委員会での発言
日本国憲法に関する調査特別委員会
第163回国会 衆議院 日本国憲法に関する調査特別委員会 第3号 2005年10月13日(木)
午前九時開議
○柴山委員
 まず冒頭、今回改正しない条文についてもこの際国民投票が必要ではないかという問題について、私は不必要であると感じております。
 むしろ、緊急性の高い条項につき今回については最終的に国民投票の対象となるだろうということを考えた場合、あくまでも個別投票によってそうした条項の改正をしていくことになるだろうというように考えております。
 二番目に、投票権者の範囲についてでございます。
 前回申し上げたとおり、私は、国民投票に参加する権利は選挙に参加する権利よりも強い保障を与えるべきであるという見地から、例えば国民投票の公正を、あるいは選挙の公正を害するような行為をした者についても投票権を認めるべきだという立場に立ちましたけれども、選挙年齢と区別した国民投票年齢というものについても、私は考えてもよいと思っております。ただし、立法政策上、例えば十八歳というように選挙年齢を国民投票の年齢と引き下げるということは、もとより妨げられるものではないと考えております。
 次に、投票運動の規制についてでございます。
 先ほど高見参考人から、虚偽報道規制については慎重であるべきだ、そしてその根拠としては、むしろ公共空間で議論を闘わせるべきだということを根拠にされておりましたが、現在、そうした思想の一般市場、公正な市場というものはメディアの寡占体制の中で私は確保されていないのではないかというように思っております。やはり、明らかに虚偽であることを知りながら現実の悪意を持って報道するようなものについては、規制を及ぼすべきではないかというように考えております。ただ、それに対する規制というのは、前回申し上げたとおり、一定の機関による警告ということを前置させるべきだというように考えております。
 なお、一部の委員から反論権について指摘がありましたけれども、反論権というのは、メディアの報道の自由を侵害しながらこちらが、その反論者の意見を、主張を受け入れさせるという、いわばより大きなアクセス権という問題を含んでおりますので、これについては慎重に考えるべきではないかなというように考えております。
 なお、先ほど高見参考人から、政府が公金を用いてパンフレットを作成することは慎重であるべきだという指摘がありましたが、これもやはり、思想の市場の公正を害する行為として検討に値する論点ではないかと思っておりますが、やはりここでも、明らかに虚偽であることを知りながら政府が広報をするというような場合を規制すればよいのではないかなと考えております。
 外国人の表現の自由についてでありますけれども、これは私も高見参考人と同じように、国民の投票の権利の前提としてそうした多様な情報に接する機会を保障するという観点から、これを認めてもよいのではないかなと考えております。
 なお、次に過半数の算定基準の問題に移りたいと思いますが、前回申し上げたことに若干補足をさせていただきます。
 今回、条項別の投票制を原則とし、また、マル・バツ式をとることを前提として以下議論したいと思いますが、例えば独立なA条、B条、C条について、一枚の投票によってマル・バツをつける、白票を投じた場合には、これは全面的に無効であります。しかし、Aだけマルをつける、そしてB、Cについては何も記載をしなかった場合、やはりAに対してマルをつけた人の意思を尊重するべきであると考えます。そして個別に、やはりBとCについては無効と考えざるを得ないのではないか。とすれば、仮に有効投票の過半数をもって決すべきとした場合には、条項ごとに無効票を集計しなければいけないという膨大な作業が必要になってくるわけでございます。
 私は、この総投票者を分母にするか有効投票を分母にするかということは一定程度立法政策で決められる問題だと思っておりますので、ここは総投票者を分母とする方が実務上現実的ではないかなと思っておりますし、またそれが、大量の棄権者が出た場合の正当性の確保にも役立つのではないかなというように考えております。
 最後に、無効訴訟のあり方についてでありますけれども、滝委員から指摘されたように、高裁どこでも訴訟は提起されるべきであるというように考えております。そして、その効果についてでありますけれども、私は、将来効として効果を発するべきであると思っております。その間に積み重ねられた事実の覆滅ということが問題によくされるわけですけれども、これは、二回改正があったときも同じような覆滅ということは、混乱ということは避けられないわけですから、将来効できちんと投票の効果は無効であると宣することが必要であると私は考えております。
 以上です。

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