議事録

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第175回 国会 予算委員会 New!!

第175回 国会 衆議院 第1号
平成22年8月2日(月)
午前九時開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 まず、国民の安心の基礎となる法務行政についてお伺いします。
 その前に、総理、今回の参議院選挙において議席を得られなかった千葉法務大臣を、引き続きその職にとどめておられることの理由を端的にお聞かせください。

○菅内閣総理大臣
 法務大臣として適任な方だと思いましたので、議席は失われましたけれども、憲法的には、民間人の方が大臣を務められることもしばしばありますので、そういう判断として、適任な方ということで、そのまま大臣として職務を遂行していただきたいと私からお願いをいたしました。

○柴山委員
 適任とおっしゃいましたけれども、今回の金賢姫元死刑囚の入国許可、これについては選挙後の話ですし、また、あした同僚議員から詳しく質問があると思いますが、さまざまな批判があります。そして、例えば、かつて拉致実行犯の辛光洙氏の釈放要望書に署名したり、在日外国人の地方参政権について大臣在任中にこれを支持する集会に祝電を送ったりする等々、法務大臣としての行為、姿勢への評価も今回の選挙結果につながった側面は否定できないはずです。にもかかわらず、総理が内閣の都合で大臣を続投させるのは、まさに民意の軽視そのものではありませんか。
 内閣総務官室に伺いますが、落選した議員が大臣を務めた最長期間はどれだけでしょうか。

○原政府参考人
 これまで現職大臣が選挙に落選され、その後も大臣として在任された最長期間についてのお尋ねでございますけれども、戦後の新憲法制定以降においては、昭和二十八年四月の第四次吉田内閣における参議院議員選挙後二十七日間というのが最長であると承知しております。

○柴山委員
 このままでいけば記録更新は間違いないということです。
 さて、この七月二十八日に民主党政権下で初めて執行された死刑についてお伺いします。
 千葉大臣は死刑廃止を推進する議員連盟のメンバーだったんですけれども、考えを変えられたのでしょうか。これも端的にお答えください。

○千葉国務大臣
 私は、法務大臣を拝命いたしますときに、法務大臣の職務、職責として死刑執行について指揮をするということを十分に承知をして職務を受けさせていただきました。それを法務大臣としての職務として執行させていただいたということでございます。

○柴山委員
 かつてと考え方を変えられたんでしょうか。
 あなたはかつて、杉浦正健法務大臣が二〇〇五年に就任した際、御自分の信念として死刑執行命令書にサインしないと発言した直後に発言を撤回したことについて、参議院本会議における質疑で、「死刑制度に疑問をお持ちであれば、死刑制度廃止に向けた姿勢を貫くべきではなかったのでしょうか。」と一貫性の欠如を指摘されております。おかしくないでしょうか。
 大臣はちなみに記者会見で、慎重に検討して時間がかかったとおっしゃっていますが、いつ今回の案件が大臣に持ち込まれ、どのぐらいの時間、検討されたのですか、お答えください。

○千葉国務大臣
 個別の執行につきまして、どのような時点から、そしてどのような時点で決定をしたかということをお答えすることはできません。しかし、さまざまな、再審の事由がないか、あるいは心身の状態はどうか等々を含めて慎重に検討させていただいた結論でございます。

○柴山委員
 誤解しないでいただきたいのですが、私自身は、今大臣がおっしゃったように、冤罪の防止などを条件として、凶悪な犯罪には極刑をもって臨むのはやむを得ないと考えています。
 問題は、これまでは死刑の執行を拒んでおきながら、選挙で民意の支持を失って、先ほど述べたとおり、職務の継続に疑問を持たれている中で、極めて重い職務である死刑執行のサインに踏み切ったことなのです。
 ちなみに、内閣府のことし二月発表の世論調査では、死刑制度について、やむを得ないとして認める方が八五%という高い割合になったということです。もし大臣が国民の支持を目当てに対応を変えたということであれば、不謹慎であるとの非難を免れません。
 ちなみに、大臣は、今回、死刑にサインするので執行に立ち会いたい、また、東京拘置所の刑場を報道陣に公開したいと述べられたということですが、事実でしょうか。

○千葉国務大臣
 事実でございます。

○柴山委員
 実は、刑場の公開は、先ほど述べた死刑制度を廃止する議員連盟に所属していた社民党の保坂展人前衆議院議員が法務委員会などで繰り返し主張してきたことなんです。
 今後、法務省に勉強会を設けるということですが、大臣は、結局、かつて例がない、そして国民にとって衝撃の大きな死刑立ち会いの経験やこういった刑場の公開を通じて、世論を死刑廃止に傾けていく意思なんじゃありませんか。あなたは考え方を変えたかどうか今さまざまな議論がありますけれども、結局のところは、そういった裏の意図が隠されているんじゃありませんか。お答えください。

○千葉国務大臣
 全くそのような御指摘は私は考えてもおりません。

○柴山委員
 全くなぜ判こをついたかということについての説明にはなっていない、私はそのように考えております。
 続いて、今その展開が注目されている小沢前幹事長の検察審査会での審査に関連してお伺いします。
 こちらのパネルをごらんください。これは、ことし四月二十七日に起訴相当の議決が出た東京第五検察審査会、これについても書かれております。右上の1の部分です。
 つまり、実際には、ここの点線で書いたとおり、二〇〇四年十月に小沢氏の資金管理団体陸山会が世田谷の土地を購入したにもかかわらず、左に示した購入資金四億円の出どころを隠すために、収支報告書にはそのようには書かないで、別の入金があった翌二〇〇五年の一月七日に、実線のとおりに、購入したと書いた、そういう疑いのある事件です。
 一方、ことし七月八日に議決のあった東京第一検察審査会の事案は、左の2の部分です。お金のできた陸山会から小沢氏に対し提供額四億円を返済したにもかかわらず、それを収支報告書に書かなかったと疑われている問題です。
 おわかりのとおり、これらは一連の取引であるにもかかわらず、たまたま別の事件とされたために、二つの検察審査会で、それぞれ一般市民からくじで選ばれた別の十一名が検察庁の不起訴処分の妥当性を判断し、結論として、いずれも起訴しないのはおかしいと判断したわけであります。
 そこで、裁判所にお伺いしたいんですが、検察審査会における評議の経過、あるいは各審査員の意見は公開されていますか。

○植村最高裁判所長官代理者
 お答えを申し上げます。
 検察審査会に対しまして申し立てがございますと、検察審査会議というところで審査が行われます。検察審査会議における評議の経過、それから各検察審査員の意見につきましては非公開とされているというふうに承知をいたしております。

○柴山委員
 なぜ非公開とされているのでしょうか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、法律上の根拠でございますが、検察審査会法第二十六条には「検察審査会議は、これを公開しない。」という規定がございますので、この規定に基づいて公開はしていないということでございます。
 なお、この法律の趣旨でございますが、一つは、検察審査会は職権の独立が保障されて、検察審査会議における検察審査員の自由な審査活動を保障する必要は高い。検察審査会議を公開すると、審査員が他から不当な影響を受けるなどのおそれがあるということ。それから、検察審査会の審査が起訴前の手続であるため、被疑者その他の関係人の名誉の保護に配慮する必要があること。さらに、捜査の延長としての面もあるため、捜査の秘密を保護する必要があること等の理由に基づくものと理解をしております。

○柴山委員
 そのような中で、検察審査会の起訴相当の議決にもかかわらず東京地検がこの1の方の事件で小沢氏を再度不起訴処分としてから、わずか五日後の五月二十六日に、辻惠民主党副幹事長は検察審査会の事務局に電話をして、報道によれば、まさしくこの第五、第一審査会の各事務局長を指定して、審査員の補助をする弁護士の選任方法や標準的な審査期間などについてみずからの議員会館の事務所に説明に来るよう求めたとされています。
 これがもし事実なら、司法手続に政治的影響が及びかねない重大な問題であります。日本弁護士連合会の刑事法制委員長も、こうした接触があれば問題だと表明しています。
 総理、自民党と公明党の弁護士資格のある議員は、連名で、辻副幹事長に対し、こうした接触を図った事実があるのかどうか、配達証明郵便で公開質問状を郵送し、それはことし六月四日に配達されました。これがその配達証明書です。しかし、今もって辻議員からは回答がありません。総理は、この一連の経過について、辻議員あるいは幹事長室から報告を受けていますか。

○菅内閣総理大臣
 特に聞いておりません。

○柴山委員
 ちなみに、質問状を出したのは鳩山前総理の辞任表明の後の六月三日であることを申し添えておきたいと思います。
 辻副幹事長は、かつて、日本歯科医師連盟の政治資金問題で、橋本元総理らの不起訴を不服としてみずから検察審査会への申し立てを繰り返しておきながら、今回の事件では一転して、審査会の議決を魔女狩り的手法で葬り去るものだと批判をして、さらに、民主党議員などで結成した審査会制度の見直しなどを議論する議員連盟の事務局長を務めていると報道されています。司法への政治的圧力と批判されかねない動きはぜひ自重していただきたいと思います。
 現に、第五検察審査会の補助員を務められていた弁護士は、さまざまな嫌がらせがあって辞任したと報じられています。再度の議決は、検察審査会の構成員がすべて入れかわる予定の八月を大幅に超えて、民主党代表選挙の後になるという観測もあって、その間、公正なプロセスを確保する必要があると私は信じております。
 ところで、総理にお伺いしたいんですけれども、もう政治家が秘書に金の問題で責任転嫁をすることを認めるのはやめにしませんか。総理は、財務大臣だったことし一月の参議院予算委員会で、収支報告書についてはみずからごらんになっていると森まさこ議員の質問に対して答弁をされました。資金管理団体の代表者である議員本人が収支報告書に確認の上署名することを要するという法改正を、与野党の壁を越えて行ってはいかがですか。

○菅内閣総理大臣
 考え方としては、私は一つの拝聴すべき考え方だと思います。関係者でぜひ御議論いただきたいと思います。

○柴山委員
 もっと前向きな御答弁をぜひお願いしたかったところです。
 その上で、ここまで一般の方が不審に思っているこの事件について、国会の場で説明責任を果たすべく、小沢前幹事長や石川知裕議員、あるいは小沢氏の元秘書の高橋嘉信氏や水谷建設の幹部を初め、関係者の証人喚問を行うべきと考えています。
 先ほど総理は、国会のことは国会が決めるという趣旨の御答弁をされましたけれども、実は、民主党の幹部やあるいは閣僚からも、証人喚問に応じるべきだという意見を私は幾つか聞いております。もし総理がリーダーシップをとれば、世論をバックにこれを実現できる可能性は私は高いと考えております。何より、自民党が政権与党のときには、そういった疑惑があったときには証人喚問に応じてきたんですよ。
 総理、どのようにお考えなんですか。

○菅内閣総理大臣
 いろいろなケース、いろいろな場面があったことは承知をいたしております。
 そういった意味で、この案件についても、委員会あるいは国会の関係者の中で御議論をいただければと思っています。

○柴山委員
 なぜそうやって逃げるのか。私は大変失望しております。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 荒井国家戦略担当大臣、大臣は、問題となった事務所費の内訳を明らかにすると称して、報道陣に極めて短時間、またコピーも認めずに示した領収書について、七月三十日の記者会見でこのように述べておられます。弁護士事務所からこれとこれは修正を要するのではないかと指摘があったので、指摘に基づき修正したのであって、架空経費問題は説明させていただいたと思っている。
 間違いありませんか。

○荒井国務大臣
 ただいまの案件でございますが、六月の九日でありましたでしょうか、読売新聞から私の事務所費問題で架空ではないかという指摘がございました。その結果、この件が架空ではないということを立証するために領収書を提示いたしました。この結果、架空ではないということが理解をされたというふうに考えてございます。
 ただし、この領収書の中に不適切なものがあったのではないかという御指摘がございましたので、監査法人やあるいは弁護士事務所に調査を依頼いたしました。その調査結果で十八件、うち十三件はコミックでありましたけれども、十八件、約十万円弱が私費利用との疑いもあるということで、是正をする方がよろしいという勧告を受けましたので、これを勧告どおりに修正を行いました。

○柴山委員
 それでは説明になっていないですよ。たとえそういった専門家の指摘に基づいて収支報告書を訂正したとしても、不適切と言われた具体的な内容は明らかになっていないじゃないですか。一たん疑惑を持たれた以上、少女漫画代やキャミソール代あるいはクリーニング代など、個別の費目ごとにきちんと領収書をもってどう処理したのか説明すべきです。違いますか。

○荒井国務大臣
 訂正内容は、領収書の数字の読み間違い、あるいは誤記載、収支報告後保存すべき領収書の紛失、私用で購入した物品の領収書の混入でございます。
 主な原因でありますが、仕事が多忙の中、秘書が支出後ある程度時間をかけてまとめて処理をしたため、誤読が発生したり、私用のものが錯誤により混入したり、領収書の保存状態が悪くなったりという原因でございます。
 今後は、会計帳簿入力作業に対するダブルチェック体制が万全でなかったことも原因でございますので、反省をしてございます。
 問題の点については修正をいたしました。問題は十八件あったと弁護士から報告がございました。その十八件について、約十万円弱でございますが、それを修正いたしました。

○柴山委員
 私は、今、個別の費目ごとに領収書をもってどう処理したのか説明すべきではありませんかとお聞きしたのに、全く御答弁になっておりません。
 ちなみに、今、民主党の議員から、そんなささいな問題をというようなやじがありましたが、二〇〇七年、菅総理は、我が党の大臣に事務所費問題が生じた際、きちんと領収書をそろえて説明すべきで、それができないならやめるべきだとおっしゃっていたんです。
 総理は、仮に荒井大臣が菅総理が当時おっしゃっていたような説明をしない場合、罷免されるおつもりですか。

○菅内閣総理大臣
 どの場面でどういう表現をしたか、ちょっと私、はっきり記憶をしておりませんけれども、先ほど荒井大臣の方から、専門家の皆さんの調査も含めてきちんと処理をしたということでありますので、それでいいのではないかと思っております。

○柴山委員
 過去におっしゃっていたことと全く食い違っております。領収書は一円から公開せよと言っていたのは一体どこの政党なんでしょうか。
 確かに、私も三年前のNHK「日曜討論」に出演した際、一定金額以下の支出についてまですべて領収書を公開するのではなくて、公認会計士などの外部のチェックを行うとともに、領収書については保管義務を課せばよいと発言をさせていただきました。
 しかし、先ほど述べたとおり、既に荒井大臣は不適切な支出があると指摘され、ほかにもないかと疑われているのですから、一層厳格な説明責任が求められるのは当然であります。パフォーマンスだけの政治はぜひやめていただきたいと思います。
 では大臣、御答弁ください。

○荒井国務大臣
 訂正内容は一件ずつ公開すべきとの御指摘でございますが、法令で求められている以上の公開を行うことは、今後の議員の皆さんの政治資金に関する説明責任にも影響を及ぼすものと思われますので、扱いは理事会で御議論にゆだねたいと思います。

○柴山委員
 ぜひ御自分で判断をしていただきたいと思います。
 また、同僚の西田昌司参議院議員がことし六月十五日に参議院本会議で、現在総理補佐官の阿久津幸彦議員が落選期間中、勤務の実態がないにもかかわらず、荒井大臣の政策秘書と登録され、選挙区支部長の公費を受けながら政策秘書の公費を二重取りしていたのではないかという問題を取り上げました。
 このときの菅総理からの御答弁はこのようなものでした。阿久津さんについて、荒井議員の秘書としては議員会館に籍を置き、当時国対委員長代理を務めていた荒井議員の補佐を務め、国対の会議に陪席し、他の会議、会合にも代理出席をしていたと聞いておりますというものでした。
 ところで、荒井大臣、当時の大臣の議員会館の部屋番号を覚えておられますよね。

○荒井国務大臣
 二百二十三番だったでしょうか、第一議員会館のそういう番号だったと思いますが、もう三、四年ぐらい前になりますから、正確には覚えておりません。

○柴山委員
 三、四年前とおっしゃいましたが、大臣は二〇〇七年に北海道知事選に出馬され、議員辞職をされる前は第一議員会館の二百三十三号室にいらっしゃいました。そして、荒井議員が辞職をされたことによって、同じ北海道ブロックの石川知裕議員が繰り上げ当選となり、あなたのかわりにその部屋に入ったんです。
 しかし、大臣の隣の二百三十二号室にいた山本有二議員に聞くと、部屋が隣同士で、通行証の貸し借りなどのため、お互い秘書が行き来していたにもかかわらず、議員、秘書を含め、だれ一人会館で阿久津氏に会った人はいないということなんです。何人かの近くの部屋の議員にも調べてもらいましたが、会った人物はおりません。おっしゃっていたことと違うのではありませんか。

○荒井国務大臣
 それは全く違います。
 阿久津さんは、私が国対委員長代理をしておりまして、国対関係は私は初めてでございましたので、阿久津さんは国対関係が長い方でございまして、あえて阿久津さんに政策秘書として国対関係の仕事を手伝ってほしいということで、当時、国対は毎朝会合を持っておりました。その場に毎朝、時にはそうでもない場合もありましたけれども、ほとんど国対の朝の会合の開かれるときには阿久津さんが参加をしていただいて、私に適切な助言などをいただきました。(発言する者あり)委員長代理は出ています。委員長代理のそばで、私に助言をしていただきました。

○柴山委員
 その他の会議に出席とおっしゃられましたけれども、その他の会議というのは一体どのような会議だったんですか。

○荒井国務大臣
 私の後援会の会合や、あるいは国のかたち研究会の会合でございます。

○柴山委員
 かつて、菅総理の秘書を務めた元衆議院議員が政策秘書給与の流用事件で服役をされましたけれども、同氏の手記によれば、総理御自身、実際は見たことがない、名前だけの公設第一秘書を登録していたと書かれています。私は極めて疑問に思います。
 こういった秘書給与の問題については、かつて大問題となりました。あなたのグループによる公金を利用した互助関係があったのではありませんか。

○菅内閣総理大臣
 柴山議員も、弁護士でもあるんですから、そういう質問をされるときにはよく調査をされた上で質問された方がいいと思います。
 その本が出たときにそういう質問をいただきました、同じような質問をマスコミの方から。私は、すべてそれに対してきちんとお答えをいたしました。そのことをおわかりの上でお聞きになっているのか。それとも、かなり古い本ですから、たしかもう七、八年前の本ですから、当時それを読まれたマスコミの方から聞かれましたので、記者会見ですべてお答えしました。
 この場では、同じことを申し上げてもいいですけれども、少なくとも、そのくらいの調査をされて質問したのかどうか。その上で改めてお聞きになりたければ、ちゃんとお答えをいたします。

○柴山委員
 当時、菅総理はこのように御説明をされていました。第一秘書は衆院選出馬予定者の応援に行くなどの活動をしていました、このように菅総理はそのときに御説明していたんです。私も調べております。
 ただ、元最高検検事の土本筑波大名誉教授は、それは極めて問題があるのではないか、本来、秘書とはまず所属議員の仕事にしっかりと専念するべきものではないか、同じ政党の候補者の選挙応援に行っていたというのは、もしそれが国がしっかりと情報把握していたら給与は支払わないのではないか、このように述べているんです。
 ぜひ、しっかりと調査をしていただきたいと思います。
 さて、荒井大臣は、国家……(菅内閣総理大臣「よろしいですか」と呼ぶ)どうぞ、菅総理。

○菅内閣総理大臣
 そういう調査もされた上での質問ならお答えいたしますが、私も当時、弁護士とよく相談をいたしました。当時私は、小さな政党でありましたけれども、東京の責任者を務めておりました。そして、その東京の責任者の政治家として、東京から立候補を予定している候補者のところに秘書を送るのは、これはまさに政治活動である、秘書としての政治活動であるから全く問題がないというのがその当時の私が相談した弁護士の見解であって、そのこともその場で申し上げたつもりであります。
 私の職務に関する仕事を秘書にやらせたことで、何も法律に反したことはありません。

○柴山委員
 将来、議員になることを志して秘書業務にまじめに取り組んでいるというケースはあると思います。しかし、御自分の選挙活動に本当であれば従事をしながら、このような活動をしている、そういうことはぜひともしっかりと私は見直しをしていただきたいと再度強調させていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 荒井大臣は国家戦略の担当ですが、民主党が声高にうたう政治主導の政策決定への取り組み、これについてぜひお伺いしたいと思います。
 先ほど話題になっていましたが、昨年九月に内閣官房に発足し、各省にまたがる政策の総合調整を担うことを想定して局となるはずだった国家戦略室の権限が大幅に縮小され、中長期ビジョンを菅総理に提言する機関にとどまると伝えられています。これでは財務省主導の、各省縦割りの予算編成となるとお感じになりませんか。

○菅内閣総理大臣
 先ほど来、何人かの方から類似の質問をいただきましたが、柴山委員、全く趣旨が違います。
 つまり、もともとこの国家戦略室は、総理の直属という形を想定してつくられてはおりましたが、当初私が担当大臣をしておりましたけれども、まずスタッフから、一人目から集めることがありまして、そういう中で次第に陣容を整えていき、そしてその当時は、例えば複数年度にわたる予算などについて勉強会をやったりいたしておりました。
 そして、今回改めて、私が総理になったときに、総理直属の機関として、総理に対してシンクタンク機能を果たしていただきたい。この趣旨も申し上げましたが、改めて申し上げますと、総理に対していろいろな役所から説明に来ますけれども、それは、多くの場合は、その役所がこうしたいと思うことに沿った説明であって、それと矛盾する説明は余りありません。そういった意味で、最終的な政治判断を行う総理としては、ある意味での役所ごとの説明以外の立場からのそうした知見もしっかりと得ることが重要であり、そういう役割を果たしていただきたいということで新たな位置づけとしたということで、決して格下げでもなければ機能低下でもありません。

○柴山委員
 非常に苦しい説明だと思いますし、この点については閣僚にも、あるいは前官房副長官にも大変な異論があるとお聞きしております。ぜひとも、しっかりと党内での議論をまず詰めた上で野党との協議に臨んでいただきたいと思っております。
 続きまして、郵政問題についてお伺いします。
 民営化の方針を受けて二〇〇七年十月に発足した日本郵政グループは、三年間で約九千四百億円の法人税を納付し、旧公社時代の四年間で九千六百億円という国庫納付金と比べれば財政的に貢献していると評価できると思います。
 しかし、民主党政権は、郵政の民営化推進阻止、肥大化を進めようとしています。各地で反対を受け、WTO協定違反の疑いもある貯金、保険限度額の引き上げを初め、分社体制の見直し、全国一律の金融サービス義務づけ、株式売却凍結。
 総理、総理は七月二十二日に国民新党の亀井代表と会談されたとのことですが、連立の維持と、通常国会で廃案になった郵政関係法案を九月召集の臨時国会で成立させるということを確認したということで間違いないんでしょうか。

○菅内閣総理大臣
 参議院の選挙の前にも両党間で一つの確認をいたしまして、その法案成立に向けて全力を挙げるということを確認して、選挙戦に臨みました。
 選挙の結果は御存じのような結果でありますが、選挙後も連立を維持してくださるということで、両党間で、その法案についても成立に向けて全力を挙げる、そういう趣旨で合意をいたしました。

○柴山委員
 その国民新党にも問題が生じています。
 パネルをごらんください。これは、全国の郵便局長やその御家族、OBの方々がつくっている、この左から二番目、郵政政策研究会、以前は大樹全国会議と呼ばれていました政治団体が国民新党にどのような献金をしているかというのを示した図であります。
 郵政政策研究会は国民新党に対し、平成二十年、ここにあるように、一千五十万円を寄附するとともに、国民新党の政治資金パーティー券代として百五十万円をみずから支払っています。しかし、郵政政策研究会、以後郵政研と言いますが、本体以外にも北海道から沖縄までに、ここにあるように、全国に十二の地方本部があります。これらがすべてパーティー券百五十万円を買っているんです。
 ちなみに、政治資金規正法は、一つのパーティーに一団体が支出できる上限を罰則つきで百五十万円と定めています。このパネル上の十二組織は、それぞれ地方本部とは呼ばれていますが、政治資金規正法では、名称や独自の届け出いかんにかかわらず、一体的関係があれば支部と扱われて、本体の規制をかぶることになっているはずです。
 原口大臣、このパーティー券購入は政治資金規正法の上限規制違反になるんじゃないんですか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。
 政治資金規正法第二十二条の八第一項、ここでは、政治資金規正法においては、政治資金パーティーについて、今委員がおっしゃったように、一つの政治資金パーティーにつき、同一の者から、百五十万を超えて当該政治資金パーティーの対価の支払いを受けてはならないとされております。
 個別の事案が同一の者からの政治資金パーティーの対価の支払いか否かについては、個々の事案ごとに具体の事実に即して判断されるべきものと考えております。
 これまでの大臣も同じ答えをしているわけですけれども、総務省としては、個別の事案については、実質調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にはございません。お答えを差し控えさせていただきます。
 また、具体の事案が政治団体の支部に該当するか否かについても、一義的には当該政治団体において判断されるべきものと思料しています。

○柴山委員
 御答弁になっていないと思います。
 郵政研の規約には、下部組織として地方本部を置くと書いてありますし、また、地方本部長は旧大樹全国会議の理事を兼務するなど、本体と一体的な運営がなされてきました。また、地方本部の収入は大半が郵政研からの、本体からの政治資金に依存しており、もしこうしたパーティー券の扱いを容認すれば、全国の地方組織を迂回させることによって容易に上限規制を免れることができてしまうこととなり、極めて問題だと思います。
 そもそも郵政研は、国民新党に資金提供をするのみならず、党員となっている方は党費を納めています。そして、国民新党以外をも含めた個別の国会議員の関係団体への寄附、会費などを合わせると合計三億五千万円という巨額の資金を政界に提供しているんです。
 中でも突出して応援をしているのが、資金管理団体や後援会などへの寄附が合わせて四千万円、政党支部党費二億二千三百四十万円という国民新党の長谷川憲正総務政務官であります。
 菅総理、千葉大臣同様、長谷川政務官も今回議席獲得に至らなかったわけですけれども、なぜ引き続き政務官を続投させることとされたんですか。

○菅内閣総理大臣
 政務官としてその職務にふさわしい、そのように考えたからです。

○柴山委員
 どのようにふさわしいのかということをお聞きしております。

○菅内閣総理大臣
 ふさわしいことの判断の中身というのはそれぞれあると思いますが、少なくとも、その職務にふさわしい仕事をこれまでもされておられましたし、これからもされることが期待できるということです。

○柴山委員
 しかし、国民新党は、あれだけ亀井代表が強烈なアピールをし続けていたのに、今回の参院選では一議席もとれなかったんですよ。巨額の資金提供を受けながら民意の支持を得られなかった政党に振り回される改革逆行内閣を国民は望んでいないということを強調して、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第174回 国会 法務委員会

第174回 国会 衆議院 第13号
平成22年5月21日(金)
午前九時一分開議

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 法案質問に先立って、どうしてもお伺いしたいことがあります。
 まず、前回の四月二十日のこの委員会での私の質疑に関することで一つお伺いします。
 鳩山総理の公設秘書だった勝場啓二氏の判決公判を翌々日に控えた中で、私は、「鳩山総理が、以前おっしゃっていたように、最終処分が出た後に、検察庁に提出されている資料をしっかりと説明をする、あるいは国会の場に提出をするということがなされなかった場合に、それをするように閣僚として説得するかどうか」ということを質問させていただきました。
 それに対する千葉大臣の御答弁は、「この間の総理の説明あるいは国会での答弁等を含めて、一定の裁判ということがはっきりした段階で適切に対処するとおっしゃっているわけですので、適切に対処されるものだと私は考えております。」このように答弁をされました。御記憶ですね。

○千葉国務大臣
 はい、記憶いたしております。

○柴山委員
 それに応じまして、私は、「総理は適切に対応されると思うというようにお答えでしたけれども、私がお聞きしているのは、適切な対応がとられなかった場合に、とるように説得するかどうかということを大臣にお聞きしているんです。」というように質問をいたしました。そうしたところ、民主党の委員の方々の壮絶なやじの中で、千葉大臣は、「仮定の話になりますので、お答えはできません。」というようにお答えになったんです。
 もう既に仮定の段階は過ぎました。案の定、私が思っていたとおり、鳩山総理は御自分の言葉をひっくり返して、そういった資料の提出は行わないというように明言をされたわけであります。
 大臣、再度お伺いいたします。
 このような総理の対応を受けて、大臣は、再度、きちんと筋を通し、鳩山総理に関係資料の提出を求めるように説得することをお考えかどうか、いま一度お伺いします。

○千葉国務大臣
 これは総理が御自身でお決めになることでございまして、私の職務から、それを説得するとかあるいは促すとか、そういう立場には私はございません。(発言する者あり)

○柴山委員
 総理に言ってくださいと、今委員の方からやじがありました。
 ただ、内閣というのは、一体性を確保しつつ、国民の負託にこたえていくものなんです。何のために閣議という手続があるんですか。
 大臣、大臣の期待は無残にも総理によって打ち砕かれているんです。ぜひとも、大臣、お考えを改めて、総理に対して説得してください。そしてここでそのことを言明してください。

○千葉国務大臣 
 今御答弁申し上げたとおりでございます。

○柴山委員
 大変失望をいたしました。
 この質疑の模様もしっかりと、今は動画サイトも充実しております。そして議事録も公開されております。御答弁には十分に行き届いた配慮をしていただきたいと申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 これも四月二十日の私の質問に関することです。
 当日は、千葉大臣に加えて中井国家公安委員長もこちらの方に御出席でした。お二人に対して私は質問をいたしました。「大臣は、今度実施される参議院選挙ではマニフェストの大幅修正は行うべきだとお考えなんでしょうか。」
 これに対して、まず、中井大臣がこう答えられました。「マニフェスト自体は四年で実行する、こういうことが大前提であります。今回の参議院選挙では、まだ一年目。御批判はたくさんいただくことは承知をいたしておりますが、私は、大きな修正なしで、マニフェストどおり選挙戦を戦って御評価をいただくべきだと考えています。」
 そして、千葉大臣もこのようにお答えでした。「私は、マニフェストは、昨年の政権交代において、これから与えていただいた四年間で実現をしていく、こういうことを掲げさせていただいているものでございますので、そういう意味では、これが今回で極端に変わるというものであってはならないというふうに思っております。」
 お二人とも全く筋の通った御答弁をされているんですけれども、今、仄聞するところによりますと、政府部内ではマニフェストの手直しということが検討されているやにお伺いしております。
 大臣、こういった御発言に基づいて、そういうことは憲政の常道からして行うべきでないということを閣議等でおっしゃっているんでしょうか。

○千葉国務大臣
 今、マニフェストの議論は確かにされております。これは、党としてマニフェストを策定するということ、今協議中であろうというふうに私も承知をいたしておりますので、大きく異なるかどうか、これはまだ私も十分に詳細あるいは最終的な結論を承知しているわけではありません。

○柴山委員 
 それでは、党の方でマニフェストが仮に大幅に修正、変更された場合に、大臣は、先ほど御答弁を紹介させていただいたように、大幅変更はするべきでないと。
 大臣は法律家の御出身です。憲政の常道ということについて、あるいは政治過程、プロセスのあるべき姿ということについて大変御造詣が深いというように承知をしておりますけれども、そういう形で、そういうことはするべきでないというように御意見をお述べになるおつもりはありませんか。

○千葉国務大臣
 今、非常にいろいろな議論がされている途中でございます。基本的に、これまでのマニフェストが大きく変更されるかどうかということは、まだわからない、仮定の話でございますので、それはまた状況を私も見据えさせていただくということでございます。

○柴山委員
 また仮定の話ですのでお答えできませんというようにお答えになりましたけれども、繰り返しになりますが、大臣のお答えというものは、私の記憶のメモリーのみならず、すべてしっかりと議事録、記録に残ります。それに基づいて、また状況の変化があった時点で私は質問をさせていただきますし、今は、先ほど申し上げたように、一般国民の方々がこうした委員会での質問というものを皆さん注視されています。その重みを重々理解された上で、責任と使命感を持って職に当たられることを切に希望申し上げます。
 次の質問に移らせていただきます。
 十月十九日に採用された内閣官房専門調査員についてお伺いします。
 今、政治主導ということが大変声高に叫ばれているわけですけれども、この内閣官房専門調査員というのは、平野官房長官が、鳩山内閣総理大臣を任命権者として、民主党の政調職員の二十七名を非常勤の一般職国家公務員として採用し、辞令を交付したというように仄聞をしております。
 その中で、総括と言われる方、プライバシーの関係からここではイニシャルを用いさせていただきますが、Y、別名H参事とおっしゃる方です。そして、法務の御担当はS部長代理とおっしゃる方です。
 大臣、法務省としては、こうした方々のこれまでの経歴あるいは活動について把握をされておりますか。

○千葉国務大臣
 これは内閣の方できちっと適切に対応、判断をしているものではございますけれども、私のもとでも経歴等の内容について適切に把握はさせていただいております。
 ただ、個人に関する情報ということになるものですから、その内容についてはお答えは差し控えさせていただきます。

○柴山委員
 今大変重要な御答弁をいただいたんです。私のところにきのう質問にいらっしゃった職員の方は、法務省としては、その経歴、活動の詳細というものは承知をしていないというようにお答えだったんです。ところが、今大臣の口からは、法務省としてその経歴を承知しているというように御答弁がありました。
 大臣、もちろん、履歴書等については、それは法務省でこれから仕事をされるわけですから、そのリストの一部ということで、もしかすると御入手をされているかもしれません。私が申し上げているのは、そういった通り一遍の履歴書に書かれているようなことだけではなくて、これまでどういう活動をしてきたか、そしてどういうような社会的なさまざまな出来事というものにかかわっておられたか、そういうことまで把握をされているかということなんです。

○千葉国務大臣
 私も、今御指摘がありましたように、経歴等承知をしているという話をさせていただきましたが、すべて、細かいところまで必ずしも承知をしているかどうかということを言われますと、そこまでは承知をしていない部分もあると思います。

○柴山委員 
 それでは、実際に採用に当たられた内閣官房の方にお伺いいたします。きょうは松野副長官においでいただいております。
 内閣官房としては、こうした経歴あるいは過去の活動というものについて把握をされた上で採用ということをされたんでしょうか。

○松野内閣官房副長官
 その経歴というのがどこまでのことをおっしゃっているのかわかりませんけれども、当然、履歴書、職歴等は確認をしてございます。(発言する者あり)

○柴山委員
 今、野党の理事の方からもお話があったように、本当に通り一遍の経歴書で足りるのかというところが実は大変重要なんです。
 特に、今申し上げたように、法務担当の職員というのは、例えば法務行政というものは、国の根幹を左右する治安の問題についてコミットをいたします。あるいは、今、私もプライバシーに配慮した形での質問をさせていただいておりますけれども、プライバシーとか、国の重要な情報について接するということも想定されるわけなんですね。
 千葉大臣あるいは政務三役の方だったら、これまでどういう著書を著し、どういう活動をされ、そしてどういう信条をお持ちかということは、私たちはある程度承知をしております。同僚の国会議員も含めてですけれども、この場で、そういうことと今の例えば仕事との関係もるる質問をすることもできます。ところが、こういった一般の方が政府の中に入ってきたときに、そういうことが必ずしも十分にできないという実態があるわけなんです。
 いま一度私はお伺いいたしますけれども、今私が質問をさせていただいた方々に関して、特に法務担当の専門調査員の方ですけれども、どういうお仕事をされているんでしょうか。きょうは小沢民主党幹事長の不起訴処分が決定するのではないかというような報道もされていますけれども、検察行政などについて、非公開となっている趣旨と反するような運営がなされるおそれはないんでしょうか。

○千葉国務大臣
 ちょっと御質問の趣旨がようはわかりませんけれども、この専門調査員の方々は、内閣官房長官の指示を受けまして、各府省、私ども政務三役に対して、さまざまな政策的な、これまでの知見に基づいた情報の提供あるいは助言等を行うということを職務にしております。
 そういう意味では、その職務において、例えば検察の捜査処理等に対する情報に関するところに接するというそんな機会は全くございませんで、そのような情報などについて何か特別な扱いとかあるいは行動をとるということはとても不可能だというふうに私は考えております。

○柴山委員
 今、不可能というようにおっしゃいましたけれども、例えば、法務省に入っておられる今私が申し上げた部長代理の方、あるいは主査でもう一人入っていらっしゃいますけれども、特にこの主査の方は、法務省には毎日のようにいらっしゃっているというようなことをお伺いしております。また、確かに検察庁そのものはセキュリティーもかかっておりますけれども、残りの法務省とは、庁舎としては一つの庁舎で皆さんお仕事をされています。また、もう私が申し上げるまでもありませんけれども、法務省の刑事局の方と検事の方、人事ローテーションで頻繁に交流をしております。そのような中で、専門調査員の方が、検察を含む刑事行政に一切情報として入手する機会がないというのは、私はそれは若干疑問を持っているところでもあります。
 ちなみに、この調査員の方々については、守秘義務というものがかかっていると思いますけれども、この守秘義務というものに違反したら、それは、法律上、どのような効果をもたらすんでしょうか。

○千葉国務大臣
 当然のことながら、この内閣官房専門調査員は非常勤の国家公務員ということになりますので、国家公務員法第百条第一項の規定に基づく守秘義務が課せられております。また、この守秘義務違反については罰則が設けられておりますので、これに違反をいたしますと、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処せられるということになります。

○柴山委員
 今御指摘のように、行政処分ではなくて、刑事罰まで想定をしているということであります。ぜひとも、情報管理ということについては徹底をしていただきたいと要望させていただきまして、法案の中身に入らせていただきます。
 なお、大臣、きょうはこの後、御予定があるということですので、御予定に沿って、適宜、御退室をいただいて結構ですので。
 法案の中身ですけれども、今回……

○滝委員長
 ちょっと失礼します。速記をとめてください。
〔速記中止〕

○滝委員長
 では、速記を起こしてください。

○柴山委員
 それでは、質問を続行させていただきます。
 今回問題となっている国際裁判管轄ですけれども、とりもなおさず、裁判権という国家主権が一体どの事件に及ぶかという問題で、本来、国家間のルールで解決しておくべきではないかと思いますけれども、なぜそれが実現をしていないのでしょうか。
 EUでは、ブラッセル条約やルガノ条約が国際裁判管轄を定めていますし、また、民間航空運送という特定の分野に関しては、日本も締約国となっているワルソー条約があります。いかがでしょうか。

○千葉国務大臣
 確かに御指摘のとおりでございまして、できればこれは国際的な条約できちっと整備をされるということが望ましいと私も思っております。
 この国際裁判管轄につきましては、ヘーグ国際私法会議において、この間、条約交渉が続けられてまいりました。ただ、このヘーグ国際私法会議におきまして、関係国間の意見の対立等もありまして、包括的な多国間条約は採択できずに現在に至っているところでございます。平成十七年に管轄合意に関するところだけは条約が採択をされることになりましたけれども、包括的な条約という形にはなっておりません。
 そういう意味で、それを待つ、これから将来、どの程度見込みがあるのかということがまだはっきりいたしませんので、そういう意味で、まずは国内法で整備をさせていただくという経緯になったということでございます。
 私も、でき得れば、国際裁判管轄について包括的な多国間条約が成立するということが望ましいことは、もう言うまでもないことだろうというふうに考えております。

○柴山委員
 今大臣が御指摘のとおり、本来、多国間の包括的な条約が結ばれるべきであるというように考えるんですけれども、今、なかなか将来の見込みというものが不透明だというような御趣旨の御答弁だったんですけれども、先ほど申し上げているように、EUでは既に条約があるわけですし、特定の分野に関してはそうした条約もあるわけなんですけれども、包括的な条約というものがそういった状況であるというのは、一体どういった根拠に基づいてそういう状況になっているんでしょうか。

○千葉国務大臣
 なかなか根拠ということは私もすべてはわかりませんけれども、それぞれの各国の法制あるいは管轄に関する考え方がかなり異なっているということもあって、なかなか、それを統一する、共通な土台をつくるということが難しいという、そこが現状ではないかというふうに認識しております。

○柴山委員
 特に大陸法系の国々と英米法系の国々の間では、確かに御指摘のように、なかなかすり合わせができない法律上の違いがあるというように私も承知をしております。
 それでは、今御指摘のように、そういった条約ができるまでの間、いろいろと日本でもこの管轄に向けた取り組みを進めなければいけないということなんですけれども、これまで日本において、この問題に対する対処はどのようにされてきたんでしょうか。私も学生時代は逆推知説というような言葉で勉強した記憶があるんですけれども、どのような原則だったんでしょうか。

○加藤副大臣
 柴山先生に御配慮いただきましたので大臣と政務官はちょっと失礼をいたしますが、お許しいただきたいと思います。
 お尋ねの件でございますけれども、現行の民事訴訟法には、国際裁判管轄に関する明文の規定が存在しておりませんで、それはもう御指摘のとおりでございます。
 これまでどういう運用をされてきたかといいますと、日本の裁判所の管轄権が及ぶ範囲につきましては、訴えが提起された後、裁判所において最高裁の過去の判例に従って、個々の訴えごとに判断をしてきたということになります。
 あえて申し上げますと、その判断基準、大きく二つございますが、基本的には民事訴訟法の国内土地管轄の規定に依拠しつつ、各事件における個別の事情を考慮して国際裁判管轄の有無を判断するということ、もう一点につきましては、その際、我が国で裁判を行うことが当事者間の公平、裁判の適正、迅速を期するという理念に反するような特段の事情がある場合には、その国際裁判管轄を否定する、この二つが、いわば判断基準ということになろうかと思います。

○柴山委員
 ありがとうございます。
 本来であれば、まず日本の主権に属する事件なのかどうかということを判断してから、どの裁判所がその事件を扱うかという形で考えなければいけないところですけれども、今の御説明によると、国内でどの裁判所がその事件を扱うかという一般的な原則というものを逆に利用して外国間の事件の割り振りということを判断していくということで、逆推知説というような考え方なのかなというように思っております。
 今回の法案は、そうしたこれまでの解釈を基本的には明文化したものととらえてよろしいんでしょうか。

○加藤副大臣
 この法律案につきましては、今申し上げた国際裁判管轄に関する従来の判例で示された判断基準を十分に踏まえて立案をいたしたところでございます。
 重ねてになりますけれども、基本的には、今先生も御確認をいただきました民事訴訟法の国内土地管轄の規定に依拠しつつ、各事件における個別の事情を考慮してその管轄の有無を判断する、また、特段の事情がある場合には、その管轄を否定するという、この考え方に基づいているところであります。

