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平成28年≫

平成28年12月17日

[遠い道の第一歩]
 日ロ首脳会談の後、昨日16日に共同記者会見が実施されました。
 既に明らかとなっている8項目の経済協力は、日ロ双方が利益を受ける内容であり、エネルギー開発や、私が総務副大臣時代から関わっていたロシアへの郵便インフラ・システムの輸出もしっかり反映されています。
 一方、北方領土問題については、日本が主張している「法的立場を害さない」共同経済活動について、「特別な制度」のもとでの実現に向けた協議を始めることで合意したとし、注目の主権問題では折り合いがついていません。
 ただし、戦後70年間実現しなかった平和条約締結に向けた第一歩であることには変わりなく、しかも元島民の方々の往来を促進するとされていることから、歴史的な意義を持つ合意と言えます。今後、まずは実利をしっかり獲得していく中で枠組みを作っていく息の長い取組みが求められるでしょう。
 プーチン大統領は北方領土が安全保障上重要な意義を持つとして日本のこれからのこの地域における防衛の方針に懸念を示し、安倍総理からはロシアに危険をもたらすものではないと説明されています。
 今回の日ロ会談に先立ち、トランプ氏が米大統領選で当選したことが、ロシアの孤立化に対する脅威を和らげたという解説が目立ちますが、対ロ制裁を含め、既存の世界秩序自体が大きく変わるものではないでしょう。また、オバマ大統領が大統領選におけるロシアのサイバー攻撃での介入を示唆し、トランプ氏がそれを否定していることも、必ずしも米国国内政治を超えて米ロ関係の枠組みが変わることを意味しているとは思えません。
 要は、今回の会談は日ロ両国が高い壁を超えるための「歴史的な、しかし遠い道の第一歩」なのです。両首脳間では発表されていない様々なことが話し合われているはずです。これから安定した政権のもとで国益を守り、かつタイムテーブルの認識をしっかりと持ちつつ、取組みを進めていきます。

[海外からも注目されていたIR法案の行方]
 15日午前、カジノを含む統合型リゾートを推進するいわゆるIR法案が成立しました。
 賭博が勤労の美風を損ない、ギャンブル依存症やマネーロンダリングの温床になると批判されていますが、あの規律の厳しいシンガポールでIR導入が決断された背景や、観光客・国内産業がその後大きく飛躍し、かつギャンブル依存症などの弊害が増えていないことにしっかり学ぶ必要があると考えます。国際会議場や宿泊施設などがその機能を新たに発揮することから社会の裾野も広くなります。今回、衆参両院でそれぞれ10を超える付帯決議項目が付され、今回の理念法を受けて実施法を定める段階でしっかりと懸念を払拭していきます。そして現在極めて規制の緩いパチンコや公営競技などについてと合わせてしっかりメスを入れていかねばなりません。
 ちなみに私が衆議院内閣委員長時代に共にシンガポールのIRに視察に行った公明党の女性議員は法案に賛成されました。民進党にもIR推進議員連盟に加盟している議員がおり、最初の衆議院の採決では(蓮舫代表の厳しい批判とは裏腹に)、党として反対ではなく退席という方針をとっています。
 是非皆様のご理解をよろしくお願い致します。

平成28年12月5日

[誕生日の節目に]
 本日51回目の誕生日を迎えました。器用でもない自分がここまで歩んで来られたのは、本当に多くの方々のお支えがあったればこそだと心から感謝申し上げます。
 人生において「縁」と「運」がいかに重要かということを痛感する日々ですが、それに恵まれるかどうかはやはり一日一日何を積み重ねているかに左右されるのだと思います。また、確固たる信念と、それと時には矛盾する謙虚さを、共に持ち続けることができるかも極めて大切です。
 12月2日、私が自民党財務金融部会長として後押ししていた休眠預金活用法案が成立しました。 実は以前私は、振り込め詐欺の被害にあった方々のために振込先の口座を凍結し、一定の権利届出期間を経たうえで返金する議員立法に携わった経験があり、そうした手続を経てなお被害届がないために残ってしまった詐欺預金について、これを犯罪被害者のために活用しようという制度設計にしていました。
 今回の立法はこれとは別に、一般的に預金が消滅時効にかかって(その場合も銀行は払戻し請求に応じる実務です)休眠状態となっている場合、将来の払戻しに必要となるであろう部分を除いた金額について、既存の税を使った福祉で十分支援されないNPOなどの活動に対する支援金・融資金として利活用する内容となっています。無論、当該事業に対する十分なチェックを行うことを制度化しています。 かつての経験や他国での事例が役立ったことは言うまでもありません。
 また、同じ2日には、経産省の調達価格等算定委員会(再エネ事業参入事業者の買い取り価格を審議する)や、新エネ小委員会系統ワーキンググループでの検討が進んでいることを受けて、私が会長をしている自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟から、一層の再エネ普及に関する提言書を中川俊直経済産業大臣政務官に提出しました。
 実は2030年に政府が目標としている再エネ割合22~24パーセントという数字を、今年5月には21.9パーセントとほぼ達成しており、経済性に配慮しつつより高い目標を目指すべきと考えます。
 太陽光発電の買い取り価格入札制度は当面大規模(2000キロワット以上)事業用に限定する慎重な運営、開発が長期となる風力発電は買い取り価格を少なくとも来年度前半までは維持するといったバランスの取れた制度設計、北海道・東北北部の系統接続の一層の整備ないし既存施設の有効活用、非化石価値取引市場における原発とは区分された再エネ普及の制度設計などについて、これから地道ですがしっかり成果を出せるようリードしていきます。また、東電関連会社が指摘された市場参入阻害行為などについて毅然とした措置を求めています。
 これ以外にも、座長代行を務める日本会議国会議員懇談会皇室プロジェクトチームにおける天皇陛下の譲位についての検討、所属する茶業議員連盟の茶業振興についての提言など、多様な活動が着々と進んでいます。結果を出せる政治を心掛け、これからも精進することをお誓い申し上げます。

平成28年11月10日

[サイレント・マジョリティーズ・リベリオン]
 米国大統領選挙は、事前の様々な報道を覆してトランプ氏の勝利という結果となりました。相場の混乱を見ると、世界が衝撃を受けているのがわかります。今日はちょうどロイター主催の経済問題に関するパネルディスカッションに元日銀理事の早川英男さんと登壇することになっており、タイムリーな議論ができると思います。
 様々なコメンテーターが「クリントンの不人気が予想以上だった」と述べていますが、同時に実施された連邦議会選挙が上院・下院とも共和党の勝利に終わったことを見ると、決してそれだけでは片付けられないと思います。
 米国経済は統計上は好調とされていましたが、民主党大統領予備選挙でのサンダーズ・ブームや、トランプ氏のここまでの健闘を見ると、社会的には多くの国民が不満を募らせていたという実態が伺えます。 米国民は日本より自助・自立の気風が強く、日本ではほとんど全ての人がその素晴らしさを疑わない医療の国民皆保険制度についても「他人の面倒を見させられる筋合いはない」と反対する意見がかなり多数です。オバマ大統領が8年にわたり進めてきたマイノリティー重視政策により、国民の多くを占める白人の中間層が危機感を抱くようになったと分析されています。
 格差を解消させるはずのリベラルな民主党政権なのに、オバマ氏もクリントン氏もエリート出身。また外交的には緊張緩和のために尽力されてきましたが、強いアメリカを求める国民にはいただけない部分があったのかもしれません。
 選挙中の度重なる過激な発言がクローズアップされたトランプ新大統領ですが、これから任命されるスタッフいかんで、共和党の本来の「対内自助・対外開放」という路線がより明確になるかもしれません。いずれにしても日本にとって米国は経済上も安全保障上も重要なパートナーであり、これまで熟議のうえ積み重ねてきた様々な合意もあります。新政権と速やかに充実した関係構築に努めるべきですし、私もその一助となる所存です。 特にTPPに関しては、原案が関係国の細部までの合意のもと署名された内容です。日本では農水大臣の発言を理由に国会審議が遅れていますが、修正の余地はないと思っていますし、日本における承認手続の前進によって世界の自由市場をリードしていくスタンスに変化はありません。
 今後ともご理解・ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

平成28年11月2日

[炎の弾丸出張~南スーダン編]
 今ケニアのナイロビ空港でこのブログを書いています。時刻は1日午後9時(日本時間2日午前3時)を過ぎています。
 先週25日、南スーダン国際平和協力業務実施計画が変更され、日本の自衛隊の活動期限が来年3月末まで延長されたことを踏まえ、私は首相補佐官として総理の直接の指示に基づき、現地政府要人やUNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)幹部との会談と状況視察を行うことになりました。
 31日にナイロビから南スーダンの首都ジュバに向かう飛行機が、ジュバ空港でのストライキで一旦引き返すというハプニングに見舞われましたが、日程変更をしながらもほぼ予定のミッションを完遂することができました。
 1日午前に会談したロイ国連事務総長特別代表には、11月末に退任予定の同代表がこれまでUNMISSや自衛隊の活動のために尽力されてきたことに敬意を表したうえで、後任の特別代表からも同様の支援・配慮をいただけるよう要請致しました。ロイ特別代表からは、日本の自衛隊の貢献に対して深い感謝の意が表せられるとともに、国連が活動展開しているトンピン地区やUNハウス地区に、まだ沢山のニーズがあることなど今後の課題の紹介がありました。
 また、引き続き実施されたタバン・デン第一副大統領との会談では、南スーダンの平和と安定に向けた南スーダン政府及びUNMISSの努力に対し、日本が引き続き貢献していくとの総理の意思を伝えました。これに答えて同副大統領は、日本の自衛隊やJICAなどのこれまでの協力に対する謝意が示されるとともに、今後の変わらぬ貢献に対するコミットメントを歓迎する旨が述べられました。また、当方から自衛隊などの日本の支援活動に引き続き協力いただけるよう要請するとともに、我が国としては南スーダン政府とUNMISSとの協力関係がさらに強化されることを期待する旨お伝えしました。そしてキール大統領が様々な利害関係者・民族を包摂するアプローチを重視している点を評価しつつ、元は反主流派だったタバン・デン第一副大統領にもこれに協力していくよう求めました。
 その後、キール大統領と会談し、総理から上記日本の貢献継続について記載された親書をお渡しし、大統領からも謝意をいただきました。また、日本の支援活動への協力要請に対するご承諾をいただきました。大統領はUNMISSとの協力関係を進めるとおっしゃるとともに、当方から重ねて要請した包摂的アプローチと大統領の指導力の発揮についてご理解をいただき、衝突解決合意の履行及び南スーダン統一プロセスに対する強いコミットメントを示されました。
 これらの会談に加え、国連施設内の自衛隊宿営地においては中力隊長より部隊の活動状況や現地情勢について報告を受けるとともに、隊員が建設などの施設活動を実施している現場を視察し、厳しい環境のもと積極的平和主義の実践のため、我が国を代表して任務に精励する隊員を激励しました。 また、国際機関に勤務している邦人職員からも、ジュバでの勤務や生活状況について説明を受け、南スーダンの平和と安定に向けて貢献していく皆さんの姿に強い印象を受けました。
 さらにジュバ市内の視察も行いました。市民が集う市場にも立ち寄り、地元の商店等が通常どおり営業しているとの印象を受け、ジュバは落ち着いていることを実感しました。
 こうした南スーダン政府及びUNMISS幹部との会談の内容と、私自身の目で見た、派遣施設隊の活動状況及び邦人の勤務・生活状況を含めた現地の情勢等を、帰国後速やかに総理・官房長官に報告する予定です。

平成28年10月23日

[警鐘を鳴らした鳥取中部地震]
 21日に発生した鳥取中部地震による被害が、次第に明らかとなってきました。
 マグニチュード自体は6.6でしたが東京でも揺れを感じ、現場の最大震度は6弱で建物や農業・観光に大きな影響が出ています。今後の余震も心配で、首相官邸ではしっかり情報収集・対策に当たっていきます。
 気になるのは、政府調査委員会が今回の地震は未知の断層のずれによって起きたという見解を示している点です。日本各地でこのレベルの地震が起きる可能性があるということです。
 今回の地震が原発に影響を与えることはないとのことですが、先般の新潟知事選で見られるとおり、世論は原発の再稼働に依然として厳しい目を向けています。今回の地震がその傾向に拍車をかける可能性も否定できず、私が党で議員連盟の会長として取り組んでいる再生可能エネルギーの迅速・安価な普及を一層進める必要を感じざるを得ません。 併せて、高速増殖炉もんじゅのあり方の見直しが課題となる中、原発の廃炉を含めたコストを正確に算定し直し、国民負担のあり方や新しいエネルギー基本計画などの検討を行う必要があります。公正なものとなるよう、私も全力を尽くしていきます。

[次々に立ち上がるビッグプロジェクト]
 私が事務局次長を務める自民党憲法改正推進本部の平場の議論が再スタートしました。衆参の憲法審査会で各党による憲法論議を行うためには、謙虚な姿勢が不可欠です。18日の会議では、私たち幹部で練り上げた「既に発表している平成24年草案は党の公式文書だが、その後の世論や新議員の増加などにも鑑み、各党間の論議に際しては柔軟な対応をしていく」という方針に大方の出席議員の同意を得ました。これからもしっかり裏方として頑張ります。
 また、19日にはずっと開催のタイミングをはかっていた座長代理を務める超党派の日本会議国会議員懇談会の皇室制度プロジェクトチームで、天皇陛下の譲位について検討を開始しました。政府の有識者会議も論点整理をするなど議論をしていますが、法改正を行うのが立法府であり、皇室制度に深い関心と理解を示す私たちのチームが政府と並行して議論することが有意義だと思うからです。 19日の会議には、テレビ番組などでご一緒している明治天皇のやしゃご・竹田恒泰さんを講師に迎え、今上天皇に限って適用される特別措置法についての私案をご説明いただきました。これからも様々な方からのヒアリングを行っていきます。

平成28年9月29日

[将来を左右する臨時国会]
 26日からいよいよ臨時国会がスタートしました。
 今年一杯、内外とも非常に重要な局面を迎えます。臨時国会はその中で、未来に向けた方針を明確に示す国会でなければいけません。
 まず8月から9月にかけて東日本を中心に、建物や農産物などに大きな被害をもたらした一連の台風について、既に激甚災害指定による国の支援の底上げを決定したところですが、公共事業などのハード面のみならず、生活や事業の再建に対するソフト面を含めて自治体と連携して対応していきます。
 経済のさらなるテコ入れも不可欠です。消費税の引上げ延期をとらえて野党はアベノミクス失敗と主張しますが、賃金の3年連続上昇や雇用環境の改善などが示すとおり、デフレ脱却まであと一歩というところまでは来ています。しかし、英国のEU離脱や新興国経済の失速などによるリスクを避けるために、引き続き大胆かつ効果的な金融・財政政策をとることとしました。加えて、民泊などの規制の見直しや、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボット、エネルギー、医療、新素材開発などの技術革新、大企業との取引の適正化などを通じ、中小企業も含めた経済の底上げをしっかり行っていきます。
 旅行収支は昨年史上初めて1兆円の黒字となり、外国人観光客は今年過去最高の2000万人を大きく上回る見込みです。しっかり海外の人・モノ・金を呼び込める日本としていくとともに、治安の確保などにも万全を期していきます。
 今国会の大きなテーマがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)です。アジア・太平洋地域の12か国、世界のGDPの約4割、人口8億人という巨大な経済圏を作り出し、その成長を日本に取り込める大きなチャンスとなるとともに、自由貿易圏の安全保障の面でも重要な意味を持ちます。 米国の大統領選候補はいずれも否定的な姿勢を示していますが、オバマ大統領は任期中に承認するよう最大限の努力をすると表明しています。日本が国会承認を通じて先んじて明確な国家としての姿勢を示すことが米国の手続の弾みになりますし、何よりもアジアの国々がそう望んでいます。今反対している野党も政権にあった時にはTPPに賛成の立場だったのです。
 日本は農林水産品の関税撤廃の例外について、他国の平均が1.5パーセントにとどまる中、2割近くを獲得しています。もちろん農家の方々の経営安定のためのセーフティネット構築に万全を期すほか、優れた農産品の輸出など攻めの農林水産業を進めていきます。風評被害の払拭にも全力を尽くしますし、流通なども含めた6次産業化・改革を通じて、希望の持てる産業へとして参ります。私も海外出張の際には地元の狭山茶をお土産にするなど、積極的にブランドの売り込みに動いています。
 一億総活躍社会や地方創生といった取組みも大きく進めます。
 働き方改革の方針を今年度中にまとめ、同一労働同一賃金を進めて不合理な非正規雇用の待遇を是正していきます。また、高齢者の活躍・女性の活躍をさらに進めるとともに、若者の雇用もしっかり確保していきます。長時間労働を是正し、仕事と家庭との両立をしっかり進めるとともに、労働時間に依存しない新しい働き方を模索していきます。野党は「残業代ゼロを進めようとしている」などと主張していますが、そうした批判は全く当たりません。
 消費税の引き上げは延期しますが、50万人分の介護の受け皿を前倒しで整備し、自治体と密に連携して地域包括ケアとしての実効性のある仕組みを作ります。保育や小学校の放課後の受け皿作りも、学校施設をより一層活用できるようにすることを含めて加速していきます。ひとり親家庭の支援拡大や給付型奨学金の検討も進め、教育の機会均等を図っていきます。そして介護人材や保育人材の待遇改善を一層進めます。 無年金対策についてもその重要性に鑑み、年金受給期間の25年から10年への短縮を来年度中に実施します。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公的年金運用についても、長期的な最大限の安定運用を専門家の意見を踏まえて進めています。
 スマートインター・都営12号線・クールジャパンフォレスト構想などの地元の懸案も含め、インフラ整備やまちづくりをしっかり進め、地域の活力を最大限に生かしていきます。
 外交・安全保障に目を転じれば、中国や韓国との関係改善やロシアも含めた領土問題、北朝鮮による核実験やミサイル発射など、難題が山積しています。IS(いわゆるイスラム国)などによるテロの脅威にもしっかり対応していかなければいけません。
 私は安全保障担当の首相補佐官として、総理・官房長官・外務大臣・防衛大臣たちとともに、精力的な外交や対外支援などの方法によりまず問題解決を目指し、平和安全法制など現実的な防衛体制の整備によって私たちの命と暮らしを守ることに全力を尽くします。戦争推進などの批判はもってのほかと考えます。
 引き続きのご支援を心からお願い致します。

平成28年9月18日

[炎の弾丸出張シンガポール編]
 9月15日未明から17日の早朝にかけて、シンガポールへの弾丸出張に出かけました。
 シンガポールとは今年外交関係50周年を迎えており、4月にはバラクリシュナン外務大臣が訪日して岸田外務大臣と会談したほか、8月には安倍総理がナザン前大統領の弔問に訪問しています。私は総理の命を受け、ハイレベルのフォローアップ外交をすることになりました。
 まずはバラクリシュナン外務大臣を訪問し、安倍総理から預かったリー・シェンロン首相宛ての親書を手渡すとともに、経済協力関係の強化や、緊迫する南シナ海・北朝鮮などでの安全保障状況について率直に意見を交わしました。当方の主張について十分理解し、行動していただけるものと信じます。 また、ReCAAP(アジア海賊対策地域協力協定)事務局を訪問し、日本のシーレーンとしても重要なマラッカ海峡周辺の治安の課題について議論するとともに、ウン・エンヘン国防大臣と会談して防衛協力の強化について合意しました。
 シンガポールは最近も日本を含め世界中から投資が相次ぎ、かつ東南アジア諸国の中で日本が最初に防衛協力・交流の覚書を署名して以来安全保障上も重要なパートナーです。そしてASEAN関連首脳会議において対中調整国という重要な地位を占めています。
 印象的だったのは、TPPの行方に関して外相も国防相も非常に関心を持ち、日本の臨時国会での審議日程について色々質問してこられたということです。米国大統領選挙のスケジュールも含め、このTPPがどれだけ重要な意味を持つか再認識しました。
 そして今回の出張のもう一つの重要な目的は、講演やパネルディスカッションを通じた日本の広報活動でした。
 以前同僚だった田村耕太郎元参議院議員からのお声掛けで、米国のシンクタンクであるミルケン・インスティテュートの主催するアジア・サミット2016にパネラーとして登壇し、PEZY Computingの齊藤元章社長・大和証券の田代桂子専務・AZULA INTERNATIONALのAdrian Zechaチェアマンとともに、日本経済の現状と課題を熱く語り合いました。アベノミクスがまだ技術革新やインバウンド強化などで第2ロケットに点火できることを強くアピールできたと思います。
 また、国立シンガポール大学を訪問し、各国から集まった気鋭のビジネススクール生の前で講演し、活発な質疑応答を行いました。 さらに、ブルームバーグ社の単独インタビューにも応じ、金融・経済問題についてコメントしました。
 強行日程で英語のミッションも多かったのですが多くの方々のご尽力で頑張り通せました。また、2年前の衆議院内閣委員長としてのIR(統合型リゾート)法案審議の際の視察の時よりさらにシンガポールが大きく発展していることに感銘を受けました。
 今後ともしっかり同国との連携を図っていきます。

平成28年9月14日

[北朝鮮核実験に実効性のある対応を]
 今月5日のミサイル発射に続き、北朝鮮は9日、過去最大規模の爆発による核実験を実施しました。
 直後に首相官邸では国家安全保障会議を開催し、情勢分析や今後の方針を確認しましたし、自民党本部でも北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部が開催され、日本独自の対北朝鮮制裁強化を含む提言を発表しました。
 北朝鮮はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射にも成功しており、その驚異的な技術進歩に鑑みれば、米国を含む近隣国を対象とした核弾頭ミサイルによる攻撃力を備えるのはそう先のことではないでしょう。国連安保理がいち早く非難声明を出したほか、制裁強化に向けて動いているのは当然のことです。
 問題は制裁が決まったとして、それが実効性を伴うかどうかです。私は上記した党本部の会議で、同僚からキューバなどの北朝鮮親密国からの支援を止めさせるよう働きかけるべきだと意見が出されたのに続き、既存の制裁の枠組みについてもきちんと実施されているかの検証が必要だと発言しました。 米国では中国の石炭輸入減少額の推移などに鑑み、同国が制裁の抜け穴となっているのではと指摘しています。日米韓はもちろん、中露など関係国が一丸となっていかなければいけません。
 日本はしっかり働きかけを各方面に進めていくとともに、万一にも国民の安全が脅かされることのないよう、情報収集や防御技術の向上を全力をあげて加速していきます。

[エネルギー政策のバージョンアップを]
 前回のこの欄で風力発電所の視察について触れましたが、私が会長を務める自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟のメンバーで、菅官房長官と世耕経産大臣にその視察を踏まえた緊急提言を行いました。
 高速増殖炉もんじゅの抜本的な見直しが報道され、温暖化ガス削減を内容とするパリ協定が発効の見通しとなる中で、また安全保障面からも地方創生面からも、既に劇的に技術革新が進んできている再生可能エネルギーの最大限の普及が必要です。提言では
1.広域運用を含め、再生可能エネルギーの更なる導入を可能にする系統を構築すること2.特に風力発電の環境アセスメントの期間短縮に加え、買い取り固定価格を既定事業者に不利にならないよう配慮すること3.電源表示充実や、東電パワーグリッド社の検針トラブルによる新電力普及阻害是正など、電力全面自由化による再エネ普及環境を整備すること4.再エネ関連市場整備・規制見直し・バイオマスや水素活用などへの支援
等について詳細に盛り込ませていただきました。これからのエネルギー政策をリードしていきたいと思います。

平成28年8月28日

[勢いを続けて]
 熱戦が連日展開されたリオ五輪が幕を閉じました。
 日本は過去最多の41個のメダルを獲得し、注目されていた金メダル数も12個で世界6位と大健闘でした。金メダル以外でも、団体の力で世界の度肝を抜いた男子陸上400メートルリレー銀メダル、男子テニスや男女卓球の大活躍などは私たちの心を熱くしました。
 選手の体格や練習方法の向上ももちろんですが、かつて重圧につぶれ、本番に弱いと言われていたメンタル面やコンディション調整の強化が功を奏したのではないかと思っています。官民一体となったスポーツのレベル・裾野それぞれの支援も実を結んだでしょう。
 この結果が私たち国民の元気と底力を呼び起こし、日本全体のさらなる発展に結びつくことを祈っています。2020年東京五輪に向けて、新都知事ともしっかり連携して取組みを進めることが必要です。また、先日ロンドンでの腐敗防止サミットで私が発表した「スポーツ界での腐敗・薬物撲滅」についても、ガバナンス強化を含めて成果を出さなければいけません。
 もちろんこの勢いをリオ・パラリンピックにもしっかり維持し、注目し続けることも大切です。

[レベルが変わった台風被害]
 23日に東日本を直撃した台風9号は各地で大きな被害をもたらしました。災害が少ないと言われる私の地元である所沢市・ふじみ野市・三芳町でも、河川の増水や道路の冠水による床下・床上浸水、建物の傾斜、畑作物の被害など、かつてない状況となっています。
 これまで所沢の東川氾濫対策などが講じられてきましたが、温暖化の影響でレベルが変わったのかやはり自然の猛威は恐ろしいです。県・市・民間の各位の懸命のご努力により何とか乗り切れましたが、今後も台風が予想されることもあり、引き続き警戒するとともに、各地の防災訓練などに積極的に参加し、被害を最小限に抑える取組みも必要でしょう。私も27・28日と地元で開催される防災訓練に参加し、強化を呼びかけています。また、国の方で防災や被害回復に何ができるかしっかり検討して参ります。

[再エネの新たなステージ]
 来年の再生可能エネルギー買取り価格がどうなるか、経済界やエネルギー関係者が注目しています。無論コストが低くなることは経済全体にとってプラスなのですが、原子力発電所再稼働も難しい中で、純国産エネルギーの再生可能エネルギーを普及させ、まち興しにつなげることも大切です。 自民党の再生可能エネルギー推進議連会長として、茨城県のかみす洋上ウィンドファームや深芝風力発電所の5メガワット風車(軸の高さ90メートル・ローター直径126メートル)の視察をするとともに、今後の普及のための方策についてヒアリングを行いました。しっかり実行に移していきます。

[日中韓外相会談の実施]
 東京で日中韓外相会談が実施され、尖閣問題や北朝鮮ミサイル問題を含めたこれからの地域安定に向けた取組みが話し合われています。機を同じくして実施された日韓フォーラムには両国の議員・学者・メディアなどが参加し、今後の両国の関係をどうするかについて率直な意見交換があり、私も参加して発言しました。
 日韓では昨年末の歴史的な慰安婦問題に関する合意を着実に実施し、その次のステージに進んで安全保障や経済の問題に取り組んでいくことが必要です。友好とともにしっかりと国益を守って参ります。
 時代の流れは早く、政治は難しい局面を迎えます。高支持率におごることなく、謙虚に、しかし着実に、努力を重ねる所存です。

平成28年8月4日

[新体制のスタート]
 昨日3日、第3次安倍内閣の第2次内閣改造が行われました。
 私を含め、官邸人事は世耕弘成官房副長官が野上浩太郎参議院議員に変わった以外は全員留任となり、引き続き総理を近くで支えることとなります。
 初入閣は8人ですが、重要ポストと呼ばれる所には留任も多く、党の派閥への一定の配慮と適材適所を両立した人事と言えると思います。私より年下は丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当大臣の他は沖縄北方担当の鶴保庸介大臣(1歳下)のみで、若手の抜擢はさほどではありませんが、政権の安定が重視された形です。なお、「山本」姓の大臣が、公一環境大臣・有二農水大臣・幸三地方創生大臣と、お名前に一、二、三がつくお三方が就任されたことが話題となっていますが、実は高市早苗総務大臣もご結婚後の本名が「山本」です。 党人事については、二階俊博幹事長、細田博之総務会長、茂木敏充政調会長、古屋圭司選対委員長という重鎮かつ総理の意を汲む人事であることにより、しっかりしたマネジメントができることを期待します。
 新体制はデフレ脱却と財政再建の両立を目指し、一億総活躍や厳しい安全保障環境への対応など課題が山積する中、針の穴を通すような作業を進めていかなければなりません。私も全力を尽くして参ります。

[北朝鮮のミサイル発射は脅威倍増]
 昨日午前7時53分頃、北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、弾頭部分が初めて我が国のEEZ(排他的経済水域)内に落下しました。 事前通告もなく、当時近くを日本の漁船が航行するなど極めて危険な事態をもたらしており、日本は直ちに北京の大使館ルートで北朝鮮に対して厳重に抗議したところです。首相官邸では私も出席して国家安全保障会議を開催し、情報収集・分析と国民への迅速かつ的確な提供、航空機や船舶の安全確認の徹底、不測の事態に備え万全の体制を国際社会と連携して取っていくことについての総理指示を確認するとともに、今後の対応についても議論しました。
 今回の行為は国連安保理決議に違反し、制裁措置が継続する中でかつ内閣改造のタイミングで実施され、しかも上記した極めて危険なものです。24時間・365日の警戒や対応の強化を、米国や韓国などと連携して行っていきます。

平成28年8月1日

[未来に活かすべき都知事選]
 昨日7月31日に投開票が行われた東京都知事選は、小池百合子候補の圧勝で幕を閉じました。
 前回のこの欄で私は、「候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません」と書きました。自民党が推薦した増田寛也候補が落選したことは残念です。
 しかし、時事通信が実施した出口調査によると、自民党支持層の52パーセントが小池候補に一票を投じており、増田候補の40パーセントを上回っています。このことを私たちはしっかり受け止めなければいけません。
 確かに、自民党東京都連が推薦候補を決定する会議に、小池さんは所属議員として参加していながら、執行部一任という決議に異を唱えることなく、そのうえで直後に出馬表明の記者会見を行ったと伺っています。 こうした経緯や、その後増田候補への推薦が自民・公明両党での手続を踏まえてなされたことに鑑みると、小池さんの立候補を筋として認めたくない党の事情はよくわかります。私自身、増田候補のために東京での知人を紹介するなどの活動を行いました。
 しかし都民にとっては、こういった内輪の手続の話はあまり関心の対象とはなりません。また、その後の選挙活動では、小池候補が過去に政党を渡り歩いたり自民党総裁選で勝ち馬に乗ろうとしてきたりという行動をとったことを批判する声を聞きましたが、これも一緒に仕事をしてきた私たち自民党議員には「信頼のおける人物かどうか」という点である程度わかる話であっても、一般の方々にとってはどうでもよいことでしょう。
 小池候補としては、防衛大臣や環境大臣などの閣僚を務め、党三役の一つ総務会長も経験し、これから都知事に活路を求めるしかないと考えたうえで、現在の党や都連の状況下ではそれが難しいと判断して乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負に出たのだと思います。そして都連としては、参院選をはさんでなかなか難しい状況であったとはいえ、「勝てる候補が他にいるのか」「小池さんとの修復はできないのか」迅速に判断するべきだったでしょう。危機管理を表す言葉に「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」というものがあります。 時間が経過する中、小池さんは自民党への推薦依頼を撤回し、「都知事になったら議会を冒頭解散する」という発表を行い、私たちの度肝を抜きました。
 おそらく世話になったであろう都議会議員を、まだ知事候補として都議会との政策の対立が顕在化する前に、法律上できない解散により職を奪うと宣言することは、小泉元総理の劇場型政治にも見られなかった異例のことであり、まさに抵抗勢力を演出したもので都連としては許しがたいものだったとは思います。 しかしそれに対抗して、除名をほのめかして親族にまで締め付けを図ろうとするなどはこれまた異例のことですし、石原元都知事の「厚化粧の女」発言も相まって、結果として小池候補のけなげさを演出する劇場型選挙にどんどん手を貸す結果となりました。増田候補は優秀で実績のある方だと思いますが、やはり広報・発信の面でおくれをとっていたことは否めません。
 ちなみに、今回野党陣営は保守分裂の間隙を縫って、キャスターとして知名度の高い鳥越俊太郎氏を統一候補として擁立する戦術に出ており、その信条や体調などを考えると、鳥越候補の当選だけは絶対阻止しなければならないと思っていました。 小池候補が無党派層を捉える選挙戦を展開する中で、増田候補に肩入れをし過ぎることを自民党の本部や安倍総裁が避けたように見えたのは、小池候補との亀裂を最小限にしたいということに加えて、鳥越候補を利することを避けようとしたこともあると思います。
 結果は出ました。小池さんや応援した現職議員を処分するべきだとの声もありますが、それ以外にも小池さんを応援した自民党関係者が多数いたことや、上記したとおり自民党支持者の半分以上の有権者が小池さんに投票したこと、この間の事態の推移が混乱を極めたことなどを考えると、それより先に通さねばならない筋があるように思います。
 今後、目前に迫った東京オリンピック・パラリンピックや、首都防災・超高齢化対策など、山積する課題を解決するため、高村党副総裁が指摘されるとおり、「誰がなっても東京都知事とはしっかり関係を築く必要がある」のではないでしょうか。

[心配される谷垣幹事長の容態]
 内閣改造や自民党役員人事を控え、谷垣幹事長が自転車で転倒して頸髄を損傷したことが大きな足かせとなっています。
 夏の参院選で私の地元所沢を含め、全国を飛び回り、党をまとめてこられた谷垣幹事長の一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。幹事長が辞任を表明され、残念な気持ちで一杯ですが、政府と党がしっかり連携してその思いを引き継げるよう、私もいかなる立場になろうとも全力を尽くす所存です。

平成28年7月11日

[厳しい現実に目を]
 昨日10日に投開票だった参院選で、与党は当初の目標どおり改選議席の過半数を確保しました。
 私の地元、埼玉選挙区でも、自民党公認の関口昌一候補と公明党公認自民党推薦の西田実仁候補が共に当選し、定数3のうち与党で2議席を確保できて胸をなで下ろしたところです。
 しかし岩城光英法務大臣、島尻安伊子沖縄北方大臣という、日頃からお世話になっている二人の現職閣僚や、特に東北地方の1人区を中心に、落選した方々も少なからずいたことを重く受け止めなければいけません。私も今回、山口・福島・長野と応援に入りましたが、1勝2敗となり、忸怩たる思いをしています。
 野党共闘が政策無視の野合であると訴えたことはある程度有権者の理解を得られたと思いますが、接戦で負けた選挙区の多くは、実はかつて90年代、自民党から離党して連立政権を作った議員またはその後継者の地元でした。 また、アベノミクスは正しい道であると確信していますけれども、農業県ではまだその実感が薄く、TPPに対する不安もあったかもしれません。東北の被災地については廃炉・除染・風評被害対策など、これからが正念場という側面もあります。
 私たちはこうしたことを踏まえて丁寧な政権運営をすることが必要になってくるでしょう。 また、野党共闘や「改憲阻止」の運動は決して軽視することはできません。メディアは「改憲勢力3分の2確保」と大きく報じています。これはかなりミスリーディングで、どの条文をどう変えるかについてこれら各党の間で一致した意見がある訳ではありませんし、何よりも国民投票で過半数の賛成がなければ憲法改正は実現しないのです。ここでも開かれた丁寧な議論を国会でしていくことが必要です。憲法改正の発議は政府が行うのではなく、衆参両院で行うのです。
 参院選が終わったら、すぐ首都東京の知事選挙が行われます。候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません。
 厳しい現実から目を背けることなく、しっかり地に足の付いた活動を進めて参ります。

平成28年6月27日

[政治の安定に力を]
 23日に実施されたイギリスの国民投票で、同国のEU離脱が決まり、世界経済は大きな混乱にさらされています。
 直後に私はツイッターで、「安倍総理の消費増税延期は大正解だった。これから難しい経済運営・対外対応が必要となるが、どう考えても今の野党にその力量があるとは思えない。」と書き込み、多くの支持をいただいています。
 前回のこの欄で書いたとおり、伊勢志摩サミットでは世界経済の不透明性の中で適時に全ての政策対応を行うことが合意され、日本は総理の「新しい判断」のもとで消費税増税の延期を2019年10月まで行うことが決まりました。 イギリスのEU離脱は、事前に各国の働きかけやコックス議員の殺害などの影響で「残留派が少し有利」と想定されていただけに大きな衝撃を世界市場にもたらし、まさに円高や株安の波にさらされている日本が、消費増税によるさらなる経済危機をもたらすことはできません。
 この数日、沢山の内外の経済メディアから「日本は今後どう対応すべきでしょうか」「参院選にはどういう影響が出るでしょうか」という取材をいただいています。
 前者に関しては、短期的対応、中期的対応、長期的対応が必要でしょう。すなわち、短期的には過剰な投機による混乱を避けるためのドル供給や円売りなどの介入を、もし必要であれば世界他地域の中央銀行と連携して行うことです。ただし相場の状況に応じてです。前回日銀の金融政策決定会合で見送った追加緩和についても、再度検討の俎上に上がることでしょう。中期的対応としては、補正予算などの経済対策です。急速な需要の落ち込みを防ぐため適正な規模とすることは避けられません。そして長期的には、世界の安定に資するための取組みを、日本もしっかりと貢献して行うということです。イギリスでは残留派の多いスコットランドが再度独立の動きを見せており、またEUでは他の国に離脱の連鎖に向けた動きがあるとも報じられています。こうした世界経済の不安定化の動きを食い止めるグローバルな取組み・外交を展開しないといけません。日EU間のEPA交渉に与える影響の精査も必要でしょうし、イギリスそのものに対しても連携を切らすことがないよう、その外交にしっかり注目をしていく必要があります。
 TPP交渉や安全保障の確立が持つ意味も重くなると思います。アメリカの大統領選を控え、まだ不安定要因はありますが、しっかり対応していきます。
 しかし、今回の件で専門的事項についての国民投票の問題点が明らかになったと言えるのではないでしょうか。市民運動家はともすると民意を口にしますが、今回のイギリスでの事例では、かつての大英帝国に郷愁を持つ高齢者層と、現在の状況を見る若年層に投票行動のギャップが見られたということです。こうしたテーマについては、慎重に検討するための代表を通じて決めるのがふさわしいのではないかと思いますし、わが国の憲法審査会で国民投票制度の拡大について特に野党が力を入れていますが、警鐘を鳴らすものと言えそうです。 メディアの「参院選への影響」についての質問に対しては「一票の重みをかみしめていただくようになると思います」と答えています。
 野党は今回の株安で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資金運用を株式にシフトしたことによって巨額の損失が生じていると与党を攻撃していますが、これまた経済を知らない主張です。日本の国債は今大きく金利が低下していますし、世界の資金運用は中長期的な実績を目指すものでも、利回りとリスクをきちんと数理計算して最適のポートフォリオを組むのが当たり前です。これから投資をどうすべきかの決定も、GPIFに関しては、専門家の合議によるプロセスを踏むよう改革されたところです。一時的な損が出たといっても安倍政権になって既に37兆円以上の運用益が出ていることに鑑みれば、批判は一面的なものであることがお分かりだと思います。
 つくづく感じるのは、今ここで、政治の安定を損ない、経済的に専門性を欠く野党に選挙で負けるわけにはいかないということです。序盤戦優勢が報じられていますが、気を引き締めて最後まで戦い抜くことをお誓いします。埼玉選挙区では定数3のうち自公与党で2議席を得ることを目指すとともに、他の接戦地域に私も応援に出向いて参ります。

平成28年6月2日

[夏の陣を前に]
 昨日1日、通常国会は会期を終えました。
 この国会で成立した法律や予算により、介護休業給付の拡充、介護や保育の受け皿整備、不妊治療への助成拡充、ひとり親家庭への児童扶養手当の増額など、一億総活躍社会の実現に向けた取組みが次々とスタートします。
 最新の有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となり、史上初めて47都道府県全てで1倍を超えました。リーマンショック以来減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年8年ぶりに増加に転じ、26万人増えました。賃上げも、中小企業を含め、今世紀最高水準の賃上げが3年続いています。
 しかし、世界経済は急速に不透明感を増しています。私が30日に総理の代理で出席した日本経済新聞社主催の国際会議「アジアの未来」で申し上げたとおり、中国などの新興国で、原油などの商品価格の下落などを背景として、GDP伸び率や投資伸び率がリーマンショック以来の落ち込みを見せています。
 私は伊勢志摩サミットの前のテレビ番組などで、現在の経済情勢に鑑みれば、消費税増税を予定どおり行いつつ、財政・金融措置などで景気回復を目指すという道は十分成り立つという見解を述べてきましたが、このような世界経済の状況のもとで、「成長のエンジン」が失われかねない中、G7が適時に全ての政策対応を行うことを合意し、日本がサミット議長国として率先して構造改革や財政出動など、あらゆる政策を総動員する「新しい責任」を負ったと総理が述べたことから、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げを延期するとの総理の今回の判断を支持するものです。
 そうは言っても私たちは責任与党であり、財政再建にも責任を持たなくてはいけません。 2019年の秋という増税期限は、私たちが基礎的財政収支を2020年に黒字化すると主張する中でのぎりぎりのタイミングであり、かつ、保育の受け皿50万人分の確保、介護離職ゼロに向けた受け皿50万人分の整備を予定どおり進め、保育士や介護職員等の処遇改善についても実施していくとなれば、新たな財源の確保と行財政改革のさらなる進展は不可欠です。
 もっとも、この3年半のアベノミクスの成果で、国と地方を合わせて税収は21兆円増加をしました。民進党の岡田代表は、消費税率引き上げの財源を赤字国債の発行に求めていますが、私たちはそのようなことのないように全力を尽くします。
 今の状況が「リーマンショック級の経済危機」だというわけではありませんし、熊本の地震が「大震災級」にあたるとも言えません。前回の総選挙は増税延期の是非を争点に行われたもので、そこで再延期はしないと言ったのですから、解散して民意を問うべきだとの考えに一理あるとは思います。しかし熊本の被災地で今なお多くの方々が避難生活を送る中で、国民世論も解散を求める声が多数と言えないこと、今回参院選で全国規模の民意を問う機会があることも踏まえ、解散権を持つ総理が「衆議院の解散をしない代わりに、今回実施される改選枠の参院選で与党で過半数を目指す」と述べられたことは理解できます。
 大変厳しい選挙戦になるとは思いますが、勝利を目指して全力で頑張りますので、皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

平成28年5月29日

[平和への祈り]
 注目を集めた伊勢志摩サミットは、多くの成果を残して閉幕しました。
 世界経済に関しては、「見通しに対する下方リスクが高まってきている」との認識のもと、新たな危機に陥ることを回避するため、経済の強靭性を強化して、適時に全ての政策対応を行うことにより現在の経済状況に対応するための努力を強化する、と宣言しています。 そのうえで、これまで日本が取り組んできた相互補完的な財政、金融、構造政策の重要な役割を再確認しています。民主党政権でほとんど手つかずだった金融面での取組みが具体的に触れられています。
 過剰な生産能力や、私がインタビューで懸念を示した為替レートの過度な変動・無秩序な動きにも警鐘を鳴らしています。
 「あらゆる形態の保護主義と戦う」とのコミットメントが再確認され、各TPP署名国に国内手続の完了を奨励するとともに、今年のできる限り早い時期に日EU間でEPA大筋合意に達することに向けたコミットメントが歓迎されました。
 また、日本が世界各地で訴えている「質の高いインフラ投資」推進についても明記されました。
 私が先日訪れた腐敗防止サミットで示された、腐敗・脱税・テロ資金供与及び資金洗浄防止のための実質的所有者情報の透明性の改善についても盛り込まれました。
 さらに、国際保健・女性活躍・サイバーセキュリティー・気候変動とエネルギーについても行動指針が示され、貧困削減及び「持続可能な開発」へのアプローチにおける新時代の幕開けを力強くうたっています。
 今後これを受けて、わが国における対策が、既に示されている骨太方針などと併せて早急に実施されることになるでしょう。
 注目されたのは外交・安全保障の取組みについても同じです。
 テロ・暴力的過激主義・難民問題の原因となる根本問題と向き合うことを明示するとともに、テロ対策や密入国・人身取引との戦いを継続します。
 中東におけるジュネーブ合意に基くシリアの政権移行を呼びかけ、イラクの改革と国民和解、イランの地域における建設的な役割を呼びかけます。
 北朝鮮による核実験と弾道ミサイル技術を用いた発射を非難するとともに安保理決議や六者会合共同声明の順守を求め、併せて拉致問題を含む国際社会の懸念に直ちに対応するよう強く求めます。
 ロシアにはミンスク合意の完全な履行を求め、ウクライナの改革を支持しています。
 そして海洋安全保障に関し、国際法に基づく主張、力や威圧を用いないことなどの重要性を再確認し、東シナ海・南シナ海の状況の懸念を示すとともに「海洋安全保障に関するG7外相声明」を支持しています。
 私は今回、東京に留守番となりましたが、ここまで成果をまとめることに努力された関係の皆様に心から敬意を表する次第です。
 そして圧巻だったのは、その直後、被爆地広島を訪れたオバマ大統領の演説でした。
 「国際社会は国際機関や国際条約を成立させ、戦争を回避するとともに、核兵器を制限し、減らし、究極的には、廃絶させることを追求してきました。とはいえ、国家間のあらゆる対立、テロ、腐敗、残虐、迫害といった、世界各地で今も見られる出来事が、私たちの任務に終わりがないことを示しています。私たちは、人間が悪を行う可能性を完全に消し去ることはできません。
 だからこそ、国家と、それらの間で結ぶ同盟は、自分たちを守る術を持たなければならないのです。
 しかし、わが国アメリカのように、核兵器を自ら持つ国は、恐怖の論理から脱する勇気を持ち、核兵器のない世界を追求しなければなりません。私が生きているうちに、この目標を達成することはできないかもしれませんが、破滅から世界を遠ざける努力を続けなければなりません。」
 「広島と長崎を核戦争の始まりとして記憶するのではなく、私たち自身の道徳的な目覚めにしなければならないのです。」
 道は遠いですが私自身も平和を祈り、実践に向けて取り組んでいく決意です。

平成28年5月14日

[世界を変える重要ミッション]
 5月12日にイギリスで開催された「腐敗防止サミット」に、日本を代表してフル出場して参りました。
 世界各界の法人・個人の租税回避が話題となっている「パナマ文書」問題、スポーツ界を含めた様々な領域での汚職や不祥事、テロや犯罪組織への資金流出、公的契約の透明性の問題など、いわゆる腐敗を根絶することが世界共通の課題となる中、本イベントにはG20を含む約40か国・7国際機関から、首脳や閣僚級の多くが参加し、ビジネス界、スポーツ団体などの関係者も幅広く出席し、報道でも取り上げられました。
 会議は大変専門性が高いものでしたが、コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(組織統治)について日頃から関心を寄せている私が日本の代表に選ばれたのもご縁ということで、これまで準備を進めてこられた外務省の方々と短期間ながら打ち合わせを重ね、私自身も原稿に手を入れさせていただいて当日は英語でのプレゼンテーションに臨みました。
 私が発言したのは「スポーツにおける腐敗」に関するセッションで、東京オリンピック・パラリンピック等大型スポーツイベントを控えるわが国にとって、スポーツのガバナンス強化と透明性・清廉性の向上は喫緊の課題である旨述べるとともに、国内競技団体組織運営におけるフェアプレーガイドラインの策定や、日本スポーツ振興センターに、ガバナンスやドーピング防止における専門性・独立性を備えたインテグリティー・ユニットを設けるなどのわが国の取組みを紹介しました。 また、今回の腐敗防止サミットを受け、約2週間後に迫るG7伊勢志摩サミットにおいても腐敗対策を取り上げ、G7としても腐敗対策の成果文書を策定する方針を表明しました。
 率直に言って各国の文化や法制度の違いを反映し、本サミットでは共同宣言を取りまとめるのはかなりの困難が伴いましたが、それでもパナマ文書問題などに見られる「実質的所有者」の透明性や財政の透明性、スポーツ団体のガバナンス強化、腐敗対策の法執行協力など、幅広い分野での議論の結果、宣言とコミュニケが採択されたほか、参加各国による腐敗対策に関する今後の取組みについて記した国別コミットメントが公表されました。
 主催者のキャメロン首相は私と同世代。懇談する機会もあり、2週間後日本でお待ちしていると申し上げました。困難ではありますが引き続きこの問題に関心を寄せ、取組みを続けます。
 伊勢志摩サミットの後、オバマ米国大統領が広島を訪問されると発表したことも話題となっています。被爆地の実相を世界に広げ、核軍縮の機運を高めるとともに、是非「次のアメリカ大統領」にも認識を共有していただくことを期待します。
[相次ぐ取材・出演依頼]
 5月8日にはフジテレビの「新報道2001」に生出演し、北朝鮮で36年ぶりに開催された党大会や、北方領土問題などで注目される日ロ首脳会談、アメリカ大統領選挙などについての議論に参加し、そこでの発言(北朝鮮の核政策についてなど)が大きく取り上げられました。テレビ出演や取材などが重なりますが、しっかり情報発信をしていきます

平成28年4月25日

[新たなステージへ]
 熊本・大分を中心とした大地震から10日以上が過ぎました。
 関連死も含め、震災で亡くなられた方は60名になります。心からご冥福をお祈り申し上げます。 前回のこの欄でも書かせていただいたとおり、政府は発災直後から自衛隊、消防、警察、医療関係者など、3万人を超える体制で救命・救助や物資の提供、インフラの復旧などにあたってきました。土曜日には総理自身が被災地に入り、現地の状況を視察するとともに被災された方々や現場で作業にあたられている方々の生の声に耳を傾けました。
 おかげさまで停電はほぼ解消し、滞っていた地域もあった生活物資もかなり届いています。避難所でノロウィルスが発生した場所もありますが、今後は水を含め、環境面の整備に力を注ぎます。また、民間の力をいただきながら、住宅の確保やボランティアの受け入れ、産業の復興などに全力を尽くしていきます。
 求められていた激甚災害指定も本日の閣議で決定します。生活・事業の再建やがれき処理などに必要な補正予算の編成も行う方針です。なかなか被害状況がつかめませんでしたが、これから万全の体制をとっていきます。
 そのような中、注目されていた北海道5区の衆議院補欠選挙が昨日実施されました。
 生前私も大変お世話になっていた故町村信孝前衆議院議長の義理の息子さんで、自民党公認候補の和田義明さんが見事接戦を勝ち抜き、ホッとしています。野党側は共産党も含めて統一候補を擁立し、「市民目線」を訴えて政党色を薄めた戦いをしてきたため、本当に辛い選挙戦でした。
 しかし、やはり福祉を充実させるのも経済の回復が必要です。自民党と公明党がこれまでの、そして商社マンとして実績を積んだ和田さんのこれからの、地域と国の再生に向けた思いを多くの方々にご理解をいただけたことは本当によかったと思います。 また、震災に対して迅速に対応した政府の姿勢も評価されたと思います。野党側は平和安全法制の廃案を訴えていましたが、今回の自衛隊の方々の迅速な対応と、東日本大震災でもトモダチ作戦を展開してくれた米軍のオスプレイなどを活用した物資の輸送など、やはり外国と連携した危機管理が大切であることを認識していただけたのでないかと思います。
 政局にはこれからも注目が集まりますが、まずは来月の伊勢志摩サミットを成功に導き、経済・財政対策の決定をして、参院選に臨みます。私も色々な場面で誤りなきを期して全力を尽くして参ります。
[隠れたミッションの成功]
 先週は、IFIAR(監査監督機関国際フォーラム)の常設事務局を東京に設置することが決定した週でもありました。実は3月の私の米国・カナダ・欧州への出張の大きな柱がこの誘致に向けた各国要人との会談で、4月のロンドンでの決定投票に合わせて各国で意思決定がなされるのに間に合うよう、強行日程となった次第です。
 今回の東京への誘致は、成長を続けるアジアに近接した東京市場の国際金融センターとしてのプレゼンスを高めるとともに、わが国がガバナンス強化を目指していく流れにも合致するもので極めて有意義なものです。 実は各国での会談が当該国のHPなどでアップされたのを見た番記者の方から、「補佐官、海外の検査当局ともお会いになっていますよね...」と鋭い指摘を受けたのですが、結果が出るまで伏せていたことをお詫びします。そして、金融庁・外務省をはじめとする役所の方々、応援して下さった菅官房長官はじめ官邸の方々、公認会計士・監査審査会、同僚のIFIARを日本に誘致する議員の会の仲間たちなど、お世話になった皆様に心からお礼申し上げます。

平成28年4月16日

[相次ぐ地震に万全の警戒を]
 一昨日14日夜に発災した熊本県を中心とした地震で、火災や家屋の倒壊など大きな被害が出ています。
 首相官邸には直後から対策室が立ち上がり、安倍総理や河野防災担当大臣たちを中心として情報収集を急ぐとともに、警察・消防・自衛隊など3000人超の人員を現地に動員して救助活動に当たっています。 政府としては、被災自治体とも連携し、食料や毛布など必要な物資の確保、医療行為の提供、電力や水道などのインフラ復旧に全力を尽くしていきます。
 私は今回は対策室には入っていませんが、官邸からの連絡を見つつ、政治の中で何が今後必要となるかしっかり注視していきます。今回の地震は断層によるもので余震なども大きく、今朝も未明に熊本で震度6強の地震が発生し、こちらがむしろ本震とも言われています。気温が高く、さらに二次被害などのおそれもあり、混乱を避けて円滑な復旧に取り組むことができるよう万全を期する必要があります。
 被害に遭われた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
[東京パラリンピックを所沢から応援]
 昨日15日、遠藤利明オリンピック・パラリンピック担当大臣室を、藤本市長・障害者アーチェリーバルセロナ五輪金メダリスト南浩一さん・埼玉県障害者スポーツ指導者協議会河野章会長・所沢ユニバーサルスポーツ応援団鮎川雄一団長たちと訪れ、国立リハビリセンターを有効活用して東京パラリンピックのトレーニングセンターとして欲しいと要望しました。
 障害者スポーツを応援しようという土壌も実績もある所沢です。遠藤大臣も、既に進んでいる東京のナショナルセンター整備に加えての活用がさらなる成果の向上につながること、地域の発展につながることをご理解いただけたと思います。
 これからもしっかり後押しを続けていきます。

平成28年4月2日

[総理と同行の4日間]
 ここ1か月で公務の海外出張が4回も続いていましたが、3月30日から4月3日まで、安倍総理の命を受け、第4回となる核セキュリティ・サミットに同行してワシントンに来ています。
 この会議は、オバマ大統領が2009年4月、チェコの首都プラハで核テロの脅威に取り組むため発足を提唱したことを受けて2010年から2年に1度開催されてきたもので、今回が最終回とされています。
 今回は特に、過激派組織ISILが犯行声明を出したベルギーの連続テロで原子力発電所への襲撃も計画されたことがわかっており、核物質の管理強化が大きなテーマとなりました。
 安倍総理はオープニングセッションで、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原子力安全と透明性の向上に努めてきたことを紹介するとともに、前回のハーグサミット(2014年)で約束した、日本原子力研究開発機構のFCA(高速炉臨界実験装置)における高濃縮ウラン・プルトニウムの全量撤去を、米国の協力を得て予定を大幅に前倒しして完了したことを明らかにしました。また、KUCA(京都大学臨界集合体実験装置)を低濃縮ウラン燃料を利用する原子炉に転換し、高濃縮ウランの全量撤去を行うことを決定したと述べました。 そして、今後の核セキュリティ人材育成や各国への支援、安全基準に関する国際協力などを積極的に行っていくと表明し、オープニングセッション前日のワーキングディナーでは、今後は核施設へのサイバー攻撃や内部関係者のテロなども想定するとともに各国間の情報交換を飛躍的に高めて対応を強化するべきだと主張しました。
 また、安倍総理はワーキングディナーや日米韓首脳会談で、核実験や相次ぐミサイル発射で国際社会の脅威をもたらしている北朝鮮について、制裁強化の国連安保理決議の実行をはじめ、関係各国が連携して拉致・核・ミサイル問題の包括的解決を目指していく旨主張し、支持されました。 もっとも、サミット期間中も北朝鮮からは挑発行為があるなど、今後の道は容易なものではないでしょう。毅然とした対応が必要だと思います。
 会議はコミュニケ(共同宣言)として、核物質や原子力施設の管理は国家の根本的責任であると位置付けるとともに、今後の取組みの指針を示して終了したところです。 核セキュリティ・サミット終了後は、こうした取組みはIAEA(国際原子力機関)などに引き継がれることとなりますが、日本の天野事務局長が近く実施される選挙で再任され、その指導力のもとで着実に成果をあげることを期待します。特に、日本が一昨年締結した核物質防護条約改正の発効を、各国をリードして実現して欲しいと思います。
 サミットには50か国を超える国々が参加し、この会議以外にも日米・日韓をはじめ数多くの二国間協議が開催されました。私も朴槿恵大統領をはじめ、カナダのトルドー首相、アルゼンチンのマクリ大統領、インドのモディ首相、カザフスタンのナザルバエフ大統領、以前もお会いしたヨルダンのアブドッラー2世国王など、数多くの首脳と安倍総理との会談に陪席し、それぞれの国との間の案件の状況を確認することができました。 TPPや投資促進などの経済問題、アジア・中東の安全保障問題など、今回培った貴重な経験をしっかり今後の活動に活かして参ります。

平成28年3月24日

[日本を変える新たな取組み]
 3月16日から19日まで、先月この欄でも紹介したASEAN訪問の後半となるラオス・タイへの出張に行ってきました。
 軍政からの着実な転換を目指すタイは来年日本との修好が130周年となります。そしてラオスは今年のASEAN議長国です。 質の高いインフラ(交通・水道など)パートナーシップや人材育成協力をはじめ、日本との政治的経済的協力関係をさらに進めるとともに、最近南シナ海や北朝鮮の問題で緊迫する安全保障の分野でもしっかり連携していくことを確認しました。ラオスでは首都ビエンチャンの上水場拡張計画円借款署名交換式に立ち会い、祝辞を述べ、報道されるなど貴重な経験をさせていただきました。
 そして帰国したその日に沖縄に出張。産・官・学・政・文化・スポーツ・メディア等々、分野の壁を超えて様々なテーマの解決に向けた議論・提言を行う会議であるG1サミットにおいて、まさしく東アジアの安全保障についてのセッションに登壇し、石垣市の中山市長たちパネリストに充実した議論をしていただくモデレーターを務めました。
 これからも地域の繁栄と平和のために全力を尽くします。
 そして今日本の経済の未来に疑問が投げかけられています。年が明けて世界経済の不安定を背景にリスクオフのため円が買われ、円高になるとともに、原油安も手伝ってデフレ傾向が続き、日経平均株価も軟調となっています。
 私は繰り返し、日本の企業収益は堅調で正規職員も増えるなどファンダメンタルズ(経済基盤)はしっかりしていると述べていますが、将来への不安などを背景に個人消費が伸び悩む等、新たな対応が求められる事象となっています。
 折しもG20でも、日本のこれまでの「3本の矢」すなわち金融政策に加え、適切な財政政策や構造改革を関係国に求める声明が採択されています。そして日本は今年5月に開催されるG7伊勢志摩サミットの議長国として、世界経済に的確に対応することが一層必要です。
 このような中で、首相官邸では経済関係閣僚をメンバーとする「国際金融経済分析会合」が発足し、内外の有識者から意見を聴取するとともに闊達に議論する場となっています。私も22日のニューヨーク市立大学クルーグマン教授からのヒアリングより陪席させていただくようになりましたが大変有意義な取組みだと感じています。党での財政再建特命委員会と合わせて、立体的な視野で検討を重ねたいと思っています。
 私が重要な役回りを行うプロジェクトも順次立ち上がっています。
 一つは私が会長を務めることになった自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の発足です。菅官房長官、二階総務会長、河野大臣、塩崎大臣、河村議院運営委員長たちにご参加いただき、国産エネルギーでイノベーションや地方創生に資する、そして原子力災害やフランスでのCOP21会議、4月からの電力小売全面自由化という激動の環境に的確に対応し得る、再生可能エネルギーの最大限かつ適正価格での普及を目指し、取組みを進めます。実は先述した国際金融経済分析会合において、クルーグマン教授も「グリーン投資の有効性」を訴えておられました。
 もう一つは党における労働力確保に関する特命委員会(政調会長の命による)の設置です。今後生産年齢人口が減少することを受け、これまで活躍の場が十分でなかった女性や高齢者にますます能力を発揮していただくことが必要になってくるとともに、少子化にもしっかり対応するべく、生産性も大きく引き上げることをまずは目指さなければいけません。私は党におけるAI(人工知能)・ビッグデータ・IoT利活用促進若手議員連盟の顧問として、この流れを後押ししていきたいと思います。 しかし特に増大する介護の需要に対応したり、海外の高度人材の活躍をより柔軟に取り込んでいかないと、これからの成長戦略が十分描けないことになりかねません。治安や雇用への重大な影響に鑑み、自民党は移民政策を明確に否定していますが、どのような方策がバランスの取れたものになるのかしっかり検討する必要があります。私はこの特命委員会の事務局長としてしっかり議論をリードして参ります。

平成28年3月13日

[炎の10日間]
 3月3日から6日までアメリカとカナダを、8日から12日までドイツ・オランダ・イギリス・フランスを歴訪しました。総理や官房長官の命を受け、経済問題(特に金融問題)について各国政府高官等と意見交換するほか、二国間関係や国際情勢についても情報収集を行うためです。
 アメリカではやはり大統領選がメディアの大きな関心事でしたが、時代の閉塞感が予想外の展開を生み出している実態がわかりました。ただ、安全保障面も含め、大統領選の結果いかんにかかわらず日米間の連携をしっかり維持することの必要性を確認し合うことができたことはよかったと思います。カナダでは日本の産業拠点の課題や金融問題について情報収集しました。
 欧州ではやはり難民問題が重要な関心事でした。大陸を通じて膨大な数の難民が流入し、治安や経済に影響をもたらしています。各国で日本のこの問題への経済貢献を高く評価していただくとともに、EUの今後について、特にイギリスについてはEU離脱の是非を問う国民投票を控え、この難民問題も絡んで複雑な世論が醸成されている様子を見て取ることができました。 ロンドンではカナリーウォーフや訪問したシティーでのビジネスマンの自負とそれを裏付ける伝統の重みを感じましたが、やはり他国の勢いをしっかり取り込むことが課題だと感じました。その面では日・EUのEPAが日本と欧州のみならず、イギリスにとっても大きな意味合いを持つように思います。 ドイツでは特に北朝鮮(東独の流れで大使館がある)をはじめとした安全保障の問題に大きな関心を寄せていただき、しっかり日本との連携を表明していただきました。メルケル首相がぶれずに難民の受け入れを拡大していることへの世論の不安もありますが、やはり経済は堅調であり、再生可能エネルギーの先進国であることも含めて見習う点は多いと思います。 オランダは昨年のルッテ首相訪日を受けた日蘭戦略的パートナーシップの流れを受けて、サイバーセキュリティー、経済、農業面での協議を行いました。 フランスでは、COP21の取り組み、テロ問題に加え、やはり金融の問題について話し合いました。折しも欧州中銀の追加緩和が発表され、これから国際社会が政策面で連携することの重要性がますます大きくなったと感じています。
 これまで東日本大震災後の3.11は日本で必ず追悼式典に参加していましたが、今回は初めて海外から祈りを捧げました。亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りするとともに、今回の出張を経て、改めて、私たち日本人がただ不満を口にするのでなく、自主性を持って責任ある対応をすること。世界の流れにしっかり目を向けることの大切さを学んだように思います。
 2月末には「朝まで生テレビ!」に出演して憲法改正について議論するなど、最近活動の幅が増えてきてきました。これから新しい重要な取り組みもいくつか開始する予定です。一つ一つを大切にし、日本を活力と希望のある国にすべく全力を尽くして参ります。

平成28年2月20日

[重要なフォローアップミッション]
 安倍総理の命を受け、2月17日からインドネシアとマレーシアを訪問し、今日20日帰国しました。
 昨年11月に開催され、総理も出席されたASEAN関連首脳会議で打ち出された方針をしっかりフォローアップするとともに、安全保障や経済分野における最新の情報を収集したり意見交換をするべく、政府要人や経済界の方々とお会いするためです。
 言うまでもなく、ASEAN諸国は東アジア経済の今後の発展に極めて重要な位置を占めるとともに、歴史的に見ても、また現状でも、日本と良好な関係にある国々です。ただ、近年は南シナ海問題に見られるように安全保障において課題を抱え、かつそれが経済問題と複雑に絡むようになっていて、日本としての継続的な対応が求められていました。
 既に自民党でもメコン議員連盟が立ち上がるなど、この地域との交流を深める動きが出ていましたし、私も総務副大臣時代に、ミャンマーやベトナムを訪れ、通信インフラや郵便制度の整備に支援を行うよう尽力してきたところです。また、一昨年の衆議院内閣委員長時代にも、シンガポールやインドに加えて、今回出張したインドネシアにも委員会視察に訪れ、クールジャパンの一環として当地で展開されている仮面ライダー(ガルーダ戦士ビーマ)やJKT48に見られる戦略を学びました。
 今回のミッションで大きく特徴付けられるのは、先ほど触れたとおり、北朝鮮のミサイル発射(東シナ海に向けられていた)や、南シナ海での情勢変化、インドネシアでの高速鉄道の受注失敗など、急速に状況が変化していて、それらが相互に絡み合っているため、事態を改善するために諸外国が連携し、かつ継続的な対応が必要だということを強調した点でした。 折しも、ちょうど機を同じくしてアメリカで米ASEAN特別首脳会議が開催され、そこで安全保障問題がテーマとなっており、私としてはこの情報をリアルタイムでキャッチして、日本としてASEAN諸国には米国や日本としっかり連携して欲しいと申し上げてきたところです。
 具体的には、インドネシアではプラモノ・アヌン内閣官房長官や他の要人と会談し、先月1月に発生したISILのテロや質の高いインフラ整備、安全保障問題などについて議論をしてきました。 また、日本と同じく現在国連の安全保障理事会メンバーとなっているマレーシアでは、北朝鮮のミサイル発射に対する制裁問題について、ムハンマド・シャハルル外務省副次官と意見交換したり、マハティール首相時代以来進化を重ねる東方政策、TPPなどについてリー・チー・レオン国際貿易産業副大臣と議論したりするなどできました。
 民間企業の方々とは、イスラム商慣習やインフラの課題、マレーシアでのブミプトラ(マレー系優遇)政策等々、現場での声をしっかり伺わせていただきました。
 これをしっかり総理などにフィードバックするとともに、これからの活動に活かしてまいります。また、同僚の河井克行補佐官とも役割分担をし、さらなるミッションに取り組んでいきます。

平成28年2月11日

[毅然とした対応]
 この欄でも紹介したとおり、北朝鮮は事実上の弾道ミサイル発射予告を行っていたところ、発射期間を一方的に早める旨の発表を行ったうえ2月7日に日本海に向けて発射を行いました。
 首相官邸では事前の情報収集に加え、発射後は速やかに警報を発したり対策協議を行うなどしたうえで、各国に連携と北朝鮮への制裁を呼びかけました。私も国家安全保障会議の一員として、日曜日ではありましたがミサイル発射時には永田町で待機し、速やかに対策協議に加わりました。
 そして昨日10日、今回の発射が日本の安全に対する重大な脅威であることや、先日実施された核実験、及び拉致問題が進展しないことなどに抗議する意味なども込め、その実効性や他国での対応なども踏まえたタイミングも慎重に検討のうえ、日本独自の制裁を行うことを決定しました。
 具体的には、 在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国禁止等、人的往来の規制措置(従来より対象者を拡大) 支払い手段などの携帯輸出届け出の下限金額の引き下げと、北朝鮮向け送金の原則禁止 人道目的を含めた全ての北朝鮮籍船舶の入港禁止と、北朝鮮に寄港した第三国籍船舶の入港禁止 資産凍結対象の関連団体・個人の拡大
 です。拉致問題解決に向けたストックホルム合意に基き緩和した制裁の復活や新規強化項目などが組み合わさっているのが特徴です。ただ、拉致問題に関する北朝鮮との対話を以後拒むという趣旨ではありません。
 同じタイミングで、韓国も、北朝鮮労働者が多く働く開城工業団地の南北共同事業の中断を発表しました。日米韓が連携をするとともに、中国など、国連安保理による制裁決議の鍵となる国にも強いメッセージとなることを期待します。
[選挙制度改革における転換]
 私のもう一つの担務である選挙制度についても、昨日10日には大きな動きがありました。
 これまで衆議院議員の定数削減に消極的だった自民党において、昨日党本部にて実施された選挙制度改革問題統括本部の会議で、議員定数を有識者調査会の答申が示した10削減する方針が了解されたのです。
 野党からは、方針が2020年の国勢調査に基づくものとすることを捉えて改革の先送りだと批判する声がありますが、答申をよく読めば、都道府県別の定数配分の是正は制度の安定性に鑑み10年ごとの大規模国勢調査に基き行う、と書かれているのですから、それまでは区割りの調整によって、一票の格差を最高裁判決が許容すると言われる2倍以内に抑えるという対応をすることが、答申に反するとは言えないと考えます。
 これから各党間の協議が行われるわけですが、いずれにせよ速やかに合意ができるよう期待します。
 この問題でも、有識者調査会の答申を守るよう指示した総理の元で補佐官としてお手伝いをさせていただきました。
 こうして担務に取り組むとともに、今後新たな重要課題にも立ち向かい、情報発信に努めてまいります。

平成28年2月4日

[適切な危機管理を]

 既に報道されていますが、北朝鮮が国際機関に対し、今月8日から25日までの間に人工衛星を打ち上げると通告したことは、事実上長距離弾道ミサイルの実験予告を意味するとみられます。

 たとえ衛星と称してもこの打ち上げ行為は国連安保理決議違反となり、日本の安全上見過ごすことはできません。菅官房長官も記者会見で、米国や韓国など関係諸国と連携し、北朝鮮に強く自制を求めていくとともに、政府として情報収集及び分析に全力を挙げ、国民の安全安心の確保のため万全の体制で臨むと述べられました。

 安全保障担当首相補佐官として、私も安全保障会議をはじめとしてしっかり外務・防衛省などと力を合わせて危機管理にあたってまいります。

[経済も危機管理]

 29日、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利の導入を発表しました。金融機関の一定以上の日銀当座勘定での金利をマイナスにするという手法ですが、初めてということもあり市場には大きなインパクトを与えています。

 私は前回のこの欄で述べたとおり、「追加的な」金融緩和の決定には慎重さが求められ、海外の当局との連携も必要だと外国メディアにもコメントしたことが大きく報じられましたが、その後米国の利上げへの慎重姿勢や欧州中央銀行の追加緩和の示唆があり、また甘利大臣の電撃辞任もあって、日本も景気梃入れのために何らかの対応は必要でないかとの見方は強まったと思います。
 複数のメディアのインタビューに対し、私は、「これまでの延長線上にない新たな手法を、慎重に検討したうえ適切なタイミングで実施したと思う」とコメントしました。

 これもある意味、危機管理の一環ではないかと思います。国債の販売や銀行の資金運用への影響などを注視する必要性も指摘されていますが、まずはこの状況をきちんと踏まえ、引き続き政府で本格的な成長戦略を実施してまいります。私も新たなミッションを担うことになりそうです。

 中小企業対策や賃上げなど、身近なところで経済再生が実感できるようになることが必要です。

 甘利大臣の辞任は残念でしたが、政府の一員として重く受け止めるとともに、新たな体制のもとで全力を尽くす所存です。

平成28年1月25日

[沖縄の未来]
 昨日1月24日実施された沖縄宜野湾市の市長選挙で、現職の佐喜真淳さんが再選されました。
 地域振興や行財政改革など、しっかりしたビジョンと実績があり、かつ幅広い人脈をお持ちで、私が党の青年局の時代から親しくさせていただいた佐喜真さんは、宜野湾市の未来になくてはならない方だと思っていました。 何よりも、与野党対決型の選挙で、しかも普天間飛行場を擁する宜野湾市が、政府・与党と協力して対応を進められる方向が見えてきたことの意義は極めて大きいものがあります。
 投票直前に甘利大臣の政治資金に関する報道があり、選挙結果への影響も取り沙汰されました。大臣にはしっかりと調査・説明をしていただかなければいけないことは変わりませんが、今回の選挙結果によっては国会の状況にも影響が出てきたかもしれません。
 厳しさを増す安全保障環境の中で、現実を踏まえたうえで沖縄の基地負担を極力減らしていくという政府の道は、これからも県との訴訟など数々の困難が待ち受けています。しかし、佐喜真市長がしっかり政府と連携し、普天間飛行場移設の跡地利用を市の、あるいは沖縄の、大きな発展につなげていくという構想を、是非多くの方々が共有して下さることを心から期待しています。
[経済の不透明感を払拭するために]
 ここのところ海外を含むメディアから、経済の先行きに関する取材が相次いでいます。
 中国経済の不透明感や原油安などにより、世界的に株式市場が混迷を深めていることはよくわかりますが、このような国際的な大きな構造が原因である以上、各国の経済当局がしっかり連携を取り合い、有効な対応を適切なタイミングで取ることが不可欠であると考えます。
 今週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)、米国第4四半期GDPの発表、日銀の金融政策決定会合など、大きな日程が目白押しです。日銀の金融緩和を求める声もありますが、私の立場ではコメントし辛いものがあります。
 取材などで申し上げたのは、今回の相場がどれだけ投機的要因を含むのか、円高がどこまで進み、それが国内経済にどういう影響を与えるのか、政府が「日本の実体経済は堅調だ」と繰り返しコメントしていることをどう評価するか、等々、慎重かつ冷静に判断して誤りなきを期して欲しいということでした。
 そして私たちは補正予算の執行、来年度予算の確実な成立により、経済の好循環を確保しなければいけません。併せて、ともすると緩みがちな改革への取り組み(旧アベノミクス三本の矢の三番目の部分)をしっかり加速させることが必要です。
 折しも党の若手有志が立ち上げた「次世代の税制を考える会」では、19日、元証券取引等監視委員会事務局長の木下信行前日銀理事をお招きし、ドイツで2000年代初頭に実施されたシュレーダー改革についてお話を伺いました。
 東西統合と非効率に肥大化した社会保障により経済が低迷していたドイツを、力強く復活させるきっかけとなった改革で、日本にも大いに参考になる内容です。 資本市場・企業制度については、株主による情報アクセスを重視し、いわゆる株の持ち合いをなくし、コーポレートガバナンス・コードを導入する。産業の新陳代謝を促進する・・・ 労働市場・社会保障制度については、労働市場の流動化、年金・健康保険改革、失業保険と生活保護の一体的改革、減税を行う・・・
 痛みを伴う構造改革のため、選挙での敗北をもたらしましたが、その後のメルケル首相に引き継がれ、ヨーロッパにおけるドイツの主導的地位の確立につながりました。 現在の日本に全て当てはまるとは言えないかもしれませんが、しっかりフォローしていきます。
 最近、様々な若手勉強会に関与しています。今日25日にはその一つの提言として、IFIAR(監査監督機関国際フォーラム。監査法人の監査監督を行う。)の日本への誘致を進めるべく、菅官房長官と首相官邸で打ち合わせを行います。
これからも日本の未来の活力のため、全力を尽くします。

平成28年1月3日

[激動の年へ]
 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えのことと存じます。
 昨年10月7日に実施された内閣改造で、内閣総理大臣補佐官を拝命して以来、重責に身の引き締まる思いをしつつ、全力で任務に取り組んできました。元来、現場の声を聞き、自分の信念にしたがって積極的な行動・提言をすることが私の持ち味で、それが政局を動かすことにもつながってきたという自負があります。首相官邸の一員としての自覚は当然必要ですが、総理はそうした自分の特性を評価されたうえでこのポストに私を抜擢して下さったのでしょうから、これからも積極的に情報発信や活動に努める所存です。
[まずは経済再生など]
 自公政権の返り咲きにより、平成24年度からの2年間で日本企業の経常利益は約16兆円増え、内部留保も約50兆円増加しています。税収は25年ぶりの高水準である57.6兆円となります。しかし、設備投資の伸びはこの2年間で約5兆円どまりとなっているうえ、地方や中小企業の中にはまだ実感がない所も相当数あると承知しております。
 今年は「一億総活躍社会」をテーマに、地方創生や中小企業対策を加速するとともに、ただ政治の側から要請するだけではなく将来への不安をなくすことによって、より積極的な国内投資や賃金引上げを実現できるようにしていきます。もちろん企業収益を引き続き確保することが大前提であり、私が仲間たちと強力に主張し続けてきた法人税実効税率の引き下げは、年末の税制改正大綱により平成28年度からついに20パーセント台になります。そして中小企業の新規設備投資への固定資産税を3年間半額にしたり、役所の地方移転や企業版ふるさと納税の創設などをしていきます。
 今、TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意や、総務副大臣時代から進めてきた日本郵政と傘下のゆうちょ銀行・かんぽ生命の同時上場など、かつてない取り組みが形になりつつあります。特に、TPPに関しては、日本の中小企業の海外展開を関税の引き下げの面から後押しするという効果のみならず、既に日本が定めている自由で公正な貿易・投資ルールを世界の標準とすることによって、世界の人・モノ・金を呼び込んだり、域外の中国が中心となって展開しようとしているAIIB(アジアインフラ投資銀行)などの業務をも、外から改善させたりする効果が期待できます。農業分野においても、消費者の求める産物が入手しやすくなりますし、事業者の方々の不安については、経営安定対策の充実やブランド化による輸出促進、農協改革や技術開発・人材育成などへの支援を行うことによって対応して参ります。
 こうした取り組みや東京オリンピック・パラリンピックの準備を通じて、「岩が転がり出した」という実感が持てるようになると思います。地元でも、三芳スマートインターチェンジのフル化が決定したり、所沢駅東西口再開発やKADOKAWAの誘致・米軍通信基地東西連絡道路の具体化が進められたりしており、しっかり後押ししていきます。
 なお、「新三本の矢」である、名目GDP600兆円の達成、希望出生率1.8の現実化、介護離職ゼロの実現は、決してこれまでの「アベノミクス三本の矢(大胆な金融政策・機動的な財政政策・規制緩和など民間投資を喚起する成長戦略)」を撤回するものではなく、これらを引き続き実施しつつ、少子高齢化など根本的・構造的な不安要素を克服し、全ての人が将来に希望を持てる社会を実現しようとする取組みなのです。
 まず、名目GDP600兆円達成のために、先述の取り組みに加え、規制緩和・研究開発支援などによって生産性の向上を進め、医療・IoT(インターネット・オブ・シングス)・原発から再生可能エネルギーへの移行の分野などを牽引車として成果を上げていきます。また、女性やシルバー人材などベテランの方々、若者、障がい者など、それぞれの個性が発揮できる就労支援を進めます。マイナンバーをしっかり定着させて行政と経済の新たなステージを作ったり、空き家対策を促進したりします。
 希望出生率1.8の現実化のためには、非正規労働の方々の正規化・育休取得促進を行い、企業内保育の充実化や保育人材の待遇改善、幅広い人への婚活の支援、不妊治療の支援、「日本版ネウボラ」(子育て世代包括支援センター)の整備などに取り組むとともに、教育負担の低減、一人親や多世代同居の支援などを行います。
 そして介護離職ゼロの実現のため、介護サービスの基盤を2020年代初頭までに約50万人分は確保すべく、施設設置に向けて国有地を安く貸し出したり、介護休業の分割取得を進めたり、介護相談などの体制の充実・人材確保を進めたり、企業の介護機関との連携を強化したりする一方で、そもそも要介護にならないための予防医学の充実にしっかり取り組んで参ります。
[地球儀を俯瞰する外交を]
 昨年の総理のいわゆる戦後70周年談話、年末の日韓外相会談とそれに続く共同声明により、日韓関係は改善の方向が見えてきました。もちろん慰安婦問題や領土問題などこれから詰めなければいけないことが沢山ありますが、この歴史的な流れを大切にしていきます。
 今、日本を取り巻く安全保障環境は激変しています。急速に軍事力を増強した中国の南シナ海・東南アジアにおける活動にしっかり対処するとともに、昨年パリで発生した同時多発テロのような事態を今年5月に開催される伊勢志摩サミットをはじめ国内で断固として防いでいくことなどが課題となります。私は安全保障担当の首相補佐官として、安心・安全確保のために全力を尽くします。 無論、シリア難民の支援やロシアとの北方領土問題、北朝鮮の核開発や拉致問題への対応等、課題は山積しています。グローバル化が進む中、外交は経済にも為替や市場の安定などを通じ、大きな意味を持っています。首相官邸はここには書けないような様々な情報が集まる場所であり、それをきちんと精査しながら危機管理を行っていく決意です。困難ではありますが、沖縄の普天間飛行場移設や先の通常国会で成立した平和安全法制の必要性も引き続き説明していきます。
[逃げずに改革を]
 選挙制度も私の重要な補佐官業務です。参議院に続き、最高裁で定数配分が違憲状態とされた衆議院において、定数削減と配分の見直しを党派の壁を超えて実施しなければいけません。18歳への投票年齢の確実な引き下げやインターネットの活用の検討など、様々なテーマに取り組みます。
 財政再建も改革待ったなしの状況を迎えています。平成28年度予算では、一般歳出の伸びを4700億円に抑制し、先述した税収増と相まって新規国債発行額は前年度より2.43兆円少ない34.43兆円と2年連続で40兆円を下回るとともに、公債依存度は35.6パーセントで、リーマン・ショック以前の水準まで回復しました。しかし依然として財政は危機的な状況であり、私は自民党の財政再建特命委員会の一員として、経済再生を図りながら歳出の徹底した効率化・合理化のために提言をしていく所存です。
 年末に大きな関心を呼んだ消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入についても、負担の軽減と課税の公正に加え、事業者の方々に対しては、インボイス導入までの簡易な納税を可能にするとともにレジ買い替えや受発注システムの改修などでしっかり支援をして参ります。
 日本はバブル崩壊後低迷していた時代をようやく乗り越えようとしています。未来を見据えて大きな方向を示していく時です。誤解を恐れずに言えば、「現状のつらさをなぐさめる」より、「たとえつらい目にあっても頑張れば必ずまた立ち直れる」ことを教育のテーマに掲げ、人材をしっかり育成し、そして様々なアイデアを生かして夢を実現していける社会を作っていくことが私の課題です。「努力は報われる」そうみんなが感じた時、日本は再び力強い前進を始めるでしょう。 被災地の復興もようやく進んできました。除染や廃炉もしっかり進めていきます。ラグビーの日本代表チームが、体操の日本代表チームが、障がい者スポーツで活躍する日本選手たちが、私たちの行く道を示しています。  皆様の引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。

平成27年≫

平成27年12月16日

[軽減税率の将来]
 焦点となっていた消費税の軽減税率は、加工品を含む食料品(酒類と外食を除く)、定期購読契約に基づく日々又は週2回以上発行される新聞を対象品目とすることで、公明党との与党協議及び自民党税制調査会の了承を得ました。
 私は、ずっと以前から「消費税率は将来を考えたら10パーセントを超える可能性が高い。そこで低所得の方々に配慮するとなれば、民主党政権時代に自・公・民各党で合意した税と社会保障の一体改革に掲げたとおり、個人の所得に着目した給付付き税額控除を導入するか、消費税の軽減税率を導入するかを選ぶことになる。給付付き税額控除は魅力的なプランだが、たとえマイナンバー制度を導入しても所得の完全な把握は現時点では無理だと野田毅党税調会長ご自身が述べている。となれば、いずれかの時点では軽減税率の導入を準備するしかない。」と、党での議論で主張し続けてきました。
 特に、今年9月19日のこのブログで紹介したとおり、財務省が夏に示した「一度店舗で10パーセントの消費税を等しく負担しつつ、マイナンバーカードで購入履歴をチェックして食料品の8パーセントを超える部分は還付請求する」という案には、当時党の財務金融部会長という財務省のカウンターパートでありながら、「日当を現金でもらうような日雇いの方々や高齢者の方々が、マイナンバーカードを買い物に持参したうえ、銀行口座を指定して還付手続をインターネットで行うことができるのか」と党税調の会議で発言し、多くのメディアに取り上げられました。将来の軽減対象品目の拡大や、ネット販売・訪問販売などへの活用にも難がありますし、一度丸々消費税を負担するから痛税感の緩和にもつながらないのです。
 この私の発言は結構強烈で、自民党の多くの方々が私に賛同しました。しかし軽減税率導入を昨年冬の総選挙の公約に掲げた公明党の反発はそれ以上でした。
 この際明言しますが、私は別にこの発言を菅官房長官と示し合わせてしたのではなく、完全に私自身の考えでしたのです。ただ、政治的に考えても、公明党が与党で協議して政権公約に掲げた軽減税率の導入からかけ離れた案を導入することは困難だったと考えます。
 その後も、軽減税率は事業者の負担が大変だと主張する財務省に対し、一定の理解を示しつつも、他の国で実施している事例も勘案して何とか工夫して欲しいと主張し続けました。
 私が秋の人事で官邸入りし、この問題は与党協議と菅官房長官との調整に預けられることになって私が表立って発言することはなくなりましたが、結果としてよい結論になったことには喜んでいます。 本来あるべき方法は事業者がインボイスを使って個別の取引や税金を明らかにすることだと思いますが、それを平成33年4月とかなり先に定めてそれまでの間は簡素な処理ができるようにします。極力事業者の負担が生じないようにしつつ、課税の不公平をなくしていけるようにしなければいけません。 軽減税率導入に伴い必要とされる1兆円の財源も、責任を持って確保する必要があります。私は党の財政再建特命委員会のメンバーでもあります。
 困難な道ですが、今後のことを考えてしっかりした仕組みを考えていきます。
[インドとの協力の持つ意味]
 安倍総理とインドのモディ首相が首脳会談をして幅広い日印連携を約束したことは大きな意味を持ちます。
 インドネシアでの新幹線の受注において中国に敗れた日本は、巨大市場で今後さらなる発展を目指すインドで新幹線を導入することを約束することに成功し、私はメディアのインタビューで、これは両国のウィン・ウィンの関係につながるとコメントしました。 自由主義・民主主義の価値観を共有するインドとは、インフラのみならず、安全保障、民生の原子力に関する協定など、幅広い合意が得られました。私も出席した先日の横須賀での自衛隊の観艦式において、インドの艦船も共同訓練に参加しています。
 ただ、インドはNPT(核拡散防止条約)に非加盟であり、日本の原子力発電所の輸出に際しては一定の歯止めが必要になってきます。私も岸田外務大臣もこの問題は重く見ており、しっかりチェックしていきます。 一方インドは今再生可能エネルギーにも大きく注目しており、今回の日印合意文書にも「再生可能エネルギーの利用」「太陽光発電の協力」が明文で入り、素晴らしいと思います。
 このインドとの連携を、日本のみならず世界の安定に資するようにしっかり発展させていく所存です。

平成27年11月24日

[謙虚な分析を]
 22日投開票だった大阪府知事・市長のダブル選挙は、大阪維新の会が公認する松井氏と吉村氏がそれぞれ圧勝しました。
 自民党は栗原知事候補と柳本市長候補を懸命に応援していたのでとても残念ですが、ここはきちんと敗因を分析しないといけません。 大阪は春の都構想に関する住民投票を僅差で否決していましたが、住民の地方自治に関する意識はこれでかなり高まっており、ここで大阪維新の会側がこれまで進めてきた改革の実績とこれからの方向を明確に訴えていたのに対して、こちら側は具体的な政策の主張が乏しく、挙句の果てには数合わせのため共産党と手を組み、SEALDsの集会で演説をするなど、沖縄で批判してきたことをしてしまったのが有権者の信頼を損なった、と多くの方々がネットでおっしゃっています。
 今回の選挙がもたらす教訓は、やはり選挙は「批判より理念」ということではないでしょうか。また、現在自民党の支持率が高いとはいえ、それは対抗できる理念・体質・候補者を擁した他党がまだ出現していないからという消極的な支持に過ぎず、これら「理念・体質・候補者」をわが党が常にブラッシュアップしていかなければ、政界再編の荒波に飲み込まれる危険は引き続き大きいという自覚をしっかり持ち続けなければいけません。
 今度の参議院選挙に向けてしっかり体制を整え直すとともに、今後政策の面で協力できる面があれば、大阪維新の会とも話し合う必要が出てくると思います。
[フランスのテロは対岸の火事か]
 フランスで14日に発生した同時多発テロは、今年1月に同国の出版社シャルリー・エブドが襲撃され、当局が監視を強めていた中での事件だっただけに、世界中に衝撃を与えました。
 ロシア機の撃墜同様、ISが犯行声明を出しており、私は「こうした脅威には国際社会が一糸乱れず結束しなければならない」と訴えました。 ISはいまだに「イスラム国」とメディアで呼称されますが、特定の領域や戦闘員を有しているわけではなく、過激思想に共感する者で構成されるグローバルな組織です。したがって、結束した対応と言っても、それは拠点の空爆だけで効果があるわけではなく、貧困など過激主義を生む土壌を改善したり、各国の法執行機関の能力向上を支援したり、テロリストの資金源対策を講じたり、それ以外にも様々なことを考え、実行しなければいけないでしょう。私もしっかり検討していきます。
 来年は日本で伊勢志摩サミットが開催されます。テロ対策は安全保障の面のみならず、治安・情報収集の面でも講じていかなければいけません。警察も含めた「国際テロ情報収集ユニット」を来月上旬にも設置するとともに、水際対策や重要施設の警備強化もしっかり行って参ります。
 なお、一部報道で、安倍総理のISへの対応表明や平和安全法制が、日本を危険な状況にしているなどという言説が見られますが、湯川春菜さんが拘束されたのはそれ以前のことで根拠薄弱であるうえ、こうした無責任な主張には賛同できません。
 いずれにせよ「平和ボケ」と言われる私たち日本人の認識を改め、テロを対岸の火事と捉えないことが必要です。

平成27年11月5日

[信念を貫いて]
 昨日11月4日、日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が、東京証券取引所第1部に株式を同時上場しました。初日の終値はいずれも売出価格を上回り、特にかんぽ生命株は3,430円と売出価格比で55.9%も高値となりました。この間、ずっと郵政民営化に携わってきた者として感無量です。
 思えば小泉政権の時代に初当選して以来、あの自民党を二分する政局の時も一貫して民営化を主張してきました。有楽町マリオン前で竹中郵政民営化担当大臣と武部幹事長の前で紙芝居をし、ネットワークの民間開放が過疎地でも新たなビジネスチャンスを生み出すと力説してテレビで全国放送されたのも懐かしい思い出です。当時の衆議院特別委員会でも質問に立たせていただきました。
 施設売却や中央郵便局の高度化をめぐり社会的な論議があった時も民間経営の合理性を訴え、民主党政権のもとで株式売却が一時凍結された時も当初の構想を貫くべきと主張してきました。今思い返せば、あの時道を誤っていたらと背筋が凍る思いです。
 潮目が変わったのは、政権を奪還し、安倍政権の下で官房長官となった菅義偉元総務大臣が、日本郵政の社長人事において、時の政権に相談することなく財務省OBを続けることに強く異を唱えるとともに、郵政担当の総務副大臣に私を抜擢して下さったことです。
 私は郵政関連会社の幹部や総務省の担当者と徹底的に経営の検証を行い、改革を後押ししました。TPPで郵政を守るにはどうするかも含めてです。そして私がこだわったのが「3社同時上場」でした。
 当時、郵便の取扱いが減少している日本郵便を抱えた日本郵政は、相対的に経営好調のゆうちょ銀行やかんぽ生命と異時上場したら、当初の予定通りの金融子会社2社の独立を伴う民営化は不可能になる・・・
 ただ、世界的にも例のない3社同時上場です。財務省の幹部も何度も、総務副大臣を退任した後も私の所に説明に来て下さいました。幹事会社を含め、多くの関係された方々に心から敬意を表します。
 今回の上場成功は、中国の経済停滞や、東芝の不祥事・マンションデータ改ざんなどで景況感に不透明感が出かねない状況に明るい話題を提供してくれましたし、個人投資家や海外投資家が日本の市場全体を見直すきっかけになると思います。昨日首相官邸で菅官房長官と「よかったですよね」と話し合っていました。
 ただ、金融子会社の貯金・保険限度額引き上げ問題や新規業務開放問題など、これからも課題は山積しています。真っ当な民間会社として競争の公平性をきちんと踏まえつつ希望ある制度設計を進めて行けるよう、これからも信念を貫き全力を尽くして参ります。
[アジアの平和を守るために]
 中国の南シナ海での埋め立て工事に抗議して、米国がイージス艦「ラッセン」を中国が領海と主張する人工島の12カイリ内に派遣したことは大きな話題となりました。
 私はテレビ生番組に出演し、国際法にのっとった今回の米国の措置を評価する一方で、日本がこれにどう関与していくかについては慎重に見極めていくべきだと述べました。
 折しも日中韓首脳会談が11月1日、2日に開催される寸前で、私は韓国との間の慰安婦問題を含め、これからの各国の協力関係のみならず懸案事項も率直に話し合われるべきだとテレビでも訴えました。中国との二国間会合や韓国との二国間会合の詳細は非公表となっていますが、突っ込んだ話し合いがなされたと聞いています。
 韓国海軍が日本が領有権を主張する竹島の防衛訓練を来週予定どおり実施することが明らかとなるなど、これからの3か国の懸案解決はまだまだ前途多難だと感じますが、筋は通しつつ継続的な話し合いの糸は首脳レベルでも途切れさせないことが大切です。私も安全保障担当の補佐官として、総理と緊密に連携を取りながら貢献していきたいと思います。

