- ○田村(憲)委員長代理
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次に、柴山昌彦君。
- ○柴山委員
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自由民主党の柴山昌彦でございます。
参考人の皆様方には、本日は、御多用中のところ大変貴重なお話を賜りまして、本当にありがとうございます。
時間がございませんので、単刀直入に質問に入らせていただきたいと思います。
まず、久保利参考人、そして村上参考人にお伺いしたいと思います。
言うまでもなく、このたび、大変大きなMアンドAの事件のいわゆるプレーヤーとして私どもの関心を呼んだわけですけれども、この中で、企業防衛ということが大変大きなテーマとなりました。
今回の会社法改正で企業防衛に対する一定の法制度の枠組みというものはできたんですが、実際の運用上、これが果たして、過剰防衛、経営者の保身に当たるのか、それとも本当に企業のためによい防衛なのかということを選別するのは、もちろん裁判所という機関がありますけれども、それ以外にどこが妥当な買収かどうなのかということを判断すべきだとお考えでしょうか。
社外取締役なのか。社外取締役が、いや、これは企業価値を損ねるんですよというように言うのが妥当なのか。定款あるいは株主総会の特別決議でそれを判断するシステムをつくっていくのが妥当なのか、地域社会を含めたパネルという形で判断するのが妥当なのか、それ以外の何か仕組みというものが考えられるのか。
企業は株主のものであるという村上参考人のお話もあったんですけれども、この買収防衛についての判断のあり方、これについてお二方にお話をそれぞれ伺いたいと思います。
- ○久保利参考人
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久保利でございます。お答え申し上げます。
私は、プレーヤーとして出たつもりはないので、社外取締役ですから、あくまでも経営陣に対するモニタリングということでありますけれども、企業価値あるいは企業防衛という問題からいいますと、少なくとも裁判所の決定も、この新株予約権の発行については自己保身ではないと。なぜならば社外取締役四人も賛成をしているからという形で、自己保身でないことは認めていただいたんですが、では、それは一体何なんだという話になりますと、結局はフジサンケイグループに残りたいという判断である。
私の考えとしては、結局、企業価値、企業防衛というのは、一般株主さんのためにどれだけの価値をこの会社に残せるかということでありまして、結果的に一〇〇%買ってしまえば、どんなに企業価値が落ちようと損をするのはTOBで買い取った方ですから一向に構わないんですが、そういう点からいいますと、今回のようにTOB対TOBでないような場合、特に一〇〇%でない場合には大変神経を使いまして、一般株主さんにできるだけ企業価値を守ったまましかるべき時間を与える必要があるだろうというふうに考えました。
企業価値というのは、私は、裁判所が判断するわけでも社外取締役が最終判断するわけでもない、結局はユーザーあるいは株主さんが最終的に判断するんだろう。
私、今でも思い出しますのは、ミネベアの高橋高見さんが、敵対的MアンドAもいいけれども、MアンドAの成功かどうかは株をとったかどうかで決まるんじゃない、その後本当にその会社が爆発的に成長していく、成功した、そのときMアンドAは成功するんだということをおっしゃいまして、まさに企業価値というのは、そういうある程度の時間もかけないと本当は正確には判断できないものではないかというふうに思っております。
ありがとうございました。
- ○村上参考人
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現在の日本の公開企業の中で独立社外取締役が一体どれぐらいいるかというと、多分一%に満たないんじゃないかと思います。欧米の上場企業の場合は、独立社外取締役というのが相当数います。その場合に、独立社外取締役の役割は、もし公開買い付けがかかったときに、その公開買い付けプライスよりも高いプライスを現経営陣でできるのかどうかということに尽きるんだと思います。公開買い付けがかかって、やめてくれと言う前によく言われるのは、株主のためにもっと価格を高くしてくれという意見が出ます。自分だけが保身に走るようなことは絶対にあってはいけないわけですし、逆に、今は企業の中から、ずっとそこに二十年、三十年働いた人がほとんどの取締役をやっている状況の中で、企業防衛は、ほとんど保身につながっていく状況だと僕は思います。
そういう意味では、先生の御質問に対しては、一義的には、やはり独立社外取締役が、上場した暁には過半数になるような状況が早く達成されることが必要だと思っております。
