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平成29年≫

平成29年3月31日

[危機感を持って]
 3月22日、北朝鮮は失敗に終わったもののまたもミサイルを発射しました。そして同日、イギリスの国会前でテロリストが車両を暴走させたうえ警官を刺し、多くの死傷者が発生。後にISが犯行声明を発表しました。

 しかしながら翌日の日本の国会では、終日森友学園に関する証人喚問・・・本当にこれでよいのでしょうか?

 昨日30日、自民党の安全保障調査会の検討チーム(座長・小野寺五典元防衛大臣)が中心として取りまとめた弾道ミサイル防衛に関する提言を、安倍総理とともに官邸でお受けしました。 北朝鮮の核・ミサイル開発技術の進展は、同時多数発射や正確性などの観点から新たな脅威に達していると認められます。これに対する日本の対応は、迅速かつより実効性の高いものであることが明らかであり、提言は
1.弾道ミサイル防衛能力強化のための新規アセットの導入
2.わが国独自の敵基地反撃能力の保有
3.排他的経済水域に飛来する弾道ミサイルへの対処
などを内容としています。

 新規アセット(装備品)の導入について、イージスアショア(陸上配備型イージスシステム)や、現在韓国でも検討されているTHADD(終末段階高高度地域防衛)の導入の可否を直ちに検討するよう求められていますし、また、EEZ(排他的経済水域)に飛来する弾道ミサイルへの対処として、わが国船舶などに航行警報を迅速に発出できるよう検討を求められています。
 今後の早期警戒衛星の展開など、米国との間で調整が必要であったり、予算措置が必要であったりするものが多く、また、敵基地反撃についても法的・物的なハードルが高いことは予想されますが、総理は真摯に検討する旨応じておられました。

 折しも弁護士の有志で、ミサイル攻撃への対処や憲法問題を議論する動きもあり、こうした流れが危機感をもって広がることを期待しています。

[地元のイベント続々]
 応援して下さっている女性の会「しばざくら会」の春の集いや、地元の国政報告会などを開催していただいています。私の日頃の活動報告のみならず、皆様の声を伺う貴重な機会です。開催にご尽力をいただいた方々に心から感謝申し上げます。

平成29年3月12日

[南スーダンの新たな時代]
 昨日3月11日、昨年に続く2度目の南スーダン首都ジュバへの訪問を終えて帰国しました。

 今回の訪問で、キール大統領とシアラーUNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)特別代表にお会いして、日本の自衛隊によるPKO施設部隊の活動終了をお伝えするという重い役目を果たしました。

 そもそも昨年10月末に、現在派遣中の第11次隊を送る決定をした際には、任務とされた国連施設の整備が作業途上であったうえ、自衛隊には邦人保護のための駆け付け警護の権限も付与されていませんでした。
 しかしながら、そうした権限を付与された今回の11次隊の派遣期間も今度の3月末をもって期限を迎えることから、これからどうするか検討したところ、
1.作業の途上だった国連施設の整備は4月末に、また現在首都ジュバで行っている道路整備も5月末には完了の見込みであること

2.自衛隊のPKO施設部隊の活動としては過去最長となる5年を超え、かつ道路補修は延べ約210㎞、用地造成は延べ約50万㎥、施設構築等の箇所は94箇所と、いずれも過去最大規模となったこと

3.南スーダンの国造りプロセスが、国連による治安改善のための地域保護部隊の4000人規模での増強や、政府による民族融和を進めるための国民対話が予定されるなど、安定に向けた新たな段階を迎えており、イギリスの施設部隊も展開を開始していること

4.日本や自衛隊を取り巻く環境が、北朝鮮の核実験・ミサイル発射などに見られるように厳しくなりつつあること

 以上のような状況であることを踏まえ、現在仕掛かり中の案件の終了の5月末を目処として終了することに決したものです。

 以上を9日の国家安全保障会議で方針として決定してすぐに、キール大統領とシアラーUNMISS特別代表にお伝えすべく、特にキール大統領には安倍総理からの親書を持参してお会いしました。

 キール大統領は親書を熟読し、じっと私の話を聞いたうえで、これまで自衛隊が果たしてきた役割及び日本政府の支援に対する高い評価と謝意を示され、また今回の活動終了に対する理解を示して下さいました。また、今後も南スーダンの国造りには日本の協力が不可欠であるとして、日本が手がけて中断しているフリーダム・ブリッジ(ナイル川架橋建設計画)やジュバ市水供給改善計画などの民生支援への期待を口にされました。
 シアラーUNMISS特別代表も、日本の施設部隊の多大な貢献を高く評価し感謝して下さるとともに、わが国の方針に対する理解を示され、今後日本と任務調整を行っていく旨確認できてとても穏やかな会談となりました。

 こうした暖かい反応は日頃自衛隊や日本の大使館・国連の職員の方々が現地で尽力されていることの成果だと思います。

 なお、今回の自衛隊の撤収は一部で言われているような治安の悪化によるものではありません。
 南スーダンは部族衝突などが依然報告され、確かに厳しい治安状況が続いていますが、民族浄化などの事態が発生しているとは認識していませんし、自衛隊が展開している首都ジュバにおいては、昨年7月の武力衝突を起こした反対派のマシャール氏が国外脱出して以降、平穏を取り戻しつつあります。今回私はナイル川を渡った先のグンボ・マーケットや市内最大のコニョコニョ・マーケットなどに足を運び、車で市内を見て回りましたが、女性や子供を含む市民が普通に出歩いていました。また、自衛隊などが道路整備をしたことから車の往来が活発となり、日本製のトラックが行き交う様も見て取れました。ジュバ大学のキャンパス用地も自衛隊によって整地され、学生たちがそこで集会をしたりスポーツに興じる姿も見ることができましたし、何より10月末に訪れた時には治安維持のためにあちこちで見かけた政府軍の姿もかなり少なくなった印象です。これを裏付けるように、日本の紀谷大使や現地の邦人職員も、凶悪犯罪のジュバでの発生件数が減少傾向であると教えてくれました。

 折しも10日は国民対話の開始に先立つ「祈りの日」として国民の祝日となって大きなイベントが催されており、南スーダン政府が進めようとしている部族間の国民対話に向けた機運の高まりが見て取れました。

 今後日本は、衝突解決合意の監視活動や国民対話の支援、人材育成、飢饉対応を含む人道支援などの継続ないし強化を行っていきます(近々追加対策を発表する予定です)。また、自衛隊のPKO司令部要員については引き続き現地にとどまってUNMISSの企画・立案・治安情勢整理・物資の輸送や航空運航支援などに携わっていただきます。JICAなどわが国の国際協力関係者の復帰については、こうした取組みや南スーダンその他関係者の尽力で治安情勢がさらに好転することを見極めたうえで検討していきます。

 現地を出発する10日には、私自ら自衛隊宿営地を訪問し、隊員の皆さんに今回の方針を直接説明するとともに、現在従事している道路整備が終わる5月末に向けて引き続き安全確保に細心の注意を払い、無事任務を完遂していただきたいと激励を行いました。隊員の方々は休暇や外せない用事をしている方以外の約300人が集合して下さり、身じろぎすることなく耳を傾けて下さいました。
 これからもしっかり対処して参ります。

平成29年2月13日

[新機軸の日米関係]
 アメリカのトランプ大統領と安倍総理との会談はとても和やかなものでした。

 総理の渡米前から、トランプ政権の入国管理を巡って色々意見はありましたが、大統領就任前の電話首脳会談を受け、この時期にしっかり両国及び世界についてのビジョンを日米のトップが共有し、信頼関係を築くことの意義は非常に大きいと断言できます。(なお、基本的に入国管理はその国における判断事項であり、アメリカの問題についても同国の司法手続を経て決着することとなります。日本においてもマクリーン事件判決などで国際慣習法における入国裁量について言及されています。)

 私は今回の会談に先立ち、マティス国防長官が首相官邸を訪れ、安倍総理と50分間にわたり話し合いをした際にフルに同席していました。その時確認された日米同盟の強化、尖閣諸島が日米安保条約5条の適用範囲であること、普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策であることなどは、今回の日米首脳会談で踏襲され、米軍駐留経費の増額は議論になりませんでした。
 また、昨日12日に日本海に向けて発射された北朝鮮によるミサイルについても、共同で非難する会見を催し、トランプ大統領から「日本を100パーセント支持する」という明言がありました。安全保障面における両国間の協力関係はしっかり固まったと言えます。

 経済についても、今の時代は安全保障と切り離して論じることはできません。世界において自由で公正な投資・貿易ルールを確立することの重要性を、そしてTPPの意義を、総理から臆することなくトランプ大統領に今回懇親会の席で話しました。トランプ氏はTPPからの離脱について覚書を発出していましたが、その場では反論ではなく自由と公正なルール確立の重要性について認識を共有するとのコメントがありました。そして経済問題については麻生副総理とペンス副大統領との協議枠組ができました。

 ここで強調したいのは、安倍総理と馬の合うトランプ大統領が基本的な両国の絆を確認し、そして大統領が信頼する腹心が個別の政策についてそれぞれのカウンターパートである日本の責任者と協議する体制が構築できたことです。稲田防衛大臣とマティス国防長官も日本でしっかり対談し、岸田外務大臣もティラーソン国務長官と今回の訪米において外相会談を行いました。政権発足直後でこれから個別の政策が固まってくるという時期にあって、実務の責任者同士がしっかりパイプを作ることができたわけです。

 こうした多層的な新機軸の日米関係を発展させていくとともに、総理はトランプ大統領に「言うべきことはきちんと言う」立場を堅持することによって、真の同盟関係が確立すると確信しています。為替の問題や具体的な通商関係など、これから詰めるべき部分は色々ありますが、私もそうした大きな鳥瞰図の中でしっかり役割を果たしていく所存です。

[しばワンCLUBの絆]
 6日、初当選以来お世話になっている飯島勲内閣参与が、応援して下さっている所沢しばワンCLUBの新年会で、北朝鮮問題や政局などについて講演をして下さいました。大井でも三芳でもしばワンCLUBの企画が続々と開催されています。感謝の気持ちで一杯です。 東京での活動や取材などが増え、地元にはなかなか戻れないこともありますが、しっかり皆さんのお力や地元の方々の応援をお願いして、来たる戦いに臨む所存です。今後ともよろしくお願い致します!

平成29年1月18日

[炎の弾丸出張カンボジア編]
 1月15日から17日まで、1泊3日の強行日程でカンボジアに出張してきました。厳寒の埼玉・東京との気温差は30℃を超えていました。

 折しも総理もオーストラリアと東南アジア3カ国を歴訪中であり、政府全体でこの地域の法の支配の確立とわが国の経済とのウィン・ウィンの関係を進めていくのに重大なミッションでした。当然官邸ではしっかり企画を詰めています。

 特にカンボジアは過去において大国の目まぐるしい関与と大量虐殺などの国内政治の荒波に翻弄され、アンコールワットという世界最高の遺産や投資環境の潜在性に恵まれているにもかかわらず、まだまだ経済発展はこれからというところです。

 今回は、日メコン友好議員連盟の塩谷立会長・元文部科学大臣や、この国に多くの学校支援をしてきている渡邉美樹議連事務局長・参議院議員、山本一太議連幹事長、吉川ゆうみ参議院議員とともに、政府要人や議会関係者のみならず、大学関係者、カンボジア日本人商工会関係者、若手与野党国会議員などと幅広い交流を短い日程の中で行い、大変充実した成果をあげられたと自負しています。

 長くこの国の政治をリードし、もはや「レジェンド」の感があるヘン・サムリン国民議会議長、ダボス会議に出席のため不在だったフン・セン首相の名代となっているソー・ケーン副首相兼内相、首相のご子息でもあるフン・マネット王国軍統合参謀次長といった与党関係者とは、カンボジアの日本との極めて良好な関係を今後も発展させること、そのための人材育成にしっかり日本も関与していくこと、ASEAN地域の一体性の重要性などについて認識を共有するとともに、トランプ新米国大統領の誕生に伴う地域のこれからの安全保障や法の支配について真摯に議論させていただきました。

 そして、今年の地方選挙や来年の国政選挙での動向が注目される野党救国党のケム・ソカー党首代行にもそのビジョンをしっかり伺うとともに、いかなる選挙結果であっても政治がしっかり安定することが経済にとっても極めて重要であることを強調させていただきました。

