委員会での発言
憲法調査会
第161回国会 衆議院 憲法調査会 第1号 2004年10月14日
午前十時開議
○柴山委員
 柴山でございます。
 大変有意義な視察だったと思います。参加された先生方の熱意に改めて敬意を表するものであります。
 私から若干申し上げたいのは、まず一点は、オンブズマン制度についてでございます。
 かなり欧州では機能しているというような御意見がありましたが、我が国の憲法下でこれを明文の法制化、位置づけるということが本当に現実的かどうかというのは、いささか、やはり国情の違いがあるのかなというふうに思います。
 北欧におきましては、言うまでもなく、国民負担率が七割、八割を超える超福祉国家、行政国家というところで、その適正化ということが非常に重要な課題となっております。また、その中で、憲法的統制というものが、国民一般の統制ということが求められているというのもやはり理解できる。また、議会、スウェーデンにおいては全会一致の選任、フィンランドにおいては多数決での選任というような基盤もあり、それに選ばれた方々の意識というものも相当程度高いのではないかと思っております。
 翻って、これを日本に導入した場合に、やはりその質の確保というものについて若干の疑念があるほか、どのような性質のものを想定するのか、既存の違憲審査制度、行政監視制度等の関係をどのように考えていくのか、さまざまな難しい問題が出てくるものと考えております。
 私は、このような観点から、オンブズマン制度を憲法上位置づけるということには、やはり相当な議論が必要になってくるのではないかなというふうに思っておりますし、また、憲法上明定することによって、そうした今活動している私的な団体というものに対して、保護以外に、何らかの規制的な側面というものも出てくるのではないかなというように考えております。
 防衛、安保の観点について申し上げたいと思います。
 先ほど保岡先生から御指摘のありましたとおり、これから日本も平和のために貢献をしていかなければならないという問題意識、このEUの視察からも大変強くうかがえるところでございます。今、日本が、やはり自分たちの国あるいは世界の平和をしっかりと自分たちのリスクを持って維持していかなければいけない、守っていかなければいけない、そのような共通認識を持つということは大変重要なことだと考えておりますし、そのために兵力、そのようなものを整えていかなければいけないという事情も私は賛成でございます。
 ただ、やはり、そういった国民的なコンセンサス、また自国の憲法の改正ということになりますと、当然のことながら三分の二以上の発議ということが必要になってくるわけでございまして、当面は、やはり自衛権の明定、そして平和的な分野における国際貢献という、最大公約数的なものに現実的には落ちつかざるを得ないのかな。長期的に、それを超えた部分、国際的な貢献というものは、国民的なコンセンサスを我々政治家が主体的につくり上げてから改めて議論をする、一度に五十年もつような制度というものを、あるいは憲法というものをこの数年間の短期的なスパンで構築するということはなかなか難しい側面があるのではないかなというように考える次第でございます。
 以上です。
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