- ○七条委員長
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これより法務委員会財務金融委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
第百六十四回国会、内閣提出、信託法案及び第百六十四回国会、内閣提出、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料により御了承願います。
これより質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴山昌彦君。
- ○柴山委員
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自由民主党の柴山昌彦でございます。
本法案に関しましては、私は二回目の質問となりますが、この連合審査会の中で議論がより深まればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、お伺いいたします。
改正法のもとで、信託銀行等の受託者にはどのような義務が発生することになるのでしょうか。端的にお答えいただきたいと思います。
- ○長勢国務大臣
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おはようございます。
受託者が受益者に対して負う信託法上の義務について御質問でございますが、これについては信託法案の第三章第二節に規定をしてございます。
具体的な受託者の義務の主なものは、一つは、信託事務の処理をするに当たっては、自己の財産に対する場合と同一の注意では足りず、より高度の注意をもってしなければならない、いわゆる善管注意義務でございます。二つ目は、自己の利益ではなく、受益者の利益のために行動すべきであるという忠実義務。三つ目は、一つの信託で受益者が複数ある場合には、受益者を公平に取り扱わなければならないという公平義務。四つ目に、受託した信託の信託財産と自己または他の信託の信託財産を分けて管理しなければならないという分別管理義務。五つ目に、信託事務処理を委託した場合には、委託先である第三者を選任、監督しなければならないという委託先の選任監督義務。六つ目に、信託事務処理の状況についての報告をしなければならないという報告義務、もう一つ、帳簿等の作成、報告、保存及び開示をしなければならないという義務などを規定いたしております。
- ○柴山委員
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大変多岐にわたる厳しい義務が課されているわけなんですけれども、こうした受託者の義務が、新しい改正法の信託法案及び信託業法においてどのような形で緩和をされているのか、それぞれお伺いしたいと思います。
- ○寺田政府参考人
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この新しい信託法案におきましては、今大臣からお示しいたしました義務のうち、基本的に二つの大きな義務について緩和というべき措置がされております。
これは、第一に、受益者の利益相反行為に関する規定の見直しであります。利益相反行為に関しましては、今の規定を強化する、もう少し明確にするという部分もございますが、もう一つ、利用者の方から非常に御要望がありましたのは、今の規定でありますと、利益相反行為は基本的に禁止ということでございまして、非常に硬直的であるということでございます。
そこで、今度の新しい法案におきましては、例えば、ほかに買い手がないような信託財産に属する財産を受託者が適切な価格で自分の固有財産にする、売買をするというようなものについて、実質的には受益者の利益にもなるという配慮から、信託行為に定めがある場合や重要な事実の開示を受けて受益者がこれを承認した場合、このような場合には、これを例外として扱いまして、利益相反行為を一定の要件のもとに許すという緩和策をとっております。
第二は、受託者の自己執行義務、今大臣から申し上げたところでございまして、これは現行法では、信託行為に定めがある場合またはやむを得ない場合に限って信託を第三者に委託するということが認められているわけでございますけれども、今日の社会においては非常に分業化、専門化が進んでおりまして、この信託分野でも、必ずしも自分でみずからやるのではなくて、むしろ専門家である第三者に事務を委託した方が適切であるという場合も決して少なくない、こういう情勢にございます。
そこで、新しい法案では、第三者に信託事務の処理を委託することを許容するという定めがない場合であっても、目的に照らして相当である、こういう要件のもとに、受託者はこれらを第三者に委託することができるということで合理化を図っているところでございます。
- ○柴山委員
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ただ、ここで問題なのは、信託というのは、そもそも他人を信じて託するというところから来た契約類型なわけですね。そこには、受託者は当然、受益者に対してしっかりと利益相反行為を排して忠実に物事を処理しなければいけないという義務が、要は中心的な義務として課せられているはずであります。
そのような場合に、受益者が、いや、そういう義務は負わなくていいですよという形で解除してくれればともかく、それ以外の類型で、例えば、正当性あるいは相当性というような要件でこれを緩和するというのは、私は大変大きな問題を含みかねないと思います。そこら辺の類型はやはりきちんと説明をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
- ○寺田政府参考人
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おっしゃるとおり、この義務は非常に基本的なところでございますが、今言った合理化の観点から、おのずから、したがって、例えば、新しい法案の三十一条の二項の四号に言う「正当な理由がある」ということは解釈されるべきところであります。
例えば、価格の相当性ということが非常に問題になるわけでございますけれども、信託財産に属する土地が競売に付されているというようなときに、受託者が競売手続において正当な手続で落札する、競落するというような場合は、これは問題ないのではないか。
あるいは、管理型の信託で申し上げれば、例えば、銀行を経営している受託者が、全く普通の預け入れをする者と同一の利率で信託財産に属する金銭を受託者の固有財産に預金する場合というような、いわゆる自行預金と言われるわけでございますけれども、こういうようなものは、一般的な利率と全く同じでございますので、ほかに考えられる余地が余りないということでございますから、これはまた正当な理由に当たるというように思われるわけでございます。
それから、運用型で申し上げれば、信託財産に属する金銭を、市場で有価証券を購入する、その有価証券を受託者が固有財産で売却したという、これもまた市場を通すということによって、価格メカニズムの点で全く不当なところはないはずでございますので、こういうものは許される、そういう理解に立っております。
- ○柴山委員