平成27年10月19日

[国と地方の連携を]
 昨日投開票のあった地元所沢での市長選挙は、現職の藤本正人候補が2期目の当選を果たされました。
 私は選対本部長でしたが、今回の選挙は、小中学校へのエアコン設置問題や、育児休業取得時の上の子の退園問題で話題となった厳しい選挙戦でした。 昨日の開票時の挨拶でも申し上げましたが、藤本市長の思い自体は間違ってはいないと思います。力強い人づくりや絆の復活、所沢駅東西口再開発やKADOKAWAなどの誘致に向けて前進しました。公明党の推薦や多くの団体の推薦もいただきました。ただ、これからは藤本候補に投票しなかった方々の思いも尊重し、丁寧に市政運営をすることによって、所沢をさらなる発展へと導いて欲しいと思うのです。
 地方分権の時代と言われ、確かに地域発のアイデアの尊重や規制・財源の見直しは必要だと思いますが、難しい課題を乗り越えていくには国、あるいは民間との連携も大切になってきます。この日本の縮図のような多様性のある所沢から、日本を再生する動きを本格化できるよう、私も微力ながら貢献して参ります。
[首相補佐官として本格始動へ]
 10月7日の内閣改造で、内閣総理大臣補佐官を拝命しました。安倍総理からは「国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度」を主たる担務にするよう指示を受けましたが、「それ以外でも幅広く官邸と現場の架け橋になって欲しい」とおっしゃっていただきました。これまで現場の声を聞き、臆することなく自らの信念に基き提言を行ってきた自分を官邸に呼んでいただいたことは、このスタイルを貫くことを期待されていることの現われだと思います。 突破力のある河野太郎議員が行政改革担当大臣になるなど、この内閣は結果を出すことを志向していることが明らかです。全力を尽くす所存です。
 既に、国家安全保障に関する4大臣会議(総理、官房長官、外相、防衛相)に出席して意見を述べたり、テレビ番組で今後の経済政策について議論したり、昨日実施された横須賀の観艦式に総理と共に出席するなど、本格的に業務を開始しています。 安倍総理が観艦式に出席されるのは9年前の総理就任直後から2回目で、その時は私も一議員として参加していました。しかし、今回は米、豪、仏、印、韓各国の艦船との共同実施になるなど内容が格段に充実していたように思います。
 自衛隊のヘリコプターで、東日本大震災の際に「トモダチ作戦」を展開してくれた米海軍空母ロナルド・レーガンに初めて降り立った安倍総理と同行したのは貴重な経験となりました。船内を案内していただき、ボルト艦長や本来東部洋上を所管する第3艦隊のタイソン司令官と意見交換し、現在の安全保障環境の変化や、日米の防衛環境の異同、相互協力の必要性などについて認識を新たにしました。特筆すべきは、タイソン司令官ご自身を含め、米軍では女性の登用がかなり進んでいるということです。
 貴重な機会をしっかりと生かしていきます。

平成27年10月4日

[シリア難民と憲法89条]
 9月29日から10月3日まで、日本国際交流センター主催の、「国会議員・NGOリーダーによる日米人道政策対話ミッション」に出席するため、ワシントンDCを訪問しました。
 日本から参加の国会議員は、自民党から鈴木馨祐議員と私、公明党からは伊佐進一議員、民主党は玉木雄一郎議員でした。
 通常であればなかなか自民党とは接点のない、内外で活躍する若手のNGOリーダーたちとともに、国際人道支援NGOのMercy Corpsのアレンジにより、USAID(米国国際開発庁)やホワイトハウスのNSC(国家安全保障会議)、SD(国務省)や、CSIS(戦略国際問題研究所)などのシンクタンクに加え、現地のNGOや有識者とともに、これからの難民支援を含めた人道支援という、ともすると日本が後ろ向きになりがちな問題について正面から充実した議論をすることができました。
 人道支援というとどこか遠い問題と考えがちですが、東日本大震災の際、日本が米国の自衛隊や内外のNGOの受け入れに手続や時間がかかったことを思い出せば、官民を問わずどこの国でも重要な課題であることは明らかです。
 NGOやNPOというと、最近この欄で紹介したとおり、その活動を支援しようという休眠預金口座活用のための議員立法の手続が困難を極めていることに表れていますが、ともすると営利活動や反社会的活動の隠れ蓑という偏った見方があり、政治とのパイプは決して強固ではありません。 特に、公的支援や税制上の優遇措置を考えた場合、税金を使う以上その使途を厳格にチェックする必要があるのは(党の財務金融部会長としても)無理のないところです。憲法89条も「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業」に、公金その他の公の財産の支出・供用をしてはならないという規定があります。これはそれら団体の自主性確保の意味もあります。
 しかし、震災が起きた場合など、全てを役所や自衛隊・消防のような「公的部門」に頼ることは不可能ですし、効率的でもありません。
 東日本大震災が発生した民主党政権の時代、NGOやNPOに対する寄付税制を拡張したり、米国との災害対話の入り組んだチャンネルを整理したり、一定の改革が実行されました。しかし今回のミッションで、さらに取り組まなければいけない課題が見えてきました。
 一つは、NGOなどへの資金の手当ての脆弱性、手続の煩雑さです。Overhead Costと言われる間接費用の一括支給を日本では認めようとしません。実費の積み重ねと雀の涙程の人件費では、海外で大きく育っているようなNGOが日本で育つはずはありません。 もう一つは人材の供給です。日本ではトップレベルの学生がNGOなどに就職する事例が少なく、あったとしても海外の名の通ったNGOを目指すというのが実態です。もっとNGOと外務省など役所との接点のみならず人材交流を進めたり、海外との合同研修プログラムなどを推進したりすべきです。
 既に日本NGO連携無償資金協力や、経済界を巻き込んだジャパン・プラットフォーム、JICA草の根技術協力、国連の機関との連携などが存在していますが、もっとそれらを活発化しないといけません。 そして、お金を入り口で縛るよりも問題を起こしたNGOに対する処分を厳しくするというように、事前規制から事後規制へとマインドを変更するとともに、憲法89条の改正も行うべきだと思います。(自民党の憲法改正案でも対応がされています。)
 このような環境を整えることで、話題となっているシリアの難民についても日本で単なる資金提供でなく、少しでも受け入れの枠を拡大できないかという議論ができると思うのです。 私自身は現実的にシリア難民の受け入れは日本の経済や治安の状況を見ると極めて難しいと思いますが、かつてインドシナ事変の際、日本が28年という期間をかけて総勢1万人を超える難民を定住で受け入れた実績もあることですし、少なくとも議論はしておくべきでしょう。
 今回の出張では、それ以外でもCSISで中国経済や女性・保健の問題を議論したり、ジェラルド・カーティス教授と議員間で日本の国際的役割についてディスカッションをしたり、米国議会議員たちと交流したりと大変盛り沢山でした。 成田での出発の際TPP閣僚会議に臨む甘利大臣と遭遇して激励の握手をしたり、同時期に国連総会で演説をされた安倍総理と電話でお話しする機会があったことも。この貴重なひと時を今後の活躍に生かしていきます。

平成27年9月19日

[自己責任の時代へ]

 今朝9月19日未明、一連の平和安全法案が参議院で可決、成立しました。

 これまでこのブログでもこの法案の意義については何度か触れています。日本は今までの「個別的自衛権」の行使しか認められなかった憲法解釈では、米国に有事の際守ってもらうことはあっても、米国が攻撃を受けた際一緒に反撃をすることはできませんでした。

 それが、今回の憲法解釈の変更と法整備により、日本の存立が脅かされる明白な危険があり、他の手段がない場合に限り、限定的に反撃をすることが可能になります。

 民主党の枝野議員は昨日の衆議院での演説で、このような場合は「個別的自衛権で対応できる」と主張しましたが、国際的にこのような拡張解釈は通用しません。 また、同氏は「このような事例は現実的には想定できず、立法事実があるとは言えない」とも主張しましたが、公海上で朝鮮半島有事の際避難する在外邦人たちを乗せた米国などの艦船を守る等の事態は当然十分あり得る事例です。

 何よりも枝野氏が「日本は基地を米軍のために提供しているので、米国に対する応分の責任を既に果たしている」という趣旨の発言をされたのには、国際社会の現実を見ているのかと言いたくなりました。 確かに、基地が日本にあることの負担は決して軽くはなく、様々な不安を払拭するための方策は必要です。私の地元所沢にも米軍通信基地があります。しかし、他国のために自らを危険にさらしている国が、自国への攻撃に対して(厳しい要件を付けたうえででも)共に反撃してくれる余地はあると言われるのと、その余地はないと言われるのと、同盟関係に同じ効果しかないと考える方がどうかしています。

 憲法9条は不戦の誓いを高らかにうたっています。そしてこれまで日本は、集団的自衛権の行使にも、急速にグローバル化が進む中で国連を中心として展開された集団安全保障の様々な取り組みにも、その9条の存在を理由として、多くの場合背を向けてきました。

 でも、これまでの冷戦構造下、あるいはその後も米国が世界の警察になっていた時代は、それで事足りていました。日本の平和が守られていたのは、9条によってという部分も確かにありますが、こうした国際情勢による要素が極めて大きかったのです。

 しかし時代は大きく変わりました。米国の覇権の揺らぎと中国の台頭、北朝鮮の動向やロシアの動向、中東をはじめとするテロの脅威の拡大、そして何よりも世界で活躍する日本人が飛躍的に増加しています。
 このような中で、9条1項の憲法の不戦の規定はそのままにしつつ、自衛隊や自衛権を正面から憲法9条2項に書き込むことを目指すのと並行して(自民党の改憲草案ではそうした案となっています)、その自衛権自体の解釈の見直しや、そうした国際社会の変化に対する切れ目のない法整備、サイバーセキュリティーも含む体制の整備などを進めていかなければならないのです。
 よく「解釈の変更ではなく、憲法の明文の改正で対応すべきだ」という主張がなされますが、上記のとおり、明文変更とは次元の違う話だということをご理解いただきたいと思います。(明文変更するまで対応できないとした場合の実質的な不合理もご理解いただきたいと思います。)

 「多くの学者や法制局長官経験者・最高裁長官経験者が今回の解釈変更や平和安全法制を違憲と主張しているではないか」という批判があります。そして多くの批判は、政府が今回の解釈変更の際援用している、昭和47年解釈や砂川事件判決は、集団的自衛権を認めたものではないと主張しています。
 しかし、過去の政府解釈や実務に携わって来られた方が、過去の結論を口にするのは別段不思議ではありませんし、私たちは昭和47年解釈や砂川事件判決を「集団的自衛権を認めたもの」と言っているのではなく、その立脚する趣旨に基けば、現在の状況変化の中で、新たな解釈と法整備が可能である、と申し上げているに過ぎません。

 「歯止めがきかなくなるのではないか」「米国の戦争に巻き込まれるのでないか」という不安は確かに理解できます。しかし、上記したとおり、集団的自衛権の行使には法律上(刑法などと同じような明確な基準で)要件が設定されており、国会承認決議などの手続も(緊急の場合は事後になりますが)要求されています。そして、大事なのは激動の国際社会にあって、抑止力のために隙間のない「オプション」を準備することであり、実際にそのオプションを使うかどうかは、今後は国会議員を含め、まさに成熟した国家として判断していかなければいけないということなのです。

 「成熟した判断」といえば、私が党で色々発言している成年年齢の問題にも通じる部分があります。 選挙権を行使できる年齢は今度の参議院議員選挙から18歳に引き下げとなります。しかし、国際的に18歳というのは自己責任を問うことのできる年齢であり、私は、民法や少年法の規定をはじめ、広く「大人」としての権利義務を認められるべきと訴えてきました。
 無論、現在の18歳がそれにふさわしい成熟度を日本において示す年齢か、という議論もあります。今後は十分経過規定を設け、教育のあり方を含めてしっかり見直していくことが必要ですし、たとえ成年とされても、現行の少年法の下で規定されている保護処分を有効に活用するなどの制度改正をしていくべきだと考えます。

 そして、大きく報道された酒や煙草などの解禁については、20歳以上という規制が医学上設けられていると説明されているので国民的に議論しなければいけないということで今回は結論を出さないように主張しました。そのような提言になったことは評価したいと思います。
 これからもともすると日本人に欠けてきたと言われる「自己責任」のあり方について、しっかり議論して参ります。

[自己責任で片付けることにまだ疑問のあるマイナンバーカードと軽減税率]

 ただし、その私でも自己責任の範囲として進めるのに躊躇しているのが、今財務省から示されている、軽減税率に代わる「還付ポイント制度案」です。

 これは与党の税制調査会にも突然示された案で、酒を除く食料品につき、消費税が10%に引き上げられる再来年を目指し、実質的に2%の軽減税率を適用しつつ、軽減額に一人当たり4000円の上限を設けるとともに、店頭で価格を割り引くのではなくマイナンバーカードで割引金額をポイントとして貯めておいて後日銀行口座への還付手続をインターネットで行う、という内容です。

 財務省が知恵を絞って考えた案ですが、買い物の度に顔写真やマイナンバーが明示された貴重なカードを提示することが現実的なのか、特に子供の買い食いなどにも提示が要求されるのか、といった疑問があります。プライバシーの懸念もあるでしょう。
 零細な個人商店にもポイント読み取り機を普及させるのに、コストや期間はどれくらいかかるのか、何よりも、いったん窓口で軽減されない代金を支払う以上、痛税感の緩和にはならず、消費の落ち込みにもつながらないか、還付漏れで財務省が得をするだけの制度ではないか、という批判もあります。

 私も平場の議論で「日当を現金でもらうような日雇いの方々や高齢者の方々が、銀行口座を指定して還付手続をインターネットで行うことができるのか」と発言し、12日の読売新聞1面や朝日新聞4面、17日の朝日新聞7面に取り上げられました。
 これに対して財務省からは、世帯単位の手続の活用、ポイントの後日申告、銀行口座のない方への郵便為替還付、高齢者に対する役所や郵便局などでの援助など、対策を説明しています。

 しかし、将来仮にさらに消費税が引き上げられても、ずっとこの世界に例のない「現場負担・後日還付」の制度を守れるのでしょうか。また、食料品以外に欧州では生活必需品の多くは軽減税率・ゼロ税率の対象となっているのですが、そういった対応やネット販売・訪問販売などへの対応はどうするのでしょうか。

 まだまだきちんと議論を詰めなければいけません。

[安倍総裁のもと、オープンな議論と結論の結束を]

 9月8日、自民党総裁選の告示とともに、無投票で安倍総裁の再選が決まりました。

 この欄で書いたとおり、私自身は、覚悟とビジョンのある人は名乗りをあげてよいという立場でしたが、結局対抗するビジョンが説得的に多くの同僚を集める事態にはならなかったということだと思います。かくなる上は、(私の発言が一部メディアで報道されましたが)しっかりと改革姿勢を堅持して日本再生・地方創生のために安倍総裁には頑張ってもらいたいですし、私も全力で私の立場で尽力していきます。

 一部の人は、党内で物が言えない体制になっているのでないかと批判していますが、断じてそんなことはありません。上記した平和安全法制についても、税の問題にしても、オープンに議論して充実した方策をまとめ、そのかわり決まったらきちんと先送りをすることなく進むというのが私たち責任政党の使命です。言うべきことを言っていることをなかなかメディアは取り上げませんが、是非注目していただきたいと思います。

平成27年8月27日

[再生可能エネルギーで地方創生を]

 昨日26日、私が委員長を務める党の再生可能エネルギー普及拡大委員会で取りまとめて一昨日党の政調審議会で了承を得た「再生可能エネルギーによる地方創生戦略」を、首相官邸の菅官房長官はじめ各省庁にお届けしました。

 届けた省庁・政務三役は、望月環境大臣、林農水大臣、山際経済産業副大臣、北川国土交通副大臣です。今日27日には高市総務大臣にもお持ちします。

 再エネというと、コスト増の負の側面が強調されることが多いですが、これまで大手一般電気事業者が事実上独占していた電力市場を地方の新事業者にも開放し、雇用を生み出すとか、イノベーションや新産業を促すとか、環境面で大きなプラスになるとか、化石燃料の輸入で流出していた国富を取り戻すなどのプラスの側面が非常に大きいのです。原発の再稼働が予定どおり進む保証はなく、是非とも省庁の垣根を超えてしっかり進めていかねばなりません。

 事務局長の秋本真利衆議院議員をはじめ、各電源ごとに担当して下さった主査・顧問の先生方に心から感謝申し上げ、以下その提言の総論部分を掲げます。

再生可能エネルギーによる地方創生戦略
~ローカルアベノミクス~

平成27年8月25日
自由民主党政務調査会

東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故を受けて、わが国のエネルギー政策は正に分水嶺にある。福島の教訓を生かし、また、COP21に先立ち提出したわが国の約束草案の実現を図るため、重要な低炭素の国産のエネルギー源である再生可能エネルギーの普及拡大に取組むことが喫緊の課題となっている。
再生可能エネルギーについては、エネルギー基本計画では発電電力量の約21%を更に上回る導入を目指すとし、長期エネルギー需給見通しでは2030年度までに22%~24%の導入を見込んでいる。
平成28年4月の電力小売自由化により、全体で年間約18兆円規模(2013年度)の市場が開放されることとなり、国産である再生可能エネルギー24%で電気料金収入年間約4.3兆円、更には、30%で年間約5.4兆円の相当部分を国内にもたらすことが可能となる。経済波及効果は更に大きくなることが見込まれる。
再生可能エネルギーによる地方創生のためには、固定価格買取制度のみならず、発電設備の導入コストに対する支援を行い、需要家の電気料金負担増とならない施策を拡充することが必要である。したがって、地域の再生可能エネルギーを普及拡大するため、各府省庁にまたがる支援策等を共有できる地域の体制を自治体主導で全国的に整備すべきである。
以上の点を踏まえ、再生可能エネルギーによるローカルアベノミクス推進のため、別紙記載のとおり提言し、予算措置及び課題解決を求める。

※別紙の課題及び提言は、再生可能エネルギー普及拡大委員会の柴山昌彦委員長を筆頭に、以下の同委員会役員及び分科会主査が作成を担当した。
秋 本 真 利    岩 屋   毅    大 岡 敏 孝
門   博 文    河 野 太 郎    高 野 光二郎
谷   公 一    牧 島 かれん    務 台 俊 介
山 本 一 太    吉 川 貴 盛      (五十音順)


(別紙)

再生可能エネルギー普及拡大のための課題及び提言

1.再生可能エネルギー全体に共通する課題
○福島県が策定した2040年を目途に同県内のエネルギー需要の100%以上に相当する再生可能エネルギーを生み出すことを目標とすることを内容とする「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン(改訂版)」の実現に向け、具体的な工程表を示して、政府がより積極的で持続的な支援に取り組むべきである。
○再生可能エネルギーの導入見通しについては、エネルギー基本計画見直しの際などに再生可能エネルギーの最大導入を念頭においた将来見通しを検討・設定すべきである。
○環境負荷に関する情報及び電源構成開示の義務化については、消費者の選択の自由を実質的に確保するという観点から検討すべきである。
○地方創生の実現に向け地域社会が主体的に再生可能エネルギー事業を実施しその収益で地域に貢献できるよう、地域への貢献を企図し公共的意義をもつ事業者に対しては、ローカルマネジメント法人制度の導入による税制優遇等の支援、収益納付型補助金による信用補完や公共資金による出資など、その信用力を補完することで地方創生の実現を後押しするための新たな制度を構築するべきである。
○活用事例を集約したガイドブックについて、全国の市町村に配布し、市町村の関心を喚起すべきである。
○接続可能量については、廃炉決定があった場合その他大きな事情の変化があった場合に計算を見直すとともに、継続的かつ小刻みな見直しを行うべきである。
○出力抑制の見通しの精度向上のための実証事業について、スケジュールを前倒しして行うべきである。
○固定価格買取制度下では省令で定める一定の日数もしくは時間数を超えて出力抑制を実施した場合に損失発電量相当額を補償させることとなっており、今後の出力抑制の実効性を高めるためにも、電力会社の出力抑制の見通しと実績値の差が大きい場合には補償措置を実施することも含めて制度の在り方も検討すべきである。
○電力会社の出力抑制見通しと出力抑制の実績については、需給状況に関するデータなども含め、出力抑制の必要性・合理性について第三者が検証可能なデータを開示すべきである。
○不当に高額な工事負担金を課されることがないよう、少なくとも工事負担金の標準的な単価や、電力広域的運営推進機関の相談窓口での対応内容については公表するべきである。
○「再生困難」とされた農地について、再生可能エネルギーに活用することができるよう運用の改善を図るべきである。
○広域系統運用の拡大を図るため、地域間連系線の利用ルールを見直し、再生可能エネルギー電気の導入量を大幅に拡大すべきである。
○再生可能エネルギー電気の更なる導入拡大を図るため、地域間連系線の整備・増強を図るとともに地域内送電網の整備・増強もより一層推進すべきである。また、北海道本州間連系設備について30万キロワットの増強を図っているが、再生可能エネルギー電気の導入及び連系の増加がどの程度見込めるのか、具体的な試算を示すべきである。
○出力抑制について電力会社が適切に説明義務を履行したか否か、国において責任をもって監視すべきである。
○出力抑制に関する電力広域的運営推進機関の検証結果については、出力抑制の行われた日の属する月の翌月に公表されるよう、公表期間の遵守を義務付けるべきである。
○出力抑制を実施した場合に、電気事業者は、出力の抑制が行われた日及び時間帯並びにその時間帯ごとに抑制の指示を行った出力の合計を出力抑制の行われた日の属する月の翌月に公表するだけでなく、出力抑制を実施した理由を、第三者が出力抑制の合理性を検証できるような形で具体的に公表すべきである。
○再生可能エネルギーの供給の変動を吸収し系統安定化対策に資する大型蓄電池の導入促進を図るため、エネルギー基本計画に記載されている2020年までに大型蓄電池のコストを半減する計画の実現を前倒しするよう政府として取組みを一層強化すべきである。
○産業連関表に再生可能エネルギー部門を速やかに創設すべきである。なお、創設に当たっては、電源ごとに部門立てすることが望ましい。
○賦課金額は 2030年度以降に急速に下がっていくとの試算もあることから、国として、2030年以降の賦課金額も根拠ある形で試算し、産業界に対して長期的な見通しを示すべきである。
○農山漁村再生可能エネルギー法の活用状況や再生可能エネルギー導入促進の程度について、市町村向けアンケート調査などの実施を含めた検証を早期に行い、その結果を優良事例等とともに公表することが望まれる。
○再生可能エネルギーの推進のためには地方自治体の主体的取組が必須であり、そのための方策を講じるべきである。特に、エネルギー基本計画に記載されている「全国の自治体を中心に地域のエネルギー協議会を作り、多様な主体がエネルギーに関わる様々な課題を議論し、学び合い、理解を深めて政策を前進させていくような取組」を国として積極的に推進すべきである。

2.太陽光の課題
○太陽光の設備認定に関し、土地・設備の確保ができていない案件に対する報告徴収及び聴聞、設備認定の取消の手続きをより一層迅速に行えるような体制を構築すべきである。
○太陽光パネルの中古リサイクル市場の創設やリサイクルしやすいパネルを製造するインセンティブ付与など太陽光発電設備の適切な処理・リサイクル体制の構築をすべきである。
○太陽光発電の調達価格の決定時期に関する「270日ルール」は、事業検討に支障をきたすため見直すべきである。
○農地の一時転用許可を得て支柱を立てて営農を継続しつつ太陽光発電設備を設置した場合における再度の一時転用許可の取扱いについて、それまでの転用期間における下部の農地での営農の状況について、十分勘案し、総合的に判断する旨を都道府県に通知し、それと同時に、各市町村にも周知徹底されたかどうかを確認すべきである。

3.風力の課題
○現行のエネルギーミックスでは固定価格買取制度の買取費用の上限を設定した上での導入となってしまっているが、次期エネルギー基本計画の見直しの際には、風力発電に関して、買取費用の上限にとらわれなくてすむような導入方法も検討し、かつ、意欲的な導入目標を設定すべきである。
○風力というリードタイムの長い再生可能エネルギー電源について、適切に系統接続枠を確保できるよう系統接続の在り方を見直すなど施策を講じるべきである。
○風力発電のための送電網整備実証事業が行われる特定風力集中整備地区については、全事業の進捗状況、地域のポテンシャル等を踏まえながら拡大すべきである。
○洋上風力発電の推進のため、対象海域のゾーニング、一般海域の利用ルールの明確化といった法令の整備を、経産省や国交省が緊密に連絡を取り合いながら行うべきである。
○ヘリコプターからナセル等風車本体その他設備に人が直接降りて設備の保守等を行うことは、福島沖での浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業のような今後導入が進んでいく大規模風車には必要である。この場合、航空法81条及び航空法施行規則174条1号ロで定める航空機の最低安全高度の規制が問題となるが、航空法81条ただし書に基づく許可を原則として受けられるようにすべきである。

4.バイオマスの課題
○バイオマス発電の普及拡大のため、未利用資源の利用量の目標数値を600万㎥から大幅に増加するための見直しにすみやかに着手し、結論を得るべきである。
○燃料となる木材の安定供給のため、森林の境界明確化及び地籍調査をより加速して実施すべきである。特に地籍調査については、未着手・休止中の市町村が明確にゼロとなるよう目標年次を定め、当該年度までに目標を達成すべく迅速に取り組むべきである。
○木質バイオマス発電は多くの熱を放出していることから熱の回収・利用によるエネルギー利用効率の向上が必要であり、熱電併給へのインセンティブの付与、熱供給のための管路の整備を行うなど、熱電併給システムの構築に向けて国が積極的に支援をすべきである。
○木質チップ、ペレット等の固形バイオ燃料の規格統一を平成27年度内に確実に実施できるよう、国が主導して取り組むべきである。
○ボイラーについては、欧米の基準を参考にするなど更なる規制緩和に努めるべきである。○路網整備に本格的に取り組むとともに、「馬搬」などの伝統的技能も活用すべきである。

5.水力の課題
○公営水力の売電契約について入札の原則を徹底するため、国が自治体に対し、より積極的に指導を行うべきである。
○山間部において発電所から送電のための系統連系費用が高額となるため、費用の負担の在り方について財政的措置も含めて検討すべきである。
○水力発電は多額のイニシャルコストがかかることが支障となっている。小水力発電機等の規格化などイニシャルコストの引き下げを促進するような取組を積極的に行うべきである。
○小規模水力発電に適応した保険の開発のため、国は、保険会社にとってリスクを引き受けやすい体制整備を積極的に進めるべきである。

6.地熱の課題
○本年7月30日に環境省が方針を決定した国立・国定公園内の地熱発電開発の規制緩和に伴い、長期エネルギー需給見通しにおける2030年の電源構成における比率の10%強まで地熱発電の開発可能ポテンシャルが伸びることとなったが、事業化リスクが高くポテンシャル調査等の負担が大きいことから、現在行われている支援、特に自治体や地元関係法人が行う調査等への支援等を更に拡充させ、ベースロード電源である地熱発電の事業化を一層推進すべきである。
○上記規制緩和に関し、通知の改正を早急に行い、自治体に対し周知徹底すべきである。
○地熱というリードタイムの長い再生可能エネルギー電源について、適切に系統接続枠を確保できるよう系統接続の在り方を見直すなど施策を講じるべきである。

7.再生可能エネルギー熱の課題
○エネルギー全体における熱利用が50%を超える現状に鑑み、太陽熱、地中熱、雪氷熱、温泉熱、海水熱、河川熱、下水熱等の再生可能エネルギー熱の導入支援を最大限促進すべきである。

平成27年8月24日

[わかりやすい政治を]

 8月20日、第1回の自民党総裁選管理委員会が開催されました。

 現在の安倍総裁の任期が9月30日ということで、9月20日から任期満了までのいずれかで総裁選挙を実施しなければならず、その運営の打ち合わせのためです。

 私はこれに先立ち、所属する清和政策研究会から、管理委員になるよう依頼されていました。

 委員は総裁選の運営に携わることになりますが、他の選管の委員同様、選挙にあっては中立を保ち、推薦人になることもできません。しかも任期は3年で、政務三役に抜擢されるか新総裁によって異なるメンバーが指名されるかするまでその地位が続くということです。
 今回の総裁選がどのような展開になるかは、無投票になるのではないかとか、女性が立候補するのでないかとか、色々憶測記事が出ていますが、この前不利と言われながら安倍総裁誕生の際に尽力し、推薦人にも名を連ねた私が管理委員に指名されたことがどのような意味を持つのか、奥の深いものがあります。自分で言うのもおこがましいですが、いつも政局になると突破力を発揮してきた自負がありますので・・・

 しかし今回はあえてミッションを受け、外から総裁選を見ることにしました。

 ちなみにメンバーは、野田毅衆議院議員を管理委員長として、船田元衆議院議員、河野太郎衆議院議員、田村憲久衆議院議員、江渡聡徳衆議院議員、小野寺五典衆議院議員、山口壯衆議院議員、橋本聖子参議院議員、松山政司参議院議員、野村哲郎参議院議員、そして私の合計11人です。大臣経験者が5人もいる重厚な布陣で、メンバー構成を知ったのは8月20日の初回会合においてでした。

 私は以前選挙公約で「総理大臣がコロコロ変わるようでは国益を損なう。議院内閣制を規定した憲法にあっても国民が総理大臣を選ぶことができるようにし、かつ任期を全うできるようにすべき」と訴えていましたので、自民党改革の一環として、総裁選規則を変更し、党員票の割合を増やすべきだと強硬に主張して実現に結び付けました。現在、議員票と党員票は同じだけの重みを持っています。(もっとも、そうすると前回の総裁選では安倍総裁は誕生していなかったことになりますが・・・)

 私の今回の総裁選に関する意見は不動です。立候補する意思とビジョンのある人は堂々と名乗りをあげるべきだということです。透明な議論をし、そして結果が出たらその議論を踏まえてまた一致結束して進んで行く、それが国民の求めるわかりやすい政治ではないでしょうか。
 これからも自らのスタンスをしっかり保ち続けていきたいと思います。

[難産の末、党内手続を通過した休眠預金活用法案]

 先週末の党の総務会において、金融機関で10年以上出し入れのない休眠預金の一定部分を、民間の社会福祉事業に活用しようという超党派の議員立法が了承されました。

 休眠預金は毎年全国で800億円程発生していますが、金融機関は預金債務を時効消滅させることなく、預金者から10年経過後も請求されれば払い戻しに応じる実務としています。しかしそれでも毎年500億円の新規休眠預金が発生していて、この有効活用が社会の活性化のため必要だと考えられてきました。

 私は以前、振り込め詐欺の被害金を取り戻すため犯人の預金口座を凍結し、預金保険機構の活用によって被害者による届け出・分配を実施するという議員立法を成立させた経験があります。そしてそれでも被害者が不明の残金は、犯罪被害者の社会福祉に活用するという立てつけとしていました。

 今回の法案も詳細な説明は省きますが、やはり預金保険機構を活用し、中央に民間の分配組織を設立したうえで地域で事業展開するNPOなどに助成金や貸付金として回す仕組みとしています。

 これに対しては、休眠預金は国庫に入れるべきだとか、団体の関与を認めると不明瞭な使途に使われるとか、マイナンバーを預金に紐付けすれば休眠預金はなくなっていくとか疑問の声がありました。しかし、私は以前の経験からこれは必要な法案だと判断し、党の財務金融部会長として、イギリスなどでも似た仕組みのあるこの法案の実現のために尽力してきた同僚の山本朋広議員や坂井学議員たちと連携して後押しをしてきたのです。

 政府の国庫にこれだけの金を入れるよりは、行政の目では十分目配りできない人を新たな発想で助ける民間の活動を支援する方が、より大きな効果をもたらす可能性があると思います。マイナンバーが預金に紐付けされるのはまだ先のことですし、資金の透明性確保のためのチェックもきちんと整えています。是非とも皆様のご理解を賜れればと思います。

 色々自分の仕事が形になっていくのは嬉しいのですが、また新たな課題・難題がやってきています。概算要求などの対応も、少し不透明感の出てきた景気の分析もしなければいけません。ひき続き全力で走り続けます。

平成27年8月16日

[70周年の誓い]

 昨日、日本は終戦70周年の節目の日を迎えました。

 私の両親を含め、戦争を体験した方々の数は年々少なくなっています。ましてや実際に従軍したり、戦後の日本を、価値観の戦前からの断絶を乗り越え力強く復興させる原動力になって下さったりした方々の話を生で伺う機会は極めて少なくなってしまいました。

 だからこそ、私たちは過去の歴史をしっかり学び、後世に伝えていかねばなりません。

 もはや日本がアメリカに戦争をしたことすら知らない若者が増える中、文部科学省は5日、日本史と世界史を含む近現代史を高校の必修科目とすることを中央教育審議会の特別部会に提示しました。ともすると近現代史の部分で、歴史の授業が、時間切れとなってしまったり、多様な視点から物事を分析するのが難しいと敬遠されたりしがちなことからすれば重要な方針だと思います。

 14日に発表された政府談話も重要で内容の濃いものでした。

 海外のメディアは「安倍内閣自身のお詫びが読み取れない」とか「植民地支配や侵略に対する言及が間接的だ」と批判していますが、私はこの談話は練りに練られた周到なものだと感じます。

 談話では、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」と明言しています。既に歴代総理大臣が謝罪し、賠償問題が決着しているのみならずその後の支援も真摯に行い、これから未来志向のパートナーシップを築いていこうとするアジア諸国に対して、いつまでも土下座外交を続けるとすれば、今なお慰安婦問題などで訴訟を提起され、戦時徴用工の位置付けなどでも問題が生じているアジア諸国に対して誤ったメッセージを与えかねません。

 私たちの行うべきことは、そうした「痛切な反省と心からのお詫び」を「引き継ぐこと」であり、過去の歴史として世代を超えて謙虚に向き合うことであって、まさに談話の示したとおりだと考えます。

 私は自民党の「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」の事務局長として、慰安婦問題などで誤った情報が内外に流布していることには毅然と反論するべきと訴え、総理に直接提言をお渡ししましたが、その部分は残念ながら直接は談話に盛り込まれませんでした。しかし談話発表の記者会見場において総理から「政治的、外交的な意図によって歴史が歪められるようなことは決してあってはならない」と発言がなされたことは、私たちの主張を認めて下さった面があったと解釈しています。

 のみならず、戦時下において女性の尊厳や名誉が傷つけられたことは率直に認めるとともに、70年の平和国家の歩みと今後の世界の繁栄への貢献の誓いに触れた部分は、私たち特命委員会の提言に沿った内容だと評価させていただいています。

 「植民地支配」や「侵略」は多義的な概念であり、しかも当時の国際法上の理解と今日の理解には異なる面があります。しかし少なくとも、今回の談話ではそのような文言を明示的に掲げるとともに、「もう二度と」そのような行為をしないと誓っているわけですから、このような非難を浴びる行為をわが国が行ったこと自体は正面から認めていることは明らかです。かつて日本は世界の大勢を見失い、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいは勢力を拡大しようとしたのであって、その全体を率直に反省し、法の支配を尊重し、不戦の誓いを表明したことの意義は大きいと言えます。

 過去の「村山談話」のように、ただ「過去の一時期国策を誤り」といった抽象的な表現ではなく、具体的な表現で過去の日本の行為を検証している点では、より充実した反省になっているとも評価できるでしょう。

[誓いだけでは不戦は実現しない]

 ただし、平和と不戦を唱えているだけでは戦争をなくすことはできません。この談話にも書かれているとおり、かつて第一次世界大戦の反省を踏まえ、人々は平和を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。しかし世界恐慌や経済のブロック化などにより、次第に日本は孤立を深めていったのです。また国際連盟は強制力を持つ軍を組織することができず、紛争解決に独自の指導力を発揮し得なかったと指摘されており、結果としてナチス・ドイツの台頭に対しても宥和政策が取られてきたという実態があります。 

その反省から現在国際連合憲章では、軍事的制裁が定められるとともに、国連安全保障理事会の国際平和・安全維持措置を取るまでの間の個別的・集団的自衛権の行使が認められています。

 不戦条約という「ルール」は、「ルール破りへの制裁」という強制力があって初めて機能するということです。これは国内の法律が刑罰や強制執行などの裏付けを持っていることと同じです。

 今回の平和安全法案は、集団的自衛権のごく限られた部分を、極めて厳しい条件のもとに認めるに過ぎません。そして今回の政府談話では、世界の繁栄への日本の貢献も含め、不戦の誓いはよりゆるぎなき、現実味のあるものになっていると確信しています。

 今後も自由・民主主義・法の支配などの価値観をしっかり世界と共有し、積極的平和主義を掲げて懸命に進む日本の与党の一員として全力を尽くすことをここに誓うものです。

平成27年8月11日

[脇を締めて]

 一昨日8月9日投開票の埼玉県知事選で、自民党埼玉県連が推薦した塚田桂祐氏は残念ながら当選を果たすことができませんでした。
 現職知事が自ら提出した多選自粛条例に違反して立候補したことや、国と県との連携が不足していて、新藤総務大臣・柴山総務副大臣時代に国家戦略特区の提案もなく、県の経済が停滞していること、県民1人あたりの警察官の数も医師数も全国最下位に甘んじていることなどを争点とし、塚田候補の地方行政経験の豊富さや国とのパイプ、危機管理能力の高さを訴えたのですが、立候補表明が選挙直前となってしまい、運動が十分浸透しきれなかったことが最大の敗因だと思います。

 ただ、昨日の埼玉県庁での県連幹部による記者会見でも指摘があったのですが、共産党候補は平和安全法制反対を訴えて今回の選挙に臨み、かなりの健闘を見せました。 県政に関わる選挙で平和安全法制の是非を訴えることには違和感があり、それが塚田候補の得票にどれだけ影響したかはわかりませんが(法案賛成派も反対派も上田氏には幅広く投票しています)、今後の各種活動に向けて留意しなければならないでしょう。

 国の方では、私もインナーメンバーとして検討に参画していた、党の河野行革本部長を中心とした新国立競技場見直しプランがまとまりました。

 私は、「過去の検証をしっかり行い、新プランについては工事の進捗管理と対外情報公開を、工費を含め、きちんとした責任体制の下で行うべき」「新プランについては五輪後のビジネスモデルを含めた事業コンペを実施すべきであり、単なるデザインのコンペにすべきではない」などと意見を申し上げてきたところですが、そうした意見が反映された提言になったことには満足しています。また、今回の提言は特に費用の上限を明示しない代わりに、いくつかのプランの選択肢とそのメリット・デメリットを明らかにした点に特徴があります。うち一つの選択肢が「既存の施設を有効活用して新施設を作らない」という「ゼロ・オプション」です。現実味に欠けるなどの批判もありますが、国民の間で議論の題材を提供するという意味では有意義だと思っています。

 また、私が法務委員会の筆頭理事だった時に審議入りした、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案も、70時間の審議と、自民・民主・公明・維新4党で行った修正を経て、衆議院の本会議で可決されました。

 相次ぐ冤罪事件を反省して、私もずっと取り組んできた「取調べの録音録画」を、必ずしも十分ではないものの警察段階も含め一定の事件について前進させるとともに、司法取引の部分的な制度化や、通信傍受の対象事件の拡大及び手続の合理化、証拠開示制度の拡充、証人等の氏名等の情報を保護するための制度創設など、司法の適正化を進める内容です。私としては必要な審議を確保しつつ、弁護士会も合意したこの法案を速やかに成立させるべきという立場でしたので、よい結果になったことは率直に評価したいと思います。
 まだ通常国会は続きます。夏の地元イベントも花盛りですが、どの活動にも全力投球をして参ります。

平成27年7月13日

[丁寧な説明を]

 同僚議員の一部による勉強会で、マスメディアに圧力をかけるかのような発言が出たことが、大きな批判を受けました。もとより、放送法は、放送における報道が政治的に公平であることや事実に基づくことを義務付けており、こうした観点から問題があると思われる報道もあるので気持ちはわかります。しかし、以前もこの欄で触れたとおり、大前提として「報道の自由」は憲法上保障された権利であって、特に政治家が反論の域を超えてメディアに圧力をかけるようなことはあってはならないと考えます。地道な説明を謙虚に行い、問題のある報道は放送番組審議会やBPO(放送倫理・番組向上機構)などの対応に委ねるという姿勢が必要です。

[戦後未曾有の大改革]

 今国会では、私も大きく関わり、既に成立した電気事業改正法の他、農協法改正案や労働者派遣法改正案、マイナンバー法改正案など、経済や社会のあり方を大きく変える法案の審議が目白押しです。会期が戦後最長の95日間延長になったのは平和安全法制の議論のためだけではないのです。

 まず、今回の電気事業法改正で2020年に電力会社の発・送電部門が法的に分離されることとなり、既に来年4月から実施が決まっている電力小売りの完全自由化がより実効性を持ち、再生可能エネルギーを扱う発電会社がこれまでの電気事業者と市場を通じて競争できる環境が整います。技術革新や競争による料金引き下げが進むし、原子力発電への依存度も下がっていくことでしょう。併せて都市ガスの小売り事業自由化などの改革も進めます。

 農協法改革は、地域による農業の多様化や担い手の高齢化が進む中で、JA中央会の監査指導権を見直し、単位農協の創意工夫を発揮していただくとともに、各地の農業委員会をより農地利用の最適化にふさわしい判断ができるよう委員の選任方法などを改め、輸出拡大や運送・加工との連携や発展の観点から農業生産法人改革も行う画期的なものです。

 また、「生涯ハケン固定法案」などと誤った宣伝がされている労働者派遣法改正案は、業務によって期間制限が異なる現在のわかりにくい制度を改め実務の混乱を回避するとともに、雇用安定措置やキャリアアップ制度の創設に加え、均衡待遇も推進することとしました。アベノミクスは最大限それぞれの能力を発揮していただく考えに基づきますが、併せて、望まない格差・貧困も極力縮小できるよう努めて参ります。

 マイナンバー法改正案は、データ社会にあって、個人のプライバシーの保護と、データ利用拡大による利便性の向上を両立させていくために、また行政の効率化を進めるために、しっかり成立させることが必要だと考えています。ただ、預貯金口座・医療データなどについて、マイナンバーの有用性は認めつつその活用による情報漏えいが起きないか不安視する声があるのも事実です。特に年金情報漏えい事件がその不安を一層拡大してしまったことは否めません。もっとも、マイナンバーができてもデータが統一管理されるわけではなく、それぞれの管理者が異なるコードを用いるなどしており、なりすましを防ぐための本人認証の厳格な手続き(証明書の提示など)もありますので、いたずらに危険を過大視することなく冷静に議論してさらなるセキュリティ対策に努めるべきです。

 改革は経済を着実に好転させています。消費税率引き上げによる景気の減速も一服し、株価は(ギリシャなどの外部不安要因もありますが)現時点ではまだ非常に高い水準を維持しています。無論、それが暮らしに実感できる豊かさにつながっていくことが大切ですが、年金の運用が健全化したり高齢者の雇用が拡大したり健康管理の意識が高まったりしていくことで先輩方の暮らしがよりよくなると思いますし、加えて、昨年のこの欄でも紹介し安倍総理が大きく力を入れている女性の活躍促進、例えば税制や社会保険のあり方の見直しによる「103万円の壁」「130万円の壁」問題への対応や保育所・学童保育・再就職支援策なども充実させていきます。

 そして将来世代のために借金を残さないようにするべく、国も地方も支出を効率化させなければいけません。質の高い教育や、地域包括ケアシステムの実現、このたび新規事業化が決定した三芳スマートインターのフル化など地方創生や安心安全の確保にしっかりつながるような予算にしていくよう、力を尽くして参ります。

[子供たちの未来のために]

 現在、アメリカの外交的・軍事的な力が低下し、一方で中国が東シナ海や南シナ海で埋め立てを強行したり公船による領海侵犯を行ったりしています。北朝鮮は核実験やミサイル発射を繰り返し、ISIL(いわゆる「イスラム国」)などの国際テロ組織が世界の平和を脅かしています。もはやこれまでの一国平和主義には限界が生じており、政府は、同盟国との連携によって安全を守ることができるよう「平和安全法制」をこの国会において成立させることを目指しています。

 既に閣議決定により、集団的自衛権(日本と密接な他国が攻撃を受ける場合も日本が反撃する権利)を、日本の存立危機が明白に認められる場合に限り、かつ他の手段がなく必要最小限の範囲であれば行使することは認められるとされました。また、日本人のボランティアなどを海外で自衛隊が駆け付け警護したり、日本の領海警備を充実したりすることも大切で、是非皆様には上記「平和安全法制」に対してご理解をいただきたいと思います。

 思い返せば日米安保条約が締結されたり改定されたりした数十年前にも「憲法違反だ」「日本が戦争に巻き込まれる」と大反対運動が起きました。しかし日本は未曽有の戦禍を貴重な教訓とし、二度と戦争を繰り返さないと明確に憲法9条1項で誓っています。この誓いはこれまでも、そしてこれからも不変であり、今回の法整備はあくまで「隙のない構えで抑止力を強化する」ためのものです。また、憲法18条に違反する「徴兵制」を導入することは断じてあり得ません。

 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉も山場です。AIIB(アジアインフラ投資銀行)で中国がアジアの経済に大きな影響を及ぼす中、このアジアで公平な経済ルールに基づく貿易・投資・知的財産などの枠組みを作ることが必要なのです。既に国会で日本の重要な農産品を守ることなどが決議されており、国益を最大限に生かす形で決着させられるよう私も頑張ります。

 この夏、産業革命世界遺産登録などをめぐり韓国との間も依然として微妙な関係が続いています。今後、慰安婦問題を含めて正確な情報を国際的に発信するとともに、将来紛争が再び生じないようにして反省すべきは反省し、未来志向の外交関係を構築できるよう頑張っていきます。

 これまで後押しをしてきた日本郵政の上場もこの秋に迫ってきています。何にせよ国際社会も国内経済も激動の時代を迎える中で、子供たちに豊かで平和な社会を、そして私たちの祖先が大切にしてきた日本のよき伝統を、何とか受け継いでいきたいと思います。

 昨年の総選挙に続き、今年は統一地方選、知事選、秋の市長選と選挙が目白押しですが、こうした思いで一歩一歩これからも活動していきますので、引き続き皆様の暖かいご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

平成27年6月13日

[許さぬ後世へのつけ回し]

 昨日12日、私もメンバーとなっている党の財政再建に関する特命委員会で提言案がまとまりました。

 私は、昨年法人税率の引き下げを議論した時には、減税の一方で景気回復が見込まれることから、代替財源確保のための増税を行うことには慎重な立場でした。

 しかし、今回の議論はそもそも出発点が名目成長率を3.6%とこれまでの実績に比べてかなり高い水準を達成することを前提としてなされています。そのうえで(再来年の10%への消費増税を織り込んでも)2020年度に基礎的財政収支を黒字に転換させるためには、9.4兆円の歳出抑制が必要だと、内閣府や党の行政改革実行本部で判断しました。 これに対しては「昨年度の好景気により税収の上振れ分が既に2兆円超生じている」「税収弾性値(経済成長と税収の伸び率の関係)を1と想定しているが現実的には1.3などもっと高い値になるはず」「公共事業の民営化などによりさらなる高い税収が見込まれるはず」などの根拠でハードルを引き下げるべきだという反論がありますが、私は今回はこうした反論は当たらないと考えています。そもそも上記したとおり名目成長率をずっと高い水準に保つということ自体非常に難しいのです。税収弾性値も長期的に見れば1に収束することはほとんど議論がなく、こうした長期的な試算をする場合には固めの数字を目標とするべきです。

 歳出削減をすると景気回復の足を引っ張る面はないとは言えませんが、法人税や消費税の議論と違って、歳出削減の場合は「費用対効果」を精査することにより、より政策効果や景気対策としての実効性が高いものに予算配分を行うこと(ワイズスペンディング)は可能です。古典的なIS曲線分析で「増税と歳出削減は同様の効果を持つ」などとは割り切れず、現に近年のIMF報告書でも、増税より歳出削減の方が経済成長にはより適切だとの記述があるのです。

 現在少子高齢化により急速に増加している社会保障費を中心として、あらゆる歳出を単純な一律カットではなく、しっかり費用対効果を検証したうえで9.4兆円の歳出抑制を行うことは、決して不可能ではないと考えます。

 ジェネリック薬品の国際水準並みの普及、病気予防のインセンティブの工夫、病床配分の合理化、終末医療についての検証など、具体策に踏み込んで提言をまとめましたが、結局昨日の最終提言には上記した数値目標までは盛り込まれませんでした。これを踏まえて政府の「骨太の方針」(経済財政運営の指針)がどのように表現されるか注目です。

 なお、「9.4兆円の歳出抑制」といっても、そもそも物価の伸びなどにより2020年までには自然体だと15兆円歳出が増える計算であり、結局今回の抑制をしても歳出は5.4兆円増えることになりますから、「緊縮財政」であるとの批判は当たらないと思います。
 また、基礎的財政収支よりむしろ債務残高対GDP比を安定させることを目標とすべきとの主張もありますが、長期的な金利上昇の圧力も考えれば、やはりまず基礎的財政収支をしっかり黒字化することに注力しなければいけません。

 提言では、中間年度となる2018年度にきちんと歳出額の目標設定を行うべきと書いていますので、着実に計画を実施していきたいと思います。

[荒れる国会]

 上記歳出改革にも大きな意味を持つマイナンバー制が来年からの施行に向けて準備される中、年金情報の流出という大変なニュースが飛び込んできました。標的型ウイルスメールによる感染が、あまりにずさんな管理体制の下で発生したことは残念としか言いようがありません。しっかり検証のうえ、不安を残さないマイナンバーとしていくよう、この制度導入を総務副大臣や衆議院内閣委員長として後押ししてきた者としてしっかりチェックしていきます。

 それにしても、この問題と派遣法改正案の審議がかかっている衆議院厚生労働委員会の混乱ぶりは目に余ります。

 平和安全法制を議論している衆議院特別委員会の質疑も、集団的自衛権に関して憲法審査会に与党が呼んだ参考人まで違憲と陳述したことを受けて波乱含みです。学者の見解は見解として、政府も与党も過去の判例を踏まえて慎重に解釈し、立法したのですから、冷静な議会運営をするべきです。
 もちろん私が自民党筆頭理事を務める衆議院法務委員会もです。

[パーティー実施の感謝]

 去る6月11日、私の政経パーティーを開催させていただいたところ、地元の方々、仕事でお世話になっている先輩や同僚をはじめとする方々、昔からの仲間たちなど、本当に多くの皆様にご参加をいただき、心から感謝申し上げる次第です。

 所属する清和政策研究会の細田会長ともども、前会長で衆議院前議長の町村信孝先生にお悔やみの言葉を申し上げさせていただきました。本当にお世話になりましたし、一方で税制の議論や党の総裁選で色々ご迷惑をおかけしたことが走馬灯のように頭を巡ります。

 そのご恩に報いるためにも、これからも全力を尽くすことをお誓い申し上げます。

平成27年6月1日

[未来を変える「よそ者・若者・ばか者」]

 5月28日夜、BSフジの「プライムニュース」に出演させていただきました。

 テーマは、私がこれまで取り組んできたコーポレート・ガバナンス改革についてで、他の出演者は野村修也中央大学法科大学院教授とイェスパー・コールJPモルガン証券株式調査部長でした。

 6月1日から東京証券取引所で、会員の準則(順守しない場合は説明責任が生じる)となる画期的な「コーポレート・ガバナンス・コード」が施行されるということで、とてもタイムリーな企画だったと思います。

 これまで経団連は、このコーポレート・ガバナンス改革に正直言って前向きとは言えませんでした。それは無理からぬところで、従来この改革は企業の不祥事防止という後ろ向きな文脈で語られることが多く、前例踏襲からなかなか抜け出せない大企業としては「企業の適切な管理は千差万別なはず」と内向きの論理に引きこもるとともに、対外的に自らの内情を開示することにどちらかというと消極的だったのです。そして経営陣の安定を株式の持ち合いという慣行が支えていました。

 しかし時代は変わり、もはや資本はグローバル化して、対外的な株主への説明責任が避けられなくなりました。また、ROE(株主資本利益率)の向上など、稼ぐ力を高めないと市場から見放されるという文脈でもコーポレート・ガバナンス改革が不可避のものとなったのです。

 もとより、日本の企業風土はすぐに変わるものではありません。また、株主のみならず従業員や取引先、地域貢献なども大切にする日本ならではの良さも尊重する必要があり、今回のコーポレート・ガバナンス・コードはそうした要素も盛り込んでいます。また、複数設置を求めている社外取締役の「市場」もしっかり育てていく必要があると考えています。

 今回のコードのいくつかの哲学のうちの一つが「外部の目の重要性」ということです。折しも同じ5月28日の日経新聞最終面「私の履歴書」に、川村隆日立製作所相談役が、社外取締役などの発言を通じて「自分の姿や行動を外から見るための『カメラ』を用意することが大切だ」と述べておられます。「よそ者のKY(空気を読まない)な発言」が時に客観的で真理を突き、組織を生まれ変わらせることがあるのです。

 よく、地方創生のキーマンとなるのは「よそ者・若者・ばか者」だと言われます。上記した「よそ者」に加え、行き詰まった組織や地域に新しい発想を吹き込むのが「若者」と「ばか者(これまでのやり方にとらわれない発想の持ち主)」だということです。女性の活用もこの文脈で語ることができるでしょう。
 地方創生だけではありません。例えば政党でも、歴史のある自民党が私の補欠選挙で立党以来初めての全国公募を実施し、今では公募が原則となったように、組織がどれだけ未来に向けて改革しようという決意が本気であるかを見るバロメーターが、「よそ者・若者・ばか者」をいかに登用しているかだと思うのです。今、党でかつて「KY議員」と揶揄され、必ずしも中心的と言えなかった方々が(誰々とは申しませんが)政権の中枢に数多くいらっしゃるのは、安倍総理がしっかりそうしたことを認識されていることの現れだと思います。

 もとより、伝統や慣行は大切であり、それを全否定する必要はありません。日本人は「改善」を重ねることが本来得意な民族なはずです。これからもしっかり地に足の着いた改革を社会にもたらすべく、全力を尽くします。

平成27年5月18日

[大阪都構想の後は]

 非常に大きく注目されていた大阪都構想についての住民投票は、僅差で反対多数となりました。維新以外の既存政党がこぞって反対に向けた活動をする中で、この大接戦は注目に値すると思います。

 確かに行政コストの算定や将来のビジョンなど、今回の都構想には疑問が多々ありました。賛成多数となったら橋下市長は必ず国政に進出するという見方もありました。今回の反対多数を受けて現時点では橋下氏は政界引退を表明しています。そして維新の党の求心力は確実に低下すると言われています。

 ただ、野党が民主党と維新の党という全く逆のベクトルを持つ中で勢力を分散されていたことや、今安倍内閣が大きな改革に取り組もうとしている中で、今回の結果が自民党にとってプラスの効果ばかりをもたらすわけではないのではないでしょうか。折しも、私も党の役員メンバーとなって取り組んでいる道州制の推進にも影響が出てくる可能性があります。

 目的達成のためやむを得なかったとはいえ、沖縄の知事選であれだけ批判していた共産党との共闘が、今後辺野古問題や憲法改正に向けた動きに影を落とす可能性があるかもしれません。

 いずれにせよ、この大阪都構想の後、政局に生じる変化にも、しっかり対応してあるべき方向を目指して参ります。

[外国メディアのインタビューから]

 先週末、某有名外国メディアの東京支局長からインタビューを受けました。全て英語でした。

 6月1日から東京証券取引所で発効する「コーポレート・ガバナンス・コード」を大変高く評価しつつも、これが真に経済社会を変えるきっかけとなるのか、独立社外取締役の市場をどのように整備するのかなどを、この問題に熱心に取り組んできた私に尋ねてこられました。

 話は安全保障法制や憲法改正にも及びました。自民党改正憲法草案にある天皇の元首としての位置付けや基本的人権に関する規定の変化は、反動的な動きで問題でないか、との質問があり、私がいかに天皇という地位に関する学説や外交プロトコルの話をしたり、権利と義務のバランスや安倍政権が取り組んでいる女性活躍支援の話をしても納得されなかったので、次のような話をしました。
 「諸外国に支援をいただいた東日本大震災の時、被災地では信じられないような被害が発生したが、他の国ではこうした時当然行われるような強奪や混乱が見られなかったことについて、世界が驚嘆した。」「被災地では自らの避難のほか、整然と住民を誘導したり隣人を危険を顧みず救出しようとする動きが相次いだ。」

 こうした極限状態で、自己の権利を至上のものとする現行憲法の価値観、それはとりもなおさず近代西欧社会の価値観ともいえると思いますが、それに捕われていてこういう世界にまれに見る行動がとれると思いますか?

 支局長には言葉がありませんでした。

 こういう価値観は日本国憲法が導入される前に築き上げられたものです。そして今こそ大切にしなければいけません。私は戦前、言論の自由が弾圧され、個人が集団の犠牲になるような社会を決して再現してはならないと思っています。しかし、過去の私たちの価値観を全否定したり、他国に対して日本がしてきたことを、もちろん悪いことは率直に認めて反省しなければいけませんが、明らかに歪曲するような動きに同調したりすることはいけないと考えます。

 不十分な英語でどれだけ伝わったかはわかりませんが、私なりに全力を尽くしたつもりです。

 後半国会もいよいよ本格化します。これからも地元対応も含め、懸命に頑張っていきます。

平成27年5月8日

[米国訪問で感じたこと]

 4月29日から5月2日まで、2泊4日という強行日程でマンスフィールド財団の主催する議員交流プログラムに参加しました。

 参加議員は私以外には、自民党の森まさこ前内閣府特命担当大臣、民主党の長島昭久元防衛副大臣でした。
 私以外は米国の留学経験があるため比較的順当な人選だと思いますが、私に関しては最近の活動が米国関係者の目に留まり、是非対象にとの強い推薦があったとのことで大変ありがたいことでした。自然と力も入り、参加者の中で唯一、通訳の有無にかかわらず、パネルディスカッションを含め全ての先方との会話を英語で通しました。参加されたシーファー元駐日米大使をはじめとした現地の方々や日本の民間を含めた在米駐在員の方々から評価のコメントをいただき、今後の活動の糧となったと思います。

 折しも、今回のミッションは安倍総理の歴史的な米議会での演説と時期を同じくし、笹川平和記念財団主催の安全保障フォーラムにおける総理の演説やディスカッションも目の前で見聞きすることができました。また、この二つのミッションを終えた総理から宿舎であるブレアハウスへの訪問を許され、他の自民党議員に先立って短時間ではありましたが、その演説を踏まえたうえでの私の取り組んでいる諸案件についての思いを、総理に直接お伝えすることができたことは私の今回の訪米のさらなる成果でした。そして総理のそれに対するコメントも私の得心のいくもので、今後の具体的な指針になるものでした。

 総理の上記議会演説の中に、慰安婦に対する「お詫び」という言葉が入っていなかったとの一部批判がありますが、総理は先の大戦に対する痛切な反省を口にされ、歴代内閣の姿勢を踏襲すると明言するとともに、女性の活躍支援や人権に力を入れることを強調されていました。夜の総理との直接の会話で、この部分の文言についてはしっかり練られたものであることを理解するとともに、その真意もよくわかりましたので、私が事務局長を務める党の日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会の議論・提言に反映していきたいと考えています。

 総理はオバマ政権のリバランス(防衛力再均衡)政策を徹底的に支持すると明言したうえ、日米同盟を強化するための安全保障法制の整備をこの夏までに実現すると述べました。これについても日本の国会軽視だという批判がありますが、法案提出者としての決意を述べたものであると理解できます。何より、今中国などとの懸案を落ち着かせ、アジアの安定を図るためには、日米の間に隙間風をもたらそうという動きは断固として阻止しなくてはいけないのです。笹川平和記念財団のフォーラムで総理が「安全保障によって世界貢献を目指す」と言われたのもそういう文脈です。法の支配による平和のためには、安全保障による実効性の確保が必要だということです。

 そしてTPPや農協改革、医療やエネルギーなどの規制緩和、コーポレートガバナンス強化などの重要性をあげ、「クォンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあること、この道しかないという昨年の選挙戦でも使ったフレーズを議会演説で使っています。TPPについてはその安全保障上の意義も強調されました。

 マンスフィールド財団のパネルディスカッションにおける私のプレゼンテーションも、AIIBに見られるアジアの経済秩序の中国主導による変化と、それにしっかり日米が公正な経済ルールという筋道をつけるためのTPPの重要性を強調させていただきました。無論、私も昨年の選挙での党の公約である「聖域なき関税撤廃に反対」する姿勢は堅持しています。しかし、知的財産権のフェアなルール作りや、政府調達の透明化などは是非とも進めなければいけません。
 米国も自動車部品の関税問題などでTPPについては正念場です。私としては、上下両院でTPA(貿易促進権限法案、大統領に包括的な交渉妥結権限を与えるもの)法案が可決に向けて動きを見せていることを評価できると述べてきました。 質疑応答では、日本の財政問題、中国と台湾についてなど広範な議論ができ、大変有意義でした。

 共和・民主両党の議員や、USTR(通商代表部)を個別訪問して、それぞれの案件についてヒアリングをしたり、政府・議会スタッフに裏話を聞いたり、現地評論家との食事会で米国での大統領・上院・下院の与野党のねじれをどう調整しているのかの話を聞いたりしたのはとても参考になりました。この最後の問題は、米国ならではの「議員を予算で落とす」取り引きの実態なども浮き彫りとなりました。

 訪米されていた多くの日本の議員や民間の方々とともに、米国側の議員、関係者ともレセプションで交流の機会を持ったり、一時帰国されたACCJ(在日米国商工会議所)の方に私の立場を説明したりしたことなど、とにかく予定ビッシリの実質2日間でした。時差ボケをコーヒーのがぶ飲みでごまかし、何とかしのいだ印象です。
 それにしても米国はやはり明確な議論を好む国だな、ということがよくわかりました。また、米国の民主党議員が、健康保険の充実を主張しながらもやはり皆保険となると色々大変だと感じているということもわかり、やはり自助が基本の国なのだということも感じることができました。

 GW明けは早速数々の難題に取り組む必要があり、打ち合わせや取材・講演などが待ち構えています。これからも全力で頑張ります。

平成27年4月29日

[問われる危機管理体制]

 通常国会の後半は、安全保障法制が大きなテーマとなります。

 これまで自民党・公明党の与党協議が行われるとともに、その経過は逐次自民党の安全保障調査会にフィードバックされ、党内議論が行われてきました。

 問題とされている集団的自衛権の行使の限界という論点はごく一部であり、それ以外にも、領海警備や海外での平和維持活動はどうあるべきかなど沢山の論点があります。マスメディアでは、与党協議でいかに歯止めをかけるかということばかり議論されているかのように報じられていますが、実は自民党の中では、ここまでオペレーションに歯止めをかけてしまって本当に国民の生命と安全を守ることができるのか、という議論がかなりありました。

 折しも、4月22日には首相官邸の屋上で、微量の放射性物質セシウムを搭載したドローン(無人小型飛行機)が発見されたばかりです。空撮などで最近よく利用されるドローンですが、現在法規制がない状態で、テロなどへの利用のおそれを真剣に考えねばなりません。人が大勢集まる場所や原発施設などが標的になったらと考えると、検討されているような飛行制限区域の設定だけで足りるのか、はなはだ疑問です。
 ISIL(イスラム国)の事件でも痛感しましたが、日本の平和ボケぶりは深刻だと言わざるを得ません。法整備のみならず危機管理体制もしっかり国際水準を参考に充実させることが必要です。

 ネパールで発生した日本人を含む4300人以上が犠牲となっている大地震への対応も急務です。現地の急峻な地形のため、世界各国の救助・支援部隊の活動が難航しているようですが、日本は4月28日未明、既に派遣されている消防庁などの災害援助チームに加え、約110人の医療救援などにあたる自衛隊を現地に送ると発表しました。
 人命救助は時間との勝負です。こちらもしっかりした体制作りが必要です。

[地方創生を新しいエネルギー政策で]

 統一地方選が終わり、自民党は全国的にまずまずの成果を確保しました。景気回復を背景にした高い内閣・与党の支持率が要因だと思いますが、応援演説で訴えさせていただいたとおり、これからは「地方創生」が大きな課題となってきます。

 私の地元で言えば、ふじみ野市・三芳町で立候補した2人の自民党県議候補のうちお一人が共産党候補の当選に伴い議席を失いました。所沢では、共産党・民主党の現職が手堅く議席を確保する一方、自民党の3人の県議候補は、推薦のお一人が当選するにとどまりました。
 幸い後半の市議選及び町議選では、自民党の公認・推薦候補は全員当選をしましたが、決して楽観する状況ではないと思います。

 このような中、経済産業省から示された2030年のエネルギーミックス案は、原子力の割合を20~22パーセント、再生可能エネルギーの割合を22~24パーセントとしています。
 しかし私は自民党の再生可能エネルギー普及拡大委員会委員長として、秋本真利事務局長たちメンバーとともに、再生可能エネルギーが地方創生の観点からいかに望ましいか、コストも低減できるかを研究してきました。この度提言をまとめて発表したところ、政府より踏み込んだ内容ということで多くの反響があり、是非今後の議論に生かしていきたいと思います。以下に提言の内容を掲げます。


再エネによる地方創生〜日本経済活性化のために〜再生可能エネルギー普及拡大に関する提言
2015年4月22日自由民主党 資源・エネルギー戦略調査会再生可能エネルギー普及拡大委員会

2015年4月22日
自由民主党 資源・エネルギー戦略調査会
再生可能エネルギー普及拡大委員会

【主旨】
 わが国の2030年の電源構成について、再生可能エネルギーの導入目標数値は、30%以上とするべきである。

【エネルギー政策に対する考え方】
 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、わが国のエネルギー政策は、大きな転換期にある。

 これまで、わが国のエネルギー供給の中心となってきた化石燃料やウラン燃料は国内に資源がなく、そのほとんど全てを海外からの輸入に頼ってきた。そのため、エネルギーの供給が国民生活と産業活動の血脈でありながらも、わが国のエネルギー政策は国内外の状況に大きく影響を受けてきた。このような脆弱なエネルギー供給体制を抜本的に改革し、2030年以降も、将来にわたって安定供給と経済効率性を両立することのできる電源構成の構築が必要である。

 再生可能エネルギーは、わが国における唯一の「純国産」エネルギーであり、地球温暖化問題への貢献、新しい雇用の創出、安定的エネルギー資源の確保と、さまざまな効果をもたらす。

 また、再生可能エネルギーの導入は、地域経済の循環に大きな可能性を持つ。なぜなら、一般電気事業者の電気料金収入(平成25年度)は、全国で約16兆8,100億円であり、その30%が再生可能エネルギーとなれば、少なくとも毎年5兆円以上の大きな経済効果が期待できるからである。

 さらに、再生可能エネルギーの普及拡大策については、固定価格買取制度のみならず、経済産業省、農林水産省、国土交通省、環境省及び総務省並びに地方公共団体による「地方創生に資する分散型エネルギーおよび関連システム施策」への更なる重点配分と民間資本の活用により、国民が支払う電気料金を国内で循環させる方向へと誘導することで、国や地方の経済に弾みをつけることができる。

 よって、現在のわが国の経済状況に現れているアベノミクスの効果を全国津々浦々まで届け、さらに発展させるためには、新しい成長分野の柱としてエネルギーを位置づけ、地方創生の観点から再生可能エネルギーの導入を図ることが肝要である。

【エネルギー政策の基本的視点】
 エネルギー政策は、安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図らなければならない(3E+S)。また、エネルギー政策は、国際的な動きを的確に捉えて構築されなければならない。

(1)安全性エネルギー供給には、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、地震大国であるわが国の地政学的な状況を前提に、国民に十分な安心感を与えられるだけの安全性が必要である。この観点から、各種電源の安全性は厳しく評価される必要があり、再生可能エネルギーは、他の電源に比べて格段に安全性が確保された電源であるといえる。

(2)安定供給再生可能エネルギーのうち、太陽光・風力による発電は、出力が変動的で、系統の整備、広域的な運用による調整力の確保や蓄電池の活用等の必要があると言われている。一方で、原子力発電には、安全性確保のための審査の長期化や裁判等による長期間の運転停止等のリスクがあり、火力発電については、化石燃料の高騰や中東の不安定化にともなう供給リスクの問題が存在する。安定供給の観点から、これらのリスクも踏まえ、各種電源を導入する必要がある。

(3)経済効率性再生可能エネルギーによる発電コストは大幅な低減傾向にあり、他の電源種別と遜色ない経済効率性が実現されると考えられる。特にここ数年間で、再生可能エネルギーのコストは急激に低下している(太陽光発電のモジュールコストは、過去5年間で8割低減。風力発電は、欧州、北米、ブラジル、インド、中国などで、4円/kWhを達成)。欧米など再生可能エネルギーの加速的な導入が進んでいる国々では、将来的に、非常に安いコストで再生可能エネルギーから電力を調達できるようになる可能性が高い。
原子力発電のコストについては、太陽光発電のコストよりも高いとする欧米の研究機関もある。それに加えて、現状の経済政策の継続を前提とすれば円安およびインフレ傾向が今後も継続される可能性が高いことを考慮しなくてはならない。円安が進行すれば、それにより化石燃料、ウラン燃料を含む輸入資源の価格は高騰していく。現在、化石燃料の価格は国際的に見て低水準で推移しているため、円安による価格高騰の影響を緩和しているが、世界全体のエネルギー需要に鑑みれば今後こうした低価格が維持されるとは限らない。その一方で、再生可能エネルギー電源のコストは、円安による資源価格上昇の影響を受けず、また発電期間中のインフレによる価格上昇が原則としては生じないため、円安やインフレによるリスクの小さいエネルギーである。

(4)環境適合原子力発電については、遵守すべき大原則である40年間の設備利用期間を前提にする必要がある。これを前提にした場合、再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を実現しなければ、結局は火力発電に頼らざるを得なくなる。しかし、電力供給の大半を火力発電に頼るとすれば、大幅な二酸化炭素排出量の削減は見込めない。
わが国が、温暖化防止の取組に積極的な貢献を果たし、国際的な地位を保持し続けるためには、消費者たる国民の協力の下、再生可能エネルギーや、火力の中でも相対的に二酸化炭素排出量が低い天然ガスなどの低炭素電源を8割程度導入することが求められる。

【2030年再生可能エネルギー30%時の電源構成の基本的考え方】
1.省エネルギー:わが国では、現状でも、2010年に比べて約8%の省電力がすでに実現されている。現在想定されている省エネ政策の実施と自然減を前提としても、2030年には2010年に比べて15%以上の削減が必須である。スマートメーターなどの新しい技術の普及やデマンドレスポンスなどの新市場の創設により、さらなる省エネルギーの深掘りは十分可能である。

2.原子力:国際的に遜色のない再生可能エネルギーの導入目標の達成と、さらに原子力発電への依存度を可能な限り低減させるというわが党の政権公約の実現を前提とすれば、新規の原子力発電所建設(リプレース含む)は考慮するべきではない。原子力規制委員会により安全性が確認された原子力発電所は順次再稼働を進めるが、原子炉等規制法及びわが党の政権公約に従い、原子力発電所の稼働期間は40年間を大原則とするべきである。

3.火力発電:一定の原子力発電の維持と、再生可能エネルギーの最大限の導入を前提としても、2030年時点では、相当程度の火力発電による電力供給が必要である。しかし、国際的な課題である地球温暖化問題も鑑み、より二酸化炭素排出量の低い火力発電への移行が望まれる。

平成27年4月9日

[突如浮上したAIIB問題]

 この一月余り、中国が主導となって設立を目指しているAIIB(アジアインフラ投資銀行)への対応が大きな話題となっています。

 中国は創設メンバーとなるための期限を今年3月31日と定めていましたが、日本政府はガバナンスや出資の透明性のなさ、個別の融資先に対する相当の審査の確保への疑問などから、米国などとも連携し、期限内の参加については見送ることとしました。

 ただ、イギリスなど欧州主要国も含め、50を超える国と地域が雪崩を打つように参加を表明したことは、このAIIBが国際金融や途上国開発に大きな存在感を発揮することを意味します。

 私は党の財務金融部会長として、財務省からこの間の経緯については報告を受けていましたが、事の重要性からこれは党として平場できちんと説明を受け、議論をする機会が必要だと判断し、党の秋葉賢也外交部会長に呼びかけて、外交・財務金融合同部会を開催することを決めました。
 直後、安倍総理も別件で秋葉部会長と面談された折、党としてAIIB問題を議論するよう指示。4月1日開催の合同部会で、今後は衛藤征士郎党外交経済連携本部長も含めた合同会議を立ち上げて、有識者ヒアリングを多角的に行い、夏を目処に議論を整理すると私から発言しました。

 経済界からはビジネスチャンスの拡大につながるとして参加の期待が大きいことは理解しています。これまでの世界銀行・IMF・アジア開発銀行などでこうしたインフラ整備の要請に充分応え切れていないことも事実です。
 しかしこの問題は、これまでのドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制や、外交・安全保障、環境問題にも影響する非常に重要なテーマです。極力多くの方々の意見を聞いて慎重に判断するべきでしょう。

 昨日8日、早速第1回のヒアリングを行いました。講師の津上俊哉先生や吉崎達彦双日総研チーフエコノミストからは、たとえ日本が参加しなくても国際金融体制もAIIBに向いていくとの指摘や、日本の出資は参加した場合相当額に上らざるを得ないであろうとの指摘などがあり、とても示唆に富む内容でした。今後もしっかり議論を続けます。

[中国との対話の道]

 中国との間には厳しい懸案が多数あります。しかし安倍総理は習近平主席と会談し、対話を進める姿勢を示しています。折しも来日中のチベット仏教最高指導者であるダライ・ラマ14世と自民党同僚議員とともにお目にかかる機会がありましたが、やはり中国が重要な隣人であるが故によりフェアな国になってもらいたいと強調されていました。

 私も微力ながら、外交の分野でも尽力をしていきたいと思っています。

[統一地方選前半戦は佳境へ]

 統一地方選は、北海道や大分の知事選が与野党対決構造であるとともに、私の地元埼玉県でも県議選が熾烈な戦いとなっています。前半戦の投票日は12日で、いよいよ佳境となってきました。
 ふじみ野市・三芳町では自民党候補2人、なかんずく日頃連携を密に取っている土屋惠一候補の、所沢では自民党の公認である浜野好明・安田義広候補、推薦である岡田静佳候補の、当選を目指して全力で応援を続けます。皆様のご支援をお願い申し上げます。

平成27年3月27日

[前向きな議論を]

 3月23日午後10時から放映された、BS日テレ「深層NEWS」に生出演しました。

 テーマは「バブル再来!?で生活は 財布のヒモのゆるめ方」というもので、日経平均株価が2万円をうかがう好調な経済情勢は果たして実体経済を反映したものか、また、安心してお金を使っても大丈夫か、という内容でした。

 ゲストには私のほかに、日銀の国債買い入れの膨張を財政破綻シナリオだと批判する藤巻健史参議院議員(維新の党)でした。

 藤巻議員は今回の株価上昇を、異次元の金融緩和政策の結果バブルが始まりつつあることを示していると主張しましたが、私は1980年代末のバブルとは根本的に状況が違うと申し上げました。

 あの時は金利も物価上昇も現在とは比較にならない高水準で、株価は押しなべて好調、世の中全体が浮かれていたと言えますが、今はそうした経験を踏まえ、投資家はコーポレートガバナンスやROE、PERなどの指標から成長銘柄を見極めています。そして安倍政権が打ち出している成長戦略(法人税引き下げ、国家戦略特区制度の拡大、マイナンバー制度やイノベーションの後押しなど)も将来のビジネスにつながるという期待に間違いなく寄与し、好結果に結び付いているのです。

 安心してお金を使ってよいかについても、藤巻議員は「経済の好循環はごく短い期間だと思う」と懸念を示しましたが、私は「大手企業のベースアップに加え、下請け企業への外注費が増えれば、トータルとしての実質賃金の上昇による力強い消費の回復が見込まれる」と前向きな見方を示しました。

 そして25日夜には、地元の所沢市民文化センター(ミューズ)に茂木敏充元経済産業大臣をお迎えして、来たる県議選に立候補を予定している保守系市議会議員お三方(浜野好明・安田義広・岡田静佳各氏)とともに「ところざわ未来フォーラム」を開催させていただきました。それ以外の保守系市議会議員の方々も駆け付けて下さいました。

 市民の方々から寄せていただいた質問や、茂木元大臣の講演をもとに、財政と高齢化の問題、都市間競争における所沢の魅力、子育て・女性活力支援、地域活性化や規制緩和・農業改革など、多様な論点を取り上げ、充実したディスカッションができました。所沢は都市と自然があって住みやすいし通勤の便もよく、西武球団や狭山茶などの名産もあるのですが、道路が混雑したり市の真ん中に米軍通信基地が存在するなど、これから改善すべき点もあります。この米軍通信基地については市民の方々も参加し米軍との調整も行っている基地対策協議会の功績もあり、東西連絡道路が平成30年度に完成、31年度の供用開始が見込まれています。

 財政についても高齢者の活躍支援や収入・支出の改革などで改善を目指そうという方針が示され、これからは地方のアイデアと国との連携が鍵になってくるということを確認し合って統一選必勝を誓い合いました。

 国も地方も課題解決は決して容易ではありませんが、是非前向きな議論・提言・実践を重ねて未来を切り開いていきたいと思います。

平成27年3月9日

[日本の夜明けを確かなものに]

 昨日3月8日、立党60年となる自民党の党大会が開催されました。

 安倍総理は演説で、経済政策をはじめ数々の難題にこれからも立ち向かい、4月の統一地方選に勝ち抜いて、たそがれから新しい朝を迎えた日本の夜明けを確かなものにしていこう、と力強く訴えました。

 地方創生のためにも、しっかり今回の統一地方選で私たちが議席を確保することが必要です。ご支援をどうぞよろしくお願い致します。

[伝統と不利益解消の両立を]

 私が出演したテレビ番組が3月2日に放送され、渋谷区で検討されている同性カップルを対象とした「パートナーシップ証明」が話題となりました。

 賃貸住宅への入居や病院での面会など、現在認められていない権利を認められるようにするという内容で、確かに性的マイノリティーの方々の不利益解消につながると思います。

 私は弁護士ですし、自分が同性愛者だとカミングアウトした友人もいますので、極力そうした方々の不利益や差別をなくしていくことに賛成する立場です。

 しかし、こうした問題はむしろ国として議論するべきだと思いますし、どういう要件でどういう効果を認めていくのかは慎重に検討しなければいけないと思いますので、上記番組では「現時点では議論が不十分で時期尚早」と申し上げた次第です。

 世界に目を転じると確かに同性婚まで認めている国が、特に先進国で増えています。しかし一方同性愛を刑罰をもって禁止している国もあります。婚姻制度がその国の伝統や文化に応じて多様であることの現れだと思います。

 少なくとも日本においては、婚姻制度は典型的には男女が子供をもうける共同体として理解されており、そしてそれに着目して法律上の相続や同居義務、各種の税制上の効果などが認められています。無論現在において子供のいない家庭や母子・父子家庭など、家族のあり方は多様化しており、それぞれに対して対応が求められていますが、やはり一般の経済ルールなどと違い、日本を支えてきたこうした伝統や家族のあり方は大切にしていくべきだと思うのです。

 ちなみに現行憲法は24条で、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と規定しており、同性婚を否定する根拠として引用されることがありますが、これは結婚に戸主の同意などを必要としないとして昔の「家」制度から婚姻を開放する趣旨に基づく規定です。ただ、やはり同性婚を認めるには不自然な文言であることは確かでしょう。

 同性婚を認めるべきという立場の方々からは、「認めることによってどういう不利益が生じるのか」との主張がなされます。これについては昔から世界中で様々な議論がなされていますので、ここで詳しくは触れません。ただ、上記放送の中で私は「同性婚が少子化に拍車をかけるのでないか」と発言し、これが物議を醸しました。

 同性婚を制度化した国には、出生率がその後上昇した国も低下した国もあり、確かにデータ上同性婚が少子化をもたらしたと断言はできません。ただ、出生率の上昇は同性婚を導入したことによってではなく、他の少子化対策によってもたらされた可能性も高いわけですから、少なくとも自然な方法で夫婦間に子供ができる可能性のない同性婚を進めることで出生率が上がるという根拠はないと言わざるを得ないでしょう。
 「同性カップルは別に同性婚を認めるかどうかにかかわらず異性との間で子供をもうけることはない。少子化とは無関係だ。」というご指摘も数多くいただきました。これも番組出演前から想定していたことで、確かにそういう事例が多いと思いますが、バイセクシャルで現行制度の中において異性間の結婚により子供をもうけている方もいらっしゃるはずですから、「少子化とは無関係だ」と断言することができるかは疑問です。
 なお、もし(体外受精を含めた)何らかの方法で、こうしたカップルの方が子供をもうけた場合、その子供のアイデンティティなどの議論も必要になってくるでしょう。

 繰り返しになりますが、性的マイノリティーの方々の不利益や差別は極力解消していかなければいけないという立場ですので、例えば任意後見制度など現行法上認められている手法でどこまでのことができるかを議論したり、場合によっては権利保護のために既存の法律を改正することには決して反対するものではありません。現に、放送でも申し上げましたが、性同一性障害者の性別変更を認める法律も施行されており、こうした要件や手続を満たせば、同性カップルも結婚することができます。ただ、不利益を極力解消することと、同性カップルに異性間と同じ結婚を正面から認めるということの間にはやはり差があると感じるのです。

 ちなみに、私が党のヘイトスピーチ対策プロジェクトチームの座長代理であることから、「性的マイノリティー差別を行うヘイトスピーチを行う人物がこのような役職に就くのは不適切だ」という書き込みがツイッター上見られますが、このブログをお読みいただければ全くそのような批判が当たらないことはお分かりだと思います。(もちろん、今世界で議論している「ヘイトクライム」や「ヘイトスピーチ」が単なるヘイト(嫌悪)と違うことも承知していますし、これが現行法上の名誉毀損罪や侮辱罪でカバーされない部分があることが問題であることも承知しています。)

 皆様のご理解をお願い致します。

平成27年2月4日

[平和への祈り]

 過激派組織「イスラム国(ISIL)」が後藤健二さんを殺害した映像を公開しました。犯人グループに対する強い憤りを覚えます。後藤さんのご冥福をお祈りするとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。

 後藤さんが外務省から3度にわたり渡航中止を求められながらも、危険な取材を敢行したことには色々意見が出されています。ご本人は高い志を持って行動されたと思いますが、結果として日本政府あげての対応がなされ、それにもかかわらず最悪の結果となってしまったこと、そしてISILの世界に向けたアピールに利用されてしまったことは残念としか言いようがありません。

 私は2008年、福田・麻生内閣において、外務政務官として北米と中東を担当していました。当時、邦人の殺害やテロはあっても今よりは中東は安定していました。しかしその後、シリアの内戦やアラブの春などを経て、過激派指導者が暴力を背景に一方的に国家樹立を宣言し、社会に不満を持つ若者を世界中からリクルートするに至り、事態は変質したのです。もはや世界の危機です。

 ISILは、2邦人殺害予告動画が公開された6日後、世界中の支持者にテロを起こすよう呼びかけるメッセージを公開しました。
 また、ジャーナリストの加賀孝英氏が一部メディアで、複数の日米情報当局関係者から得た情報として、
 「米情報当局は昨年秋、以下のような報告書をまとめた。『世界各国から約2万人がイスラム国に傭兵として参加している。日本人も数人いるとの情報もある。その中の選抜メンバーに母国への帰国、母国でのテロ攻撃の立案、決行が命令された』。各国の危機が高まった」
 「イスラム国は当初、安倍首相の中東歴訪を重要視していなかった。日本国内などの協力者が、歴訪に合わせて『世界が注目するチャンスだ』と入れ知恵した可能性が高い。この人物を絞り込みつつある」
と述べていることは注目に値します。

 また、今回の邦人人質事件について政府に抗議する日本のデモの写真を、ISILがツイートしたり、日本人がISILアカウントに数多くアクセスしていることからすれば、ISILが日本国内の反政府活動を自らのプロパガンダに利用したり、知らず知らずのうちにISILの活動と日本におけるこうした活動に接点が生じてしまう可能性が絶無とは言い切れません。

 今回の人質事件における政府の対応を検証することは、類似事案を防止するために有意義だと思いますし、その過程で場合によっては政府への批判が生じることもあるでしょう。そしてデモは健全な民主主義国家にあって表現の自由により保障されるべきものです。

 しかし、検証に際して外交や安全上の秘匿情報があるのは当然ですし、上記したとおりこの件に関する活動には慎重さが求められると思います。
 国際的に見て、日本政府の今回の事件への対応は高く評価するメディアが圧倒的であり、これから日本が、日本にできる方法で、国際社会と連携してISILの活動を抑止するよう、毅然と行動していくことが必要だと考えます。

 人質とされていたヨルダンのパイロットも殺害されていたことが明らかとなりました。テロ撲滅への道は平坦ではありませんし、取り締まりだけでは解決できない根深い背景がありますが、決して許さない姿勢を堅持して法対応も含めて対応していかねばなりません。
 皆様のご理解をお願い致します。

平成27年1月26日

[世界に目を向けて]

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による邦人人質事件には、本当に怒りを禁じ得ません。

 日本の人道支援に言いがかりをつけて2億ドルの身代金を要求したと思ったら、湯川さんの殺害場面の写真を後藤さんに持たせて、第三国であるヨルダンで収監されている自分たちの仲間の死刑囚を釈放するよう働きかけを要求する・・・余りに理不尽です。

 ある国の人間を拘束し、その国と親密な別の国に対して理不尽な要求をする人質事件が横行したら、外交関係はめちゃくちゃになり、こうした犯罪はさらに増えてしまいます。

 「イスラム国」は、世界から若者をリクルートし、独自の価値観で、イラクからシリアにかけての現在の支配地域のみならず、アフガニスタンやイラク北東部にも戦線を拡大しようと試み、敵対勢力へのテロ攻撃を促進しています。今回の事件で、グローバル化社会にあって世界中に行き来・滞在する日本人が、決してこうした案件を対岸の火事ととらえることができないことを改めて痛感しました。

 共産党の志位委員長はテレビ番組で、「このような残虐非道な蛮行は、絶対に許されるものではない。強く非難する。人質を直ちに解放することを強く要求する。政府は、人命最優先で、解放のために、あらゆる可能性・手段を追求して、全力をあげてほしい。」とコメントするとともに、犯人グループを批判せず安倍総理を批判した同党議員について、政府が全力を挙げて取り組んでいる最中にそのような発信をすることは不適切だと述べています。おっしゃるとおりだと思います。私も政府の対応を応援し、事件が一番よい方向で解決することを祈るとともに、こうしたテロときちんと対峙するための制度設計の議論を加速していきます。

 別件ですが、先日日本を訪問した、カート・キャンベル前米国国務次官補とマイケル・グリーン元米国家安全保障会議アジア部長を、稲田朋美政調会長や、党に設けられた日本の名誉を回復する特命委員会の中曽根弘文委員長たちとともにお迎えし、いわゆる慰安婦問題など戦後70年を迎える日本とアジアのこれからについて意見交換しました。未来志向で中国や韓国と関係改善するために、私たちは現在の問題として解決しなければいけない諸案件に対処していかなければいけないと申し上げました。

 この党の特命委員会では私が事務局長を務めており、同じく担当しているヘイトスピーチ問題などとともに道筋をつけるべく議論を加速し、提言にこぎつけることを目指します。

[難題山積の通常国会]

 これ以外にも、党の規制改革委員会のメンバーとして農協改革について議論したり、これからの財政再建について検討を本格化する作業に入ります。また、昨日開会した通常国会では、引き続き法務委員会に所属し、債権法や刑事訴訟法の大改正に取り組みます。
 まだまだ課題は山積していますが、これからも全力で走り続けることをお誓い致します。

平成27年1月19日

[政治の歯車を、前へ]

 昨夜、民主党の代表選が実施され、新代表に岡田克也氏が選出されました。

 私はこれからの日本が、自民・非自民の不毛な対立から、政策本位の真の二大政党制に向かうためには、いわゆるリベラル色を前面に出した長妻昭氏が選出されるべきだと(外野席の立場ではありましたが)思っていました。しかし、細野豪志氏が選ばれたら政界全体の世代交代が進むきっかけになるだろうとも思っていました。

 1回目の投票で細野氏がトップに立ったのはさすがだと思いました。
 おそらく自民党では40代の候補が(たとえ1回目でも)トップに立つことは難しいでしょう。しかし他国のリーダーを見ると、若手がトップに立つことは決しておかしいことではありません。

 ただ、党員・サポーター票を見ると、岡田氏が上回っています。実績と、細野氏が代表になった場合の保守系野党との連携への警戒があったと思われ、これはこれで理解できる結果です。
 続いて行われた決選投票の結果、3位の長妻氏に投じられた国会議員票の多くを獲得したと思われる岡田氏が、次の代表に選出されました。

 民主党の結束は保たれ、当面今の政界地図が変わることはないでしょう。しかし私は感じています。「理念本位の二大政党制」と「世代交代」は両立させるべき課題だと。そして政治の歯車を着実に前に進めるべく、私も頑張っていきます。

[エネルギー問題への第一歩]

 年末・年始には税制改正や予算の議論に加え、私が関心を寄せている公的金融問題の議論や、委員長を務めている党の再生可能エネルギー普及拡大委員会における再エネの系統接続制限問題の議論が活発になされました。

 前者においては、政策投資銀行や商工中金の民営化は残念ながら少し先の話になりました。現時点におけるセーフティーネット融資や成長マネーの出し手が、民間できちんと育っていないことに鑑みると、やむを得ないのかもしれません。ただ、そうした民間の資金の出し手を育てるための検討をきちんと行うよう強く要望し、この問題の検討PT根本匠座長の提言に折り込まれました。

 後者においては、旧電力会社が再エネの系統接続制限を容量不足を理由に無制限・無補償で行い、かつ家庭用小規模発電にも適用しようという内容の省令を、経産省がこの1月13日に施行しようとしていたことにストップをかけて議論を行い、接続可能量の再検証や、出力抑制する場合のルール・公表の仕組み、監視システムの早期の立ち上げなどを明記してもらうこと、小規模発電については地域ごとのより細かな基準を設けることなど、明記・修正してもらうことで了承しました。
 河野太郎議員をはじめ、メンバーの議員たちとの熱い論議で、よりよい内容になったと思います。また、パブリックコメントが単なるガス抜きではなく、制度をよりよくするための重要なプロセスであることもより明らかにできたと思います。

 エネルギー問題は原発再稼働や廃炉・除染も含め、これから難しい局面が続きます。これを第一歩としてこれからも頑張っていきます。

 講演依頼に地元イベント等、忙しい日々を全力でこれからも駆け抜けます。

平成27年1月7日

[切れ目なき活動]

 皆様におかれましては素晴らしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 当選の余韻を噛みしめるいとまもなく、昨年は12月30日まで党本部で税制改正の議論、年明けには地元回り、少し体を休めて昨日は党本部の仕事始めと、慌ただしい日程を過ごしました。

 税制改正論議は選挙後ということもあり、特に経済再生・地方創生に対する参加議員の熱心な議論が際立っていたと思います。
 メディアには「踏み込み不足」「金持ち優遇」などの批判もありますが、例えば私が(財政の党における政策責任者でありながら)法人税減税に向けて力を込めて進めてきたのは、「努力が報われ、世界に通用する日本」を創り上げるためでした。だからこそ、前回のこの欄に書かせていただいたとおり、利益が出なくても課税する外形標準課税の拡大には一定の理解を示しつつ、頑張る中小企業にはきちんと配慮する措置を設けるべきと主張してきたのです。結果として賃上げ分の付加価値額からの控除や付加価値額40億円未満企業の負担軽減などかなり満足できるものになったと自負しています。

 「地方重視」「中小企業重視」と言っても、結局のところは「お金を出せる人がきちんと地方でお金を回していく」ことを進めていかなければ、どんなに国がセーフティーネットを充実させても活力にはつながりません。その意味では、生前贈与の促進や新環境基準のエコカー減税などは、力になるだろうと思うのです。

 また、これはあまり報道されていないことですが、私が党の日本再生ビジョンで訴えた「金融改革」の一つである「銀行の事業会社の株式保有の見直し」についても対応がされています。保有株式に対する受取配当への課税強化です。グループ会社として必然的な株式保有や、受取配当が契約者配当金として利用される損保会社などに配慮しつつも、それ以外の課税を強化することで株式保有コストが引きあがることになります。

 オープンイノベーション型を拡充する研究開発税制の見直し、本社機能の地方移転なども税制の観点から後押ししていきます。

 無論税制だけではなく、さらなる景気対策も議論しています。円安による負担の軽減や地域振興券などに活用できる交付金の拡大など、単純なバラまきに陥らない、地域のアイデアも盛り込んだ景気対策がまとまったと思います。

[激動の予感]

 しかしながら、私の担当する、公的金融改革や総合取引所実現に向けたハードルは未だ高く、また再生可能エネルギーの普及に関しても、せっかく燃料電池や風力・熱活用などの事業が進もうとしているのに、キャパシティー不足を理由に接続制限が必要以上に拡大しようとしています。特区制度についてもさらにメニューや地域を充実していく必要があり、稲田政調会長が苦労されている規制改革も待ったなしです。

 安倍総理が「改革をさらに進める」と高らかに宣言していますが、一方で統一地方選や来年の参院選を考えると、そこにひきずられて改革のスピードが鈍るのでないかとの疑問の部分もあります。
 その意味からも、昨年違憲状態と判断された参議院選挙制度改革、野田前総理と安倍総理の約束である衆議院定数削減などを含め、きちんと進めていかなければいけません。

 社会保障制度をどうするのか、安全保障法制をどうするのか、難しい問題が山積しています。私は全力で今年も時に壁に体当たりし、安倍政権を支え、必要な時にはきちんと声をあげていく所存です。
 皆様の引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。

平成26年≫

平成26年12月12日

[感謝の向こうに]

 嵐のような選挙戦が終わり、本当に多くの方々の献身的なご尽力のおかげで5期目の当選を果たすことができました。

 師走の慌ただしい中、自らの仕事を持ちながら、また議会中にもかかわらず、連日選挙事務所に駆けつけていただいた民間企業の方々や市議会・町議会議員の方々、県議会議員、首長の方々、厳寒の駅頭に朝晩立ってパンフレットを配って下さった方々、ポスターの裏貼りや証紙貼り、選挙葉書の処理をして下さった方々、受付をして下さった方々、選挙カーを運転して下さったりウグイスをして下さった方々、各種団体で推薦をいただいた方々、必勝ビラを送って下さった方々、激励に訪れて下さったりメッセージを送って下さったりした本当に多くの方々・・・
 そして事務所のスタッフに、心から感謝申し上げます。

 改めて選挙は一人では何もできないということを痛感しました。それとともに、これからインターネットがますます発達する情報社会にあって、選挙の仕方も変化が必要になってくるのではないかとも感じました。これから検討していきたいと思います。

 他陣営も必死の選挙戦でした。
 ただ、広報物を見てかなり事実と違う記述がされていることには疑問を持ちましたし、特に書かれた問題の地元の当事者から「このような有権者を惑わすビラをまく候補には絶対負けないで下さい」というメールや激励もいくつもいただき、闘争心に火がついたのも事実です。

 小さい政府をより突き詰める維新の党と、平等色の濃い民主党・・・政治理念が正反対の両党が候補者調整をしたことも、どのように選挙に影響するか気掛かりでした。バラバラの政党が政権を取ったら大変だと理解していただけるとは思いましたが、事前の世論調査で自民党圧勝という報道が各社から出されたこともあり、自民党に対する批判票がかなり流れるのでないかとも感じたからです。

 地元の方々の反応は、序盤・中盤はかなり良かったですが、最後の2日間は他陣営の必死の巻き返しもあり、かなり押し込まれた感覚があります。楽な選挙などないのだと実感しています。

[皆様との約束]

 選挙戦を通じ、中小企業の皆さん・市民の皆さんが、肌感覚で景気回復が実感できるようにしたいと訴えてきました。国会に戻ったらすぐ税制改正や年末の予算の議論が待っています。
 まず消費税増税の延期をしっかり決めるとともに、ずっと取り組んできた法人税の減税を着実に実行したいと思います。ただ、それに伴い外形標準課税の強化が取り沙汰されているのが気掛かりです。
 私は党の財務金融部会長として、利益がなかなか上がらなくても真面目にチャレンジしている中小企業が損をしないよう、検討を深めていきます。

 この欄で議論をしており、応援に駆け付けて下さった塩崎厚生労働大臣も「この道のエキスパート」とおっしゃって下さっている、上場企業の企業統治のあり方(コーポレートガバナンス・コード)の策定もいよいよ大詰めですので、しっかり関与していきます。それ以外の諸課題にも全力で取り組みを進めます。

 地元に関係する課題としては、米軍通信基地の東西連絡道路の開設、国立リハビリテーションセンターへの東京パラリンピックトレーニング施設の誘致、三芳スマートインターのフル化といった公約に掲げた事柄の他、所沢駅前再開発や、西部・東部のインフラ開設などの利便化についても費用対効果の観点からきちんと後押ししていきたいと思います。

 皆様からいただいたご恩をしっかりお返しするよう全力を尽くしますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します!