さらに、一点つけ加えさせていただきますと、何のために上場したのかということが今回のニッポン放送やフジテレビの問題でも言えるかと思います。そもそも上場する必要がなかったのではないか。例えば、放送法という体系の中で公的な部分がよく最近もお話をされていると思いますが、そうであれば、自由に株主が決められるような上場という選択をなぜ選ばなければいけないのかということを真剣に考えてそれぞれの上場企業の役割を考えるべきだと思いますので、上場とは何かということを上場される折にはぜひ考えていただければありがたいなと思います。
以上でございます。
- ○柴山委員
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ありがとうございます。
今回、いろいろな法制度の改正がされたんですが、まだまだこれから考えなければいけない課題がたくさんあると思います。
先ほど久保利先生からスクイーズアウトのお話がありました。私も検討に値する法制度だと思っておりますので、これに関して、江頭先生、上村先生、内藤先生、浜辺先生、そして村上先生、それぞれ一言ずつ、その導入の採否についての御意見、コメントをいただけたらと思います。
あと、最近、防衛策の一環としてアメリカなどで採用されている、要するに買収に先立って被買収会社の取締役と事前協議をしましょう、そしてその同意が得られなかった場合には買収してからの組織再編を例えば二年間凍結します、そういうような制度を導入すべきじゃないかという議論がされております。これについてのコメントも一言ずつ、できればお伺いしたいと思っております。
あと、今回、買収防衛策がとれることになったんですが、例えば拒否権つき株式を譲渡制限をかけて導入するということが劇薬になるのではないかというような意見が一部で言われておりますが、これについての御意見、これも一言ずつお伺いしたいと思います。
- ○田村(憲)委員長代理
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皆さんにですか。
- ○柴山委員
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それでは、村上先生、江頭先生、上村先生のお三方にお伺いします。
- ○江頭参考人
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先ほど久保利先生から提案があったのは、イギリス等であるような、三分の一を取得するとその残りの株式も買わなければいけないという制度ですね。この点につきましては、私も非常に重要な提言であると思っております。
企業買収制度につきましては、とかく、日本ではアメリカの影響が強いものですから、ライツプランといいますかポイズンピルといいますか、そちらの方に話が行ってしまうんですけれども、あれはやはりアメリカ的な制度でありまして、ヨーロッパはそういう制度をとっていない。むしろ、株主保護のためには久保利先生が指摘されたような制度をとっている。この点は、どちらの道を行くかということについては、日本は十分議論を尽くす必要があるのではないかというふうに考えております。
それから他方、ライツプラン、ポイズンピルによる防衛策についてどう考えるかという点でありますけれども、この点は、結局、ライツプランを解除して買収できるようにしなければいけないのではないかという判断がどうしても裁判所に持ち込まれるわけであります。その場合の法制度が問題でありまして、これは企業価値を高めるいい買収なのかどうかをだれが判断するのか、先ほどから問題になっている点がまさに問題になってくるわけです。裁判所なのか社外取締役なのか云々といった問題であります。
この点は、村上参考人が先ほどから言っておられますように、日本の独立社外取締役の現状がどうかとかいろいろな要素にかかわりますので、だれが判断すべきかということについても、現段階ではどうなのか、それから将来についてはどうなのかというのは分けて議論しなければいけないのかもしれません。なかなかこの点も難しい問題を含んでいるというふうに考えております。
現在、経済産業省の企業価値研究会でしょうか、あそこで提言が出ておりますけれども、何か、こういう形をとっておれば原則適法であるとか、そういう発想が強いんですが、取締役の独立性とかが非常に流動的な段階で、この方法なら原則有効だとか、はっきりしたルールにするのが賢明なのかどうかということについてもよく考える必要があるのではないかというふうに考えております。
- ○上村参考人
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お答えさせていただきます。
まず、今江頭参考人からもお話がございましたけれども、日本は、アメリカをモデルにするのかヨーロッパをモデルにするのかというのがやはり大きな選択肢だと思います。
アメリカは、私の理解するところでは、変な表現ですけれども、保安官とライフルとジョン・ウエインのいる西部劇のように、徹底的な自由でありますけれども、悪者がいたら、あるいは不正があれば徹底的に追及する。証券規制は包括規定が大活躍しておりまして、抜け道とか漏れというのはないわけです。そういうふうな形で徹底的に追及していくという形だと思います。