 私が弁護士の時代から日本はこの国に対して民法などの法整備支援をしてきたところであり、制度上の経済インフラの充実はこれからだという話ですが、日本・中国をはじめ外国資本による開発は急ピッチで進んでおり、在カンボジア日本企業の方々によると、ベトナムとタイの結節点としてのカンボジアの潜在性はとても高く、日本の製品や事業への信頼も素晴らしいので、是非日本に対してそれをアピールして欲しいとのことでした。
 また、驚いたことに、カンボジアの国立経営大学学長も、カンボジア工科大学の学長も、王立プノンペン大学の学長も、最高国家経済評議会顧問も、全て日本への留学経験がおありとのことで、これからの人材交流の重要性と可能性を感じた次第です。

 サイ・チュム上院議長や与野党の次世代リーダーとなる議員たちとはこれからのカンボジアと日本の議員交流促進について語り合いましたが、皆さん日本への関心が高く、今月中に訪日される議員もおられます。しっかりこれからの両国間の架け橋となれるよう全力を尽くして参ります。

平成29年1月2日

[不透明へのチャレンジ]
 皆様におかれましてはご清祥にて新たな年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年、特に海外では、イギリスのEU離脱、米国のトランプ大統領候補の当選など相次ぐ波乱や、各地で相次ぐテロ、難民問題などに大きく揺れ動く1年でした。北朝鮮の度重なるミサイル発射や核実験、韓国で発生している政治的混乱なども世界秩序に与える懸念が指摘されています。

 一言で言うと、今年は「不透明へのチャレンジ」の年になると考えています。

 総理が年末に真珠湾で指摘された「和解の力」は、異なる価値観を持つ者(国)同士、あるいは不幸な恩讐を超えられずにいる者(国)同士が、未来に向けて共通の着地点を真摯に模索することの大切さを訴えています。これがどこまで進むか、そのための環境整備ができるかが問われています。 そしてまた、不透明な事象を解決して行くには「法の支配」を、手続面を含めて、浸透させていくことが不可欠だと考えます。

 昨年、美しい伊勢志摩のもとで開催されたG7首脳会議の参加者のうち、今年は実に4人がその地位を去ることが決まっています。今、もっとも安定している日本が世界でそのリーダーシップをとる必要があるのです。

 早速1月にはトランプ政権が発足します。幸い、現時点では世界経済は期待相場に沸いていますが、いよいよその真価が問われることになるわけです。しっかりした船出を支えるとともに、保護主義への警鐘を鳴らすことが必要となってきます。
 韓国に関しては、一昨年の日韓合意の破棄を唱える勢力が台頭していますが、そのようなことがいかに両国の関係のみならず世界秩序や半島の安定を損なうかを冷静に考えるよう訴えていく必要があります。

 私の担当する安全保障分野も課題山積です。適切な危機管理ができて初めて平和や安定が実現することになるのです。幸い特定秘密保護法や平和安全法制などの整備のもと、あるべき情報収集や方針立案などが進みつつありますが、これからも限られた財政の中きちんとした体制整備ができるよう尽力して参ります。沖縄をはじめとした地域との粘り強い対話やサイバーセキュリティの取組みも焦眉の急です。

 一方、目を国内に転じれば、今年は少子高齢化がもたらす社会、特に地方の衰退に対応し、活力をどう取り戻すかが大変大きな課題となります。女性・高齢者の活躍支援や、IoT、AIなどイノベーションの劇的な推進のみならず、世界の人・物・金をどのように取り込んでいくかが鍵となってくると思います。そのための環境整備に努めます。私の地元も含め、地域発展に何が求められているかをきちんと見極めていきたいと思います。熊本や東北の復興支援も「自立」という価値に重きを置きつつしっかり行う必要があります。

 働き方改革は、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の推進などがテーマになりますが、日本の社会構造全体に影響する可能性があり、丁寧に議論する必要があります。
 農業改革も含め、国家戦略特区などを利用したきめ細かい、しかしパワフルかつ迅速な、規制改革の取組みが求められます。

 そして、私が心血を注いできたコーポレートガバナンス改革を徹底し、企業の「稼ぐ力」を増進するとともに、投資・成果・賃上げの好循環を確立しないといけません。安倍政権の安定度はやはり経済の安定に大きくかかっていると考えます。

 将来世代に思いを致す時、人材育成・財政再建・環境問題は非常に重要なテーマです。社会保障制度改革は待ったなしですし、環境はエネルギー問題と切り離して考えることはできません。今年は極めて重要な局面を迎えます。現場の声を聞きつつ、結果をきちんと出していきたいと思います。

 私は自分を「乱世の政治家」だと思っています。日本も世界も平穏であることを心から望んでいますが、きちんと方針を持ち、全力を尽くす所存です。憲法、選挙制度、皇室、様々な大きなテーマも抱えていますが、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げます。

平成28年≫

平成28年12月17日

[遠い道の第一歩]
 日ロ首脳会談の後、昨日16日に共同記者会見が実施されました。
 既に明らかとなっている8項目の経済協力は、日ロ双方が利益を受ける内容であり、エネルギー開発や、私が総務副大臣時代から関わっていたロシアへの郵便インフラ・システムの輸出もしっかり反映されています。
 一方、北方領土問題については、日本が主張している「法的立場を害さない」共同経済活動について、「特別な制度」のもとでの実現に向けた協議を始めることで合意したとし、注目の主権問題では折り合いがついていません。
 ただし、戦後70年間実現しなかった平和条約締結に向けた第一歩であることには変わりなく、しかも元島民の方々の往来を促進するとされていることから、歴史的な意義を持つ合意と言えます。今後、まずは実利をしっかり獲得していく中で枠組みを作っていく息の長い取組みが求められるでしょう。
 プーチン大統領は北方領土が安全保障上重要な意義を持つとして日本のこれからのこの地域における防衛の方針に懸念を示し、安倍総理からはロシアに危険をもたらすものではないと説明されています。
 今回の日ロ会談に先立ち、トランプ氏が米大統領選で当選したことが、ロシアの孤立化に対する脅威を和らげたという解説が目立ちますが、対ロ制裁を含め、既存の世界秩序自体が大きく変わるものではないでしょう。また、オバマ大統領が大統領選におけるロシアのサイバー攻撃での介入を示唆し、トランプ氏がそれを否定していることも、必ずしも米国国内政治を超えて米ロ関係の枠組みが変わることを意味しているとは思えません。
 要は、今回の会談は日ロ両国が高い壁を超えるための「歴史的な、しかし遠い道の第一歩」なのです。両首脳間では発表されていない様々なことが話し合われているはずです。これから安定した政権のもとで国益を守り、かつタイムテーブルの認識をしっかりと持ちつつ、取組みを進めていきます。

[海外からも注目されていたIR法案の行方]
 15日午前、カジノを含む統合型リゾートを推進するいわゆるIR法案が成立しました。
 賭博が勤労の美風を損ない、ギャンブル依存症やマネーロンダリングの温床になると批判されていますが、あの規律の厳しいシンガポールでIR導入が決断された背景や、観光客・国内産業がその後大きく飛躍し、かつギャンブル依存症などの弊害が増えていないことにしっかり学ぶ必要があると考えます。国際会議場や宿泊施設などがその機能を新たに発揮することから社会の裾野も広くなります。今回、衆参両院でそれぞれ10を超える付帯決議項目が付され、今回の理念法を受けて実施法を定める段階でしっかりと懸念を払拭していきます。そして現在極めて規制の緩いパチンコや公営競技などについてと合わせてしっかりメスを入れていかねばなりません。
 ちなみに私が衆議院内閣委員長時代に共にシンガポールのIRに視察に行った公明党の女性議員は法案に賛成されました。民進党にもIR推進議員連盟に加盟している議員がおり、最初の衆議院の採決では(蓮舫代表の厳しい批判とは裏腹に)、党として反対ではなく退席という方針をとっています。
 是非皆様のご理解をよろしくお願い致します。

平成28年12月5日

[誕生日の節目に]
 本日51回目の誕生日を迎えました。器用でもない自分がここまで歩んで来られたのは、本当に多くの方々のお支えがあったればこそだと心から感謝申し上げます。
 人生において「縁」と「運」がいかに重要かということを痛感する日々ですが、それに恵まれるかどうかはやはり一日一日何を積み重ねているかに左右されるのだと思います。また、確固たる信念と、それと時には矛盾する謙虚さを、共に持ち続けることができるかも極めて大切です。
 12月2日、私が自民党財務金融部会長として後押ししていた休眠預金活用法案が成立しました。 実は以前私は、振り込め詐欺の被害にあった方々のために振込先の口座を凍結し、一定の権利届出期間を経たうえで返金する議員立法に携わった経験があり、そうした手続を経てなお被害届がないために残ってしまった詐欺預金について、これを犯罪被害者のために活用しようという制度設計にしていました。
 今回の立法はこれとは別に、一般的に預金が消滅時効にかかって(その場合も銀行は払戻し請求に応じる実務です)休眠状態となっている場合、将来の払戻しに必要となるであろう部分を除いた金額について、既存の税を使った福祉で十分支援されないNPOなどの活動に対する支援金・融資金として利活用する内容となっています。無論、当該事業に対する十分なチェックを行うことを制度化しています。 かつての経験や他国での事例が役立ったことは言うまでもありません。
 また、同じ2日には、経産省の調達価格等算定委員会(再エネ事業参入事業者の買い取り価格を審議する)や、新エネ小委員会系統ワーキンググループでの検討が進んでいることを受けて、私が会長をしている自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟から、一層の再エネ普及に関する提言書を中川俊直経済産業大臣政務官に提出しました。
 実は2030年に政府が目標としている再エネ割合22~24パーセントという数字を、今年5月には21.9パーセントとほぼ達成しており、経済性に配慮しつつより高い目標を目指すべきと考えます。
 太陽光発電の買い取り価格入札制度は当面大規模(2000キロワット以上)事業用に限定する慎重な運営、開発が長期となる風力発電は買い取り価格を少なくとも来年度前半までは維持するといったバランスの取れた制度設計、北海道・東北北部の系統接続の一層の整備ないし既存施設の有効活用、非化石価値取引市場における原発とは区分された再エネ普及の制度設計などについて、これから地道ですがしっかり成果を出せるようリードしていきます。また、東電関連会社が指摘された市場参入阻害行為などについて毅然とした措置を求めています。
 これ以外にも、座長代行を務める日本会議国会議員懇談会皇室プロジェクトチームにおける天皇陛下の譲位についての検討、所属する茶業議員連盟の茶業振興についての提言など、多様な活動が着々と進んでいます。結果を出せる政治を心掛け、これからも精進することをお誓い申し上げます。

平成28年11月10日

[サイレント・マジョリティーズ・リベリオン]
 米国大統領選挙は、事前の様々な報道を覆してトランプ氏の勝利という結果となりました。相場の混乱を見ると、世界が衝撃を受けているのがわかります。今日はちょうどロイター主催の経済問題に関するパネルディスカッションに元日銀理事の早川英男さんと登壇することになっており、タイムリーな議論ができると思います。
 様々なコメンテーターが「クリントンの不人気が予想以上だった」と述べていますが、同時に実施された連邦議会選挙が上院・下院とも共和党の勝利に終わったことを見ると、決してそれだけでは片付けられないと思います。
 米国経済は統計上は好調とされていましたが、民主党大統領予備選挙でのサンダーズ・ブームや、トランプ氏のここまでの健闘を見ると、社会的には多くの国民が不満を募らせていたという実態が伺えます。 米国民は日本より自助・自立の気風が強く、日本ではほとんど全ての人がその素晴らしさを疑わない医療の国民皆保険制度についても「他人の面倒を見させられる筋合いはない」と反対する意見がかなり多数です。オバマ大統領が8年にわたり進めてきたマイノリティー重視政策により、国民の多くを占める白人の中間層が危機感を抱くようになったと分析されています。
 格差を解消させるはずのリベラルな民主党政権なのに、オバマ氏もクリントン氏もエリート出身。また外交的には緊張緩和のために尽力されてきましたが、強いアメリカを求める国民にはいただけない部分があったのかもしれません。
 選挙中の度重なる過激な発言がクローズアップされたトランプ新大統領ですが、これから任命されるスタッフいかんで、共和党の本来の「対内自助・対外開放」という路線がより明確になるかもしれません。いずれにしても日本にとって米国は経済上も安全保障上も重要なパートナーであり、これまで熟議のうえ積み重ねてきた様々な合意もあります。新政権と速やかに充実した関係構築に努めるべきですし、私もその一助となる所存です。 特にTPPに関しては、原案が関係国の細部までの合意のもと署名された内容です。日本では農水大臣の発言を理由に国会審議が遅れていますが、修正の余地はないと思っていますし、日本における承認手続の前進によって世界の自由市場をリードしていくスタンスに変化はありません。
 今後ともご理解・ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