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また、信託契約に関しては、要するに、利益を受ける受益者がしっかりと受託者を監視することによってみずからの利益を図れるというところが恐らく肝になっているんだと思うんですが、例えば、今回の改正法では、受益者と受託者が一体であるというような契約類型が認められることになっております、期間は限定されるということになるんでしょうけれども。
そういうような場合に、受託者と当初受益者が一緒であるような場合に果たして本当にこうした監視機能ということが十分発揮できるのかというところがきのうの参考人質問でも出てまいりましたので、その点についてちょっと御説明をいただきたいと思います。
- ○寺田政府参考人
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おっしゃるとおり、信託の委託者、受託者、受益者の三者の関係のうち委託者と受益者が一致するもの、これは今も自益信託としてあるわけでございますし、今回新たに、委託者と受託者が一致しているもの、これは自己信託、信託宣言として認めるわけでございますが、問題は、信託の本質は受益者のために受託者が義務を負うというところにございますので、この受託者と受益者の一致というのは基本的には認めないという方針に立っております。
ただ、完全に認めないということになりますと、例えば受益権を売り出そうとしているときに、まだ売り出す前に一時的に受託者がこれを持っている状態というのは今の状態に相当するわけでございますけれども、それを完全に禁止してしまいますと、非常に実務的にも、買い手が見つかるまでの間もそれは許されないというようなことでございますので、そこで、期間制限といたしまして一年間という期間を限って、今回、そのようなことを容認するということを明らかにしたわけでございます。
これはあくまで期間限定の措置で、いわば信託としては異例のことでございますので、信託関係全体としては眠っているも等しい状態でございます。この間は、確かにおっしゃるとおり、受益者の側から受託者を監視するという意味は、全く両者が一致しておるわけでございますので、ありません。
ただ、これが、一たん受益権が他人の手に渡るということになりますと、たちまちそこに忠実義務というのは顕在化してまいります。したがいまして、この時点で第三者のためにする意味が出てくるわけでございますので、一年間の間に限るということで例外措置を認めたことによって、基本的に、だれかの権利が害されるということはないのではないかというように考えているわけでございます。
- ○柴山委員
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同様の質問でございます。
金融庁で、受託者の義務の緩和について一体どのような措置がとられているか、教えてください。
- ○山本国務大臣
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信託業法改正案では、当事者間の合意による受託者義務の軽減を原則として認めておりません。これは、多数の受益者の取引の安全、公平、そういった観点からであろうと思いますが、信託法改正の趣旨を踏まえまして、受益者保護に問題がない場合に限って受託者義務の合理化を図ろうとしております。
- ○柴山委員
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ありがとうございました。
続きまして、この改正法で大変大きな議論を呼んでおります自己信託の許容について、これまでもかなり議論が尽くされてまいりましたけれども、若干補足して説明をさせていただきたいと思います。
要は、この自己信託に対する不安の本質は、信託財産は固有財産と独立の存在であるにもかかわらず、自己信託の場合には、簡単にそのままの名義でそうした独立財産をつくることができる。これは、要は、メリット及び需要とは裏腹の関係で、それが悪用されるのではないかというデメリットが指摘をされています。
そしてもう一点は、そのようにして形成された独立財産が、範囲が不分明である、また中身もよくわからぬ、そういった外部開示の問題があるかと思います。特に、開示の問題に関しては昨日の参考人質問でも取り上げられたところであります。
そこで、お伺いいたしますが、信託財産が固有財産から切り離されたこと、及び、信託受益権勘定といいますか、財務諸表においてどういう取り扱いになるか、それぞれぜひお聞かせいただきたいと思います。
- ○三國谷政府参考人
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お答え申し上げます。
信託法と信託業法がございますけれども、信託法によりますれば、信託の受託者が貸借対照表、損益計算書等の帳簿を作成いたしまして、これを受益者が閲覧、謄写することが可能となっております。
信託業法の方でございますが、こちらの方では受託者が信託財産状況報告書等を受益者に交付することとなっております。
- ○柴山委員
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ただ、信託受益権を構成する財産がどのようになるかというような個別の問題に関しては、これは公認会計士の先生方からも非常に懸念が表明されていることですから、ASBJで今検討が進められているというように聞きますけれども、しっかりとこれを、一年後の自己信託に関する施行のときまでには明確にしていただきたいというように思います。
次に、この自己信託に関して、課税の適正ということが十分になされるのかということが非常に大きな疑問点となっております。利益隠しに使われるのではないかということが恐らく筆頭の懸念だと思いますけれども、これについて、ぜひ御説明をいただきたいと思います。
- ○田中副大臣
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ただいまの御指摘のように、自己信託などで会社同様の事業を行うような場合に法人税等の租税回避が起こるのではないか、こういう懸念が指摘されておりまして、今までも、各方面、関係者の御検討があったところでございまして、私自身も重要なポイントである、このように思っております。当然、私は、課税の公平及び中立性の確保の観点から法人課税を行うべきだ、このように考えております。
いずれにしましても、信託法案への税制上の対応については、今後、十分な検討を行った上で、十九年度、来年の税制改正において措置してまいりたいと思っております。
いずれにしても、財務省といたしましては、適切に、公平、中立性の観点からしっかりと扱ってまいりたいと思います。
以上でございます。
- ○柴山委員
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これ以外にも、事業信託の問題あるいは倒産隔離の問題について、いろいろと聞きたいことがあるんですが、私の持ち時間は終了いたしましたので、残余の質問はほかの委員の先生方にお任せしたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。
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