- ○中山会長
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これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴山昌彦君。
- ○柴山委員
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自由民主党の柴山昌彦でございます。
本日は、公述人のお三方におかれましては、お忙しいところ朝から御出席をいただき、貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
白石公述人より、順次、今お述べいただいた所見について若干質問をさせていただきたいので、よろしくお願い申し上げます。
公述人は、天皇制につきましていろいろと御見解をお述べになりました。元首の問題についても、また公述人お述べにならなかった天皇の権限についてもいろいろと意見の分かれるところではありますが、今、最後にお述べになった女帝の問題、これについて少し質問させていただきたいと思います。
この女帝を認めることについて、これはきちんと推進していくべきだという御意見だったんですが、これを憲法上も全く男女平等の取り扱いということで位置づけるべきであるかどうか、これについて公述人はどのようにお考えですか。
- ○白石公述人
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私は、憲法上もはっきりと位置づけるべきだというふうに思います。私どもの地方自治体でも、男女共同参画社会の条例をつくって、男女が平等に社会に参画するんだということをはっきりと条例上、第一条に明記してございますので、そういう意味でいえば、天皇の地位も憲法上明記すべきだというふうに思います。
- ○柴山委員
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ありがとうございます。
それでは、例えば将来女帝が誕生した場合に、職務が行えないときにこれを補佐する摂政、これは、今、皇室典範では皇太子の立場にある人が摂政をするということになっているんですけれども、女帝の御主人に当たる方を優先するのか、それとも現行の皇室典範のように皇太子となる人が行うべきなのか、これについてはどのようにお考えですか。
- ○白石公述人
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私は、天皇の制度そのものはやはり皇統に基づくというふうに考えておりますので、摂政についても、少なくとも皇太子が摂政をすべきだというふうに思います。
- ○柴山委員
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確認ですが、それはもちろん、皇太子たる地位の方が女性でも同じ、そういうことでよろしいわけですね。
- ○白石公述人
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それは全く同じでございます。
- ○柴山委員
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次の質問に移らせていただきます。
憲法第九条、これについてお伺いしたいと思います。
先ほど公述人は、自衛隊を軍隊に位置づけるべきだ、また、国際紛争を解決する手段として、武力の行使も認めるべきだという御見解でした。個人的には、最終的にはそのような方向も私は十分検討に値するというように思っておりますが、先ほど来、憲法の改正には、各議院の三分の二以上の議員の発議が必要で、また国民の過半数の同意が必要だという高いハードルがあるわけです。
このようなハードルの中で、今公述人がおっしゃったような御意見というものが受け入れられる見通しというのをどの程度考えていらっしゃいますでしょうか。
- ○白石公述人
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先ほど、読売新聞の各党の国会議員に対するアンケート調査の結果についてちょっと触れさせていただきましたが、自由民主党は九六%改正に賛成、民主党も七七%が賛成、公明党が八三%賛成という中で、私は、憲法改正そのものについては大方三分の二の賛成は得られるのかなと。
ただ、九条について言えば、なかなか難しい部分がありますけれども、これも新聞の世論調査ですが、国際貢献などの今の憲法では対応できない新たな問題が生じているので憲法を改正すべきだという意見が六二%あるということで考えますと、国際貢献について言えば、少なくとも国民の過半数は賛成していただけるのではないか。
しかも、今の憲法の前文にも書いてありますけれども、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」、こういう形で前文にも書かれているように、まさに日本がこれだけの経済大国になった以上、国際貢献をしなければならない責任はますます大きくなっている、このことについては国民の皆様方の御理解は得られるものというふうに考えています。