平成28年11月2日

[炎の弾丸出張~南スーダン編]
 今ケニアのナイロビ空港でこのブログを書いています。時刻は1日午後9時(日本時間2日午前3時)を過ぎています。
 先週25日、南スーダン国際平和協力業務実施計画が変更され、日本の自衛隊の活動期限が来年3月末まで延長されたことを踏まえ、私は首相補佐官として総理の直接の指示に基づき、現地政府要人やUNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)幹部との会談と状況視察を行うことになりました。
 31日にナイロビから南スーダンの首都ジュバに向かう飛行機が、ジュバ空港でのストライキで一旦引き返すというハプニングに見舞われましたが、日程変更をしながらもほぼ予定のミッションを完遂することができました。
 1日午前に会談したロイ国連事務総長特別代表には、11月末に退任予定の同代表がこれまでUNMISSや自衛隊の活動のために尽力されてきたことに敬意を表したうえで、後任の特別代表からも同様の支援・配慮をいただけるよう要請致しました。ロイ特別代表からは、日本の自衛隊の貢献に対して深い感謝の意が表せられるとともに、国連が活動展開しているトンピン地区やUNハウス地区に、まだ沢山のニーズがあることなど今後の課題の紹介がありました。
 また、引き続き実施されたタバン・デン第一副大統領との会談では、南スーダンの平和と安定に向けた南スーダン政府及びUNMISSの努力に対し、日本が引き続き貢献していくとの総理の意思を伝えました。これに答えて同副大統領は、日本の自衛隊やJICAなどのこれまでの協力に対する謝意が示されるとともに、今後の変わらぬ貢献に対するコミットメントを歓迎する旨が述べられました。また、当方から自衛隊などの日本の支援活動に引き続き協力いただけるよう要請するとともに、我が国としては南スーダン政府とUNMISSとの協力関係がさらに強化されることを期待する旨お伝えしました。そしてキール大統領が様々な利害関係者・民族を包摂するアプローチを重視している点を評価しつつ、元は反主流派だったタバン・デン第一副大統領にもこれに協力していくよう求めました。
 その後、キール大統領と会談し、総理から上記日本の貢献継続について記載された親書をお渡しし、大統領からも謝意をいただきました。また、日本の支援活動への協力要請に対するご承諾をいただきました。大統領はUNMISSとの協力関係を進めるとおっしゃるとともに、当方から重ねて要請した包摂的アプローチと大統領の指導力の発揮についてご理解をいただき、衝突解決合意の履行及び南スーダン統一プロセスに対する強いコミットメントを示されました。
 これらの会談に加え、国連施設内の自衛隊宿営地においては中力隊長より部隊の活動状況や現地情勢について報告を受けるとともに、隊員が建設などの施設活動を実施している現場を視察し、厳しい環境のもと積極的平和主義の実践のため、我が国を代表して任務に精励する隊員を激励しました。 また、国際機関に勤務している邦人職員からも、ジュバでの勤務や生活状況について説明を受け、南スーダンの平和と安定に向けて貢献していく皆さんの姿に強い印象を受けました。
 さらにジュバ市内の視察も行いました。市民が集う市場にも立ち寄り、地元の商店等が通常どおり営業しているとの印象を受け、ジュバは落ち着いていることを実感しました。
 こうした南スーダン政府及びUNMISS幹部との会談の内容と、私自身の目で見た、派遣施設隊の活動状況及び邦人の勤務・生活状況を含めた現地の情勢等を、帰国後速やかに総理・官房長官に報告する予定です。

平成28年10月23日

[警鐘を鳴らした鳥取中部地震]
 21日に発生した鳥取中部地震による被害が、次第に明らかとなってきました。
 マグニチュード自体は6.6でしたが東京でも揺れを感じ、現場の最大震度は6弱で建物や農業・観光に大きな影響が出ています。今後の余震も心配で、首相官邸ではしっかり情報収集・対策に当たっていきます。
 気になるのは、政府調査委員会が今回の地震は未知の断層のずれによって起きたという見解を示している点です。日本各地でこのレベルの地震が起きる可能性があるということです。
 今回の地震が原発に影響を与えることはないとのことですが、先般の新潟知事選で見られるとおり、世論は原発の再稼働に依然として厳しい目を向けています。今回の地震がその傾向に拍車をかける可能性も否定できず、私が党で議員連盟の会長として取り組んでいる再生可能エネルギーの迅速・安価な普及を一層進める必要を感じざるを得ません。 併せて、高速増殖炉もんじゅのあり方の見直しが課題となる中、原発の廃炉を含めたコストを正確に算定し直し、国民負担のあり方や新しいエネルギー基本計画などの検討を行う必要があります。公正なものとなるよう、私も全力を尽くしていきます。

[次々に立ち上がるビッグプロジェクト]
 私が事務局次長を務める自民党憲法改正推進本部の平場の議論が再スタートしました。衆参の憲法審査会で各党による憲法論議を行うためには、謙虚な姿勢が不可欠です。18日の会議では、私たち幹部で練り上げた「既に発表している平成24年草案は党の公式文書だが、その後の世論や新議員の増加などにも鑑み、各党間の論議に際しては柔軟な対応をしていく」という方針に大方の出席議員の同意を得ました。これからもしっかり裏方として頑張ります。
 また、19日にはずっと開催のタイミングをはかっていた座長代理を務める超党派の日本会議国会議員懇談会の皇室制度プロジェクトチームで、天皇陛下の譲位について検討を開始しました。政府の有識者会議も論点整理をするなど議論をしていますが、法改正を行うのが立法府であり、皇室制度に深い関心と理解を示す私たちのチームが政府と並行して議論することが有意義だと思うからです。 19日の会議には、テレビ番組などでご一緒している明治天皇のやしゃご・竹田恒泰さんを講師に迎え、今上天皇に限って適用される特別措置法についての私案をご説明いただきました。これからも様々な方からのヒアリングを行っていきます。

平成28年9月29日

[将来を左右する臨時国会]
 26日からいよいよ臨時国会がスタートしました。
 今年一杯、内外とも非常に重要な局面を迎えます。臨時国会はその中で、未来に向けた方針を明確に示す国会でなければいけません。
 まず8月から9月にかけて東日本を中心に、建物や農産物などに大きな被害をもたらした一連の台風について、既に激甚災害指定による国の支援の底上げを決定したところですが、公共事業などのハード面のみならず、生活や事業の再建に対するソフト面を含めて自治体と連携して対応していきます。
 経済のさらなるテコ入れも不可欠です。消費税の引上げ延期をとらえて野党はアベノミクス失敗と主張しますが、賃金の3年連続上昇や雇用環境の改善などが示すとおり、デフレ脱却まであと一歩というところまでは来ています。しかし、英国のEU離脱や新興国経済の失速などによるリスクを避けるために、引き続き大胆かつ効果的な金融・財政政策をとることとしました。加えて、民泊などの規制の見直しや、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボット、エネルギー、医療、新素材開発などの技術革新、大企業との取引の適正化などを通じ、中小企業も含めた経済の底上げをしっかり行っていきます。
 旅行収支は昨年史上初めて1兆円の黒字となり、外国人観光客は今年過去最高の2000万人を大きく上回る見込みです。しっかり海外の人・モノ・金を呼び込める日本としていくとともに、治安の確保などにも万全を期していきます。
 今国会の大きなテーマがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)です。アジア・太平洋地域の12か国、世界のGDPの約4割、人口8億人という巨大な経済圏を作り出し、その成長を日本に取り込める大きなチャンスとなるとともに、自由貿易圏の安全保障の面でも重要な意味を持ちます。 米国の大統領選候補はいずれも否定的な姿勢を示していますが、オバマ大統領は任期中に承認するよう最大限の努力をすると表明しています。日本が国会承認を通じて先んじて明確な国家としての姿勢を示すことが米国の手続の弾みになりますし、何よりもアジアの国々がそう望んでいます。今反対している野党も政権にあった時にはTPPに賛成の立場だったのです。
 日本は農林水産品の関税撤廃の例外について、他国の平均が1.5パーセントにとどまる中、2割近くを獲得しています。もちろん農家の方々の経営安定のためのセーフティネット構築に万全を期すほか、優れた農産品の輸出など攻めの農林水産業を進めていきます。風評被害の払拭にも全力を尽くしますし、流通なども含めた6次産業化・改革を通じて、希望の持てる産業へとして参ります。私も海外出張の際には地元の狭山茶をお土産にするなど、積極的にブランドの売り込みに動いています。
 一億総活躍社会や地方創生といった取組みも大きく進めます。
 働き方改革の方針を今年度中にまとめ、同一労働同一賃金を進めて不合理な非正規雇用の待遇を是正していきます。また、高齢者の活躍・女性の活躍をさらに進めるとともに、若者の雇用もしっかり確保していきます。長時間労働を是正し、仕事と家庭との両立をしっかり進めるとともに、労働時間に依存しない新しい働き方を模索していきます。野党は「残業代ゼロを進めようとしている」などと主張していますが、そうした批判は全く当たりません。
 消費税の引き上げは延期しますが、50万人分の介護の受け皿を前倒しで整備し、自治体と密に連携して地域包括ケアとしての実効性のある仕組みを作ります。保育や小学校の放課後の受け皿作りも、学校施設をより一層活用できるようにすることを含めて加速していきます。ひとり親家庭の支援拡大や給付型奨学金の検討も進め、教育の機会均等を図っていきます。そして介護人材や保育人材の待遇改善を一層進めます。 無年金対策についてもその重要性に鑑み、年金受給期間の25年から10年への短縮を来年度中に実施します。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公的年金運用についても、長期的な最大限の安定運用を専門家の意見を踏まえて進めています。
 スマートインター・都営12号線・クールジャパンフォレスト構想などの地元の懸案も含め、インフラ整備やまちづくりをしっかり進め、地域の活力を最大限に生かしていきます。
 外交・安全保障に目を転じれば、中国や韓国との関係改善やロシアも含めた領土問題、北朝鮮による核実験やミサイル発射など、難題が山積しています。IS(いわゆるイスラム国)などによるテロの脅威にもしっかり対応していかなければいけません。
 私は安全保障担当の首相補佐官として、総理・官房長官・外務大臣・防衛大臣たちとともに、精力的な外交や対外支援などの方法によりまず問題解決を目指し、平和安全法制など現実的な防衛体制の整備によって私たちの命と暮らしを守ることに全力を尽くします。戦争推進などの批判はもってのほかと考えます。
 引き続きのご支援を心からお願い致します。