○柴山委員
 ただ、私も実務家の端くれだったんですけれども、今、中小企業も国際的な取引を行うという事例が非常に拡大をしているんです。ただ裁判ができればよいということでは全く意味がありません。たとえ日本が裁判権というものがあるというようにみずから認めたとしても、その裁判の結果を強制執行したり、あるいは裁判の結果を実効あらしめるために財産の保全措置をとったり、そういったことができなければ、まさしく裁判というものは絵にかいたもちとなって、意義の薄いものとなってしまうんです。
 こういった裁判の執行あるいは保全のルールは、一体どのようになっているんでしょうか。

○加藤副大臣
 お尋ねのように、せっかく裁判をしても実効性を欠いてしまっては意味がないというお尋ねだろうと思います。
 少しテーマを分けてお答えを申し上げたいと思いますが、国内の財産に対する強制執行ということでいいますと、日本の裁判所に管轄権が認められて請求を許容する判決が確定をすれば、当然のことながら、国内にある財産に強制執行をすることは可能であります。この問題はないと。
 外国の財産に対する強制執行の場合というのが一つ課題になろうかと思いますが、外国にある被告の財産に強制執行をするということになりますと、日本の裁判所の確定判決が、その外国において承認、執行されるということが必要になります。外国裁判所の判決の承認、執行をどのような要件のもとに認めるかというのは、これは各国の国内法によりますので、外国において日本の裁判所の確定判決の承認、執行が認められる場合、それはその国に所在する被告の財産に対する強制執行も可能になりますが、認められるかどうかというのはその国の法律によるというところであります。
 一方で、この法律案による国際裁判管轄の規律というのは、国際的にも一般的に受け入れられている規律を明文化したという考え方でございますので、この法律案によって、日本の裁判所に管轄権があるとして請求を許容する判決をした場合には、外国においても、今申し上げた承認、執行される可能性というのは極めて大きいというふうに考えております。その意味では、この強制執行については、本法律案が実効性を欠くということはないのではないかというふうに思います。
 それから、もう一つ御指摘をいただきました民事保全の件でありますが、国内における民事保全で申し上げますと、日本の裁判所に本案の訴えを提起することができる場合、または、仮に差し押さえるべきものもしくは係争物が日本国内にあるときは、日本の裁判所に対して保全の命令の申し立てが可能でございます。これは問題がないと。
 外国における民事保全でありますが、これはもう先生御承知のとおりだと思いますけれども、外国にある財産または係争物に対して、その国の法令に従ってその国の裁判所に民事保全の申し立てをしなければならなくなりますので、この部分だけは確かに御指摘のような課題がないとは言えないということであろうと理解をしております。

○柴山委員
 大変明快な御答弁をありがとうございました。
 要は、たとえ中小企業であっても、これから必然的となってくるグローバル取引を行うに当たって、さまざまな紛争を予防、そして解決をするためには、まさに御指摘のとおり、この法律だけを整備しても、果たして、その当該相手国において、しっかりとした日本の判決の承認あるいは執行体制ができているのかということのチェック、あるいは、その保全というのは、まさしく今副大臣が御指摘になったように、これは日本に対して申し立てるという手段がありませんので、当該外国に対して、仮差し押さえなり、その保全の申し立てをしなければいけないという、これはある種、大変な負担になってきますので、そういうことまでしっかりと調査をした上で取引をしなければならない。このことは、法務省として、この大変重要な法律を成立させるに当たって、十分、広報、周知していただきたいと思います。
 実は私も、きのう地元の商工会で、きょう、こういう質問をしますよ、それから、こういう内容について問題があると思いますよというふうに言ったら、既に外国の会社と取引している会社があるんですよ、やはり。商工会の中でも、そういう小さな中小企業の中でも、そういうことは当たり前のように起こっているんです。ぜひ、そういったことをお願いさせていただきたいと思います。
 さて、次の質問なんですけれども、今、千葉大臣の方からお話があったように、大陸法系と英米法系というような形で、この国際裁判管轄においては、ちょっと基本的な考え方の相違というものがいまだに残っています。とするならば、全く同じ事件について、外国裁判所と日本裁判所が競合して管轄を有するという場面があり得るわけなんですね。
 では、こういった同一事件について、例えば日本での訴訟係属中に外国の裁判所に訴訟が提起された場合に、日本の手続を当該外国に移送するですとか、あるいは日本の手続を中止するというような措置はあり得るんでしょうか。

○加藤副大臣
 今御指摘のとおり、外国と日本の裁判所において同一の事件が同時に係属した場合、いわゆる国際訴訟競合の場合について、例えば、判決が矛盾をしたりとか、あるいは、訴訟経済というようでありますけれども、平たく言えば世界全体を見たときの効率の問題だと思いますが、これらの観点から、一定の要件のもと、日本の裁判所の訴訟手続を中止する規律を設けてはどうかという御意見があることは承知をいたしております。
 ただ、さすがに主権の問題がありますので、日本の裁判所に係属している事件を外国の裁判所に移送するというのは、これは国内の裁判所同士であればもちろん今できているわけでありますが、それはなかなかちょっとハードルが高いのかなというふうには思いますが、中止する等々の規律は設けるべきではないかという御意見は承っております。
 ただ、実際、実務上、外国の裁判所で仮に日本国内と同一の事件が係属をした場合には、その事案ごとに、日本の裁判所において、それぞれの裁判の審理の進行状況などを見ながら、必要に応じて、例えば弁論等の期日の間隔を調整したりしてかなり柔軟に対応してきていると聞いておりますし、また今後もそれは可能であろうというふうに思います。
 一方、一律に中止をするという規律を設けるような場合ですと、当然のことながら、中止の決定に対する不服申し立てというものを認めなければならなくなるだろうと思いますので、かえってそのことによって手続がどんどん遅延をしてしまうということが考えられるところでありまして、そういう理由で今回は一律に中止をするような規律については設けていないということであります。もちろん、今後も外国における訴訟手続の進行状況も考慮しながら、弁論の期日を含めて実務上の運用で適切に事案の処理が図られるものと私どもは理解をいたしております。

○柴山委員
 要は、ダブルトラックでやりましょうというお話だと思います。
 逆に、外国の裁判所に既に係属している訴訟と同一の案件が日本の裁判所に提起をされたら、国内であればいわゆる二重起訴の禁止などということで却下をしたりあるいは併合したりというような手続になるわけなんですけれども、そういったことはなされるんでしょうか。

○加藤副大臣
 今の御指摘も幾つかパターンがあろうかと思うんですが、日本の国内の裁判所の判決が確定した後に同一の事件について外国裁判所で訴訟が提起をされたという場合でありますと、これはその外国の裁判所がその国の法律に基づいてその訴えの審理あるいは判断をするということになりますので、一概にお答えをするのは難しいわけであります。
 逆に、外国の裁判所の確定判決があって、その同一の事件について今度は日本の国内の裁判所に訴訟が提起をされたという場合でありますけれども、このときには、その外国裁判所の判決が民事訴訟法百十八条の承認要件を満たさないときにはその判決は日本において効力を有しませんので、日本の裁判所は、その外国裁判所の判決の内容にかかわらずに、提起された訴訟について審理をして判断するということになるだろうと思います。
 ただ、今申し上げた民事訴訟法百十八条所定の承認要件というものを満たす場合、外国の裁判所の確定判決がその条件を満たす場合には、日本の裁判所におきましては、その外国裁判所の確定判決を承認するということになりますので、改めて訴えの内容について審理判断をすることはないというふうに理解をいたしております。

○柴山委員
 済みません、大変失礼をいたしました。ちょっと私の質問の仕方がまずかったのか、副大臣、私の次の質問に対して今御答弁をされました。
 今、加藤副大臣の御答弁は、一たん日本や外国で判決が出てしまった案件が再度別の裁判所で訴訟提起された場合は一体どうなるかということについての御答弁で、当然判決の効力の拡張ということはないのだ、外国での訴訟については、日本での承認という手続というものがありますし、日本における判決が外国においてどうなるかということは、それは外国でのお話だというようなことでしたけれども、私の今の質問は、先ほど質問したようなことで、外国の裁判所に係属していてまだ判決が出ていない訴訟と同一の案件を日本の裁判所に提起したら二重起訴の禁止ということが働くのかという質問でした。
 恐らく、先ほど申しましたように、日本の裁判所に先に提起されたもので、外国の裁判所とダブルトラックでそのまま審理が続くということですから、これは、外国の方で先に裁判が提起されても、やはり日本においてダブルトラックで係属されるということでよろしいですね。それはちょっと確認です。

○加藤副大臣
 失礼しました。先生御指摘のとおりの御理解で結構でございます。

○柴山委員
というように、訴訟もダブルトラックで進んでいく。しかも、一たん判決が出た後も、それが承認されれば当然それは承認された国で効力を持ちますけれども、そうでなければ必ずしも実効性を持たないということになれば、これはどうもそれぞれの国で訴訟合戦みたいなことが起きてはこないかなというような危惧もしております。
 ですので、今副大臣の方からもおっしゃったんですけれども、そこはしっかりとした訴訟指揮とかあるいは見通しというようなことをした上でぜひ案件の処理ということを行っていただきたいというように思っております。
 次の質問に移らせていただきます。
 日本で裁判が起こせるからといって、そこで適用となる法律が日本の法律であるとは限らないわけです。裁判に用いられる法令というものが、一体どの法令か、いわゆる準拠法をどう定めるかということは、実は四年前、私もこの委員会で質問をさせていただきましたけれども、昔、法例、法の適用に関する通則法という新しい法律が解決をしているところであります。
 そこで、お伺いしたいのは、日本の裁判所に管轄が認められながらも、準拠法、つまりそこで適用される法律は海外の法律であるというのが一体どういう場合なのか。逆に、用いられる法律、準拠法は日本の法律でありながら、海外の裁判所に管轄が認められるような場合は一体どういう場合なのか、教えてください。

○加藤副大臣
 恐らくいろいろなケース、相当細かく調べれば複数あり得るんだろうとは思いますが、お尋ねのケースについて一例御紹介をさせていただきたいと思います。
 例えば、外国にいらっしゃる著名人の方が、日本の会社、正確に言えば日本国内に主たる事務所を有する会社に名誉を毀損されたとして、その会社に対する損害賠償請求の訴えを日本の裁判所に提起したというケースを考えますと、この場合、被告の会社の主たる事務所が日本国内にございますから、この法案の第三条の二第三項によりまして日本の裁判所が管轄権を有するということになります。
 一方で、ではどの国の法律を適用するかということは、先生今御指摘いただいた通則法の第十九条によりまして、他人の名誉を毀損する不法行為については、被害者の国の法律、外国法が適用されるということになりますので、このような場合には、日本の裁判所が管轄権を有して日本で裁判は行われるけれども準拠法は外国法というケースに当たると思います。
 それから、逆のケースでありますが、これは、外国の裁判所に訴えが提起をされてその管轄権が認められる場合には、当該外国の国際私法が適用され、それによって準拠法が定まるということになりますので、外国裁判所が管轄権を有するけれども準拠法は日本の法律だという具体例を探すのはなかなか容易ではございませんので、ちょっとこちらは御勘弁をいただければというふうに思います。
〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕

○柴山委員
 ありがとうございます。
 今御指摘になったように、全然まれな事例じゃないんですね。当たり前のように、そういった管轄とその用いられる法律の食い違いというものがこれからどんどんふえてきます。ですから、そういったトラブルがないように、準拠法にせよ管轄にせよ、もはや契約で合意によって特段の定めを設けていく事例というものが取引においては大半であろうというように思っています。
 ただ、今副大臣がおっしゃったように、例えば名誉毀損などのような不法行為、そういう取引によらないで裁判をしなくちゃいけないようなときというのは、これは本当にしようがないのかなという気はいたします。
 そこで、今指摘をさせていただいたように、契約あるいは合意で管轄などについて別段の定めを設ける事例についてお伺いいたします。
 国際裁判管轄の合意において効力が認められる条件というものはどのような形になるのか、また、国内における裁判所の選択を内容とする管轄の合意との考え方の違いというものがあれば、ぜひお示しください。

○加藤副大臣
 国際裁判管轄に関する合意、それから国内土地管轄に関する合意、いずれも同様と考えてございますが、一つには、当事者が合意により定めることができるということ、そしてまた、その合意が、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でされなければならないということにされております。
 国内土地管轄と国際裁判管轄との異なる内容の規定でありますけれども、国際裁判管轄に関する合意の場合には、消費者契約に関する紛争と個別労働関係民事紛争を対象とする管轄権の合意については、その効力を制限いたしております。一方、国内土地管轄に関する合意の場合には、そのような規定はございません。
 その理由でありますけれども、国際的な事案におきましては、消費者または労働者が外国の裁判所において訴えを提起したり、あるいは応訴をしたりということが著しく困難であるという事情、あるいは、国内事案と異なりまして、先ほどもありました、事件を裁量移送することにより当事者間の公平を図ることができないというような事情、これらを考えてそのような規定になっているところでございます。
 したがいまして、国際裁判管轄の合意について、国内土地管轄の合意と基本的には一緒だけれども、その部分が違うという内容の規定を合理的な判断として設けたということでございます。
〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕

○柴山委員
 合意に関して特段の強行的な修正ということをしなければいけないというのはそのとおりなんだろうなというように思います。確かに、消費者契約ですとかあるいは労働契約というものは、当事者双方の間に場合によっては非常に大きな資力などについての隔たりがあるというように思われますので、そこは理解できないわけではないですね。
 ただ、世の中の合意というのは、消費者契約と労働契約以外にもさまざまな契約がありまして、それに基づく管轄の合意というものについても、私はもっときめ細かく配慮をしていかなければいけないのかなというようにも思っております。
 例えば、集合債権の譲渡というような事例を一つとってみても、個々の債権というものは非常に細かい債権というものもたくさんあるわけですね。ですので、その債権譲渡の当事者間の紛争の利害関係人として零細な方々が参加をしてくるというようなことだって当然あり得るわけなんですね。そういうようなことも含めて、では、そういう方々の合意をとっていった場合にそういうものが本当に効力を持つのかとか、細かいことを考えていくと結構こういうところは難しいと思うんですよ。そういうようなことまで逐一配慮されているんでしょうか。

○加藤副大臣
 先生御指摘の債権譲渡の契約等々、さまざま細かなところを見渡してまいりますと、いろいろ御指摘、御意見もあろうかというふうには思います。ただ、どこかでこれは線引きをして判断をしなければならないものというふうにも理解をしているところであります。
 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、当事者が管轄権に関する合意をした場合に効力を有するというのは、それが原則であります。それは何ら変わりません。
 ただ、先ほど申し上げたように、消費者契約とかあるいは個別労働関係民事紛争については、先生もおっしゃっていらっしゃったように、企業側と個人との間の資力を含めた力の差というものが非常に大きなものがありますし、例えば、労働契約を結ぶ段階で、その管轄権の合意について、さあこれから会社に入りましょうという人が異論を唱えて交渉するというのもなかなか難しいだろう、こんな考え方もございまして、特段の規律を設けたところでございます。
 その意味では、御指摘のように、いろいろな契約、さまざまな契約について一つ一つ見ればいろいろ御意見はあろうかとは思うんですけれども、今回、これまでさまざま議論をしてきた中では、消費者契約や今申し上げたような労働契約と同様に、類型的に、情報収集力、経済力、交渉力などで圧倒的な格差があるというような取引類型を見つけるというところには至っておりません。確かに御意見、御指摘はわからなくはないのでありますけれども、やはり何がしかきちんと線引きをして法律上の規定を設けるということになりますと、消費者契約や労働関係と全く同じという程度のものはないというふうに今の段階では考えているところでございまして、その結果として、この法律案の形にさせていただいたというところでございます。

○柴山委員
 一定の線引きということで、私も副大臣と同様、理解できなくは当然ないんですけれども、そうなると、やはり一般の法定原則ということと、では、その法定原則を貫いた場合の不都合性ということをどういう形で対処していくか、この原則と例外のパターンという考え方が恐らくとても必要になってくるのかなというように思います。
 例えばインターネット取引なんかを考えてみると、では、インターネット取引というのは果たして消費者契約なのかとちょっと考えると、これはなかなか非常に難しい部分があるんですね。今はネット販売なんということは当たり前のように行われておりまして、それが、例えば事業者に対するさまざまな事業用資産の取引ということもありますし、また、もっと細かい物品についてネット販売をするということもあります。また、その購入者も、法人である場合もあれば、当然のことながら、個人である場合もあるわけですね。しかも、仮に申し込みの名義が個人であったとしても、実態としては、それは法人との取引だったりとかいうこともあるわけです。
 特に、インターネット取引というものは相対をして取引しないわけですから、そこら辺は境目というものが非常に難しいというふうに私は思うんですけれども、これは消費者契約かどうかということは、一体どういう基準で判断をすればいいんでしょうか。

○加藤副大臣
 この法律案における消費者というのは、簡単に言うと、個人から個人事業主の方を除くというふうに考えていただいていいと思うんですが、個人であって、事業としてまたは事業のために契約の当事者となるものを除いた者というふうに規定をいたしております。消費者に該当するかどうかは、その取引の相手方の主観によるものではなくて、その意味では客観的に判断をされるということになります。
 ただ、そうなりますと、御指摘のように、取引の態様によっては、相手方が消費者に該当するのかそうでないのかということがインターネット取引の瞬間において不明な場合というのは正直あり得るというふうに思います。ただ、消費者の利益保護という観点から、この法律案の第三条の七第五項というものを規定させていただいているところでございまして、その趣旨からすると、幾ばくか不明な点が取引上残ってしまうというところはやむを得ないのではないかというふうに判断をいたしております。
 また、実際の取引の場面におきましては、事業者が取引相手の属性を確認するという方法もとることもできると思いますし、また、商品の種類や、その数、取引態様からも相手方の属性をある程度判断することもまた可能ではないかというふうに思っております。
 決して、先生おっしゃっていることが一〇〇%心配ないですよということではもちろんありません、やむを得ない部分もあろうとは思いますが、総合的に考えますと、この法律案の規律というところで、決して不合理であるということは言えないのではないかという判断をいたしております。

○柴山委員
 ありがとうございます。
 ファジーな部分というものは当然残らざるを得ないと思いますけれども、いずれにいたしましても、きょう、この法律案は、これまでの解釈を積み重ねて一定の到達点というものに結びつけたという意義では、これは大変有意義であるということを評価させていただきます。
 ただ、与党の方からも先ほど御質問があったように、例えば知財の帰属と内容、効力についての切り分けの問題ですとか、今申し上げたような消費者契約の解釈の問題ですとか、さまざまな形でこれから詰めていかなければいけない、あるいは運用で解決をしていかなければいけない、外国との間でしっかりと調整をしていかなければいけない、さまざまな課題がまだまだ残っていると私は思うんです。
 ですので、今の政権になるか、私どもの政権になるかわかりませんけれども、将来において、そういうことを引き続きしっかりとウオッチをして、検討していくことの必要性ということを再度強調させていただくとともに、千葉大臣初め皆様には鋭意この問題に引き続きしっかりとした形で取り組んでいただくことを切に希望いたしまして、少し早いですが、私の質問を終わらせていただきます。
 きょうはどうもありがとうございました。

第174回 国会 決算行政監視委員会 第一分科会

第174回 国会 衆議院 第1号
平成22年5月17日(月)
午前九時三十分開議

○柴山分科員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 まず初めに、通告しておりませんけれども、新しい動きがありましたので、お伺いします。
 北澤防衛大臣が、きのう、長野市内の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設に関する政府の基本方針について、負担を一部沖縄にお願いせざるを得ないということを基本に、それをはるかにしのぐ形で負担を全国展開することの大枠を決定するのが五月末決着の大筋だと述べられました。
 岡田大臣、こうした準備を政府で進めているというのは事実ですか。

○岡田国務大臣
 普天間基地の危険性除去、そして移設の問題について、今、政府の中で、関係五大臣が中心になってさまざまな検討を行っているところであります。今御指摘のような、そういう具体的な内容について、特にそういうものが決まっているわけではございません。

○柴山分科員
 特に決まっていないということであれば、これは北澤防衛大臣の単独プレーということでよろしいんでしょうか。

○岡田国務大臣
 今、関係五閣僚でいろいろ議論していることについて、詳細を申し上げるべきではないというふうに思います。
 ただ、北澤大臣がおっしゃったことについて、私は、そういったものを、具体的なものについて承知をしているわけではございません。
 しかし、言えることは、沖縄の負担をできるだけ減らす、そういう総理の強い思いの中で、一体何ができるのかということを、今さまざま検討を行っているというところでございます。

○柴山分科員
 今、関係五大臣ということをおっしゃったんですけれども、この動きがきちんと成案になるかどうか。最終的には政府として決着を図らなければいけないわけです。それは、社民党の福島大臣も含む政府の方針としてきちんと決まる見通しであるということでよろしいんでしょうか。

○武正副大臣
 関係閣僚で、この普天間移設、また米軍再編についての政府としての考え方をこれまでも協議し、また、基本政策閣僚委員会、そうした場も通じて、そしてそのもとに、私もメンバーでありますが、沖縄基地問題検討委員会、これは、三月中旬までそれぞれ委員のレベルで案をつくって、それを官房長官、委員長のもとに提出というようなことで、与党として、委員のレベルでありますが進めてきた、こういった経過でございますので、福島大臣も含めまして、それぞれしっかりと協議をして意見を整えていくということだというふうに思います。

○柴山分科員
 もう私が改めて申し上げるまでもなく、福島大臣は、何が何でも、県内ということでは賛成しないということをずっと一貫しておっしゃっているわけです。そのような中で、果たしてそういうような、今武正さんがおっしゃったような具体的なプランというものが成案を見るのか、極めて疑問です。
 また、岡田大臣は、先ほど、北澤防衛大臣の具体的なプランについては承知をしていないというようなことをおっしゃったんですけれども、今週二十一日には、クリントン国務長官が来日の上、岡田大臣と協議をされるということです。また、北澤大臣は今月下旬にも訪米してゲーツ国防長官と会談をされるということでありまして、こういった実際にハイレベルの、大臣クラスがお互いにほとんど軌を一にしてお話をするということは、そういった具体的な案を想定して、まず米国側の了解を得るとともに、また、六月以降も含めた今後の進め方を協議するための会合なのではありませんか。

○岡田国務大臣
 いろいろな報道がなされておりますけれども、クリントン長官が日本に来るのかどうかということはまだ正式な発表にはなっていないと思いますので、そのことについてコメントするのは適切ではないというふうに思います。
 ただ、仮に、今、例えば今週のどこかでということを考えたときに、普天間の問題のためにクリントン長官とお会いするということではないだろうというふうに思っております。
 今、日米間で急いで意思疎通をしなければならない問題は、一つは韓国艦船の沈没の問題であり、もう一つはイランの核疑惑の問題であります。その二つの問題を日米間でハイレベルで意思疎通しなければいけないということは、機会があればぜひそういったことを行いたいというふうに思いますが、普天間の問題がそういう段階に来ているというふうには私は必ずしも思っておりません。

○柴山分科員
 先ほど関係五大臣のお話をお伺いしました。そして今、岡田大臣から、確かに喫緊の課題としては、御指摘の韓国の哨戒艦の沈没の問題あるいはイランの核疑惑の問題、そういったものがあるのであろうということはわかりますけれども、お互いに防衛省あるいは外務省の間で、この五月末というように総理が期限まで区切った形の普天間飛行場の問題について、しっかりとした意思疎通ができていないというのは、私は極めて問題だと思います。
 このことはぜひ防衛省にも見解をお伺いしたいと思うんですけれども、本当にそういうようなレベルで、今、具体的な素案、政府としての検討案というものはまとまっていないということでいいんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 済みません、通告を受けていないものですから時間をかけましたが、さまざま、負担の軽減策等、そうしたことをもちろん議論しておりますけれども、具体的なお答えについては差し控えさせていただきたいと思います。

○柴山分科員
 非常に納得がいきませんが、とりあえず次の質問に移ります。
 やはり米軍の問題ですけれども、私の地元の所沢市に、米軍が進駐以来占有している基地があります。現在は通信基地となっておりますけれども、九十七ヘクタールもの広大な土地が、市の中央部、市役所のすぐ近くに位置しております。この基地の全面返還が市民の願いとなっているんですけれども、岡田大臣は、この場所にこれだけの基地が果たして本当に必要であるとお思いでしょうか。

○武正副大臣
 柴山委員の御指摘の所沢の通信基地、私もよく地元に伺いますので、過去、二百七ヘクタールが返還をされてきた、その中に当然、防衛医大とか市役所がある、あるいは航空記念公園があるということは理解をするところでございます。今、その九十七ヘクタールが通信基地として現存しております。
 米側については、航空機、艦船等の通信任務上、現在の規模が必要であるというのが米側の立場。他方、地元所沢市からのそうした返還要求、御要望も踏まえまして、現在、いわゆる東西の連絡道路用地の返還に取り組んでいるところでございます。

○柴山分科員
 おっしゃるとおりでして、これは実は、前の政権において、私が外務政務官の時代に、地域の皆様の御努力が実りまして、市の当局あるいは議会、市民の方々を交えた基地対策協議会が、地上式の東西連絡道路の開設に向けて再開をされました。
 そこで、防衛省にお伺いしますけれども、昨年の政権交代の時点で、この米軍通信基地の東西連絡道路の問題はどのような状況にあったんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 お答えをさせていただきます。
 委員も御承知のとおり、昭和四十三年以降、全面返還の要望が続いております。その中で、平成十四年に至りまして、全面返還までの当面の解決策として、東西連絡道路用地の早期返還を強く要望してきたものであります。
 その後、これを受けまして、平成十五年から十七年にかけて、当時の防衛施設庁が返還要望地付近の調査などを実施して、用地の返還について米側との調整を行ってきた。その後、平成十八年四月、所沢市から返還要請書の提出があり、防衛施設庁として、同年七月、米側に対して返還を提案し、以後、日米間で返還の実現に向けた協議が行われてきた。
 その結果としまして、米側から、既存の施設、通信局舎やアンテナ等の移設などを日本側において実施することを条件に、用地の返還に同意する考えが示された。これを踏まえて、平成二十一年八月、政権交代前の時点で所沢市に対し米側の返還条件の概要を提示し、その後、同市及び米側との間で用地の返還に向けた具体的な調整を実施している。
 これまでが政権交代までの状況であります。

○柴山分科員
 具体的に米軍側からそういう提案がされましたと。
 それで、実は八月中に、つまり政権交代の前に、この移設に伴うさまざまな費用の調査というものが予算立て、概算要求の中に盛り込まれました。その概算要求は、そのまま今年度予算に盛り込まれたということでよろしいかと思います。
 ちなみに、次回の所沢市の基地対策協議会というのがあさって、十九日に開催されるんですけれども、政権交代後、もし何らかの新しい状況の変化があれば報告をされるのかなと思いますけれども、そういった新しい状況の報告というものは想定されているんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 お答えをさせていただきます。
 先ほど申し上げました米側の返還条件であります既存の施設の移設につきまして、平成二十一年十二月、所沢市から、市の負担をできるだけ軽減するよう要望がなされたところであります。
 一方、一般論として、地元要望に応じて行われる米軍施設の一部土地の返還に必要な施設の移設に関する経費は要望者が、受益者が負担することが適当であるというのが一般論でありますが、その中で、政権交代後も当省としては、米側の返還に伴い必要となる施設の移設等の経費をまず全体としてできるだけ削減すべく、米側や所沢市と精力的に調整を行っているところであります。
 具体的に言えば、具体的な施設について、その内容や移設方法等について米側と会議の場で日米の担当者による調整を行うとともに、返還条件の実施に係る経費負担のあり方等について所沢市との調整を継続的に行っているところである、そうした状況であります。
 今後とも、所沢市の経費負担をできるだけ抑えられるように鋭意検討して、可能な限り早期の返還実現に向けて努力してまいる、そうしたものが今の状況であります。

○柴山分科員
 政権交代からこの方、まず市の要望ということで、所沢市の負担をなるべく減らすように要望があった、そしてそれに伴って具体的な実施方法について今協議をされているということで、特に新しい状況というものは生じていないかと思います。
 ところで、今政務官が御指摘になったように、この東西連絡道路の設置については、事業者負担、要するに事業者である所沢市の一部負担が求められているわけなんですけれども、今示されている案は、道路設置に伴って返還される予定地、要するに、直接道路が通るところ、ここに係っている施設の移転は市の負担とする、そしてその周辺にある施設については保安用地確保のために移転する分を国が負担する、こういう内容となっております。
 これは一体どういう理念に基づく案なんでしょうか。国が負担するという周囲の保安用地確保というのは、いかなる根拠に基づいて必要なんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 先ほども申し上げましたように、本件につきましては、まず一般論として、地元要望に応じて行われる米軍施設の一部土地の返還に必要な施設の移設に要する経費は要望者が負担することが適当と考えられる、これが我々が考えております、まず前提であります。しかしながら、今までの累次のさまざまな御指摘を踏まえ、また議論を踏まえまして、防衛省として、経費負担の方法について柔軟に検討してきたというところであります。
 先ほど委員の御指摘にもありましたように、返還予定地に存する施設の移設に要する経費については所沢市の負担といたしているところでありますが、これは、先ほどの一般論からしても、当然、道路になる部分ということでありますので、この点は地元負担というのはお願いせざるを得ない。
 一方で、保安用地の確保といいますのは、二〇〇一年のいわゆる九・一一テロ以降、米軍側の考えといたしましても、一定の保安距離、施設・区域の境界から二十メートルから三十メートルに所在する部分は、そこに建てないように保安用地を確保する、そうした相手側の取り決めもあるものですから、防衛省としましては、この保安用地の確保の部分のために必要となる施設の移設に関する経費については国で負担することもやむを得ないという考えのもと、こうした検討を行っているというところでございます。

○柴山分科員
 幾つもお聞きしたいことが出てきました。
 まず、二十メートルから三十メートル、要するに、一般の方が通るところから、テロを防ぐために距離を確保しなくちゃいけないというようなことは、今取り決めというふうにおっしゃいましたけれども、何らかの文書的な根拠があるんでしょうか、それをまず一点お伺いしたいと思います。

○楠田大臣政務官
 こちらは米軍の部内の規則であります。

○柴山分科員
 その部内の規則については、あらゆるところできちんと守られるコンクリートな規則なんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 あらゆるところでというところは今の時点で調査に至っておりませんが、あくまで米軍の中での規則であります。
 そして、米軍自体との議論の経過の中でこれは返還されるということになってきたわけでありますし、また、その米軍の施設との関係でこうした保安用地の確保を要望されているというところでありますので、この点は尊重する必要があると考えております。

○柴山分科員
 要は、結局、所沢市がほとんどすべての費用を負担して、この保安用地というところについての施設については結局のところ国が負担をする必要がなくなったと、市がだまされるような形で市に負担が押しつけられるというようなことがあってはならないというふうに私は思っているんです。いずれにせよ、そこのところはしっかりとした根拠をぜひ示していただきたいと思います。
 また、そもそも論なんですけれども、この道路に係る施設については日本側で撤去するということを条件に話が進んでいるということなんですけれども、例えば、在沖縄米軍海兵隊のグアムへの移設費用についてはアメリカが四割を負担するわけですね、当初は二割五分だったわけですけれども。この件について、米側が一切費用負担をしないでいいというのはなぜなんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 この点は、米側に、今回新たに返還をして工事をする必要性がないからだと考えております。

○柴山分科員
 ちょっとよくわからなかったんですが、要するに、アメリカ側にとってメリットがない、そういうことを言いたいんですか。

○楠田大臣政務官
 あくまで地元の要望のもとでこの道路建設を行うわけでありますから、アメリカ側のメリットはないと考えております。

○柴山分科員 それでは、沖縄の海兵隊がグアムへ移設するということのアメリカ側のメリットというのは一体何だったんですか。

○楠田大臣政務官
 その点、さまざま議論があると思いますが、当然、グアムに移転をして、それを新たに米軍が使用するわけでありますから、米軍にメリットがあるのは、一部それがあるというのは明白ではないでしょうか。

○柴山分科員
 例えば、撤去したさまざまな施設を本国に持ち帰ってそれを再び利用する、これもメリットなわけですよ。
 私は、もし政務官でなくて例えば事務局の方がきちんとした答弁をされるのであれば、事務局が答弁していただいて結構です。私は、政治主導というのは、政治レベルが答えることが政治主導だとは思っておりません。質問者が事務局を指名したら、事務局にきちんとした正確なお答えをしていただく、それはこちら側に任せていただくのが政治主導だと思っておりますので、国会法の改正なんかもありますけれども、私は極めて疑問に思っております。
 ちなみに、本来、米軍基地の問題は、日米地位協定に基づいて国が費用を負担するのが筋だと思いますけれども、先ほど来、事業者負担、事業者負担とおっしゃいますが、自治体が費用負担するのはその趣旨にもとるんじゃないでしょうか。

○楠田大臣政務官
 御指摘もありましたけれども、私は、今の責任ある立場での正式なお答えとして考えていただければと思いますので、お答えをさせていただきます。
 先ほど来申しておりますように、我々の原則論、一般論として、地元要望に応じて行われる一部土地の返還でありますので、受益者負担というのが原則だと考えております。

○柴山分科員
 実際に基地関係の返還に伴って自治体でそういう費用負担をしているというのは、どういう実績があるんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 お答えをさせていただきます。
 既存の施設の移設経費を地方自治体が負担した例は数々ございますが、代表的な例を挙げさせていただきますと、道路拡幅事業に伴い多摩サービス補助施設、また、厚木海軍飛行場の一部土地の返還を行った際に、要望者である地方自治体が境界さく、倉庫等の施設の移設に伴う経費を負担しているという実績がございます。また、相模原住宅地区、赤崎貯油施設等々、さまざまな例があるというのが実際であります。

○柴山分科員
 果たしてそういったケースが本件に妥当するのかということは、ぜひきちんとした検証が必要になってくるのじゃないかなというように思っています。
 岡田大臣、これまで鳩山総理御自身が、先ほど申し上げたように、五月末までに、米国のみならず移設先の同意などを得て解決のめどをつけるとしていた普天間飛行場の問題ですけれども、その解決自体極めて難しい状況となっております。こういった状況や米国との関係の変化がこの所沢通信基地の決着に影響するんじゃないですか。

○岡田国務大臣
 どういう趣旨でおっしゃっているかわかりませんが、私は、何かあると、普天間の問題が関係しているということを根拠なく言われることが非常に多いものですから、何か具体的なことがあればぜひ御指摘をいただきたいと思います。
 最近、何かあると普天間、あるいは何かあると中国ということが非常に多過ぎるように思っております。

○柴山分科員
 実際に、基地対策協議会も、前回開催されたのが十月五日、その前が九月二日だったんですけれども、そして次回開催されるのがあさってということで、かなり間をあけております。
 そして、岡田大臣、何よりも北澤防衛大臣が、この所沢米軍通信基地について取り上げられたことし二月二十五日の予算委員会第一分科会で、こういうふうに述べておられるんですよ。基地が存在する、これは所沢の米軍通信基地のことです、基地が存在するということは地域の皆さんに大きな負担と懸念を醸成しているわけでありまして、これは沖縄の普天間の返還協議とそれぞれみんなリンクしておるわけです、こういうふうに答弁されているんですよ。いかがですか。

○岡田国務大臣
 今の北澤大臣の答弁、どういう脈絡の中で答弁されたのか、ちょっと私は承知しませんので、コメントは控えたいと思います。

○柴山分科員
 いずれにいたしましても、事実上でも悪影響が一切ないということは、とても私には信じられません。
 防衛省に最後にお伺いしますけれども、この東西連絡道路の平成二十三年度予算編成における方向性はどのようなものとなるんでしょうか。また、今後の道路開設の見通しはどのように考えておられるんでしょうか。

○楠田大臣政務官
 先ほど来御指摘ありますが、これは、相手もあることでありますし、歴史もあることでありますので、さまざま、お気持ちは察しますが、難しい状況があると考えております。
 その上で、今後の方向性でありますが、平成二十三年度以降、通信局舎、アンテナ等の移設に係る具体的な配置検討を今後とも行っていくこととしております。今後、米側の返還条件について、米側及び所沢市と具体的な調整を加速化し、できるだけ早く日米合同委員会で本件一部土地の返還を合意すべく対応してまいるということでありまして、今の時点では額はまだ言明できないところであります。

○柴山分科員
 質問を終わります。ありがとうございました。

第174回 国会 決算行政監視委員会

第174回 国会 衆議院 第3号
平成22年5月11日(火)
午後二時十六分開議

○柴山委員
 自由民主党、ネクスト・ジャパン無駄撲滅副担当の柴山昌彦です。
 菅大臣にお伺いします。
 私は、ことし一月二十一日に、予算委員会で、民主党の議員の方々が壮絶なやじを飛ばす中、プライマリーバランスについてお伺いしました。あのとき大臣は、プライマリーバランスを軽視するわけではないが、歳出の中身あるいは成長戦略、そういうものを組み立てる中から、ことしの五月、六月には中期財政フレームを出していただくことになっているので、その中で財政再建の道筋も打ち出していきたい、そう答弁されました。間違いありませんね。

○菅国務大臣
先ほどの御質疑でも申し上げましたように、現在、中期財政フレーム、さらには財政運営戦略を仙谷大臣のもとの国家戦略室を中心に六月を目途に取りまとめを進めていただいている、このように承知しております。

○柴山委員
 答弁は簡潔にお願いします。
 複数の報道で、四月二十八日に財務省が民主党に示した試算によりますと、仮に社会保障費などを抑制して名目成長率が二・七%まで回復しても、民主党のマニフェストを実行すれば、二〇一三年度の歳出と歳入の差額は実に今年度の四十四兆円から五十八・四兆円にまで拡大するとのことですが、いかがでしょうか。

○菅国務大臣
 この四月二十八日に、そういう報道があったことは、私も、質問がありましたので調べてみて承知をしておりますが、財務省がそうした試算を民主党に提示したという報道は間違いです。
 そうではなくて、このメンバーの中の方が、一部は確かに財務省の、皆さんにもお示ししている後年度負担といいましょうか、そういうものも含めた資料を出されたということで、それを報道の方が財務省が出したものというふうに間違って報道されたということです。

○柴山委員
いずれにせよ、根拠のない数字ではないわけですから、大幅な増税なくしてマニフェストを完全実施することが不可能であるということは今や明らかであると考えます。
 そのような中で、菅大臣あるいは枝野大臣、お二人のマニフェストの変更についてのお考えを改めてお聞かせください。特に枝野大臣は、さいたま市の講演の中でマニフェストの見直しについて言及されたとのことですが、事実関係も含めてお答えください。まず、菅大臣。

○今村委員長
 もう一回言ってください。菅大臣ですか。

○柴山委員
 マニフェストの変更についてお答えください。まず菅大臣、そして報道がありました枝野大臣、どうぞ。

○菅国務大臣
 先ほど来申し上げていますように、マニフェストについて、今年度の予算の中で、少なくとも初年度分について、子ども手当等実行できたものと、それから一部実行できないものがありました。
 そして今、来年度に向けて党と内閣の方でもさらに議論をしておりまして、先ほど来申し上げていますように、マニフェストについてはできる限り実行するということと同時に、この日本の財政、経済が、持続可能な形で、ギリシャのようなことにならないようにやっていくにはどうすべきか、こういうことも当然ながらあわせて考えていかなければならない、このように思っております。

○枝野国務大臣
 私は、政権交代前から一貫して、マニフェストはきちっと守るべきであるというマニフェスト原理主義の立場に立っております。ただし、その大前提は、客観情勢が変更ない限りはマニフェストは約束どおりやらなければいけない、これがマニフェストを軸にした政権交代選挙の基本的な位置づけである、その考え方は全く変わっておりません。
 ただし、前提となっている状況が変わっているとき、四年間ある間には、社会状況、経済状況、いろいろなものが変化をいたします、それに対応することも政治の一つの重要な役割だというふうに思っております。
 特に、財政問題との兼ね合いでいえば、前政権の経済運営の失敗によって法人税収が当初の想定よりも約九兆円落ち込んでいる、このことがプライマリーバランスの問題を初めとして日本の財政状況に想定外の大きな悪影響を与えている、このことをしっかりと考慮に入れて、マニフェストを最大限守っていくことをやっていくということだと思っています。

○柴山委員
 状況の変化により、急激な税収の落ち込み、先ほど五十嵐議員も御質問されていたようですけれども、そういう御指摘がありました。
 ところが、リーマン・ショックの前、民主党の前原誠司元副代表は、前回の参議院選公約で掲げた農家の戸別所得補償制度や、先ほどお話が出ました暫定税率の廃止などの実行について中央公論にこう書いています。繰り返します。リーマン・ショックの前です。
 行革だけによる捻出は絶対無理だ。参院選のマニフェストをまとめるとき、当時の政策責任者の間では財源の根拠が希薄だとの難色が示されたと聞いているが、最後は小沢さんのえいやだったと、小沢さんの責任を指摘しています。また、民主党が最もしてはいけないのは、国民に耳当たりのいいことばかり言って仮に政権をとったときにやっぱりできませんとなること、すぐに自民党に政権が返る、最悪だと述べておられるんです。
 藤井財務大臣に至っては、だめだったらごめんなさいと言えばいい、そういうふうにおっしゃっているではありませんか。
 マニフェストを変更するのであれば、昨年の総選挙が平成の一大詐欺選挙だったと率直に認めた上で、前のマニフェストで多数を得た衆議院を解散して民意を問うべきだと指摘をさせていただきたいと思います。
 菅大臣は御退室いただいて結構です。
 続きの質問に行かせていただきます。(発言する者あり)

○今村委員長
 御静粛に願います。

○柴山委員
 枝野大臣にお伺いします。
 四月の独立行政法人を対象とした事業仕分けで、国庫返納額が一兆円を超えました。大臣は、二〇一一年度予算に向けてかなり大きな資金を確保できた、あるいはこういうことを続けていけば無駄はなくなると御満悦のようですけれども、一兆円というのはストックでありますから、一回だけの効果であります。ですので、先ほど申し上げたような経常的な歳入歳出のバランスの回復に役立つものではありません。
 年間の歳出削減額はわずか六百億円にとどまり、これは先ほど申し上げた五十八・四兆円のギャップのわずか一千分の一ですよ。一万円の赤字をなくそうというときに十円無駄をなくしたからといってそうそう満足もしておられないと思うんですけれども、大臣は本当にこの事業仕分けという手法で税金の無駄遣いを撲滅できるとお思いなんでしょうか。

○枝野国務大臣
 私は一度も、事業仕分けだけで無駄を撲滅できるなどという趣旨のことを申し上げたことはございません。それから、先ほどの、前原現大臣の過去の論文での引用をされておりましたが、行政改革だけで、フローの九兆円の、マニフェストで約束をした財源を出すなどということは一度も申し上げたことはございません。
 無駄を撲滅する。無駄を撲滅するというのは不断にやっていかなきゃならないことであって、たとえプライマリーバランスが確保されたとしても、無駄の撲滅のことは不断にやり続けなければならない。そのための一つの有力な手段として事業仕分けは大事であるというふうに思っております。
 と同時に、財源をしっかりと確保するためには、事業仕分けなどで行っている狭い意味での無駄の撲滅と、そして政策の優先順位をつけて、無駄とは言えないかもしれないけれども、優先順位の低い事業はあきらめていただくということを含めて、四年後に九兆円のフローの財源を出す、そこに向けて一歩一歩着実に進んでいるというふうに思っております。