- ○柴山委員
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ありがとうございます。
また、九条二項の部分で、公述人の御意見として、自衛のための戦力は保持することができるという御見解でしたが、他国からの不当な侵害に対する自衛ということには、いわゆる密接な関係国に対する集団的自衛権、これは含まれるとお考えでしょうか、どうでしょうか。
- ○白石公述人
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これもまた日本国憲法の前文にあるんですけれども、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、」この後が問題なんですが、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」もしこの決意が本当であれば、日本という国は本当に独立国なのかということを疑わないわけにはまいりません。
そういう意味でいえば、他国の侵略から断固として国民の生命、財産を守ることについては当然の国の義務ですから、このことについて当然、それは軍隊と言いますか国防軍と言うか自衛軍と言うか、名前はどういう名前でも結構ですけれども、日本国民の命と財産を守るための組織は必ず必要だ。
それでは、日本国が一国で日本の平和を守れるかということになれば、これはもう全く不可能なことはだれが考えたって当たり前ですから、集団的自衛権もこの中に入るというふうに思います。
- ○柴山委員
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さらに、緊急事態の憲法のあり方について、国家緊急権を憲法上位置づけるべきであるという見解もあります。また、被爆国日本のあり方として、大量破壊兵器、また核兵器についての非核三原則、これについても明確なスタンスというものを打ち出すべきではないかという意見もあるところですが、これについて公述人はどのようにお考えでしょうか。
- ○白石公述人
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大量破壊兵器並びに核の廃絶は、まさに日本だけではなくて、世界の念願ですから、悲願ですから、このことについては明確に打ち出すべきだというふうに思います。
なお、国家非常事態については、当然いろいろな状態が想定されますけれども、そうした事態になったときに、国会を召集してすべて国会の決定に従うというようなことで本当に国の安全、国民の安全が守れるかということになれば、国家非常事態を想定した条項、条文はあってしかるべきだというふうに思います。
- ○柴山委員
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次に、私有財産の制限についてお伺いしたいと思います。
公述人は、なかなか進まない区画整理あるいは土地収用等を念頭に置かれまして、それを制限するという明文を設けるべきだという御主張だったわけですけれども、具体的に公述人のような条文の体裁にした場合に、具体的なその収用等の手続をどのようにすればよいとお考えですか。先ほど、土地収用委員会が有効になかなか機能しないというような御主張だったと思うのですが、例えば、議会の多数決で少数者の財産権、これは必要不可欠な財産には及ばないとはいえ、それを剥奪するような決定もできるというような形でお考えなのか、公述人の御意見を伺いたいと思います。
- ○白石公述人
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現在の土地収用法では、例えば成田空港の問題もそうですけれども、過激派に収用委員が襲われるという中で、千葉県の収用委員会は収用委員全員が辞任をしてしまって、収用委員会そのものも存在しないというような、こんな異常事態が現在の法律のもとでは現実に起こっている。
このことを考えたときに、私は、ある意味で土地というのは領土ですから、国を形成する基本の三原則の一つ、領土ですから、これを個人が、絶対に公の福祉に使わせない、どうしても賛成しない、どうしても売却に応じないということであれば、基本条例の中で、これを議会の決議によって売却、収用ができるという形にすべきではないのかな。
収用するといいましても、現在では、民民売買より民官の売買の方が高い値段で収用しておりますし、民民売買の場合は、例えば建物があった場合は建物を取ってから売買するというのが今の習慣ですけれども、私ども例えば足立区と民の売買の場合には、建物もそっくり買い取るということですから、古い建物も、現実には坪数に応じて、新規の建物が建ったら幾らになるかということを前提にした形で、土地も建物も営業権もすべて補償して買い取るということですから、私は、私有財産の侵害には当たらない、こういうふうに思います。