平成28年9月18日

[炎の弾丸出張シンガポール編]
 9月15日未明から17日の早朝にかけて、シンガポールへの弾丸出張に出かけました。
 シンガポールとは今年外交関係50周年を迎えており、4月にはバラクリシュナン外務大臣が訪日して岸田外務大臣と会談したほか、8月には安倍総理がナザン前大統領の弔問に訪問しています。私は総理の命を受け、ハイレベルのフォローアップ外交をすることになりました。
 まずはバラクリシュナン外務大臣を訪問し、安倍総理から預かったリー・シェンロン首相宛ての親書を手渡すとともに、経済協力関係の強化や、緊迫する南シナ海・北朝鮮などでの安全保障状況について率直に意見を交わしました。当方の主張について十分理解し、行動していただけるものと信じます。 また、ReCAAP(アジア海賊対策地域協力協定)事務局を訪問し、日本のシーレーンとしても重要なマラッカ海峡周辺の治安の課題について議論するとともに、ウン・エンヘン国防大臣と会談して防衛協力の強化について合意しました。
 シンガポールは最近も日本を含め世界中から投資が相次ぎ、かつ東南アジア諸国の中で日本が最初に防衛協力・交流の覚書を署名して以来安全保障上も重要なパートナーです。そしてASEAN関連首脳会議において対中調整国という重要な地位を占めています。
 印象的だったのは、TPPの行方に関して外相も国防相も非常に関心を持ち、日本の臨時国会での審議日程について色々質問してこられたということです。米国大統領選挙のスケジュールも含め、このTPPがどれだけ重要な意味を持つか再認識しました。
 そして今回の出張のもう一つの重要な目的は、講演やパネルディスカッションを通じた日本の広報活動でした。
 以前同僚だった田村耕太郎元参議院議員からのお声掛けで、米国のシンクタンクであるミルケン・インスティテュートの主催するアジア・サミット2016にパネラーとして登壇し、PEZY Computingの齊藤元章社長・大和証券の田代桂子専務・AZULA INTERNATIONALのAdrian Zechaチェアマンとともに、日本経済の現状と課題を熱く語り合いました。アベノミクスがまだ技術革新やインバウンド強化などで第2ロケットに点火できることを強くアピールできたと思います。
 また、国立シンガポール大学を訪問し、各国から集まった気鋭のビジネススクール生の前で講演し、活発な質疑応答を行いました。 さらに、ブルームバーグ社の単独インタビューにも応じ、金融・経済問題についてコメントしました。
 強行日程で英語のミッションも多かったのですが多くの方々のご尽力で頑張り通せました。また、2年前の衆議院内閣委員長としてのIR(統合型リゾート)法案審議の際の視察の時よりさらにシンガポールが大きく発展していることに感銘を受けました。
 今後ともしっかり同国との連携を図っていきます。

平成28年9月14日

[北朝鮮核実験に実効性のある対応を]
 今月5日のミサイル発射に続き、北朝鮮は9日、過去最大規模の爆発による核実験を実施しました。
 直後に首相官邸では国家安全保障会議を開催し、情勢分析や今後の方針を確認しましたし、自民党本部でも北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部が開催され、日本独自の対北朝鮮制裁強化を含む提言を発表しました。
 北朝鮮はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射にも成功しており、その驚異的な技術進歩に鑑みれば、米国を含む近隣国を対象とした核弾頭ミサイルによる攻撃力を備えるのはそう先のことではないでしょう。国連安保理がいち早く非難声明を出したほか、制裁強化に向けて動いているのは当然のことです。
 問題は制裁が決まったとして、それが実効性を伴うかどうかです。私は上記した党本部の会議で、同僚からキューバなどの北朝鮮親密国からの支援を止めさせるよう働きかけるべきだと意見が出されたのに続き、既存の制裁の枠組みについてもきちんと実施されているかの検証が必要だと発言しました。 米国では中国の石炭輸入減少額の推移などに鑑み、同国が制裁の抜け穴となっているのではと指摘しています。日米韓はもちろん、中露など関係国が一丸となっていかなければいけません。
 日本はしっかり働きかけを各方面に進めていくとともに、万一にも国民の安全が脅かされることのないよう、情報収集や防御技術の向上を全力をあげて加速していきます。

[エネルギー政策のバージョンアップを]
 前回のこの欄で風力発電所の視察について触れましたが、私が会長を務める自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟のメンバーで、菅官房長官と世耕経産大臣にその視察を踏まえた緊急提言を行いました。
 高速増殖炉もんじゅの抜本的な見直しが報道され、温暖化ガス削減を内容とするパリ協定が発効の見通しとなる中で、また安全保障面からも地方創生面からも、既に劇的に技術革新が進んできている再生可能エネルギーの最大限の普及が必要です。提言では
1.広域運用を含め、再生可能エネルギーの更なる導入を可能にする系統を構築すること2.特に風力発電の環境アセスメントの期間短縮に加え、買い取り固定価格を既定事業者に不利にならないよう配慮すること3.電源表示充実や、東電パワーグリッド社の検針トラブルによる新電力普及阻害是正など、電力全面自由化による再エネ普及環境を整備すること4.再エネ関連市場整備・規制見直し・バイオマスや水素活用などへの支援
等について詳細に盛り込ませていただきました。これからのエネルギー政策をリードしていきたいと思います。

平成28年8月28日

[勢いを続けて]
 熱戦が連日展開されたリオ五輪が幕を閉じました。
 日本は過去最多の41個のメダルを獲得し、注目されていた金メダル数も12個で世界6位と大健闘でした。金メダル以外でも、団体の力で世界の度肝を抜いた男子陸上400メートルリレー銀メダル、男子テニスや男女卓球の大活躍などは私たちの心を熱くしました。
 選手の体格や練習方法の向上ももちろんですが、かつて重圧につぶれ、本番に弱いと言われていたメンタル面やコンディション調整の強化が功を奏したのではないかと思っています。官民一体となったスポーツのレベル・裾野それぞれの支援も実を結んだでしょう。
 この結果が私たち国民の元気と底力を呼び起こし、日本全体のさらなる発展に結びつくことを祈っています。2020年東京五輪に向けて、新都知事ともしっかり連携して取組みを進めることが必要です。また、先日ロンドンでの腐敗防止サミットで私が発表した「スポーツ界での腐敗・薬物撲滅」についても、ガバナンス強化を含めて成果を出さなければいけません。
 もちろんこの勢いをリオ・パラリンピックにもしっかり維持し、注目し続けることも大切です。

[レベルが変わった台風被害]
 23日に東日本を直撃した台風9号は各地で大きな被害をもたらしました。災害が少ないと言われる私の地元である所沢市・ふじみ野市・三芳町でも、河川の増水や道路の冠水による床下・床上浸水、建物の傾斜、畑作物の被害など、かつてない状況となっています。
 これまで所沢の東川氾濫対策などが講じられてきましたが、温暖化の影響でレベルが変わったのかやはり自然の猛威は恐ろしいです。県・市・民間の各位の懸命のご努力により何とか乗り切れましたが、今後も台風が予想されることもあり、引き続き警戒するとともに、各地の防災訓練などに積極的に参加し、被害を最小限に抑える取組みも必要でしょう。私も27・28日と地元で開催される防災訓練に参加し、強化を呼びかけています。また、国の方で防災や被害回復に何ができるかしっかり検討して参ります。

[再エネの新たなステージ]
 来年の再生可能エネルギー買取り価格がどうなるか、経済界やエネルギー関係者が注目しています。無論コストが低くなることは経済全体にとってプラスなのですが、原子力発電所再稼働も難しい中で、純国産エネルギーの再生可能エネルギーを普及させ、まち興しにつなげることも大切です。 自民党の再生可能エネルギー推進議連会長として、茨城県のかみす洋上ウィンドファームや深芝風力発電所の5メガワット風車(軸の高さ90メートル・ローター直径126メートル)の視察をするとともに、今後の普及のための方策についてヒアリングを行いました。しっかり実行に移していきます。

[日中韓外相会談の実施]
 東京で日中韓外相会談が実施され、尖閣問題や北朝鮮ミサイル問題を含めたこれからの地域安定に向けた取組みが話し合われています。機を同じくして実施された日韓フォーラムには両国の議員・学者・メディアなどが参加し、今後の両国の関係をどうするかについて率直な意見交換があり、私も参加して発言しました。
 日韓では昨年末の歴史的な慰安婦問題に関する合意を着実に実施し、その次のステージに進んで安全保障や経済の問題に取り組んでいくことが必要です。友好とともにしっかりと国益を守って参ります。
 時代の流れは早く、政治は難しい局面を迎えます。高支持率におごることなく、謙虚に、しかし着実に、努力を重ねる所存です。

平成28年8月4日

[新体制のスタート]
 昨日3日、第3次安倍内閣の第2次内閣改造が行われました。
 私を含め、官邸人事は世耕弘成官房副長官が野上浩太郎参議院議員に変わった以外は全員留任となり、引き続き総理を近くで支えることとなります。
 初入閣は8人ですが、重要ポストと呼ばれる所には留任も多く、党の派閥への一定の配慮と適材適所を両立した人事と言えると思います。私より年下は丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当大臣の他は沖縄北方担当の鶴保庸介大臣(1歳下)のみで、若手の抜擢はさほどではありませんが、政権の安定が重視された形です。なお、「山本」姓の大臣が、公一環境大臣・有二農水大臣・幸三地方創生大臣と、お名前に一、二、三がつくお三方が就任されたことが話題となっていますが、実は高市早苗総務大臣もご結婚後の本名が「山本」です。 党人事については、二階俊博幹事長、細田博之総務会長、茂木敏充政調会長、古屋圭司選対委員長という重鎮かつ総理の意を汲む人事であることにより、しっかりしたマネジメントができることを期待します。
 新体制はデフレ脱却と財政再建の両立を目指し、一億総活躍や厳しい安全保障環境への対応など課題が山積する中、針の穴を通すような作業を進めていかなければなりません。私も全力を尽くして参ります。

[北朝鮮のミサイル発射は脅威倍増]
 昨日午前7時53分頃、北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、弾頭部分が初めて我が国のEEZ(排他的経済水域)内に落下しました。 事前通告もなく、当時近くを日本の漁船が航行するなど極めて危険な事態をもたらしており、日本は直ちに北京の大使館ルートで北朝鮮に対して厳重に抗議したところです。首相官邸では私も出席して国家安全保障会議を開催し、情報収集・分析と国民への迅速かつ的確な提供、航空機や船舶の安全確認の徹底、不測の事態に備え万全の体制を国際社会と連携して取っていくことについての総理指示を確認するとともに、今後の対応についても議論しました。
 今回の行為は国連安保理決議に違反し、制裁措置が継続する中でかつ内閣改造のタイミングで実施され、しかも上記した極めて危険なものです。24時間・365日の警戒や対応の強化を、米国や韓国などと連携して行っていきます。

平成28年8月1日

[未来に活かすべき都知事選]
 昨日7月31日に投開票が行われた東京都知事選は、小池百合子候補の圧勝で幕を閉じました。
 前回のこの欄で私は、「候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません」と書きました。自民党が推薦した増田寛也候補が落選したことは残念です。
 しかし、時事通信が実施した出口調査によると、自民党支持層の52パーセントが小池候補に一票を投じており、増田候補の40パーセントを上回っています。このことを私たちはしっかり受け止めなければいけません。
 確かに、自民党東京都連が推薦候補を決定する会議に、小池さんは所属議員として参加していながら、執行部一任という決議に異を唱えることなく、そのうえで直後に出馬表明の記者会見を行ったと伺っています。 こうした経緯や、その後増田候補への推薦が自民・公明両党での手続を踏まえてなされたことに鑑みると、小池さんの立候補を筋として認めたくない党の事情はよくわかります。私自身、増田候補のために東京での知人を紹介するなどの活動を行いました。
 しかし都民にとっては、こういった内輪の手続の話はあまり関心の対象とはなりません。また、その後の選挙活動では、小池候補が過去に政党を渡り歩いたり自民党総裁選で勝ち馬に乗ろうとしてきたりという行動をとったことを批判する声を聞きましたが、これも一緒に仕事をしてきた私たち自民党議員には「信頼のおける人物かどうか」という点である程度わかる話であっても、一般の方々にとってはどうでもよいことでしょう。
 小池候補としては、防衛大臣や環境大臣などの閣僚を務め、党三役の一つ総務会長も経験し、これから都知事に活路を求めるしかないと考えたうえで、現在の党や都連の状況下ではそれが難しいと判断して乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負に出たのだと思います。そして都連としては、参院選をはさんでなかなか難しい状況であったとはいえ、「勝てる候補が他にいるのか」「小池さんとの修復はできないのか」迅速に判断するべきだったでしょう。危機管理を表す言葉に「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」というものがあります。 時間が経過する中、小池さんは自民党への推薦依頼を撤回し、「都知事になったら議会を冒頭解散する」という発表を行い、私たちの度肝を抜きました。
 おそらく世話になったであろう都議会議員を、まだ知事候補として都議会との政策の対立が顕在化する前に、法律上できない解散により職を奪うと宣言することは、小泉元総理の劇場型政治にも見られなかった異例のことであり、まさに抵抗勢力を演出したもので都連としては許しがたいものだったとは思います。 しかしそれに対抗して、除名をほのめかして親族にまで締め付けを図ろうとするなどはこれまた異例のことですし、石原元都知事の「厚化粧の女」発言も相まって、結果として小池候補のけなげさを演出する劇場型選挙にどんどん手を貸す結果となりました。増田候補は優秀で実績のある方だと思いますが、やはり広報・発信の面でおくれをとっていたことは否めません。
 ちなみに、今回野党陣営は保守分裂の間隙を縫って、キャスターとして知名度の高い鳥越俊太郎氏を統一候補として擁立する戦術に出ており、その信条や体調などを考えると、鳥越候補の当選だけは絶対阻止しなければならないと思っていました。 小池候補が無党派層を捉える選挙戦を展開する中で、増田候補に肩入れをし過ぎることを自民党の本部や安倍総裁が避けたように見えたのは、小池候補との亀裂を最小限にしたいということに加えて、鳥越候補を利することを避けようとしたこともあると思います。
 結果は出ました。小池さんや応援した現職議員を処分するべきだとの声もありますが、それ以外にも小池さんを応援した自民党関係者が多数いたことや、上記したとおり自民党支持者の半分以上の有権者が小池さんに投票したこと、この間の事態の推移が混乱を極めたことなどを考えると、それより先に通さねばならない筋があるように思います。
 今後、目前に迫った東京オリンピック・パラリンピックや、首都防災・超高齢化対策など、山積する課題を解決するため、高村党副総裁が指摘されるとおり、「誰がなっても東京都知事とはしっかり関係を築く必要がある」のではないでしょうか。

