。

○江田国務大臣
 更新という扱いではなくて、再度親権の停止あるいは喪失を申し立てる、そういう制度設計にしております。

○柴山委員
 もう一度停止の申し立てをした際に、しっかりと審査をして停止にするかどうかというのを決めるということで、まずは安心しましたけれども、これは考えてみますと、一度親権の停止という判断を食らっておきながらその行状が改まらないというのは、イエローカードを一枚もらった人間がもう一枚イエローカードをもらうのと同じことだと思いますよ。私は、この場合に、再度審理をするということであれば、二回目は喪失ということにしてもらわなければいけないのが原則であると思いますが、いかがでしょうか。

○江田国務大臣
 親権の停止の制度は、私ども、かなりいろいろなバラエティーがあると思っております。
 例えば、医療ネグレクトで、医療行為が必要、そういう場合には、そんなに二年も停止する必要がないわけです。そうではなくて、もっと短い期間、この医療行為を行うときだけちょっと親権は後ろへ下がっていてくださいという形にしますので、そういう場合には、医療行為が終わって一定の状態に、もとへ戻ると、良好な関係に復する可能性は十分にある。しかし、それでもなお、そのとき、例えば半年なら半年の後にまた停止をする必要があるというようなことは、それは十分あり得ることで、一度親権の停止があったら、それが例えば一カ月であってもイエローカードだから次は喪失だ、それはちょっとかたい制度になり過ぎているのではないかと思います。

○柴山委員
 必ずレッドカードにしろと言っているわけではありませんので、そこはぜひお間違いのないようにしていただきたいと思います。
 続きまして、親権停止について再度、別の質問をさせていただきます。
 親権喪失という制度がなかなか利用されないのを改善するという観点から停止制度を導入するということは、私は大きな改善だと思っております。
 そこで、伺いますが、ここ三年間の児童虐待関連の検挙件数及び人員と、親権喪失の申し立て件数及び認容件数、それぞれお聞かせください。

○田中政府参考人
 まず、過去三年間の児童虐待事件の検挙件数及び検挙人員についてお答えします。
 過去三年間の児童虐待事件の検挙件数は、平成二十年三百七件、二十一年三百三十五件、二十二年三百五十四件でございます。検挙人員は、平成二十年三百十九人、二十一年三百五十六人、二十二年三百八十七人と増加傾向にあります。

○柴山委員
 では、 法務省、お願いします。

○原政府参考人
 私の方から、親権喪失の件数について御報告したいと思います。
 司法統計の件数を御紹介いたしますが、司法統計上は、親権喪失と管理権の喪失、あるいはそれらの取り消しの件数が区別されておりませんで、合計の数字になっておりますので、これから申し上げる数字は、そういうことだという前提でお聞きいただきたいと思います。
 まず、平成二十年の新受件数は百三十九件、二十一年の新受件数が百十件、平成二十二年の新受件数が百四十七件ということで推移しております。ただ、このほとんどは、実務的には親権喪失の件数であろうというふうに考えております。

○柴山委員
 しかも、認容件数ということでいえば圧倒的に少ないわけですね。三十件とかそういうレベルで推移しているということだと思います。この停止という制度がしっかりと活用されることを望むんですけれども、それだけで足りるとは私は思えません。
 児童福祉施設に子供が入所しているのに、ほとんど面会にも来ないで、子ども手当だけはちゃっかり受け取っているというような親ですとか、あるいは施設の子供の携帯電話の契約に嫌がらせで親が同意をしない、こういうような場合、これは親権停止ということにまでなるんでしょうか。

○小川(敏)副大臣
 基本的には、さまざまな事情を勘案して、家庭裁判所の審判で決めることだと思います。
 携帯電話につきましても、同意しないのが、嫌がらせということで、マイナスな、消極的な評価の携帯電話契約の不同意ということで質問されておられるんでしょうけれども、しかし、不同意とした親の方から見て、やはり携帯電話を子供が余りいいことに使わないからという理由で不同意なのか、あるいは本当に嫌がらせなのか、そういったことも含めて、やはり個々的に家庭裁判所の方で、その背景事情も含めて判断して決定していくということだと思いますので、委員のお尋ねのように、一つの事例をとらえて、それですぐ停止かと言われても、なかなかちょっと答えられないというようなことだと思います。

○柴山委員
 ことし、現に十七歳の高校生が、裁判所の命令で、虐待する親と離れて児童福祉施設に入所しているのに、親の同意なくNTTドコモの携帯電話の契約をしようと思ったら、これが断られたというんですね。施設長は同意をしている。再三要請しているのに事態が変わっていないということなんですよ。これはつまり、親権停止をしていない場合の施設長の権限とあるいは親の親権、この矛盾抵触の場面だと思うんですけれども、これは一体どっちが優先するんですか。

○小川(敏)副大臣
 これまで施設長の方に親権停止の申し立て等がなかった、あるいはそういうことで施設長と親権者である親の意見とが衝突して、結果的に子供のためによくないというようなケースがございました。まさに委員がお尋ねのとおりでございます。
 まさにそうした問題に対応できるように、今回は、親権喪失というのはなかなかであるけれども、やはりそうした問題について、親権停止というものを導入して、個々具体的に適切な対応ができるようなということで、今回の法改正に及んでいるものと認識しております。

○柴山委員
 質問を繰り返します。
 親権停止が出ていないときに両者の権限はどのような関係になっているんですかとお聞きしているんです。

○小川(敏)副大臣
 現行法でございますね。これはやはり……(柴山委員「新法でも同じですよ。親権停止がされていない場合の両者の関係は」と呼ぶ)親権停止がされていない場合ですか。親権停止がされていなければ……(柴山委員「向こうで手を挙げていますけれども」と呼ぶ)失礼しました。

○石井政府参考人
 お答え申し上げます。
 親権者につきまして、親御さんについて親権がまだある、その上で施設に入所している場合に、施設の側におきましても、監護、教育そして懲戒といったような、いわば親権の一部の権能というのは有している。そういう意味では、親権の状態が、親権の種類が、若干幅に違いがありますけれども、同時並行的にあるというのが現状でございます。

○柴山委員
 つまり、今御説明があったように、監護、教育、懲戒について、施設長の固有の権限については、不当に妨げられないという条文もつきましたけれども、施設長が優先する。だけれども、携帯電話の契約というのはそれには入りませんよね。とすれば、やはり親御さんの権限が優先する。親権喪失という行為がなければ、これは親御さんの同意がなければ契約できない、そういうことですね。

○石井政府参考人
 結論から申しますと、その携帯電話の件、いろいろありますけれども、確かに、親権者の同意を得ない契約というのは、親権者が後に取り消し権を行使することがあるという意味で、やや不安定な面がございます。しかしながら、今の携帯電話の件でございますが、会社によっては親権者の同意を本当に必須とするケースもあれば、その辺は、施設長さんがそう言っているんだからということで認めるケースもあるわけでございまして、むしろそういう意味で柔軟にこういう問題について考えていただくようなケースがあるということを私ども知らしめながら、特に必要な場合においては、お子さんが携帯電話を持ってもいいようなケースにおいては、子の利益ということに照らして持てるような形で情報の周知ということを図っていきたいと思っているところでございます。

○柴山委員
 ぜひ、不都合のないような形で、趣旨を徹底していただきたいというふうに思います。
 続きまして、親権の代行という制度についてお伺いします。
 今度の児童福祉法の改正によりまして、児童相談所長は、これまでの入所中の児童に加えて、例えば二十に至るまでの子供ですとか、里親委託中あるいは一時保護中の児童についても、親権者や後見人がいない場合には児童相談所長が親権を代行するということとなります。
 この親権代行という制度は、何らかの裁判手続が必要なのでしょうか。また、親権者等がいない場合には、物理的、法律的にいないケースのほか、事実上会いに来ないようなケースも含まれるんでしょうか。

○石井政府参考人
 一時保護中や里親委託中の親権を行う者または未成年後見人のいない児童等につきましては、その児童等がそのような状態に至ると同時に、裁判手続を経ることなく、当該一時保護や里親委託の措置に係る児童相談所長によって親権代行が開始されるというふうに解しております。
 また、親権を行う者がないときとはどういうケースかというお尋ねがございました。
 もちろん、親が親権停止や親権喪失の宣告を受けている場合は法的に児童等に対して親権を行使する者がいないわけでございまして、その場合はもちろん親権を行う者がないときに入りますし、また、児童等の両親がともに亡くなった場合など、物理的に親権を行使する者がいない場合もそうでございます。さらには、親権者は存在するけれども、重い病気、あるいは行方不明、刑務所に入っているなど、事実上親権を行使することが不可能な場合も含まれると思いますが、今委員御指摘がありましたように、親が子供に会いに来ない、それをもって親権がとまっているかというと、それは親権を行う者がないということにはならないと思います。

○柴山委員
 ただ会いに来ないだけではだめだということだったんですが、物理的、法律的にいない場合には限られないという御答弁だったかと思います。
 としますと、例えば、子供が捨てられて施設で保護されているような場合、赤ちゃんポストなら匿名という場合が多いんでしょうけれども、会いに来ず、しかも今おっしゃったような行方不明になっている親御さんは、裁判行為がないわけですから、法律的には親権を失うことはなく、先ほどと同じように、児童相談所長の代行親権とやはり権限がバッティングするということになるのではないでしょうか。具体的には、子供の財産の処分とか、そういうことは一体どうなるんでしょうか。

○石井政府参考人
 お答え申し上げます。
 子供が見捨てられて施設入所しているけれども全く会いに来ない親がいて、親権者もいるけれども親権代行者もいるケースだろうと思います。
 その場合には、事実上親権を行使することができないような状態でなければ、やはり親権を行う者がいるものと解されると考えております。そのように、親権を行う者がいるのであれば、親権代行の規定は結果として効力を発しないということになりまして、そういう意味では調整を図られるということであります。
 ただ、親権者と親権代行者が併存しますと大変錯綜いたしますので、御指摘のように、混乱しないように、親権者の存在は判明しているけれども、親権の行使を長期間行っていないために子供の利益が害されているといったような場合には、やはり親権停止の申し立てを検討すべきではないかと考えております。

○柴山委員
 検討すべきではないかではなくて、そこはしっかりと申し立てをすると。緊急の場合には申し立てなければならないと書いてありますが、それ以外の場合は義務化されていませんからね。今言ったような実務をきちんとマニュアル化してほしいと思います。
 時間がなくなりましたけれども、先ほども出ました東日本大震災によります震災孤児についてお伺いします。
 この結果、多くの施設入所者や里親の保護を受ける子供が出てきていると思いますが、まず、その実態について、どんな子供の保護状況になっているのか、お聞かせください。
〔奥田委員長退席、高木委員長着席〕

○小林大臣政務官
 今回の震災で両親を亡くした、また両親が行方不明の児童については、現在、児童相談所の職員が各避難所を巡回するなどして、早急に把握に努めております。
 四月十九日現在の確認状況では、百十名、岩手県が四十四名、宮城県が五十名、福島県十六名の確認が行われていますけれども、今後ふえる見込みがあると思っております。
 具体的には、被災地の児童相談所職員と他県の児童相談所職員がチームを組んで、要援護児童の確認、要援護児童との面談、養育と生活に関する親族との話し合いを実施しております。
 今後は、親族による受け入れや里親などによる受け入れの調整を図るほか、児童のメンタル面の支援として、児童相談所職員の巡回等の取り組みを通じて、児童が安心して生活、成長できるようにきめ細やかな対応を図ってまいりたい、このように考えています。

○柴山委員
 親族に預けられているケース、それから里親の保護を受けているケース、どうしてもそれで救われなければ施設ということになるんだということだと思いますけれども、ただ、これは、今おっしゃったように、百十人と非常に数が多い。しかも、その上、放射能の被害が広がっている子供たちについては、いじめが横行しているというような報道もあります。
 そのような中で、そういった保護関係が不幸にも不適切であった場合、安心して愛情を注げないですとか、あるいは保険金を私してしまうとか、そういうようなケースでは一体どのような措置がとられるんでしょうか。

○石井政府参考人
 児童相談所は、里親や施設に子供を措置した場合には、この里親や施設から子供の養育状況について報告を求めております。また、職員が定期的に訪問して子供から直接意見を聞いたり、施設と合同で会議を行ったりしておりまして、里親や施設と連携をとっているところでございます。
 また、被措置児童等虐待の都道府県等への通告制度を設けておりますのと、それから、被措置児童等虐待対応ガイドラインというのも作成をいたしまして、里親や施設職員等に対する研修による意識向上や、あるいは子どもの権利ノートといったようなものの作成、推進なども進めております。
 仮に不適切な対応があった場合でありますけれども、これは児童相談所が中心となりまして、里親や施設に報告を求めて指示を行うものであります。さらに、必要な場合には、児童相談所が子供を一時保護をしてそういったいじめから守るといったようなことも行うわけでございまして、いずれにしましても、子供が健やかに育つことができるよう、きめ細かな配慮に努めておりまして、またそうした目配りをしっかりしていく必要があるというふうに思っております。

○柴山委員
 報告を求めるということで本当に実効性が図れるのかということもぜひ考慮していただきたいというように思います。
 時間がなくなりましたけれども、未成年後見人、こちらの場合についての同様の監督のあり方、それから、法人について後見人たる資格が認められることになりますが、法人で実際に当該児童を担当している方が職務不適格であるという場合の措置、それぞれお伺いしたいと思います。

○原政府参考人
 後見人の職務執行につきましては家庭裁判所が監督しているわけでございますので、法人が未成年後見人に選任された場合につきまして、当該担当者に子の利益を害するような事情がある、そういう情報が入れば、家庭裁判所としては速やかに状況を調査し、当該事実が確認できれば、後見人に対して担当者を交代するように指示する、その他相当な処分を命ずるということになろうかと思います。

○柴山委員
 こちらは公権力を適切に行使するということであろうかと思います。
 最後に、里親なんですけれども、きのうも質疑に出ていたようですけれども、通常の里親ですと里親の手当が払われるんです。しかし、親族が里親としていろいろと世話をする場合には、里親手当というものは出ない扱いになっています。
 また、先ほどお話があるような、後見人の場合の報酬ですとか、あるいは損害を与えてしまった場合の保険、私はこういうものを一刻も早く制度設計をして、国が十分に手当てをしていくことが必要だというように思っております。
 いつまでにこうした手当てを講じるおつもりでしょうか。最後にそのことを質問させていただいて、私の持ち時間を終わらせていただきます。

○高木委員長
 石井大臣官房審議官。申し合わせの時間が参りましたので、御協力願います。

○石井政府参考人
 このたびの地震ではさまざまな問題が起こっておりますけれども、私どもは、可能な問題について一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
 いつまでとはちょっと、恐縮でございますが、今申し上げる用意がございませんので、お許しいただきたいと思います。

○柴山委員
 事は緊急を要します。ぜひ迅速な対応をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 法務委員会

第177回 国会 衆議院 法務委員会 第4号
平成23年3月30日(水)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 法案については後でお伺いします。
 まず、きのうの報道によりますと、福島地検において、いわき支部が、逮捕、送検されていた容疑者を、東日本大震災の発生後、十数人釈放していたということであります。また、けさの報道ですと、十一日から十六日に、この福島地検、郡山、いわきの二支部を含めて、容疑者計三十一人が処分保留で釈放されていた。また、仙台地検でも、十二日から十六日にかけて、勾留中の容疑者二十七人を処分保留や起訴猶予で釈放したというように発表されているんですけれども、大臣、これは事実ですか。

○江田国務大臣
 お尋ねのとおり、福島地検いわき支部において、震災から三月十五日までの間に、起訴前の勾留中の被疑者十二名について釈放し、さらに、いわき支部以外にも、私のここにある報告ですと、仙台地検管内三十名、福島地検管内三十一名、釈放の手続を行ったと承知しております。

○柴山委員 
 これはどういう根拠で釈放されたんでしょうか。超法規的な措置なんでしょうか、それとも、先ほどちょっとお話があったような刑事施設法上の処分なんでしょうか。あるいは、刑訴法八十七条一項に定めてある、勾留の必要性がなくなったということなんでしょうか。

○江田国務大臣 
 これは、それぞれの事件ごとに担当している検察官が判断したものでございまして、超法規的なものではございません。そうではなくて、それから刑事施設法によるものでももちろんございません。これは、刑事訴訟法六十条の、勾留の必要性がなくなった、こういう状況で勾留を継続することが適切でない、そういう判断をしたものだと承知しております。

○柴山委員 ちょっと待ってください。六十条は、勾留取り消しについて書かれた八十七条一項と違って、勾留理由についてたしか書かれていたと思いますので、例えば住所不定ですとか逃亡のおそれですとか、あと罪証隠滅のおそれですとか、そういうようなことがたしか定められていたんじゃないかなと思うんですけれども、本当にそれでいいんですかね。この後質問しますけれども、現に住所不定者もこの中には入っていたということですから、六十条というのはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。もう一度御答弁ください。

○江田国務大臣 
 私が今申し上げたのは、刑事訴訟法六十条に勾留の理由と勾留の必要性というものを規定しておりまして、釈放についての規定というものはないんですが、全体に検察官が持っている刑事司法についての権限を行使して釈放したものだということでございます。

○柴山委員
 いかなる罪名の容疑者を何人釈放したんですか。

○江田国務大臣
 福島地検管内で釈放した被疑者の罪名ごとの内容は、窃盗などが十三名、傷害等が五名、覚せい剤取締法違反等が四名、道交法違反が三名、詐欺、業務上横領が二名、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反が二名、建造物侵入等が一名、強制わいせつ一名となっております。
 そして、仙台地検管内は、窃盗が十一名、詐欺、業務上横領が七名、傷害等が四名、建造物侵入等三名、覚せい剤取締法違反等二名、児童買春等の法律違反が二名、道交法違反一名となっておりまして、今委員ちょっと触れられた強盗とか殺人とか、そういう裁判員裁判の対象事件になるような重大犯罪は含まれておりません。

○柴山委員
 昨日の報道によると、福島地検の小池隆次席検事は、市民に不安を与えたくないということで罪名や人数を明らかにされていなかったというように報じられております。しかし、これは、公益上の必要性がどの程度認められるのかですとか、あるいは治安上問題があるのかどうかということを検証するために必要な情報じゃないかなというように私は思います。現に今法務大臣の方からも情報を明らかにしていただいたわけですから、明らかにしなかったということは極めて妥当性を欠くことではないかなというように私は思うんですが、いかがでしょうか。

○江田国務大臣
 今お触れになりました福島地検次席検事の発言がどういう発言であったか、報道されていることは存じておりますが、そのとおりの発言があったかどうかということは承知していないので、そこのお答えは控えますが、しかし、これは、不安を与えたくないといって罪名を述べないというのは適切ではないと思っておりまして、私としては、治安上の影響、それは全くないとは言いませんが、こういう種類のものだから釈放したんだということは申し上げた方がいいと判断しまして、先ほど答弁いたしました。

○柴山委員
 警察は、これらの釈放及び報道されなかったことをどのように考えておられるんでしょうか。

○金高政府参考人
 一般論として申し上げれば、勾留の必要のある被疑者を釈放するとすれば捜査上の問題も生じる場合もあり得るというふうに思いますけれども、個々の検察官の処分について警察庁の立場でコメントすることは控えたいと存じます。

○柴山委員
 これも報道なんですけれども、警察関係者は、中には、今大臣の方からお話があったように強制わいせつ事件の容疑者が含まれていたり、あるいは私が申し上げたように住所不定者も中にいるということで、治安上問題があるというような指摘がされているというやに伺っています。
 誤解しないでいただきたいのは、私は釈放が絶対いけないということを申し上げているわけではありません。ただ、合理的な理由があるのか、また、こういった釈放について今後の見通しが立っているのかということを確認したいだけでございます。
 ちなみに、これらの釈放した方々については、いろいろと困難はあったかと思うんですけれども、移監ということを検討されたのかということを確認させてください。

○江田国務大臣
 これは、移監という、他の留置場等に移送することができないわけではございませんが、本件の場合には、裁判官の同意を得て別の刑事施設に移送するところまでの余裕はなかったということで、移監ではなく釈放したということだと思っております。釈放する必要がある理由は十分あったと思っております。

○柴山委員
 起訴後の被告人についてはどうだったんですか。

○江田国務大臣
 勾留中の者のうち、釈放せずに起訴した者が一名あると承知をしておりまして、これは当然、刑事訴訟法の規定により、被告人勾留に移行するということでございます。

○柴山委員
 ありがとうございます。
 また、先ほどお話しになられているように、裁判員裁判の対象となっている方についても釈放された方はいないということですから、今後、やはり情報の開示のあり方についていろいろと検察庁への批判が強まっている御時世ですので、きちんと説明ができるような処理をしていただきたいというように思っております。
 最後に、釈放された容疑者の方々の現状についてはきちんと把握ができているんでしょうか。

○江田国務大臣
 誤解があってはいけませんが、身柄をとっている被疑者については時間が限られているわけですね。原則は勾留十日、延長してもあと十日ということで、その間に関係者も調べたりいろいろなことをやらなきゃいけないので、そこで、情状関係などすべて見て、今回の場合には余震もずっと相次いでいるというような事態なので、これは釈放をしてさらに捜査を続けようということで、一時、大部分が処分保留のまま釈放しているわけで、決して、何か、冒頭申し上げましたが、超法規的に釈放したものではない。釈放した者については、もちろん今後の捜査の継続はできる体制をとっているものと思いますが、若干の困難はあるかもわかりません。
 ちなみに、先ほど強制わいせつというのが御指摘ありましたが、これは具体的な事件について触れるわけにはいきませんが、情状等は、比較的そう重くない情状のものであったというように聞いております。

○柴山委員
 若干の困難というお話はありましたけれども、ちょっと余り建前でおっしゃってほしくないなと思ったのは、例の中国人の船長を中国に帰した案件もあるわけですから、やはりこれは公益上の理由から、ある程度そういった今後の終局処分に差し支えがある場合でも、比較考量の上、やむを得ずそういうことをやった、中にはきちんとトレースできない方々もいるということを、むしろきちんとおっしゃった方が私は司法に対する信頼というものは守られるんじゃないかなという意見を申し上げさせていただきまして、続きまして震災関連の法律問題についての質問に移らせていただきたいと思います。
 先ほど来お話が出ております損壊家屋等の撤去等に関する指針についてであります。
 お手元に資料として配付をさせていただいておりますけれども、確かに、津波で家屋、船舶、車両などの財産や瓦れきが広範に散乱をしてしまっていて、これを撤去しなければ再築などの復興ができない状況にあるということは十分理解をしております。ただ、そもそも、こういった大災害が外国で発生した場合には、こういった指針というものは出されているものなんでしょうか。

○原政府参考人
 法務省といたしましては、外国で今回のような指針が示されているか否かにつきましては承知しておりません。

○柴山委員
 それで、なぜこの指針は環境省の方から提出をされたんでしょうか。

○小川(副)大臣
 これは環境省といいますか、政府という位置づけで出されたものというふうに考えております。被災者生活支援特別対策本部という、政府のその本部名から出された。私、法務副大臣は、その政府の命によって、法的な見解を検討しろということでそのチームの座長を務めたという、そのような経過でございます。

○柴山委員
 防災担当が松本大臣ですし、環境大臣が松本大臣ですから、そういうことで、中には若干、自動車リサイクル法ですとか産業廃棄物にかかわる部分もありますけれども、ちょっと違和感を感じたところでもあります。
 では、この指針に従った形での処理をすれば、撤去にまつわる責任というものは免責をされるんでしょうか。

○小川(敏)副大臣
 基本的には個々のケースで考えるわけでございますが、仮にこの作業の過程の中で、私は基本的には、これは撤去できる、あるいは移動することができる、そうした面があると思っておるわけでございますが、個々のケースとして、例えばまだ他人の所有権が明らかにあるものを、間違って、その方の承諾も得ない、あるいは法の手続も経ないで撤去、廃棄したようなことがあれば、それはやはり何らかの賠償問題、あるいはそうしたものが生じるケースもあるのかもしれませんが、私は、基本的にはこの撤去に関しましては、これにのっとっておれば違法性はない、したがって責任の問題は生じないのが一般である、このような考えに立っております。