○柴山委員
 そういう手法でいいかどうかは後ほどお伺いしますけれども……(発言する者あり)いや、後ほどお伺いします。
 そもそも、今回の事業仕分け第二弾で提言された事業の見直しなどはきちんと守られるんでしょうか。

○枝野国務大臣
 これは、第一弾のときもそうでしたけれども、今回も、今回の事業仕分けにおける結論が最終決定だとは申し上げておりません。
 しかしながら、第一弾についても、大方は、特にすぐに実行できるものについては本年度予算の予算案策定に生かされているというふうに思っておりますし、この後、実際に予算の執行がなされ始めている中で、昨年の事業仕分けの指摘がどういうふうになっているのかということをフォローアップして、そこで不十分なものについてはさらに改善を求めていくつもりでおりますし、あるいは、昨年の事業仕分けで指摘をされたことについて、二年後、三年後に実行できるという部分もございます。
 今回の事業仕分けについては、そこで出された、先ほど御指摘いただいた一兆円余りの埋蔵金の話については、これは来年度予算に反映できるというふうに思っておりますが、組織、制度を変えるということを通じて、独立行政法人制度やその組織が持っている無駄を生み出しやすい構造を変えていくということを主たる目的としておりまして、最終的にどういう組織形態にすることが、事業仕分けでの指摘を踏まえた対応として適切であるかということをしっかりとこれから組み立ててまいります。
 もちろん、個別に申し上げれば、廃止と言ったものがどういう形で改革をされるかということについて、すべてが全く同じということにはならないとは思っていますけれども、前回同様、おおむねその趣旨は生かされた結論になるというふうに認識をしております。

○柴山委員
 大臣、あれだけ公開の場で結論づけたのに、いざ予算が提出されたら、さしたる情報公開もなく、それがないがしろになる可能性があるというのは、これはいかにも国民としてはおかしいと感じるということだけは指摘をさせていただきたいと思います。
 また、世界第二位でなぜ悪いとの発言が物議を醸した次世代スーパーコンピューター開発のように、世論が大きく仕分けの結果に反発したり、ノーベル賞学者のように著名な応援団がいたりする事業については風見鶏のように方針を見直し、声なき声で反対する者がいる場合にはそのまま平気で予算を切り捨てるというようなことでは、削りやすいところから予算を削っていると前の政権を批判する資格はありませんから、そのことだけはぜひ申し上げたいというように思っております。
 次の質問に移らせていただきます。
 独立行政法人評価委員会という仕組みがあります。これは、独法通則法に定められている民間の方を入れる形で事業の見直しをする、そういう仕組みで、既存の仕組みとしてビルトインされているわけなんです。この機能を強化すれば、事業仕分けにかわるものとはならないんですか。

○枝野国務大臣
 まず申し上げておきたいと思いますが、例えばスーパーコンピューターについて、事業仕分けの指摘を声が大きい声に基づいて変えたという事実は全くございません。
 もともと事業仕分けの結論も、現在の、あの時点で世界一速いコンピューターを当初の予定どおり、途中でいろいろな状況の変更があったにもかかわらずただ続けているということに対しては、廃止を含めた抜本的な見直しが必要だという指摘はいたしました。それを踏まえて、しっかりとその事業の目的、趣旨を整理し直して、位置づけをし直して、その上で予算要求をしていただいているというふうに認識をしておりまして、仕分けの趣旨に基づいた結論になっているということをまず御理解いただきたいというふうに思っております。
 それから、今御指摘のところでございますが、現在のビルトインされている評価の仕組みというものが機能しているのであれば、自民党政権からの独立行政法人における無駄はなかったはずでありますが、現実にそうではない。つまり、今の仕組みだけでは必ずしも機能していないということは、現実に先日の事業仕分けでもいろいろな問題点が指摘をされて、廃止とか縮減とかという結論も幾つも出ているということで証明をされているというふうに思っています。(柴山委員「だから強化すればいいんじゃないですか」と呼ぶ)
 強化をするという仕組みの改革についても、どういう仕組みが本当の意味での強化になるのかということを含めて、今回の事業仕分けの結果を踏まえた上で。この事業仕分けは、先ほど申しましたとおり、恒常的にこういった形で無駄に対応していくということが必要だというふうに思っておりますが、独立行政法人をターゲットにした事業仕分けをまた来年も再来年もやるという意味ではございませんで、今回、独立行政法人の評価の強化なども含めた制度のあり方を抜本的に見直す入り口として独立行政法人の事業仕分けを行ったものであります。
 その結果として、現在までの評価システムが必ずしも有効に生きていない部分があるという現実の結果が出ていますので、そのことを踏まえて、組織のあり方や、それから評価、チェックのあり方も含めて、この結果に基づいて対応していくということでございまして、やったからこそ、その問題点がより明るみになっているんだというふうに思っています。

○柴山委員
 事業仕分けの効用を盛んに主張しておられますけれども、既にこの国会が、政治家が入って、あるいは外部の人にも時には参考人という形で来ていただいて、予算や決算をチェックすることになっているわけですよ。
 この決算行政監視委員会がまず、無駄の撲滅ということについて、既に議事録もオープンにするような形で仕分けをする機会になっているわけですから、ここの質疑の仕方や報道の仕方を変えたりして、国民が関心を持てるように考えていただきたい、そのことを私は申し上げたいと思います。決算行政監視委員会がこれからもっと開かれたオープンなものに、そして実質的な実のあるものになるように、ぜひ与野党の壁を越えて、ちょっとこれは私の意見ですので、要望ですので申し上げたいと思います。
 続きまして、次の質問に行きたいと思います。
 枝野大臣は、二十八日実施された事業仕分けで、大学病院などに資金を貸し付ける国立大学財務・経営センター、これについて議論をされましたけれども、八事業のうち七事業が廃止と判定され、残る一つの東京連絡所の運営も別法人と統合を求められました。
 これは事実上、センターの廃止という結論だと私は思いますけれども、元三重大学長の豊田長康理事長は、そもそも民主党政権における公募で選考されて、この四月に就任したばかりなんです。仕分け後に、大学と病院の役に立つことが地域住民のためと張り切っていたのに大変残念だ、過去のことが話題になって、私のプランニングは仕分けの作業の中で話題にならなかったと嘆いておられました。こんなことになるんだったら、なぜわざわざ選考のための金と時間を使ったんですか。

○枝野国務大臣
 先ほどの御要望については、私も過去にこの委員会の委員長をさせていただいておりますが、行政府に対して要望される趣旨ではないのかなというふうに認識をいたしております。国会の中で委員会の運営のあり方等については御議論をいただければ、行政府としてはそれにきちっと協力というか対応させていただくということを申し上げたいというふうに思っております。
 今の御指摘でございますが、まず一つは、御指摘のとおり、公募によって新しい理事長が四月一日付で任命されました。これは、従来の官僚天下りポストというものが問題であるということから、公募というシステムによって、より透明性の高い形で独法の役員を選んでいくという方針に基づいているものであります。
 そして、当該法人が廃止になるかどうかというのは、四月一日の段階でも別に廃止という議論が出ていたわけでもありませんし、当然のことながら、内閣として決められたルールに基づいて、これは文部科学省で公募されたというふうに理解をしております。
 さらに加えて申し上げますと、事実上の廃止ということをおっしゃられましたが、当該法人の事業仕分けの公表を既にされていると思いますけれども、評価の結論のところを申し上げますと、例えば、一番主たる業務だと思いますが、貸付事業でございますが、評価者からは、各国立大学の自立が重要であり、独自にファイナンスする方式にできるだけ早く改めるべき、基本的に民間金融機関で対応できるよう国としてもバックアップすべき等というコメントなのに基づいて、当該事業は廃止、ファイナンスに関し、各大学の自立を促進と結論をいたしております。
 今の読み上げましたコメントでもおわかりのとおり、現状で直ちに廃止をしたら各国立大学病院のファイナンスについては十分に機能しないということも議論の中で十分に出た上でこういった結論を出しているのでありまして、仮に廃止をするとしても、それにかわってしっかりと各大学病院がファイナンスできるための仕組みづくりということに一定の時間とエネルギーをかけなければならない。
 なおかつ、先ほど申しましたとおり、この事業仕分けは、すべて一〇〇%同じことをやるかどうかということではありません。最終決定ではございません。これから、独法の新しく公募で選ばれた理事長さん等の御意見を聞きながら、主体的には文部科学省を中心にして、この仕分け結果を踏まえて、それぞれの事業のあり方、そして組織のあり方について、最終的な結論が時間をかけて導かれます。
 ちなみに申しますと、前政権において独立行政法人、特殊法人の改革等をした場合にも、組織そのものが変わるまでには、議論を始めてから五年ほどかかっています。私どもは、四年間の任期のうちに、組織改革も含めた独立行政法人の改革を前政権よりもスピードアップして行おうと思っております。

○柴山委員
 ただ、一たん理事長は前職を退職しているんですよ。要するに、民主党のこの間のプロセスとしては、極めて見通しが甘かったと私は言わざるを得ません。
 最後に、時間もなくなりましたのでお伺いさせていただきます。
 枝野大臣は、四月二十日に国立大学財務・経営センターの東京事務所を視察された上でいろいろと批判をされていますけれども、あなたがいらっしゃる内閣府の行政刷新会議の事務局の利用形態も、かなり問題があると言わざるを得ません。
 私は、自民党の無駄撲滅プロジェクトチーム事務局長の平将明議員とともに、四月二十三日にこの事務局を見に行かせていただきました。百二十度の角度がついたブーメラン形の変わった机が、三台の頂点を合わせてつけて、Yの字のようにしてずらっと並んでいるんですよ。そして、その価格は、いすとのセットで十六万六千二百十五円。そして、隣の国家戦略室の分も含めて、計八十二セット、千三百六十二万九千六百三十円で購入した、こういう報道がありました。
 これは、普通の机で余っているものも探せば、こんなにかからなかったんじゃないんですか。レイアウトについて、一体どういう検討が行われていたんでしょうか。

○古川副大臣
 お答えをさせていただきたいと思います。
 柴山議員も外務政務官をやられて、役所の中のオフィスの状況がどうなっているかは御存じだと思いますが、極めて旧来型で、こうした官僚的な、今までの行政の硬直的な発想というものからすると、今、民間企業にお勤めになっていたわけでありますから、柴山議員もよく民間企業などのオフィスなんかもわかっていると思いますが、やはり時代に合わせて変わっていっているわけであります。
 そういう意味では、今回、新政権のもとで発足した国家戦略室、そして行政刷新会議、いずれも、従来の行政のそうした発想を超えた新しい発想のもとで、今までの行政というものを刷新し、そしてまた大きな戦略を立てていこう、そういった意味では、オフィスの形というものも変えていく必要があるだろうと。
 ですから、もともと机やいすがストックとして十分な数がありませんでしたから、新規に購入をしなければいけない、そういう状況にありました。そういう意味で、新しいいすや机等を購入するに当たって、これまでの行政で使っていた同じものじゃなくて、新しいコンセプトに合った形、そうしたものを私どもとしては導入していく。
 そういった意味で、これまで、通常、役所におきましては、役職に応じて机、いすの規格が異なって、皆さん御存じのように、役職が上になると窓際にいて大きな机や大きないすに座っている、そういうものを一切やめて、上級職員も一般職員も同じ規格で、別に上の者が窓際に座るとかそういう差をなくしました。フラットにした。隣に座っている高木議員なんか、そうすべきだなというふうに思っていらっしゃるような顔をしていらっしゃいますけれども……(発言する者あり)

○今村委員長
 答弁は簡潔にお願いします。

○古川副大臣
 また、通常、審議官以上の職員の場合には個室が割り振られているわけでありますが、この国家戦略室、行政刷新会議の場合には、そういう個室もなくして、みんなが同じ部屋で、みんなが同じ机で、そして同じいすでやる。そういうことによりまして、トータルとしては、通常の行政組織、これまでよりもコストも削減できる、そういう形でのオフィスのデザインを、そして新しい形をつくらせていただいたということでございます。

○柴山委員
 時間がないので、その当否についてはまた別の機会で議論させていただきます。
 最後に、福島大臣がいらっしゃっていますので、短く一問だけお伺いしたいと思います。
 きょうお配りした、これは消費者委員会の事務局の山王パークタワーにおけるオフィスなんですね。これは、実は、消費者委員会の運営経費に二億八千八百万円、トータルで計上されているんですけれども、実にその三分の一以上の一億八百万円が、この山王パークタワーの借り賃で吹き飛んでいるんです。
 それで、このレイアウトを見て、一体何人の方でこのスペースを使っているのか、それについてだけ、短く最後に御答弁ください。

○福島国務大臣
 御質問、本当にありがとうございます。
 事務局の数を消費者委員会の機能強化のためにふやしまして、十六名から、現在、二十三名の事務局、それから消費者委員でやっております。
 御質問、本当にありがとうございます。
 自民党時代に、この山王パークタワー、八億円で賃貸借契約をいたしました。私が消費者担当大臣になり、その金額はやはり余りに高く、引っ越しも含め検討をいたしました。しかし、引っ越しをするとなると、二カ月間ぐらいLANの中止だとか、また、引っ越し費用、もう一回改装費用、お金がかかり、あらゆる計算をして、もう一回やり直しました。
 まず、賃料を減額してもらうということで、当時、合わせて八億三百万円だった年間賃料を、一億五千三百万円減額をしていただきました。四階入居面積のすべて及び五階入居面積の一部を返上いたしました。消費者委員会におきましても、これは、一億三千百万円だったのを一億五百万円、二千六百万円減額をいたしました。柴山先生も私も弁護士ですが、交渉をして、これだけ、やはり国民の皆さんの税金を本当に有効に使うということのために、一部返上した上で、一億五千三百万円減額。おっしゃった消費者委員会も、二千六百万円減額をしました。
 消費者委員会は重要な機能を持っており、野党の議員からも機能強化をすべきだと言われています。ですから、これは大事に使い、機能強化もし、そして、賃料の点についても、これ以上安くはなかなかならないかもしれませんが、返上した上で使っているということを申し上げます。

○柴山委員
 違うんですね。野田大臣のときには、いわゆるコンニャクゼリー問題ですとか、あるいはシンドラーエレベータ事件ですとか、消費者被害が非常に続出している中で、この消費者委員会というものを非常に大きな形で推進していかなければいけないという時代的な背景があったんです。
 それで結局、今大臣がおっしゃったように、こういうようなことで見直しということを行っていただくのは結構ですけれども、それでもなおかつ、今の、二十人に比べて八百二十二平米というのは私はいかにも過大だと思いますし、委員十名のところを二百四十平米です。
 これについて、もし自民党がそのままでいいというんだったら、政権交代する必要はないわけなんですよ。だから、しっかりと無駄の撲滅ということをやらないのであれば、しっかりと、できないというふうにおっしゃってください。
 質問を終わります。

第174回 国会 内閣委員会

第174回 衆議院 第10号
平成22年4月23日(金)
午前九時一分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、自民党橘慶一郎議員の質問に対する答弁

○橘(慶)委員
(中略)

天下り規制の一点目。
 内閣案、議員案ともに、民間人材登用・再就職適正化センターについて、センター長は国務大臣である。副センター長というものが当然補佐する立場で置かれるわけで、技術的ですが、どのような人物像でお考えになっているか、提出者、政府という順番でお願いいたします。

○菅原議員
 お答えをいたします。
 民間人材登用・再就職適正化センター、この副センター長、現在の官民人材交流センターの副センター長は民間から起用いたしておりますので、このセンターにつきましても、やはり民間人の人材登用ということを考えますと、同様に民間人であるというふうに考えております。

○大島副大臣
 お答えをいたします。
 民間人材登用・再就職適正化センターの副センター長は、国務大臣が充てられるセンター長が再就職規制違反行為の監視、組織の改廃等の場合の再就職支援等のセンターの業務を統括するのを助けるものであり、この業務が適正に遂行できる高い見識を有する人物を充てることが必要と考えております。
 副センター長の人選は、任命権者である内閣総理大臣がセンター長の意見も聞いて行うことになると思われますが、民間からの登用も含めて適任者を選定されるものと考えております。

○橘(慶)委員
 ちょっと区切りのいいところまで進めます。
 議員案、衆法では、センターは分限免職時の再就職あっせんも行わない、こういう形になっております。それは私は納得はしながら聞くんですが、では、そういう場合の政府案にかわる代替措置はどのようにお考えになっているか、お伺いします。

○柴山議員
 お答えいたします。
 分限免職時の再就職あっせんを行わないことの代替措置についてのお尋ねですが、民間企業ならば、整理解雇を回避するために、まず、判例上もこれは言われていることですが、役員報酬の削減などの努力を行うべきだというように考えられております。政府においても、まず、役員報酬の削減に相当する幹部職員給与改革を初めとした給与制度の抜本改革などに取り組むことが筋だというようには考えております。
 その上で、やむを得ず整理解雇に相当する分限免職を行わざるを得ないという場合には、これも何度か答弁を申し上げているとおり、外部の、民間のアウトプレースメント会社の活用ですとか、また、大規模な整理解雇が、あるいは分限免職が必要となるようなケースでは、かつて国鉄の整理の際に設けたように、特別な組織を設けるといった個別の方策を講じるべきだと考えております。
 少なくとも、整理解雇に対応するための再就職あっせんの官制の組織というものを恒常的に維持しておく必要はないのではないかというのが我々の考え方でございます。
    〔委員長退席、小宮山(洋)委員長代理着席〕

○橘(慶)委員
 その部分は全く私も認識を一にするわけで、分限免職、たまたま今、社保庁改革があったので非常にクローズアップされましたが、過去の政府の歴史を見ても、分限免職なんて実はほとんどやっていないんです。
 せんだって、レクを受けたときに聞きますと、昔、姫路城の修理が終わったときに、そこにかかわっていた人をしたことがあるけれども、それはもう何十年前のことで、分限免職ということはそうそう、やはり本当に行き詰まったときの話であって、めったにやることではない。だから、それを予定した組織をつくっておくというのは、またこれは気持ちの悪い話でありまして、この辺はぜひもう少しよくお考えをいただきたい。
 おっしゃるように、何かあったときに、それは大変なことですから、それぞれの改革法なり特別法で幾らでも手当てできることじゃないか、それは認識を一にいたします。

第174回 国会 法務委員会

第174回 国会 衆議院 第8号
平成22年4月20日(火)
午前九時開議

○滝委員長
 次に、柴山昌彦君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 まず、質問に先立ってお伺いしたいんですけれども、報道によりますと、民主党小沢幹事長の政治資金規正法違反に関する検察審査会の議決がきょう、あすじゅうにも出るのではないかということが言われておりますけれども、この検察審査会の議決におきまして、不起訴不当あるいは起訴相当の結論だった場合に、その結論というものは尊重されるんでしょうか。法務大臣にお伺いします。

○千葉国務大臣
 まだこれからどのような推移になるかは私も全く承知をいたしておりませんし、どのような御結論になるのかもわかりません。仮定に基づいたことについて、今私の方から答弁をさせていただくということは差し控えたいというふうに思います。

○柴山委員
 検察審査会の議決の効力に関しては改正も行われているところでもあります。しっかりと一般の方々の気持ちが刑事処分に反映されるようにという改正でございます。ぜひとも、検察当局あるいは法務省におかれましては、こういった法の改正の趣旨もしっかりと勘案して、適切な処分をしていただきたいというように思っております。
 そして、加えて、鳩山総理の公設秘書であった勝場啓二氏の判決公判、これも、あさって午後三時からだったかと思いますが、予定をされております。これを踏まえて、検察庁に提出されている資料についての説明をしっかりと行うようにということを、総理に対して閣僚として説得される御意思があるかどうか。きょうは閣僚が二人お見えでございますので、それぞれ質問をさせていただきたいと思います。

○千葉国務大臣
 総理も、この間、答弁を、御説明をされていることでもございますので、多分的確に対応をとられるものだというふうに思います。それに基づいて、必要なことはきちっと法務省、検察の対応としてとっていくように私からも指導したいというふうに思います。

○中井国務大臣
 近々判決が出るというのは、今初めて知りました。その後、被告人が控訴するのかどうかも含めて私どもは判断がつきかねます。
 しかし、いずれにいたしましても、裁判の判決文あるいは資料等は、弁護士を通じてきちっと処理されるんだろうと考えております。
 また、私個人といたしましては、一日も早く政治資金規正法に基づいて修正提出をしてほしいと考えております。

○柴山委員
 ちょっと質問の意味をよく理解していただかなかったのかなというように思いますが。
 千葉法務大臣、私は、鳩山総理が、以前おっしゃっていたように、最終処分が出た後に、検察庁に提出されている資料をしっかりと説明をする、あるいは国会の場に提出をするということがなされなかった場合に、それをするように閣僚として説得するかどうかということをお聞きしているのであって、それが出された場合に法務省として的確な対応をとるというのは当たり前のことでありますので、その点を再度お答えいただきたいと思います。
 それと、あと中井国家公安委員長の方にお伺いをしたいのは、これは自白事件なんですね。要するに、勝場秘書は罪体を争わない、全面自供をしているわけです。ですので、有罪をみずから認めておられるわけですから、実刑が出るのかあるいは執行猶予が出るのかわかりませんけれども、量刑不当ということで控訴をすることは、あり得ないことではないかもしれませんが、それは恐らく、御自分で判断をした上でこういう自白をされているんでしょうから、控訴ということは余り考えられないのかなというように思っているんです。
 そうなりますと、恐らく、あさっての判決の後、一定の期間の経過をもちまして判決が確定をするということになるわけですから、その場合におきまして、やはりしっかりとした処理が必要になってくるのではないかと思うんですが、その点、いかがお考えでしょうか。

○中井国務大臣
 総理が国会あるいは委員会等で国会議員の方々にお約束されたことは、それはそれで実行されるものだと考えております。
 また、裁判につきましては、先生は弁護士さんでいらっしゃるから方向づけ等がよくおわかりなんでしょうが、私どもは、やはり裁判中は余りいろいろなことを申し上げない方がいい、こういうふうに育っておりますので、失礼をいたします。

○千葉国務大臣
 先ほど申し上げましたように、この間の総理の説明あるいは国会での答弁等を含めて、一定の裁判ということがはっきりした段階で適切に対処するとおっしゃっているわけですので、適切に対処されるものだと私は考えております。

○柴山委員
 質問にお答えいただいていないので、再度お尋ねいたします。
 総理は適切に対応されると思うというようにお答えでしたけれども、私がお聞きしているのは、適切な対応がとられなかった場合に、とるように説得するかどうかということを大臣にお聞きしているんです。

○中井国務大臣
 仮定で、たらればの話にお答えするわけにはいきません。

○千葉国務大臣
 同じことで恐縮でございますけれども、的確な対応をとられるものと思います。それ以上、どういう事態になるかは、仮定の話になりますので、お答えはできません。

○柴山委員
 お二人の大臣のしっかりとした信頼に沿った行動を総理がとられることを期待申し上げて、質問に入らせていただきます。
 先ほども御質問があったかと思いますけれども、本時効延長に関する法律なんですが、民主党の政策集インデックス二〇〇九の十三ページ、こちらに書かれている文言としては、「公訴時効のあり方については、法定刑に死刑が含まれる重罪事案のうち特に犯情悪質な事案について、検察官の請求によって裁判所が公訴時効の中断を認める制度を検討します。」という文言となっているわけです。
 にもかかわらず、参議院法務委員会での質疑によると、この案は一顧だにされず否定され、政務三役が今回の時効などの一部撤廃法案を採用されたということですけれども、それはどういうことなんでしょうか。

○千葉国務大臣
 今、一顧だにされなかったという、それを引用をなさりましたけれども、決してそういうことはございません。公訴時効の見直しについては、いずれにしてもやらなければならないという方向性は、いずれもが持ち合わせていたわけでございます。このようなそれぞれの考え方、幾つかの考え方、これを合わせて、それから、多くの国民の皆さんの御意見、そして法制審議会で大変充実した議論をしていただいて、そういうことを経て、民主党のインデックス、公訴時効を見直そうということを踏まえつつ、今回の法案の取りまとめをさせていただいたところでございます。
 法制審議会でも、民主党の提起をした考え方、それから、これまで前政権のもとでいろいろ御議論をされてきた考え方等を合わせて、それから、いろいろな関係者の皆さんの御意見も聴取をいただいて、そして一定の方向をまとめていただいたということでございます。
 それを尊重しながら今回の法案の取りまとめをさせていただいたということでございますので、全く一顧だにしないなぞということはございません。

○柴山委員
 この問題に関しては、今御指摘のとおり、森英介前法務大臣のもとで法務省内で勉強会が設置されて、早川忠孝前政務官を座長とするワーキンググループで検討が進められてきた、そのとおりであります。
 ただ、その結果として昨年の七月十五日に取りまとめが行われておりますし、また、それに至る過程で中間状況に関する報道もたくさんありました。そして、それを大臣初めインデックス作成に関与されてきた民主党の方々は承知の上で、あえてインデックスにこうしたオプションを示されたわけなんですね。
 だから、当然のことながら、自民党政権下において取りまとめされた案とは、もちろん法制審では民主党さんのインデックスに従うオプションも示されて検討の対象とはなっていたんですけれども、あえてそちらの方を政権公約に伴うインデックスの方には書かれていたわけですから、これは民主党としての明確な意思がその時点であったというように私は解さざるを得ません。にもかかわらず、政権についた段階で、なぜみずからが否定された私たちの案の方に乗りかえたのか、そこのところをぜひお聞きしたいと思います。

○千葉国務大臣
 乗りかえるとか、あるいは全く同じものを採用したということではございません。いずれにしても、公訴時効を見直そうということについては方向性があったわけでございます。
 ただ、どういう形で公訴時効の見直しを行うか。しかも、御承知のとおり、やはり重い犯罪について逃げ得を許したり、あるいは刑罰権の行使を消滅させるというようなことを避けなければいけない。しかし反面、捜査の負担とかあるいは防御権の行使、こういうことにも配慮をしなければならない。その両方の配慮のもとで、幾つかの意見あるいは考え方、そういうものが出されていたものだというふうに思います。
 そういうことを全体としてもう一度精査をして、そして多角的な見地から法制審議会でも議論をいただき、私どもも、みずから出していた考え方あるいは前政権が出されていた考え方、そういうものをもう一度考えてみたところ、今回のような案がやはりそれぞれの考え方、意見を十分に盛り込みつつ納得いただける案であろうということで、このような案にまとめさせていただいたということでございます。

○柴山委員
 長々とした御答弁だったんですが、要は、まとめると、インデックスをつくるときには粗雑な検討しかしていなかった、だけれども、政権をとってからよくよく丁寧に検討したら、やはり自民党で検討された案の方がよかったということで、要するに、マニフェストというものあるいはインデックスというものは粗雑な検討の上でしか出されていなかったということをおっしゃりたかったんですね。確認です。

○千葉国務大臣
 インデックスで提起をされた案も、それからこれまで前政権下で、いろいろ自公で御議論をされてきた案と、それぞれ完璧なものということではないというふうに思っています。そのいろいろな案をもう一度議論をさせていただき、そしてまた専門的な見地やあるいは多くの国民的な意見、こういうものも含めて再度精査をさせていただいた、こういうことでございまして、どの案が粗雑で、あるいはどの案が完璧で、こういうことではない、いいものをできるだけ納得いただけるものにまとめて今回の案に至っているということでございます。

○柴山委員 
 再度申し上げたいんですけれども、民主党のインデックスの案というのは、ずっと検討されていた法制審議会のC—2の案と同じなんですね。要するに、今回採用された案と並べて検討されているオプションの一つだったわけです。それぞれについてしっかりと検討され、そしてその上で昨年七月十五日に取りまとめが行われているわけですね。実際に選挙がなされたのは八月の三十日なわけですから。にもかかわらず、民主党がこのC—2のオプションの方を選択されたということは私は極めて重いというように思いますし、政権につく前は違うことを言って、政権についたら自民党の政策をぱくるというのは、有権者に対して極めて不誠実だと言わざるを得ません。
 ちなみに、大臣は、今度実施される参議院選挙ではマニフェストの大幅修正は行うべきだとお考えなんでしょうか。これは中井大臣にも、お二人にお聞きします。

○千葉国務大臣
 私は、マニフェストは、昨年の政権交代において、これから与えていただいた四年間で実現をしていく、こういうことを掲げさせていただいているものでございますので、そういう意味では、これが今回で極端に変わるというものであってはならないというふうに思っております。

○中井国務大臣
 先ほどもお答えしましたように、マニフェスト自体は四年で実行する、こういうことが大前提であります。今回の参議院選挙では、まだ一年目。御批判はたくさんいただくことは承知をいたしておりますが、私は、大きな修正なしで、マニフェストどおり選挙戦を戦って御評価をいただくべきだと考えています。

○柴山委員
 今の御答弁は議事録にもきちんと残りますので、私も、お二人の御答弁についてはしっかりと記憶のメモリーにたたき込みましたので、この後民主党がどのような形で政権をおつくりになるのか、それを確認した上で今後の国会質疑に臨ませていただくことを御理解賜れればと思っております。
 続きまして、平成十六年の刑訴法改正で、既に時効期間の延長というものはなされておりました。にもかかわらず、今回このような時効延長また撤廃の措置を行った趣旨、これは一体どういうところにあるんでしょうか。

○千葉国務大臣
 平成十六年の改正でございますけれども、これは、凶悪犯罪を中心とする重大犯罪に対して、事案の実態及び軽重に即した適正な対処を可能にすることを目的として、法定刑の重い犯罪について公訴時効の延長という手直しを図ったという内容でございます。すなわち、平成十六年の改正というのは、これから将来、重い犯罪についてきちっと処罰をしていこう、こういう方向性を持って行われたものでございます。
 今回の改正というのは、むしろこれまで生じた犯罪について、処罰の機会を失うような、消滅させるようなことをしない、処罰に対して厳しく対処をしていくということを目的としていると考えていただければというふうに思います。
 この間に、やはり逃げ得を許してはならない、それから、重大犯罪に対して厳しく処罰を求める、こういう国民的な意識やあるいは被害者の皆さんからの大変強い要望、こういうものが出てきていたということも事実でございますし、今申し上げましたような、十六年の改正は、法定刑を厳しくして、それに基づいて公訴時効も延長する、こういう、これから先のこと。そして今回については、もう既に起こっていることについて公訴時効という形で処罰の機会を消滅させるようなことをなくしていこう、こういうところに大きな趣旨があるということで、十六年改正とはいささか趣旨を異にするというふうに考えております。

○柴山委員
 いろいろな背景があったんだろうとは確かに思います。
 今、重罰化に伴う時効期間の延長というようにちょっととられかねない御答弁だったんですが、重罰化とは別に、時効期間そのものの延長も平成十六年改正法では内容としておりましたから、そこはやはり、その十六年改正の刑訴法で時効期間の延長ということがされたことはお認めをいただかなくてはいけないんだろうと思っておりますし、それでは不十分だった、今法務大臣が御指摘になられたように、過去について遡及をしない、また十五年から二十五年というような形の引き上げでは、必ずしも国民感情に沿った形とは十分言えなかったということはあるのかなと思います。
 もう一つ、私がつけ加えさせていただくとすれば、前政権のもとで、被害者に対するさまざまな配慮、被害者救済のための施策というものをこの数年間急速に進めてきたものですから、そういう方々がこれまで声なき声として虐げられてきた部分が表に出てきて、そういう方々の正義の声というものがやはり届く環境になってきたということも非常に大きな要因の一つだったのかなというようにも私は感じております。
 そしてその一方で、弁護士会からは、今回の法改正の結果、被告人に有利なアリバイ証言や情状証言などが得られる可能性が時の経過とともに低下をしてしまって、一方で、中井大臣が先ほど御指摘になったDNA鑑定などの客観証拠、これが偏重されるのではないかというような指摘をする声があるんですけれども、これについてはどのようにお答えになられますでしょうか。

○加藤副大臣
 柴山先生に御答弁申し上げるというのはもう釈迦に説法で、十分御理解の上での御質問だと思いますが、事案が発生してから長時間経過をしたことによって証拠が散逸をして、今おっしゃられたように、被告側が防御上不利になるのではないか、困難になるのではないか、こういう御指摘があることは私どもも承知をしておりますし、その可能性が一〇〇%全くないんだというところまではなかなか申し上げにくいだろうというふうにも思います。
 ただ、刑事訴訟の手続におきましては、御案内のとおり、検察官が挙証責任を負っているわけでございまして、犯罪の構成要件はもとより、違法性の阻却事由及び責任阻却事由のすべてについて、合理的な疑いを超える程度の立証をしなければならないということでありますから、あくまでも一般論でありますけれども、時間の経過によって証拠が散逸したといたしますと、被告の方だけに不利に働くということにはならずに、それを立証する検察官の方も難易度が高くなる、また、ある意味ではそちらが不利になるということも当然あり得るだろうというふうに思います。
 実際、刑事訴訟におきましては、もうこれも釈迦に説法でありますけれども、被告人の人権を保障して適正な裁判を行うというための仕組みもあるわけでございまして、検察官の挙証責任だけではなくて、証拠裁判主義、自由心証主義、自白法則、伝聞法則など、さまざまな制度も整えられておりますから、こういう仕組みが正しく機能する限りにおきましては刑事裁判も当然適正に行われる、疑わしきは被告人の利益にという原則で適正に行われるものというふうに理解をいたしております。
 多少付言をさせていただきますと、公訴時効の廃止、延長によって、その立証上、例えば証人の方が亡くなられるなんというケースも当然起こり得ると思いますから、それが有利、不利だということにつながらないように、不均衡にならないようにするという観点からも、客観証拠についてはやはり適正に保管をされてくるということは極めて重要だというふうに思ってございます。
 これは、きょう中井大臣お見えでございますから、本来なら国家公安委員長からお話しいただいた方がいいのかと思いますが、とりわけ、昨今注目を集めておりますDNA型鑑定試料の適正保管などについては、これまでもさまざまな取り組みをされておりますけれども、さらにより一層、今回の法改正に合わせまして、適正を確保していかなければいけないというふうに考えているところであります。

○柴山委員
 それでは、加藤副大臣の御指摘ですので、中井大臣の方にお伺いいたします。
 この法改正に伴う特に警察捜査の現場への影響、これがやはり非常に懸念されるわけでして、今のそのDNA等の客観証拠についてももちろんですけれども、先ほども御質問があったような、凶悪事件についての捜査体制ですね。例えば、捜査本部の解散時期、こういうようなこともやはり影響が出てくると思うんですね。単純な発想ですけれども、当然、時効が長引けばその分対象となる事件もふえてくるわけですから、そういうことに対して、人員等の確保また配置、そういうことが適正にできてくるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
 またあわせて、法務省についても、捜査担当官庁の一環として、同じ質問をさせていただきたいと思います。

○中井国務大臣
 御承知だと思いますが、捜査本部は犯人検挙をしない限り解散することはありません。しかし、時効廃止に伴いまして、それでは人員配置をどういうふうにするのか、あるいは、今でしたら、時効五年前あるいは一年前、もう一度事件を見直そうじゃないか、こういうことでやっている本部も多いわけでございますが、今度は時効がなくなったらいつどの時点で見直しをやるのか、こういったことについても、法案成立後、改めて捜査本部体制のあり方といったものについて十分な対応をとっていかなければならない、このように考えています。
 なお、この機会に付言をさせていただければ、過般、海外でマスコミの方が騒動に巻き込まれて亡くなるという悲惨な事件がございました。この事件も、御遺体が日本に帰りまして、お住まいの警察署に本部を置くというので、僕は、それは違うだろう、こういう事件がこれから起こったときに、海外と連携をとるという意味ではそれは警視庁だろうということで、今回は警視庁に捜査本部を置く、そして、地元の署にも御遺族に十分対応できる体制もつくる、こういう新しい方向を打ち出したところでございます。
 これから、法案が成立後、時効がなくなるという事件を中心に、どういうふうに捜査本部体制をつくっていくか、そして、どのぐらいの期間本当に頑張り抜くか、こういったことを含めて体制をつくっていきたいと考えています。

○加藤副大臣
 警察での取り組みについては、今、中井大臣から御説明のあったとおりでございますけれども、今回の法改正で対象としておりますような凶悪重大事件につきましては、今の中井大臣の御発言にもございましたとおり、捜査の初期段階からの取り組みが非常に重要でございまして、検察当局といたしましても、その初期段階から警察との緊密な連携を図りまして、適正な捜査を進めていかなければならないというふうに考えてございます。
 そのために、検察といたしましては、今月最初でありますが、本年の四月一日付で、殺人などの凶悪重大事件のうち、警視総監または各道府県警察本部長が捜査本部を設置した事件などに関する事項を担当いたします本部係検事というのを全検察庁に配置することにいたしました。この本部係検事が捜査の初期段階から警察と緊密に連携をとりまして、捜査状況等を正確に把握するとともに、犯人が絞り込まれていくその過程も吟味をいたしまして、犯人の特定やその後の捜査に遺漏なきよう対応していくということを目指しているところでございます。

○柴山委員
 ぜひ積極的なお取り組みをお願いいたします。
 続きまして、先ほど来質問が出ていることでありますけれども、今回、時効期間の延長、廃止を、法施行時に既に実行されている犯罪についても遡及して行っていくということになっております。最初の質問は、繰り返しになりますので短く御答弁をいただきたいんですが、憲法三十九条、事後法禁止との関係での問題点ということについて、ぜひ御説明をいただきたいと思います。

○千葉国務大臣
 今回の、時効が進行中のものについて公訴時効、法改正を適用するということについては、憲法三十九条というのは、実行のときに適法だった行為を後から処罰するとか、あるいは刑罰を後から重くするということをこの三十九条が禁止することの趣旨であろうというふうに思いますので、進行しているということについては、この三十九条には違反をするものではないということで今回の改正をさせていただくということでございます。

○柴山委員
 それでは、先ほど稲田委員も御質問されていましたけれども、憲法三十九条の枠外に今回の法律があるということであれば、なぜ時効完成前の事件のみを対象として遡及することとしているのか。これは、理論上、かなり不徹底ではないかという指摘があり得ると思うんですが、いかがでしょうか。

○千葉国務大臣
 御指摘の点については、法制審議会でもかなり御議論があったところであるというふうに聞いているところでございます。
 この憲法議論について私が結論を出すなぞということにはなかなかできませんけれども、法制審の中でも、一たん公訴時効が完成したものということについて改めて改正を、時効がまた進行するというようなことになりますとこれは三十九条に違反をすることになるのではないか、こういう考え方もあるというふうに指摘をされています。ただ、かといって、そうではない、三十九条に違反しないという、そういう考え方も学説上はあるということです。
 ただ、法制審議会では、今回は立法政策上ここまで改正に盛り込むべきではないということが一致した取りまとめであったというふうに私も受けとめておりますので、明確に三十九条には違反しないだろうという御意見が多数であるものと、やはり三十九条に違反するのではないか、こういう危惧がかなり強く出されているものとは、やはり取り扱いにおいて差異を設けるというのは私は必要なことだろうというふうに思っております。

○柴山委員
 ごめんなさい、ちょっと私はまだよくわからなくて。
 加藤副大臣がさっき御答弁されていたんですけれども、時効が完成をしたということで、その後の犯人の社会的な地位ですとか、あるいはそのいろいろな期待というようなことをおっしゃっていましたけれども、まず、ちょっとわからなかったのは、もう少しで逃げおおせるんだという犯人の期待は一切保護しなくていいというふうにして、ああ、逃げおおせたなという犯人の期待は保護するということが、本当にその均衡上妥当なのか。
 それからまた、社会上の地位が変わるというふうに言われましたけれども、時効完成前の犯人の社会生活と時効完成後の犯人の社会生活というのは、そんなに変わるものなんですかね。しかも、これは、法施行が一日、二日ずれれば、要するに、それで対象となる犯人の範囲も変わってくるわけですね。
 そういうことも考えると、遺族間の公平ということについても、ちょっと私はなかなか腑に落ちない部分も残るんですけれども、これについて再度御答弁いただきたいと思います。

○加藤副大臣
 施行の日によってそこで差が生じてしまうというのは確かに起こり得ることでございまして、これは、この法律に限らず、どんな法案でも残念ながら発生する事案であります。
 今まで公訴時効が定められていたものを今回法改正によって一部廃止をしようということでございますから、その施行前後だけ見比べれば、どうしてその数日でこんなに違うんだということは確かに起こり得ることだとは思いますけれども、社会全体の大きな変化ということでいえば、十分に御納得いただける方向への改正だというふうには思ってございます。
 先ほどの御指摘でありますけれども、一度過去に公訴時効が完成をしていて、いわば国家として刑罰を与えない、刑罰権を行使できなくなったという事案について、つまり、犯人からすれば、もう一たん処罰を逃れたということが確定をしたものについて改めて事後的に処罰することに変更するんだということになりますと、先ほど稲田先生の御質問にもお答えしたとおり、憲法三十九条の問題ではさまざま両論の御意見があったことは承知はしておりますけれども、いわば一たん適法となった行為を後々さかのぼって処罰するに等しいではないかという指摘もあるところでありますし、また、法制審議会などでの議論でも、憲法がどうかということとは別に、判断として、それはとるべきではないのではないかということについては大多数の御意見だったというふうに聞いているところでありまして、これは三十九条云々ということではなく、判断として、それは相当ではないというふうに考えたところであります。

○柴山委員
 また別の質疑者からもこの点については質問があるかと思いますので、とりあえず、次の論点に移らせていただきます。
 今回の時効期間の延長によって、強盗殺人罪と強姦致死罪、この二つの構成要件の間でどのような違いが生じてくるんでしょうか。

○千葉国務大臣
 今回の法改正で公訴時効を廃止する犯罪というのは、刑事責任の追及に期限を設けず、事案の真相をできる限り明らかにすることが強く要請されるほどの当罰性を備えた犯罪とすべきだということで、人を死亡させた犯罪のうちでも最も悪質であり最も刑も重い、故意に人を殺害した殺人等を中心とした死刑に当たる罪に限るという形になっているところでございます。
 強姦致死罪については、確かに私も大変凶悪重大な犯罪だというふうに思います。ただ、法定刑として死刑が定められておりませんで、殺人罪や強盗殺人罪とは法定刑を異にしているということで、やはり公訴時効については一定の明確な基準に基づいて制度設計をしなければいけないということになりますが、今回は、人を死亡させ、それから死刑に当たる罪だということをもって定めさせていただいておりますので、強姦致死罪については、重大ではございますけれども、今回の公訴時効の廃止というところには該当しないということになるわけでございます。