[心配される谷垣幹事長の容態]
 内閣改造や自民党役員人事を控え、谷垣幹事長が自転車で転倒して頸髄を損傷したことが大きな足かせとなっています。
 夏の参院選で私の地元所沢を含め、全国を飛び回り、党をまとめてこられた谷垣幹事長の一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。幹事長が辞任を表明され、残念な気持ちで一杯ですが、政府と党がしっかり連携してその思いを引き継げるよう、私もいかなる立場になろうとも全力を尽くす所存です。

平成28年7月11日

[厳しい現実に目を]
 昨日10日に投開票だった参院選で、与党は当初の目標どおり改選議席の過半数を確保しました。
 私の地元、埼玉選挙区でも、自民党公認の関口昌一候補と公明党公認自民党推薦の西田実仁候補が共に当選し、定数3のうち与党で2議席を確保できて胸をなで下ろしたところです。
 しかし岩城光英法務大臣、島尻安伊子沖縄北方大臣という、日頃からお世話になっている二人の現職閣僚や、特に東北地方の1人区を中心に、落選した方々も少なからずいたことを重く受け止めなければいけません。私も今回、山口・福島・長野と応援に入りましたが、1勝2敗となり、忸怩たる思いをしています。
 野党共闘が政策無視の野合であると訴えたことはある程度有権者の理解を得られたと思いますが、接戦で負けた選挙区の多くは、実はかつて90年代、自民党から離党して連立政権を作った議員またはその後継者の地元でした。 また、アベノミクスは正しい道であると確信していますけれども、農業県ではまだその実感が薄く、TPPに対する不安もあったかもしれません。東北の被災地については廃炉・除染・風評被害対策など、これからが正念場という側面もあります。
 私たちはこうしたことを踏まえて丁寧な政権運営をすることが必要になってくるでしょう。 また、野党共闘や「改憲阻止」の運動は決して軽視することはできません。メディアは「改憲勢力3分の2確保」と大きく報じています。これはかなりミスリーディングで、どの条文をどう変えるかについてこれら各党の間で一致した意見がある訳ではありませんし、何よりも国民投票で過半数の賛成がなければ憲法改正は実現しないのです。ここでも開かれた丁寧な議論を国会でしていくことが必要です。憲法改正の発議は政府が行うのではなく、衆参両院で行うのです。
 参院選が終わったら、すぐ首都東京の知事選挙が行われます。候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません。
 厳しい現実から目を背けることなく、しっかり地に足の付いた活動を進めて参ります。

平成28年6月27日

[政治の安定に力を]
 23日に実施されたイギリスの国民投票で、同国のEU離脱が決まり、世界経済は大きな混乱にさらされています。
 直後に私はツイッターで、「安倍総理の消費増税延期は大正解だった。これから難しい経済運営・対外対応が必要となるが、どう考えても今の野党にその力量があるとは思えない。」と書き込み、多くの支持をいただいています。
 前回のこの欄で書いたとおり、伊勢志摩サミットでは世界経済の不透明性の中で適時に全ての政策対応を行うことが合意され、日本は総理の「新しい判断」のもとで消費税増税の延期を2019年10月まで行うことが決まりました。 イギリスのEU離脱は、事前に各国の働きかけやコックス議員の殺害などの影響で「残留派が少し有利」と想定されていただけに大きな衝撃を世界市場にもたらし、まさに円高や株安の波にさらされている日本が、消費増税によるさらなる経済危機をもたらすことはできません。
 この数日、沢山の内外の経済メディアから「日本は今後どう対応すべきでしょうか」「参院選にはどういう影響が出るでしょうか」という取材をいただいています。
 前者に関しては、短期的対応、中期的対応、長期的対応が必要でしょう。すなわち、短期的には過剰な投機による混乱を避けるためのドル供給や円売りなどの介入を、もし必要であれば世界他地域の中央銀行と連携して行うことです。ただし相場の状況に応じてです。前回日銀の金融政策決定会合で見送った追加緩和についても、再度検討の俎上に上がることでしょう。中期的対応としては、補正予算などの経済対策です。急速な需要の落ち込みを防ぐため適正な規模とすることは避けられません。そして長期的には、世界の安定に資するための取組みを、日本もしっかりと貢献して行うということです。イギリスでは残留派の多いスコットランドが再度独立の動きを見せており、またEUでは他の国に離脱の連鎖に向けた動きがあるとも報じられています。こうした世界経済の不安定化の動きを食い止めるグローバルな取組み・外交を展開しないといけません。日EU間のEPA交渉に与える影響の精査も必要でしょうし、イギリスそのものに対しても連携を切らすことがないよう、その外交にしっかり注目をしていく必要があります。
 TPP交渉や安全保障の確立が持つ意味も重くなると思います。アメリカの大統領選を控え、まだ不安定要因はありますが、しっかり対応していきます。
 しかし、今回の件で専門的事項についての国民投票の問題点が明らかになったと言えるのではないでしょうか。市民運動家はともすると民意を口にしますが、今回のイギリスでの事例では、かつての大英帝国に郷愁を持つ高齢者層と、現在の状況を見る若年層に投票行動のギャップが見られたということです。こうしたテーマについては、慎重に検討するための代表を通じて決めるのがふさわしいのではないかと思いますし、わが国の憲法審査会で国民投票制度の拡大について特に野党が力を入れていますが、警鐘を鳴らすものと言えそうです。 メディアの「参院選への影響」についての質問に対しては「一票の重みをかみしめていただくようになると思います」と答えています。
 野党は今回の株安で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資金運用を株式にシフトしたことによって巨額の損失が生じていると与党を攻撃していますが、これまた経済を知らない主張です。日本の国債は今大きく金利が低下していますし、世界の資金運用は中長期的な実績を目指すものでも、利回りとリスクをきちんと数理計算して最適のポートフォリオを組むのが当たり前です。これから投資をどうすべきかの決定も、GPIFに関しては、専門家の合議によるプロセスを踏むよう改革されたところです。一時的な損が出たといっても安倍政権になって既に37兆円以上の運用益が出ていることに鑑みれば、批判は一面的なものであることがお分かりだと思います。
 つくづく感じるのは、今ここで、政治の安定を損ない、経済的に専門性を欠く野党に選挙で負けるわけにはいかないということです。序盤戦優勢が報じられていますが、気を引き締めて最後まで戦い抜くことをお誓いします。埼玉選挙区では定数3のうち自公与党で2議席を得ることを目指すとともに、他の接戦地域に私も応援に出向いて参ります。

平成28年6月2日

[夏の陣を前に]
 昨日1日、通常国会は会期を終えました。
 この国会で成立した法律や予算により、介護休業給付の拡充、介護や保育の受け皿整備、不妊治療への助成拡充、ひとり親家庭への児童扶養手当の増額など、一億総活躍社会の実現に向けた取組みが次々とスタートします。
 最新の有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となり、史上初めて47都道府県全てで1倍を超えました。リーマンショック以来減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年8年ぶりに増加に転じ、26万人増えました。賃上げも、中小企業を含め、今世紀最高水準の賃上げが3年続いています。
 しかし、世界経済は急速に不透明感を増しています。私が30日に総理の代理で出席した日本経済新聞社主催の国際会議「アジアの未来」で申し上げたとおり、中国などの新興国で、原油などの商品価格の下落などを背景として、GDP伸び率や投資伸び率がリーマンショック以来の落ち込みを見せています。
 私は伊勢志摩サミットの前のテレビ番組などで、現在の経済情勢に鑑みれば、消費税増税を予定どおり行いつつ、財政・金融措置などで景気回復を目指すという道は十分成り立つという見解を述べてきましたが、このような世界経済の状況のもとで、「成長のエンジン」が失われかねない中、G7が適時に全ての政策対応を行うことを合意し、日本がサミット議長国として率先して構造改革や財政出動など、あらゆる政策を総動員する「新しい責任」を負ったと総理が述べたことから、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げを延期するとの総理の今回の判断を支持するものです。
 そうは言っても私たちは責任与党であり、財政再建にも責任を持たなくてはいけません。 2019年の秋という増税期限は、私たちが基礎的財政収支を2020年に黒字化すると主張する中でのぎりぎりのタイミングであり、かつ、保育の受け皿50万人分の確保、介護離職ゼロに向けた受け皿50万人分の整備を予定どおり進め、保育士や介護職員等の処遇改善についても実施していくとなれば、新たな財源の確保と行財政改革のさらなる進展は不可欠です。
 もっとも、この3年半のアベノミクスの成果で、国と地方を合わせて税収は21兆円増加をしました。民進党の岡田代表は、消費税率引き上げの財源を赤字国債の発行に求めていますが、私たちはそのようなことのないように全力を尽くします。
 今の状況が「リーマンショック級の経済危機」だというわけではありませんし、熊本の地震が「大震災級」にあたるとも言えません。前回の総選挙は増税延期の是非を争点に行われたもので、そこで再延期はしないと言ったのですから、解散して民意を問うべきだとの考えに一理あるとは思います。しかし熊本の被災地で今なお多くの方々が避難生活を送る中で、国民世論も解散を求める声が多数と言えないこと、今回参院選で全国規模の民意を問う機会があることも踏まえ、解散権を持つ総理が「衆議院の解散をしない代わりに、今回実施される改選枠の参院選で与党で過半数を目指す」と述べられたことは理解できます。
 大変厳しい選挙戦になるとは思いますが、勝利を目指して全力で頑張りますので、皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