平成26年12月2日

[いざ、出陣!]

 いよいよ今日、衆議院総選挙の公示日を迎えることとなりました。

 2年前皆様から再び信任をいただき、安倍政権が発足してから、総務副大臣として放送・情報通信・郵政・防災・地方行政などの課題に取り組み、衆議院内閣委員長として国家公務員法改正・国家戦略特別区域法制定などに尽力し、そして自民党財務金融部会長として、企業統治改革・法人税減税・消費税増税延期などに関わって参りました。

 地元においても、いかに国の財政が限られた中で有効なまちづくりをお手伝いできるかという観点で、浄化センター廃止に伴う所沢市の補助金返還負担の大幅な免除、米軍所沢通信基地東西連絡道路開通に向けた着実な取組み、三芳スマートインターチェンジフル化に向けた働きかけ、今年の豪雪被害における国の補償の充実、太陽光エネルギーの普及、商店街の活性化などで成果を挙げることができたと思います。

 対立候補が、例えば米軍所沢通信基地の問題が進んでいないと主張していますが、この間も所沢市の基地対策協議会が国や民間有識者たちと連携して着実に道路開設に向けたルートや費用の策定などを進めており、しかも国で今回日米ガイドラインの改定をした場合、様々な米軍基地問題における米国側の配慮・譲歩が進むことが期待されると私が自民党国防部会において防衛省に確認した事実もあります。目に見えなくてもしっかり物事が進んでおり、このような批判は当たりません。

 この2年間、アベノミクス「三本の矢」により雇用の改善、賃金の上昇など、景気には着実に明るい兆しが見えてきました。これに対し、野党は「雇用の改善といっても正規雇用が非正規になって数が増えているだけじゃないか」とか、「物価の上昇を考慮した実質賃金は減っているではないか」などと主張し、最低賃金の引き上げなどを主張しています。
 しかし、正規雇用はこの間9万人が主に高齢者の定年によって減っているのであり、若年層については逆に増える傾向です。かつ、雇用全体はこの間全体で100万人増え、有効求人倍率は22年ぶりの高水準、47都道府県全てでアップしています。実質賃金についても、主に消費税の引き上げに賃上げが追い付いていないことが伸び悩みの主要因であり、これは今回再増税の延期をすることによって解消が見込まれます。

 とはいえ、大企業を中心とした企業の高収益が、中小企業や地方、一人一人の暮らしに実感をもたらしているかと言えば、それはまだ道半ばであり、引き続き持続的な成長を全国津々浦々に届けることが私の使命であると確信しています。そして前回この欄で書いたとおり、そのためには第三の矢の充実などに民意の後押しが必要で、ここにこの度の解散の大義があるのです。

 加えて、外交・安全保障の強化、社会保障改革など、様々な課題が山積する中、今この歩みを止めたり逆戻りすることは許されません。

 私、しばやま昌彦は「正直者がバカを見ない社会の実現」という初当選以来持ち続けている熱い理念を忘れることなく、皆様とともにこの戦いを勝ち抜いていく強い決意です。野党が候補者を一本化するなど、報道よりはるかに厳しい戦いが予想されますが、理念なき数合わせではこの国が混乱することはこれまでの幾多の事例から明らかです。是非とも変わらぬご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます!

[景気回復、この道しかない。~しばやま昌彦5つの覚悟]

 前回のこの欄で言及しましたが、円安対策や中小企業対策など、アベノミクスをさらに行き届いたものに強化し、併せて私が今回皆様に発表する公約は以下のとおりです。

1.持続的な成長戦略の加速と実質賃金の上昇!
 ~経済再生・財政再建という車の両輪を進めます~
 ・消費税引き上げの延期
 ・エネルギー価格対策、老朽インフラ整備、イノベーション支援やクールジャパン戦略などの景気対策
 ・財政健全化への着実な取組み(目標の堅持)
 ・成長志向型の法人税改革→数年で法人実効税率を20%台に引き下げ、中小企業の理不尽な負担は回避
 ・コーポレートガバナンスの強化、賃金や下請けへの配慮の要請
 ・公的・準公的資金(GPIF等)のあり方の見直し

2.地方創生/中堅・中小企業、農業等の活性化!
 ~地方創生により、雇用と賃金を増やします~
 ・まち・ひと・しごとづくり、人口減少による空き家問題への対処など
 ・IT利活用を含む地域活性化の推進、戦略産業の育成
 ・地産地消、6次産業化・輸出促進などによる攻めの農業
 ・三芳スマートインターチェンジのフル化
 ・国立障害者リハビリテーションセンターへの東京パラリンピックトレーニングルーム施設の誘致などを通じた地域活性化
 ・原発依存度低下と「新エネルギー戦略」の構築

3.女性の活躍支援と、働き方改革、社会保障制度の充実!
 ~暮らしの安心・安全を守ります~
 ・子育て新制度・学童保育などの充実
 ・「103万円の壁」「130万円の壁」などの見直し、多様な働き方の支援と処遇改善
 ・健康産業活性化と、後発薬の役割・予防インセンティブ・保険外併用療養費制度などを重視した医療、救急医療とかかりつけ医の役割分担
 ・自治体と連携した介護の改革、自立を前提とした生活保護制度の見直し

4.憲法改正、外交・総合安全保障の確立!
 ~地球儀を俯瞰した積極的平和外交を推進します~
 ・積極的平和外交の推進による国際平和への貢献、正確な情報発信
 ・自らが自らの国を守れる体制づくりに向けた新憲法の制定
 ・北朝鮮による拉致問題、核ミサイル問題、テロなどへの対処

5.未来に向けた国づくりの推進
 ~教育制度の充実、自らの身を切る改革を断行します~
 ・世代を超えた教育の充実、土曜授業促進や教科書検定・採択制度の見直し、大学改革、英語教育の充実
 ・国民の期待に応えうる定数削減を含めた国会改革、行政改革など、国家統治機構の大幅な見直し
 ・大震災等、非常事態に対応した「国家緊急事態体制」の整備

平成26年11月22日

[解散の裏側]

 衆議院は昨日11月21日、解散されました。

 突然の解散と思えたのは、前回11月4日のブログにも書いたとおり、日銀がいわゆる「黒田バズーカ」とも言える大胆な国債の買い入れ額増加等を内容とする金融緩和を発表したことが、市場のテコ入れを通じて「景気は支えるし、財政カードも切ってしまったから、消費税率は予定どおり上げて欲しい」というメッセージそのものだったからです。

 消費税率引き上げを、三党合意という国会の圧倒的な数による決定を(たとえ景気条項で法律上認められているとはいえ)、覆して延期することは、国民の意思を問う正当な理由になると思ってはいました。しかし上記のとおりそれが遠のいたかと思ったのを、17日に発表された7-9月期の実質GDPが吹き飛ばしました。
 前期比マイナス0.4パーセント、年率換算マイナス1.6パーセントと、この予想外の落ち込みではやはり消費税率引き上げは延期せざるを得ません。

 野党の皆さんは「この落ち込みはアベノミクスの失敗だ」と言われますが、全くのお門違いです。
そもそも今回の消費増税行程は、通常の「●パーセント引き上げ」というのみならず、「今年の4月に3パーセント、来年の10月に2パーセント」という極めて短期の間に2回引き上げるというものだったため、国民の間には「大きな買い物はとにかく前倒ししなければ」という駆け込み需要が相当大きくあったのです。その反動減が深く長いものであることは、ベースとして実施されているアベノミクスの失敗とは結びつきません。現に、11月14日から16日にかけての日本テレビの世論調査でも、「あなたは消費税率の10パーセントへの引き上げが先送りされた場合、それはアベノミクスが失敗したことだと思うか」という問いに対し、思うと答えたのは32パーセント、思わないと答えたのは51パーセントだったのです。

 今回の解散の大きなテーマは「アベノミクス是か非か」であり、それは取りも直さず「三本の矢のうち本当に重要な第三の矢、すなわち規制改革などの成長戦略」を進めることの是非でもあります。自民党内でもいわゆる岩盤規制の改革にかなり抵抗があり、安倍総理の支持率が下がるようなことがあれば途端に「安倍おろし」が起きる可能性もあります。

 野党が批判し、身内からの異論もあるこのアベノミクスを、さらに力強く進めるためには、再度の民意の支持が必要なのです。

 もちろん、この欄に書いたとおり、行き過ぎた円安の副作用に対する対策も必要ですし、大きなテーマとなっている「地方創生」のためにも、地方や中小企業で、また家計のうえで、アベノミクスを実感できるように行き届いた対応が必要になります。それを付加的に政権公約に掲げたものを、後日この欄でも紹介致します。
 野党はまた耳触りのよいバラまき政策を打ち出してくる可能性がありますが、是非グローバル化した中における日本のあり方として、私たちの公約とどちらがふさわしいか、冷静にご判断いただければ幸いです。

 師走の選挙でご迷惑をおかけしますが、ご理解賜りますようお願い致します。

 野党の皆さんは、集団的自衛権・特定秘密保護法隠しだともおっしゃいますが、全く隠すつもりはありません。日本を取り巻く環境の変化に応じ、しっかり法律で歯止めをかけながらこうした取り組みを進めることが重要です。
 また、定数削減の野田前総理との約束が反故にされているとも主張されていますが、これについては自民党は明確に、衆議院において選挙区5の定数削減に加えて比例区も30減らすという案を主張しています。それを野党が受け入れず、国会全体の問題なので第三者委員会を設置してその答申を尊重して議論しようという中での今回の解散であること、既に違憲状態とされた選挙区の定数削減は今回の選挙で実現していることを、是非ご理解いただければ幸いです。

 しっかりと頑張り抜くことをお誓い申し上げます!

平成26年11月4日

[日銀の断固たるメッセージは・・・]

 日銀が10月31日、金融政策決定会合で、資金供給量・長期国債の買い入れ量を共に年間80兆円に拡大するなどの追加緩和策を決定したことに、市場は大きく反応しています。

 折しも直前の29日、FRB(米連邦準備理事会)が、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、好景気を理由に10月一杯で量的緩和を終了することを決定したばかりでした。このタイミングでの日銀の上記発表は影響を倍増させました。

 私は自民党の財務金融部会長として、経済情勢や年末の消費税増税について次のとおりコメントしてきました。
 「米国の利上げ観測がくすぶる中、日本が追加緩和を行うと言った瞬間、円安は加速する。アベノミクスは正しい道を進んでいるが、行き過ぎた円安は8%への消費増税と相まって中小企業の経営を圧迫し、実質賃金の伸び悩みをもたらす副作用をもたらす可能性がある。(10月14日、ロイター)」
 「日本経済は消費増税の反動による消費の落ち込みなどが厳しく、現時点では10%への消費税再増税に耐える力はまだ戻っていない。これから年末にかけて発表される経済指標が景気回復の兆しを見せるものでなければ、勇気を持って増税延期を決断すべきであり、金融緩和はその決断によって生じるかもしれない不測の事態に備えたカードとして取っておくべきだ。(10月28日、ブルームバーグ)」

 しかしこれに対し、日銀は真っ向から逆のメッセージを発したというわけです。記者たちにコメントを求められ、私はただ一言言いました。「日銀のメッセージはただ一つです」
・・・消費税を予定どおり10%に引き上げるため、市場のテコ入れを図ったとしか考えられないという意味でした。

 しかし今回の決定が5対4というギリギリの判断だったことからわかるとおり、これからの道は困難を極めることが予想されます。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産運用が国債から株式への大幅なシフトをもたらすことが発表されたことを考えると、確かに政策に整合性は取れていると思いますが(国債の消化可能性は確保)、中小企業・低所得者対策をきちんと講じつつ、いかに財政規律を保って「第三の矢」による成長を目指すかが問われます。

 課題は山積しています。
 衆議院では労働者派遣法改正案が質疑入りしました。これまで硬直的で実態にそぐわなかった法規制を緩和しつつ、派遣社員の意に反する固定化がされないよう、延長のための手続の法定や雇用安定措置・教育訓練の充実などを内容としたものですが、民主党などが強硬に反対しています。新産業の起爆剤となり得るIR(カジノ)法案の今国会での成立も微妙になってきました。
 また、私も関与している規制緩和や国家戦略特区の充実、歳出の合理化も政治的に大きなパワーを必要とします。

 「政治とカネ」で揺れる国会ですが、重要課題にはしっかり対応することが求められます。折しも総理が予算委員会で、3年前に私が当時の枝野官房長官に対して行った革マル派に関する国会質問に言及されて話題を呼んでいますが、これは「政策論議が重要だ」という意図を持ってなされた発言であると理解しています。

 さらに、10月30日には党本部にて、「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」が立ち上がりました。過去の日本の慰安婦問題などに関する名誉を回復し、外交上生かしていくための重要な委員会で、私が事務局長を拝命することになっています。

 引き続き全力で頑張りますので、ご指導賜りますようよろしくお願い致します。

平成26年10月13日

[エネルギー政策の重要な局面]

 原子力規制委員会が、福島第一原発事故について検証した中間報告書をまとめました。

 炉心溶融などの原因について、国会事故調査委員会は地震の揺れである可能性を示唆していましたが、今回の報告書はそれを否定して「津波による浸水が原因」であるとの見解を示しています。

 10月10日に実施された自民党原子力規制に関するプロジェクトチームの会合で、規制委員会からこの報告書を英文にして対外的に発信すると表明がありました。しかし私はこれは極めて慎重に行わなければいけないと思っています。

 この報告書に従えば、福島第一原発で事故を起こし、今なお多くの放射線を出し続け、地域住民の生活を一変させた、1970年代から稼働している最古の格納容器マークⅠを擁する福島第一原発は、マグニチュード9、震度6強の地震があっても、津波さえなければシビアアクシデントは起きなかったということになります。
 原発が世界各国で製造されようとしているこの時期にこの報告書がもたらす影響は極めて大きく、日本の原発の安全性確保に向けた取り組みや対外戦略が修正を余儀なくされる可能性もあります。

 私は上記自民党の会合で、国会事故調のメンバーをこの報告書作成にあたって関与させたのか、発表した後に誤りだったということのないように反対論を含めた分析を充分行うべきでないかと意見を述べました。
 規制委員会側の説明では、国会事故調は既に解散しておりメンバーを関与させてはおらず、この報告書を送付はしたが現時点で異論を受けていないとのこと。また、現在規制委員会が作成している原発の安全性基準をこの報告書により緩和することはないとのこと。

 手続としてそれで充分なのでしょうか。また、現在の安全性基準がそのままということは、それが過剰規制だと世界から指摘されないのでしょうか。

 折しも、九州電力などで太陽光発電の新規購入が見直される動きが相次いでいます。固定価格買取り制度で割高になっていることは確かに大きな原因だと思いますが、今後の発送電分離を見越した送電線投資、電力の会社間の融通の拡大、高度システムによる需給調整、料金制度の改革などをしっかり進めないと、原発への依存度低減や再生可能エネルギー普及が進まないことになりかねません。

 原発先進国のフランスですら、原発依存度を今後減らす方針を明確にしているのです。日本が時代に逆行した政策を取らないよう、しっかりチェックしていきます。

[首の回らない日々]

 党の幹部や同僚から、引き続き次々と電話による仕事の依頼が相次いでいます。上記エネルギー問題でも今度設置するという委員会の委員長を依頼されました。いつも「それは〇〇さんの方が適任では・・・」と訴えるのですが、なかなか効を奏しません。地方創生、TPP、皇室問題・・・様々な課題を担当します。
 また、予算委員会が終わって衆議院では各委員会の審議が始まっていますが、私は法務委員会の与党を代表しての運営責任者である筆頭理事を拝命することとなりました。党の財務金融部会長である以上、衆議院でも財務金融委員会の理事を務めるのが慣例なのですが、そちらは通常の委員でよいから法務委員会の筆頭理事をせよとの自民党国会対策委員会からの指示・・・かくなるうえは、法務委員会の進行がそれだけ大事な局面なのだと自らを納得させ、全力で取り組むしかありません。

 各種セミナーや講演、(内外含めた)取材、シーズンを迎えた地元イベントなど、目の回る忙しさですが、見ている人が見ていると信じ、首の回らない中でこれからも頑張ります。

平成26年10月5日

[悲しみを超えて]

 9月27日の御嶽山の噴火は、自然災害の恐ろしさを改めて感じる大惨事となりました。

 このブログを書いている時点で51名もの方が亡くなられており、行方不明の方も数多く残っています。亡くなられた方々とそのご遺族に心からお悔やみを申し上げるとともに、政府には引き続き救助活動や周囲の方々の安全確保など、必要な措置を迅速に取るよう求めます。

 広島の土砂災害もそうですが、こうした一つ一つの災害の教訓を生かし、悲しみを超えて、減災・避難などの取組みをさらに進めていかなければいけません。副大臣をしていた総務省は消防行政を所管していましたが、政府全体の課題だと思います。

[始まった論戦]

 いよいよ秋の臨時国会が始まりました。各党の質問は、景気対策などしっかり受け止めるべきものもありますが、今の政権とそもそも寄って立つ理念の違いを示すものもあります。

 基本的に安倍政権の考え方は、自助・共助の理念に基づいています。すなわち、
「これからの少子高齢化に対応するため、活力を生む様々な創意工夫を応援する」
「複雑化する国際社会に対応するため、外交力・自衛力等国益を守る多様な手段を確保する」
という前向きなものです。

 例えば武装集団「イスラム国」への対応に見るまでもなく、国際社会が武力を含む辛い選択をせざるを得ない時、日本はいつまで異質であると主張し続けることができるのでしょうか。そもそも、今の国連を、日本が中心となって安全保障理事会など根本的に改革する必要があるのではないでしょうか。野党の集団的自衛権をめぐる議論を見ると、認識がきちんと持てているのか不安になります。

 民主党の海江田代表は、私たちが懸命に取り組んできたGPIF改革による年金積立金運用の改善を「株価操作」と切り捨て、産業構造の変化に対応したり実態に即した雇用条件の改善を目指したりしようとしている労働法制改革にも後ろ向きです。
 みんなの党の浅尾代表も、郵政に関して私たちの改革・民営化路線に対抗し、ゆうちょ銀行の資本を国が主導して減少して復興財源にあてるよう主張しています。

 特に後者は総務副大臣として関心を持ってきた分野です。日本郵政は上場に向けて幹事会社を11社決定し(私は日本郵政の金融子会社であるゆうちょ銀行やかんぽ生命の上場も行うべきと主張しています)、民間への株式売却によって国の財政改善を図ろうとしています。ゆうちょ銀行の資本減少をするかどうかも基本的に民間企業が経営戦略に基づいて決めることです。
 ちなみに郵政はお荷物とみられてきた日本郵便も、物流改革や不動産活用など、積極的な民間経営で利益を生む体質に生まれ変わりつつあります。この前向きな流れを逆行させるべきではありません。

 やはり、理念や哲学が違う政党とは明確に一線を画すべきです。そして、方向性の違う野党が「非自民」の旗のもとに結集することも国民のためにはならないと確信しています。

平成26年9月20日

[静かにして断固たる船出]

 党の情報調査局長、財務金融部会長を拝命することが決まり、早速活動を開始しました。

 情報調査局長の活動としては、次長となる議員を数名決め、お願いする作業をしています。また、報道をはじめとする情報の収集及び分析、党の各部局へのフィードバックのシステムを再構築しました。

 財務金融部会長の活動としては・・・

 まず前回のブログで述べたような私の財政や金融に関する問題意識を共有できる部会長代理や副部会長の選任を目指し(とはいえ、党の公的な組織ですから、党サイドとも協議のうえ質・数双方の観点から充実した陣営としました)、全員に私から直接就任のお願いをし、快諾をいただきました。

 そして財務省や金融庁から、所管業務についてや部会の進め方などについてヒアリングを連日続けています。
 その過程で、内容などで納得のできない点を忌憚なく述べさせてもらったり、他分野を所管する議員や省庁との調整をお願いしたり、私が重要と考える分野を部会の議題に加えてもらったり、様々なキャッチボールをしています。

 いくつか例を挙げれば、来週の24日に、いつも党の内閣部会(私が衆議院の委員長をしていた内閣委員会の党での検討組織にあたり、省庁横断案件を扱う)で内閣府の月例経済報告を検討する会議が開かれるのですが、今年末の消費税の扱いをどうするかの判断に景気動向が密接にかかわっていることや、この場で日銀からも金融経済月報や短観(全国企業短期経済観測調査)などの報告があることから、これからしばらくは特別に、当該会議を財務金融部会との合同会議として欲しい旨、秋元司内閣部会長に私からお願いして快諾をいただきました。ここでしっかりと経済動向について私たち財務金融部会のメンバーにも議論に参加させていただき、関連する金融政策についても色々意見を申し上げるつもりです。

 また、その次に開催される部会で、臨時国会提出予定法案を議論する際に、追加議題として、日本再興戦略で「東京証券取引所と金融庁を共同事務局とする有識者会議において、秋頃までを目途に基本的な考え方を取りまとめ、東京証券取引所が、来年の株主総会のシーズンに間に合うよう新たに」策定すると明定された(というか、塩崎恭久議員や私たちが明定させた)コーポレートガバナンスコードの検討の進捗状況報告を盛り込みました。

 それ以外にも(既に議員立法まで準備されている)証券・商品などの総合取引所実現のための準備状況をどうチェックするか、金商法におけるプロ向けファンドについてどのような考えでどう規制について検討していくのか、日進月歩の決済システムについての規律をどうするか、法人税改革に伴う財源をどうするか(一義的には党税制調査会の議題ですがこちらでも検討)など、目先の課題は山積しています。厚労省で議論しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革も財政や金融市場に関係がありますので、注視する必要があります。
 また、前回のブログにも書きましたが、特例公債法(法改正によりかつてのように毎年は議決を政局に絡めることはできなくなりました)の関係で、歳出改革をどのように目指していくのかも考えていかなければいけません。

 奇をてらったことはするつもりはありません。しかし、静かにして断固たる船出を目指します。

[相次ぐ仕事の依頼]

 これら以外にも仕事の依頼が相次ぎ、地元に帰る時間を取ることがますます難しくなってくると思います。しかしここでしっかり汗をかくことが日本の再生のために必要だと自分に言い聞かせ、努力を重ねて参ります。

平成26年9月13日

[異例の人事]

 9月3日以降、順次内閣改造・自民党役員人事の変更が行われています。

 今回の内閣改造は、支持率が高水準の中で挙党体制の確立のため行われたとあり、なかなか難しいものがあったと思います。ただ、政権が女性の活躍を広く応援する立場を明確にしたこともあって、
1.主要閣僚の留任
2.過去最多の5名の女性閣僚の登用
3.未入閣の先輩方からの選任
というコンセプトでの改造が、国民の方々の一定の理解を得られたことにはホッと胸をなでおろしています。

 党人事についても、野党時代の自民党の党勢回復に尽力した谷垣禎一元総裁を幹事長に登用するといったサプライズが好感を持たれました。

 今回の改造に際して、地元をはじめ多くの方々から私の処遇への期待の声をいただき(Yahooで私の名前を検索すると「入閣」というキーワードが出てきます)光栄だったのですが、私自身は上記コンセプトがある程度わかっていましたので、「今回は大それたことは考えておらず、与えられた持ち場で全力を尽くします」とコメントしていました。

[実はこだわっていた役職]

 しかし実はその陰で、是非やりたい役職があったのです。今回の組閣に先立ち、未入閣で当選回数5回以下の自民党の全議員に対し、幹事長室から希望役職調査票が配られたのですが、そこにある第1希望から第5希望の欄で私がたった一つ書いたのが、「財務金融部会長」でした。

 これは党の中で、財務省や金融庁が所管する法案などについての検討を行う、財務金融部会の責任者です。これから大変な局面を迎える消費税率の再引き上げや、法人税率の引き下げなどは、党の税制調査会において議論するのですが、財務金融部会長になると(他の部会長もですが)他の議員に先立って発言する権利も与えられます。

 今年の前半、党内で成長戦略(日本再生ビジョン。これが政府が発表した「日本再興戦略]の原案になった)を作る際、塩崎恭久政調会長代理の命を受けて、「法人税率の引き下げ」「コーポレートガバナンス改革」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革」「総合取引所の実現」「株式持ち合いの見直し」「地方金融の見直し」などの、提言の柱とも言える部分の作成に関わりました。
 ゴールデンウィーク期間中、深夜や早朝にメールのやり取りをしたり、議員会館で財務・金融当局と火花を散らせる激論を交わしたりしてようやく取りまとめられたのが今回の提言です。

 また、国際競争力を高める観点からの法人税率の引き下げについては、若手の経済に関心のある議員たちとともに勉強会を立ち上げ、当初は消極的だった党の税制調査会を動かし、来年度から実施するという文言を入れてもらいました。

 おかげさまで今回の成長戦略は好感をもって受け止められましたが、これをしっかり実現するためには不断のチェックが必要です。
 また、夏の概算要求が合計で初の100兆円に達し、このままでは財政再建に大きな足かせになると感じています。確かに「地方再生」「国土強靭化」は重要なテーマですが、歳出の効率化や改革はしっかり進めていかないといけません。

 より根本的には、大量の国債を日銀が引き受けたり、公的金融機関や公的ファンドが拡大を続けるという現状が果たしてどこまで続くのか、という懸念があります。
 時には民間の市場マインドを持たねばならない金融当局と、金利の暴騰による国債の返済不能を防がなくてはいけない財務当局のマインドがずれる場合もあるのではないか、そしてかつて小泉政権のもとで目指されたような、規制緩和と事後チェック機能の強化、公的金融の民営化へのシフトという方向が、真の強い経済のためには必要なのではないか・・・

 しかし残念ながら、こういったメンタリティーを持つ議員は、自民党の中では(少なくとも幹部クラスでは)少数派と言わざるを得ません。「上げ潮派」「改革派」の政策は確かにデフレ下にあってはそぐわないものもあるでしょうが、これからは二大政党制の時代です。日本の力強い未来のためにも、私のような人間が、自民党の財務金融部会長になって政策に関与することが持つ意味は極めて大きいと自負しているのです。

[激動の10日間]

 9月3日午後、就任したての稲田朋美政調会長から私の携帯電話に連絡がありました。「安倍総理は今回の人事に賭けている。政調会長のもとに少人数からなる政策検討チームを作るので、是非そのメンバーに入って欲しい。」というものでした。それに対して私が「政調会長、私の希望役職調査票をご覧いただいていますか?」と尋ねると「まだ見ていません。」とのこと。「会長を直接支える立場も大変光栄だと思いますが、私は今回財務金融部会長のポストにかなりこだわりを持っています。どうか各議員の希望役職をご覧のうえ検討いただき、再度お電話をいただけますか?」とお返事しました。
 同日夜、党の行政改革本部長に内定した河野太郎議員からも電話があり、「行政改革に力を貸して欲しい。是非副本部長を受けて欲しい。」とご連絡がありました。私は自民党の無駄撲滅プロジェクトチームの一員として河野議員と仕事をしていましたし、確かに歳出削減は今回の私のテーマではあったのですが、私からは「現在政調会長と部会長人事で調整中なので追って連絡します。」とお答えしました。
 後日、谷垣禎一幹事長からも携帯電話に直接連絡がありました。「平将明さんの後任の情報調査局長をお願いできないか。」という趣旨でした。情報調査局長は、報道をはじめ様々な情報を収集し、分析のうえ広報本部や必要な各部局にフィードバックする大切な役職です。しかし私からはここでも「現在政調会長と部会長人事で調整中なのですが、兼職が可能か教えていただけますでしょうか。」と僭越ながらお答えしました。

 参議院の役職が未定ということもあって人事が難航する中、色々調整をしていただき、幹部の皆さんには大変ご迷惑をおかけしました。人事案件は党総務会での承認手続が必要ということもあって、揉めることはないだろうかと胃の痛い日々が続きましたが、結果として、私の人事は、党情報調査局長兼財務金融部会長ということに落ち着きました。行政改革副本部長のポストは結果としてお受けできませんでしたが、歳出削減の観点から行政改革本部とは密に連携を取り合うということになりました。

 実は党の国会対策委員会からも連絡があり、まだ大きな役職を受けることになりそうですが、決まったらまたお知らせする所存です。また国会が忙しくなると地元日程や講演依頼などとの調整が難しくなりそうですが、全力を尽くして参ります。

平成26年8月24日

[内外の悲報]

 広島市で発生した土砂災害で、既に46人の方の死亡が確認されています。行方不明の方は41人。一刻も早い救出を祈るばかりです。

 この夏は猛暑のみならず、前線の停滞により日本の特定の地域で大変な豪雨となったのが大きな特徴です。温暖化対策も急務であると実感します。

 目を海外に転じれば、中東地区での市民を巻き込んだ戦闘、イラクの政変、諸外国からの関与もある過激派の動向などが、ニュースや動画サイトなどで注目を集めています。米国がどのような対応をするかが注目されますが、おそらく極東対応(米中軍用機接近など)でかなり勢力が分散されることに鑑みれば、日本もそれぞれの問題で応分の筋を通すことが求められます。

 私の立場でも提言・活動をしていきたいと思います。

[慰安婦問題などで進展]

 8月21日、政府が進めているいわゆる慰安婦問題の検証の報告と今後どうするかの検討が、自民党本部にて行われました。

 政府は対象となっている女性の日本軍による強制連行はなかったと主張していますが、これまでの河野談話はそれと食い違う表現となっており、それが国内の歴史教科書の記述や諸外国での日本の評価に悪影響を与えていました。

 この日の検証では、韓国がこの問題の金銭的補償請求権を不問とする旨明言しながら、日本側の談話の作成・修文に強く関与していた様子が明らかにされました。要は、もう蒸し返さない代わりに事実と異なる談話を出さされたという日本の外交的配慮に基づくものだったということです。

 今回朝日新聞の検証記事でこの問題が再度クローズアップされましたが、私はこの日の会議で、「今後教科書検定の変更や国内啓発を進めるためにはさらなるしっかりとした事実の発信行為が必要であるし、米国で慰安婦の石碑などが韓国コミュニティーのロビイングで建設が進むことを例えば訴訟などで阻止したりすることも、世界的な人権機関のお墨付きがなければ難しいだろう。そのための対外的働きかけも不可欠だ。」と発言しました。
 併せて、今党内で検討していると報じられているいわゆるヘイトスピーチの規制に関しても、「この慰安婦問題など根底にある部分の解決が必要な中、表現行為の規制は内容・手段等慎重にするべきだ。」と発言しました。

 高市政調会長は、今後政府に新たな談話の発表を求める提言を党としてしたいとするとともに、ヘイトスピーチに関してはそれを特別の規制対象とすることはないと明言しました。

[裁判員裁判の意義]

 この日別の会議では、児童虐待死事案で裁判員の関与した判決が、被告夫婦に検察が求刑した懲役10年を上回る15年の判決だったのを、最高裁が破棄して10年と8年とした事案も議論されました。

 判決では他の判決との公平性を破棄の理由と訴えていますが、これまで被害者や国民の感情とかけ離れた軽い判決が続いたのを是正するのも裁判員制度の導入趣旨であることに鑑みれば、比較するのは「他の判決」ではなく「他の裁判員判決」であるはずです。しかも、本件のような児童虐待事案などについては、その緻密な類型化が進められているのはつい最近のことだと思います。

 これまでの裁判に問題があったという認識を持たず、裁判員裁判がこれまでの判決と異なる刑を出すにはその根拠が具体的・説得的に判示されるべきであるとか、裁判員間の評議が十分なされたと思えないとか判断するのは、司法官僚の上から目線に基づくものではないでしょうか。

 会議で私は、検察も含め、過去の量刑を考慮する際はそれが裁判員裁判によるものなのか、またいかなる事案に基づくものかを精査し、裁判員裁判の趣旨を没却しないように強く訴えました。

[地元の行事も佳境]

 夏祭りなど地元の行事を精力的に回り、沢山のご激励をいただいています。これからもしっかり頑張ります。

平成26年7月28日

[怒涛の出張]

 6月下旬、地域振興・科学技術や戦没者追悼式への出席のため沖縄に内閣委員会として出張しましたが、この7月20日から26日まで、インドネシア、シンガポール、インドと同じく委員会として出張しました。

1.最初の訪問国は、大統領選投票直後のインドネシア。庶民派ジョコ氏が接戦を制するのでないかという報道の中、イスラム圏ではあっても安定した社会・経済情勢であることが伺えました。ここでは「クールジャパン」の具体的な展開を視察するとともに、今後の課題を調査しました。

 AKB48にならって結成され、日本のメディアでも取り上げられた「JKT48」のステージでは、日本から参加したメンバーが活躍している様を見ましたし、伊藤忠商事と仮面ライダーでおなじみの石森プロが製作した「ガルーダ戦士BIMA」では、日本の子供向け戦隊番組に現地スタッフによる「ローカライズ(その地方ならではの味付け)」がうまくはまって大ヒットしている様も見ました。

 ともすると日本の素晴らしさをアピールしようと焦りがちですが、まず「何が現地で受け入れられるのか」を、現地の方々の視点も交えて入念に市場調査することが必要です。この点は私が総務副大臣の頃から繰り返し主張してきたところです。

 また、日本のサービスや物のコスト高が他のアジア国との競争のネックになっている問題も如実にわかりました。特にビジネス展開初期における日本の支援が不可欠であることがわかるとともに、著作権の二次利用やキャラクターグッズないしイベントなど波及効果をもたらす産業の裾野をいかに広げるかも課題として痛感しました。
 日本の農産物の輸出などは、ハラルフーズ認証(イスラム圏ならではの食材や調理法の制限を守っていることの認証)や検疫などの壁はありますが、高品質や安全を売りに、富裕層相手のビジネスチャンスはあると感じました。他の日本企業の事業展開には外資規制などの問題もあります。現地でのロビイングのみならず国として交渉することも必要です。

2.二番目の訪問国は、IR(カジノ)法案の参考のため、日本が見習うべきと考えたシンガポールです。他にIT教育の先端であるフューチャースクールの一つ義安中学での実態調査や、日本でのGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)改革の手本となり得るGIC(シンガポール政府投資公社)の訪問・ヒアリングも行いました。

 ちなみにフューチャースクールは日本よりかなり先を走っている状況で、全生徒のIT環境の整備はもとより、課題解決のために、学校横断組織の研究機関が立ち上がっていたり、生徒のITリテラシーやマナーへの配慮もありました。各中学生が3Dプリンターを使いこなせるというのはすごいです。
 GICは、専門家による理事会が(政府の任命、方針の承認というフィルターはあるものの)ガバナンスをするシステムになっており、外貨準備高を元手に「いかなる額を、いかなる期間で」運用するかを、取ることのできるリスクなどをもとに純理論的に検討している様子がよくわかりました。

 カジノについては、内閣委員会で臨時国会の目玉法案となることもあり、ビジネスマン向けと言われるマリーナ・ベイ・サンズホテルと、家族向けと言われるリゾート・ワールド・セントーサを共に視察し、前者については実際に宿泊するとともに小一時間ではありますが実際に手持ちのお金で体験もしてみました。(ちなみにルーレットを細々とやって日本円で400円強の負けでした)

 前者は米国資本が経営主体であり、豪華さが売りとなっていながらも入場規制などが極めて厳格になっている様子がわかりました。後者はシンガポール資本が主体であって、訪れるお客さんのリゾートニーズを巧みにつかみながらお金を落としてもらう様子、最新鋭のIC活用などの工夫がわかりました。

 2010年にカジノをスタートしてから観光客が2倍近くに増え、施設の収益も大きく改善するなど効果があることはわかりましたが、ギャンブル依存症やマネーロンダリングなどの弊害をどのように防止するかが重要な関心事です。

 この点シンガポールではカジノスタートの5年前から対策組織や法律を整備するなど綿密に準備を重ねてきました。
 カジノ規制庁、社会家庭振興省、警察当局をはじめとした政府各機関が、カジノへの入場規制や顧客登録制度の厳格化、業者のプロファイリングの徹底、限度額規制、家族からの中止申し出の制度化、国際的な犯罪防止協力などで協力し合っている様子が伺えました。マカオや韓国などの事例と一味違うと感じましたが、これらについては秋に始まる国会でしっかり議論してもらいたいと思います。

3.最後の訪問国は、マイナンバー制度と生体認証(指紋、虹彩、顔写真)を結び付けて住民登録を整備しているインドです。通信IT省やユニークID庁といった機関を訪れ、その効用とセキュリティーやプライバシーなどへの配慮についてのヒアリングを行いました。

 貧富の差が激しく、福祉サービスが十分行き渡らないインドでは、女性や子供の保健衛生の確保とともにこうした徹底した住民登録制度が必要なのだと痛感しました。そしてNECやアクセンチュアなど、日本企業がこうした最先端の技術支援を行っていることを誇らしく思いました。現在12億人の人口のうち、この登録を半分が完了しているとのことです。

 ヴァルダン保健・家庭福祉大臣や、暗殺されたラジブ・ガンディー元首相の義理の妹マネカ・ガンディー女性子供開発大臣と会談するなど中身の濃いミッションとなりました。

[猛暑の中を行く]

 帰国して、各種講演や地元活動などで忙しい日々が戻ってきました。暑さに負けずしっかり頑張ります。

平成26年6月30日

[怒涛の全力疾走]

 通常国会が終わりました。

 この欄で紹介させていただいた骨太方針や日本再興戦略など、おかげさまで(紆余曲折はありましたが)何とかこれまでにないインパクトのあるものがまとまったと思います。
党の側で盛り込んだ政策も数多く(この後紹介させていただくエネルギーの提言もそうです)、もうメディアも「政高党低」などと言わなくなりました。政府から党に戻ってきた自分としてはちょっと嬉しい気分です。

 前回のこの欄で書かせていただいた、集団的自衛権などを扱う自公与党協議もようやくまとまる方向です。私も自民党内での議論に参加し、積極的に発言してきましたが、主張してきたとおり「固めの」解釈変更に落ち着きます。また、武力行使を伴う集団安全保障の枠組には(たとえ国連決議があっても)、これまでどおり参加しないことになり、一部の反対勢力が言う「子供を戦地に送ろうとしている」という批判は的外れなものとわかります。

 最後27日の党内会議で私が「この作業は、慎重な政府解釈の変更であって、決して『解釈改憲』と言われるものでないことを周知徹底していただきたい」と発言したことに、高村副総裁も石破幹事長も賛意を表明して下さいました。高村副総裁は「柴山さんのおっしゃることは一人一人の議員がきちんと言ってもらわないと」とコメントされていました。

 折しも29日には北朝鮮が短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射しています。同国は、これは通常の軍事訓練で日朝の拉致問題の実務者協議などには影響しない、とコメントしているようですが、きちんと真意や影響を分析して対応することが必要です。

 これ以外では、あまり報道されていませんが、戦後最大の消費者問題である安愚楽牧場事件で、被害者の方々から政府の対応(特に民主党政権時代)の不備を理由とした国家賠償請求訴訟が提起されました。
 私も自民党のこの件に関するプロジェクトチーム座長として政府に働きかけをしていたところ、森消費者担当大臣から誠意ある対応をする旨記者会見で言及があったことは一歩前進ではないかと思います。

[エネルギー改革~脱原発依存~の第一歩]

 再生可能エネルギーなどの新規発電事業者からの小売契約を自由化する、電気事業法の改正案が今国会最終盤で成立しました。

 私は党の「電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会」の委員長として、この流れを本格化するための抜本的な制度改正を行うとともに、その新規事業が地域での景気浮揚に確実に結びつく道筋を提言として取りまとめました。作業にあたってくれた秋本真利事務局長やヒアリングに協力して下さった自治体・有識者の方々、高い要求に応じて下さった総務省・経産省をはじめとする役所の方々に感謝しつつ、以下に提言全文を掲げます。

平成26年6月19日

電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会 提言

自由民主党政務調査会
資源・エネルギー戦略調査会
電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会

【総論】

 電力システム改革により、新しく開放される現在規制下にある約7兆5,000億円の市場について、分散型電源等の導入を促進することにより地域経済の活性化につなげる。計画及び実施にあたり、自治体が地域金融機関と連携しながら財源面の手当てを含めた総合調整を着実に行う。その経済規模は2030年までに1兆円以上とする。

電力市場全体における新規参入事業者(現在の一般電気事業者系以外の新電力)の比率については今後10年で3割を目標とし、併せて、既存電力会社間の競争も進め、消費者の電力間乗り換え率については料金規制撤廃までの期間内に1割以上を目標とする。また、すでに自由化されている部門についても市場の開放をさらに促進し、その実現のために独立規制機関による規制を導入する。

【各論】

1.公平な競争環境の整備

(1)我が国のエネルギー供給の将来像については、「電力システムに関する改革方針」(2013年4月)において、小売及び発電の全面自由化や送配電部門の中立性の一層の確保等を中心に改革を進めることとされ、大規模集中電源から分散型電源の割合を高める方向での議論が行われている。

 需給逼迫等の環境変化により、電力需給を均衡させるための手段として分散型エネルギー等への期待が高まっており、分散型エネルギーの一例として、地域の自然資源を利用した太陽光、風力、バイオマス、小水力等の再生可能エネルギーや水素による発電や熱供給等に大きな役割が期待されている。また、多様な主体による発電事業への参加や需要管理の実現など、多くの主体がエネルギーの生産・消費に積極的に関わることのできる環境整備が目指されている。


(2)このような状況の中、地域において分散型エネルギーの導入を促進するためには、その前提として、電力市場への参入障壁が撤廃され、公平な競争政策が徹底されることが必要である。そのためには、電気事業の規制に関する事務をつかさどる行政組織を、独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織へ一日も早く移行させること(電気事業法の一部を改正する法律附則第11条第6項)が必要である。

 送電分野は公益的独占事業となるため、新たな行政組織を中立性を担保するための独立規制機関とすることが大変重要であり、その独立規制機関は、利害関係者や他の行政主体及び政治から独立し、予算や人的資源が自立していることが必要である。

特に法的分離の場合は、送配電会社が別会社化されるとしても、旧垂直統合事業者から分離された発電事業会社が小売り事業会社と資本関係を有することから、同じグループ会社間での取引が優先的に行われていないことを監視することが必要であり、独立規制機関を国家行政組織法第3条や第8条に基づく組織とすることも含めて検討し、独立性・専門性の高い組織とする。

独立規制機関は、託送料金、インバランス料金が適正かどうかを判断し、認可する。また、市場における独占が行われていないかなどの監視や卸電力取引所の活用状況のモニタリングを行い、非対称規制の実施も含め、既存電力会社と新規参入事業者の市場独占率の適正化を図る。発電事業者と送配電事業者の取引の透明性を担保し、情報公開を進めていく。需要家への料金メニュー等の説明義務が果たされているかなどについても監視を行う。送電線の増強計画についても送配電事業者への監視・是正を行う。併せて、送配電部門の中立性が確実に担保されるよう、送配電事業者の役員の兼職に関する厳格な規制などの様々な行為規制を立案し実施する。さらに、災害やテロ等の危機管理が必要となる緊急時にも最終的な安定供給が確保されるよう、関係者間での適正な役割分担を図る。


(3)競争市場が創設され、公平に運営されているかを測るための目安が必要である。市場での新規参入事業者(現在の一般電気事業者系以外の新電力)の比率が、3年で1割、10年で3割を市場開放の目標とする。既存電力会社間の競争状態、競争の進展についても独立規制機関はモニタリングを行い、実質的な競争を実現する。

有力な新規参入主体のひとつであるガス業界は、2030年までに、①コージェネレーション容量を3,000万kW(系統への逆潮分1,000 万kWを含む)、②家庭用燃料電池を500万台、③ガス空調については電力ピーク換算2,600万kW相当とすること等を掲げている。これらを合計すると、3,800万kWから4,300万kWの電力ピークカット効果や、年間 826万kℓ(原油換算)の省エネルギー効果等が見込まれる。これらの数値を達成すると、市場で15%のシェアとなる。


2.地域における分散型エネルギーの導入促進

(1)電力システム改革は、エネルギー供給事業者の相互参入、新たな技術やサービスのノウハウを持つ様々な新規参入事業者の参入を促し、エネルギー市場を活性化し、地域金融機関の資金の活用をはじめ、地域に資金の好循環をもたらすことが期待されている。ただし、地域によってはインフラの未整備が、エネルギーに係る多様な事業主体の立ち上げのネックとなることが多い。

 発電事業や熱供給事業などの地域のエネルギー供給事業と、それに必要な送電網や熱導管などの分散型エネルギーインフラに対する投資が同時に進めば、この好循環は自立的な軌道に乗ることが期待できる。しかし、インフラ整備については、初期投資から資金回収までに相当の期間を要すること等から、自治体が主導的な役割を果たしながら、地域金融機関をはじめ、地域の総力を挙げた取り組みが必要である。なお、熱供給に伴うインフラ投資額としては、1地域の平均単価として約50億円が想定できる。

 また、地域のエネルギーインフラの整備にあたっては、大規模集中電源との接続を含めた総合的な協力関係の構築と全体システムの設計が必要であり、数多くの関係者を含めた事業調整が不可欠であるため、この点においても、自治体による調整に大きな期待が寄せられている。

 これらの自治体の役割を支援するために、地域活性化事業債や過疎対策事業債などを柔軟に活用していかなければならない。


(2)需要地の近くにある分散型エネルギーの促進の観点からは、託送料金の体系を検討することでメリットが生じるケースがある。ただし、託送料金が割高となるケースも考えられるので、託送料金や低圧配電網の運用について今後の制度設計の中で検討するべきである。


(3)地域において分散型エネルギーの導入を促進するためには、消費者保護を担保した上で、消費者の選択肢を拡大するべきである。

 海外の事例では、消費者保護と開かれた電力市場の観点から、市場取引を誰でもリアルタイムで見ることができ、各電力プロバイダーの提供するメニューについても、価格・環境性能などの比較サイトも充実している。こうした取り組みにより、単に表面的な価格だけではない良質な電気を消費者が選択する際の参考となっている。

地域における分散型エネルギーの導入促進にあたっては、消費者の選択肢拡大の目途となる市場での達成目標を導入する。具体的には、料金規制撤廃までの期間内で消費者の電力間乗り換え率を1割以上とするなどの数値を設定する。

また、消費者の電力会社乗り換えにあたっては、できるだけ簡素化された手続きを採用し、消費者の二度手間を避けるなど、消費者の利便性を最大限確保する。

また、消費者保護の観点から、電気料金の明細表示も必要である。現在、燃料調整費と再エネ賦課金に関わる部分については電気料金票に明示されているものの、その他課金されている税金や、原子力発電に関わるコスト、送電線にかかる費用などについては、まったく記載がないことは問題である。電気料金の課金システムを透明化することで、消費者の選択の幅を広げることが可能となる。


3.地域の活性化

(1)分散型エネルギーの導入により地域を活性化するには、地域コージェネレーションにより、エネルギーコストを削減しつつ、地域の物的及び人的資源を活用することが有用である。特に、木質バイオマスの利用は、地域における雇用創出の効果が高く、農村に新しい富をもたらす。例えば、木質バイオマスを利用した地域エネルギー事業において、総務省の試算では、1箇所あたり少なくとも50人の新規雇用が期待されている。さらに、バイオマス先進国であるドイツでは、2012年には約12万8,900人の雇用が創出されている。

 また、発電事業や熱供給事業などの地域のエネルギー供給事業にとどまらず、地域全体のまちづくりを見直し、先端技術を積極的に導入するスマートシティを目指すことも有効である。


(2)スマートシティとは、エネルギー利用と「情報」を組み合わせた新しい都市管理の在り方である。エネルギーの需給量を電子データで管理し、供給・需要双方に合わせたエネルギー管理を実現する。具体的には、需給逼迫時の自動需要コントロールや、需要低減時の自動供給コントロールなどである。同時に、これらの情報を蓄積することにより、ある程度の予測的調整・管理も可能となる。

 比較的小さな地域レベルでは、まずこれらの電子的管理システムを導入し需給調整を行い、広域的には、複数の都市の管理データを集めて精度の高い予測的調整・管理を実施することが可能となる。

 スマートメーターの我が国での普及については、現時点では一般電気事業者が2024年までに全戸に普及させるという目標を持っているが、国としても、小売り全面自由化から2年で5割、5年で8割などの数値目標を目途として進捗を管理することが求められる。


(3)バイオマスを我が国に普及促進するにあたり、以下のような障害があると報告されている。

①新型発電設備の輸入の支障

 我が国のバイオマス発電設備は、石炭火力発電技術を転用したため、残材利用ができない、熱電供給ではないなど、非効率なものが大変多くなっている。一方、欧州のバイオマス発電設備は残材利用を基本としている上、熱電併給が基本となっている。

 しかし、欧州製のボイラーを導入するためには、電気工作物としての規制を受けるため、事実上、輸入することは困難となっている。欧州製ボイラーの輸入が容易となるよう、一日も早く関係規格の取り込みを行う。

②熱事業と電気事業の異なる法体系

我が国の最終エネルギー消費の現状においては、熱利用を中心とした非電力での用途が過半数を占めている。我が国では、熱供給事業と電気供給事業は別の法制下におかれているところ、熱の有効利用を促進していくためには、電力・ガスシステム改革と併せて、事業規制や料金規制を緩和し、熱供給事業に新規事業者が参入しやすいよう加熱能力規模や熱媒体条件を見直すなど、熱供給事業法の改正が必要である。

以上


[これからの課題]

 党所属の人たちの発言が問題になっています。私たちはいつでも緊張感を持ち、謙虚にかつ地道に活動しなければいけません。国民の信頼はあっという間に失われるものです。
 反省の念を込め、夏休みに入っても、内閣委員会での国内・国外出張や、地元での活動などしっかり続けていきます。メディア取材なども次々と入っていますので対応していきます。

平成26年5月19日

[急がば回れ]

 安倍総理の諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)がついに集団的自衛権等に関する報告書を発表しました。

 現在、米国にかつてのような世界の警察としての役割が期待できないようになり、かつ、尖閣諸島やベトナムなどで中国が緊張感を高めています。北朝鮮の核開発・ミサイルの動向も目が離せません。
 このような状況の変化の中、日本が取れる方策としては、
1.自らの国を自らが守り切る軍事力の整備か、もしくは
2.同盟国と必要に応じて多様な連携を取り、勢力の均衡により脅威を抑え込む
しかありません。(国連を通じて対応するということはまず期待できず、ましてや「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持(日本国憲法前文)」するというような担保のない方法が実効性を有しないことは多くの国民が実感しているところです。)

 今まで実戦を経験していない自衛隊が、しかも予算の制約のある中で、1の方法を取ることは当面できません。となれば現実的には2の方法、すなわち集団的自衛権をオプションに加えるしかないのです。

 しかも時代は日本国憲法ができてから大きく様変わりしました。東西冷戦とその終焉、民族紛争や地域紛争の多発、テロ組織の国家との複雑な関係などの中、グローバル化に伴い世界の一部の脅威が大きく周辺に影響をもたらすようにもなりました。
 安保法制懇の報告書は、武装集団による不法行為や退去に応じない外国潜水艦に対応するなど警察権と防衛出動の間のグレーゾーンをどう扱うかや、在外邦人の救出、PKOにおける駆け付け警護などの新たな課題にも指針を示しています。

 こうした対応をするなら、憲法の明文を変えるべきで、政府の憲法解釈を変更するべきではないという主張も見られます。しかしそれは二つの意味でまずいと思います。

 一つは、理論的な問題。集団的自衛権は個別的自衛権とともに、国際法上行使が認められている権利です。日本がこれまで「わが国を守るために必要最小限の武力の行使とは言えない」と政府が当時の国際情勢に応じて解釈していただけですから、上記のように国際情勢が変わり、慎重な検討と安定的な要件を設けるならば、やはり政府の解釈で変更できるのが筋です。現に自民党の改正憲法草案では、自衛権と国防軍の存在は明記していますが、集団的自衛権行使を認める、といった明文はありません。

 もう一つは、憲法改正には多くの時間を要し、現に生じている現下の事態に対応できないということです。

 これから公明党との協議を本格化させるわけですが、大事なのはしっかり国民的理解を得ながら進めること、あと、集団的自衛権行使を認める場面をなるべく限定することです。国民の多くは、日本が解釈変更をすることにより、海外での武力行使がなし崩し的に拡大したり、外国の戦争に日本が巻き込まれることを危惧しています。先ほど述べたように「集団的自衛権を認める方が安全なのだ」と誰もが納得でき、かつ、政権が変わったらコロコロ解釈が変わるようにしないようにすることが必要です。

 私も近く、憲法のタウンミーティングなどで出張座談会に出かけることがあろうと思いますが、丁寧に説明をしていきます。

[ラストスパート]

 成長戦略の取りまとめがいよいよ大詰めです。私の担当しているGPIF改革、コーポレートガバナンス改革、総合取引所の設置など、内容を仕上げる段階に来ました。
 仲間たちと取り組んでいる法人税引き下げの勉強会もいよいよ提言を党や政府に申し入れます。また、電力システム改革で地域での発電を雇用につなげるという党の委員会を立ち上げ、エネルギーの新たな未来を作るという、リベンジ・プロジェクトを立ち上げました。さらに今週は皆が驚くリベンジ・プロジェクト第二弾も計画しています。

 寝不足の日々が続きますが、まだまだ走り続けます!

平成26年4月28日

[議員10周年、いばらの道へ]

 4月25日、衆議院議員に初当選してから10周年を迎えました。

 本当に色々なことがありましたが、ずっとこの仕事を続けていられるのもこの間支えていただいた皆様のおかげであり、心から感謝申し上げます。

 昨日実施された鹿児島2区の補欠選挙同様、逆風の中での初当選でした。それだけに昨日の補欠選挙の勝利はとても嬉しいですし、難題に取り組んでいる安倍政権への信任を示すものだと考えます。

 特に直前の日米首脳会談の成果は特筆すべきものがありました。私は金曜日の内閣委員会で、TPP交渉を日米首脳会談と並行して行った直後の甘利大臣に対する質疑(直接は地域経済活性化支援機構法改正案についてのものでしたが、TPP交渉についての質疑も行われました)を委員長としてリードしながら、その成果を確信しました。

 鹿児島など農産地では、砂糖や畜産物など重要5品目の関税を維持しなければ生活が成り立ちません。確かにこれから農協・全農をはじめ、様々な改革をすることにより農業の競争力をつけなければいけませんが、それには現場の協力が不可欠で、ここで無理にTPPの合意をしたらそれらの改革が一気に水の泡になりかねませんでした。また、関税維持をうたった国会決議違反だと非難され、国会の承認を得られたかどうかもわかりません。

 交渉は着実に進展しており、米側にも相当の譲歩を迫るものとなっているはずです。中間選挙を控え、かつ議会から交渉決着権限を取り上げられたオバマ大統領も苦しい立場にあるのです。今回の交渉の最大の成果は「決裂させずに継続協議を行える環境を整備したこと」です。

 しかも目を安全保障に転じれば、現職のアメリカ大統領として初めての、尖閣諸島は日米安全保障条約の適用地域だとのコメントを引き出すとともに、中国の軍事的な挑発を牽制し、鹿児島や沖縄の安全確保にとっても極めて大きな意味をもたらす結果となりました。

 中国の領有権の主張に配慮したり、韓国に行ってから慰安婦問題に踏み込んだ発言をしたりしたオバマ大統領ですが、私は今回の首脳会談で安倍総理の求心力は高まったと確信しています。

 もっともこれから、さらなる成長戦略の実行や集団的自衛権の議論など、いばらの道はまだ続きます。安倍総理とは会食を共にするなど、色々意見を伝える機会が増えました。しっかり支えて参ります。

[決してあきらめずに政策を]

 先端的な規制緩和を行う国家戦略特区の指定がなされ、これから6月に発表される経済財政運営の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)の策定に向けた動きが加速化していきます。投資家たちはこの中にどのような政策が盛り込まれるかを注目しています。


 私が総務副大臣の時代から一貫して主張していた「日本郵政の金融子会社2社の早期上場」に西室社長が言及し、また、西武ホールディングスが予想以上の価格で再上場のスタートを切り、消費税率引き上げにもかかわらずまだ日本の行方に市場は期待をつなげている状況だと思うのです。

 私も、党の日本経済再生本部の中で、金融資本市場・企業統治改革小委員会の委員長として、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革やコーポレートガバナンス(企業統治)改革などの提言作りの作業に日夜追われています。

 また、若手の同僚議員たちと準備を進めてきた「新世代の税制を考える会」という勉強会を4月23日に発足させ、財務省や党の税制調査会の幹部が慎重な、法人税実効税率の大胆な引き下げを目指していくことを確認しました。税収中立を法人税の体系の中で、かつ単年度で図るという考えから、成長による果実で財政を好転させ、かつ歳出の効率化をしっかり目指していくという新しいモデルを打ち出します。無論、研究開発や投資促進のための税制措置は守っていきます。

 こうした作業が、例えば日経ビジネスの4月21日号に「新成長戦略、ROE向上に照準」という記事で取り上げられ、相次ぎ大手メディア(特に海外メディアが多い)から取材を申し込まれるようになっています。

 それにとどまることはありません。私がこれまで取り組んできた(一見挫折したと思われる)政策にも、光が差してきました。近く、リベンジ・プロジェクトをいくつか発足させます。

 地元でも座談会などでこうした取り組みを紹介していきますし、あきらめずに地道に続けることの大切さを訴えて参ります。

平成26年4月5日

[ノーベル賞学者たちの重み]

 前回のこの欄でも紹介しましたが、現在私が委員長を務める内閣委員会で、独立行政法人日本医療研究開発機構(いわゆる日本版NIH)法案の審議が進んでいます。

 少子高齢化社会にあって、健康長寿のために医療分野の基礎から実用化までの一貫した研究開発を強力に推進するため、健康・医療戦略推進本部(新設)の作成する計画に基づき、経産省、文部科学省、厚生労働省などの垣根を超え、産・学・官が連携して、医療分野の研究開発や環境の整備の司令塔を担う独立行政法人を設立するというものです。

 アメリカの予算3兆円を超えるNIHに比べると、1000億円少しと小ぶりのスタートになりますが、これまでともすると研究がバラバラで戦略性に欠けるとともに、資金提供者との橋渡しもうまくいかず実用化のための「死の谷」を超えられない事例をなくしていくための重要な法案だという意見が、昨日実施された参考人質疑でも示されました。

 参考人は、東北大学大学院の大隅典子教授、慶応大学の末松誠医学部長、ヒューマンサイエンス振興財団の竹中登一会長、ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長と錚々たる顔ぶれでした。

 一昨日には同じ問題を、内閣委員会と厚生労働委員会の合同審査という形で、菅義偉内閣官房長官、田村憲久厚生労働大臣出席のもと議論しました。私が合同審査会の委員長を務め、会場は予算委員会と同じ衆議院第一委員室でした。その場に、やはりノーベル賞受賞者の野依良治理化学研究所長も出席されました。

 両日とも、今話題となっている不正論文をどう防ぐかとか、研究所のガバナンスをどうするかという議論も展開されました。

 それにしてもノーベル賞受賞者たちをはじめ、一線の研究者たちの実態を踏まえた議論は大変有意義でわかりやすかったです。研究者のモラル、共同研究の際の責任分担や第三者チェック、今後の発展のためにも「研究記録」をしっかり残すことの重要性などなど今後の課題にしっかりと取り組んでいく必要を感じました。

[消費税がいよいよ8パーセントに]

 折しも衆議院では、地域医療介護確保推進法も上程されました。

 都道府県・市町村が地域の実情に応じて医療・介護の総合的な確保のための事業実施計画を定めることができることとし、都道府県がその事業のための基金を設ける際には国が必要な資金の3分の2を負担、その財源は消費税の増収分をあてるという内容です。

 これ以外にも、消費税は年金財政の健全化や待機児童解消などの子育て支援に使われます。

 いよいよ新しい税率となりましたが、こうした必要性を訴えるとともに、過剰な負担とならないための景気対策などに全力を尽くして参ります。

[それでもエネルギー政策の転換は必要]

 昨日は党のエネルギー戦略調査会で、エネルギー基本計画の修正案が了承されました。

 再生可能エネルギーの飛躍的な拡大と、高速増殖炉の役割の転換に関する記述は盛り込まれたものの、明確な「脱原発依存」の方向は明示されず、私としては不十分なものだと考えています。無論新しい原子力研究自体を否定するものではありませんし、それにより廃棄物問題などが解決されればよいとは思いますが、現時点ではエネルギー政策転換を経済と両立する形で進めるべきだと考えます。

 もっとも、UAEやトルコとの原子力協定に関しては、日本が協力しなければ中国などが質に劣る原発を輸出してしまうこと、相手国が濃縮・再処理(これをしてしまうと原発が「過渡的なエネルギー」でなく「恒久的なエネルギー」となってしまう)することへの了承はしないという政府答弁があったこと、党の正式な手続を経たことなどから、昨日の本会議では私も賛成の起立をした次第です。

[地元の桜]

 週末は地元のイベントなどで満開の桜を楽しみたいと思います。最近東京日程が忙し過ぎてなかなかこうした機会がありませんでしたが、しっかり地域課題にも取り組んで参ります。

平成26年3月27日

[総理と語った「次の矢」]

 ハーグでの核安全保障サミットの日程を終え帰国直後の安倍総理と、仲間の議員数名で都内にて会食しました。

 原発推進派の議員もおられたのでエネルギー問題についてはちょっとしか話題に出ませんでしたが(総理は私のスタンスはよくおわかりのようでした)、ハーグでの会談やロシア問題などについてはくだけた席ではありましたが色々伺うことができました。

 詳細は述べることを控えますが、総理がいかに「信念を大切にしつつ国際情勢をしっかり見ているか」を認識することができました。前回のこの欄で書かせていただいたとおり、まずは原理・原則を大切にする姿勢が大事です。そのうえで着地点を模索していきます。(ちなみに外交問題に関しては3月24日に「ビートたけしのTVタックル」に出演したところ、激励のメッセージを沢山いただきました。)

 特筆すべきは成長戦略についてです。

 法人税の引き下げや、私が主査を務める「党日本経済再生本部 金融・企業統治グループ」での案件について、出席議員の方々を含め、かなり認識を共有できたと思います。現在、6月に発表予定の提言取りまとめのため必死で作業をしていますが、しっかり昨夜の議論が反映できるよう、仲間たちと協力していきます。

[激務の日々]

 上記した党の日本経済再生本部の作業も含め、連日激務が続いています。

 昨日は委員長をしている内閣委員会で、政府の総合科学技術会議の司令塔機能の強化を図る内閣府設置法一部改正案が可決されました。今日午後1時からの本会議で私から経過報告をし、採決されます。その後には独立行政法人日本医療研究開発機構(いわゆる日本版NIH)の設立についての審議なども控えており、連日与野党の理事・委員の方々と協議させていただいています。

 ITについての基盤整備についても、党の戦略特命委員会での議論に参加したり、3月14日にはICPF情報通信政策フォーラムで「共通番号制度の可能性と個人情報保護」に関するセミナーのパネリストを務めるなど、微力ながら貢献しています。先週末石垣島で開催された政界・実業界・スポーツ界・文化界などのリーダーが集まるG1サミットでも、この問題について提言をまとめる役をさせていただきました。

 これ以外の業務も含め、引き続き一層頑張りますので、皆様のご指導ご鞭撻をどうぞお願い申し上げます。

平成26年3月11日

[あれから3年]

 東日本大震災から今日で3周年です。今年も、国立劇場で開催される追悼式典に、政府関係者はじめ多くの方々と出席致します。

 まだ仮設住宅から移ることができなかったり、仕事ができなかったり、家族などの大切な人や故郷を失った悲しみに苦しんだりしている被災者の方々が大勢いらっしゃるのに、震災の記憶が早くも風化しつつあるのが残念でなりません。

 私は自民党の青年局の一員として、小泉進次郎前局長の率いる「TEAM-11」という毎月11日に被災地を訪問して現場のヒアリングや視察を行う組織にたびたび参加してきました。全体としてがれき処理はかなり進んできていますが、福島第一原発の周辺ではまだ居住制限がされている区域が残るなど、復興には多くの行政課題があります。青年局を卒業した今後も、しっかり被災地に寄り添った政治を心掛けて参ります。
 また、現在与党で検討しているエネルギー基本計画が、震災をきっかけとした原発行政の反省にきちんと立脚したものであるよう、声を上げていきます。

[激動への対応]

 平和の祭典オリンピックの開催国ロシアがウクライナへの圧力で国際的な非難を浴び、世界情勢は一変しました。

 ソチパラリンピックには日本は参加し、選手団が活躍していますが、政府高官の派遣を取りやめた国も多かったようです。

 注目されるのは制裁を表明したオバマ大統領で、政治的に中間選挙を控えるなど厳しい状況の中、またシリア問題で腰砕けと批判された後、どれだけ毅然とした対応を取るのかが問題です。
 一方日本はロシアと関係を好転させ、北方領土問題を解決したり、共産主義を取る中国・北朝鮮への対応に有利な立場を築いたりしようとしていた矢先の出来事で、難しいかじ取りが求められます。

 「迷ったら原点に戻る」それぞれの地域の事情を考慮しつつ、国際的に非難されることは許さないという姿勢は大切にしないといけません。今北朝鮮がミサイル発射など増長しているのは、世界が原理原則を大切にする姿勢を失いつつあるからだと思うのです。

 私の立場で、きちんと提言していきたいと思います。

[より求められるリーダーシップ]

 外交も内政も激変しています。集団的自衛権の論議も、消費税率引き上げを控えた追加の景気対策も機動的に行っていかなければいけません。安倍政権には謙虚な姿勢を保ちつつもよりリーダーシップを発揮してもらう必要があるのです。

 構造改革が進まないことによる外国投資家の日本売りが始まっているとも言われます。ビットコイン問題など新しい事象への対応もですが、今の日本のシステムのあり方(ソフト、ハードを含め)をしっかり見直し、あるべきリーダーシップを支えて参ります。

平成26年2月22日

[想定外からやってくる大災害]

 2週続いての記録的な大雪により、各地で大きな被害が発生しました。

 群馬、埼玉などで24人の方々が亡くなり、道路が寸断されるなどして孤立状態に陥ったのは11都県50市町村231地区に及んだということです。農畜産物や建築物の被害も数多く、損害の全容はまだ明らかになっていません。
 自衛隊などの物的・人的規模に限界があり、ヘリコプターも悪天候でなかなか飛ばせない中、私の所にも他地域から問い合わせや要望が寄せられ、対応させていただきました。

 私の地元でもカーポートや倉庫の屋根が落ちたり、ビニールハウスが潰れるなどの被害が相次ぎました。隣の富士見市でも総合体育館のメインアリーナの屋根が潰れ、ニュースで放送されました。

 昨日の衆議院内閣委員会でこの件について何人かの議員が質問されましたが、古屋防災担当大臣や消防を所管する新藤総務大臣たちが災害発生前から懸命の努力をしていた様子が伺えました。ただ、ソチ五輪と重なってしまい、報道での取り扱いがなかなか大きくならなかったこと、ソーシャルネットワークなどをより機動的に活用するようにすることなどが反省点だと思います。
 今後も救出や食料の支給など万全の対応にあたるとともに、被害回復の後押しをすべく、特別交付税の計上などもしっかり行って欲しいです。

 今回の災害では、あまり日頃大雪が降らない所で大きな被害が発生しているのが特徴的です。雪国では豪雪の場合の雪下ろしや、危機対応の方法など経験が蓄積していますが、そういった経験がないこと、すなわち「想定外」が、当該地域のインフラや建築物の構造ですとか人々の行動に表れ、被害の大規模化を招いてしまったのです。
 大きな災害ではなかなか警察や消防に多くを頼ることはできません。日頃の隣近所のお付き合い・連携や、防災訓練などでいかに「想定外」の事態に備えておくかが実はとても重要です。こうした取り組みを喚起して参ります。

[ソチの感動]

 羽生選手の金メダル、葛西選手の銀メダル、浅田選手のフリー演技での大健闘など、連日オリンピックの感動で寝不足の日々が続きます。

 4年に1度、しかも運命の要素がかなり大きいオリンピックの舞台で、期待どおりの結果を出すというのは本当に至難の業だと実感します。日頃の厳しい練習に加え、大きな舞台で力を十分に発揮するためには何が必要か、これはオリンピック以外でもとても重要な課題です。かつてチャンスに強いと言われた野球の長島選手や清原選手、サッカーの中山選手たちは、大きな舞台におじけるのではなく、それを絶好のアピールの場と喜び、かつそこで得た成功体験を、次の修羅場でのプラスイメージの醸成に役立てたといいます。
 今の若い人たちにこうした「前向きな成功体験」を作っていくことが、本番に強い人材の育成につながってくるのだと思います。これからもより多くの「感動」を共有できるよう頑張ります。

[次なる課題へ]

 委員長を拝命し、多くの議題を扱う衆議院内閣委員会も本格的に始まり、それ以外にもエネルギー基本計画の検討、TPP交渉、金融・企業統治の見直しなど、私が関与する重要案件が山積しています。
 講演や取材も変わらず女性誌や海外メディアを含めバラエティーに富んだ依頼が相次ぎ、今日はこれから自民党愛知県連青年局のイベントに赴き、時局講演をして来ることになっています。
 一日一日を全力で過ごし、次なる課題へ挑戦して参ります。

平成26年2月10日

[雪と氷の祭典]

 ソチ五輪がいよいよ開幕しました。
 橋本聖子団長のもと、是非選手の皆さんには日頃の練習の成果を存分に発揮していただきたいと思います。

 冬季五輪では初めて男子の数を女子が上回る日本選手団。上村愛子選手は残念ながらメダルに手が届きませんでしたが、浅田真央選手や、地元所沢の早大人間科学部を卒業して西武園遊園地の「ウォータージャンプS-air」などで練習を重ねたスキースロープスタイルの高尾千穂選手たちを応援しています。
 無論、羽生結弦選手たち男子選手の活躍にも大いに期待しています。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに弾みをつけ、私たちをも元気づける、「日本の底力」を内外に示して欲しいと強く願っています。

[「ねじれ」を考える]

 東京都知事選は自民党が支持する舛添要一候補の圧勝に終わりました。

 脱原発を訴える宇都宮健児候補と細川護熙候補の合計票を、舛添候補が上回ったことから、今後の国の原発政策に影響が出るのではないかと取材を受けましたが、事実上の影響はともかく、関係ありませんと答えています。

 この欄でも触れたとおり、舛添候補は「即ゼロ」ではないですが穏健な「脱原発依存」の方向を記者会見で示していますし、有権者へのアンケートで示されているとおり都知事選の争点は原発問題だけではありません。私たち自民党エネルギー政策議員連盟も今回の都知事選には議連としては関与しない姿勢を貫きました。

 むしろ都知事選が終わったこれから、エネルギー基本計画など今後の国の方針の議論が本格化します。今週は、先日私たちが対外発表した「経済や海外情勢も踏まえ、原発新増設をせず、核燃料サイクルを見直す」提言を、政府や党に申し入れることにしています。

 それにしても・・・今回の猪瀬直樹知事の辞任劇は、議会と衝突する首長の困難を如実に表しました。確かに地方政治は、住民自治・団体自治の観点から、団体の長であり住民に直接選ばれる首長と、同じく住民から選挙で選ばれる議員たちによって構成される議会が、車の両輪となってお互いを牽制しながら政治を進めていくことになっています。しかしこの「二つの車輪」が逆方向に走ってしまうと、政治が方向転換どころか暗礁に乗り上げてしまう例が多々あります。

 大阪市についても同じことです。大阪都構想の推進を巡って首長と議会が対立し、それを調整することができないことから、選挙前の異例の橋下市長辞任表明となりました。

 しかし、仮に橋下市長が民意の信任を受けて再任されたとしても、議会の構成が変わらない限り市長の政策が達成される保証はありません。

 長く続いた国会の衆議院と参議院のねじれもそうですが、迅速な意思決定が求められる時代に、「慎重な政治」を目指したこうした制度が本当にそのままでよいのか、今後の検討課題となりそうです。

[相次ぐ講演・シンポジウムの依頼]

 地元・東京・地方と、講演依頼を相次ぎいただいています。内容は経済・税制改正・情報通信など極めてバラエティーに富んでいます。
 憲法や外交も含め、取材依頼も数多くあります。現在、党の日本経済再生本部の中で、コーポレートガバナンス(企業統治)について検討を進めているので、それに関する取材もいただいています。忙しい中でも、また寒い中でもこれからも全力で頑張っていきます。

平成26年1月31日

[この道しか]

 総理の施政方針演説等に対する各党の代表質問が終わりました。

 ちなみに通常国会冒頭の総理の演説が施政方針演説で、それ以外の特別会や臨時会冒頭の演説は所信表明演説です。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年を意識し、かなり高い目標を掲げました。プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化、指導的地位の3割以上が女性となる社会の実現、中学校での英語を用いた授業の実施などです。

 減反政策の転換、対外的に貢献の度を増す「積極的平和主義」の推進、福祉や防災などの「安心・安全」の確保…おそらく、相当の政治的パワーが求められてくるでしょう。

 党大会の後、私がNHKのインタビューに答えたとおり、「決める政治」を進めながらも、現場の実態を常に意識し、丁寧なプロセスを踏むことが重要になってきます。ねじれ国会が解消し、支持率が高い今だからこそ、自覚を持たなければいけません。

 ただし、前政権やねじれ国会時代の政策の停滞の結果、やらなければいけないことは山積しています。私の内閣委員会でも、前国会で継続審議となった国家公務員法改正をはじめ、この通常国会で10本以上の閣法・議員立法を審議しなければいけないと言われています。

 安倍総理の対外政策が、平和外交からの転換であるかのような伝えられ方をしていることもあってか、最近の地元の新年会などでは「柴山さん、ブレーキ役になってね」と言われる機会がしばしばあります。

 確かに前述のような「丁寧さ」は必要ですが、今日本がアジアなど新興国と熾烈な国際競争を展開していること、北朝鮮や中国からの安全保障の脅威にさらされていること、資源の確保に影響する領土問題でかなりの戦略的な劣位にあること、急速な少子高齢化や社会保障費の増加への対応の必要などを考えると、スピード感を持って、毅然として国民利益の確保に邁進する必要があるのです。
 そして全てのこれら対応を支えるのが「強い経済」です。

 アベノミクス3本の矢は、色々言われていますが、崖っぷちの日本経済に再生の目処をつけました。相次ぐ国際社会からの注目がその正しさを証明しています。無論、まだ実感を感じていない現場への浸透を目指さなければいけませんし、円安の原料高などの副作用や人件費の高騰などへの対処、4月からの消費税率の引き上げを景気のブレーキとしないための方策が必要になってはきますが、総理の言葉を借りれば「この道しかない」のです。

 経済は水ものです。3本目の成長戦略が不十分であるとなると、途端に投資家は失望売りに走ります。さらなる規制緩和や法人税率の引き下げなど、私たち中堅・若手のパワーのある議員が、しっかり(現場の混乱を避けつつ)進めていきます。

 身を粉にして頑張ります。皆様のご理解とご支援をお願い致します。

[地方選挙の大切さ]

 沖縄名護市の市長選挙は残念ながら自民党が推す候補が敗れました。都知事選、長崎知事選、山口知事選など、重要な地方選挙が続きます。

 これからの地方の持つ役割の大きさを考えると、これら選挙で、自民党の推す候補がしっかり勝利してもらうことがとても大切になってきます。

 都知事選では、自民党が舛添候補(http://www.masuzoe.gr.jp/link)を支持することに色々意見があります。私もテレビ番組「新報道2001」にて、「舛添さんのエネルギー政策を注目している」とコメントしました。
 しかし、前回のこの欄で書かせていただいたとおり、自民党東京都連が、過去の経緯を踏まえつつも、その実績と能力を評価して支援を党本部に要請し、本部がそれを了としたのです。舛添さんが記者会見で穏健な脱原発依存を口にされたこともあります。是非ご理解をいただければと思います。

平成26年1月14日

[脱原発依存の誤解]

 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えのこととお慶び申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 今年は年初から名護市長選、都知事選と重要な地方選挙が相次ぎます。そして前者で普天間飛行場の移設問題が、後者で原発政策が争点になると言われています。

 国策の是非が、関連するとはいえ自治体の首長選挙で全面的に左右されるのは妥当とは言えません。しかし一定の影響があることは否めないでしょう。

 特に、東京都知事選は細川元総理が小泉元総理と連携して、脱原発を訴えて出馬するかが注目されています。おかしな動きだと批判する意見もありますが、最大電力消費地である東京、そして2020年オリンピック開催地である東京のトップが、「原発に依存しない都政を目指す」と国の内外に発信することは、二人の元総理の注目度からしてもかなりの影響がありそうです。

 ただ、自民党の東京都連は既に舛添元厚労大臣の支援を決め、党本部と協議に入っています。舛添さんは、私が若手の会合の際携帯電話で激励させていただいた直後に離党され、幹部の中でも支援に慎重論があります。とはいえ平成17年の党憲法改正草案取りまとめの事務局長をされるなど高い能力を持ち、もし党本部での支援が決定すれば私は現時点ではそれに異を唱えるつもりはありません。

 しかしながら原発政策に関しては、都知事選と関係なく、私は現在政府で検討されているエネルギー基本計画に示された「原発を重要なベース電源とする」という方針は転換されるべきだと考えています。

 日本原燃が青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の安全審査を、今月7日に原子力規制委員会に対して申請しましたが、この工場はこれまでトラブルが相次ぎ生じてきたほか、周囲には大地震を引き起こす可能性のある断層の存在も指摘されています。また、これを仮に認めても、生成する有毒物質であるプルトニウムを処理する高速増殖炉「もんじゅ」の稼働もトラブル続きで停止したままです。核燃料サイクルの実現には世界的に見てもまだ大きな技術的ハードルがあるのです。
 また、その過程で生じる高レベル放射性廃棄物をガラス固化体にして地層処分するにせよ、その候補地はまだ国内で決定していません。

 私も「原発即ゼロ」とすることは、原価計算や中東の政治リスク、温暖化などの観点からして非現実的だと思いますが、少なくとも、これまでのように「原発新増設容認」や「(研究レベルにとどまらない)核燃料サイクルの全面的・商業的レベルでの推進」という方向は、関連自治体の理解も国民の理解も得られないと思います。何より、今後福島第一原発の廃炉や汚染水処理に多くの原子力専門家や予算を投入しなければいけない日本に、その余裕があるでしょうか?