○柴山委員
 今大臣が御指摘のとおり、強姦致死という犯罪は、やはり非常に憎むべき、犯情の重い構成要件だと思います。にもかかわらず、今大臣が御答弁のとおり、強盗殺人については死刑という法定刑が定められているのに対して、強姦致死については死刑というものが入っていないということであります。
 そもそも論ですけれども、なぜこの二つの構成要件にこのような法定刑の差ができているんでしょうか。

○千葉国務大臣
 これはもう委員御承知のところであろうというふうに思います。
 強盗殺人といいますか、強盗致死という個別類型は、強盗致死と、それから強盗殺人という故意犯も含めて構成をされております。それに対して、強姦致死というのは故意犯を含めていないということになります。
 ただ、例えば、殺意を持って強姦、そして致死の結果が起こったということになりますと、これも御承知のとおり、観念的競合という形で殺人罪も適用になりますので、そういうケースであれば、これは公訴時効廃止の適用があるということになろうというふうに思っております。

○柴山委員
 それでは、大臣、今の御指摘のとおり、強盗殺人、刑法第二百四十条については、人を殺すことについて、それを予期していた、認識、認容していた、故意があった場合と、それがなかった場合と、二つの類型があるということでありまして、そのとおりだと思うんですけれども、それでは、そういった死の結果についての認識、認容がないときの強盗致死、この場合についての公訴時効というのはどうなるんでしょうか。

○千葉国務大臣
 まず、法定刑を定める場合に考慮すべき要素としては、違法性の程度や責任の重さ等が法定刑を定めるに当たって一定の基準とされるものだというふうに思います。公訴時効期間を定めるに当たって、考慮すべき要素に影響を与える法定刑を基準として公訴時効期間を定めるということが、そういう意味では合理的なことではないかというふうに思っております。
 生命という究極の法益を犯したという、取り返しのつかない形で奪うものであるという特殊性にかんがみて、人を死亡させた犯罪について特別の取り扱いをするとしても、人を死亡させた犯罪の中で公訴時効の取り扱いを定めるに当たっては、法定刑に応じた取り扱いをすることがやはり適当であろうというふうに思います。
 現行法上だと、強盗致死罪の法定刑には死刑が含まれ、強姦致死罪の法定刑には死刑が含まれていないということになります。これは多分、この法定刑の中に、違法性それから責任の重さということが、ある意味では評価をされているということになりますので、これに基づいて公訴時効についても取り扱いに差が生ずるということになるというふうに理解をいたしているところでございます。

○柴山委員
 そもそも問題意識としては、今、強盗についてお話ししましたけれども、死の結果について認識、認容をしていなかったにもかかわらず生じてしまったという過失の形態と、あえて人の命を奪うんだということを認識、認容していた故意のある場合とで、同列に扱うべきなのかということなのであります。
 大臣にお伺いしたいのは、基本的な犯罪を犯して、その結果、致死の結果が生じてしまった、それについては、求めていなかったんだけれども、たまたま死の結果にまで至ってしまったという中で、強姦致死罪には死刑というものは選択される余地がないんですけれども、結果的加重犯というように講学上言いますが、そういった犯罪で死刑というものが定められている犯罪というものはどういうものがあって、それで、強姦致死とは一体何が本質的に違うんでしょうか。

○千葉国務大臣
 死刑に当たる罪、すなわち、当該犯罪の法定刑として死刑が定められている犯罪は十九ございます。
 このうち人を死亡させた罪に当たるものは十二ございまして、このうち死亡の結果について故意がない結果的加重犯は、御指摘をいただいた強盗致死のほか、例えば汽車転覆等致死罪、あるいは往来危険による汽車転覆等致死罪、水道毒物等混入致死罪、強盗強姦致死罪、あるいは航空機墜落等致死罪、航空機強取等致死罪などがございます。

○柴山委員
 質問の後段に答えていただきたいんですが、そういった犯罪と死刑の定めのない強姦致死罪とは、一体何が本質的に違うんでしょうか。

○千葉国務大臣
 このようなものと、それから死刑が定められている犯罪、これはやはり、その犯罪の態様において、違法性あるいは責任の重さ、こういうものがそこに盛り込まれて法定刑が定められているものだというふうに思います。

○柴山委員
 もちろん、テロに準ずる行為ということであれば、その行為の危険性ということが一つの大きなファクターになってくると思います。
 また、そもそも強姦致死の場合は、その反抗を抑圧するだけの暴行でなくても、相手が怖がって、要するに、被害に遭ってしまうというところから、その暴行の程度というものがそれほど強くなくても強姦致死罪というものが成立してしまう余地があるということも背景にあるというようにも思います。
 いずれにいたしましても、死の結果について認容していなかったにもかかわらず、その致死の結果が生じてしまったというところに、その時効の廃止というところまで持っていくというのは、一つの検討というものを加える余地があったのかなというようにも思います。
 そしてまた、過失犯についてでありますけれども、過失犯について死刑が選択されるということはないんですけれども、例えば業務上過失致死の類型におきましては、医療崩壊が叫ばれる中で、例えばお医者さんの致死事件の公訴時効を五年から十年に引き上げてしまうと、カルテの保存期間ですとか医師の業務上、心理上の負担に重大な影響を与えてしまうのではないかということが指摘されると思うんですが、この点、いかがでしょうか。

○加藤副大臣
 柴山先生御指摘のとおり、今回の改正案では、業務上過失致死罪の公訴時効期間につきましては、これまでの五年間を十年間に延長するということにいたしております。ただ、この公訴時効期間と医療界におけるカルテ等の保存というのは、必ずしもそこでリンクしているといいますか、一致しているものではございませんで、医師法等によってカルテの保存期間は五年というふうに定められているところであります。
 これはもちろん、カルテそのものが、何か医療過誤が起きた、あるいは起きることを前提にして保存されているというだけの趣旨ではございませんので、医師法等の法令によって作成、保存を義務づけられている書類の保存期間というのは、いわゆるその作成、保存が必要と考えられる趣旨とか、あるいはその文書等の性質等から、十分に検討の上、定められているというふうに思います。
 一方、私どもの今回の御提案の改正案でありますけれども、犯罪の公訴時効期間を定めるに当たりましては、処罰の必要性と法的安定性の調和を図るという公訴時効制度の趣旨に照らして、基本的にはその法定刑によって定められるというのが相当ではないかというふうに考えてございまして、それゆえ、今申し上げたとおり、確かに立証上重要な特定の書類の法定保存期間と公訴期間というものがずれることはあり得ますけれども、それは必ずしも、だからといって時効の長さを左右するということにはならないというふうに思ってございます。
 仮に医療過誤のようなケースで立証をしなきゃいけないということになった場合にも、そのカルテの保存期間内に捜査あるいは差し押さえ、あるいは証拠保全手続などがなされることも当然あり得るわけでございまして、保存期間が過ぎたからといって立証が完全に不可能になるというふうに、必ずしもそうなるとは限らないものというふうに思います。
 一方、医師の萎縮の問題というのが先ほど来指摘をされておりまして、これは私もそうあってはならないといいますか、日本の医療界全体にとって、それが蔓延するということは決してプラスだというふうには思っておりませんが、そもそも、医療技術の進歩に伴って注意義務の内容が変化をしていくというのは当然の可能性としてあるわけでございまして、過失の認定基準にその変化が影響を及ぼすんじゃないかということが心配をされているというのはよく聞く話であります。
 ただ、注意義務の基準というのは、あくまでも行為当時の医療水準に照らして判断をされるべきものでありますし、これまでもそのように運用されてきたというふうに考えてございますから、今の段階で、業務上過失致死の公訴時効期間が延びたからといって、それがそっくりそのまま医療行為の萎縮効果を招くというふうには考えてはいないところであります。

○柴山委員
 今おっしゃった過失の認定に必要な注意義務違反ですけれども、副大臣が御指摘のとおり、これはやはり行為時の基準で判断をするということになるんだろうと思います。
 ただ、さはさりながら、DNAのときもそうだったんですけれども、技術が確かに進展をしていくわけですね。そういう中で、行為当時の注意義務を的確に認定して、それに対して違反していたかどうかということを判断するというのはなかなか難しいんじゃないかなというようにも思うんですけれども、もう一度、そこの部分についての配慮ということについてお聞かせいただきたいと思います。

○加藤副大臣
 御指摘のとおり、あくまでも、注意義務の基準というのは、医療行為が行われたその当時の医療水準に照らして判断をされるべきものであるというのはもう本当にそのとおりでございます。また一方で、医療技術の進歩というものが昨今大変スピードアップをしているというのも事実でございまして、それゆえ、先ほど御指摘を申し上げたような不安感といいますか御意見が出ているものと思います。
 ただ、行為当時の医療水準がどの程度のものであったかというのを判断する場合には、医学的に高い識見を有する医師による鑑定なども実施をされると思いますし、また、当該医療分野の論文やあるいは文献資料などにも十分当たった上で立証されるわけでありますから、その立証の過程が余り粗雑になるということはもちろんあってはなりませんし、ないものと確信をいたしております。
 また、刑事事件のみならず民事上でも、病院や医師などに対する金銭賠償等を求める医療過誤訴訟というのが起きておりますけれども、こちらにおいても同様の認定がなされているというふうに承知をいたしております。

○柴山委員
 ぜひしっかりと配慮の行き届いた形での捜査ということをお願いしたいというように思っています。
 そもそも、業務上過失致死という類型の中には、百名を超える死者が出た福知山線の脱線事故のようなケースもあれば、今話をさせていただいている医療過誤、大変社会的に話題を呼んだ福島県大野病院事件のようなケースもあるわけで、こういった多様なケースが同列に扱われるというのがいかにも不合理だというようにも思われるんですが、例えば、これは構成要件を細分化するというようなことはできないんでしょうか。

○加藤副大臣
 簡単に言うと、業務上過失致死罪を小分けにして構成要件を分ける、こういう御意見かと思いますが、それはそれで一つの考え方としてはあり得るのではないだろうかというふうには思いますが、これまでのところ、もう先生もよく御案内のとおり、自動車運転による過失致死傷事犯というものを業務上過失致死傷の中から切り分けて別の構成要件にした、別の犯罪にしたという事例があります。
 そのときのことを振り返ってみますと、そもそも、その切り分けをする前の段階で法定刑や処断刑の上限近くで量刑される事案がふえていた、もう圧倒的に上限に近い判決がずっと続いていたということがございますし、また、国民の皆さんの規範意識としても、いや、これは少し切り分けて別の量刑にした方がいい、あるいは、はっきり言えばもう少し重い刑罰を与えた方がいいんじゃないか、こんないわゆる国民的な意識が広がってきたというような事情があったというふうに認識をいたしてございます。
 先生御指摘のように、例えば福知山線の事故、では、例えば鉄道の事故はどうかとか、飛行機の事故はどうかとか、医療過誤はどうかということが、今申し上げたような国民的な議論が沸き起こってくれば、また当然検討の余地のある話だろうとは思いますけれども、きょう現在で、何か業務上過失致死罪の中からこの部分だけ切り分けた方がいいというのが世論の大勢になっているとまでは言えないというふうに思いますので、今後の検討課題としてはあり得るものというふうに理解をいたしております。

○柴山委員
 もうそろそろ時間がなくなってきたので、あと二つだけお伺いしたいんです。
 さっきも少しお話が出ていましたが、ひき逃げ事件ですね。ひき逃げ事件で人が亡くなった場合の法定刑と公訴時効期間、これは今回の法改正で一体どのようになるんでしょうか。これは今までと逆で、過失形態でも悪質な事例、こういうものについてどうなるんだという声が出ていることから質問させていただきます。

○加藤副大臣
 もちろん、ひき逃げが悪質であることは言うまでもありませんし、私も全く同感でございますけれども、そのひき逃げという部分だけ取り出しますと、いわゆる道路交通法上の救護義務違反ということになりますので、その罪だけで考えれば今回の改正の対象にはならない、人を死亡させた罪ということにはならないというふうに理解をいたしております。
 ただ、これまでの経緯で、御案内のとおり、悪質な交通事犯については、平成十三年に危険運転致死傷罪が創設をされて、平成十六年にはその法定刑の上限が、致傷の場合には十五年以下の懲役に、それから致死罪の場合には二十年以下の懲役にということで引き上げられて、また、先ほど申し上げましたように、平成十九年の刑法の改正で自動車運転過失致死傷罪も創設をされたという経緯がございます。
 今回の御提案を申し上げている改正案で言えば、そのひき逃げの部分、つまり救護義務違反の部分だけ取り出せば法改正の対象にはなってはおりませんけれども、今申し上げたような危険運転致死罪であるとか自動車運転致死罪については公訴期間を延長するということになってございますので、一般的に言うと、その範疇で対応できるものというふうに考えております。

○柴山委員
 では、最後に一言だけお尋ねしたいんですけれども、法務省から出てきたこの関係資料を見ると、人を死亡させた犯罪のうち、主なものの時効完成数というものは、近年、特に殺人を中心として若干ふえる傾向にあるようにも思えるんです。社会の状況の変化ということにも関係してくるんだと思いますけれども、こういった迷宮入りした凶悪事件というものは、単に時効期間を延長、廃止したからといって劇的に解決事件がふえるわけではないと思うんですね。
 そういった場合には、やはり犯人検挙に向けて、これから捜査手法の再検討などを行っていくことが必要になってくるんじゃないかなというように私は思いますので、中井大臣、最後、この点をお伺いして、私の質疑を終わらせていただきます。

○中井国務大臣
 本年から、警視庁におきまして、そういういわゆる迷宮入りと言われるような事案に対して特別班をつくって対応するという試行を開始いたしたところであります。
 また、DNAの鑑定ということに関しましていろいろと言われておりますが、実は、検体そのものが六万しかまだ蓄積されていない。これをやかましく言いまして、今ようやく約八万台に乗った。これではもう全然足りません。ただ、国会の議論等を通じて人権問題もあります。
 だから、いろいろな形でDNA鑑定をして蓄積をさせていただける、こういうところと、その精度を高める、そして保存をする、こういう手法や科学的捜査手法、これらを着実に積み重ねる、こういうことによって、少しでも、一件でも迷宮入りというものをなくしていきたい、このように考えています。

○柴山委員
 終わります。

第174回 国会 内閣委員会

第174回 国会 衆議院 第7号
平成22年4月16日(金)
午前九時三分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、自民党赤澤亮正議員の質問に対する答弁

○赤澤委員
(中略)
 次に、法案の立案プロセスについてもぜひ聞いておきたいんです。
 まず冒頭、今回の法案について仙谷さんに伺います。政務三役が方針を決めたのか、役人が決めたのか、イエス、ノーでお答えください。

○仙谷国務大臣
 先ほどから申し上げておりますように、政務三役で、今回の改正案として出す範囲、そしてその中身を、皆さん方には多分、ポンチ絵と言ったら語弊がございますが、図柄になっていると思いますけれども、あそこに書かれていることは政務三役で、こういうふうにこれでいこうねと、議論の末、そういうふうに確定をしたわけでございます。
 法案整備等々はもちろん事務方の方で、これはこれでいかがでしょうかと次から次に持ってこられて、それを我々も見ながら、ではこれでこういうふうにしましょうというふうに積み上げていった。
 こういうふうに御承知おきいただければありがたいと思います。

○赤澤委員
 今の答弁は、もちろん政務三役だというような言い方じゃなくて、役人と役割分担で仕事をしたということをおっしゃったと思うので、私には割と聞きやすい答弁だったというふうに思います。方針を決めて役割分担でやられたということだと私は理解しましたけれども、違いますか。まあ、そこはいいです。次の質問行きましょう。
 それで、かつて天下り根絶法案の提出者であった泉政務官、政務三役が決めたということであれば、法案制定プロセスにどう関与したのか。天下り根絶法案に盛り込まれていた早期退職勧奨の禁止というのは主張したんですか。それは、主張したとすれば、だれが反対をして結局この規定に入らなかったんですか。その点、お答えいただきたいと思います。

○仙谷国務大臣
 だから、守備範囲を決めたときに、今回の法案については、鳩山内閣の九月二十九日の、天下りあっせんを根絶する、あっせんを伴う退職勧奨は、組織の改廃等に伴い離職をせざるを得ない場合、民間でいえば整理解雇のような場合を除いて禁止をした、まずこれが前提でございます。
 これに引き続きまして、十二月十五日に、総理より、幹部人事の一元化を実現すべく内閣人事局を設置するとともに、官民人材交流センター等を廃止する、再就職等規制違反行為の監視等を行う新たな組織を整備する法案の提出、今回の法案でありますが、御指示をいただいて、この法案を提出した。
 したがって、内閣人事局を初めとする新たな体制のもとで、公務員が天下りをしない、定年まで勤務できる環境を整備するということを次の段階で抜本的に行いますので、今回は早期退職勧奨を禁止するという文言を書かなかったということでございます。

○赤澤委員 
 いろいろ説明していただいたけれども、私は、このような質問は、次のようなことをきちっとやっていただいておけばそもそもしなくて済んだものだと思うんです。
 それは何かというと、立案のプロセスですよ。政務三役のだれがどういう意見を言って、そしてそれが、外部からの意見で、あるいは役所からの事実関係の説明を受けてどう変わっていったのか。その辺のことをきちっと明らかにしながら今議論をされていないから、この辺のことが逆に言えば勘ぐられるわけですよ。何か役人からの御進講で泉政務官がかねてからの主張を変えたんじゃないかとか、そういうことが出てきちゃうのはまさにそこのところですよ。
 なので、私が指摘をしておきたいのは、従来ならば、法案を出す前には、審議会などのオープンな場でかなり議論をしています。公務員改革の分野なら顧問会議といったようなものも開かれていたわけであります。こういう場を全く設けずに、政務三役でブラックボックスの中で政策を決めてしまうから、今みたいな質問が出てくるわけですよ。議論の過程が全くわからない。
 このようなやり方、端的に言えば、政務三役がどれだけ政治主導しているのか国民が外から検証のしようがない、このようなやり方は不適切ではないかと思いますけれども、その点、仙谷さん、いかがですか。

○仙谷国務大臣
 泉健太政務官は、本法案を策定するについての政務三役では全くございませんので、政務三役の一人としてこの法案策定で議論をする立場にはなかった。内閣府の政務官でありますけれども、公務員制度改革担当ではないということをまず前提にしていただきたい、そういうことを前提にしていただきたいと思います。
 鳩山政権におきましては、国民の審判を受けた政治家が国民の視点で政府の運営に名実ともに責任を持つということにいたしておりまして、この法案の策定に当たっても、内閣府政策会議におきまして、四回、副大臣、政務官らが、政務官がみずから説明をして、議員と意見交換を行っておるところでございます。この会議はマスコミにもオープンにし、議論の模様を内閣府のホームページに掲載するなどして、透明性の確保にも気を使っているというところでございます。

○階大臣政務官
 若干補足させてください。
 今、仙谷大臣からは、公務員制度改革の担当で泉政務官は違うというお話でございましたけれども、正確に申しますと、もともと泉健太政務官がいらっしゃったわけですけれども、泉政務官が所管が非常に多種多様でございまして、そういったことも踏まえまして、物理的に対応が難しいだろうということで、二十二年の一月十九日の閣議における内閣総理大臣の発言によって、私がこの担当に加わって以降、私が主に公務員制度改革担当の政務官として働かせていただいているということでございます。

○赤澤委員
 まず、感想を述べれば、大臣が不正確なことを言ったときに補足すると言って間違いを正すというのは、昔は役人がやっていたんだけれども、政治主導のもとで政務官がやっていて、お疲れさまでございます。
 それで、その上で伺いますけれども、泉政務官は担当じゃないんですか。

○仙谷国務大臣
 形式的に、担当者であることを失念いたしておりましたが、今のように、泉政務官も多分、担当、五大臣以上にお仕えになって、あっち行ったりこっち行ったり大変忙しい毎日をされておりますので、階政務官に専従的にこの公務員制度改革の法案策定についての仕事を総理大臣から特命でお願いした、こういうことでございます。

○赤澤委員
 一番熱意を持って取り組んでいた政務官が外されたのが役人の入れ知恵だったかとかいうような言い方はしませんけれども、何かちょっと私は不透明でわからぬものを感じます。ただ、その話はちょっと不毛過ぎるので、この辺にさせていただきたいと思います。
 提出者に一言伺いたいのは、政務三役がブラックボックスの中で法律を立案しているような今のやり方についてどのような感想をお持ちかということを伺っておきたいと思います。

○柴山議員
 赤澤議員にお答えいたします。
 今委員が問題意識を示されたように、そもそも立案のプロセスも、また担当政務三役がだれかも知らずに、国民から見ると、どういう問題点があって、だれが、立案過程でどのように結論を出したのかということが全く見えない、そういう状況だと感じております。
 少なくとも、前政権、自公政権のときには、このような重要な法案を立案するときには、今御指摘のあったようなブラックボックスに陥ることがなるべくないように、国民に見える形で多くの方々の意見を聞いて、取り入れながら行っていくことが当然だったと思います。
 例えば、今回の国家公務員制度改革基本法の立案に至るまでは、公務員制度の総合的な改革に関する懇談会という組織で約半年にわたって計十四回議論をし、そして、その議論の様子を今でも動画でホームページ上で公開をされているということでございます。
 こういった難しい問題は、従来以上に慎重に、時間をかけて、論点を一つ一つ明確にしていく必要があると確信をしております。

○赤澤委員
 政策決定過程をオープンにするということについて、私は本当に、自公連立政権の時代よりも悪化しているということを強く感じるものであります。
 それで、説明責任のところについて、今の話を聞いていて私は感じたので、ちょっとこれはまとめて述べておきます。機会があればまた別の機会にお伺いをしますし、担当が枝野さんだったりするのであれなんですけれども。
 要は、今の政府、国民に対する説明責任を軽んじ過ぎですよ。それは何かといえば、前に仙谷さんがやっていた事業仕分けもそうですけれども、無駄を指摘する方には、もう頻繁に、もう得意げに政治家が出てきますよ。その必要性を説明する方にほとんど政務三役が出てこない、出てこないですよ。国民への説明責任というのは、むしろ予算の必要性を説明する方がでかいんですよ。血税を何に使うのか、これは必要ですという説明は物すごい大事なんですよ。
 私は、事業仕分け、これから枝野さんがやると言っているけれども、政務三役がきちっとその必要性を説明しに、無駄を指摘されたら反論する側に出てこなきゃ、こんなものは政治主導でも何でもない。追及する方だけええ格好をして政治家が出てきて、そして、いざ予算の必要性の説明を求められたらこれは役人任せ、こんなやり方が政治主導なわけがないし、国民への説明責任を全く果たしていませんよ。そのことをきちっとやるのでなければ、事業仕分けなんてものも政治主導の看板からぜひ外してくださいよということを私は強く感じるんです。
 きょうの議論を聞いていても、明らかに自公連立政権の方が政策決定過程をオープンにすることに熱心じゃないですか。その辺については私は猛省を促しておきたいと思います。やっていることが、とにもかくにも、役人をぶざまに見せて自分たちがいい格好をして浮揚しようと、今や事業仕分け頼みじゃないですか。そんなやり方で国民の信頼は得られないんですよ。気づき始めていますよ、二匹目のドジョウはいない。そんなことをやったって、国民は二度はだまされませんね。その辺のことも厳しく申し上げておきたいというふうに思います。

○仙谷国務大臣
 事業仕分けの件について申し上げますと、当然、予算を要求し、そしてその必要性を主張できる政務官も事業仕分けの場に、昨年の事業仕分けでも存在をしておりましたし、その政務三役の中で、我々から見て、これはここまで族議員的になられたら困るなと思うようなことを主張された三役も相当数はいらっしゃったんじゃないかと思います。あながち、赤澤議員が言われるような、一方的に役人をたたいて喜んでいるような話ではなかったということを申し上げておかなければなりません。
 それから、自民党あるいは自公政権の方がずっと透明性が高かったというお話でありますが、何か私的懇談会とか審議会でいろいろやったからよかったというお話でありますが、それをしてオープンとおっしゃるのならば、我々野党から当時見ておりまして、皆さん方の法案が総務会を通るまでは、野党にも国民にとっても、どのような法案ができるのかなんということをオープンにされたことはほとんどないじゃないですか。
 それで、いいですか、いわゆる審議会政治、そして事務局をだれが握り、どのような人を審議会の委員にし、その審議会とか懇談会でどのような文書がつくられて、それを前提にして官僚が法律をつくる。ほとんど、いわば、自民党の政治家の方々はそこで政治判断をどうしたのかなんてことが野党とか国民には全くわからない状況で審議会政治が行われたというのが実態じゃないんでしょうか。

○赤澤委員
 今の二点について申し上げて終わりますけれども、公務員制度改革、今あなたたちが出した法案の方が後退しているんですよ。役人主導だと言ったものより後退したものを出しておいて言うせりふじゃないですよ、今のせりふは。
 そして、事業仕分けについても、あえて申し上げさせてもらえば、だったら、子ども手当とか高校授業料無償化とか、国民のばらまき批判が強いものについて、担当大臣が出てきて説明してくださいよ。何で大臣が逃げるんですか。一番大事な国民への説明責任は大臣が果たすのが当たり前でしょう。そのことを何で果たさないんですか。そのことをやらないでおいて、政治主導の看板なんか絶対守れないですよ。
 そのことを申し上げて、あと加えて、仙谷さん、さっき私が指名していないのに答えたのは一つ貸しにしておきますから、それを申し上げて、私は質問を終わります。
 以上であります。

第174回 国会 内閣委員会【NO.3】

第174回 国会 衆議院 第6号
平成22年4月14日(水)
午前九時四分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、自民党平井たくや議員の質問に対する答弁

○平井委員
 仙谷大臣、どうも、お疲れでございます。
 本会議のときには大分お疲れのようだったですけれども、体調もよくなられたようで、答弁、非常に長くて丁寧な答弁が続いておりますが、国家公務員法に関して言えば、長くて丁寧なのも結構なんですが、はっきり答弁をしていただくということもお願いをさせていただきたいと思います。
 これはちょっと法案とは関係ない話なんですが、ここ数日の新聞を見ておりまして、さすが仙谷大臣だなと思われることが幾つかありました。それは、瀬戸大橋の料金に関する問題です。
 塩崎議員も私もたまたま四国の議員なんですよね。さすがに、やはりいきなり瀬戸大橋が千円から三千円に上がってしまうのは、えっというような声が多数寄せられていて、それで、民主党の多くの議員も、何か十人程度、見直すように申し入れをするというような話もされました。
 これは全然通告していなかったんですけれども、たまたま、私も前にいた国土交通省の副大臣もおられるので、馬淵副大臣は答えられたらで結構ですよ、仙谷大臣の気持ちと私の気持ちは同じだと思いますので、この瀬戸大橋の料金に関しての御発言に関して、今後とも一緒に四国の議員として行動をともにしていただく可能性はあるかどうか、お聞きしたいと思います。

○仙谷国務大臣
 内閣で国務大臣のポストを占めておりますので、国務大臣として発言を求められれば、それは、よくて沈黙を守るしかないかなと思っておるのでありますが、一議員としての発言は、先般から申し上げているとおりであります。
 私自身は、あえて申し上げると、本土から四国に渡ることについては、我々の先輩議員が五十年間も夢のかけ橋一本で議席を守ったというような話もあるくらい、ある種の悲しみとつらさの中で、四国という島でいろいろな事柄に遭いながら、これが橋でつながったらどんなにいいだろうかという願望で暮らしてきたわけですね。
 ところが、そもそも別途料金が設定をされた、十五年前だったか二十年前だったかわかりませんが、そういうところからも私自身はこれは問題があるなと思っておりまして、これはある種の宿願として、本土から我々が、我々にしてみれば帰るということでありますが、この瞬間に別の木戸銭を払わなければ四国へ帰れない、あるいは四国から本土へ上がるときにも別の木戸銭が必要だ、私は、これはあってはならない、そういう仕組みだなというのが考え方でございまして、こういうことをなくするのが宿願です。せっかくここまで整備したわけですから、全国一気通貫で走れるような仕組みでなければならない。
 これはあくまでも個人的な宿願であります。

○平井委員
 国務大臣としては内閣不一致になるようなことは言えないということだと思いますが、街頭演説で、幾ら前原大臣が親しい同志でも、こんなことは許してはならない、四国に来る人がどんどん減るような政策は絶対許さないとおっしゃっています。この言やよしで、私は、やはりこういう議員個人としての立場は常に明確にされるべきだと思います。
 これは答弁しづらいでしょうけれども、もし何か、このような議員個人としての仙谷議員の心意気に副大臣としてお答えすることがありますか。

○馬淵副大臣
 国土交通副大臣としてお答えさせていただきます。
 今回の料金改定、新しい上限制度の料金でございますが、本四の料金のみならずすべての料金体系につきましては広く皆様方の御意見をお聞きしてまいりたいというふうに考えておりますし、また、この二十二年度においては試行ということで進めさせていただきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、しっかりと皆さんの御意見を賜りながら検討させていただきたいというふうに考えております。

○平井委員
 私が副大臣でも同じような答弁をしたと思いますが、これはぜひまたお考えをいただきたいし、きょうおいでの皆さん方にもこういう問題をぜひ認識していただきたかったということでお話をさせていただきました。
 法案の条文に関して、先ほど、中川秀直先生の質問に対して、大臣は、法文の条文はよく知らないとかわからないとか、さっきの総務省設置法の問題等々についてなんですが、あれは、私、横で聞いておりまして、やはりちょっとおかしいなと。
 つまり、どういうことかといいますと、適格性審査と幹部候補者名簿作成を内閣人事局で担うことにしたいのであれば、内閣法で事務を規定した上で、総務省の事務からやはり抜くべきだ。技術的な話で申しわけないんですが、これは何かのミスではないかなと私は思っているんです。そうじゃないとやはりおかしいと思うんですが、この話は法案修正の中で御検討いただける話なのか、そうではないのか、その辺について御意見をいただきたいと思います。

○仙谷国務大臣
 私から言わせれば、中川先生も平井先生もちょっと混同されていらっしゃるのではないか、こういうふうに思います。
 今回の法案で新たな事務として加わる幹部職員の適格性審査、任免協議、それから公募、これは、内閣官房の主任の大臣たる内閣総理大臣及びその委任を受けた内閣官房長官の事務として新たに加わるものであります。これは中央人事行政機関たる内閣総理大臣の所掌する事務ではないため、総務省が補佐することとされている事務にも含まれるものではありません。
 したがって、内閣人事局と総務省の事務に、重複はこの点に限ってはないということでございまして、間違ったわけでも修正が必要なわけでもないと私は考えております。
 以上です。

○平井委員
 ということは、総務省は、適格性審査とか幹部候補者名簿作成等々に関してはやらないということですか。

○仙谷国務大臣
 今回の国家公務員法改正案で規定された適格性審査、それから、例えば公募の手続、任免協議、これについて、総務省が補佐をするという事務には全く含まれません。やりません。

○平井委員
 これは、法文上はやはりおかしいと思うんですね。
 衆法の方もここの方は議論をされたと思うんですね。そしてそこのところを除外したということなんですが、今の我々の議論について、衆法の方、御意見はありますでしょうか。

○柴山議員
 お答えいたします。
 いろいろと理屈を唱えられて、総務省の所掌から外れるというようなことを御答弁されましたけれども、やはり、条文を一読してその点が明確になってこなければいけないというように思っております。午前中、山内議員の方からもお答えをさせていただいたとおり、私どもの議員立法案では、この点をしっかりと明確にするということを主眼として立案をさせていただいております。
 繰り返しになりますが、総務省設置法上の「国家公務員法に規定する中央人事行政機関たる内閣総理大臣の所掌する事務について、内閣総理大臣を補佐すること。」という規定は明確に総務省の所掌事務からは削除しておりまして、内閣法上の内閣人事局の事務として移管することとしております。さらに、内閣人事局は「国家公務員の人事行政に関する事務」を包括的に所掌するということも定めているわけでございます。

○平井委員
 この問題は、やはりどう読んでも、総務省設置法には「内閣総理大臣の所掌する事務について、内閣総理大臣を補佐する」と書いてある以上、総務省も並行して補佐を行わないと、これは総務省の任務を懈怠したことになるんですよ。ですから、ここはやはりどう考えてもちょっと無理筋の説明だと思うんです。これは変えられることを我々はぜひ要望しますが、このことを私は本来きょう質問する予定じゃなかったので、別の質問に移らせていただきたいと思います。
 政治主導の人事というのは大変聞こえはいいんですね。鳩山内閣になられて、もう既に政治主導でいろいろな人事を行っていると思います。新聞報道等々でも私もいろいろ見聞きをしているわけでありますが、まず、そういう状況の中で、仙谷大臣御自身の人事についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年十二月、公務員制度改革事務局の事務局長ら十人を更迭して、人事刷新を行われましたね。これは、仙谷大臣がお決めになって人事を刷新したということでよろしいんですか。

○仙谷国務大臣
 先ほどから申し上げておりますように、形式的には、国家公務員制度改革推進本部事務局は内閣官房の部局ということでございますので、任命権者は官房長官になるんだろうと私は思っております。
 内閣官房長官に、私の方から、この事務局人事を一新してほしいということをお願いいたしまして、一新するについては、ここにこういう方がいらっしゃる、民間からはこういう方においでいただこう、あるいは、この間民間からおいでいただいた方について引き続き残ってもらおう、そういうふうに人事を内閣官房と私の方で詰めまして、現在の事務局人事ができ上がっているというふうに御理解をいただければ結構でございます。

第174回 国会 内閣委員会【NO.2】

第174回 国会 衆議院 第6号
平成22年4月14日(水)
午前九時四分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、自民党橘慶一郎議員の質問に対する答弁

○橘(慶)委員
 それでは、前回の質問に引き続きまして、国家公務員法一部改正案、また衆法提出二法案ということで、順次御質問をさせていただきたいと思います。

(中略)
○橘(慶)委員
 幾つか論点を出していただいたんですが、きょうのところはこの辺にいたしまして、ちょっと先へ進みながら、またいつか時間があれば戻ってくるかもしれませんけれども、きょうは先へ進ませていただきたいと思います。
 基本法の第五条第二項第一号で、「幹部職員を対象とした新たな制度を設けるものとすること。」という一つのそういうプログラム規定がございまして、これを踏まえて、それぞれ提出者の皆さんも政府の方も、今回の案ということになっていったわけでありますが、この規定を踏まえられて、どういう観点で今回の案に至っているかということについて、先にまず提出者の方からお伺いをしたいと思います。

○柴山議員
 橘議員にお答えいたします。
 今、基本法に示していただきました条文の文言なんですけれども、どういう意味を持つものかということに関しては、これは、少なくとも幹部に関しては一般職とは区分をした新制度を設けるべきだというのが、かつて修正協議に直接携わった民主党側の議員の認識であったと理解しております。
 かつて民主党行政改革調査会長だった松本剛明議員は、これまでも本会議場を含め、たびたび申し上げているとおり、昨年二月の衆議院の予算委員会では、政権のニーズにこたえるためにということでは、今までの一般職の基準の延長線では結局骨抜きになる、区分して新たな制度を設けるべき、従来の一般職に置いたままであれば、能力、実績の範囲から逃れることはできないと発言をしていたことからも明らかだと思っております。
 そして、私どもの議員立法案では、まさしく、幹部職員を対象とした新たな、区分された制度として、幹部職という制度を設けて、一般職といわゆる政治任用職の中間的な制度を設けることとしたわけです。具体的に言えば、中間的というのは、第一に、能力・業績評価は客観的に厳密に行うということです。
 先ほど大島副大臣の方から、ちょっと、なかなかよくわからない御答弁をいただいておりまして、また、政府側からも、標準職務遂行能力に基づく評価が余り現実的にできないですとか、キャリアだったら全員幹部の適格性を満たすといったような評価がなされていますけれども、そんなことを言えば、やはり、橘議員がさっき御質問になられた、人事の客観性というものをどう担保するかということが非常に、よくわからなくなってしまうわけです。
 ですので、今申し上げたように、能力・業績評価というのは、能力にせよ業績にせよ、しっかりと、客観的に厳密に行っていくということであります。
 そして、第二に、その一方で、そうした評価を基礎としつつ、内閣との一体性の確保にも配慮した人事管理を行うということなんです。
 つまり、これはどういうことかといえば、行政目的に応じて、その能力、業績の枠を乗り越えた人事を行う。当然、その行政目的に応じた正当性というものが、そういった乗り越えた人事を行うために求められてくるわけなんですけれども、そういうことを正面から私たちは受けとめた形で抜てきあるいは降格ということを行っていくために、そういった特別の仕組みをつくっていく、そういうことでございます。

○橘(慶)委員
 同じ質問になりますが、内閣提案の方は、この制度、プログラム規定に対して、どのような観点で臨んでおられますか。

○階大臣政務官
 お答えいたします。
 これは、先ほど来、何度も申し上げておりますけれども、私どもの幹部職員を対象とした新たな制度というものは、縦割り行政の弊害を排除するということと、複雑多様化する行政課題に迅速かつ的確に対応するということが主眼にあります。
 そういった中で、幹部職員人事の一元管理の仕組みと、事務次官、局長、部長、各級の官職について同一の職制上の段階に属するとみなして、この間では自由自在に異動できる、こういう仕組みにしているわけでございます。私どもの制度は、まさに斜め異動もできますし、将棋でいうと、金とか銀とかのように一個ずつこまが進むわけじゃなくて、角とか飛車のように二つ進んだりとかできる、そういうイメージでございます。
 それから、私どもの幹部職員を対象とする制度というのは、これで終わりということではございません。附則の方に規定も設けてございますけれども、議院内閣制のもとで国家公務員がその役割をより適切に果たす体制を整備する観点から、事務次官その他の幹部職員の位置づけ及び役割について引き続き検討していくものでございます。

第174回 国会 内閣委員会【NO.1】

第174回 国会 衆議院 第6号
平成22年4月14日(水)
午前九時四分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、自民党小泉進次郎議員の質問に対する答弁

○小泉(進)委員
 自由民主党の小泉進次郎です。

(中略)
○小泉(進)委員
(中略)
 私は、この地方移管という言葉だけじゃなくて、まだまだわからない言葉があるんです。それは私の知識不足もありますが、大臣がよくお使いになる言葉で、横異動という言葉があります。横異動というのは、早期勧奨退職が一つの横異動だと大臣は答弁でおっしゃっております。横異動という言葉が私にはわからないんです。横異動は何を意味するのか、教えてください。

○仙谷国務大臣
 この数年、自民党、公明党政権下でも行われた横異動の最も大きなものは、多分、農林水産省の食糧庁職員を税務署の職員に移した、税務大学校での研修を間に挟んで、そういう職種転換、配置転換が行われたということが、つまり霞が関内部のというか、国家公務員内部での横異動の典型的な事例だったと思います。
 そういうのも横異動だし、官民人材交流ということで、民間からも霞が関に入っていただくけれども、こちらからも民間のところに出向するというのも横異動でしょう。あるいは、退職をお願いして、勧奨して、それに応じていただける方、こういう方に動いていただくのも横異動の一つだと思います。
 さまざまな手法があるわけでありますが、人事というのは、やはり年がら年じゅうくるくるかわっていいというものではありません。これは、公務員がある種のプロフェッショナルとして、行政のプロになっていただかなきゃいけないということもございます。ただ、同じところに長年滞留すると、これはコケが生えたりカビが生えたりするということもございます。
 そして、今、やはり国家公務員制度の中で最大の問題は、同期の入省者が同じように課長までは同時期に昇進していく、これは民間の会社ではあり得ない仕組みですね。果たしてそんなことでいいのかということが、これは労務人事管理の問題というか、ガバナンスの問題としても私は問われていると。そういうことをあわせて、どこまで民間的な、横異動を含めた人事の配置、ガバナンスができるのかということが、これからの霞が関の行政府を担当する政治家に問われているのではないか、あるいは、そういうのが制度化されなければならないというふうに考えているところです。

○小泉(進)委員
 ありがとうございます。
 今の大臣の答弁ですと、横異動の横とは、配置転換、職種転換、民間出向、肩たたき、こういうことになりますが、最後の肩たたきを含めていること自体、民主党が当初から言ってきたことと矛盾しているじゃないですか。これはやめると言っていたんでしょう、早期勧奨退職を。それなのに、あたかも、いつの間にかそれを忘れたかのように、横異動のうちの一つに組み込まれちゃっている。これも私は全然わからないんです。
 ちょっとこの横異動についても、法案提出者の皆さんにもお伺いしたいので、見解を聞かせてください。

○柴山議員
 小泉議員にお答えいたします。
 今御指摘があったように、横異動については、仙谷大臣の見解ですと、ポストの横滑りあるいは民間出向、それから早期勧奨退職、この三つというような御指摘がありました。
 まず、最初のポストのつけかえ、横異動ということは、これはとりもなおさず、給与を維持したままで、例えば局長ポストの人が名誉職ということで移転をするということで、まさに人件費の削減には一切役立たない、そういう話となるかと思います。
 民間への出向、これは、明確な基準を設けた上で行うのであれば、官民人事交流として行う余地があるかなというように思います。
 そして、まさに議員御指摘の早期勧奨退職、これについては、民主党の従来の、これを廃止するという方針と、今の、もしかするとこれもあり得べしという答弁は、全く矛盾していると言うしかありません。
 とりもなおさず、これまでの給与水準を見直さない、だからこそ、結局のところ、役所から出ていってもらわなければいけない。しかも、仙谷大臣は否定していますが、これまでのような人事ピラミッド形システム、これから外れた者はやはり定期的に外に出していく、こういうことの温存の仕組みのために早期勧奨退職というものが使われてきたわけですから、そもそも、この早期勧奨退職という言葉を仙谷大臣の口から聞くことは私は極めて心外だということを、議員立法提出者として申し上げたいと思います。

○小泉(進)委員
 ありがとうございます。私も同感です。
 民主党は、肩たたきはしない、そしてマニフェストの中でも明確に、公務員が定年まで働ける環境をつくる、そういうふうにはっきり書いてあるわけですよ。それなのに、肩たたきは横異動のうちの一つですというのは、横異動という言葉も、国民からしたら全くなじみはありませんよ。それがどういうものを意味するのかイメージもできません。もっと言えば、縦異動か何かもわからないですよ、普通は。それでいきなり横異動と言われて、何となく肩たたきはしないようなイメージを持ちかねない。
 民主党のマニフェストどおり、定年まで働かせる環境をつくること、それが大臣の役割じゃないですか、この国家公務員改正法の本来の趣旨じゃないですか。