平成28年5月29日

[平和への祈り]
 注目を集めた伊勢志摩サミットは、多くの成果を残して閉幕しました。
 世界経済に関しては、「見通しに対する下方リスクが高まってきている」との認識のもと、新たな危機に陥ることを回避するため、経済の強靭性を強化して、適時に全ての政策対応を行うことにより現在の経済状況に対応するための努力を強化する、と宣言しています。 そのうえで、これまで日本が取り組んできた相互補完的な財政、金融、構造政策の重要な役割を再確認しています。民主党政権でほとんど手つかずだった金融面での取組みが具体的に触れられています。
 過剰な生産能力や、私がインタビューで懸念を示した為替レートの過度な変動・無秩序な動きにも警鐘を鳴らしています。
 「あらゆる形態の保護主義と戦う」とのコミットメントが再確認され、各TPP署名国に国内手続の完了を奨励するとともに、今年のできる限り早い時期に日EU間でEPA大筋合意に達することに向けたコミットメントが歓迎されました。
 また、日本が世界各地で訴えている「質の高いインフラ投資」推進についても明記されました。
 私が先日訪れた腐敗防止サミットで示された、腐敗・脱税・テロ資金供与及び資金洗浄防止のための実質的所有者情報の透明性の改善についても盛り込まれました。
 さらに、国際保健・女性活躍・サイバーセキュリティー・気候変動とエネルギーについても行動指針が示され、貧困削減及び「持続可能な開発」へのアプローチにおける新時代の幕開けを力強くうたっています。
 今後これを受けて、わが国における対策が、既に示されている骨太方針などと併せて早急に実施されることになるでしょう。
 注目されたのは外交・安全保障の取組みについても同じです。
 テロ・暴力的過激主義・難民問題の原因となる根本問題と向き合うことを明示するとともに、テロ対策や密入国・人身取引との戦いを継続します。
 中東におけるジュネーブ合意に基くシリアの政権移行を呼びかけ、イラクの改革と国民和解、イランの地域における建設的な役割を呼びかけます。
 北朝鮮による核実験と弾道ミサイル技術を用いた発射を非難するとともに安保理決議や六者会合共同声明の順守を求め、併せて拉致問題を含む国際社会の懸念に直ちに対応するよう強く求めます。
 ロシアにはミンスク合意の完全な履行を求め、ウクライナの改革を支持しています。
 そして海洋安全保障に関し、国際法に基づく主張、力や威圧を用いないことなどの重要性を再確認し、東シナ海・南シナ海の状況の懸念を示すとともに「海洋安全保障に関するG7外相声明」を支持しています。
 私は今回、東京に留守番となりましたが、ここまで成果をまとめることに努力された関係の皆様に心から敬意を表する次第です。
 そして圧巻だったのは、その直後、被爆地広島を訪れたオバマ大統領の演説でした。
 「国際社会は国際機関や国際条約を成立させ、戦争を回避するとともに、核兵器を制限し、減らし、究極的には、廃絶させることを追求してきました。とはいえ、国家間のあらゆる対立、テロ、腐敗、残虐、迫害といった、世界各地で今も見られる出来事が、私たちの任務に終わりがないことを示しています。私たちは、人間が悪を行う可能性を完全に消し去ることはできません。
 だからこそ、国家と、それらの間で結ぶ同盟は、自分たちを守る術を持たなければならないのです。
 しかし、わが国アメリカのように、核兵器を自ら持つ国は、恐怖の論理から脱する勇気を持ち、核兵器のない世界を追求しなければなりません。私が生きているうちに、この目標を達成することはできないかもしれませんが、破滅から世界を遠ざける努力を続けなければなりません。」
 「広島と長崎を核戦争の始まりとして記憶するのではなく、私たち自身の道徳的な目覚めにしなければならないのです。」
 道は遠いですが私自身も平和を祈り、実践に向けて取り組んでいく決意です。

平成28年5月14日

[世界を変える重要ミッション]
 5月12日にイギリスで開催された「腐敗防止サミット」に、日本を代表してフル出場して参りました。
 世界各界の法人・個人の租税回避が話題となっている「パナマ文書」問題、スポーツ界を含めた様々な領域での汚職や不祥事、テロや犯罪組織への資金流出、公的契約の透明性の問題など、いわゆる腐敗を根絶することが世界共通の課題となる中、本イベントにはG20を含む約40か国・7国際機関から、首脳や閣僚級の多くが参加し、ビジネス界、スポーツ団体などの関係者も幅広く出席し、報道でも取り上げられました。
 会議は大変専門性が高いものでしたが、コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(組織統治)について日頃から関心を寄せている私が日本の代表に選ばれたのもご縁ということで、これまで準備を進めてこられた外務省の方々と短期間ながら打ち合わせを重ね、私自身も原稿に手を入れさせていただいて当日は英語でのプレゼンテーションに臨みました。
 私が発言したのは「スポーツにおける腐敗」に関するセッションで、東京オリンピック・パラリンピック等大型スポーツイベントを控えるわが国にとって、スポーツのガバナンス強化と透明性・清廉性の向上は喫緊の課題である旨述べるとともに、国内競技団体組織運営におけるフェアプレーガイドラインの策定や、日本スポーツ振興センターに、ガバナンスやドーピング防止における専門性・独立性を備えたインテグリティー・ユニットを設けるなどのわが国の取組みを紹介しました。 また、今回の腐敗防止サミットを受け、約2週間後に迫るG7伊勢志摩サミットにおいても腐敗対策を取り上げ、G7としても腐敗対策の成果文書を策定する方針を表明しました。
 率直に言って各国の文化や法制度の違いを反映し、本サミットでは共同宣言を取りまとめるのはかなりの困難が伴いましたが、それでもパナマ文書問題などに見られる「実質的所有者」の透明性や財政の透明性、スポーツ団体のガバナンス強化、腐敗対策の法執行協力など、幅広い分野での議論の結果、宣言とコミュニケが採択されたほか、参加各国による腐敗対策に関する今後の取組みについて記した国別コミットメントが公表されました。
 主催者のキャメロン首相は私と同世代。懇談する機会もあり、2週間後日本でお待ちしていると申し上げました。困難ではありますが引き続きこの問題に関心を寄せ、取組みを続けます。
 伊勢志摩サミットの後、オバマ米国大統領が広島を訪問されると発表したことも話題となっています。被爆地の実相を世界に広げ、核軍縮の機運を高めるとともに、是非「次のアメリカ大統領」にも認識を共有していただくことを期待します。
[相次ぐ取材・出演依頼]
 5月8日にはフジテレビの「新報道2001」に生出演し、北朝鮮で36年ぶりに開催された党大会や、北方領土問題などで注目される日ロ首脳会談、アメリカ大統領選挙などについての議論に参加し、そこでの発言(北朝鮮の核政策についてなど)が大きく取り上げられました。テレビ出演や取材などが重なりますが、しっかり情報発信をしていきます

平成28年4月25日

[新たなステージへ]
 熊本・大分を中心とした大地震から10日以上が過ぎました。
 関連死も含め、震災で亡くなられた方は60名になります。心からご冥福をお祈り申し上げます。 前回のこの欄でも書かせていただいたとおり、政府は発災直後から自衛隊、消防、警察、医療関係者など、3万人を超える体制で救命・救助や物資の提供、インフラの復旧などにあたってきました。土曜日には総理自身が被災地に入り、現地の状況を視察するとともに被災された方々や現場で作業にあたられている方々の生の声に耳を傾けました。
 おかげさまで停電はほぼ解消し、滞っていた地域もあった生活物資もかなり届いています。避難所でノロウィルスが発生した場所もありますが、今後は水を含め、環境面の整備に力を注ぎます。また、民間の力をいただきながら、住宅の確保やボランティアの受け入れ、産業の復興などに全力を尽くしていきます。
 求められていた激甚災害指定も本日の閣議で決定します。生活・事業の再建やがれき処理などに必要な補正予算の編成も行う方針です。なかなか被害状況がつかめませんでしたが、これから万全の体制をとっていきます。
 そのような中、注目されていた北海道5区の衆議院補欠選挙が昨日実施されました。
 生前私も大変お世話になっていた故町村信孝前衆議院議長の義理の息子さんで、自民党公認候補の和田義明さんが見事接戦を勝ち抜き、ホッとしています。野党側は共産党も含めて統一候補を擁立し、「市民目線」を訴えて政党色を薄めた戦いをしてきたため、本当に辛い選挙戦でした。
 しかし、やはり福祉を充実させるのも経済の回復が必要です。自民党と公明党がこれまでの、そして商社マンとして実績を積んだ和田さんのこれからの、地域と国の再生に向けた思いを多くの方々にご理解をいただけたことは本当によかったと思います。 また、震災に対して迅速に対応した政府の姿勢も評価されたと思います。野党側は平和安全法制の廃案を訴えていましたが、今回の自衛隊の方々の迅速な対応と、東日本大震災でもトモダチ作戦を展開してくれた米軍のオスプレイなどを活用した物資の輸送など、やはり外国と連携した危機管理が大切であることを認識していただけたのでないかと思います。
 政局にはこれからも注目が集まりますが、まずは来月の伊勢志摩サミットを成功に導き、経済・財政対策の決定をして、参院選に臨みます。私も色々な場面で誤りなきを期して全力を尽くして参ります。
[隠れたミッションの成功]
 先週は、IFIAR(監査監督機関国際フォーラム)の常設事務局を東京に設置することが決定した週でもありました。実は3月の私の米国・カナダ・欧州への出張の大きな柱がこの誘致に向けた各国要人との会談で、4月のロンドンでの決定投票に合わせて各国で意思決定がなされるのに間に合うよう、強行日程となった次第です。
 今回の東京への誘致は、成長を続けるアジアに近接した東京市場の国際金融センターとしてのプレゼンスを高めるとともに、わが国がガバナンス強化を目指していく流れにも合致するもので極めて有意義なものです。 実は各国での会談が当該国のHPなどでアップされたのを見た番記者の方から、「補佐官、海外の検査当局ともお会いになっていますよね...」と鋭い指摘を受けたのですが、結果が出るまで伏せていたことをお詫びします。そして、金融庁・外務省をはじめとする役所の方々、応援して下さった菅官房長官はじめ官邸の方々、公認会計士・監査審査会、同僚のIFIARを日本に誘致する議員の会の仲間たちなど、お世話になった皆様に心からお礼申し上げます。

平成28年4月16日

[相次ぐ地震に万全の警戒を]
 一昨日14日夜に発災した熊本県を中心とした地震で、火災や家屋の倒壊など大きな被害が出ています。
 首相官邸には直後から対策室が立ち上がり、安倍総理や河野防災担当大臣たちを中心として情報収集を急ぐとともに、警察・消防・自衛隊など3000人超の人員を現地に動員して救助活動に当たっています。 政府としては、被災自治体とも連携し、食料や毛布など必要な物資の確保、医療行為の提供、電力や水道などのインフラ復旧に全力を尽くしていきます。
 私は今回は対策室には入っていませんが、官邸からの連絡を見つつ、政治の中で何が今後必要となるかしっかり注視していきます。今回の地震は断層によるもので余震なども大きく、今朝も未明に熊本で震度6強の地震が発生し、こちらがむしろ本震とも言われています。気温が高く、さらに二次被害などのおそれもあり、混乱を避けて円滑な復旧に取り組むことができるよう万全を期する必要があります。
 被害に遭われた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
[東京パラリンピックを所沢から応援]
 昨日15日、遠藤利明オリンピック・パラリンピック担当大臣室を、藤本市長・障害者アーチェリーバルセロナ五輪金メダリスト南浩一さん・埼玉県障害者スポーツ指導者協議会河野章会長・所沢ユニバーサルスポーツ応援団鮎川雄一団長たちと訪れ、国立リハビリセンターを有効活用して東京パラリンピックのトレーニングセンターとして欲しいと要望しました。
 障害者スポーツを応援しようという土壌も実績もある所沢です。遠藤大臣も、既に進んでいる東京のナショナルセンター整備に加えての活用がさらなる成果の向上につながること、地域の発展につながることをご理解いただけたと思います。
 これからもしっかり後押しを続けていきます。