○柴山委員
 生じないのが一般であるという御答弁でありまして、そのとおりだと思います。これはあくまでもガイドラインでありまして、これに従えば絶対に法的な責任がなくなるというものでは恐らくないのであろうというように思います。
 中身についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、倒壊家屋等の撤去について、原形をとどめている場合には所有者等の意向を確認するのが基本だけれども、所有者等に連絡がとれない場合や倒壊等の危険がある場合には、土地家屋調査士等の専門家に判断を求めて、価値がないと認められたものについては解体撤去して差し支えないというような文章がありますけれども、手近におられる土地家屋調査士の先生方は、当然のことながら限られているかと思います。
 国としてどのようにこうした有資格の方々を確保するのか、また、こういった専門家の方々がいらっしゃらない場合には一体どういうふうになるのかということを検討しておられるのか、お伺いしたいと思います。

○原政府参考人
 今回の指針におきまして、土地家屋調査士等の専門家の御判断を求めるということを記載しましたのは、やはりそれぞれの家屋等が損壊しているのかどうかについての判断が難しい場合があろうかということで、こういう指針が示されたわけでございます。
 当然、東北地方にお住まいの専門家の方々はそれほど多くはないと思いますけれども、全国の専門家の皆さんが全面的に協力をしていただけるものと考えておりますので、そういったことを踏まえながら、具体的な運用につきましては今後議論がされていくんだろうというふうに考えております。

○柴山委員
 積極的なサポートですとか、今申し上げたように専門家の方がいらっしゃらなかった場合について一体どうするかということは、これは法的な効力がないというお話だったんですけれども、もうちょっと明確にしていただいた方がよいのではないかなというように私は思います。
 次の質問なんですけれども、瓦れきですとか効用をなさない自動車ですとか、価値のないものであればいいんですけれども、そうでない場合には、市町村の職員ですとか自衛隊の方々ですとか民間の方々の責任というのはどのようになるんでしょうか。

○原政府参考人
 今回の瓦れき等の撤去に当たりまして、過って客観的に価値のあるものを壊してしまったという場合には、法律上は国家賠償法あるいは民法の不法行為責任の問題が出てこようかと思います。
 自衛隊なりあるいは自治体の皆さんがやっているということであれば、国家賠償法は個人が責任を負う場合は限定されておりますので、そういう面での配慮がされていくということだろうと思います。

○柴山委員
 例えば民法の七百二十条は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためにその物を損傷した場合には、緊急避難として違法性は解消できるというようにされていますし、先ほどもちょっと質問に出ていたようですけれども、土地の所有者が土地利用を妨げているものの所有者に対して、所有権に基づく妨害排除請求ができるはずですから、みずから費用負担する、あるいは、みずから負担できない場合に自治体や消防の方々、自衛隊の方々が撤去を負担して行うということであれば、それと妨害物の毀損による損害というものは、ある程度相殺というか解決済みということはあり得るのかなというようにも思うんですけれども、ただ、恐らくこれは非常に難しい判断なのではないかなというように思います。
 刑法上は、今言ったような有価物、価値のあるものを壊した場合、あるいは領得をしてしまった場合、一体どのようになるんでしょうか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 これはもうあくまで一般論でございますけれども、もちろん、考えられる罪名としては窃盗罪であるとかそれから遺失物横領罪であるとか、あるいは壊した場合は器物損壊罪というのが考えられまして、それぞれの構成要件に該当するかどうかというのは、証拠に基づいたケース・バイ・ケースの判断ということになろうと思います。
 ただ、通常の撤去作業、これを考えますと、他人のものを例えば移動させたということについては、通常は不法領得の意思は欠けるということで、窃盗罪や遺失物横領罪は成立しないというふうに考えられますし、また、倒壊して瓦れき状態になったものを通常の撤去作業に伴って損壊するということについても、器物損壊の犯意を欠くということで、器物損壊罪はそこで成立しないというふうに考えております。

○柴山委員
 また、この指針の自動車のところで、効用がある自動車で、所有者が返還を求めない場合、所有者がわからない場合、そういった場合の取り扱いについては「追って指針を示す。」ということになっているんですけれども、これはいつ結論が出るんでしょうか。

○小川(敏)副大臣
 現状ですと、その自動車は所有者、管理者の管理を離れておるわけですから、遺失物というような扱いになるのかと思います。
 そうすると、遺失物ですと、遺失物法によって、公告をした後、提出者の所有になるというようなことになるんでしょうけれども、実際に数がどれだけあるのか、遺失物法の処理をした場合に、遺失物ですと警察が行うわけですが、保管場所の確保とか事務の量によって処理し切れないというようなケースもあるのではないかということもありますので、状況をもう少しよく把握して、遺失物法で処理できるのならそれでいいでしょうし、仮にとても遺失物法では処理できない、でき切れないという状況があるなら、しかし、人の所有物を勝手に廃棄するわけにはいきませんから、何らかの立法が必要なのかどうか、そういったことも踏まえて検討しておるところでございます。
 速やかにという姿勢で臨んでおりますが、そうした状況を見てからということも考慮しております。

○柴山委員
 ありがとうございます。
 それと、自動車の場合、リース物件が結構あると思います。リース物件がこういった震災で滅失した場合の所有権ですとかあるいは危険の負担はどのように考えるんでしょうか。
 一般法理からすれば、ユーザーに利用させる義務を負うリース業者がこういった危険というものをかぶるはずだと思うんですけれども、特約でユーザーの側が損害を負担するとなっている場合が多々見られるところであります。これは有効な規定なんでしょうか。

○原政府参考人
 自動車のリース契約における所有者と使用者との間の法律関係は、契約の性質等に応じてさまざまであろうと思いますので、一概にお答えすることは困難であろうかと思います。
 ただ、一般論でお答えいたしますと、いわゆるファイナンスリース契約に基づいてユーザーが自動車を使用している場合には、ファイナンスリース契約の実態はユーザーに金融上の便宜を供与するものでありまして、リース物件の使用とリース料の支払いとは対価関係に立つものではございません。したがいまして、リース物件が滅しても、ユーザーはその後のリース料の支払い義務を免れるものではないというふうに判例上解釈されております。
 したがいまして、いわゆるファイナンスリース契約におきましては、ユーザーが自動車滅失後のリース料を支払わなければならないとの条項がありましても、その有効性が否定されることにはならないものと考えられます。
 ただ、リース契約にはさまざまなものがございますので、その契約類型ごとに自動車の所有者と使用者との間の法律関係もさまざまでありますので、その効力については、個々の事案ごとに、公序良俗に反するのかどうか、そういった観点から判断されることになるだろうと考えております。

○柴山委員
 ユーザーは、車を失った上、リース料は引き続き負担をしなければいけない。震災に遭っている上、大変な苦労に見舞われることが予想されるわけですね。ましてや、この損害というのは通常の保険ではカバーされないですよね。地震に関する保険に入っているということはないでしょうし、ましてや、津波が襲ってきたときの損害という形での保険というものはないのではないかというように思いますので、これは、やはり適切な形での処理というものがなされるようにぜひお願いしたいというように思っております。
 まだまだほかにも、先ほど御質問が辻議員の方からあった借地借家の関係の問題ですとか、あるいは山崎議員の方からお話があった境界の確定の問題ですとか、聞きたいことがたくさんあるんですけれども、時間がありませんので次の質問に移らせていただきたいと思います。
 震災によって会社が休業を余儀なくされた場合に、使用者の賃金支払い義務というものは一体どうなるのか。
 具体的には、工場設備が地震で壊れてラインが停止した場合、また、原発事故による放射能汚染で食品の生産ができなくなったような場合、また、今建設資材が大変不足をしておりますけれども、部品の入手が困難になってしまった場合、こういった場合で休業をした事業者の賃金支払い義務というものは一体どうなるんでしょうか。

○金子政府参考人
 お答え申し上げます。
 労務の提供が行われないときは賃金も支払わない、ノーワーク・ノーペイというのが原則でございますが、労働基準法第二十六条では、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合には休業手当を働く方にお支払いいただく必要がある、こういうふうに規定されているところでございます。
 今議員からお話のございました、例えば、事業場が倒壊したようなケースでございますが、こうした事業場の施設設備が直接的な被害を受けた場合、これは、その結果として休業せざるを得ない。こうした場合につきましては、原則として、今申し上げました使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないものと考えられます。したがいまして、労働基準法二十六条の休業手当の支払い義務はないものと考えます。
 他方、食品原材料の放射性物質による汚染が疑われることや建設資材の調達難、こういったことで休業するようなケースも考えられますけれども、このような場合には、事業場の施設設備が直接的な被害を受けていない場合でございますので、原則としては、使用者の責めに帰すべき事由による休業に該当し、休業手当の支払いが必要になるというふうに考えられます。
 しかしながら、このような場合におきましても、他のルートで原材料が入手できないとか資材が入手できない、あるいは、使用者の方として休業回避のために具体的な努力がなされたというような場合には、こうしたことも総合的に勘案して判断すべきものと考えておりまして、中には、使用者の責めに帰すべき事由による休業に該当しないと判断されるケース、すなわち、休業手当の支払いが不要になるケースもあるものと考えております。

○柴山委員
 結論からすると、直接的な倒壊のような場合には休業手当を従業員に対して支払わなくても大丈夫だけれども、そこまで至らないような場合はケース・バイ・ケースで、休業手当を支払うべき場合と、それすら免れる場合というものがあるというようなお話だったかと思います。
 では、これらについて国がそういった損害をどのようにカバーしていくのか。休業手当を払った場合には事業者が損害をこうむるわけですし、休業手当がもらえない場合は、今度は従業員が経済的な損害をこうむるわけですから、それぞれについて国がどういう支援策をとっているのかということをぜひ御説明いただきたいと思います。

○中沖政府参考人
 御指摘の点でございますが、工場が倒壊した場合あるいは原発周辺地域にあるような場合、いわば震災による直接的な被害から事業主がやむを得ず事業を休止したことによりまして賃金を受け取ることができない状態にある労働者につきましては、実際離職していなくても失業したものとみなしまして雇用保険の給付ができる特例措置を今実施しているところでございます。
 また、流通網の遮断等で、例えば物品調達ができない、あるいは従業員の通勤ができないといった、震災や原発に起因する経済的な理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るため休業等を行いましてその手当を払うというような場合につきましては、その一定割合を助成する雇用調整助成金の対象になるわけでございますので、私どもとしては、こうした雇用保険の特例措置あるいは助成金を使いまして、労働者の生活あるいは雇用の安定に努めてまいりたいと考えております。

○柴山委員
 ただ、では計画停電によって損害が出た場合はどうなるのかですとか、あるいは風評被害によって生じた損害はどうなるのかですとか、さまざまな形で今言った雇用関係の損害というものは、無限とはいかないまでも、膨大に広がっていくことが予想されると思うんですね。やはりこの境目というものをある程度しっかりと考えていかなければいけないというように私は思いますが、もし何かございましたら。

○中沖政府参考人
 雇用調整助成金でございますが、実は、地震が今回発生しました後、直ちに活用事例あるいはQアンドAを出しておりますが、この活用事例の中に、例えば、計画停電の実施を受けて事業活動が縮小した場合はこれは対象になり得るというのを明示しておりますし、また、先生御指摘ございましたが、風評被害により例えば観光客が減少した、あるいは農産物の売り上げが減少した、こうしたものも雇調金の対象になるということを明示しているところでございますので、できるだけ幅広く弾力的に解釈をして、我々としては雇用の安定に努めたいというふうに考えております。

○柴山委員
 それともう一つ。今私が質問させていただいたのは、事業活動自体がストップしたりあるいは縮小したりした場合の国の助成というか保護について質問したんです。これとは違って、事業自体はやっています、ただ、計画停電で従業員が定時にその事業所に行けなかった、それによって例えば就労時間が限られてしまったですとか、そういう場合は一体どうなるんですか。

○金子政府参考人
 議員から今御指摘がございましたけれども、計画停電によって所定の時間に通勤できなかったとか、その間労働ができないというようなケースが考えられるわけでございますが、こうした場合につきましては、それぞれの事業場で労働協約とか就業規則とかあるいは労使慣行がある場合には、まずそれに基づいて、必要な賃金の支払いを使用者の方に行っていただく必要があると考えております。
 仮に、このような定めがない場合には、これは最終的には民事上の問題としてしかるべき判断がなされるべきものとなると思いますけれども、一般的なことで申し上げますと、計画停電によって出勤できないことを使用者の責めに帰すべき事由による労務の提供不能であると解すことは難しいと思いますので、したがって、民法五百三十六条等の規定に照らせば、使用者に賃金等の支払い義務はないと考えられると思います。
 ただ、このような事態が長期にわたりますと、大変働く方に不利益が生ずるという問題も生ずるわけでございまして、こうした点での賃金の取り扱いにつきましては、私どもとしては、労使で十分にお話をいただいて、適切な対応をいただく必要があるというふうに考えております。

○柴山委員
 ありがとうございました。
 次の質問に移らせていただきます。
 先ほど、部品の入手が困難になった場合の事業主の休業ということについて質問させていただいたんですけれども、これは対従業員だけではなくて、その製品を売る相手取引先への債務不履行責任という観点からも問題となり得るかと思います。この取引債務の不履行は、震災によって免責をされるんでしょうか。

○原政府参考人
 民法の四百十九条三項によりますと、金銭債務の不履行については、債務者が不可抗力を抗弁とすることはできないと規定しておりますので、一般論としましては、金銭債務以外の債務につきましては、不可抗力によって債務不履行責任を免れることができると解釈されます。
 それで、お尋ねのような事案につきまして考えますと、売り主が債務不履行責任を免れるかどうかというのは、震災がどの程度その事業に影響を及ぼしたのか、その個々の具体的な事情によって判断されることになるものと考えております。

○柴山委員
 わかりました。不可抗力と言えるかどうかはケース・バイ・ケースということであろうかと思います。
 逆に、買い主側、まさしく今御指摘のあったように、代金を期限までに支払えなかったですとか、あるいは手形が決済できないですとか、そういう場合はどうなるのか。金銭債務は不可抗力ということで免責をされない絶対的な債務だというように言われておりますけれども、金融庁や経産省はいかなる対策を講じているんでしょうか。被災地振り出しの手形が落ちないというような場合について、ぜひお伺いしたいと思います。

○遠藤政府参考人
 お答えいたします。
 今般の地震の発生を受けまして、三月十一日に、金融担当大臣、日銀総裁から関係金融機関に対して要請文を発出しております。その要請文の中で、災害時における手形の不渡り処分について配慮することを要請しております。
 この要請に基づきまして、手形交換所を運営している各地の銀行協会はこれを踏まえまして特別措置適用を決定しております。災害のために不渡りになった手形に係る不渡り処分については、それを猶予するといった措置を講じているところでございます。

○柴山委員
 一見よさそうなんですけれども、ただ、それでは十分じゃないと思うんですね。
 というのは、不渡り処分を免れるための措置を受けるためには事前にきちんと相談をしていなくちゃいけないということが言われております。また、これはあくまでも被災地の債務者が振り出した手形ですから、二次的な被害ですね、結局、その手形については落ちないことは落ちないわけです。不渡り処分にはならなくても、落ちないことは落ちない。では、その決済を当てにしていた被災地外の事業者がさらに支払いができなくなってしまうような場合については、この処理の範囲外ということになってしまいます。
 こういったさまざまな不都合については一体どのように考えればいいんでしょうか。

○遠藤政府参考人
 まず、柴山先生の最初の御質問でございますけれども、事前相談が必要なのかということだと思います。
 今回の手形交換所による特別措置は、支払い銀行がその原因が災害によるものと認めた場合に不渡り処分を猶予するものということでございますので、できるだけ手形債務者がその振り出し銀行に、支払い銀行に対して事前に相談することが望ましいと思います。ただ、いろいろな事情がございますので、仮に手形債務者から事前相談がない場合であったとしても、残高不足がもし認められる場合には、支払い期日当日に銀行側から手形債務者の方に連絡いたしますので、その連絡の中で資金不足の原因の確認が行われれば処分を猶予することは可能でございます。
 また、仮に連絡がつかない場合であったとしても実務上どういう判断をしているかということについて、銀行側にいろいろとヒアリングをしております。それによりますと、手形債務者に連絡がとれない場合、それで資金不足の原因が確認できなかった場合においても、被災状況を確認して不渡り処分を猶予しているといった実務上の取り扱いが行われているというふうに聞いております。
 それから、被災地以外の者に対していろいろと影響を与えるではないかという先生の御指摘でございました。これに関しては、今回の手形の不渡りの特定猶予という話とともに、つなぎ融資等がどのような形で行われるかということでございます。これについても、私どもは金融上の措置を三回にわたって各金融機関に要請しております。特に、手形決済が増加する年度末の資金需要期を迎える中で、三度目の要請、三月二十三日に要請しておりますけれども、ここにおいては、今般の災害の影響を直接、間接に受けている顧客から、返済猶予等の貸し付け条件の変更、あるいはつなぎ資金の供与等の申し込みがあった場合には、中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえて、できる限りこれに応じるように努めるということを要請しているところでございます。
 こうした要請を踏まえまして、金融機関は、災害の影響を直接、間接に受けている被災地、その他の地域の中小企業者に対する金融の円滑化に全力を挙げて取り組んでいるものと承知しております。

○柴山委員
 経産省の方では、こうした中小企業の、特に間接被害を受けた方々への支援ということは、どういう対策を考えておられるんでしょうか。

○伊藤(仁)政府参考人
 お答えいたします。
 三月十四日に、政策金融機関でございます日本公庫や商工中金より、直接に被害を受けた中小企業のみならず、その取引先であります中小企業を含めて対象としました長期、低利の融資制度、災害復旧貸し付けと申しますけれども、それを開始しております。特に、貸し付け後三年間、借入金の一千万円を限度として、〇・九%の金利引き下げ措置を実施しているところでございます。
 また、これらの公的金融機関に対しましては、既往債務の返済猶予など、条件変更にも柔軟に対応するよう要請をあわせて行っているところでございます。
 さらに、被災中小企業に限らない資金繰り支援策として、日本公庫によりますセーフティーネット貸し付け、売り上げが急に落ちた場合についての低利、長期の融資でございますけれども、それを実施しておりますし、加えて、各都道府県の信用保証協会が行う信用保証制度におきましても、二十三年度の上半期から四十八業種を対象として実施する予定でありましたセーフティーネット保証について、今回の震災の発生を踏まえまして、業種判断というものを据え置きまして、原則全業種、八十二業種を対象とすることとしたところでございます。
 なお、今後とも、間接被害も含めまして、支援策についてしっかりと検討してまいりたいと思います。

○柴山委員
 金融庁、経産省と伺ってきましたけれども、法務省については、この債務不履行への対策ということをどのように考えておられるんでしょうか。

○原政府参考人
 今回の震災に対しましては、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律に基づきまして、三月十三日に政令が公布されております。
 この政令の中で、債務超過に陥った法人の破産手続の開始の特例の措置をしております。具体的には、この特別措置法で認められております最長の期間でございます平成二十五年三月十日までの間、今回の震災に伴う被害によって債務超過に陥った法人については、破産手続開始の決定をすることができないという、こういう措置をしております。

○柴山委員
 法人に対するということを言われましたけれども、個人が債務者である場合もあると思うんですね。個人に対する債権者破産ということは引き続き申し立てられてしまうということで本当にいいのかということをお伺いしたいのと、あと、民事調停の申し立て手数料についても特例が出されるということですけれども、これもその対象地区や適用期間ということがやはり重要になってくると思いますので、その検討状況、あわせてお伺いしたいと思います。

○原政府参考人
 まず、個人の問題でございますが、個人につきましては、破産法上、破産原因が支払い不能のみとされております。支払い不能の状態に陥った場合にはもはや清算の段階に入るべきものと考えますので、特例措置の対象には法律上されていないわけでございます。ところが、法人の場合には債務超過も破産原因になっておりますので、それについての手当てがされているということでございます。
 それから、民事調停の手続費用の問題でございます。これも、この特定非常災害に関する特別措置法において措置ができることになっておりますので、どのような地域にするかについて検討をしているところでございます。

○柴山委員
 ぜひ迅速な検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、時間がそろそろなくなってきたんですが、ちょっと行政上の関係についてもお伺いしたいと思います。
 震災によって行政上の手続が妨げられたり、あるいは期間が十分でないというような事態が生じる場合があると思うんですね。例えば、外国人の在留期間が終わりの方に震災が起きてしまったような場合ですとか、あるいは運転免許ですね。被災地で免許を持っておられる方々が更新をしようと思っていたところ震災が起きてしまった、そういうような事態に一体どういう対応がされるんでしょうか。

○黒岩大臣政務官
 お答えいたします。
 今甚大な被害を受けている東北四県及び茨城県の被災地域には約七万五千人の外国人住民がおられる。そのうちの相当数の方々が被災されまして、在留期間が切れそうになっても、入国管理官署に出頭して手続をとる余裕などもない方が多分多くいらっしゃるだろうと思っております。
 そこで、法務省といたしましては、三月十六日に、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特措法に基づきまして告示を行いました。今回の震災のときに東北四県及び茨城県に住んでおられた方など、これは震災当日にそこにいた方または外国人登録をしている方なんですけれども、この方たちを対象に、在留資格に伴う在留期間を一律平成二十三年、本年の八月末日まで、三十一日まで延長いたしました。
 このことによりまして、被災した外国人の方々は、仮に在留期間が到来したとしても、何ら手続をとらなくても本年八月末日までの在留期間が延長されることになる、このような対応をとらせていただいております。

○石井政府参考人
 運転免許の有効期間につきましては、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律に基づく国家公安委員会告示によりまして、被災地に住所がある方で運転免許証の有効期間の満了日が平成二十三年三月十一日以降である場合は、当該満了日が一律に平成二十三年八月三十一日まで延長されることとなっております。

○柴山委員
 延長されるということを聞いて、それはそれでよいのかなというように思います。
 ただ、免許証とかの場合ですと、震災によって流されてしまったり所在がわからなくなってしまうというようなことがそもそも起きてくるんだと思うんですね。そういった場合の運転免許証の不携帯ということについてはどのように扱われるのかということをお伺いしたいと思います。

○石井政府参考人
 道路交通法によりますと、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る運転免許を携帯しなければならないとされているところでございます。
 しかしながら、今回の災害により運転免許証を紛失するなどして、やむを得ず運転免許証を携帯せずに運転しなければならない状況もあることから、このような被災者の方につきましては、事実関係を確認し、免許証不携帯として検挙しないように都道府県警察に既に指示したところでございます。

○柴山委員
 当たり前の措置だとは思いますけれども、その場合の再交付、これは義務づけられないんでしょうか。いつまでの特例なんでしょうか。

○石井政府参考人
 先ほども申しましたように、運転免許がなければ基本的に運転ができないことでもあり、また運転免許証が本人確認の書類として有用であることから、被災者の利便を考えまして、できる限り速やかに運転免許証を再交付できるように努めているところでございます。
 被災地を管轄する警察におきましては、運転免許センターの施設等に大きな被害を受けましたが、再交付の業務を最優先で行うべく鋭意復旧作業を進めてきたところでございまして、本日現在、被害が著しかった宮城県警察を除き、すべての県警察で再交付業務が行われております。宮城県警察におきましても、できるだけ早い時期に業務が再開できるよう、引き続き作業を続けているところでございます。