○仙谷国務大臣
 私が申し上げておるのは、制度的に定年まで働いていただくためにも横異動が必要だ、こういうことを申し上げているんです。
 つまり、先ほどから申し上げておりますように、時代とともにその部署の事業量は当然減る、あるいは政権がかわる、あるいは内閣がかわって、政策の基本的な、重点的に行うことが変わるとなれば、当然のことながら、今まで大量な事業をやっていた部署が事業量が減ってくる、あるいはなくなるということは予測できるはずじゃないですか。そこに、その部署に張りついた公務員が、いや、事業はないけれども給料だけもらっておるなんということが許されるはずがない。
 一方では、この数十年目立ってきたのは、例えば税関とかそういうところは、これだけの物流と人の流れが変わってきたときに、玄関口で担当する職員が追いつかない、夜寝ないでやっても追いつかないような事態になっている職場だって国家公務員の職場にもあるんですね。
 そうだとすると、これは片一方、すべて分限免職で、自民党さんは分限免職でたたき切るみたいなことを言う方が多いけれども、分限免職の制度で一方で免職をしながら、一方でこっちで新規採用をする、そんなことは民間の会社でもほとんど行われていないんですよ。やはり、ある部署からある部署へ、自分のそもそもの職種とかスキル、それを変えてでも移ったらどうですかというのが民間の会社でも普通じゃないですか。
 そういう横異動が日本の霞が関では縦割りの中でほとんどできなかったから、それをできる仕組みをつくろう、あるいはそういう意識を持とう、こうしない限り、霞が関の改革というのは絶対にできない。何よりも、局益、省益、課益の縦割り構造が公務員制度問題にも一番の問題じゃないですか。そのことをおわかりくださいよ。

○小泉(進)委員
 大臣は縦割りを変えるのがこの改革の主眼だとおっしゃいますが、柴山議員が言ったように、官民の人材交流が進むような民間出向とかだったら、それは国民の理解も得られると思いますよ。
 でも、この横異動のうちの一つの、肩たたき、早期勧奨退職はやめるともともと言っていたんですよ。ですから、あたかも今までそういう縦割りでできなかったから横にやるんですというのは議論のすりかえですよ。もし横異動の中の一つに肩たたきを含めるのであれば、それは、今まで民主党が言っていた肩たたきはやりませんということはやめます、これはやりながら定年退職まで国家公務員が働ける環境をつくるんですと言い直して、国民に説明してくださいよ。でなかったら、横異動という言葉を使われたって、国民は決して理解できないですよ。

○仙谷国務大臣
 私どもは、再就職あっせんを伴う早期退職勧奨はやらない、こう申し上げてきたんです。これは今でもはっきりしています。それ以上でもそれ以下でもない。つまり、反対側からいいますと、自公政権下で行われている退職勧奨は、むしろ天下り、再就職先を提示しての早期退職勧奨ですね、つまりセットですね、こういう話です。
 私どもは、そういうセットになった退職勧奨をやって、それがうまくいって、ポストをあけて、次の人がそこへ来れる、このぐるぐる回しは余りよくないですねと。それで国家公務員の人件費が減ったように見えても、どこかに再就職あっせん、特に独法とか政府関連の公益法人に再就職をあっせんして、そこに、交付金の名前なのか、随意契約の名前なのか、あるいは助成金なのか補助金なのか委託費なのかわかりませんけれども、その方の人件費相当分を込めて予算をつけるんだったら、一見人件費が減っているように見えるけれども国民のコストは変わらないじゃないか、こういうことを申し上げてきたんじゃないですか。

○小泉(進)委員
 大臣がそこまで、肩たたきをしないとは言っていない、天下りのあっせんをしないと言っているんだ……(仙谷国務大臣「あっせんつきの」と呼ぶ)あっせんつきの肩たたきはしないと言っている。
 では、天下りの根絶をする、そこまで言っていますが、どうやってその根絶を担保するんですか。
 民主党が出した政府の答弁書、一般職があっせんするのは天下りだけれども、特別職がやるのは天下りじゃないと言っているんじゃないですか。そうしたら、大臣含め政務三役のあっせんによる再就職先のあっせんは天下りじゃないと言っているんですよ。でも、国民からすれば、それは天下りですよ。そして、かつて野党時代に民主党が言っていたことは、それも含めて天下りと言っていたんですよ。
 もし、天下りを本当に根絶する、そう言うのであれば、どの制度でどのようにそれを担保するのか、はっきりおっしゃってください。

○仙谷国務大臣
 今審議をお願いしてございます再就職等監視・適正化委員会で厳しくチェックをしていく、それと、内閣の閣議決定も踏まえた方針を徹底する、そのことによって、公務員の上から下までの皆さん方に、もうネギカモつきの天下りというのは上から見ても下から見てもやってはいかぬ、こういうことを徹底させていくということであります。

○小泉(進)委員
 横異動、私はこの横異動をなぜ伺いたいかと思ったら、まず言葉自体もわからないし、横というのがどこからどこへの横かがわからなかったんですよ。イメージとしては、縦割りをなくすというのが民主党の公務員改革の一つの柱ですから、最初イメージしたのは、省庁間の横断ですよ。他省庁にもそういう異動ができるということの横異動。
 しかし、さっき大臣が言った一つは、配置転換、つまりポストのつけかえ。実質的な権限はない、そして出世ルートからは外れるけれども、給与は、例えば部長職の方と同じとか、そういうことだとしたら、公務員の総人件費なんて、カットどころか、さらに膨れ上がっていくじゃないですか。それは横異動じゃないんですか。

○仙谷国務大臣
 余り固定的にそういうふうにお考えになるのは全く過ちだと思いますね。
 だって、いいですか、必要なところは必要なんですよ。税務署の職員、税関の職員というのは必要なんですよ。従来の、その他の事業官庁で、もう事業がなくなったような省庁で、まだそこに滞留している、そうするとふえ続けるじゃないですか、そういう人事をやったら。必要なところに必要のない人を横へも異動する、そして、なるべく従来百人でやっていた仕事を五十人、六十人でできるようにする、そういうガバナンスがない限り、人件費なんか減らせませんよ。
 そういうガバナンスを今までだれがやっていたんですかというのがこの国家公務員制度の大問題じゃないかというふうに私は提起しているんですよ。いいですか。(発言する者あり)そういう、甘利さんのおっしゃっているような話じゃないでしょう。

○田中委員長
 やじに答えないでください。

○仙谷国務大臣
 この人事労務管理をする責任者は内閣総理大臣なんだけれども、民間の会社のように、人事労務管理の担当部局と担当の大臣か副大臣かが日本の国はなぜいないのかということを、私はずっと声をからして言っているんですよ。
 つまり、人事労務管理の責任者がいないんですよ、この政府には。だから、各役所へ行って聞いてごらんなさいよ、各役所、各役所で、おたくは人事労務管理の責任者はだれなんだと。最近では、いや、それは事務次官だと言うかもわかりません。今までは少なくとも事務次官じゃなかったですよ。では官房長なのか。いや、うちは官房長じゃない、人事課長だ、うちは秘書課長だと。もうめいめいばらばらですよ、各省庁も。
 それで、政府全体としてはだれが一体全体当事者なんだ、人事労務管理の当事者、責任者はだれなんだ。これ、お答え、だれか教えてほしいんだけれども、まあ形式的には内閣総理大臣、だから官房長官ですねという、この程度の答えしか返ってきませんよ。

○小泉(進)委員
 今の大臣のお話を聞いていると、だったら内閣人事局に総務省、財務省、人事院、こういったところの機能を移管した方がよっぽどわかりやすいじゃないですか。それなのに、今回それをやっていない。自民党、みんなの党案の方はやっている。
 私は、話し合い、修正の余地が十分あるように聞こえるんですけれども、大臣、そういったお考えはありませんか。

○仙谷国務大臣
 抜本的にそれをやらなければ意味がないと思っておりますから、今回は幹部人事の問題だけですから、それをやっていない。あえて、むしろやらない方がいいということでやっていない。
 つまり、幹部人事と、大多数の一般の公務員といいましょうか、もっと言えば職員団体に所属する職員、この方々の勤務条件を果たしてそんなにすぱっと切れるのか切れないのかということが大問題なわけですよ。
 つまり、おっしゃるように、給与改定について書いていないと言うんだけれども、では自民党の案で、一体全体、人事院が今まで行ってきた作業を、一般の職員についての人事院の作業をどうするんですか、どうするんですか。そんなことを、何かミシン目がついているようなことで、ここから先はこれから政令でやるとおっしゃるのか、法律を新たにつくるとおっしゃるのか知りませんけれども、何にも具体的なことを書いていないじゃないですか。単にその権限が人事局に移るということしか書いていないじゃないですか。
 それは、基本的には、労働基本権を付与することによって全体として交渉を通じて、勤務条件については、変換とか、あるいは改善なら改善を行うということが基本にならない限り、全体の公務員の、例えば給与なら給与、あるいは何とか水準なら何とか水準を変える、そういうことにならない、かえって混乱するというふうに私は心配したものだから、あえて書かなかったんです。

○田中委員長
 もう時間です。

○小泉(進)委員
 もう時間だから終わりますが、この国家公務員改革基本法は、共産党以外の、自民党、民主党含めた各党の合意でできたものです。大臣にはその原点をお忘れいただかないように。そして民主党の中からも後藤議員のように、わかりやすく、すぱっと人も減らす、金も減らすでやった方がいいという声もあるんですから、まだまだ話し合いの余地はいっぱいあるんじゃないかなと思います。
 前向きな議論を期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

第174回 国会 内閣委員会

第174回 国会 衆議院 第5号
平成22年4月9日(金)
午前九時二分開議

【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、公明党高木美智代議員の質問に対する答弁

○ 高木(美)委員
 公明党の高木美智代でございます。

(中略)
○ 高木(美)委員 
 それでは、衆法の提出者に、あっせん禁止違反に刑事罰を入れるとされておりますが、そのねらいにつきまして質問をさせていただきます。

○ 柴山議員
 刑事罰新設のねらいについてでございます。
 鳩山内閣発足以降、先ほど少しお話がありましたいわゆる裏下り、すなわち、表向きは、確かに役所はあっせんしていないですとかOBがあっせんしたんだというように言いながら、実は、事実上役所があっせんしているような事例がまだまだ横行しているという認識であります。
 例えば、昨年の十一月、日本損害保険協会副会長のポストに財務省OBの後任として元国税庁の長官が就任をされました。このポストは代々、財務省OBの就任する、先ほど御議論があったいわゆる固定天下りポストでありましたけれども、鳩山内閣はOBのあっせんによるものとして容認をしたわけであります。
 しかし、今後調査があるというように御指摘をいただきましたが、OBのあっせんと言いつつ水面下で役所のあっせんが存在するということは、霞が関ではいわば公然の秘密であります。何となれば、数多くの固定天下りポストに切れ目なく省庁OBが就任し続けるということは、OB個人がばらばらにあっせんをしていたのでは決して起こらないというように私は思っております。霞が関ではよくOB人事という隠語が使われますけれども、要するに、役所が組織的に人事としてポストを割り当てているからこそこういったことが起きるのであろうと思っております。
 したがって、こうした裏下りを根絶する方策としては、やはりあっせん禁止の実効性を高めることが極めて重要であると思っております。現行法では、御案内のとおり、あっせん禁止違反には役所内部の懲戒処分しか科されておりません。また、先日の本会議での仙谷大臣の御答弁にもありましたように、センターがそういった懲戒処分の勧告をするというだけで本当に実効性のある規制というものになっているのかどうかということを私は極めて疑問に思っております。
 その点、我々の法案では、鳩山内閣での裏下りの横行にかんがみ、さらに、国家公務員法百六条の二に倣った二十万円以下の罰金という刑事罰を科すこととした次第であります。
 以上であります。

○高木(美)委員
 今、議場からさまざま声が飛んでおりますが、そうした公務員制度改革、基本法のときも、与野党で力を合わせて天下り根絶のために頑張ろう、そういう流れがございますので、やはりこれは、そういうことをしっかり踏まえて、当委員会も力を合わせて審議をさせていただきたいと私は思っております。
 今、柴山議員からお話ありましたように、やはり官僚OB、表向きはOBの形にしながら裏は役所という、実はこれは、十一月六日、新政権が議運に、天下りの定義、政務三役の法律上の位置づけということで出された書類です。天下りの定義というところですが、もう一度念のために読ませていただきます。
 「「天下り」とは、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいう。したがって、公務員が法令に違反することなく、府省庁にあっせんを受けずに再就職先の地位や職務内容等に照らし適材適所の再就職をすることは、天下りには該当しない。 「渡り」とは、府省庁が」云々とあります。その「府省庁」というところに米印がありまして、「※「府省庁」には、政務三役、官僚OBは含まれない。」実はこういうコメントがあります。
 私は、これは大事なことだなと思っておりまして、やはりOBはここには含まれない、しかも議員も含まれない、また政党関係者がこうしたことをあっせんする場合も含まれない、こういう考え方からいきますと、今柴山議員からお話ありましたように、やはりこの裏下り、ずっとこれは長い間、長妻大臣も以前から、裏下りルートを根絶するために実態調査をすべきだ、こういうことをずっと繰り返して求めていらっしゃいました。私もやはり、新政権になられたのですから、この実態調査はしっかりとやるべきではないかと思います。
 実態調査をしていただいた上で、その上で、これで裏ルートを根絶できる、そのようなめどが立つのであれば、ただいまのような大臣の答弁、そのまま素直に受けとめさせていただきますが、そうでなければ、当然、私は、これは裏に入る、むしろ地下に潜る、この懸念をぬぐい去ることはできません。
 このことを指摘させていただきまして、またさらなる御協議をお願いしたいと思います。

第174回 国会 本会議

第174回 国会 衆議院 第19号
平成22年4月6日(火)
午前九時開議

 【国会公務員法等の一部を改正する法律案・幹部国会公務員法案(議員立法)】の提出者として、公明党高木美智代議員の質問に対する答弁

○高木美智代君
 公明党の高木美智代でございます。

(中略)
 公務員制度改革は、我が国のあり方を根本から見直すものであり、長期にわたる計画性、実効性が求められる極めて重要な課題であります。
 本来、政府は、本法律案を上程する前に、公務員制度改革に関する全体像及びその工程表をまず国民に示すべきであります。そして、パブリックコメントを求めるなど国民的な議論の過程があってしかるべきであります。今回のような場当たり的な改革案では、本当に国民のためになる公務員制度の構築は期待できません。
 さて、次に、自民党、みんなの党共同提案による国家公務員法等の一部を改正する法律案並びに幹部国家公務員法について質問いたします。
 自民党、みんなの党共同提出の改正案についても、残念ながら、天下り根絶には不十分であり、国民の期待に十分こたえる内容とは言えません。
 事務次官の廃止は、いかにも霞ヶ関改革の象徴のように聞こえますが、他方、公務員全体の士気、政策の効率性と専門性の低下が懸念されることに対し、どうお考えなのでしょうか。
 むしろ、ウェストミンスター議会制度諸国では、昨今、幹部職員にマネジメント機能を与え、政策の企画立案への助言、人事や予算などの資源を効果的に管理し、アウトプットを効果的に行うような官僚機構への改革を行っており、こうした取り組みも参考になると考えますが、いかがでしょうか。
 また、幹部職を特別職とし、任用の際は、内閣との一体性の確保にも配慮して行うとしていますが、憲法に規定された公務員の公正性、中性性との整合性をどのようにお考えなのでしょうか。
 以上二点について、答弁を求めます。
 いずれにしろ、国民が注目しているのは、天下りは本当になくなるか、公務員は本当に国民のための仕事に専念してくれるのかであります。
 これらの声にこたえ得る公正で中立な人事行政の仕組みを適切に導入することこそ、今求められている公務員制度改革であると申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)

(中略)

(柴山昌彦君登壇)
○ 柴山昌彦君
 高木議員に対してお答えを申し上げます。
 まず、事務次官についてですが、平井議員の質問に対してお答えしたとおり、従来、実質的な省のトップであった事務次官ポストは、真の政治主導の実現のために廃止するべきものといたしました。
 確かに、公務員の士気を高めること、政策の効率性や専門性を高めること、これらはいずれも重要な課題です。しかし、これらは、事務次官ポストを初め旧来の体制を維持することによって達成されるもではなく、むしろ、優秀な若手や民間人を抜てき登用したり、頑張った人により大きなチャンスが大胆に与えられるような組織をつくることによってこそ達成されると考えます。
 また、例えば英国などにおいて事務次官ポストが存在することは御指摘のとおりです。しかし、御指摘のような、政策立案への助言を行うために、かつて政治サイドに政務次官という役職がある時代からあった事務次官というポストが必ずしも必要とは考えられません。また、人事管理や予算管理、アウトプットを効果的に行うための改革を事務次官が行うべきということも必ずしもないと考えます。御指摘の、政策立案への助言などの役割を的確に果たすための体制は、幹部ポストの再整理を行う中で整備していくこととしております。
 もちろん、外国の制度を参考にすることは、よりよい制度を構築する上で有効な方策の一つですが、より優先されるべきことは、我が国の行政機構において、そもそも事務次官ポストを置くべきかどうかです。
 鳩山内閣が目指すという真の政治主導の実現のためには、実質的な省のトップとして、時に大臣と異なる方向を向いて動くようなポストなど、残しておくべきではなく、廃止するべきと考えます。
 続きまして、幹部職の公正中立性についてお尋ねがありました。
 私たちの議員立法案における幹部職とは、政務秘書官あるいは官房副長官などのいわゆる政治任用職とは異なり、むしろ、一般職と政治任用職の中間形態と位置づけております。
 人事管理は、先ほど来申し上げているとおり、能力・実績主義を基本としつつ、内閣との一体性の確保にも配慮して行うとしています。
 また、任用についても、いわゆる政治任用職のように、だれでも任命してよいわけではなく、しっかりとした適格性審査と候補者名簿作成を経て、その中から、総理、官房長官、大臣が選ぶ仕組みとしております。
 このように、議員立法案は、公平性、中立性との整合性、憲法の定める「公務員は、全体の奉仕者」との規定にも十分に配慮した内容となっていることをご理解いただければと思います。
 以上です。(拍手)

第174回 国会 消費者問題に関する特別委員会

第174回 国会 衆議院 第3号
平成22年3月25日(木曜日)
午前九時開議

○末松委員長
 次に、柴山昌彦君。

○柴山委員 
 自由民主党の柴山昌彦です。
 大臣に、一般論としてお伺いしたいんですけれども、消費者被害などの企業不祥事が発生した場合に当該企業がしなければいけないこと、これは一体何だとお考えですか。

○福島国務大臣
 原因究明をすること、それと、一刻も早く国民に対して啓発、警告、あるいはきちっとした広報を行うことだと思います。

○柴山委員
 刑事手続に任せ切ることない原因の究明、それから消費者への説明、そして、当然のことながら、再発防止ということではないかと思います。私も大臣と全く同じ意見であります。
 ところで、今、与党にそれができているんでしょうか。鳩山総理や小沢幹事長の政治資金問題あるいは北教組の違法献金問題など、国民の大半が原因の究明また国民への説明が不十分と感じています。
 大臣は、率直に言って、今の与党がこうした部分において十分でないとお認めになられますね。いかがですか。

○福島国務大臣
 私は、きょう、大臣として、消費者被害、消費者問題について担当しておりますので、それについては、大いに、日本のさまざまな部門が事実究明それから説明と再発防止をするべきだと考えています。もちろん、政治の世界もそのことは重要であり、説明責任は尽くされるべきだと思っております。

○柴山委員
 今、内閣支持率が急落する中で、連立を組む社民党にも少なからぬ影響が出てくると私は思うんです。このまま大臣が何の手だても講じないということになると、御党にとっても非常に重大な危機となると私は思うんですけれども、ぜひこれから社民党の存在意義を発揮していただきたいと思うんですが、大臣、これから閣内でこうした問題について、何かこうした手だてを講じる、そういうような御意思はありますか。

○福島国務大臣
 これは消費者特別委員会ですので、社民党党首としての発言は差し控えさせていただきます。

○柴山委員
 社民党党首としての活動が閣僚の一員としての活動とリンクしないというようなお話かとも思うんですが、普天間問題ではそういうことは通用しませんので、ぜひ考えを改めていただきたいと思います。
 また、本日発売の週刊新潮に、中井洽国家公安委員長が銀座のホステスにカードキーを持たせて何度も赤坂議員宿舎に出入りをさせているという問題が報道されています。御本人は、何か問題はあるのかと開き直っておられるようですけれども、中井大臣は日本の治安を預かる大臣です。セキュリティーあるいは情報管理の観点から、また、女性閣僚として、福島大臣はこの問題についてどうお考えになりますか。

○福島国務大臣
 申しわけありませんが、私はその件は全く存じ上げておりませんで、新聞の広告で見ただけでありまして、済みません、全く存じ上げておりません。報道の中身も知りませんので、コメントはちょっと今の段階ではできません。

○柴山委員
 ぜひしっかりと中をチェックしていただきたいと思います。鴻池官房副長官は辞職されておりますので。
 きょうは、辻元副大臣にもおいでいただいておりますけれども、辻元副大臣はこの件について、御意見、御感想はありますか。

○辻元副大臣
 私は、今知りましたので何とも言えません。(柴山委員「感想はいかがですか」と呼ぶ)いや、さっぱりわかりません。

○柴山委員
 これだけ昨日から大きく報道されているにもかかわらず知らないというのは、私は問題だと思いますよ。
 さて、きょうは、公正取引委員会のあり方について質問させていただきます。
 この公正取引委員会、昨年九月一日に消費者庁に移管された景品表示法の所轄官庁であったことはもちろん、広い意味で消費者の利益を損なう談合ですとかあるいは不公正取引、こういったものを監視する重要な機関であります。
 実は、民主党の小沢幹事長のおひざ元である岩手県で、九十社を超える大規模な建設業界組織のトラスト・メンバーズ、今はTST親交会というように名前を変えているようですけれども、談合を繰り返していたとして、平成十七年の六月に公正取引委員会から排除勧告を受けています。この件は、異議が申し立てられていて審判が続いていたんですけれども、既に結審して、ことしの一月八日に業者側の直接陳述がなされました。もうそれから二カ月以上がたっています。この事件についての結論、審決は一体どうなっているんですか。

○鵜瀞政府参考人
 岩手県が発注する建築一式工事の入札談合事件につきましては、審判手続を行ってきたところでございますが、三月二十三日付で審決を行ったところでございます。

○柴山委員
 審決を行ったところでありますというんですけれども、それについての対外的なコメント、記者発表はやっているんですか。

○鵜瀞政府参考人
 現在、送達手続中でございまして、本日、新聞発表する予定でございます。

○柴山委員
 本日発表されるということのようでございます。
 なぜ、この問題についてここまで時間がかかったんでしょうか。

○鵜瀞政府参考人
 本件の経緯を申し上げますと、平成十七年六月に勧告をいたしまして、不応諾の会社がございましたので、審判開始決定をいたしまして、十七回審判を行いました。そして、先ほど委員御指摘のとおり、昨年に審決案を送達いたしまして、異議申し立てと直接陳述の申し出がございましたので、一月に直接陳述の聴取をしたところでございます。
 直接陳述の聴取から現在まで二カ月以上かかりましたけれども、これにつきましては、審判記録、異議申し立て書、直接陳述、そして審判官が作成した審決案を公正取引委員会が調査して審決を行うものでございますので、本件につきましては、被審人の数が八十社と多かったこと、それから直接陳述の申し出を行った被審人の数も多かったこと、そして、直接陳述の後、被審人の中で特別清算手続が終了して排除措置を命ずる必要があるとは認められない者が新たに確認できたという事情がございましたことから、結果的に二カ月以上経過したものでございます。

○柴山委員
 ただ、これまでの私の経験からして、ここまで時間がかかる案件というのはそうそうないと思います。この後、ちょっとまた審判手続については質問をさせていただきますけれども、今後、この件についても、岩手県の達増知事の指名停止等の処分がどうなるかなど、大きな関心を持ち続けてまいります。
 お手元にお配りした資料をごらんください。これは、今国会に提出を予定されている公正取引委員会の審判制度の改革に関する図です。
 これまでは、一番左の方にあるとおり、談合などの事案については、今の私からの事例でも問題提起させていただいたように、迅速な処分をしなければいけないということで事後審査型の審判、すなわち、一たん公取が処分を下して、それに不服がある場合に、公正取引委員会が当事者の言い分を聞いた上で審決を下すという制度だったんです。ところが、今度の独占禁止法改正案では、一番右の図にあるように、この審判制度が廃止されるということであります。なぜこのような改正が行われるんでしょうか。

○田村大臣政務官
 お答えいたします。
 今回、独禁法改正法案の提出をさせていただきまして、今御説明いただきましたように、審判制度を廃止するということでございます。
 柴山委員にお配りをいただいたこの資料にも書いてありますように、公正取引委員会が行政処分をして、その行政処分を実際に実施した公正取引委員会がまさに審判制度においては処分の適否を判断するというのはやはり不公平だ、不公正だという批判はもうずっと前からあったことでございまして、例えば民主党におきましては、従来から、かなり前、五年以上前から審判制度を廃止すべきという主張で一致をしていたところでありましたので、今回、この政権におきましても、その意見で法改正をするということでございます。

○柴山委員
 今、田村政務官からお話があったんですけれども、経済界はあくまで処分庁と不服申し立てを判断する審判庁の分離独立をきちんとしろというふうに言っているのであって、従前から専門性があり、迅速性があり、そして柔軟な判断ができる公正取引委員会の審判制度自体を廃止するまでのことはないんじゃないでしょうか。

○田村大臣政務官
 先ほど申し上げたように、民主党におきまして従来からそういう主張をしておりますのは、経済界の意見も参考意見としては聞いた上で総合的に判断をしているわけですけれども、そもそも経済界自体でも、柴山委員が今おっしゃったような御意見の方もあれば、あるいは、やはり廃止をすべきという意見もあったというふうに私も記憶をしているところであります。
 ですから、今回のこの総合的に判断というのもいろいろな要素はございますけれども、例えばヨーロッパやアメリカ、そういったところの制度も基本的にはやはり裁判所に任せるという流れになっておりますので、そういった世界的な流れも見た上で今回決定をしたということです。

○柴山委員
 今、総合的な判断ということをおっしゃったんですけれども、それでは、これまで公取がやってきた審判手続を裁判所に要するにぶち込むということになりますと、東京地裁の通常部、一番右下の絵にかいてあるように、東京地方裁判所も専属管轄になるということなんですけれども、東京地裁の通常部で談合などの経済事案に詳しい裁判官がどれだけいるんですか。

○田村大臣政務官
 東京地方裁判所にそのような問い合わせはそもそもしておりません、何人いるんですかと。
 そもそも、これからまさに東京地方裁判所で体制整備をする、それは法案を通していただいた場合ですね。そうしたら、法案を通していただいた場合に、それから施行までというのは一年六カ月を超えない範囲というふうに定めております。そこは、裁判所、法務省と事前に相談をさせていただいて、まさに体制整備には少なくとも一年六カ月は欲しいという先方の、法務省、裁判所の要望を踏まえて今回法案に盛り込んだものでございますので、その期間では体制整備ができるというふうに裁判所でも考えているということです。

○柴山委員
 今、野党の理事の方からもちょっと失笑が漏れましたけれども、そもそも、こんな重要な改正をするに当たって、地裁の裁判官がどういう体制になっているのかとか、あるいは、これは専門部を設けるわけじゃないですから、通常部の裁判官の勤務実態がどうなっているのか、そういうことを調査しないということ自体、我々としては信じられないですよ。
 裁判所の負担が今どのような実態になっているかということを御存じですか。ことし三月十二日に法務委員会で私は質問したんですけれども、東京地裁民事通常部で裁判官一人当たりの手持ち事件数は実に二百七十件。二年前の二百件に比べて大幅に増加しているんです。(発言する者あり)
 今、辻理事の方からお話があったように、裁判官の人数も、ことしは純増がわずか四十五人、思うようにふえないのに、こうした新しい事件をふやして大丈夫なんですか。

○田村大臣政務官
 まず最初に、先ほど先方に問い合わせをしていないと言ったのは、何人いますかと聞いていないだけでありまして、さらに申し上げるなら、東京地方裁判所に現在何人いるかというのは聞いても意味がないわけです、当然それは、最高裁、高裁、地方裁判所含めて、全体の中で人員をどうするかという話ですから。例えば、体制整備をする、今後どう体制整備をしようというのはまさに裁判所、法務省が考えていることでありますけれども、専門家は東京高裁そして最高裁には当然いらっしゃるわけでありますから、そういった方々の、トータルの体制を含めて考えるということでありますので、現在の東京地方裁判所に何人いるかというのは意味がない、だから聞いていないと申し上げただけであります。
 ですので、そこはともかく、法務省、裁判所としても一年半あればしっかり体制は整えられるということを言っているということでありますし、あと、今、確かに、東京地方裁判所、裁判官一人当たりの負担が大変重いという話は私も聞いておりますけれども、それは、一人一人の件数と今回の件というのは必ずしも、場合によっては東京地方裁判所の例えば人をふやすとか、いろいろな形はあると思いますので、本件が、今柴山委員がおっしゃったことをもって今回適正じゃないというふうには全く考えておりません。

○柴山委員
 今、専門家は高裁にも最高裁にもいるというふうにおっしゃいましたけれども、右下の図にあるように、これは、第一審手続はすべて東京地方裁判所が管轄をするという仕組みなんですね。だから、もし高裁とか最高裁に専門家がいても、第一審手続というのは全部東京地裁に事件が配てんされるわけですよ。だから、その一年六カ月の間にそういった専門官との人事ローテーションが適切に行われて、東京地裁にしっかりとした人材が集中して、そして、そういった人を持ってきたところに迷惑をかけないというようなことまできちんと考えているか。(発言する者あり)
 それから、今、辻理事から裁判官の定員の問題についてお話ありましたけれども、裁判官の定員は急にふえないわけですよ。これから一年六カ月の間にどういう形でトータルの定員がふえるかということについては、私は極めて疑問が大きいと思っています。
 それから、政務官、裁判所の人的体制の問題だけを私は問題にしているんじゃないんです。これが、例えば特許庁や国税庁や証券取引委員会など、さまざまなほかの行政審判を行っているところにどういう影響をもたらすかということをぜひ考えていただきたいんですね。
 例えば、特許の無効審判だって、審判官の任用システムが特許の審査官と同じ人事ローテーションの一環となっていて中立性に問題があるということはかねがねから指摘をされているんですよ。また、国税不服審判所の判断だって、これは有名な論点ですけれども、国税庁長官がこれに介入できるということになっていて、これもやはりおかしいじゃないかというように指摘をされているんです。金融庁の証券取引等監視委員会にも審判制度はあります。
 そういった他の行政庁による準司法手続をどうするかということと整合性を持って、きちんとした検討がされているんですか。

○田村大臣政務官
 いろいろと御指摘をいただきました。
 最初の東京地方裁判所の件に関しましては、ほぼ繰り返しになりますけれども、法務省も裁判所も一年半あれば体制整備はできるというふうに言っているわけです。ですから、私がそれ以上さらに力説する立場にはないわけでありますけれども、法律を通していただいたら、そこはしっかりと、まさに政府全体として体制を整備していくと。
 あわせて、委員は御案内だと思いますけれども、過去におきまして、そもそも、年間六件程度、ただ、一件一件は当然大変重いわけでありますので、委員の御主張というのはそれを踏まえた上であると思いますけれども、いずれにせよ、そこは政府としてしっかりと体制を整備するということであります。
 そして、後段の御質問の件でありますけれども、ほかの行政手続との関係におきましては、もちろん、そこは、今回の審判制度廃止も踏まえて、あるいは踏まえなくても、各省庁で検討をしているというふうに聞いています。
 今回、まさにこの独占禁止法の審判制度だけを廃止したというのは、やはりほかの行政手続と比べても特殊性、重要性、こういうようなものがある、そこは、それは切り離してやるのは十分に意義があるというふうに考えて判断をしております。
 例えば、国税不服審判所につきましても、まさに税制調査会で検討をする素材にはのっているところでありますし、そこは各省庁で今後検討されていくんだろうというふうに考えています。

○柴山委員
 私は、自民党が政権与党だった時代に、この準司法手続やADRと司法プロパーの体制の関係について省庁横断的な検討を進めてきたんです。政権がかわってから、経産省など役所の思惑と、それから縦割り行政に基づくそういう横ぐしのない検討が行われているということは私は甚だ遺憾ですので、ぜひ経済産業委員会でこの問題については徹底した議論をしていただきたいというように思っております。
 続いて、トヨタ車のリコール問題について質問をさせていただきます。
 まず、大臣に伺います。
 今回のリコール問題で、消費者庁と国交省、経産省はうまく連携できて事案の対処に当たれたというようにお思いになりますか。

○福島国務大臣
 トヨタの車の問題については、国内で発生した問題と国外で発生した問題とあるわけですが、トヨタ車のリコール問題に際して、消費者庁において、国土交通省、経済産業省等の関係行政機関との間で事故情報、関連情報の共有、事業者に対するヒアリングや改善要請を共同実施、消費者への情報発信に関する情報の共有などの連携協力を図ったところです。今後とも、消費者事故等の対応に際して、適切に関係行政機関等との連携強化を図ってまいります。
 御存じのとおり、フロアマットやいろいろな点はアメリカで起きたことで、日本の消費者に対する問題で起きた点につきましては、問題が起きたその日にトヨタ社に連絡をし、きちっと説明に来てもらい、各関係省庁と連携をとり、リコールにすぐなった次第です。

○柴山委員
 という御説明なんですけれども、民主党の消費者問題に関する議員政策研究会は、報道によると、消費者庁がトヨタ自動車のリコール問題などで国交省や経済産業省などとの連携がうまくいかなかった例があるなど司令塔としての役割を十分果たせていないということで、重大事故が起きた際に各省庁に報告させる権限を拡充するよう政府に提言をするということが言われているんですね、民主党のことだから御存じないかもしれませんけれども。
 これについて、福島大臣はどういうお考えをお持ちでしょうか。

○福島国務大臣
 消費者問題というのはグローバルで起きますので、今後外国で起きた消費者問題に関してどう消費者庁がやるかは、私は検討事項だと思っております。
 ただ、この問題は、日本で起きた消費者問題について消費者庁がどうするかというスタンスで基本的にはやってきました。アメリカで起きたフロアマットなどについては、現在、国民生活センターにおける商品テストを行っている段階で、起きたことについては、商品テストを行って、結果を待っている状況です。日本においては、今回の報道された件以降につきまして、これについては、その日に行動し、関係省庁と連携をとり、リコールということになった次第であり、今後も事前の連携などはきちっとやっていきたいというふうには思っております。
 ただ、今回、PIO―NETなどにこの情報がきちっと上がっていなかった、要するにブレーキの件で。ですから、消費者庁としては、事態が外部に出る前にどう把握できたか、どう認知できたかという点について課題はありますが、問題が出た以降については、その日に行動し、関係省庁と連携をいたしました。トヨタ社も説明に来られ、最後は社長もきちっと消費者庁に説明に来られるということで対応しました。
 ですから、重大事故が起きたときに機敏に行動し、司令塔、エンジン役として頑張るべく、今回の点ももっと出っ張れたんじゃないかということについてはまた考えつつ、きちっとやっていきたいと思っております。

○柴山委員
 ぜひ検討していただきたいと思います。
 本件については、各省庁の連携の問題について、今福島大臣みずからが少しお触れになったように、国内の問題のみならず海外の問題があったということが私は大変重要だと思っているんです。直嶋大臣や前原大臣はトヨタの対応が遅いというように批判されていましたけれども、各省庁は、今回、大きな問題となった米国トヨタ車の今おっしゃったフロアマットですとかアクセルのふぐあいについて、過剰な米国での反応ですとか、あるいは不当な調査を防ぐための何らかの活動というものは行っていたんでしょうか。国交省及び経産省にお伺いします。

○辻元副大臣
 お答えいたします。
 国交省では、自動車の安全、まず国内での安全を第一義的には担当しています。今回、米国でのトヨタ車のリコール問題は、米国の運輸当局の取り扱うところになっています。ただ、これはそれぞれの主権があって、日本の国内で例えば外国車の何かが起こったとしても日本の基準できちんと国交省が対応する。それは、日本であった事故等ふぐあいについて、その国の運輸当局が、そこが判断するのではなくて、しっかり日本でやらせていただく。そのかわり、米国であったら米国でやるというように、それぞれ国際的にはリコールや自動車等の安全問題は対応するということになっております。
 しかし、今回の場合は、トヨタという日本の会社で、そして広く世界にも進出している会社であるということから、米国の運輸当局からの情報提供をいただいたり、それからトヨタの社長及び関係者に対して報告を求めたり、そして、その対応についてしっかりやっていただくように要請したりということを行ってまいりました。

○近藤大臣政務官
 柴山委員の御質問にお答えいたします。
 まず、基本的な認識として、自動車産業にとって、安全性を含めて品質の高い自動車をつくるということは大事な生命線であります。そうした中で、今回のリコール問題でありますけれども、そもそも、事の本質といいますのは、米国であれ国内であれ、消費者の方々とメーカーの問題であります。
 委員御指摘の、何をもって不当な調査とおっしゃっているのかよくわかりませんが、米国の公聴会において、それぞれ、各出席者の方々が、本件に関するそれぞれの認識に基づいてそれぞれのお立場で御発言をされている、こういうふうに考えております。ですから、この内容について経済産業省ないしは政府としてとやかく言うのは正しいことではないだろう、私はこう考えています。
 一九九〇年代の半ばにあったいわゆる日米構造協議のときとは随分様相が違っておって、当時は、クリントン政権下の中で、ミッキー・カンターUSTR代表が橋本通産大臣に竹刀を向けて、こういう時代でございました。ただ、あれはまさにGGベースの交渉だったわけですけれども、今回はアメリカの消費者の方とメーカーの問題でありますし、当時のようないわゆる日米摩擦という認識は少なくとも我々は持っておりませんので、トヨタにおける真摯な対応を注視しておるということであります。
 いずれにしろ、経済産業省としては、在外外交官を含む外務省、国交省、他省庁と連携をしつつ、大変大きな産業でありますから、注視をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。

○柴山委員
 全く認識が甘いと私は申し上げたいと思います。
 考えてください。オバマ政権とアメリカの議会は、米国ビッグスリーの再建という国益を前面に出してトヨタを追及しているんですよ。そして、それに対して日本はどうか。日本は、ジャパン・ブランドに対する信頼が重大な危機にさらされているのに、アメリカと、今政務レベルの交渉という話がありましたけれども、どう交渉すれば早期に収拾を図れるかですとか、Gレベルで、政府レベルでどういう対処をすればいいかというような発想は全くなかったとしか思えないんです。
 そして、お伺いしたいんですけれども、この問題について、アメリカ三大ネットワークの一つであるABCテレビが二月に、トヨタ車の急加速の原因が電子制御装置の欠陥であるとする専門家の実験の再現番組を放映して、急加速するトヨタ車の映像と同時に、エンジン回転数の急上昇を示すタコメーターの映像を流したんです。ところが、実は、この問題のタコメーターの映像は別の停止中の車のものを編集段階で組み合わせたもので誤った編集だったということをABC自身が認めているんです。こういったやらせ番組に対して、政府は抗議などの対応をしたんですか。

○近藤大臣政務官
 そもそも、米国の報道機関が報道した民間企業に関する内容について政府が抗議をするということが果たして適切かどうかというのは、私は非常に疑問であります。
 もう一点、もう一度御説明を申し上げたいと思うんですが、それは柴山委員の御認識は御認識として承りたいとは思いますけれども、米国トヨタは、米国で生産をし、米国で雇用をし、米国の企業としてもう既に活動をしているわけです。私どもは、米国政府がそうした米国で雇用をし米国で生産をしている企業に対して不当な調査をしているという認識は持っておりません。
 以上でございます。

○柴山委員
 それは別法人だということは当然ですけれども、そういった認識というのは、私は国益の観点から極めて問題だと思うんです。正当な調査、不当かどうかは、もちろん、向こうのことです、内政干渉はするべきではありませんけれども、正当な調査や報道であれば、これはきちんと我々は受けとめるべきですし、現地法人にも受け入れてもらわなくちゃいけないと思いますけれども、そうでなければ、やはり日本の国益を断固として守るという姿勢を政府には持っていただかないといけないと思います。
 どうも、今の与党の皆さんは、野党時代の企業たたきの発想に偏っていて、国益を顧みない、こういった姿勢が極めて濃厚だという問題点を指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

第174回 国会 法務委員会

第174回 国会 衆議院 第4号
平成22年3月12日(金曜日)
午前九時開議

○滝委員長
 次に、柴山昌彦君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 まず、千葉大臣にお伺いします。
 大臣は、法曹人口の拡大についてどのような方針、御意見をお持ちでしょうか。

○千葉国務大臣
 お答えをさせていただきます。
 私は、法曹人口の拡大は基本的には必要だという認識でこの間考えてまいりました。
 委員も御承知のとおり、司法制度改革におきまして、審議会でも、二十一世紀にふさわしい司法制度のあり方ということが幅広く議論をされまして、その中で、これからの社会像といいましょうか、そういうことも踏まえながら、今後は国民生活のさまざまな場面において法曹に対する需要が多様化、高度化するということが予想される、社会の中で法の支配をあまねく実現する前提として、例えば、弁護士の地域的偏在などを是正する、あるいはさまざまな司法にかかわる人、人的基盤を広げていく、こういう必要性が指摘もされてまいりました。
 私は、この改革審議会の意見、こういうものが今の社会の大きな基礎を示しているものではないか、そういう意味で、法曹人口、それに伴って的確に拡大をされていく、あるいはすることが必要であろうという認識に立っているものでございます。

○柴山委員
 なるべく御答弁は簡潔にお願いしたいと思います。
 拡大の方向性というものは間違っていないというような御発言だったかと思います。
 もちろん、今回の法案で取り上げる裁判官の定員をどうするかということは、裁判官とともに仕事をする検事や弁護士の定員をどうするかということに密接にかかわってくるわけです。
 しかしながら、おととい三月十日、異例の再投票で、日本弁護士連合会会長に、法曹人口拡大の政府目標に正面から異論を唱えておられます宇都宮健児弁護士が当選されました。
 弁護士会長の個別人事ということではなくて、法曹人口削減を唱える日弁連会長の誕生ということについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○千葉国務大臣
 私としては、これまでと同様、法曹人口は十分にこれからも増大をさせていく、そういう方向で、当然のことながら、日弁連などの御協力もいただいてまいりたいというふうに思っております。
 今度の会長の御真意といいましょうかお考え方、正式に伺っているものではございません。また、これから日弁連としてどのようなお考え方を全体としてお取りまとめになっていくのか、こういうことも定かではございませんが、できれば、司法制度改革、そして法曹人口、本当にきちっと的確に充実させていくということに後ろ向きになっていただくことがないようには期待をいたしているところでございます。