 誤解をしていただきたくないのは、私は既存原発の再稼働が絶対いけないとは言いませんし、中国が目指している原発の海外展開に対抗する観点からも、技術の進んだ日本の原発が過渡的電源として海外で活用されることを否定するわけでもありません。(再稼働を容認するからこそ、それをチェックする「原子力規制委員会」は政府や原子力ムラから独立した行政委員会とする議員立法を野党の時代に成立させる努力をしたのです。)
 しかし少なくとも既に建設に着手されているものを除き原発の新増設をやめ、核燃料サイクル政策を見直し、「原発に依存しなくてもよい経済・社会の実現」を目指すべきです。

 実は自民党は野党時代、こうした方向性を(党内での大激論の末)正式決定し、2012年の総選挙の公約に掲げているのです。しかも安倍総裁の総裁選の公約でも「脱原発依存」は明記されましたし、総理の年頭記者会見でも「原発の新増設は全く想定していない」との明言がありました。私の意見が、党や総理の方向性と外れているとは思えません。むしろなし崩し的に原発強化策に回帰することは筋を曲げ、再生可能エネルギーのイノベーションを阻害するもので許されないと確信しています。

 近々、河野太郎議員たちと作る若手を中心とした「自民党エネルギー政策議員連盟」で提言をとりまとめるべく、現在会合を重ねています。是非ご理解をいただくようお願い致します。

平成25年≫

平成25年12月30日

[後悔しないためには]

 安倍総理による靖国神社参拝、仲井真沖縄県知事による普天間飛行場の辺野古沖移設のための埋め立て承認など、年末に大きな政治的決断が続きます。

 私は総理の靖国神社参拝を前日に知りましたが、毛沢東生誕記念日にあたることもあり、正直半信半疑でした。
 しかし官邸としては、北朝鮮の権力闘争で中国に少なからず動揺が生じていることや、南スーダンでのPKO(国連平和維持活動)に従事する韓国軍に弾薬を提供する決定をしたこと、上記した普天間飛行場返還に向けた前進により日米同盟の再強化が見込めることなどを総合考慮して、「各国の反発があるにせよ今なら最小限で済む。やるならこの時期しかない。」という決断に至ったものと思われます。

 靖国問題に関しては、この欄でも何度か触れています。首相の参拝には、憲法の政教分離原則違反の懸念、A級戦犯合祀の問題、近隣国への配慮の必要などが指摘され、それに対し反論もしていますが、ここでは繰り返しません。
 大切なのは、一国のリーダーである安倍総理が「国のために命を捧げた英霊に尊崇の念を示すことは世界中で当然のことだ」という信念に基づき、自民党総裁選の時もずっと参拝の意向を示してきたことです。口にしてきたことを実行するのは政治家として大切だと思うのです。

 現に、昨日明らかになった共同の緊急世論調査では、1週間前と比較して、安倍内閣の支持率は54.2パーセントから55.2パーセントへ、自民党の支持率は36.2パーセントから39.7パーセントへ、それぞれアップしています。
 政権与党の一員であり、法の支配を世界に広げて平和をもたらすことをライフワークとしている自分としては、今回の参拝が決して日本を戦争に導くためのものではないことを、内外のより多くの方々に発信していくことが使命だと思います。


 今は米国でも韓国コミュニティーの政治家へのロビー活動は日本を上回る規模で行われていますし、状況は決して容易だとは思いませんが、「参拝しなければよかった」という後悔をしないよう全力を尽くします。ご理解・ご支援をお願いする次第です。

 2013年ももうすぐ暮れようとしています。来たる年が皆様にとって素晴らしいものであることを心からお祈り申し上げます。

平成25年12月17日

[北の脅威]

 北朝鮮の前国防委員会副委員長で、ナンバー2の実力者だった張成沢氏が処刑されました。

 最高権力者金正恩氏の叔父でありながら、失脚直後にまともな司法手続も経ず処刑されるという私たちの常識を超えた事態を見ると、北朝鮮がいかに人権や民主主義に逆行した国であるかを改めて思い知らされます。

 張氏は軍部と対立していたとの情報があり、同氏の処刑が北朝鮮の今後の軍事的暴走を招くのでないかとの不安が指摘されています。

 私はこれ以前の中国の防空識別圏設定に際し、単に中国に撤回を求めるのでなく、資本主義陣営の連携を強めて対抗措置を取るべきだと繰り返し党の国防部会などで主張してきました。その理由の一つが流動化する北朝鮮情勢でした。
 米国が経済的に中国への依存度を高める中で、中国が軍事的に膨張するとともに北朝鮮と関係を深め、日本に圧力をかけてきている状態を是正するには、米国との同盟関係の再構築や台湾や韓国との連携により、強いメッセージを出す必要があるからです。

 韓国が、自ら排他的経済水域だと主張する離於島に中国の防空識別圏が拡大されたことにより、対抗的にこれを含む形で自らの防空識別圏を拡大する発表をした際、米国はこれを「評価する(appreciate)」と宣言しました。
 確かに日本は韓中間の領土問題については中立の立場ですし、既に竹島が韓国の防空識別圏にあることへの抗議のメッセージはあってしかるべきだったと思いますが、今回の韓国の防空識別圏設定は中国のそれと異なり、明示的な領土の主張や武力の威嚇を伴うのでなく、中国の現状変更への対抗的メッセージという側面を持つものです。私は基本的に米韓と連携して中国を牽制するべきだと思います。また、昨日は台湾の駐日代表処の沈斯淳代表と会い、日台間のますますの交流強化に向けて意見が一致しました。

 先日12月8日に出演したフジテレビの「新報道2001」でも日米同盟の再構築の重要性を訴えました。無論日本一国で中国にも北朝鮮にも対抗できればよいのですが、当面の体制を見れば非現実的なことは明らかです。しっかり筋を誤らないようにしていきます。無論、韓国への領土問題や歴史問題などの筋は通します。

[来年度予算から無駄を排除]

 党の行政改革推進本部のもとに設けられた、河野太郎座長をはじめとする「無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)」が、来年度の予算概算要求について省庁ヒアリングをした結果、以下のとおり報告書をまとめました。河野座長、私、平将明議員が主査として、また福田峰之議員、鈴木馨祐議員、武村展英議員たちも力を発揮していただきました。以下紹介させていただきます。

報 告 書

(農林水産省)

美しい農村再生支援事業

○PTのこれまでのヒアリングと議論を受けて、農林水産省から以下のような提案があった。
・この事業の対象となりうる地域を日本の棚田百選134か所、日本の疎水百選110か所の合計244か所の中から法律に基づき景観保全に取り組む地区とされる170か所及び世界農業遺産5か所の175か所に限定すること。
・ハード事業の比率を落とし、ソフト単独の事業も認める。
・ハード事業は、1地区1,700万円を上限とし、材料費等に限定し、作業は建設会社等に発注することはせず、直接施行に限定する。
・持続可能性のある事業に絞り込み、限定した事業数でスタートする。また、想定していた効果が見出せない事業については、事業中止もありうる。
○PTは、これを了とした。

バイオ燃料生産拠点確立事業

○農林水産省からは、来年度はとりあえず3社とも継続し、来年度中に有識者による選択と集中のための絞り込みを行うとの提案があったが、PTはこれを認めず、下記の提案を行った。
・年度末までに有識者による3社の事業計画の見直しを行い、事業展開の可能性があるかどうか結論づける。事業に継続の可能性があるものについては、現在の出資者が少なくとも国と等分のリスクをカバーすることを前提に補助金の支出を認めるが、継続の可能性がないと判断されたものについては、予算の執行を停止する。

(経済産業省)

再生可能エネルギー賦課金

○賦課金の計算の前提となった数字が経済産業省から提出された。
○例えば東京電力の回避可能費用(※)に稼働していない原子力発電が含まれているなど、経済産業省の説明は非論理的であり、この方式で計算された賦課金を消費者から徴収することには問題が大きく、このままでは、認められない。
(※)電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることが出来た費用をいう。電気代に上乗せして徴収される再生可能エネルギー賦課金は、買い取り経費及び事務経費から回避可能費用を差し引いて算出する。

(厚生労働省)

がん登録における死亡届

○厚生労働省の統計情報部が、紙の死亡届も電子化して健康局に提供するところは合意された。
○死亡届にICD(※)符号などがつけられた情報の取り扱いについて総務省とPTで協議する。
(※)ICD:疾病及び関連保健問題の国際統計分類。
○がん登録以外の疾病登録が必要なものについて、厚生労働省に整理を求めた。
○厚生労働省の統計情報部の業務について、PTでヒアリングを行う。

工賃向上計画支援事業

○共同受注窓口など、工賃の向上に役立っているものと役立っていないものを明確にして、役立っている支援事業に特化する。
○工賃がいくらに達したらこの事業を廃止するのか、目標を定めること。
○積み上げられた成功事例を共有化することで工賃の向上を実現できるはずであり、コンサルタントを派遣する予算の削減を行うこと。

国民年金保険料の収納対策に係る増員要求

○この増員には根拠がなく、認めがたい。PTが内閣官房の「年金保険料の徴収体制強化等のための検討チーム」と対策について協議する。
○PTとしては、費用対効果の観点から最も効率的な納付率向上策を制度設計し、これを踏まえて日本年金機構の新たな中期計画における目標を達成するために必要な人員計画を策定すると同時に、収納率の低下の原因を明確にしたうえでの抜本的な対策を導入することを求める。

紙台帳検索システム

○厚生労働省は、PTとのこれまでの議論の結果、機器台数や作業量を見直し、概算要求から11億円の削減を提示。ランニングコストについても現在のシステムから7億円以上の削減となる。PTはこれを了としたが、次期のサーバー更新時にはクラウドの利用などによる更なるコストダウンを実現するように検討を求めた。

医薬品等承認審査事業

○PTは厚生労働省の説明を了とした。

ジェネリック医薬品の普及促進事業

○近日中に薬価等の新しい方針が定まるので、継続的なヒアリングを実施する。
○医療費の削減、伸びの抑制に関する厚生労働省の取り組みについて、新たにレビューシートを起こすこととした。

(国土交通省)

公共事業関係費、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金、道路事業

○国土交通省の説明が要領を得ないため、再度、ヒアリングを実施する。
○国土交通省は、今年度、新規事業に採択された道路について、具体的に採択までのステップを説明すること。
○公共事業の中で、防災・減災対策、老朽化対策に充てられる割合を、国土交通省は明確に説明すること。
○国際競争力の強化の観点から、港湾予算のうち、京浜港・阪神港の整備の割合、空港整備予算のうち、首都圏空港の整備に充てられる予算の割合について、国土交通省はきちんと説明すること。
○整備新幹線の路線に関して、空港や高速道路の整備をどうするのか、国土交通省はきちんと説明すること。
○国土交通省は、コンパクトシティー化を踏まえ、老朽化するインフラをどこまで国及び地方で再整備するのか。また、再整備しないインフラはどこなのか、考え方をきちんと示すこと。

(文部科学省)

新国立競技場

○文部科学省は、新国立競技場及び周辺整備に許される費用の上限を早急に示すこと。
○上記の費用のなかで整備された新国立競技場の収支は黒字になることが前提であり、年度の収支が赤字になっても税金等での補填は行わないこと。
○新国立競技場が風致地区であることを踏まえ、文部科学省はそのデザイン・設計が風致地区にふさわしいものであると有識者の多くが納得するようなものになるように日本スポーツ振興センター(JSC)を指導すること。
○JSCは、自らの移転に係る費用が必要最低限になるようにすること。
○コンペの選考過程に関する報告書を速やかに公表すると同時に、コンペの勝者との契約書を公開すること。
○新国立競技場を陸上競技場とするならば、オリンピック後のサブトラックについての計画を当初から盛り込むこと。
○サッカーのワールドカップの再誘致の前に、2002年のワールドカップのために整備したスタジアムの稼働率及び収益の改善を実現すること。

 上述のとおり少なくとも既に10億円以上の予算削減をできる見込みになりました。これ以外にも不断に作業は行わなければいけませんが、まずはしっかり今回の指摘のフォローアップをしていきます。
 12月13日には首相官邸で、政府の要である菅義偉官房長官にこの報告書を提出しました。菅長官からは「最強のメンバーだね。しっかり受け止めます。」とおっしゃっていただきました。

[年末に向けて]
 シンポジウムや原稿の依頼、各種イベントなど忙しい年末です。
 党の税制調査会で大綱がまとめられ、軽自動車税や消費税軽減税率などの扱いに取りあえず決着はつきましたが、与党になったので予算関係の会議もこれからですし、TPPも越年交渉となりました。日本の国益のため引き続き全力を尽くしていきます。

平成25年12月7日

[なぜ今特定秘密保護法か]

 昨夜、参議院で特定秘密保護法案が可決・成立しました。

 中国が国際的に通用しない独自の解釈で、日本の領土である尖閣諸島や、公海の上空を、防空識別圏に組み入れるとともに、事前通報なき当該空域の飛行に対しては武力攻撃も辞さないとアナウンスするなど、この地域の軍事的緊張は高まっています。
 しかし国際社会が連携して安全保障やテロ対策に取り組む場合、それに必要な秘密情報の管理を徹底できなければ、日本は世界から相手にされません。

 これまで日本の情報管理は「だだ漏れ」とやゆされるほど甘いものでした。第二次世界大戦でのスパイ対策がなっていなかったことを例に挙げるまでもなく、今も機微に関する情報までどんどん明らかになってしまい、「日本では情報は『上がらず・回らず・漏れる』ものだ」という悪評が定着していたのです。

 日本版NSC(国家安全保障会議)の立ち上げとともに、こうした状況の改善を行うのはむしろ遅すぎたと言えるのです。実は政権に復帰する前から町村信孝議員のもとで、インテリジェンスに関する勉強会が立ち上がっており、私もメンバーとして検討に加わっていました。

 しかし政権に復帰すると、私は総務副大臣となり、この勉強会のチームからは外れてしまいました。その後もチーム限定メンバーでの議論がかなり長く続き、法案ができて党全体で議論するプロセスに入ったのは、既にメディアが色々とこの法案の問題点を報じるようになってから、提出の直前になってからでした。私も正直、それまでこの法案の条文を見ることはありませんでした。

 こうしたプロセスに全く問題がなかったかと言えば、再考の余地はあります。法律家として条文を見た時、もう少し丁寧に議論をしないといけないと感じました。そこで、党内手続きを終えた後も、党の他の同僚法曹有資格者議員とともに、森まさこ担当大臣のもとで政府職員と一緒に独自の勉強会を継続して行いました。この時の問題意識がかなり各党間の修正協議に生きたと思います。

 そうは言っても、現在報道されていたり、一般の方々に伝わっている「特定秘密保護法」のイメージはあまりに事実とかけ離れていると言わざるを得ません。

 最大の誤解は、現在も公務員による秘密漏えい罪が処罰されていることをほとんどの方が意識されていないということです。今回の法律は、特に防衛やテロなど秘密性の高いその一部について、要件を明確に定めて加重処罰するという性質のものであり、メディアの正当な取材活動を教唆犯として処罰しないことも明確に定めていることからすれば、平成の治安維持法だという批判は全く的外れだとわかります。

 また、修正協議により、秘密指定を行政機関が勝手に行うことのないよう、指定基準を外部有識者会議の意見を聞いたうえで決めるとともに、秘密指定・解除の状況を国会報告しチェックする仕組みを作りました。
 また、不当に長期に秘密のままにしておかれることのないよう、上限を30年とするとともに、日本や国民の安全を確保するためやむを得ない理由を内閣全体で承認した場合のみ延長が認められ、さらに秘匿性の高い情報として限定的に定めたもの以外は60年を超えることができないようにしました。
 秘密でなくなった情報を国立公文書館等で保管し、処分されないようにすることにもしています。
 国会議員を通じての情報漏洩も見過ごせないことから国会議員も処罰の対象となりますが、憲法上認められた秘密会に対しては秘密保護措置を国会でとってもらって情報提供することが明記されました。

 もはや議論は熟していると判断し、私はこの法案に賛成しました。ご理解を賜れれば幸いです。

[激動の日々]

 私が委員長を務める衆議院内閣委員会では、国家公務員法改正案というこれまた日本の未来にとって重要な案件を扱っており、省庁の縦割りを排した画期的な改革を目指しています。既に与野党で修正協議もまとまり、継続措置もとりましたので、来年通常国会で成立することを確信しています。

 TPP交渉も大詰めです。甘利大臣が体調不良で一時戦線を離脱するのは痛いですが、しっかり残ったメンバーで国益を主張し、いい形でまとめてもらえればと思います。

 このような中、中国問題や沖縄問題で鍵となる日米関係について、私がインタビューを受け、録画出演をすることとなりました。明日12月8日(日)フジテレビで午前7時30分から8時55分まで放送される「新報道2001」です。一人でも多くの方にご覧いただけたら幸いです。

平成25年11月21日

[千里の道も一歩から]

 昨日、最高裁大法廷で、昨年実施された衆議院総選挙における一票の格差をめぐり、「違憲状態」であったとの判決が下されました。

 選挙後の「0増5減法」の成立は評価して選挙無効の判断はされなかったものの、さらなる改革を求める内容であり、私たちは厳粛に受け止めなくてはいけません。地元紙の取材にそうコメントしました。

 まもなくこの夏の参議院選挙の一票の格差についての判決も下されます。

 昨年のこの時期に、当時の野田総理と自民党安倍総裁の党首討論で約束した選挙制度抜本改革。既に国会のねじれは解消しています。与党がイニシアティブを取り、実現しなくてはいけません。私も動いていきます。

 これとは別に、自民党改革において、総裁選のあり方の見直しも行われています。前々回の総選挙で私は「議院内閣制のもとではあるが、国民が総理を選び、長い期間リーダーシップを取れる制度に近付ける」と選挙公報の公約に掲げました。党員投票のウェイトを高め、小泉総理やオバマ大統領誕生の時のように国民の関心を集められるよう力を注ぎます。

[アベノミクス第三の矢もさらなる一歩]

 昨日、私が委員長を務める内閣委員会で、国家戦略特区法案が賛成多数で可決されました。

 区域を限って規制緩和や税制の特例を設け、日本の成長を引っ張る構想で、野党の中には「メニューが小粒だ」との批判もありましたが、これまで岩盤規制に守られていた農業の土地利用や信用保証、公立学校の民間運営委託、外国人医師の活動、土地利用の高度化などに踏み込んだものです。民主党政権時代の総合特区構想は残しつつ、地方からの手挙げのみに任せるのでなく国が戦略を持って地域と共同していく今回の構想が、年末の税制改正と相まって必ずいい結果をもたらすと確信しています。

 ちなみに委員会採決は、法案修正も含め、自民・公明・民主・みんな・維新の5会派が賛成、付帯決議には生活も賛成ということでした。昨日は締めくくり総括質疑に安倍総理も来られ、私から「内閣総理大臣、安倍晋三君」と答弁に指名させていただいたのも貴重な経験でした。

 今日の本会議で、委員長提案である「アルコール健康障害対策基本法案」(超党派議員立法)とともに採決されます。

[会期後半に向けて]

 25日月曜日には、公開で党の無駄撲滅プロジェクトチームの仕分けヒアリングを実施しますし、会社法の改正でも忙しい毎日です。寒くなりますが体調に留意しつつ全力を傾けて参ります。

平成25年10月31日

[分身できたら…]

 昨日は衆議院内閣委員会の初日。委員長として臨みました。

 菅官房長官、古屋国家公安委員長、新藤大臣(分権改革・地域活性化担当として)、山本科学技術担当大臣、森少子化担当大臣、甘利経済財政担当大臣、稲田行政改革担当大臣をはじめ、世耕官房副長官や各担当の副大臣・政務官が揃って挨拶をされる様子は圧巻。このような委員会は予算委員会を除いてありません。省庁横断案件を扱う内閣委員会ならではです。

 前回のこの欄に書いたとおり、国家戦略特区法案と国家公務員法改正案という重要な2法案が短い臨時国会の中で提出を予定され、それぞれ早くて11月5日の閣議決定との見通しです。大変厳しい委員会運営になると思いますが、各党理事の議員の方々と打ち合わせ、円滑かつ規律ある進行に努めて参ります。

 この件もそうですが、党内で私が関わる緊急の諸案件が数多くあります。

 最高裁が違憲決定を出した婚外子相続分をめぐる民法改正問題はそのうちの大きなものです。党内では法律婚を守るため改正に慎重な意見が根強く、いかに最高裁の決定を尊重し、戸籍などの実務への混乱を防ぎつつ着地点を見出すか難しい調整が続いています。

 みずほ銀行の反社会的勢力との関係の表面化をきっかけとした、再発防止策や会社法改正などのガバナンスのあり方の検討にも加わっています。法律による社外取締役の義務化などが問われます。

 自民党で復活した無駄撲滅プロジェクトチーム(通称ムダボ)の主査として、来年度予算の吟味や海外への委員派遣など国会の無駄への切り込みも着々と行っています。アベノミクスの観点から適切な予算付けは必要ですが、消費税率引き上げに伴い、しっかりと歳出削減を行わなければいけません。

 前総務副大臣として、党の情報通信戦略調査会でこれからの情報通信・電波行政のあり方の議論にも加わっています。

 その他にも内政・外交の重要施策に色々関わり、しかも最近増えている取材やテレビ出演、講演やシンポジウムのパネリストの依頼、各種原稿などで本当に目の回るような忙しさです。

 11月17日(日)にはBS-TBSで午後1時から1時間、「ニッポン未来会議」というテレビ番組でこれからの外交戦略について討論することになっています。

 つくづく分身の術が使えたらと思いますが、全力で一つ一つの課題をこなしていきます。

平成25年10月16日

[臨時国会の幕開け]

 昨日、53日間にわたる臨時国会がスタートしました。

 最初の本会議で各委員会の委員長選任手続があり、私は衆議院内閣常任委員長に決定しました。

 国会は各省庁(法務・総務・外務・財務・厚労・文部科学等々)の諸案件を審議するため、それぞれの与野党議員数十人からなる委員会に分かれますが、内閣委員会は省庁横断案件を扱います。最近では電子政府を実現するための「マイナンバー法案」がこの内閣委員会の審議を経て、本会議で可決されました。

 今国会でも、成長戦略の重要な柱となる「国家戦略特区制度」や、行政の基本となる「国家公務員制度改革」など、短期国会であるにもかかわらず重要案件が目白押しです。委員長として、円滑かつ規律正しい議会運営に努めて参ります。

 安倍総理の所信演説も同日実施されました。

 デフレから脱却し、起業・創業の精神に満ちあふれた国を取り戻す、若者が活躍し女性が活躍する社会を創り上げると力強く宣言され、電力システム改革、難病対策、研究開発支援、攻めの農業などを進めると明言しました。

 復興支援については、被災市町村ごとの「住まいの復興工程表」の着実な実施、福島第一原発の廃炉・汚染水対策の国が前面に立った遂行を訴えています。

 消費税の引き上げに伴い少子化対策を含め全世代型の社会保障制度を確立すること、財政再建と両立させることをうたい、外交面では、国家安全保障会議を創設するなど積極的な平和主義を掲げています。
 上記した内閣委員会の諸案件についても演説に盛り込んでいただきました。

 少し気になるのは、今度役職の変更に伴い本会議場でベテランの座る後ろの席に移動したのですが、先輩議員の中で総理の演説の最中にぶつぶつ言っておられる方がいたこと。
 今、必要なのは「作文」でなく「実行」です。そのためには、私たち与党が(慎重な手続はもちろん必要ですが)一丸となって目標に向かって進まなければいけません。

 様々な(前向きな)意見は、しかるべき議論の場所できちんと表明し、より良いものにするよう努力し、その代わり決まったらしっかり一丸となることが必要です。そうできるように、議会も党も変わっていかなければいけません。

 私の立場で全力を尽くしていくことをお誓いします。

[相次ぐ取材・講演など]

 おかげさまでテレビや新聞の取材、出演依頼、講演依頼などをいくつもいただいています。きちんとメッセージが伝わることが必要で、これからも情報発信に努めて参ります。

平成25年9月24日

[決断の時]

 いつしか蝉しぐれも聞こえなくなり、朝晩は急速に涼しくなってきました。

 いよいよ来月からは臨時国会。消費税増税についての決定をはじめ、政治が大きく動き出します。

 私は自他ともに認める「上げ潮派」であり、増税には極力慎重であるべきで財政の好転のためには経済成長による税収増と歳出削減が本筋であると訴えています。
 政権からの転落前に自民党の若手で結成した勉強会「プロジェクト日本復活」でも、ハーバード大のアレシナ教授の主張や小泉政権時代にプライマリーバランス(基礎的財政収支)が大幅に改善されたことを根拠に、増税は慎重にとの提言をしています。昨年の8月には当時の野田総理の「近いうち解散」に対する不誠実な対応に、他党提出の内閣不信任案に賛成票を投じ、たとえ消費税増税に関する3党合意が犠牲になっても仕方ないと考えていました。

 しかし状況は大きく変わりました。安倍政権になってから経済指標は好転し、4~6月期のGDP(国内総生産)改定値も年率換算3.8パーセント増と好調です。東京オリンピックの招致も決定しました。「デフレ下の増税は経済に深刻な打撃を与える」という主張の前提に変化が生じたのです。
 さらに、諸外国に比べて高水準で日本への投資の足かせとなっていた法人税率の引き下げや、景気対策などを併せて実施することとなり、税率引き上げ後の反動不況を極力防止する方針です。

 諸外国に比べて税の直間比率が直接税に偏り、かつ国民負担率が(社会保険などの負担を含めても)低水準、債務残高対GDP比は220パーセントと突出して高い日本の消費税率の引き上げは、いつかは避けられない課題です。決断できなければ世界の日本の財政に対する信頼も損ないかねず、それは市場にも大きく影響します。
 このタイミングで安倍総理が決断するのであれば、私はそれを支えねばならないと考えます。

 ただし、しなければいけないことは沢山あります。
 まず支出面の見直しをしっかり進めること。復興対策や汚染水対策などはきちんと実施しないといけませんが、国の支出全面にわたって費用対効果を検討し直し、無駄をしっかりなくしていかないといけません。
 また、消費税率の引き上げが生産者や下請けの中小企業に理不尽なしわ寄せを及ぼさないよう、公正取引委員会などを通じて現場の監視をしっかりする必要があります。

 皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げます。

[国際社会の激変]

 シリアのアサド政権に対する反対勢力に、武装集団が加入する動きを見せています。ケニアの首都ナイロビでも、ショッピングモールを武装集団が襲撃したというニュースが飛び込んできました。

 過激派とそれを結果として支援している国や軍事産業が、世界の不安を増長させている構図になってきました。こうなってくるともはや「誰が悪いのか」という決めつけでは事態が収束することはできなくなっています。国際社会で治安悪化に毅然と対処するコンセンサスをどう作っていくか、今こそ関係各国の良識とリーダーシップが問われます。

 日本を取り巻く近隣国の環境も変わっています。オリンピック招致もその一つの要因になるでしょう。国益を実効的に守るため、私の立場でできることをしっかり行っていきます。
 おかげさまで党青年局の台湾出張も、日台親善の強化や、党の地方組織との認識共有という意味で大きな成果を挙げたと思います。

 先週総務副大臣として出張したベトナムでも、情報通信分野での日越連携をうたう覚書を3年間更新するとともに、現地の郵便事業を支援していくことを発表しました(ミャンマーに続き2国目)。投資している日本などにも大きな好影響をもたらすと自負しています。安倍総理が就任後初めて訪問したのもベトナムであり、今後の現地の発展の可能性を肌で感じました。

 日本とベトナムとの外交関係は樹立後40周年を迎え、これを記念した日越共同製作ドラマが9月29日、ベトナム国営テレビでは午後8時から、日本のTBSテレビでは午後9時から、ほぼ同時に放送されます。「ザ・パートナー」というタイトルで、東山紀之さん演じる100年前の日本の医師と、ベトナムの活動家の友情を軸に両国の現在に至る関係を描いた壮大な内容で、私もベトナムの政府関係者ともども完成披露パーティーで祝辞を述べました。海外への放送コンテンツ展開は、総務省も関与する「クールジャパン戦略」の大きな柱です。これからも類似の取組みを強化していきます。

[今後いかなる立場になろうとも]

 テレビと言えば、明日9月25日午後7時から日本テレビで放送される「太田光の私が総理大臣になったら~秘書田中」のスペシャル番組に、子育て支援についての議論で出演する予定です。是非ご覧いただければと思います。

 秋の政府・党の人事が取り沙汰されています。私は現時点で何の連絡もいただいていませんが、いかなる立場であっても全力で政権を支え、国民生活の発展のために頑張っていく所存です。山積する難題に正面から体当たりしていくことをここにお誓いする次第です。

平成25年9月9日

[次世代リーダーに必要なもの]

 「TOKYO」の文字が書かれた紙をジャック・ロゲ国際オリンピック委員会会長が示した瞬間、思わずガッツポーズをしていました。

 日本オリンピック委員会はじめ関係者の方々のご努力に心から敬意と感謝を表します。長期にわたる各国への働きかけも大変だったと思いますが、開催を求めたプレゼンテーションも映像・それぞれのスピーチともに素晴らしかった。

 国内の空気も4年前とは明らかに変わっていました。震災を経て、復興のために、みんなで一丸となって招致を実現しようという盛り上がりが感じられ、東京オリンピック・パラリンピック開催を支持する意見は国民の7割に達しました。

 これからは、敗れたスペインやトルコの分まで、世界中の方々に喜んでいただくような大会にすべく、力を合わせて頑張らなければいけません。
 最新の8Kスーパーハイビジョンで、エキサイティングな競技の数々を見て手に汗握ることを楽しみにしています。

 この東京オリンピック・パラリンピック招致には日本の運命がかかっていました。
 最終決定直前に福島第一原発の汚染水漏れの報道が世界を駆け巡り、これで落選したら風評被害が一層加速します。オリンピック特需を見込んだ景気にも冷や水をさすこととなり、秋の消費税論議も影響を受ける可能性がありました。また、現在日本と微妙な関係にある中国や韓国が東京開催に慎重な姿勢を示していたことから、日本の外交上の地位低下ももたらしかねない状況でした。

 最後に日本開催を決定付けたのは安倍総理の迫力のある英語での演説、そしてそれに続く質疑応答でした。
 東京にオリンピックを誘致することの意義、それに対しての熱意、汚染水問題に対する具体的な数値を挙げての対策の強調・・・このことは多くのIOC委員や海外メディアがそろって認めているところです。

 見ていて私は確信しました。これからの日本のリーダーは世界を相手に主張し、想いを伝えることができなければ務まらないのだと。
 そしてこの世界中の注目が集まった舞台での活躍が、安倍総理の外交上の存在感を高めることにつながることを期待しています。

 もっとも、「根拠薄弱な主張に外国人がだまされたのだ」と心無いコメントをする人もいます。
 私は前回のこの欄で、汚染水対策にはオールジャパンいやオールワールドで知見を結集しなければいけないと書いていますし、党の原子力対策の会議でもそのための体制・工程表につき、政府の一員でありながらもっと充実させるよう厳しく指摘しました。(そのことが複数のメディアで紹介されています。)これを受けて政府は対策を練り直し、私にも担当者が再説明に来てくれました。

 容易なことではないのはみんな百も承知なのです。要は、その解決に全力を挙げるという心からの政治的決意なのです。安倍総理は、それを国際社会の前で示したのでした。

 2020年に向け、私たちは重要な宿題を背負ったことになります。その実行のためにみんなで力を合わせなければいけません。私も全力を尽くすことをここに宣言致します。

[連日のミッション]

 総務省では急速に普及するスマートフォンのプライバシー情報をどう管理するか、青少年のソーシャルネットワークでの保護をどのように図っていくかなどを検討する、利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会が、充実した提言を発表しました。私も何度も会議に出席して発言するなど取りまとめに貢献させていただきました。

 TPPとの関係で注目される郵政、電波利用料の見直しなど、重要案件に引き続き取り組みます。今月から来月にかけては、戦略的な海外出張も複数控えていますので、しっかり準備していきたいと思います。

 なお、今日からは4日間の予定で台湾に出張致します。これまで何度も参加した自民党青年局の活動で、今年は年齢的に最後の機会となります。
 これまで台湾とのパイプは議員外交、党では青年局が担っており、中国との関係が微妙な時期に政府の一員である私が訪問することには逡巡もありましたが、調整の末踏み切りました。
 日本にとって大切なパートナーである台湾との連携強化に向け、私ができること、すべきことをしっかり考え、小泉局長や仲間たちとともに頑張って参ります。

 テレビ出演・新聞取材の依頼もいただいています。情報発信にも取り組みを進めていきます。

平成25年8月27日

[国の威信を賭けて]

 福島第一原発において、高濃度の汚染水の漏えいが問題となっています。

 保管タンクの建設や管理、情報開示などで東電のずさんさが改めて浮き彫りになっていますが、そんなことを言っているより、まず国が前面に出て、この問題の収束を図らなければいけません。廃炉に向けての大きなネックとなりますし、これまで風評被害撲滅のために取り組んできた多くの方々の努力が水の泡になりかねません。諸外国からの賠償請求も現実味を帯びてきます。

 昨日茂木敏充経産大臣は現場を視察のうえ「今後は国が前面に出る」と述べ、漏れがあったタンクをより頑丈なタンクに交換することや、周辺の巡回回数を増やすなどの対策を指示し、今後対策での予備費の活用を含め検討していく考えを示すとともに、部会を設置して必要に応じて海外の専門家からも助言を仰ぐとしました。

 オールジャパン、いや、オールワールドで知見を結集することが必要であることは言うまでもありません。そして、原子力規制委員会には、他の原発の再稼働のための安全性判断もさることながら、原発事故の原因究明、正確な状況の公表と有効な対策の指導に、全力を尽くして欲しいと思います。対策には短期のもの、中長期のもの、それぞれあると思いますが、いずれにせよ迅速な対応が不可欠です。

 総務省としても機構・定員の面で、厳しい状況のもとでもしっかりバックアップしていきます。

 環境省でも除染・中間貯蔵という重要課題に向けた体制強化を行いますが、まずは前述した「汚染源をきちんとふさぐ」という作業を行わないと、国費がいくらあっても足りないということになりかねません。政府トータルとしての戦略パッケージが必要です。

[進化を続ける郵便局]

 日本郵便株式会社が、高齢者の方が多い全国6つのエリア(北海道、宮城、山梨、石川、岡山、長崎の一部)において、会員向けの見守りサービスを10月1日から実施します。

 既存のネットワークを生かしつつ、郵政民営化の成果を地域に実感していただく新たな事業展開で、安否確認や買い物支援など、今後ニーズは広がるでしょう。
 事業開始にあたっては総務大臣への届出が必要となりますが、今後の成長分野として是非応援したいと思います。

 昨日は江東区新砂の新東京郵便局に視察に行き、膨大な信書や荷物が機械で仕分けされる状況を目の当たりにしました。現場の実態につき説明を伺い、引き続き設備投資により業務改善をする余地があることを確信しました。

 つくづく思うのは、私たちが誇るこの郵便局というシステムはもっともっと進化できること、そして国際社会への貢献も含め、大きな可能性を持っているというということです。担当副大臣としてしっかり後押しを続けて参ります。

[気がかりな判決]

 ソウル高裁が新日鉄住金に対し、戦時徴用による損害賠償を認めた判決が波紋を呼んでいます。

 多くの方々からこの判決についてコメントを求められていますが、本件は大法院に上告され、確定していませんので、基本的に控えようと思います。

 ただし・・・

 本件のもたらす影響が極めて大きいだろうことは指摘しておかなければいけません。昭和40年の日韓請求権協定により個人的請求権については国家間で決着したはず。それを「韓国内での請求」を理由に蒸し返すことを認めれば、もはや二国間は昭和40年以前の状態に逆戻りし、韓国内での日本企業の経済活動にも大きな影響が出てくるでしょう。また、それに伴う両国の外交や国民感情がどうなるのか・・・対応が困難になることは容易に想像がつきます。

 中国で事業展開する日本企業についても、8割以上が引き続き事業展開を模索しつつ、3割が売上高が尖閣問題以前に回復していないとのアンケート結果が出ています。

 中東情勢も含め、国際社会の問題解決にもしっかり関心を寄せていきます。

平成25年8月16日

[望むだけでは実現できない平和]

 終戦の日は、日本中が平和や諸外国との関係を考え直す貴重な機会です。

 私はかつて外務大臣政務官時代、核軍縮・不拡散問題を担当し、平成21年にはニューヨークの国連本部で、翌年開催のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議に向けての準備委員会において、当時の中曽根外務大臣の代理でスピーチを行いました。

 はっきり言って、平和は人々が争うことをやめて武器をなくせば実現できる…そんな教育を戦後行ってきたことに対し、私たちは猛烈に反省をしなければならないと思います。そして、悲惨な戦争の直後に占領軍によって実質的に起草され、60年以上も経過して現実と食い違いが生じたままの文章となっている現行憲法を、きちんと現実を踏まえたものに改めなければいけません。

 上述した私のスピーチの内容は、北朝鮮関連の国連安保理決議の実施を強く求めるとともに、イランによる国際的信用の回復を求めること、NPT未加入国による非核兵器国としてのNPT加入を求めること、そして、中曽根大臣が提案した「世界的核軍縮のための11の指標」を紹介するものでした。

 そもそも、国際法や合意は、それを担保するため、破った国に対する制裁が不可欠です。経済制裁が功を奏しない場合、一段上の強制力が必要な事例もあり得ます。
 また、軍縮のためにはお互いが信頼関係を構築し、それぞれが目に見える形で(検証可能なように)軍備の削減を行わなければいけません。その信頼関係を構築することが大変です。互いに国益を賭けているわけですから、その交渉には当然駆け引きや同盟によるバランスなど多様な判断を必要とします。

 また、現代社会においては、国と国の間の戦争ばかりではなく、テロや今エジプトなどで深刻な事態となっている内乱など、武力紛争のあり方は多義的であり、その背景も千差万別です。

 それぞれの国の内外で、法の支配をきちんと確立するとともに、そうした背景となっている民族対立や貧困などの問題解決のため、場合によっては危険を覚悟で、誰かが汗をかかなければいけないのです。

 そうした実態を、今どれだけの子供がきちんと教育されているのでしょうか?そして世界水準からどう見ても軍隊である自衛隊について「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という憲法のもと、子供や外国を欺き、結局は彼らを失望させ、法に対する信頼を失わせることをいつまで続けるのでしょうか?

 今こそ必要な憲法の改正を行わなければいけません。そのための活動を続けることが、真の平和につながると信じて。

[靖国神社への参拝について]

 この欄で何度か触れたとおり、私は国のために犠牲となった英霊が祭られている靖国神社に対し、尊崇の念を表すため参拝することは認められるべきだと思っています。一般にネックとされるA級戦犯の合祀問題にせよ、東京裁判の幾多の問題点やその後の国会決議などを考えれば少なくとも今の全ての戦犯を問題視するのは適切でないと考えますし、憲法に定められた政教分離の問題にせよ、クリアできる方法はあり得ると考えています。

 問題は中国や韓国などの反発で、これは時間をかけて話し合うしかありません。現在のこれら諸国と日本の関係悪化の要因は決して日本だけにあるのではないと考えます。
 ただ、民主党政権時代のミスも含め、日本にも当然反省するべき点はあることからすれば、行うべき主張や行動は淡々と事実や法に基づいて行い、感情的対立は極力避けるべきだと考えます。特にこれら隣国は私たちにとって重要であることは事実ですから。

 私自身は何度か靖国神社に参拝し、遊就館の展示に涙した人間です。ただ、当選以後、ちょうどお盆前後には毎年休暇を取り、終戦の日の参拝は代理で失礼させていただいています。今年もその形を取りました。

 皆様のご理解をお願い申し上げます。

[国会が終わっても・・・]

 8月の上旬の国会が終わり、秋の臨時国会まで暫く間が空きます。しかし総務副大臣としての公務は続きます。おそらく国内外を飛び回ることになるでしょう。

 党でも社会保障と税の一体改革の各論についての議論など重要な会議が続きます。先日、安愚楽牧場被害者の会での要望を踏まえ、党での対策検討プロジェクトチーム前座長として、牧原秀樹現座長とともに、森まさこ消費者担当大臣に消費者被害・詐欺に対する対策強化を訴えたり、党の青年局・女性局合同の被災地視察で、なかなかメディアに取り上げられない千葉県を訪問したりするなども行いました。

 暑い日は当分続くでしょうが、全力で走り続けます。

平成25年8月3日

[決められる政治とは]

 昨日、参院選で当選された議員の方々が登院される中、参院議長の選任をはじめとする新たな国会の構成を確定させるための短期の臨時国会が開会しました。

 衆議院では大きな動きはありませんが、党所属の議員が東京に来られるということで色々な会議が実施されています。昨日は外交・経済連携本部・TPP対策委員会合同会議が開催されました。

 遅れて参加した日本がTPP交渉においてどのようなことを受け入れなければいけないのか、どのような分野でわが国の主張をどの程度反映できるのか、極めて国民の関心は高いです。また、自民党が選挙戦の公約で示した、重要5品目の関税の維持などが確保できるかも検証しなければいけません。

 しかし各国の交渉担当者には、交渉が円滑に進むように「守秘義務」が課されています。もしこの守秘義務が形式的・厳格に守られてしまうと、交渉の結果条約が締結されても、「そんなことは聞いていない。条件は受け入れられない。」ということで、利害関係者や議員は賛成することができず、国会の承認は得られないでしょう。

 今回の参院選は確かにねじれを解消しましたが、与党が単独で審議をおろそかにして物事をどんどん決めてしまうことになれば、国民不在の政治と批判されることは確実です。また、そもそもその前段階として、与党である自民党内でできちんと統一的な意思決定をするためには、情報を政府側が明らかにして、それに基づき各議員がきちんと議論をすることが不可欠です。

 確かに、迅速な意思決定をしたり難しい改革をしたりするためには、支持率の高いトップリーダーが決断を示すことも必要です。古くは橋本・中曽根各内閣での行政改革や国鉄などの民営化、近くでは小泉内閣の郵政民営化などがそうでした。
 しかし「決められる政治」の実現のためには、決定によって利害が左右される関係者をプロセスに参加させてその意見を極力反映させること、国民の代表である議員たちが議論してその経験や理想をきちんと生かすことが大切だと私は考えています。古い政治家の中には「議論していると揉めていると思われるから、派閥の長が根回ししたり金を配ったりしてシャンシャンで終わらせることが会議の要諦だ」などと考えているようですがとんでもありません。たとえ議員の一部が言うことを聞いたとしても国民が納得しないでしょう。

 むしろきちんと各自の意見を反映する機会が与えられ、議論をする中で成案がより精緻な良いものとなり、そのうえで多数の合意によって決まるというプロセスにより、その結果には納得がいかなくとも各議員や利害関係者がそれを受け入れる(結果に拘束される)ということが正当化されるのです。これは民主主義の基本であり、「デュー・プロセス(適正手続の理念)」と言ってアメリカなどで尊重される価値でもあります。

 ひるがえって、今回のTPPの交渉でも、交渉担当者は自民党の石破幹事長に対し、農水・医療など、各利害関係の団体や専門的な議員などと打ち合わせるべき重要な局面が生じればきちんと相談することとなりました。そして石破幹事長は条件交渉にあたり、必要な範囲での関係者間での情報の共有ときちんとした議論の橋渡しを行うことをしていきます。また、今後は、類似した条件の国や関係団体同士が連携して、他の国の要求に対して共闘していくなどの戦術も構築していくことになるでしょう。

 私が副大臣をしている郵政においても、例えばかんぽ生命保険が国の間接的な株式全部保有により、民間会社や海外の会社との公正な競争を阻害していると指摘されています。
 先日発表されたアフラックのがん保険販売に関する日本郵政との提携(郵便局の拠点を利用した販売やかんぽ生命での代理店契約を促進することなど)がこの交渉に何らかの影響を与えることはあり得ますが、基本的にはきちんと前述の指摘を受け止め、これにどう対応するかを考えなければいけないと思っています。そのための情報を私の立場で求めていきます。

 「決められる政治」が「丁寧でない政治」になってはいけません。

[電波行政の決定も次々と]

 この欄でも紹介した、私が主催する電波利用料の見直しに関する検討会も、多賀谷座長のもと有識者の方々にご議論いただき、大まかな方針を決めました。
 携帯事業会社や新規参入放送会社にも、公益性を有する内容のサービスに着目して1/2の特性係数(割引)の適用を認めることとするほか、今後電力改革などで需給調整の鍵となってくる「スマートメーター」などの機器については、たとえ電波を利用するとしても利用料に一定の上限を設けるなど、理論性と妥当性の両面を追求した画期的な案になっていると自負しています。結果として放送事業者の負担は増えることになりますが、ご理解をお願いしたいと思います。

 また、放送の高度化についても、4Kや8Kといったスーパーハイビジョンや、インターネットサービスと並行して受信できるスマートテレビの普及を後押ししていくこととなります。

 ニュースでも話題になりましたが、2.5ギガヘルツ帯周波数の追加割り当てに関する特定基地局開設計画の認定を、KDDI系のUQコミュニケーションズにするか、ソフトバンク系のワイヤレスシティプランニングにするかについても、電波監理審議会のご議論を経て、前者にすることと決まりました。総務省からの天下りが影響しているとか、談合があったなどの批判がされましたが、そのようなことはなく、また、総務省として特定の会社を有利に扱ったり不利に扱ったりすることは(当然私も総務副大臣として)致しません。これまでと同じ書類の提出を受け、これまでと同じプロセスで決定したものです。もしそこに問題があったならもっと前に議論がなされ得たはずと信じています。

私としても職務上歴史的に重要な決定を相次いでする立場にあることを厳粛に受け止めるとともに、しっかり公正に「決められる政治」をすることをお誓い致します。

平成25年7月23日

[「勝利」の実態]

 猛暑の参院選は与党の勝利で幕を閉じました。

 前回のこの欄で触れた埼玉選挙区も、自・公各候補が1位と2位を占め、かつ古川候補は100万票を超える独走で圧勝しました。
 皆様の格段のご支援に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 ちなみにこうしたお礼のメッセージを記載することや、選挙中のインターネット活用は、これまで公職選挙法上禁じられていましたが、今回の選挙からこれらが認められることになりました。
 実際どのような効果、あるいは問題があったのかは、今後きちんと検証しなければいけませんが、例えば街頭演説会の告知によって、その場に多くの方々が集まり候補者や応援弁士の生の声に耳を傾けることができるようになるなど、一定の意義はあったと思います。

 しかし、選挙が終わってみると、いくつか注意しなければいけない点に気付きます。

 まず、事前報道の影響の大きさと、死に物狂いの選挙運動の大切さです。
 事前に自民党圧勝の報道があり、特に1人区で劣勢に立たされているとされた野党は必死の選挙戦を展開しました。私が入手していた世論調査のポイントからもっと大差をつけて勝つと予想された自民党候補者が、接戦を強いられた選挙区がいくつもあります。逆に、苦杯をなめた沖縄選挙区は、実はもう少し野党の候補者が大きくリードしていました。最終盤に応援弁士を含め、必死の追い上げをして、あと1歩のところまで迫ったのです。
 また、東京は自民党の2議席獲得が固いとの報道が流れ、1時は丸川候補をリードしていると伝えられた武見候補の票が減ってしまい、逆に丸川候補の得票数が突出する結果となりました。
 「投票箱のふたが閉まるまで選挙はわからない」・・・言い古されたこの標語は、風が大きく選挙を左右するようになっても厳然と生きているのです。

 第2に、参院選における組織票の意義と、それと矛盾するようですが無党派のパワーの強さです。
 民主党の比例代表で当選した7人のうち6人が、日教組を含め、労働組合の組織候補でした。自民党も比例代表の上位当選者には何らかの組織による支援があり、竹中平蔵さんや片山さつきさんのような全国的知名度を背景とした当選者は少なかったように思います。
 そして猛威を発揮したのが無党派層でした。維新・みんなの選挙協力はうまくいかなかったとはいえ、民主党と競合する選挙区では第三極として、どちらかが民主党を上回る結果を数多く残しました。維新の橋下代表は「野党が結集して自民党に対抗できれば力になる」とおっしゃいますが、そうした面はあると思います。
 しかし世界の流れを考えれば、日本の未来のためにも、「反自民」による野党の結集ではなく、政策・理念による政界の再編が求められるのであろうと思います。民主党が分裂し、第三極がきちんと「小さい政府」「大きな政府」で旗印を鮮明にし、日本でも2つのグループができてイギリスの保守党と労働党のように政策によって国民に信を問い、競い合うような体制にしなければいけない(無論少数政党には配慮した形で)というのが私の確固たる持論です。そうした意味ではみんなの渡辺代表が「あくまで理念・政策本位で党のスタンスを決める」とおっしゃることには共感を覚えます。
 東京選挙区の山本太郎さんの健闘も目を見張るものがありました。ご本人に政治の経験や組織はなくても、都市部の無党派やインターネットの力を背景に議席を獲得したということは既存の政党が有権者に魅力を感じてもらっていないことの現れであり、真摯に受け止めなければいけません。実は自民党の比例獲得議席数も本来もっと伸びてしかるべきでした。上述したような政策本位の政党政治の実現や、党改革をしっかり行わなければいけません。

 第3に、共産党の躍進です。特に都市部での躍進は目を見張るものがあります。
 もっとも、「理念本位の2大政党制」を掲げる私の立場からすれば、終始理論的一貫性を有し、弱者の味方という立場を貫く共産党が支持を集めるのはむしろ当然の流れかもしれません。いずれは社民党や民主党と共産党が合体する日が来るのかもしれません。
 しかし、革新県政(都政)と呼ばれる時代に多くの自治体が経済的な停滞を経験し、世界で共産主義が相次ぎ崩壊している現実を見れば、過激な左派勢力が政権を取るのは国民生活のために決して望ましいことではなく、いかに穏健かつ現実的なリベラル勢力に衣替えができるのかが課題となるように思います。

[今後の課題]

 参院選の勝利は決してゴールではなく、新たなスタートラインです。経済政策、今日から始まるTPP交渉、原発などエネルギー問題、消費税を含む税と社会保障の一体改革、外交・安全保障・憲法問題・・・難題が山積しています。特に沖縄で自民党候補が敗れ、普天間基地の危険除去と米軍再編問題はまた暗礁に乗り上げました。

 私は昨年の今頃、民主党政権で日本が内外とも壁に突き当たっていた時、「この難局を打開できるのは(谷垣総裁のもとで解散が実現できるのでなければ)安倍晋三総裁しかいない」と、それまでの国政での経験をもとに確信していました。

 当時は超党派議員グループ「創生日本」など、日本の伝統や教育・憲法改正などの面から安倍総裁を支持する動きがありましたが、私は経済再生、特に構造改革の面から、小泉内閣のもとで官房長官を務め、改革分野にも通じている安倍総裁に成長戦略をリードしてもらいたいと痛切に感じていました。安倍議員を代表とする金融緩和の勉強会は山本幸三議員・田村憲久議員などにより立ち上がっていましたが、いわゆるアベノミクス第3の矢に相当する成長戦略のエンジンは立ち上がっていませんでした。(ちなみに山本・田村両議員は総裁選では安倍陣営ではありませんでした。)

 下村博文議員、礒崎陽輔議員、義家弘介議員と水面下で構想を練り、世耕弘成議員たちにもお手伝いいただきキックオフした「新経済成長戦略勉強会」こそが、今回のアベノミクス誕生の原動力になったと自負しています。(このことは小川榮太郎氏の近著「国家の命運」にはきちんと書かれていない事実です。)

 しかし自民党内では、同じ理念を持つ議員が必ずしも多数とは言えない現状にあります。改革派の菅義偉官房長官が内閣の要でしっかり政府をまとめていただいていますが、ともすると逆のモーメントが働きがちである実態を私はあちこちで見聞きしています。

 もちろん、改革が全て善だと言うつもりはありません。地方や現場の実態にきちんと耳を傾け、目で確かめ、きちんとプロセスを踏んで物事を決めていかなければいけません。
 しかし一歩引いてみれば、今日本は国際競争の中で残るかどうかの崖っぷちにいるのです。ここであらゆることを加速しなければ、日本は本当に立ち遅れてしまいます。そしてその危機感こそが、今回の参院選でねじれ国会を解消した最大の原動力になったはずなのです。

 一部報道では、「現在の執行部・政府の体制は参院選向けの仮の姿だ」と公言している自民党重鎮がいるなどと報じられていますが、ここで時計の針を逆戻りさせるような体制の先祖返りは断固として阻止しなければいけません。私の立場でできることを、全力で行って参ります。

 最後に、参議院議員選挙の定数配分違憲訴訟が全国で一斉に起こったことも明記しなければいけません。
 衆議院議員選挙の1票の格差は曲がりなりにも1対2以下を目指す形になりましたが、参議院は都道府県単位の選挙のため選挙区間には2倍をはるかに超える格差があり、この欄でも触れたように、2人区よりも1人区の勝敗が全体の帰趨を決する、極めていびつでかつ過疎地オリエントな制度となっているのです。現に、衆院選では各党は都市部に受けのいい「改革」を訴え、参院選では過疎地に受けのいい「格差是正」を訴えるのが勝利につながるとも言われています。
 こうした実態をどうすればよいのか。参議院選挙制度改革は今、衆議院同様(というより衆議院よりも深刻な)暗礁に乗り上げたままです。道州制の検討を含め、参議院のこれからをしっかり議論する時期がやってきました。

 全力で頑張りますので、皆様のご支援を心からよろしくお願い致します!

≫平成25年7月16日

[正直者が馬鹿を見ないように]

 連日選挙戦で活動していますが、どうも参院選は身近でないためか今一つ盛り上がりに欠けているような気がしてなりません。

 前回のこの欄で書かせていただいたとおり、今後の政治運営の、特に国際社会における日本経済の浮沈を賭ける極めて重要な選挙ですので、是非ご関心をお寄せいただきたく存じます。

 野党は、日本維新の会とみんなの党がうまく選挙協力できていないことや、民主党の党勢回復ができていないこともあり、お互いにつぶし合いをして共産党の躍進が見込まれるという論調があります。
 確かに先日実施された東京都議選はそうした傾向がありました。しかし日本全国でそのような結果になるかと言えば、私は決してそうではないと思います。

 例えば埼玉選挙区です。
 ここでは6年前の参院選において民主党に追い風が吹き、定数3のところを2人の候補者を立ててともに1位と3位で当選させました。新人の自民党古川俊治候補は2位。現職だった公明党の高野博師候補は4位で落選してしまいました。

 今回は自民党の古川候補が2期目のチャレンジで、報道では有利な戦いと報じられていますが、選挙は緩んだ陣営が思わぬ苦杯を舐める例が後を絶ちません。しっかり頑張らないといけません。
 何よりも民主党は今回背水の陣ということで候補者を一人に絞り、死に物狂いの組織戦を展開しています。決してあなどることはできないと脅威を感じています。

 そして何と、前回埼玉でトップ当選した民主党の現職は、今回はみんなの党から立候補するのです。みんなの党は、今回自民党を「既得権益に縛られ改革をし切れない政党」と批判しており、一定の支持を集める可能性があります。
 私は自他ともに認める改革派であり、大変信頼し、いつも連絡を取り合っている菅官房長官が今後きちんと規制改革や行政改革などの必要なかじ取りをしていくことを信じていますし、全力で協力していく所存です。にも関わらず、労働組合を基盤に持ちみんなの党の渡辺代表も批判している民主党から、党籍を移って堂々とみんなの党より立候補される方が、与党として自民党とともに責任ある政策運営を行ってきた公明党の候補者を押しのけて当選するということには納得がいきません。

 もしここで公明党の新人矢倉克夫候補が4位で落選するようなことがあれば、6年前の与党に大逆風が吹いていた時と、今回のように逆に支持されている時が、結局選挙区において全く同じ議席配分となってしまいます。こんな理不尽は到底認めることができません!

 自民党は今回、公明党の矢倉候補にも推薦を出す異例の措置を取り、与党で2議席を確保する運動をしています。古川候補を公認しているので非常に難しい選挙戦ではありますが、是非ご理解をいただきたいと思います。
 明日17日午後5時には自民党の石破幹事長と公明党の山口代表が揃って所沢駅西口で街頭演説を行いますので、お時間のある方には是非おいでいただきたく存じます。

 総務省の公務や地域イベントもありますが、あと暫く、(他県の応援も含めて)参院選にも全力を尽くして参ります。

≫平成25年7月1日

[国会が閉じても…]

 通常国会は野党の参議院での問責決議案可決によって幕切れとなり、電気事業法改正案など重要な法案が廃案となってしまいました。

 ねじれ国会は熟議の場を作るという意義があるはずですが、現状を見るとこの危機的な国政を停滞させていることは紛れもない事実です。
 来たる参院選では何としてもこのねじれを解消し、アベノミクスを中小企業や個々人が実感できるよう加速させなければいけません。

 地元の埼玉県ではもちろんのこと、他の地域でも要請があれば応援に駆けつける所存です。

 もちろん、総務省の公務は当然のことながら国会が閉じても続きます。

 当面の注目は、3年に1度の電波利用料の見直しです。そのための検討会は私が主催者となり、有識者の方々と共に議論を経て結論を出します。NHKや民放各社などの放送局も、携帯電話などの通信事業者も、スマートメーターなどの新しい機器も、この議論の結論によって展開が大きく左右されるため、慎重に検討しなければいけません。
 今日たたき台の第1弾を発表します。

 また、経営が難しくなっているラジオ放送の強化を、災害などに対応する放送インフラの強靭化という観点でどこまで行うことが正当かという議論も、新しい通信メディアの登場という観点から慎重な検討が必要です。報告書に皆様のご意見をいただいているところです。

 強靭化といえば、トンネルなどの社会資本インフラの強靭化の検討会議も副大臣級の協議会が実施されています。効率化を図るためのセンサー活用などを総務省から提言していきます。

 それを含め、この欄で再三紹介しているICT成長戦略は、安倍本部長のもとでまとまった提言をきちんと実行に移すことが必要です。法制度の改正を含め、しっかり結果を出していきます。

 そして、TPPとの関係で、郵政民営化をどのように進めるかも極めて需要な局面を迎えました。

 私は郵政関係各社の事業の徹底的な検証と現地への視察を踏まえて、これからの新規事業展開と株式上場に向けた道筋が見えるようにしなければいけないと考えます。

 JPタワーなど都会の取組みばかりでなく、地方の郵便局の実態もヒアリングし、いかに民営化・経営マインドの強化により、業績を好転できるか、また民間会社とのイコールフィッティングが確保できるかを検討しています。日本郵政西室新社長はじめ各会社の方々ときちんと連携して取り組みを進めていきます。

 ちなみに今日は、クールジャパン推進担当副大臣の一人として、テレビ新広島の「スーパーニュース(午後5時53分から午後7時)」にインタビュー出演し、現在の政府の取組みや、日本酒など期待できる分野の話をさせていただく予定です。

 忙しい日々が続きますが、引き続きのご支援をよろしくお願い致します!

≫平成25年6月19日

[時代が求めるブレイクスルー]

 発表された安倍内閣の追加成長戦略に、「踏み込み不足だ」などという批判が出され、株式相場などの乱高下も手伝って「アベノミクスはバブルだ」とコメントする人々がいます。

 行き過ぎた相場には調整局面があるのは当然ですし、国際要因等もあるので、相場の動向に一喜一憂するべきではありません。

 ただし、これからいかに財政健全化や構造改革が進むかは、非常に重要だと思います。

 震災復興・国土強靭化・相次ぐ景気対策により、財政は大きく膨張しています。景気が良くなれば当然歳出削減を行わなければいけません。使途も少子化対策や新規成長産業の育成などにシフトし、消費税を着実に上げられる環境を整えるべきです。

 そして、この新規成長産業の柱となるのが、今総務省として携わっているIT戦略です。
 6月10日、日経新聞との共催で開催した世界ICTサミットのレセプションで私は、「現在わが国では、安倍総理をヘッドとするIT総合戦略本部において、私も参加したIT戦略起草委員会等の議論を踏まえて、安倍ビジョンの取りまとめを行っており、この中では『世界最先端IT国家創造宣言』をしております。」と挨拶しました。

 具体的な工程表を作成し、IT戦略によって経済・社会の閉塞感を打破して日本の再生に貢献すること・国際社会に貢献していくことを、力強く打ち出しています。

 ただし、こうした戦略が功を奏するかどうかは、ひとえに、関係当事者がどれだけ本気になれるかにかかっています。

 誤解を恐れずに言えば、日本の官民の安定・安全志向やセクショナリズムが成長を阻害してきました。リスクを取れない企業に勝ち目はないし、決断ができない政府に成長は支えられません。

 IT総合戦略本部、新規に創設した政府CIO(内閣情報通信政策監)が横串を通し、省庁間の、官民の、中央と地方の、国境の、壁を取り払って(もちろんセキュリティーにはきちんと配慮して)、ロードマップをしっかり推進していかなければ日本に明日はないという気概で各自取り組まなければいけないのです。

 しかし課題は山積しています。

 6月10日に総務省で開催した、「放送コンテンツ流通の促進方策に関する検討会」では、今後放送と通信の融合を想定し、新たな方向を打ち出しました。
 一つは権利処理です。実演家や音楽などの著作権の処理が、伝統的な逐一同意を得る方式であってはとてもでないですが新時代には通用しません。時間やコストを効率化する方策について権利処理のための機関の活用を含め、新たな方向性が示されたのは非常に画期的でした。もう一つは、私も首相官邸でのクールジャパン推進会議などで訴えていましたが、放送コンテンツや製品・サービスを、総合的にストーリーをもって海外展開していく体制が整ったことです。

 この会議や私のコメントはニュースになりましたが、要はこれをきちんと実施できるかです。

 さらに、6月17日には、放送業界・通信業界・家電業界のトップが参加する中、「次世代放送推進フォーラム」の設立発表会が実施されました。
 4K・8Kなどのハイビジョンと、インターネットと融合したサービスを利用できるスマートテレビを、一体的に導入することにより、放送コンテンツを高画質や多様な方法で楽しむことができるようになるだけではなく、医療・機械の設計・防犯など幅広い分野でも応用できるようになり、色々な意味で国際競争力でも優位に立てる契機になると言えます。

 この会議や私のコメントもテレビ各局でニュースになりましたが、きちんと利用者のニーズを踏まえた展開ができるかが大きな鍵になってきます。

 折しも6月12日に総務副大臣室を訪問された米国グーグル社のアジア太平洋公共政策局長であるスーザン・ポインター女史と、これからのビッグデータ戦略・著作権戦略について有意義な意見交換をすることができました。

 これからも日本の成長に向け、全力を尽くして参ります。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

≫平成25年6月12日

[放送の中立性]

 最近、テレビ放送の中立性についてメールなどでご意見をいただくことが多くなりました。

 放送法は4条で、事業者の番組編集につき、「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を義務として定めています。

 放送は、有限の電波を用いて行われる公共性のある事業であり、その影響も大きいことから、一定の認定を受けた事業者が免許を得て行うものです。中立性・真実性の要請は当然のものと考えます。

 一方で、事業者には憲法21条に保障された表現の自由があり、放送法3条も放送番組編成の自由を明記しています。
 特に、放送は時の権力の影響を受けがちであり、それがもたらしてきた幾多の悲劇から、権力を持つ者が放送内容に口を出すことは、たとえそれが放送法4条に反するのでないかとの疑念を持つことによるものだったとしても、慎まなければいけないというのが現在の法体系なのです。

 私は放送担当の総務副大臣です。色々個別の放送に思うところはありますが、上記の原則は守らなければいけません。

 無論放送行政を所管している以上、放送事業者に対して一切権限が行使できないわけではありません。例えばNHKについては、受信料の基準は総務大臣の認可が必要ですし、業務報告についての意見表明も総務大臣が行います。ただしこれらは事業展開や不祥事に関するものが主となり、放送内容に関わるものとは言えません。ちなみに私は今年の総務大臣意見につき、わが国の国益の尊重という趣旨を盛り込むように強硬に主張し、結果として「我が国の公共放送としての位置付けを踏まえ」という文言の挿入が実現しました。

 もっとも、NHKの予算について国会衆参の総務委員会で質疑が行われ、その中で出席議員から、NHKの政治姿勢や番組に関する質問が行われることがあります。ただこの場合の答弁は出席しているNHK会長が行います。
 ちなみに党の総務部会で、このNHK予算に関する承認を行う際、番組に関する疑問が出席議員方から出されることがあります。この場合はそれに対する局側の答弁が不充分な時は、部会長が答弁の補充を指示しない時、私から促すこともしています。ここまで私が踏み込むのは、党の部会は国会の委員会と違って議事録が残らず、公の批判にさらされることがないからです。

 過去に総務大臣や有力政治家が番組内容にクレームをつけたこともありますが、まず間違いなくスキャンダルとなっています。

 「では偏った番組内容を是正するにはどうすればいいのか」という疑問が当然出てきます。放送法は6条で、各事業者が学識経験者からなる放送番組審議機関を設置しなければならないと定めています。

 特にNHKに関しては81条で、細かい番組についての準則を定めたうえで、82条でこれに沿ってチェックする放送番組審議会を、中央・地方・国際それぞれの放送に関して設置することとなっており、中央・国際各審議会委員の人選は、NHK経営委員会の同意を得てNHK会長が委嘱することとなっています。
 この審議委員個々人について総務副大臣が監督するような仕組みには当然のことながらなっていません。

 ちなみにこの同意をするNHKの経営委員会の委員については、両議院の同意を得たうえで内閣総理大臣が任命することとなっています。このリストは私たち総務省で作りますが、任期がありますので先日は一部の方々を更新するにとどまりました。

 こうした体制で充分なのかは疑問もあるところでしょう。ちなみに業界自主機関としてBPO(放送倫理・番組向上機構)が設置され、放送倫理検証委員会や放送と人権等権利に関する委員会などがありますが、わが党の佐藤勉元総務大臣が指摘されたとおり、業界で設けた組織であってお手盛りにならないかとの懸念があります。

 事業者には視聴者の意見に耳を傾けてもらうことが必要だと考えています。例えばNHKは視聴者から寄せられる意見・要望について、どう対応したかを1か月ごとに集約して経営委員会に報告するとともに、NHKの各部署で情報を共有し、業務改善に役立てることとなっています。また、その状況はHPにアップされています。これを是非しっかり活用して欲しいと思います。

 今後、場合によっては放送法の改正も含め、議論がなされることがあり得ます。私の立場で今何ができるのかを真剣に検討して参ります。

≫平成25年5月30日

[利用者目線]

 最近、仕事をしていて痛切に感じるのは「利用者の視点を欠いては物事はうまくいかない」ということです。当然のことなのですが肝に銘じなければいけません。

 28日午後、成長戦略の一環として、政府で日本食や文化の海外展開を進めるための「クールジャパン推進会議」の行動計画が正式決定しました。秋元康さん、コシノジュンコさん、金美齢さんたちとともに、私たち各省庁の代表も参加して取りまとめられたものです。

 日本料理に造詣の深い「食の伝道師」の育成・活用、世界文化遺産を目指す観光資源「日本遺産」のアピール、アニメなどのポップカルチャーやデジタルコンテンツの海外展開、そのための若手クリエーターの支援など、多様でよい方針が示されたと思いますが、大切なのは、押し付けでなく、それを受け入れる海外においていかにブレイクしてもらうかという視点です。

 日本と外国の放送事業者が共同で番組を作るとか、現地のニーズをきちんと調査するなど、相手を知り、また巻き込んでいくという姿勢を忘れてはいけません。私のみならず複数のメンバーがこのことを指摘していたのが印象的でした。
 この発想、選挙にも通じるものがあると思います。

 話は変わりますが、最近総務省でICT街づくり推進会議の現地視察として、街づくりにITを積極的に取り入れている柏市や三鷹市に伺った際もそのことを強烈に感じました。

 ともすると街の行政情報を駅前でWi-Fi(高速無線LAN)で確認できるとか、要援護者の見守りや防災情報提供をITを使って行うなどの先進的な側面ばかりが目につきますが、実はそれらが普及し、持続可能なものとなるかどうかはまさしく住民ニーズや、利用者の親しみやすさなどをきちんと把握するとともに、住民を(ボランティアを含め)巻き込んでいかないといけないのです。
 健康情報をスマートフォンで管理する場合、どの程度の予算と住民の講習などが必要なのか、要援護者のプライバシーはどう確保し、病気や災害の時に誰が現場に駆けつけるのか等々…しっかりと検討する必要があります。

 これから情報の共有を図る「ビッグデータ化」はますます進み、自治体を含む「電子政府」の実現・統一化も待ったなしの状況です。しかし急ぎながらもこうした視点を忘れることなく、官民連携して頑張っていきたいと思います。

[医療フォーラムの盛況]

 27日に所沢市民文化センター(ミューズ)において、古川俊治参議院議員、藤本市長とともに「医療フォーラム どうなる日本」のパネルディスカッションに参加させていただきました。会場ほぼ満員の関心を集めるとともに、有意義な議論ができたと思います。

 ここでも利用者の意識が医療を変えるということを痛感しました。
 各自が健康現役社会を目標に生きがいを持って過ごしていただくこと、救急医療が真に必要な方々のものであるという自覚を持っていただくこと、コストは最終的に自分たちの負担となることから、それをどう分配するのが公平かを考えねばならないということ、きつい労働環境の勤務医や隣接職の方々の処遇をどう改善するかということ…厳しい問題もありましたが、目を背けてはいけないでしょう。

 もっとも、ITなどを活用した医療と介護の連携ですとか、最先端治療(iPS細胞など)が産業フロンティアを導くことですとか、前向きな話も色々できました。地元の医療事情に関する有用な情報も沢山提供できたと思います。

 尽力して下さった皆様、ご参加いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。

≫平成25年5月20日

[方法重視]

 北朝鮮を訪問していた飯島勲内閣官房参与の動向が注目されています。

 安倍総理は「拉致問題の解決なくして日朝正常化なし」の姿勢を堅持し、核問題などについて定めた日朝平壌宣言がミサイル発射により蔑ろにされていることを批判する姿勢を崩していません。しかし問題の解決に向けて選択する方法については、徹底した情報収集と多様な人材の適切な活用が必要になります。

 アメリカの政権の状況、対ロシアの日本のスタンス、日韓関係、中国と北朝鮮の関係などをにらみつつ、小泉政権において当時の安倍官房副長官と北朝鮮を訪問した飯島氏が、今後の戦略を広げる役割を果たしていると思います。

 日本維新の会の橋下共同代表の発言も、問題解決の意図があったにせよ、プロセスとしては不適切だったと言わざるを得ません。
 これからは、いつ、どこで、誰が、何をどうするかというプロセスの選択が、目的達成の可否を大きく左右するのです。

[経済再生の処方箋]

 安倍総理が都内で講演し、民間投資の拡大や攻めの農業などを柱とする成長戦略第2弾を発表しました。メディアでは規制改革などの大胆なメニューが盛り込まれなかったと批判もありますが、有効性を配慮しつつ時期的に優先順位をつけたのだと思います。
 私たち総務省が主張した放送コンテンツの活用を軸としたクールジャパン戦略や、ビッグデータの活用も盛り込まれていますが、実はここに著作権のあり方の見直しや、電子政府導入に伴う大胆な規制改革が求められてくるのです。パーソナルデータの利用・流通に関する提言も今日発表されます。是非しっかりとご覧いただければ幸いです。

[スカイツリーへの電波塔移転]

 一部で、今月中に想定しているスカイツリーへの電波塔移転が大幅に遅れる可能性が報じられています。

 しかし試験放送をする中で、要対策施設とされた約11万件のうち、9.8万件が工事完了、0.7万件が工事日が確定しており、99パーセントの目処はついています。新藤義孝大臣が「大量未処理のまま強引な移行はしない」と国会答弁していますが、なし崩しに大幅に遅れる可能性は少ないと言えます。今後も移転リハーサルを行うとともに、移転後にしかアンテナ工事ができない場合のCATV対応、簡易アンテナの活用などによって、早期の移転に全力を尽くしていきます。

 地デジ対応は、高画質化や今後のデータ通信への道を開くこと、電波の空き領域の有効活用の可能性をもたらすことから必要な政策でした。ご理解を是非お願い致します。

[所沢副大臣就任祝賀会へのお礼]

 所沢地区で齋藤博元所沢市長を発起人代表とした副大臣就任祝賀会を企画していただきました。昨日の会合には大井・三芳地区のご来賓や、町村信孝元内閣官房長官、新藤総務大臣、古川俊治参議院議員、西田実仁参議院議員をはじめ多くのご参加があり、安倍総理のビデオメッセージも紹介されました。
 参加された方々、ご準備いただいた方々に心からお礼申し上げます。

≫平成25年5月8日

[チャレンジの国から]

 4月30日から5月4日まで、米国ワシントンDC、サンフランシスコに出張に行ってきました。

 ボストンのテロの後ということもあり、事前に行先や目的を紹介するのは控えさせていただきました。

 今回のミッションはかなり前から決まっていたもので、米国で大きな課題となっている(また日本でも今後重要テーマとなる)インターネット上の業務妨害・プライバシー侵害などに対するセキュリティー対策や、その裏腹となるインターネットによる経済成長戦略について、また、遅ればせながら日本でも進み出した電子政府や国民番号制度、情報の共有システム(クラウド化)について、米国政府担当機関や民間の情報通信会社と情報交換し、また連携を強化する目的でした。
 おかげさまで大きな成果を得られたと思います。

 加えて、飛行機で一緒だった竹中平蔵教授や土居丈朗教授たちとの意見交換、佐々江賢一郎駐米大使や猪俣弘司サンフランシスコ総領事をはじめ、現地駐在の日本政府関係者や、北加日本商工会議所や在ワシントン情報通信関係日本企業の責任者の方々との会談・会食などもとても有意義でした。

 米国では、セキュリティー対策を何が何でも政府が全部やろうとしているわけではなく、今年2月にオバマ大統領がサイバーセキュリティー強化を目的として発した大統領令でも、DHS(国土安全保障省)をはじめとした政府と、民間企業との間で、マルウェア(不正プログラム)などの情報共有を進めると定められていますし、過度な規制を導入するよりも金融・エネルギー・治安などそれぞれの領域でベストプラクティスを確立することが目指されていることなどが印象的でした。(マカフィーなど民間のセキュリティー会社が発達しているのもうなずけます。)

 スマートフォンの普及により、位置情報や各種アプリケーションの活用を通じてユーザーのプライバシーの侵害の危機が生じていることや、迷惑メール対策が必要になっていることなどについても、通信事業者や消費者団体などの利害関係者を幅広く協議に参加させ、個人情報に関する取扱いの説明・同意に関する方針や迷惑メール発信情報の扱いなどを官民で決めています。アプリケーション提供事業者でもあるアップル社がとても熱心に取り組んでいるのが印象的でした。

 何と言っても実感したのは「やはりアメリカはチャレンジの国なんだなあ」ということです。

 ホワイトハウスで政府CIO(情報統括監)のヴァンケロール氏に、あるいは前政府CIOのクンドラ氏と面会し、政府情報をオープンにして利便性を高めるため「クラウド・ファースト」を徹底するとともに、各政府機関の情報システムにかかる経費を徹底的にダッシュボードを用いてオープンにし、経費削減の競争をさせたり、政府調達システムにも競争原理を導入し、どんどん新しくよいものに更新したりしています。エコカーシステムなどで膨大な情報処理が必要になっても、積極的に民間から優れた人材やソフトの導入を行って対応しています。

 シリコンバレーで訪問した民間企業でも、グーグル社におけるイノベーションを立ち上げるための大胆なM&A戦略や、各種法的紛争(ユーチューブなどの著作権の問題や、検索サービスでのサジェスト機能《キーワード表示》によるプライバシー侵害の判決など)をものともせず(というか、それは法的リスクの一部だと割り切って)どんどん利用者ニーズに応えようとするメンタリティーは、会社の大らかな雰囲気と併せて本当に印象的でしたし、日本の多数の官民主体(地方自治体を含め)が業務委託しているというクラウドサービス提供会社のセールスフォース・ドットコム社も、「ビッグデータ革命」とその裏腹としてのセキュリティーを技術面に加えて監査・人材教育など充実したガバナンスでも確保しているという「信頼革命」を、見事に両立しているのが印象的でした。

 この出張の成果を新藤大臣にも報告しましたし、今後の各種会議でもフィードバックしていきます。政治主導で日本の取組みを、省庁の壁を超え、官民の壁を超え、中央と地方の壁を超え、国境の壁を超え、加速させなければいけません。

[日本の外交戦略]

 安倍総理をはじめ、GW中の各閣僚の外交も戦略的だったと思います。私もマイケル・グリーンCSIS(戦略問題研究所)日本部長との意見交換の中で、日本を取り巻く経済や安全保障の微妙なバランスについて認識を新たにすることができました。ここには全ては書けませんが、誤りなき対応を今後とも心掛けていきます。

≫平成25年4月28日

[続く記念日]

 今日これから政府主催の「主権回復の日」の式典に出席して参ります。

 高市早苗政調会長が指摘されるとおり、この日は主権の重みを考え、なぜ占領されるに至ったか、占領下はどういう政治だったか、沖縄・奄美・小笠原がなぜ同時期に回復できなかったかということも考えていただく、意味のある日です。沖縄の方々からはご意見もあるようですが、この文脈でしっかりと考えていきたいと思います。

 ゴールデンウィークには国外出張に出かけてしまうため、憲法記念日には日本にいないことになります。憲法を取り巻く環境や今後のあり方についても、国民的議論が必要だと考えています。私は政府の一員となる前、衆議院の憲法審査会や特別委員会で、「主権者である国民が憲法について判断する機会を事実上奪っている、両議院での3分の2の発議要件は緩和するべきだ」と繰り返し発言してきています。各党での合意がまとまるよう期待しています。

[靖国問題は冷静に]

 安倍内閣の閣僚が靖国神社に相次いで参拝したことに、中国や韓国などから批判の声が上がっています。

 これについて政府は「国策に従って尊い命を捧げた方々に尊崇の念を示すことは内政問題である」という立場を取っており、これ自体はそのとおりだと思います。

 論点は、いわゆるA級戦犯と言われる人たちが合祀されていること、最高裁判所が靖国神社への政府への一定の関与が憲法の定める政教分離原則に反するとしていることです。

 前者については、勝者が敗者を裁く形を取り、内容的にも遡及処罰など国際法の原則から疑問の残る東京裁判で、A級戦犯とされた人たちが合祀されていることは(全ての人に問題がないのかの議論は別として)決定的なネックとは言えないと判断します。

 後者についても、閣僚の参拝が(私的参拝の形式を含めて)全て憲法違反かというと、判例の解釈からはそうは言えないでしょう。また、政教分離原則をどうすべきかは現在の実情を踏まえて憲法論議をするべき部分です。

 理屈のうえでは上記のとおりなのですが…現在日本をとりまくアジアの国々との大変難しい安全保障をはじめとする懸案事項の解決に、この問題が影響を与えることは必ずしも得策ではありません。内政問題であると主張する以上は、ツイッターにも書きましたが、淡々とできることとできないことの主張をすればよいと考えます。私自身は靖国神社へは随時参拝をしていますが、注目される節目の日の参拝は(今のところは)していません。

[成長戦略も大詰め]

 安倍内閣の成長戦略の取りまとめがいよいよ5月に大詰めを迎えます。

 総務省でもICT成長戦略会議や地域の元気創造本部での議論について、現在集約作業に入っています。私も参加する会議では積極的に発言し、特にイノベーションや新ビジネスモデルの発掘などについてエッジの効いたかつ現実味のある制度改革ができるよう頑張っています。クールジャパン推進会議や総合科学技術会議などの議論も重要です。是非ご注目下さい。

[GW中の出演]

 5月2日(木曜日)午後7時から2時間、日本テレビの「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中」スペシャル番組が放送される予定です。私も収録に参加して、アジア情勢について語っているのですが、さて、どうなりますか…

≫平成25年4月20日

[ITで変わる老後、そして教育]

 総務省で立ち上げたICT成長戦略会議の下部組織である「ICT超高齢社会構想会議(座長:小宮山宏元東大総長)」において、このたび基本提言がまとまりました。私も会議では積極的に発言して提言に貢献しています。

 題して「スマートプラチナ社会の実現」。

 これまでともすると「お年寄りはITが使えず、見るのはテレビだけ」というイメージが定着していました。しかしお隣韓国は違います。「IT社会が進んでもお年寄りを別途保護しよう」という発想でなく、「こんなに便利なものをお年寄りが使えないならどうすれば使っていただけるようにするか」という前向きの政策を打ち出し、実行しているのです。

 私たちのこの提言ではまず、ITを使って健康を維持し、自立的に暮らすビジョンを打ち出しています。
 具体的には、健康寿命の延伸の観点から病気予防のための生活モデルを一人一人の特性に即して確立し、自分で日々管理できる仕組みを構築する大規模な社会実証をしたり、医療・介護・健康関係のデータを関係機関に共有・活用する(いわゆるビッグデータとする)ための基礎的インフラを整備したり、買い物・見守りなどの生活支援をGPS(衛星測位システム)で行うライフサポートビジネスを創出するなどです。災害などでもこうしたお年寄り情報をしっかり救助に活用します。

 そしてお年寄りが生きがいを持って働き、社会参加するようにします。
 具体的には、生涯学習センターや自治会などでのITの学びの場をもっと活発化するとともに、テレワークなどを活用した現役世代とのベストミックス就労モデルを実証したり、テレビ電話などを通じた子供たちとの交流の促進を進めたりします。また、ITを使って、お年寄りの個々のニーズに沿った身体的機能を補完する介護ロボットやコミュニケーションロボットなどができてきますので、その社会実証やガイドラインなどを策定します。

 こうしたこれまでの「シルバー産業」を超えた新たな産業群を「スマートプラチナ産業」と名付け、オープンイノベーションによって展開していくための支援をどんどん行うとともに、この分野で日本がフロントランナーとして世界に貢献できるよう、ITシステムの標準化や各国との共同連携を進めて参ります。

 私たちとしてはこのプロジェクトにより、2020年に23兆円規模の新産業が創出できると期待しています。

 教育の分野のIT化も進めていきます。

 折しもタイでの選挙公約で示された「全ての生徒にタブレットコンピューターを」という項目に基づき、インラック首相が公立小学校1年生の生徒のため90万台の(中国製)タブレットコンピューターを導入したことが話題となりました。日本の選挙公約もこのようにきちんと実行されるべきです。

 私たち総務省では「フューチャースクール推進事業」と銘打ち、文部科学省との連名によって同様の推進を行うためのガイドライン(2013版)を、学校や教育委員会など関係者に宛てて策定しました。

 小学校における機器やネットワーク環境の構築、中学校や特別支援学校では遠隔地との交流授業などの利活用事例などについても掲載されています。

 教える人材が不足しているなどの問題もありますが、徹底した研修プログラムなどを導入していきます。将来世代のITリテラシーやネットエチケットの教育は絶対に必要となってきます。

[テレビ番組の収録]

 日本テレビのゴールデンウィークに放送予定の特番に出演するため、昨夜収録を行いました。先日のフジテレビ新報道2001など、最近立て続けにテレビ出演の依頼が来るようになりましたが、私としては積極的に情報発信していこうと思います。

 放送まで間がありどう政治が動いていくかわかりませんし、どのように放送されるかも確定していない部分がありますので、直前になったら告知させていただきます。

≫平成25年4月10日

[暴走か計算か]

 北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」を発射する準備ができていると報じられています。

 防災・危機管理を担当する総務省としても即応体制を取ることが求められます。Jアラートの情報が迅速に国民に伝わるようにしないといけません。
 今回は北朝鮮から特段の発射予告がなく、小野寺防衛大臣は迎撃のための破壊措置命令を非公表の形で発したということで、やむを得ない措置だと思います。

 それにしても若き指導者金正恩氏は何を考えているのでしょうか。今回は中国すら北朝鮮の行動を擁護していません。国際的な孤立や武力衝突につながりかねない暴走ととらえる向きもあります。

 しかし一方で、「核武装をした国に対しては米国は攻撃をしてこない」という計算に基づく行動とも言えます。
 私は中東担当の外務政務官の時代に、決して日本と関係が悪くないイランに対し、核開発についての疑惑を払拭するよう再三訴えました。米国やイスラエルなどとイランの関係からして、上記のような計算に基づく行動をイランが取ると思われてもやむを得なかったからです。

 もちろんこのような計算に基づく行動が正当化されれば、世界で歯止めなき核開発競争が展開されてしまいます。何としても国際社会を敵に回した核武装が割に合わないというコンセンサスを作り、今回の北朝鮮の動きに、関係各国が連携して事前・事後に毅然とした対応をしていかなければいけません。

 今後とも注視を深めて参ります。

≫平成25年3月30日

[周回遅れの議論]

 全国各地で昨年末の衆議院総選挙の1票の格差について提起された訴訟の判決が、高裁段階で出揃いました。

 16件中、違憲と明確に判断したのは14件。残り2件も「違憲状態」としており、合憲判断は1つもありませんでした。しかも違憲判決のうち2件は史上初めて選挙無効にまで踏み込んでいます。この無効判決が確定したら、当該選挙区の議員は将来に向かって失職することになります。

 この場合、新たな区割りができるまでは補欠選挙も含めて事実上再度の選挙は不可能となり、長期にわたって当該選挙区は衆議院での代表不在という事態になりかねません。このような不都合にもかかわらずこうした判決が出たことの重みを、私たちはしっかり受け止めなければいけません。

 折しも3月28日には、前国会の最終日に成立した0増5減の具体的な区割りについて勧告がなされたところですが、本来これを確定する作業は、昨年の選挙の前に済ませておくべきでした。というのも、さらにその前の2009年の選挙時の1票の格差が既に違憲状態と最高裁で示され、それに基づき各党で定数是正案がかなりの長期間議論され、しかし合意に至らなかったという実態があるからです。

 昨年11月15日付のこの欄のブログで紹介したとおり、早くから自民党は、政治制度改革推進本部の細田本部長(事務局次長は私でした)のもとで、最高裁が1票の格差を2倍未満にするのに障害になると指摘した各都道府県1人別枠方式に風穴をあけ、0増5減によって小選挙区での1票の格差を2倍未満に引き下げるとともに、比例区における30減を併せて提案していました。

 しかし民主党は、身内の議員からも公然と「憲法違反だ」と声が上がる「比例区連用制」に固執し、これにより絶対に実現が不可能だと知りながらも、パフォーマンスで大幅な定数削減を含む案を提示して自民党を批判し続け、合意を壊してきたのです。この「連用制」は、公明党など小政党に、大幅な定数削減のもとでも比例区議席を逆に劇的に上積みさせるもので、まさに党利党略としか言えない性質のものでした。

 制度全体に関する合意が困難になったことにより、自民党の発案により各党間でようやく合意したのが小選挙区0増5減の先行法案です。そしてこの夏までの通常国会で、より抜本的な選挙制度改革をするというのが当時の野田総理と安倍自民党総裁の約束だったはずです。

 今国会、自民党はこれまでの細田案を改善した案を提示しており、民主党は岡田元代表が「自民党の案は憲法違反のおそれがある」などと主張しているようですが、上記のとおり違憲の疑いが強いこれまでの民主党案に比べればはるかにまともな案です。

 また、自民党案は定数削減幅・見直し対象区が少なすぎるという批判がありますが、それならきちんと0増5減を決着させた後、堂々と国会でオープンに議論しながら合意形成を進めるべきだと思います。自分の地位が危うくなる議員にも厳しい案を受け入れさせるためには世論の力が必要です。第三者機関での確定の必要を求める声もありますが、しょせん法案への反対者が多くつぶされてしまっては元も子もありません。

 もちろん、私はどんな案が出てもそれが理屈が通り、国益にかなうものであれば自らの保身を図ることなく賛成する覚悟です。全ての国会議員が真剣に国益を考えねばなりません。

 ただし中選挙区制の復活には反対です。この欄で再三触れたとおり、理念を明確にし、政策本位で政党を選べる二大政党制(少数政党にはもちろん配慮します)を実現させるべきというのが私の一貫した主張だからです。

 選挙所管の総務省の副大臣として、今後とも全力で取り組んで参ります。

[メディアでの主張]

 衆参両院での平成25年度NHK予算案の委員会質疑も終わりました。きちんと自らの主張を明確にし、しかしチームとしての和を尊重しながら進めていくのが今の総務省政務三役です。東京郵便局のJPタワーも開業してこれからビジネスが拡大します。ITによる成長戦略の策定も、行政改革も、取組みが本格化します。

 そのような中で、明日3月31日(日曜日)午前7時30分から8時52分まで、フジテレビの「新報道2001」に生出演することが決定しました。橋下徹大阪市長や、元鳥取県知事・総務大臣の片山善博慶大教授たちとともに、大阪市政改革などを題材とした日本再生策をどうするべきかを徹底的に討論します。是非ご覧いただければ幸いです。

≫平成25年3月20日

[リーダーの資格]

 安倍総理が、2月22日のオバマ米大統領とのTPPに関する文書での合意(全ての品目をテーブルに乗せるが、聖域なき関税撤廃を前提とはしない)を受け、3月15日に交渉参加を表明したことは大きな意義を持ちます。

 私はこの欄で2月21日に、政府がとるべき基本的なスタンスについて、また各分野での懸念がだいぶ払拭されている旨書かせていただきました。

 TPPに参加することのメリットがよくわからないという意見もありますが、むしろ「参加しないデメリット」を考えるとよくわかります。

 成長するアジア太平洋地域に対して貿易の拡大によりその果実を得ようとする日本にとって、今後この地域で進むRCEP(東アジア地域包括的経済連携)やFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)などの動きに影響を間違いなくもたらすTPPにおいて、ルール作りに関与できなくなってしまいます。これは政治的リーダーシップの低下にもつながるでしょう。

 中国や韓国との懸案事項の存在や安全保障上の問題を考えても、日米同盟を基軸とする日本がTPPによって経済的な連携を強めていかなければいけません。

 もちろん今後の交渉の推移は予断を許しません。細部については3か月明示されないとの不安もあります。

 自民党では、農林水産分野の重要5品目等(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等)や、国民皆保険などの死活的利益の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は脱退も辞さないという決議を行いました。そして先の総選挙では主権を損なう内容のISD(投資家対国家の紛争解決)条項を認めないなど6項目の公約を掲げていますが、これを守っていくこと、及び十分な情報の開示を行っていくことも求めています。

 不利益を被る産業について、いかなる対応をするかをきちんと明らかにすることも大事です。

 今後のTPP交渉にあっては、強力な政府一体の交渉チームを作ること、そしてこれを支える与党が参議院選挙でしっかりと安定した勢力を確保することが必要になってきます。私も政府の一員として全力を尽くすことをここにお誓いする次第です。

 安倍総理は3月17日の党大会で、自らの今の地位は農村地域での暖かい支援が原点であり、それに対する感謝を決して忘れないこと、また日本の美しい国土や国柄を断固として守り抜くことを力強く宣言されました。リーダーは、きちんと各方面の意見を聞き、決断する時は決断し、全力でそれを実行するとともに責任を引き受けなければならない…今の安倍内閣に対する支持が高いのは、そんな総理の姿勢を国民の皆様が感じ取っているからだと思います。

[情報分野での活動]

 昨夜、社団法人デジタルメディア協会が開催した、優秀なデジタルコンテンツなどの制作者を表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'12/第18回AMDアワード」の授賞式に、大賞/総務大臣賞のプレゼンターとして出席しました。

 受賞したのは「おおかみこどもの雨と雪」(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会/スタジオ地図)、細田守監督によるオリジナルアニメーション映画です。私から受賞理由を「素晴らしい描写力と、シナリオの力を実感させていただいた。日本のアニメーション技術、そして構成の質の高さを示していただいたのではないかと思う」と説明させていただきました。

 ちなみに協会理事長賞には「EPUB 3」(IDPF:国際電子出版フォーラム)が選ばれました。米国の電子書籍標準化団体IDPFが普及促進している電子書籍用ファイルフォーマットで、英語圏ではEPUBは既に標準規格となっており、EPUB 3では各国の担当者により各国語対応のサブセットの開発が進められています。電子出版市場を世界標準のプラットフォームに乗せた功績は大きいです。

 優秀賞にはテレビでおなじみのゴールデンボンバーたちも輝き、会場が盛り上がりました。これからも優れたコンテンツの作成や海外展開を積極的に後押ししていきます。

 3月21日には衆議院総務委員会が開催されます。午後のNHK予算関連質疑では、私も放送分野の担当副大臣として答弁に立ちます。

 21日から22日にかけて、真夜中の12時半から朝の5時まで、NHK総合テレビでこの様子は録画放送されるので、是非ご覧いただければと思います。

≫平成25年3月12日

[風化を許さない記憶]

 昨日、東日本大震災から丸2年を迎えました。

 死者・行方不明者が2万人超、仮設住宅などで避難生活を送られている方はいまだ32万人近くにのぼり、復興は進んでいる部分とそうでない部分にかなり格差が出てきています。

 昨日は天皇皇后両陛下のご臨席のもと、国立劇場で2周年の追悼式が実施され、被災地域から3名の方々がご遺族代表で追悼の言葉を述べられました。ご家族を失いながら、懸命にその分まで頑張ろうとされる姿に、思わず涙せずにいられませんでした。

 天皇陛下のお言葉は昨年の追悼式よりも長く、被災者の方々を励まし、現場で救援・復興にあたられている関係の方々に感謝の念を示していただく内容でした。とても身近で暖かいと感じました。

 安倍総理は各閣僚に「全員が復興担当大臣の気持ちで復興に全力で当たるよう」指示を出されていますが、昨日の式典にも大臣・私たち副大臣・政務官と出席し、その気持ちを新たにしました。

 私の取組みの関係で言えば、野党時代に尽力した二重ローン対策の周知徹底や、総務省で今年度の補正予算に計上した震災復興特別交付税の活用を進めていくこと、そして被災自治体のマンパワーをバックアップするために、全国の公務員OBを積極的に活用して下さいと訴えているところです。

 この欄でも触れましたが、2月11日には党青年局の仲間たちと福島第一原発周辺地域を再度訪問させていただきました。住民の方々の帰る目処が立たず、原発サイトには冷却水や汚染地下水をためるタンクが(前回の訪問時から)さらに数多く増設されている様を目の当たりにして、危機感を新たにしました。

 改めて地区ごとの将来像をしっかり示すとともに、除染技術の積極的な導入・推進を進めなければいけません。私もいくつか提案の橋渡しをさせていただきました。

 このほか、現地の複雑な権利関係の調整、建設資材不足や入札不調のオールジャパンでの対応など、現地に出先を設けた復興庁を中心に政府与党が詳細かつ強力に対応を進めていきます。

 そのような中で、損害賠償や料金設定に揺れる東電をはじめ、電力システム全体の改革が不可避な状況となっています。

 経済と両立する形での新電力の徹底した導入やそのための民間資金の活用、発送電の分離など、今ここで大胆な改革をしなければ日本はダメになってしまいます。色々抵抗もありますが、全力で進めて参ります。

[なかなか帰れない地元、これまでの担当の引き継ぎ]

 日々の活動に追われ、地元にはなかなか帰れないでいますが、応援して下さる方々との連携によって何とか私の日々の取組みや思いが伝わるように、また現場の声が聞けるようにしていければと思っています。

 また、安愚楽牧場問題やサンセット法案など野党時代の多数の仕掛り案件が、政府の一員となり、なかなか対応できなくなってしまっています。これらの引継ぎなどによる再スタートに向けても努力を重ねて参ります。

≫平成25年3月5日

[目的化した会議は不要]

 平成24年度補正予算案が参議院本会議をわずか1票差で通過し、すぐに本年度の予算審議が衆議院でスタートします。

 現在、政府4演説(施政方針、外交、財政、経済)に対する代表質問が行われています。

 ねじれ国会にもかかわらず、補正予算案に維新の会などの野党が賛成し、参議院を通過した意味は極めて大きく、総理が言われるとおり「決められる国会」を通じて国民に対する責任を果たせる体制ができることを期待しています。そのためには、与党として決しておごることなく誠実に野党との交渉に臨むことが必要です。

 そこは最大野党の民主党にも配慮を求めるところです。何でも反対の姿勢を取ったり、かつて自らが与党時代に行った主張と異なる対応をしたりして政権の足を引っ張れば、それはかえって国民の離反を招くことを自覚していただきたいと思います。

 社会保障制度改革にせよ、国会の定数是正にせよ、実りある与野党協議を期待します。

 そのような中、現在私は総務副大臣として連日分刻みのスケジュールに追われています。

 日本の優れたコンテンツの海外発信をどうするか、という観点から、国際放送の充実や、各国の言語に対応する字幕や音声への翻訳、権利処理の円滑化などを進めています。

 昨日は首相官邸で、安倍総理を本部長として省庁横断の「クールジャパン推進会議」が開催されましたが、私も出席し、日本酒などの食材の海外展開のためにも「発信戦略」の強化を訴えたところです。

 先週はこれ以外にも沢山の会議がありました。28日の「放送サービスの高度化に関する検討会」では、構成員の方々に対し、「デジタル技術のスピードは速く、国際競争も激しい。スピード感を持って議論をし、4k/8kといったスーパーハイビジョンやスマートテレビの事業化に官民力を合わせて取り組むことが必要だ」と訴えさせていただきました。

 そして当初の計画を前倒しし、来年のブラジルリオでのサッカーW杯を目処に4k放送の環境を整備し、東京が招致活動をしている2020年のオリンピックでは、4k/8k双方の視聴が可能なテレビの普及を図るという計画で概ね合意しました。

 もちろん、真にビジネススキームとして成り立つかの検討はしっかり行わねばいけませんが、日本がこうした先進的な取り組みをすることに意義があると思っています。

 安倍総理の掲げる成長戦略の実現のために、総務省では「ICT成長戦略会議」が2月22日に立ち上がり、上記した放送サービス高度化検討会のほか「ICTコトづくり検討会議」など、計8つの分科会ができていて精力的に活動しています。

 私は野党時代、審議会などのサンセット法案を作成したこともあり、無駄な会議は極力なくしていこうという立場です。役所の免罪符としてしか機能しなかったり、会議自体が目的化しているようなものは、どんどん廃止しなければいけません。そうでなくとも、きちんと目的を持って進行し、必ず成果をあげるようにしないと会議の意味はありません。

 現在の私の担当する会議は民主党政権から引き継いだものもあり、少し整理・統合したり、早く提言を出して終了しなければいけないものを取り出したりする必要性を感じています。

[チャレンジ・スピリットを大切に]

 思えば自民党ではかつてインターネットでの著作権のあり方について、権利者の許諾のあり方やアメリカなどでの「フェア・ユース(公正な利用)」等につき議論をしていましたがなかなか進まなかった経緯があります。これ以外にも、新しいことを始めようとすると必ず既存の利害関係を持つ方々との利害調整が生じ、規制緩和がなかなか進まず、海外との競争で遅れを取るということをいやというほど経験してきました。

 電気製品や通信環境で「ガラパゴス」と揶揄されている内向きの姿勢はもう卒業しなければいけません。今こそ最先端のフロンティアに打って出るチャレンジ・スピリットを、私たちが復活させなければ日本の未来はないのです。

 地元でも2日、応援して下さっている若手を中心とした「しばワンCLUB」の合同役員会が盛大に開催されました。心から感謝し、皆さんの思いを受けて全力で頑張っていくことをお誓い致します。

平成25年2月21日

[国益のために]

 安倍総理がオバマ大統領との会談のため訪米します。

 TPP(環太平洋経済連携協定)がクローズアップされていますが、総理には是非国益のために有意義な訪米として欲しいと願っています。

 TPPであれ、その他の外交交渉であれ、日本国民に選ばれた日本を代表する政治家が、日本の利益を最大限目指すのは当たり前です。先方の市場に対して自国品を売り込み、自国産業は守りつつ消費者の利益を増やす。二国間で打開できない局面は多国間協定で打開し、逆に多国間協定でカバーできない個別の案件を二国間で解決する。それ以上でもそれ以下でもありません。

 自民党は全党挙げての議論の結果、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加には反対だという大方針を打ち出すとともに、国民皆保険を守る、食の安全安心の基準を守るなどの公約を掲げました。私もこれに沿った主張を選挙前後を通じて展開しました。

 民主党の国会戦術により平成24年度補正予算の参議院通過は訪米後に持ち越しとなり、国会で本件は激しい議論になることと思いますが、自民党の外交・経済連携調査会での検討を見ると、こうした自民党の方針・公約に照らしても、だいぶ懸念や疑問が払拭されつつある印象を受けます。また、最近の中国や韓国、核実験を強行した北朝鮮の動向を見ると、日中韓が中心となるアジア連携協定だけで本当に国益が守れるのか首をかしげてしまいます。

 安倍総理は国益の意識が高く、バランス感覚も備えておられるので、きっと成果をあげられることでしょう。

 TPPの陰に隠れていますが、先進国で日本だけが加盟していないハーグ条約(国際結婚における子の連れ去りを防止するための条約)も国際社会では大きなテーマになっています。

 私は党の前法務部会長(シャドーキャビネット法務大臣)として、この条約の重要性、一方でDV(家庭内暴力)に耐えかねて日本人の妻が子を連れ帰ることへの影響を検討してきました。今回、党の外交・法務合同部会で、DVに懸念する弁護士会などの疑問に配慮する国内法案がまとまったことに伴い、条約と併せて承認の運びとなりました。

 これからはしっかりと国内のみならず在外公館での相談・DV支援の体制を整えていかねばなりません。併せて、両親がたとえ離婚しても共に子供の親としての責務を果たしていけるような制度設計に努めます。

[副大臣としての相次ぐ視察]

 情報通信・郵政担当の総務副大臣として、事業会社の幹部の訪問をいただいたり、施設の視察を行うなどの活動を精力的に行っています。

 先週実施したNTT東日本霞ヶ関ビルの視察では、都心の通信インフラの状況や安全確保についての理解が深まりましたし、昨日訪問した丸の内のJPタワー(東京中央郵便局)では、3月21日のフルオープンを前に、店舗の準備の様子やオフィステナントが続々と決定している状況、局舎の伝統を守りながら高度化を図っている工夫などを見ることができました。

 もっとも、郵便事業に関しては、この東京中央郵便局ですらかろうじて黒字を出しているという状況です。民営化の趣旨を生かし、今後どう事業展開していくかを真剣に考えていきます。

 NHKの予算や放送法に関する検討も始まります。これまでの蓄積があり、急激な改革は難しいですが、しっかり問題意識を磨き、適切な対応をしていきます。

≫平成25年2月9日

[ガバナンスへの疑問]

 中国軍艦船の日本護衛艦などへの火器管制レーダー照射事件は大きな波紋を呼びました。

 戦闘行為に発展しかねない危険な挑発。当然、どのレベルまで関与していたのかが問題となります。本国共産党指導部が了知していたら日本との関係は暗礁に乗り上げますし、現場の暴走となればガバナンスの欠如が指摘されます。

 苦慮した中国は「そうした事実はない」と事実を否定する方針を取りました。

 これに対し「これは現場の暴走だろう。上記した中国の事情も配慮し、今後の再発防止にお互いパイプを太くしていけばよい。」という意見があるようですが、私は納得しかねます。再発防止には事実の確定とお互いの信頼関係の構築が不可欠でしょう。もし現場の暴走であればそれを早期にチェックしないととんでもないことになります。きちんと中国側に対応を求め、誠意が見られなければ次のステップに進むことも検討すべきではないでしょうか。詳細は副大臣会議の中で主張していきます。

 副大臣会議と言えば、今週開催の際、この欄で触れたミャンマーへの出張の際感じた、インフラ整備などでの各省連携の必要性について私から訴えさせていただきました。加藤内閣官房副長官から「関係閣僚会議を設けていく」との答弁をいただきました。折しも経団連のミャンマー訪問団も、2015年を目途に経済特区の整備を設ける旨先方の閣僚と合意したとのニュースが流れており、わが国政府としてこれをバックアップする必要性を感じています。

 また、その際私から「支援に際しては当然環境問題も対応しなければならない。中国の大気汚染のようなことを引き起こしてはならない。」と訴えました。そして井上環境副大臣はこの中国の大気汚染について力強い発言をして下さったので、きっと環境省から方針として示していただけることと思います。

[福島への訪問]

 いよいよ予算委員会が始まりました。濃厚な議論が続いていることは評価できます。昨日は地方分権について新藤総務大臣も沢山答弁に立ちました。質問者の問題意識はわかります。それが国民にとってどういう意味を持つのかを幅広く検証し、分権を進めた場合のガバナンスの確保や自治体間の差をどうするかを含めて深く議論すべきです。

 私は通告がなく、今週は委員会室に足を運ぶことはありませんでした。省内での打ち合わせなどに追われていました。打ち合わせでは私から意見を言う機会も増え、事務方がそれを前向きに形にしてくれるというよい意味での役割分担・政治主導が定着しつつあるように感じます。

 今日は福島で開催されるG1サミットという各界からの有識者の会議で、ネットでの選挙運動について(総務副大臣という政府の担当部局として)パネルディスカッションに加わります。午後4時15分からツイッターなどでの実況もあるようです。是非ご注目いただければ幸いです。

 また明後日は自民党青年局顧問として、小泉進次郎青年局長たちとやはり福島の視察に赴きます。毎月11日に実施される「TEAM11」という被災地訪問・要望実現に向けた取り組みです。

 色々多忙ですが全力を尽くして参ります。

[感謝の気持ち]

 来週火曜日には5人の知事や新藤大臣たちと宮中を訪れ、天皇陛下と昼食をお供しながら地方事情のご説明をすることになっています。また昨夜は地元で私の所沢選対の新春初顔合わせ会が実施されました。

 日々感謝の気持ちを新たにしています。それを前に進む原動力とし、結果で恩返しをできるよう、精進を重ねていくことをお誓い致します。

≫平成25年1月28日

[悲しみからの教訓]

 アルジェリア人質事件は、政府や関係者の懸命の努力にもかかわらず、多くの方々が亡くなる悲しい結果となってしまいました。ご遺族には心からお悔やみを申し上げます。

 出張先のミャンマーでも報道される情報には逐一注目していました。そして帰国当日参加した各省副大臣会議で、「今回の事件に先立ちテロの兆候はなかったのか、今後の類似事案の再発防止にどのようなことが可能なのかしっかり検討するべきだ。」と発言させていただきました。

 今後も社会・経済のグローバル化に伴い、多くの方々が海外に常駐されることでしょう。安全確保や危機管理は極めて重要な政策課題となってきます。早急に手当てをする必要があります。
 ただし根本的には「危ないから内向きでいい」という発想ではなく「危険を最大限に回避しつつ挑戦すべき時は挑戦する」という道を歩む必要があります。

 今、留学や海外駐在を希望する若者が激減しているということです。緊急医療の現場を含め、きつい職場を避ける風潮もこれに通じるものがあるかもしれません。今回の事件がそれに拍車をかけることのないようにしなければいけません。韓国では若者の徴兵制度があります。日本ではどのような教育や制度がよいのか検討していきます。

 また、中東担当の外務大臣政務官だった私のもとには、イスラム圏の大使などがお悔やみの表明と引き続きの交流維持を訴えに来られています。
 言うまでもなく、憎むべきはテロであって当該の国でもイスラム教でもありません。これは私が中東への出張で何度も現地で言われ、また感じたことでもあります。きちんと発信していきます。
 もっとも、国際社会が人権侵害などで非難している国に関しては、日本も厳しいメッセージを出す必要があります。

[ミャンマーの可能性]

 1月21日から4日間、ミャンマーに出張に行きました。

 前回のこの欄で紹介したとおり、1月初頭の麻生副総理・財務大臣の訪問時に5000億円の延滞債務の解消と500億円の低利円借款の再開を表明されたところですが、民政化が進み、海外からの経済制裁が相次ぎ解除され、信心深くて親日的なミャンマーは、既に開発が進んでいる東南アジアのラスト・リゾートとして、今後劇的に発展する余地を有しています。

 私は麻生副総理の出張をフォローアップするとともに、開発に不可欠な通信・郵便インフラの整備支援をするべく、関連の民間企業にアナウンスして、官民共同の現地での活動をリードするべく今回臨んだのです。

 訪問直前に会おうとしていた通信・情報技術大臣が辞任されるというアクシデントはありましたが、タウン・ティン副大臣や、カン・ゾー国家計画・経済開発大臣、ソー・テイン投資委員会委員長、ウィン・アウン商工会議所会頭、ヤンゴン知事のミン・スエ地域首相などに面談し、日本の高規格インフラの優位性を訴えるとともに、今年終わりに開催される東南アジアスポーツ競技会(SEA GAMES)に向けた緊急の光ファイバー敷設の確実な実行や、投資受入れの透明性・迅速性を要望してきました。

 首都ネピドーに一年前リニューアルオープンした国際空港には中国からの資本が投入され、空港のロビーの真ん中には中国の国旗入りでミャンマーの感謝を示す大きな碑が立っています。私たちの出張の途中にもフランスや韓国からの訪問団がバッティングし、熾烈な競争をまざまざと実感しました。今後きちんとフォローアップしていきます。

 ネピドーとヤンゴンで開催したワークショップには、当方・現地の関係者が200人以上も参加する大盛況ぶりで、関心の高さを伺わせました。私も英語で、スピーチしたり現地でのテレビ取材に応じたりし、日本でも全国紙やネットニュースで取り上げられています。

 ネックとなるのはエネルギーや輸送。水力発電は急速な発展に追いつかず、私の出張中も何度も停電に見舞われました。また大都市での交通網はそこそこ整備されているのですが信号や横断歩道はほとんどなく、人々が平気で4車線の高速自動車道を横切っています。日本の中古車など車が急速に増え、渋滞は恒常的です。今後は各省横断で支援に対応する必要があり、私から働きかけていきます。

 郵便局は公務員が旧態依然とした非効率な手作業を行っており、普通便の不着率が3割にのぼっています。視察したヤンゴンの中央郵便局では何と入口に、別の民間会社が高額だけど迅速な特別便を扱う窓口を開設しており、これを郵便局が黙認しているという奇妙な現象を見ることができました。改革を進めなければいけません!