○柴山委員
 よろしくお願いいたします。
 もう本当に残り時間がわずかになったんですが、法案について短くお伺いしたいと思います。
 こうした震災に伴って、さまざまな法律事件の増加が見込まれると思うんですけれども、そういうことへの対応ということもやはりこの司法インフラの充実に含めて考えていかなければいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 委員御指摘のとおり、今回の震災の結果、さまざまな法的紛争が発生することが当然予想されているところでございます。過去の阪神・淡路大震災の際には、神戸地方裁判所の管内で調停事件、特に宅地建物関係の調停事件が前年度の三・五倍というふうに顕著に増加したという状況がございました。そういった点で、当時は、神戸に事件を集中的に処理する体制をとったところでございますが、今回は、神戸の場合と比べましても被災地域が非常に広範である上、被災の状況も神戸とはかなり実情が違うということでございます。
 そういった点で、私ども、一応神戸の状況も参考にしつつ、今後どういう事件が起きてくるかということをいろいろな観点から予測をしながら体制を整えていくわけでございます。例えば調停事件が増加するということになりますと、これは調停委員を確保する必要もございますが、神戸の場合と異なりまして、調停委員もかなり被災されておるような地域の実情もございますので、この点もまた今後十分検討してまいらなければならないというふうに考えております。
 そういった点で、まだ確たる予測ができない状況ではございますけれども、私どもといたしましても、このような事件が増加するかということは、いろいろな情報で早期に判断、予測をいたしまして、それに対応できる体制を物的あるいは人的両面で検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○柴山委員
 これは必ず来ますからね。必ず来ますし、来たときに対応しても絶対間に合いませんから、今のうちからしっかりと適切な準備をしてほしいと思います。
 また、裁判所の定員ももちろん増加しなければいけないということになると思いますけれども、やはり法曹人口トータルのやり方についてもこれを機にもう一度見直しをしてほしいと思うんです。
 やはり、裁判官とのバランスの問題ですとか、あるいはその質の問題ですとか、あるいは今言ったように今後のニーズについていま一度検証ということを行っていただきたいと思いますし、またロースクールのあり方についても、本当に今のままの体制でよいのか、今後引き続きしっかりとやっていける体制になっているのかということも見てほしいですし、また修習生の給費制の問題、こういうことについても検討をしてほしいというように思っているんです。特に給費制、あと一年間しか延長されませんので、もろもろの司法改革の抜本的な見直しということをどの程度今やっているのかということをお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣
 法曹養成については、委員が今御指摘のようなさまざまな問題状況が出てきていることは確かでございます。法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度、これが、法科大学院の志願者の大幅な減少等が起きてまいりました。
 そこで、法務省と文科省が共催をした法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム、これが、法曹養成制度の問題点、論点を検証して、改善方策の選択肢等を整理して取りまとめを昨年の七月でしたか、いたしました。さらにその後、昨年十一月二十四日の当委員会の決議がございまして、そこで政府に対して、法曹養成に関する制度のあり方全体について速やかに検討を加えよ、その結果に基づいて順次必要な措置を講ぜよ、こういうことを言われておりますので、現在、文科省を初めとする関係機関とともに、法曹養成に関する制度のあり方全体の検討を開始するためのフォーラムを立ち上げようとしているところでございまして、既に関係者の集まる期日など決めたところへこの震災ということになりまして、ちょっとおくれておりますが、余りおくらすことはできないと思っているところでございます。

○柴山委員
 もちろん、震災復興第一で考えていただきたいと思いますけれども、こちらのインフラも、司法インフラもまた非常に重要で、急な検討を要する課題であるかと思いますので、ぜひ関係の皆様には御尽力を賜りたいと思います。
 最後に一点だけ、通告をしておりませんが、お伺いしたいのは、先ほど階議員の方から、判事補から判事への昇進を例えばおくらせるということを今回検討できないかという御質問があったんですけれども、これを検討するに当たって、特段、何か法的な障害がある、例えば報酬を減らせないという、憲法八十条の二項でしたか、規定があったかと思いますけれども、そういった障害はないですよね。それについて最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 突然の御質問でございますので、ちょっと確たることを申し上げるのは難しゅうございますけれども、判事補あるいは判事というものについては、それぞれ法律上任命資格が定められております。そういう意味で、判事補を任命する、判事を任命するというのは、それぞれ資格があれば任命できるわけでございますので、例えば、仮定の話でございますけれども、判事補を十年やられた方がまた判事補を任命希望された場合に、それが法律上問題かというと、それは多分障害はないんだというふうに考えている次第でございますが、先ほどこの点は人事局長も答弁いたしましたとおり、裁判官の任命手続は、まず、その裁判官に任命希望というか任命したいという意思が表示されて、それを受けて、一定の手続を経て、それに任命するかどうかを判断するわけでございまして、その関係で、例えば判事に今任命を希望しておられる方について判事補で任命するということについては、やはりこれは御本人の意思等の関係で問題があるんではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

○柴山委員
 質問を終わります。以上でございます。

第177回 国会 衆議院 予算委員会

第177回 国会 衆議院 予算委員会 第15号
平成23年2月21日(月)
午前十時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 きょうは、政治と金の問題の集中質疑ということになっています。
 菅総理にまず伺います。
 集中質疑ということなんですけれども、超党派の議員で、予算委員会とは別に、政治倫理を扱う中継入りの委員会を開催して、そこに証人や参考人を呼べるということを提言しているんですけれども、こうした考えについて総理はどのようにお感じでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 今、具体的な話としては初めてお聞きしましたので、やはり、国会の中でどういう新たな一つのルールといいましょうか、何かをつくるといったことについては、国会の中で御議論いただくのがいいのではないか。私の立場で、余り詳しいことを知らないであれこれコメントするのは、少し遠慮した方がいいんじゃないかと思います。

○柴山委員
 ぜひ御検討いただきたいと思います。
 続きまして、菅総理に伺います。
 政治資金規正法違反で起訴されて、二月七日に初公判が開かれた石川知裕元民主党所属議員について、私は議員辞職を勧告せざるを得ないと考えますが、あなたはどうお考えですか。

○菅内閣総理大臣
 石川議員は、現在、党を自発的に離れておられると理解しておりまして、どういうことをおっしゃりたいのかわかりませんが、私は、そうした御本人の対応を党としても理解をしている、このように承知しております。

○柴山委員
 私は今、菅直人総理に、一議員として、この議員辞職勧告決議ということについてどのように考えるかということをお尋ねしたんです。
 既に二月八日に、自民党、公明党、たちあがれ日本が衆議院にこの辞職勧告決議案について提出をしております。総理、総理は野党時代に、自分の所属をしている政党ではなくても、議員辞職についてさまざまな形で質問をされていたと記憶しております。
 もう一度お伺いします。石川議員について、総理は一議員としてどうお考えなのですか。

○中井委員長
 総理に一議員として聞くというのは、ちょっとつらいと思いますが。

○菅内閣総理大臣
 私も多少この国会の場が長いので、私が当選してしばらくしたときに、田中角栄元首相が一審で有罪判決があったときに、議員辞職の議論がいろいろとあったことは私もよく覚えております。
 いろいろな場面、いろいろなことがあると思いますが、一議員として答えろということでありますが、この場にこういう形で出ているのは、総理という立場で出ておりますので、この問題については、やはり党の方でしっかりと議論をした中で、先ほど申し上げたように、離党ということを御本人が決断をされて、それを党としては了としているというふうに理解しております。

○柴山委員
 議員として質問をするなということでしたけれども、先ほど来、民主党の代表としての質問は、民主党の所属議員からもさまざまな形で質問をされていたんです。そして私は、今第一審での田中元総理についてのことについて御発言になられましたけれども、今回も、確かに石川知裕さんは起訴段階での議員辞職についての検討なんですけれども、田中さんのときとは決定的に違うことが一つあるんですよ。
 石川議員は、確かに、みずからの自白について誘導されたものだと争うために、取り調べの際に隠し録音をしたやりとりを証拠として提出しています。しかし、先日の初公判での左陪席裁判官の再現によれば、その録音自体のICレコーダー再生から三分過ぎの部分で、石川議員みずから、どういう努力をしたら執行猶予三年になりますか、だって無罪になるわけじゃない、それは百も承知、ただ、ちょっとこれはというところは訂正したいと発言しているんですよ。
 弁護人はいろいろ理屈をつけていますが、本人自身がこのように罪を自覚している案件なのですから、議員をやめていただくのは当然じゃないんですか。

○枝野国務大臣
 法務大臣もおいでになっておりますので、どちらから答えた方がいいのかわかりませんけれども、まさに今裁判所で裁判が行われている案件でございます。なおかつ、これについては、広い意味での行政権の行使として公判請求をいたして裁判になっているところでございます。
 もちろん、法務大臣の指揮権以外に内閣が直接コントロールすることができないということでの一定の独立性がありますが、まさに内閣総理大臣のもとで、その行政権の一環として公判請求がされて、現に裁判が行われている案件についてかかわることについては、内閣総理大臣の立場にある以上は、これはお答えできないというのは御理解いただければと思います。

○柴山委員
 再度繰り返します。
 私は、この石川議員の辞職勧告決議ということについては、今申し上げたことも含めて、政治的道義的責任として、議員としての立場を返上するのがふさわしいのでないかということを確認させていただいているんですよ。そして、この問題は、次に質問させていただく小沢元代表の処分につながってくる問題なんです。
 総理は、つい先日、一月四日の記者会見で、起訴が実際に小沢元代表に対して行われたときには、やはり政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべきと、議員辞職にまで言及されました。今回検討されている党員資格停止という処分は、不十分だとお感じになりませんか。

○菅内閣総理大臣
 先ほどのことは、官房長官が答えられたので、あえて繰り返す必要はないかもしれませんが、何か、裁判の中でいろいろなやりとりがあるということを、柴山さんも専門家ですからいろいろ取り上げられるのは、そのこと自体は自由ですが、その中身を、こういう中身があったからこうすべきだ、ああすべきだというのは、少なくとも私が答えるような趣旨ではない。やじでは逃げるなと言われますが、そういうことまで答えていたら、裁判の証拠調べについて総理大臣が何か、この証拠調べはこうだった、ああだったというのは、これは明らかに私はちょっと趣旨が違うのではないかと思います。
 その上で、今おっしゃったことは、私は、一月四日でしたか、起訴が決まったときには、出処進退というのは基本的には政治家みずからがまずは考えるべきことだということを申し上げましたし、そのようにそのとき考えて、そしてその後も、そのこと自体、私が考え方を変えたわけではありません。

○柴山委員
 再度繰り返しますけれども、私は、石川議員の問題については、政治的道義的責任として、議員たる地位を返上する必要があるのでないかということを質問させていただいたものであって、何も、裁判とか証拠調べの内容について容喙しろということを申し上げているわけではないんです。
 その上でお伺いしますけれども、先ほどの小沢元代表についての議員としての身の処し方については、確かに、一義的には御本人が判断されることであろうことは間違いはないかもしれない。ただ、あなたは、出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべきということは、明らかに、議員辞職をするべきだという価値観をお述べになったものではないですか。党員資格停止ということが、この総理の御発言と余りにもかけ離れたものであるということを指摘せざるを得ないと私は思っております。いかがでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 どうも柴山さんの論理は、非常に厳しいようで、私には少しずれているように思うんですね。
 つまり、私自身が申し上げたのは、御本人が判断されるべきことではないかということを申し上げたんです。そういう意味で、私は、考え方を特にそれから変えたわけではありません。
 今言われている問題は、党としてどういうことをするか、いわゆる処分をするかということでありまして、これは、党が例えば議員云々ということを普通はやるのではなくて、党の中のルールにのっとって、党の倫理綱領等に基づいて、現在、役員会で発議したものを先日常幹で諮問をして、予定どおりであれば、あした、党の倫理委員会でお話を聞くという手続になっていまして、若干、そのことと今言われていることは、私は少し場面が違うことを言われているんじゃないかと思います。

○柴山委員
 あくまでも党としての処分であるというふうにおっしゃいました。
 しかし、考えてみてください。強制起訴が決まったのが昨年の十月四日ですよ。ここまで党としての処分が長引いて、そしてその間、もう御存じのとおり、党内抗争がさらに熾烈さをきわめて、そのことが政権与党としての本来の意思決定、役割についてマイナスに働いたとはお感じにならないんですか。

○菅内閣総理大臣
 もしかしたら御心配をしていただいているのかとも思いますけれども、この問題がどのくらい一般的にも難しい問題であるかということを、柴山さんもよくおわかりだと思うんです。先ほど田中角栄先生の話が出ましたが、一審有罪判決が出た後、当時の自民党は、当然ながら、議員辞職は必要ないという立場で押し通されました。
 つまり、この小沢さんの問題も、我が党は我が党として、大変な重い課題として議論を重ねているわけで、党の民主主義をしっかり守りながらの議論でここまで来ているわけです。ですから、そういった形で丁寧に手続を進めていることであって、決して党として責任を放棄しているわけでもありませんし、何か、早くやれ、早くやれと言われますけれども、どういう意味で早くやれと言われているのかですね。
 つまり、民主党の中の手続を丁寧にやるということを、何か特に、早くやれやれと言われる趣旨が、応援なのかどうなのかよくわかりませんけれども、逆に、もっと党内抗争を期待されて言われているとしたら、それは大分趣旨が違うんじゃないでしょうか。

○柴山委員
 私は、本来、適切な期限を持ってしっかりと処分をするということを行わないがゆえに、こうしてさまざまな国政の混乱が生じているんではないかということを申し上げているんです。
 別の角度から伺います。
 今回、小沢氏に近い衆議院議員十六名が、十七日、会派離脱届を出したとのことですが、先ほど総理がおっしゃいました、党としての丁寧な手続をとるということは、責任ある処分をするということとは別だとおっしゃいました。
 では、たとえこれらの方々が離党することとなって、与党側が法案を衆議院で再可決するために必要な三分の二の多数派を維持することができなくなったとしても、小沢氏の処分の手続は責任を持って貫徹するというお考えでよろしいですね。

○菅内閣総理大臣
 先ほども申し上げたんですけれども、柴山さんの議論は非常に精密に聞こえるんですが、しかし、責任を持ってというのは何に対する責任なんですか。
 私たちがやろうとしているのは、党の中の手続は、きちんと一つのルールにのっとって、まさに、これは私ももちろん責任ですが、党の責任で順次進めているんですよ、現実に。ですから、それを何か、自由民主党、今は私たちとはライバルの政党である一議員の方が、責任を持ってと言われるときには、何に対する責任なんですか。私たちは、党のことはちゃんと党の自律的な判断でやっていますから。やっているということは皆さん承知なんですよ。

○柴山委員
 党の責任は一体何の責任だとおっしゃいますけれども、国民に対する責任ですよ、総理。
 今、もし民主党が分裂をした場合、そして先ほど申し上げたように、三分の二の与党の多数派を維持することができなくなったとき、国民新党との連立関係、そして社民党との関係がどうなるのかということは、いわば日本国の将来にかかわる問題なんです。
 そういう事態になった場合でも、国民新党とともに、いわば郵政を再国有化する法案の成立を目指したり、あるいは、社民党の合意を取りつけるために、米軍普天間飛行場の県内移設予算の凍結、これについてはまだ総理は明確に否定をされておりません。これについて検討したり、そういうことをされるんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 私も一生懸命聞いているつもりですけれども、十六人の皆さんが会派を出たいということを実際言われたことは事実です。しかし、それに対して幹事長の方から、いや、それは認められないということで、実際の国会手続においても会派離脱は現実のものにはなっておりません。
 何かそういうことを、いろいろと仮定を置いて、そうなった場合に、さらに他党との関係でどうするつもりだ、こうするつもりだというのは、それはちょっと仮定が多過ぎるんじゃないでしょうか。そういう意味で、私が答える趣旨ではない、こう思っています。

○柴山委員
 今、総理は仮定が多過ぎるとおっしゃいましたけれども、報道では決してそんな生易しい報道になってないんですよ。(発言する者あり)報道をもとに発言をするなということなんですが、もし、この十六名が予算関連法案に対して反対の意を申し述べ、そういうことがあった場合、一体政局はどうなるんですか。
 総理、小沢さんと会談をされたということですけれども、小沢氏の証人喚問の問題、そして今回の処分の問題、しっかりとお話し合いになられたというのであれば、その内容を教えてください。

○中井委員長
 いつの会談のことですか。

○柴山委員
 十日の会談です。

○菅内閣総理大臣
 先ほどのことも、どうしても私は、なぜそのことを柴山さんが、我が党の、何か、三分の二なのか、あるいは予算関連法案について心配をしていただいているのであれば、ぜひそれは賛成をしていただきたいと。これは国民的にも混乱を招くからどうするんだと言われるのなら、ぜひ賛成をしてもらいたい、私たちはそういうことをずっとお願いしているわけでありまして、そういうことを抜きにして、そうなったときにはどうするんだ、どうするんだと言うことは、本当に私には、率直なところ、よく意味合いが理解できないので、あえて申し上げたんです。
 それから、小沢元代表と私がお話をしたのは、かなり報道にももう出ておりますけれども、私としては、強制起訴が決まった中で、やはり、党の処分という形よりも、御本人の意思で党を離れていただくという判断をされた方がいいのではないかということは、私の意見として申し上げました。

○柴山委員
 法案の成立に心配なら賛成すればいいじゃないかって、あなたは全く我々自民党の主張を理解していませんよ。
 私たちが今申し上げたのは、予算関連法案については余りにも内容がひどいではないか、そして、その予算関連法案の提出される内容がどうなるかということが、結局、今の普天間基地移設関連予算の執行がどうなるのか、そういうことも含めて、まずどういう案が提出されてくるのかということについて、このままだと明確にならないのではないかという問題意識で申し上げさせていただいているんです。
 続きまして、前回も質問させていただきました、小沢元代表の団体についての迂回献金問題について質問させていただきたいと思います。
 このパネル一をごらんください。
かつての新生党の解散などによって巨額の資金を集めてきた政治団体、改革フォーラム21の問題についてお伺いします。
 一昨年の衆議院解散日である七月二十一日に、改革フォーラム21は、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第四区総支部に三億七千万円の寄附を行い、翌二十二日には、その民主党岩手県第四区総支部から、そっくりそれと同じ金額が小沢氏の資金管理団体、陸山会に流れました。そして、陸山会から民主党の候補者九十一名に、総選挙公示までに計四億四千九百万円が提供されたんです。
 ちなみに、昨年の九月十四日実施の民主党代表選挙では、菅総理が勝利をおさめました。しかし、このお金をもらった九十一名の投票行動は、このパネル二のとおりです。
 この一番右の方々は、だれに投票したかを報道に対して明らかにしていませんけれども、この左と真ん中、わかっているだけで圧倒的に多くの方々が小沢さんに投票していることがわかります。
 片山総務大臣に伺います。
 一般論として、政党や政治資金団体、すなわち、自民党であれば国民政治協会という政党のお金の受け皿がありますけれども、それ以外の政治団体から同様の政治団体への寄附金上限額は年間幾らでしょうか。

○片山国務大臣
 今の御質問でありますと、政治資金規正法の規定によりまして、年間五千万ということになっております。

○柴山委員
 パネル一をもう一度ごらんください。
 先ほど……

○中井委員長
 柴山さん、申しわけありませんが、理事会でも少し話がありましたが、この資料は間違いないと思いますし、興味深い資料ですが、出典をちょっと明らかに。

○柴山委員
 先ほどというのは……

○中井委員長
 いや、一番最初に出ていないから。

○柴山委員
 これについては、議員の名前ですか。

○中井委員長
 いやいや、違う、出典。だから、新聞でしょう。

○柴山委員
 これは日経新聞です。

○中井委員長
 何日の日経新聞か。

○柴山委員
 これは十二月の一日です。

○中井委員長
 それで、二枚目の資料は読売新聞ですね。

○柴山委員
 二枚目の新聞は読売新聞です。

○中井委員長
 はい、承りました。

○柴山委員
 質問を続けます。
 今、片山総務大臣の方からは、政党あるいは政党の受け皿である政治資金団体以外の政治団体間の献金の年間上限額、これは五千万円という御指摘がありました。
 では、こちらの図のように、政党支部を間に挟むことによって、そうした政治資金規正法違反の罪は免れられるんでしょうか。

○片山国務大臣
 罪を免れるかどうかということとはちょっと違った御答弁になりますけれども、一般論として申し上げますと、政治資金規正法においては、政党及び政治資金団体、先ほど御指摘になった政党と政治資金団体とそれ以外の政治団体との間の寄附については、年間上限額は設けられておりません。そこの規制はございません。

○柴山委員
 しかし、そんな言いわけは通用しませんよ。政党支部を間に挟んだということだけで本当にいいのか。二つの資金移動の間はわずか一日。動いたお金も、三億七千万、三億七千万で、全く同額。さらに、民主党岩手県第四区総支部の代表者も陸山会の代表者も、同じ小沢さんじゃないですか。
 それだけではありません。このパネルをごらんください。
 当時、一番最初の団体、改革フォーラム21の会計責任者だったのは平野貞夫民主党元参議院議員でしたけれども、このように発言しています。ごらんください。この金は「天下分け目の戦いの時に使うつもりでプールしてあった。陸山会に直接寄付するのはまずいということで、政党支部に寄付した」。しかも、このときには、小沢さんとしっかりと打ち合わせをした上でこのような処理をしていると発言をされているんです。
 ここまで露骨なマネーロンダリングをそのまま是認することが、本当に正しい処理だとお感じになるんですか。

○片山国務大臣
 個別の案件については承知をしておりません。一般論として、法の規定の内容を申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、政党及び政党の政治資金団体については上限がございません。それら以外の政治団体間のやりとりは年間五千万ということでありますから、それぞれの局面でそれぞれの規定に違反しているかどうかの、その判定が必要になるだろうと思います。

○柴山委員
 菅総理、同じように、このような事例を放置しておいてもいいとお感じになりますか。

○菅内閣総理大臣
 私は、クリーンでオープンな政治ということを掲げて九月の代表選に出まして、多くの皆さんに支持をいただいて再選をしていただきました。ですから、そういう形で党の運営も、その後、心がけているつもりであります。
 そういう意味で、いろいろな、きょう午前中の議論にもありましたが、法律的に違法ではなくても、どういうことが適当であるか、あるいはおかしくないかということは、私はいろいろな議論がある、そういうふうに思っております。
 そういう意味で、巨額の、その当時はちょうど選挙の前でありますけれども、民主党としては、民主党の資金によって若い皆さんが頑張っていただくというのは当然あっていいことでありますけれども、そういう形以外のものがどのように使われるのが適切であるかというのは、それは一般的には議論のあることだと思っております。

○柴山委員
 全く答えになっていないと思います。そして、テレビをごらんになっていらっしゃる方も、同様に、今の御答弁には納得していないと思います。
 この改革フォーラム21に巨額の税金を入れたのではないかという疑惑を先日来追及させていただいております。キーマンは藤井官房副長官です。
 小沢氏がかつて代表を務めておられた自由党が、平成十四年、税金によって賄われている政党交付金を、十五億円超にわたって、当時の幹事長だった藤井官房副長官に支出したとされている問題。そして、二年後の平成十六年ごろ、先ほどの改革フォーラム21の口座に、収支報告書に記載のない、まさしく十五億円の入金があったと報じられた問題。この場で取り上げられました。この一番左の改革フォーラム21です。
 そして、藤井副長官、先日の質疑で、あなたが平成十四年に自由党から合計十五億円超の政党交付金を受け取った際に署名したとされる二枚の領収書について、あなたは認識がありませんとお答えになりました。間違いありませんね。

○藤井内閣官房副長官
 全くそのとおりです。

○柴山委員
 この領収書のあなたの署名の一つを拡大したのがパネル四です。
 一方、私たちの手元には、あなたがみずから署名をした書面があります。このパネル五をごらんください。平成十二年に衆議院議員の定数削減に関して交わされた合意書です。自民党、公明党に加え、自由党藤井裕久という署名があります。
 改めて、藤井副長官、この三党合意の署名はあなたが書いたものに間違いありませんね。

○藤井内閣官房副長官
 そのとおりです。

○柴山委員
 そして、この三党合意の署名部分のみを拡大したのがパネルの六です。
 これと先ほど問題となった領収書の署名を重ね合わせるとどうなるか。ずれないように透明セルを使ってきちんと重ね合わせます。まず藤の字、そして井の字、そして個性のある裕の字、久の字。どう見ても一致しているんじゃないんでしょうか。
 それだけではありません。おとといも一部報道で、この両者を照合した日本筆跡鑑定人協会会長が、民事裁判や事件で筆跡鑑定を手がけた経験を生かして、二つの筆跡が同一人によるものと判断したとされています。
 総理、この二つの署名をごらんになって、総理は一致しているとお思いになりませんか。

○菅内閣総理大臣
 私は筆跡鑑定をする立場でもありませんので、私がそれについてコメントをする立場にはないと思っております。

○柴山委員
 総理、かねてからこの問題については疑惑とされていました。にもかかわらず、藤井副長官を任命されたわけですから、もし実際に御本人がこうした領収書を作成して多額の政党交付金を使途不明にしていた場合に、みずからの任命責任が問われるとお感じにはなりませんか。

○菅内閣総理大臣
 これも、幾つか何かが飛躍があると思います。
 一つは、たしかこれは自由党の中のことで、それについては、当時合併前でありますし、党が違いますので、そのことを前提にいろいろとおっしゃるのは、どうして私におっしゃるのかなというふうに思います。
 ですから、何か、そのことが御質問の中でどういう意味で私に問われているのか、よく理解できません。

○柴山委員
 みずからの政党の一員になる前のことは不問に付してもよい、そのようにおっしゃるんですか。

○菅内閣総理大臣
 いや、今申し上げたとおりで、私が当時党が違った党のことをあれこれ言うのはふさわしくないと申し上げているんです。

○柴山委員
 それでは、そのときのことは調べられないと言うんだから、藤井副長官、そして関係者はみんな今民主党にいらっしゃるんですよ。今から調査しようと思ったらできるはずなんです。調査をしていただけますか。