平成28年4月2日

[総理と同行の4日間]
 ここ1か月で公務の海外出張が4回も続いていましたが、3月30日から4月3日まで、安倍総理の命を受け、第4回となる核セキュリティ・サミットに同行してワシントンに来ています。
 この会議は、オバマ大統領が2009年4月、チェコの首都プラハで核テロの脅威に取り組むため発足を提唱したことを受けて2010年から2年に1度開催されてきたもので、今回が最終回とされています。
 今回は特に、過激派組織ISILが犯行声明を出したベルギーの連続テロで原子力発電所への襲撃も計画されたことがわかっており、核物質の管理強化が大きなテーマとなりました。
 安倍総理はオープニングセッションで、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原子力安全と透明性の向上に努めてきたことを紹介するとともに、前回のハーグサミット(2014年)で約束した、日本原子力研究開発機構のFCA(高速炉臨界実験装置)における高濃縮ウラン・プルトニウムの全量撤去を、米国の協力を得て予定を大幅に前倒しして完了したことを明らかにしました。また、KUCA(京都大学臨界集合体実験装置)を低濃縮ウラン燃料を利用する原子炉に転換し、高濃縮ウランの全量撤去を行うことを決定したと述べました。 そして、今後の核セキュリティ人材育成や各国への支援、安全基準に関する国際協力などを積極的に行っていくと表明し、オープニングセッション前日のワーキングディナーでは、今後は核施設へのサイバー攻撃や内部関係者のテロなども想定するとともに各国間の情報交換を飛躍的に高めて対応を強化するべきだと主張しました。
 また、安倍総理はワーキングディナーや日米韓首脳会談で、核実験や相次ぐミサイル発射で国際社会の脅威をもたらしている北朝鮮について、制裁強化の国連安保理決議の実行をはじめ、関係各国が連携して拉致・核・ミサイル問題の包括的解決を目指していく旨主張し、支持されました。 もっとも、サミット期間中も北朝鮮からは挑発行為があるなど、今後の道は容易なものではないでしょう。毅然とした対応が必要だと思います。
 会議はコミュニケ(共同宣言)として、核物質や原子力施設の管理は国家の根本的責任であると位置付けるとともに、今後の取組みの指針を示して終了したところです。 核セキュリティ・サミット終了後は、こうした取組みはIAEA(国際原子力機関)などに引き継がれることとなりますが、日本の天野事務局長が近く実施される選挙で再任され、その指導力のもとで着実に成果をあげることを期待します。特に、日本が一昨年締結した核物質防護条約改正の発効を、各国をリードして実現して欲しいと思います。
 サミットには50か国を超える国々が参加し、この会議以外にも日米・日韓をはじめ数多くの二国間協議が開催されました。私も朴槿恵大統領をはじめ、カナダのトルドー首相、アルゼンチンのマクリ大統領、インドのモディ首相、カザフスタンのナザルバエフ大統領、以前もお会いしたヨルダンのアブドッラー2世国王など、数多くの首脳と安倍総理との会談に陪席し、それぞれの国との間の案件の状況を確認することができました。 TPPや投資促進などの経済問題、アジア・中東の安全保障問題など、今回培った貴重な経験をしっかり今後の活動に活かして参ります。

平成28年3月24日

[日本を変える新たな取組み]
 3月16日から19日まで、先月この欄でも紹介したASEAN訪問の後半となるラオス・タイへの出張に行ってきました。
 軍政からの着実な転換を目指すタイは来年日本との修好が130周年となります。そしてラオスは今年のASEAN議長国です。 質の高いインフラ(交通・水道など)パートナーシップや人材育成協力をはじめ、日本との政治的経済的協力関係をさらに進めるとともに、最近南シナ海や北朝鮮の問題で緊迫する安全保障の分野でもしっかり連携していくことを確認しました。ラオスでは首都ビエンチャンの上水場拡張計画円借款署名交換式に立ち会い、祝辞を述べ、報道されるなど貴重な経験をさせていただきました。
 そして帰国したその日に沖縄に出張。産・官・学・政・文化・スポーツ・メディア等々、分野の壁を超えて様々なテーマの解決に向けた議論・提言を行う会議であるG1サミットにおいて、まさしく東アジアの安全保障についてのセッションに登壇し、石垣市の中山市長たちパネリストに充実した議論をしていただくモデレーターを務めました。
 これからも地域の繁栄と平和のために全力を尽くします。
 そして今日本の経済の未来に疑問が投げかけられています。年が明けて世界経済の不安定を背景にリスクオフのため円が買われ、円高になるとともに、原油安も手伝ってデフレ傾向が続き、日経平均株価も軟調となっています。
 私は繰り返し、日本の企業収益は堅調で正規職員も増えるなどファンダメンタルズ(経済基盤)はしっかりしていると述べていますが、将来への不安などを背景に個人消費が伸び悩む等、新たな対応が求められる事象となっています。
 折しもG20でも、日本のこれまでの「3本の矢」すなわち金融政策に加え、適切な財政政策や構造改革を関係国に求める声明が採択されています。そして日本は今年5月に開催されるG7伊勢志摩サミットの議長国として、世界経済に的確に対応することが一層必要です。
 このような中で、首相官邸では経済関係閣僚をメンバーとする「国際金融経済分析会合」が発足し、内外の有識者から意見を聴取するとともに闊達に議論する場となっています。私も22日のニューヨーク市立大学クルーグマン教授からのヒアリングより陪席させていただくようになりましたが大変有意義な取組みだと感じています。党での財政再建特命委員会と合わせて、立体的な視野で検討を重ねたいと思っています。
 私が重要な役回りを行うプロジェクトも順次立ち上がっています。
 一つは私が会長を務めることになった自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の発足です。菅官房長官、二階総務会長、河野大臣、塩崎大臣、河村議院運営委員長たちにご参加いただき、国産エネルギーでイノベーションや地方創生に資する、そして原子力災害やフランスでのCOP21会議、4月からの電力小売全面自由化という激動の環境に的確に対応し得る、再生可能エネルギーの最大限かつ適正価格での普及を目指し、取組みを進めます。実は先述した国際金融経済分析会合において、クルーグマン教授も「グリーン投資の有効性」を訴えておられました。
 もう一つは党における労働力確保に関する特命委員会(政調会長の命による)の設置です。今後生産年齢人口が減少することを受け、これまで活躍の場が十分でなかった女性や高齢者にますます能力を発揮していただくことが必要になってくるとともに、少子化にもしっかり対応するべく、生産性も大きく引き上げることをまずは目指さなければいけません。私は党におけるAI(人工知能)・ビッグデータ・IoT利活用促進若手議員連盟の顧問として、この流れを後押ししていきたいと思います。 しかし特に増大する介護の需要に対応したり、海外の高度人材の活躍をより柔軟に取り込んでいかないと、これからの成長戦略が十分描けないことになりかねません。治安や雇用への重大な影響に鑑み、自民党は移民政策を明確に否定していますが、どのような方策がバランスの取れたものになるのかしっかり検討する必要があります。私はこの特命委員会の事務局長としてしっかり議論をリードして参ります。

平成28年3月13日

[炎の10日間]
 3月3日から6日までアメリカとカナダを、8日から12日までドイツ・オランダ・イギリス・フランスを歴訪しました。総理や官房長官の命を受け、経済問題(特に金融問題)について各国政府高官等と意見交換するほか、二国間関係や国際情勢についても情報収集を行うためです。
 アメリカではやはり大統領選がメディアの大きな関心事でしたが、時代の閉塞感が予想外の展開を生み出している実態がわかりました。ただ、安全保障面も含め、大統領選の結果いかんにかかわらず日米間の連携をしっかり維持することの必要性を確認し合うことができたことはよかったと思います。カナダでは日本の産業拠点の課題や金融問題について情報収集しました。
 欧州ではやはり難民問題が重要な関心事でした。大陸を通じて膨大な数の難民が流入し、治安や経済に影響をもたらしています。各国で日本のこの問題への経済貢献を高く評価していただくとともに、EUの今後について、特にイギリスについてはEU離脱の是非を問う国民投票を控え、この難民問題も絡んで複雑な世論が醸成されている様子を見て取ることができました。 ロンドンではカナリーウォーフや訪問したシティーでのビジネスマンの自負とそれを裏付ける伝統の重みを感じましたが、やはり他国の勢いをしっかり取り込むことが課題だと感じました。その面では日・EUのEPAが日本と欧州のみならず、イギリスにとっても大きな意味合いを持つように思います。 ドイツでは特に北朝鮮(東独の流れで大使館がある)をはじめとした安全保障の問題に大きな関心を寄せていただき、しっかり日本との連携を表明していただきました。メルケル首相がぶれずに難民の受け入れを拡大していることへの世論の不安もありますが、やはり経済は堅調であり、再生可能エネルギーの先進国であることも含めて見習う点は多いと思います。 オランダは昨年のルッテ首相訪日を受けた日蘭戦略的パートナーシップの流れを受けて、サイバーセキュリティー、経済、農業面での協議を行いました。 フランスでは、COP21の取り組み、テロ問題に加え、やはり金融の問題について話し合いました。折しも欧州中銀の追加緩和が発表され、これから国際社会が政策面で連携することの重要性がますます大きくなったと感じています。
 これまで東日本大震災後の3.11は日本で必ず追悼式典に参加していましたが、今回は初めて海外から祈りを捧げました。亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りするとともに、今回の出張を経て、改めて、私たち日本人がただ不満を口にするのでなく、自主性を持って責任ある対応をすること。世界の流れにしっかり目を向けることの大切さを学んだように思います。
 2月末には「朝まで生テレビ!」に出演して憲法改正について議論するなど、最近活動の幅が増えてきてきました。これから新しい重要な取り組みもいくつか開始する予定です。一つ一つを大切にし、日本を活力と希望のある国にすべく全力を尽くして参ります。

平成28年2月20日

[重要なフォローアップミッション]
 安倍総理の命を受け、2月17日からインドネシアとマレーシアを訪問し、今日20日帰国しました。
 昨年11月に開催され、総理も出席されたASEAN関連首脳会議で打ち出された方針をしっかりフォローアップするとともに、安全保障や経済分野における最新の情報を収集したり意見交換をするべく、政府要人や経済界の方々とお会いするためです。
 言うまでもなく、ASEAN諸国は東アジア経済の今後の発展に極めて重要な位置を占めるとともに、歴史的に見ても、また現状でも、日本と良好な関係にある国々です。ただ、近年は南シナ海問題に見られるように安全保障において課題を抱え、かつそれが経済問題と複雑に絡むようになっていて、日本としての継続的な対応が求められていました。
 既に自民党でもメコン議員連盟が立ち上がるなど、この地域との交流を深める動きが出ていましたし、私も総務副大臣時代に、ミャンマーやベトナムを訪れ、通信インフラや郵便制度の整備に支援を行うよう尽力してきたところです。また、一昨年の衆議院内閣委員長時代にも、シンガポールやインドに加えて、今回出張したインドネシアにも委員会視察に訪れ、クールジャパンの一環として当地で展開されている仮面ライダー(ガルーダ戦士ビーマ)やJKT48に見られる戦略を学びました。
 今回のミッションで大きく特徴付けられるのは、先ほど触れたとおり、北朝鮮のミサイル発射(東シナ海に向けられていた)や、南シナ海での情勢変化、インドネシアでの高速鉄道の受注失敗など、急速に状況が変化していて、それらが相互に絡み合っているため、事態を改善するために諸外国が連携し、かつ継続的な対応が必要だということを強調した点でした。 折しも、ちょうど機を同じくしてアメリカで米ASEAN特別首脳会議が開催され、そこで安全保障問題がテーマとなっており、私としてはこの情報をリアルタイムでキャッチして、日本としてASEAN諸国には米国や日本としっかり連携して欲しいと申し上げてきたところです。
 具体的には、インドネシアではプラモノ・アヌン内閣官房長官や他の要人と会談し、先月1月に発生したISILのテロや質の高いインフラ整備、安全保障問題などについて議論をしてきました。 また、日本と同じく現在国連の安全保障理事会メンバーとなっているマレーシアでは、北朝鮮のミサイル発射に対する制裁問題について、ムハンマド・シャハルル外務省副次官と意見交換したり、マハティール首相時代以来進化を重ねる東方政策、TPPなどについてリー・チー・レオン国際貿易産業副大臣と議論したりするなどできました。
 民間企業の方々とは、イスラム商慣習やインフラの課題、マレーシアでのブミプトラ(マレー系優遇)政策等々、現場での声をしっかり伺わせていただきました。
 これをしっかり総理などにフィードバックするとともに、これからの活動に活かしてまいります。また、同僚の河井克行補佐官とも役割分担をし、さらなるミッションに取り組んでいきます。