 公務の合間を縫い、太平洋戦争で犠牲となった英霊を祀る日本人墓地にも赴き献花しました。「ビルマの竪琴」の映画は現地でも知られていました。

[今日から始まる通常国会]

 いよいよ今日から通常国会が始まります。安倍政権にとって大切な国会です。副大臣である私は各省での出張答弁など一層忙しくなると思いますが、全力を尽くしていきます。

 インターネットでの選挙運動解禁についても、ツイッターなどのSNSの登場でだいぶ法規制が様変わりすることが予想されます。早くよい制度を確立できるよう所管官庁としても頑張ります。

≫平成25年1月19日

[世界に目を]

 アルジェリアの人質事件は今なお情報が錯綜しています。

 日本人を含む数多くの人質の安否がいまだわからず、犠牲者も出ているとのことで、関係の方々のご心痛は察するに余りあります。安倍総理は外遊を切り上げ帰国されるとのことですが、外務省・官邸などが連携して早期の情報収集と、人質の安全確保に向けた働きかけの継続をはじめ十分な体制を取らなければいけません。

 現地に向かった同期の城内実外務政務官には是非頑張って欲しいです。

 思えば平成16年の私の初当選の時、投票日直前にイラクでの3邦人人質事件が発生し、逢沢一郎外務副大臣が現地に飛んで解放に向けた努力をされました。全員の無事解放を国民みんなが喜びました。

 ただ…今回の一連の流れで、この人質の拘束がもしもなかったら、それに先立つフランスのマリへの軍事介入にどれだけ多くの国民が関心を持ったのか、もっと言えば、今回の人質に日本人が含まれていなかったら、どれだけ多くの国民が関心を持ったのか、考えてしまいます。
 他の国では国際政治は大きくメディアが報じ、関心も高いですが、日本人はまだまだ直接自分に関わることにならないと関心が高まらない傾向があります。これまで「外交は票にならない」と言われ、国土交通や厚生労働に比べて政治家の取り組みも少なく、民主党政権でとんでもない素人外交の迷走が続いた原因の一つはそういう部分であると感じます。

 直接自分の利害に関わるようになってからようやく関心を持つのでは遅いのです。シビアな競争が繰り広げられる国際情勢に率直に向き合い、憲法論議などあらゆる必要な事柄をタブーとしない政治が今こそ求められるとともに、そうした状況を教育や報道できちんと伝えるよう進めていきます。

[ミャンマーへのミッション]

 このような中、私は1月21日から4日間の予定でミャンマーに出張することとなりました。

 軍事政権が長く続いたミャンマーですが、民主化・経済発展が急速に進むと予想され、近隣の中国をはじめとする大国がこぞって市場開拓に向けて動き出しています。日本の民間会社の注目も半端ではありません。

 昨年10月29日、自民党ユーストリーム番組「カフェスタ」にヒューマンライツウォッチ日本代表で弁護士修習同期の土井香苗さんと出演した際、ミャンマーにおける人権問題で私たち日本人が取り組みを進めてきたことの紹介をさせていただきました。カンボジアでの法整備支援もそうですが、民主主義社会に必要なソフトインフラと併せて必要な経済交流を打ち立てることができるのは日本であると信じています。

 今年初め麻生副総理もミャンマーを訪れています。私の今回の出張はそのフォローアップで、多くの民間企業も帯同する非常に重要なミッションです。
 総務副大臣である私の所管は情報通信インフラに関する支援ということになりますが、併せてしっかり現地とのパイプを深めて来ようと思っています。帰国したらまた報告させていただきます。

≫平成25年1月9日

[あくまで謙虚に]

 平成25年が穏やかにスタートしました。

 安倍新政権も自民党も、おかげさまで大きな期待の中順調に始動し、株価など市場も好反応しています。

 しかし浮かれる気持ちは誰にもありません。

 指摘されているとおり、内外とも課題が山積しています。株高・円安になっても、それが賃金の上昇や、地場産業の着実な発展につながらなければ消費や雇用は増えません。財政への不安が生じれば過度の金利上昇となり住宅ローンなどに影響が出てくることも想定されます。年金生活をされている方々への配慮も必要になってきます。
 また、ペースがあまりに早ければ、エネルギー価格の高騰や輸入産業への悪影響などの副作用にもつながります。

 また、冷静に一歩下がって見れば、アジアの急速な発展に比し、日本の産業構造の変革は大きく後れを取っており、震災からの復興も前政権下で遅々として進んでいません。デフレからの脱却とともにあらゆる手段を用いて対策を加速させなければいけないのです。

 私が副大臣を務める総務省も本格的にスタートしています。連日事務方と打ち合わせの会議をしていますし、色々行事も入っています。特に私の所管する情報通信・放送行政・郵政は、あらゆる産業と連携すべきインフラであり、かつ国際競争の激しい分野であるため、どんどん民間の、あるいは海外の動向や知恵を取り込んで改革を進める必要があります。

 こうした状況を踏まえ、私は総務省の職員に対する年頭の挨拶の中で、「ここが日本再生のラストチャンスだ」と述べさせていただきました。幸い新藤大臣が同じ機会に挨拶で「副大臣などがどんどん新しい取り組みを自主的にして欲しい」とお墨付きを与えて下さったので、これからいくつかプロジェクトを立ち上げるつもりです。既にアイデアを練っています。
 ただし会議や企画をむやみやたらに乱立しても迷走するだけですから、きちんと戦略を立てていきます。この欄で順次紹介していきます。

 安倍総理から検討を指示されているインターネットを用いた選挙運動の法整備など、既にかなり各党で検討が進み、環境が熟している分野についてもきちんと精査し推進します。

[託すべきこと]

 犯罪人引き渡し条約にもかかわらず、中国人の靖国神社放火犯を韓国が司法判断を理由に拒否した事案や、除染作業について大規模な手抜きが発覚した事案など、新しい諸課題も出ています。
 これまでだと私も自民党の部会で様々な課題につき徹底的に議論に参加していたのですが、副大臣の職務のため手が回らない部分が多々出てきます。そこは有望な数多くの新人をはじめ、同僚議員に思いを託すこととします。

 地元での新年会などの行事も多いですが、これからはなかなか時間が取れないことも出てくるでしょう。スタッフや仲間たちときちんと相談し、引き続き地元の声になるべく耳を傾けつついかにスケジュールを分刻みで整理したり役割分担するかについても、きちんと対応して参ります。

 また、所管の内外に関わらず、早速各種のインタビューや取材もいただいています。

 色々ご迷惑をかけたり、不十分な点もあるかと思いますが、今年も全力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い致します!

平成24年

≫平成24年12月31日

[運命というもの]

 第二次安倍内閣が発足し、私は総務副大臣を拝命することとなりました。

 これまで私は、外務政務官や党法務部会長、副幹事長など、幅広い経験を積ませていただきました。
 総務省は、地方行政、行政管理、分権改革、地域活性化、情報通信、放送行政、郵政改革など多岐にわたる分野を所管しています。かつて総務大臣を務められた菅官房長官から連絡があり、「しっかり経験を積んで下さい」と激励をいただきました。重責に身の引き締まる思いです。

 私は主に、日進月歩の情報通信、様々な課題のある放送行政、郵政改革を担当することとなりますが、副大臣は大臣所管の全事項について決裁権限がありますので、同じく副大臣となった坂本哲志さんの所管についても補助して全力を尽くす所存です。

 併せて、私が党の政治制度改革推進本部の事務局次長として取り組みを進め、安倍総理が今国会での実現を党首討論で約束された選挙制度改革についても、将来の政治の形を決める大変重要な第一歩となりますが、総務省の所管事項であり、(もちろん一義的には各党レベルの話し合いにより決定することですが)しっかり進めていきます。

 総務大臣は同じ埼玉の新藤義孝衆議院議員。県連会長であり、副会長の私とは様々な課題で連携して下さっています。領土問題で勇躍されていますが改革マインドにもたけ、上司としては理想的であると感じています。
 そして官房長官が菅義偉衆議院議員だというのも大変心強いです。地方議会のご出身で先述のとおり総務大臣を歴任され、NHK改革や郵政問題でリーダーシップを発揮された気骨と実力のある方です。大臣とともにきちんと連携していきます。

 民主党のように、官僚バッシングにより優秀な彼らを萎縮させるのではなく、しっかりと官僚との対話と役割分担をすることにより、真の政治主導が実現できると確信しています。私の就任後の職員の方々への挨拶でもそう申し上げました。そして、自らの方針に従って進めたことについては、責任を決して部下に押し付けないことです。

 もっとも課題は山積しています。通信や放送の分野は迅速な対応・改革が必要な事項がいくらでもありますし、前回のこの欄で触れたとおり、郵政の方向性についてもきちんと再設定する必要があるでしょう。思えば安倍幹事長時代に私が公募で当選した補欠選挙、そしてその後の郵政選挙では「改革」の実現が大きなテーマとなりました。私が今安倍政権でこのポジションにいるのは運命の巡り合わせだと感じています。

 東京プレスクラブ出版の「国会議員(三ツ星)データブック 2012総選挙版 質問王ランキング」によると、私は議員立法提出回数(10回)で全体の2位、自民党では第1位にランキングされているそうです。無論私がメインとなっているわけではないものや、日の目を見ていないものもありますが、これまでの野党の一員としての実績については、国会での質問も含め、それなりの成果を挙げてきていると自負しています。

 私の職責を通じ、安倍内閣が掲げる地域再生・日本再生に貢献できるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げます。

 元旦の朝は早速、平成25年度年賀郵便元旦配達出発式のため、さいたま地方郵便局に赴きます。年賀状の一枚一枚が、心を届け、絆を深める有意義な機会となるよう、確実な配達をお願いするつもりです。

 皆様のご支援を引き続き心からお願い申し上げます。どうぞよいお年をお迎え下さい!

≫平成24年12月20日

[新たなる旅立ち]

 皆様のお力により、16日投開票の衆議院総選挙にて、4回目の当選を果たすことができました。

 本来なら心からの当選御礼をすべきところですが、公職選挙法上お礼の挨拶の制限があるため、意を尽くせずに本当に申し訳ありません。

 結果としては悲願だった小選挙区での勝利を収めることができ、維新や未来からの立候補があって混沌とした選挙戦だったものの次点とはかなりの票差で、他候補の比例復活もありませんでした。

 喜びを噛みしめる一方、地元からの唯一の議員ということで責任の重さも感じています。

 当選直後に出演したテレビ番組でも話したことですが、選挙戦を通じ、3年前の政権交代選挙に比べて有権者の方々の反応はよく、一定の手応えを感じてはいました。しかし郵政選挙の時のような、誰も彼もの熱烈さはなく、かなりの方がしらけムードでなかったかと危惧しています。それは投票率の大幅な低下に表れています。

 「民主党はダメだったけど第三極も信用できない」という方の消極的支持が自民党に向いたにすぎず、ここで自民党が国民の信頼を取り戻さなければ日本の政治は本当に終わってしまいます。自覚を持ち、全力で、謙虚さを決して忘れることなく、日々の活動に取り組んで参ります。

 幸い、多様なバックグランドを持つ多くの優秀な若手議員が誕生しました。私はこれまで当選回数も年齢も全体から見ればごく下っ端でしたが、ベテラン議員の多くの引退もあり、一気に中堅以上に躍進することになります。これまで党改革にまい進してきた自負がありますが、間違いなく自民党は一新するでしょう。
 民主党のネガティブキャンペーンで「古い政治に戻していいのか」という決め台詞がありましたが、そのようなことはないと信じています。例えば国土強靭化にしても、私も中心となって尽力した道路特定財源の一般化の改革の中で、真に必要・有益なインフラ整備から進めるようしっかりチェックをしていきます。党の組織や運営についても透明で民主的かつ適材適所なものになるよう、私の立場から声を上げていきます。

 今懸念しているのは、これも私が取り組んできた超党派の国会改革の動きです。国会を政府の追認機関とせず、ねじれ国会を停滞させず、審議の機能を発揮させるための様々な取り組みを提言してきましたが、自民党と公明党で衆議院の定数の3分の2を占め、参議院とのねじれがあっても法案を再可決できる環境ができてしまったことにより、この熱が一気に冷めてしまうのでないかと思うのです。そうならないよう力を尽くす所存です。

[郵政の逆行にストップを]

 民主党・国民新党の主導で郵政民営化の流れが修正され、ゆうちょ銀行などの株式の民間への売却前に新規業務を行わせようとしたり、日本郵政の斎藤次郎社長が突如、大株主が国なのに政権に復帰する自民党への一切の相談なく、同じ財務省出身の坂篤郎副社長に社長職を移転する旨の会見を昨日行ったりするなどの動きがあります。

 郵政改革の後退を私同様懸念している菅義偉幹事長代行・元総務大臣も、この流れに不快感を表明しています。

 斎藤社長は「社長は取締役会で決めるものだから国や自民党の意向は関係ない」などとうそぶいているようですが、国が株主である以上、株主総会で新社長を対象とした取締役解任決議をすることもできます。指名委員会の決定について新総務大臣が認可を出さないこともあり得ます(鳩山総務大臣の時西川社長の更迭が話題となりました)。斎藤社長の態度はあまりに謙虚さが足りないのではないでしょうか。

 時計の針を逆行させぬよう尽力していきます。

[保守の時代に]

 韓国で朴新大統領の誕生が確実となりました。

 安倍総裁とも接触があり、日本への理解もある新大統領には期待したいと思います。保守の流れの中、懸案事項には毅然と対応しつつも是々非々で付き合っていくべきです。

 しっかり軸足を定め、内政も外交もぶれずに進んで参ります。

≫平成24年12月3日

[思いを実現するために]

 いよいよ明日は衆議院総選挙の公示日。選挙前のブログの更新はこれで最後になります。

 それにしても国民が選挙や政治に関心を持ち、ホームページなどのアクセス数が増えるこのタイミングでのインターネット上の選挙運動を禁止している現在の法制度はどう考えても時代に逆行しています。自民党は世耕弘成参議院議員を中心に、インターネット選挙運動を解禁する法案を既に作っています。成立に向けた活動を続けていきます。

 この3年3か月、日本の政治は迷走を続けました。「一度やらせてみて下さい」とできない公約をオンパレードで並べるのみならず、自助自立の気風を損ない、予算を膨張させるとともに日本から活力を失わせ、領土問題をはじめ外交敗北を続ける今の民主党政権をこのまま延命させるわけにはいきません。
 かと言って、政権を失った当時の自民党から進歩しなければ国民は再度私たちに政権を任せてはくれないでしょう。まずは政治に対する信頼を取り戻し、自民党に対する信頼も回復させ、きちんとした政策を立ててそれを遂行することにより、日本を取り戻さなくてはいけません。

[だからあえて反省から]

 私は自民党立党以来初の全国公募候補として国会にデビューしました。「新しい血」を所属議員に入れていくことにより、党の政策力も行動力も向上すると確信しています。現在、党の候補者選考における公募の実施は定着し、結果としていわゆる世襲候補が誕生することは極めて少なくなっています。今回の選挙で自民党の小選挙区新人候補は113名ですが、うち世襲議員は1割に満たない9名です。特に私が県支部連合会副会長を務める埼玉では、全県一括公募という画期的な方法を取り、一般の主婦など外部の方にも入っていただいた選考委員会で全県にわたり前職も含めて厳正な審査を行い、素晴らしい候補者の方々を選定しました。

 派閥についても既に政策グループ化しており、現に安倍総裁も石破幹事長も派閥により選ばれてはいません。

 何より野党になってから現場の声を大切にしようと、全国500か所を超えるふるさと対話集会を実施し、選挙区外の議員も入れて小規模な対話を通じて様々な要望を聞いてきたのです。

 運営やポストなど、改革をさらに進めるべき部分もあります。しかし、私はこれまで党改革委員会事務局次長として仕事をしてきた自負があります。今後ともしっかり取組みを続けます。

[今も進む危機]

 北朝鮮が人工衛星と称する長距離弾道ミサイルの発射実験を予告し、各国が対応に追われています。そもそも解散後の死に体となっている野田政権が日朝外務省局長級協議をしようとしていたこともおかしな話で、もしミサイルが発射されれば、金正恩新体制に対する国際社会が連携しての毅然たる非難を導いていく必要があると考えます。

 国内では笹子トンネルでの崩落事故で多数の死傷者が出るという悲惨な事故が発生してしまいました。交通インフラの補修を含め、防災等に必要な公共事業は実施していかなければいけません。「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズで、あの小泉政権をはるかに上回る公共事業の圧縮を行ってきた現政権のスタンスを続けていては、必要な安心・安全が守れないばかりではなく、景気の低迷を長引かせてしまいます。

[しばやま昌彦の思い~正直者が報われる社会]

 私はこれまでずっとまっとうなチャレンジを応援し続けてきました。

 ともすると公務員や教師が、何もしない方がチャレンジして失敗するより評価が高いなどと言われているのには我慢ができません。そして若い人たちには失敗を恐れず挑戦する気概を持って欲しいのです。そのためには、失敗しても再び立ち上がることのできる環境が必要です。デフレからの脱却を大胆な金融緩和でリードし、規制の見直しや成長分野への資源配分で雇用を生み出していきます。官民の英知を結集する「日本経済再生本部」を立ち上げるとともに、公務員制度改革として、総人件費の抑制や特別会計の見直しなどカット面ばかりでなく、まっとうに努力した汗が報われる評価をしていくことを提唱していきます。

 外交や防衛も同じことです。日米同盟は無論大事ですが、自らの大切な国益を自ら守る、国際的に必要な安全保障活動に日本に適した参加を行っていく、そのために必要な憲法や防衛関係の法制度の改正を行います。文民統制はしっかり行い「自民党政権になったら戦争が起きる」などというバカな宣伝にはきっちり反論していきます。弁護士出身議員として、領土問題や国際人権問題での司法的解決(国際司法裁判所、国際刑事裁判所)には極めて高い関心を持っています。

 福祉分野においては、民主党の最低保障年金は、非現実的な高水準もさることながら、保険料を納めた人とそうでない人の不公平感がともするとぬぐえないものになりがちでした。生活保護についてもモラルの欠如を容認してきた側面があります。私たちは正直者がバカを見ないよう、これらの抜本改革に取り組みます。
 医療分野のイノベーションを成長の糧にするとともに、人生の先輩方の健康現役社会を促進、社会保障番号の導入に合わせて医療と介護の総合合算制度を創設し、療養病床問題も解決を目指します。
 女性の復職・子育て支援や不妊治療の充実を行い、社会の活力増進と少子化対策に結び付けます。
 AIJ問題などを再発させないよう、企業年金の見直しを行います。

 被災地の復興が遅れています。政治が権利調整など泥をかぶることをせず、現場の自治体との連携もうまく取れていないからです。本当の政治主導でオールジャパンで復興を成し遂げていきます。二重ローン対策法を立案した担当者の一人として、事業再開を後押ししていきます。地元でも取り組んだ風評被害の撲滅は日本規模で行います。

[未来のために残すもの]

 未来のために残すもののひとつは人材です。土曜授業促進や高等教育の国際化などを通じて充実した教育を目指します。いじめ問題の徹底的な取組みなど、学校をより明るくします。
 職業教育の充実やモラルの涵養などにも努めます。高校無償化は所得制限を行うことも含め効果をきちんと検証し、免除付き奨学金の普及などを目指します。

 原発政策の見直しも将来世代のために必要です。国民負担を考えれば「2030年代に原発ゼロを目指す」という民主党の方針はどう考えてもパフォーマンスとしか思えませんが、私は自民党エネルギー政策議員連盟の事務局長として、徹底した電力改革と再生可能エネルギーへの投資、電力卸市場への新規参入・節電・蓄電技術の促進等を通じ、脱原発依存を経済と両立させて実現させるとともに放射性廃棄物の処分問題に真剣に取り組みます。私も中心メンバーの一人として設立に尽力した、業者や政府から独立した原子力規制委員会による原発の安全性のチェックを経て、再稼働の判断を3年以内に行います。

[地域の重視]

 道州制の実現と分権改革で地域の活力を引き出します。

 攻めの農業と地産地消の推進、土地利用・税制・経営形態の見直し、TPPの「聖域なき関税撤廃」には反対してEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)を促進するなど、国益につながる自給率向上を目指します。

 防衛医大などの地域医療連携、既に自民党政権時代から進んでいた所沢米軍通信基地の東西連絡道路設置に向けた検討の加速など、地元の問題にも全力で取り組みます。埼玉8区は湖も山も緑も都会もあり、日本の縮図のような地域なのです。

[覚悟の時]

 今、覚悟と信念が問われていると思います。そしてこれまでの任期に対する評価が問われています。繰り返しますが今の与党では日本は本当に沈没してしまいます。公明党など他の野党とも連携をし、何としても今度の選挙では日本を取り戻すべく全力を尽くします。皆様のご支援を心からお願い申し上げます!

≫平成24年11月23日

[どんな状況になろうとも]

 愛知県豊川市の信金立てこもり事件は、人質の全員解放と犯人の逮捕で解決し、本当にホッとしました。

 ガザ地区における空爆もとても心配です。選挙が終わり、国会に戻った暁には中東情勢に(与党時代の元担当外務大臣政務官としても)しっかり取り組みます。

 今月19日には所沢市基地対策協議会の方々とともに、地元の米軍通信基地の中に入り、東西連絡道路予定地を視察しました。地図などではわからない施設の近辺の地形などがわかり、大変参考になりました。コストを下げる工夫ができないかなと考えるとともに、以前から抱いていた素朴な疑問をさらに強めましたので、こちらも国会に戻れたら予算委員会の分科会などで質問できればと思っています。

 解散後、地元を走り回って思いを訴えています。声援を受けることは前回より多くなりましたが、決して油断してはいけません。日本維新の会から立候補される方もいるようで、とにかくこれまでの活動や理念を地道に伝えていくことで厳しい選挙戦に臨んでいく覚悟です。

 一昨日21日には、大井・三芳地区の街頭演説に山本一太参議院議員も駆けつけて下さり、熱い応援メッセージをいただきました。「比例区での復活当選ではバッジは半分。是非次世代ホープとして小選挙区で勝ち抜いて下さい!」その言葉をしっかり目標に据え、全力を尽くします!

[市場は正直]

 安倍総裁の大胆な金融緩和発言には賛否両論がありますが、私は方向を支持します。
 景気回復のために必要な、規制改革も、新規産業へのシフトも、リスクマネーの導入も、中小企業支援や雇用対策も、震災復興も、全て現在の円高・デフレを是正しなければなかなか対策を打てないのです。これらを行うためにもまず金融緩和を、これまでの常識にとらわれない形で行う必要があります。

 今の金融緩和に慎重な日銀総裁は、民主党が国会で自民党の人事にさんざん抵抗して苦労して選んだ総裁です。今後の日銀体制を法制度も含めて見直す必要があります。

 自民党の政権公約は安倍総裁の方針をかなり鮮明に打ち出したものです。そして解散とともに株価が上昇し、円は下がりました。市場は正直に、安倍政権の誕生を待っているのです。

 皆様のご理解を心よりお願い申し上げます。

≫平成24年11月15日

[たった一つの道]

 昨日の党首討論で、明日11月16日の解散、12月16日の衆議院選挙投票が事実上決まりました。

 民主党内の(前回この欄でも触れたような)猛烈な解散阻止の動きを、半ば電撃的な解散時期の明示という手段で打開し、結果として自民党谷垣前総裁との約束を守った野田総理の決断を率直に評価します。

 ただし、それは野田総理がおっしゃった「正直の上にバカがつく」「身を切る覚悟を示す」という次元とは異なる背景に基づくことは声を大にして指摘しなければいけません。

 野田民主党政権は内閣支持率、政党支持率とも2割前後の水準となり、この欄で書いたとおりもはや死に体の状況で内政・外交とも行き詰まっていました。
 速報の7-9月四半期GDP(国内総生産)は実質でマイナス0.9パーセント、年率換算マイナス3.5パーセントとなり、このままでいけば来年の消費税引き上げも不可能になる深刻な不景気となりかねません。米国大統領、韓国など主要な国のトップが選挙の洗礼を受ける中、諸外国からも信頼を失っている野田政権の延命は事実上不可能でした。

 そのうえ民主党内では強烈な「野田降ろし」の動きが出ていました。
 「この低支持率のまま選挙に突入したら生き残れない」「野田を人気のある細野にすげかえ、支持率が上がったところで解散をするべきだ」…野党から会期末に内閣不信任案が出されると身内の造反により、過半数をかろうじて維持している野田政権は解散を余儀なくされる可能性があり、その前に党の両議員総会で代表交代の動議を出す可能性もあったと聞きます。テレビカメラの前で公然と「野田総理には解散させない。その前に交代だ」と発言する議員が続出しました。

 野田総理に残されたたった一つの道は、この党首討論で自ら解散の道筋をつけることだったのです。

 それにしても許せないのは野田総理の選挙制度を利用した不誠実なパフォーマンスです。「安倍総裁が定数削減に応じて下さると確約すれば明後日に解散する」…とんでもないわなが隠れているのです。

 この欄で再三述べたとおり、民主党が主張している「比例区40削減」は、そもそも憲法上あり得ない「連用制」を用いたものです。
 この制度は、通常の比例代表選挙が各党につき、比例得票数を1、2、3…と整数で割っていって、その結果の多い順に議席数を割り振るのに対し、小選挙区で当選した議員プラス1から徐々に割る数を増やしていくという複雑な制度を用いるものなのです。

 結果として、小選挙区で当選する議員が増えれば増えるほど、たとえ比例区でも多くの票を獲得した政党でもどんどん比例区の議席数が逆に減っていってしまうというとんでもない制度なのです!このような制度を用いている国は当然のことながら世界中どこを探してもありません。

 しかも民主党の案は比例復活議員を決めるための惜敗率を、これまでの道州を基本としたブロック単位ではなく、全国一律に算定しようというのです。
 その結果として、例えば東海地方なら東海地方全体で、二大政党のうち負けた政党の議員が1人もいなくなってしまうという、衆議院の国民代表機能を失わせかねない変更なのです。

 このような制度を持ち出したのは、少数政党(特に公明党)の支持を取り付けるためです。前回の選挙制度で公明党の取った議席は21ですが、この制度を導入すると数議席増えることになります。

 しかし考えてみて下さい!小選挙区も比例区も定数を減らすというのに、一部の政党が逆に議席を増やすというのはどう考えても不合理ではありませんか?

 これまで自民党は「比例区30減」「その代わり一定の少数政党による優先枠を若干上乗せする」という穏健な案を提示し、各党協議に臨んできました。しかもその案はどの党より先に示したものだったのです。
 しかし少数政党の同意を得ることに苦労し、かつ解散を先延ばししたい民主党は、あり得ない自らの案に固執し続けました。

 結果として局面の打開を図ろうと、憲法違反の一票の格差を是正するための「0増5減」を先行して法案として提出したのが自民党だったのです。

 こうした経緯を熟知しながら、昨日の党首討論の最後で「技術的な問題にこだわる自民党には政権を戻せない」と捨て台詞を吐き、あたかも自分だけ身を切る努力をして自民党がそれに後ろ向きである印象を作ろうとした野田総理のパフォーマンスは絶対に許せません!
 安倍総裁が主張するとおり、この問題は民主主義の土俵を設定するものであって、極力各党の理解を得るよう努力し、場合によっては議長のあっせんなども活用しなければいけない重大な案件なのです。過去の歴史がそうなのです。それをしてこなかったのは他ならぬ民主党です!しかも解散後に議席数がどうなっているのかわからない政党同士で、与党になることを前提に制度変更を約束するというのも理論上おかしな話です。

 尊敬に値するのは公明党の山口代表です。
 この間の事情を正確に把握されている山口代表は、たとえ公明党に有利であり、かつパフォーマンスとしては野田総理の提案に即座に応じるのが得策であったにもかかわらず、昨日の党首討論ではその道を取らずに筋を貫きました。結果として安倍総裁が一人で悪者になることが避けられたのです。

 いずれにせよ、その直後の安倍総裁の記者会見(私も報道局次長として同席しました)において、安倍総裁は「総理の提案を受け止める。定数削減は審判を受けた通常国会にて実現する。」という趣旨の発言を行い(これは決して民主党案そのものを受け入れるという発言ではありません)、ここで解散が決定したということです。

 国民の皆さんの中には、定数是正がされないままの解散では選挙が無効になってしまうのでないか、との疑問もあると思いますが、違憲状態であるにせよ、是正に向けた道筋をつけているので、完全な立法府の不作為というわけではありません。選挙無効とまでは言えないように思います。いずれにせよそれは将来の司法判断に委ねるしかないでしょう。

 いずれにせよ選挙戦がいよいよ始まります。実現できないマニフェストに始まり、最後までパフォーマンスだらけで国益を失った民主党政権に終止符を打つとともに、しっかりと自らの進むべき理念・政策を力強く打ち出し、日本を立て直すことをここにお誓い致します!

≫平成24年11月8日

[続く綱渡り]

 アメリカの大統領選はオバマ氏の再選となりました。

 併せて実施された下院選挙では野党共和党が過半数を占め、引き続き大統領や上院とのねじれが続くことになります。ニューヨーク市場では一時株価が急落しました。

 アメリカ政府と、経済政策でアピールをしていたロムニー候補を擁する共和党との協議が今後どう進むかは不透明です。今後世界経済が好転することはなかなか考えづらいのではないでしょうか。それとともに、対中政策やTPP協議などで日本への圧力が高まることも充分あり得ます。

 アメリカ与党と同じ「民主党」という名のわが国の与党が、あやかれると喜ぶ環境には全くない、いやむしろ、指導力を失って完全にレームダック(死に体)となっている野田政権には厳しい状況が続くことは間違いありません。

[神妙なのは顔だけの与党に騙されるな]

 これまで「マニフェストの達成率は低くない」と強弁していた民主党(地方組織ではいまだにそのような例があると聞き及んでいます)が、全国紙に「マニフェストが実施できなかったことのお詫び」の広告を打ち出しました。これを受けて、全国で出直しの対話集会を実施するとのことです。

 一見真摯な反省のようですが、実はとんでもない謀略が隠れています。

 まず内容です。例えば税と社会保障の一体改革について「政権を取れば何とかなるとの甘い見通しがあった」と書かれているようですが、実際政権を取っていなくても国会で充分問題を議論していたのですから「知らなかった」では通りません。しかも前原国家戦略担当大臣がかつて与謝野議員との対談で「財源確保は絶対無理だ」と発言していたり、藤井元財務大臣が「できなければゴメンナサイと言えばいい」と発言しているとおり、幹部クラスはこのマニフェストが「詐欺フェスト」であることを完全に認識していたのです。

 しかも、対話集会のスケジュールは、野党が求めている年内解散を想定したものとは到底思えません。


 結局、お詫びに名を借りた「嘘の上塗り」と「選挙対策」、そして「解散の先延ばし」でしかないのです。

 民主党の不誠実さは、特例公債法案を早く通さなくてはいけないとか、解散の前に議員定数の削減をしなくてはいけないなどと言っていることからも明らかです。

 そもそも特例公債法は、予算の財源担保のための法律として予算と同時に処理されるのが当たり前です。今年の通常国会では自民党が予算について組み替え・縮減の対案を主張していたのに、与党は特例公債法案を単独で審議。成立の見込みが全くないままねじれた参議院に送付して廃案としました。そしてその後も臨時国会の召集を遅れに遅らせて10月29日としたのは与党です。11月分の地方交付税の支出を円滑に行うためにはそもそも国会を早期に開会すべきだったのであり、今回地方自治体の財政運営に影響が出ているのはひとえに民主党の無責任によるものです。

 自民党の安倍総裁は、年内解散の確約が取れていない段階でも特例公債法案を人質に取るとか審議拒否をするとかはしないと明言をし、現に今日これから本会議でようやく審議が始まります。

 議員定数の是正についても、繰り返し述べるとおり自民党は既に違憲状態となっている一票の格差是正のための「0増5減案」を提出していますし、比例定数の削減も他党に先駆けて具体案を提示しています。しかし民主党は、比例部分に憲法違反の疑いが強い「連用制」を持ち出して与野党協議を難航させ、そのうえで比例定数の削減をあたかも自分たちしか提案していないかのような宣伝をしています。
 違憲状態の解消を結局自ら遅らせながら「遅れているのは野党の責任」「野党の案は不十分」という構図を作り、しかも遅れていることを口実に解散を先延ばしする民主党の姿勢はあまりにも欺瞞に満ちているとしか言いようがないのです。

 そのうえ、民主党は、新しく組閣しかつ会期も変わった場合には必ず開催されている予算委員会について、開催に同意はしたものの現時点で日程をセットしようとせず、党首討論でお茶を濁そうとしています。

 解散について前向きの発言を繰り返す前原大臣、来春開校予定の3大学に認可を与えないと言明をしながら現場の混乱を受けてそれを撤回した田中真紀子文部科学大臣など、個々の閣僚が、国民が注目するテレビ中継入りの予算委員会できちんと説明をしてもらわなければいけません。しかもこの欄で取り上げた復興予算の流用などがその後どうなったのかも予算委員会でこそ説明してもらいたいです。

 こうした様々な不誠実さを乗り越え、真のあるべき文部科学行政や予算などにつき、私たちが責任を持って対応していきます。

≫平成24年10月30日

[緊迫の臨時国会]

 昨日野田総理の所信表明演説が行われ、臨時国会がようやくスタートしました。

 会期は1か月で最小限の案件を審理する時間しか取れていません。滞留する案件や復興予算の使い道の議論をほったらかしにして、与党が国会を逃げるという常識外の姿勢に出ているのです。

 自民党や公明党は、参議院での野田内閣問責決議を重く見て、参議院では総理の所信表明演説や代表質問を行わない方針です。色々意見のあるところではありましょうが、審議促進を妨げるものではありません。野田総理には異常ともいえるマニフェスト違反による問責の意味をしっかり受け止め、谷垣総理との「予算編成を行わずに(年内に)解散する」という約束を果たして欲しいと思います。

 総理は所信の中で「明日への責任を果たすために道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません」「やみくもに政治空白を作って、政策に停滞をもたらすようなことがあってはなりません」などとうそぶいていましたが、野田政権の居座りが最大の空白・停滞であることを認識していないのでしょうか。

 所信は抽象論のオンパレード。民主党政権の目玉だった行政改革についても「地域主権改革は政権にとって改革の1丁目1番地」「独立行政法人・特別会計改革、国家公務員の総人件費の抑制、公務員制度改革を引き続き推進するとともに、退職給付の官民較差解消を図ります。」と、政権交代前からの掛け声をスタンプで押したように繰り返し。「まだやってないのか」と突っ込みたくなります。

 外交に関しても、混迷を招いたことへの反省の弁は驚くべきことに一切なし。「領土・領海を守るという国家としての当然の責務を、国際法に従って、不退転の決意で果たします」と言いながら、一方では日韓関係の改善を理由に竹島領土問題のICJ(国際司法裁判所)への提訴を先送りするなど、言行の不一致もいいところです。

 今度の国会では衆議院法務委員会筆頭理事に加え、予算委員会の委員にもなることが決まりました。しっかり政府与党に議論を挑んで参ります。

[新党結成の未来]

 石原都知事の電撃辞職と新党結成の表明が波紋を呼んでいます。

 第三極の結集と言いますが、もし石原伸晃前幹事長が総裁選を勝ち抜いても同じ行動に出たのでしょうか。

 橋下大阪市長が率いる日本維新の会との連携を模索するようですが、消費税の使途で両者の意見が食い違うと言われていますし、憲法に関しては石原氏は破棄、橋下氏は改正、原発に関しては石原氏は継続、橋下氏は30年代にゼロ、行政改革についても石原氏は郵政改革に反対した平沼赳夫氏や亀井静香氏と行動を共にしようとし、橋下氏は竹中平蔵氏や古賀茂明氏をブレーンとしています。「小さいことは乗り越えられる」という次元の問題でしょうか。

 一昨日の鹿児島三区の衆議院議員補欠選挙では、自民・公明両党が応援する宮路和明候補が低い投票率の中思わぬ接戦を強いられましたが、私は既成政党への批判をしっかり受け止め、自民党が民主党との対立軸をしっかり示したうえで刷新を行い、有権者の信頼を取り戻していくことに注力したいと思います。ご支援をお願い申し上げます。

≫平成24年10月18日

[デタラメを許すな]

 復興予算の流用が大きくクローズアップされています。

 この問題はそもそも1か月以上前から、「復興予算枠で実質的に復興と関係ない支出をするのはおかしいのでないか」という、素朴かつ複数の党の議員が問題としていた論点を、衆議院決算行政監視委員会の野党側理事の要求にもかかわらず与党側がずるずる審議先延ばしをしてきたのが発端です。

 初めは「民主党も自民党もトップの選挙があるから」と言い、次に「内閣改造があるから」「委員会理事の変更があるから」と言い訳をしてきたのですが、そもそも閉会中審査の要求なのですから、委員会理事は通常国会のままでよいのです。

 果ては「これは問題だ。行政刷新会議の事業仕分けに掛ける。」と岡田副総理が表明する始末。正規の委員会審議をこれだけサボっておきながら、権限も効果もあいまいな「事業仕分け」を、かつて民主党の支持率がそれで高まったことを理由に持ち出そうというのは余りに党利党略と言わざるを得ません。

 そもそもかつての事業仕分けは、当時与党だった自民党が編成した予算の問題点を指摘するという意味合いがありました。しかし今回は完全に自分たちの政権で編成した予算を、国会の関与しない自らの土俵で審査しようというのですから、「シワケ」でなく「ザンゲ」でないかとツイッターに書き込んだところです。

 前原政調会長は「自民党も賛成した予算でないか」と、こちら側に責任転嫁しようとしていますが、完全に的外れです。

 そもそも(補正を含め)予算及び関連法案は、政府与党側に提出の責任があります。

 それに、復興予算が復興に関係ない費目に使われているのは、いわゆるプライマリーバランス(基礎的財政収支)の対象となる一般の支出が、厳しい財政事情の中で総額を据え置くという大方針のもとにあり、結局5年間で19兆円が計上されるこの復興予算の特別枠を使わなければ各省が予算増額をすることが難しい、という背景があります。また、震災から時間がさほど経過していない段階では、自治体と国の連携不足や被災地での権利調整の遅れ、オールジャパンの力の結集ができていないなど予算枠不足以外の理由で、復興や予算消化が思うように進まず、こうした流用を暫定的に認めてもさほど復興の足かせにはならないということもありました。
 自民党は、予算や関連法案の成立に協力しなければ、そもそも復興もデフレからの脱却も進まないということで賛成したのであって、決して上記のような硬直的な予算のシステムを是としたわけではありません。全体の国土強靭化や経済対策に必要な予算はそれにふさわしい項目のもとに支出をどうするか考えるべきであり、現に自民党はそうした提言を次の選挙の公約に盛り込んでいます。また、復興もこれからは加速させなければいけません。

 与党は速やかに委員会審議に応じ、もしこうした問題意識を共有できるのであれば新たな枠組みをどうするべきか、生産的な議論を行うべきです。

[相次ぐ新たな使命]

 この問題もそうですが、メディアにきちんとした情報を発信していただくことは今後極めて重要です。今度私は党の報道局次長を拝命し、情報戦略立案・報道分析を行うことになりました。
 小泉青年局長や島尻女性局長などもこの報道局次長を兼ねています。私も副幹事長との兼務になりますが、安倍総裁の記者会見への同席や部内の定例会議など、しっかり頑張っていきます。

 衆議院法務委員会の自民党筆頭理事にも決定しました。与党交渉で辣腕をふるった棚橋筆頭理事の後任ということで大変ですが、城内次席理事と協力してしっかり委員会に臨みます。田中慶秋法務大臣の、外国人の経営する会社からの献金受領問題や暴力団関係者との交際も取り沙汰されていますが、そもそも政策の問題できちんと対応できるのか、しっかり議論をしていきます。

 昨日は来日したデービース北朝鮮担当特別代表が議員会館事務所に来られ、今後の北朝鮮核・拉致問題について意見交換をしました。外務省の杉山アジア大洋州局長・韓国の林外交通商省平和交渉本部長との三者会談の後、明日の離日を前にわざわざ訪問して下さったことを感謝するとともに、今後の予断を許さない北朝鮮状況について認識を共有させていただきました。

 これからも様々なミッションに全力で取り組んで参ります。

平成24年10月10日

[新時代の予感]

 山中伸弥京大教授がiPS細胞の研究で見事ノーベル賞を受賞しました。

 同僚で清和政策研究会の世耕弘成参議院議員の中高の同期ということで、数年前に会派で開催された合宿に講師としておいでいただき、色々話を伺い質問させていただいたことを鮮明に覚えています。

 万能細胞は再生医療の切り札というが、病気によっては自らの細胞を用いることが根本的な解決にならないのでないか、という(意地悪な?)質問にも懇切丁寧に答えて下さいました。

 印象的だったのはその飾らない人柄でした。「自分は雑草。何度も挫折を繰り返し、『何でダメなんだろう』と疑問に思うことを大切にしてきた。」とおっしゃる素朴な口ぶりと、そこはかとないユーモアのセンスが、鮮明に記憶に残っています。

 その後、経済人の会合などで何度かご一緒し、私自身年齢が近いということもあって、今回の快挙には心から喝采を送りたいと思います。

 教授のような優れた頭脳が海外に流出しないように、予算・研究環境を含め、きちんと体制を整えることも政治の役割です。私は予算の費用対効果は吟味しなければいけないという立場ですが、はやぶさプロジェクトをはじめ、短期的に成果が出なくても大きな成長の種になる科学技術の支援体制は充実させることが必要です。
 また、知的財産戦術の充実によって、こうした日本の研究がただ乗りされて国益が損なわれないようにすることにも留意しなければいけません。

 それにしても若い研究者の25年ぶりの快挙(生理学・医学賞受賞)は、私たちに大いに励みになります。スポーツの世界を含め、日本人が海外に通用する大活躍を重ねていくのもグローバル社会のプラスの側面ではないでしょうか。

[初の全国幹事長会議]

 昨日は党本部で、全国の都道府県支部の幹事長による合同会議が新体制発足後初めて開催されました。

 安倍新総裁からは、野田総理が谷垣前総裁との約束を守り、一刻も早く党首会談をして解散の見通しを示して欲しいと述べられるとともに、各地の声にしっかりと耳を傾け、党として生まれ変わったと誰が見てもわかるようにしていきたいと力強いご挨拶がありました。
 石破幹事長からは、年内解散を想定して12月9日を念頭に準備を進め、全候補者の当選を目指すとお話がありました。

 集まった支部幹事長からは、総裁選での党員票の重視を求める意見が相次ぎました。
 このブログでも、私は安倍新総裁誕生という結果には満足しつつ、党員票を国会議員票が逆転するということは反省しなければいけない側面があると書かせていただいています。
 また、3年前の総選挙で、私は選挙公報の選挙公約の一番に、コロコロ総理大臣が変わることを防ぎ、トップにリーダーシップをもって改革を実行して欲しいという見地から、「国民が総理を直接選べる制度を作る」と書いているのです。

 首相公選制が憲法の制約のもと難しいとなれば、党員の拡大と総裁選における党員票の尊重は次善の策として当然の帰結です。党改革の一環として、総裁選規程を改正するよう、党本部副幹事長の私からも主張していきます。
 新体制での党改革実行本部長は安倍選対の先輩古屋圭司議員。その後の懇親会で声を掛けさせていただき、既にまとめた党改革中間提言につき、まず早急に第1弾を実行し、第2、第3と続けていくとおっしゃっていただきました。

 政策面でも、外交防衛・社会保障・放射能問題などについて活発な意見が出ました。その後は懇親会で総裁・幹事長が全テーブルを回ってお話をされるなど、本当にこれは自民党が変わっていくなという感覚を確かなものとすることができました。

 私のような者でも、地方からの講演や選挙応援の依頼もあります。鹿児島3区での補欠選挙や各地の知事選挙など、できる貢献をしっかりしていき、党勢回復に弾みをつけていきたいと思います。無論、地元活動も充実させて参ります。

平成24年10月6日

[新体制の発足]

 安倍新総裁のもと、自民党の新人事が固まりつつあります。

 党務の要である幹事長職には、総裁選で1回目の最高得票数を得た石破元政調会長が、政調会長には安倍選対の本部長を務め、経済分野に精通した甘利元経産大臣が就任されたということで、党の進むべき方向性は、党改革と成長路線であることがかなり明確に示されたと思います。

 私は副幹事長を拝命することとなり、これまで党改革委員会の事務局次長として取りまとめに尽力し、しかし前幹事長の元で実質的にお蔵入りになってしまった党改革の中間提言を進めていくべく張り切っています。適材適所の人材配置、しっかりした情報戦略に基づいた選挙態勢の強化、党運営の合理化・透明化などを通じて「自民党は生まれ変わった」と実感していただけるよう努力して参ります。

 早速第一回の幹事長室会議では、党に関する報道の検証や政府・与党の新体制への対応の仕方などについて石破幹事長に意見を申し上げました。幹事長からは真摯な答えをいただき、次回の会合に期待しています。

[政府・与党新執行部の欺瞞]

 秋の臨時国会がなかなか開催される気配を見せません。

 先日私が出演した番組「朝まで生テレビ」の中で、福山元官房副長官が「自民党が参議院での問責決議などで審議拒否をしているのが、原子力規制委員会の同意人事などの国会案件が停滞している理由だ」という趣旨の発言をされていましたが、これは意図的なミスリードだと言わざるを得ません。

 公党の代表である野田総理が、谷垣前総裁との間で合意した近いうちの解散を含め、今後の与野党の折衝にどのような姿勢で臨むのか、まずきちんと方針を決めるべきです。
 また、自民党も、緊急を要する案件などでは審議に応じるなど一定の譲歩をするのはやぶさかではありません。

 内閣改造を見ても、ベテランの選挙対策の厚遇や、離党予備軍で新執行部に協力した者への論功行賞など、政策重視の布陣とは到底言えない体制です。これで内外に山積する諸課題に果断に対応できるとは到底思えません。
 これでは国会論戦を避けようとしているのは与党側だということは明らかでしょう。

 これからも与党に対して毅然とした姿勢で臨むよう、私の立場からも主張していきます。ご理解賜るようよろしくお願い致します。

≫平成24年9月27日

[小さな奇跡といばらの道]

 昨日9月26日に実施された自民党総裁選では、40年ぶりの決選投票の結果、応援していた安倍晋三元総理が逆転で2度目の総裁の座を射止めました。

 午前中、党員投票の情報が続々と入ってきたのですが、特に安倍選挙対策本部のメンバー議員のいない県を中心に(いる県でも)石破候補が大きく他候補をリードし、さすが予算委員会や遊説などのご活躍が幅広い評価を得ているなと感じ入りました。
 私の地元埼玉県でも、安倍候補の党員得票数は3,714票だったのに対し、石破候補は7,099票でした。

 ただし、トータルとしては安倍候補14万票、石破候補23万票で、安倍候補の党員得票数は石破候補の6割強という結果でした。
 安倍元総理があのような辞任の仕方をしてから間がなく、しかも保守合同後二度総裁を務めた経験のある人物はなく、半年前には全く下馬評に名前すら出なかったのにここまで健闘するというのは、まさしく安倍元総理の覚悟と経験、日本の危機的な状況が党員の方々の心に響いたということだと思うのです。

 一方、一緒に仕事をして各候補についてよく知っている同僚議員の評価は分かれました。最初の議員投票では石原候補が58票とトップ。安倍候補は54票でした。ベテラン議員の支援を受けた石原陣営が猛烈な働きかけをしたとも報じられています。石破候補は34票でした。

 党員票は国政選挙のドント式に従って300票に圧縮・比例配分され、(ただしこうすると各都道府県で実際の票より多数得票者が有利な数字が出る傾向があります)石破165、安倍87、石原38という結果でした。
 議員票と党員票が全く逆の順位となったということは、私たち議員の感覚をきちんと反省しなければいけないことの現れかもしれません。もっとも、上位二者による決選投票は安倍108対石破89と、1回目の得票差が1縮まったことからして、議員もそれなりにバランス感覚を発揮したものと考えられます。

 ただ、私はやはりこの欄で書いたとおり、経験と官僚の掌握の手腕、ぶれない国家観、挫折を踏まえた悲壮な覚悟、街頭演説の際の人気などを総合的に考え、安倍候補を最後まで応援し続けました。

 この判断が党員や国民に納得してもらえるよう、新総裁には大いなるリーダーシップのもと、運営・組織を含めて党の体制の立て直しを行い、明確な政策ビジョンを示して毅然と与党に対峙し、国益のため一刻も早い解散を求めていって欲しいと思います。私も全力で支える覚悟です。

[相次ぐ活動]

 9月22日に自民党所沢支部で開催した「どうする日本!危機管理フォーラム」はおかげさまで大盛況となりました。震災や領土問題などをテーマに、今を生きる私たち一人一人が自助・共助の理念や私たちの伝統を大切にし、最悪の事態にしっかり備えて私たちの未来を守っていくという筋が打ち出せたのではないかと思います。ご参加いただいた方々や準備に携わった方々に心からお礼申し上げます。

 今度の金曜日(28日)から翌土曜日にかけては、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」に出演する予定です。原発ゼロ社会の検証という難しいテーマですが、全力を尽くす所存です。是非多くの方々にご覧いただければと存じます。

≫平成24年9月20日

[激しい憤り]

 中国における大規模な反日デモは当局の国民への自重の呼びかけもあり、ようやく沈静化に向かいそうです。

 日本の尖閣諸島の国有化については、中国の次期最高指導者となる習近平国家副主席が「茶番だ」と批判したり、米国のパネッタ国防長官に対して梁光烈国防相が日米安保条約の対象とすることに反対するなど、中国での官民合わせての反発はかなりのものがありました。
 民主党政権が打ち出した国有化の方針自体は誤っていなかったと思いますが(自民党の各総裁候補も国有化の方針は撤回すべきではないと明言しています)、タイミングの検討や外交的に摩擦を最小限にする努力などを真剣にしていたかは疑問です。

 それはともかく、中国のこのような自重の呼びかけが遅れたのは極めて問題です。既に在中国の日本企業や商店が襲撃を受けるなど損害を受け、日本の大使館・総領事館も窓ガラスを割られたり汚損されています。「官製デモだ」という声もあるとおり、中国当局が在留している日本の外交使節や日本人を守るというウィーン条約などの義務に反して法治国家として必要な対応を怠ったと言わざるを得ません。

 総裁選の遊説を急きょ中断して開催された党の外交部会では、外務省の担当者が、発生した日本人の損害について、2005年の事例も挙げながら、補償を中国に対して求めることは可能だと説明していました。是非毅然とした姿勢を求めたいと思います。また、引き続き中国に対して邦人保護を徹底するよう、高いレベルの外交ルートで申し入れをすべきです。

 尖閣諸島を巡っては、民間の漁船が大挙して押し寄せるのでないかとの観測があり、中国の公船も漁政・海監など10隻を超える船が接続水域入域・領海侵入を繰り返して、日本の海上保安庁の巡視船などの警告に対し「こちらの領海から退去せよ」などと挑発的なメッセージを出したという事件も発生しています。

 短期的には警察や海上保安庁の警備体制を徹底的に強化するとともに、今後は自衛隊の警備行動との切れ目ない連携ができるよう法整備をし、また尖閣諸島への公務員滞在や避難港整備などの実効支配強化を行っていかなければいけません。

 何より安倍政権時代に、中国漁船の船員の尖閣上陸を徹底して阻んだように、わが国の領土・領海、日本人の命を断固として守り抜くという強いメッセージが必要なのです。

[激動の総裁選]

 昨日、総裁選に立候補を表明していた町村候補が体調を崩し一時入院するというニュースが飛び込んできました。一刻も早い回復をお祈りするばかりです。

 私も町村派に属していますが、今回の総裁選に際しては安倍候補を応援するしかないという信念に基づいて行動しています。町村会長のお気持ちを察すると苦渋の決断ではありましたが、日本を取り戻すためには、もはや派閥の枠を超えた仲間とともに最後まで安倍総裁実現に向けて突き進んで行こうという覚悟です。

 ただ、考え方を共有するグループであることも事実です。今、党員票で安倍候補が石破候補を追い上げているとの情報もありますが、いかなる状況であっても誹謗中傷合戦をすることなく、堂々とそれぞれの思いを訴えていけたらと思います。

 5人の総裁候補はいずれも素晴らしいと思いますが、安倍陣営の一員として総裁選の遊説や記者会見に同行する中、やはり経験とぶれない国家観、挫折を踏まえた悲壮な覚悟、街頭演説の際の人気などを総合的に考えて、安倍候補を応援している自分の姿勢は間違っていなかったと感じます。これからも党員への呼びかけなど様々な活動を全力で行っていきます。

[地元でも活動]

 こうした激動の中、地元での活動も行っています。来たる9月22日午後7時からは、所沢市民文化センター、ミューズ中ホールにて、藤本正人市長やヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員とともに、「どうする日本!危機管理フォーラム」を開催し、私たちの未来をどう守っていくのか会場の皆さんと考えていきたいと思います。是非一人でも多くの方にご参加いただければ幸いです。

≫平成24年9月11日

[苦しみを超えて]

 昨夜、ご本人の自民党所属時代に親交のあった松下忠洋金融担当大臣が亡くなるというショッキングなニュースが飛び込んできました。郵政民営化をめぐり立場を異にしましたが、心からご冥福をお祈り申し上げます。

 ショッキングと言えば、同日発表された谷垣総裁の総裁選出馬断念もそうです。

 無論ご本人でなければ本当の気持ちはわかりません。ただお二人とも(事情は全く異なりますが)自らの幕を自ら引くにあたり、本当に辛い思いをされたのだろうと思います。

 谷垣総裁の出馬断念には党執行部の候補者一本化の不調が背景にあったことは確かですが、それだけではなく、もっと色々な割り切れない事情が伝わってきています。

 今度の自民党総裁選は、総理の選択ともなるかもしれない重要な選挙です。国の未来・政治の未来がかかっています。保身やしがらみは国民とは何の関係もないことです。ただ一点、なぜその人を選ぶことが未来のために最適か・・・それをきちんと説明しつつ、正々堂々とした総裁選になればと念じるのみです。

 前回のこの欄で、安倍元総理を代表世話人とする新経済成長戦略勉強会を立ち上げたと報告致しました。A.T.カーニーの梅澤高明日本代表を講師にお招きした第一回の会合では、おかげさまで47人の議員本人、18人の議員代理の方のご出席をいただきました。熾烈な経済のグローバル競争の中で、日本が残酷なまでに停滞している実態を客観的な数字や事例で説明していただきました。
 このような事態にあって、バブル期を除く株価最高値をその在任中に記録し、小泉内閣を引き継いで成長戦略を進めるとともに、教育を含め社会や統治の大改革を試み、「戦後レジームからの脱却」と「再チャレンジ可能な社会」を掲げてきめの細かい政策を展開してきた安倍元総理に今一度総裁に立候補していただきたいとの声が、第二回の勉強会で強く上がりました。

 在任中中国漁船の尖閣上陸の試みに対し、「何としても上陸させるな」と海上保安庁の巡視船を体当たりさせてこれを阻止したことも記憶に残っています。
 今の民主党政権に毅然とした対抗姿勢を打ち出し、路線も明確です。

 ただ、安倍元総理も自らの幕を自ら引いた経験がおありです。多くの方々は厳しいご意見をお持ちで、私もあちこちで指摘されます。
 しかしながら誰よりも辛い経験をし、その重さを身に染みてわかっておられ、そして総理としての進んでおられた道を今なお多くの民間の方々や有識者の方々が評価されているからこそ、日本の再起にとってもっともふさわしい候補者であろうと思うのです。

 この欄で書かせていただいたとおり、ご本人の病状は新薬の効果もあり劇的に回復しました。そしてご本人は、私たちの思いに報いたいと力強く答えて下さいました。

 既に立候補に必要な20名を上回る推薦状をいただいており、ご本人は12日の午後、正式に出馬会見を行う予定です。

 2度総理を務めるとなれば保守合同後では初めてのこととなります。しかし時代はそれを求めるほど困難な状況であると思います。

 私も微力ながら選対の一員として全力を尽くして参ります。ご理解ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

≫平成24年9月2日

[新経済成長戦略勉強会]

 私のUSBメモリースティックに「新経済成長戦略勉強会(仮称)発起人ご就任のお願い」という私の書いた書面ファイルが保存されています。日付は今年の5月15日です。

 当時消費税率の引き上げをめぐり与党は大混乱していました。自民党は既に税率の引き上げを参議院選挙での公約にしていましたが、そのもたらす経済への悪影響、毎年1兆円の社会保障費の増額、加速する人口減少などを考えると、あわせて相当力強い経済成長のための政策が必要であるという危機感を私は強く持っていたのです。

 民主党の目先の人気狙いのバラまきや、戦略なき各種施策の寄せ集めではもたないことは明らかで、一日も早くデフレから脱却するため金融政策を含め思い切った戦略を取るとともに、効果的な投資・競争力の強化を行い、日本の潜在的な可能性を最大限発揮できるようすることが急務だと感じていました。

 当時自民党の内外で、公式・非公式に経済政策に関する検討が多々なされていましたが、同じ思いを持つ少数の議員が「改めて経済成長をテーマに勉強会を党内に立ち上げるべきでないか」という認識を共有し、「じゃあ柴山さん、発起人をお願いする案内書を書いてよ」ということで起案したのが冒頭の書面です。

 当初の検討メンバーは安倍晋三元総理、下村博文議員、義家弘介議員、礒崎陽輔議員など少人数であり、安倍元総理を除けば閣僚経験者もいませんでした。どれだけ支持の輪が広がるかとの思いがありましたし、政局に与えるインパクトを考えると、いつ本格的に活動を開始するかということで色々逡巡がありました。(私はなるべく早く開催すべきだと言っていたのですが。)

 しかし政局はさらに混乱し、通常国会は残念ながら谷垣総裁の思いとは逆に、解散なく閉じられようとしています。前回のこの欄で書かせていただいたとおり、こうした政治の混乱・停滞を払拭するためにも一歩踏み出すべきだと皆が認識を共有し、発起人をそれぞれ本格的に募りました。

 このような経緯ですので、先日安倍元総理が維新の会との連携を示唆したことは、本会の発足に何ら影響を与えていません。元総理ご自身、自民党を出て維新の会に合流するつもりはないと明言しています。
 なお、私は維新の会については共感できる面もありますが、個別の政策については疑問を持つものもあり、今の時点では協力を超えた超党派的な合流を模索することには反対です。

 また、安倍元総理の健康状態は劇的に回復したとご本人から聞いています。

 幸い支持の輪は大きく広がり、発起人は衆議院議員が41人、参議院議員が20人の合計61人となりました。実に自民党の現職国会議員のほぼ3分の1に相当する方々が明示的に発起人を引き受けて下さったのです。

 来たる9月5日(水曜日)午後3時30分より、いよいよ第1回の勉強会を開催します。私は司会を務める予定です。この動きがさらに大きく拡大していくことを強く望んでいます。

≫平成24年8月28日

[打開の道]

 竹島をめぐる日韓関係は残念ながら悪化の一途をたどっています。

 野田総理から李大統領に対し、この竹島をめぐる韓国側の対応についての遺憾の意を表する旨、また国際的な機関における紛争解決への呼びかけと冷静な対処を求める旨を記した親書が送られたところ、大統領側はこの親書を送り返してくるという前代未聞の行為に出ました。

 理由は、事前に親書の概要が公表されたのは失礼ということですが、親書の内容をどこまで事前に明らかにするかは国際慣例上当然のことながらケースバイケースで、本件のように既に日本の方針が対外的に示され、文書の概要のみが公表されたような件でこのような対応を取ることは全く理解に苦しみます。むしろ「一顧だに値しない」としか反論できないということは、やはり自らの立場(日本側の主張を否定したり、国際司法裁判所などの機関での解決に協力しなかったり)をまともに説明できないことの現れであるとしか考えられません。

 それにしても日本政府はこうした対応を想定できなかったのでしょうか。返送をさらに拒否するなど駄々っ子のような対応をするのであれば(しかも追加での郵送での返送は受理している)、むしろそうした暴挙に対する反論や、前回のこの欄で述べたような日韓スワップ協定破棄など具体的な対抗措置の警告等の準備をしておくべきではなかったかと思います。

 せっかく事情聴取のため日本に召還した武藤駐韓大使を、急いで帰任させる必要があったのかも疑問です。そもそも事案が生じてから一週間以上経過した21日にようやく関係閣僚会議を開催し(しかも領土問題にもかかわらず防衛大臣は抜き)、そこでは中身の乏しい報告をわずか20分行って散会するなど、トップの真剣さがどうしても伝わってこないのです。

 この問題に関しては外務省のホームページにハングル語で日本の主張をきちんと載せたり、海外メディアに対する情報発信を積極的に行うなどのほか、真剣に前回この欄で書いたような対抗措置を検討すべきだと思いますし、国民への啓蒙活動や教育における対応を充実させなければいけません。私自身、今後韓国の次世代リーダーとの交流を杜絶しようとは思いませんが、自らの立場をきちんと主張するよう心掛けて参ります。

 一方、香港活動家の尖閣諸島への上陸の強行を撮影した動画は、度重なる私たちの要求に応じてやっと公開されました。

 案の定先方のレンガを投げるなどの物理的妨害行為はかなりのもので、前回の漁船衝突事件同様、充分公務執行妨害罪として立件が可能な案件です。これを単なる不法入国案件として強制送還し、刑事処分を見送るのみならず、小泉政権時代と異なりそれに対する政治的な関与を否定して責任を現場に押し付けるという政府の方針には、全く賛同できません。これでは類似の案件が多発することになるでしょう。

 日本としては今度は刑事処分を行うことを明示するとともに、尖閣諸島への自衛隊の常駐など実効支配を強化するなどの措置や、こうした事案に関係機関がきちんと対応するのに必要な立法を検討するべきです。私も動いていきます。

[袋小路の政局]

 税と社会保障一体改革に関する法案は成立しましたが、案の定野田政権は、特例公債法の制定に続き補正予算の編成など追加の課題に取り組む姿勢を示し、今国会での解散は見込めない状況になってきました。

 また、選挙制度改革法案についても、小選挙区5、比例枠40の衆議院議員定数削減という民主党案について、昨日の衆議院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で全野党欠席の中、採決を強行しています。これについては大いなる誤解があるようです。

 まず内容的に言って、この与党側の法案には、比例枠に連用制という、小選挙区で票を伸ばすほど多数を取った政党の議席が少なくなるという憲法違反のおそれのある内容を含んでいます。自民党は今は小選挙区を5のみ減らす案を提案していますが、私が事務局次長をしている選挙制度改革委員会では比例枠30を併せて削減し、かつ残りの比例枠のうち一定部分を少数政党に配慮した特別枠とするという案を作成し、しかしながら政党間調整がつかなかったという背景があります。したがって自民党が定数削減に民主党ほど積極でないというわけではありません。しかもこうした案件ではやはり運営も含め、各政党に一定の配慮を示すのは当然です。

 また、もしこの法律を本気で成立させるというのであれば、このように会期末で参議院での否決・廃案が明らかな時期を狙ってくるのはおかしいと言わざるを得ません。与党は閉会後「自分たちは身を削って消費税増税をお願いしようとしているのに野党は協力しない」というキャンペーンを行おうとしていることが火を見るより明らかです。

 かくなるうえは自民党の対案をきちんと練り直し、しっかりとした国民を納得させられるものにしていくことが必要であると考えます。

 ちなみに維新の会の主張する「議員定数半減」は、それにより行政コントロール(特に野党の存在)が受ける影響を考えると極論でしょう。国会議員を集められないことが背景にあるのではないでしょうか。

 こうした袋小路の政局の影響もあり、経済は思ったような回復を見せていません。やはり政治を立て直し、特に経済成長を力強く訴えていくことが、自民党が野党の立場ではあっても必要であると痛感しています。そのためのを取り組みを今週から本格的に行って参ります。

≫平成24年8月17日

[求む、毅然とした姿勢]

 ロンドン五輪は熱気のもと閉幕しましたが、終盤の男子サッカー日韓三位決定戦は、李明博大統領の竹島訪問や選手のプラカード掲示問題などが絡み、大変後味の悪いものとなってしまいました。

 李大統領はこの後天皇陛下の韓国訪問に関し「訪問したければ独立運動で亡くなられた方々を訪れ心から謝罪していただきたい」と発言するなど、最近の言動は常軌を逸しているとしか言いようがありません。
 竹島は領土紛争がある中でこれまで一度も韓国の首脳が訪れたことはありませんし、天皇陛下の訪問についてもそもそも平成20年に李大統領が訪日した際、大統領から両陛下に直接要請したものであって、無礼であることこのうえありません。

 確かに五輪日韓戦は注目のイベントですし、大統領選を控え、再選がないとはいえ権力移行時に大統領の収監等が日常茶飯事の韓国で、かつ不景気やスキャンダルで求心力が低下している李大統領にとっては、ここでナショナリズムを煽る動機があるのでしょう。しかし今回の一連の行動はあまりにひどすぎます。

 ちなみにプラカードを掲げた選手については五輪憲章違反の調査が実施され、メダル授与が留保されているとのことですが、動画サイトを見たり、その前後の経緯を見ると、本当に他の韓国選手やKFA(韓国サッカー協会)が無関係なのか疑問を持ってしまいます。

 加えて、韓流スターの竹島遠泳など、これに輪をかけた動きが広がっていることも気がかりです。

 これに対しわが国の対応は相変わらず口だけの抗議。これを見越して韓国側が対応をエスカレートさせているのが全く分かっていません。そもそも民主党政権の朝鮮儀軌返還に端を発した太陽外交は全く逆効果に終わっているのが現実です。

 昨日急きょ実施された自民党の外交・領土特命委員会ではこの問題につき、国会での非難決議はもちろん、日韓通貨スワップ協定の延長拒否(ないし破棄)や韓国債売却などの経済対抗措置も検討すべきだとの声も出ました。スワップ協定破棄については私がその場で出席した財務省担当課長に確認したところ、「諸情勢に鑑み慎重に検討する」との答えでした。また、ICJ(国際司法裁判所)への領土問題の提訴を真剣に検討するとともに、相手方に提訴拒絶ができないITLOS(国際海洋法裁判所)での手続も検討して欲しいと要望しました。前者については日本が単独提訴した場合、韓国側にこれを拒否する説明責任が生じ、その過程で国際世論にアピールすることができます。また後者では海洋資源問題などの先決事項として領海紛争が判断される可能性があります。

 今後の韓国人の日本への入国許可について、竹島上陸をいかなる立場で行ったかを考慮することも検討に値するかもしれません。

 ナショナリズムの行き過ぎにはお互い警戒しなければいけないと思いますが当方としても毅然とした対応が求められます。また、党の部会で発言したことですが、これが日韓の文化交流にまで波及することは避けられないのでしょう。

 そしてお盆の只中、香港の活動家たちが尖閣諸島に上陸したというニュースも飛び込んできました。

 日本は彼らを逮捕のうえ強制送還する措置を決めたとのことですが、大いに疑問があります。この問題も昨日の自民党領土特命委員会で取り上げられました。

 まず、海上保安庁の巡視船が多数警戒に当たっていたにもかかわらずなぜやすやすと彼らの上陸を許してしまったのでしょう?そして彼らの船には香港側の報道カメラクルーが乗り込み、活動を逐次録画していたとのことですが、日本の海上保安庁の録画はなぜ公開されないのでしょう?

 今回は2年前の中国漁船衝突のように、「入管法違反」に加えて「公務執行妨害」という罪名を付けると後が厄介だから、日本が香港側に配慮したと勘繰られても仕方ありません。
 入管法65条は、被疑者が不法入国以外の罪を犯していない場合、司法警察員は送検をすることなく入国警備官に引き渡し、強制送還のルートに乗せることができるとされています。あの漁船衝突の時に被疑者を刑事手続のため送検して拘束したことが様々な問題を招いたことから、意識的に先方の妨害行為を避けようと政治的な力が働いたということはないのでしょうか?活動家たちはレンガを巡視船に対して投げつけていたと昨日の党の部会で国交省は認めているのです!

 結局あの2年前の腰砕けの釈放が、「日本はこれ以上強硬な手段を取れない」というメッセージを与えてしまい、それが今回の事件を招くとともに、中国側が日本に「早期釈放」を求め、日本がそれに応じるという形を取ってしまうことになるのです。中国側はこれを自国の外交的勝利・日本の外交的敗北と宣伝するでしょう。

 野田総理はこれらの重要問題のさなか夏休み。関係各大臣も靖国神社には参拝しても登庁することはなく、危機感を欠いています。ようやく総理は尖閣問題で「法律に基づき毅然とした処分を」とコメントしましたが、それと活動家たちの釈放という結論に生じたギャップに対する違和感は拭えません。
 もはや国益を損なうこの政権が立ち行かないことは明らかです。速やかにこれらについて国会での集中審議を行い、今後の対策を立て直す材料にするとともに、政権の再交代を求めて参ります。

≫平成24年8月10日

[一貫した姿勢]

 昨日、衆議院本会議で、みんなの党や共産党などの野党が提出した内閣不信任案の採決がありました。
 自民党では棄権のため退席するという議院運営委員会からの指示がありましたが、私はあえて出席して賛成しました。

 この欄にいつも書いているとおり、郵政改革関連法案について、あるいは税と社会保障一体改革関連法案について、常に私の取ってきた立場は「きちんと議論は尽くさせてもらう。そのかわり出た結論には、個人的な思いはどうあれ従う。」というものです。そしてそれは実は今回の案件についても何ら変わっていません。

 前回のこの欄にも書きましたが、私は小泉進次郎党青年局長はじめ有志とともに、民主党が三党合意の前提となるバラまきマニフェストの(少なくとも)凍結を一向に認めようとせず、しかも身内の造反を恐れて、参議院において採決に熟した税と社会保障一体改革法案の処理を先延ばししようと画策していたことなどから、もはや三党合意の前提となる事実や信頼関係が崩れており、たとえ法案の成立が犠牲になっても合意を破棄して今国会中に政権を解散に追い込むべきだ、という趣旨の申し入れを谷垣総裁に対して8月1日に行っていました。谷垣総裁はこれに対し、重く受け止めるとお答えになったのです。

 その後、野田総理が、自民党がこれまで一貫して求めてきた「税と社会保障一体改革法案が成立したら速やかに解散すべきだ」という姿勢を真っ向から否定するかのように来年度予算編成に意欲を示したと伝えられた際「俺にケンカを売っているのか」と不快感をあらわにしたということで、もはや民主党サイドが採決を前倒しに持って行っても早期解散の確約がない限り、谷垣総裁は三党合意に関わらず採決を拒絶する強硬姿勢を取って下さるものと信じていました。
 現に私たちの執行部が一昨日の午前中、与党側が提示した「法案を成立させたら近い将来に解散する」というあいまいな表現を蹴って、譲歩がなければ他の野党と別個の自民党の内閣不信任案を提出するという最後通告をしたと聞き、全力でこの姿勢を支持しようと思ったのです。

 その午後実はシャドーキャビネットが開催されました。もしそこに谷垣総裁が来られ、そこでこの方針について議論がなされ、そして違う意見が結論となれば私はそれに従ったでしょう。しかし谷垣総裁はシャドーキャビネットを欠席され、上記方針で交渉に当たられました。

 ちなみに上記8月1日の有志申し入れに対し、実に36都道府県連66名の党各地方青年局長・部長からこれを断固として支持するという書面が届き、これを小泉青年局長や私たちは大島副総裁・石原幹事長に手渡しました。彼らの思いはおそらく多くの自民党の同志の思いだったはずです。

 しかし突如、与党側から示された「近いうちに解散する」なる文言の微修正に応じ、谷垣総裁は野田総理とトップ会談に応じ、自民党独自の内閣不信任案提出を取り下げてしまうのです。しかも他の野党提出の内閣不信任案に対しては欠席をするという方針は、昨日急きょ決められ、党の両議員総会及び代議士会(採決直前30分)まで議論を尽くす機会もありませんでした。

 一般国民から「なぜ『近い将来』はダメで『近いうちに』ならいいのか」と尋ねられたら、私はそれに対して回答できません。また、不信任案に対して賛成でなく棄権をする方針についても、「解散より法案重視」という意図や、「他の野党提出の不信任案はマニフェストにない増税を理由としているからこれに賛成すると三党合意を進めてきた自民党の方針がおかしくなる」という理屈はわからないでもないですが、結果として政権の延命に中途半端に手を貸すこととなり、どうしても納得しかねます。また、谷垣総裁が早期解散を求めてきたのはやはり民主党のマニフェスト違反が根本の理由ではなかったのでしょうか。
 こうした疑問に対し、谷垣総裁からどういう説明があるのかと思っていたのですが「法案の成立後速やかに政権を終わらせる」という断固とした決意の表明はあったものの、全く理由ある説明がありませんでした。

 もちろん、満足な議論がなかったから私の冒頭書いたポリシーからも正当化されるとは言いながらも、党の決めたことに反することには逡巡もありました。清和研の何人かの方々から「早まるな」と説得を受けたのも事実です。しかし苦しいながらもここで自分の筋を曲げることはできませんでした。是非ご理解賜るようお願い申し上げます。そしてこれからも、筋を貫いた行動を取っていくことをお誓い致します。

≫平成24年8月4日

[リセットなくして前進なし]

 みんなの党や共産党が主導して衆議院に内閣不信任案を提出する動きが出ていると報じられています。

 ちなみに来週早々、参議院では税と社会保障の一体改革関連法案の採決の環境が整いますが、民主党がすんなり採決に応じるかは疑問です。というのも、採決に際してやはり造反・離党の動きが出てくるのでないかと言われ、参議院の第一会派の座がなくなれば議長人事などを失うことから民主党としては極力採決を引き延ばしたいという動機があるからです。

 しかし三党合意で上記法案に協力している自民党としてはたまったものではありません。景気回復や国民会議での社会保障改革実現やバラまきマニフェストの凍結を前提としての消費税率引き上げのはずなのに、それがなかなか国民に伝わらず「増税政権への抱きつき」などと批判され、しかも参議院に法案が移っても民主党は一向にマニフェストの凍結を公的な場で認めようとしません。
 そして私は先月19日のBS11テレビ番組「INsideOUT」に出演した際、「私としては自民党執行部に色々注文をつけながらもそれへの対応・説明を見て苦しみつつ衆議院の採決で法案に賛成している。与党は野党に話を持ってくるならまず自分の党をきちんとまとめてから来るべきだ。」と発言させていただきましたが、今まさにそういう状況が生じているのです。

 かくなるうえは三党合意の前提となる事実や信頼関係は完全に崩れていると言わざるを得ず、たとえ法案の成立が犠牲となったとしても速やかに上記合意を破棄し、政権を今国会中に解散に追い込むことに軸足を移すべきだと考えます。
 今月1日、小泉進次郎党青年局長をはじめ私を含む11人の若手議員でこの旨を書面にし、谷垣総裁のもとに届けました。谷垣総裁は「重く受け止める」とコメントされました。

 これから冒頭述べた衆議院の内閣不信任決議や、参議院での問責決議などを果敢に利用するよう行動していきます。もちろん、衆議院の不信任案には一時不再議の効力があって、否決されてしまえば今国会中の有効なカードがなくなってしまうとともに法案審議への協力を余儀なくされるという副次効果もあると言われています。参議院ときちんと連携をして有効な手立てを模索していきます。

 リセットなくして今政治の前進はあり得ません!

[大津いじめ自殺事件のイライラする展開]

 この欄でも紹介した自民党文部科学・法務合同部会における大津いじめ自殺事件の検証、再発防止の取り組みはイライラする展開となっています。

 私たちの要請に応じ、文部科学省が現地調査を行い、大臣官房に1日「子ども安全対策支援室」を設置する旨発表したのは一応の成果と言えそうですが、問題は形でなく実行です。各地の学校・教育委員会がいじめを超えた犯罪があった時、これに何ら有効な手立てを打たなかったり隠蔽したりする場合(現にこの問題での教育委員会のアンケート調査が一部しか公開されなかった等問題が判明している)、文科省が適切に現場を指導したり、警察との連携を行ったりできるのか?

 警察は自殺した生徒の父親から、被害届が三度にわたり出されたのに、今回報道で問題化するまでなぜ放置したのか?

 加害少年が転校しているとのことだが、本人や家族などの聞き取りや実態把握ができているのか?当時の担当教師に処分がないのはなぜか?また、加害少年側のプライバシーなどはどのようになっているのか?

 いまだ満足な回答はありません。大津市長は被害者の父親に謝罪したとのことですが、市・県の姿勢や教育現場の体質は根が深そうです。第三者委員会の立ち上げがあるということですが、問題のある組織が関与してきちんとした調査ができるのかも疑問があります。
 これからもこの問題にきちんと切り込んで参ります。

[エネルギー問題への取り組み]

 東電の家庭用電気料金引き上げ幅が8.46%で決着しました。私たち自民党消費者問題調査会のメンバーで松原消費者担当大臣に対し、人件費厚生費のさらなる見直しや資産の徹底処分、燃料の共同調達実施、賠償費用の処理の再検討や福島原発の減価償却費の除外、総括原価方式の見直しなど項目を挙げ、具体的に検証したうえでの引き上げ幅圧縮を経産省に求めて欲しい、と申し入れをしたのですが、このような結果となりました。これが不十分であることは松原大臣ご本人が認めていらっしゃいます。

 原子力規制委員会の同意人事をめぐっても議論が錯綜しています。人事が事前に明らかになっていたのみならず、原子力推進側の立場を反映する人事でないかとの疑問も絶えません。この委員会を議員立法で立ち上げた責任者の一人として、しっかりチェックして参ります。

≫平成24年7月28日

[ロンドン五輪の陰で]

 待ちに待ったロンドン五輪は、男女サッカーチームの勝利という華やかなスタートを切りました。これから手に汗を握る熱戦が続くでしょう。

 しかしその陰でイライラするような国政の停滞があることを私たちは忘れてはいけません。

 今週火曜日から3日間、私は小泉進次郎局長をはじめ自民党青年局の全国の60人を超える仲間たちと沖縄を訪問し、オスプレイ配備や尖閣問題について、普天間基地のある宜野湾市の佐喜眞淳市長や、尖閣諸島の属する石垣市の中山義隆市長をはじめとする当事者にお話を伺うとともに現地を視察してきました。

 実は沖縄知事選応援などを通じ、佐喜眞市長とは旧知の仲。また、中山市長とも、中国漁船衝突事件で自民党を代表して森まさこ参議院議員と現地調査に訪れた際既に色々話を伺っています。

 両名とも自民党の若きエースで、国防と地域の利益の調和を真剣に考えている尊敬できる方々です。本来であれば、防衛力向上のためのオスプレイ配備や、領有権を主張している尖閣諸島の国有化などについては前向きであってもおかしくありません。

 しかし両名とも悩みながらも、これらについての国の方針には極めて大きな不信感を募らせています。

 まずオスプレイの配備については、この欄で触れたとおり、墜落事故が頻発する中での安全性の検証をわが国独自で行うべきという主張(島尻参議院議員や私が展開しました。オリンパス問題などでわかるとおり身内での検証は信頼性を疑わせるからです)が国に届き、日本の調査団の派遣が行われるという方向になりましたが、そのプロセスをより具体的に説明するとともに、たとえ日米安保条約上はスケジュール設定などにつき米国の専権に属すると言っても、日本国民の安全に関わる問題を日本が要望できないとする理由はないと考えられますので、きちんと当該検証が決着するまでオスプレイの飛行を行わない(暫定搬入した岩国基地でも)という方向で交渉をまとめるよう国に要望しなければいけないと考えます。機体自体が安全でも、操作上の安全確保のための措置(技術の熟練など)も行わないといけません。

 佐喜眞市長は2004年の沖縄国際大学でのヘリコプター墜落事故も念頭に置き、安全性確保を第一に連日政府との折衝に臨んでいるとのことですが、何と言っても「最低でも県外」と言ってこれまでの普天間基地の辺野古への移転プロセスをぐちゃぐちゃにした政権です。苦労の連続だろうと思います。

 尖閣諸島については、中国の艦船や漁船が近海を航行する事例が相次ぐ中、一刻も早く現在の実効支配を形に見えるものにすることが必要です。現場は安全保障の観点のみならず海底資源や豊富な漁場もあり、トータルな国益の観点から絶対に譲ることのできない地域です。石垣島から船で5時間かかる遠距離に位置することからしても、観測所や漁船避難港の設置など、管理主体の国には現況の変化に合わせて政策の変更が必要になっているのです。

 しかし国の定まらない姿勢に、業を煮やした石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島の地権者からの購入を表明、全国からの募金は13億円を突破しました。

 このような状況で国が国有化の方針を表明したからといって信頼できるでしょうか?中国の主張を容認するかのような発言が物議をかもした丹羽在中国大使の更迭もせず、漁船衝突犯の釈放を行ってその責任を那覇地検になすりつける政府に、地権者や石原知事のみならず、中山市長が不信感を示すのも当然のことです。

 まずは野党の立場ではあっても私たちが、こうした現場の不信感や要望をきちんと国政の場に届けなければいけません。そして全国に情報を伝え、大きな運動にしていきたいと思います。
 実は2004年にも私は現地を視察していますが、辺野古沖に展開していた基地移設反対の活動家の船がなくなっているなど、時代の変化を感じ取ることができました。目先のパフォーマンスでなく筋を通し続けていくことが大切だと感じました。

 この他、前回のブログに書いた大津いじめ事件のその後、19日に生出演したテレビ番組での発言、電気問題(値上げや原子力規制委員会人事)等については、長くなるので分けて書かせていただきます。

≫平成24年7月17日

[聖域を作るな]

 滋賀大津市の中学2年生の自殺について、同級生たちの陰湿ないじめや教師の見て見ぬふりの実態が明るみとなり、大きな波紋を呼んでいます。

 私は自民党の法務部会長として、この問題がもはや犯罪の域に達していると確信し、また人権行政がどのようになっているのか、また逆に加害少年者側のプライバシーがインターネット等を通じてさらされていることへの対応を検討しなければいけないとの思いから、文部科学行政上の問題点を所管する下村博文文部科学部会長に呼びかけ、先週関係省庁からの担当者を集めて合同検証会議を開催しました。

 この問題では学校や教育委員会の隠ぺい体質が指摘されていますが、当初は警察も非常に及び腰でした。被害者の親の届け出も軽視、教育委員会におざなりのヒアリングをして事件化することがありませんでした。私は警察庁に、本来自殺教唆などの犯罪の疑いがあれば、警察は直接関係者を取り調べる等の捜査ができるはずではないか、と問いただし、この合同検証会議の日に警察の捜査は実行されました。

 文部科学省もこの問題への関与は極めて消極的でした。安倍政権時代に地教行法が改正され、緊急に生徒の生命・身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、教育委員会の対応に関しても文部科学大臣は是正の指示ができるとされているにもかかわらず、こうした措置は一切なし。「もう生徒さんは亡くなっているのですから、この規定(50条)の適用はありません」と平然とこの合同検証会議で文科省の担当者は答えました。
 そうした生命に関わる事件があった場合の調査などにもきちんと文科省の強制権限を明記することを検討するよう求め、また、過去において自民党時代に小渕文科政務官がすぐいじめ事件の現場に聞き取りに出かけたように、人材を現場に派遣するよう求めました。

 こうした私たちのスタンスに関しては、地方分権や教育の自主性という観点から反論も予想されます。しかしいじめが犯罪という国家的な対応を必要とする場合に、国がその職責を果たすことができないようであれば、かえって日々の教育の現場での自主性を信頼し、そこに任せることが困難になってしまうのではないでしょうか。

 思い出すのが平成7年のオウム真理教への強制捜査です。私は司法試験受験生でしたが、当時は各種団体の自主性を重んじ、法律の適用や司法審査を団体内部の問題に及ぼすのを差し控えようというリベラルな法実務が強くなっていました。無論犯罪捜査などはこうした理論からは外れるのですが、私はこうした一連の法実務の方向性が殺人教団の出現を許してしまった側面があると感じていますし、いまだにオウム後継団体が存続していることは問題だと思っています。

 地方教育の現場や団体の自主性を重んじつつ、それを「聖域」とすることなく、国として関与するべき問題が生じれば毅然として対応することを求めていく考えです。

[相次ぐ地元行事]

 夏に入り、お祭りなど各種地元行事も多くなってきました。いつ解散になるかわからないという政局の中、地域の国政に関する声を受け止める意味からも、積極的に参加して参ります。

≫平成24年7月6日

[形から入ることの大切さ]

 昨日公表された福島第一原発の国会事故調査委員会の報告書が手元に届きました。

 ここでは、歴代及び当時の政府、規制当局、事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如が厳しく指摘され、今回の事故は天災でなく人災であると結論づけられています。私たちの与党時代も含め、真摯に受け止めなければいけない内容です。

 東電が事故の直接原因を想定外の津波にあったと早々と報告したことに対し、「地震そのものによって引き起こされた」可能性が科学的解析から導けること、
 規制当局が政策推進部門(経産省)から独立性を欠き、被規制産業の利益最大化に傾注してしまったこと(「規制の虜」と表現)、
 事故時の情報処理や政治介入のまずさ、東電は全面退避を決めた形跡がなく、菅前総理により全面撤退が阻止されたと理解することはできないこと、
 等々、国会事故調だからこそ明快に指摘できたことが多々あります。

 もし政府の事故調査委員会や民間の事故調査委員会だけだったら、規制当局や行政に不利なことをえぐり出し、かつ国政調査権や議論のプロセスの公開(世論への問題提起)を背景にしてのこうしたまとまった調査をすることはできていなかったのだと思います。

 ここで私が強調したいのは、調査結果の内容より、このように信頼できるプロセス(形)を取ることが現代において非常に大切だということです。

 私が議員立法に関与した原子力規制委員会の設置において、それが政治から独立した行政委員会(国家行政組織法上の三条委員会)としたことや、少し次元は違うかもしれませんが、今国内配備が図られようとしている米軍オスプレイ機の基地配備に関しても同じことが言えます。
 すなわち、原発の規制は信頼できる体制を持つ機関が行うべきであって、再稼働も当該機関のチェックを受けてから行うのが筋であるし、モロッコやフロリダで墜落事故が起きているヘリコプターを受け入れるためにはきちんと原因究明調査結果が出て、機体についての安全性の問題でないと結論付けられたかを検証するというプロセスが必要だということなのです。

 今だいぶ法務省で検討が進んでいる「取り調べの可視化(録画・録音)」にも同様の見方ができると思います。

 複雑な内容を持つ政策や判断を万人の理解を得て行うことが難しいとすれば、やはりその立案・実行の過程で、極力、組織や手続の中立性を確保したり、不利益を受ける方々にきちんと参加してもらったり説明を行ったりするということの重要性は近代的適正手続(デュー・プロセス)の要請です。しっかり進めていきたいと思います。

[これからの活動]

 明日7日(土)午後4時から、JR大宮駅西口にて、自民党埼玉県連青年部主催の街頭演説会が開催されます。これは党青年局の全国一斉行動として行われるもので、埼玉では諸般の事情で予定の6月にできなかったものです。最近の政局や北朝鮮拉致問題について私も演説しますので、ご都合のつく方は是非いらしていただきたいと思います。(※この企画は悪天候のため急きょ中止となりました。申し訳ありませんでした。)

 また、9日(月)午後8時からは、雑誌「SPA!」、ニコニコ動画、電通パブリックリレーションズの運営によるインターネット番組「ニコSPA!タックル」に生出演します。電力問題について東京財団の石川和男さんたちと議論します。URLは、
http://www.nicovideo.jp/
です。時間は1時間。面白いものになると思うので是非ご覧下さい!