○枝野国務大臣
 済みません、何をお尋ねになりたいのかがよくわからないんですが、菅総理が民主党の代表になりまして、そして、法的には問題はないけれども、いわゆる組織対策費については、今後は民主党としては行わないということを私が幹事長として決めさせていただきました。
 しかし、いわゆる組織対策費については、御党もたくさん支出をされておられる、そして法的に問題のものではございません。そのことが大前提の御議論ではないかというふうに思っております。

○柴山委員
 今回の問題で非常に大きいのは、この十五億円というのが、まさに政党交付金の報告書に書いてあるとおり、すべて税金であるということなんですよ。
 そして、藤井副長官、あなたは、私が先日、このように筆跡を照らし合わせて追及した際、私はその金をいただいておりませんから、それに対しての領収書の認識は全くありませんと、ちょっと含みのある御答弁をされました。そして、私が、金を受け取ったかどうかということとこの署名があなたのものかどうかということを、あえて分けた上で署名についてお尋ねしたのに対して、ああ、二つを分けてくださってありがとうございますとおっしゃったんです。
 一体、このありがとうございますというのはどういう意味なんですか。

○藤井内閣官房副長官
 この間のやりとりのときの当時のことをおっしゃっていただいたと思っています。
 分けたということは、全然そういうものはいただいていないということ、それから、いただいていない以上は、署名を書いたかなんということは全く認識の中にない、そういうことでございます。

○柴山委員
 お金をもらったかどうかということと署名をしたかどうかということを、二つを切り離して別々に、署名自体についてお尋ねしたんですよ。お金を直接は受け取っていないけれども、署名についてはもしかするとしたかもしれない、そういうことじゃないんですか。

○藤井内閣官房副長官
 違います。

○柴山委員
 では、先ほど申し上げた、二つを分けてくれてありがとうございますというのは、どういう意味なんですか。

○藤井内閣官房副長官
 受領しないということをはっきり言ってくださったということです。

○柴山委員
受領しないとうことをはっきり申し上げたわけではありません。お金を受け取ったかどうかということと署名をしたかどうかということを分けて、署名について質問させていただいただけなんです。
 まず、この署名について、あなたが署名をしたこと自体を否定されるんですか、それとも記憶がないんですか、それともだれかに代筆をさせたんですか。明確に御答弁ください。

○藤井内閣官房副長官
 記憶がないんじゃないです。

○柴山委員
 今重要な御答弁をされました。記憶がないんじゃないんですというふうに今聞こえました。記憶がないのではなければ、事実はどうなんですか。お答えください。

○藤井内閣官房副長官
 だから認識がないということです。

○柴山委員
 記憶がないのではないけれども認識がないというのは、一体どういうことなんですか。

○藤井内閣官房副長官
 申し上げたとおりです。

○柴山委員
 認識がないと、あなたは今明確におっしゃったんですよ。だけれども、記憶がないということではないとおっしゃったではありませんか。あなたは、要するに、この署名は自分がしたわけじゃないということをおっしゃりたいんですか。もう一回、明確に御答弁ください。

○藤井内閣官房副長官
 全く認識がないということです。(発言する者あり)

○中井委員長
 もう一度お答えをいただきます。三つのうちどれだと言われていますから、三つ全部違うのか、三つのうちのどれかか、藤井副長官、お答えください。

○藤井内閣官房副長官
 認識がないというのが正しい答えです。

○柴山委員
 ですから、認識がないというのは、あなたは今、記憶がないわけではないとおっしゃいました。ということは、私、つまりあなたが署名をしたのではないということをおっしゃったのですか、それとも、だれかに代筆させたのだということをおっしゃったのですか、それとも、第三者が不正にこの署名をしたということをおっしゃったんですか。明確にお答えください。

○藤井内閣官房副長官
 認識がないということは、本人が書いた認識が全くないということです。それ以上のことはわかりません。

○柴山委員
 自分の署名ではないということを今、藤井副長官はおっしゃいました。
 その上で、代筆ということではないのかという質問についてはどうですか。

○藤井内閣官房副長官
 それは認識がありません。

○柴山委員
 第三者の代筆も私は認識がない、つまり、藤井副長官が権限を与えたことはないということです。あなたが書いた署名ではなく、そして、あなたがこの代筆の権限も与えないということは、要するに、第三者が不正に署名をしたとあなたは今発言をしたということなんです。
 もし、いいですか、先ほど申し上げたように、この二つの署名は、既に一部の鑑定の方がおっしゃっているように、あなたの署名に間違いはないという意見も出ています。そのことを前提にもう一度お尋ねします。

○藤井内閣官房副長官
 全く認識がありませんし、それがどういう形で書かれたかということについても含めて、認識がありません。

○柴山委員
 もし、この領収書の藤井さんの署名が、今申し上げたとおり、あなたが代筆を許可していないにもかかわらず第三者によって不正になされたとすれば、それは刑法上いかなる罪に当たるんですか。江田法務大臣、いかがでしょうか。

○江田国務大臣
 今かなり仮定の質問をされたのですが、これがなかなか難しいんですね。
 二つの署名をそこへそうして並べておられますが、鑑定というのは、これはもう委員はよく御存じのとおりで、裁判でいう場合には、裁判官も検察官も弁護士も、もちろんいろいろなことを当然勉強して知っていますが、それでも全然知らないことはあるんです。そういうときに、専門的な知識や経験のある人に専門的な立場から調べていただくということで、この二つがそうやって並べていると、テレビで見ている人はそれは同じように見えるかもしれないけれども、必ずしもそうでもないので、今私、片山総務大臣とちょっと当時私どもが若かりしころのことを言っておったんですが……(柴山委員「質問に答えてください」と呼ぶ)答えます。
 「太陽がいっぱい」という映画がありますよね。あれなんかでも、本当に一生懸命署名を人が代行してしまうようなこともあるんです。
 ですから、余り仮定で聞かれても困るので、お尋ねの犯罪の成否ということについては、今の仮定だけで答えろと言われても、これは捜査機関が収集した証拠に基づいて個別に判断することでございますから、今のこういう事実だとどうですかと言われましても、それはお答えできません。

○柴山委員
 二つを重ね合わせて一致するかどうかという話だったのですけれども、藤井副長官、今こうやって改めてこの二つの署名をごらんになって、この領収書の字は自分の字に似ているなということをお思いにならないんですか。

○藤井内閣官房副長官
 そっちの署名は認識がありません。

○柴山委員
 それでは、認識がないというふうにお答えだったんですけれども、それで本当に世の中通るというふうに思うんですか。藤井副長官、認識がないというだけで、本当にこうやって照合させて、それで通ると思っているんですか。

○藤井内閣官房副長官
 さっきから申し上げているように、それを受け取っていませんから、そういう事実ということに対して全く知らないということです。

○柴山委員
 藤井副長官、そうやってあくまでも事実についてしらを切るということで、国民の皆さんは納得できません。
 江田大臣、この領収書は、一般論として尋ねますが、社会生活上重要な事実を証明する書面には当たらないんですか。

○江田国務大臣
 私は、この委員会、きょうは通告をされたから出てきたんですが、この領収書はと言われても、私、ちょっとその領収書が出たときにいないんだと思うんですね。どの領収書か、よくわかりません。

○柴山委員
 では、一般論として、領収書ということについてお伺いします。

○江田国務大臣
 一般論として領収書が重要な書類かどうかということですね。
 領収書というのは重要な書面だと思います。

○柴山委員
 社会生活上重要な事実の証明に関する書類について、もし第三者が不正に署名をして偽造したとなれば、これは文書偽造の罪になるんです。
 そして、藤井副長官、片山総務大臣とこれは認識が一致しているかどうか、ぜひお伺いしたいんですけれども、一般論として、政党交付金の支出先を偽って収支報告書が記載された場合、会計責任者は、政治資金規正法上、いかなる罪を問われるんでしょうか。

○片山国務大臣
 一般論として申し上げますと、政治資金規正法では、故意または重大な過失によりまして収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者または虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処する旨の規定があります。

○柴山委員
 藤井副長官、平成十四年の収支報告書提出の際、藤井副長官は自由党の幹事長であるとともに会計責任者でしたね。

○藤井内閣官房副長官
 そのとおりです。

○柴山委員
 とすると、副長官、鳩山前総理の偽装献金事件を思い出してください。友愛政経懇話会の事務担当者、勝場啓二氏が収支報告書の虚偽記載で処罰されましたけれども、会計責任者である芳賀大輔氏も重過失を理由に、先ほど片山総務大臣が御指摘をされましたけれども、同じく刑事処分を受けることになったんです。
 仮に、この署名が別人のものであって、政党交付金を藤井裕久さん以外の人が受け取ったということになっても、あなたも、知らないじゃ済まされないんですよ。いかがですか。

○藤井内閣官房副長官
 今の話は所管庁において判断されることと思っています。

○柴山委員
 さらに、このパネル七を見てください。
 これは、平成十四年の自由党の収支報告書です。これには、この右にあるとおり、「この報告書は、政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません。」という宣誓書が添付されていて、会計責任者である藤井副長官の署名捺印があります。これについても、あなたは、御記憶にない署名捺印であるということでよろしいんだったでしょうか。

○藤井内閣官房副長官
 記憶にないのではなく、認識がない。

○柴山委員
 総務大臣に伺います。
 一般論として、会計責任者が収支報告書に添付される宣誓書に署名をしなかった場合に、政治資金規正法に反することにはなりませんか。

○片山国務大臣
 政治資金規正法の二十九条によりますと、収支報告書を提出する者、これは会計責任者でありますけれども、この収支報告書を提出する者は、真実の記載がされていることを誓う旨の文書、これは宣誓書でありますから、これを添えなければならないという規定がありますので、もしそれがなければ、この二十九条の要件は満たしてないということになります。

○柴山委員
 おっしゃるとおりだと思います。
 藤井副長官は、先ほど、当時の会計責任者であることは認めておられるわけですから、もし第三者がこの署名をして、あなたがしていないということなら、今総務大臣がおっしゃったとおり、あなたはこの義務を果たしていないとみずからお認めになるということなんです。
 さらに伺います。
 総務大臣、本人が認識がないと言っている署名の領収書は、有効な領収書なんですか。

○片山国務大臣
 個別のことについてはお答えいたしかねます。

○柴山委員
 一般論としてお伺いしているんです。選管の判断を求めます。

○片山国務大臣
 一般論であっても、それがどういう領収書であるのか、どういう経緯で作成された領収書であるかによってわかりませんので、ここで一般論としてでも答えることはできないと思います。

○柴山委員
 今、重要なことを片山総務大臣はお答えになったんですよ。
 収支報告書には、領収書の保管ということ、あるいは、一定の金額以上のものについては添付が要求されているんです。その領収書について、第三者が不正に作成したものが有効なのかどうかということは、決して個別の事案でも何でもないじゃありませんか。お答えください。

○片山国務大臣
 すべての領収書について会計責任者が全部自分で例えば関与するとかということは、恐らく事実上ないと思うんです。いろいろな人が関与して、最後に会計責任者がまとめるんだと思いますから、個別の一つ一つの領収書について、一般論としてであっても、ここでそれが無効であるか有効であるかということをお答えすることはできない、そういうことを申し上げたわけです。

○柴山委員
 テレビをごらんになっておられる方が、一体どのようにお考えになるか。全く納得できませんよ。もう一回、しっかりと答えてください。

○片山国務大臣
 もっと一般論で言いますと、もしそれが虚偽である、それが故意または重大な過失により虚偽のものであったということになりますと、政治資金規正法でそれに対応する罰則がございます。

○柴山委員
 初めからそのように御答弁をいただきたかったと思います。
 先日来、私はこの件、特に、先ほど来、藤井副長官が再三、認識がない、あるいは、みずからは関与していないとおっしゃっている資金の流れについて、何度も、当時の自由党の職員で、現在、民主党に移られている方々への調査をお願いしているはずです。一体どのようになっていますか。

○藤井内閣官房副長官
 先日もお答えしたように、その人の名前は知っています。しかし、私自身がそういう認識がないわけですから、一々聞いておりません。

○柴山委員
 おかしいですよ。私が固有名詞を挙げてまで藤井副長官に調査を依頼し、そして、当時の資金の流れを確認、調査してくださいと二度にわたってお願いをしたにもかかわらず、これは議会軽視ととられても仕方がないんじゃないんですか。こんなことで私は質問を続けられませんよ。
 藤井副長官、調査を確約してください。

○藤井内閣官房副長官
 今申し上げたように、そういう認識がありませんから、そういうことについて一々聞いてはおりません。

○柴山委員
 再度、参考人として関係者をしっかりと呼んでいただきますようにお願いをしたいと思います。

○中井委員長
 三人のお名前が挙がったと思っております。各党間の協議、理事間の協議をいたします。

○柴山委員
 小沢元代表をめぐる疑惑は、こればかりではありません。次のパネル八をごらんください。
 今質問させていただいた平成十四年の件の翌年、平成十五年九月二十六日に、自由党は民主党と合併して解散しました。ところが、その二日前に、民主党は、解散する自由党に対して三億円もの寄附を行っています。そして、自由党の解散当日になって、自由党から、自由党の政治資金団体だった改革国民会議に約十三億円、うち、税金である政党交付金が五億六千万円流れている。これは非常に不明朗な処理だと思いますが、枝野長官にお伺いします。
 枝野長官、長官は、平成十九年十月七日放送の「サンデープロジェクト」に出演された際、正直、この話を聞いて私はむっとしていますとコメントされていますね。御記憶ですか。

○枝野国務大臣
 記憶しています。

○柴山委員
 なぜ、むっとされたんですか。御説明ください。

○枝野国務大臣
 当時の自由党の財政状況について存じ上げませんでしたので、私は民主党の方に属しておりましたので、民主党の方から自由党の方に寄附がなされているということについては、合併前の民主党の立場からは余りおもしろいことではないなというニュアンスのことを申し上げました。

○柴山委員
 違うでしょう。「サンデープロジェクト」の、実際、そのときの出演のあなたの発言を私は持っています。
 私は、当時、党の政調会長でした、党の役員会のメンバーでもありました、こんな重要な話は相談一つ受けていませんので、三億円からの大きな資金を勝手にどこかの判断で寄附をしていたということは、党員に対する背信行為だと非常に怒っています、このように発言をされたんです。思い出しましたか。

○枝野国務大臣
 ちょっと、正確に何と申し上げたかというのは、それこそ御通告もありませんし、記録もとっておりませんが、今申し上げたような趣旨で、政党の中においては、政策調査会長はこの手のことにもともと、本来かかわる立場ではありませんので、私が当然存じ上げなかったんですが、でも、知っていたら、何でなんですかねと聞いていただろうなという趣旨でそういうことを申し上げたんだと思います。

○柴山委員
 では、枝野長官、今このようにしっかりと図をもって説明をさせていただきましたけれども、このように駆け込み処理をしたことは、自由党が小沢さんの関連団体に民主党からの持参金を流すために行われたものだ、そういうようにお感じにはなりませんか。

○枝野国務大臣
 当時の自由党の財政状況や当時の自由党の内部事情について私は知る立場ではありませんし、その後も小沢議員からそういったことについて話を聞く機会もありませんので、私は何とも申し上げようがありません。

○柴山委員
 違いますね。このときに、同じ番組で、あなたはこのようにおっしゃっているんです。
 自由党の側に借金でもあってね、それを合併するに当たって清算しなきゃならないというなら話はわかりますが、自由党は十三億からの資金をお持ちなわけですから全く意味不明です、このように不快感を出しておられるんですよ。
 こうした事態を避けるために、枝野長官、何かおっしゃりたいことはありますか。

○枝野国務大臣
 ですから、その自由党の財政状況の詳細とか当時の自由党の御判断について私は知り得る立場でありませんし、その後、残念ながら、小沢議員とそういった話をする機会もございませんでしたので、どうしたことであったのかということについては存じ上げませんが、当時の心情を当時その番組で申し上げたということで、その心情については否定するものではございません。

○柴山委員
 こうした事態を避けるためには、税金をもとにした政党助成金の余剰金について、国庫に返還するというルールを確立するという政党助成法の改正が必要だと考えています。自民党は既に、改正案を政治倫理の確立及び公職選挙法に関する特別委員会に提出していますが、総理、速やかに民主党としても成立に協力することをお約束していただけるんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 大変有意義な提案だと思います。
 先ほど来の議論、私には特に御質問がありませんでしたけれども、党の合併に伴う段階で、自由党として、もう既に選挙準備などの費用をかなり支出されていたということもあって、一定の処理を当時の岡田幹事長とともに正式の手続の中でやったわけでありまして、今の提案については、傾聴に値する意見だ、このように感じております。

○中井委員長
 柴山君。時間が来ていますので、まとめてください。

○柴山委員
 最後です。こちらのパネル十です。
 今問題となっている民主党小沢元代表の資金管理団体、陸山会が保有する不動産の一覧です。処分したものもありますが、一等地のいいところにこれだけ持っている。不動産屋じゃないんです。政治団体が政治資金で買っているんです。しかも、個人として、沖縄の辺野古近くに五千二百平米という広大な土地を、平成十七年十一月二十八日、基地移設に係る日米中間合意のわずか一カ月後に購入をしている。
 こうしたことを問題としないで、しかも、先ほど申し上げたように、小沢マネーを多くの所属議員が活用する中で、菅総理、あなたが掲げているクリーンな民主党に本当にできるのか、最後にお考えを伺いたいと思います。

○菅内閣総理大臣
 まさに、私が代表選でクリーンでオープンな政治と申し上げた中には、いろいろな思いが入っているわけでありまして、党の運営というのは、私は、特に政党助成金をいただく中では、これまで以上にしっかりとした透明性が必要だと。少なくとも、私が代表になって以降、あるいは過去の時期も含めて、そういう形でやってきたわけでありまして、それに反するような形はこれからも民主党としてはとらないでいきたい、このように強い決意を持っております。

○中井委員長
 柴山君、終わってください。

○柴山委員
 大変納得ができない答弁が多々ありましたが、以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 予算委員会 第五分科会

第177回 国会 衆議院 予算委員会 第五分科会 第1号
平成23年2月25日(金)
午前八時開議

○柴山分科員
 自由民主党の柴山昌彦でございます。
 ニュージーランドの震災被害者の救助状況が大変気がかりなんですけれども、今、日本では地域医療の連携の必要性が叫ばれる中で、これをどのように考えたらいいんでしょうか。
 細川大臣にお伺いします 。国策として、中規模以上の災害や感染症が発生した場合の地域医療連携について、どのように充実させようとしているんですか。また、テロについては考えておられるんでしょうか。

○岡本大臣政務官
 まず、災害時やテロが起こった場合の医療については、被災した地域における医療機関や被災地外の医療機関が十分に連携を図っていくということが重要だと考えています。
 このため、災害発生時等の医療の拠点となる災害拠点病院の整備や、災害時での活動に特化して訓練を受けた災害医療派遣チームの養成等、これはDMATでありますけれども、これを進めております。ちなみに、災害拠点病院は、二十三年一月一日現在で六百九カ所を指定しておりますし、また災害医療派遣チームは、二十三年一月一日現在で八百一チームが養成済みとなっています。
 また、都道府県が定める医療計画では、災害拠点病院における診療など、災害時やテロが起こった場合における医療提供体制の確保に関する事項を記載するよう求めております。
 さらに、新型インフルエンザ発生時の地域医療体制の整備については、新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、都道府県に対し、新型インフルエンザ発生時に外来、入院を担う医療機関の整備を進めるよう要請するとともに、原則として、二次医療圏を単位として、地域医師会等の関係機関から成る対策会議を設置して、地域の実情に応じた医療体制の整備を推進するための支援等を行っています。
 いずれにいたしましても、都道府県や関係府省としっかり連携しながら、災害医療体制等の確保に取り組んでいく必要があるというふうに認識をしております。

○柴山分科員
 体制を整備しても、実際に一たび事が起きたときにきちんと機能しなければ、絵にかいたもちに終わってしまうわけですよ。
 ですので、お伺いしたいのは、実際にそういった災害や感染症が発生した場合の訓練、これがどのような状況になっているのか、また課題がどのような形で認識をされているのか、ぜひお伺いしたいと思います。また、今、訓練が夜できていないというような御指摘を地元で受けるんですけれども、これについてもぜひ実情を紹介していただけたらと思うんですが。

○岡本大臣政務官
 災害時の医療に関する訓練といたしましては、災害派遣医療チームが参加して、毎年九月一日に実施される政府総合防災訓練において、被災した患者を被災地外の医療機関に搬送する訓練のほか、全国八つの地方ブロックごとに、これも年一回でありますけれども、訓練を実施しております。
 また、各自治体においても、災害派遣医療チームや地域の医療機関が参加して、災害時の医療に関する訓練が適宜実施されていると承知はしておりますけれども、今委員御指摘の、夜間に行っているかということを問われますと、各自治体が行っているところについては承知をしていませんし、先ほどの政府が行っているいわゆる訓練においては、残念ながら、夜間に実施をしているということではありません。
 災害時への対応を高めていくためには、こうした訓練を通じて対応能力を不断に高めていくことが課題と考えておりまして、引き続き、災害派遣医療チームの養成に取り組むほか、災害時の医療に関する訓練の充実、委員がおっしゃるような点も、我々としてしっかり受けとめながら図っていく必要があろうというふうに考えております。

○柴山分科員
 阪神・淡路大震災というのは未明に起きたわけですよ。みんなが寝静まっているときに、あるいは火を多くの世帯が使っているときにどういうことが起きるかということは、きちんとシミュレーションをしていかないといけないと私は思うんです。ぜひ、御検討いただきたいと思います。
 私の地元には防衛医科大学校また入間基地がありまして、こういった災害医療の問題については大変意識の高いエリアだとは思うんですけれども、防衛医大や入間基地を中心とした訓練の実態及び課題ということは一体どのようになっているのか、また自治体の役割が一体どうなっているのかについて、ぜひお伺いしたいと思います。

○原政府参考人
 お答えいたします。
 防衛医科大学校病院は、御承知のように、昭和五十二年に開設をされまして、今現在までに、埼玉県における地域医療にも貢献をしているところでございます。
 先ほどお話がございましたように、災害拠点病院としても指定をされておりまして、近年でいいますと、例えば平成二十一年度、関東の八都県市の合同防災訓練でありますとか、あるいは今年度の埼玉県の特別機動援助隊応用研修であるとか、県の特別機動援助隊合同訓練などに参加しているところでございます。
 また、入間基地でございますけれども、こちらの方は、県内というよりももう少し広域的な観点からの役割を期待しているところでございまして、例えば、首都直下型の地震対処でありますとか、あるいは東海地震対処などにおいての広域的な患者搬送拠点として考えているところでございます。
 毎年九月に政府全体で実施しております防災訓練の一環としましても、今年度あるいは十九年度等々、最近も広域医療搬送拠点としての訓練を実施してきたところでございます。

○柴山分科員
 ぜひ、しっかりと今後とも検討を続けていただきたいと思います。
 続きまして、看護職員の問題について伺います。
 今私の手元にあるのが第七次の埼玉県看護職員需給見通しというペーパーなんです。平成二十三年でいいますと、病院や診療所など需要側の数ということで、常勤で換算すると四万九千八百四十七名、一方、供給側は、同じく常勤換算をすると四万八千九百十七名、差し引きで九百二十九名の人手不足ということになっております。
 そして、これが平成二十七年の見通しということになりますと、需要数が常勤換算で五万五千六百二十六名、そして供給側が五万四千五百三十六名で、差し引き千八十九名の人手不足ということでありまして、かなり需給が逼迫しているという実態がおわかりいただけるかと思います。
 こういった需給のアンバランスと、それから医療機関や地域による看護職員の偏在、こういった問題について、原因が一体どういうところにあるのか、そしてどのように今後の見通しというものを立てておられるんでしょうか。