ヨーロッパは、やはり伝統的な共同体の厚みといいましょうか、そういうものを背景に、必ずしも、自己株式の取得だってまだ原則禁止でありますし、最低資本金も頑として守りますし、種類株もそんなに自由にやれるわけではないし、ストックオプションだって余り評価していないということであります。
それぞれの行き方があろうかと思います。ただ、自由だけはアメリカ型で規律だけヨーロッパ型のように、おいしいところだけつまみ食いということがないようにしなきゃいけない、そういう主張がかなり強いというふうな印象を持っております。
それから、ポイズンピルでございますけれども、これは、ポイズンはポイズンで、相手が健康体であれば毒であります。ですから、それは認められない。しかし、相手がより猛毒であれば多少の毒であっても良薬になる、そういうものでありまして、つまり、攻める側との相対的な評価が基本にある。単に企業価値が高められさえすればいいというだけではなくて、攻める側が、例えば今回のように証券市場の論理を踏みにじって出てきたというようなものの場合には、そういうものに対してはある程度の毒薬といいましょうかポイズンも必要な場合もあるというふうに私自身は考えております。
ですから、比較的凡庸な経営者であったとしても、しかし、攻める側が非常に違法、不正な行為をしてきた場合には、凡庸でも守られるべきだというふうに私は考えております。
それから、アメリカの場合には、LBOの経験がございまして、短期で借金漬けで会社に買収をしかけてくる。それに対して、先ほど柴山委員から御紹介がございましたように、例えば、二年間は企業結合できないとか、あるいは取得しても議決権は二年間行使できないとか、自分たちの州の会社を守るために各州がそういう立法をした経緯がございます。
それは、一つは防衛策がどうかという問題がありますけれども、今度は攻める側をどう評価するかという問題がありまして、短期間で借金漬けで買収をするという場合には、恐らくは、買収した後の会社を食い物にするという蓋然性が高いので、例えば二年間は議決権が行使できないというような資金であれば、それは真っ当な資金のはずだから、それはいいというような考えだろうと思います。
株主というのは、株を取得して一株持っていましても、六カ月持っていないと代表訴訟も提起できないわけでありまして、それは、きのう買ってきょう代表訴訟を提起するというようなことは認めないわけですね。まして、会社を支配するほどの者であれば、支配する側の正当性というものをスクリーニングする仕組みというのはあってしかるべきだというふうに私は思っております。そういう意味で、ポイズンピルというのは評価されるべきだと。
今回の場合は、例えば、塩崎委員長がおっしゃっていますように、日本版SECがあったり、証券市場の規制が非常に厳格だったりしたら、どういうふうな形に変わっていたのかなというふうに思うんですが、どうもその辺のチェックが十分でなかったために、防衛も過剰な反応をしがちだ、そういう印象を受けているということだけ申し上げさせていただきます。
- ○村上参考人
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スクイーズアウトについては、私は賛成であります。そのようなオプションが適用できるようにしてあげることは賛成であります。
それから、二年間の凍結やポイズンピルにつきましては、私は、最終的にそのようなものが入れられることを判断するのは、個々のケースでは株主だと思うんですね。株主の過半数が賛成しているかどうか。もしこれで、総会で決議できないのであれば、その株主からの代理人である取締役がどう考えるか。
ただ、今申し上げましたように、日本の場合は、株主から選ばれている取締役というのはほぼ現状ではいないような状況の中で、このような経営者の保身ができるような制度ができることが本当にいいのかどうか、そこはもう少し成熟した上場企業というものがまず求められるのではないかというふうに思っています。その暁に、このような制度ができ、また活用されることはいいのではないかと思っております。
以上でございます。
- ○柴山委員
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どうしてもあと一問質問したかったんですが、質疑時間が終了してしまいましたので、問題提起にとどめます。
浜辺先生、そして内藤先生が御指摘になった多重代表訴訟の件でございますけれども、これは、持ち株会社、株式移転、交換を導入するときに、既にその危険性というものが本来検討されていなければいけなかったのかなという気がいたします。
私は、個人的には、法人格の否認、江頭先生、詳細な論文をお書きですけれども、というものとか、あるいは第三者としての損害賠償責任の追及、今で言えば商法二百六十六条ノ三等、これを活用するとか、いろいろ工夫をしていくしか道がないのかなというような気がしております。
いろいろ課題が多い法制度ですけれども、これから定着に向けて頑張れればと思います。
以上です。どうもありがとうございました。
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