- ○石原委員長
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これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴山昌彦君。
- ○柴山委員
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自由民主党の柴山昌彦でございます。
本日は、参考人の先生方、貴重なお時間を割いていただきまして、本当にありがとうございました。
なかなかなじみの薄い国際私法の問題についてなんですけれども、まず、両参考人、特に鈴木先生にお伺いしたいのは、こうした領域の法律が必要になるのは、特に取引法について、やはり先進国同士で不整合な部分があるということが大きな要因になってくると思うんですが、この特に取引法の部分について、先進国間での統一の動きをもっと促進すべきではないかという意見があるかと思います。そうした意見について、何か日弁連として取り組まれているのでしょうか。
- ○鈴木参考人
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おっしゃるところは、取引に関する実質法の統一という問題であるかと思います。
この実質法の統一の問題につきましては、個々の実質法の分野におきまして統一化の動きがあると思いますが、現状で、日弁連として正面から取り組んでいる現状にはございません。実際の国際私法の改正問題の取り扱いにつきましては、むしろ、まだ統一が進んでいない、あるいは、現状では統一できていない分野についてどのような処理をするかということを中心に検討しております。
- ○柴山委員
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ありがとうございます。
それでは、法案の中身について具体的にお伺いしていきたいと思います。
今回、日弁連の方から、特に消費者契約ですとかあるいは労働契約ですとか、弱者保護の問題については大変な御関心をお持ちだったと伺っております。特に消費者を対象とした不法行為について、より消費者に有効な形での準拠法を選択できないかというお取り組みがなされたところも評価をさせていただきたいんですけれども、その一方で、労働契約に関しては、これは割とすんなりと、労務提供地を労働契約に最も密接に関係する地の法という形で推定をなさっているというか、そういう法案になっております。
EUでもそういった定めがなされているということは伺っているんですが、ただ、それですと、労務提供地を労働者保護が少ないところにあえて持っていって、それで働かせるというようなことも当然考えられるわけでして、消費者のところで日弁連さんが御提案されたように、例えば労働者の常居地、さまざまなフォーラムの中から、労務者に一番有利なものを選択する自由を認めるべきではないかという主張も恐らく考えられるところではないかと思うんですが、これについて日弁連の御意見はどうなんでしょうか。
- ○鈴木参考人
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日弁連としまして、労務提供地をもちまして最密接関連地と推定するということに賛同いたしましたのは、労働者自身が日常的に業務を通じまして服さなければいけないさまざまな取り決め、それはやはり労務提供地が中心になるだろうということでございます。
例えば、日本の労働者が日本におきまして外国の企業との間で労務契約を締結して、準拠法が外国法になるというような場合もあるかと思いますが、その場合でも労務提供地である日本の保護を受けるということを念頭に置いております。
- ○柴山委員
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ありがとうございます。
それでは、一般の法律行為につきましての準拠法の選択についてお伺いしたいと思います。
今回、非常に大きな考え方の変更があったわけでして、いわゆる行為地法では、鈴木先生が論文で書かれている例えばFOB契約ですとか、あるいは最近問題となっているインターネットの契約とか、必ずしも行為地が明確でないというような事例がありましたので、これを契約に密接に関係する地という形に変えているわけですね。ところが、これはこれでやはり非常に適用に難しい問題が出てくる部分もあるんじゃないかということで、以下、ちょっと具体的に事例を挙げて質問させていただきます。
先ほど鳥居先生の方から御説明のあった、例えば売買契約。売買契約の場合は、物の給付を行うということが特徴的な給付だよというのはわかるんですけれども、例えば消費貸借契約ですね、お金を貸します、借りますと。日本の法制では、お金を貸すというところは契約の内容になっていないんですね。これは要物契約として契約の成立要件にはなっていますけれども、あくまでも、債権債務の関係としては、貸した後のお金を返すというところが債務の内容となっているわけです。そうなると、日本の法律では、お金を借りた人が一方的に貸し主に対してお金を返さなければいけないということが債務の内容になっているわけですね。
そうなると、給付というのは、お金を借りた方が貸した方に対してこれを渡さなければいけない、返さなければいけない。だから、これが特徴的な給付になるのかということですね。あるいは、準消費貸借契約という類型があります。これは、例えば売買契約によって、代金債務を貸し金債務に切りかえるというような場合ですね。こうした場合に、果たして特徴的な給付というのは一体どういう考え方をすればいいんだろうかということについて、鳥居先生、ぜひ伺いたいと思います。
- ○鳥居参考人
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実は、この特徴的給付というのは大変難しいところがございまして、今、質問者の方が言われましたような問題点はございます。したがいまして、特徴的な給付があると言える場合についてはこの推定を行うことになるわけでございますので、それが非常に不明確であるという場合には推定は働かない。推定でございますから、反証ができるということでございます。
- ○柴山委員
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鈴木先生から、もし今の事例について何か補足されることがあれば。