- ○柴山委員
-
ありがとうございます。
それでは、地方自治の議論に移りたいと思います。
まず、今、地方公共団体の長の多選の禁止を法律上設けるべきではないかという議論がなされていますが、これについて公述人はどのようにお考えでしょうか。
- ○白石公述人
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私どもの地域では、四選以上した首長は足立区にはおりませんけれども、足立区の四選目の首長で一番大きな問題になったのは、四選もしますと、執行機関、部下をどうも自分の言うことを聞く、言いなりの部下を集めてしまう、こうした嫌いがややあって、常に行政は区長のイエスマンになってしまうということを考えますと、私は、首長の多選は禁止すべきだ、このことが地方自治体、地方政治の活性化に必ずつながっていくというふうに考えております。
- ○柴山委員
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基本条例と国の法律との関係についてお伺いしたいと思います。
国の固有の権限ということで恐らく公述人が考えられているのは、司法あるいは外交、刑罰といったような全国的な事務だと思うんですけれども、それ以外の自治事務に関連する事項であっても、例えば公害の規制ですとか河川法による管理などについて、国全体の利益や他の地方公共団体の利益を配慮した形でのやはり国の法規制というものは当然想定されると思うのですね。
そのような中で、徳島市公安条例事件の判決というものが昭和五十年に出ていて、法律と条例との抵触関係については、ただ文言上比較するだけではなくて、その趣旨とか目的、内容とか効果をきちんと判断して決めるべきだ、つまり矛盾、抵触があるかどうかを決めるべきだという判断がなされていますが、このような判断で、例えば上乗せ条例ですとか横出し条例というようなものの適法性を妥当な形で解決できるのではないかと思うんですが、公述人はどのようにお考えでしょうか。
- ○白石公述人
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私は、今言うような形の中で、もちろん条約とか司法とか、こうしたものについて国の権限を地方自治体が侵すというようなことは考えてもおりませんけれども、そういう意味で、例えば河川などという広域的な問題については、先ほど私の方からお話しさせていただきました道州制というような形のものを導入していく中で、一地方自治体というよりは、新たにつくった道州制の中で広域的な行政については解決していくべきだというふうに考えております。
例えば、私ども足立区、東京都の水道の主な供給源は群馬県でございまして、群馬県は関東地方ということで、利根川の流域全体で広域団体をつくって、利根川河川の管理等については、たくさんの県と市町村が合同で利根川水域を管理するというような形もやらせていただいておりますが、そうした意味で、道州制の中でその部分は解決していくことの方が妥当なのかなというふうに思います。
- ○柴山委員
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どうもありがとうございました。
続きまして、篠原公述人にお伺いしたいと思います。
行政の監視ということを中心にさまざまな有益な御提言をいただいたわけなんですけれども、そもそも政府の法案についてなかなか修正が難しいというようなお話があったんです。今、内閣の法案提出権、これは解釈上認められているわけですが、もちろん国会法の中でもそれを認めるような記述がありますが、これについて、国会議員が法案提出権を独占するべきであるというような議論がなされております。これについてどのようにお考えでしょうか。
- ○篠原公述人
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もう数十年ぐらい前の憲法学の中では、内閣に提出権があるのかどうかというのが大変盛んに議論されたと思うんですが、やはり、議院内閣制というのをとっている各国を見ていても、内閣が、政府が法案を提出するのは、もうこれは議院内閣制である以上は当然のことだと思いますので、私は、必ずしも国会議員が法案提出権を独占する必要はないのではないかというふうに考えます。
- ○柴山委員
-
それでは、次の質問です。
先ほど公述人は、国会、もちろん委員会も含めて、審議が非常に形骸化している、空洞化しているという中で、立案段階から、いわゆる法律がまだ大綱の段階から議論を進めていくべきではないかというような御示唆をいただきました。ただ、当然のことですけれども、与党と野党、大分基本的な考え方が違う議員がたくさんいるわけで、そのような中で、いわゆるガチンコの形で議論をしていっては、とてもでないけれども時間が足りないというような意見も出ているところでございます。これについてどのようにお考えでしょうか。
- ○篠原公述人