○岡本大臣政務官
 昨年十二月に公表した第七次看護職員需給見通しによれば、供給見通しの需要見通しに対する割合が、平成二十三年には九六%、平成二十七年には九九%となっております。委員御指摘の同様の数字を見ますと、平成二十三年ですと、全国は、百四十万四千三百人の需要数に対して供給が百三十四万八千三百人、これで九六%でありますが、また、二十七年は百五十万九百人の需要数に対して供給数が百四十八万六千人、これで九九%、こういうような見通しになっておりまして、全国規模ではかなりの程度満たされる見通しとなっているところであります。
 しかし、個々の地域や施設類型ごとに見れば、看護職員が偏在し、なお不足感のある医療現場があるなど、こういった指摘もありまして、その原因といたしましては、就労条件や勤務環境など、さまざまな要因が複合的に影響していると考えられます。
 今後、医療現場の特性に応じた確保対策のためのデータ集積を図るとともに、国、地方公共団体、病院開設者等の関係者が協力をいたしまして、地域や施設類型に応じたきめの細かい確保対策を講じていく必要があると考えています。
 また、そういった看護職員の確保対策といたしましては、看護師等学校養成所の運営費補助等のいわゆる養成促進、また、子育て中の看護師等の離職を防止するための院内保育所への支援や、新人看護職員の早期離職を防ぐための新人看護職員研修への支援等、定着促進とともに、ナースバンクにおける求人・求職情報の提供、就職あっせんなどの再就職支援などのさまざまな施策に取り組んでいく必要があろうかと思っております。
 今後とも、こうした対策を総合的に実施しつつ、引き続き看護職員の養成確保のために対策を強化していく、こういったことが必要であろうというふうに考えております。

○柴山分科員
 今、厚労省の方から、看護職員のいわゆる供給をふやすための方策として、養成システムの充実、そして公費の投入ですとか、あるいは今おっしゃったような離職防止などの待遇の改善ということは、これはぜひ進めていただきたいと思います。
 ただ、今、看護職員を養成しているのは、厚労省所管の専門学校等の機関だけじゃなくて、文科省でも、大学等を設置して、そこで看護師を養成しているわけですよ。ですので、これは文科省の方でも、大学における看護養成の拡充ということについて、何らかの手だてというものは講じていただいていないんでしょうか。

○加藤政府参考人
 お答えを申し上げます。
 文部科学省におきましては、平成四年の看護師等の人材確保の促進に関する法律の施行を受けまして、看護師養成に取り組む大学の拡充を図ってきてございます。平成三年には十一大学で入学定員五百五十八名であったものが、平成二十三年度には百九十四大学で入学定員が一万五千九百四十九人というふうになる予定でございます。
 一方、最近、医療の技術の高度化などが非常に速いテンポで進んでおりまして、離職する看護師が多いという調査も職能団体の調査などでございます。したがいまして、今後は、長期にわたって働き続けられるよう、大学において質の高い看護師を養成することが重要であると認識してございます。
 文科省におきましては、厚生労働省様の協力も得て、大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会というものを開催いたしまして、このたび、学士課程修了時に看護専門職者として修得すべきコアとなる能力、また、その修得に必要な教育内容というものを示しました学士課程版看護実践能力と到達目標といったものを策定していただいたり、また、看護実践能力の教授に必要な教員の能力開発などの取り組みの方向性といったものもまとめていただいたところでございます。
 こういったものを受けまして、文科省といたしましては、各大学における取り組みを促すなど、引き続き、厚生労働省とも連携して、社会の要請にこたえられるよう看護師の養成に努めてまいりたいと思っております。

○柴山分科員
 ぜひ、役所の縦割りとならないように、今御説明いただいたように、連携をしっかりと厚生労働省ととって進めていっていただきたいと思います。
 ただ、例えば養成所の充実一つとっても、実際にこれを実習する機関がしっかりと確保されていないと、絵にかいたもちというか、うまく養成が進んでいかないということもあると思うんですけれども、その受け入れ機関ということについてはどのように考えておられるんでしょうか。

○岡本大臣政務官
 今御指摘がありました看護師養成所の設置に当たっては、あわせて、病院や訪問看護ステーションなど、学生の実習場所を確保することが必要だと考えています。講義そして学内演習とあわせて必要な実習場所でありますけれども、近年、看護職員の養成数が増加しており、実習施設の確保は重要な課題の一つとなっております。
 厚生労働省といたしましては、看護学生の実習に協力していただける施設がふえますよう、看護師等養成所の運営に対する支援において、実習施設への謝金等を盛り込むとともに、患者やその家族など、看護学生の実習に対する理解や、また、協力を求めるためのパンフレットによる啓発など、実習を受け入れる施設の確保に取り組んでいるところでございます。
 いわゆる数がどうなのかということについては承知をしていないということになっております。

○柴山分科員
 厚労省、文科省と聞いたんですけれども、先ほど申し上げたように、私の地元には防衛医大がございまして、防衛医大では、看護師養成課程について、平成二十六年度から四年制のカリキュラムがスタートするということで、これ自体、私は、コメディカルの充実という観点では望ましいというように思っているんですけれども、四年制に切りかわると、一瞬、卒業生が空白の一年というものが生じてしまうことになるんじゃないかなというふうに思っているんです。この対策はどのようにとられているでしょうか。

○原政府参考人
 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、平成二十六年度から四年制に移行したいというふうに考えております。現在、自衛隊におきましては、中央病院附属の高等看護学院と御地元の防衛医科大学校の高等看護学院、二つございます。教育体制のこともございますし、同時にその両方を募集するという点での受験者の質の問題等もございます。そういうことから計算していきますと、ちょうど平成二十八年度末は空白になるということになっております。
 ただ、その中で、現在も防衛医科大学校の附属病院の看護師は、必ずしも卒業生だけではございませんで、一般の公募からもかなりの数を採っております。そういう意味では、その公募枠の拡大でありますとか、あるいはまた、自衛隊そのものとしては千人を超える看護師をもちろん持っておりますので、そういう方々の活用であるとか、そのあたりの検討を医療の質に差しさわりのないように進めていきたいというふうに考えております。

○柴山分科員
 あと、今、介護と医療の境目という問題が大変、療養病床の問題とか、いろいろあるんですけれども、ホームヘルパーなどの介護従事者が医療的行為をどこまでできるんだということがこの人手不足解消について大きなポイントとなってくるのかなというように私は思うんですけれども、これについて一体どういう検討がなされているのか。また、そういった介護従事者に対する医療サイドからの研修の充実、こういうことについて一体どういう対策が打たれているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○岡本大臣政務官
 ホームヘルパー等介護職員によるたんの吸引や経管栄養の取り扱いについては、在宅や特別養護老人ホーム、特別支援学校において、当面のやむを得ず必要な措置として、運用によって認めてきたところでございます。
 しかしながら、こうした運用については、そもそも法律において位置づけるべきではないか、また、グループホーム、有料老人ホームや障害者施設等においては対応できていないのではないか等の課題が指摘をされてまいりました。
 このため、今般の介護保険法改正とあわせて、介護福祉士及び研修を受けた介護職員等が医療職との連携のもとにたんの吸引等の行為を実施できるよう、法律の改正案を今国会に提出する予定でございます。
 その際、教育、研修の具体的内容については、現在実施している試行事業の検証結果等を踏まえて検討していくということになろうかというふうに考えております。

○柴山分科員
 これもやはりしっかりとデータをもとにした検証をやらないと、現場が回っていかないということになりかねませんから、ぜひそこはしっかりとやっていただきたいと思います。
 続いて、いろいろと問題が指摘されている特定健診、メタボ健診についてお伺いしたいと思います。
 私は、これからは予防医学の充実ということが大きなテーマとなってくるということで、その意義自体はよく理解をするんですけれども、巷間指摘されているような低い受診率、あるいは、事務処理が非常に煩雑で、代行機関を雇ったりするということが促進されているというようには聞いているんですけれども、改善点が多々あるというように考えていますけれども、どのように把握されているんでしょうか。

○細川国務大臣
 柴山委員の御指摘のとおり、特定健診については、目標値は七〇%、こういうふうに設定しているんですけれども、残念ながら、まだ四〇%ぐらいなんです。したがって、これをぜひ向上させなきゃいかぬということで、これまでもいろいろと取り組んでまいりました。
 それは、県単位で複数の医療保険者と医療機関等が契約をするときに集合的に契約をして円滑に進めるようにというような取り組みとか、また、特定健康診査とがん検診等の同時実施というようなことを推進しよう、そういうようなことで推進をしてきたところなんですけれども、まだまだ足りないということで、もっともっとやっていかなければというふうに思っております。
 これらの取り組みに加えまして、この三月に取りまとめをしようとしております、全国医療費適正化計画というものの中間報告というのをすることになっておりまして、そこでその実施率の向上に有効な取り組みというのをやりたいというふうに思っておりまして、これまでの取り組みに加えて、委員が言われるような、向上に向けてしっかりやっていきたいというふうに思っております。

○柴山分科員
 特定健診は保険者が実施をするんですよね。それで、これまでの都道府県の基本健診の場合には、今大臣がおっしゃったように、がん検診と一緒にやらせるということもできるわけですけれども、今御指摘のように、それがうまくできない、レントゲンを撮らないということになると、そもそも、サービスが落ちて、当初の予定である予防医学のしっかりとしたスクリーニングということに逆行する結果が出てきてしまいかねないと私は思うんですよ。それをぜひしっかりとした形で改善をしていただきたい。
 それと、今、実施率の話もありましたけれども、きちんと受診勧奨を行っていただかなければいけないというように思っているんですけれども、どうですか。何か補足することがあれば。

○岡本大臣政務官
 御指摘のように、保険者の種別ごとに特定健診の受診率に差があるというのは事実でございまして、組合健保が六三・三、共済組合が六五・四、市町村国保が三一・四%、それぞれこのような実施率になっております。
 そういった中、いわゆる被用者については、特定健診と同じ項目の事業主健診を職場で受診できる、こういったことが一つパーセンテージが高い理由としても考えられるわけでありますけれども、いわゆる市町村国保における課題についても、委員からもまた御意見をいただきながら取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 また、いわゆる市町村との連携、先ほどお話がありましたが、レントゲンの例もそうでありますけれども、基本健康診査とレントゲンを項目として含むがん検診は、ともに市町村が実施主体となっていたため、両者の同時実施がかつては行われやすかったということでありました。
 平成二十年度より、特定健診は医療保険者が、また、がん検診は市町村が実施主体となり、地域住民のがん検診と特定健診の受診の利便性の向上と受診促進のために、都道府県、市町村、医療保険者等で連携、連絡調整を図り、がん検診と特定健診の同時実施を推進していくというようなところでございまして、そういった意味でも、委員のいろいろな御指摘もまたいただきたいというふうに思います。

○柴山分科員
 時間がなくなってまいりましたので、次の質問に移ります。
 一般用医薬品のインターネット等の販売の規制についてお伺いしたいと思います。
 私は、改革は積極的に進めていくべきだという立場でありますけれども、それが要するに実際にどのような効果を生むかということは、きちんと現場の声を聞かなければいけないというように思っています。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、行政刷新会議の規制・制度改革分科会ライフイノベーションワーキンググループのこの問題に関する検討状況はどうなっているのか、内閣府から伺いたいと思います。

○平野副大臣
 規制・制度改革に関する分科会につきましては、昨年十月から調査審議を開始したところでございまして、具体的には、分科会の下に設けられているライフイノベーションワーキンググループにおいて議論を行い、ことし一月二十六日の分科会で中間取りまとめを行いました。今御指摘の件については、その中の一項ということでございます。
 具体的には、販売履歴の管理、購入量の制限など、一定の安全性を確保しながらインターネット等で医薬品を販売するためのルールを設定する、こういったことについての検討をすべきだ、こういう旨の提案をいただいております。
 現在、この提案につきましては、三月の閣議決定を目指しまして厚生労働省と協議を行っている、こういう状況でございます。

○柴山分科員
 当然、これを促進すると利便性が増すということだと思うんですけれども、ただ、これを進めることによって、既存の薬局の経営に対する影響というものは、やはり少なからざるインパクトというものが私はあるんだと思うんですね。そうなると、薬局の廃業リスクによる、地域の薬剤がすぐ買えるという利便性、これのマイナスということはきちんと考慮に入れて検討されているんでしょうか。
 それと、薬局の今の機能としては、セルフメディケーションということで、お薬についてのさまざまな情報を地域の方々に提供するという機能が私は無視できないというように思っていまして、そうなると、やはり郵便局と同じように、ユニバーサルサービスということがある程度必要になってくるのかなというふうにも思うんですね。
 ですので、これについて、内閣府サイドと厚労省サイドと、それぞれぜひ意見をお伺いしたいなというように思っています。

○平野副大臣
 この分科会の議論におきましては、今御指摘にあったような、既存の薬局の経営に関する影響等々についての定量的な分析まで行っているわけではございません。
 いずれにせよ、この提案につきましては、今の制度に対して、インターネット販売の解禁というのがどういう便利性があるのか、またどういう問題があるのか、こういったことを総合的に判断して、この取り扱いにつきましては、先ほど申しましたように、厚生労働省と私どもとの協議の中でその方向性が打ち出されるものだ、そのように思っております。
 なお、かかりつけの薬剤師を決め、店舗で相談しながら医薬品を購入したいというニーズは大きいと考えておりまして、セルフメディケーションの拠点としての地域の薬局は、今後も重要であると私どもも認識をしております。

○岡本大臣政務官
 今委員御指摘のような、既存薬局の経営に与える影響ももちろんインターネット販売を解禁することで考えられるわけでありますが、厚生労働省といたしましては、国民の健康と安全を守る観点から、一般用医薬品の販売に関し、リスクの程度に応じて専門家が関与し、適切な情報提供等がなされる仕組みを定着させることが重要だというふうに考えています。
 また、ユニバーサルサービスが崩壊するおそれはないのかということでありますけれども、これも、厚生労働省といたしましては、今後とも、国民が一般用医薬品を適切に選択し、適正に使用されていくように努めていかなければならないというふうに考えているところでございます。

○柴山分科員
 とにかく、ぜひ現場の実態をきちんと踏まえた形で調整をしていただきたいなというように思っています。
 続きまして、同じく規制・制度改革分科会の検討対象となりました調剤基本料の一元化についてお伺いしたいと思います。
 この問題についての検討状況はどうなっているんでしょうか。

○平野副大臣
 中間取りまとめの概要についてだけ御報告を申し上げたいと思います。
 今、保険薬局の調剤基本料は原則四十点であるのに対し、受け付け回数四千回超、特定医療機関からの集中率七〇%超の薬局は二十四点となっておりますけれども、患者にとってその質的な差は認められないため、次期診療報酬改定では調剤基本料を二十四点に一元化することを検討すべきである、こういう御提言をいただいております。

○柴山分科員
 今、四十点と二十四点というお話があったんですけれども、では、四十点の薬局の全体における比率は何%なんですか。

○外口政府参考人
 現在、約九九%の保険薬局が、原則である四十点の調剤基本料を算定しております。

○柴山分科員
 要は、九九%を占める四十点の点数を、大規模な特定の医療機関の処方をばっとたくさんやっているようなところの二十四点に引き下げよう、そういうお話だと思うんですね。
 とすると、さっきも薬局の経営というお話をしたんですけれども、薬局が今後は特定の医療機関のそういった処方せんを大量に扱うことでしか生き残れないということになって、経済的に独立の薬局としてそういった処方せんのチェックをするという機能が果たせなくなっちゃうんじゃないですか。また、かかりつけ薬局の育成ですとか、複数医療機関が発行する処方せんの重複や相互の飲み合わせとか、そういうものをチェックするということもできなくなってしまうんじゃないか。
 それについて、内閣府、厚労省、一体どのように考えているんでしょうか。

○平野副大臣
 この点に関しましても、最終的には三月の閣議決定を目指しまして、今厚生労働省と協議中でございます。今委員が御指摘されたような点も含めまして、この取り扱いについては検討することになると思います。
 ただ一方で、こういう一物二価という状況がありますと、消費者が自己負担の低い薬局に誘導される可能性が将来的には否定できない。確かに今、二十四点の薬局は全体的には非常に小さいんですが、その安い、自己負担の低い薬局に誘導される可能性は将来的に否定できず、むしろ結果的に町じゅうの薬局から顧客を奪う懸念も生じるため、中間取りまとめでは、公的価格設定のあり方として一物二価は改めることを検討すべきとの提案になっているというふうに理解をしております。

○泉主査
 岡本厚生労働大臣政務官、簡潔にお願いします。

○岡本大臣政務官
 通常の保険薬局においても、先ほど割合が低いと言われました、二十四点の調剤基本料にまで引き下げるということにすると、その経営を継続することができるのかどうか、また、複数の医療機関を受診している患者の処方の一元的管理を適切に行えるかどうかなどについて、慎重な検討を行う必要があるというふうに考えております。

○柴山分科員
 以上、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

第177回 国会 衆議院 予算委員会

第177回 国会 衆議院 予算委員会 第3号
平成23年2月1日(火)
午前九時二分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 ぜひ御答弁は簡潔にお願いをしたいと思います。
 民主党の小沢元代表ですけれども、きのうの強制起訴の手続を受けて、総理は、けさ、我が党の石原議員が今後の対応を質問した際に、基本的な方針として、国会での説明を求めると述べられました。しかし、期限も見通しもない方針は方針とは言いません。一体いつ国会での説明を実現させるおつもりなんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 私が申し上げたのは、国会での御本人の説明が必要だ、そのように考えている、そして、そのことについては国会の手続の問題がありますので、我が党でいえば岡田幹事長を中心に、与野党間でよく協議をしていただきたい、このように申し上げました。

○柴山委員
 問いに答えてくださっていないんですけれども、その手続はいつまでに終わるんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 国会での手続を、それは総理大臣という立場と党の代表という立場はありますけれども、残念ながら、いつまでにどうするということを単独で決めることは私はできない種類のことだと。ですから、与野党でよく話し合っていただきたいと申し上げたんです。

○柴山委員
 一つの指標があります。折しも、小沢氏の秘書だった石川知裕議員の初公判が今度の二月七日に予定されています。その場で、冒頭陳述で検察側がこの陸山会事件についてどのような事実を主張するか。小沢氏のかかわりについても明らかにすると思いますが、それが、小沢元代表にどういった政治的責任あるいは説明責任があるかを判断する材料になるとお考えになりませんか。

○菅内閣総理大臣
 私は、その公判がどういう形で進むかという予測をする立場にありませんし、もしそういう予測を柴山さんがされたからといって、その仮定に基づいて何か申し上げるということはやはりすべきではないと思っております。

○柴山委員
 江田法務大臣を初め、いささかでも法律業務に通じておられる方は、この初公判で検察官の冒頭陳述が行われるということは、恐らく広く知られていることだと思います。
 仮に冒頭陳述が行われた場合、今少し声がありましたけれども、それに近い時期に政治と金についての集中審議を行っていただけると理解してよろしいですか。

○中井委員長
 集中審議の件につきましては、ただいま各党間で協議がされております。

○柴山委員
 話はかわります。
 こちらのパネルをごらんください。
 これは、平成十四年、小沢さんが当時代表を務めておられた自由党、今は民主党と合併していますけれども、自由党の政党交付金に係る報告書要旨の抜粋です。
 申し上げるまでもなく、政党交付金は国民の払った税金によって賄われるもので、以後の政党活動のあり方にもさまざまな影響が出てくることからも、その使い道につき国民に対する説明責任があるとされているわけです。
 この表を一見見て明らかなとおり、赤で囲ったここの組織活動費、九億七千九百万円が藤井裕久氏へ、そして五億四千百九十万円が藤井裕久氏へ。この項目が金額的に突出しているんです。
 藤井副長官、この合計すると十五億円超となるお金を一体何に使ったんですか。

○藤井内閣官房副長官
 その内容は存じません。

○柴山委員
 次のパネルをごらんください。
 こちらはそのときの領収証の写しです。この下の欄に藤井裕久との署名捺印が見えますが、これはあなたのものではないのですか。

○藤井内閣官房副長官
 まず、前半を申し上げましたが、私はそのお金を受け取っておりません。したがって、そういう認識は全くありません。
 ですから、今の問題については、私としてはその認識が、まず領収書の認識がありません。

○柴山委員
 確認ですけれども、これは領収証と書いたのをあなたは全く見ないで署名捺印をしたということなんでしょうか。

○藤井内閣官房副長官
 認識がありませんから、それは私が書いたものかどうかについてはわかりません。

○柴山委員
 今、大変重要な御答弁をされました。
 私はあえて、この藤井裕久の後に押捺されている、あなたの恐らくこれは銀行届け出印であろうかと思われますけれども、それをプライバシーの観点から塗りつぶしています。
 これがもし、その印影が明らかになって、それがあなたの銀行届け出印あるいは実印ということになれば、その印鑑が冒用されたということの御主張をされるわけですか。お答えください。

○藤井内閣官房副長官
 その紙は見たことがないので、何とも申し上げられません。

○柴山委員
 次のパネルをごらんください。
 しかも、あなたは、当時、自由党の幹事長であり、かつ、この収支報告書にもあるとおり、会計責任者だったはずです。そして、この隣にある収支報告書提出の際に添付される宣誓書、「この報告書は、政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません。」というこの書面に署名捺印をされております。
 先ほどの領収証と同じ筆跡に私にはどう見ても見えるんですけれども、これはあなたの字ではないのですか。

○藤井内閣官房副長官
 その紙の中のその文字は、私は認識がありません。

○中井委員長
 ちょっとお待ちください。
 藤井先生、これはお持ちなんですか。この資料はお持ちなんですか。

○藤井内閣官房副長官
 持っています。

○中井委員長
 持っていますか。はい。

○柴山委員
 自分の書いた、あるいは捺印した書面が真実かどうか、収支報告書、しかも幹事長かつ会計責任者という立場にありながら、その署名をしたかどうかを忘れるような方が内閣官房副長官をやっておられる。これは私は許されないことだと思いますよ。
 もう一回お答えください。

○藤井内閣官房副長官
 知らないということを申し上げております。

○柴山委員
 くしくも、平成十六年ごろ、同じく小沢元代表の関連政治団体である改革フォーラム21の口座に、収支報告書に記載のない約十五億円の入金があったと昨年一月十七日の日本経済新聞で報じられています。
 そして、その改革フォーラム21は、一昨年の衆議院解散日である七月二十一日に、小沢氏が代表を務める民主党岩手県第四区総支部に表に出ている額で三億七千万円の寄附を行い、翌二十二日には、その同額が、今回問題となっている資金管理団体陸山会に流れているんです。
 陸山会からは、小沢氏に近いとされる候補者九十一名に、八月十七日の総選挙公示までに計四億四千九百万円が提供されています。
 藤井副長官、このように報道等で疑惑を持たれれば、その説明責任が生じるはずです。あなたがどうしても、このさきに述べた十五億円の使い道、御存じないとおっしゃるんだったら、一体だれが知っているんですか。

○藤井内閣官房副長官
 私が知らないということで、それ以上のことはわかりません。

○柴山委員
 繰り返しますが、あなたは当時、自由党の幹事長で会計責任者でありながら、その自由党が受け取っている政党交付金、これについての使い道、しかも自分が領収証に自筆で署名捺印されているものについて、使い道について一切知らない、そしてだれが知っているかもわからない、こういうふうにおっしゃるんですか。

○藤井内閣官房副長官
 これは、七、八年前に今と同じことをお答えしています。それから自来七、八年間、同じようにお答えをいたしております。

○柴山委員
 この収支報告書の表紙には、事務担当者としての八尋護さんとおっしゃる方の署名があります。残念ながら、もう亡くなられておられます。しかしながら、当時、同じ自由党の職員で、かつてあなたのところにいらっしゃった高橋さんですとかあるいは俊成さんですとか女性の事務をされていた方々などが御存じないんでしょうか。今は民主党の職員となっておられるはずです。いかがですか。

○藤井内閣官房副長官
 今の名前は全部承知をいたしております。

○柴山委員
 それでは、現在、民主党経理部におられる俊成浩章氏、同じく民主党の衆議院第三控室の高橋豊和氏の参考人招致を求めます。

○中井委員長
 理事会で協議いたします。

○柴山委員
 再度確認をいたします。
 この署名捺印は、あなたは、御自分のものなんですか。再度御答弁ください。

○藤井内閣官房副長官
 今申し上げましたように、このお金はもちろんいただいておりませんし、それから今の内容も存じません。したがって、これについての認識がないんです。ですから、私はそれをどうこう言う立場にありません。

○柴山委員
 これがこの官邸の実態でございます。
 次の質問に移ります。
 ごらんください。ここにある質問主意書、我が党の佐藤勉衆議院議員が昨年の四月二十七日に提出し、それに対する答弁書が、閣議決定の上、五月十一日に送付されてきたものです。
 枝野長官、昨年の五月十一日当時、長官は行政刷新担当大臣として内閣におられました。間違いありませんか。