○柴山委員
 確かに、諸外国に比べて一けた割合が少ないと言われる日本の法曹人口の拡大の必要性は、実はこれは私が生まれる前から指摘をされておりましたし、にもかかわらず、弁護士会などの反対のためにそれがなかなか進んでこなかったのは、やはり、ギルド的な既得権益擁護体質があったという面は否定できないと私は思います。また、それを打ち破るための改革が必要だということも私自身確信はしております。
 しかし、質の低下ということはやはり避けなければいけないと思うんですね。手術が満足にできないお医者さんがお医者さんとして仕事をする、ぞっとするようなお話であります。今、法曹の社会的役割ということを考えた場合に、私はまさしくこういった配慮が必要となってくるんだと思うんですね。
 そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、急速な法曹人口の拡大という中で、さまざまな弊害も指摘されております。政府目標、二〇一〇年までに司法試験の年間合格者数を三千人まで引き上げるというこの目標が見直される可能性はないのでしょうか。もうことし二〇一〇年ですけれども。

○千葉国務大臣
 基本的に、平成二十二年ごろには合格者数三千人程度を目指すという、既に閣議決定をいただきながら進めてきたものを今見直すということは考えておりません。

○柴山委員
 今とおっしゃいましたけれども、これまで私も、与党時代、さまざまなヒアリングをしてきましたし、また法務省の方々にもさまざまな場面で今申し上げたような懸念、さまざまな現在の状況について説明をさせていただいたんです。
 もうことしも三月の十二日ということになりまして、当然のことながら、間もなく司法試験シーズンがめぐってくるわけなんですよ。どうしてこうやって対応が先延ばしになっているのか、どうして率直な検討が行われていないのかということを私は極めて遺憾に考えております。今からでも、できる検討を極力加速して行っていただきまして、文科省等ともしっかりと議論を進めてほしいというように申し上げたいと思います。
 法曹がふえ過ぎでないかという検討の一方では、逆に、その中の裁判官はふえなさ過ぎではないのかという疑問を私は持っております。
 先ほど御指摘があったかとも思うんですけれども、裁判官、こちらは平成二年には人口は二千十七名、そして平成二十一年には二千七百六十名、この間三七%の増加となっているんですね。一方、弁護士は、同じく平成二年には一万四千百七十三名、平成二十一年には二万六千九百五十八名ということで、この間の増加は何と九〇%であります。検事ですら、平成二年千百七十三名、そして平成二十一年には千七百二十三名で、四七%の増加となっていて、裁判官よりは大きな伸び率を示しているわけです。
 こういうデータのもとで、弁護士や検事に比べて余りにも裁判所の体制が不十分じゃないかという指摘が可能かと思うんですけれども、これは裁判所の方にぜひお伺いしたいと思います。
〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕

○戸倉最高裁判所長官代理者
 お答え申し上げます。
 裁判官の人的体制というのは、基本的には、裁判官がどのような負担を負うかということを基準に判断してまいるわけでございますが、そのような負担というものは、委員も御存じのように、直接的には裁判所に提起される事件数や事件の中身といった点がございます。さらに、事件処理がどのように行われているかという点も関連してまいります。さらには、裁判員制度を初めといたしました裁判手続がどのように変わってきたか、どのような効率化が図られてきたかといった点も規定要素となろうかと思います。
 こういったことを踏まえまして、裁判官の増員につきましても、このような事件を適正迅速に処理するために裁判官が足りているかどうかという観点から検討しているところでございます。
 今委員の御指摘の、弁護士あるいは検察官の増加率の比較の点でございますが、これは、弁護士であれば、訴訟事件だけではなくて、予防法務あるいは裁判外の紛争解決など、さまざまな広範な社会的、法的ニーズに的確に対応しておられるという点がございます。また、検察官につきましても、公判だけではありませんで、その前提となる捜査という点にも大きなエネルギーを割いておられるところと承知しております。
 そういったことがございまして、裁判官のこれまでの人員の増加率と弁護士、検察官の増加率とを比較して、裁判所の体制がどうであるかということを御説明申し上げるのは非常に困難であるということは御理解いただければと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、法曹人口の増加は、いずれ、民事事件を中心といたしまして、裁判所に提起される事件の増加につながっていくものと我々は予測しておるところでございまして、こういった点も考慮、念頭に置きながら、国民の裁判所に対するニーズをできる限り的確に把握いたしまして、計画性を持って鋭意必要な人的体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

○柴山委員
 ただ、法曹人口がふえれば、それに伴って、例えばある程度民事事件がふえていくというような相関関係というものはやはり私はあるんじゃないかと思うわけです。法の支配がその分やはり広がっていく、アンダーグラウンドに埋もれていたものが表に出てくるという関係にはあるのかと思いますので、そこはぜひしっかりとした検証をしていただきたいと思います。
 今御説明の中で、裁判官の負担というものが大きなメルクマールだというようなことをおっしゃったと思うんですけれども、それでは、一人当たりの裁判官の手持ち件数について、例えば東京地裁の民事部の通常部についての最近の推移をぜひ聞かせていただきたいと思います。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 お答えいたします。
 今御指摘の東京地方裁判所民事、これは通常部でございますが、これの裁判官一人当たりの手持ち件数、これは平成二十一年度末の数字でございますが、約二百七十件ということになってございます。

○柴山委員
 二百七十件ですよ。ちょっと私は想像を絶する数字だと言わざるを得ません。
 実はこの問題は、私、二年前にも質問したんですね。二年前に同じことを聞いたんですよ、東京地裁民事部の通常部での裁判官一人当たりの手持ち件数は幾らですかと。そのとき何と答えられたかというと、二百件ですよ。この二年間の間でまた飛躍的にふえているわけなんですね。
 私の手元に平成十三年の四月十六日付で、最高裁判所事務総局が出した「裁判所の人的体制の充実について」というペーパーがあります。この中に、今後の目標として、裁判官の手持ち件数を大幅に減らさなければいけない、手持ち件数を現在の百八十件から、四分の三の百三十件から百四十件、こういった形でペースダウンしていくということが必要だというように明記されているんですよ。今おっしゃっていることと全く矛盾しているじゃないですか。どういうことなんですか。
〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕

○戸倉最高裁判所長官代理者
 答え申し上げます。
 最高裁判所が、司法制度改革審議会の過程で、今委員御指摘のような手持ち件数の減少を図るということを申し上げたことにつきましてはそのとおりでございまして、それを踏まえまして、最高裁判所といたしましても、平成十四年以降、計画的な増員を図ってきたわけでございます。
 これに対しまして、当時の御説明におきましても、これはあくまで、事件数がその当時の事件で推移する場合は、その前提であるということを申してきたわけでございますが、その後、特に近年、過払い金事件を中心といたしまして事件が激増したという状況がございまして、その結果、今申し上げたような手持ち件数の増加ということにつながってまいったわけでございます。
 そういう意味で、その増員部分を増加した事件への対応ということに当面振り向けるということになってまいっているわけでございますが、そのような状況にありましても、審理期間等を見ましても、事件処理につきましてはおおむね支障なく行われてきておるところではございます。
 ただ、この意味で、裁判官の負担が非常に大きくなっておりまして、こういった事件処理を維持する上で、やはり裁判官の負担が大きくなっておるということは、我々も間違いのないことだと認識しております。
 そういうことで、裁判所といたしましても、今後とも、事件数あるいは処理状況などを踏まえながら、引き続き、必要な人的体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○柴山委員
 そういう認識がありながら、何で今回こういうものを出してくるんですか、こういう数字のものを。
 判事補採用だって、これだけ修習生がふえているわけですから、それはやはり、さっき言ったように、質の低下というものは避けなければいけませんよ。だけれども、任官希望者の中でしっかりとしたセレクションをかけた上で、そんな、一割弱しか採用しないというようなことは、これは私はノズルを絞り過ぎじゃないかなと思うんですよ。
 はっきり言って、この平成十三年の、今私が紹介した書面の中には確かに十年間で五百人の増員ということが書いてあるんですね。さっきの法務大臣の御答弁と同じじゃないですか。一度決まった方針に要するに波紋を呼びたくないと。担当が変われば、それは時限爆弾の先送りで、自分のところで波風立てたくない、決まったことはそのまま忠実に、事情が変更してもそのままやっていく、そういう役所体質が日本の国をだめにしていくんですよ。
 それから、先ほど稲田委員の方からもちょっと御指摘ありましたけれども、裁判員裁判の導入で、やはり裁判官の忙しさというか払底状況というものはますます大きな問題となってくるんじゃないかというように私も思います。またさらに、事件の専門化、また複雑化によりまして、今、特別部がたくさんできていますね。そういう特別部の充実の要請ということにも私は十分配慮するべきじゃないかというように思っているんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 お答え申し上げます。
 今委員御指摘の裁判員裁判への対応につきましては、平成十七年度から二十一年度までの間、五年間で合計百五十名の増員を行っております。これは、昨年、裁判員制度が施行されまして、その後の状況を見ておりますと、この体制によりまして順調な審理が進んでおるのではないかというふうに考えております。
 ただ、委員も御承知のように、裁判員裁判というのは、今後、否認事件であるとか、さらに複雑困難な事件などの審理が本格化するという状況にございますので、私どもといたしましても、審理の実際の運営がどのようになっていくかということには十分注意を払いながら、その必要な体制の整備という点にも意を払ってまいりたいというふうに考えております。
 また、専門性への対応も裁判所にとっては重要な課題でございまして、これまで専門性への対応ということで、集中部など、あるいは専門部を設けるというようなことをやってまいりました。
 その観点から裁判官の体制を見てみますと、例えば東京地方裁判所の知財専門部、知的財産権専門部がございますが、これは平成九年は一カ部、裁判官八名体制でございましたが、これが平成十年度以降、部の増設と増員を行った結果、現在では四カ部、裁判官十六人体制となっております。また、大阪地方裁判所におきましても同様な措置を行いまして、現在は二カ部、裁判官六人体制となっております。さらに、平成十七年には知的財産高等裁判所を設置したところでございます。
 このような専門事件への対応を行ってきました結果、知的財産権訴訟の審理期間につきましては、地裁第一審で、この十年間でおおむね半分になるといった成果が上がっておるところでございます。

○柴山委員
 確かに、専門部をつくって審理期間が大幅に短縮されるですとか、あるいはその事件解決の適正性というものがより高まるとか、そういうことがあれば、例えば通常部の裁判官を引っ張ってくるということで足りるという判断にも一部は合理的な部分もあるのかもしれませんけれども、ただ、やはり事件数の拡大ということとの絡みで、本当にそれで十分なのかということは常に私は検証していくべきだと思うし、さっき申し上げたことの繰り返しになりますけれども、一度方針を決めたからといって、不都合が生じればしっかりとそれに対応していくということは忘れないでいただきたいというように思っております。
 そしてもう一つ、私が指摘をさせていただきたいのは司法過疎地への対応ということなんですね。弁護士もゼロワン地域の解消ということで、司法支援センター、法テラス、そういった対応をしているわけですけれども、裁判所の方では、支部、支庁の充実、あるいは増設ということについて、どのような対応をされているんでしょうか。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 お答え申し上げます。
 裁判所の使命は適正迅速に事件を審理、判断することでございまして、このことは、都市部であると、あるいは人口の少ない地域であるとを問わないということは言うまでもないというふうに考えております。
 また、裁判所の人的体制の整備におきましても、各地の業務の質、量に見合った体制を整える必要がございまして、裁判所といたしましても、これまで各地の裁判所における事件数の動向等に応じた体制整備に努めてまいっております。この点は支部等の小規模裁判所においても同様でございます。
 こういった点で、各地の裁判所におきますニーズに対応する体制を整備することで、支部などの小規模の裁判所におきましても、おおむね本庁と遜色のない事件処理が行われているものと承知しております。
 裁判所といたしましても、地方を含め、どの地域においても滞りなく事件処理が行われるようにいたしまして、全国的に公平な司法サービスを実現すべく、その体制の整備に努めているところでございます。
 また、さっき、支部の増設という点も御指摘がございましたけれども、支部の増設等を含めました支部の配置ということにつきましては、これは、裁判所へのアクセス、あるいは提供する司法サービスの質等を総合した国民の利便性を確保するという観点から、人口動態、交通事情の変化、あるいは裁判所で取り扱う事件数の動向等を考慮しながら、さらには近時のIT技術の進展等も視野に入れて、これは総合的な利便性の向上という見地から検討する必要性があろうかと認識しております。
 こういった点から、最近の情勢といたしましては、司法制度改革に関連した新たな諸制度が順次実施されまして、これがどのように裁判審理に影響を及ぼしておるか、あるいは市町村合併に伴う地域社会の状況の変化がどうなっておるかという点も我々としては注視しているところでございます。
 今後とも、裁判所といたしましては、地域の住民の方々がよりよい司法サービスを受けることができるよう、裁判所全体の配置のあり方といった観点から検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

○柴山委員
 今おっしゃった人口動態ですとか、あるいはさっき言ったような手持ち事件のデータとか、そういうのはどういう形で検証しているんですか。今、一般論としておっしゃったけれども、例えば個々の地域でそういうことをきちんと検証するというような作業は、裁判所の事務局の方ではやっているんですか。

○戸倉最高裁判所長官代理者
 お答え申し上げます。
 各裁判所のニーズと申し上げますと、やはり具体的に個々の支部、あるいは簡易裁判所に提起された事件数といったことを我々としては一つ大きな手がかりとしているところでございます。
 その際、我々として、そのニーズに十分おこたえしておるかということに関しましては、その各地の裁判所の事件数、あるいは裁判官がどのような処理をしておるかというのは随時把握をして、検討しておるところでございます。
 あと、その処理状況という点では、例えば支部におきます訴訟の平均的な審理期間というものがどうなっておるか、非常におくれてはいないかというようなことも注視しておりまして、この点、審理期間につきましては、全く本庁と遜色のない状況になっておるというふうに把握しておるところでございます。

○柴山委員
 しっかりと検証していただきたいと思います。
 さっき、IT技術の進展というお話ありましたけれども、ITが使える方ばかりではありませんから、特に高齢者をねらったさまざまな悪質な事件等も続発しているわけですから、そういったことにもきちんとした目配り、配慮というものをお願いしたいというように私は思っております。
 こういうところで、法律家あるいは裁判制度が十分機能していないときにどういうふうになるか、御存じですか。政治家が出てくるんですよ、間に、口ききで。私も弁護士時代に、ちょっと固有名詞は挙げられませんけれども、何人かの、複数の政党の方から、やはり政治家介入案件というものがありました。そういうことをやはり少しでもなくしていくということがこれからの社会には求められていくというように思うんです。政治家は政治家としての仕事をする、そして法律家は法律家としての仕事をする、そういう社会の実現のために、ぜひ御尽力を賜れればと思います。
 ただ、今いろいろと逼迫の要因ばかり申し上げましたけれども、今、少しお話があったように、紛争解決の多様性と、弁護士がいろいろな紛争解決の手続に力を発揮しているというような御指摘もありましたけれども、そういうものがどんどん進んでくれば、裁判官だけが紛争解決をするということは恐らくなくなってくるんだと思うんです。
 この委員会でも検討してまいりましたADR手続の充実ですとか、あるいは準司法手続、行政の中で公正性を担保するために司法に準じる手続で審査をするという手続、また仲裁等の手続、さまざまあると思うんですけれども、こういった事柄の拡充ということについて、法務省、大臣、どういう御見解をお持ちなんでしょうか。

○千葉国務大臣
 大変重要な御指摘だというふうに私も受けとめさせていただいております。
 もう既にお触れいただけましたように、司法制度改革の中で、民間ADR、法務省としては認証制度、それを受け持つということで創設されておりますし、仲裁制度の整備、労働審判制度等々、さまざまな紛争解決手続が新しくつくられたということがございます。
 残念ながら、仲裁制度はなかなか日本でまだまだ活用がされにくい、されていないという実情はありますが、民間ADR、こういうものがかなりつくられ、そして機能を発揮しつつあるところでもございます。
 そういう意味では、法務省としても、このような解決手段、とりわけ、認証した民間のADR、これが大いに利用していただけるように、また環境の整備や、あるいは充実のために力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。

○柴山委員
 お願いしたいんですけれども、ただ、けさの新聞なんかを見てみましても、今、独占禁止法の改正の議論の中で、準司法手続である公取の審判制度を廃止して、不服申し立てを裁判所の手続に一本化しようというような法改正を民主党さんの方でされようとしているんですよね。今おっしゃっていることとあべこべじゃないですか。もちろん、いろいろとこれまでの制度に問題点があることは私も承知をしていますけれども、これこそまさしく縦割り行政以外の何物でもないんじゃないですか。
 経産省は経産省で独自の判断をする、法務省は法務省で法務省の独自の判断をして政策立案をする、相互の連携とか、特に準司法手続というのは各省横断で取り組まなければいけない問題なんですよ。行政改革の非常に大きな起爆剤となるとすら私は思っているんです。そういうことの問題点について、質疑時間が終了したということですので、これは消費者特別委員会の方でしっかりと追及させていただきますので、またよろしくお願いいたします。
 以上です。

第174回 国会 法務委員会

第174回 国会 衆議院 第3号
平成22年3月9日(火曜日)
午前九時開議

○滝委員長
 次に、柴山昌彦君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 本日は、まず検察捜査の公正性について伺います。
 民主党石川知裕議員が政治資金規正法上の虚偽記載罪で起訴されたにもかかわらず、小沢幹事長は不起訴となっております。この理由につきまして東京地検はどのように説明しているのか、改めて伺います。事実関係の確認なので、当局に伺います。

○西川政府参考人
 お答えを申し上げます。
 検察当局においては、小沢幹事長について、告発を受け、処分に必要な捜査を遂げた上、嫌疑不十分による不起訴としたものと承知をしております。
 嫌疑不十分のより具体的な理由について申し上げますと、検察当局において、収支報告書の作成、提出義務者でもなく、現にその作成、提出に直接かかわっていない小沢議員を収支報告書虚偽記入等の罪に問うためには、会計責任者らの行為を通じてみずから犯罪を実行する意思を有していたことが必要であるが、同議員にそのような共謀の成立を認定すべき証拠は不十分であると判断したため、嫌疑不十分により不起訴処分としたものと承知をしております。

○柴山委員
 石川元秘書の行為を通じて虚偽記載罪を実行する意思、これが認められなかった、共謀を認定するに足る証拠が不十分だったというようなお答えであったのでしょうか。
 共謀を認定するに足る証拠が不十分というのは、一体どういうことなんでしょうか。小沢氏は、当時の石川秘書が勝手にやったことで自分はあずかり知らないというように主張されているわけですけれども、検察は小沢氏が虚偽記載を知っていたことが証明できなかったわけではないのですか。

○西川政府参考人
 小沢議員に対する嫌疑不十分の具体的理由については先ほど申し上げたとおりでございまして、今の御質問にかかわりましては、小沢幹事長の認識も含めまして、ただいま申し上げた以上の事柄につきましては、現在公判係属処理中の具体的事件の証拠関係にかかわる事柄でありますので、お答えは差し控えさせていただきます。

○柴山委員
 繰り返しますが、小沢氏は、自分はあずかり知らないというように主張しているわけです。ただ、今回、検察側が嫌疑不十分とされたことについては、あくまで当該石川秘書との共謀について立証されていないというにすぎません。
 一月二十一日に私が予算委員会で指摘したように、小沢氏は、自分の積み立ててきた金で世田谷の不動産を買うように石川氏に指示したと一方では言いながら、同じ金額を銀行から借り入れて当該不動産の購入資金とすることを了承して関係書類にサインしていたわけですから、どう考えても、小沢氏自身が前者のみずからの積み立ててきた金が収支報告書に記載されていないことを知っていたとしか思えません。
 検察がもし小沢幹事長が知っていたことが証明できたのであれば、そのようにぜひ指摘をしていただきたいと思います。

○西川政府参考人
 繰り返しになりますが、嫌疑不十分の理由については先ほど申し上げたとおりでございまして、今の小沢幹事長の認識の問題も含めまして、お尋ねの事柄は、現在公判係属中の具体的事件の証拠関係にかかわる事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきます。

○柴山委員
 では、本当に共謀の事実、共犯性は証明できないんでしょうか。
 現在、検察審査会に不起訴不当の申し立てがされていますから、そちらの展開にゆだねますけれども、私からは判例を一つ紹介します。
 これは、暴力団の組長である被告人が、直接みずから指示を下さなくても、ボディーガードが襲撃に備えてけん銃を所持していたということを確定的に認識しながら、これを当然のこととして受容し、ボディーガードも被告人のこうした意思を察知していた以上、意思の連絡があるというように認定し、しかも、被告人がボディーガードを指揮命令する権限を有し、ボディーガードによって守られているという事実があることで、実質的には被告人がけん銃をボディーガードに所持させていたとして、銃刀法違反の共謀共同正犯を認めた事案です。最高裁の平成十五年五月一日の決定であります。
 こうした事例があるにもかかわらず、今回、小沢氏の起訴が見送られた背景として、最高検の伊藤鉄男次長や東京高検の大林宏検事長が消極的であったとか、あるいは、検事総長の人事に与党の介入があるのを恐れたとか取りざたされていますが、そのようなことがあり得るのか、当局に伺います。

○西川政府参考人
 個別事件の捜査機関の具体的活動内容、それからそれに関連する事項については、お答えを差し控えさせていただくしかないわけでございますが、検事総長の任命につきましては、検察庁法十五条一項により、内閣が行う、制度上そのようにされているということでございます。

○柴山委員
 検事総長の任命は内閣がするということを今おっしゃったんですけれども、確かに検察庁法十五条にはそのような規定が書いてありますけれども、例えば、先日、二月二十六日に開催された衆議院の予算第三分科会で、民主党の議員がこんな質問をしているんですよ。検事総長は内閣が任命すると書いてあるが、法務大臣が人事権の一環として自分が選んだ人を内閣に諮るということにはならないのか、また、法務大臣が民間人を検事総長に指名することができるのではないか。これについてはいかがですか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、検事総長の任命につきましては、先ほど申し上げたとおり、検察庁法十五条一項によって、内閣が行うとされているところでございますが、検事総長の適任者について、その任命のための閣議を求めるのは法務大臣、制度上そういうような関係になるということでございます。
 それから、どういう方を検事総長に任命するか、民間人の登用はあり得るかということでございますが、これは検察庁法に規定がございまして、検察庁法十九条で、八年以上二級の検事、判事補、弁護士の職にあった者などを検事総長、次長検事、検事長に任命することができるとされておりまして、いずれにしろ、検事総長、次長検事、検事長には、この法律の定めに従い、その時々でその地位にふさわしい者が任命されるというふうに承知をしております。

○柴山委員
 例えば弁護士ですとかあるいは大学の先生とか、そういう方を検事総長に任命することも理屈の上では可能だということですね。

○西川政府参考人
 委員のおっしゃるとおりでございまして、検察庁法十九条の要件を満たせば可能でございます。

○柴山委員
 では、検察幹部、例えば検事総長あるいは次長検事、各検事長、こういった方に今申し上げたような民間人の登用をした場合に、どのようなことが起きると考えられますか。現に、民主党は、国家公安委員に高木前連合会長を充てています。どうぞお答えください。

○西川政府参考人
 事務当局としては、先ほど申し上げた制度の説明を申し上げるしかないわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、検察庁法十九条の要件を満たし、かつ、先ほど申し上げた手続に従って、その地位にふさわしい適格な者が任命されるというふうに承知をしております。

○柴山委員
 答えになっていないんですよ。時の与党の息がかかった民間人が検事総長になった場合、権力の適正なチェックに支障が生じないか、そういう疑問が当然出てくるじゃありませんか。
 また、先ほど申し上げた二月二十六日に開催された衆議院予算第三分科会、この委員会で、先ほど私が言及した議員はこんな驚くべき質問をされているんですよ。「千葉先生のように、弁護士の経験があって国会議員である方が法務大臣になった。法務大臣と検事総長を兼任することは可能でございますか。」「私は、解釈上、法務大臣と検事総長が兼任することは憲法上も検察庁法上も何ら問題はないというふうに思っているんです。ぜひこれは法務省内で研究されて、」「公式の解釈を書いていただきたいというふうに思います。」
 この発言をお聞きになって、刑事局長、どう思われますか。

○西川政府参考人
 お答えを申し上げます。
 御指摘の分科会において、中島議員より、まず国会議員と検事総長との兼職についてのお尋ねがございました。それについて、私、その場では、憲法上、法律上、除外する規定はないという言葉を申し上げましたけれども、これはやや舌足らずでございまして、憲法、検察庁法には除外する規定はないという趣旨で答弁をいたしましたが、いささか正確性を欠いた嫌いがございますので、この場において正確な表現に改めさせていただきたいというふうに思います。
 その上で、お尋ねに関する法律の定めについてお答えいたしますと、国会法上、議員は、別に法律で定められた場合などを除き、「その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。」とされているため、国会議員が検事総長となるためには法律の定めが必要でございますが、現在、そのような法律の定めはないので、国会議員が検事総長を兼任するためにはこの手当てが必要であるということになるというのが第一点でございます。
 次に、もし法務大臣が民間の方であったら検事総長と兼任することができるのだということになりますが、これは、国会法上の問題ではございません。しかし、他方、検察権は行政権に属するものではありますが、司法権とは密接不可分の関係にある。その独立性と政治的中立性を確保すべきことが要請されるということで、検察庁法十四条は、法務大臣は、「個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」と定めているところでございます。
 ところが、法務大臣が検事総長を兼任した場合を考えますと、検事総長たる法務大臣がすべての検察庁の個々の検察官の具体的事件の捜査や処理について指揮するということができることになります。したがって、さきに述べたような検察庁法の趣旨に反することとなると考えられますので、法務大臣と検事総長の兼任は、本来、法律が予定しているところではないというふうに考えられます。

○柴山委員
 当然です。こんなことを許したら、これまでいろいろと議論をされている法務大臣の指揮権、こんなことを議論しなくても、政治が検察に圧力をかけ放題ということになってしまうんですよ。こういう発想がある、こういう質問をする議員がいる、これは私はスキャンダルに匹敵する大問題と思いますよ。マスメディアはもっと大きく取り上げるべきです。このような発想があること自体、私は、今の与党の極めて危険な体質をあらわしている、そういうふうに言わざるを得ません。検事出身の議員もおられますけれども、私は同じ意見だと思います。
 ところで、東京地検が最高検などと小沢氏の処分について協議をしたとされる二月三日の一部新聞に、朝刊で早々と「小沢氏不起訴の方向」という報道があったんです。何でこういう報道があったんでしょうか。どのような背景によるものなんですか、お答えください。

○西川政府参考人
 個別事件における捜査機関の具体的活動にかかわる事柄については答弁を差し控えさせていただきますが、今の御質問が、あるいは検察当局側から何らかのリークがなされたのではないかという御質問であるとすれば、従来から、捜査上の秘密に検察当局は格別の配慮を払ってきたものと承知をしておりまして、捜査方針や捜査情報を外部に漏らすということはあり得ないというふうに承知をしております。
 報道機関各社は取材活動に基づいてさまざまな情報を各社の判断で記事にしているものと思われますが、各社の判断の根拠は承知しておりませんので、法務当局としてコメントすることはできないところでございます。

○柴山委員
 民主党でも検察情報の漏えいに関するプロジェクトチームが立ち上がったということを仄聞しておりますけれども、今の御答弁にどれだけの方が納得をされるか、私は極めて疑問であります。
 私も実は与党時代に、重要な政策会議が開かれるまさにその日の朝、ああ、こうやって役所側の方針にしっかりと異論を唱えてこようと、喜び勇んでというか、しっかりと決意を固めて会議に臨むわけです。ところが、その朝刊に役所側の方針が、本来一部の政党幹部とか役所の中でしか知らないはずであるにもかかわらず、ばんと新聞に掲載されるという経験を何度もしております。
 これは意図的なリークではないんですか。これは、さまざまな一覧表とかを使って、そういう形でリークをされることがあり得るわけです。いかがですか。(発言する者あり)

○西川政府参考人
 委員の今提起された問題について私は承知しておりませんので、お答えができませんけれども、検察当局に関しましては、先ほど答弁申し上げたとおりということでございます。

○柴山委員
 先ほど後ろの方から、それは自民党の幹部が漏らしているんじゃないかというお話がありましたけれども、例えば、今回の検察捜査のさまざまな情報の漏えいというのは、与党幹部は経由していないんです。にもかかわらず、本当にこういう形で、しかも大変重要な会議が開かれる朝に、その会議に予断を与えかねない非常に重要な情報が出てくるということは極めて問題だと私は思っています。ぜひ、情報管理には注意を徹底してほしいというように思っております。
 いずれにせよ、秘書に当たる者、しかも現職の、現在国会議員の身柄をとって、しかも小沢幹事長の取り調べを二回も長時間にわたって行って、黙秘権の告知を行い、被疑者調書もとりながら、また資金源について再三小沢氏本人の供述がぶれているのに起訴を見送るというのは、私は経験則上、極めてイレギュラーであると感じています。
 さて、政治資金規正法以外にもさまざまな問題点があります。石川議員も小沢幹事長も、不正な、かぎ括弧が必要かと思いますが、不正な資金を受け取ったことは断じてないと言われていますけれども、それでは、なぜ、石川議員が、御自分も認めておられるように、不動産購入の資金源をこのような形で隠し、そして小沢幹事長がそのことに異を唱えなかったのか、納得のいく説明はついぞありません。
 先日の予算委員会で、私は千葉法務大臣にお伺いいたしました。もし公共工事を受注する会社から国会議員が見返りとして寄附を受けた場合、あっせん利得罪などの刑罰に触れる可能性はありますか。覚えておられると思います、いま一度御答弁ください。

○千葉国務大臣
 一般論として、あっせん利得処罰法上の公職者あっせん利得罪というのは、公職にある者が、国もしくは地方公共団体が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんをすることまたはしたことについて、その報酬として財産上の利益を収受したときに成立をする。この要件に当たればあっせん利得罪に該当する、成立をすることになるというふうに思います。

○柴山委員
 今の要件の中で、野党の議員には、公務員に対する影響力を行使する権限は認められないんでしょうか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 これも一般論でございますけれども、あっせん利得処罰法第一条の主体、これは衆議院議員、参議院議員または地方公共団体の議会の議員もしくは長とされております。
 また、同法立法時の国会審議によりますと、同条に言うその権限とは、公職にある者等が法令に基づいて有する権限を行うもので、その例としては、議案発議権であるとか修正動議の提出権あるいは質疑権等もろもろが挙げられております。
 また、その権限に基づく影響力というのは、この権限に直接または間接に由来する影響力、それから、法令に基づく職務権限から生ずる影響力だけではなくて、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力も含むと承知をしております。
 したがって、あっせん利得処罰法は与野党の議員の区別はしておりませんので、一般論として申し上げれば、以上の要件を満たせば、野党の国会議員においても、その権限に基づく影響力が認められる場合はあり得るものと承知をしております。

○柴山委員
 今、大変重要な御答弁をいただいたと承知をいたしました。事実上の職務行為を含め、公務員に対する影響力というものを行使したということが認められれば、野党議員であってもあっせん利得法の処罰の対象となり得るという御答弁だったかと思います。
 私は、数件、事業者の話を耳にしていますが、岩手県では野党であっても小沢氏の影響力は絶大だったと承知をしています。現在公判中の西松建設事件でも、ゼネコン関係者の供述として、小沢事務所の意向で指名を外されたこともあったですとか、小沢事務所の意向には逆らえなかったというものが出てきています。
 こういう事情があったら、さっきおっしゃった影響力を行使する権限というものは認められるんじゃないですか。

○西川政府参考人
 委員御案内のとおり、犯罪の成否それから犯罪の構成要件を充当するかどうかというのは、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断されるべき事項ということでございますので、お答えはできないのでありますけれども、あくまで一般論ということで申し上げれば、このあっせん利得処罰法は議員立法であって、法務当局として立法時の検討資料がないわけでございますけれども、当時の委員会の質疑等を見ておりますと、提案者である議員が、国会議員が、例えば県の職員に対しまして、県の行う公共事業に対する国の補助金は過剰ではないか、所轄の委員会で質問するぞなどと言いながら、特定の業者との間で物品納入契約を締結するように働きかけた場合はそれに該当すると思うという旨の答弁をしたことがあるという、これも承知しております。

○柴山委員
 わかりました。
 では、一般論としてお伺いしますけれども、請託に関する要件として、入札手続における地元企業との公平な取り扱いを求めるといったような比較的弱い内容であっても要件を満たす、同罪成立のための請託の要件を十分満たすという理解でよろしいでしょうか。

○西川政府参考人
 今の御質問の点もやはり証拠によって個々に判断されるべき事柄ということでございますが、これもあくまで一般論ということでございますが、あっせん利得処罰法の請託については、同法立法時の国会審議によりますと、あっせん行為の請託とは、権限を有する公務員に一定の職務行為をさせるように依頼することであるというふうにされております。
 ところで、刑法百九十七条の四のあっせん収賄罪におきましては、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、または相当の行為をさせないようにあっせんすることまたはしたことが要件とされておりますが、あっせん利得処罰法においては、このような職務上の不正行為をさせるとか相当の行為をさせるというのは構成要件になっておりませんので、被あっせん者に正当な行為を行わせた場合でも成立する犯罪であるとされているものと承知をしております。

○柴山委員
 専門用語で言えば枉法性という、要するに法律を曲げる内容であることは要件とされていないという今の御答弁だったかと思います。
 個別の指摘には御答弁をいただけませんでしたけれども、少なくとも、今申し上げたような内容の、つまり、よそから参入をしたい事業者が地元の事業者と同じような形で入札に参加ができるようにしてほしいというような、普通余り内容的に問題がない請託であっても同罪の請託として成立し得るというように私は受けとめました。
 あと、小沢氏のおひざ元で今話題になっている胆沢ダムですけれども、きょう、委員各位のお手元に写真をお配りしているかと思います。この写真を見ておわかりのとおりに、建設予定地にこんな立派な胆沢ダム学習館という施設があるんですよ。
 国交省にお伺いしますけれども、こんな施設はどこのダムでもつくるものなんですか。

○三日月大臣政務官
 お答えいたします。
 これは、国直轄のダム事業は現時点で四十八事業あるんですけれども、そのうち八事業において当該ダムの広報等を行うためのこうした施設を設置させていただいております。

○柴山委員
 こうした広報館、学習館はどういった基準で設けられるんですか。そもそも何のためにつくるんですか。

○三日月大臣政務官
 設置基準は特にありません。
 それぞれのダムが置かれている状況、またその進捗状況等を広く国民の皆様方や一般住民の皆様方にお知らせするため、広報、伝達するために設置させていただいております。

○柴山委員
 国民や一般住民に啓蒙普及というか、啓発宣伝、説明のために設けられるというのであれば、こんな立派な施設は要らないんじゃないですか。
 ほかには用途はないんですか。

○三日月大臣政務官
 済みません、何をもって立派と表現されているのかというのは私は存じ上げませんが、不断に、その事業にしろ、置かれているものにしろ、必要なのか必要でないのかということを検証していくことは必要だと思いますし、前原大臣以下、これまで行ってきた事業についても、人口が減り、そして少子長寿化が進み、財政悪化が進行しているこの機において、前例にとらわれることなく、継続事業であったとしてもそれを見直していこうという方針で、今、事業のさまざまな再検証を行っているところであります。
 今お尋ねの胆沢ダム学習館については、先生も御承知かと思いますが、胆沢ダムの学習館とともに、工事の監督員の詰所と合築させていただいておりまして、半々のスペースを分けながら使用をさせていただいております。

○柴山委員
 工事事務所だったら、ダム建設が終わったら取り壊すということになるんだと思うんですけれども、この学習館というのは、ダム工事が終わったら取り壊すんですか。

○三日月大臣政務官
 これは、旧胆沢町、現奥州市の教育関係者からの御要望にこたえて学習室を併設した施設となっておりまして、その工事が終わった後は、地域住民の皆様方の御要望におこたえする形で、地域の施設として活用される予定だと伺っております。

○柴山委員
 要望があるというふうにおっしゃいますけれども、どれぐらいこれは使われているんですか。
 ホームページを見ますと、この学習館というのは、十二月から四月までは閉鎖しているんですね。要は、やはり、建設工事の受注ということが本当に透明な形で行われたのかということを私は極めて疑問に思っているんです。一体、この学習館の必要性というのはどれだけあったんですか。(発言する者あり)さっき質問したじゃないですか、野党が権限を行使できるということを。どうぞお答えください。

○三日月大臣政務官
 先ほども答弁をいたしましたように、その事業の置かれている状況、進捗状況も含めて、住民の皆様方にお知らせする広報施設としてつくられたもので、地域の実情に応じて、御要望に応じて、教育施設等も併設する形で今活用がされていると。
 先生御指摘のとおり、十二月から四月までの冬期間については、工事が冬期休工、工事を休む状態になるものですから、休館とさせていただいておりますが、事前の申し込みがあった場合は臨時に開館をしながら活用をされているということでありまして、その必要性については、その当時あったものだということで、つくられたものだと承知をしておりますし、その活用状況については、私たちはしっかりと不断の検証をしてまいりたいというふうに思っております。

○柴山委員
 ところで、この施設の建設費用、それと、併設されていると言った工事事務所の建設費用、それぞれ幾らかかっているんですか。

○三日月大臣政務官
 これは、約一億二千万円の費用をかけて建設されております。

○柴山委員
 一億二千万というのは、この学習館の費用単体ですか。それとも、併設されている立派な工事事務所、これも合わせての費用なんですか。

○三日月大臣政務官
 失礼いたしました。
 学習館の建設費用が一億二千万円でございまして、詰所の合築分も含めて全体フロアにかかる費用は、約二億五千万という形で算出をされております。

○柴山委員
 ぜひ、この施設についても仕分けにかけて、その必要性というものを検討してほしいものだというふうに思っています。
 ちなみに、この学習館の受注事業者は何というところですか。

○三日月大臣政務官
 この建設は、十二年から十三年にかけて建設をされたんですけれども、当時受注した企業は高弥建設株式会社でございます。

○柴山委員
 今御答弁になった高弥建設、この会社と小沢事務所が一体どういう関係かということを、実は私は情報を持っております。ただ、時間の関係上、きょうはここまでにいたしまして、三日月政務官はここで御退室いただいて結構です。御出席どうもありがとうございました。
 さて、予算委員会で一部指摘をさせていただきましたけれども、政治家個人が寄附を受けた場合、法人から受けるのは当然政治資金規正法違反ですけれども、寄附を受けた場合は雑所得収入となり、政治活動のための支出を含む必要経費の総額を差し引いた残額は課税の対象となります。
 東京佐川急便事件では、金丸信元自民党副総裁が、政治資金規正法違反により、罰金二十万円の略式命令を受け、一たん刑事手続は決着しましたけれども、半年後に脱税で逮捕されました。検察当局が先輩諸兄に恥じない公正な捜査、処分をされるよう切に希望するものであります。
 ところで、特捜部を含めて検察人事の春の異動はいつですか。

○西川政府参考人
 お答えの前に、先ほど、あっせん利得処罰法の構成要件について若干間違いの答弁をしたようでございますので訂正をさせていただきます。
 先ほど、他の公務員に職務上不正な行為をさせることや相当の行為をさせることなどは構成要件となっておらずと答えたようでございますが、相当の行為をさせないことなどは構成要件となっていない、そういう意味でございますので、その点は訂正をさせていただきます。
 それから、検事の異動時期でございますけれども、通常、四月に多数の検事の異動があるほか、適時適切にそれ以外の人事異動も行われるということでございます。

○柴山委員
 適時適切な異動はもちろんありますけれども、当然、まとまった人事異動というものは四月一日に予定されているという御答弁だったかと思います。
 ところが、それを前にして、民主党の中でさまざまな活動がされているようでありまして、その一つが取り調べの可視化をめぐる動きですので、次に、この点についてお伺いしたいと思います。
 民主党は、取り調べの可視化法案を、平成十九年の臨時国会、第百六十八国会だったかと思いますが、また、平成二十一年の通常国会、第百七十一国会だったと思いますけれども、参議院に二回提出をされておりまして、二回とも可決しているんですね。当然です、参議院は民主党が多数派ですから。
 大臣、あなたもこの提出責任者に入っていたはずです。どうしてこれを今国会に提出されないんですか。

○千葉国務大臣
 私も、取り調べの可視化法案、参議院で提案をさせていただくという際に、何回かその議論には加わっておりましたし、責任者になっていたこともあるかと承知をしております。
 この取り調べの可視化については、今、その実現に向けて努力を続けているところでございます。決して出さないということを、方向を決めているわけではございませんで、さまざまな具体的な課題、あるいは、実務的に、実際に運用するに当たってそごがないような、そういう内容で整備をしなければいけないということもございますので、実現に向けて、今、省内に勉強会を設けて議論、検討を進めているところでございます。
 その結論をできるだけ早くまとめさせていただいて、法案提出の運びにできるだけ早く持っていくことができればと考えております。

○柴山委員
 運用の問題その他というようにおっしゃいましたけれども、この可視化というのは、非常に大きな重たい問題なんです。
 どのような形で対象となる事件をピックアップするのか、本当にすべての事件で取り調べ過程を録画、録音するのか。あるいは、出張尋問のような場合に一体どのような手だてを講じるか。また、財政が一体どういう形で手当てをされるのか。諸外国がどういう形で運用されているのか。プライバシーの配慮、こういうことが必要なのではないか、特に暴力団犯罪のような場合で問題となります。また、新型捜査。こういう形で取り調べ過程をオープンにしていく一方で、しっかりと捜査の機能というものを失わせないための捜査機能の強化ということについて、いろいろと必要な検討があるんじゃないか。そういうような、本当にさまざまな検討をしなければいけないと思っております。
 冤罪を防ぐことも正義ですけれども、罪を犯した者を逃がさない、うそをつけば逃げられるという制度にしない、そういうこともやはり正義だと思います。
 大臣、大臣はさっき、法案提出に際して議論をさせていただいたというふうにおっしゃいましたけれども、この法案、中身を見ましたけれども、至ってシンプルで、議論の形跡が全く見えない法律なんですよ。今大臣がおっしゃった事柄、そういったさまざまな配慮を、さきの法案を国会に提出するときに何で議論をされなかったんですか。

○千葉国務大臣
 確かにシンプルな法案であろうというふうに思います。
 しかし、そのときに可能な限りで議論や、あるいは論点を党内で議論させていただいた、あるいはいろいろな皆さんから御意見をいただいたということもこれは事実でございます。ただ、そのときにまだまだ十分に議論し尽くしていない、あるいは、今委員がおっしゃったようないろいろな問題点、まだきちっと精査をし尽くしていない部分がやはりあったなというふうに今考え、さまざまな詰めをさせていただいているということでございます。