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政府が提出する法案も、例えば人事院勧告によって公務員の給与を改正するような法案であったりとか、そういう事務的な法案もございますので、そういうものはある程度ここで、平場で議論するのは妥当ではないのかもしれないんですが、年金改革法案のような場合はやはりもう少し政府・与党は柔軟に対応することができたのではないのかなというふうに思いますし、すべての法案を一から立案していくというのは難しいと思うんですが、やはり暗黙の了解としてこれは重要法案であるぞというのは、国会議員の先生方の中ではある程度の合意がある法案があると思うんです。その点に関しては、やはり一から議論できるようなシステムを整えていった方がよいのではないのかなということでございます。
- ○柴山委員
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例えば、代替案として、現在の委員会審議を、論点ごとにきちんと整理をして柔軟に修正を考えながらやっていくというような形で、もちろん一たん成文となったものを修正するというのは御指摘のとおり大変難しいわけですが、もう少し審議の進め方いかんによっては内容が実質化するのではないかというような考えも私は持っているんですけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
- ○篠原公述人
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全くそのとおりだと思います。
私がこの数年間の国会の中で記憶に残っておりますのは、一番最初の有事法制のときに、民主党の枝野委員と自民党の久間議員がさしで理事懇で話し合って修正案を最後にまとめられたというのが記憶に新しいんですが、でも、あのときは、何か採決の直前になって急に与野党で、議事録上ですよ、議事録上では、急に与野党で合意をして修正案をぱっと出しましたというような形になっているわけですね。論点ごとに、では、ここをこうしましょうという議論は議事録上は残っていないわけで、もう少しそうした部分が表に出るようなシステムにしていくべきではないのかなというふうに思います。
- ○柴山委員
-
次の質問に移りたいと思います。
今、憲法調査会では議会オンブズマンについていろいろと議論をしているわけなんですね。今公述人の御意見によると、国会内の決算行政監視委員会の機能を充実させて、行政に対するチェック機能を果たすべきだというような御提言だったと思うんですけれども、オンブズマン構想についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
- ○篠原公述人
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これに関しては、九〇年代後半に、これは、今の民主党じゃなく多分以前の民主党になると思うんですが、日本版GAO、行政監視院構想みたいなものを提出されて決算行政監視委員会ができたと思うんですが、そのときに委員会調査室が調査局に格上げされて、予備的調査というのができるようになって、また、それとともに先ほど申し上げた会計検査院に対して検査の要請ができるようになったわけですね。その今の制度が十分活用されていない中で、また国会オンブズマンという新しいものをつくって陣容をふやすというのは、やり方としては余りスマートではないのかなというふうに思います。今ある会計検査院への要請や予備的調査といったものを、もう少し活用していく必要があるのではないのかなというふうに思っております。
- ○柴山委員
-
具体的には、例えば陣容を拡大するべきだとか、あとは一般市民からの告発とかそういうものを幅広く受けたり、調査を外注したり、そういうような形が考えられると思うんですけれども、何か具体的なプランというものがもしあれば、お聞かせいただきたいんです。
- ○篠原公述人
-
この決算行政監視委員会のことに関してですか。
やはり、国会が行政に対して全面的にいろいろ監視をしていくというのは難しいと思うので、テーマを三つなり四つなり決めて、それについての報告書をつくっていくことなのかなというふうに思います。一般国民から意見を受け付けるというのは今の決算行政監視委員会でもやっているはずなんですが、やはり、さまざまな意見、質のいいものからちょっとおかしいかなと思うようなメールやお手紙が来ているようですので、そこはちょっと工夫をしなければいけないのかなというふうに思いますが、一般国民から直接意見を受けるという点に関しては、私は余り前向きな気がいたしません。
しかし、例えば予算委員会でやっているような政府追及というのは本来決算行政監視委員会でやるべきであって、あのようなものを決算行政監視委員会で議論して、もう少し国会内における決算行政監視委員会の権威を高めていかなければならないのかなというふうに思います。
それと、例えば、かつて薬害エイズというのがありまして、菅厚生大臣がリーダーシップを発揮して資料が出てきたということがありましたが、あのようなわかりやすい事例が国会と政府の間で起これば、これは一つ、いいのかなというふうに思います。