○枝野国務大臣
 内閣府特命担当大臣、行政刷新担当として内閣におりました。

○柴山委員
 この質問主意書は、JRの労働組合に、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派、すなわち革マル派が影響力を持っているかということについてのものでした。このように書かれています。
 革マル派は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、これまでにも、殺人事件等、多数の刑事事件を引き起こしている。革マル派は、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、JR総連及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している。今後も、革マル派は、組織拡大に重点を置き、党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っていくものと見られる。
 こちらの、次のパネルをごらんください。
 これは、枝野長官の政治団体が、平成八年以降、今の答弁書にあったJR総連及びJR東労組から幾ら献金を受け取ってきたかを示すものです。一昨年の衆議院選挙の年まで、一時中断の時期もありますが、継続的に合計七百九十四万円に上るお金をもらっていたことになります。
 枝野長官、あなたが閣議決定に署名した答弁書で問題が指摘されたJR総連、JR東労組からこれだけの献金を受け取ることは道義的に問題があると思われませんか。また、今後も献金を受け取るおつもりがおありなんですか。簡潔にお答えください。

○枝野国務大臣
 私は、連合加盟の各産別といろいろな意味でおつき合いさせていただいておりますが、その連合加盟の各産別とおつき合いをする範囲内で当該労働組合ともおつき合いをさせていただいてまいりましたが、それ以上でもそれ以下でもございません。
 今後については、李下に冠を正さずということもございますので、献金等のお申し出があってもお断りさせていただこうと思います。

○柴山委員
 次のパネルをごらんください。
 李下に冠を正さずということを今おっしゃいましたけれども、今後はそれを、内閣官房長官、内閣の方針として内閣の各大臣に周知徹底されるおつもりはありますか。

○枝野国務大臣
 それぞれの政治活動、特に政治資金やその他のことについては、基本的にはそれぞれの政治家がそれぞれの責任でしかるべく対応されるものと思います。

○柴山委員
 しかしながら、先ほどの答弁書には閣議決定の上署名がされたということを念のために申し上げておきたいと思います。
 今の提示させていただいたパネルは、枝野長官が平成八年の、長官の二期目の総選挙の際、仮にYさんとしますけれども、JR東労組大宮支部の委員長と取り交わした覚書です。間違いありませんか。

○枝野国務大臣
 大分前のことでございますので、個別具体的に正確に記憶はいたしておりませんが、一般論として申し上げれば、連合に加盟する各組合とのおつき合いの範囲の中で、そこに示されているような、いわゆるひな形的な政策協定を結ぶことはあると思っておりますので、私の署名だと思いますので、そのような政策協定を結んだことがあるんだろうというふうに思います。

○柴山委員
 一般論として、慣例的にそのような協定書を結ぶというように今おっしゃいました。
 しかしながら、この墨塗りをした方、今申し上げたようにYさんと申し上げますけれども、Yさんは、このころ、JR革マル派のリーダー的地位にあるLC会議のメンバーであり、職場から集めた革マル派のカンパを上納する財政担当者だったんです。そして、この書面を見ると、1のところに書かれているとおり、「わたし」、枝野長官ですけれども、「わたしは、JR総連及びJR東労組の掲げる綱領を理解し、連帯して活動します。」と明記されています。さらに、このYさんは、平成十四年、方針に従わなかった組合の同僚をおどして脱会を強要したといういわゆる浦和電車区事件で他の幹部とともに逮捕され、東京高裁まで有罪判決が出ています。
 枝野長官、長官は、この判決に先立つ平成十八年十一月に開催された「えん罪・JR電車区事件から四年〜七名の完全無罪をかちとる」埼玉県集会に呼ばれて講演をされていますね。決して一般的な関係じゃないじゃありませんか。

○枝野国務大臣
 その協定書に書かれているような趣旨の内容のことについては、個別には名前を挙げませんが、他の労働組合等とも、あるいは労働組合以外の団体とも、一般的な政策協定として締結されることはあるというふうに思っておりますし、それから、今黒塗りにされておられます部分の方について詳細な記憶はございませんが、これは機関と私との間でしたものではありません。連合加盟の産別組合との間で結んだものでございまして、たまたま、当該、そのときのその立場におられた方がどういう立場であったのかということは、少なくともその時点では存じ上げませんでした。
 また、今の集会については、詳細について記憶はございませんが、一般的に、私も柴山さん同様、弁護士でございますので、適正法定手続についていろいろな場所で講演を頼まれて、その限りにおいてそういった講演をすることはあるかというふうに思いますが、当該組合の活動そのものについての講演とか何かをしたという記憶はございません。

○柴山委員
 弁護士として適正手続についての講演をしたということなんですけれども、覚書が交わされた先ほどの平成八年以降の長官と両組合との関係を見ると、実に八回にわたって新年会等の講演会に御出席をされているということなんです。
 さらに、昨年夏の参議院選挙で比例当選された田城郁議員は、JR総連の政策調査部長であり、JR東労組の委員長や会長を歴任した革マル派創設者の一人である松崎明氏の側近でした。また、日本鉄道福祉事業協会の元理事長が業務上横領を行ったとされる刑事事件で、田城議員の口座にも入金がなされていたとして、捜索、差し押さえを受けており、田城議員はそれが不当であると国家賠償請求訴訟を提起しましたが、高裁で棄却判決が出て既に確定をしております。総理、間違いありませんね。

○菅内閣総理大臣
 今お聞きになったことを私自身、承知をいたしておりません。

○柴山委員
 今、述べたことは、昨年十月十二日に、同じく佐藤勉議員から出された質問主意書で、あなた方の政府が閣議決定の上、答弁書で書かれたことなんです。
 菅総理、私は労働組合の健全な活動を否定するつもりは毛頭ありません。しかし、社会的にさまざまな問題が指摘される過激な活動を行う組織については、断固として政治や行政からの遮断を図るべきだとお感じになりませんか。いかがですか。

○菅内閣総理大臣
 一般的に申し上げれば、私たち民主党はいろいろな団体に御支援をいただいております。労働組合でいえば、いわゆる連合の皆さんにも多く御支援をいただいております。そういう中にたくさんの組合があるわけであります。
 そういう意味で、そういう皆さんとのおつき合いというのは、基本的には、そういう党と連合との友好関係を背景に、あとは個々の議員なり候補者が判断することだと思っております。
 もちろん、今言われたような、組合に限りませんが、社会的に、何といいましょうか、問題が極めてあるということの団体との関係というのは、当然ながらそこは気をつけなければならない、このように思っております。

○柴山委員
 なお、夏の参議院選挙では、民主党の比例代表で当選された十六名のうち実に十名が労働組合、教職員組合系の候補者であります。こういった民主党の組合依存体質が、例えば今度提出されます税制改正法案で、一定以上の給与収入のある役員のみに負担を強化する給与所得控除の見直しですとか、経費的性格と認められない組合費をサラリーマンの特定支出控除の対象に追加するですとか、筋の通らない政策につながっているのではないか、また、公務員の人件費二割カットというマニフェスト実施の障害となるのではないか等々という問題点を今後徹底的に追及させていただきます。
 次に、与謝野大臣に伺います。
 鳩山前総理が、平成十四年から二十一年にかけて母親から十二億円を超える巨額の子ども手当を受けていたということで、おくればせながら贈与税約六億一千万円分の納付をしたのですが、悪質性がないということで、平成十四年と十五年の二年分、約一億三千万円が、時効により、まあ除斥期間というのが正確かと思いますが、鳩山前総理のもとに還付されたとのことであります。まじめに毎年税金を納めたら戻ってくるはずのないお金が、まんまと鳩山前総理の懐に入ったことになるわけです。
 大臣、大臣は昨年二月十二日の予算委員会で前総理を平成の脱税王だと批判されましたが、どう思われますか。

○与謝野国務大臣
 そのようにお呼びいたしましたことは事実でありますが、鳩山由紀夫前総理に対しては、税務当局が厳格に税の執行を行ったと思いますし、また、還付があったかどうかというのは私は知りませんけれども、それらについても厳密な税法の解釈を行った上でのことだと考えております。

○柴山委員
 それで納得されるんですか。
 あなたはこの日の同じ委員会質問で、「民間の方だったら、十何億も贈与を受けていて、ああ知りませんでしたなんと言ったら、すぐ告発されて逮捕、起訴。まあ、少なくとも一年以上、二年か三年刑務所へ行くんですよ。総理大臣だけ特別扱いしていいわけはないんだ。」と追及されたんですよ。いかがですか。

○与謝野国務大臣
 野党ですから、そのぐらいの迫力で物を言わなきゃいけないと思っていました。

○柴山委員
 自分が質問をした言葉に立場が変われば責任を持たない、これが今の与謝野大臣の体質であります。
 大臣、これは私の提案ですけれども、国がこれだけの借金を抱えているときに、本人がわざわざ払うと言って申し出た額は納められるようにすることを考えるべきですし、コンピューターのシステム上、時効期間を延ばすということもぜひ検討してほしいと思うんですが、いかがでしょう。

○野田国務大臣
 委員の御指摘は、報道を前提にお話をされているというふうに思います。鳩山元総理が後から贈与税を払ったとか、還付があったとか、個別の案件については私どもはお話をする立場ではございません。という前提で議論を進めていただきたいというふうに思います。

○中井委員長
 済みません、野田さん、時効を延ばすとかそういう話について。個人じゃなしに、個々じゃなしに。

○野田国務大臣
 一般論でそのお話をするには大きなテーマだと思います。

○柴山委員
 ぜひ御検討ください。
 また、与謝野大臣はこの質疑の中で、鳩山前総理の資金管理団体である友愛政経懇話会への偽装寄附問題を追及し、当時の菅財務大臣に、偽装寄附で「税の還付を受けた人がいるかどうか調べてください。別に名前は必要ないですよ。今は国税庁のコンピューターもよくできているから、ボタン二つ、三つ押せばぱっと出てくる。」と質問されています。野田大臣と連携して、この調査を行っていただけますか。

○与謝野国務大臣
 日本の税務署というのはなかなか厳しい役所でして、政治家であろうとも現職の総理大臣であろうとも、税務の執行については極めて厳正であると私はいつも思っております。
 したがいまして、鳩山さんのケースも、国税当局は厳正に税務執行を行ったと私は推定をしております。

○柴山委員
 私は失望いたしました。
 与謝野大臣、鳩山前総理は秘書の刑事裁判が終われば国会に一件記録を提出すると明言しておきながら、いまだ約束を果たしておられません。私たちが要求した関係者の証人喚問もまだ実現していません。総理と連携して、この実現に向けて汗をかいてくださいますか。

○与謝野国務大臣
 これは国会と鳩山前総理との関係でございまして、私どもが、行政側にいる人間が汗をかいてもどうしようもないことだと私は思っております。

○柴山委員
 失望いたしました。
 前原大臣に、続いての質問、お伺いいたします。
 前原大臣、私が今手元に持っているのは月刊誌中央公論の平成二十年七月号のコピーです。与謝野大臣と前原大臣の対談記事が載っています。この中で前原大臣は、その前年に実施された前々回の参議院選挙のマニフェストで、農家への戸別所得補償など主要政策の経費が十五・三兆円と試算されていることに加えて、道路特定財源のガソリン税暫定税率を廃止するなど、これに加えて新たな政策を加えると十八兆円かかるとした上で、行政改革だけで捻出するのは絶対無理だ。マニフェストをまとめるとき、当時の政策責任者たちの間では、最後まで財源の根拠が希薄だとの難色が示されたと聞いているが、最後は小沢さんのえいやだったと実態を暴露しています。
 また、前原大臣はこうもこの中でおっしゃっています。民主党が最もしてはならないのは、国民に対して耳ざわりのいいことばかり言っておいて、仮に政権をとったときにやっぱりできませんという事態を招くこと、すぐに自民党に政権が返る、最悪だ。御記憶ですか。

○前原国務大臣
 覚えております。

○柴山委員 
 さすが前原大臣、藤井官房副長官と違ってよく御記憶だったと思います。
 そして、この参院選のマニフェストが基本的に一昨年の総選挙につながったわけですから、菅総理、これは選挙をやる前から、先ほど無知だ無知だというお話がありましたけれども、決して無知ではない。民主党がマニフェストの実施が無理だとわかっていたということの証明です。
 そして、藤井副長官、もう一度記憶を手繰っていただきたいんですけれども、大蔵省OBで財務大臣を務めたあなたも、一昨年の総選挙前、七月七日の民主党常任幹事会で、財源にはそこまで触れなくていいんだ、どうにもならなかったらごめんなさいと言えばいいじゃないかと述べておられたと報道されています。違いますか。

○藤井内閣官房副長官
 ごめんなさいという言葉はマスコミさんがつくった言葉です。私は、そういうことに対しては謙虚に反省しなきゃいかぬということを申し上げただけです。

○柴山委員
 いずれにせよこの事態は、小沢さんのみならず、民主党全体の責任であります。今の政権に正統性は全く認められないということを申し上げさせていただき、前原大臣に次の質問をさせていただきます。
 前原大臣、先ほど前原大臣は、同僚の稲田議員に対して北朝鮮問題についてお話をされました。大臣はことし一月四日の記者会見で、対北朝鮮外交について、拉致問題という日本の主権にかかわる問題もあるので、六カ国協議や多国間の場のみで北朝鮮問題を扱うのではなく、拉致、核、ミサイル問題をじかにしっかりと二国間で話ができる状況をつくり出すことが大事だと述べられ、十一日の会見や十五日の訪問先の韓国でも同様の発言を繰り返しておられます。
 これに対して北朝鮮側は、例えば国営朝鮮中央通信が、関係発展に合致する肯定的な動きだと歓迎する報道をしています。
 繰り返しになりますが、大臣は、本当に北朝鮮との二国間対話が諸案件の解決につながるという見通しを持っておられるんですか。

○前原国務大臣
 二つのことを申し上げたいと思います。
 一つは、現実に、二〇〇二年、そしてその後に、小泉元総理が訪朝されて拉致被害者が帰ってこられた。政治が直接動いた中で拉致被害者が帰ってこられたのは、これは事実であります。また、拉致問題がまだ全面的に解決されていない中で、やはり政治が、政府が主体的に動くということは、これは拉致被害者の御家族の方々も願っておられることではないかというふうに思っております。
 ただ、その前提として、やはり我々独自でやることには限りがあります、情報も含めて。また、北朝鮮の分断作戦に乗ってはいけない。そういう意味において、日本、韓国、アメリカとの連携というものはしっかりととるということと、そして、やはり今一番この問題について被害を受けて敏感になっているのは韓国です。
 去年、延坪島への攻撃、そしてまた天安の撃沈、こういうものにおいて被害を受けたのは、当事者は韓国でありますので、韓国との話がまず先行される、南北の議論が先行されるということの中で、我々は直接の対話というのももちろん設けていきたいと思いますけれども、とにかく、日米韓、そしてロシアや中国との連携をしっかりとっていく中で問題解決のために取り組んでまいりたい、そう考えております。

○柴山委員
 くれぐれも、日本が突出して日米韓の結束を乱すようなことをすることは避けてくださいと前原大臣に重ねてお願いさせていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

第176回 国会 衆議院 予算委員会

第176回 国会 衆議院 予算委員会 第9号
平成22年11月15日(月)
午後三時五十八分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 馬淵大臣に、今回のビデオ流出問題についてお尋ねをいたします。先ほどのパネルを使わせていただきます。
 大臣、馬淵大臣は、先ほどお話がありましたように、十月の十八日に、その指示において、映像管理について保管管理者を定めることということで各部局に対してお話をされています。既にこのビデオの情報の管理の重要性が議論をされているときに、この指示で十分だったとお考えだったのでしょうか。

○馬淵国務大臣
 先ほど申し上げているように、海上保安庁には情報セキュリティーポリシー実施手順というものが厳格に定められております。私は、さらにその上をしっかりと管理しなければならない、このように考えて、具体的なその場所場所における個別の責任者というものを設けるようにということでの海上保安庁長官への連絡をいたしました。
 したがいまして、こうした情報管理、もともと厳格になされている上において、これは前回あるいは以前にも長官から説明がありました、金庫において保管をしていくといった管理を行っておりますので、これをさらに高めるためにということで、十月の十八日に改めての指示を出したわけでありますが、私は、こうした情報セキュリティーポリシー、さらにその上の管理ということを指示することによって、海上保安庁内における規律というものを高めることができる、そのように考えて指示を出させていただきました。

○柴山委員
 実は私は、この十一、十二両日に、実際に石垣島に飛んで、石垣海上保安部にヒアリング、聞き取り調査を行ってまいりました。今大臣の口からは、海上保安庁セキュリティーポリシーでこの映像の管理が厳格に行われているというお話でしたけれども、私の調査では、それとは全く違う結果が出ております。
 当日、九月七日の逮捕当時、中国の漁船は、この尖閣付近で三十そうを数える形での航行がなされていました。当然のことながら、石垣海保だけでこのすべてに対応することは不可能であり、これまでもそういった事例に適切に対応するために、現場での撮影映像は、船での撮影という制約があるからこそ、衛星回線を通じて、東京の海上保安本部を含め、応援体制を迅速にしくために、オール海上保安庁で共有をしていた、私はそのように実際にお話をお伺いしております。
 したがって、馬淵大臣、そもそも海上保安庁の職員がこの映像に接するということは、むしろ当然、当初から予定されていたことであり、もしその管理をさらに十全あらしめようというのであれば、当然のことながら、単に三人の保管管理責任者を定めるだけでは足りずに、例えば一定のアクセス制限を強化する、あるいはアクセスした者の特定を行うべくシステム開発を行う、そういうことまでやらなければいけない実態があったのではありませんか。お答えください。

○中井委員長
 最初の部分で鈴木海上保安庁長官、後の部分は大臣にいたします。

○鈴木政府参考人
 お答えいたします。
 問題となっている映像は、私どもの巡視船が撮ったものではありますが、巡視船の乗組員がハンディーカメラ、採証用カメラで撮ったものでございまして、それでああいう間近の映像が撮れておるわけでございます。したがいまして、衛星回線を通じて送られてくるというような映像とはまた違うものでございます。

○中井委員長
 大臣はいいですか。

○柴山委員
 大臣、実際に撮影されたものがそのまま共有されるかどうかはともかく、今お話があったように、オール海保でその管理を共有しなければいけないということについて、大臣御自身の認識として、この管理の厳格化を、ここに書いてあるただ三人の管理責任者の選任ということだけで足りるというようにこのときお考えになられたか。先ほどのお話ですと、お考えになられたということですが、再度、それで間違いないかどうか、お聞きします。イエスかノーかだけでお答えください。

○馬淵国務大臣
 これも再三申し上げているんですが、この海上保安庁の情報セキュリティーポリシーというものは厳格になっております。そこですべて、管理者も含めて、これは決まっているんですね。決まっている上において、再度徹底するようにということで、改めて個別の責任者、担当者ということを定めさせたということであります。
 しかし、こうしたものについて、私は再三再四、徹底管理、これを申してきました。具体的な方法ということについては、当然ながら庁務を統理する海上保安庁内での判断になります。私が、例えば電子的な制御について、特別の知見を持ち合わせているわけではありません。具体的なそのような指示を私が行う権限もございません。徹底管理という言葉が、すなわち、こうした情報に対する十全性を十分に保つようにという意思を持った言葉として伝えられるべきものだと私は考えております。

○柴山委員
 私の手元には文書の原本があるんです。その写しがあるんです。映像管理について保管管理者を定めることということで、海上保安庁のそれに対する対応が、海上保安庁本庁、また第一管区保安本部次長、そして石垣保安部部長の三人を定めた、これだけなんですよ。これについて馬淵大臣は、それから先はその後でこれらの管理者が徹底すると思っていたというようにおっしゃっているんですが、それは私は、当然のことながら、監督の不十分ということが少なくとも指摘されると思います。
 次に、十月二十七日、これは衆議院の横路議長の那覇地検検事正あてに、記録の提出要請について、実際に答えが返ってきたときの書面であります。那覇地検の検事正、そして仙谷官房長官からも、この情報を公にするに当たっては慎重を期すことが相当である、あるいは特段の御配慮をお願いしますというようなことで書かれています。
 本来、那覇地検の検事正に対しての要望に対して、内閣のかなめである仙谷長官がこのような要望書を出し、その情報管理の徹底性というものについての政府としての意思を示されたわけですけれども、このことについて馬淵国土交通大臣は承知をしたんでしょうか。

○馬淵国務大臣
 政府内での意思が図られてそのような形で提示された、このように理解しております。

○柴山委員
 質問にお答えください。
 馬淵大臣は、この十月二十七日付の、特段の、この映像の管理、取り扱いについては慎重に取り扱われなければいけないという内閣官房長官の書面について、これを認識されましたか。イエスかノーかでお答えください。

○馬淵国務大臣
 認識されましたかという質問に対しては、認識しましたと申し上げます。

○柴山委員
 いつの時点でしょうか。

○馬淵国務大臣
 申しわけございませんが、ちょっと記憶が確かではございません。いつの時点かということについては、私はちょっと記憶にないです。

○柴山委員
 今、馬淵大臣が重大な御答弁をされたんです。この内閣官房長官がオフィシャルに出された書面の内容について、馬淵大臣は、少なくとも、これが、いつそういうものが出されたということについては記憶にないとおっしゃっているんです。
 官房長官、官房長官は内閣のかなめとして、この情報の慎重な取り扱いということについて、閣僚にしっかりと、この日、あるいはそれ以外の日でもいいです、徹底をされたんですか。

○仙谷国務大臣
 まず、国会、衆議院議長から提出要求といいましょうかがなされたあて先は、御存じのように、那覇地方検察庁の検事正であります。那覇地方検察庁であります。つまり、この記録の保管者あてでございます。
 那覇地方検察庁の検事正が、映像記録を提出するに当たって要望をつけられております。それは、多分、今で私はわかっておるわけでありますが、マスターテープから、国会で調べていただくにはこれがいいだろうということで編集されたものを出すに当たって、それの調べ方といいましょうか審査の仕方、あるいは、それをどう広がることについての地方検察庁の要望がついております。
 これは、内閣としてもこういう要望を、ある種、国会法百四条との関係でございますので、国政調査権との関係でございますので、このような要望を出したということでございますが、当然のことながら、法務省を通じて、私どもとしてもこういうものを出します、内閣の責任において官房長官の名前で出しますということは伝えてございます。

○柴山委員
 伝えてありますというお話でしたけれども、具体的なその指示の状況についてはお答えはいただけておりません。
 また、先ほどお話がありましたように、一部国土交通大臣の経験者は、海保のビデオ情報は原則公開をされていると。現に、私が石垣海保に出張に行ったときでも、捜査の後ではありますけれども、実際に衝突をしたときの映像、またそのときの写真、そういうものはしっかりと庁内で共有をし、そして、今後のさまざまな活動の用に供するという実態が明らかとなっております。
 この刑訴法四十七条、捜査資料は確かに公開されてはいなかったかもしれないけれども、少なくとも、オール海保でこれについて取り組む以上は、一定のセキュリティーはあったにせよネットワークが共有をされていた。そして、それについて、これまでの答弁では、そのような実態について十分に答弁をされてこなかった。そのようなことについて、私は非常に欺瞞性のある答弁がなされていたというように確信をしておりますし、また、この問題が起きた後についても、仙谷長官は、この情報の管理の徹底というものについて少なくとも明確な形に残る処理をされていない。
 私は、これについての徹底審議を求めるとともに、改めて、官房長官、そして馬淵大臣は現場の海保を所管する大臣として責任は免れないということを強く申し上げさせていただきます。

第176回 国会 衆議院 法務委員会

第176回 国会 衆議院 予算委員会 第2号
平成22年10月22日(金)
午前十時七分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 大臣に伺います。
 今回の中国漁船衝突事故の船長釈放について、行政上の最終責任者はだれだとお考えですか。

○柳田国務大臣
 今回の被疑者の釈放方針の決定は、検察当局において行ったものと承知いたしております。
 私は、検察としての方針の報告を受け、検察に対する指揮権を有する法務大臣として考えた結果、この方針に異議を差し挟むことはせずに了解し、検事総長に対する指揮権を行使しませんでした。
 那覇地検が高検ともに最高検とも相談した結果でございますので、検察当局というふうに答えさせていただきました。

○柴山委員
 検察当局とおっしゃいながら、今大臣がおっしゃったように、指揮権を発動しなかったということで法務大臣の判断が介在した、そういう御答弁だったと理解をしております。指揮権を発動する必要はないというように、法務大臣は御報告を受けた後にそう判断をされたわけでございます。
 ちなみに、何か修正があるんだったらお答えください。

