委員会での発言
内閣委員会
第166回 国会 衆議院 内閣委員会
第25号 2007年07月04日(水)
午後一時三分開議
○七条委員長
 次に、柴山昌彦君。

○柴山委員
 自由民主党の柴山昌彦でございます。
 DV法の質問に先立ちまして、少し時間をちょうだいして、マスメディア等で話題になっている新司法試験問題漏えい疑惑についてお伺いさせていただきます。
 この事件は、司法試験考査委員である法科大学院の教員がみずからの学校の学生らに対していわゆる答案練習会等を実施していたところ、今回の本試験で類似の問題が出題されたため、この試験の公正性に疑惑、疑念が生じているといった問題でございます。
 既に当該考査委員は解任をされておりますけれども、今後、今回の試験の公平性をどういった形で図っていくのか、法務大臣
にお伺いしたいと思いますし、またインターネット上では、同じような事案がほかにもあるというような指摘がされているところですけれども、そういった事案について調査をされるおつもりがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

○長勢国務大臣
 今回、考査委員によって不適正行為があって、特に受験者の方々を初め皆さんに御迷惑をかけたことについては大変残念に思いますし、こういうことのないように再発防止に努力をしていかなければならないと思っております。
 法務省といたしましては、試験委員会を通じて、考査委員の方々に、こういう受験指導をしたことがあるかないかという報告を今求めておるところでございまして、その結果を踏まえながら、また文部科学省とも連携をしながら、再発防止のための措置を進めていきたいと思っておるところでございます。
 また、この試験をこれでどういうことにするのかということも各方面から御心配の向きがあるわけでございますが、試験の採点、判定は司法試験考査委員で行うことになっておりますので、今回の試験の採点あるいは合否等に影響を与えるかどうかについては、この司法試験考査委員において専門的な立場で今検討をしていただいておりますので、私といたしましては、その結果を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。

○柴山委員
 今回の事件の背景には、新司法試験導入の後、法科大学院間で非常に熾烈な競争があるといったことが挙げられると思います。
 このような中で、今後こうした事態を二度と起こさないためにどういうことをお考えであるか。例えば、こうした答案練習会を既に実施している現役の教員については考査委員になるまで一定の期間を設けるとか、そういった具体的な形での再発防止策を検討されているかということについてお伺いしたいと思います。
 また、こういった試験は、やはり委員の関心事ですとか、あるいは社会でいろいろと取りざたされている重要な事件等々を反映して問題がある程度絞られてくる、重要論点ということが発生するのはやむを得ない部分もあるわけですけれども、それがために、予備校を通じて、また特定の首都圏の受験校が、情報収集能力に秀でている一定の受験校だけが試験で非常に有利であるというような事態になってしまっては、これは新司法試験導入の理念に反する事態が発生してしまうというように考えますが、こうした情報格差の問題についても今後どのように対応されていくのか、法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○長勢国務大臣
 新司法試験において、また法科大学院を創設するに当たって、司法試験についての予備校化を避けて、より広い範囲からの法曹を養成していこうという理念に基づいて行われてきたものでございますので、今先生御指摘のような点はぜひなくしていかなければならないことだと思います。
 法務省においても、また文科省においても、そういう受験指導のような予備校化については従来からずっと注意を喚起してきたところでございますので、実態等も今申し上げましたような形で調査をしておりますので、その結果を踏まえて、さらにすべきことがあるかどうか、対応策を検討したいと思っております。
 情報格差の問題についての御質問でございますが、御指摘の趣旨はわからないわけではありませんが、自然に起こる事象でありますので、どういうふうに考えればいいのか、ちょっと今のところ私として申し上げることが特にないのをお許しいただきたいと思います。

○池上政府参考人
 ただいま大臣からお答え申し上げましたような趣旨で、司法試験委員会では、さらに公正な試験を行うために検討を続けていくこととしているところでございます。
 また、情報格差等の問題につきましては、司法試験委員会といたしましても、司法試験問題を公開するのはもとより、出題の趣旨等もできるだけ速やかに公表するなど、そういった情報格差がないように努めているところでございますが、さらに、新しい司法試験が法科大学院の教育と連携する形で進められているという制度の中で、どのような公正さをさらに保っていくかということについて検討を続けてまいりたいと考えているところでございます。

○柴山委員
 いずれにいたしましても、今回、法科大学院に入られる方は人生をかけてこの試験に臨まれるわけですので、しっかりと納得のいく形で対応をしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 DV法の質問に移らせていただきます。
 今回、DV法の改正に際して、生命身体という重要な法益を守るためのDV法の保護命令の対象の拡大に当たって、なぜ個人の生活の安全等を守るためのストーカー規制法の類型を用いたのか、法案提出者にお伺いしたいと思います。