- ○柴山委員
-
ちなみに、私も決算行政監視委員会に所属しているということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
憲法解釈について、司法が抽象的な憲法判断を下せない現状であるということで、大変問題があるというような御提言があったかと思いますが、これについて、憲法裁判所を設けるというプランと、あとは、先ほど議院法制局と内閣法制局との対決というようなお話もちらっと出たんですが、議会の中で憲法委員会を設けて、それで憲法問題について議論をするというような構想も実は持ち上がっています。
こういった動きについて、公述人、どのようにお考えでしょうか。
- ○篠原公述人
-
議会の中に憲法委員会をつくるということは、これは大変よろしいことだというふうに思います。冒頭にも申し上げたのですが、基本的に、日々政府から出される法案を処理していくことに通常の委員会はいっぱいいっぱいになってしまっていて、憲法といった中長期的な視点を議論する場が余りに少ないのではないのかなというふうに思います。
そういう意味で、委員会という国政調査権を発動できる政治的なバックボーンの中で憲法を議論できる場ができるというのはいいことだと思います。
- ○柴山委員
-
最後の総論の部分で、事前調整型から事後調整型という御提言がございました。緊急性のあるものについては、例えば国会の同意などを事後的な承認ということに回すことは考えられるんですけれども、それ以外に、例えば公述人は、政令、通達にちょっと多く規定されているというような御発言もあったんですが、事前の国会のコントロールを、例えば委任の程度をより絞っていくというようなことを考えるのは非現実的だと思われますか。
- ○篠原公述人
-
済みません。もう一度御質問いただけますか。
- ○柴山委員
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失礼いたしました。
統治システムの事後調整型がこれからは重要だということについてなんですが、例えば議会の行動に対する承認、これを、例えば緊急案件については事後的な承認で足ります、ただし、事前の承認も、やはり今、余りにも行政に幅広い裁量が与えられ過ぎているのではないかという批判があると思いますが、これについて、このままでよいとお考えでしょうか。
- ○篠原公述人
-
それはまさにおっしゃるとおりでございまして、これは、国会と政府の関係というよりも、政府内の問題であるのかなというふうに私は思っております。政府がやたらと憲法とか法律とか判例とかで政策に二の足を踏んでいる、そういうのではなくて、もう少しアメリカ型に、政策を積極的に打ち出して、政府の政策が違憲であるという判決は余りよくないんですが、とりあえずやってみるという姿勢がもう少し政府の中において必要なのではないのかなというふうな意味で書いております。
そういう意味で、議会が政府に対して事前に承認を行うとか、そういうことに関しては、やはり行っていくべきものは行っていくべきものであると思います。今のイラク特措法に関しても、やはり事前に国会の承認ができるような法制度であった方がよかったのではないのかなと個人的には思っております。
- ○柴山委員
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最後に、ちょっと小さな論点かもしれませんが、国会の会期制ですけれども、イギリスなんかで誕生したように、通年国会だと、なかなか議員が腰を落ちつけて政策について勉強する機会がないですとか、有権者と接触する機会が余り多くとれないとか、そういうような問題もあるというような形で議論されております。
また、衆参法制局の統合については、憲法四十八条、五十五条、五十六条などで各院の自律性というものが明確にうたわれている以上、なかなか難しい部分もあるんじゃないかなというような、恐らく反対の意見がそれぞれ出てくるのかなというように思いますが、これについて、最後に簡単に御意見を伺いたいと思います。
- ○篠原公述人
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まず、院の自律性についてなんですが、これは、先ほども発言の中で申し上げたのですが、審議において自律性が保たれればよいのであって、事務局とかの後方支援に関しては統合しても問題はないと思います。速記の方に関しては、近く衆参統合されるようなお話がございますので、これは考え方の違いなのかもしれませんが、進めていこうと思えば進めていけることなのかなというふうに思います。
会期についてですが、これはやはり先生方の選挙等々の御都合もあるかとは思いますが、今の制度は余りにも、ちょっと柔軟性を欠くのではないのかなというふうな認識でございます。
- ○柴山委員
-
大変どうもありがとうございました。
続きまして、平塚公述人にお伺いしたいと思います。