≫平成24年6月30日

[お騒がせして申し訳ありません]

 一部報道にあったように、私が支部長を務めている自民党所沢支部が、収支報告書の提出を期限内に2年続けて行わなかったため、活動を停止することとなりました。

 私が議員になる前から、同支部は党員の自主組織として活動しており、会計担当も一般の民間の方です。私は初当選してから1年ほど後に、保守一本化のために(当該地域の自民党衆議院議員は一人だったことから)支部長に選任されました。

 この会計担当の方は毎年行われる決算の整理・説明をとてもしっかりこなしていて、支部党員の信頼を集めています。報告書の提出も毎年して下さっています。

 しかし昨年3月末提出予定の平成22年分にかかる報告書については、決算はしたものの、震災後の混乱で総会が6月にずれ込み、混乱も重なって期限内の報告書への転記・選管への提出がなされませんでした。今年はちゃんと出せるということだったのですが、この方がお仕事で多忙を極め、結果として期限を過ぎてしまったということです。

 政治資金規正法では、2回連続で収支報告書の提出を怠ると活動ができなくなります。選管から4月27日付のその旨の書面を受け取った時には、まさかきちんと決算処理がされていた報告書が未提出であったとは信じられず、会計担当者ご本人から事情を聞くとともに選管にも秘書を通じて問い合わせ、活動を継続するための方策を検討しました。
 その結果、未提出分の収支報告書をきちんと提出していったん支部を解散し、再設立すれば活動を続けられるとのことでしたので(過去に複数例があるとのこと)、5月に一連の処理を行うとともに、今後どうするかをこの会計担当の方と話し合いました。

 この方は無償で会計事務をして下さっているので強いことは言いづらいのですが、やはり類例があるとはいえ、また資金の流用や着服、虚偽報告という悪質な事案ではなかったとはいえ、不祥事であることは厳然たる事実です。
 私も支部長という立場にあり、しかも民主党の鳩山元総理や小沢元代表の政治資金不正疑惑を追及してきたということもあります。

 ここは臨時の役員会を開催して、そこで一連の経緯を正直に説明するとともに、設立された新しい所沢支部の役員に関しては原則として旧所沢支部と同一とするものの、私たち両名に関してはそろってけじめをつけようということで話がまとまりました。そのうえで各役員に通知を発送するとともに、県のホームページでは既に活動停止団体として公表がされていたこともあり、メディアの前で説明を行ったところです。

 市議会のスケジュールの関係もあって役員会は7月の予定ですので、そこで正式に身の処し方が決まってから説明をしようとも考えたのですが、主だった役員に説明が終わったこの段階で発表させていただきました。お騒がせして本当に申し訳ございませんでした。

 ただ、一部に「これで柴山は不正追及ができなくなった」という声があることについては、断固として否定致します。自らのことはきちんとけじめをつけ、これからも一層職務にまい進していきます。

[民主党分裂の動き]

 前回この欄で、小沢元代表のグループ(派閥)の消費税をめぐる造反の動きを、反執行部が世論に迎合しつつ党内のキャスティングボートを握ろうと企てていると批判するとともに、本当に離党を想定しているのか疑問を提示しました。

 しかし色々調整の結果、離党の方向が濃厚になってきたようです。

 既に先行して離党している新党きづなのメンバーは9人。これと連携して内閣不信任案を提出するには42名の離党があればできます。造反した57人のメンバー数からすれば手が届く数字です。もっとも、内閣不信任案が可決されるためには54名の離党がなければならず、これは難しいでしょう。ただ否決されるとそれは一時不再議のルールを通じて、9月上旬までの会期中の解散を先送りし、執行部を揺さぶる戦略にもつながります。

 造反組の中には、そもそも前回の民主党追い風の選挙でも比例復活でしか当選できなかったり、小選挙区と重複立候補しておらず、比例単独で下位当選している議員が大勢います。これらの議員は次回民主党で立候補してもほぼ間違いなく落選するので、離党することに何の抵抗もありません。
 問題は前回この欄でも触れたとおり、小選挙区の候補者で当選の可能性があり、離党しても第三極の流れの展望が開けず迷っていると思われる議員たちの動向です。

 しかしたとえ離党が衆議院で十分な数を確保できなくても、新党きづなと同様、与党を離れれば堂々と政権を批判することができ、内情を知ったうえでの暴露が議事録にも正式に残ることにもなりますから政権としてはかなりこたえるでしょう。また、参議院でもし19人同調して民主党を離党する議員がいれば、民主党は第一会派の地位から転落し、議長を自民党に譲ることとなって政権運営が危うくなることもあり得ます。

 小沢・輿石会談と併行してこうした数合わせが水面下で色々行われているとすれば、それは全く国民を置き去りにした権力闘争以外の何物でもありません。もし税と社会保障一体改革の三党合意を実行することができないのであれば、与野党協力関係の前提は失われたと判断せざるを得ず、野田総理は即刻解散・総選挙を行うべきだと考えます。

[増資インサイダーの問題化]

 前回この欄でSMBC日興証券のインサイダー取引について触れましたが、より深刻な増資インサイダー問題が野村・大和両証券会社を揺るがしています。

 公募増資情報を、主幹事の証券会社が営業部門を通じて得意先の機関投資家に漏らしていたという事案がそれぞれの会社で発覚したということで、まさに癒着を通じて市場の信頼が損なわれたという悪質な事案です。
 ただ、情報を漏洩した営業部門担当者への罰則は現行法上存在せず、引受け部門と営業部門との間の情報遮断(チャイニーズウォール)をきちんと行わなかった証券会社への行政処分もそれに連動して軽いのでないかと言われています。

 この問題は党の財務・金融部会で議論されることとなりましたが、私も関心分野ということでしっかりと再発防止に向けた制度設計に関わっていきたいと思います。

≫平成24年6月27日

[造反の本質]

 昨日、衆議院本会議で、税と社会保障一体改革関連法案が可決しました。

 前回のこの欄で少し触れましたが、今回の自公民三党合意には、景気弾力条項に名目3%、実質2%という目標数字を残し、かつ成長戦略や事前防災・減災等に関する分野に資金を重点配分することなど、我が国の経済成長等に向けた施策を検討する旨の規定も自民党の要求を踏まえ盛り込まれることになりました。

 社会保障制度に関しても、民主党のいわゆる最低保障年金7万円などのバラまきマニフェストが少なくとも凍結されるとともに、1年以内、すなわち消費増税実施前に諸々必要な立法措置を取ることとし、私たちが恐れていた「増税先行法案」とは言えなくなりました。

 「負担を求めるなら議員定数の削減をはじめ、身を切る改革も行うべきだ」という声にこたえ、選挙制度に関しても、自民党では我々の案(小選挙区、比例区併せて当面35議席削減するとともに、比例区の一部を少数政党枠とする案)と、民主党の主張している小選挙区制度で得票を増やした政党が少なくしか議席を取れない不可思議な「連用制」を比較して集中的に議論することになりました。もちろん他の行政改革についても積極的に提言していきます。

 何よりも重要なのが、これらについての党での平場の議論のプロセスが私たちの要求で実現し、そこで谷垣総裁はじめ執行部から様々な疑問に対する答えが示されるとともに、国益を損ない続ける与党に対して決して救命ボートを差し出すことなく解散を求めていくという決意が示され、大連立(小沢グループを除いた民主党についてでも)を否定する言質を取ったことです。

 もっとももし採決が与党の都合でズルズル遅れるようなら上記三党合意を破棄するべきだと主張しましたが、予定から5日の遅れはギリギリの許容範囲でしょう。総合的に考え、私も賛成票を投じました。

 しかし民主党からは小沢・鳩山両グループを中心に57名という大量の造反が出ました。彼らは「マニフェストに掲げていない増税を行うことは許されない」「景気は増税で腰折れしてしまう」と一見もっともな理屈を掲げていますが、的外れもいいところです。

 まず、民主党のマニフェストは「無駄を16.8兆円削って必要な政策の財源にあてる」というものであって、消費税率を上げないとしてもその16.8兆円の財源を示せないならマニフェスト違反であることは全く変わりません。そもそも小沢グループ自身が、マニフェストに掲げた「ガソリン税暫定税率の撤廃」を早々と破っているのです。
 また、増税が景気を腰折れさせないように上記のように念入りに制度設計しており、もし引き上げが深刻な景気への悪影響を及ぼすようであれば増税を凍結する道も残されているのです。

 要は、今回の造反は、民主党の反執行部が世論に迎合しつつ党内のキャスティングボートを握ろうと企てているというのが実態でしょう。

 造反した議員の中には小沢氏とともに離党して新党を結成する考えを口にする人もいますが、彼らが第三極として生き残れる可能性がどれだけあるでしょうか。石原慎太郎東京都知事は小沢氏との連携に否定的、維新の会の橋下大阪市長も世論を見極めつつ小沢氏との連携については巧みに確約を避けているように思えます。現在の衆議院の小選挙区制度では新党の将来の展望はないのではないでしょうか。
 昨日、小沢氏から数年前「野田は総理にしていい」との発言を聞いたという方のお話を聞きました。そのように小沢氏に一目置かれている野田総理と、小沢氏の側近である輿石幹事長が、小沢氏たちについて除籍などの厳しい処分をするはずはない…そうした読みが安心して57名もの造反議員を生むことにつながったのです。現にインタビューに答えて「私たちが民主党の本流だ。自ら離党するいわれはない」と答えている議員が複数いました。何より小沢氏自らが「当面離党する気はない」と堂々と述べているのです。本心推して知るべしです。

 私たちはこのような動きに関わらず、自ら必要な政策・改革をきちんと進めていくことを心掛けていかねばなりません。そのために私も全力を尽くします。

[東電の株主総会など]

 今日、東京電力ほか各電力会社の株主総会が一斉に開催されます。東電については国の資本が1兆円投入され、私が主張してきた法的整理が頓挫することが正式に決まるわけです。残念でなりませんが、これで本当に改革が進むのか、原発政策を含め私が事務局長の自民党エネルギー政策議員連盟できっちりチェックしていかなくてはいけません。

 AIJ浅川社長の逮捕に加え、SMBC日興証券をめぐるインサイダー取引の問題化など、金融ガバナンスのあり方が問われています。また、国際社会に目を転じても、ギリシャの破綻はギリギリ回避されたようですが欧州経済は依然予断を許さず、中東情勢に関してもイランの制裁に伴うエネルギー確保の問題やエジプト・シリアの不透明な状況が気がかりです。今の政権にこれらに対処する力があるとは到底思えません。TPPなどの貿易交渉や中国・ロシアの領土をめぐる懸案なども含め、きちんと私たちが対応していかねばならないという使命感を持ち、活動して参ります。

≫平成24年6月19日

[手探りの戦い]

 いよいよ会期末直前となり政界には疑心暗鬼の渦があちこちにできているようです。

 私の主張は至って単純です。「民主党は実現不可能であるとわかっていたマニフェストを国民との約束として政権を取った。解散を求めることにより詐欺取消しあるいは契約解除を実現するべきだ」「ただし私たちの対案を国民に示し、保守の理念に基づき民主党との差別化を図らなければいけない」というものです。

 今回の税と社会保障の一体改革についての与野党協議では、この「解散をどう求めるか」「民主党と違う案をどう出すか」ということに主眼を置くのが筋でした。しかし自公民三党は実務者レベルで合意案をまとめました。

 確かに、税の直間比率の是正や長期的な財政健全化を図って国難を回避することは必要で、消費税率の引き上げ自体は私たちも所得税法等一部改正法附則104条を決定した以上覚悟をしています。しかし、前回のこの欄に書かせていただいたとおり、それは社会保障だけでなく他の領域も含めてきちんと歳出削減を行い、経済成長を確保して国民に過度の負担を押し付けない案でなければいけません。そして自民党ならではの高いハードルを掲げて、民主党が同意できないところで野田政権を解散に追い込むのが基本戦略だと私は考えていました。
 しかも、自民党が民主党に抱き着かれるようなことがあれば、それは改革方針を掲げた維新の会などの第三極を選挙で利するだけで国益を損ないます。

 最も問題なのは、この合意が日本の未来にとっても私たち党の浮沈にとっても極めて重要な意味を持つにもかかわらず、党執行部が一任を受けていたということを根拠に、総務会の決議のみで決着されようとしていたことです。
 私は合意がなされる直前の15日金曜日午後6時からの臨時総務会に乗り込んで、決定の前には全議員・支部長懇談会を行うべきだと(総務メンバーではありませんでしたが)オブザーバー席から強く主張しました。
 そして18日月曜日朝8時から全議員・支部長懇談会が開催されました。急な案内にもかかわらず本当に多くの方々が出席され、活発な意見交換がなされました。

 これら総務会及び全議員・支部長懇談会の詳細には触れませんが、今回の法案については国際社会も成否を注視していること、また、仮に解散を経て政権を奪還しても参議院とのねじれが続くことを考えればこの時点で最大限の譲歩を迫ったうえで合意しておいた方がよいことなどが執行部から説明されました。また、今回の社会保障制度改革推進法案(自民党案)の根幹部分は堅持され、年金、医療及び介護においては社会保険制度を基本とするという明文が残っていて民主党の最低保障年金を容認する余地はなく、後期高齢者医療制度についても現在の検討状況からして、新設の国民会議における抜本的な改正はあり得ないこと、かつ三党の確認書で年金や高齢者医療改革については三党での合意に向けた協議を義務付けること(そうなるとここでは党派にかかわらず合意できるセーフティーネット部分を決めることになる)、前記した国民会議は法律施行後1年以内に結果を出し、その後消費税の引き上げというスケジュールになるとされたことから、決して増税先行のプランではないことなどについて説明がありました。

 会議の参加者たちからは、民主党が「マニフェストを守った」などという主張をしているのはおかしいとか、取り沙汰されている民自大連立は打ち消してほしい、などと厳しい意見が出されました。私も「これがマニフェストの撤回少なくとも凍結を意味していることを充分説明し、広報してほしい」「ここで合意して解散戦略が描けるのか」と意見を言わせていただきました。谷垣総裁からは大連立の明確な否定と、あらゆる手立てを講じて解散に向けた努力を尽くすという決意が表明されました。(全議員・支部長懇談会後の私のインタビューがNHKニュースで取り上げられています。)

 今日になって実施された党の合同会議では税法における三党合意案が示されましたが、消費税増税に際しての景気弾力条項における成長目標値(名目3%、実質2%程度)が維持されるなど、ギリギリ容認できるものと言えます。結論として執行部への一任が取り付けられました。

 今後は民主党内の状況も含め、手探りの解散に向けた戦いがなされていくものと考えます。

 ここで見過ごせないのが衆議院議員定数削減など選挙制度改革に向けた動きです。民主党は小選挙区の0増5減に加え、比例定数の40削減、比例ブロックの全国化と一部連用制の導入などを提案してきました。
 自民党としても小選挙区の削減、比例定数の削減は既に細田政治制度改革実行本部長が具体案を示し、数字としてはほぼ民主党案と似たものとなっています。しかしなぜ衆議院で参議院と同じ全国比例制度を導入したり、民意を小選挙区勝利政党に不利に変える連用制を導入しなければいけないのかなど、首をかしげる部分が多過ぎます。民主党は本気で身を削り、解散の環境を整える気があるのでしょうか?


[福島警戒区域の現状]

 11日に小泉進次郎局長たち党青年局の有志たちと、今なお放射線レベルの高い福島第一原発の警戒区域の視察に行きました。痛烈に感じたのは、いまだ避難されている方々が多い中で復興がほとんど進んでいないことです。倒壊家屋もがれきもほぼそのまま。防潮堤や道路の整備、土地の境界画定などの作業もこれからで(境界画定の問題は15日の衆議院法務委員会で人権委員会設置法案などとともに法務省に質問しました)、町作りをどうするかの計画も行政からは示されていません。除染や補償の加速も必要です。「視察はもういいから早く実行に移してほしい」という現地の方の声や、浪江町の牧場で牛の安楽死を行政から求められながら懸命に世話をする方の姿が脳裏に焼き付いています。

 たとえ悪者になったとしても国が方針を自治体に投げずにきちんと決めること、情報の隠蔽を決して行わないことなど、様々な課題を実感しましたので、これを今後の活動に生かしていきます。

≫平成24年6月10日

[情報戦と根回しに対抗]

 総理が大飯原発再稼働を記者会見で表明しました。

 私は再稼働を必ずしも否定しませんが、今回の一連のプロセスはあまりに稚拙であると言わざるを得ません。
 ストレステストは法律の枠組に基かず、三大臣(官房長官、経産大臣、内閣府特命担当大臣)の昨年7月の取りまとめにより菅総理の思い付きの体裁を整えたものに過ぎません。また、中越地震の際問題となり、再稼働に当たっての安全性の判断基準とされているフィルター付ベント管や免震事務棟の設置などについても、「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準(今年4月の四大臣会合)」では事業者による実施計画を求めるにとどまり、今回の再稼働では満たされていません。

 細野環境大臣は5日や8日の国会質疑で「何度も議論して決定したことだ」と答弁していますが、上記のような問題があり、過去の地震データも不十分にしか取り入れられていない今回の決定が、安全より需給対策を優先させたことは明らかです。政府は「需給バランスいかんを問わず安全性のみで再稼働は判断されなければいけない」と述べながら、それが通らないとなると「電力が足りなくなる」と言い訳をし、その後私たちが節電や代替調達を含めてきちんとデータを示せと追及すると「電力コストが上がる」と理由を変えました。

 政府の迷走に対する国民の信頼は地に落ちており、これを回復するためには、前回この欄で指摘したとおり、現在審議されている原子力規制委員会設置法案(自公提出議員立法)を成立させ、そこでの新たな基準をもって再稼働の判断をするのが望ましいと私は衆議院環境委員会で提出者として答弁しました。

 一方枝野経産大臣は「再稼働を停止していることがむしろ法律上の根拠を欠く」「私は再稼働には慎重な立場だが慎重と反対は違う」などと私の目の前で答弁していましたが、国民の理解がどれだけ得られるでしょうか。恒久的な再稼働として既成事実を作られないようにチェックしていかねばなりません。

 肝心の法案については驚くばかりです。私たちへの取材や条文の確認がないのに明らかに誤った報道(議員立法案にも核不拡散保障措置が抜けている、とか)がなされ、民主党との実務者協議で決まっていないことが「決まった」と報じられています。政府(特に環境省)の情報戦と根回しは恐るべきものがあります。
 ただ、私も質問に立った8日の参考人質疑で、有識者の方々は概ね私たちの案に好意的な陳述をして下さいました。特に政治家が介入する「菅リスク」については、菅総理による東電の撤退拒否を評価した民間事故調の北澤委員長も「そもそもきちんと科学的に責任をもって判断する機関があればそうした総理の発言は必要なかった」という趣旨の答弁をされ、政治家の介入を排除する私たちの案に納得されているのです。

 議論は大詰めを迎えましたが全力で頑張ります。

[消費税論議に欠けているもの]

 自民党で(私や塩崎議員が上記委員会準備のため出席できない時間帯に)ようやく党の税制調査会の平場の議論が開催されました。そこでは政府の増税案から景気条項の数字目標を落とす形で臨むという基本方針が示されたようです。

 景気の議論や、再増税を招く歳出拡大をどうするかの議論が生煮えのまま、1度きりの論議で今後の扱いを税調や党幹部に一任するとの決着がなされたようで、正直不安でなりません。確かに政局上極めて微妙な時期を迎えているのはわかりますが、是非税と社会保障一体改革に矮小化されない形での再度の平場の議論が早急に開催されるよう、シャドーキャビネットなどで主張していきます。説明もなく抱きつきを行えば維新の会など第三極を利するだけで、国益を損なうと考えます。

[懸念する外交問題]

 内閣改造で民間出身の森本防衛大臣が誕生しました。政策通であることは間違いないでしょうが、高度に政治性を有する防衛行政の責任者として適格かどうかはきちんと見極めねばいけません。民主党の人材不足を露呈したものと言えましょう。また、ご本人がテレビ番組で「鳩山総理に請われていたら受けなかった」とされていますが、その鳩山元総理がいまだに外交担当で飛び回っている民主党でよいのでしょうか。

 丹羽中国大使がフィナンシャル・タイムズのインタビューで「石原都知事が仮に尖閣諸島購入をやろうとすれば、日中関係は重大な危機に遭遇するだろう」と発言したことが、大きく波紋を呼んでいます。外務省は注意で終わらせるようですが、それでは今後の対中交渉で足元を見られかねないでしょう。更迭が必要だと考えます。

 シリアのアサド政権の国内弾圧も気がかりです。ゴラン高原には自衛隊のPKO活動も展開しています。日本は昨年8月に大統領に「道を譲るべき」との談話を出したほか、政権幹部の資産凍結などの措置を既に実施していますが、これで足りるのか検討するべきだと党の外交部会で外務省に要請しました。また、中国やロシアが人権侵害停止などの国連安保理決議に拒否権を行使したことは中東軍事利権を背景とするもので国際的に容認できるものではなく、引き続き国際社会全体の厳しい対応を求めるべきです。

[大詰め近し]

 通常国会が大詰めを近く迎える中で地元活動も行っています。まだ、明日11日には小泉青年局長たちと福島の警戒区域でのヒアリングも予定しています。引き続き全力で頑張ります。

≫平成24年5月30日

[動かせ日本]

 昨日、この欄で幾度となく主張してきた原子力規制組織関連法案の審議入りがようやく実現しました。

 政府案が原子力規制庁を環境省の外局に置き、総理など政治家の原子力安全行政への介入の余地を残しているのは「菅リスク」への反省がないとしか言いようがありません。また、放射線モニタリングの実施部門や核の転用に関する査察を扱う部門を文部科学省に残すなど、規制組織を一元化し切れていないため、東日本大震災の後生じた連携不足が再燃するおそれもあります。

 一方、自民・公明両党の対案は、当該組織を公正取引委員会と同じような独立性の高い国家行政法上の「3条委員会」として予算の独立性や人事の独立性(国会同意)を図るとともに、規制部門の一元化を徹底する内容です。これはIAEA(国際原子力機関)の要請にもかなっています。

 これに対しては、人材確保・育成の点から問題であるとか、緊急時にうまく機能しないのではないかなどの批判がありますが、先進国では、原子力規制組織は他の組織からの独立性を徹底しながらも好待遇とキャリアパスが確立して人材を確保していますし、緊急時に備えて災害シュミレーションを平時から政治部門と連携を取って構築し、不都合がないようになっています。合議機関であっても本当に迅速な決断が必要な場合は長官が独自に決定する実務となっており、こうした仕組みを私たちの対案で取り込みました。

 自民党の本件に関するプロジェクトチーム事務局長として、昨日の本会議では私も各党の質問に対して答弁に立ち、政府案についてなされた野田総理や細野環境大臣の答弁についての問題点を浮き彫りにできたのではないかと思っています。これから両案は衆議院環境委員会で質疑に付されます。頑張ります。
 本来この組織が再稼働を目指す原子力発電所の安全性をきちんとチェックするのが筋だと昨日の本会議で私から申し上げました。

 また、昨日は自民党の社会保障改革についての基本法の対案が議論され、明日は政調全体会議で消費税を含めた議論がなされます。ようやく自民党が方向性を明確にする機会が訪れました。前回のこの欄に書いたとおり、しっかりと議論に加わっていきます。

 社会保障に関して言えば、自民党の生活保護をめぐる方針は、芸能人の親族の受給をきっかけに色々議論を呼びましたが、私はやはり就労できる方にはなるべく就労を目指してもらう仕組みを打ち出し、扶養できる方がいれば扶養していただき、現金給付は最後の手段と位置付けるべきだと思っています。医薬品を大量に入手して売りさばいている人、ベンツに乗りながら生活保護を受けている人、年金保険料を真面目に払った人より多くの給付を受けている人などがいることに思いを致せば、やはり「自助・共助・公助」の順序を念頭に置いた保守の理念からの改革が必要なのです。
 節約できる予算は2~3兆円であっても自民党の今後の様々な政策を貫く理念を示すのに象徴的な問題です。反対派のネガティブキャンペーンに屈することなく頑張ります。

[東電の姿勢に異議あり]

 国費を1兆円投入して現在の東京電力を国有化する再建計画が来月の株主総会にかかろうとしています。

 福島第一原発事故による損害賠償や廃炉費用で間違いなく債務超過に陥る東電は会社更生法などの法的処理が必要です。私は経産省OBの古賀茂明さんや一部の同僚議員たちとともに、東電国有化の前にまずこうした法的破綻処理をして、経営陣の一新、株主や金融機関等債権者による損失負担、発送電分離・資産売却などを行うようさんざん指摘してきました。そのうえで原発や送電網などは国有化し、発電会社は独立の民営会社として多様な新エネルギー会社と競争する環境を作るという構想です。それによって東電がはじめて生まれ変わり、国民負担も極小化できるからです。
 そう言いながら国会で物議を呼んだ原子力損害賠償機構法案に反対しなかったのは、損害などの全体像が明らかでない段階では国が責任を持てる仕組みを先に作ることは必要だと思ったからです。

 だいぶ状況も明らかになってきました。にもかかわらず東電の再建計画は発送電を社内カンパニーとして保有し続け、子会社の処分や天下り人事の改革も幹部のリストラも不十分、独占的価格設定もスマートメーターの仕様もどのようになるのか不透明、利害関係者の損失分担もなしとなれば(株主総会で株式の価値を減らさない案は承認される可能性が濃厚)、税金や電力料金の負担が増し、国民が犠牲を余儀なくされることは明らかです。

 いったん国費が現実に注入されてしまえば、その価値を減少させる法的破綻処理を行うことは事実上できなくなります。だから来月の株主総会の前にこの問題提起を行い、国民的議論を巻き起こしていきたいと思います。

[人権委員会設置法案の提出見送り報道]

 私が部会長をしている自民党法務部会で、政府内で今国会における提出が再度準備されているという人権委員会設置法案等をめぐる動きをヒアリングしました。

 既に部会としては、問題の大きい3条委員会方式(上記したとおり独立した権限を持つ委員会で、全ての人権侵害案件を対象とする)を問題があるとして骨子の段階で反対する姿勢を明確にしています。にもかかわらず、それに沿った法案ができ、法制局や各省間の調整も済み、政務三役から指示を受けて閣議決定にかかるのを待つばかりということがわかり、異論が続出。法案提出に反対する意見が10人、賛成はわずか1人でした。

 この状況を今日開催されるシャドー・キャビネットで谷垣総裁や茂木政調会長に報告しようと思っていたら、「今国会提出断念」の報道が飛び込んできました。しかしまだ安心・信用できません。引き続きしっかりチェックしていきます。

[総会のシーズン]

 地元では各種総会のシーズン。様々な団体の方々が「自民党にしっかりしてもらいたい」と期待とお叱りの言葉を口にされます。しっかり受け止めて今後の活動に生かして参ります。

≫平成24年5月21日

[極めて重大な局面]

 政局はこう着したままです。

 参議院で問責決議した前田国交大臣も田中防衛大臣も辞任する気配がなく、一部の例外(税と社会保障の一体改革特別委員会など)を除き、国会での審議はストップしています。

 深刻な高速バス事故や野田総理の中・韓両国首脳との会談を国会で検証しなくてよいのは、むしろ与党にとってプラスなのかもしれません。また、前回のこの欄で触れた原子力規制組織についての審議入りもすることなく引っ張って、原発の安全性やチェック機関についての議論をうやむやにし、ただ夏の電力不足を強調して再稼働が必要だという風潮を盛り上げようという意図もあるように思います。

 今週は自民党総合エネルギー政策特命委員会で、今後のエネルギー政策についての党の方針が決まると思います。軸足の定まらない与党に対し、しっかり私たちの方向を明確化することが必要です。

 また、今後維新の会や小沢元代表のグループなどが動きを活発化する中で、自民党の立ち位置が極めて重要となってきます。

 もし自民党が安易に民主党の増税論に乗り、景気回復や歳出削減の積極的な対案を示せないとすれば、維新の会や小沢グループはみんなの党などと結束して「増税反対・経済回復・歳出削減」の旗を立てて集結・対抗する動きを強めるでしょう。これで選挙を迎えれば、自民・民主連合が「大きな政府・財務省主導」のリベラル派、維新の会などが保守派ということになってしまいます。

 この欄で何度も触れていますが、私は基本的に経済は保守でいくしかないと思っています。「人は翼のないエンジェルではなく二本足で歩くサルである」と以前衆議院憲法審査会で発言しましたが、人間は本来過酷な生存競争で進化し、文明の発達に伴って助け合いの精神やコミュニティーを育てて本来生き残ることのできない人たちも救うことのできる豊かさを実現してきたのです。
 やはりまず「自助・自立」「活力」「改革」を考えなければ社会は停滞してしまうし、日本の基幹産業の衰退や高齢化、新興国の成長が進めば、増税してもいつ欧州のような状況になるかわからないのです。

 そして国益のことを考えれば、保守派にイメージ先行の政治経験の浅い実力未知数の議員ばかりが出現するようなことは避けるべきです。自民党が保守政党として、むしろ民主党に対峙する形でこれらの勢力と一部連携を取りながら(政治手法がかけ離れているグループは避けるべきと思いますが)進むべきと考えます。

 今若手の有志で「消費税増税を考える会」を作り、自民党が安易に民主党と妥協することのないよう活動を続けています。政界の未来がかかる活動です。頑張ります。

[日食の感動]

 今朝金環日食を好天の中見ることができました。長年皆既日食とともに見たいと思っていたので感動はひとしおです。太陽の電子風など、宇宙の研究は私たちの暮らしに直結します。これからも宇宙議員連盟の一員として、かつ天体ファンの一人として、力強く宇宙開発・研究を応援していきます。

≫平成24年5月13日

[本格化する税と社会保障一体改革論議]

 先週本会議で、年金改革関連法案・子ども子育て支援法案・消費税等税制抜本改革法案などが相次いで審議入りしました。

 政府案の説明を聞いて強く感じたのは、野田総理が政治生命を賭けて臨むとされた消費税率の引き上げについて、その目的がよくわからないこと、そして本当に本気なのかということです。

 消費税率の引き上げが深刻化する財政悪化を好転させるために必要というのであれば、それと矛盾する効果の薄いバラまきマニフェストは即時撤回してもらわなければいけません。また、一方で歳出削減をどのように進めるかのビジョンがなければいけないのに、与党はいまだに議員定数削減の真剣な協議に取り組んでいなかったり(総理が前向きな発言をしても幹事長代行が「あれは総理の個人的発言」と否定している)、公務員制度改革や事業仕分けの改善がどうなっているかわからなかったりという問題があります。また、社会保障の一体改革についても「削減・効率化」という要素が入ってしかるべきですが、高齢者医療など既に自民党政権が示した案を否定しておきながら説得的な対案を示していませんし、生活保護の膨張をはじめとしたモラルハザードの対策もあまりに不十分です。

 消費税率の引き上げが逆に社会保障の「充実」に必要だというならば、どの分野(年金以外にも医療・介護などがあります)に充当するのか、最低保障年金の具体像はどうなっているのか、世代間の格差や少子化対策と高齢者対策のバランスはどうするのか、また、保険料と税という二つの制度のバランスや哲学の違い(保険料については受益と負担の関係がある程度明確になっている必要がある)をどう整理するのかなど無数の論点があります。

 増税しても財源としては限られた額となるため震災復興対策とどのように折り合いをつけるのか、また、引き上げに伴う景気への悪影響をどうするのかも考慮しなければいけません。当然説得力のあるデフレ対策が必要です。

 無論自民党もこれらについて詰めた検討が必要です。今後平場で改めて議論があるでしょう。ただいずれにせよ今国会で決着をつけるのであれば与党サイドで相当な努力が必要なはずで、依然として反執行部の姿勢を鮮明にしている小沢元代表についての党員資格停止処分の解除を控訴前に(しかも与党案への賛成の確約もなく)行っていることは理解に苦しみます。
 輿石幹事長の「来年まで解散はなくていい」という発言もそうですが、政策を成立させるよりも党内融和が優先しているのでないかとの疑問が拭えません。今後政局は不透明感が増すと思いますが、しっかり対応していきます。

[原子力規制をめぐる迷走]

 大飯原発再稼動については、政府から示される安全性を示すデータもこの夏の電力需給の見通しも信用されず、滋賀や大阪といった隣接自治体も厳しい意見を持っていることから暗礁に乗り上げている感があります。

 特に安全性のチェックをしっかり行うためには、現在の原子力安全委員会や保安院の組織を抜本的に改組し、この欄でもたびたび言及している自民・公明両党提出の「原子力規制委員会設置法案」を一日も早く通すことが、再稼動にせよ凍結にせよ問題の決着に必要なプロセスだと思うのですが、どうもこの法案をめぐる与野党の動きがよくわかりません。

 先週の日曜討論で民主党城島国対委員長が、「ゴールデンウィーク中に民主・自民の実務者協議で、政府案と自公案のすり合わせがあと一歩の所まで進んだ」という趣旨の発言をされましたが、自民党原子力規制組織プロジェクトチームの塩崎座長も事務局長の私も吉野環境部会長も何も聞いていません。そもそも規制部門の一体化や政府からの独立性がなされていない政府案と、それを国際水準並みに徹底しようとする私たちの案は、根本的に理念が違うので、折衷案などあり得ないと思っています。

 現に9日開催の党環境部会では、政府案に対する厳しい指摘が続出し到底受け入れられないという結論が出ました。かと思えば一転して「与党が自公案を丸呑み」という報道。一体どうなっているのでしょうか。本会議・委員会でのオープンな審議を求めていきたいと思います。

 AIJ問題など他の案件にも携わっていますが、混迷する政局を打開するためには政策だけの活動では足りません。色々動いていくつもりです。

≫平成24年5月3日

[主権回復記念日を祝いたい]

 今日は憲法記念日です。戦後の日本が自由を謳歌し、世界にまれに見る豊かな国となる礎ができたことは現憲法の功績であり、きちんと評価しなければいけません。

 しかしこの憲法は、制定当時の理想主義的な色彩が強かったのみならず、占領軍の対日政策という思惑をかなり含んだものでした。自由民主党は、この憲法が日本の国情に必ずしも合わない側面があることや、押し付けられたものであることなどを理由に、憲法改正を党是としてきました。

 ここで大議論を展開するつもりはありませんが、結論から言って、私はたとえ押し付けられた側面があるとはいえ現憲法が無効であるという立場は取りません。形式上明治憲法の改正手続にのっとり、以後主権者とされた国民の意識に支えられ、定着し、上記のとおり大きな功績を有してきた憲法です。

 しかしあまりに改正が困難であるがために、冷戦終結と地域紛争の激化・グローバル経済の進展など激動する世界情勢や、急速な少子高齢化・行き過ぎた個人主義の弊害といった国内情勢に機敏に対応できないものとなってしまっています。各国の憲法が何度も改正されているにもかかわらず、日本は明文の改正ができないために、無理な解釈改憲を重ね、憲法が本来持つべき「権力の制限機能」がかえって失われる事態になっているのです。

 私は司法試験受験生・あるいは法曹として、また、国会議員となって衆議院憲法特別委員会などのメンバーを務める中で、憲法と長年向き合ってきました。そしてこの憲法は早急に改正されなければいけないと確信し、いくつも提言を行ってきました。(ホームページの議事録で一部ご覧いただけます。)平成17年の際にも、今回も、自民党改正憲法草案の条文作成に関わらせていただきました。

 折しも今年はサンフランシスコ講和条約が発効し、日本が主権を回復してから60周年の節目にあたります。そしてその記念日である4月28日に実施された主権回復記念日国民集会に私は出席しました。前日に最終決定した自民党改正憲法草案もこの場で正式に発表されました。

 主権回復記念日をお祝いするとともに、一日も早く、主権者たる国民の手で、憲法改正が行われることを期待しています。

[憲法改正の要点]

 今回発表された自民党改正憲法草案は、平成17年案の時から含め、膨大な検討の結晶となっており、それを逐条説明すると分厚い本ができてしまいます。ここではほんのさわりだけ紹介します。

 まず問題となったのは緊急事態条項です。
 平成17年時には国民保護法など事態対処法の活用・拡充により、憲法改正までは必要ないという結論だったのですが、今回の震災や海外の事例などに鑑み、国民の権利が必要最小限の制限を受けるのみならず、法律にのっとり公的機関が出す指示に国民が従う義務を生じさせたり、統治機関の特例を設けたりするために必要な章立てを行いました。事後の議会による承認手続など歯止めを明文化しています。

 前文は憲法の基本理念を示す大事な部分です。国民主権・基本的人権の尊重・平和主義のいわゆる三原則は堅持しながらも、日本の歴史や文化、家族や国など共同体の尊重にも意を用いるべきことを謳っています。

 報道でクローズアップされている天皇の元首性については、純粋な法的論議に基づき、たとえ現在天皇が国政に関する実質的な決定権を持たなくてもその対内・対外的立場からして元首と言えると結論付けました。他の国民主権国家でも同様の位置付けとなっています。

 9条に関しては議論が白熱した部分です。自衛隊が海外では軍と扱われていることから欺瞞的な名称をやめ、軍と正面から位置づけるとともに、自衛権行使と国際平和維持活動、災害救援などの生命・自由保護の活動を任務として明確に定めました。田中防衛大臣が混乱した文民統制の規定も明確となるよう改め、軍事審判(特別裁判所にはあたりません)を設けました。

 集団的自衛権については概念が成熟していないことから今回の案には取り込んでおらず、自衛権の解釈となります。また、軍の名称は私は「自衛軍」を主張していたのですが(党の第一次公約にもこの名称が使われています)、英語にすると「Self-Defense Forces」となってあたかも軍が自らを守るかのような錯覚を呼ぶとの異論が出て、総裁裁定で「国防軍」と改まりました。

 国旗・国歌の規定についても諸外国では憲法の位置付けがあるもの、ないものがあって見解が分かれましたが、総裁裁定で憲法上書き込むこととなりました。

 基本的人権については、障害者の差別を禁止したり、犯罪被害者の権利やプライバシー権、環境権などの新しい権利を書き込みました。ただ、いわゆる国家からの自由を定める権利と国家に対して請求する権利を条文上書き分け、後者については国の責務という形で定め直しました。現行憲法が個人の尊重を至上価値としたため解釈が困難となった「公共の福祉」については、「公益及び公の秩序」と改めました。パターナリズムに基づく制約(深刻な、あるいは発達段階にある青少年の、自己加害の制限)、社会通念により形成された秩序への配慮などを読み取れるようにしたものです。

 在外国民の保護や選挙権の国籍要件なども定めました。

 なお、政党の活動の公正や政治活動の自由を定め、憲法尊重擁護義務の対象に明示的に全ての国民を含めたことは、今度の憲法草案が徹底した(アナーキズムを含めた)価値相対主義には立たないことを意味しています。寛容は必要ですがそれが破壊につながることに一定の警鐘を鳴らす必要があると考えます。

 内閣総理大臣が欠けた時の権限代行を規定したり、総理大臣の衆議院解散決定権や行政各部の指揮・総合調整権を明定したり、大臣が海外出張など職務遂行上特に必要がある時は国会出席しなくてよいなどの規定を整備しました。

 予算単年度主義の緩和、健全性の確保や、地方自治の規定の充実化と国・自治体の役割分担と協力関係も定めました。分権や道州制については条文上は盛られませんでしたが、今後進めていきたいと考えます。

 憲法改正要件については、その本質が主権者の国民投票であることから、その機会を極力確保するため発議要件を衆参それぞれの過半数と緩和することとしています。

 この他、判例上条文の明確化や実質上の修正が行われている部分についてはそれを取り入れました。政教分離の規定、公務員の労働基本権、裁判官の報酬の減額、私学助成の合憲化などです。

 このようにかなり詰めた検討をしてきましたが、首相公選制や二院制の問題については心残りがあります。
 前者については、国の実質的な代表である総理大臣が民意を背景に力を持ち、4年間なら4年間、腰を据えて職務に当たれる環境を整えることは必要だと思いますし、私の前回の選挙でもそれに極力近づけることを公約の一つに掲げていました。ただこれは当面党の総裁選挙のあり方などを工夫し、一般党員票の比率を高めるなどによって対応することを目指します。
 後者の二院制については私は堅持を主張していますが、権限も選出方法も衆参がほぼ同様の今のあり方には相当違和感を抱いています。ねじれ国会の解決や参議院の一票の格差論議とも関係します。例えば道州を基本とした中選挙区を検討したり、法案再可決要件を緩和して衆議院の優越性を強めること(ここは憲法改正案件)も是非踏み込んで欲しいところでした。

 いずれにせよ、他の野党も改正案を出しています。国会でしっかり議論をし、憲法改正要件の緩和など優先度の高いものを是非実現させたいと思います。

[改革とグローバル経済の灯]

 4月26日の創生日本の会議で、グローバル経済に異論を唱えているという京都大学大学院の中野剛志准教授の講演とディスカッションに臨みました。

 事前に同姓の柴山桂太氏との対談に目を通して臨んだのですが、さすがに分析が詳細で納得できる部分は多かったと思います。氏は構造改革とグローバル経済自体を悪と主張しているのではなく、デフレ下にあっては取るべきではないと述べておられたのが印象的でした。

 確かに高橋是清も恐慌の時に財政出動を行った後、景気が回復した局面では歳出削減を行っていましたし、米国でも不況時に民主党が政権を取って、財政出動と富裕層課税、保護貿易化を進め、好況時に共和党が政権を取って減税策を進めるのが常となっています。
 必要なのは、いつもこの欄で訴えているように、時代の変化に応じて国民が政策パッケージを掲げた政党を選べるようにすることであり、一つの政党が政権を取り続けて時代に応じて自らの判断で政策モデルをコロコロ変えることではないのです。

 私は労働組合の支持を受けている日本の民主党が、米国の民主党や英国の労働党のように、大きな政府を志向する政党となり、自民党は改革とグローバル経済を志向する効率的な政府を目指す政党になるべきだと考えます。無論、具体的には各種政策の検討の結果その中庸に落ち着くことが多いのだと思いますが、基本的な筋は見失ってはいけません。

 中野先生に「いつまで先生の政策を取り続ければよいのですか。」とお尋ねしたところ、「物価、失業率、長期金利、為替などを総合的に勘案することが大切です。プライマリーバランスなどで判断してはいけません。」と答えられました。実際の局面転換にはやはり選挙の洗礼が必要となるのでしょうが、しっかり細部にわたって検討していきたいと思います。

[大井、三芳の自民党支部総会]

 4月30日には自民党大井支部の、今夜は自民党三芳支部の総会が相次いで開催となります。政権奪還を目指し、地元から力強くエネルギーを発揮していだだけることと思います。ゴールデンウィークにもかかわらずご参加の皆様に心から感謝申し上げます。

≫平成24年4月27日

[限りなく透明から遠いグレー]

 昨日小沢元民主党代表の判決公判が日本全国の注目の中行われました。

 私は事前にツイッターで「共犯事件なので評価の側面が大きい。有罪・無罪にばかり関心が集まっているようだが、判決理由に注目したい。」とコメントしましたが、案の定、読むととても興味深い判決です。

 まず、強制起訴の効力については、私も動画番組に出演の際「検察審査会の起訴議決と公訴事実の内容の食い違いは、無効をもたらすものではない」と述べていたところですが、やはり有効となりました。

 そして問題の有罪・無罪判断ですが、これは95パーセント有罪の判断です。判決の最終ページには「本件証拠調べの結果によれば、既に説示したとおり、石川や池田によって作成、提出された公訴事実記載の平成16年分及び平成17年分の収支報告書の記載は、虚偽の記入ないしは記載すべき事項の不記載に当たることが認められ、さらに、被告人(小沢氏)の本件虚偽記入及び不記載についての故意及び秘書との共謀の有無については、被告人は、本件土地公表の先送りや本件4億円の簿外処理について、石川らから、報告を受けて了承をしていたと認められることや被告人と秘書との関係等を総合すると、被告人の共謀共同正犯を疑うことには相当の根拠があるといえる。」と言明しているのです。

 それではなぜ無罪なのか?小沢元代表が違法な不記入であることを認識していなかった「可能性を否定することができない」ということで、検察官役弁護士のこの部分の立証が不十分ということ、ただその一点です。

 報道で見ると石川議員が「いい判決だ」とコメントしていましたが、自分は真っ黒な認定がされているのです。小沢元代表を応援する人たちが涙ながらに「疑惑が晴れてよかった」とコメントしているのはあまりに実態とかけ離れています。

 今回の事件においては検察の捜査に大きな批判が集まりました。私はそれはもっともだと思いますし、取調べの可視化などを進めていくべきだという意見に変わりありません。しかし権力狩りだとか小沢つぶしだとか言われているのは認識が誤りです。少なくとも小沢氏は、当時の秘書たちが有罪認定を受ける行為を行い、その報告も受けている以上、議員本人として非常に強い政治的道義的責任があるのは明白です。

 国会で証人喚問を行い、小沢元代表に説明責任を果たしてもらう必要があります。
 さらに、今回の判断によると、結局秘書が政治とカネにかかる不祥事で有罪となっても、議員本人は自ら積極的に指示していない限り無罪になってしまうということになりかねません。検察官役の弁護士には控訴して上級審の判断を受けることも検討してもらいたいですし、立法府として改革のアクションが必要かもしれません。これからも展開を注視していきます。

 いずれにせよ小沢元代表やそのグループの活動が今後活発になるでしょう。ただでさえ税と社会保障の一体改革等検討案件が膨大なのにこのような政局(特に与党内政局)の中、きちんと物事が進むのでしょうか?

[原発政策の未来]

 昨日は党の総合エネルギー政策特命委員会の幹部数人で、原子力発生の地である東海村に視察に行きました。第二発電所では使用済み核燃料の保管場所なども見ることができ、大変有意義でした。

 昨年の震災の際にはやはり津波に見舞われ、たまたま半年前に作った防潮壁が生きて3つある臨時電源のうち水につかってダメになったのが1つで済んだなどの報告を聞き、背筋が寒くなる思いをしました。使用済み核燃料の保管施設は六ヶ所村やむつ市の施設がきちんと増設・稼働することを前提としたキャパシティーしかなく、同じ日本原子力発電株式会社の敦賀原発は活断層のため稼働見通しが不分明だなど、重い課題がいくつも突きつけられた感じです。

 自民党として今後の原子力政策(核燃料サイクルも含め)につき、先送りすることなく、きちんと責任ある提言をしていく必要を痛感しました。私も議員連盟の活動などを積極的に進めていく所存です。

≫平成24年4月21日

[優先順位を、慎重に]

 昨日20日、参議院で田中防衛大臣と前田国交大臣の問責決議案が可決されました。

 田中防衛大臣は前回この欄で取り上げた北朝鮮ミサイル対応を含め、あまりに自衛隊の司令官としての適格性を欠いており、前田国交大臣は禁止されている選挙の事前運動を、しかも建設業界団体に対して大臣の地位を利用して行っていたということで、ともに辞任に値することは言うまでもありません。

 ただ、内閣総辞職か解散がもたらされる衆議院での内閣不信任決議と異なり、参議院で、ましてや閣僚個々人の問責決議を行うことには法律上の効果はなく、可決された対象大臣が辞めなければ審議を拒否する、しかもその大臣が所管する委員会だけでなく全ての委員会の審議を拒否するという戦術に対しては色々意見があるでしょう。今度衆議院選挙が実施され、たとえ自民党が過半数を占めても共産党を含む野党が参議院の多数派となってねじれ国会が再来することとなり、同じような手法を取られてしまうという懸念もあります。

 今の民主党政権や問題2大臣があまりに国益を損ない、国民の信頼を失っていることからやむを得ないと考えますがただ一つ、もし本当に国益を考えるのであれば一切の例外を認めないというスタンスは取らないで欲しいと思います。
 昨日はこの欄でたびたび紹介してきた「原子力規制委員会設置法案」を、議員立法担当者の一人として衆議院事務総長に提出してきました。(NHKなどで取り上げられています。)政府の提出している原子力規制庁法案は、当該機関を環境省の外局として大臣の政治的コントロールが及ぶようにしていますが、これではIAEA(国際原子力機関)の独立性の基準に反し、世界的に見て信頼のおける組織とはなりません。私たちの案ではこれは独立行政委員会(国家行政組織法の3条委員会)としています。

 一刻も早く国会で取り上げていただき、私たちの対案を政府に丸のみしてもらわなければ、原発再稼働の判断を巡る疑心暗鬼は延々と続いてしまうでしょう。それは私たちの安全やエネルギー政策に大きな悪影響をもたらします。

 自民党の岸田国会対策委員長に「この法案は国益の観点から、たとえ審議拒否をしていても本会議の重要広範議案として代表質問・審議入りを目指して欲しい」と訴えました。これからも活動していきます。

[法曹の質と量]

 4月7日のこの欄で紹介した自民党企業統治改革案について、16日の日本外国特派員協会において民主党の大久保議員たちとパネルディスカッションを行う機会を得、大きな反響をいただきました。

 公益通報保護制度を担う窓口として、会社顧問以外の弁護士などの活用が求められてきます。
 折しも私が党の法務部会長として民主党が提出している裁判所法等改正案(貸与制に移行した司法修習生の生活資金の返還免除要件を定めるもの)を議論する中で、法曹養成全体のあり方をもっとしっかり考えるべきだという意見が続出していたところでした。

 法の支配を官民含めあまねく行き渡らせ、かつ国際社会にも通用する人材を生み出すために、かつて法曹人口の拡大は喫緊の課題とされていました。

 既に昭和30年代の終わりから法曹人口が海外に比べて極めて少ないことの問題点が指摘されていたのに司法試験の合格者は500人から一向に増えず、昭和末期には受験生が3万人近い中で合格率は1パーセント台に落ち込んでいました。
 「昭和の科挙」とまで言われる過酷な試験で、競争率5倍を超える択一試験(一次試験)に受かっても論文試験(二次試験)に合格するのは8人以上に一人だけ。これらの「論文浪人」のうち「次こそは合格できる」というレベルの人たちは受験専業で来年に臨むこととなり、そうした人たちがどんどん受験回数の制限のない中で堆積していきました。

 平成元年には合格者の平均年齢は確か29歳で平均受験回数も7回だったと思います。これはあくまで合格した人のデータであり、国会でこの司法試験の異常さが取り上げられた際には受験回数20回を超えた人が数十人いることが法務省から発表され、法務委員会のメンバーがため息をついていたという報道がされています。

 私もその時期に受験生をしており、論文試験会場で廃人寸前の風体をした中年を数多く目に焼き付けています。今さらまともな就職先もなく、受かる見込みが少ない受験を続けざるを得ない人も多く、自殺者も出て社会問題化しました。そして私自身、民間企業から脱サラして受験生活を続け、なかなか受からずに苦労し、精神の変調をきたす一歩手前までいきました。

 合格率があまりに低いと、一部の極めて優秀な人を除けば、同じような力を持った人でも問題の当たりはずれで合格時期に数年の誤差が出てしまい、社会的に大きな損失となることが実体験でも、国会の審議でも明らかになりました。受験予備校も全盛を極め、論証フォームの丸暗記をする受験生が増えました。

 当時東大法学部の年間600人以上の卒業生のうち、公法コース(2類)は半分が民間企業で残りの半分が国家公務員(キャリア)に進んでいたと思いますが、私法コース(1類)は半分が民間企業で、残りの半分近くは司法浪人という実態でした。留年生も含めて東大生の在学中の合格者は20人足らず。500人の合格者全体中、他大学を含めても在学中の合格者は30~40人程度ではなかったかと思います。現在、「ロースクールに行くより旧司法試験の方が早く実務に出て活躍できる」という主張もありますが、全くの空論であることがわかると思います。

 弁護士会は既得権益を擁護するため合格者の増加にはずっと後ろ向きで、司法試験に合格したら競争もなく、ほとんどが個人商店となっていました。これでは海外のローファームには全く対抗できません。

 こうした実態を受け、重い腰をようやく法務省も弁護士会も上げました。合格者を徐々に増やすとともに、500人を超える部分については受験回数3回以内の者から優先的に合格させるという措置を取りました。しかし移行期間も含め、これが実施されたのは実に平成10年になってからです。この時は合格者総数は800人でした。私が回数制限のない一般枠で合格したのがこの年です。

 その後司法制度改革が一気に進みました。平成15年あたりから政府でも自民党でも司法制度改革本部が立ち上がり、失われた期間を取り戻すかのように、省庁横断で強力なリーダーシップを取って合格者を3000人に増やそうとし、ロースクール制度を設けて「卒業生の7~8割が合格できる試験にする」を目標に制度設計がされてきたのです。

 しかしここにきて、ロースクールの乱立と厳格な修了認定なきままでの卒業・受験が横行し、結局合格率は2割と低迷。受験回数が3回と制限されて、それで受からない受験生は予備試験という極めて高いハードルからチャレンジしなくてはいけないこととなります。合格者の質は数を増やし過ぎたため低下し、就職難も本格化しています。ロースクールの学費負担と修習資金貸与制への変化に伴い、経済的に厳しい法曹の卵も出ているのは事実です。それでも結局合格者数は3000人を達成できていません。

 これでは国民の信頼に足る司法とはならず、再度制度の見直しが必要だと考えています。かと言って時代に背を向けた旧制度の復活はいけません。きちんと実態に即した制度改革を進めていきます。

[地元の相次ぐ大会]

 自民党所沢支部の総会がおかげさまで盛大に開催されました。この後、三芳・大井各地区でも相次ぎ開催の予定です。しっかり結束を確認しあい、政権奪還に向けてみんなで力を合わせていきたいと思います。関係者の方々に改めて感謝を申し上げます。

≫平成24年4月14日

[許されざる暴挙]

 昨日4月13日、北朝鮮が「人工衛星」と称する飛翔体を打ち上げました。

 これは日本を含む極東の平和を脅かすもので、国際社会の再三の中止要請を無視し、また弾道ミサイル計画やその技術の使用による発射を禁じた累次の国連安保理決議に明確に違反した暴挙であって、到底容認することはできません。
 北朝鮮に対しては国連決議の順守と六者会合共同声明の完全実施を、国際社会に対してはこれら決議に基づく制裁を、日本政府に対しては北朝鮮への独自制裁の実施及び関係各国と連携した国連安保理のさらなる措置への働きかけを求めます。

 しかし、防衛省が7時40分にSEW(Satellite Early Warning)で米国から情報を得、これに基き宮古島などのPAC3部隊は照明弾打ち上げなど即座に反応したにもかかわらず、その情報が官邸に達したのは8時16分。発射の第一報がメディアを通じて世界を駆け巡る中、8時03分には官邸は各自治体にMネットで「我が国としては発射確認していない」との通知を発してしまい、「すわ、メディアの発射報道は誤報か?」などの混乱が生じてしまいました。

 官邸に情報を伝えない防衛省も防衛省ですし、防衛省に確認せず全国に通知を発する官邸も官邸です。しかも大臣クラスは何をしていたんでしょう?こうした危機管理の乱れが、いち早く情報を正確に公表できた韓国に比較され、信頼を落とすことがわからないのでしょうか?

 国威をかけた発射が失敗に終わったことで、混乱がささやかれている金正恩新体制の一段の足並みの乱れや、追加発射の強行など、気になる動きが次々と出てくる可能性があります。外務省・防衛省・官邸など政府が一丸となって遺漏ないように進めていかなければいけません。しっかりチェックしていきます。

[郵政民営化への思い]

 4月12日、郵政民営化法改正案が衆議院本会議で採決されました。自民党では賛成の党議拘束がかかっていました。

 自民党の「造反警戒リスト」に私の名前も載っていたそうです。しかし今回、私は賛成しました。別に処分がこわかったわけではありません。これまでの私の行動・発言からすればこうなるのが必然だと思ったからです。

 「7年前、紙芝居まで買って出て、郵政民営化を強硬に進めておきながらどうしたんだ。」という声もあります。しかしあの時、私たちは党内で徹底的にこの問題を議論しました。そのうえで党の方針を決定したにもかかわらず、採決で造反した議員を自民党は公認せず、選挙で大勝したのです。私は「反対の人の意見も充分に聞き、議論を尽くし、そのうえで結論を出し、党議拘束までかけたにも関わらず理念が違う人たちを党に戻してはいけない」と、彼らの復党に反対する運動を行いました。

 民主主義はデュープロセス(適正手続)の結晶です。色々な意見があり、それらをきちんと踏まえて議論を尽くし、そのうえでまとまらなければ全ての意見を尊重して採決し(全てを尊重するから数的多数決が正当化されるのです。民主主義は多数決の論理ではなく参加の論理なのです)、そしていったん方針が決定し、党議拘束がかかれば、個人的に反対でもそれに従わなければ、政党政治は成り立ちません。

 もちろん全ての案件に党議拘束をかけるべきかは議論があります。超党派国会改革の勉強会では、党議拘束を緩和し、マニフェストに関わる問題でなければ、あるいは個人的信条を扱う問題であれば、党議拘束をかけずに自由投票を認める余地を広げようと提案しています。

 かつて道路特定財源の一般財源化を福田総理が宣言した際、これと矛盾する財源特例法が衆議院で採決されようとしていました。私はこの時には「党の代表たる総理が明言した方針と矛盾する内容の法律に賛成するのはおかしい。党内手続少なくとも総務会できちんと法律が改正されるという担保をつけない限り法案には反対する」と明言しました。おわかりのように、これは党としての方針転換にもきちんと民主的プロセスを求めようという私の思いで、趣旨は今回と一貫しているのです。

 今回の郵政民営化改正法案については、本会議場で私の隣に座る赤澤亮正議員が、政党間協議の任に当たり、逐次平場の会議を開催してくれました。私は「現職の議員以外の意見も聞いて欲しい」と要請しましたが、マニフェストに関する全国政調会長会議が仙台で開催される中、この問題での異論はありませんでした。本来であれば落選中の支部長も入った全議員懇談会が今月末に開催されるのでそれを待って欲しかったとの思いはありますが、民主的手続に大きな欠陥があるとは思いません。私は平場の議論でもシャドーキャビネットでも堂々と自説を展開しました。もし私が関われないところで今回の決定がなされたのであれば間違いなく私は造反しましたが、今回しかるべき手続が取られたことを了とし、自分のこれまでの主義からして賛成に回ったのです。

 中川秀直議員が「総務会は全会一致でなく、党議拘束には瑕疵(欠陥)がある」と主張されているとのことですが、総務会で全会一致を求める慣例は直していかないと物事は進んで行かないでしょう。運用は改められなければいけません。

 「民主党のマニフェストの変更を自民党は攻撃しているではないか。もう郵政民営化方針を選挙の洗礼なく行った自民党に民主党を批判する資格はない。」という意見もあります。確かにこの問題は争点にはなっていませんが、既に選挙は衆参何度も実施しています。私は「この間、郵政民営化を変更する特段の必要性はなかった」という主張ですが、この主張が多数派に受け入れられず「時代や状況が変化すれば政策も変わっていい」という意見が多数を占めてしまったのです。これはプロセスの問題でなく、主張の中身の問題です。

 しかも、民主党のマニフェストの場合「できないとわかっていたのに政権を取るためエイヤで決めた」と前原政調会長や藤井元財務大臣が認めているのであり、これは政策の変更でなく詐欺そのものです。国民は取消しすなわち解散を求めることができるのは明らかで、この案件と今回の事案を同一視することはできません。

 そうは言っても私自身、今回の結論に至るまで相当悩みました。シャドーキャビネットで茂木政調会長が「法律が緩和されても郵政改革の方向自体が変わるわけではない」とおっしゃったことに一縷の希望をつなぎ、割り切れない思いを抱えつつ、山本一太議員の「臥薪嘗胆」の思い(将来自民党に改革派の若手が多数登場すること、あるいは政界再編があることを希望しつつ今は涙をこらえて耐える)を噛みしめ、ここに決断した次第です。色々ご批判はあると思いますが、ご理解賜れれば幸いです。

≫平成24年4月7日

[桜で門外の変?]

 新年度に入り、ようやく本格的な春の陽気になってきたと実感します。首都圏の桜の花もほころぶ中、入社式や入学式が各地で実施されています。

 新たな門出と言えば、国民新党での混乱が政界に波紋を投げかけています。自見庄三郎大臣らが与党内に留まる意思を表明する中、亀井静香代表・亀井亜紀子政調会長が消費税増税に反発して連立解消を主張。下地幹郎幹事長から両亀井氏の解任が発表されるなど異例の展開を見せた結果、結局両名の離党の記者会見となりました。

 国民新党が与党なのか野党なのかわからない中、国会運営や政党間交渉にも影響が出かねないとして早期収拾が図られたと見られます。(思えば新党きづなも与党と野党の中間の「ゆ党」などと言われました。)

 離党したお二人は会派を形成するのでしょうか。衆議院議員1人、参議院議員1人だけでは色々難しい面もあると思います。かといって現時点で他の仲間がどれだけ見込めるのか…

 ツイッターでお二人の新グループを「カメカメクラブ」と命名し、「ひとりじゃーなーいー」「石原新党へ in the sky(いいんですかい)…」などとぶしつけながらコメントしたところ、大きな反響がありました(笑)。

 しかし、亀井静香氏は小泉改革に異を唱えて自民党からの離脱となり、国民新党代表として戦った先の参院選で一議席も確保できなかった責任者であるという事実を忘れてはいけません。今回の離党に限ってみれば筋が通って見えるからといって、石原都知事が新党を呼びかけるなどしたら、それは新党としての輝きを失うでしょう。

 あえて言えば、たちあがれ日本などと民主党政権打倒に向けた国会での協力をしていただくというのが適切であると思います。

[政局は緊迫化]

 北朝鮮のミサイル発射予告を前に、田中直紀防衛大臣の問責決議案が現実味を帯びています。高校の先輩で複雑な思いもありますが、この欄で資質を問題とした小川敏夫法務大臣とともに、速やかに国益を考えた行動を取られることを望んでいます。

 このように民主党政権が迷走を続ける中、自民党内でこの時期に「消費税増税賛成」はては「民自大連立」などという議論が出てきていることは理解できません。「自民党の支持率が上がらないのは与党への協力姿勢を明確にせず、解散ばかり口にしているからだ」などという意見があるのですが本当でしょうか?むしろ「民主党もダメだが自民党も民主党と大差ない」という意見が多数ではないでしょうか?

 私たちはがれき処理をはじめ協力できる部分は積極的に協力をし、むしろ経験に基づき政府の後押しをしてきました。審議にも積極的に応じてきました。しかし考えが違う部分についてはそれを国会審議で明らかにしたうえで与野党協議に臨み、溝が埋まらないなら反対するべきなのです。

 「消費税を2010年代半ばまでに景気状況を踏まえ10パーセントまで引き上げる」という部分だけを捉えれば、確かに既に示した自民党の方針と共通です。しかし例えば「あなたも覚悟している会費1000円を支払って下さい」と言われたからといって、何に使われるかわからず、しかも追加の会費もすぐに取られかねないとすれば、イエスと承諾できるでしょうか?
 子ども手当は所得を考慮した児童手当に戻りましたが、まだ農家の戸別所得補償等撤回されていないバラまきマニフェストが残っています。年金・医療の抜本改革どころか、生活保護が政権交代後25パーセント膨らんでしまっているなど、税と一体改革すべき社会保障制度の見直しは一向に進んでいません。国家公務員給与の7.8パーセント減は何とか与野党合意を見ましたが、トータルとしての公務員人件費削減は新人採用を6割減らして達成しようとしており、組織の活性化のための改革からは程遠い内容であるばかりでなく、民間の新規採用にも悪影響を及ぼそうとしています。議員定数の削減に至っては、憲法上違憲とされている小選挙区の定数配分の見直しすら進まず、自民党がリードする始末。

 このような中、消費税を含め、私たちの対案がようやく世に出ることになります。9日に仙台において私もシャドーキャビネットメンバーとして参加する全国の政調会長会議で示され、そしてさ来週には、前回のこの欄で触れたとおり、私が茂木政調会長に進言させていただいた「全議員・支部長懇談会」が開催され、郵政などの問題と併せて議論されることになるでしょう。

 起草委員会でまとめた党の改正憲法草案もいよいよ大詰めの取りまとめです。ちなみに衆議院の憲法審査会での国民投票制度に関する議論も並行して行われており、昨日の読売新聞全国4面には、この制度を憲法改正に関わる問題以外に拡大することについての私の慎重意見が紹介されています。

 これからも党としてできることをするため、私も全力を尽くす所存です。

[党の企業統治に関する提言全文]

 前回のこの欄で紹介し、今週のシャドーキャビネットで谷垣総裁・茂木政調会長に私から報告した、自民党の企業統治に関する提言について、外国人特派員協会に赴いての説明をする機会をいただきました。しっかりプレゼンテーションをしたいと思います。以下全文を掲げます。

   企業統治改革案について
                     平成24年4月1日

     自由民主党政務調査会
     法務部会・財務金融部会・経済産業部会・
     企業・資本市場法制PT・財務金融部会企業会計小委員会
     合同会議

 オリンパス問題や大王製紙問題を契機とした日本の企業統治(ガバナンス)に対する海外からの信頼低下は深刻な状況にある。折しも政府では会社法改正など企業統治に関する改革案が取りまとめられているが、本質的・抜本的なものとは残念ながら言い難い。
 自民党では法務部会・財務金融部会・経済産業部会・「企業・資本市場法制PT」・企業会計小委員会の合同会議にて、当事者であるオリンパス株式会社のM.ウッドフォード元社長をはじめ有識者からのヒアリングを重ね、問題点を集中的・多角的に検討してきた。その結果、下記のとおり対案を提示し、充実した国会討議に資するものとしたい。なお、本文書で充分取り上げられていない企業再編法制などについては、引き続き検討を深めていく。また、有価証券報告書提出会社・上場会社のように投資家の信頼確保が特に必要な類型(いわゆる公開会社)については、金商法・会社法等を統合した厳格な法制を定めていくことを重要課題として検討する。

1.社外取締役の要件厳格化(以下「独立取締役」という)

 現在法定されている社外取締役の要件は「会社や子会社の業務執行役員、社員、それらの出身者以外」となっており、法制審中間試案でもこれに、親会社の役員等、会社の役員等の親族を加えるのみとなっている。しかしこれに加えて、一定の基準(金額・割合等)による「主要な取引先関係者」「その会社から多額の報酬などを受け取る専門家」なども独立性が疑われるので、社外取締役はこれら以外の者とし、呼称を独立取締役とするべきである。

2.上場会社における複数独立取締役選任義務の明確化

 法制審議会における選択肢として、公開かつ大会社における監査役会設置会社において1人以上の社外取締役の選任を義務付ける案、あるいは金商法24条1項の規定によって有価証券報告書を提出しなければならない株式会社において1人以上の社外取締役の選任を義務付ける案が検討されている。しかし株主の地位が高度に流動化し、経営陣のチェックが深刻な問題となる上場会社においては、複数の独立取締役によりガバナンスの適正化を徹底する必要がとりわけ高い。上場会社における複数独立取締役の選任を上場規則で明定すべきであり、それができなければ法律で義務付ける。
 新設が検討されている監査・監督委員会はその機能を果たし得ると解されるが、そもそも当該制度が現在の委員会設置会社の単なる要件緩和とならないか検討するとともに、指名・報酬についての具体的提案を行えるようにする。
 複数の独立取締役の選任されている会社においては、取締役と会社の利益相反行為の決議につき、取締役会の前後に独立取締役のみの合議・是認がなければ任務懈怠が全取締役に推認されるものとする。

3.会計監査人選任における監査役・独立取締役のあり方

 会計監査人の選解任、報酬決定に関する議案が会社の取締役会により決定される現状においては、十全たる会計監査及び監査人の地位の独立性を確保することは困難とされる(いわゆる「インセンティブのねじれ」)。独立取締役及び監査委員会(新設の監査・監督委員会を含む)に明示的に会計監査人の選解任等や報酬等についての決定権を与えるものとする。監査役、監査役会(取締役会における議決権が存しない)についても、上記議案につきまず緊急に書面での事前要望を制度化するものとし、さらに調査のうえ決定権を与える改正を行う。
 なお今後、監査役の機能不全の実態に伴い、社外監査役のあり方や監査役設置会社を廃止すべきか否かなどを検討する。

4.公益通報制度の実効化

 公益通報者保護制度を改正し、上場会社については、独立取締役、監査役(会)、監査委員会(監査監督委員会を含む)に加え、会社の顧問弁護士と別の弁護士など社外の者を、内部通報窓口とするとともに、通報できる者として労働者以外の役員を含むこととする。通報者にインセンティブを与えることも検討する。当該機関は通報者に対し、受領した情報をどのように処理したか報告する義務を負うともに、適切な措置を取る義務を負うこととする。また、これを受け会社は是正のための措置を講じなければいけない旨法文化するとともに、解雇のみならず公益通報したことを理由とする不利益取り扱いを無効とし、生じた損害を支払わねばならない旨定める。
 与党の検討する「従業員代表の監査役就任」については、利益相反を禁じる会社法335条2項に抵触することから認めない。

5.親子会社等に関する規律

 完全・最終親会社の株主による子会社役員への代表訴訟(多重代表訴訟)制度や、親会社・子会社間の利益相反取引についての親会社の責任に関する明文規定を設けるべきかは、様々な親子会社の類型があることを十分配慮し、肯定の類型を検討する。
 詐害的会社分割についての会社債権者による訴訟法制を整備する。

6.監査法人・公認会計士制度の見直し、当局の刑罰厳格化

 今回の事件を機に、公認会計士協会のモニタリング制度が充分に機能していないのでないか疑問が生じており、実態を検証する。既存の公認会計士のローテーションが機能しているかチェックするとともに、監査法人のローテーションシステムについては引き続き今後の検討課題とする。不正の実態を把握できるようにするためのよりよい情報開示制度のあり方について検討する。
 期中交代か否かにかかわらず、監査法人の交代の際、法律による担保をもって、引き継ぎに必要な範囲での守秘義務の解除を行う。そのうえで適切な引き継ぎが行われているか公認会計士協会及び公認会計士・監査審査会の審査を受けるものとする。
 オリンパス・大王製紙などの問題案件についての金融庁をはじめとする当局の処分が甘く遅いという批判が多く、運用の実態調査と役員等関係者への罰則の強化・公正な適用を進める。ガバナンスが機能しない場合は上場廃止もためらうべきではない。証券取引等監視委員会については、会計士等・法曹などの集中的な採用などにより捜査・立件機能を強化するとともに、行政処分権能自体を付与することで準司法機関としての独立性を確立する。
 会計監査人の権限(金商法193条の3の法令違反等事実発見への対応等)を強化する。

7.「過去は問わない」一定期の自首による免責の検討

 代々引き継がれてきた不祥事は風船爆弾のように次に引き継がれがちである。総会屋の取り締まりの際見られたように、例えば今後3年、就任後3か月以内など一定の期間を区切って、役員等関係者の自首を要件とした虚偽記載に関する必要的刑事免責・減軽制度を設けることを検討する。

8.その他

・証券市場における規律のあり方、東証・大証合併の問題点の検討
・株式持ち合いの解消に向けての検討

                    以 上

≫平成24年3月30日

[臥薪嘗胆の思いを胸に]

 消費税政局であまり報道されませんでしたが、郵政改革の問題を巡って自民党が大いに揺れました。

 郵便、郵便局、郵貯と簡保の金融2社をそれぞれ郵政事業から分割させ、日本郵政というホールディングカンパニーの傘下に株式会社化する。そして政府がこのホールディングカンパニーの株式を2017年9月までに3分の1になるまで売却し、金融2社の株式は同時期までに完全売却する。(郵便・郵便局についてはユニバーサルサービスの確保のため売却しない。郵便局は地域サービスの拠点として年金・コンビニなど様々な業種からの委託をも受けられるものとする。)これが小泉政権下で、さんざん激論のうえ決着した事柄です。

 金融2社の地方での撤退がなるべくないように基金を創設したり、新規事業の展開のための審議会を設けて民間とのイコールフィッティングを図るなど、各方面に配慮した案でした。しかしかんぽの宿売却問題などで元大蔵次官斎藤次郎氏が日本郵政の社長となり、改革が凍結され、かつ政権交代がなされて国民新党と連立を組む民主党政権下で改革の停滞は決定的なものとなりました。

 「私たちの虎の子財産を預けた金融会社がハゲタカファンドに持って行かれる」「郵便局が地方からなくなる」どれだけ多くのネガティブキャンペーンが行われたでしょう。他の民間金融機関に預けたお金はハゲタカファンドのえじきになっているのでしょうか。総体としての郵便局が果たしてどれだけ減ってきたのでしょうか。このような停滞の中、人材や不良施設のリストラは凍結され、新ビジネスの展開もないままリーマンショックを迎え、結局郵政事業の再生は非常に難しくなってしまいました。

 かといって、現在のように金融会社の運用が7割以上国債で、見えない政府保証の残ったままで預金限度額を上げるなどの検討がなされている姿は異常としか言いようがありません。今、他の民間金融機関が運用先の確保に苦しんでいるからといって、郵政金融2社の株式売却を先送りし、改革に取り組むインセンティブを失わせるようなことになったら大いに禍根を残すことになるでしょう。

 まだほとんど進んでいない民営化をさしたる検証もなく逆行させることは、とりもなおさず民主党と自民党の違いを不明確にし、第三局となるみんなの党や維新の会を利するのみです。
 私はシャドーキャビネットの会合で茂木政調会長に、この逆行が合理性を欠くこと、とりわけ落選中の党の支部長などのヒアリングを行って欲しいと意見を述べました。政調会長からは、「改革の方向性は変わらない」「全国政調会長会議や落選中の支部長からのヒアリングを行う」と約束していただきました。

 思えば…党改革もどうなってしまったのか。あれほど血道をあげて中間提言をまとめ、谷垣総裁に提出したのに、総裁選出プロセスの改正も、国会戦略の見直しも、党のこれまで政策の内容や決定プロセスの検証も、いったん通知が各議員に出された党内の禁煙も、結局棚上げ。党改革委員長の塩崎恭久議員も事務局長の石田真敏議員も失意のうちに辞表を提出されました。

 加えて、私が事務局長を務め、今与党に対抗して提出しようとしている原子力規制機関の見直し方針(この欄でも紹介しているとおり、保安院や各省庁の原子力規制部門、原子力安全基盤機構などの独立法人を一元化するとともに、それを世界水準に沿って原子力推進部門や政治の圧力から独立させるため、独立行政委員会(三条委員会化)とする案)にも、党内で反対の声が多く出ています。福島の悲劇を繰り返さず、世界に向かって日本の原子力行政が立て直されたと発信するために極めて重要な改革ですから、しっかり進めていきたいと思います。

 これまで様々な改革を主導されてきた山本一太議員が、参議院人事で苦杯を喫した際「臥薪嘗胆」という言葉を口にされました。今は多くの同じ理念を持つ都市部の若手有望議員が落選してしまっている不遇の時。絶対にこの思いを忘れることのないよう、同じ言葉を胸に刻み込むこととします。
 地方の思いをないがしろにしようとか、「売国方針」を進めようとかいう気持ちは毛頭ありません。改革をしないことは日本の国際競争力を失わせ、結局は地方も含めた「亡国方針」になってしまうという危機感です。民間出身の議員はほとんど同じ思いを持っている(しかしながら今は党内少数派)であることをお伝えしておきます。

[自民党の企業統治案]

 上場会社の独立取締役の上場規則による義務化、公益通報制度の充実、監査法人の独立性の確保、関係者の処分の厳格化とともに「過去は問わない」一定期間の申告による虚偽記載罪の刑事責任の減免などを柱とする自民党の改革案を事務局長としてまとめ上げました。
 オリンパス・大王製紙がきっかけとなりましたが、企業不祥事という点でAIJ問題にも汎用性がある部分が大きいと思っています。既に取材依頼が来ています。しっかりと発信していきます。

 地元活動も大切で睡眠時間もなかなか取れませんが、健康に留意して頑張っていきます。

≫平成24年3月19日

[小川法務大臣は即時罷免を!]

 私は一度口にしたことは貫くタイプの人間なので、軽々しくセンセーショナルな発言をすることはあまりないのですが、16日の法務委員会での質疑を通じ、小川法務大臣は即刻辞任しなければいけないという確信に至りました。

 問題の大きさは外国人献金を受けていたという前原元外務大臣の比ではありません。

 事案は「あたみ百万石」というホテルを運営していたファーイースト・キャピタルマネージメント(以下「F社」といいます)が、滞納家賃の支払いと建物の明渡しを求められた訴訟で、この被告会社F社の代理人弁護士を小川大臣(就任前)が務めていたというものです。

 「依頼者とは長い付き合いだった」「訴訟の進展が読めなかった」ということで、着手金は当時一応の目安として存在した弁護士報酬規程によることとし、明確な金額を入れた見積書や契約書は存在しなかったということです。しかしこんなことは滅多になく、訴額が18億円超とF社の経営に重大な影響を与える訴訟であることからすればなおさら不自然です。

 訴訟の初めに大臣はF社から1000万円の着手金をもらい、東京地裁での裁判の途中に500万円もらったとのことですが、平成22年2月26日に原告である家主が全面勝訴という判決が出た後、信じられない行動に出ます。

 この判決には、控訴がされても強制執行ができるという「仮執行宣言」という裁判所のお墨付きが出ており、これに基いて原告家主がF社の持つ預金債権や売掛債権を差し押さえしてきたのですが、何とその3日後に、敗訴した一審の弁護士着手金残金を3300万円とし、かつ控訴審の弁護士着手金を4000万円とする公正証書を、大臣はF社との間に作成したのです。

 控訴審では小川大臣は1回書面を提出したのみで、裁判期日は6月7日と判決当日の7月7日の2回しか開かれていません。裁判は所詮一審の蒸し返しにすぎないと裁判所に指摘され、あえなく再び全面敗訴。7月11日には小川大臣自身の参院選投票日で、まともな裁判活動があったかも疑わしい案件でした。

 ここで問題なのは、一審で敗訴し、二審も敗色が濃厚な訴訟の着手金を、あえて高額に設定し(原告側の弁護士報酬の10倍とのことです)、かつ原告家主が強制執行をかけてきた後に、弁護士である小川大臣が依頼者F社との間に公正証書で定めた理由は何かということです。

 この7300万円という高額の着手金合計額の弁済期は、公正証書作成日からわずか5日後の3月23日と定められ、とてもF社から支払ってもらうことを目的としたものでないことは明らかです。公正証書はこれを作れば、確定判決と同様に強制執行が可能な強力な書面なので、強制執行が目的の書面だとしか思えません。

 「え?自分の依頼者に対して強制執行なんて?」と普通思うでしょう。そのとおりです。何と小川大臣はこの公正証書をもって、原告家主の差し押さえた同じF社の持つ預金・売掛金債権を差し押さえたのです!

 「先行した差押えがある以上、これらのF社の財産はこのままでは原告家主に行ってしまう。だからその原告家主に行く財産を競合する差押えで減らそう」これを小川弁護士とF社がグルになって画策したということなんです。だからなるべく多くの弁護士着手金を定め、少しでも多く執行妨害しようとしたということです。
 本当にF社から着手金を取ることが目的だったら、わざわざ差押えのかかった財産を狙って重複差押えをすることなどあり得ません!

 この件はさらに不透明な部分があります。F社と同じ系列で、人事の面でも代表をF社から迎えたり、F社の前本店所在地ビルを所有していたりする蓮村不動産という会社があるのですが、この蓮村不動産が、小川大臣の公正証書作成日と同じ3月18日に、やはりF社に対して7000万円もの貸付けを行うとともにその旨の公正証書を作成しているのです。これは小川大臣の公正証書と同じ機会・場所で作られたものでした。

 形式的には蓮村不動産と小川大臣はともにF社に対する債権者として利益相反する立場にあるにもかかわらず、小川大臣は蓮村不動産の代理人弁護士としても、この7000万円の公正証書による差押えを、先に述べた原告家主の差押え財産に対してこれまた重複して行っているのです。
 この貸付けも弁済期がわずか5日後であり、F社からの回収ではなく原告家主の強制執行の取り分を減少させることを目的としていることは明らかです。小川大臣は「利益相反がないようちゃんと関係各社の同意を得ている」と委員会答弁しましたが、これこそみんなグルになって執行妨害を画策したと自白したも同然です。

 小川大臣は「この蓮村不動産から貸した7000万円にはちゃんと実態がある。預金振込みにするとまた差押えがかかるので現金でF社に渡し、必要な支払いにあててもらった。」と述べていますが、これも差押え逃れを自白しています。必要な支払いと言いますが、倒産間際の会社が一部の債権者に7000万円も支払っていることは不公平であり、破産手続において否認権の行使の対象にもなりかねない行為です。

 その後F社が、原告家主の申立てにより破産し、小川大臣も蓮村不動産も堂々と自らの債権を届け出ています。これらの行為が強制執行妨害罪(刑法96条の2)や、詐欺罪(刑法246条)に該当する行為ともなり、政権のスキャンダルであると、いみじくも原告家主の代理人弁護士が意見書を破産管財人に提出しています。破産管財人は小川大臣の債権を「認めない債権」に分類し、蓮村不動産の貸付債権については分類を留保しています。

 この蓮村不動産の代表者は在日韓国人の方と報道されていますが、小川大臣が外国人地方参政権に賛成の立場に立つことが何らかの影響を受けたものだとすると問題があります。しかも、原告家主はサービサー(債権回収会社)の系列会社で、サービサー許可省庁が法務省であることに鑑みれば、そのトップが小川大臣であることは断じて容認できません。刑事事件に発展しかねないこの件について、当局のトップが小川大臣であることも大問題です。

 小川大臣にはこれ以外にもたくさんの問題がありますが、これから同僚議員と協力し、大臣の資格がないことを厳しく問うていきます。

≫平成24年3月9日

[今だからあえて憲法]

 私も起草委員の一人として案文決定に尽力をした新しい憲法改正案を、自民党が平場で議論することとなりました。

 報道各社の論調を見ると、天皇の元首性の明記や自衛軍の明定に着目して反動色が強いと批判したり、他に国政上の課題が山積する中サンフランシスコ講和条約60周年を機に自民党の党是を明確にしようとすることは党利党略でないかと批判する意見があるようです。

 名目上の代表であっても法的に見て元首といえる天皇の地位を明確化したり、国際的に見て「軍じゃない」と言うことが困難である自衛隊の再定義をしたり、国際平和活動や(限定的であれ)集団的自衛権を対等な日米関係や国際平和・日本の対外的な信頼の向上のために認める条文を整備することを反動的だというのは理解に苦しみます。
 そもそもそれ以外の部分も含め、現行憲法は施行後65年の長きにわたり一言も改訂されておらず、時代の要請から大きなずれが指摘されていました。今日本が急速に内外に抱えるようになった諸問題(外交の危機や社会保障の制度破綻、国際競争力の低下、震災復興に必要なスピードの欠如、行政情報の隠ぺいなど)の根っこにあるのが、日本が失いつつある「自助・自立の精神」「奉仕の倫理観」等々であり、国を変えるのは小手先の制度をいじることによっては限界があるということをつくづく痛感している昨今なのです。

 今こそ私たち全ての国民が、無論現下の様々な制度的問題に対処しつつ、その背景にあり抜本的な改革が必要となっている憲法の問題にタブー視せず取り組むことが、必要な時期と言えるのではないでしょうか。

 ちなみにこれとは別に、国会の義務違反が生じている国民投票法上の諸検討を進めることは必要です。これを扱う衆議院の憲法審査会での議論にも積極的に参加しています。

[予算案の衆議院通過]

 昨日、平成24年度予算案が衆議院を通過しました。

 自民党は民主党の「消費税10パーセントへの引き上げではとても足りない規律を失った予算」「税と社会保障一体改革をうたいながら何ら社会保障の具体的改革案が示されず増税のみ先行させる予算」「交付国債という粉飾を伴う国民に不誠実な予算」には反対する意思表示をするとともに、党として1.1兆円の削減を内容とする組み替え動議を提出しました。(否決)

 これに先立つ党の代議士会で、極秘党首会談が取り沙汰され、地元でも落選支部長からも不信が高まっている執行部に対し、「賛成すべきは賛成し、反対すべきは反対することに何の後ろめたいこともない。筋を通した党運営をお願いしたい。」とあえて発言しました。党のあり方をよりよくしようという若手の勉強会も進めています。

 郵政問題、企業統治問題、年金問題、色々課題は山積していますが、これからも火の出るような覚悟を持って、日々の活動を進めて参ります。

≫平成24年2月29日

[相次ぐ破綻]

 AIJ投資顧問が受託した企業年金資産の大半である約2000億円が消失してしまった事件が大きく波紋を呼んでいます。

 私が司会を務め、企業統治についての法規制の見直しを進めている自民党合同部会では、オリンパスがケイマンなど租税回避地のファンドを用いて飛ばしによる損失隠しを行ってきたことを問題としてきました。今回もケイマンの私募投信が金融当局の監視を逃れるために利用されたと見られており、私たちのチームでこの問題の背景の分析と再発防止のための立法を検討したいと思います。監査のあり方や情報開示の見直しが主となるでしょう。

 中小企業の年金が消失するという信じがたい事案であり、関係者の厳格な処分も必要です。一方で、運用利回りを出しにくい厳しい経済状況下で、柔軟なポートフォリオを組むことは認められなければいけません。筋を誤らないように気を付けていきます。

 そして半導体のDRAMメーカー、エルピーダメモリの会社更生法申請です。国策による公的支援を受けていましたが、経産省幹部のインサイダー取引が発覚するなどそのあり方に疑問の声もありました。韓国などとの競争力の差はいかんともしがたく残念な結果となりましたが、これを機に企業の体質・方針・スポンサーなどを抜本的に見直し、再生してほしいと思います。

 東京電力にしても、今回自民党でも再び見直しがされようとしている日本郵政にしても、民間の厳しい競争環境に正面からさらされ、改革を行うことによってしか再生することはできないのです。国が公的支援を注入することで延命させようという発想は大きく転換する必要があります。

[大きな反響を呼んだ予算委員会の質問]

 山口県光市の母子殺害事件で犯行当時18歳だった元少年に対する最高裁判決により、死刑が確定しました。被害者の夫であり、父親である本村さんは13年の長きにわたり苦しい思いをしてきたのであり、この間被害者の権利を推進させる大きな力となってきました。

 予算委員会では死刑執行問題について小川新法務大臣に問いただしましたが、職責に対する自覚も被害者に対する思いも感じることは残念ながらできませんでした。

 今国会提出が見込まれながら、中での適正手続が確保されるか懸念されている人権委員会の設置法案についても、こうした委員会を設ける必然性について納得いく説明があったとは到底感じられません。各地の人権擁護委員の方々の非常勤公務員化についても、その国籍条項がどうなるのかは「外国人参政権」についての考え方が不明確なことからあいまいな答弁になっています。

 会員数7万3000人、負債4300億円という戦後最大の消費者被害事件となった安愚楽牧場についても質問しました。政権交代後の消費者庁の不手際や、法規制の不備が如実に明らかとなり、今後私たちできちんと対応していかなければならないと思います。

[覚悟を示せ]

 国家公務員給与を2年間、人事院勧告による引き下げ分を含め平均7.8パーセント削減する特例法案が衆議院を通過しました。地方公務員については、地方交付税の引き下げで対応する意見もありましたが、自治体が自主的かつ適切に対応することとされています。

 これは復興財源捻出という側面もありますが、官民格差の是正と行政改革という側面もあります。民主党は公務員人件費の2割削減をマニフェストで掲げていました。

 一方、特に国会議員の定数について大幅な削減の政党間協議が進まない中、議員についての歳費も見直さなければいけないと感じています。デフレを加速するとか、諸外国に比べて議員の定数も秘書などのスタッフも決して多くないとかいう意見もありますが、身を削る姿勢を示して初めて負担の増加が受け入れられると思うのです。

 これからも覚悟を示せるよう、頑張っていきます。

≫平成24年2月18日

[ねじれ国会での与野党協議の重み]

 メディアでいつも訴えているのですが、私は国会の一院化には反対です。先進国では二院制が当たり前で(ただし両院が異なる性格を持つ場合がほとんど)、両院間のねじれは国会を熟議の場にするプラスの要素ととらえられているからです。
 ねじれを解消するためとして自民党と民主党が合併することにも反対。むしろ同じ理念を持つ議員同士が集まり(特に民主党が割れ)政界再編が起きることを目指すべきだと考えていますが、これにはしばらく時間がかかるでしょう。

 いずれにせよ、ねじれ国会を前に進めていくためには、徹底的かつオープンな国会での議論とその結果としての与野党間の合意形成を目指すことこそが何より必要になってきます。(その与野党合意の指針は、例えば直近の国政選挙の民意の方を尊重するですとか、憲法上制度化されている両院協議会を活用し各院のメンバーを会派構成比に変更したうえ議決要件を過半数にするとか、色々工夫があるでしょう。若手超党派国会改革勉強会でも試案を提示しています。)

 この与野党間の合意がきちんと守られなければ、難しい国会運営などできるはずがありません。

 今回の高校無償化をめぐる国会の空転は、自・公・民各党が昨年8月9日付で交わした「確認書」で明定されている「政策効果の検証と必要な見直しの検討」について、民主党の閣僚が全く不誠実な答弁を繰り返して審議が続かなくなり、予算委員長が休憩を宣言したことによって生じたものです。
 そして2月14日に、民主党が、与野党の新たな確認書の中で、「対応について不誠実であるとの批判を真摯に受け止め、謝罪する」「政策効果の検証と必要な見直しの検討につき政党間協議を行う」「引き続き予算審議の中で論議を深め、上記の協議を踏まえ、必要に応じ予算に反映させることも含め、誠実に対処する」としたことによって、審議が動き出したというのが「真実」なのです。

 一部報道で自民党が審議拒否をしたとか、与党も野党もどちらも悪いなどとされていますが、全く当たらないことは明らかです。与党には今回のことをきちんと反省してもらう必要がありますし、ガソリン税をめぐる混乱で与野党合意が無視されたり今回の事例があったりしたことで私は民主党を全く信用できないことから、「必要法案を通したうえでの話し合い解散」などというアイデアには到底乗れないと主張しているのです。
 なお、こうしたことをなくすためにも、国会中継は一般質疑も含めきちんとゴールデンタイムにオープンにテレビ放送することが必要だと、仲間たちとともに訴えています。

 そして与野党協議でもう一つ注目を集めているのが、衆議院選挙制度改革です。

 こう着していた議論が、私も賛成している自民党の案に民主党が近付いてきたことによってようやく動き出しました。すなわち次期総選挙に限った緊急措置として、自民党主張のとおり小選挙区の「0増5減」を行って一票の格差を是正するとともに定数削減を行い、さらに比例枠を削減しつつ少数政党に一定の配慮を示すということです。

 ただし上記の民主党案はまだ「樽床案」であって民主党内部の集約が済んでおらず、さらに比例枠の削減を80(総数180のうち)とすることに公明党などが反発し、また少数政党への配慮の方法として「連用制」というかなり偶発的に少数政党を偏重する(憲法違反との指摘まで一部にある)仕組みに言及していることなどから、まだ決着までには時間がかかりそうです。

 もし民主党が、選挙を先送りする口実にこの問題の引き延ばしを利用しようとするのでないなら(もちろん解散自体がこの問題が決着しないからといって法的にできなくなるわけではありませんが)、さらなる改善を提案するべきです。比例枠の80減は民主党のマニフェストに書いてあるから譲れないということですが、既にマニフェストは総崩れになっているのですからここで頑張る意味はありません。むしろ最高裁判所が違憲と判断した一票の格差の問題に、国会が成案を得ることでひとまずの決着を得ることが重要なのです。

 これから総選挙があり自民党が多数を取っても国会はねじれることを考えると、「与野党協議の重み」は引き続きしっかり受け止めていくべきです。

[自民党エネルギー問題へのひとまずの決着]

 2月15日に、山本一太委員長のもとで党の正式機関となっている「総合エネルギー政策特命委員会」にて自民党のエネルギー政策についての一応の集約がなされました。

 河野太郎議員たちが代表世話人となり、私が事務局長を務めている「自民党エネルギー政策議員連盟」は、現実的な原発依存からの脱却や業界との癒着の解消、多様な主体による分散型技術革新、世界に先駆けた再生エネルギービジョンの実現を主張し、党の正式方針に取り入れてもらうためにギリギリまで努力を続けました。
 私たちの主張はこの欄でも紹介したとおりで、商業用原子炉の新増設・更新を行わず、運転開始後40年を経過した原子炉は廃炉にする。使用済み核燃料の乾式貯蔵による長期貯蔵施設を建設する。NPT(核兵器不拡散条約)に加盟していない国への原子力関連物品・サービスの提供を行わない。2020年までに水力を含む再生可能エネルギーの導入目標を現在の需要量の20パーセントとするとともに、企業の生産性と国民生活の利便性を損なうことなく、同じ時期までに20パーセントの省エネを目指す。東電は債務超過になった時点で破綻処理を行い、国有化後に発送電分離を行う。スマートグリッドの普及に努める。原子力規制庁は独立の三条委員会として新設する。国会の事故調査委員会での調査結果を踏まえて原発再稼働は行う…かなり野心的な提言でしたが、党の方針には、一定の方向は取り入れていただいた部分もあると思っています。数字が入らなかったことは残念ですが。

 今回の方針は中間的なものなので、引き続き活動を続けていきたいと思います。また、除染や健康への配慮に基づく方針をどうするかについてもきちんと検討していきます。

 私たちの上記提案のうち、原子力規制庁を国家行政組織法三条の独立行政委員会とすることに、党内でも相当異論が出ているようです。しかし諸外国の実例や、IAEA(国際原子力機関)の基準に照らせば、政府が出している今の、独立性の乏しい環境省の外局とする法案に乗れないのは明らかで、菅前総理が海水注入を止めさせようとしたりベントに口出ししたりするなどしたことを二度と起きないようにすることからも、行政から規制庁の独立を確保することは必要です。規制庁の誤った判断の責任を行政に問えないなどという声もありますが、国家機関であり、国会同意人事でも名簿は政府が提出するのですから、そのようなことはありません。

[財政のまっとうな議論を]

 財政の問題については、消費税増税はやむを得ないとは思いますが、民主党政権になってからの予算が10兆円増えていること(復興のための補正予算を除く)に鑑みれば、5パーセントの引き上げによる税収のほとんどは、民主党の上記の歳出増、具体的には(相当は挫折したものの)マニフェストや、事業仕分けでもほとんど切り込めずにむしろバラまきの人気取りで復活させたり事業効率化を先送りしたりしたりしたことの、言わば尻拭いに使われていると言わざるを得ません。
 公務員人件費の削減のみならず、少なくとも自民党政権並みに予算規模を縮小してから(私はさらなる改革を主張していますが)、また景気対策をしっかり講じつつ、増税論議をして欲しいものです。(しかも2014年だからマニフェストに反しないなどという姑息な説明を一切やめて欲しい)

[出番を回避せず]

 前回のこの欄で触れたとおり、おかげさまで国会内外で様々な活動の場をいただきます。しっかり答えていくとともに、活動状況を対外的にお示しする努力を進めて参ります。

≫平成24年2月6日

[閣僚の資質とは]

 連日の予算委員会の質疑で、田中防衛大臣が集中砲火を浴びています。高校の先輩としてお気の毒と思える部分もありますが、やはり公務の上では厳しく大臣としての適格性を問題とせざるを得ません。

 そもそも政治主導を看板に掲げている民主党が、当該省庁の諸施策につき理解のない大臣を据えるのはおかしいのです。無論、細かい数字や法律を全て知っている必要はありませんが、国民主権と議院内閣制に基づく与党の負託を受け、大きな方針を事務方に提示し、事務方を代表して国会論戦や対外メッセージ発出にきちんと臨むためのコミュニケーションができる人物でなければいけないはずです。ましてや、対外的に秘匿すべき情報の管理に手落ちがあってはなりません。

 無論自民党でも肝に銘じなければいけません。大臣は年功序列・派閥順送りのポストであってはならず、かと言って業界べったりの議員がついて公正な行政を誤らせるものであってもいけないのです。今自分がシャドーキャビネットとはいえ法務大臣であることを重く受け止め、適材適所の自問と自覚を持って頑張ります。

 閣僚と言えば、年金など社会保障問題についての答弁に小宮山厚労大臣ではなく岡田副総理が立つ場面が多いのも気になります。かつて民主党で本問題の議論に携わっていたことなどから副総理として抜擢されたとはいえ、現在の施策につき小宮山大臣の不明瞭な答弁をバックアップしている感は否めません。ここでも野田総理の「適材適所・最強の布陣」について疑問が生じてしまいます。

[嘘はもうやめて]

 この欄で私が1月9日に指摘したとおり、民主党が消費税10パーセントへの引き上げでは到底まかなえない予算を組んでおり、すぐにも追加増税を行わなければいけない実態が徐々に明らかになってきました。きちんと国民の前に実態を示してもらわなければ与野党協議など到底できません。
 最低保障年金の実現が50年先で今は追加の国民負担が生じないと言うのなら、そのマニフェストも撤回してもらわなければいけません。また、消費税引き上げに伴い、低所得者に配慮した給付付き税額控除を導入するとなれば、納税者番号制度で金融所得などの把握ができるのかといった問題を国民の前に明らかにしてもらわなければいけないはずです。

 1月31日に拙速にも提出された原子力規制庁設置法案(福島第一原発国会事故調査委員会の黒川委員長が「自分たちの所掌事務に関する法律がなぜ相談もなく提出されたか」と怒っておられます)もマニフェスト違反です。この欄で前回紹介した「新しい規制機関は、既存の行政から独立した3条委員会とする」という案は民主党のマニフェスト(INDEX)に明確に記入されていた方針なのに、与党になったら環境省の外局にくっつける案を提示してきたからです。

 重なる嘘や情報隠蔽はマニフェストだけでなく、今の国会質疑にも見られ、もはや与党の信頼は全くありません。

 ここで自民党がしっかり信頼を取り戻す必要性を痛感します。さもなければ橋下さんや石原さんの新党構想(亀井静香さんが加わったことでかなり正体不明の感を持ちますが)に飲み込まれてしまいかねません。執行部に働きかけていきます。

[安愚楽牧場問題・原子力政策を動かす!]