○柳田国務大臣
 ですから、刑事局長から報告を受けたときに、私は異論を挟むことなく、わかりましたと申し上げました。ですから、これは指揮権を発動したということには関係ないと思います。

○柴山委員
 指揮権を発動する機会を与えられて、指揮権を発動しないという判断を大臣が行ったという理解だと私は受けとめております。
 続きまして、ちなみに、衆議院予算委員会で、国会法百四条によって、漁船衝突時のビデオを提出するように要求する旨、決議をされています。
 本来、提出を求められた那覇地検が、刑訴法四十七条ただし書き、すなわち証拠の公開の公益上の必要を判断するべきでありますのに、政府が、限定的な範囲とはいえ、与党と公開を決めた、それも、けさの報道を見てみると、APECの後にすると決めたというのは、まさしく司法手続上の外交上の配慮を政府で行っているということではありませんか。

○柳田国務大臣
 事実について正確に報告をいたします。
 衆議院の予算委員会におきまして議決をされました。その内容については、九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案をめぐる問題についてということで、提出を求める記録については、本年九月七日の尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事案の映像記録、これが求められまして、十月十四日付で衆議院の横路議長から那覇地方検察庁検事正の方に記録の提出が要求をされたわけであります。
 これを受けまして、現在は、那覇地検と海上保安庁の間で、このことについて今協議を行っているというのが事実でございます。

○柴山委員
 繰り返しになりますけれども、APEC後に公開を、しかも予算委員会のメンバーに限ってするというようなことがけさ報道で出ている。しかも、これが政府の決定であるというように報じられています。
 どこかの官房長官が、報道をもとに質問をするのは非常に拙劣だというふうにおっしゃいましたけれども、この問題について法務大臣が一切関与していない、そういった政府の決定というものについてあずかり知らないということであることを確認させてください。

○柳田国務大臣
 日付はちょっと忘れましたけれども、先週でしたか、こういうことで衆議院の方から要請が来ています、御意見はいかがでしょうかといって、お話を聞いたことはあります。
 柴山さんが先ほど来から言っている政府の関与が、何とかが終わった後ということについての話し合いというのは一切行われていない。私が出席した会議、その中においては一切触れられていないということだけははっきり申し上げられます。

○柴山委員
 それでは、この中国人漁船の釈放の問題に戻りますが、十八日午後の参議院決算委員会において、丸山和也議員が、この中国人漁船船長の釈放を受けて、法律に従って粛々とやるということではないのかなどと電話で仙谷官房長官にただしたところ、そんなことをしたらAPECが吹っ飛んでしまうとか、今はその時期ではないというように語ったということが紹介をされています。
 これは、先ほど大臣が御答弁された、検察当局であるという責任の所在にも影響する大変重要な事実ではないかと思われますが、大臣は、仙谷長官にあるいは丸山議員なりに、この会話の真偽というものを確かめましたか。

○柳田国務大臣
 御存じのように、私もその決算委員会に出席をしておりましたので、その質疑については聞いております。
 そのときに官房長官がどう言ったか、柴山委員も御存じのとおりでありますので、私がどうのこうの確認する筋合いではないと思っています。

○柴山委員
 仙谷さんは、健忘症にかかったかもしれないなどと煙に巻いたお話をされています。しかし、私は昨夜、直接丸山議員に連絡をとりまして、これは確かなことであるという確認をとっておりますし、また、きょう、この委員会の質問で丸山議員の発言を引用することについても了解をもらっています。
 先ほどお話があったとおり、これはあくまで検察当局の判断だということを法務大臣がおっしゃいました。そして、仙谷長官の、記憶にないということが虚偽かどうかはともかく、この答弁がもし問題をはらむものであったら、それは先ほどの御答弁の根幹を揺るがす大変大きな問題であるということだけを指摘させていただきたいと思います。

○柳田国務大臣
 決算委員会で丸山議員がおっしゃったことは私も記憶しています。一方的なことだけを聞いて、それで決めつけられては困ると私は思います。どうぞ必要なことがあるんだったら必要な委員会に出ていらっしゃって官房長官からも聞いてもらいたい、そうじゃなければ公平じゃないんじゃないか。その上で先ほどのような質問をするんだったら聞けるかもしれませんが、一方の方だけの発言だけでこれはそうだと言われても私は困ります。

○柴山委員
 二人の会話であります。
 それで、官房長官はこのことについては明確な形での否定はされていません。健忘症にかかったかもしれない、あるいは、いいかげんな人がいいかげんなことを言った、こういう形でお話をされているということなんです。
 丸山議員が御自分のブログに書かれていますけれども、もしこのことについて官房長官が、会話の内容自体は肯定しながらも、それについて自分として置かれている立場を釈明されているということであれば、これは私は誠実な態度だと思います。しかし、今申し上げたような官房長官の対応を見れば、それは私は将来に禍根を残しかねない非常に不誠実な態度であると言わざるを得ない。このことを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 先ほど、検察当局による判断だと御説明がありました。今後、この事件につきまして、捜査の継続、あるいは起訴、不起訴の判断、これは必ずなされるとの理解でよろしいでしょうか。

○柳田国務大臣
 そのとおりでございます。

○柴山委員
 しかし、御存じのとおり、身柄はもう既に中国の国内にあるわけです。身柄を拘束しないでどうやって捜査を継続するのか。また、起訴しない場合に被告人の出廷をどう担保するのか。検察当局の責任でそういうことを行ったということなんですけれども、検察当局はこれについてどう責任をとるのか。以上、質問させていただきます。

○柳田国務大臣
 検察当局がしかるべきときに適切に判断をされるものと私は考えております。

○柴山委員
 処分、不処分の判断を問うているのではありません。私が申し上げたような事態が発生したときに検察当局はどう責任をとるのかという質問をさせていただいているんです。

○小川副大臣
 ちょっと委員の質問も、今後不起訴となったときにというふうに問われたように思うんですが、今後起訴となった場合にどうするかという御趣旨なんでしょうか。(柴山委員「そうです」と呼ぶ)
 ただ、いずれにしましても、これは検察庁としましては、具体的な事件の処分の最終処理として、起訴、不起訴、あるいは中止か、そうした最終処分は必ずすべきものでございます。(柴山委員「だから、先ほど私が言ったとおりです。そうです」と呼ぶ)はい。
 ですから、その必要な判断を行って、最終的には必ず、起訴、不起訴、いずれかの処分を行うことになります。

○柴山委員
 もうこれ以上繰り返しません。質問に答えていないということは、だれが見ても明らかです。
 次の質問に移らせていただきます。
 今後、類似の事案が生じた場合に、今回の処理がそういった類似の事案に影響するとはお感じになりませんか。

○柳田国務大臣
 法と証拠に基づいて判断されるものと思います。

○柴山委員
 法と証拠に基づき、そして処分の具体的な内容について、今回の処理が影響しませんかと私は聞いているんです。

○柳田国務大臣
 ですから、お答えいたしております。法と証拠に基づいて適切に判断をされるものと思います。

○柴山委員
 この問題については、後でまたお伺いします。
 続きまして、大阪地検特捜部の捜査資料改ざん、隠ぺい事件についてお伺いします。
 これは、元主任検事の前田被告のみならず、前特捜部長の大坪弘道被告、あるいは元副部長の佐賀元明被告まで逮捕、そして昨日起訴されたという異例な事態となっております。
 大臣は、所信表明で、本件においては徹底的な検証を行うべく、外部の第三者の意見を聞くように指示したとのことなんですけれども……(柳田国務大臣「だれに、最高検に」と呼ぶ)最高検におけるということですね。具体的に、どの段階で、いかなる第三者を、どのように関与させるおつもりなんですか。

○柳田国務大臣
 最高検の検証チームの第一回目の会合のときに、異例ではございますが、出席をさせていただきまして、私は、今回の事態を真摯に受けとめて、しっかり反省すると同時に、ちゃんとした検証を行ってほしい旨申し上げました。そのときに、自分たちだけで最終報告をまとめるのではなくて、最終段階において、第三者の意見も伺ってまとめるようにというふうに指示をいたしました。

○柴山委員
 今、最終段階とおっしゃったんですよ。
 事件とか事故が発生した場合に、それを検証する第三者委員会というのは枚挙にいとまはありませんけれども、最終段階の報告取りまとめのときに第三者の意見を聞くなんという委員会はありません。例えば、刑務所における苦情処理を行う視察委員会だって個別の苦情を処理しているわけなんですよ。それと同様に、しっかりと第三者委員会を検証のプロセスから関与させていくということは考えられないんですか。

○柳田国務大臣
 最初のころから関与させろという御意見かもわかりませんけれども、捜査段階でございますと、いろいろと取り調べも行われるわけでございます。個人のプライバシーとかいろいろな問題も出てきますので、第三者を入れることは適当ではないと私は考えました。
 ただし、最高検だけで結論を出すのではなくて、第三者の意見も最終段階では聞くようにというふうに指示をしたところであります。

○柴山委員
 それではお伺いしますが、その最終段階で、第三者の意見で、これは身内の捜査だ、自分の腹に自分がメスを十分入れていないというような意見が出たら、それをやり直すんですか。

○柳田国務大臣
 そういう御批判もあろうかと思います。極めて遺憾な事件でございました。前代未聞の事件でございました。いろいろな御批判を浴びているのも私は承知いたしております。
 ですから、私のもとにおける検討会議をつくりまして、そこで、第三者の皆さんを入れて、再度いろいろな全般にわたる検討を加えて、十二月の早い段階で最高検は報告を出すと言っていますから、それも参考にしながら、いろいろなことをやらせていただきたい、国民の信頼を回復するためにいろいろなことを議論させてもらってやらせてもらいたい、そういうふうに考えているところです。

○柴山委員
 私はやり直しをする余地があるのかと聞いているのに、全く答えになっていない。そのことだけを指摘させていただきまして、次の質問に移ります。
 大臣は、所信表明の中で、なお、より高い観点から別途検察のあり方について検討するために外部有識者による会議を立ち上げるというようにお話をされていました。
 今回舞台となった大阪地検、そして東京地検、それぞれで特捜部在籍経験のある堀田力弁護士は、東京では、全体の構図と供述は主任検事に集中させる、そして一線の検事同士は互いに話をできないとすることによって、ストーリーに沿った誘導をできないようにしていたということを述懐されています。一方、大阪では、検事同士の連絡は自由なかわりに、特捜部長など上司への報告は非常に厳しく求められていたとされているんですね。
 にもかかわらず、今回、報道によれば、前田容疑者は、上司に直後に相談できる状況ではなかったと供述しているとも報道されていますし、同僚の検事によりますと、無理をしていて、特捜部というのはやはり余り行きたくないところなんだというような話もされています。
 さきの本件についての最高検での委員会とあわせて、この検察のあり方について検討する委員会のしっかりとした調査と国会への報告、これをぜひ大臣、お約束してください。

○柳田国務大臣
 堀田さんという方がどういうふうな発言をしているのか、私は実は承知いたしておりません。ただ、ほかのいろいろな意見は聞かせてもらっております。
 最高検の検証については、当然公開もされるというふうに伺っておりますので、それを受けましたらば、国会の要請があれば私の方から国会の方に報告をいたします。
 なお、私のもとに行われる検討会議についても、速やかに人選を終えて立ち上げたいと思います。その中の議論にもなるかと思いますが、できるだけ公開もしたいと思いますし、折に触れて国会にも報告ができれば、そんな思いでいるということでございます。

○柴山委員
 ぜひよろしくお願いいたします。
 ただ、よく一般の人があるいは議員の人が言ったりしているように、専門性の高い特捜部を解体するということになりますと、悪質な経済事案ですとかあるいは権力に近い者の摘発というものが困難になりかねないという懸念があります。ぜひ冷静な議論を行っていただきますように要望申し上げます。
 また、今回の事案についての責任の所在というものが私はかなり重要だと思っております。
 大臣、まず、一般論として、検察庁において検察官が職務遂行に関して、私生活に関してではないですよ、職務遂行に関して違法行為あるいは結果として著しく妥当性を欠いた行為をした場合、行政上、だれが責任をとるんですか。

○柳田国務大臣
 一般論でよろしいんですね。(柴山委員「はい、一般論で結構です」と呼ぶ)事案ごとに私の方で判断をさせていただきたいと思います。

○柴山委員
 そういう抽象的な御答弁ですと、では本件についてということに話を進めさせていただきます。
 昨日発表された本件の処分ですと、部長らの行為について上級庁に報告しなかったということで、もちろん特捜部長それから副部長は懲戒免職だったんですけれども、小林敬大阪地検検事正あるいは玉井英章前次席検事が減給ということで辞職を予定されています。また、証拠の改ざん当時の検事正も減給で辞職の方向、また大阪高検次席も戒告などということで、かなり大量の処分者が出ているわけなんですね。これが一体どういう根拠に基づくものなのか。
 それから、ちなみに、こうした処分を受けた方が退職された場合の退職金、これは一体どうなるのか。それぞれお答えください。

○柳田国務大臣
 一遍にたくさん聞かれたので、一つずつ聞いてもらえるとありがたいんですが。
 懲戒免職処分に当たった方については、退職金のすべてを支給しないということになります。
 前段はどうでしたっけ。(柴山委員「では、それ以外の懲戒処分はどうですか」と呼ぶ)
 それ以外の、今回、訓告と戒告をいたしましたけれども……(柴山委員「減給もあります」と呼ぶ)減給もあります。これは……(柴山委員「いや、辞職を予定している人がいるんですよ」と呼ぶ)辞職を予定している人の退職金ですね。これはお支払いいたします。(柴山委員「全額ですか」と呼ぶ)全額です。

○柴山委員
 それから、一遍にたくさんにというふうにおっしゃられたんですけれども、私が言っているのは、要するに、直接刑事処分を受けていない方々についてもこれだけ大量の懲戒処分者が出ているということなんですね。
 ですので、私は、一人一人についてその根拠を言えということではありません。基本的な考え方を聞いているんです。なぜこれだけ多くの方が行政上の懲戒処分を受けているのか。その理由について、大臣は先ほど、一般論として私が決めますというのは、それは人の支配ですよ。全然基準というものが明らかになっていない。
 だから、懲戒処分をするときのその根拠というものについて一体どのような形で判断をされたのかということを聞いているんです。

○柳田国務大臣
 国家公務員法八十二条に基づいて処分をいたしました。
 なお、この処分が通常より重いのか軽いのかということもいろいろと話をさせてもらいましたけれども、通常よりも厳しい処分にさせていただきました。

○柴山委員
 私は、厳しいか厳しくないかということを聞いているのではありません。なぜ、直接刑事責任を問われていない人が行政上の懲戒処分を負わなきゃいけないのか、それは大臣がこの人を減給させようと思えば自由にできるものなのか、その根拠ということを今尋ねているんです。

○柳田国務大臣
 その他の人については、監督責任ということで処分しました。

○柴山委員
 基本的な概念ですから、その言葉を早く大臣から私は聞きたかったのです。
 いずれにいたしましても、今、監督責任ということについて触れられました。それでは、伊藤鉄男次長検事が今回、監督上の措置として訓告を受けているということですけれども、今回、改ざんの報告が最高検まで上がらなかったということについて、最高検として、何らかの組織的な不作為の責任、あるいは監督責任があるとは考えられないんでしょうか。検事総長あるいは大臣が無傷でいいんでしょうか。

○柳田国務大臣
 今回の処分の一つは、当時の方々について処分をしたということでございます。詳しくはいいですね。昨年の二月の段階の方々、今回発覚するまで隠していた方々、そういうことに関連する人々の処分を行いました。
 ちなみに、現検事総長は、その間、関係ない部署におりました。今回の、検事総長に就任したのは三カ月か四カ月前でございますので、関係がない。私については御存じのとおりでありますので、私がこの事件に関与したことはありません。

 ただ、今この立場におりますので、私がやるべきことは、二度とこんなことが起きないように、国民の信頼を取り戻すべく頑張るのが私の責任だと思っています。

○柴山委員
 そのポジションにいるがゆえに、とらなきゃいけない責任というものもあるわけなんです。
 それと、あと、今、大臣は重要なことを御答弁されたんですよ。行為の当時は私はそのポジションにいなかったからということで、その責任は発生しないんじゃないか、そういう御答弁をされたんですよ。
 例えば、もしその理論が通用するんだったら、先ほどの中国漁船衝突事件は那覇地検と最高検が協議して決定したことなんですよ。そして、これはまさしく大臣が在任中に、先ほど大臣が御自分でおっしゃっていたじゃないですか、指揮権を発動しないと自分で判断されたんです。それでこういうことを判断されたわけなんです。とすれば、それを監督し得る立場にあった監督責任、これは今、大臣、自分が御答弁されましたね。これについて、先ほど私が、今後の捜査の見込み、あるいはさまざまな影響、そういうものについて、大臣、監督責任あるいはそれにかわる責任、負うんですか。

○柳田国務大臣
 今回の尖閣の問題について、私の責任についていろいろおっしゃっていますので、かわって副大臣が答えます。

○柴山委員
 いや、それは、監督責任としてあなたは御自分の責任をどう考えるんですかということをお尋ねしているんです。大臣ですよ。

○柳田国務大臣
 ですから、先ほど触れましたように、事件そのものについて私は責任がないと思っております。ただ…… (柴山委員「監督責任と自分で言ったじゃないですか」と呼ぶ)だから、当時の監督責任はあるでしょうと。私は当時、しておりません。今私が負うべき責任というのは、しっかりとした対策を打って、国民の信頼を回復すること、また、こういう不祥事が起きたということに対して私は国民におわびすることだと思っております。

○柴山委員
 村木事件でそういうロジックを使ったので、では中国人漁船衝突事件において、大臣は御自分で指揮権を発動しないということを判断されたわけじゃないですか。それはまさしく行為当時の大臣だったわけじゃないですか。それについて大臣は、要するに、那覇地検あるいは最高検がそういう決定をしたことに対する監督責任というものを負わなくていいんですかというふうに、私は今度は中国漁船衝突事件についてお聞きしているんです。

○柳田国務大臣
 今回の件は適切に判断をされたものだと私は思っております。

○柴山委員
 現時点では適切に判断をしたというふうに御答弁ですけれども、今後さまざまな事案が起きたときに、大臣、御自分で監督責任について触れられたわけですし、そして、指揮権を発動しなかったのは御自分の判断だったというように今この法務委員会で御答弁をされたわけですから、今後生じてくるさまざまな事例、事象について私は大臣の責任を追及し続けますので、お覚悟をいただきたいというように思っております。
 続いて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 今回の事案を受けて、被疑者取り調べの可視化の機運が高まっています。既に法務省では、政務三役を中心とした勉強会を進めて、ことし六月に中間的取りまとめを行い、来年六月以降、勉強会としての取りまとめを行うというようにされているんですけれども、この可視化についての取りまとめ、最終取りまとめ、来年六月以降、一体いつされるんですか。

○柳田国務大臣
 何回も予算委員会等で答弁していますけれども、六月以降の早い段階で取りまとめを行いますと申し上げております。

○柴山委員
 六月以降の早い段階と言いますけれども、来年でも再来年でも、今年度中と言っていないんですよ。来年の六月以降のなるべく早い時期にというのは、結局、できるだけ早くやりますと言っていることと同じなんですね。やはりそのスケジュール観というものについては、もう少し私はしっかりとしたもので御答弁をいただきたいと思います。
 それと、あと、やはりこの問題については同僚からも懸念の声が出ています。可視化はもちろん私も賛成なんです。この委員会でも何度も質問させていただきました。しかし、うそをつけば逃げ切れるという仕組みにしてはいけないわけです。刑事司法のトータルな適正化のために、ぜひバランスのとれた報告書にしていただきたい。
 スケジュールの点、それから内容の点、いずれについてもお答えください。

○柳田国務大臣
 六月のできるだけ早い段階で取りまとめを行ってまいります。(発言する者あり)

○奥田委員長
 柳田法務大臣、再答弁をお願いします。

○柳田国務大臣
 六月以降できるだけ早い段階で取りまとめを行います。(柴山委員「内容は。中身」と呼ぶ)
 可視化については副大臣に担当してもらっておりますので、そういう中身については副大臣に答弁をお願いします。

○小川副大臣
 委員の御指摘の点も十分踏まえまして、可視化に向けた検討をしっかりと行ってまいりたいと思います。
 ただ、可視化を実現する場合には、やはりさまざまな問題がございます。委員が指摘されましたように、捜査に支障を来してもいけませんし、しかし一方で、このような誤った捜査がなされてもいけませんので、慎重、しかしまたスピード感を持った検討をさせていただきたいと思います。

○柴山委員
 ぜひよろしくお願いいたします。
 先ほど監督責任ということについてお伺いしていたんですけれども、今回の村木厚子元厚労省局長、無罪が確定しましたけれども、一方、今回の郵便料金不正事件の当時、課長であられたんですね。そして、係長だった上村勉被告が、今公判が係属しています。上村被告に対する村木元局長の監督責任は、厚労省はどのようにお考えになっているんでしょうか。

○小林大臣政務官
 お答えいたします。
 村木元局長については、刑事事件に対しては無罪判決が確定しましたが、御指摘のとおり、上村元係長の上司としての責任はあるものと考えております。
 上村元係長に対する刑事訴訟がまだ係争中であり、事実関係が確定していない部分があるため、厚生労働省として判断する段階には至っておりませんが、判決確定後、上村元係長の処分とあわせて、当時の関係者の監督責任について検討することとしていますので、その際に、村木元局長の責任についてもあわせて結論を出したい、このように考えております。

○柴山委員
 今のは大変重要な御答弁です。
 今、民主党は、この村木元局長をさまざまな役職につけようとしているんです。厚労省、今の答弁の内容としては全く妥当な答弁だと私は思いますけれども、その方向で、ぜひしっかりとした、筋を通した処分をお願いしたいと、私からお願いをしておきます。
 続きまして、小沢さん、鳩山さんの案件について短く質問をさせてもらいます。
 今回の小沢さんの検察審査会の起訴相当の議決に関連して、取り消しなどの行政訴訟が提起をされているんですね。一般論として法務省あるいは裁判所にお伺いしたいんですけれども、私は、行政訴訟という訴訟は、訴えの利益というものが非常に問題となるというようにお伺いしているんですけれども、この行政訴訟について、何か問題点はないんでしょうか。

○小川副大臣
 仮処分の関係では、却下するという地裁の判断が出ておりますが、一般に刑事事件でありますと、起訴したら、その起訴が有効、無効あるいは有罪、無罪はその刑事事件の場において争うということでございます。恐らく、この検察審査会の処分に関しても同じような考えがあり得るんじゃないかと思われますが。

○柴山委員
 極めて明快な御答弁、ありがとうございました。
 続きまして、司法修習生の給費制の問題についてお伺いしたいと思います。
 司法修習生に国が給与を支給するという現行の給費制を生活資金貸与制に切りかえるという裁判所法一部改正法の施行時期について、大臣はどのように御認識でしょうか。

○柳田国務大臣
 私としては、現段階で貸与制の実施を見直すことは考えておりません。
 ただ、国会の中でいろいろ議論が調いまして決定をされることになれば、それに従いたいと思います。

○柴山委員
 副大臣、同じ認識でよろしいでしょうか。

○小川副大臣
 同じ認識でございます。

○柴山委員
 政務官、同じ認識でよろしいでしょうか。

○黒岩大臣政務官
 大臣、副大臣と同じ認識でございます。

○柴山委員
 自民党の中では、貸与制にすると裕福な世帯の方しか法曹になれないという懸念が出る一方、貧しい修習生には貸与金の返済を免除すればいいじゃないか、一律の税による給費制の維持というものには国民の理解は得られないという意見も出ているところであります。
 そこで、財務省に伺います。財務省のこの件に関する予算措置は、どのような理由で、どういう金額になっているんでしょうか。

○吉田大臣政務官
 予算の方は、法律を前提に、つまり貸与制への移行を前提に組まれております。
 裁判所の二十二年度予算を申し上げますと、新しく始まります修習資金貸与金として二十七億円、そして従来からの給費制にかかわる分として司法修習生手当六十九億円、これは職員基本給、期末・勤勉手当等が含まれております。さらには、その方々の国家公務員共済組合負担金として七億円、これが二十二年度予算でございます。
 また、来年度、二十三年度の予算の概算要求においては、貸与金として八十九億円、手当として二億円、共済組合の負担金として一千八百万円、こういう要求が裁判所から出ております。これを前提に現在予算編成の作業を行っているところでございます。