公述人がお述べになられました、国民投票の具体的施行方法についてはあらかじめ明確に規定しなければいけない、また、その制度の前提として国民の憲法に対する理解度を高めていかなくてはいけない、ともに大変ごもっともな御指摘だと思いました。
その上で、ちょっとお尋ねをしたいんですが、例えば義務教育課程で、憲法の問題を、充実して教育の中に、プログラムに取り入れるということになりますと、先ほど公述人御自身ちらっと触れられたところなんですけれども、教師によって、その持っている思想ですとかそういうもののばらつきがどうしても憲法教育にも反映されてしまうのではないか、政治的なバイアスというものが、特に教員はいろいろな団体に所属しているわけですけれども、その団体の基本的な考え方というものが、教員を通じて、まだ批判能力の少ない子供たちの教育に反映されてしまうのではないかという懸念が出されるところじゃないかなと思いますが、これについてはどうお考えでしょうか。
- ○平塚公述人
-
全くそう思います。一番怖いなと思うのは、そこだと思うんです。
ですから、教師の思想によって教えるのではなくて、できるだけしっかりしたテキストをやはりつくるべきだと思います。その内容も、特に小学生のうちは、そんなに思想的な見解の相違ということが出るような内容を教えるのではなくて、要するに、日本という国自体がそういった憲法を持っているということを教えていかなければ、まず、そういったものがあること自体、義務教育が終わった時点で頭の中から飛んじゃっているという若い人たちが今多いんじゃないかなと。
ですから、一番私が言いたいのは、日本という国にはこういう憲法があるんだ、そういうことが頭に残るような形の教育をまずはしてもらいたい。ですから、その詳しい内容の教育は、小学校の時点では多分そうはできないと思います。
- ○柴山委員
-
私も全く同感でございます。ありがとうございます。
続きまして、公共の福祉といった問題を教えていくべきだと。特に、先ほど公述人、人に迷惑をかけることはいけないというような教育、あるいは道徳の教育、これを充実させていかなければいけないというようにお述べだったと思います。
ただしかし、今、人に迷惑をかけなければ、自分がたばこを吸おうが、人に煙で迷惑をかけなければいいじゃないか、援助交際をやって、人に迷惑をかけなければいいじゃないか、そういうような反論をする子供がいるわけですね。
個人の権利を最高のものとするという価値体制が今大変揺らいでいるような印象を私は受けるんですが、これについて公述人はどのようにお考えでしょう。
- ○平塚公述人
-
全くそのとおりです。若い人たちと話すと、やはり日本は自由だと。自由という意味が、何でもやっていいという自由というふうに考えている人たちが非常に多いんじゃないか。
ですから、これは一例として公共の福祉という言葉を私は入れましたけれども、人に迷惑をかけるということが何なのかということ。子供たちは、例えば、先ほどおっしゃいましたとおり、人に迷惑をかけなければ何をやってもいいんだと。何をやってもいいということ自体が自由と履き違えているところがあるので、世の中にはいろいろなルールがあるんだということを教える意味でこの一例を述べたまでであって、公共の福祉が必ず迷惑をかけるということでもないと思うんですよ。ですから、これは単なる一例です。
- ○柴山委員
-
ありがとうございます。
続いて、仮に将来、憲法を改正するに当たって、どのような形でその手続をとらなければいけないのかということについてちょっと御意見を伺いたいと思うんです。
特に、公述人がおっしゃったような、憲法に対する教育が十分になされていないで数年以内に仮に憲法改正が行われるような場合に、憲法を一括して改正案を国民に対してイエス、ノーを問うということが果たしてどれだけ意味があるのか。逐条で賛否の投票をさせるべきではないかというような意見も出されます。その手続というか、国民投票のあり方、これについて、公述人、もし思うところがあればお考えを聞かせていただきたいと思います。
- ○平塚公述人
-
私自身としては、憲法が、全面改正ということがいきなり行われること自体は余り想定できません。ですから、全面改正ということについては、ちょっと意見は、私自身、ここでは述べられないんですが、仮に複数の条文改正とした場合に、一件一件の条文ごとに是非を問わなければ、例えばこちらはいいけれどもこちらは反対だといった意見の場合に、非常に混乱すると思うんですね。ですから、その点については、各個別にやはり是非を問うべきだと思っています。
- ○柴山委員
-
ありがとうございます。
最後に、公述人は人事課長として長年仕事に携わってこられたわけなんですけれども、職務につかれて間もないころと現在とを比べた場合の面接に来る学生の気質にどのような変化が見られたか。また、それに関連して、教育あるいは職業の導入をどのような形で行っていったらいいのか、そういうような問題について、ぜひ御経験から意見を伺えたらなというように思います。
- ○平塚公述人