 大阪の投資家たちが安愚楽牧場を詐欺で刑事告訴しました。そもそもこの案件が4200億円もの戦後最大の消費者被害を発生させながら、行政の怠慢と法の不備でそれを防げなかったことは極めて大きな問題です。また、この案件では経営陣が少なくとも破綻近い段階で満額配当不可能であることを知りながら投資勧誘をしていた可能性が極めて高く、私を座長とした自民党プロジェクトチームは実態解明・再発防止策(議員立法含む)立案を精力的に行っています。行政を私たちが少しずつでも動かしていると感じていますし、これからも頑張って消費者が報われるよう努力を続けます。無論預託農家の今後の営業についてもしっかり考えていきます。

 事務局長をしている自民党エネルギー政策議員連盟の提言取りまとめも大詰めです。党の総合エネルギー特命委員会は2月中旬に党のエネルギー政策の方向性を出すとのことですので、これにその提言を反映させられるよう全力を尽くします。

[相次ぐシンポジウム・取材等]

 原子力政策、党改革問題、現在オリンパスなどを題材に検討している企業統治の問題、安愚楽問題、二重ローン問題…最近シンポジウムのパネリストの依頼や取材の依頼が相次いでいます。地元の会合も含め、大変多忙な毎日が続きますがきちんと対応していきます。

≫平成24年1月28日

[始まった国会]

 ようやく通常国会が始まり、施政方針演説と各党の代表質問が行われました。

 一言で言って総理の答弁には、国政の混乱やマニフェスト違反への反省が極めて希薄です。放射線対策や年金などの政策についての答弁も実質的な中身なし。本会議場が沸いたのは自民党の細田議員が3年前の総選挙のマニフェストパンフレットを壇上で与党席に示しつつ、ユーモアたっぷりに「どじょう総理を籠に追い込みたい」と述べた時くらいでした。

 よく地元の新年会などで「自民党は反対ばかりして足を引っ張っている」と言われますが、私は詐欺的マニフェストを掲げて政権を取り、あらゆる場面で国政を機能不全にしている与党を解散に追い込むべきことは当然だと思います。ただ、「解散に追い込んだ後政策などをどうするのか」「たとえ私たちが政権を取ったとしても続くねじれ国会をどう動かすのか」ということを併せて示さないと国民は納得しないでしょう。

 シャドーキャビネットもいよいよ活動を再開させ、すぐにも始まる第4次補正予算のあるべき姿や、今後の自民党の重点施策についての検討が進んでいます。
 今回の補正予算は、実質的に平成24年度予算に計上すべき多額の経常経費を先取りして予算枠をごまかす見逃し難いものであるなどの問題を指摘するとともに、私たちの側も、22日の党大会で茂木政調会長が示した国土強靭化やデフレ脱却、外交の再建などの方針を、自助自立の保守の精神をもとに、いかに具体化して示せるかが問われています。シャドーキャビネットメンバーの一員として迅速に作業をしていきます。原子力政策など、過去の反省もきちんと行わないといけません。

 この欄で紹介している自分が関与する各種プロジェクトも一斉に再開し、地元日程や取材なども重なって連日目の回るような忙しさです。

[安全規制の独立性を]

 そのような中で緊急の案件として、政府が今国会で提出しようとしている「原子力安全規制庁」の検討があります。
 震災後ほとんど機能しなかった専門性の低い原子力安全委員会や保安院を改組・移動し、環境庁の外局として専門家を補充するとともに緊急時に総理のリーダーシップが取れるようにするという内容です。

 しかし考えてみて下さい。総理や政治家が安全対策に余計な(非科学的な)圧力をかけたり、多数の関係機関で情報が分散・隠ぺいされたりしたことが今回の悲劇を大きくしたのではなかったでしょうか。
 私たちはこの機関を独立行政委員会(3条委員会)として独立性を確保するとともに、規制部門の一元化を図り、IAEA(国際原子力機関)の理念により適合した内容とすることを対案として示したいと思っています。ご理解いただければ幸いです。

≫平成24年1月20日

[1日も早い国会を]

 野田総理が「最強だ」と胸を張る改造内閣、果たしてどうでしょうか。

 適材適所だと野党からの問責大臣をかばいながら、対象となった一川・山岡両大臣のみならず国会での追及がさらに厳しいと予想される蓮舫・平岡各大臣を含めた交代を行ったのは、やはりその適格性に不安があったからだと言わざるを得ません。
 しかし新内閣にも早くも新防衛大臣と外務大臣、財務大臣の間で、核開発が問題となっているイランからの原油輸入の縮小を巡って調整不足が露呈したり、新防衛大臣が武器輸出三原則とPKO隊員の武器使用基準の緩和を混同したりと、暗雲が漂っているように思います。

 それにしても総理が、安住財務大臣のガイトナー米財務長官に対するイランからの原油輸入の段階的縮小についての発言を、「個人的見解」だと言ってのけたのにはびっくりしました。確かに日本はイランへの原油依存度を徐々に減らし、今はその率は1割とされていますが、輸入原油の大半を通るホルムズ海峡の封鎖にイランは言及しています。原発政策が見直しを迫られ、対イラン制裁について慎重な態度を示す国が相次ぐ中、このように突出した発言の重さを「個人的発言」で片づけてよいのでしょうか。しかも自民党の外交部会で事実確認をしたところ「役所の事務方レベルでは連携を取っています」との答弁があり、要は大臣と事務方の、あるいは総理と大臣の、十分なすり合わせができていないということを示すものに他なりません。

 前回のこの欄で疑問を示した税と社会保障の一体改革にしても、野田総理の消費税増税にかける思いは伝わってくるものの、マニフェスト違反への謝罪やそこで示された農家の戸別所得補償など残ったバラまき政策の撤回には何ら言及がありません。

 こうしたことを一日も早く国会で議論しなければならないでしょう。シャドーキャビネット法務大臣としては、新任の小川法務大臣について、広島で起きた刑務所からの脱獄や今後の死刑についてのあり方を含めた治安の問題、大臣が前向きとされる外国人地方参政権や人権救済法案、司法改革の今後など多様な課題での質疑を早く行いたいと考えます。被災地の要望が大きい法テラス相談における資力要件緩和なども進めなければいけません。

[それでも連日の東京]

 国会は始まらず、まだ地元の新年会回りも続いていますが、私がメンバーである自民党憲法起草委員会での議論に連日参加し、平成17年に策定した自民党改正憲法草案の見直し作業をしています。また、今度設置される原子力安全庁についての検討を行う党の「原子力規制組織に関するプロジェクトチーム」の事務局長を拝命し、ストレステストを経てこれから再稼働を行おうとしている原子炉を含めた原発の安全確保についての議論を進めます。

 こうした中で取材やテレビ出演も相次いでいます。14日にはBS-TBS「NEWS21 サタデースコープ」に馬淵澄夫元国土交通大臣と出演したほか、明日21日(土)夜10時からは朝日ニュースター「闘え!山里ジャーナル!!」に、22日(日)朝10時からは岸井成格さんが司会のBS-TBS「政策討論 われらの時代」に、それぞれ出演します。

 しっかりと情報発信をしていきますので、ご覧いただければ幸いです。

≫平成24年1月9日

[激動の幕開け]

 2012年の幕開けです。ご清祥のこととおよろこび申し上げます。

 1月5日の党本部での仕事始めにて、谷垣総裁が「マニフェストで任期中に消費税増税をしないと主張して政権を取った民主党に、消費税増税法案を提出する資格はない。解散で民意を問うべきだ。」と述べられたのは正論だと思います。

 ただ、それだけでは弱いのであって、「民主党の出している予算案は消費税率10パーセントへの引き上げでは到底まかなえない水ぶくれ予算であり、しかも与野党協議しようにも後ろからそれをひっくり返す勢力があって与党がまとまっていない。このような状況では到底与野党の話し合いはできず、まず与党がきちんと閣議決定を行い、そして自民党が国会で堂々と対案を示し、そのうえで解散させるべきだ。」というのが筋ではないでしょうか。

 いずれにせよ、今の段階で与党の抱きつき戦法に乗ることはできません。一部党内には「昨年のマニフェストで与野党が協議すると自民党も言っている」という声もありますが、上記のとおり、その前提がないと言えるでしょう。また、今の混迷する政局を打開するには政治のリセット以外にはありません。

[連日の地元日程]

 上記したことを昨日地元で行った街頭演説で主張したところ、多くの方々が足を止めて聞いて下さいました。また、年末年始と数多くの地元行事に参加していますが、「今年は頑張って」という激励の声を多くの方々にいただきます。(今の自民党執行部への注文もかなり多いですが)
 こうした声に応えるべく、仲間の議員たちと力を合わせて頑張る所存です。本年もどうぞよろしくお願い致します!

平成23年

≫平成23年12月31日

[あり得ない税制改革案]

 29日深夜に決着した民主党税制改革案に、唖然とするばかりです。

 そもそも今回の混乱の発端は、前原政調会長ですら疑問を感じていたという「無駄をなくして16.8兆円の財源捻出を行えば消費税増税はいらない」とのマニフェストの破綻にあったはずです。

 党としての体面を維持するため、無理が明らかなマニフェストにこだわって国家財政の危機を招くのか。それともマニフェストを撤回し(総選挙を行って)政界のリセットと国家の救済を図るのか。二つに一つ。最終的には解散権を持つ総理のハラにかかっていたはずです。その総理が最終的に乗り込んで決まった党税制調査会の結論は…

 一度は提示した消費税増税のタイミングを半年遅らせて、14年4月に8パーセントに、15年10月に10パーセントに引き上げ…あり得ない!

 衆議院定数削減には言及してみたものの、本来財源とすべき公務員給与改革や他の無駄をなくしての16.8兆円の財源捻出にほとんど全く手をつけず、形だけ任期満了の13年8月末までは消費税率引き上げの閣議決定を行わないと先送り。これで有権者との約束を守ったつもりなら開いた口がふさがりません。選挙後の政権に当該閣議決定を押し付ける姑息な手段であり、しかも第一段と第二段の引き上げが近接しすぎていることの諸システムや経済への影響も検討不十分。
 実際に引き上げを決める際の景気弾力条項の意味もよくわからず、所得税・相続税の増税で高所得者をやり玉にあげて国民の多数の怒りをしずめようとしても、単にアンチビジネスな政権スタンスに市場がそっぽを向く結果を招くだけという気がします。

 かと言って、今の段階で民主党を離党した議員たちに国民の支持が集まるでしょうか。小沢一派の泥船脱出と捉えられても仕方ないでしょう。橋下市長や改革を掲げたグループがこうした方々と組む可能性が高いとは思えません。

 民主党に残された道はただ一つ。マニフェストをリセットし、消費税増税を正面から掲げて解散で民意を問い直す。その後に政界再編などがあれば、さらに新しい枠組みの元で選挙をするのです。日本の政治がマニフェストでまとまった成熟した政党政治を実現するには、もう暫く時間がかからざるを得ないのです。

 自民党は来年中の選挙に向けて、政策・体制、あらゆる面で準備を進めなければいけません。「消費税で反対できないから自民党は解散に追い込めない」という意見がありますが、消費税にとどまらず政策のトータルなパッケージで民主党との理念・体質の違いをわかりやすく示して選挙に持ち込むことは十分可能だし、今の日本の閉塞感を打ち破るにはそれしかないと思っています。

[大都市問題への対応]

 自民党の大都市問題に関する検討プロジェクトチームが27日、橋下市長が指摘する大都市における府県との二重行政の解消に向けた特別区設置の議員立法骨子案をまとめ、報道にも取り上げられました。このPTには私も参加し、道州制も視野に入れた積極的な分権改革を具体的に主張させていただいています。
 自民党は地方だけの政党ではないし、改革をあきらめてもいないということをきちんと示していきます。

[原発問題の将来へ]

 厚労省が20日に示した食品に含まれる放射性セシウムの新しい規制値は、飲料水でキロ当たり10ベクレルとかなり厳しいものですが、私や大塚拓前衆議院議員たちが茶の基準値に関して訴えた「肉や野菜などと同様の、生葉や荒茶の状態でキロ当たり500ベクレルとすることはおかしい」という主張は取り入れてもらえたと評価しています。ただ、まだきちんとした測定や品質管理が必須のレベルですので、引き続き検討を重ねて参ります。

 原発被害への政府や東電の対応のまずさが浮き彫りになる中、今後の原子力行政や補償のあり方を引き続き検討しなければいけません。徐々に提出されているストレステストの検証も含め、事務局長を務める党エネルギー政策議員連盟で取り上げていきます。フランスでも原子力政策の転換が叫ばれる中、国際的なスタンスも含めた自民党のあり方をきちんと示せるよう全力を尽くします。

 今年もあと一日で終わりです。昨年の大晦日、今日の状況を誰が予測したでしょう。
 来年は日本にとって、地域にとって、何より一人一人の暮らしにとって、よりよい飛躍・転換の一年となりますことを心からお祈り申し上げ、併せて自らの一層の精進をお誓い致します。どうぞよいお年をお迎え下さい。

≫平成23年12月25日

[毅然とした姿勢は不変]

 北朝鮮の金正日総書記の死去が大きな不安を駆りたてています。

 後継者の正恩氏の経験が浅く、国内の貧困問題も深刻化していることなどから、大きな体制変革があるのでないかとの観測も流れました。しかし中東などと違い、国内で徹底的な思想教育と軍部の監督が行われていることや、北朝鮮の政変で大量の難民が流入するのを恐れる中国が強烈に援助と統制を行っていることから、当面の混乱は回避されているようです。
 正日氏の死去の対外的な発表を遅らせて正恩氏への指導体制の移行の準備をし、一部報道では(国威発揚のため危機や指導者交代の際打ち上げられるとされる)ミサイルの日本海への発射も19日午前にあったとされたことから、私もいち早くツイッターなどのコメントで「北朝鮮は変わらないのでないか」と見通しを述べさせていただきました。もっとも、国威発揚を狙い、最近の米韓の融和的姿勢に付け込んで、一定の対外的強硬策に出る可能性は否定できません。

 こうした時期に超党派の国会議員が「日朝関係改善のため」と称して訪朝を企画し、今日本が示している北朝鮮による拉致や核の問題に対する厳しい姿勢にほころびを見せる動きがあることには断固反対です。これまでの経緯からして、北朝鮮は融和的な対応には増長し、懸案事項の解決は遠のきます。むしろ日本は米韓と、北朝鮮の民主化に向けた連携をきちんと確認していかなければいけません。

 さらに不安なのは(中・韓にも物を言えない)野田政権の危機管理体制です。総理は正日氏死去の北朝鮮の正午の放送の当日19日、事前に情報をつかみながら一旦は新橋の街頭演説に行こうとして引き返す羽目になり、警察責任者である山岡国家公安委員長に至っては放送まで情報が伝わっておらず、地元栃木から午後一番に開催された総理官邸の関係大臣安全保障会議に間に合わなかったという体たらくです。
 関係省庁からの情報を確認すると、役所は山岡大臣を危機管理の責任者としてではなく、関わってもらったら迷惑な存在として捉えていることが浮き彫りになりました。北朝鮮に対してだけでなく、今の野田政権に対しても毅然とした姿勢が引き続き必要であることを実感しました。

[首をかしげる予算]

 年明けには2.5兆円規模の平成23年度第4次補正予算が、そして過去最悪の49%の国債依存率となる90.3兆円の平成24年度予算が、相次いで国会審議を迎えます。

 民主党内には消費税率引き上げ反対グループが増税の前に一層の行政改革をするよう求めていますが、これらのグループも含め、自動車課税の抜本改革のプランは示されず、社会保障の全体改革も先送りとなっています。
 これに対し、炭素課税の改革や、高齢者・高額医療の効率化・増え続ける生活保護と年金制度の見直しなど、きちんと自民党として訴え、総崩れとなった民主党マニフェストの総括・撤回の要請と合わせて通常国会へと臨んで参ります。無論、公務員改革や議員定数見直しなどについても党内議論を活発化させていきたいと思います。

 民主党の離党議員のニュースが報じられていますが、この動きは今後活発化するかもしれません。

[年末年始も全力投球]

 自民党の憲法改正推進本部に起草委員会が立ち上がり、私もメンバーとなって逐条審議など精力的な活動をしております。衆議院の憲法審査会に反映し、新しい日本を作る土台となるよう頑張ります。
 安愚楽牧場プロジェクトチームでの預託法の改正の検討も、臨時国会閉会後にきちんと作業を続けています。また、オリンパスへの強制捜査を受け、年明けに党の企業統治に関する合同会議を活発化させるための準備も進めていきます。オリンパスの職員にかん口令が敷かれているとのことで道はまだ遠いと感じますが…
 他にも、法テラス拡大議員立法、修習生の給費制問題など、課題山積の厳しい中、先日は応援して下さっている地元女性の会である「しばざくらの会」のバスツアーを実施していただき、一服の清涼剤とも言えるとても楽しく有意義なひと時を過ごすことができました。参加された方々に心からお礼申し上げます。

≫平成23年12月16日

[自民党エネルギー政策議員連盟提言たたき台]

 前回のこの欄で紹介したとおり、自民党エネルギー政策議員連盟が活動を再開し、党のエネルギー政策に反映してもらう提言案を検討しています。代表世話人の一人である河野太郎議員(他の代表世話人は世耕弘成議員・西村康稔議員・牧島かれん支部長)はインパクトのある提言案を出さなければ現状は変わらないと主張しておられます。

 以下、河野議員の骨子案を紹介しますが、年明けに様々な有識者と議論していきたいと思います。

● 商業用原子炉の新増設は今後、行わない。
● 運転開始後40年を経過した原子炉は廃炉にする。
● 現在国内にある原子炉(54基)の中で、電力の安定供給のために必要な原子炉数を特定し、その他の原子炉は安全性の問題の大きいものから順次廃炉にする。
● 原子力安全庁は三条委員会として新設する。
● 原子力安全基盤機構は原子力安全庁に統合し、また、核、放射能関連事業を行っている中央官庁の部門も原子力安全庁に統合する。
● 原子力関連予算を整理統合し、再生可能エネルギーやスマートグリッドの普及拡大、シビアアクシデント対応および高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の中間貯蔵と最終処分の予算にその大部分を組み替える。
● 環境関連法令の適用除外を削除し、原子炉由来の環境汚染について環境省も所管する。
● 全ての原子力発電所および関連事業、使用済み核燃料およびその最終処分責任を電力会社から国に移管する。
● 電力会社の地域独占を廃止し、電気事業を自由化する。総括原価方式は速やかに廃止する。
● 電力会社の配送電部門を分離独立させ、送電網会社を設立する。送電網への発電会社からのアクセスの平等性、公平性を担保する。
● 東京電力には公費の追加投入をせず、債務超過になった時点で破綻処理を行い、一時的な国有化を行う。ただし、燃料の購入その他事業の継続に影響が出ないように資金繰りは政府が全面的に責任を持つ。国有化後に、発電部門、配送電部門、福島第一・第二原発処理部門に三分割し、発電部門、配送電部門は再上場する。
● 高速増殖炉は、全ての原子炉がフェードアウトされる時期に実用化が間に合わないので開発を中止する。
● 「もんじゅ」を廃炉にする。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。「もんじゅ」に替わる国の研究施設を地域に設立する。
● 六カ所再処理工場は稼働させずに廃止する。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。再処理工場に替わる国の研究施設を地域に設立する。
● 再処理を前提とする現行の特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を改正する。
● 日本が保有するプルトニウムを国際管理に移管する。
● 使用済み核燃料の原子力発電所内での乾式貯蔵を始める。
● 使用済み核燃料の乾式貯蔵による長期中間貯蔵施設を建設する。
● 日本原子力研究開発機構を改組し、福島原発の廃炉管理、放射性物質の除洗技術の開発、使用済み核燃料および高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性物質の半減期をより短くするための研究開発を実施する。
● 原子炉の輸出に関する政府の支援は行わない。
● NPTに加盟していない国との原子力協定を速やかに破棄するとともに、NPTに加盟していない国々に対するいかなる原子力関連物品、サービスの提供を禁止する。
● 企業の生産性と国民生活の利便性を損なうことなく、2020年までに国内の電力需要量20%削減、2050年までに国内の電力需要量40%削減を目指した省エネ目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。
● スマートグリッド導入に関する検討を進め、必要な法令改正を実施する。
● 再生可能エネルギーの固定価格の買取制度を充実させる。再生可能エネルギー普及のための規制緩和並びに法改正を速やかに実施する。
● 2020年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の20%をまかない、2050年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の50%をまかなうための導入目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。
● 国内の周波数問題の解消に向けての戦略を定める。
● 高圧直流電線によるアジアグリッドの研究を進める。

 皆様からも是非ご意見をいただければと思います。

[企業統治の曲がり角]

 一昨日、私が立ち上げた党の法務・財務金融・経済産業・企業資本市場法制PT・企業会計小委員会の合同部会に、オリンパス元社長のM.C.ウッドフォード氏がお見えになりました。

 今のオリンパスの役員は全て交代するべきだし、過半数の取締役を社外から選ぶべきだと言い、監査役の改革・監査法人のローテーションシステム・株の持ち合いの解消にも言及するなど、厳しい指摘をする一方で、自分には愛社精神があり、中堅以下の従業員は信頼しているということ、臨時株主総会での敵対的な委任状争奪戦(プロクシファイト)はなるべく避けたいし高山社長とも話し合いたいということ、不振のカメラ事業を含め、コア事業の切り離しや売却(スピンオフ)は行わないということなど、注目すべき発言もされています。来日中にお会いになる株主がどのように受け止めるか注目するとともに、自民党としても引き続き有意義な企画やあるべき国際的に納得される企業ガバナンス制度の提言取りまとめを加速させねばと決意を新たにしました。

[メッセージを明確に]

 これからはあらゆる場で(責任ある)明確なメッセージを発出していきたいと思います。この11日には松下政経塾でシンポジウムのパネラーとなり、国会改革について密度の濃い議論ができました。他にもテレビ番組出演や取材の依頼もいただいていますが、きちんと逃げることなくお受けしていく所存です。皆様の忌憚なきご意見をお待ちしています。

≫平成23年12月8日

[会期が終わっても政局は続く]

 明日で臨時国会は会期末を迎えます。

 時代は変わりました。私たちが与党の時は、与党はなるべく多数の案件を処理するため会期の延長を求め、野党はそれに反対するという構図でしたが、今の与党は国会が長引くと様々な問題の追及を受けるので、率先して国会を閉じようとします。公務員の給与改定や労働基本権の問題も、原発やエネルギー政策の今後の方針も、年金制度の抜本見直しを含む税と社会保障の一体改革の議論も、TPPの集中審議も来年に先送りです。

 そして明日は職責や沖縄問題にあまりに自覚のない一川防衛大臣と、マルチ業者との不明朗な関係や選挙違反・論文盗用などの疑惑が持たれている山岡消費者担当大臣の参議院での問責決議が想定されています。可決されれば更迭なき限り政権運営は極めて困難となるでしょう。しかも来年の消費税率引き上げをめぐって、小沢元代表のグループが反対の署名を集めだしたと報道されています。
 年明け、政局は(解散を含め)何があってもおかしくありません。

 自民党法務部会長としても、刑法の改正(一部執行猶予制度の導入)などは与野党協力ができたものの、司法修習生の給費制をはじめ法曹養成制度の見直しや、被災地の相談ニーズにこたえる法テラスの充実などは時間切れとなってしまいました。
 議員立法を準備していた補助金や審議会・不要な法律などのサンセット(終了)法案も来年に持ち越しです。

 この政権のままでは本当に重要な政治課題は進めることはできないのだと確信しました。このような中で自民党内でも様々な勉強会が立ち上がり、政局の中で次の核になるような動きを見せています。私は自らの信念で、動く時には必ず動きます。今はあえて我慢の時。あるいは「小動き」の時。

[それでも進む案件]

 党のオリンパス問題合同会議に出席していただいた第三者委員会の甲斐中辰夫委員長の今日の報告は大変衝撃的でした。監査法人が会社の頑強な不正の前に屈する構図。また、私の質問に対して、損失隠しに関わった大手証券元社員や外国人などの協力者周辺に会社の資金71億円が流れた可能性があると答えていただきました。こうした事柄がこの会社だけの特異な事例だとは思えません。必ず党として今後の再発防止策をまとめ上げねばならないと確信し、素案作成にかかりたいと思います。

 エネルギー政策議員連盟の活動も再開しました。今後の再生可能エネルギーの普及に向けたシナリオや数値目標を政府や党の正式機関をリードする形で来年初めに示していくことができればと思います。また、河野太郎議員とともに、再生可能エネルギー買取法案にある調達価格等算定委員会の委員人選が果たして買取り促進という観点から妥当なのか問題提起を行い、メディアにも取り上げていただいています。

 衆議院憲法審議会での審議もスタートし、委員として、憲法改正や国民投票についての課題について積極的に毎回提言を積み重ねています。

 女性宮家創設の動きや領土問題への鈍い対応などについてもしっかり議論を行っていくつもりです。

 しかし残念ながらいくら日々努力を重ねても、それが一般の方に伝わりにくいのが現状です。こうしたインターネットを通じた情報発信や明日も予定されているシャドーキャビネットの街頭演説、各種シンポジウムなど少しでも多くの機会を活用し、私たちの考えを伝えていきたいと思います。また、未定の政策方針についてしっかり政府案への対案を示せるよう、全力を尽くす所存です。

≫平成23年11月29日

[維新ショック、目覚めよ自民]

 大阪維新の会が、既成政党候補を府知事選・市長選で破ったことが波紋を呼んでいます。

 私は副幹事長でいた時から、二大政党は政策で区別されるべきであって、組合主導の民主党と違い自民党は行政改革を遂行する維新の会と関係改善を行うべきであると訴えてきましたが、地方の問題であることからなかなか執行部全体の危機意識になるに至りませんでした。

 確かにこれまで、新規政党や知名度のある首長は、一過性のブームを呼んでもそれが長続きすることはなかなかなく、「結局は自民党」ということに落ち着いてきたのは事実です。しかし先進国で右肩上がりの時代が終わり、次々と国家財政の危機が明るみに出る中で、「頑張る人に光を当てて、その足を引っ張る既存のしがらみを改革していく」といういわゆる経済保守をより明確に打ち出す考え方を取る政党が各地で支持を集めて連携し、閉塞感を打ち破りたい国民の要求をとらえて、自民党に代わって民主党に対抗する大きな勢力に成長する可能性は決して否定できないと思うのです。

 ブキャナンやワーグナーの「赤字財政の政治経済学」で述べられたとおり、有権者の目先の支持を得ようとすればどうしても「高福祉・低負担」のマニフェストで痛みを伴う改革を先送りにし、選挙戦を有利にしようと思いがちです。民主と自民がこれを競い合う限り、私は自民党の未来はないと思っています。自民党に必要なのは、永遠に政権を取るために曖昧で甘い政策を掲げることではなく、有権者が改革をしなければいけないと思った時にその筋道をきちんと示せる政党であることなのです。せっかく民主党の前原政策調査会長が「維新の考え方と民主党の考え方は違う」と言ってくれたのですから、自民党がそれに対抗する考えを示し切れなかったことは返す返すも残念です。

 無論橋下さんの考えに全て同意しているわけではありません。大阪都や中京都を言うなら、他の政令指定都市の二重行政は一体どこまで解消すべきなのか、道州制や民間との役割分担など国政のあり方も含めた広範な議論が必要だと思います。今になって各政党が選挙に勝った維新の会と競って連携する動きを見せていますが、ここは逆に冷静に、地方分権や郵政の問題をはじめ、改めて自民党の基本的な考え方をきちんと固め直す時だと思っています。そして議員や支部長の顔ぶれももう一度精査してみる必要があるのではないでしょうか。

 明日は自民党の全議員・支部長懇談会。最近の党支持率不振や見えない党改革も含め、厳しい意見が出そうです。

[地道に発信し続け、ぶれない]

 私は基本的に初当選以来基本的なスタンスは変わらず、地道に発信し続けているつもりです。25日にグロービス経営大学院が開催した「日本のビジョン『100の行動』シンポジウム」に与野党議員6名で出席した時にもそうでした。来週もBLOGOSの企画にお呼びいただいていますが、引き続きあらゆる機会で全力を尽くす所存です。

[安全な狭山茶を多くの方に!]

 地元ブランドの狭山茶が引き続き放射線の風評被害に悩まされていることから、国の(他の食品と飲料を区別しない非科学的な)暫定基準値のきめ細かな見直しをお隣の大塚拓前衆議院議員とともに厚生労働省に訴える一方、所沢駅頭で27日午後実施された地元青年会議所主催の試飲PRキャンペーン活動に参加しました。現在店頭に並んでいる商品は今の暫定基準値についても自主検査でクリアしている安全な物なので、是非多くの方々にお求めいただけるよう改めてお願いする次第です。

≫平成23年11月19日

[ガバナンスを取り戻す時]

 前回のこの欄で「市場の信頼が失われる中、新しい取組みをスタートさせたい」と書かせていただきましたが、早くも党内で実現の運びとなりました。

 私が部会長を務める法務部会と、財務金融部会、経済産業部会、企業・資本市場法制プロジェクトチーム、企業会計小委員会の合同会議で、オリンパス問題を取り上げ、企業統治(ガバナンス)や監査制度の問題点について検討することとなったのです。

 大王製紙の巨額不正融資や東電・九電などの不祥事、巨人軍の内紛も、やはりガバナンスの問題を露呈したものと言わざるを得ません。せっかく復興を軌道に乗せようという時に、「やはり日本企業や市場は信頼できない」というメッセージを海外に発信することは大きなマイナスです。

 オリンパスにおいてはウッドフォード元社長が不透明なM&Aを告発して解任されたことで、菊川前会長のワンマン経営ぶりと、巨額の架空資産の計上を監査法人が指摘しないまま交代したという異常さが明るみに出たわけですが、党の合同会議ではこうした事態がなぜ生じたか、今後起きないようにするにはどうすればよいか、白熱した議論が続いています。青山学院大学の八田進二先生にも来ていただきましたが、今後とも実態の真相に迫るとともに提言をまとめていきたいと思います。

 民主党でも、社外取締役の選出を上場会社に義務付けたり、会計監査人の地位の独立性を強化するなどの改善案が検討されているようですが、私たちはそれだけでは終わりたくありません。仏とそれにいれるべき魂を共に形作ってこそあるべき提言だと思っています。

 本来不祥事を指摘すべき場所はどこなのか?内部で握りつぶされないためには(公益通報制度の活用も含めた)検討が必要でないか?監督すべき者が内部に詳しいことと独立であることは二律背反でないか?過去の不祥事は風船爆弾のように受け継がれていくものでないか?
 しっかり本質に迫った議論を行います。

≫平成23年11月8日

[始まった予算委員会]

 昨日から衆議院の予算委員会が始まっています。

 私も本日トップバッターに立った自民党茂木政調会長との打ち合わせの中で申し上げた、平岡法務大臣の基地問題へのスタンスや、法務省の今回の第三次補正予算での(本来の目的である復興と関係ない)衛星携帯電話導入のコスト(1台35万円で1274台)や契約形態・必要性など大幅に取り上げていただきました。

 午後質問に立った先輩議員の吉野正芳シャドーキャビネット環境大臣も、昨日私にお話しして下さったとおり、一昨日の上富祭りで私がご一緒した林伊佐雄三芳町長が被災地訪問してお手伝いされ、吉野議員と面談した経緯について予算委員会で取り上げて下さっています。

 私は今回質問には立ちませんが、こうした形で実際の質問に貢献できることは光栄だと思っています。今後とも自分にできることを着実に行っていきます。

[党改革の火は消さず]

 少し旧聞に属しますが、11月1日の朝日新聞の朝刊に「これが自民の生きる道」と題した特集が掲載されました。党改革の必要性と、復興をはじめとした政策の野党としての貢献・発信の必要性につき的確に取り上げていただいたと思っています。今度被災地女川町長選挙に立候補される党青年部の同志、須田善明宮城県議会議員とともに、私の文章も掲載されました。「永田町文化」を粘り強く変えていく必要性や党改革委員会での活動について、多くの方々から共感のメッセージをいただきましたが、正念場はこれからだと思っています。引き続きのご支援をお願い致します。

[引き続き全力疾走]

 管理命令が出た安愚楽牧場のプロジェクトチーム、使命を終えた補助金や審議会などのサンセット(修了)法など、懸案事項も本格的に再稼動しています。市場の信頼が失われる中、新しい取組みもスタートさせたいと思います。地元日程と併せ、引き続き全力で頑張って参ります。

≫平成23年11月4日

[TPPへの自民党の対応]

 つい先ほど、党のTPP検討小委員会におけるインナー会議、その後の平場の外交・経済連携調査会が終了しました。

 私はこの欄で述べてきたとおり、米韓FTA(自由貿易協定)が締結され、日本が貿易立国の観点で不利な立場となる中で、どのような政策をいつまでに取るのかきちんと決断すべきことを訴えて議論に加わってきました。
 しかし残念なことに、政府からの情報は極めて乏しいものでした。まずTPPのメリット・デメリットについての各省の試算がバラバラで統一のためのすり合わせすら行われていない。医療・労働など各分野における規制緩和についても正確なことがわからない。「聖域なき関税ゼロ」が前提となる中でどうやって日本の国益を賭けた交渉が機能するのか、それに費やす財政措置がどれくらいなのかも不明確。これでは決断のしようがありません。私はJAからのTPP参加反対の署名依頼に対し、「日本の主張がきちんとできる環境ができないなら」という条件の一文を添えたうえで協力することにしました。

 交渉日程等について政府の説明がぶれたことも私たちの不審を招きました。予備交渉はもう期限が切れるとか、米国が自由貿易を重んじる共和党政権にでもなったら日本の条件交渉はより厳しくなるとか言われていましたが、米国の手続を考えると元々交渉にはあと1年以上が必要だということがわかったのです。

 党での今日のとりまとめでも、このような状況下では、民主党政権が目指す今度のAPECにおけるTPP交渉参加表明については反対だ、という結論となりました。おそらく党の正式方針になると思います。

 ただ、私の「反対するだけではいけない。対案を示すべき。」という訴えは取り上げていただきました。様々なEPA/FTA、地域協定のメリット、デメリットを検討し、メリットの大きなものについては積極的に推進すると共に、これによって打撃を受ける分野については必要な国境措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じていくことを、引き続き追求していくこととされています。ASEANと6ヶ国などの枠組みで行う経済連携などが想定できると思います。

≫平成23年10月27日

[奇跡の当選]

 23日投開票の所沢市長選挙では、自民党推薦の藤本正人候補が、現職・民主党支持の当麻よし子候補をわずか1,626票差で抑え、38,655票をもって初当選を飾りました。

 先輩衆議院議員の並木正芳さんが無所属で立候補し、保守分裂となる厳しい選挙でした。知名度・実績のあるお二人に競り勝ったのは、藤本さんの「震災を経て絆が必要な時代に変わった。所沢も変わらなければいけない。動け、所沢!」という熱い思いと49歳のパワー、その思いを達成するために人づくり・コミュニティーの再生を通じて教育やお金のかからない福祉を充実させていくという、シンプルだけれど骨太の主張が、多くの方々の共感を得たことが大きいと思います。また、市議会議員の方々や同僚県議の方々をはじめ、応援してくださる方々が懸命に支持の輪を広げていただき、雪だるま式に盛り上がりが出てきたことを肌で感じることができました。党本部からも、片山さつき、佐藤ゆかり、山本一太、石破茂各議員にお入りいただきました。

 山本議員が「柴山さん、これは勝っても負けても1,000票台差の大接戦だよ。最後まで頑張って!」と励まして下さったとおりの結果でした。浮動票が多いと言われる都市部で、しかも保守分裂の逆境の中、民主党の2期目に向かう現職に勝てたのは奇跡的であり、大きな意味があると感じています。

 しかしこれからが市も国も正念場だと思います。市長ともども謙虚に皆様の声に耳を傾け、職務に一層真剣に取り組むことをここにお誓い致します。

[休む間もなく臨時国会]

 金曜日から始まった臨時国会では、大臣所信あいさつとそれに対する委員会質疑が始まっています。私も市長選直後疲れの癒えぬ中、懸命に衆議院法務委員会で影の法務大臣として、平岡大臣に1.5時間にわたり質問をぶつけました。この欄で書かせていただいた修習生の給費制、取調べの可視化、人権救済法案といった政策論議に加え、大臣の政治姿勢や死刑への取組み、北朝鮮と親密とされる「市民の党」との関係など、適格性の部分にまで踏み込んだつもりです。理論で詰めるやり方を目指し、おかげさまでかなりの反響をいただいています。

 大臣はこれまで、基地反対運動への従事、死刑制度・領土問題への消極性、外国人地方参政権・人権救済法案への積極性に見られるとおり革新的行動が色濃く、たびたび話題となることがあったのですが、閣僚になったら途端にこれまでの主張を封印し、厳しい質問には逃げを繰り返しています。有権者は一体何を信じて政治家を選べばよいのでしょうか?

 二重ローン問題もようやく民・自・公三党の実務者協議がまとまりそうです。衆議院に東日本大震災事業者再生支援機構法案がやって来てからは私はあまり担当交渉には入りませんでしたが、今回、この機構と既存の各県の投資事業有限責任組合を並存させる方向です。機構の業務範囲は担保土地そのものを取得しないなど若干窮屈ですが、対象事業者範囲は両機関で補完して幅広く救うこととし、一定のニーズには応えられるものになると思います。
 全国銀行協会も、当面新債務が発生しない仮設住宅入居者についても個人版私的整理ガイドラインの運用対象に加えるなど、努力を重ねているようです。

 前回のこの欄で主張したとおり、難しいTPPの議論も、林芳正政調会長代理の下に設けられた検討小委員会で集中的に行います。ヒアリングや意見交換を通じて何とか方向性が出ればよいと思いますが、的確な情報が少なくて大変です。日本の国益を賭けた外交交渉がきちんと機能し、メリットを得られるのかしっかり見極めて参ります。

[情報発信の場]

 この他、エネルギーや安愚楽牧場の問題、党や国会のあり方について本格的に活動していきます。取材をいただくことも多いので、ブログ(最近少し少なめですが)やtwitter,Facebookなどと併せてしっかり情報発信していきたいと思います。24日付の北海道新聞では超党派国会改革の動きが取り上げられています。ご覧いただければ幸いです。

≫平成23年10月15日

[影の法務大臣拝命]

 自民党の改造人事で、法務部会長兼影の法務大臣を拝命しました。

 三次補正予算や瓦礫処理に伴う法律問題への取り組みなど、震災関連の案件もありますが、人権救済法案への対応、司法修習生の給費のあり方や司法試験・法科大学院・法曹人口など法曹養成の仕組みの見直し、子供の連れ去りを規制するハーグ条約への対応をどうするか、取調べの録画・録音をどう進めるか、入管行政のチェック等々、案件が山積しています。
 平岡法務大臣の死刑に対するスタンスなどもきちんと質していかねばなりません。

 併せて、今回副幹事長は引かせていただくことにしました。

 私は幹事長室では、自民党が信頼回復するためにどうすべきか真剣に議論させていただき、党改革実行本部の事務局次長として中間提言の取りまとめと谷垣総裁への提出に尽力しましたが、その後塩崎恭久党改革委員長の辞任もあり、この提言をフォローする動きがストップしています。参議院をはじめとする人事のあり方も、私たちが提言した改革の方向と逆行しているようにしか見えませんでした。

 しばらく運営に関してはお休みをいただき、政策面で「自民党はこうする」というものをきちんと打ち出すことに注力しようと考えたのです。

 この間の心理の葛藤については取材を受けましたので、後日新聞で紹介されることになるかもしれません。しかし長い目で見れば、私は必ず自民党は国民の信頼を取り戻す政党に生まれ変われると思っています。

[エネルギー、TPPで方向を打ち出せ]

 民主党は三次補正や来年度予算の財源ばかりでなく、原子力発電を含むエネルギー政策をどうするか、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加をどうするかでなかなか方針を打ち出せずにいます。

 自民党はこのような民主党に代わり、積極的に議論して方向を打ち出すべきではないでしょうか。

 折しも党総合エネルギー政策特命委員会の企画で、発電を開始したばかりの川崎浮島発電所、バイオマス発電所、東芝府中事業所のスマートコミュニティーなどを視察し、現在の再生可能エネルギーが直面する課題や今後の技術開発の方向性について大変有用なヒントを得ました。
 また、私の高校の先輩の日本原子力学会幹部の方の講演・質疑応答からも、現在の原子力規制機関に専門的知見がないことや、原子力災害対策特別措置法の政治介入のあり方の問題、津波の研究費を出しているのが電事連だったり情報の適切な開示を責任を持って行う仕組みが欠けていたりすることの問題など多岐にわたる示唆が得られました。

 こうした知見を、私が事務局長を務める自民党エネルギー政策議員連盟の提言などに生かし、あるべき方向性を打ち出していきたいと思います。

 TPPについても、WTOラウンド協定との違いや、他国の動向など、国民への情報があまりに乏しいと思います。米韓自由貿易協定(FTA)が締結され、日本が貿易立国の観点で不利な立場となる中で、どのような方策をいつまでに取るのかきちんと決断することが必要です。

 取材に対しても言ったのですが、与党案が出るまで何もしないでおいて、こそっと反対案を取りつくろうようなことがあってはなりません。頑張っていきます。

[告示を明日に控えて]

 所沢市長選挙の告示が明日に迫りました。自民党が推薦する藤本正人候補予定者は、出遅れを若さと勢いでカバーすべく懸命に頑張っています。私も選対本部長としてベストを尽くし、隣市(川越・入間・狭山)に遅れをとっている現在の市政を転換すべく頑張り抜きます!!

≫平成23年10月7日

[それでも重い腰]

 野田総理が朝霞市の公務員宿舎予定地を視察し、5年間の建設凍結を決定したことに波紋が広がっています。

 蓮舫大臣も予算委員会で建設を容認したのに、世論を意識して方針を撤回。しかもわざわざ現地に公費を使って視察に行ったのはパフォーマンス以外の何ものでもありません。
 首都圏に宿舎が余っているならそれを有効活用したり、それで不便なら民間住宅入居者への家賃補助をしたりして、当該土地は売却すればよいという声も出ています。それに対する説得的な説明をするべきではないでしょうか?

 原発事故への対応も未だ不十分です。

 私の地元の隣市入間市で、狭山茶の製造・販売業者が破産したという報道がありました。この一ヶ月で売り上げが半減したとのことで、東京電力や国の迅速な救済策がとられなかったことも大きな一因であると思います。東電はリストラを実行して賠償の原資を捻出するという方針ですが、経営陣の責任や、株主・債権者などの負担は今後どうなるのでしょうか。県は茶関連業者への新規融資や返済猶予への円滑な対応を求める通知を農協や県内金融機関に出しているようですが、こうした取り組みへの国のバックアップはどうなるのでしょうか。

 様々な議論をしたくても、国会は復興特別委員会の閉会中審査を除き、9月末をもって閉じられてしまいました。何とか今後自民党の中で、政策に携わるセクションにつき、野党ながらしっかり対応したいと思います。

[安愚楽牧場への本格調査]

 私たち自民党が政党の中で唯一プロジェクトチームを作り、被害の実態解明と政府対応の促進を訴えてきた安愚楽牧場問題で、消費者庁がようやく本格的な調査に乗り出しました。

 会社が自転車操業だったにもかかわらず高配当の誇大広告を出していた可能性があり、景品表示法違反の疑いがあるからです。
 他にも様々な問題があると思われ、私たちプロジェクトチームはこれからも関係者と連携してあるべき解決や立法を目指していきます。

[小沢元代表の法廷での主張]

 昨日東京地裁で、民主党小沢元代表の陸山会事件での初公判がありました。

 小沢氏は今回の捜査につき、権力の乱用だと強く非難し、一切罪になることはないと言っています。しかし元秘書の裁判では一審ながら有罪判決が出ているのであり、「権力の乱用」などと言うのは行き過ぎでプラスにならないように思います。また、一切罪になることはないと言いつつ、問題となった土地購入の原資は「色々調べられているからそちらで確認したらどうだ」と言っているのはどういうことなのでしょう。「説明は裁判でする」と国会での証人喚問を否定しながら「裁判はすぐ中止すべきである」と言っているのも納得できません。

 この裁判は有罪か無罪かもそうですが、プロセスそのものが様々な注目を集めることは必至でしょう。そして民主党や所属各議員がどういうスタンスを取るかが、まさに政治改革のバロメーターになってきます。
 公共工事を発注するに際しての「天の声」に小沢元代表が関わったのか、小沢氏の関係政治団体の資金の流れが同氏の力の源泉になっていたのではないか、今後しっかり注目していきます。

[台湾への感謝を込めて]

 10月9日から2日間、中華民国建国100周年祝賀自由民主党訪華団の一員として台湾を訪れます。日本に対して友好を示し続け、今回の震災の際にも多大な支援をされた台湾で、総統や立法院長とお会いして感謝の意思を示すとともに、次世代リーダーたちとの意見交換を通じて絆を深める所存です。9日は地元で所沢祭りがありますが、午後から羽田に向かうことになります。

 地元の所沢市長選挙もいよいよ準備が本格化しつつあります。こちらも全力で頑張っていきます。

≫平成23年9月29日

[何も決まら内閣]

 待ちに待った国会がようやく実質的にスタートし、週末にはもう閉じてしまいます。

 野田総理の答弁を「安全運転」と評する声もありますが、総論だけ話して問われたことに答えない事例が多発しており、これは「(総理への代表質問の際にあった)答弁漏れ」と表現した方が近いと思います。各大臣もこちらの質問に対し「検討する」のオンパレード。平岡法務大臣の基地問題での逆ギレや、山岡消費者大臣の自らのマルチ問題での答弁などはもうコメントできません。

 政府だけでなく民主党も重要事項を決められません。前回のこの欄で予告したとおり、党の税制調査会で今後予算を組むにあたってどのように財源を確保するかが大揉めです。

 いったんは増税幅を11.2兆としながら、税外収入でもう2兆円が浮くと言ってのけています。が、例えばJT株の売却益にしても、たばこ税の引き上げが示され被災地を含めた葉タバコ農家がその影響を不安視している状況の中でどれだけ見込めるかは不透明です。

 公務員住宅の売却にしても、事業仕分けで見直し対象になっているはずの代替施設朝霞公務員住宅の建設を、震災後という厳しい財政状況にもかかわらず十分なプロセス・説明もなく復活させるとしたり、労働問題があるのに公務員の人件費削減ができると言ったり、とにかく方針が不可解です。特別会計はどうなるのか、選挙制度や議員定数はどうするのか、私たちは既に提案を準備しつつありますが、民主党がまとまる気配はありません。
 ましてや所得税・法人税などの基幹税増税について、左右の乖離が著しい党内がまとまるはずがありません。(それでも無理にやれば、個々の議員は「私は反対したが執行部が勝手に決めた」と言い訳するに決まっています。)

 ちなみに消費税率引き上げについては今回議論の対象となっていません。確かに復興目的に使うかどうかは問題がありますが、私たちは既に税法の附則に書き込み、昨年の参院選では10%にする方針を明示しています。引き上げ時期としては震災を経て景気動向に配慮しなければいけないと思いますが、野田内閣は「消費税引き上げ実施の際には解散で民意を問う」という菅内閣からの方針を踏襲し、解散を先送りにしたいあまりに、議論さえ封印しているのです。

 与党は責任を与野党協議という形で野党に転嫁しようとしているようですが、まずは目指す国家観(高福祉高負担を目指すのかどうか)を明らかにして閣議決定で原案を示すべきです。

 何はともあれ、私たち野党が提案した、原発事故調査委員会の国会内の設置に伴う国会法改正案が、今日衆議院で可決されたことはせめてもの救いでした。

[陸山会判決を受けて]

 石川知裕議員ほか民主党小沢元代表の三人の元秘書全員が、東京地裁の有罪判決を受けたことは永田町に大きな衝撃を与えました。この問題を予算委員会で質問し、一貫した立場を取ってきた者としては感慨深いものがあります。

 事件は控訴されましたし小沢元代表の裁判もこれからですが、小沢氏には是非部下だった者の有罪判決を受けてどのように考え、行動するのか国民に説明して欲しいと思います。また、石川議員については野党が辞職勧告決議案を提出していますが、石川議員が既に離党しているにもかかわらず民主党はこの採決にすら入りません。(自民党はかつて判決確定前でも、事案によっては同僚だった議員の辞職勧告決議案に賛成したケースがあります。)これも党の表面上の結束がモラルに先立つことの現われでしょう。

 何と言っても判決が、公共工事の「天の声」と利権という古い体質につき、厳しく非難していることが注目されます。

 この判決については、裁判所が自白調書を大量に採用しなかったにもかかわらず客観証拠から事実認定した手法に一部批判が出ています。しかし今後取調べの可視化などが進んで自白の強要をいましめる風潮が広がれば、当然客観証拠や法廷供述が認定に際して重きを置かれることになり、この判決はその一例として位置付けられることになるでしょう。控訴審の展開や小沢元代表の裁判が注目されます。また、共謀の認定が平成15年最高裁判例以降進展していることも見逃せません。私はこの傾向はきちんとした認定がなされる限り、社会通念上是認しうるものと考えます。

[所沢市長選挙について]

 自民党埼玉県連は、この10月23日に実施される所沢市長選挙の候補者として、藤本正人埼玉県議会議員を推薦することを決定しました。藤本さんは既に県議を辞職していますが、是非持ち前のガッツと現場での経験を生かして、勝利目指して頑張って欲しいと思います。しっかり応援していきます。

≫平成23年9月18日

[場当たり的な運営]

 前回のこの欄で、閣僚の様々な問題と今国会がわずか4日間で閉じられてしまうことへの疑問を書かせていただいたところですが、何と土壇場になって急きょ、9月30日までの会期延長が決まりました。

 さんざん批判のある中で与党がわずかその4日前に本会議で採決をしたこと(会期)を説明もなく覆すというのは何とも合点がいきません。野党の結束が思ったより固かったとか、今後の議会運営の円滑を考えたとか報道されていますが、そもそも新首相と新閣僚が決まったのに予算委員会も大臣所信表明もなく、私たちが求めていた二重ローン対策法案や原発事故調査委員会国会内設置法案なども審議できない日程を組んだこと自体が異常としか言いようがありません。民主党の執行部の中も揉めたようです。

 6月の通常国会の会期末には、菅総理の早期退陣・補正予算の早期編成のためいったん50日の延長で切ったうえで速やかに臨時国会を開会するという与野党合意を民主党が反故にしたことから、70日の会期延長に反対しましたが、新内閣が発足した今回は極力会期を長く取るべきです。再延長の主張も視野に入れて国会活動に励みます。

 民主党の政策調査会が自民党同様の事前調査・党内協議を取り入れるようです。しかし、左右大きく分かれた党内で、国会での開かれた議論なく、民主的に意見集約ができるのか極めて疑問です。税制などで早晩矛盾が露呈することでしょう。消費税増税を封印し、所得税・住民税を10年増税するという案で、本当にまとまり得るのでしょうか?

[いよいよ安愚楽牧場問題対策PT本格スタート]

 私が座長を務める自民党安愚楽牧場問題対策PTが15日に初会合を開催しました。和牛商法が問題となり、農水省から特定商品預託法の所管が消費者庁に移った後も、例えば金融商品に見られる損失補てんの禁止、本人確認義務、運用報告書の交付義務、受託者の固有財産との分別義務などがなく、役所の検査監督体制にも問題があったことがわかりました。オーナー側の弁護団長を務める紀藤弁護士からは、安愚楽牧場の経営の問題として、口蹄疫などで資金繰りが悪化したのに高配当を出したり、牛を預かっている農家に餌代を半分にするよう求めていたなどの指摘がありました。引き続き実態の調査や法規制の見直しなどを続けていきたいと考えています。
 本件については16日の日本農業新聞の2面でかなり詳しい記事が掲載されました。

[いばらの道だからこそ]

 日々の活動の中で、苦しいことや、間違った情報が伝わることが多々あります。きちんとプロセスを踏み、誠実に対応するしかありません。いばらの道だからこそ痛みをかみしめながら一歩一歩進まなければいけない。そう感じる今日この頃です。

≫平成23年9月10日

[早速始まった内閣の瓦解]

 野田新内閣の閣僚の相次ぐ失言が問題となっています。

 もともと閣僚の顔ぶれを見て、「この内閣は『適材適所もどき』内閣だ」と取材記者にはコメントしていました。ある分野で目立った発言をした大臣を何人か登用しましたが、小宮山厚労大臣はたばこ税増税をめぐり、これまでの経緯や関係省庁の立場を全く無視した発言をしています。閣僚の一員ではありませんが、前原政策調査会長の武器輸出三原則見直し発言は党内のコンセンサスを全く得ない段階のもので、その発言への信頼を失わせるもの。一方、財務大臣や外務大臣という重要ポストは(役所の言うことをそのまま聞いていればよいと言うかのような)経験不足が指摘される陣容であり、一川防衛大臣に至っては「素人が大臣になることが文民統制だ」と、文民統制の意味を全く履き違えた発言をして物議をかもしました。

 鉢呂経産大臣の「死のまち」「放射能がうつったぞ」発言に至っては辞任ものです。

 あまり議論はされませんが、民主党政権では法務大臣や国家公安委員長など日本の治安の責任者に、これまでコンプライアンスで問題のあった方や左翼活動で逆に取り締まられたりする立場にあった方を据える傾向があるのも非常に気になります。法務行政や捜査の公正を害したり、情報漏洩につながったりするおそれがあるからです。単に「死刑を執行するかどうか」などではなく、国の根幹を揺るがす大問題です。

 党内融和・派閥均衡と論功行賞が実は本質のこの布陣。小泉内閣以前の自民党への先祖返りを見ているようです。民主党の平野国会対策委員長が早々と臨時国会に蓋を閉める理由が「今の内閣は不完全で十分な国会答弁ができない」と本音を漏らしたことが全てを物語っています。

[国会が開かれなくても]

 第三次補正予算の編成は10月半ば過ぎということで、残念ながらこの欄でさんざん訴えてきた二重ローン対策法案の検討などは先送りとなってしまいましたが、閉会中でも色々プロジェクトは進めています。一つは私が事務局長を務めている自民党エネルギー政策議員連盟の次なる課題の抽出、もう一つは今月6日に民事再生開始決定が出された安愚楽牧場をめぐる問題の検討です。

 後者については出資オーナーへの負債が4000億円を超える大規模な社会問題となっていますが、これまでの法規制の見直しや、監督官庁の消費者庁への移管の不備の是正、検査体制の確立など、政治的な課題がいくつも出ています。放射線被害や先の台風12号も影響を及ぼしており、悲惨な被害者からのメールもいただいています。

 自民党ではこの問題に対するプロジェクトチームを立ち上げ、私が座長に就任することが決まりました。早速来週にでも会議を開催し、方針を打ち出せるよう取り組んでいきます。

 最近シンポジウムのパネリストの依頼も多いです。この8日には日本弁護士会主催の「女性こそ主役に!災害復興~東日本大震災後の日本社会の在り方を問う~」にて自民党を代表して復興に関する女性の役割と政治の課題についてコメントしましたし、9日と今日10日には、国際会議「第7回ラウンドテーブル・ジャパン(コンサルタント会社スマジャ&アソシエート・フォルマ共催、日本経済新聞社等後援)」に出席するとともに、大学同期の古川元久新国家戦略担当大臣や、公明党の坂口力元厚労大臣と、停滞する日本の政治にあって効果的なガバナンスを達成するために何をすべきか議論します。モデレーターは日経新聞の芹川洋一論説委員長ということで、楽しみにしている企画です。

[所沢市長選挙への対応]

 自民党所沢支部としての所沢市長選挙対応もいよいよ方向性が見えてきました。近々記者発表する機会があると思います。

≫平成23年8月30日

[だまされてはいけない]

 昨日の民主党代表選挙では、当初の予想を覆し、野田佳彦氏が選出されました。

 優勢と見られた海江田候補が「マニフェスト修正に関する民自公三党合意の見直し」に言及し、小沢元代表のスタンスに近すぎて政局の混乱を嫌う議員が出たこと、野田候補が結束を訴えるとともに「この顔ですからすぐには支持率は上がらないでしょうから解散はしません」と明言したことなども影響しているでしょう。

 極めて内向きの論理による選挙で、しかもこの欄で主張した「開かれた政策本位の選挙」にも程遠いものでした。

 ところで野田新代表は「自民党には101回でもプロポーズする」「三党合意は守る」と一見低姿勢に自民党との連携を目指す考えを示していますが、党内に配った自らの「政権構想」と題した紙では「今こそ、マニフェストを含め政権交代の原点に立ち戻る時です」と出だしで宣言し、農林漁業・農山漁村の再生・強化の項では「戸別所得補償制度や6次産業化を通じて進める」と明言しているのです。先般報道された朝鮮高校について「高校無償化」に向けた検討がなされる現内閣の、野田大臣は一員ではなかったのでしょうか。あちらでもよい顔をし、こちらでもよい顔をしようというのは逆に不誠実であり、三党合意と党内融和はもはや両立しない命題であると断じざるを得ません。明確に説明を求めていきたいと思います。

 この野田氏の「政権構想」では円高対策について「日銀の金融政策とも緊密に連携しつつ、為替介入も含め、断固とした措置を講じる」と書かれていますが、為替介入の遅れや無策が批判された当の大臣がよくまあ..という感じです。また、増税先行のイメージを払拭するためか、公務員制度改革を訴えてはいるものの、「時限的」給与カットと明示し、実績評価主義や組合問題を含めた公務員制度のトータルな改革については触れずじまいです。

 だまされてはいけません。この政権は早々に行き詰ります。私たち自民党は復興には全面協力するべきですが、きちんと問題点を国会で正すためにも、時限的にも民主党と大連立を組んではいけません。そして(どうやら提出が10月にずれこむという残念な情報がありますが)第三次補正予算を成立させたら解散して国民の信を問うよう求めていきます。今日午前開催された党の全議員・支部長懇談会でも、大連立に慎重な意見が続出しました。今後とも筋を通すよう行動していきます。
 併せて、自民党への信頼を回復するには、見える形で党改革を実行に移し、我々のビジョンを示さなければいけません。

[所沢市長選挙対応]

 今日自民党所沢支部の役員会で、市長選挙に対するスタンスを協議します。現時点で保守系一本化はできていませんが、支部としての対応をしっかり皆さんと考えます。

≫平成23年8月26日

[本当のことが伝わらない]

 民主党の議員や報道が「ねじれ国会のせいで(自民党が何でも反対するから)物事が進まない」と言うため、地元でもそれを信じる方が大勢います。

 まず震災対応が進まないのは、これは全く自民党のせいではありません。昨日のNHKニュース9がようやく報じたとおり、自民党は震災対応の法案にことごとく協力しているばかりか、民主党の権限不明な組織に代わり復興庁を設立させたり、民主党が機能不全の自治体に負担させようとしたがれき処理の費用を国が支出することとしたりと、被災者のニーズにより合致した対案を出してそれを政府に受け入れさせているのです。自民党が全国から募金や救援物資を集め、被災地に届けたり、現地の豊富なネットワークを用いて557に上る提言を行っていることも忘れてはいけません。

 震災対応がまずいのは、菅政権が、方針を誤って迷走したり自治体や役所とうまく連携が取れなかったり、身内のごたごたで決断ができなかったりしたためなのです。

 ただ、震災以外の案件については、確かにねじれ国会がない時ほどは法案成立率は高くないでしょう。小泉政権の時は内閣が提出した法案はほぼ間違いなく成立していましたから。

 しかし考えてみると、本来国会が様々な利害を反映して熟議や法案修正を行うべきにもかかわらず、単に政府の提案を追認するだけの存在であってよいのか、という問題意識があってしかるべきではないでしょうか?二院制をとっているのは他の先進国でも同じであり、一定の規律によりきちんと国政は運営されています。自民党も国会論戦こそ厳しく行っていますが協力するべき法案は震災関連以外でもきちんと通しており、もう少し国会ルールが整備されれば十分だと思うのです。

 政府が提出してなかなか成立しなかった特例公債法は、これは自民党としてバラまきマニフェストを撤回させずしてこの国難に多額の赤字国債を発行させてよいかという強い危機感を持っていたことから反対してきましたが、民主党との真摯な協議・合意を経て賛成に舵を切りました。
 また、政府の郵政改革法案は、小泉政権下でさんざん議論した郵政民営化の基本的な枠組みを大きく変えるもので、株式の政府の売却に歯止めをかけつつ郵便貯金限度額などの拡大(もともと民主党は逆に縮小を訴えていた)や、郵政関係会社の民間事業への参入を促進しようというもので、それこそ国営巨大民営圧迫企業を誕生させてよいのか、郵政関係者が支持する国民新党の支持を当て込んでいるだけではないかという批判を免れないでしょう。
 公務員の給与引き下げ法案は、一見よいように見えますし、自民党も公務員の人件費削減には賛成ですが、民主党がそれとセットで進めようという公務員の労働基本権の解禁が大問題です。既に最高裁判例で、税金を使っていて市場の歯止めがなく、職務の公共性を有する公務員の労働基本権は制限されてしかるべきという判断が出ていることから、これをきちんと踏まえた検討をしないと大きな禍根を残しかねません。今自民党でもこの案件は精力的に検討を進めているところなのです。

 私は自民党が与党の時代から、与野党議員の有志(8人)で協議した結果、ねじれ国会があるのはむしろ当然であることを前提として、それは国会が単なる政府の追認機関とならないためのよい機会であり、むしろそれを機能させる方策を考えようという結論に至ってそれを中央公論や文芸春秋などの雑誌に共同提言しました。「ねじれ国会だから大連立」ではなく、「ねじれ国会だから熟議の国会へ」という提言でした。

 今回の民主党代表選では、この時の提言メンバーとして馬淵澄夫議員が立候補しています。他の代表候補が安易に(民主党のためには抱きつき戦法が有利ということもあって)小選挙区制度のもとであるにも関わらず民意による選択を無視した大連立を口にしているのに対し、彼だけが「必ずしも大連立は必要ない」と正論を訴えています。私は彼が国交大臣の時、海上保安庁巡視船衝突事件の映像管理に関して予算委員会で追及の質問をしましたが、こうした姿勢は率直に評価したいと思います。

[二重ローン対策法の危機]

 むしろ民主党の抵抗で、野党(共産党・みんなの党を含む)が一致して参議院を通過させた、被災事業者の二重ローンへの対策法が、今国会で成案を見ないという危機が訪れようとしています。私も自民党を代表して実務者協議に参加してきたメンバーの一員として、この状況を深く憂いています。

 この案は、政府機関(私たちは預金保険機構と貯金保険機構を主張)が基本の出資を行い、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構を設立して、そこが被災事業者(農家や医療関係者も含む)からの不良債権買取りを行って減免を行うというものです。これに対して政府側は、既存の中小企業基盤整備機構が中心となって作る投資事業組合(利益を目的とし、しかも中小企業の産業活力増進や再編を促進するための債権買取り)を活用すればよくて特段の法律は必要ないという対応を貫いてきました。

 そもそもこの既存の組織は平時に、しかも違う目的のためにできたもので、今回のように正常な企業が大量に二重ローンで苦しんでいる場面で対応するには全く不十分です。この組合にできたたまり金は1500億円に過ぎず、政府は債権買取り規模は2000億円に予備費を加えた額でよいと言いますが、買取りが必要な不良債権は2兆円とも言われ、到底対応不可能です。

 私たちの案だと新機構は政府保証の借入もでき、安定した基盤のもとで債務者に担保を残したり保証人を開放したりこともできるようになります。相談業務のワンストップや各省庁の協力も明示されます。これに対して政府の案ではこうした仕組みが明らかでなく、むしろ実務者協議では「借入など認めなくてよいのでないか」と言われる始末です。支援対象も既存の仕組みでは農家や医療関係者もカバーするかが明確でなく、そもそも民主党がこの既存の中小企業基盤整備機構を事業仕分けで縮小させておきながら十分な活動を行えるかが保障されません。
 私たちは既に弁護士会や被災地の事業者たちとも相談・協議を重ねており、彼らは野党案の成立を心待ちにしているのです。

 民主党の皆さんには是非多数を持っている衆議院で、私たちの提案を今国会内に成案に導き、被災地の要望に応えていただくよう、心からお願いする次第です。

≫平成23年8月19日

[リーダー選びのプロセス]

 菅総理の退陣表明の後、民主党の代表選がどうなるか取り沙汰されています。しかしどことなく熱気が感じられないのは私だけでしょうか。

 多くの方が名乗りを上げるのはよいと思います。自民党改革の中間提言でも、総裁選の活性化のため推薦人要件の緩和を打ち出しています。では、候補とされる方々がじっくり考えを訴え、絞り込みをされていくプロセスはどうなっているのでしょうか?

 アメリカの大統領選挙では、党の候補者を選出するのに多くの演説会を開き、支持の集計を行い、徐々にスターが絞り込まれるとともに国民の関心も集まっていきます。埋もれていたスターが燦然と輝くこともあります。長い時間をかけ、国民が支持するリーダーが選ばれる結果、強い民意を背景に思い切った政策を実施し、4年間というある程度の期間をにらんで計画を立てることもできるのです。目先にとらわれた甘い嘘を並べ立てるのではなく、高い給付を訴えるかわりに増税は我慢してもらう、あるいは減税を訴えるかわりに給付は絞るという道筋を打ち出し、国民は経済・社会の状況に応じ、またそれぞれの信条に従い、リーダーを選ぶのです。

 民主党ではこのような丁寧なプロセスを踏むことはできません。自民党の一部と社会党の連立でできた政党で「政権交代」を錦の御旗にしていた党ですからそもそも綱領がなく、丁寧な論戦を行えばたちどころに党が分解してしまうからです。ごく短期間の代表選、しかも「政権交代」を実現してしまい、国のあるべき方向性を語れず、甘いことだらけの公約を実行できるかどうかや、自民党との連立をどうするか位しか争点にならないようなプロセスが盛り上がるはずがないではありませんか。

 かつて過渡的に、また政局の流れで、自社さ連立を組んだ時期もありましたが、これからは理念や筋を大切にしてグループを作るべきです。6月、内閣不信任案が提出された菅総理は鳩山前総理との合意の中で「民主党を割らない」という約束をしていますが、もはや時代はそのような姿勢を許さないでしょう。政界再編が必要です!

 そしてしっかり任期を務められ、国際的にも信頼される国のリーダーを、国民が選べるようなプロセスを、私たち若手が中心となって作っていかねばならないと強く感じています。
 もちろん現憲法の議院内閣制ではそれが難しい仕組みであることは充分わかっていますが、仲間たちと知恵を絞っていきたいと思います。

[所沢市長選の動き]

 所沢市長選挙でも様々な動きが出始めています。自民党所沢支部としてきちんとした対応ができるよう、意見集約を図って参ります。

≫平成23年8月12日

[総理が退陣しても]

 昨日、衆議院を特例公債法案が通過しました。

 前回のこの欄で書いたとおり、私は国の借金を積み増すことを容認するには、子ども手当以外のバラまき政策をも撤回させるべきだと幹事長室などで主張し続けていましたが、急きょ自民・公明・民主の三党合意により、高速道路の無料化は来年度の予算から外し、高校無償化と農家戸別所得補償についても来年度以降については政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討することが確定したため、賛成の方針に異存はありません。財政破綻を防ぐ必要もありました。

 しかしまだマニフェストの撤回が確定したとは言えません。幹事長には、きちんと自民党として平場の会でこれらについてチェックし続けるよう要望しました。
 また、基本的な政策や性格の違いがあり、小選挙区で相争った第一党と第二党が、たとえ菅総理が退陣したとしても、震災復興のため全面協力し合うのは当然のことですが、それを超えて一緒になるようなことは国益を損ない、政治の健全性を損ないます。

 谷垣総裁からは「閣外協力にとどめる」という説明がありましたが、民主党代表選の行方も不透明ですので私たちがきちんと筋を通すよう引き続き主張しなければいけません。

[再生可能エネルギー買取法案、修正案まとまるも]

 自民党のエネルギー特命委員会で19回の議論の末、ようやく政府提出修正案が固まり、公明党や民主党とも合意を見ました。

 買取価格の公平な決定プロセスや企業向け軽減措置が報道されていますが、私たち自民党エネルギー政策議員連盟が主張してきた「価格キャップ制の排除」「軽減措置の前提としての使用量等実態調査の徹底」などを盛り込んで再生エネルギーの拡大と経済の両立を、公正を確保したうえで明確にしてもらった点で満足度の高いものとなったと思います。このようなプロセスは今の民主党であり得ないものであり、新生自民党が目指すべき方向性を示すものと言えるでしょう。

 しかしこれで終わりではありません。価格決定の第三者機関の人選がどうなるか、エネルギー基本計画がまっとうに定められるのかなど、私たちの議連でもしっかりチェックし続けます。また、がれきの除染や放射線損害の補償のあり方(とにかくスピードが遅い!)、原子力安全庁の独立性、東電処理のこれからなどについても追及・提案を行っていきます。

[国会終盤の気になる動き]

 郵政改革の見直しや人権救済法案提出など、会期末のどさくさに紛れて気になる動きが出ています。きちんと取り上げて問題を明らかにしていきます。

≫平成23年8月6日

[今政治に必要なこと]

 広島に原爆が投下されてから66年目を迎えます。

 先程実施された平和祈念式典には、いつも朝の勉強会でご一緒する米国ズムワルト公使をはじめ、数多くの海外からの参列者がおられたのが目を引きました。
 今年福島第一原発の事故を受け、総理からどういう挨拶があるのかも注目されましたが、結局「原発を減らしていく」「原子力に依存しないエネルギー政策を目指す」という表現に落ち着いたようです。

 原爆による未曾有の放射能被害に苦しんだわが国が、それを二度と再来させないため核軍縮の議論をリードする立場にあるのは当然のことです。また、原子力という強力なエネルギーの平和利用に大きく支えられてここまで成長してきたものの、そのプロセスや安全性に震災をきっかけに様々な疑問が出てきた以上、その検証をしっかりと行い、今後のエネルギー基本計画も見直さなければいけないのも当然です。

 しかし事実として今日本は30%のエネルギーを原子力に頼っています。これだけ国内産業が危機にひんしている中、今すぐ原子力発電を止められないのはもちろん、定期点検を行うために運転を相次ぎ停止する原子炉の運転再開を全て止めることはできません。私が事務局長をしている「自民党エネルギー政策議員連盟」でも、新規の原子炉立地は(政治的にも)困難であるが、既存の原発は安全性を厳格にチェックしたうえで運転を継続し、耐用年数が経過したものにつき徐々に廃炉としていくという大方針を打ち出しています。

 数十年規模の方針としては、菅総理の発言とほとんど変わらないことになりますが、地下原発を進めようという一部の論者を除けば、おそらく多くの方々がこの方向で一致するのでないでしょうか。脱原発論者が言えば脱原発に聞こえ、これまで原発を推進してきた立場の方が言えば原発の温存と聞こえるという印象の問題です。

 もはや今政治に求められているのは、脱原発かどうかの神学論争でなく、具体的にどういう対策を取るかです。

 自民党に正式機関として設けられた総合エネルギー政策特命委員会では、政府から提出されている再生可能エネルギー買取法案に対し、「ポピュリズムにつきあう必要はない」「エネルギー基本計画を政府が見直してから議論すれば足りることだ」という慎重論も出ています。しかし、再生可能エネルギーの占める割合はわずか1割足らずでその大半が水力発電(ダム事業)であり、ドイツなどが国策として2割まで(今後9年だと3割5分まで)このエネルギーを増やしてきたのに比べて大きく遅れを取っていることを見逃すわけにはいきません。また、原油やメタンハイドレードなどの化石燃料は中国など新興国の急激な需要増加や投機を背景に価格が高騰しており、今年に入ってから電力料金は既に標準世帯で500円上がっているのです。これは原発事故によるものではありません。

 こうした中で再生可能エネルギーのシェアを拡大するのは喫緊の課題と言えるのであって、買取価格をいかに公正に定めるかをより明確にしたり、それが経済や家庭の大きな負担とならないためにどうするかを考慮したりして一定の法案修正をすることは必要となるでしょうが、私は今国会でこの法案を成立させるよう努力していきます。それは菅総理の退陣要件のひとつにこれが入っているかどうかには関係ありません。

 こうした私の立場を、明日7日日曜日午前10時から、BS-TBSで放送されるテレビ番組「政策討論 われらの時代」で訴えます。また、私のコメントが同じく明日7日の朝日新聞オピニオン面「ザ・コラム」で紹介される予定とのことです。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

[特例公債法をめぐる攻防など]

 自民・公明の野党と民主党の合意で、来年度から子ども手当が廃止され、所得制限の基準を年収960万円程度(夫婦と児童二人世帯)とした児童手当の拡充(既存の分プラス5000円。3歳から12歳までは第3子以降の加算が復活することになる。ただし児童手当のない中学生には一律1万円の手当が新設される)がされることとなりました。
 「社会が子どもを育てる」という思想から、所得制限や第3子以降の加算もなく2万6千円という多額の金を財源もなくふるまう民主党の目玉政策はここに終焉を迎えるわけです。

 無論私たちが主張してきた外国の子供の問題、施設の児童や給食費の扱いについても盛り込まれる見込みで、大きな交渉の成果と言えるでしょう。

 しかし、これで与党が求めている特例公債法案をすんなり通せるわけではありません。私たちは農家戸別所得補償など他のバラまき政策も撤回を主張しています。ここでも菅総理の退陣とは関係なく、できるところまでは筋を通すべきと幹事長室で働きかけています。

 民主党は復興を控えた日本の財源の問題や経済・行革の将来を真剣に考えているのでしょうか?
 増税の方針も不明確で、為替介入も余りにタイミングが遅く、経産省のトップ人事も「責任を取る」という名目で事実上の体制温存を図ったものと言えます。保安院のやらせコメントも言語道断です。
 これらは自民党としても難しい問題ではありますが、きちんと立場を定めていかなければいけません。特に法人税の定率増税が経済状況から難しいとあらば、きちんと歳出削減に向けた取り組みを示す必要があります。エネルギー特別会計見直し、郵政株などの政府保有資産の売却、また、私は秋葉議員とともに現在、補助金などのサンセット(廃止見直し)法案の議員立法に向けて動いています。

[韓国の許し難い暴挙]

 自民党の新藤・稲田衆議院議員や佐藤参議院議員が、鬱陵島訪問のため韓国に入国しようとしたところ拒否された事件は両国間の関係に大きな汚点を残しました。

 議員たちは領土問題の正当な調査のために準備をしてきたのであって、決して両国間の関係を壊すことも、売名行為を行うことも目的としていません。何より、日本への韓国からの調査団をこのような形で拒否した例は過去にありません。先方は今回の入国拒否につき「日本議員の安全確保と友好関係への悪影響」を理由としているようですが、主権国ができる言い訳でしょうか。

 日本としては厳重な抗議に加え、今後の日本の韓国に対する入管行政も含め、毅然とした見直しを行うべきだと思います。

≫平成23年7月30日

[正体は枯れ尾花・・・ハードランディングへの恐怖]

 原子力損害につき国が仮払いをする法案と、東電の処理のために原子力損害賠償支援機構を立ち上げる法案が成立しました。

 民主党からは国費が東電の救済のためにどんどん注ぎ込まれ、東電が延々と賠償責任を負いつつ利害関係人の責任を問わないというとんでもない法案が出ており、これを何とか法的処理をさせる仕組みに変えようと同志の議員たち(塩崎、河野、平議員など)や有識者の方々と汗をかいてきましたが、一定の修正はなされたものの玉虫色のそしりは免れず、何とも後味の悪い結末となってしまいました。

 「損害が確定していないので更生法の適用は無理」「東電債の毀損が市場の大混乱を招く」「被災者の損害賠償を確保するには法的破綻を避けるべき」・・・プロパガンダと業界・役所を巻き込んだ猛烈な議員への根回しが続きました。改めて政治の難しさが身にしみてわかるとともに、日本が韓国などにどんどん置いていかれるのは当然だと痛感しました。

 バブル崩壊後、日本は金融危機に際して一部の破綻はあったものの、住専処理など総じてソフトランディング路線を取ってきたといえます。既存の仕組みを温存することは、一面では伝統技術の継承や金融のユニバーサルサービスによる利便性を守る利点がありました。しかしIMF危機や貿易自由化の波にさらされる中、産業の再編と、サムソン、ヒュンダイ、LGなど世界を席巻する企業を生んだ韓国や、急成長を遂げる中国にすっかり遅れを取る結果となっています。

 よいものは残してもよい。ただ、石炭産業や天然繊維が斜陽化したように時代の流れに沿ってどうしても産業の栄枯盛衰は避けられません。そこでいかに伝統や環境を守りながら国益を最大化していくかが私たち政治家に求められているのです。また、いつも言っているとおり「正直者が馬鹿を見ないようにする」公正な社会を実現することも大事です。

 ハードランディングにはどうしても取り付け騒ぎのような恐怖感が伴います。しかしながら、連鎖性の強い金融機関の「破産」と違い、巨大とはいえ東電という事業会社の、しかも更生処理という(事業継続を前提とした)処理を先送りにしたことはやはりマイナス面が大きいと思います。国民負担の最小化と市場の「健全性」「公正性」のために、引き続き全力を尽くしてあるべき処理を目指していく所存です。

≫平成23年7月25日

[世界中の閉塞感]

 なでしこジャパンのワールドカップ優勝は非常に明るいニュースでした。一週間を過ぎても興奮が冷めやりません。

 女子スポーツでの日本の活躍は(外国に比べた社会的・物的環境が恵まれていることを指摘する声もありますが)、日本の女子選手が粘り強く、優れた監督の元で結束して目標に向かっていることが大きな要因です。今後国やあらゆる組織が力強く前に進むよい手本となるものです。

 しかし、勝利報告を受けた総理やその周囲がこうした快挙にきちんと学べるかどうかは未知数です。激動する政局の中で、私たちが求めているばらまきマニフェストの撤回や、この欄で触れている原発・再生可能エネルギー法案の修正に、いかに総理が対応してもらえるか、今週が大きな山となります。私も自らが事務局長を務めるエネルギー政策勉強会の勉強会で同志ときちんと提言力を高め、担当する二重ローン問題などでも方向を出します。
 総理の対応次第では、さらに厳しい追及は避けられないでしょう。

 もっとも、自民党衆議院の国会質疑に今ひとつ戦略性が見えません。参議院では執行部の刷新により、国会質疑は政務調査会・幹事長室・国会対策委員会が連携を取って作戦会議を開き、そこで質問事項の決定やその内容に適したバッターの選抜などを行っています。その際にはネットやメディアの評判も織り込んでいます。一方、衆議院は委員会現場の理事にベテランを通じて個別に質問者になりたいという陳情が行ったり、一人の質問者の追及事項を違う質問者が掘り下げるというようなことがなかったりと組織性・戦略性が欠けています。メディアで大きな反響を呼んだ質問者の再登板にも(他の議員とのバランスなどという内向きの論理から)消極的です。

 私は自民党改革推進本部の国会改革担当部会長として、「適材適所の国会戦略実施」「ディベートスクール設置」「質疑のモニター調査」などを提唱し、谷垣総裁の了承をいただいています。きちんと実行に移すよう働きかけていきます。

 こうした中、セシウムに汚染された牛の拡散問題は大きな行政のミスと言わざるを得ません。既に福島第一原発から放出された大量の放射線物質に飼料が汚染された可能性は指摘されており、農水省は汚染された草を家畜に与えないように要請する文書は県に降ろしていました。

 しかし、いかに放射能汚染が深刻かのデータは国民に示されず、内部被ばくの問題意識も充分広がっていたとは言えません。どのような飼料が高濃度で汚染されているかの調査も行われていませんでした。

 今後は、汚染された度合いの高い地域のいかなる飼料が、どのような家畜に摂取され、その家畜が二次以降の流通を含めてどこに出荷されているかを徹底的に調べ、その放射線サンプル検査を迅速に実施して被害の拡大を食い止めることです。また、被害農家の家畜の買い取りを含めた補償に加え、肉屋などの損害にも真摯に対応するべきです。

 気になるのはアフガニスタンやノルウェーで相次ぐテロです。

 旧タリバンや極右勢力などの関与が取り沙汰されていますが、社会の閉塞感が高まるとこうした犯罪が起きやすくなると言われるのです。対岸の火事とするのでなく、きちんと情報を収集するとともに、日本でこのようなことがないよう治安確保に万全を期さなければいけません。

[知事選と夏祭りの毎日]

 7月31日の知事選の最大の懸念は低投票率。多くの方々に関心を持ってもらうよう、各種イベントに取り組んでいます。
 地元では震災後の自粛ムードから形を変える所はありますが夏祭りが各地で開催されています。地域の盛り上げを促進するためにも、子供たちの思い出のためにも、こうした企画を進めてこられた方々のご尽力に心から敬意を表します。

≫平成23年7月15日

[脱原発は一歩一歩]

 菅総理が13日の記者会見で表明した「脱原発」が波紋を呼んでいます。

 お題目は人目を引くが熟慮と具体性に乏しく、現場を混乱に陥れるパフォーマンス...いつもの総理の会見と同じです。しかも関係閣僚とも調整せず「個人的見解」と言い切ってはばからない無神経さ。

 これまで民主党政権はエネルギー基本計画で「2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する」「再生可能エネルギーの割合を2020年までに10%程度まで引き上げる」と主張してきましたが、それは14基の原発新設が前提となっており、今回の原発事故で抜本的な見直しが必要になりました。
 現在原子力発電への依存度は約30%。もし温室効果ガスの削減という看板を下ろさないのであれば、原子力と化石燃料両方の削減を再生可能エネルギーでカバーしなくてはいけないことになり、全くつじつまが合いません。総理はドービルサミットで「再生可能エネルギーの割合を2020年代のできるだけ早い時期に少なくとも20%を超える水準」と言明していますが、これ自体非常に高いハードルなのです。

 自らの延命につながることは公に訴え、ストレステストの統一見解など混乱の尻拭いは官房長官など部下にさせる。内閣支持率の急落もうなずけます。

 突然総理の錦の御旗になった再生可能エネルギー特別措置法案にも熟慮が必要です。

 固定価格で再生可能エネルギーを全量買い取るという方向性自体は、当該エネルギーの普及をもたらすもので賛成ですが、日照時間の違う地域による価格差をどうするか、料金設定によっては産業界に大きな打撃を与え、家庭・大規模電力需要産業は区別すべきでないか、戸建住宅2600万戸のわが国で1000万戸の太陽光発電を本当にできるのか、耕作放棄地や水力発電(政権は脱ダムの方向)の利用はどうなるのか、など疑問が多々わいてきます。

 私が事務局長を務める自民党エネルギー政策議員連盟では、新規の原発立地を見合わせたうえで、電力会社の抜本改革と併せて経済との両立を図りつつ、計画的に再生可能エネルギー(太陽光に加え、風力、水力、地熱など)への転換を目指していきます。

[自民党での東電処理の激論]

 今日、自民党の原発事故被害に関する特命委員会(額賀福志郎委員長)で、前回この欄で酷評した原子力損害賠償支援機構法案について自民党の修正案を議論しました。

 既に経産省の古賀茂明氏や、公正な社会を考える民間フォーラム(政策研究大学院大学教授の福井秀夫氏、大阪大学教授の八田達夫氏、政策工房代表取締役の原英史氏、弁護士の久保利英明氏など)が主張しているとおり、私たちは既に債務超過が明らかな東電は会社更生型の法的手続にのっとり、金融機関や株主の公正な責任負担と役員の交代を実現し、至らない賠償は国で援助することを訴えています。これなくして電気料金値上げ(しかも被災地と関係ない地域の料金引き上げ)をすることは筋が通らないと、私を含む多くの議員が主張しました。
 党の考え方の案には、この東電の法的処理のあり方に明確な記述がなく、また、東電を債務超過にさせない(=延命させる)ための国の支援についての閣議決定にも言及がなかったので、激論となった次第です。

 党の担当の方々に交渉は一任するが、適宜党の平場の議論にフィードバックして欲しい、とも要望しました。これからもきちんとチェックして参ります。

[始まった知事選]

 昨日告示となった埼玉県知事選は、自・公・民各党が支持する上田清司候補が有利という見方が一般的です。相乗り推薦はしないということですが、自民党と協力関係にある知事の再選には前向きに取り組む所存です。

≫平成23年7月10日

[迷路にはまり込んだ政局]

 玄海原発の運転再開を巡って政府内も現場も迷走しています。

 あれだけ「浜岡以外の原発は安全だ」と、震災以前のデータをもとに主張し、他の点検停止中の原発の運転再開を容認していた菅総理。実はこのデータでは福島原発の事故可能性も0%とされており、その部分が隠蔽されていました。

 河野議員や私はかねてから「浜岡も含め全ての原発でストレステストなどのより信頼できる調査をし、地元との意見交換やエネルギー需給の確認等きちんとプロセスを踏んでから原発の停止を判断するべきだ」と訴えていました。
 しかし菅総理は、突然の浜岡原発の運転停止要請に続き、今度は安全としていた玄海原発運転再開に際しての唐突なストレステストへの言及。運転再開に向けて厳しい政治環境の中努力をしていた海江田経産大臣も古川知事も岸本町長も梯子を外されることになりました。

 海江田大臣が参院予算委員会で声を詰まらせながら「一定の時期が来たら私も責任を取る」と答弁した中に、パフォーマンスで方針を決めて責任は部下に押し付ける菅総理への激しい怒りが見て取れます。

 松本龍前復興大臣が、自分をお客様扱いしたうえ傲慢なオフレコ要請を行ったり、被災地の方々への配慮を欠いた「知恵を出さなければ助けない」発言をして辞任をしたばかりです。この内閣にもはや原発対策や復興対策を任せることはできません。

 九州電力が玄海原発再開に向けた意見をメールで募集した際、社員に外部パソコンからやらせメールを送るよう指示したのもお粗末でした。もっとも、この手のイベントには左翼活動家が組織的に大量の反対意見を送ってくることがしばしばあり、そうした実態もきちんと明らかにする必要があります。

[特例公債法は3党合意を踏まえて]

 赤字国債発行を基礎づける特例公債法の扱いが迷走を続けています。子ども手当などの民主党マニフェスト見直しや基礎年金の財源確保が、自公民3党の合意でうたわれているわけですから、これと違う扱いをするのなら合意後にどんな事情があり、どのような合意変更が行われるのか、納得のいく説明が必要です。幹事長室会議などで訴えて参ります。

[提出された二重ローン対策法案]

 私も実務担当者となっていた、自民公明両党提案の「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案」が、7月8日、参議院に提出されました。
 民主党は私たちの提案に対し、既存の中小企業再生支援協議会やファンドを活用した被災3県での機構を創設すると回答しましたが、農林水産業者が対象になるのか、既存の枠組がほとんど実績もない中で膨大な中小企業の救済に対応できないのでないかなどの疑いを払拭できず、自公の法案提出となった次第です。不良債権の買い取りを行い、買い取った額以上の回収は債務者の状況に応じて免除するよう努めることとしており、再生が早期に進むことが期待されます。
 これからも個人向け私的整理ガイドラインの議論など、二重ローン問題に全力で取り組みます。

[政府の東電救済案に異議あり!]