- ○鈴木参考人
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不明確な点につきましては、判例法の集積であるとかによってこれから明らかにされていくと思いますが、今の御質問の例でいきますと、消費貸借契約自体の弁済は金銭の弁済にすぎないということで特徴性がないんじゃないかというのもありますけれども、恐らく締結された時点で、例えば債務者の資産であるとか債務者の責任財産の状態であるとか、そういったその時点における最も密接に関連する場所というのは比較的容易に見出せるのではないだろうかと思います。
従前の場合ですと、それを行為地という概念でやっておりましたので必ずしも明確ではなかったということでありまして、今回の法律である密接関連地という概念の方がより便宜にかなっているのではないだろうかと思います。
- ○柴山委員
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ちょっと事前にいろいろと勉強させていただいた範囲では、むしろ逆に、例えばお金を貸すという契約の場合は、貸し主、要するに債権者ですね、債権者の貸す行為自体を何か特徴的な給付と考える考え方もあるというように聞いておりますので、このあたり、本当に基本的な類型の契約なわけですから、混乱が起きないような形で今後運用がされ、また解釈が積み重ねられていくことが必要なのではないかというように感じております。
次の質問に移らせていただきます。
先ほど鈴木先生の方からも御指摘くださった不法行為、特に生産物の引き渡しの不法行為についてなんですけれども、これについて、特に鳥居先生の方にお伺いします。
被害者が生産物の引き渡しを受けたということの認定が、例えば、被害者の方が第三国で、全く被害者に本来縁もゆかりもないような地で引き渡しを受けて、それを自分の国に持って帰って使う。そして、自分の国で、例えばとんでもない製造物の欠陥によってけがをしたというような場合に、本当に、たまたま購入した第三国、縁もゆかりもない国の法律で、これを日本の裁判所なりが判断するということが妥当なのかどうか。具体的に予見可能性の縛りももちろんあるとは思うんですけれども、こうした原則についての妥当性について、もう少し突っ込んで御説明をいただければと思います。
- ○鳥居参考人
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今おっしゃいましたようなことが起こるわけでございます。したがいまして、例えば、全く思いもかけない、要するに、ある国で、男性の方でしたらひげそりの機械をお買いになって、それをまた旅行によって全然別の国で使っているときに故障が起きてけがをした、そういうような場合というのは当然考えられるわけでございます。
けれども、これはやはり想定できないということでございますので、一応は、そこにございますように、まだ法案の内容が頭の中に何条と入っておりませんのでもう一度見させていただきますが、生産物責任につきましては常にそういう問題が起きるということは考えられていることでございますので、予見できない場合には、通常予見できないものだということになりまして、生産物の引き渡しということについて法案の十八条はそのように申しておりますけれども、この場合にはやはり事業所の所在地の法になるということが出てくるのではないかと思います。
- ○柴山委員
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そろそろ時間がなくなってくるんですけれども、ただ、今最後に鳥居先生がおっしゃったように、結局、わけがわからないようなところで引き渡しがされてしまったような場合には、その場合は生産者の主たる事業所の所在地の法律で定めることになっているわけでして、これが本当に被害者の保護という観点から妥当性を持つのかどうかということについて鈴木先生にお伺いします。
あと債権譲渡で、先ほど鳥居先生の方から、集合債権譲渡等のニーズがそんなに大きくないんじゃないかという御指摘がありました。債権自体が一体となって譲渡される場合に、債権それぞれの準拠法が違うような場合には、やはり譲り渡し人の例えば居住地、常居地等をフォーラムとするようなことも考えられてしかるべきではなかったのかと思うのです。
以上二点について、鈴木先生、御意見があればお願いします。
- ○鈴木参考人
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まず、先ほどの生産物の引き渡し地の問題でございますが、例外としまして、通常予見することができない場合には、生産業者等の主たる事業所の所在地法になる。それでもだめな場合、それでも不都合のある場合というのが、恐らく、明らかにより密接な関係がある地がある場合というふうに考えるのがいいかと思います。
例えば、今、外国の生産しましたエスカレーターが日本で生産物のゆえに事故を起こしたという場合を考えたらよろしいと思うんですが、このような場合には、事故に遭った人は決してエスカレーターの引き渡しを受けているわけではございません。そうしますと、一体どこがより密接な関係がある地かというふうに考えますと、恐らくおのずと答えが出てくると思います。
それからもう一つ、債権譲渡の準拠法に関する御指摘でございますが、おっしゃられましたように、恐らく集合債権譲渡の場合のことも想定した上で、譲り渡し人の常居所地を一つの準拠法としてどうだろうかという意見もありました。ただ、集合債権譲渡の場合に、全部譲渡人を同じくする場合とは限りませんで、それぞれの債務者がまた異なっておりますので、譲渡債権そのものの準拠法というのは必ずチェックしなければいけないということで、いろいろ考えました結果、日弁連としては、実務的にこれが簡便であろうというふうに考えたわけでございます。
- ○柴山委員
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本当は、この後、身分法について鳥居先生に詳しくお聞きしたかったんですけれども、大変残念なんですが、持ち時間が終了してしまいました。すばらしい法律の改正の内容だと思いますので、しっかりと支えていきたいと思っております。
どうもありがとうございました。
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