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これは私見なんですが、私もずっと管理職をやっているわけではありませんので、最初のころの自分の感覚と今の感覚との違いは、来る学生さんたちが非常に受け身である、こちらから提供するものを非常に待っている。ですから、受け身の態勢で来るのと攻めの態勢で来るのと、非常に自己アピールをする方と、昔は自己アピールする方が非常に多かった、今はとりあえずはまず受け身で来るということが非常に印象深い点の違いです。
最近、学生たちも、先ほども申し上げたとおり、離職率が若い人たちは高いというふうに今世間では評判になっているんですが、評判という言い方は変なんですけれども、そういうふうなことがよく言われるんですが、それに対して厚生労働省も、いわゆるインターンシップというようなことも導入されている。
ところが、このインターンシップというのが、日本の場合には約二週間なんですよ。二週間で就労体験をしなさいということで、果たしてできるのか。二週間という時期、一週間五日間ですから、正味十日です。十日間で就労体験をするということをまず受け入れられる企業の実態としては、やはり大企業、それなりの余裕がある企業でなければ受けられないわけですね。
そういった企業に仮に二週間足らずの就労体験をするといったところで、どういったイメージを描くのだろうか。周りの人間は、はっきり言ってお客さんとしてしか扱いません。実際、二週間で仕事を見せるとか教えるということはできませんので、絶対むだだというふうには感じていませんので協力はさせてもらっていますが。ただ、大企業で受け入れてもらった学生たちが、いざ就職活動をして、果たして、中堅企業もしくは小さな会社に入ったとしたら、どうでしょうか。今まで自分たちが見てきた会社との実態の違いにまずギャップを感じるはずなんです。これに耐えられなくなってやめていくという方たちも結構多いというふうに私自身は考えます。
ですから、私自身は、自分の会社に来る学生、逆にこの方は結構だと思う学生についても、一通り、あなたとしては、しっかり考えて、自分の目で見て自分の道を決めた方がいいというアドバイスを最近するようにしています。
情報としては、インターネットが今学生たちの間ではかなり重要な情報になってしまっています。このインターネットというのは非常に便利なんですが、我々企業の方から提供する内容だけで学生さんたちは判断してしまいます。それで、来て、私はたまたま理工系の学生を採用することが多いんですが、特に人と話す機会を嫌がります。面接も嫌がります。電話をかけるのも嫌がります。携帯電話になれているために、だれが出るかあらかじめわかっているという情報については安心して話しますが、だれが出るかわからないという固定電話については、まず嫌がります。こういった学生さんたちがもうほとんどです。
世の中に出ると、コミュニケーションをとれない学生さんたちが非常に多いということがやはり問題になります。ですから、情報として、一方通行しかしない情報がはんらんしている現在、今後もまたこういった学生さんたちがふえていくんだろうと。今一番問題になっているのは、やはりこういったコミュニケーション能力ということだと考えています。
- ○柴山委員
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今の教育のあり方として、やはり、仲間としっかりコミュニケーションをするということが少ないですとか、あるいは在学中に社会実習のような形でアルバイトですとか、あるいは外国に行ったりして経験を積ませる、そういうことが重要でないかというような意見がいろいろ出ているところでもありますが、最後に、これに対する公述人の御意見をお伺いしたいと思います。
- ○平塚公述人
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インターンシップという制度とまたつながるんですが、私個人としては、こちらで提供したインターンシップという制度のもとに企業に行かせるということは、あくまで受け身なんです。ですから、言葉は悪いんですが、嫌々来ている学生さんもいるわけなんですね。これは、自分たちで行きたい企業を見つけるということも含めてインターンシップということを考えるのが前提だと思っているんです。
ですから、学校によっては、今、必須としてインターンシップをやっている学校もあります。こういった学校が人気があるそうです。要するに、学生さんたちも、学校側が自分たちが社会勉強をさせてくれる場を提供してくれるんだというふうに考えているわけですね。これではやはり就業体験にはならないと私は思うんですよ。
ですから、その辺のことをよく考えた上でいろいろな制度をつくっていただきたいんですが、現実は、企業側には受け入れなさいという指針が数々出てきますので、それについてはやはり問題があるというふうに私は考えています。
- ○柴山委員
-
以上で私の質疑を終わります。どうもありがとうございました。
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