 8日に、東電の原子力損害賠償を電力会社各社や国の拠出金でまかない、株主や金融機関の責任を明確にしない「原子力損害賠償支援機構法案」が提出されました。法的な負担の不公平や電力料金の上昇などをもたらすひどい法案です。私たち自民党エネルギー政策議員連盟ではきちんと対案の作成に向けた活動をしていきます。

[横田夫妻の思いに応えたい]

 昨日、横田めぐみさんを北朝鮮に拉致された滋さん・早紀江さんご夫妻の公演が所沢ミューズで実施されました。会場は満員で、私も挨拶に立ちました。この問題を絶対風化させてはいけないと決意を新たにするとともに、総理の資金管理団体が拉致容疑者の家族が所属する政治団体の関係団体に6000万円の寄付をしていることに対する怒りがこみ上げてきました。イベントを大成功に終わらせた関係各位のご努力に心より敬意を表します。

≫平成23年6月29日

[他山の石]

 自民党の浜田和幸参議院議員が、自民党を離党して総務政務官に就任しました。

 「自民党は震災復興に協力せず、政府の足を引っ張っている。政府に入って活動したい。」というのが理由のようですが、再三この欄で述べたように、自民党は大連立にこそ慎重ながら復興には全面的に協力しており、事実に反します。

 何より浜田議員がこれまで党の災害対策本部などで活動されていたという記憶は(誰に聞いても)ほとんどありません。しかも、当初言われていた復興担当政務官でなく、総務政務官となっているのも不可解です。
 ここ暫く、国民新党の亀井代表が村上正邦元自民党参院議員会長と連携して、自民党に不満のある議員を一本釣りしているという情報が流れており、学者出身の浜田議員は選挙区の複雑な事情や、ポストなどのメリットから今回の提案に乗ったというのが大方の見方です。

 この政府のやり方には民主党の中からも、「ねじれ国会で与野党の信頼関係構築が大切な時にとんでもないことをしてくれた」「何も聞いていない」という幹部の不満が続出していると聞きます。
 当然自民党でも、参議院議員幹部の方々が浜田議員本人に事情を確認した際には離党などしないと断言されながら、そのわずか数時間後に秘書を通じて辞表が出され、私たちが厳しく批判している菅内閣の一員となってしまったという浜田議員の行為や、信義を欠く政府のやり方に激しい批判が続出しています。党紀委員会が開催されますが、除名処分は免れないでしょう。

 このような事案と、党議拘束に反した投票行動を取った議員の処分を同列に扱うのはおかしいと思います。そもそもどういう案件にどれだけ厳しい党議拘束をかけるかというのも一つの論点です。(私は国会改革の提言で、個人の倫理に関わるものなど一定の案件については党議拘束を緩和することを主張しています)また、党議拘束をかける以上、議員が当該意思決定にきちんと関与し、「みんなで議論した以上決まったことには従う」という、適正手続の要請をなるべく確保するとともに、その方針についてはきちんと議員や国民に対して説明する場面を設けるべきだと思うのです。
 今回会期延長に賛成したり欠席した議員について、こうしたプロセスをきちんと取るゆとりはなかったかもしれませんが、それなら一層、当該行為の背景事情もきちんと調査を尽くしたうえで、厳しすぎない扱いをするべきでないでしょうか。民主党と違い、私たちはしっかりと組織としてのガバナンスを確立していかなければいけません。

[話題の会議]

 与野党の二重ローン問題については、民主党と、公的債権買取機構の創設を目指す自民公明両党との見解の開きがまだ大きい状況の中、野党で先に議員立法案をまとめることができないか、私も実務担当者として連日汗を流しています。
 また、事務局を務めている自民党エネルギー政策議員連盟では、明日夜に2度目の総会を開催します。東電の債務処理や電力産業の再生につき、今話題の経産省官房付の古賀茂明氏をゲストとして招いて検討を行います。国民が納得できる政策を目指して間違いなく突っ込んだ議論となるでしょうし、それが自民党の大きな流れにつながると確信しています。
 紆余曲折あった党改革の中間提言も、明日午後谷垣総裁に正式に答申致します。今後の着実な実行と残された課題の解決を訴えて参ります。

[地元でも]

 一昨日、震災で延期となっていた自民党所沢支部の総会が無事開催されました。参加された多くの方々の前で、関口・古川両参議院議員や藤本県議たちとともに、我々の思いや政情を熱く語らせていただきました。開催に尽力された方々に心から感謝申し上げるとともに、節電の中でも、エネルギー全開で頑張り続けることをお誓いします。どうぞよろしくお願い致します!

≫平成23年6月23日

[漂流する与党]

 昨日、通常国会の会期が70日間延長されました。

 会期延長は前回のこの欄で述べたとおり、菅総理の延命工作のための「くせ球」だったのですが、民主党執行部はこれにギリギリまで抵抗してくれたのです。

 繰り返しますが、会期延長も復興のための第二次・三次補正予算を含めた議論も、自民党として何ら異論はありません。菅総理のもとでそれがスムーズに進みようがないことに最大の問題があります。この事を正しく認識した民主党執行部は、菅総理退陣に向けた「包囲網作戦」を取ることにしました。

 一昨日の昼、民主党は自民公明両党との幹事長会談において、「ぎりぎりの案」として8月上旬までの50日間の会期延長と、その中で(子ども手当てなどの見直しを前提として)第二次補正予算と特例公債法案を通すとともに、菅総理がこだわる再生可能エネルギー法案に成立の目処をつけること、いったん会期を閉じて新しい総理のもとで第三次補正予算に取り組むことを提示し、私たちはそれを了承しました。
 そしてその既成事実を持って民主党執行部は総理を説得にかかったのですが、これが超難航。一夜明けて延長幅は70日間となり、野党側への説明には「諸案件の処理を確実にするため」という言い訳がされましたが、提案としては全く異質のものとなってしまったのです。

 8月中旬には来年度予算の概算要求がなされます。来年の基本方針を決めた以上それに責任を持つという主張が当然菅総理から出てくるでしょう。
 より深刻なのは第三次補正予算の編成時期です。もし8月上旬に閉会となれば、その後速やかに民主党代表選挙を行って9月初めには新内閣から第三次補正予算が提出されることが可能となり、スケジュール的には国会の切れ目はほとんど影響がなくなります。しかし、70日の会期となって菅総理がその間地位に固執すれば、代表選挙後の補正予算提出は10月と大幅に遅れ、大きな批判が巻き起こることは必至です。結果として、会期終了後は「代表選などやっている場合ではない」という意見がわき起こり、「ポスト菅は菅」という最悪の事態となりかねなくなってしまうのです!

 民主党の当初の提案どおり、50日の会期延長後速やかに代表選を行い、切れ目なく臨時国会を開催すること。それが国益のための最善策であり、本会議場ではそのような討論が自民公明両党からなされました。

 自民党から何人かの造反議員が出たことは残念です。このブログの5月18日、27日で書かせていただいた超党派の議員連盟が会期の大幅延長を訴えており、それが自縄自縛になった方々もいるでしょう。そこに書いたとおり私は超党派議連についてはメンバーや内容をきちんと吟味して対応すべきという考えですが、今回その意を強くしました。
 また、被災地出身の議員は、有権者からの「なぜ復興に取り組む内閣の足を引っ張るのか」という大きな声に答えざるを得なかったことは理解できますが、むしろ復興の足を引っ張っているのは現内閣であることや、70日会期延長への反対は決して国会の活動停止を訴えているのではないことを、難しいながらきちんと訴えるべきでなかったかと感じています。

 それにしても、菅内閣不信任案に同調する構えを見せていた民主党内の反執行部議員たちが、今回の総理の延命工作に表立って異論を述べた形跡がないのが不可解です。解散含みの政局になることを恐れているのでしょうか?信念の通った議員はいないのでしょうか?

[今後の与野党協議への暗雲]

 このように、一度決まったことがいとも簡単に引っくり返り、閣内不一致も表面化している現政権のもとで、私も担当している二重ローン問題をはじめとする重要案件がきちんと与野党協議によって決着できるのか極めて不安です。交渉担当者が権限を与えられていないのにその方を信用するのは無理ですから...

[まずは自民党内できちんと政策を]

 今度自民党のエネルギー関係の各検討会議を合同した委員会が、山本一太参議院政審会長を委員長として立ち上がります。その幹部の主要メンバーが、先般中堅・若手を中心にエネルギー政策の見直しを目指して立ち上げた「自民党エネルギー政策議員連盟」の幹部と重なる方向のようで、これで菅総理が総選挙の争点として「エネルギー政策の見直し」を掲げることは極めて難しくなったと言えるでしょう。
 それ以外にも、政府・与党が出さない政策、東電賠償スキームなど出していても疑問の多い政策など、与野党協議の不安を無視して今後は私たちサイドでどんどん提案・対案を出していく方向です。「自民党は何もしていない」という批判が出ないよう、全力を尽くす所存です。

≫平成23年6月16日

[「やめやめ詐欺」を許すな]

 菅総理が「会期大幅延長」「1.5次補正予算」というくせ球を用いて延命工作にかかりました。

 もちろん復興対策の本格化は必要なことで、私も二重ローン問題の実務者協議に参加して与党との合意を目指しています。しかし菅内閣のもとでまともな与野党の協力関係が築けるとは思えません。

 福島第一原発事故への対応について、初動の様々な誤りで原子炉のメルトダウンを許し、高濃度汚染水を閣僚間の合意もなく海に排出するなど失態を重ねるのみならず、放射能飛散予測データ(SPEEDI)などの情報を隠し、仮設住宅の建設やがれきの撤去・補償の支払いなどを大幅に遅らせ、現地との意思疎通もままならず権限不明の会議を乱立させて無用な命令系統の混乱を招き、部下である官僚や身内である党内からも愛想をつかされ、もはや経済界からも公然と早期退陣を求められている菅総理には一刻も早く身を引いてもらわなければいけません。外国からの信頼も地に落ちます。

 民主党や政府の幹部は、こうした「やめやめ詐欺」の片棒を担いでいると思われないように、毅然とした対応を貫くべきです。やめる総理が改造など信じられません。そしてそれができないなら自民党は野党連携して与党側に対し、国益を守るべく総理の退陣を強力に迫るべきです。

[今日のテレビ出演]

 こうした主張をはじめ、自民党としてこれからあるべき姿を今日16日午後10時から1時間放送されるBS-11のテレビ番組「INsideOUT」で語って参ります。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

[これからの手続のあり方]

 党改革委員長の塩崎恭久議員が、中間提言をまとめるにあたり執行部との衝突があったことを理由に辞任を表明しました。

 一部始終を近くで見ていましたが、一言で言って党内意思決定プロセスが練れていなかったことが最大の問題です。

 これまでともすると、尖鋭的な提言をまとめようとするあまり利害関係者の関与できないところで物事を進める=一部の幹部が水面下で物事を進めるということが往々にして行われました。しかしながら適正手続(デュー・プロセス)の要請からすれば、関係者がきちんと関与できるオープンな手続で議論を尽くし、そのかわりに決まったことにはきちんと従うという仕組みを確立しなければいけません。

 そのために平場の議論を設けるのですが、問題は、利害関係人がこうした平場の会議に時間的な都合で出席できなかったり、角が立つとしてあえて出席を回避することです。だから事後に責任者に対して「なぜあらかじめ説明に来ないのだ」という不満が出ることになり、根回し文化が横行することとなるのです。

 民間の株主総会なら、議題・議案は株主に事前にきちんと示して、充実した議論や賛否の意思決定ができるようにしています。そのかわりに本番の会議にはきちんと出席して意見を言ってもらい、欠席者には委任状で意見表明の機会を確保し、結論には皆従ってもらうことになっているのです。

 これからは党の意思決定プロセスを改革し、提言の内容の濃さと手続の充実を両立させるための努力をしていくべきです。それも重要な党改革の一環だと思います。
 また、塩崎委員長には引き続き党改革のプロセスを進めていただかなければいけません。石原幹事長・塩崎委員長双方が一歩前に進んでいただくよう働きかけます。

[走り出した議員連盟]

 ついに「自民党エネルギー政策議員連盟」が立ち上がりました。これからは政府の東電処理の問題点の検討をはじめ、しがらみのない立場で筋の通った提言を次々と行っていく所存です。多くの方々のご参加をお願いする次第です。

≫平成23年6月8日

[続く政権の迷走]

 内閣不信任案が提出されてから、政権内部でも崩壊の動きが本格化しました。

 もはや人心一新とともに、与野党新しい協力体制のもとで原発対策や復興支援などの難題に取り組んでいかなければいけません。私たち野党は国会でのチェックをきちんと行いつつ、様々な提言や行動を通じて事態の好転を目指していきます。もっとも、財源などの方針や期限の合意なき無原則・拙速な連立などに走ればかえって混乱を招くだけです。筋は通していきます。

 復興基本法に続き第2次補正予算を早期に成立させ、被災地再生をスピードアップさせる必要があります。
 また、自民党から政府へ出された復興に向けた第3次提言には、私が主張した「相続放棄の申述期間の延長」が取り入れられましたが、これを受け立法作業が始まっています。震災で発生した相続により重い債務を背負った方々の救済に役立てば幸いです。

[満を持して立ち上がる議員連盟]

 いよいよ「自民党エネルギー政策議員連盟」が立ち上がります。自民党の過去の原子力政策のあり方をきちんと反省するとともに、代替エネルギーの推進や電力供給体制の見直しを目指していくもので、若手が中心となって精力的に活動していきます。私が事務局長を務めさせていただくことになろうかと思いますが、是非周知を集めてよい結果につなげていきたいです。

[またも場当たり的な処理]

 原子力損害賠償の指針がなかなか確定しません。東京電力の仮払いは、金額も対象も(特に風評被害などの部分につき)極めて不十分であり、自民党は国が建て替え払いをするという議員立法を提案しました。救済を重視した場合、最終的な国民負担につながったとしてもそれはやむを得ない部分があると考えます。

 前回この欄で紹介した乾燥状態の荒茶の放射線測定。国から県に届いたのは、法的根拠のあいまいな厚労省の課名がついた「依頼」と書かれた事務連絡でした。当該決定がなされたのも厚労省なのか官邸なのかが判然としません。埼玉県は現在のところ内容・責任が不明確として国に再考を求めていますが、理屈の通らないことを平気で決める現政権の体質がここにも出ていると断じざるを得ません。

 一方で、被災地の瓦礫の処理については、オールジャパンで支援を結集するリーダーシップを取ることなく自治体任せ。こうしたちぐはぐな状態を改めなければいけません。

[党・行政それぞれの改革]

 党改革の中間提言については、国民の信頼を政策面でも体質面でも取り戻すにふさわしい内容が議論の末まもなくまとまると思います。
 行政改革については、公務員の給与1割削減(一時的)と、労働組合の協約締結権がセットになった政府の方針が本当に適切か、現場で汗を流す自衛官などが損をするのはおかしくないか、縦割り行政や天下りの問題が解決されずむしろ後退するのでないかなど、私もこれまで議論に深く関わってきた立場でチェックしていきます。

≫平成23年6月3日

[筋を通すということ]

 昨日、内閣不信任案が否決されました。

 前日の6月1日に実施された党首討論で、菅内閣の原発対応の誤り、仮設住宅をはじめ復興対策の遅れや現地との意思疎通のまずさ、会議の乱立による命令系統の混乱、官僚からも党内からも信頼されずリーダーとしての資格がないことが改めて浮き彫りとなりました。
 総理はこれに対してこれからは頑張ると繰り返すのみ。しかもこれまで慎重だった会期の大幅延長と二次補正予算審議を一転して認め、挙句の果てには、党内でまとまらなければいけないにもかかわらず、自分より小沢元代表が民主党の実権を取ればかえって与野党協議は進まないと余計なことまで言う始末。

 私も小沢氏との連携はできないという立場ですが、この場でこんなことを言う総理の感性は理解できません。また、取り繕ったように言い出した二次補正予算についても、谷垣総裁の「ではそうした指示を財務省にしているのか」と、本気の取り組みを質した質問には答えることができませんでした。

 これを受けて、直後に出された自民党・公明党・たちあがれ日本の提案した内閣不信任案。1日未明から2日にかけて熾烈な民主党内の多数派工作が行われ、翌朝には不信任案可決は必至の状態になっていました。

 ここで動いた鳩山前総理。菅総理との昨日午前中の会談で、復興基本法案を成立させるとともに二次補正予算の早期編成に目処をつけるとの合意書を取り交わし、そのうえで総理に早期退陣を表明することの念を押して正午の民主党代議士会に臨んだのです。

 菅総理はその場で、震災対応など一定の目処がついた段階で若い世代に責任を引き継いでいただきたいと辞任を示唆。しかし期限は一切明確にしませんでした。その中継を谷垣総裁と私たち自民党幹事長室のメンバーは別室でライブで視聴していたのですが、口々に「腰砕けだ」「茶番以外の何物でもない」という厳しい指摘が相次いだのです。

 これでは、エジプトのムバラク大統領が「一定の目処がつけば辞めるから」と民主化勢力に対抗して延命を図ったのと同じではありませんか!

 しかしエジプト国民が納得しなかったのに対し、小沢グループは自主投票。結局不信任案に賛成したのは、離党を表明している横粂議員以外には松木謙公議員のみにとどまったのです。
 被災地の対策本部にいた東副大臣たちは、前日に内閣に辞表を出しておきながら不信任案には反対。一体、議員としての筋はどうなっているのでしょう。また、被災地の方々に説明ができるのでしょうか。

 民主党執行部の処分も不可解です。既に党員資格停止になっている小沢氏は処分見送りで、賛成の二人が除籍とあっては、小沢氏に配慮をしているとしか思えません。

 夜の記者会見の総理の満面の笑顔を見て、この政権が当面続き、それが日本の国益をさらに損なうことを確信しました。しかし総理が退陣を口にした以上、これは死に体内閣であって外国からも相手にされませんし、決して不信任案否決が菅内閣を信任したことにはつながりません。今後の退陣時期や、公債特例法をはじめとした諸案件について、厳しい質疑が続くでしょう。

 与党のキーマンたちにはきちんとこの間の経緯を説明してもらわなければいけません。野党サイドについても、この期の不信任案提出の決定理由や今後の見通しについての説明を求められるでしょう。

[埼玉の放射線測定]

 文部科学省が、私たちのいわゆる校庭20ミリシーベルト基準の見直し要請をようやく受け入れる形で、5月27日に、児童生徒が受ける放射線量については年間1ミリシーベルト以下を目指すという方針を打ち出しました。これは一定の成果だと思います。
 これを受けて埼玉県では、県内を6キロメートル区画に分けた約100カ所で、園庭・校庭での調査を7月中を目処に実施する旨を表明しました。私は上田知事と直接連絡を取り、この調査をなるべく前倒しして実施し、親御さんたちに情報提供して欲しいと要望しました。

 政府から、お茶の放射線量測定は、荒茶段階でも行うという方針が発表されました。しかし他の野菜が「口に入る状態で」水洗いなどの措置をしてから測定するのと均衡を失しています。荒茶は蒸した生葉を乾燥させて製品化する段階の物で、これが直接口に入ることはありません。一方、体積が減るので生葉に比べて見かけ上5倍の数値が出ることとなり、かえって消費者を混乱させることを、かつてのダイオキシン騒動で私は確信しています。

 上田知事も「この方針はおかしい」と明言しています。政府に適切な措置と説明を求めていきます。

[覚悟の瞬間(とき)]

 インターネット番組「覚悟の瞬間(とき)」に出演し、人生における転機とは何かについて語らせていただきました。多くの方にご覧いただければ幸いです。
 これから、前回のこの欄でも触れた様々な活動を本格化させます。覚悟と筋(すじ)を持って全力で走って参ります。ご指導よろしくお願い申し上げます。

≫平成23年5月27日

[本物を見る目]

 最近の政局を見ていると、復興に名を借りた「生存目的アピール合戦」に辟易します。

 あまり報道されていませんが、政府から「交通基本法案」なる物が提出を予定されています。「国民等の交通に対する基本的な需要の充足」のため、計画的に道路を作っていきましょうということで、民主党の「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズを事実上撤回するものです。

 政府はさらに、復興基本法についても自民党の案への接近を図ってくるでしょう。

 国益を考えればこのような政府の自民党案への接近は歓迎すべきことですが、報道は「自民党の成果」とせず「政府の決断」としてしか扱いません。そのうえ、菅内閣の場当たり的な決定に加え、情報隠蔽体質や責任転嫁の姿勢、たとえ政策が転換されてもその実施が極めて遅いことなどにより、内閣の支持率は思ったほど上がっていかないと予想します。

 結果として、自民党の姿も見えず、菅内閣の支持率も上がらないという閉塞感がただようこととなるのです。

 菅内閣に批判的な与党グループは、様々な会合を行って政府や執行部との違いをアピールするのに躍起です。そして「超党派で国難を回避し、復興を目指す」という(世論受けする)大義名分で、最近選挙で調子のよい自民党に声をかけて議員連盟を作る動きも盛んです。

 しかし、メンバーの多くがマニフェスト原理主義者である反菅勢力が、財源論を含めた現実性のある提言を行うことができるとは思えません。各選挙区で政党間の争いをする小選挙区制度をとるわが国で、こうした方向性のわからない保身第一の議員たちと連携を取ることには私は慎重です。

 自民党の中にも、こうした議連で注目を浴びたいという議員がいます。
 また、早期の内閣不信任案提出を主張する自民党議員の中には、それへの与党からの造反が思うほど多くない結果、否決された後に、信任されたこととなる政権が働きかける大連立でポストを受けたいというベテランもいると言われています。

 こんなことで本当によいのでしょうか?

 前回のこの欄に書いたとおり、基本的に「自助・共助を基本とし、頑張る人が正当に報われる効率的な政府を目指す政党」と「多くの給付を行う大きな政府を目指す政党」の共通項として、最小限のセーフティーネットである年金等を構築する議員連盟や、外交・安全保障を考える議員連盟なら、超党派で行うことができると考えます。また、与野党共通のルールを定める国会改革も、超党派の議連になじみやすいと思います。(他に個別問題の議員連盟なら超党派でできるものもあるかもしれませんが。)
 そうでない超党派議連は、政治のあり方や責任を不明確にするのみならず、実効性も薄いものとなるでしょう。

 ただし、自民も民主も上記した性質の二大政党となり切れていないことから、真の政策本位の政界再編を目指す一つの核となる政策を打ち立てた超党派議員連盟もこれからは必要になってくるでしょう。これには相当の覚悟が必要となります。

 私は、このような中で「筋を通し、本物である活動」を見極めていきたいと思います。

 まずは、自民党の中でエネルギー政策の勉強会を立ち上げるのに参画します。
 これまでエネルギー政策において、ともすると安全面への配慮に欠けたり利権構造が指摘されたりしたことを反省し、新規の原子炉の立地を行わないとしたうえで、再生可能エネルギーの導入を加速させる動きを進めていきます。再生可能エネルギーは経済発展の新機軸となる可能性をも秘めているのです。
 既存の原子炉は徹底した安全の確認をしつつ徐々に減らしていきます。また、地域独占や送発電一体といった電力業界の再編や、東京電力の債務をどうするかなど今後の処理についても検討を進めます。もちろん、今回の事故に関しては国会の下に独立した事故調査委員会を設置し、公正な原因分析を行わなければいけません。

 復興については、増税を先行させるのでなく、「上げ潮」を基調とするデフレ対策を目指す動きをしていきます。党で「復興国債」を発行して既存の国債と区分管理する方針が出ていますが、一定の歯止めをかけたうえで日銀の買いオペの対象とするなどの対策を主張していきます。これについては超党派の政界再編を目指す動きとなってもよいでしょう。

 最近とみに目立つ諸外国との領土に関する問題については、国益を守るため、例えば不動産の外国への売却規制などを検討していきたいと思います。また、対外貢献のあり方として、自衛隊本体のみならず病院船などの人道貢献も目指す動きをしていきます。これらも超党派の(政界再編にはつながらないでしょうが)動きとなっていいと思います。

 党の震災対策本部でも引き続き活動を続け、過重債務対策として相続放棄の申述期間(3ヶ月)を延長することを第3次提言に入れてもらいましたし、ダブルローン対策にしても、そもそも二度目のローンがなかなか下りない実態を的確に捉え、債権買取もよいですがきちんと再生の見通しをもった公的金融(保証)を広げていくことを訴えていきます。

 来週6月1日に、ようやく国家基本政策委員会(党首討論)が、岸田文雄筆頭理事からの再三の申し入れを受け入れてもらって開催されることとなりました。私もまた理事として、菅総理と谷垣総裁・山口公明党代表との熱い討論を身近に聞くことになります。前記したとおりこの直後に内閣不信任案を提出すべきとの意見もありますが、私はしっかり成立の見込みを極大化するための算段を(参議院の問責決議も加味して)熟慮すべきと考えます。

[党改革・選挙制度改革は胸突き八丁]

 党改革委員会で、派閥を純粋な政策研究会とすることや、開かれた総裁選に向けた手続見直し、選挙における公認の公募による透明化や、党の国会質問や役職における評価の確立、官僚に依存しないための政策専門事務職の創設、ソーシャルネットワークなどをフル活用したイメージ戦略の徹底など、かなり踏み込んだ提案を行いました。党内に大きな波紋を呼んでいますが、それは覚悟のうえです。きちんと平場で議論をして方針を取りまとめたいと思います。この後はこれまでの政策の総括にも踏み込んでいきたいと思います。

 一票の格差是正や定数削減を内容とする衆議院選挙制度改革についても、来週は大きな山場です。こちらは踏み込みが足りないとも言われますが、法案ですから反対が多くてつぶれてしまっては元も子もありません。次回選挙までにきちんと成立を目指し、各党での対案の検討も含め、手続を進めます。

≫平成23年5月18日

[対案を示すべし]

 前回のこの欄で、東京電力の法的処理の必要性を訴えました。政府方針をめぐり、その後与党内でも異論が続出しています。

 しかしよく聞くと、「国が原子力政策の責任を負うべきで東電に過重な負担を押し付けるべきではない」とか「金融機関などの債権者に負担を求めるとこれからの資金調達ができない」など、私の前回の主張と異なる方向での意見のようです。(私は東電の責任は重いと考えますし、株主にガバナンスの責任もあると思います。金融機関の既存債務のあり方については法的公平性をもって処理し、東電改革を抜本的に進めてニューマネーを調達できるようにすべきです。)

 ここで、自民党として、エネルギー政策や東電処理についてきちんとした対案を打ち出すことが必要ではないでしょうか。

 政策と電気会社の体制は関連しています。例えば、発電事業と送電会社を分離して自由化を進めるとなれば、当然小規模発電会社の蓄電設備なども整備しなくてはいけないし、風力発電など、発電方法の多様化も進めるインセンティブを与えないといけないでしょう。
 温暖化対策をどのようにするかも検討が必要です。もともと民主党の訴えていた、温室効果ガスを2020年に1990年比で25%削減させるという目標は現実離れしていて撤回が必要でしたが、夏の冷房を節約しようという時に、化石燃料発電を全力で再開させてよいのか疑問が残ります。私はLEDや太陽電池の普及やエコポイント延長、サマータイム拡大をはじめ、経済と両立しうる温暖化対策を大いに進めるべきだと主張しています。点検停止中の原発の運転再開についても、きちんとした安全性の確保のうえで進め、徐々に再生可能エネルギーへの転換を図っていくべきだと考えています。

[二次補正予算と政局の動き]

 自民党の幹部からは「原発対策や復興対策を進めるためには会期の延長と二次補正予算の成立が必要だ。できないなら内閣不信任案提出も辞すべきではない。」という覚悟が示されています。一方、自民党と民主党の超党派の議員連盟が次々とできています。

 私は、この欄で常々「政策で二大政党制を確立すべきだ。」「ねじれ国会でも先進国では国会の知恵で統一政策を打ち出せている。大連立などすべきでない。」と再三訴えています。「超党派で進めるべきは、年金などの最小限のセーフティーネットの構築と外交・安保政策だ。」とも訴えています。(それ以外にも個別の論点で検討できるものもあるでしょうが。)

 ふわっとした大規模な超党派議連を作り、中で方向性が一致しなければどれだけの意味があるのでしょう。そうした議連に民主党から参加している議員はマニフェストを修正することまで許容しているのか、反執行部で内閣不信任案に賛成することまで覚悟しているのか...「他の民主党議員と違うことをしているんだぞ」とただ有権者にアピールをするための議連だったら、そんなパフォーマンスに野党の私たちが手を貸すことなどありません。また、国益に資することもないでしょう。

 ただし、本当の政策本位の二大政党制の一つの核になるための覚悟を持った議員の集まりなら意味はあるかもしれません。(ねじれ国会を機能させるための勉強会も意味はあります。既に参加しています。)山本一太議員が口にされているとおり、見かけの人数よりむしろ、信念・確固たる見通しを共有できる少数の同志の方が最終的には大きな流れを作り出せると思っています。これから色々状況を確認したうえできちんと筋の通った対応をしていきたいと思います。

 与党から示される復興基本法では、権限の不明確な対策本部なる会議体を設けることとしていますが、自民党は省庁横断で実施権限も持った「復興再生院」を設立する案を提出します。与野党で、国会の場でどうどうと議論すればよいのです。
 二次補正予算でも、財源でマニフェストをどうするか、国債や税制をどうするかについてきちんと案を出し合って議論をします。内閣不信任を出すことには(タイミングの問題はあれ)賛成ですが、それを機に筋の通らない連立工作を取ることには反対し続けます。

[必ず実現する一票の格差是正と定数削減]

 党の選挙制度改革委員会で、衆議院の選挙制度改革案が示されました。

 自民党がマニフェストで訴えているとおり定数を削減することや、最高裁が違憲と判決した1対2以上の一票の格差・その主因となっている一人別枠方式を是正することが喫緊の課題となっています。
 今回の案は、人口が90万人以下で現在定数3の5県の定数を2と減らす一方、人口の多い都県などで区画変更を行って定数増を避け、小選挙区を300から295とします。そして比例区については、180人から150人とする代わりに、得票率20%未満の政党のみに追加割り当てを行う「30人枠」を設けて少数政党に配慮することとしています。

 理論的には、「20%の政党と19%の政党で議席数に逆転現象が生じないか」という問題がありますが、そこをクリアする方法さえ考えれば、比較的に全政党に受け入れられやすい案ではないかと思います。

 それでも各党(自民党も含め)異論があるようですが、それなら対案をそれぞれ持ち寄って議論するべきでしょう。ねじれ国会の中でもきちんと何らかの成案を得て選挙を実施できるようにしなければ有権者への責任を果たしたことになりません。

[反響を呼んだ国会質問]

 昨日法務委員会で、黒岩宇洋法務政務官の登録政治団体が、国旗を引きずりおろして除名になった元横浜市議やよど号ハイジャック犯の子供で20歳まで北朝鮮で育った三鷹市議選への候補者が所属する「市民の党」に資金支援などを行っている問題を取り上げました。公安調査庁がある法務省で、こうした政務三役がいてよいのか問題提起は必要だと思います。何より、この件について政務官本人がかつて自分のブログで触れていたのに国会で答弁をきちんと行わず、問題が発覚したらこっそりブログを削除していたということが納得できません。

 この問題も含め、国会での活動について取材の機会が増えてきました。あらゆる活動に全力で取り組み、きちんと説明をしていきたいと思います。

[地元の動き]

 市議会、町議会の会派構成も決まり、自民党の支部総会も相次いで開催されています。フレッシュな気持ちを共有し、これからも地に足をつけた活動を心がけて頑張っていこうと思います。

≫平成23年5月12日

[東電処理は透明性を徹底せよ]

 東京電力の原発事故への補償のあり方と政府支援の枠組みが固まったという報道がありました。東電のリストラなどを監視する国の新組織を新設し、東電の補償には上限額を設けないことなどが柱とされています。

 一見よさそうに思えますが、私はこの案には見過ごせない問題があると言っています。既に河野太郎議員などのコメントがありますので、少し違う視点から述べてみます。

 最大の問題点は、長期にわたり東電を巨額の補償をさせ続けながら温存するこの構想が、大胆な企業再編や資産処分といった抜本的な取組み(今後の東電の再生・体力強化に不可欠な手術)を妨げる足かせになることです。

 JALも法的枠組みを用いて破綻処理をし、公的な飛行サービスを温存しながら透明な改革や株主負担などを実現しています。東電との市場独占性の違いはあってもなるべくこれに近い処理をすることが、公平の観点から必要だと考えます。

 基準日を設け、更生計画類似のスキームを作り、役員は交代。必要な取引債権は国が保証するが金融機関の債権についてはカットされることとします。併せて、これまでの東電のガバナンスをチェックし切れなかった株主に損失が生ずることもやむを得ないでしょう。金融機関や株主の救済を税金で行うことには国民の理解は得られないと思います。

 社債については電気事業法上の一般先取特権では保護が不十分ということで市場の混乱を指摘する声もありますが、他債権と区別して扱うことも考慮すればよいでしょう。

 こうした処理をすることで、円滑な資金調達ができなくなるのでないかという懸念があります。しかし私は今後の事業再編・改革の説得的青写真を示すことで、ニューマネーの調達は可能だと思っています。送電会社と発電事業の分離や持株会社化、スマートグリッドの活用など、利益を伸ばす新しい取組みを可能とするなら、それを担う有為な人材や、スポンサーを集めることは可能です。

 繰り返しますが、役員の報酬カットでお茶を濁して今の体制を温存させたり、子会社への負担の押し付けをしたりすることなどを認めてはいけません。抜本的な改革を行い、併せて原子力安全委員会の改組(3条委員会化)・事故調査委員会の見直しなども行うことが必要です。

[原子力損害補填はスピードを持って]

 4月28日に、原子力損害賠償紛争審査会が第1次指針を出してからも、救済は極めて遅いペースでしか進んでいません。また、避難区域外の事業損害や風評被害などのあり方をどうするかもまだ決まっていません。

 与党の中でこれを救済するための議員立法も検討されているとのことですが、元来私たちの要望事項。自民党できちんと提案を行うよう主張していきます。

[政局は筋を通すの一言]

 菅総理が浜岡原発の停止を十分な検討も行わず、また法的根拠もなく、中部電力に要望したことが大いなる波紋を呼んでいます。当事者である中部電力は当然のこと、他の原発への波及効や経済への影響をきちんと踏まえた形跡もありません。結論の是非はともかく、プロセス軽視・パフォーマンスありきのこうした姿勢では一時的な人気は上がっても決して長続きはしないと確信しています。

 私たち若手の間でも色々な動きがありますが、パフォーマンスにとらわれて筋を曲げないよう心がけていきます。

≫平成23年5月4日

[転換点のテロ対策]

 9.11テロの首謀者とされ、アルカイダの指導者であるウサマ・ビンラディン容疑者が、米国の特殊部隊によって殺害されたというニュースが世界を駆け巡りました。

 日本人を含む3000人もの犠牲者を出した事件は確かに衝撃的であり、その後過激派により引き起こされた多数のテロを食い止めるため、世界各国の努力が続きました。インド洋沖給油作戦では当時の野党民主党と激論を交わしながらも日本が任務を遂行しました。

 しかしその後テロ組織はより拡散・多様化し、ビンラディン容疑者の持つ指導者としての意義は薄れつつありました。イスラム社会も民主化の波にさらされるなど変質し、今回の殺害を評価する声もあるなど、状況は複雑化しています。

 私が2年前外務政務官を務めていた時には、まさに中東と北米を担当エリアとしていました。クウェートへの出張先で面会したイスラム教関係者からは「Extremist(過激派)は博愛を目指すイスラム教の本筋ではない」と言われましたし、ワシントンに出張した際にはアフガニスタンとパキスタンの首脳が今後の経済支援などを求めて当地を訪れていました。ある意味、オバマ大統領がイスラム社会との融和を図りつつ、経済的支援を交えながらテロそのものには毅然と対決するというアプローチを取っていることには総論として理解を示すことができます。

 しかし実態となると、米国のアフガニスタンへの軍事展開はなかなか出口がつかめておらず、米・イスラム圏の融和も必ずしも進んでいません。今回の殺害を米国はアフガニスタン撤退の出口戦略としたい意向でしょうが、ビンラディンを(たとえ抵抗を示してやむを得なかったとしても)裁判を受けさせることなく殺害し、遺体の水葬も済ませてしまったことへの反発などによる今後の報復攻撃の可能性も考えると、事態はオバマ大統領の思惑どおりすんなりと好転はしない可能性が高いと思います。
 また、政権基盤の必ずしも強くないアフガニスタンや今回容疑者が潜伏していたパキスタンの政情は今後も不安定要因を抱え、テロの問題は引き続き尾を引くことでしょう。

 来年再度の大統領選に臨むオバマ氏にとっては今回の殺害は大きなポイントになりますが、米国にとってどのような意味を持つのか、そして世界にとってどのような意味を持つのか、きちんと検証する必要があります。
 そのような中で、イスラム圏にも米国やイスラエルにも友好関係を持ち、中東諸国に経済支援もでき法的な筋も通せる日本の役割は大きくあってしかるべきです。今後もしっかりと政府与党の対応策をチェックしていきます。

[補正予算は通ったが]

 震災復興を内容とする平成23年度第1次補正予算案が、このゴールデンウィークに国会で可決・成立しました。

 政府案は災害救助等関係費や廃棄物処理費、公共事業関係費など4兆150億円を計上し、財源としては子ども手当の上積みの見直し、高速道路無料化実験の一時凍結、基礎年金国庫負担引き上げに活用を予定していた埋蔵金の流用などを行う一方、国債発行をゼロにするという内容でした。

 これに対して自民党は、支出として、被災した学生への就学援助金の支給500億円、災害救助関係費や公共事業関係費の国庫負担率100パーセント化に伴う被災自治体の負担軽減2950億円、夏の電力不足対策費980億円などを上積みすべきと主張する一方、財源として、子ども手当は撤廃して児童手当を復活させ、高速道路無料化は撤回する(ただし、前回のこのブログで書いたとおり私は罹災者の高速代は免除すべきと主張しています)、農家戸別所得補償を見直す、国債発行はどうせ今後必要になるのだから今回もきちんと復興債として従来のものと区別したうえで発行する代わりに、年金財源を脅かす埋蔵金の流用は認めるべきでないと訴え、政府と対立していました。

 このままでは補正予算案に反対せざるを得ないとの意見も出る中、4月29日に民主党の玄葉政策調査会長、自民党の石破政務調査会長、公明党の石井政務調査会長の間で以下のような合意がなされたのです。

1.子どもに対する手当の制度的なあり方や高速道路料金割引制度をはじめとする歳出の見直し及び法人税減税等を含む平成23年度税制改正法案の扱いについて、各党で早急に検討を進める。
 また、平成23年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、平成23年度第2次補正予算の編成の際にその見直しも含め検討を行う。
 これらを前提として、特例公債を発行可能とするための法案について、各党で、成立に向け真摯に検討を進める。

2.復旧・復興のために必要な財源については、既存歳出の削減とともに、復興のための国債の発行等により賄う。復興のための国債は、従来の国債と区別して管理し、その消化や償還を担保する。

3.年金財政に対する信頼を回復するためにも、社会保障改革と税制改革の一体的検討は必須の課題であり、政府・与党は実行可能な案を可及的速やかにかつ明確に示し、国民の理解を求める。

 合意の内容としては不十分な点もありますが、私たちが特に問題としている歳入面での問題を検討するとされており、一刻も早い復興支援が求められていたこともあって、今回の1次補正予算には自民党は賛成することとしました。これを反映した2次補正予算の速やかな成立をはじめとした政府・与党の誠実な対応が求められる一方、私たちも責任ある方針決定を行う必要があります。私もしっかりと議論をしていきます。

[場当たり的な原子力災害対策に、喝!]

 4月29日、小佐古敏荘東大大学院教授が、内閣官房参与を辞任しました。

 その辞意表明文を見ると、今の菅内閣の場当たり的な原子力災害対策に対する怒りがありありと見て取れます。

 「とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を、20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。」「文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000km の広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。」と情報開示のずさんさを明らかにし、

 また、放射線業務従事者の緊急時被ばくの限度について、 ICRP(国際放射線防護委員会)の2007年勧告を受け、500mSvあるいは1Svという基準とすると放射線審議会で長年議論をして決定したのに、これを全く無視して経産大臣・文科大臣の「250mSvで妥当か」との諮問への答申を震災前に「妥当」としたこと、またそれを今回また500mSvに再度引き上げる動きが出ていることへのプロセスの疑問を訴え、

 さらに、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準について、通常の放射線防護基準が年間1mSV(特殊な例でも年間5mSv)であることに鑑み、警戒期であることを周知のうえ、特別な措置をとれば、数カ月は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、年間20mSvの数値の使用についてはヒューマニズムから受け入れられないと主張されています。

 ICRPは緊急事態にあっては20mSvも許容しているとされていますが、子どもは成人に比べ、放射線の影響を受けやすいとされています。何より日本の原子力安全委員会自体が4月30日の記者会見で「子どもが20mSvまで浴びていいということではない。線量はできるだけ低くしなければならない」と認めているのです。

 いかなる条件を満たせばこの基準が正当化されるのか、きちんと政府には細部の詰めを行い、国民に説明する責任があります。追及を重ねていきます。

≫平成23年4月26日

[不透明な時]

 衆議院愛知6区補選では自民党の丹羽秀樹候補が減税日本の候補に圧勝。応援に入った身として嬉しく思います。
 また、統一地方選後半戦でも自民党の民主党に対する優位が続いており、私の地元でも自民党の公認・推薦候補の健闘が目立ちました。

 しかし投票率や世論調査などを見てみると、決して世論は自民党に諸手を挙げて再信認しているわけではありません。

 厳しい選挙結果を受け、民主党内部ではますます菅政権を公然と批判する動きが、特に小沢元代表を支持するグループから出てきます。ここで仮に「菅政権を倒すために小沢派と組んで内閣不信任を」とか「パワーのある小沢氏となら救国政権ができる」などという動きが自民党で出てくるとすれば、それは目先にとらわれた愚策です。
 小沢派は民主党マニフェスト原理主義派であり、中核を占めるのが「ガソリン値下げ隊」でも知られるとおり、ガソリン税の暫定税率撤廃を訴えているグループです。この欄で指摘したとおり、私は子ども手当をはじめとするバラまきマニフェストは撤回させ、ガソリン税暫定税率を一定の価格を超えたら自動的になくすトリガー条項は税法改正で撤廃すべきだと主張しており、後者も自民党の政府への申し入れ事項に入れていただいています。復興財源捻出のためのこれら重要方針で一致できない以上、小沢派と組む選択肢はあり得ません。

 さらに、現在福島第1原発による深刻な放射能の(風評を含む)被害につき、東京電力の巨額の賠償負担を国が救済するなどという動きについても、自民党が前のめりになってはいけません。国が救済すべきは被災者であり、東電の情報開示の不手際や原子力損害賠償法に基づく責任・執行部の責任は(いかに東電が公益性・独占性が高い企業であっても)きちんと追及する必要がありますし、これを機会に会社の形態やメディア・政界との関係など幅広い見直しが必要なのです。むしろ自民党はこれまでの東電との関係を率直に反省し、利権を排除するというメッセージを打ち出すことが必要でしょう。

 筋を曲げれば世論は途端に引いていきます。官庁との適度な緊張関係の緩みや党改革の動きの停滞、気になる動きが出ていますので、私たち若手がきちんと声を出さねばいけません。

 菅政権からの補正予算・関連法案や復興基本法についての働きかけについても、きちんと内容を吟味しなければいけません。会議の乱立など無駄を排し、財源について安易に増税に頼るというメッセージをいましめるべきです。また、大幅なマニフェストの転換を与党が行うなら震災対策がひと段落したら解散で信を問う姿勢を堅持することが大切です。

[健全な批判勢力として]

 原発をめぐる国の避難区域の変更による混乱、放射能の安全基準の場当たり的な緩和、外国の技術支援の遅すぎる受け入れ、情報開示の不徹底、被災者救済策の無策ぶりなど、様々な問題をきちんと国会で議論しなければいけません。また、今週も現地の要請に応じ、被災者の高速料金などの問題で活動を続けます。
 復興に全面協力しながらも健全な批判勢力としての使命を果たさなければ国益を損ねます。外交も含め、今の政権の問題点をこれからもしっかりと対案を伴う形で生産的に議論していきます。

≫平成23年4月16日

[行動あるのみ]

 4月13日、被災地の視察・調査のため福島県に出張しました。

 実際目で見てみるとその惨状は息を飲むばかりでした。堤防は無残に決壊。がれきの山が延々と続き、大きな船舶が陸に乗り上げて転倒、至る所でひしゃげた車両が転がっていました。自衛隊や自治体の方々、片付けに来られた住民の方たちが懸命に作業をされる姿に胸がつぶれる思いでした。
 また、小学校の避難所で寝泊りされている方々は、仕事や学校に行くこともかなわず、不安な日々を送っておられました。

 勿来ボランティアセンター所長のお話では、いわき市においては前々日の余震が3月11日を超える激しい揺れとなっており、大規模な断水となっているとのことでした。至急今津元防衛副長官から防衛省に連絡してもらい、撤退を始めていた自衛隊の給水車を再配備してくれるよう要請しました。

 福島県の漁連をはじめ、JAや商工会議所など、実態のヒアリングも行いました。放射能の風評被害で物資を届けてくれる人も少ない状況、漁業や農業を再開してよいかどうかもわからない中、正確な情報が示されないことに対するいら立ち、行政の手続きが麻痺していて必要な申請ができない実態など、現地の様子や国に対する要望を詳細にチェックしました。

 これらを自民党の第二次提言に生かしてもらうとともに、別途昨日、視察で一緒だった田野瀬幹事長代理ほかと水産庁、経産省、環境省の担当者と個別に面談し、至急の要望を出しました。

 まずは現場で移動することすらできない方々に、一時金を迅速に出してもらうこと。
 昨日、政府に設けられた原子力発電所事故による経済被害対応本部では、避難・屋内退避による損害については東京電力から仮払金を支払う方針を示しましたが、それ以外の農林水産業被害者や中小企業の被害者、周辺地域の津波の被災者には義援金も政府の一時金もいまだに届いていないのです。罹災証明書のある方々に、10万円でも30万円でも国が責任を持ってなぜ支給できないのでしょうか。

 また、漁業においては冷凍設備が損傷し、既に水揚げされた(もちろん放射能汚染などない)大量の魚類が腐りかけている状況で、海上投棄を法規制がはばんでいるのを何とかして欲しいという切実な要望がありました。環境省の告示で対応してもらうと約束を取りました。

 これからも迅速・適切な行動を重ねて参ります。

[政局は次のステージへ]

 統一地方選の後半戦と愛知6区の補欠選挙が迫ってきました。前半戦の民主党への厳しい結果を受け、この欄で予想したとおり、民主党内でも政権に対する厳しい批判が相次いでいますが、私たちとしては気を緩めることなくしっかり臨んでいきます。地元のほか、愛知にも応援に行くことになるでしょう。(先日行った春日井市ではおかげさまでよい結果が出ています。)
 今後の復興への政府への協力、補正予算案に対する健全な議論、いずれも大切です。こうした私の取り組みや思いを、明日4月17日(日)午前10時から放送されるBS-TBSのテレビ番組「われらの時代」にて熱く語らせていただきました。他にも取材を色々お受けしています。是非ご覧いただければ幸いです。

 党改革もそろそろ再スタートしなければいけません。詳しくは今は書きませんが、様々な動きを見てそのことを実感します。

≫平成23年4月11日

[激動の幕開け]

 昨日投開票が実施された統一地方選前半戦は、民主党の惨敗となりました。

 与野党対決となった知事選全てを自民党推薦候補が制し、政令市長選挙や道府県議選でも党として民主党が自民党に勝利したケースはほとんどありません。有権者が現政権の震災後の情報管理・危機管理能力に著しい不信感を抱いていることが改めて実感できました。

 これを受け、民主党内で混乱が起きる可能性があります。

 私はこの欄で再三述べているとおり、政権に協力することはやぶさかではありませんが、復興に向けた方向性の一致や期間の見通しもない大連立には反対ですし、民主党反執行部と自民党が連携することにも(彼らがマニフェストの維持にこだわっている限り方向性の一致を見ませんので)慎重です。

 非常時にあっては与野党の別は不要だとか総理を変えることはできないという論理には賛成できません。
 今の情報管理や危機管理の問題点を国民の疑問を解消する形でオープンに議論し、改善するには健全な野党が不可欠です。それがなかった大政翼賛会が戦争対応を誤らせたのではないでしょうか。また、戦中・戦後の非常時・復興期には内閣は実は頻繁に変わっており、強力な第二次吉田内閣になって初めて本格的な復興が実現したのです。

 むしろ今後は知事選や政令市長選挙のように、国のレベルに近い選挙では与野党相乗りが減っていくように思います。もちろん今の自民党と民主党に政策的な対立軸が明確とは言えないところもありますので、真の近代的な二大政党制に向けた政界再編の動きが出てくるように(本格的には次期総選挙後でしょうが)なるのかと思います。
 私は今後「真面目な努力が報われ、バラまきでなく自助・共助・公助の順で絆を重んじる効率的な政府を目指し」「真面目な人に、再チャレンジの機会を保障してどうしてもできない方にはセーフティーネットを守る社会」を目指して初心を忘れず努力を重ねていこうと思います。

[風評被害を省庁横断で解決]

 政府が放射能汚染水を排出したことに世界的な非難が高まっています。農水省や関係業界、海外への説明が不十分ですし、今後省庁横断的に実態調査や補償メニューを作っていかなければいけないでしょう。日本製品が海外で受け入れられるための、海外検査機関と連携しての品質保証制度、広報の充実も行っていかなければいけません。

[まずは行動]

 所沢の県議選は、現職で自民党公認の藤本正人候補が県での最高得票でトップ当選を果たしましたが、新人で自民党推薦の大石健一候補が当選に一歩及ばず残念でした。これから後半の所沢・ふじみ野市議選、三芳町議選が控えており、多忙な時期は続きます。
 そのような中で被災地への出張、テレビ番組などでの情報発信、今後のエネルギー問題や外交問題提言のための勉強会など、様々な行動をしていきます。私の思いを伝えられるよう、また現場の思いが伝わるよう、全力投球していきます。

≫平成23年4月4日

[現場の声を聞け]

 千葉県浦安市が、10日実施の県議選の事務を拒否している問題で、市選管は県の選管が行った是正指示を「効力がない」と拒否する文書を出したとのことです。

 浦安市は震災で液状化の被害を受け、安全性や災害復旧優先を理由に投開票所の貸し出しや職員の派遣ができないとしています。総務大臣は「やれないことはない。法に従って実施して欲しい。」と発言しています。

 私は17日のこのブログで、「総務大臣は現場の自治体のヒアリングを行ったうえで選挙の実施を決定して欲しい。」とした要望が受け入れられたと報告していますが、総務省の説明は嘘だったのでしょうか?もし「選挙に支障がない」というのであれば、この間どういうやり取りが行われたのか、総務大臣にはきちんと説明して欲しいと思います。

[混迷する原発対応]

 福島第1原発では深刻な原子炉の損傷と放射能漏れがあることがわかりました。私たちの「正確な情報公開を」という再三の要望に答えられなかった東電や保安院、政府の後手の対応が本当に悔やまれます。
 何はともあれ、原子炉の冷却(水をかける)と、放射能汚染水の拡散防止は、両立が困難な作業です。作業員の安全を考慮しながらの現場の必死の取り組みには心から感謝していますが、フランス、アメリカなど海外からの支援をはじめ、あらゆる官民の英知を結集して事態収束にあたるべきです。メガフロート(大型浮体式海洋構造物)の活用、樹脂コーティングや止水コンクリート、カルバート工法など、私たちもしっかり検討します。

 また、IAEA(国際原子力機関)との認識のずれをなくすべく、基準についての統一はきちんと行って欲しいと思います。福島県飯館村での日本との調査の食い違いは、IAEA側の別サンプル調査で一応無くなりましたが、日本の海外での信用がさらに低下する事態をもたらしたことは否めません。

[エネルギーの将来像]

 このような事態の中、新規の原子力発電所の建設は事実上とん挫したと言えるでしょう。今後、短期的あるいは長期的にいかなるエネルギー戦略を立てるか、これまでの延長線ではない大転換を行っていかなければいけません。

 夏の電力需要期を前に、経済への影響を最小限とする(計画停電を極力回避する)企業対応を検討するとともに、サマータイムや軽装出勤などの取り組みも本格的に進めるべきです。
 そして、太陽光・風力・水力などの自然エネルギーを本格的に活用した50年後のビジョンをまとめるため、若手の勉強会も行っています。大胆に提言をできればと思います。

[震災緊急提言は大連立を意味しない]

 既に3月30日、自民党で取りまとめをした震災対策の第1次緊急提言が、谷垣総裁・石破政調会長から官邸に申し入れられています。この中には、私が災害対策会議で提言した「自治体の被災者臨時雇用」「ガソリン税トリガー条項の廃止」などについても盛り込まれ、国による被災県での思いやり基金や災害臨時交付金の創設、行政手続きの緩和などもうたった詳細なプランが書かれています。4月中旬に第2次提言が予定されています。
 与野党実務者協議でも、仮設住宅の必要数と完成時期について検討したり、まだ状況が深刻な被災地の燃料・インフラ支援についても議論がなされています。

 今、大連立についての取材も数多く受けますが、現在のように自民党が与党に全面的に協力している中、どのような形が想定されているのかがわかりません。

 自民党はチームで連携を取って活動しており、数名の入閣で事態が改善されるとは思えないのです。しかも私はこの欄で最初から訴えているとおり、与野党の復興政策に向けた大枠合意(イコール民主党のマニフェスト撤回)と政府の情報の適正公開、事態改善に必要な一定の時期後の解散実施などの見通しがついての「救国内閣」でなければ、所詮は責任転嫁と菅政権延命に利用されるのが関の山だと感じています。真の国益に沿う政治を行うよう主張して参ります。

[31日の政局その2]

 東北関東大震災の復興支援のため、国会議員の各自の歳費から半年間で300万円の返上を行うことが決まりました。このような案件はともすると各党のバナナのたたき売りのようになってしまうのですが、迅速な合意を見たことはよかったと思います。これにより衆参で約22億円の財源が確保されることとなります。

 公務員にも是非身を削ってもらうための方策を検討したいと思います。既に30日の衆議院法務委員会で、判事補の昇進延期について質問しています。

 また、あまり報道はされていませんが、3月31日には「お茶振興法」が衆議院で可決されたことも明記したいと思います。

 自民党の茶業議員連盟は前国会で「茶業振興法案」を取りまとめ、私もメンバーの一人として視察や提言をその成果に反映させてきたところでした。審議が進まない中で今国会を迎え、ようやく民主党でも機運が盛り上がって与党案がまとまり、その案に自民党など野党が注文をつけて修正が加わったのが本法案です。

 国がお茶の生産振興策と生産目標を定め、各県で振興計画とそれに沿った事業・予算を策定することとなります。また、これまで法律のなかった生産・加工・流通・販売について、一体的な推進を行います。お茶の文化・伝統を尊重して消費を拡大し、海外への輸出対策にも触れられています。

 カテキンなど健康面でも注目されるお茶の振興に努めて参ります。

[地元での声、再び]

 東北に物資が割り当てられるため、関東での建設産業など事業活動に回る分が劇的に縮小している事態が続いています。上述した先週の法務委員会で私が取り上げた金融支援対策に加え、物流・輸入対策なども講じていかなければならないでしょう。

 埼玉で生産する安全な野菜が風評被害を受けていることも見逃せません。政府に対策を要請するのみならず、自民党でも食堂での積極的な野菜消費をしていきます。官公庁での活用も訴え、私たち議員も自ら消費するなど安全のためのアピールに取り組んでいきます。

 原子力損害賠償法では電力事業者が原発事故と相当因果関係にある損害を賠償しなければいけないとされ、枝野官房長官はこれが天災による免責を受けることがないとするとともに国も支援策をとると明言していますが、こうした埼玉での様々な被害をどうカバーするのかは依然不透明です。今後チェックしていきます。

[娘誕生]

 こうした数々の国会活動に加え、統一地方選挙への対応もある中、昨日4月3日に娘が生まれました。記念すべき第1子がこのような国難の中に誕生したことに感慨を覚えます。これを励みにして、将来世代が希望を持てるような日本・世界を作るべく、今後とも一層精進をすることをお誓い申し上げます。

≫平成23年4月1日

[昨日の政局から]

 昨日、子ども手当のつなぎ法案が参議院を通過しました。

 衆議院を通過した段階では、内閣から既に出されていた子ども手当修正案(3歳未満につき月額2万円への増額をはじめ、外国にいる子供や施設の子供の扱いなど私たちが指摘してきた問題へ一定の対応をしたもの)と二重に審理されていたという異常な状態でした。
 この修正案を取り下げたとはいえ、国民の8割が「子ども手当の財源を震災復興に回すべき」と考えているという調査がある中、問題を抱えたままの現行法を維持するのはおかしいと考えざるを得ません。

 これをつぶした際の児童手当の復活や混乱回避などの処理は確かに大変な作業を伴いますが、対応できないものではなかったはず。参院本会議で国民新党の亀井亜紀子議員が退席するというハプニングもあり、採決は可否同数で議長決裁による成立という36年ぶりの事態となりました。
 委員会段階でも可否同数の委員長決裁だったということで、その異常さが際立ちます。

 今後の震災復興に向けて、しっかりした財源の議論と国民への説明責任が必要になると思います。

 説明責任といえば昨日は衆議院ではHNS(いわゆる思いやり予算)協定も採決されました。
 民主党は3年前の野党時代に、サービス系基地従業員経費の負担を「対米従属」と言うなど、様々な理由を挙げて協定に反対し、日米関係に大きな影響を与えたにもかかわらず、今回十分な説明もなく賛成に回っています。

 もはや国益を軽視し、パフォーマンスをしている場合ではありません。
 私も正面からの議論をすることを心がけ、おかげさまで先日出演した「ニュースの深層」も、水曜日の法務委員会での質疑にも暖かいお声をいただいています。今後とも肝に銘じて参ります。

[いよいよ統一地方選]

 とても重要な統一地方選が始まります。私は震災の影響を考え、もっと延期の地方を広げるべきだと考えていましたが、私の地元でも選挙に突入します。やる以上はできる応援をしっかりして、あるべき政治を作り上げるための貢献をしたいと思います。

≫平成23年3月27日

[今原発で何が起きているのか]

 東京電力は昨日、福島第1原発2号機の原子炉建屋から水が流れ出た跡が見つかったと発表しました。しかし建屋内のどこから出たかはわかっていません。

 既に25日朝、南放水口付近で採取した海水からは法定濃度の1250倍に当たる放射性ヨウ素が検出されています。一体何が原子炉内で起きているのでしょうか。

 損傷の可能性が低いと言われている格納容器から汚染された水が流れ出ていることも想定され、事態の早期把握が不可欠でしょう。
 無論高濃度の放射線の中、作業員の安全確保が必要ですから、できる作業を優先順位をつけて行わざるを得ません。真水の注入や外部電源の稼働の努力など、現場での身を賭した取り組みには心から感謝しています。しかし、何が起きているかわからなければ国民の不安を取り除くことも適切な対策を取ることも難しくなります。

 放水車のノズルの先にカメラを設置してはどうか?ライトの点いたラジコンヘリやロボットで内部を調べられないのか?様々なアイデアが寄せられています。是非関係者には検討のうえ、何が起きているのか、今後どうなるのかをしっかり伝えて欲しいと思います。

[そして私たちの暮らしへの影響は]

 原子力安全委員会は25日になって、ようやく文科省が実施している環境モニタリング結果につき、午後3時ごろまでのその日の大気などに含まれる放射性物質など評価のうえ毎日公表することを決めました。私たちの要望がようやく容れられた形ですが、余りに遅すぎました。官邸、文科省、原子力安全委員会、東京電力、責任のなすりつけ合いや情報の隠ぺいは絶対許されません。関係機関の体質が問われます。

 福島県の浪江町において、昨日原発から30キロメートルの地点で1日屋外で過ごした際の放射線量が年間の基準値1ミリシーベルトを超えたとのことです。「ただちに健康に影響を与えるものではない」とのことですが、この「ただちに」をもっと詳しく説明して欲しいです。また、30キロメートル圏内でこれまで政府は「屋内待機」を指示し、地域の不安を増してきましたが、今後は「自主避難」を要請するとのこと。私たちの要求する「県外避難」をきちんと指示するとともに、被災者の受け入れを責任を持って進めるべきです。東電も保養施設などの解放を是非行って欲しいと思います。

 野菜や牛乳などの被害も深刻な事態が続いています。

 福島県伊達市でハウス栽培の花ワサビから放射性ヨウ素・セシウム共に暫定基準値(1キログラム当たりヨウ素は2000ベクレル、セシウムは500ベクレル)を超える値が検出されました。ハウス物でこのような値が検出されたことは深刻な事態です。茨城県神栖市のピーマン農家では、地震の影響でハウスが損壊した物についてどうなっているのかとの声も聞かれます。原発から離れた千葉県旭市でも、春菊やパセリなどから暫定基準値を超える放射性ヨウ素が検出されています。

 この欄でも主張したとおり、細かく品目や場所を特定して検査を行い、問題のある物は出荷を停止するとともに、検査済の安全なものであるならその旨を示すシールを貼るなどの工夫をすることが求められるのではないでしょうか。

 水道水をめぐる混乱も大変です。23日に東京の金町浄水場で採取した水が乳児向け暫定基準値である1キログラム当たり100ベクレルを超えたため、一気に都内でペットボトルのミネラルウォーターの買い占めが進みました。その後この値が下がったこととペットボトル増産により、少し状態は落ち着いていますが、いつ状態が悪くなるかわかりません。
 このレベルの基準値は私たち大人には影響のないものです。私たちが子供を犠牲にすることがないよう、冷静な対応をすべきですし、国も自治体も(子ども手当が子供につけを残すことから撤回されるべきがごとく)こうした買い占めを子供のために制限するよう積極的に動くべきです。

[地元から寄せられる様々な声]

 「被災地のボランティア募集はどうなっているのか」「地元の被災者受け入れはどうなっているのか」様々な声をいただきます。例えば所沢では市民武道館などでの受け入れ、生涯学習センターでの支援物資受付を行いますし、自民党のホームページからボランティア登録などの情報も得ることができます。

 私の地元でも、今回の震災は様々な影響をもたらしています。工場の稼働が計画停電により影響を受け、お茶など何日も生産に時間がかかるものが全ラインの停止を余儀なくされているとか、ベニヤ板やビニール管など建設資材が全く入って来ず、建設業に多大な影響が出ているとか、東日本の学校の受験が減り、ワンルーム賃貸の需要が冷え込んでいるとか、経済的にも二番底の懸念が広がっています。しっかり実態を把握して今後の活動に反映させていこうと思います。

[法制度・税制の検討へ]

 震災復興に向けた法制度・税制の検討が自民党で始まりました。街を元気に復活させるため、あらゆる検討を行います。阪神大震災と違い、津波による大規模な散乱などがあり、また財源の問題もあり、難しい問題が多々ありますが英知を結集して頑張ります。3月28日月曜日午後8時からはCSテレビ朝日ニュースター「ニュースの深層」に生出演し、危機管理の問題や復興の問題をお話しする予定です。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

≫平成23年3月23日

[ガソリンの値段は]

 リビアにおいて多国籍軍の空爆が続く中、石油価格の一段の上昇が懸念されていると報道されています。

 ガソリン税などの暫定税率については昨年、160円超えの状態が3ヶ月続けば停止されるという「トリガー条項」が民主党政権により導入されています。もしかするとこれが発動される事態が生じ、国民はあの「ガソリン25円値下げ騒動」に再び振り回されるかもしれません。
 しかもこれは、価格が130円に戻って3ヶ月すれば(すなわち実質5円再び価格下落の状態が続けば)再び元に戻るという性質のものです。

 震災でガソリンがこのように貴重な時に、今の仕組みをそのままにしておいてよいのか是非政府には再考して欲しいと思います。

[災害対策本部での検討は続く]

 昨日主張したような、情報の官邸一元化や野菜の風評被害対策に加え、被災者間の支援格差や計画停電の不公平の見直し、公共交通機関や医療現場での混乱回避など、昨日の災害対策本部で改めて具体的に要望しました。また、被災地での求められる物資の変化(ガスや衣類などの需要が高まっている)ことに伴う対応についても議論となりました。

 政府にはこれらの要望について、どう対応しているかをきちんと説明して欲しいと思います。

 原子力発電所の復旧困難が、放射線の問題のみならず、これから夏に向かう私たちの生活にどのように影響してくるのかもきちんと考えていかなければいけません。野党ではありますが、責任ある検討を続けます。

≫平成23年3月22日

[刻一刻と変わる情勢]

 災害情報は刻一刻と変わります。必要なのは総理官邸に全ての情報を集約し、優先度をきちんと考えて衆知を集めて対策を決め、それを各担当現場に迅速にフィードバックして実行に移すことです。過去の慣例などにとらわれず、民間の工夫などを取り入れて積極的に行動しなければいけません。

 官邸は、自民党の提案を取り入れてか、枝野長官が原発事故対応など、仙谷副長官が被災者支援対応などと役割分担する動きを見せていますが、まだ情報の一元化が進んでいる様子が見えず、引き続き改善を働きかけます。

 経産省は石油製品の供給増のため、民間備蓄を新たに22日分放出することを発表したとのことで、遅きに失したとはいえ評価したいと思います。ただ、海江田大臣が、放水作業中の東京消防庁職員に対して「言うことを聞かないと処分する」と恫喝まがいの発言をしたとの報道はいただけません。現場職員は命を顧みずギリギリの活動をしているのです。大臣にはきちんと釈明をし、現場の士気を改めて高めて欲しいです。

[政局は災害対応に]

 今週から国会も(災害対応ながら)徐々に動き出します。参議院の予算委員会で、現場視察をした自民党議員が前向きな提言をしているのが目に付きます。

 さらに、今なお民主党の予算やその関連法案が、私たちの修正要求にもかかわらず着地点を見せない中で、国民生活に密接に関わる租税特別措置法(特別償却、登録免許税、間接税などの国税、不動産取得税などの地方税)について、つなぎ法である3ヶ月間の延長法案を自民・公明両党の議員立法で提出することになりました。一刻も早く全体の方向についての協議ができればと思っています。

 大枠の方向の一致(必然的な民主党マニフェスト変更につながる)や、今なおできていない政府情報の適正開示、事態好転後の解散実施などを前提とすれば、救国連立政権もあり得なくはないと思いますが、菅総理が党内手続も不十分なまま谷垣総裁に電話一本で入閣の打診をしたというのは余りに非常識で、単なる政権の延命策と取られても仕方ありません。もちろん自民党も現在設置されている超党派での災害対策協議会などをフルに活用し、全力で政府の対応に協力をしていかなくてはいけません。私も引き続き全力を尽くします。

[気になる風評被害]

 農作物などから放射線の検出があったという報道がされています。これもきちんと地域の特定や、いかなる条件(ハウス物か路地物かなど)をしないと風評被害につながりかねません。政府には十分行き届いた広報をお願いしたいと思います。

[埼玉でも被災者受け入れ]

 さいたまスーパーアリーナなどで、埼玉県でもかなりの被災者受け入れが始まっています。しかし各市町村でどのような施設にどれだけ受け入れられるかをきちんと把握できるようにしておくことが重要です。地元でも社会福祉施設などの活用がされるとのことですが、引き続き積極的な対策を働きかけていきたいと思います。

≫平成23年3月17日

(NO.3)
[統一地方選はどうなるのか]

 今日、衆議院本会議で、統一地方選挙の延期に関する特例法が可決されました。

 地震の影響で選挙を適正に行うことが困難として総務大臣が指定する市町村、及び当該市町村を含む県の議会議員・長の選挙は、この法律の施行日から起算して、2ヶ月超6ヶ月以内で政令で定める日に延期することを内容としています。無論、延期された場合の任期は当該延期選挙日の前日まで延長されることになります。

 問題は総務大臣がどのような市町村・県を指定するかということですが、総務大臣の発表によれば物的損壊の著しい岩手・宮城・福島の3県のみが想定されているとのことです。
 私は「それはおかしい。隣接している県でも被災者を受け入れたり、物資援助や停電による経済混乱が激しかったりして、とても選挙のための体制が整わない所もあるだろう。例えば関東以北は原則投票を延期することとして、支障がないという自治体には選挙を実施してもらうということでもよいのでないか。」と党内の部会で意見を述べており、総務省からは「短い期間ではあるが全国各自治体の意見をヒアリングする。」との前向きな回答を得ています。具体的にどのエリアが投票延期となるのか、また情報が入り次第提供して参ります。

[自民党のこれからのスタンス]

 自民党は野党ではありますが、今回の災害で政府の対応の足を引っ張るつもりは毛頭ありません。私たちの経験やネットワークに基づく協力を、超党派で設置する会議で提供することは当然でしょう。しかし政府がただ私たちを取り込んで責任だけ負わせ、私たちの要望に誠実に対応しているかどうかの検証ができないようでは困ります。また、今の官邸は政治主導と言いながら各省の連携が不十分だったり、政治家が責任を東電など現場に押し付けたり、無用の現場視察を行ったりするなどのパフォーマンスを行う様子も散見されます。

 こうした状況の改善を求めるとともに、例えば子ども手当の増額凍結、高速道路無償化の実施の中止などを通じ、5兆円規模の補正予算を組むことを訴えていきます。

 各論ベースでの要望は以下のとおりです。

○震災担当特命大臣の任命。
○混乱を回避する為、官邸機能を原発対策と津波・震災対策の指揮命令系統を二つに分け、責任体制を明確化する。
○官房長官発表の際に、専門家の補佐を置くこと。
○高齢者、障害者、病人、子ども、女性を始めとして、休館予定の大規模ホテルや余裕のある議員宿舎等への受入れ等、ホテル・旅館等への可能な限りの受入れを要請し、国による費用負担を検討すること。
○政府から自治体に対して「財源は心配しないで躊躇なく対策を打つべし」というメッセージを発すること。
○政府から「食料供給体制は大丈夫である」と発信を行うこと。
○物資関連
・特に、水、食料、燃料(ガソリン・軽油・灯油・A重油等)の流通ルートの確保。また医薬品、血液、検査試薬、消毒薬、ロングライフミルク、果汁、お茶パック、パン、赤ちゃん用粉ミルク、簡易トイレ等も重要。
・道路・港湾の復旧等、ロジスティクスを早急に確立すること。特に港湾からのアクセス道に関し、大至急障害物を除去し、海運を活用すること。
・自衛隊等の能力を活用し、医療・入浴・トイレ等を早急に被災民に提供する。
・国家備蓄・民間備蓄を活用すること。
○原発事故関連
・モニタリング・ポストを10km地点、20km地点、30km地点等に環状に配置し、数値をインターネットでリアルタイムに流す等、適時適切な公表を行って、国民の不安・疑念を解消すること。その際、放射線量の健康に与える影響等の周知を徹底すること。また、原子炉格納容器が壊れていないと判断する根拠データを公表すること。
・官邸と東京電力が一体となる体制を作ったが、官邸と現地(福島)とも密接な連携体制を確立すべき。原子力保安院・東京電力等がバラバラに会見・発表するのではなく、一体的に行うこと。
・現在、屋内退避勧告が出されている福島第一原発の周辺20-30kmの住民について、圏外退避を至急指示すべき。その際周辺各県への退避も視野に検討すること。
・現地は退避の為の車輌のガソリンに困窮しており、供給体制を至急に確立すること。
・停止した原子炉の冷却・安全化と共に、使用済燃料の冷却状態の確認・確保に万全を期すこと。

○計画停電関連
・早期に計画を提示し、企業の生産計画等が立てられやすくすること。
・特に鉄道輸送・病院・在宅患者等に対して配慮すること。
・児童・生徒の通学時間帯(信号機が機能しない際の安全確保や鉄道が動かない際の通学手段の確保など)や、学校における授業時間帯(授業が分断される際や給食の調理など)に停電の時間が当たる際の対応方針を策定すること。
・東京湾岸の火力発電所の復旧など早急に行うこと。
○外交・自衛隊
・救援・復興支援が長期化することを見越しての自衛隊の交代要員等を検討すること。
・松島の航空自衛隊基地の航空機に関し、必要ならば予算措置を行い、早急に調査・修理を行うこと。
・10万人体制に伴う運用の影響も考慮し、必要予算を確保すること。
・米軍との協力体制の推進。
・在外公館における支援金受付(現在の支援金受付は国際赤十字のみ)
・中国・韓国・フィリピン等の大量の研修生(労働者)の安否確認。
・外国人留学生や研修生(労働者)に対する見舞・生活支援・帰国支援等を手厚くすること。
・海外からの支援チームの活動支援と、特に原発関係の丁寧な情報提供。
・政府の会見は外国人にも分かるように同時通訳やテロップ表示を行うこと。
○雇用対策
・雇用調整助成金の運用拡大による雇用維持を図ること(企業負担の軽減)。
・失業保険の失業給付期間の延長等と特例納付の拡大。
○税制関連
・税制始め、確定申告等についても税制控除や申告の延期等の措置を講ずるべき。
・平成7年の「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部改正」や「阪神・淡路大震災の被災者等にかかる国税関係法律の臨時特例に関する法律」をベースに対応すること。
○金融関連
・急激な資金需要への対応の為、銀行等の窓口、ATMの早期復旧(個人資金ニーズへの対応)、中小・小規模企業者の資金ニーズへの対応、地方銀行等、地域金融機関への万全な支援体制等を確立すること。
・被災地以外の地域においても、政策金融等の活用により、資金需要の円滑化を図ること。
・証書がなくても、払い戻しができる措置を金融機関において講ずること。
○4月1日から開始予定の高速道路新料金制度については、混乱回避のため、中止すべき。
○緊急通行車両確認標章は出発地の警察署等で発行するが、発行基準を大幅に緩和し、この標章で日本全国の全ての高速道路を無料で通行できるようにすること。また、制限区域も栃木以北とすること。更に、重機等の運搬も緊急通行車両に加えること。
○災害復旧事業は、全額を国が負担すると宣言すること。また改良復旧事業についても、当然、全額国庫負担事業に含まれると宣言すること。県土、地域の復興については、用地調整、測量調査、計画作成の段階からの支援を行うと宣言すること。

○学校耐震化工事等の国庫補助率のかさ上げ措置の有効期限が、平成23年3月31日に切れるため、かさ上げ措置を5年間延長すること。
○公共学校施設の耐震化工事を加速する必要があり、補正予算などで必要な予算を確保すること。
○がれきの処理計画を迅速に策定し、実行すること。
○検死体制の更なる強化及びご遺体の埋葬等に関する尊厳ある対応(必要な資材の確保等)
○3月交付の特別交付税(7551億円)について、全自治体への速やかな配分を実施すること。また、平成23年度予算関連法案「地方交付税一部改正案」について、特別交付税の割合引下げ部分を削除すべき。
○行政機能を失った市町村について、行政の代行について法制化(代行機関は、市町村を包括する県を想定)を検討すること。(国民健康保険・介護保険・生活保護・年金給付・教育委員会)。
○市役所・町村役場への各府省横断の人的支援体制を組織化して、市町村行政のバックアップを検討すること。
○平成23年度補正予算の編成に当たって、大型の地方交付税措置を行うとともに、特に被災自治体に対して地方交付税を大幅に加算すること。
○生活貸付等、緊急に必要とされる生活費への対応(生活福祉資金貸付等)。
○医療機関・介護施設への医療費・介護費用の確実な支払いを可能とすること。窓口負担の免除等に伴う保険者の財政負担の軽減を検討すること。
○関係団体等への情報収集及び連携を強化すること。
○被災地のペット問題についても配慮すること。

(NO.2)
[原発への対応は冷静かつ正確に]

 福島第1原発の3号機に、自衛隊機が空中から冷却水を散布する処理を行いました。この後、機動隊による放水処理が行われるとのことです。危険を顧みず作業にあたっておられる方々には心から敬意を申し上げます。

 ただ、放射線は距離の二乗に反比例して濃度が減少し、さらに今回漏出しているのは半減期が短い種類であることから、至近距離の住民の方以外は即座に健康被害が出るようなことはありません。デマに振り回されないことが何より大切です。

 最も重要なのは、きちんと現状についての情報開示が、タイムリーかつ正確に行われることです。このことは何度でも主張します。

 IAEA(国際原子力機関)の天野之弥事務局長は日本を訪問して現状調査を行う旨明らかにしています。
 米大使館が原発から80キロ圏内の自国民・93キロ圏内の米軍兵に避難を勧告しているとかフランスの救援隊が仙台から三沢に避難したなどのニュースが大きく取り上げられていますが、まずはきちんと情報を精査したうえ、日米共同で放射能除去のための適切な行動を取ることを明言することが必要です。

 例えば「病院なび」http://byoinnavi.jp/saitama/のようなホームページで放射線診療を受けられる病院の紹介があります。
 また、各地での放射線測定の状況を示す文部科学省のホームページはこちらです。http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm

 ただ、繰り返すとおり、冷静に対応して窓口がパニックにならないようお願いします。

[計画停電への注文]

 このブログで述べているとおり、計画停電自体はやむを得ないと思います。しかしきちんと情報を事前に広報して欲しいのと、電車など公共交通機関についてはなるべく(本数は少なくともよいので)動かせるようにして欲しいと思います。これらが動かずに車で移動するとなるとガソリンの消費が増え、渋滞や被災地支援にも影響が出てきます。政府や東電に考慮していただきたいです。

(NO.1)
[続々と届く現場の声]

 被災地を視察した議員やそれぞれの地元から、続々と切実な声が寄せられています。

 冷え込みが厳しい被災地では、何と言っても暖を取るための灯油などの確保が急務。避難所や病院で温度を保てないために二次災害が生じている状況です。
 加えて、ガソリンの補給も急務です。水や医薬品の運搬をするにも、原発危険地域からの退避を行うためにも、ガソリンを至急届けなければいけません。

 緊急車両以外なかなか高速道路を利用できない状況が続いていましたが、今般わが党から、タンクローリーは入り口ですぐ許可証を出してもらう扱いにして欲しいと申し入れをしたところです。
 塩釜製油所が今日から再稼動するほか、民間備蓄(原油ではなく製品)の3日分の引き下げが政府から要請されています。

 被災地以外でのこうした必要物資の買い占めは何としても避けて欲しいと思います。

 支援物資の提供については、経団連の各企業がなかなか政府から指示が来ないということで、自民党から、青森・茨城を含めた被災地に自衛隊を通じて物資を輸送してもらうためのホットラインを設置するよう働きかけを行いました。
 JRでも、関東から日本海側を通じ、青森経由で盛岡まで運ぶ体制を整えています。

 自民党も、乾電池、携帯充電器、幼児用・介護用紙おむつ、携帯カイロ、アルコール性ウェットティッシュの提供を3月31日まで受け付けます。ただし、受け入れの便宜上1ケースなどなるべくまとまった単位でお願い致します。お問い合わせは
自由民主党本部 緊急救援物資係
〒100-8910 千代田区永田町1-11-23 電話03-3581-6211(代表)です。

 募金についても
りそな銀行 衆議院支店
支店番号 328 口座番号 (普通) 0037627
名義 東日本巨大地震救援募金
で受け付け、日本赤十字社を通して被災者支援に活用させていただきます。

≫平成23年3月15日

[一刻も早い支援を]

 東日本大震災で亡くなった方の数は現時点で約2000人、安否の確認が取れない方は約1万5000人にのぼっています。

 マグニチュード9.0という世界最大規模の震災は、数えきれない方々の平穏な生活を奪い、生活に必要な鉄道・道路のネットワークもずたずたにしてしまいました。
 高速道路は緊急車両等限られた利用となり、海岸沿いの道路は寸断されているため、物資はヘリなどで運ぶのでなければ一般道で北上し、目的地にめがけて右折して海岸に向かうしかありません。道路は大変に混雑し、現地では灯油・ガソリンや水、医薬品など生活物資が不足する厳しい毎日が続いています。 (ガソリンについては他地域でも鉄道網の混乱に伴い不足が顕著です。)

 自衛隊の救援が5万人から10万人に増強され、懸命な人命救助活動が続いていますが、既に災害発生から4日が経とうとする中、物資補給や避難所の整備に大きな力が必要となってきました。諸外国からの支援受け入れ体制も政府には迅速に広げてもらわないといけません。

 各地での募金・物資の提供などの動きもありますが、現地では当面現金なく様々な支援が行われているうえ、必要な物資についても現地とのしっかりした連携がないとかえって迷惑となりかねないとの声が大きくなっています。きちんと状況を見極めます。

[政治は全面協力。しかし…]

 このような事態ですから、国会は政府の災害対策に全面協力しなければいけないと思います。補正予算を今年度中にも成立させ、繰越処理を行うなどの知恵も必要になってくるかもしれません。また、自民党はこれまでの災害支援の経験の蓄積と、豊富な地域・組織のネットワークがあります。
 しかし、総理や官房長官の会見が不明瞭だったり、各省大臣が効果的な支援のため連携しているか首をかしげる場面を見ると、大変な困難を感じます。

 まず福島第一原発については、党の災害対策本部で経産省や東京電力に対して様々な改善要望や質問が相次いでいます。モニタリングポストにおける放射線測定がきちんとできないとあらば、専用自動車できちんと半径10キロ、20キロ地点の観測を行い、避難エリアの住民に正確な情報を提供しなければいけませんし、現在燃料棒の溶融の危機が叫ばれている2号機についても、きちんとした情報を収集・発表して欲しいと思います。いたずらに危機をあおる必要はありませんが、正確な情報を提供し、今後の避難や復旧の見通しを示して欲しいと思っています。

 計画停電についても、発表が昨日の実施の直前、しかも予定した停電が急きょ行われなくなった地域がある一方で予定されていなかった被災地で停電が実施されたりと混乱が著しく、通勤・通学電車などの交通インフラも予測なきダイヤの乱れに見舞われました。

 病院などの臨時電力確保の確認を行うとともに、本当にきちんと計画的に停電措置を、十分な広報のもと、確実に実施して欲しいと昨日の災害対策本部で意見具申しました。もはや1000万キロワットの供給不足は節電で補えるレベルでないことは明らかなのですから…

[地元でも相次ぐ予定の変更]

 先日この欄で予告していた、17日19時から所沢文化センターミューズで実施予定だった石破茂元防衛大臣をお招きしての時局講演会は、やむを得ず中止とさせていただき、それに先立つ自民党所沢支部の総会も延期とすることとしました。関係の方々には深くお詫び申し上げます。
 統一地方選挙を控えて様々な予定がありますが、変更を余儀なくされる物が増えるでしょう。また、地域の経済活動にも様々な影響が出てくると思います。慎重に活動を進めていきます。加えて、被災地でおそらく統一地方選の実施が延期などされると思うのですが、それがどこまで、どういう影響をもたらすのか、しっかり確認して参ります。

≫平成23年3月11日

(NO.2)
[頼むから無事で]

 夕刻、議員会館のテレビに次から次へと各地の被害情報が飛び込んできます。

 余震が少し収まっても、津波や火災への厳重な警戒は引き続き必要です。とにかく安全な場所にいて動かないこと。そしてテレビ・ラジオ・インターネットなどで情報を絶えず入手していることです。

 宮城県や茨城県など、被害の大きな地域の映像が流れています。港で家や車が流されている映像に愕然とします。多数の行方不明の方々が出ている模様です。「頼むから無事でいて」そう多くの方々とともに祈るばかりです。

 党としての緊急対策本部の設置が急務。情報把握・政府への提案が大切です。しっかりと役目を果たさねば。

(NO.1)
[かつてない激震]

 今日午後2時46分、三陸沖を震源地とする大地震が発生しました。

 二日前にはやはり三陸沖で最大震度5弱という大きな地震があり、かねてから予測されていた宮城県沖大地震との関係が取り沙汰されていましたが、専門家は「別物であって依然警戒が必要」と判断していたところです。

 当時私は国会図書館の打合せ室で同僚議員と会合をしていたのですが、人生最大の激しい揺れに見舞われ、机の下に潜り込みました。天井のプレートが剥がれてぶら下がり、備え付けのコピー機は台から落ちる寸前。防災の日に乗り込んだ地震体験車を思い起こすほどでした。

 その後も相次ぐ余震。会合は中止して議員会館に戻りましたが、電話もメールも使いにくい状態が続いています。開会中の参議院予算委員会も中止となりました。

[残念な相次ぐ予定のキャンセル]

 今夜は地元所沢の青年会議所で、ヤンキー先生こと義家弘介参議院議員の家庭教育に関する講演が行われる予定でしたが、急きょキャンセルとなりました。

 明日12日は、J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)の企画で、党大阪府連主催の「柴山昌彦衆議院議員を囲む政策勉強会」を夕刻予定していたのですが、公共交通機関も復旧の目処が立たない中、中止せざるを得ません。ご準備いただいた方々、企画を楽しみにしていた方々、本当にすみません。またの機会に、是非。

 さらに明日は、13日投開票の名古屋市議会選挙で、最終盤の街頭演説応援依頼も複数いただいています。幸いイベントは開催できる状況のようですが、私が伺えるかどうかは明日になるまでわかりません...

 19日には応援依頼に基づき、県議会議員の方の報告会に出席のため山形に出張予定なのですが、東北地方とあってこちらもどうなるか気掛かりです...

[政局は非常事態対応へ]

 前原外務大臣が外国人からの違法献金で辞任したと思ったら、今度は菅総理に同様の疑惑が持ち上がったとの報道がされています。しかし今はそれどころではありません。政府が立ち上げた緊急災害対策本部に、国会は与野党の別なく全面的に協力するべきです。

[はたして地元の企画は]

 来たる3月17日午後7時からは、所沢文化センターミューズの中ホールにて、石破茂党政調会長をお招きしての時局講演会を開催することになっています。「石破茂元防衛大臣・柴山昌彦 どうする地方とニッポン!」とのタイトルで、混迷する地方政治と国政のこれからにつき、タイムリーで有意義なお話をと企画を進めてきました。もっとも上記のとおり災害対応に全力を尽くさなければならず、どうなるかは流動的です。予定の変更があればまた報告させていただきます。

平成23年2月23日

[大自然の脅威]

 霧島山系の新燃岳噴火によって多くの方々が生活不安にさいなまれる中、今度はニュージーランドクライストチャーチ市で発生した震災により、100人近い死者が出ているとのニュースが飛び込んできました。

 邦人も20名以上行方不明ということで、一刻も早い救出を望むばかりです。大自然は私たちに大いなる脅威をもってどんな警告を発しているのでしょうか。

[国会改革の道は遠けど]

 2月21日には「政治と金」をめぐり予算委員会の集中質疑が開催され、私はまた質疑に立つことになりました。冒頭、予算委員会は予算の審議に特化し、政治倫理の問題は中継入りの別の委員会で行ってそこに証人や参考人を呼べるような仕組みにしたらどうか、と私たち超党派若手議員グループが国会改革につき提言している内容を菅総理にぶつけてみました。

 総理は「初めて聞く話で…」と鈍い反応でした。国会改革の道のりはまだ遠いですが、これからもあきらめることなく努力を重ねて参ります。

[景気の回復は本物か]

 党内閣部会の月例経済報告検討会議では、一部明るい兆しが見えてきたと言われる日本経済も、(欧州はまだ不透明感があるものの)米国の回復や新興国の勢いからはまだまだ遅れている実態が改めて浮き彫りになりました。

 家計資産が消費に直結せず、エコポイントやエコカー減税、地デジ買い替えなどによる需要が頼りの状態です。公共事業の落ち込みも著しく、「コンクリートから人へ」のスローガンが仇となっています。

 リバースモゲージや生前贈与の促進、かねてから主張している年金制度の超党派議論など、やるべきことは沢山あります。しかし何より必要なのは政府が成長戦略を重視する姿勢のはず。与党は、小沢グループの造反を恐れ、国民新党のみならず社民党にも協力を呼びかけようとしています。それでまともな方針が打ち出せるのか、予算委員会で総理に問いただしたところ、「衆議院での3分の2の多数維持に心配をされるなら、予算(関連法案)に賛成して下さい」と的外れな答えが返ってきました。

 今や民主党の身内からも「この予算でよいのか」と疑問が出るような代物に、修正なしで賛成することはできません。また、政権は成長戦略に極めて鈍感であると断じざるを得ません。

[加速する党改革]

 連日、党改革委員会で外部講師の意見を聴取するとともに、5つの分科会で中間提言作成の作業にあたっています。

 特筆すべきは、党改革委員会の議論には落選中の支部長や地方組織の方にも来ていただき、国会の外からの忌憚なき改革への思いを伺っていることです。2月26日には、岡山県と自民党空白区の滋賀県にタウンミーティングに出かけ、一般の方から「何が自民党に足りないのか」率直にご意見をお聞きするつもりです。

 「自民党の支持率もなかなか上がらない」という危機感のためか、かなり多くの議員が関心を持っています。この大事な局面で必ず、自民党への信頼回復のため、改革をやり遂げる!強い決意を持って、事務局次長として力を尽くします。

[竹島の日、島根に飛ぶ]

 昨日2月22日は、島根県が「竹島の日」と定め、韓国との間で領有権の争いとなっている竹島についての啓発活動が行われる日でした。

 尖閣、北方領土と、昨年からの政権の領土問題についての相次ぐ失態に加え、この竹島問題でも韓国の海洋科学基地建設やヘリポート改修、漁業者宿泊所の拡張改築工事について、政府は抗議するどころか情報を国民に明らかにせず、従来の日本の立場を述べることすらしないと枝野官房長官が言明する始末。

 これはおかしい。自民党時代も確かに反省すべき点はありましたが、敗戦後李承晩ラインで竹島の実効支配を奪われたのち、抗議とICJ(国際司法裁判所)への付託を求め、戦後の改憲の困難さや正面から軍事的活動ができない中ではそれなりに苦労をしてきたのです。

 島根県民会館での式典参加ののち、党青年局の古川局長ほかと街頭遊説に臨みました。これから私たち若い世代が中心となり、領土問題の啓発・教育に全力を尽くすとともに、法的・平和的解決を実現するためのあらゆる努力をすること、憲法改正や自国を自分たちで守れる体制の整備に向かっていかねばならないことなど、渾身の力を込めて訴えました。

 統一地方選挙を控えた自民党地方議員の青年部の方々も多く参加されました。この動きを日本全土に広げていきます。

[そして地方の政局へ]

 子ども手当をめぐる予算の攻防は、そのまま地方負担の問題へと直結します。今後この問題にどう対応するのか。党としての対応を示すよう全力で働きかけます。

平成23年2月16日

[もう逃げられない]

 2月9日の党首討論に続き、昨日は、所得税法・地方税法や公債発行特例法などの予算関連法案がいよいよ審議入りしました。

 今の政府・与党の案を一言でまとめると、壮大なバラまきマニフェストに税収が追いつかないので、子ども手当(月額2.6万円予定を2万円へ。しかも3歳以上は1.3万円のまま)など規模を縮小するがとても足りずに2年続けて税収(41兆円)より新規の借金(44兆円)が多くなってしまううえ、埋蔵金に引き続き手を突っ込んで実質的な財政悪化を招いているというものです。

 これではとても予算は今後安定的に組めないので、6月に社会保障と税の一体改革の方針を示すということですが、当然そこでは具体的な数字を伴う試算のもと、消費税の引き上げ幅や実施時期についても言及がなければいけません。

 民主党はさんざん「無駄を省けば16