○南野参議院議員
 お答えいたします前に、私の不注意で左足を骨折してしまい、本日、車いすを使うことになっております。座ったままの答弁、よろしくお願いいたします。
 柴山先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 接近禁止命令が発令されるという被害者は、多くの場合、精神的に極めて不安定な状態にあるということが指摘されているところでございます。そのような被害者に対しまして、ストーカー規制法のつきまといなどとして禁止されているような、面会を求める内容、または嫌がらせ的な内容、またはそういう態様、その電話等が行われる、そういった場合には、戻らないといつまでも嫌がらせを受けて困らせられるのではないか、またもっと怖い目に遭わされるのではないかなどといった恐怖心などから被害者が配偶者のもとに戻らざるを得なくなってしまう、また要求にこたえざるを得なくなってしまう、そういう生命身体への危険が高まるということが考えられております。
 そこで、今回、このような行為の禁止を命じることができることとしたものでございます。

○柴山委員
 確かに、条文上、十条では、「裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、」こういった禁止の命令が出せるというように定められているところで、保護法益はあくまでも生命及び身体だということを今確認させていただきました。
 その上で、お伺いいたします。
 十条二項の五号には、緊急やむを得ない場合を除いて夜の十時から朝六時までの間に電話をかけることを禁止している、そういう条項がございます。とすれば、脅迫も面会も内容としていないけれども、緊急を要しない、例えば子供は元気にしているかという電話を夜の十時半にする行為、これは、さっき申し上げた生命または身体に危害が加えられる危険がないということで、命令の対象にはならないんですか、なるんですか。

○南野参議院議員
 今先生お問い合わせの午後十時から午前六時までの間における電話等につきましては、その内容いかんにかかわりませず、接近禁止命令が発令されている被害者が一般に著しく不安を感じ、恐怖心などから配偶者のもとに戻らざるを得なくなったり、または要求に応じて接触せざるを得なくなったりして生命身体への危険が高まると考えられることから、禁止行為としたものでございます。

 したがいまして、生命身体に危害を加えるものではないとの抗弁をいたしましたとしても、命令違反を免れることはできないということでございます。

○柴山委員
 それでは、全く同様の内容の電話を午後七時にかけたらどうなりますか。

○南野参議院議員
 電話禁止命令が発せられた配偶者が午後七時に被害者に電話をかけることは、改正後のDV法第十条第二項各号に掲げた行為に該当しない限り禁止されない、そのような電話を受けた被害者が一般に著しく不安を感じるものとまでは整理しませんでした。刑罰をもって担保する電話等禁止命令の対象とはしなかったところでございます。

○柴山委員
 これを聞いておられる方で、今の御説明で御納得される方がどれぐらいいらっしゃるかということなんですけれども。十時半ならば一律だめよ、けれども九時半ならば、もちろん、繰り返してかけたり無言電話はいけないというふうにされているわけですけれども、電話してもオーケーよ、そういう法律になっているわけですね。
 例えば、この通信禁止のニーズが今どのぐらいあるのかということについて、厚生労働省にぜひお伺いしたいと思います。
 現在、婦人相談所等の支援センター、また、先ほど神崎先生からも御指摘があったような民間シェルターは、こういう加害者からの電話については一切取り扱わない扱いとしています。今回、この改正法が昼間の電話を容認するという姿勢を明確に打ち出したことによって、この現在の扱いを厚生労働省は改めるんですか、改めないんですか。

○村木政府参考人
 DV法の被害者の方を婦人相談所や民間シェルターにおいて保護している場合でございます。
 この場合、加害者を含む外部からの被害者に対する通信、電話等でございますが、これについては、被害者がそこに保護をされているか否かを含めて問い合わせには応じないというのが取り扱いの原則でございます。この取り扱いは、被害者の安全確保の観点、また一時保護という物事の性質上、不可欠なものというふうに考えておりますので、この取り扱いを今回変えるという方針はございません。

○柴山委員
 電話をさせないというのは、通信の自由という憲法の権利にかかわるものです。それを制限するということであれば、当然のことながら、相当の理由が必要ですし、場合によっては法律上の根拠ということが必要になると思います。だからこそ、今回、法律を変えてそういうものに対応しようというふうにしたわけですけれども、ストーカー規制法という別の趣旨を持った法律を用いることによって、こうしたきちんとした手当てが十分できていないのではないか。
 今、厚生労働省さんから、引き続き立法事実は変わらないというようなお答えがありましたけれども、これは厚生労働省さんの取り扱いが間違っているのか、あるいは今回の立法が不十分なのか、それについて法案提出者はどのようにお考えですか。

○村木政府参考人
 先ほどの答弁に少し補足をさせていただきます。
 婦人相談所や民間シェルターの場合は、もちろん加害者の方々がそこの相談所そのものにお電話をかけてくるということを制限しているわけではございません。そういう意味で、加害者の方が直接被害者に対して通信等をしていく、これを禁じる趣旨とはやや趣旨が違うのかというふうに考えているところでございます。

○柴山委員
 これ以外にもいろいろと類型はございます。ぜひ、各委員の先生方には、その内容を精査された形で、再度、必要があれば検討をしていただけたらと思います。
 以上でございます。

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