○柴山委員
 これはあの後期高齢者医療制度廃止法案と同じなんです。いろいろ調整や検討が必要だとわかっていながら、争点を単純化して、やりますといって有権者を引きつけて、衆議院で否決されると知りつつ欠陥だらけの単純な法案を参議院に提出して、政権をとってみたら、やはり先送りだと。これでは、詐欺だ、あるいはパフォーマンスだと言われても仕方ないじゃないですか。
 どうですか、大臣。

○千葉国務大臣
 その御指摘は、私は当たらないというふうに思っております。
 参議院でも議論した際に、そのときはできるだけの詰めやあるいは論点を真剣に議論させていただいたというのは事実でございます。ただ、やはり改めて考え直してみますと、漏れていた論点や、あるいは実務的にここは詰めておかなければいけない、そういう問題も出てくるということも事実でございまして、私たちは、それに真剣にまた改めて対応をさせていただいているということでございます。
 決してパフォーマンスで、あるいはまた議論を全くせずして形だけ出したなぞということは全くございませんので、そこだけは御理解をいただきたいと思います。

○柴山委員
 これは政治の質が問われている問題なんです。マニフェストというものは一体どういう性質のものなのか、そして、それを実現するために一体政治家はどういう責任を持っているのか、こういうことをやはり与野党を超えてしっかりと、これからいろいろ、政権交代ももっと頻繁に起きるはずですから、議論をしていくべきだというように思っております。
 さらに、見過ごせないのは、さっき異動の話もしましたけれども、この問題を民主党が検討されているタイミングなんですよ。
 先ほど申し上げた、東京地検が最高検などと小沢氏の処分について協議をする日だったまさに二月三日の参議院本会議において、施政方針演説など政府四演説に対する質疑の中で、民主党の参議院議員が、延々とこの被疑者取り調べの全面可視化の必要性を訴えるとともに、千葉大臣に、可視化法の今国会成立に向けた決意と、いつごろ提案されるのかという見通しについて質問されました。間違いありませんね。

○千葉国務大臣
 そのような御質疑があったことは事実でございます。

○柴山委員
 これについて千葉大臣はどのようにお答えになったか、御記憶ですか。

○千葉国務大臣
 基本的に概略になるかというふうに思いますけれども、そのときのお答えといたしましては、今の段階で提出時期について確定的に申し上げることはできない、政務三役を中心にして今論点を精力的に議論させていただいている、こういうことを概略御答弁申し上げたと承知をしております。

○柴山委員
 大臣は、今おっしゃったように、省内に政務三役を中心とする勉強会を設けて検討するというような内容をまずおっしゃっております。そして、提出時期については、「今確定的なことを申し上げることはできませんが、」「今後とも皆さんの協力の下にこの実現に向けて取組を進めてまいりたいと思います」、このように御答弁をされているわけです。
 そこで、加藤副大臣にお伺いします。
 今大臣がおっしゃった、省内に政務三役を中心とする勉強会を設けてというようなお話がありましたけれども、この可視化についての省内勉強会は既に活動しておりますか。

○加藤副大臣
 大臣がお答えをした省内の勉強会については、昨年から活動を進めさせていただいております。

○柴山委員
 いつ開催をされたんですか。

○加藤副大臣
 これまで開催されました省内勉強会の日程でございますが、昨年の十月二十三日に第一回目、同じく十二月二十五日に第二回目、そして、年が改まりまして本年一月二十日に第三回目の勉強会を開催いたしております。

○柴山委員
 一月の二十日、微妙な時期ですね。
 次回はいつ開催されるんですか。

○加藤副大臣
 本日今の段階では、まだ決定をいたしておりません。

○柴山委員
 また、この省内勉強会に加えて、副大臣を座長とするワーキンググループが開催されているというように仄聞をしておりますけれども、このワーキンググループはどのように開催され、どのような問題を扱っているんですか。

○加藤副大臣
 国会の日程にもよりますので、一〇〇%このリズムでということではございませんけれども、おおむね毎週一回程度ワーキンググループを開催させていただいておりまして、第一回目の省内勉強会で指摘をされた論点等について研究を進めているところでございます。

○柴山委員
 ちなみに、勉強会あるいはワーキンググループで議事録はちゃんとつくられているんですか。

○加藤副大臣
 あくまでも私どもの研究、勉強のための会でございますので、議事録というものは作成をいたしておりません。

○柴山委員
 これはぜひ、本気で検討している会議であれば、しっかりと議事録をつくっていただきたいと思います。
 それから、これは、被疑者段階の取り調べも重要な論点なわけですから、公安の方とも、公安委員長ともしっかり連携をとって、ぜひ、きちんと誤りないような制度設計にしていただきたいということを希望したいと思います。
 あと、民主党の中にも取り調べの全面可視化を実現する議員連盟というのが立ち上がっていて、何か当局の人を呼んでヒアリングをしているということなんですけれども、これはいつ開催されたんですか。

○西川政府参考人
 お答え申し上げます。
 取り調べの全面可視化の実現を求める議員連盟から要請があったことから、本年二月十六日と二月二十三日の二回、法務当局において、同連盟の会合に出席させていただきまして説明を行いました。

○柴山委員
 余りよそ様の党についていろいろとせんさくするようなことはいけないかもしれませんけれども、どのようなことが議題になり、どういう追求がされたのか、差しさわりのない範囲でぜひお答えください。

○西川政府参考人
 先ほど副大臣が答弁なさいましたような取り調べの可視化に関する省内勉強会について、開催状況等について説明を求められましたので、これらの点について報告をいたしました。

○柴山委員
 誤解をしていただきたくないんですけれども、可視化に伴うさまざまな問題点に、先ほど申し上げたような形できちんとした検討が加えられ、そしてそれに対する対応が行われた形であれば、全面的な録音、録画を進めることに私は賛成なんですよ。
 ただ、先ほど来申し上げているように、政治的な思惑ですとか不当な圧力ですとか、そういうものを伴わない形で、冷静に政策そのものを純粋に議論していかれることを強く希望申し上げまして、ちょっと早いですけれども、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第174回 国会 予算委員会

第174回 国会 衆議院 第2号
平成22年1月21日(木曜日)
午前九時一分開議

○鹿野委員長
 この際、柴山昌彦君から関連質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柴山昌彦君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 今回の二次補正予算において、実に九兆三千四百二十億円の公債の追加発行をすることとされています。それにより、平成二十一年度の公債発行額は五十三兆四千五百五十億円となり、公債依存度は実に五二・二%となるわけです。
 無論、緊急の景気対策は必要です。しかし、現政権は、一度麻生内閣の緊急経済対策のための補正予算を一部執行停止した上でこの予算を組みました。この是非については後ほど同僚議員から質問していただくとして、私からは一点だけお伺いします。
 これまで、自公政権では、プライマリーバランス、すなわち、一般会計における国債発行収入を差し引いた歳入と国債費を差し引いた歳出のバランスを二〇一〇年代初頭までに回復しようという目標を立てておりました。
 鳩山内閣においては、このプライマリーバランスをいつまでに回復しようとお考えでしょうか。

○菅国務大臣
 柴山議員の方から、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスをバランスさせたいということを前の政権で言っておられたと。私も、何度もその話は聞かせていただき、この場でも議論させていただきました。
 しかし、残念ながら、麻生政権のもとで既に第一次補正で四十四兆円の国債を発行され、さらに九兆円税収見通しが下回った中で、今言われた五十三兆の国債発行になったわけでありまして、もちろん、すべてが前の政権とは言いませんけれども、五十三兆の中身でいえば、大部分は前の政権から引き継いだ財政でありますので、プライマリーバランスは大きくギャップが開いたわけであります。
 私たちは、決してプライマリーバランスを軽視しているわけではありませんけれども、少なくとも、これまでできなかった原因をしっかり踏まえないで単にプライマリーバランスをいつごろまでにこうしたいということを言っても、それは従来の失敗を繰り返すと思いましたから、例えば新しい経済成長戦略などを十二月の末に発表いたしましたが、そういう歳出の中身あるいは成長戦略、そういうものを組み立てる中から、ことしの五月、六月には中期財政フレームというものを国家戦略室を中心に出していただくことになっておりますので、その中で財政再建の道筋も打ち出していきたい、このように考えております。

○柴山委員
 それでは、ことしの五月あるいは六月に示される財政健全化の目標の中において、プライマリーバランスをいつまでに回復されるか、その見通しも示していただける、そう約束されたという認識でよろしいですか。

○菅国務大臣
 今聞いていただければわかったように、確かにプライマリーバランスというのは一つの客観的な数字でありますから、それを無視するということを言っているわけではありませんけれども、それによって、それをいついつまでにこうするという形で、これまでやられたことができていないわけでありますから、私たちはそういう形で数字を示すことになるのか、そうではない形で示すことになるのか、今、御存じのように、新成長戦略では、これは見通しではなくて目標ではありますけれども、例えば目標としては名目成長率を三%、実質成長率を二%、つまりは物価上昇率を一%という目標を掲げておりますから、そういう掲げ方も例えばあり得るということで、必ずしもプライマリーバランスだけにこだわったものを出すという約束をした覚えはありません。

○柴山委員
 財政健全化は待ったなしであります。今御説明をいただきましたが、ぜひとも国民が納得するような財政健全化の目標をお出しいただくことを強く期待を申し上げて、次の質問に移ります。
 総理大臣と与党第一党幹事長がともに政治資金問題について会計担当者の刑事手続に発展し、果ては現職の衆議院議員に逮捕者が出るという前代未聞の展開となっていることは、異常としか言いようがありません。
 そのような中で、まず鳩山総理の問題についてお伺いします。
 総理は、昨年十二月二十四日、政治資金規正法違反で元秘書が起訴されたのを受けて記者会見を開催され、その中で御自分の政治資金問題について説明されました。私は、このことはよかったと思っております。これからその会見の内容について若干お伺いいたします。
 総理は、秘書について、父親の代から手伝ってくれておりました勝場、そして私が議員になる前から手伝ってくれた芳賀、二人とも非常にまじめで、きちょうめんで誠実に仕事をしてくれてきているという信頼感が前提にございましたと述べておられます。間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 確かにそのようなことを申したと思います。

○柴山委員
 一方、二〇〇二年九月十三日付の北海道新聞によれば、当時、総理の届け出られた政治団体には、総理の資金管理団体である友愛政経懇話会のほか、北友会と鳩山由紀夫後援会というものがありました。そして、後の二つは実はペーパー団体であるにもかかわらず、個人献金をこの三つの団体に分散させて、実態として一つの団体が個人から受けられる年間百五十万円の政治献金の上限額に関する規制を免れていたことを問題としています。
 この献金の上限規制は今回の事案でも問題となるべき規制です。鳩山事務所は、当時、この事案について法の抜け道と受け取られても仕方がないと釈明しています。総理、この当時の友愛政経懇話会の会計責任者、そして北友会と鳩山由紀夫後援会の代表者はだれだったんですか。

○鳩山内閣総理大臣
 これは御通告がなかったのでわかりませんが、後で調べてお答えします。

○柴山委員
 今回刑事処分を受けた芳賀大輔さんなんです。つまり、総理は、このような問題があることを御存じでありながら、芳賀大輔氏を友愛政経懇話会の会計責任者として再任されているんです。
 このパネルをごらんください。
 このパネルの上から二つ目の段落、政治資金規正法の代表者、つまり鳩山総理が、会計責任者、つまり芳賀大輔氏に対する選任及び監督義務を怠った場合、五十万円以下の罰金刑が科され、それが確定した場合は公民権停止となり、議員生命にもかかわるという規定を載せてあります。
 総理、このような問題のある人物をなぜ頼り続けたんですか。

○鳩山内閣総理大臣
 柴山議員にお答えいたしますが、先ほどの二つの政治団体を一つにいたしました。その当時、私は、疑われても仕方がないという思いでありましたが、法に照らしては違法ではなかったという認識をしております。したがいまして、しかし疑われてはいかぬという思いのもとで一つにまとめたと記憶をしております。
 その行動自体、私は間違ったものではないと思っておりますし、したがって、私は、私の芳賀秘書は大変、その意味でも、多くの同僚議員にも理解をしていただけると思っておりますが、有能な秘書であると思っておりますので、私は、その意味での、例えば選任の責任などというものがあるとは思っておりません。

○柴山委員
 当然のことながら、一つにまとめたことはいいことです。問題は、献金を分散していたときの当時、この三つの政治団体の責任者がこの芳賀大輔氏だったということを私は問題としているんです。
 そして、総理、ここに一通の商業登記簿謄本があります。北海道の有力なコンクリート会社である株式会社ホッコンについてのものです。この謄本の日付はことしの一月十三日、最新のものです。
 これによると、芳賀大輔氏は同社の取締役となっており、代表者としては、会長の芳賀昭雄氏と社長の芳賀俊輔氏が登記されています。
 総理、この芳賀昭雄氏と芳賀俊輔氏は芳賀大輔氏とどういった身分関係にあるのですか。

○鳩山内閣総理大臣
 芳賀アキオではなく、あの字でテルオと読みます。
 それで、親子関係でございます。

○柴山委員
 失礼いたしました。芳賀テルオ氏と芳賀俊輔氏と訂正させていただきます。
 そして、その芳賀昭雄会長から、友愛政経懇話会は、二〇〇三年から二〇〇八年まで毎年、上限ぎりぎりの百五十万円、計九百万円を、そして芳賀俊輔社長から二〇〇八年に百万円の寄附、計一千万円の寄附を受けています。
 総理、私は、この献金がいけないものだと申し上げるつもりは毛頭ございません。ただ、みずからが応援してもらっている企業の役員だからといって秘書に対する監督に影響があったとすれば、それこそ、あなたたちが最も嫌うしがらみの政治につながってしまうと指摘したいのです。
 ちなみに、罰金及び公民権停止の処分を受けた芳賀大輔氏は今どうしているのですか。

○鳩山内閣総理大臣
 私は、今でも芳賀秘書を秘書として、ただ、公設の秘書ではなくて私設の秘書として仕事を行ってもらっています。大変有能な男だと思っています。しかし、寄附をしてもらっているということで、私の監督責任とか選任責任に影響があるとは全く思っておりません。

○柴山委員
 繰り返しますが、今でも芳賀大輔氏は総理の秘書である、そう今答弁をされたということで間違いないですね。

○鳩山内閣総理大臣
 そのようでございます。

○柴山委員
 総理、そうした扱いでよいのか疑問を留保しつつ、次の質問に移らせていただきます。
 総理は、年末の会見で、お母様の巨額の献金について、何に使われたかわからないとおっしゃいました。それを受けて弁護士が、東京地検が恐らくいろいろお調べになった中で、この使い道については問題なかったのだろうと理解しているとおっしゃいました。
 ただ、地検がまだ立件していないだけで、別に問題がないことが明らかになったわけではないはずです。いかがですか。

○鳩山内閣総理大臣
 私は、その政治資金規正法の問題、いわゆる虚偽記載の問題に関しては、昨年の暮れに検察が捜査を終了した、終結をした、そして処分を決定した、そのように考えております。したがいまして、そのように判断をいたしております。

○柴山委員
 この巨額の献金について、地元でこのお金を使ったり、あるいは同僚議員に配ったりされたことはありませんか。

○鳩山内閣総理大臣
 私にはそのような思いはありません。
 ただ、この件に関して先ほどお尋ねがありました。母から私に対していわゆる贈与があったということ自体を私自身が知らなかったわけでありますだけに、それがどのようなところに使われているかということもわかるはずもないわけでございます。
 しかし、私として、政治家に対してお金を例えば配るような話はありませんから、どうぞそこのところは御理解をいただきたいと存じます。

○柴山委員
 総務大臣に一般論としてお伺いします。
 もし金銭が選挙区で使われた場合、公職選挙法上の問題が生じることはありませんか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。
 個別の事案については、具体の事実に即して判断されるべきものであって、総務省としては、具体の事実関係を承知する立場にないので、答弁は差し控えさせていただきます。
 今、一般論ということでございましたが、公職選挙法上、公職の候補者及び後援団体は、当該選挙区内にある者に対し、一定の例外を除き、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならないとされているところでございます。

○柴山委員
 一月二十一日号の週刊新潮によれば、総理の後援会主催のパーティーに出席された地元の教師が、自分は会費の千円など払っていない、鳩山さんの後援会の婦人部の女性から来てくれといってチケットをもらって行っただけだ、ほかにもただで入っている人がたくさんいたと話していることが紹介されています。同じく、そのチケットには三枚のビール券がついていたが、実際は飲み放題、食べ放題であって、量が多いから、主婦の中にはタッパー持参の人もいたと地元漁師が証言をしているとのことです。こうしたチケットは町内会や商店会で、一括して売られたこともあったそうで、私たちの取材でも似たような事実が判明しています。
 原口大臣、一般論として、飲食物の提供は先ほどおっしゃった寄附行為に該当いたしますか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えします。
 これはあくまで一般論ですけれども、飲食物の提供はその対価を等しく取る、これが原則でございます。

○柴山委員
 明快な御答弁、ありがとうございました。
 続いて、総理にお尋ねいたします。
 総理は、お母様からの資金提供を贈与として税務申告された根拠として、自分、つまり総理のために提供され、政治活動や個人活動の支出のために使われているからと答えられています。借用書などもなかったと伺っています。間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 その前に、先ほど、あたかも何かただのビール券のようなものがたくさん配られたというような印象を与えかねない発言がありましたが、私は、そうではありません、そのようなことはしていない、そう信じております。すなわち、だれかがある意味で、例えば町内会のだれかが一括しているということはあるいはあるかもしれません、私はわかりませんが、しかし、決してそのような不正なことは行っていない、そのように信じております。
 その上で、今お尋ねでございますが、母からの、何でしたか、済みません。

○柴山委員
 お母様からの資金提供を贈与として税務申告された根拠として、御自分のために提供され、政治活動や個人活動の支出のために使われているからと答えられていますが、借用書もなかったと伺っています。間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 母からの贈与であることも、すなわち私は全く知らなかったわけでありますだけにそれは贈与という判断になったわけでありまして、したがって、借用書などというようなものも存在しておりません。

○柴山委員
 この寄附を処理していたのは、総理の会計実務担当の勝場啓二元秘書でした。しかし、同じ勝場秘書が総理御自身のお金を六幸商会から引き出し、あなたの政治活動に使った部分については、総理から友愛政経懇話会への貸付金として訂正処理されているのです。なぜこのような違いが生じるのでしょうか。

○鳩山内閣総理大臣
 これは、母から私に贈与があった、そしてその分も含めて、例えば政治活動に使う、いわゆる政治資金規正法にのっとった収支報告の中で使うお金に関しては、借用ということで、私のお金ということになるわけですから、それを貸し付けという形にしたということでございます。

○柴山委員
 質問を繰り返します。
 お母様のお金に関しても、あなたは会見で、政治活動や個人活動の支出のために使われていたというようにお答えされています。そして、総理御自身の六幸商会から引き出したお金についてもあなたの政治活動に使った部分があります。一方は贈与、一方は貸付金。なぜこのような違いが生じるのですか。

○鳩山内閣総理大臣
 もう一回繰り返しますが、母からのは私は存じ上げていない話でありました。したがって、これはすべて私に対する、個人に対する贈与である。そして、そのお金が、私の出したお金と含めて、例えば政治活動に使う部分もある、あるいは個人の議員活動、あるいは個人自身の活動に、生活に使うというお金である。そこからという、一度私の資産というものになった中で使われているということでありまして、政治資金のために使われている部分に関してはいわゆる貸し付けという形になったわけでございます。

○柴山委員
 とすれば、お母様からのお金に関しても政治活動に使った部分は貸し付けという形で処理をされたということですか。

○鳩山内閣総理大臣
 繰り返しますが、私の、要するに母からの贈与ですから、そこで私のお金になっているわけであります。したがいまして、そこから使ったものに対しては、必要に応じて必要なところに、貸し付けるものは貸し付けという形をとったということであります。

○柴山委員
 今出したこのパネルをもう一度ごらんください。
 上から三段目におきまして、政治資金規正法では、資金管理団体の代表者であっても、個人からの献金が年間一千万円を超えたら刑事罰に問われると、量的規制が定められています。
 総理に伺います。
 先ほど御説明になった総理からのお金については、友愛政経懇話会との間に借用書があったのですか。また、返済の事実はありましたか。

○鳩山内閣総理大臣
 それは私には今答えるすべがありませんが、多分、必ずしも存在していないかもしれません。

○柴山委員
 貸し付けかどうかわからないということをおっしゃったんでしょうか。今総理は貸し付けということで明確に御答弁をされたはずです。貸し付けのためには返還の合意がなければならないはずです。

○鳩山内閣総理大臣
 私の資金を貸し付けるという形で処理をしたわけでございます。

○柴山委員
 だから、貸し付ける、つまり、返還の合意というものが友愛政経懇話会との間であったのですかという御質問です。

○鳩山内閣総理大臣
 それは、本来ならば、多分、何年かかってという話になるのかもしれませんが、そこの部分に関しては、必ずしも、いつまでに返すという話になっているとは思っておりません。

○柴山委員
 総理は、昨年十一月四日の予算委員会での私の質問に対して、寄附金の上限規制を超える分については貸し付け処理されると思っていたと御答弁されています。私も記憶しております。
 では、勝場秘書などに、実際に、そのように上限規制を超える分について貸し付け処理されているかどうか確認をされたことがありますか。確認書で逐一あなたは資金の流れをチェックしているはずです。その過程で、秘書に貸し付け処理を適正に行っているかどうか確認をされたことがあるのでしょうか。

○鳩山内閣総理大臣
 これは、当時の勝場秘書にすべて任せておりましたから、そのようなものは存在しておりません。

○柴山委員
 とすれば、総理が本当にこの資金を貸付金だとこの指示書を出した時点で考えていたとは到底思えません。事後的に貸し付け処理をしても、量的制限違反の疑いは消えません。そして、同じように、総理は、お母様からの献金を貸付金と事後処理し、年間百五十万円の量的制限規制違反を逃れようとしたものの、お母様との打ち合わせやほかの御兄弟との整合性がとれず、やむを得ず一般の贈与を受けたという道を選んだのではないですか。

○鳩山内閣総理大臣
 そういう認識は全く持ち合わせておりません。

○柴山委員
 そもそも、総理はお母様からの資金提供を御存じなかったとおっしゃっています。しかし、十二億円もの巨額の資金を受けながら、一切それを御存じなかったというのは、到底一般の感覚から納得できません。
 総理は、これまで、選挙に立候補されるときや御結婚のとき、あるいは人生の節目節目でお母様から資金提供を受けたことはなかったんですか。

○鳩山内閣総理大臣
 そういう記憶はありません。確かめたこともありませんが、現実に母からもらったという記憶はありません。

○柴山委員
 二〇〇〇年以降、お母様と会食するなど、お母様と接触した事実はありますか。

○鳩山内閣総理大臣
 たしか、正月とか、あるいは年に一、二回だと思いますが、やはりもうかなり年老いておりますから、母を見舞いがてら伺った思いはあります。一年に一度も行かないような、大変親不孝をした年もあったかと思いますが、一度、二度は顔を見ていた、そのように思います。

○柴山委員
 それでは、総理、お母様にお金が足りなくて困っているとおっしゃったことはありませんか。

○鳩山内閣総理大臣
 私は、そのようなことは一切申しておりません。

○柴山委員
 これは事実関係の確認であります。
 国税庁にお伺いします。
 これまで、贈与税の申告漏れで今回のような巨額の案件はありましたか。

○岡本政府参考人
 お答えいたします。
 記者発表資料でございますけれども、十年間さかのぼりまして、平成七年以降の税目別の、贈与税ということで、脱税の告発件数というところでは贈与税に係る脱税はございませんでした。

○柴山委員
 大変珍しい案件だということを確認させていただきました。
 そろそろ確定申告の時期を迎えます。一般の方が汗水垂らし不備がないように書類をつくり、親子間の資金移転についてもおかしなことがあれば調査や査察がある中で、このような巨額の案件について、指摘されれば払う、上申書で済ますということでよいのでしょうか。税務調査や刑事手続の余地はないのでしょうか。

○岡本政府参考人
 一般論でお答えいたします。
 国税当局といたしましては、納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じて課税上有効な各種資料情報の収集に努め、これらの資料と納税者から提出された申告書等を総合検討し、課税上問題があると認められる場合は税務調査を行うなどして、適正公平な課税の実現に努めているところであります。
 また、特に脱税事件として検察官に告発し刑事訴追を求める場合には、国税犯則取締法に基づき査察調査を行う必要がございますが、この場合には、逋脱犯の法律上の構成要件に該当することを立証する見通しがあるかどうか、悪質な脱税事件であるかどうかを慎重に検討した上で要否を判断することといたしております。

○柴山委員
 そもそも納税義務は、国民の基本的な、かつ本人に帰属する義務であり、御本人が課税原因を知っていてもいなくても、当然のことながら果たさなければいけないはずです。ぜひ、総理大臣だからという理由で、今おっしゃった扱いと不公平なことのないようにお願いしたいと思います。この財政の厳しい折、私たちの税に対するモラルが損なわれかねない案件だからです。
 ちなみに、総理は今回、二〇〇二年にさかのぼって贈与税を納付されたということですが、重加算税や延滞税の関係はどうだったんですか。

○岡本政府参考人
 個別にわたる事項については差し控えさせていただきまして、あくまで一般論として申し上げさせていただきます。
 平成十五年分以前の年分の贈与税の徴収権は、法定納期限から五年間行使しないことによって、時効により消滅することとされています。贈与税の徴収権の時効は、納税者による援用を要せず、また、納税者は時効の利益を放棄することができず、絶対的な消滅となります。したがって、贈与税の徴収権が消滅している平成十四年分、十五年分の贈与税に係る期限後申告は何ら効力を有しないことになりますので、その贈与税が納付されたとしても、その納付された贈与税は還付されることになります。
 なお、偽りその他不正の行為により贈与税を免れていた場合の贈与税の徴収権は、法定納期限から二年間は時効が進行いたしませんので、法定納期限から七年間行使しないことによって消滅することとなります。
 いずれにしましても、国税当局としては、納税申告書が提出された場合に、その消滅時効の成立の有無など個々の事実関係に基づき適正に取り扱うことといたしております。

○柴山委員
 今の御指摘のとおり、重加算税あるいは延滞税についても国税庁当局がしっかりと事実関係を認定した上で処理をしますが、この二〇〇二年にさかのぼって納付した行為であっても、今の御指摘のとおり、徴収権が消滅をすることによって総理の手元にまた戻ってきてしまう、そういう可能性があることを今御答弁いただいたということを再度確認させていただきます。

○岡本政府参考人
 十四年分、十五年分については、期限後申告は何ら効力を有しないこととなり、その贈与税が納付されたとしても、納付された贈与税は還付することになるということでございます。

○柴山委員
 今の扱いが本当に国民の皆さんが納得できるものなのか、ぜひ疑問を呈させていただきたいと思います。そのような手続になるということは、私も認識をしております。
 さて、総務大臣、本件偽装献金について架空の寄附金控除の証明書が発行されていたことは、私からの前回の質問で指摘をさせていただきました。
 では、平成十七年以降の収支報告書から削除された寄附金に関する控除証明書で鳩山氏側から返還されたものは何通ありますか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。
 今の御質問は、平成十七年分以降の収支報告書から削除された寄附者にかかわる寄附金控除のための書類に対して返還された証明書は何通かと。
 友愛政経懇話会に交付した寄附金控除のための書類については、その後、総務省においては確認をしておりません。
 なお、政治資金規正法上、寄附金控除のための書類の不正取得や破棄に関して特段の規定は設けられていないところでございます。

○柴山委員
 今、後の質問を先にお答えいただいたわけですけれども、証明書を不正取得すること、あるいは破棄することに問題がないかどうか。今、原口大臣は、これについて、特別法として特段の規定はないというように御答弁をいただいたかと思います。
 しかしながら、公印の押された証明書を不正取得し、あるいは破棄するということについて、それでは、千葉法務大臣、何の問題も生じないのでしょうか。

○千葉国務大臣
 個別の問題についてはお答えを差し控えますが、一般論として申し上げれば、一定の犯罪類型構成要件に該当するということはあり得るのかと思います。

○柴山委員
 次の質問に移ります。
 総理、総理は、再三にわたって御自分の、私は政治家と秘書は同罪と考えます、政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば、あれは秘書のやったこととうそぶいて、みずからの責任を免れようとしますが、とんでもないことです、秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのですと述べた御発言について、その発言から逃げるつもりはないけれども、自分は私腹を肥やしたのではないから、過去の事例とは違うとおっしゃっています。
 総理、税金の負担を免れることは、私腹を肥やしたとは言えないのですか。また、一般社会で部下が不祥事を犯して上司が責任をとってやめるのは、必ずしも部下が私腹を肥やすことを目的とする事例ばかりではないはずです。総理のお考えは余りに一般社会とかけ離れているのではないでしょうか。お答えください。

○鳩山内閣総理大臣
 先ほど申し上げましたように、天地神明に誓ってと申し上げましたけれども、母からのこのお金は全く知らなかった話であります。したがって、贈与ということになったわけでありますが、私は脱税をしたという認識は一切持っておりません。そこだけはぜひとも御理解を願いたい。
 したがいまして、今お話がありましたように、秘書がやった行為というものに対しては私としても反省をいたします。当然それなりの責任、責めというものもあろうかと思います。その責めをどのように考えるかという中で、先ほども申し上げたとおりであります。
 先ほど、私腹を肥やすような行為ではなかったということを申し上げました。そのことは当然皆様方にも御理解を願いたいと思っておりますが、少なくとも今までの行為と今回の事件、私はいささか違う部分もあるという思いのもとで、したがいまして、今大事なことは、そういう中でも多くの国民の皆様方に御期待をいただいて、しっかりやれ、政権交代をだから認めてやったぞという思いを大事にさせていただいて、身を粉にして国民のための政治に努めてまいりたい、そのように思っています。

○柴山委員
 国民の信頼にこたえてということをおっしゃいましたけれども、総理、有権者は決して総理の偽装献金問題の全容やあるいは今回の小沢氏の資金問題の全容を把握した上で投票したわけではないということは、ぜひ御認識をいただきたいと思います。
 続きまして、民主党小沢幹事長の問題についてお伺いします。先ほど議論にあったガソリン税の暫定税率の問題や、質問のあった天皇陛下の政治利用の問題だけではなく、外国人参政権の問題を含め、小沢氏の物議を醸した言動についても、一体どれだけ民主党の中で民主的に議論をされたのでしょうか。民主党は今や小沢独裁政党と言われても仕方がないのではないでしょうか。
 ちなみに、今月十七、十八両日に実施された共同通信社の世論調査によれば、内閣支持率は前の週の五〇・八%から四一・五%に急落、不支持率は三三・二%から四四・一%と、初めて不支持が支持を逆転しました。小沢氏の進退については、幹事長をやめるべきだという意見と議員辞職すべきだという意見を合わせれば実に七三・三%となっています。私たちも、仮に今報道されているような内容が事実であれば、小沢氏には議員辞職をしていただくしかないと思っています。
 総理、このような状況でなお小沢氏に幹事長を任せるしかないとおっしゃるのはなぜですか、明確にお答えください。

○鳩山内閣総理大臣
 小沢幹事長は、私が代表そして小沢幹事長の体制の中で国民の皆様方の御信頼をいただいて政権交代の道筋をつけることができて、そして今、このような形で政権運営を行っている、その同志であることは間違いありません。
 私は、むしろ、代表と幹事長として、幹事長の潔白を信じて、だから闘うんだ、その思いを信頼しているのでございまして、だからこそ、今幹事長には幹事長として堂々としていただきたい、もし必要ならば、訴えるべきところを堂々と訴えるべきところへ行って訴えていただきたい、そのような思いで、むしろ潔白を証明していただきたい、そのように願っているところでありまして、そのことを大いに期待しているということでございます。

○柴山委員
 仙谷大臣にお伺いします。
 大臣は、昨年春、当時民主党代表だった小沢氏の公設第一秘書がいわゆる西松建設事件で逮捕、起訴された際、刑事処分がまだ下されていないにもかかわらず、小沢氏の代表辞任を唱えられました。
 今回、それより深刻な事態に立ち至った今、今の総理と同じ御意見でしょうか。

○仙谷国務大臣
 当時は単なる野党の一代議士でございます。私の今のポジションは、個人としての、あるいは弁護士経験者としての立場、そういう思いは当然のことながらあります。
 だから、弁護士の立場であるとするならば、当然、すべての捜査官憲の行為については、うのみにするというふうなことはあり得ないということになりましょう。そしてまた、野党の一政治家の立場とすれば、当然のことながら、当時の民主党が選挙に勝つためにいかなる政治判断をすべきか、こういう観点から私が発言し行動することは当たり前でしょう。
 今は、もう一つ、官邸に極めて近い立場で、行政府の一員としての立場もあるわけでありますから、これは当然のことながら、そういうことも踏まえてみずからの発言を律しなければならない、こう考えているだけでございます。

○柴山委員
 今、大変重要な御答弁をいただいたんです。野党の時代は選挙に勝つために行動した、ところが、今は官邸に近い場所にいるので自分の信念を抑えなければいけない。
 仙谷大臣、あなたには、今の政権のあり方に納得がいかない場合、大臣としての地位を投げ出すという選択肢はないのですか。

○仙谷国務大臣
 柴山先生、大変お若いので、一直線の部分でお話しされておるようでありますが、一人の人間の中にいろいろな立場があるわけですね。そのどの立場に比重を置くかは、その時々の判断をしなければならないと思います。政治家である以上、ある種の政治的なポジションのためにあるいは判断で行動することもあるでしょう。
 例えば、今私の判断で戦争の火ぶたが切られるかどうかというときに、私がそのある内閣の一員としての判断でそれに賛成するのか、それとも最も原理的な個人としての、自分の人間としての判断でそのことに反対するのか、それはそのときになってみないとわかりませんし、ぎりぎりの判断が迫られる、こういうふうに思います。

○柴山委員
 それでは、今お答えをされた内容を前提として、閣僚の一員としての前原大臣にお伺いします。
 前原大臣は、一月十八日、小沢氏の政治資金疑惑について、潔白だというなら国民の疑念が晴れるよう説明すべきだとおっしゃっていたと報道されました。間違いありませんね。
 そして、福島大臣。福島大臣も同旨の発言をされていますね。お二人に確認をさせていただきます。

○前原国務大臣
 おっしゃるとおりです。

○福島国務大臣
 おっしゃるとおりです。

○柴山委員
 総理、総理も今の前原大臣や福島大臣と同じ御意見はとれないのでしょうか。小沢氏に説明責任を果たさせるために、国会での参考人質問あるいは証人喚問に応じてもらうという民主党代表としての決意は示せないのでしょうか。

○鳩山内閣総理大臣
 今、前原大臣方が申した言葉は、近々小沢幹事長自身が事情を、すなわち自分が潔白であるということを示したい、そう申しているんですから、しかるべき場でしかるべき発言をされる、そのように思っておるわけでありまして、今まさに検察からそのような話があると仄聞しておりますから、そのような状況になることが望ましい、私もそう思っております。それがまず先の話であって、後は、個人の判断もありましょうが、国会のことはどうぞ国会の中でお決めをいただきたいと存じます。

○柴山委員
 これまであなた方が野党時代に捜査中の案件についてとことん当時の与党に説明責任を求めていたことと今のスタンスは、私は余りにもかけ離れていると断じざるを得ません。そして、記者会見あるいはそれ以外の方法、特に検察庁での説明などでは私たちが小沢氏に質問する機会は与えられず、小沢氏が十分な説明責任を私たちの前で果たす担保はありません。与党の方々の質問あるいは意見を述べる機会もないわけです。
 小沢さんは、これまで東京地検による任意での事情聴取を拒んできたのを確かに一転させて聴取に応じる構えを見せていますが、通常国会が始まって、議員の逮捕に所属する院の許諾が憲法上必要となり、今のように与党民主党所属議員が反対すれば小沢さんは逮捕されないわけですから、安心して当然のことながら出頭できるわけです。
 総理、もし総理が捜査に支障が出ることを憂えておられるのであれば、小沢問題に関して逮捕された石川知裕議員と同期の民主党議員十三名が、この中には政府に入っておられる方も含まれているとお聞きしていますけれども、この十八日に勉強会を結成して、石川容疑者の逮捕は不当として、近く法務省から担当者を呼んで事実関係を聞くとともに、釈放要求の発議を検討することも決めたというのは捜査に対する支障にはならないのでしょうか。

○平野国務大臣
 先ほども議員からの御質問、同じ質問がございました。政府の関係者がいたことも事実でございますが、それは、その会合の目的が同期会、こういうことであって出席をした、こういうことでございますので、それについては、私は、そういう趣旨でないならば、慎重に対応し遠慮してもらいたい、こういうことを申し上げました。

○柴山委員
 それでは本題に入ります。
 まず、このパネルをごらんください。
 これは、今回の資金問題についての全体図です。小沢氏の資金管理団体である陸山会が二〇〇五年一月七日に東京世田谷区の土地を買ったと登記及び収支報告書上記載されていたのですが、実は、前年、二〇〇四年の十月二十九日に購入されていたことが読売新聞の報道から明らかになりました。小沢氏は、この問題につき、単純なミスだとされています。
 そして、この購入の原資は、こちらの資料の左半分にあるとおり、二〇〇四年十月二十九日付の、みずからの銀行からの借入金をさらに陸山会に貸したものであるというのが従来の御説明でした。しかしながら、陸山会に四億円が入金したのは二〇〇四年十月二十九日の午後だったのです。一方、実際に不動産屋に三億四千万円で代金の決済がされたのは同じ十月二十九日の午前中でありまして、この時点では、陸山会の資金残高はわずか二億数千万円でした。ここで、不動産購入に巨額の帳簿に載っていない金が故意に使われ、収支報告書に虚偽の記入がなされた疑いが浮上したのです。
 この部分は、報道によると、小沢氏の元秘書で今月十五日に逮捕された民主党の石川知裕議員が、虚偽記入の事実を認めて、小沢氏個人から四億円を借りたと述べており、仄聞するところによると、小沢氏も十六日の民主党大会で、原資は積み立ててきた個人の資金であって、何らやましいことはないと説明されているということです。
 しかし、そうすると、小沢氏は、御自分の積み立ててきたお金で不動産を買うことを石川議員に一方で指示しながら、同じ金額を銀行から借り入れて不動産の購入原資とすることを了承し、対外的にもそう説明していたことになります。どう考えても、小沢氏自身が、御自分の積み立ててきたお金が収支報告書に記載されないことを御存じだったとしか思えません。
 きのう、折しも、石川議員が、小沢氏が不記載を了承していたと供述していることが報道されています。
 そこで、原口大臣にお尋ねします。
 政治資金規正法上の虚偽記入罪を犯すことを了承していた場合、政治家本人にその共犯が成立するのではないですか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。
 個別の案件についてはお答えする立場にございません。

○柴山委員
 そして、この購入原資が個人資産だという小沢氏の御説明にも疑惑が持たれています。
 けさの報道では、購入原資には奥様や三人の子供さんの名義のものが含まれ、合わせると七億円を超えるので不足はないと小沢氏が主張される見通しだということが報道されました。しかし、小沢氏がこれに先立って明らかにした資産の大半は、お父様からの遺産を信託銀行に預けていたのを引き出したものであると報道されており、その金額は約三億円であって、石川議員が小沢氏から受け取ったという四億円には足りません。御家族の方々には、ぜひ、しっかり事情を検察庁に御説明いただきたいと思います。
 一方、三重県の中堅ゼネコンである水谷建設株式会社の元幹部が、くしくもこの不動産取引と同じ二〇〇四年の十月十五日の金曜日に小沢氏側に五千万円を持っていったと供述していることがテレビ報道で取り上げられています。そして、水谷建設側の供述では、その後の土日を挟んで翌銀行営業日の十八日月曜日に、石川氏の陸山会口座への五千万円の入金がされたということなのです。そして、先ほど申し上げたとおり、そのわずか十日ほど後に、東京世田谷区の土地を陸山会が購入しました。購入資金にこの資金が使われた可能性は本当にないのでしょうか。
 まず、菅財務大臣、または国税庁に確認します。仮に、この購入資金が建設会社などの企業から小沢氏個人に寄附されたものであった場合、それを表にしないと、小沢氏に課税上の問題が生じるのではないですか。

○岡本政府参考人
 あくまで一般論として申し上げさせていただきます。
 政治家個人の方が受けた政治活動に関する寄附金は、雑所得の収入金額となります。雑所得は、総収入金額から政治活動のための支出を含む必要経費の総額を差し引いた残額が課税の対象になります。残額がない場合には課税関係は生じないということでございます。

○柴山委員
 政治資金とされる部分を含めた経費を控除した上で雑所得となって、それに税金がかかるという御答弁だったと理解いたしました。
 それでは、お伺いします。もしこれが政治資金であった場合に、政治資金の収支報告書にもあらわれていないというのみならず、企業から個人あるいは資金管理団体への献金があったことになりますが、これは政治資金規正法上、今回容疑がある虚偽記入罪のほかに何か問題は生じないのでしょうか。
 総務大臣にお伺いします。企業から個人あるいは資金管理団体への寄附があった場合に、政治資金規正法上、問題は生じないでしょうか。

○原口国務大臣
 柴山議員、一般論としてお答えいたします。(発言する者あり)

○鹿野委員長
 はい、座って。
 どうぞ答えてください。

○原口国務大臣
 政治資金規正法についてお答えをいたします。
 第二十一条第一項において、会社等は、政党及び政治資金団体以外の者に対して、政治活動に関する寄附をしてはならないこととされており、何人も、この規定に違反してされる寄附を受けてはならないこととされています。同法第二十二条の二でございます。
 いずれにしても、柴山議員、総務省としては、個別の事案については実質調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にないので、個別の案件についてはお答えすることができません。

○柴山委員
 政策の質問をしろという御指摘がありましたが、企業、団体からの献金禁止は、民主党が昨年の総選挙のマニフェストで訴えていたことであることを付言させていただきます。
 続きまして、水谷建設は、小沢氏のおひざ元にある岩手県胆沢ダムの工事を国土交通省からジョイントベンチャーで下請受注しており、同社の元幹部は、資金提供は受注の謝礼だったと供述していると報じられています。あわせて、供述の中で、元請の大手ゼネコンが工事費に上乗せして後から穴埋めしてくれるというから提供したと話しているとのことで、現に、鹿島など他の建設会社にもことし一月十三日に東京地検特捜部の強制捜査が入るなど、同じく土地取引の原資に関する捜査が進められていると見られます。
 そこで、千葉法務大臣にお伺いするのですが、このように、公共工事を受注する会社から国会議員が見返りとして寄附を受ける行為があっせん利得罪などの刑罰に触れる可能性はありませんか。一般論としてで結構ですので、お答えください。