○柴山委員
 もう既に貸与制を前提とした予算を組んでいる、そして、貸与制を前提とした予算要求が来年度の分については出ているという御答弁だったかと思います。
 今、私が御答弁をすべての政務の担当の方にお伺いしたんですけれども、全員が民主党の議員さんでいらっしゃいます。
 きのうの読売新聞には、民主党は既に九月十三日の法務部門会議で給費制維持の方針を決めていながら、実は、党の上層部の了解まではとれておらず、取りまとめにはなお時間がかかるという見方が示されていたということが報道されていますけれども、給費制維持の場合にはどういう措置をとるかということを、例えば財務担当者は民主党の法務部門と打ち合わせをされたんですか、吉田さん、いかがですか。

○吉田大臣政務官
 私の知る限りでは、民主党の法務部門会議から財務省に対して特別なお話は来ていないと承知しております。

○柴山委員
 この問題は、自民党だけが何かもめているというような報道がちょっと散見されるんですけれども、決してそういう実態ではないということを今の質疑を通じて主張させていただきまして、時間がオーバーいたしましたので、私の質問時間を終わらせていただきます。
 菊田政務官におかれましては、済みません、時間切れになってしまいましたので、質問を用意していたんですけれども、またの機会にお願いいたします。

第175回 国会 衆議院 予算委員会

第175回 国会 衆議院 予算委員会 第1号
平成22年8月2日(月)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 まず、国民の安心の基礎となる法務行政についてお伺いします。
 その前に、総理、今回の参議院選挙において議席を得られなかった千葉法務大臣を、引き続きその職にとどめておられることの理由を端的にお聞かせください。

○菅内閣総理大臣
 法務大臣として適任な方だと思いましたので、議席は失われましたけれども、憲法的には、民間人の方が大臣を務められることもしばしばありますので、そういう判断として、適任な方ということで、そのまま大臣として職務を遂行していただきたいと私からお願いをいたしました。

○柴山委員
 適任とおっしゃいましたけれども、今回の金賢姫元死刑囚の入国許可、これについては選挙後の話ですし、また、あした同僚議員から詳しく質問があると思いますが、さまざまな批判があります。そして、例えば、かつて拉致実行犯の辛光洙氏の釈放要望書に署名したり、在日外国人の地方参政権について大臣在任中にこれを支持する集会に祝電を送ったりする等々、法務大臣としての行為、姿勢への評価も今回の選挙結果につながった側面は否定できないはずです。にもかかわらず、総理が内閣の都合で大臣を続投させるのは、まさに民意の軽視そのものではありませんか。
 内閣総務官室に伺いますが、落選した議員が大臣を務めた最長期間はどれだけでしょうか。

○原政府参考人
 これまで現職大臣が選挙に落選され、その後も大臣として在任された最長期間についてのお尋ねでございますけれども、戦後の新憲法制定以降においては、昭和二十八年四月の第四次吉田内閣における参議院議員選挙後二十七日間というのが最長であると承知しております。

○柴山委員
 このままでいけば記録更新は間違いないということです。
 さて、この七月二十八日に民主党政権下で初めて執行された死刑についてお伺いします。
 千葉大臣は死刑廃止を推進する議員連盟のメンバーだったんですけれども、考えを変えられたのでしょうか。これも端的にお答えください。

○千葉国務大臣
 私は、法務大臣を拝命いたしますときに、法務大臣の職務、職責として死刑執行について指揮をするということを十分に承知をして職務を受けさせていただきました。それを法務大臣としての職務として執行させていただいたということでございます。

○柴山委員
 かつてと考え方を変えられたんでしょうか。
 あなたはかつて、杉浦正健法務大臣が二〇〇五年に就任した際、御自分の信念として死刑執行命令書にサインしないと発言した直後に発言を撤回したことについて、参議院本会議における質疑で、「死刑制度に疑問をお持ちであれば、死刑制度廃止に向けた姿勢を貫くべきではなかったのでしょうか。」と一貫性の欠如を指摘されております。おかしくないでしょうか。
 大臣はちなみに記者会見で、慎重に検討して時間がかかったとおっしゃっていますが、いつ今回の案件が大臣に持ち込まれ、どのぐらいの時間、検討されたのですか、お答えください。

○千葉国務大臣
 個別の執行につきまして、どのような時点から、そしてどのような時点で決定をしたかということをお答えすることはできません。しかし、さまざまな、再審の事由がないか、あるいは心身の状態はどうか等々を含めて慎重に検討させていただいた結論でございます。

○柴山委員
 誤解しないでいただきたいのですが、私自身は、今大臣がおっしゃったように、冤罪の防止などを条件として、凶悪な犯罪には極刑をもって臨むのはやむを得ないと考えています。
 問題は、これまでは死刑の執行を拒んでおきながら、選挙で民意の支持を失って、先ほど述べたとおり、職務の継続に疑問を持たれている中で、極めて重い職務である死刑執行のサインに踏み切ったことなのです。
 ちなみに、内閣府のことし二月発表の世論調査では、死刑制度について、やむを得ないとして認める方が八五%という高い割合になったということです。もし大臣が国民の支持を目当てに対応を変えたということであれば、不謹慎であるとの非難を免れません。
 ちなみに、大臣は、今回、死刑にサインするので執行に立ち会いたい、また、東京拘置所の刑場を報道陣に公開したいと述べられたということですが、事実でしょうか。

○千葉国務大臣
 事実でございます。

○柴山委員
 実は、刑場の公開は、先ほど述べた死刑制度を廃止する議員連盟に所属していた社民党の保坂展人前衆議院議員が法務委員会などで繰り返し主張してきたことなんです。
 今後、法務省に勉強会を設けるということですが、大臣は、結局、かつて例がない、そして国民にとって衝撃の大きな死刑立ち会いの経験やこういった刑場の公開を通じて、世論を死刑廃止に傾けていく意思なんじゃありませんか。あなたは考え方を変えたかどうか今さまざまな議論がありますけれども、結局のところは、そういった裏の意図が隠されているんじゃありませんか。お答えください。

○千葉国務大臣
 全くそのような御指摘は私は考えてもおりません。

○柴山委員
 全くなぜ判こをついたかということについての説明にはなっていない、私はそのように考えております。
 続いて、今その展開が注目されている小沢前幹事長の検察審査会での審査に関連してお伺いします。
 こちらのパネルをごらんください。これは、ことし四月二十七日に起訴相当の議決が出た東京第五検察審査会、これについても書かれております。右上の1の部分です。
 つまり、実際には、ここの点線で書いたとおり、二〇〇四年十月に小沢氏の資金管理団体陸山会が世田谷の土地を購入したにもかかわらず、左に示した購入資金四億円の出どころを隠すために、収支報告書にはそのようには書かないで、別の入金があった翌二〇〇五年の一月七日に、実線のとおりに、購入したと書いた、そういう疑いのある事件です。
 一方、ことし七月八日に議決のあった東京第一検察審査会の事案は、左の2の部分です。お金のできた陸山会から小沢氏に対し提供額四億円を返済したにもかかわらず、それを収支報告書に書かなかったと疑われている問題です。
 おわかりのとおり、これらは一連の取引であるにもかかわらず、たまたま別の事件とされたために、二つの検察審査会で、それぞれ一般市民からくじで選ばれた別の十一名が検察庁の不起訴処分の妥当性を判断し、結論として、いずれも起訴しないのはおかしいと判断したわけであります。
 そこで、裁判所にお伺いしたいんですが、検察審査会における評議の経過、あるいは各審査員の意見は公開されていますか。

○植村最高裁判所長官代理者
 お答えを申し上げます。
 検察審査会に対しまして申し立てがございますと、検察審査会議というところで審査が行われます。検察審査会議における評議の経過、それから各検察審査員の意見につきましては非公開とされているというふうに承知をいたしております。

○柴山委員
 なぜ非公開とされているのでしょうか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、法律上の根拠でございますが、検察審査会法第二十六条には「検察審査会議は、これを公開しない。」という規定がございますので、この規定に基づいて公開はしていないということでございます。
 なお、この法律の趣旨でございますが、一つは、検察審査会は職権の独立が保障されて、検察審査会議における検察審査員の自由な審査活動を保障する必要は高い。検察審査会議を公開すると、審査員が他から不当な影響を受けるなどのおそれがあるということ。それから、検察審査会の審査が起訴前の手続であるため、被疑者その他の関係人の名誉の保護に配慮する必要があること。さらに、捜査の延長としての面もあるため、捜査の秘密を保護する必要があること等の理由に基づくものと理解をしております。

○柴山委員
 そのような中で、検察審査会の起訴相当の議決にもかかわらず東京地検がこの1の方の事件で小沢氏を再度不起訴処分としてから、わずか五日後の五月二十六日に、辻惠民主党副幹事長は検察審査会の事務局に電話をして、報道によれば、まさしくこの第五、第一審査会の各事務局長を指定して、審査員の補助をする弁護士の選任方法や標準的な審査期間などについてみずからの議員会館の事務所に説明に来るよう求めたとされています。
 これがもし事実なら、司法手続に政治的影響が及びかねない重大な問題であります。日本弁護士連合会の刑事法制委員長も、こうした接触があれば問題だと表明しています。
 総理、自民党と公明党の弁護士資格のある議員は、連名で、辻副幹事長に対し、こうした接触を図った事実があるのかどうか、配達証明郵便で公開質問状を郵送し、それはことし六月四日に配達されました。これがその配達証明書です。しかし、今もって辻議員からは回答がありません。総理は、この一連の経過について、辻議員あるいは幹事長室から報告を受けていますか。

○菅内閣総理大臣
 特に聞いておりません。

○柴山委員
 ちなみに、質問状を出したのは鳩山前総理の辞任表明の後の六月三日であることを申し添えておきたいと思います。
 辻副幹事長は、かつて、日本歯科医師連盟の政治資金問題で、橋本元総理らの不起訴を不服としてみずから検察審査会への申し立てを繰り返しておきながら、今回の事件では一転して、審査会の議決を魔女狩り的手法で葬り去るものだと批判をして、さらに、民主党議員などで結成した審査会制度の見直しなどを議論する議員連盟の事務局長を務めていると報道されています。司法への政治的圧力と批判されかねない動きはぜひ自重していただきたいと思います。
 現に、第五検察審査会の補助員を務められていた弁護士は、さまざまな嫌がらせがあって辞任したと報じられています。再度の議決は、検察審査会の構成員がすべて入れかわる予定の八月を大幅に超えて、民主党代表選挙の後になるという観測もあって、その間、公正なプロセスを確保する必要があると私は信じております。
 ところで、総理にお伺いしたいんですけれども、もう政治家が秘書に金の問題で責任転嫁をすることを認めるのはやめにしませんか。総理は、財務大臣だったことし一月の参議院予算委員会で、収支報告書についてはみずからごらんになっていると森まさこ議員の質問に対して答弁をされました。資金管理団体の代表者である議員本人が収支報告書に確認の上署名することを要するという法改正を、与野党の壁を越えて行ってはいかがですか。

○菅内閣総理大臣
 考え方としては、私は一つの拝聴すべき考え方だと思います。関係者でぜひ御議論いただきたいと思います。

○柴山委員
 もっと前向きな御答弁をぜひお願いしたかったところです。
 その上で、ここまで一般の方が不審に思っているこの事件について、国会の場で説明責任を果たすべく、小沢前幹事長や石川知裕議員、あるいは小沢氏の元秘書の高橋嘉信氏や水谷建設の幹部を初め、関係者の証人喚問を行うべきと考えています。
 先ほど総理は、国会のことは国会が決めるという趣旨の御答弁をされましたけれども、実は、民主党の幹部やあるいは閣僚からも、証人喚問に応じるべきだという意見を私は幾つか聞いております。もし総理がリーダーシップをとれば、世論をバックにこれを実現できる可能性は私は高いと考えております。何より、自民党が政権与党のときには、そういった疑惑があったときには証人喚問に応じてきたんですよ。
 総理、どのようにお考えなんですか。

○菅内閣総理大臣
 いろいろなケース、いろいろな場面があったことは承知をいたしております。
 そういった意味で、この案件についても、委員会あるいは国会の関係者の中で御議論をいただければと思っています。

○柴山委員
 なぜそうやって逃げるのか。私は大変失望しております。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 荒井国家戦略担当大臣、大臣は、問題となった事務所費の内訳を明らかにすると称して、報道陣に極めて短時間、またコピーも認めずに示した領収書について、七月三十日の記者会見でこのように述べておられます。弁護士事務所からこれとこれは修正を要するのではないかと指摘があったので、指摘に基づき修正したのであって、架空経費問題は説明させていただいたと思っている。
 間違いありませんか。

○荒井国務大臣
 ただいまの案件でございますが、六月の九日でありましたでしょうか、読売新聞から私の事務所費問題で架空ではないかという指摘がございました。その結果、この件が架空ではないということを立証するために領収書を提示いたしました。この結果、架空ではないということが理解をされたというふうに考えてございます。
 ただし、この領収書の中に不適切なものがあったのではないかという御指摘がございましたので、監査法人やあるいは弁護士事務所に調査を依頼いたしました。その調査結果で十八件、うち十三件はコミックでありましたけれども、十八件、約十万円弱が私費利用との疑いもあるということで、是正をする方がよろしいという勧告を受けましたので、これを勧告どおりに修正を行いました。

○柴山委員
 それでは説明になっていないですよ。たとえそういった専門家の指摘に基づいて収支報告書を訂正したとしても、不適切と言われた具体的な内容は明らかになっていないじゃないですか。一たん疑惑を持たれた以上、少女漫画代やキャミソール代あるいはクリーニング代など、個別の費目ごとにきちんと領収書をもってどう処理したのか説明すべきです。違いますか。

○荒井国務大臣
 訂正内容は、領収書の数字の読み間違い、あるいは誤記載、収支報告後保存すべき領収書の紛失、私用で購入した物品の領収書の混入でございます。
 主な原因でありますが、仕事が多忙の中、秘書が支出後ある程度時間をかけてまとめて処理をしたため、誤読が発生したり、私用のものが錯誤により混入したり、領収書の保存状態が悪くなったりという原因でございます。
 今後は、会計帳簿入力作業に対するダブルチェック体制が万全でなかったことも原因でございますので、反省をしてございます。
 問題の点については修正をいたしました。問題は十八件あったと弁護士から報告がございました。その十八件について、約十万円弱でございますが、それを修正いたしました。

○柴山委員
 私は、今、個別の費目ごとに領収書をもってどう処理したのか説明すべきではありませんかとお聞きしたのに、全く御答弁になっておりません。
 ちなみに、今、民主党の議員から、そんなささいな問題をというようなやじがありましたが、二〇〇七年、菅総理は、我が党の大臣に事務所費問題が生じた際、きちんと領収書をそろえて説明すべきで、それができないならやめるべきだとおっしゃっていたんです。
 総理は、仮に荒井大臣が菅総理が当時おっしゃっていたような説明をしない場合、罷免されるおつもりですか。

○菅内閣総理大臣
 どの場面でどういう表現をしたか、ちょっと私、はっきり記憶をしておりませんけれども、先ほど荒井大臣の方から、専門家の皆さんの調査も含めてきちんと処理をしたということでありますので、それでいいのではないかと思っております。

○柴山委員
 過去におっしゃっていたことと全く食い違っております。領収書は一円から公開せよと言っていたのは一体どこの政党なんでしょうか。
 確かに、私も三年前のNHK「日曜討論」に出演した際、一定金額以下の支出についてまですべて領収書を公開するのではなくて、公認会計士などの外部のチェックを行うとともに、領収書については保管義務を課せばよいと発言をさせていただきました。
 しかし、先ほど述べたとおり、既に荒井大臣は不適切な支出があると指摘され、ほかにもないかと疑われているのですから、一層厳格な説明責任が求められるのは当然であります。パフォーマンスだけの政治はぜひやめていただきたいと思います。
 では大臣、御答弁ください。

○荒井国務大臣
 訂正内容は一件ずつ公開すべきとの御指摘でございますが、法令で求められている以上の公開を行うことは、今後の議員の皆さんの政治資金に関する説明責任にも影響を及ぼすものと思われますので、扱いは理事会で御議論にゆだねたいと思います。

○柴山委員
 ぜひ御自分で判断をしていただきたいと思います。
 また、同僚の西田昌司参議院議員がことし六月十五日に参議院本会議で、現在総理補佐官の阿久津幸彦議員が落選期間中、勤務の実態がないにもかかわらず、荒井大臣の政策秘書と登録され、選挙区支部長の公費を受けながら政策秘書の公費を二重取りしていたのではないかという問題を取り上げました。
 このときの菅総理からの御答弁はこのようなものでした。阿久津さんについて、荒井議員の秘書としては議員会館に籍を置き、当時国対委員長代理を務めていた荒井議員の補佐を務め、国対の会議に陪席し、他の会議、会合にも代理出席をしていたと聞いておりますというものでした。
 ところで、荒井大臣、当時の大臣の議員会館の部屋番号を覚えておられますよね。

○荒井国務大臣
 二百二十三番だったでしょうか、第一議員会館のそういう番号だったと思いますが、もう三、四年ぐらい前になりますから、正確には覚えておりません。

○柴山委員
 三、四年前とおっしゃいましたが、大臣は二〇〇七年に北海道知事選に出馬され、議員辞職をされる前は第一議員会館の二百三十三号室にいらっしゃいました。そして、荒井議員が辞職をされたことによって、同じ北海道ブロックの石川知裕議員が繰り上げ当選となり、あなたのかわりにその部屋に入ったんです。
 しかし、大臣の隣の二百三十二号室にいた山本有二議員に聞くと、部屋が隣同士で、通行証の貸し借りなどのため、お互い秘書が行き来していたにもかかわらず、議員、秘書を含め、だれ一人会館で阿久津氏に会った人はいないということなんです。何人かの近くの部屋の議員にも調べてもらいましたが、会った人物はおりません。おっしゃっていたことと違うのではありませんか。

○荒井国務大臣
 それは全く違います。
 阿久津さんは、私が国対委員長代理をしておりまして、国対関係は私は初めてでございましたので、阿久津さんは国対関係が長い方でございまして、あえて阿久津さんに政策秘書として国対関係の仕事を手伝ってほしいということで、当時、国対は毎朝会合を持っておりました。その場に毎朝、時にはそうでもない場合もありましたけれども、ほとんど国対の朝の会合の開かれるときには阿久津さんが参加をしていただいて、私に適切な助言などをいただきました。(発言する者あり)委員長代理は出ています。委員長代理のそばで、私に助言をしていただきました。

○柴山委員
 その他の会議に出席とおっしゃられましたけれども、その他の会議というのは一体どのような会議だったんですか。

○荒井国務大臣
 私の後援会の会合や、あるいは国のかたち研究会の会合でございます。

○柴山委員
 かつて、菅総理の秘書を務めた元衆議院議員が政策秘書給与の流用事件で服役をされましたけれども、同氏の手記によれば、総理御自身、実際は見たことがない、名前だけの公設第一秘書を登録していたと書かれています。私は極めて疑問に思います。
 こういった秘書給与の問題については、かつて大問題となりました。あなたのグループによる公金を利用した互助関係があったのではありませんか。

○菅内閣総理大臣
 柴山議員も、弁護士でもあるんですから、そういう質問をされるときにはよく調査をされた上で質問された方がいいと思います。
 その本が出たときにそういう質問をいただきました、同じような質問をマスコミの方から。私は、すべてそれに対してきちんとお答えをいたしました。そのことをおわかりの上でお聞きになっているのか。それとも、かなり古い本ですから、たしかもう七、八年前の本ですから、当時それを読まれたマスコミの方から聞かれましたので、記者会見ですべてお答えしました。
 この場では、同じことを申し上げてもいいですけれども、少なくとも、そのくらいの調査をされて質問したのかどうか。その上で改めてお聞きになりたければ、ちゃんとお答えをいたします。

○柴山委員
 当時、菅総理はこのように御説明をされていました。第一秘書は衆院選出馬予定者の応援に行くなどの活動をしていました、このように菅総理はそのときに御説明していたんです。私も調べております。
 ただ、元最高検検事の土本筑波大名誉教授は、それは極めて問題があるのではないか、本来、秘書とはまず所属議員の仕事にしっかりと専念するべきものではないか、同じ政党の候補者の選挙応援に行っていたというのは、もしそれが国がしっかりと情報把握していたら給与は支払わないのではないか、このように述べているんです。
 ぜひ、しっかりと調査をしていただきたいと思います。
 さて、荒井大臣は、国家……(菅内閣総理大臣「よろしいですか」と呼ぶ)どうぞ、菅総理。

○菅内閣総理大臣
 そういう調査もされた上での質問ならお答えいたしますが、私も当時、弁護士とよく相談をいたしました。当時私は、小さな政党でありましたけれども、東京の責任者を務めておりました。そして、その東京の責任者の政治家として、東京から立候補を予定している候補者のところに秘書を送るのは、これはまさに政治活動である、秘書としての政治活動であるから全く問題がないというのがその当時の私が相談した弁護士の見解であって、そのこともその場で申し上げたつもりであります。
 私の職務に関する仕事を秘書にやらせたことで、何も法律に反したことはありません。

○柴山委員
 将来、議員になることを志して秘書業務にまじめに取り組んでいるというケースはあると思います。しかし、御自分の選挙活動に本当であれば従事をしながら、このような活動をしている、そういうことはぜひともしっかりと私は見直しをしていただきたいと再度強調させていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 荒井大臣は国家戦略の担当ですが、民主党が声高にうたう政治主導の政策決定への取り組み、これについてぜひお伺いしたいと思います。
 先ほど話題になっていましたが、昨年九月に内閣官房に発足し、各省にまたがる政策の総合調整を担うことを想定して局となるはずだった国家戦略室の権限が大幅に縮小され、中長期ビジョンを菅総理に提言する機関にとどまると伝えられています。これでは財務省主導の、各省縦割りの予算編成となるとお感じになりませんか。

○菅内閣総理大臣
 先ほど来、何人かの方から類似の質問をいただきましたが、柴山委員、全く趣旨が違います。
 つまり、もともとこの国家戦略室は、総理の直属という形を想定してつくられてはおりましたが、当初私が担当大臣をしておりましたけれども、まずスタッフから、一人目から集めることがありまして、そういう中で次第に陣容を整えていき、そしてその当時は、例えば複数年度にわたる予算などについて勉強会をやったりいたしておりました。
 そして、今回改めて、私が総理になったときに、総理直属の機関として、総理に対してシンクタンク機能を果たしていただきたい。この趣旨も申し上げましたが、改めて申し上げますと、総理に対していろいろな役所から説明に来ますけれども、それは、多くの場合は、その役所がこうしたいと思うことに沿った説明であって、それと矛盾する説明は余りありません。そういった意味で、最終的な政治判断を行う総理としては、ある意味での役所ごとの説明以外の立場からのそうした知見もしっかりと得ることが重要であり、そういう役割を果たしていただきたいということで新たな位置づけとしたということで、決して格下げでもなければ機能低下でもありません。

○柴山委員
 非常に苦しい説明だと思いますし、この点については閣僚にも、あるいは前官房副長官にも大変な異論があるとお聞きしております。ぜひとも、しっかりと党内での議論をまず詰めた上で野党との協議に臨んでいただきたいと思っております。
 続きまして、郵政問題についてお伺いします。
 民営化の方針を受けて二〇〇七年十月に発足した日本郵政グループは、三年間で約九千四百億円の法人税を納付し、旧公社時代の四年間で九千六百億円という国庫納付金と比べれば財政的に貢献していると評価できると思います。
 しかし、民主党政権は、郵政の民営化推進阻止、肥大化を進めようとしています。各地で反対を受け、WTO協定違反の疑いもある貯金、保険限度額の引き上げを初め、分社体制の見直し、全国一律の金融サービス義務づけ、株式売却凍結。
 総理、総理は七月二十二日に国民新党の亀井代表と会談されたとのことですが、連立の維持と、通常国会で廃案になった郵政関係法案を九月召集の臨時国会で成立させるということを確認したということで間違いないんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 参議院の選挙の前にも両党間で一つの確認をいたしまして、その法案成立に向けて全力を挙げるということを確認して、選挙戦に臨みました。
 選挙の結果は御存じのような結果でありますが、選挙後も連立を維持してくださるということで、両党間で、その法案についても成立に向けて全力を挙げる、そういう趣旨で合意をいたしました。

○柴山委員
 その国民新党にも問題が生じています。
 パネルをごらんください。これは、全国の郵便局長やその御家族、OBの方々がつくっている、この左から二番目、郵政政策研究会、以前は大樹全国会議と呼ばれていました政治団体が国民新党にどのような献金をしているかというのを