○千葉国務大臣
 一般論としては柴山議員も御承知のとおり、条文をそのまま引用して、読んでいただければわかることだと思いますけれども、あくまでも一般論では、あっせん利得処罰法上の公職者あっせん利得罪は、公職にある者が、国もしくは地方公共団体が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんすることまたはしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときに成立する。これが構成要件でございます。

○柴山委員
 大変明確に御答弁をいただき、ありがとうございました。
 先ほど来、報道ベースで物をしゃべるなという御指摘が多々ありました。しかしながら、今申し上げてきたことを裏づける話をする人物がいます。昨年七月まで約一年、石川議員の私設秘書をしていた金沢敬氏で、ことし一月十四日に自民党本部で実施された勉強会において、昨年三月に小沢事務所の大久保秘書が西松建設事件で逮捕された際、石川議員とともに、鹿島や西松建設、西松建設の政治団体の名刺、ゼネコンからの陳情ファイル、鹿島からもらった胆沢ダムのファイルなどを隠したと述べておられました。この発言と同趣旨の記事がことしの文芸春秋二月号にも記載されています。また、石川議員が証拠隠しの指示を小沢氏から受けたとも発言しています。
 これらの発言が信頼できるものなのか、それとも、与党の皆さんがおっしゃるように、全く信頼の置けないものなのか確かめるべく、委員長に金沢敬氏の参考人招致を求めます。

○鹿野委員長
 後刻、理事会で協議をいたします。

○柴山委員
 この不動産購入の原資には、あわせて、旧自由党が解散した際に、同党の政治資金団体である改革国民会議に流れた多額の政党助成金が用いられた可能性も指摘されております。しかしながら、この後、同僚の小里議員からこの件については質問をしていただきます。
 最後に、前原大臣にもう一度お伺いいたします。
 群馬県の八ツ場ダムについては、マニフェストに書いたからという理由で、さしたる手続もなく建設中止を表明する一方で、小沢氏の地元岩手県の胆沢ダムについては、ゼネコンから業務受注の見返りに巨額の裏献金が小沢氏に流れた疑惑が発生し、そして建設予算が計上されている。
 これで本当に予算やマニフェストの公平性に対する自信が、あるいは信頼が図れると前原大臣はお感じになっておられますか。明確に御答弁ください。

○前原国務大臣
 百四十三のダムについて、何をもって再検証するのかしないのかということについての一線は、本体工事に入っているかどうかということでありまして、胆沢ダムは本体工事に入っておりましたので、継続をしております。

○柴山委員
 私が申し上げたかったのは、予算やマニフェストの公平性に対する信頼が図れるとお考えかどうかということでございました。
 時間がなくなりましたので、以上をもちまして私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

第173回 国会 予算委員会

第173回 国会 衆議院 第3号
平成21年11月4日(水)
午前九時八分開議

○鹿野委員長
 基本的質疑を行います。
 この際、一昨日の大島君の質疑に関連し、柴山昌彦君から質疑の申し出があります。大島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柴山君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦です。
 この財政難の折、十一月二日の報道によれば、総理が平成二十年に株を売って得た七千二百二十六万円余りもの所得を申告していないことが判明したということです。また、連日報道されている総理の献金問題についても、税法違反があるのではないかという疑問が出されています。
 そもそも民主党は、企業・団体からの献金を禁止する方向を打ち出していますが、そうしたものを禁止しても、個人からの献金があったかのように巨額にわたって偽装することを認めれば、政治資金の適正化、透明化は図れません。また、結局は、企業・団体献金隠しに利用されるおそれもあります。
 総理、この問題は重大です。ぜひとも誠実に、かつ要を得た御答弁をお願いいたします。
 まず、確認いたします。
 総理は、弁護士とともに行ったことし六月三十日の記者会見で、偽装献金は四年間で百九十三件、総額二千百七十七万八千円だと発表されました。間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 この件に関して、改めて国民の皆様方におわびを申し上げたいと思います。
 今、柴山委員からお話がありましたとおり、六月三十日の時点でお話を申し上げました、その数に間違いはありません。

○柴山委員
 このような処理が行われた背景として、総理は、この六月三十日の会見で、会計実務を任せていた元秘書の気持ちを推察してこう述べておられます。個人献金が余りにも少ないものですから、そのことがわかったら大変だという思いが一部にはあったのではないか。
 しかし、総理、実際は四年間で個人献金は二億円超と、ほかの政治家と比べて突出しています。というのは、総理の個人献金は、氏名などの個別記載の必要がない年間五万円以下のものが大変多いからなんです。
 こちらのパネルをぜひ見ていただきたいと思います。
 このパネルは、総理の資金管理団体である友愛政経懇話会の個人献金に関する図です。ごらんのとおり、平成十七年から二十年まで、総理が訂正発表されたのは、右側の実名献金の部分のみです。四年間の匿名献金は、合計で個人献金総額の六割を超える一億三千万円余り。仮に最大額の五万円の寄附ばかりだったとしても、延べ二千六百人もの寄附があったことになってしまって、極めて不自然です。無論、政治資金パーティーはこれとは別にあるわけです。
 総理、六月三十日の会見では、この五万円以下の献金について、弁護士が、まだ完全には終わっておりません、調査を続けるということでありますと約束されています。また、七月十日には、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会から、理事会の協議に基づいて、友愛政経懇話会の質疑に関連し、五万円以下の献金を記載した会計帳簿をもとに、人数、金額等の明細を速やかに提出されることという要請文がそちらに届いているはずです。
 こうした約束や要請に基づき、五万円以下の匿名献金がどのようなものなのか、明らかにしていただけますね。いかがですか。

○鳩山内閣総理大臣
 今、柴山委員がお話をされましたように、六月三十日の時点において、いわゆる五万円以上、すなわち表に名前が出る部分に関して、私どもが依頼した弁護士による調査によりまして、先ほどお尋ねがありました額が判明をいたしました。そのときに、私が、なぜこのようなことを元会計実務担当者が行ったか、これは推察の域を出ないのでありますが、その思いを私なりに判断して申し上げたところでございます。
 私は、実は、この件に関して、もともと私の個人資産が勝手にこのような形で虚偽記載の穴埋めに使われてしまったということを全く承知しておりませんでした。そのことが大変に国民の皆さんに御迷惑をおかけしたことは事実だと思います。
 私が申し上げたいことは、すなわち、このような事件が発覚した日以降、この調査を依頼した弁護士からは、一切その元会計実務担当者と連絡をとってはならない、もしとったとすれば、そのことによっていろいろと口裏合わせをされたというふうに思われてはいけない、したがって、私は、その日以降、一切、彼とも電話も含めて連絡をとっておりません。
 その六月三十日の時点においては、私は、やはり何か私自身が、個人献金そして企業献金、その額をそれなりに、ある意味で個人献金の部分もふやすようにすることがむしろ透明性が高まってよいのではないかという発想をいろいろな機会で述べておりましたから、元秘書もその思いで、しかしなかなかうまくいかないから、それを合わせるために虚偽記載をしたのではないか、そのように考えておりました。
 しかし、そのときに、五万円以下の部分に関しては、調査を依頼した弁護士からは、まだ確実にそこのところは調査が進んでおらないからよくわかりません、ただ疑わしい部分もないとは言えないのではないかという話はありました。
 したがって、いまだに私も、どのくらいその中で実際に本当に小口で納めて寄附をしてくださった方がおられるのか、また、そのうちのどの部分が虚偽であるのかということは判明しておりません。
 連絡も一切絶っておりますので、そのような状況でございまして、その中で、今御案内のとおり捜査が進んでいるということでありますので、地検の捜査にゆだねて、全容が解明されることを祈念しているところでございます。
 以上です。

○柴山委員
 元公設秘書の方に接触をしなくても、政治資金収支報告書やそれに付随する会計帳簿は、総理がいつでもごらんになれるわけです。したがって、御自分でそうしたことについて調査をし、そして全容を把握することは極めて容易であります。
 少し質問をかえます。
 ここで重要なのは、総額五万円超にせよ以下にせよ、こうした偽装献金の資金源です。
 六月三十日の会見、そして今総理からもお話がありましたように、総理個人のお金を預けていたものが不正流用をされていて、自分は全く知らなかったけれども、それが一千万円を楽に超えているという説明が弁護士からありましたが、間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 そのことは事実でございます。

○柴山委員
 では、それを超える偽装献金があった場合、その資金源はどうなっているのでしょうか。
 朝日新聞の十月二十五日の報道によれば、平成十六年から二十年までの政治資金収支報告書に記載されていた合計約一億七千七百十七万円に上る小口の匿名献金の大半が、鳩山家の資産管理会社である株式会社六幸商会の管理資金だったと報じられています。これは事実ですか。

○鳩山内閣総理大臣
 六幸商会というのは、私を初め、私の家族の資産の管理をしているところでございます。その中の管理資産というのは、すなわち私の個人資産ということでございます。

○柴山委員
 要するに、個人の口座、それから六幸商会の口座、これが二つとも偽装献金に使われていた可能性を、今総理はみずからお認めになったと理解をいたします。
 現に、十月二十九日付のNHKニュースでも、総理の先ほど来問題となっている会計担当の元公設秘書が二つの口座からこの偽装献金の資金を引き出していたとしています。
 一つは、総理個人名義の口座であり、必要に応じて、秘書が通帳などを預かって金を引き出していたとされています。
 もう一つは、六幸商会のことだと思いますが、鳩山氏の資産管理会社が管理する口座であり、資金が必要になるたびごとに、総理自身が了承したとする指示書が会社に出され、元秘書が金を受け取っていたと報じられているんです。このような手順であったことは、私どもの調査でも確認をしております。
 いずれにせよ、総理がこの資金操作を御存じないことはあり得ません。間違いありませんね。

○鳩山内閣総理大臣
 今お尋ねがありましたが、元の秘書、会計実務担当者が、お金が足りなくなりましたということで、いわゆる六幸商会に管理してもらっている私の口座から、これだけお金が足りないから貸してください、引き出させてくださいということで、引き出すことに私が署名しているのは事実でございます。
 ただ、その全容が幾らになっているかというようなことも、私自身、全くこの全容を承知していないで、いわゆる私の政治活動に対するお金が足りなくなったから私のお金を借用するんだな、そういう思いでそれを理解して、署名をしていたのは事実でございます。それは、調べればすべてわかるわけですから、総額をお調べになればわかりますが、そこは、すべて今、地検の方で捜査が進んでおりますので、いずれ全容が判明すると思います。

○柴山委員
 総理、こちらのパネルにも書きましたが、政治資金規正法では、年間一千万円を超える寄附は、たとえ政治家がみずから代表を務める資金管理団体に対しても行うことができないという量的制限が罰則つきで定められているんです。
 あなたは、自己資金とおっしゃいますが、この規制違反があるかどうか全く無関心だったんですか。

○鳩山内閣総理大臣
 言うまでもありませんが、その一千万という、寄附において上限があることは理解をしておりました。
 したがって、私は完全に元秘書を信頼しておりましたから、その部分、一千万円までは当然のことながら寄附とする、それを超えた部分は当然のことながら貸し出しをするという、すなわち、私のお金を借りて運営をする、そして、したがって、その部分に関しては後で当然返してもらうような判断ができていたものだと理解をしておりました。

○柴山委員
 御自分の刑事責任に関する問題ですから、これが本当に貸し付けに使われていたのか、それともそれ以外の支出に使われていたのかということを、当然総理みずからが確認をされていなければおかしいという話になると思います。
 委員長、以上の質問に関する事実確認のため、株式会社六幸商会の社長である小野寺重穂氏の参考人招致を求めます。

○鹿野委員長
 後刻、理事会で協議いたします。

○柴山委員
 総理、偽装献金の資金源について、総理御本人以外の個人、例えばお母様などの親族ですとか、会社、労働組合などの団体からのものはないと言い切れますか。

○鳩山内閣総理大臣
 私としては、私の知る範囲においてそのようなものはない、そのように信じておりますが、そのこともすべて、今、地検の捜査が進んでおりますので、そこで全容が解明される、そのように信じております。

○柴山委員
 総理が、この問題について説明責任を果たす御意思が全くないということがわかりました。
 申し上げるまでもなく、政治家個人の資金管理団体、こちらに対する企業・団体献金がもしあるとすれば、それ自体、政治資金規正法によって罰則で処罰をされることになっています。そして、代表を務める政治家以外の個人、これには親族なども含まれますけれども、こういう方からの献金が年間百五十万円を超えることも、同じく罰則つきで禁止されていることを付言させていただきます。
 次の質問に移ります。次も大変深刻な質問です。
 私たちの調査や報道によれば、平成十七年以降、実際に献金をしていなかった方々に対しても、友愛政経懇話会の方で所得税の寄附金控除に係る証明書が発行されていたことが判明いたしました。こうした不適切な発行は、四年間で延べ百十六名、献金額合計千四百三十万円分に上るということです。
 そこで、財務省にお尋ねしたいのですが、この不正交付された書類が寄附金控除に実際に使われたという事実はありますか。イエスかノーかだけで結構ですので、お答えください。

○藤井国務大臣
 イエスかノーかだけよりも若干申し上げますが、選挙管理委員会などでこれは出すわけですね。そこは適正に調べていると思います。それに対して、国税庁に対してその申告書が出てくるということでございます。それについては、申告書というか、寄附のための書類が適正であるという前提で国税は処理をいたしております。

○柴山委員
 要は、提出されているということは間違いないということでよろしいわけですね。

○藤井国務大臣
 選挙管理委員会から出たものは提出されているというふうに申し上げられると思います。

○柴山委員
 選挙管理委員会から出たものが提出されているということについて確認をさせていただきました。
 では、総務省に伺います。
 偽装献金であるとして収支報告書から削除された平成十七年以降のこの架空の寄附金の控除証明書について、鳩山氏側に返還の指導をした事実はありますか。それに対して鳩山氏側から返還された証明書は何通ですか。事前通告しています。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。

 友愛政経懇話会の収支報告書から訂正、削除された寄附者の寄附金控除のための書類の返却を当該政治団体に指導した事実はあるのかという御質問だったと思います。
 法に定めがございませんので、指導した事実はございません。

○柴山委員
 総務省に返還された証明書はありましたか、なかったんですか。これについて答弁漏れだと思います。お答えください。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えいたします。

 法に定めがないものですから、指導をしていません。ですから、定めがないものを返却するということを、これは適切にやってくださいと言ったことはあります。(柴山委員「それは指導しているんでしょう」と呼ぶ)これは指導ではありません。法に定めがないということでございます。そのことを御理解ください。

○柴山委員
 わかりました。指導という言葉は撤回をさせていただきましょう。
 いずれにせよ、適切に処理をしてくださいと言われて、鳩山氏側から返還された証明書は何通ですか。

○原口国務大臣
 柴山議員にお答えをいたします。
 友愛政経懇話会に交付した寄附金控除のための書類については、その後、総務省では確認をしておりません。

○柴山委員
 こうした架空の証明書がもし利用されていれば、所得税の脱税や国家に対する詐欺行為となりますし、これがもし廃棄されていたとすれば、それは偽装献金隠しのための不当な公文書の破棄となります。
 さて、総理と弁護士の六月三十日の会見によると、偽装献金が始まった時期は平成十七年ごろ、少し前かもしれないとのことでした。よろしいですね。

○鳩山内閣総理大臣
 はい、そのように私も感じております。

○柴山委員
 しかし、今回、偽装献金発覚に伴う収支報告書の訂正方法として、当該偽装額を寄附項目から削除するとともに、総理御自身から友愛政経懇話会に対する貸付金に追加するという形で処理をされていますが、平成十七年以前からも偽装献金があることに気づいていた以上、その金額も貸付金に加味するべきではなかったんですか。

○鳩山内閣総理大臣
 これは、いわゆる弁護士の方による調査によりまして平成十七年以降の分まではまず明らかになった、ただ平成十六年以前のものに関しては必ずしも正確にまだわからないということが六月三十日の時点の報告でありました。
 その意味で、当然のことながら、もし平成十六年以前においてもそのような事実というものがあるのであれば、当然その分、私の個人資産から偽装の部分に流用されていたということになるわけでありますし、今お尋ねがありましたように、その部分に関してはまたしっかりと、今検察において調査をされていると思いますから、その額がもし判明いたしましたら当然また貸し付けという形で処理をする必要が出てくる、そのように思っております。

○柴山委員
 いずれにいたしましても、平成十六年以前の部分、そして今回問題となっている五万円以下の部分、偽装献金の額が間違っていたらさらに貸付金額の訂正が必要になるということを総理御自身がお認めになったと理解をいたしました。
 とすれば、先日発表された閣僚資産報告書にある貸付金の記載もうそということになりますが、結局、総理の発表される経理関係の書類はすべて信用できないということになりませんか。

○鳩山内閣総理大臣
 私は、今調査をして判明している事実に基づいて修正を申し上げているところでございます。できる限りそこは正確に行いたい。ただ、その後、今お話がありましたように、この小口の部分、さらには平成十六年以前の部分に関しても当然、貸し付けから偽装という部分があったとすれば、その部分に関して修正をしなければならない、そのように理解をしております。

○柴山委員
 それでは、次の質問に移ります。
 総理御自身の責任についてお尋ねをいたします。
 総理は、六月三十日の会見で、先ほど申し上げたとおり、今回の事件について、総理はおろか会計責任者も見ていないという状況で、会計の実務担当の秘書が一人でやっていたとお話しされています。
 しかし、先ほど述べたとおり、秘書が偽装献金のために六幸商会から資金を引き出すたびに、あなたは指示書を出しておられる。しかも、名前を勝手に使われた人には、総理の同級生や高校時代の恩師などのあなたの個人的な知り合いまで、住所や氏名が明記されているのです。あなたが無関係だったとは到底思えないんですけれども、いかがですか。

○鳩山内閣総理大臣
 本当に申しわけないことに、私が大変にお世話になった方々の名前がその中に入っていました。私がお世話になっていない方でも失礼な話ではありますけれども、そういった恩師に対して大変申しわけないことをしたという思いは強く感じております。逆に言えば、もし私がこんなことを知っていたらば当然やらせる話もないわけでありまして、全く承知をしておらなかったことが残念でなりません。元会計実務担当者を完全に信頼し切ってしまっていたことを、会計責任者も元会計実務担当者を信頼しておりましたから、その意味で、大変、うちの事務所のコミュニケーションというものが足りなかった、その結果でこのようなことを起こしてしまったことは本当に申しわけない、今そのような思いをさらに感じております。

○柴山委員
 そのことを別にしても、かつて鈴木宗男衆議院議員の秘書が、いわゆるムネオハウスの受注に絡む業務妨害事件で逮捕された件について、総理は、平成十四年五月二日の夕刊フジの記事において、このように書かれています。「私は以前から鈴木議員に辞職を求めてきたが、議員の分身と言われている会計責任者の逮捕は議員本人の責任であり、改めて強く求める。」と述べておられます。

 また、土井たか子元衆議院議長の秘書による秘書給与流用事件でも、総理は、平成十五年七月二十三日のメールマガジンで、「私は政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば「あれは秘書のやったこと」と嘯いて、自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。」「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです。」と述べておられます。
 今回、会計実務担当者が犯した事件について、あなたはどう責任をとられるのですか。

○鳩山内閣総理大臣
 会計実務担当者も当然元秘書であります。私も、かつて何度もいろいろとこういった政治腐敗の話が出た際に、このように、秘書が犯したことだから、だからこれは議員は関係ないんだというような弁明をすることは潔く思っておらなかった、それは言うまでもありません。このことは私自身にも適用できる話だと思っています。
 その意味で、会計責任者に対する監督及び選任というものに対してそれなりの責めというものを感じてはおりますが、元会計実務担当者に対して会計責任者が同じように信頼し切ってしまって、この問題を全く把握しておらなかったということも問題があると思っております。私自身に全く責任がないと申し上げているつもりもありません。
 したがって、全容をまず、地検に今捜査が及んでおりますから、その捜査を進めていただいて、全容を解明していただきたい、まさにそのことを感じておりまして、そのことを通じて、すなわち、いわゆる監督責任があるかという話であろうかと思いますが、監督責任の是非に関しては、捜査が今進行しておりますから、そこにゆだねたいと思っております。

○柴山委員
 それでは、当該担当者の刑事責任が確定した場合はどうするおつもりですか。

○鳩山内閣総理大臣
 まだそのようなことが確定をしておるわけでありませんから、そのときに判断を申し上げたいと思いますが、仮定のお話に今ここでお答えさせていただくのは控えさせていただきたい。御容赦願いたい。

○柴山委員
 念のために申し上げますが、政治団体の代表者が会計責任者の選任、監督について相当の注意を怠ったときには五十万円以下の罰金に処すると規定されておりますし、また、罰金刑に処せられた場合は五年間の選挙権、被選挙権の停止となり、議員生命にもつながる重要な事態となる。このことを総理にはぜひ最後に御認識をいただきたいと思います。
 委員長、質問の最後に当たりまして、この鳩山資金スキャンダルの集中審議をぜひ開催していただきますようにお願いいたします。

○鹿野委員長
 後刻、理事会で協議をいたします。

○柴山委員
 質問を終わります。ありがとうございました。

第171回 国会 衆議院 内閣委員会

第171回 国会 衆議院 第17号
平成21年7月8日(水)
午後一時二分開議

○保坂委員
 社民党の保坂展人です。
 お二人の林大臣、御就任おめでとうございます。
きょうは、まず最初に、規制緩和ということで、これまでの許認可が届け出制になったということで、KDDIが行ってきた国際オペレータ通話、これは日本国内から〇〇五一をダイヤルするとオペレーターの方が出てくる、こういうサービス、そして、海外からジャパンダイレクト、このサービスが、二〇一〇年の、つまりは来年ということになりますね、三月三十一日以降終わるということについてお尋ねをしていきたいと思うんです。
 きょうは柴山外務大臣政務官に来ていただいていますが、これまでこのジャパンダイレクトが果たしてきた役割というのはかなり大きいんだということを私は聞いております。例えば、盗難に遭った場合に日本のカード会社を的確に捜してくれて解除の申し入れをつないであげるというようなことであるとか、あるいは事故、病気、そういった個人のアクシデント、さらには、最近では新型インフルエンザでメキシコでホテルに滞在をしているところに日本から架電をしても電話がかからない、あるいはかかっても言葉の問題で日本語、英語では通じないということで、大変利用が多かった、こういうことなんです。
 外務省として、邦人保護ということで現地の大使館等あるわけですけれども、こういったジャパンダイレクトが廃止をされるということに対して私は懸念を持っているんですね、大丈夫だろうかと。高齢の方の旅行者も多いです。四十二、三回ダイヤルすれば直接できますよと、これはスーパージャパンダイレクトですか、これも導入されるということですが、この点について、柴山さん、いかがですか。

○柴山大臣政務官
 お答え申し上げます。
 今先生がいろいろと事例を挙げて御質問されましたけれども、邦人保護という観点から申し上げますと、一般的には、海外邦人からの援護要請、これは主として滞在国の国内通話として管轄の在外公館に対して行われているのが実情です。まれに、確かに海外邦人から外務本省の邦人保護を担当する部署に対して直接国際電話をいただくということはありますけれども、そのまれな事例におきましても、一般的には通常の直接国際電話であるというように承知しております。
 そして、それ以外のさまざまな、外国から日本に対する通話ですけれども、外務省としては、海外から日本への電話のかけ方の照会を受けた場合には一つの手段として御紹介をすることはありましたけれども、結果として、どの程度の海外邦人が日本国内への国際通話の際に御指摘のKDDI国際オペレータ通話を利用されているかということについて、私どもとして把握してはおりません。

○保坂委員
きのう、部屋に、私のもとに来てもらいました。私ちょっと驚いたのは、大体、日本からメキシコにかける、つまり日本から海外、これはもうやっていないんじゃないかと言うんですね。ところが、やっていないというのは間違いでした。やっているんですね。ですから、こういうときに、新型インフルエンザで、ホテルで、ちょっと出られなくなっているというときに、こういうオペレーターを介した通話で安否確認や家族の通話がされているということを外務省が認識していないのはとてもおかしいし、では、これが廃止をされたらどうするんだと言ったら、通訳を介した会社を紹介しますと言うんですね。
柴山政務官、これは費用はどのぐらいかかるか、御存じですか。

○柴山大臣政務官
 一般的には、通訳を扱う会社にはさまざまなものがありまして、一概に相場等は、平均幾ら幾らということは、なかなか言いにくいと思っております。
 それと、今先生が御指摘になった新型インフルエンザに際して、確かに安否確認等の必要性から、日本からの海外に対する通話そのものがふえたということはあるのかもしれませんけれども、それによって、御指摘のKDDI国際オペレータ通話がどの程度ふえたのかということについては、これは外務省としては把握はしておりません。

○保坂委員
 柴山大臣政務官に確認したいんですが、ロシアは核大国、軍縮の話も再開されて、それはうれしいことですけれども、ただ、日本の使用済み核燃料の再処理というのはうまくいっていないのは御承知のとおりなんですよ。六ケ所もなかなか進んでいかない。
 もう時間がないので、では林大臣が原子力関係を所管されているので、そこで総括して答えていただいてよろしいですか。
 六ケ所で処理がし切れないんですよ。大量の委託を今度ロシアにしていかなければいけないという日本側の事情もある。他方において、ロシアでこういったIAEAの査察体制は現状はない、ないけれども、ここの、具体的にアンガルスク国際ウラン濃縮センターというところは記されている。私たちとしては、やはりIAEAのしっかりした保障措置があることが前提であって、例外だけが走るなんということがないようにしっかりこれは目を光らせていかなければならないと思いますが、その点についていかがですか。

○林(幹)国務大臣
 原子力安全委員会を抱えていますけれども、あくまでも国内での所管でございまして、ちょっと所管外でありますので、コメントは控えたいと思います。

○柴山大臣政務官
 今委員御指摘のとおり、現在の協定の中で、我が国からロシアに対して使用済み核燃料を含めた原子力関連品目等の移転を行うためには、ロシアにおいてIAEA保障措置が実際に適用される施設が存在することが条件となっておりまして、この点は本協定に明記をされております。
 ですので、政府としては、先ほど参考人から答弁をさせていただいたとおり、こうした点についての見通し等が得られた上で、この協定の締結について必要な承認を求めるために国会に提出をするという予定でおります。
 ですので、今おっしゃったように、IAEAの保障措置が適用される施設がどこにもないままで我が国の使用済み核燃料から回収されたウランが再濃縮のためにロシアに移転されるということはございません。
 そして、急いでいるんじゃないかという御指摘なんですけれども、日ロ原子力協定は、二〇〇七年の四月から本年二月まで計八回にわたる交渉を経まして、その内容について日ロ両国政府間で合意が得られたということから、去る五月十二日に署名を行ったものでありまして、御指摘のような国内事情との関連性はありません。

第171回 国会 外務委員会

第171回 国会 衆議院 第18号
平成21年6月24日(水)
午前九時開議

○近藤(昭)委員
 大臣、ありがとうございます。
 大臣にも御説明をいただきましたように、さまざまな背景、手続がある中ではありますが、ぜひ、しっかりと推進をしていっていただきたいというふうに思うわけであります。
 ところで、政府は、今月十二日、情報交換を主な目的とした租税条約を英領のバミューダ諸島と締結するための交渉を始める、こういう発表をされたわけであります。
 今回のバミューダとの交渉開始は、四月のG20首脳会合がタックスヘイブンの監視強化で合意したことによる、我が国のタックスヘイブンへの監視の強化の一環ともとれるわけでありますが、同じく租税回避地と言われる英領ケイマン諸島や香港島との租税条約交渉への弾みとなることが私は期待されておると思います。
 今回、バミューダ諸島との交渉に至った背景やねらいについて、具体的な説明をお聞かせいただければというふうに考えます。

○柴山大臣政務官
 お答えいたします。
 御指摘のとおり、租税に関する透明性の確保等に協力的でない国、地域を通じた国際的な脱税及び租税回避行為の防止に向けては、OECD、G8、そして今御指摘のあったG20といった多数国間の枠組みにおける取り組みが行われていますけれども、こうした国や地域との間で直接国際基準によった情報交換を実施する枠組みを構築することによりまして、国際的な情報交換ネットワークの整備及び拡充を図ることが重要だと考えております。
 このような観点から、我が国政府といたしましても、今お話があったように、本年六月にバミューダ政府を対象といたしまして、租税に関する情報交換を主体とした協定の締結に向けた交渉を開始したところです。このような協定を我が国がバミューダとの間で締結することは、現下の国際経済金融情勢のもとでタックスヘイブン問題への関心が高まっている中で、OECD等の場を通じた国際的な取り組みと相まって、我が国としても重要な役割を果たすことにつながると考えております。

○日森委員
 特にウラン鉱山ということが大変焦点になっていると思うんですが、これまでオーストラリアとかカナダとかいうところから中心に輸入をされてきたんですが、カザフスタンとの協力関係、これが一層強化をされるという御答弁がございました。そうすると、特に、恐らく焦点の一つであるウラン資源をどのように日本側で利用していくのか、その計画について、できる限り具体的にお示しいただきたいと思います。

○柴山大臣政務官
 委員御承知のように、我が国は、平和的目的に限って利用するために、主に原子力発電所等の燃料として、カナダ、豪州等の諸外国のウランを輸入しております。
 それと同様に、二〇〇七年六月、カザフスタンとの原子力協定締結交渉を開始する中で、原子力の平和的利用及び核不拡散等を担保するのに十分な内容の協定を作成すべく、現在、鋭意交渉を行っているところであります。

○日森委員
 先ほども出ましたが、オバマ大統領のプラハ演説というのがございました。核の廃絶に向けて我が国も努力を行うというふうに中曽根外務大臣もおっしゃっておりまして、「ゼロへの条件 世界的核軍縮のための「十一の指標」」というのを発表されました。核不拡散はそのための重要な要素だというふうに私どもは理解しています。
 先ほどと同じ答弁かもしれませんが、カザフスタンと原子力協力を進めるという中にあって、どのような努力が進められているのか、もうちょっと具体的にお示しいただきたいと思います。

○柴山大臣政務官
 委員の御質問ですけれども、個別具体的な計画については、商業上の考慮も必要であることもありますので、ちょっとこちらでの説明を差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、カザフスタンは、ウラン資源の供給国として大きな可能性を有しているわけですから、ここからウランを輸入できれば、将来、我が国の原子力発電の安定的な運転にとって有益であるというように考えておりますので、そういう方向で交渉を進めております。

○日森委員
 中央アジアプラス日本、これも先ほどどなたか御質問がありましたが、ちょっと違う角度で御質問したいと思うんです。
 当時外務大臣だった麻生総理が、中央アジア非核地帯条約案起草のために資金を拠出して非核兵器地帯創設を支援する意向というのを示しておるわけです。中央アジア諸国は、先ほど武正委員の御質問にございましたけれども、五カ国が非核地帯を宣言している。中央アジア諸国もその早期署名に向けて核兵器国を含む関係国間の協議を実施するということになっているんですが、この点について、カザフスタンとの確認は既に行ったのかどうなのかということについてお聞きをしたいと思います

○柴山大臣政務官
 お答えいたします。
 御指摘の条約は、中央アジア五カ国の批准を得まして本年三月二十一日に発効しておりますけれども、本件条約が実効性を伴って機能するには、核兵器国の義務を定めた議定書、これが発効することが望ましいわけで、我が国としては、核兵器国との協議の現状を含め、カザフスタンを含む中央アジア五カ国に対して確認を行うなど、関連の動向を注視してきました。しかし、現時点でそのような協議が行われたとは承知をしておりません。

第171回 国会 外交防衛委員会

第171回 国会 参議院 第21号
平成21年6月23日(火)
午前十時開会

○白眞勲君
 防衛大臣、どうもありがとうございました。今日はこの辺りで私は結構でございますので。防衛省さんは大丈夫でございます。ありがとうございます。
 それでは、EPA協定についてお聞きしたいと思います。
 まず、ベトナムとのEPA協定についてお聞きしたいんですけれども、この条文を見ますと、将来における看護師や介護福祉士の受入れの可能性について言及があるわけなんですけれども、どうなんでしょう、外務省さん、これは受け入れるおつもりなんですか。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
 御指摘のベトナムとの関係なんですけれども、ベトナム国内では医療、介護水準の向上ですとか人材育成が必要だとされておりまして、また、看護師に係る国家試験制度等も未整備であるといった状況にあります。ですので、交渉において、インドネシアやフィリピンと同様の受入れ枠組みを設けるという結論には至っておりません。
 最終的には、本協定の発効後、可能な場合には一年以内、遅くとも二年以内に結論に達することを目的として両国間で引き続き交渉していくということで合意をいたしまして、これを協定で我が国の約束として明記をしました。
 ただし、先生御指摘の点ですけれども、この約束はベトナム人の看護師候補者をインドネシアやフィリピンと同様の枠組みで将来受け入れていくということについて何ら現時点で決めているものではありません。
 なお、この継続交渉に係る約束とは別に、我が国の現行の入管法令で認められている内容を本協定でそのまま約束してほしいというベトナム側からの要望を踏まえて、現行の入管制度の範囲内で、我が国の看護師免許を取得した日から最長で七年間、看護業務に従事するための入国及び一時的な滞在を認めるということ、これについては合意をしております。

○白眞勲君
 交渉をこれからしていくんですよというお答えなんですけれども、交渉するには、当然、こちらとしてのスタンスというのを見せていかないとこれは交渉にならないと思うんですね。
 受け入れる方向で交渉していくのか、いや、受け入れたくないけれども向こうからの強い御要望があるから、その辺はそういうスタンスで交渉していって、どこかで妥協点を見出していくつもりなのかどうか、この点についてちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
今申し上げたとおり、まず、とにかくやはり我々としては質の確保というところが重要な問題であるというように思っております。
 当然のことながら、インドネシアやフィリピンとの間で特別の枠を設けて受け入れていくというような仕組みをつくっておりまして、ただ、その制度設計として、現時点では、やはりベトナムの国内状況、そういったことも今申し上げたような状況もありますし、また、トータルとしての看護師、介護福祉士候補者の受入れの実施状況、こういう部分もしっかりと見極めていかなければいけないと思っておりますので、総合的な判断として交渉に当たっていきたいというように思っております。

○白眞勲君
 そうしますと、次に、スイスEPA協定について日本との関係でお聞きしますけれども、原産地証明制度が今回簡素化されたということですけれども、これは、今までのEPA協定、特にASEAN関連についてはこれちょっと内容が違っていますよね。これはASEANから簡単に言えば文句出ないのかなという感じがするんですね。こっちもこういうふうにしてくれないかという要請ですけど、この辺どうでしょうか。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
 今御指摘のとおり、日・スイスEPAに規定される原産地証明制度は、これまでASEAN等で行われておりますような発給当局が原産地証明書を発給する第三者証明制度ということを採用しているのに加えまして、今回、輸出国の権限のある当局から一定の基準を満たしているとしてあらかじめ認定を受けた認定輸出者、これによります原産地申告を認めていくという制度が設けられておりまして、輸出者はこれら二つの制度のうちいずれかを用いるということができるようになります。
 この原産地申告制度によって、今申し上げた認定輸出者、こちらは原産品であることの証明に必要な費用及び時間が軽減され、輸出手続が円滑に行われるということになります。これによって日本・スイス間の貿易が促進されることが期待されるということになるわけです。
 ただ、今御指摘のように、じゃ、これまでとの均衡はどうなのかという当然声も出てくるんだと思います。要は、認定輸出業者の信頼性という問題をどう考えるかということだと思うんですね。
 本件制度の実施に当たっては、これまでのやはりスイスの実績などについてもしっかりと我々精査をいたしまして、日本・スイスEPA及び日本、スイス両国それぞれの関連国内法令、これに基づいた認定輸出者の認定要件の在り方、それから運用ということについてしっかりと厳格に行っていけるかどうかということだと思うんですけれども、双方、認定輸出業者が認定条件を満たさない場合には、その認定の下で不適切な運用を行う場合には認定の取消しの義務をきちんと行っていくと。あるいは、原産地申告に疑義がある場合、原産地申告の真正性あるいは正確性についてそれぞれ締約当事国が確認を行っていくと、そういうことをしっかりと担保していくという制度を設けております。
 そのような確認ができない場合には関税上の特権待遇を与えないことができるということが定められておりまして、本制度を適正に運用することによって迂回輸出等の問題にも適切に対処できるというように考えております。

○浜田昌良君
 今答弁いただきましたように、相手国の信頼に足る制度が前提になりますけれども、貿易量からすればスイスに比べ圧倒的にやっぱりASEANなりが大きいわけですから、そういう国々への日本の事業者の輸出をするときの負担を考えれば、そういう能力構築を図りながら世界の貿易を活性化するというのも日本の貢献の大きな一つだと思いますので、前向きに検討をいただきたいと思います。
 次に、ベトナムとの人の交流の話に移りたいと思います。
 これにつきましては既に白委員からもまた小池委員からも質問がございました。今回の日・ベトナムEPAにおいては、日本での資格を取ったベトナム人看護師は、フィリピンEPAやインドネシアEPAと違いまして、これらの二つのEPAの場合は期限なしの在留資格が認められたわけですね。今回は違うと、七年間だと。その理由は何かというと、向こうの国に看護師や介護福祉士の国家資格がないというのが根拠になっているわけですね。
 だから、そうであれば、相手国に看護師の国家資格の制度をつくってあげると、このための技術支援をするというのは向こうの国のいわゆる医療水準の向上にもなるわけですから、是非こういう視点で是非ODAを活用してそういう制度づくりをし、その延長線の中には七年じゃなくて期限をなしにしていくということも含めて考えていくと、こういう見方が重要と思います。これらについての御答弁いただきたいと思います。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
 御指摘非常にごもっともだと思います。その御指摘の技術協力については、今回協定署名時の共同声明に添付されている日・ベトナム間の協力事業・計画リストの一項目として、ベトナムの看護師、介護福祉士の資格制度整備のための技術協力という項目が盛り込まれているところであります。
 この技術協力については、現在ベトナム政府が我が国に要請する支援の内容を検討しているところでありまして、今後、同政府から具体的な要請が出された後、実施の是非を含めて我が国政府において検討を行うこととなります。

○井上哲士君
 日本共産党の井上哲士です。
 EPAと日本農業の問題に絞ってお聞きいたします。
 まず、外務大臣にお聞きしますが、ベトナム、スイス、両国の農林水産物の平均関税率はそれぞれ幾らか、また、両国より平均関税率がはるかに低い日本がこの分野で譲許する理由は何なのか、まずお願いします。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
 WTOの統計によりますと、ベトナム及びスイスの農林水産品に対する平均関税率は、それぞれ二四・二%及び四三・五%でありまして、我が国の平均関税率二一・八%よりも高い水準となっております。
 そして、後段の、なぜ日本がこの分野で譲許するのだということについてなんですけれども、当然のことながら、日本そしてこれら両国との間におきましては、産業構造も国の発展段階も違うわけでございます。そして、それを踏まえて、こうしたEPA協定を締結すれば相互発展に資するということからこうした協定を締結するわけでありまして、その上で、お互いの困難な状況を考慮しまして互いの国内産業へ悪影響を与えないよう十分留意をした上で、御指摘の農林水産品も含めて双方が関税の撤廃や削減を行っているということで御理解をいただきたいと思います。

○井上哲士君
 カナダの先ほどの報告書では、日本の輸入自由化によって日本では穀物及び肉製品の生産が減少する、こうありまして、国内農林畜産業への経済的打撃を指摘をしているわけですね。立場に変わりはないという答弁でありましたが、堅持していただきたいと思います。
 同時に、国内農業への打撃を及ぼす懸念のもう一つは日本とオーストラリアのEPAでありますが、今年三月に第八回会合をされております。オーストラリア側からの日本側への農林水産品の関心品目について、現時点ではどういう要求がされているんでしょうか。

○大臣政務官(柴山昌彦君)
 日豪EPA交渉におきましては、豪州サイドよりは、米、牛肉、乳製品、砂糖及び小麦を含む多くの農林水産品に係る関税等の国境措置に関して特恵的な待遇を得ることについて関心が示されています。

第171回 国会 決算行政監視委員会

第171回 国会 衆議院 第5号
平成21年6月10日(水)
午前九時二分開議

○平岡委員
 二十一年度までに七千九百億円ということで、これで終わったわけではない、まだまだこれから続いていくんだろうというふうに思います。
 今大臣が言われたように、何のためにこれはあるのかというと、やはり基本的には大量破壊兵器に対応するということが視点だと思うんです。では、しからば、大量破壊兵器とは一体何なんですかということですね。一つは、化学兵器ということもあるでしょう。ただ、これについては、禁止条約で北朝鮮だけが周辺諸国では加盟をしていないという状況。それから、生物兵器でありますけれども、生物兵器について言えば、これは北朝鮮も含めて周辺諸国は参加しているということですね。それから、やはり最大の問題は核兵器ということなんだろうというふうに思います。
 この問題については、やはり私は一つ一つ丁寧に、大量破壊兵器というのが使われない状況、あるいは大量破壊兵器を運搬するミサイルというものが使われない状況、こういうものをつくっていく努力をしていかなければいけない。ただ単にBMDをつくれば安心というものでもないでしょうし、BMDができれば、それに対抗するための措置を周辺諸国がとっていくということになって、まさに軍拡競争になっていくということであって、お互い全くためにならないというふうにも思います。
 それを前提として、私たちは、先ほど言いました大量破壊兵器の中でも、核兵器については、東北アジアの非核地帯条約というようなものをつくっていきたいということで党の中でも提案をさせていただいているということでありますけれども、今、世界各地に実は既にそういう条約というのはあります。南半球は実質的には非核地帯にもう全部なっている。東南アジアでも条約はできている。モンゴルも非核地帯宣言をやった。こんなことで進んでいるわけでありますけれども、そうした世界の非核地帯条約のような動きについては、日本政府としてどう評価しているんでしょうか。これは外務大臣政務官、答弁いただければ。

○柴山大臣政務官
 お答えいたします。
 今、委員が御指摘になった非核地帯条約としては、中南米におけるトラテロルコ条約、南太平洋におけるラロトンガ条約、そして東南アジアにおけるバンコク条約、中央アジア非核兵器地帯条約、これらが発効しています。
 これらの条約は、締約国が核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずという、いわゆる非核三原則を内容としておりまして、それぞれの地域の平和と安定の強化に向けての努力のあらわれであると私どもとしては受けとめております。
 これらの条約においては、いずれも、すべての核兵器国の参加を予定した議定書が存在しておりまして、その中には、核兵器国が非核兵器国に対して核兵器の使用または使用の威嚇を行わない、いわゆる消極的安全保障などを……(平岡委員「中身はいいですから。評価です」と呼ぶ)はい。
 こういう議定書があるんですけれども、ただ、トラテロルコ条約を除いては、そうした議定書、実はすべての核兵器国が署名、批准を終えている状況にはありませんので、これらの条約がより実効性を伴って機能するのかどうかということについて、引き続き関連の動向を注視していきたいというように考えております。