平成28年2月11日

[毅然とした対応]
 この欄でも紹介したとおり、北朝鮮は事実上の弾道ミサイル発射予告を行っていたところ、発射期間を一方的に早める旨の発表を行ったうえ2月7日に日本海に向けて発射を行いました。
 首相官邸では事前の情報収集に加え、発射後は速やかに警報を発したり対策協議を行うなどしたうえで、各国に連携と北朝鮮への制裁を呼びかけました。私も国家安全保障会議の一員として、日曜日ではありましたがミサイル発射時には永田町で待機し、速やかに対策協議に加わりました。
 そして昨日10日、今回の発射が日本の安全に対する重大な脅威であることや、先日実施された核実験、及び拉致問題が進展しないことなどに抗議する意味なども込め、その実効性や他国での対応なども踏まえたタイミングも慎重に検討のうえ、日本独自の制裁を行うことを決定しました。
 具体的には、 在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国禁止等、人的往来の規制措置(従来より対象者を拡大) 支払い手段などの携帯輸出届け出の下限金額の引き下げと、北朝鮮向け送金の原則禁止 人道目的を含めた全ての北朝鮮籍船舶の入港禁止と、北朝鮮に寄港した第三国籍船舶の入港禁止 資産凍結対象の関連団体・個人の拡大
 です。拉致問題解決に向けたストックホルム合意に基き緩和した制裁の復活や新規強化項目などが組み合わさっているのが特徴です。ただ、拉致問題に関する北朝鮮との対話を以後拒むという趣旨ではありません。
 同じタイミングで、韓国も、北朝鮮労働者が多く働く開城工業団地の南北共同事業の中断を発表しました。日米韓が連携をするとともに、中国など、国連安保理による制裁決議の鍵となる国にも強いメッセージとなることを期待します。
[選挙制度改革における転換]
 私のもう一つの担務である選挙制度についても、昨日10日には大きな動きがありました。
 これまで衆議院議員の定数削減に消極的だった自民党において、昨日党本部にて実施された選挙制度改革問題統括本部の会議で、議員定数を有識者調査会の答申が示した10削減する方針が了解されたのです。
 野党からは、方針が2020年の国勢調査に基づくものとすることを捉えて改革の先送りだと批判する声がありますが、答申をよく読めば、都道府県別の定数配分の是正は制度の安定性に鑑み10年ごとの大規模国勢調査に基き行う、と書かれているのですから、それまでは区割りの調整によって、一票の格差を最高裁判決が許容すると言われる2倍以内に抑えるという対応をすることが、答申に反するとは言えないと考えます。
 これから各党間の協議が行われるわけですが、いずれにせよ速やかに合意ができるよう期待します。
 この問題でも、有識者調査会の答申を守るよう指示した総理の元で補佐官としてお手伝いをさせていただきました。
 こうして担務に取り組むとともに、今後新たな重要課題にも立ち向かい、情報発信に努めてまいります。

平成28年2月4日

[適切な危機管理を]

 既に報道されていますが、北朝鮮が国際機関に対し、今月8日から25日までの間に人工衛星を打ち上げると通告したことは、事実上長距離弾道ミサイルの実験予告を意味するとみられます。

 たとえ衛星と称してもこの打ち上げ行為は国連安保理決議違反となり、日本の安全上見過ごすことはできません。菅官房長官も記者会見で、米国や韓国など関係諸国と連携し、北朝鮮に強く自制を求めていくとともに、政府として情報収集及び分析に全力を挙げ、国民の安全安心の確保のため万全の体制で臨むと述べられました。

 安全保障担当首相補佐官として、私も安全保障会議をはじめとしてしっかり外務・防衛省などと力を合わせて危機管理にあたってまいります。

[経済も危機管理]

 29日、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利の導入を発表しました。金融機関の一定以上の日銀当座勘定での金利をマイナスにするという手法ですが、初めてということもあり市場には大きなインパクトを与えています。

 私は前回のこの欄で述べたとおり、「追加的な」金融緩和の決定には慎重さが求められ、海外の当局との連携も必要だと外国メディアにもコメントしたことが大きく報じられましたが、その後米国の利上げへの慎重姿勢や欧州中央銀行の追加緩和の示唆があり、また甘利大臣の電撃辞任もあって、日本も景気梃入れのために何らかの対応は必要でないかとの見方は強まったと思います。
 複数のメディアのインタビューに対し、私は、「これまでの延長線上にない新たな手法を、慎重に検討したうえ適切なタイミングで実施したと思う」とコメントしました。

 これもある意味、危機管理の一環ではないかと思います。国債の販売や銀行の資金運用への影響などを注視する必要性も指摘されていますが、まずはこの状況をきちんと踏まえ、引き続き政府で本格的な成長戦略を実施してまいります。私も新たなミッションを担うことになりそうです。

 中小企業対策や賃上げなど、身近なところで経済再生が実感できるようになることが必要です。

 甘利大臣の辞任は残念でしたが、政府の一員として重く受け止めるとともに、新たな体制のもとで全力を尽くす所存です。

平成28年1月25日

[沖縄の未来]
 昨日1月24日実施された沖縄宜野湾市の市長選挙で、現職の佐喜真淳さんが再選されました。
 地域振興や行財政改革など、しっかりしたビジョンと実績があり、かつ幅広い人脈をお持ちで、私が党の青年局の時代から親しくさせていただいた佐喜真さんは、宜野湾市の未来になくてはならない方だと思っていました。 何よりも、与野党対決型の選挙で、しかも普天間飛行場を擁する宜野湾市が、政府・与党と協力して対応を進められる方向が見えてきたことの意義は極めて大きいものがあります。
 投票直前に甘利大臣の政治資金に関する報道があり、選挙結果への影響も取り沙汰されました。大臣にはしっかりと調査・説明をしていただかなければいけないことは変わりませんが、今回の選挙結果によっては国会の状況にも影響が出てきたかもしれません。
 厳しさを増す安全保障環境の中で、現実を踏まえたうえで沖縄の基地負担を極力減らしていくという政府の道は、これからも県との訴訟など数々の困難が待ち受けています。しかし、佐喜真市長がしっかり政府と連携し、普天間飛行場移設の跡地利用を市の、あるいは沖縄の、大きな発展につなげていくという構想を、是非多くの方々が共有して下さることを心から期待しています。
[経済の不透明感を払拭するために]
 ここのところ海外を含むメディアから、経済の先行きに関する取材が相次いでいます。
 中国経済の不透明感や原油安などにより、世界的に株式市場が混迷を深めていることはよくわかりますが、このような国際的な大きな構造が原因である以上、各国の経済当局がしっかり連携を取り合い、有効な対応を適切なタイミングで取ることが不可欠であると考えます。
 今週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)、米国第4四半期GDPの発表、日銀の金融政策決定会合など、大きな日程が目白押しです。日銀の金融緩和を求める声もありますが、私の立場ではコメントし辛いものがあります。
 取材などで申し上げたのは、今回の相場がどれだけ投機的要因を含むのか、円高がどこまで進み、それが国内経済にどういう影響を与えるのか、政府が「日本の実体経済は堅調だ」と繰り返しコメントしていることをどう評価するか、等々、慎重かつ冷静に判断して誤りなきを期して欲しいということでした。
 そして私たちは補正予算の執行、来年度予算の確実な成立により、経済の好循環を確保しなければいけません。併せて、ともすると緩みがちな改革への取り組み(旧アベノミクス三本の矢の三番目の部分)をしっかり加速させることが必要です。
 折しも党の若手有志が立ち上げた「次世代の税制を考える会」では、19日、元証券取引等監視委員会事務局長の木下信行前日銀理事をお招きし、ドイツで2000年代初頭に実施されたシュレーダー改革についてお話を伺いました。
 東西統合と非効率に肥大化した社会保障により経済が低迷していたドイツを、力強く復活させるきっかけとなった改革で、日本にも大いに参考になる内容です。 資本市場・企業制度については、株主による情報アクセスを重視し、いわゆる株の持ち合いをなくし、コーポレートガバナンス・コードを導入する。産業の新陳代謝を促進する・・・ 労働市場・社会保障制度については、労働市場の流動化、年金・健康保険改革、失業保険と生活保護の一体的改革、減税を行う・・・
 痛みを伴う構造改革のため、選挙での敗北をもたらしましたが、その後のメルケル首相に引き継がれ、ヨーロッパにおけるドイツの主導的地位の確立につながりました。 現在の日本に全て当てはまるとは言えないかもしれませんが、しっかりフォローしていきます。
 最近、様々な若手勉強会に関与しています。今日25日にはその一つの提言として、IFIAR(監査監督機関国際フォーラム。監査法人の監査監督を行う。)の日本への誘致を進めるべく、菅官房長官と首相官邸で打ち合わせを行います。
これからも日本の未来の活力のため、全力を尽くします。

平成28年1月3日

[激動の年へ]
 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えのことと存じます。
 昨年10月7日に実施された内閣改造で、内閣総理大臣補佐官を拝命して以来、重責に身の引き締まる思いをしつつ、全力で任務に取り組んできました。元来、現場の声を聞き、自分の信念にしたがって積極的な行動・提言をすることが私の持ち味で、それが政局を動かすことにもつながってきたという自負があります。首相官邸の一員としての自覚は当然必要ですが、総理はそうした自分の特性を評価されたうえでこのポストに私を抜擢して下さったのでしょうから、これからも積極的に情報発信や活動に努める所存です。
[まずは経済再生など]
 自公政権の返り咲きにより、平成24年度からの2年間で日本企業の経常利益は約16兆円増え、内部留保も約50兆円増加しています。税収は25年ぶりの高水準である57.6兆円となります。しかし、設備投資の伸びはこの2年間で約5兆円どまりとなっているうえ、地方や中小企業の中にはまだ実感がない所も相当数あると承知しております。
 今年は「一億総活躍社会」をテーマに、地方創生や中小企業対策を加速するとともに、ただ政治の側から要請するだけではなく将来への不安をなくすことによって、より積極的な国内投資や賃金引上げを実現できるようにしていきます。もちろん企業収益を引き続き確保することが大前提であり、私が仲間たちと強力に主張し続けてきた法人税実効税率の引き下げは、年末の税制改正大綱により平成28年度からついに20パーセント台になります。そして中小企業の新規設備投資への固定資産税を3年間半額にしたり、役所の地方移転や企業版ふるさと納税の創設などをしていきます。
 今、TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意や、総務副大臣時代から進めてきた日本郵政と傘下のゆうちょ銀行・かんぽ生命の同時上場など、かつてない取り組みが形になりつつあります。特に、TPPに関しては、日本の中小企業の海外展開を関税の引き下げの面から後押しするという効果のみならず、既に日本が定めている自由で公正な貿易・投資ルールを世界の標準とすることによって、世界の人・モノ・金を呼び込んだり、域外の中国が中心となって展開しようとしているAIIB(アジアインフラ投資銀行)などの業務をも、外から改善させたりする効果が期待できます。農業分野においても、消費者の求める産物が入手しやすくなりますし、事業者の方々の不安については、経営安定対策の充実やブランド化による輸出促進、農協改革や技術開発・人材育成などへの支援を行うことによって対応して参ります。
 こうした取り組みや東京オリンピック・パラリンピックの準備を通じて、「岩が転がり出した」という実感が持てるようになると思います。地元でも、三芳スマートインターチェンジのフル化が決定したり、所沢駅東西口再開発やKADOKAWAの誘致・米軍通信基地東西連絡道路の具体化が進められたりしており、しっかり後押ししていきます。
 なお、「新三本の矢」である、名目GDP600兆円の達成、希望出生率1.8の現実化、介護離職ゼロの実現は、決してこれまでの「アベノミクス三本の矢(大胆な金融政策・機動的な財政政策・規制緩和など民間投資を喚起する成長戦略)」を撤回するものではなく、これらを引き続き実施しつつ、少子高齢化など根本的・構造的な不安要素を克服し、全ての人が将来に希望を持てる社会を実現しようとする取組みなのです。
 まず、名目GDP600兆円達成のために、先述の取り組みに加え、規制緩和・研究開発支援などによって生産性の向上を進め、医療・IoT(インターネット・オブ・シングス)・原発から再生可能エネルギーへの移行の分野などを牽引車として成果を上げていきます。また、女性やシルバー人材などベテランの方々、若者、障がい者など、それぞれの個性が発揮できる就労支援を進めます。マイナンバーをしっかり定着させて行政と経済の新たなステージを作ったり、空き家対策を促進したりします。
 希望出生率1.8の現実化のためには、非正規労働の方々の正規化・育休取得促進を行い、企業内保育の充実化や保育人材の待遇改善、幅広い人への婚活の支援、不妊治療の支援、「日本版ネウボラ」(子育て世代包括支援センター)の整備などに取り組むとともに、教育負担の低減、一人親や多世代同居の支援などを行います。
 そして介護離職ゼロの実現のため、介護サービスの基盤を2020年代初頭までに約50万人分は確保すべく、施設設置に向けて国有地を安く貸し出したり、介護休業の分割取得を進めたり、介護相談などの体制の充実・人材確保を進めたり、企業の介護機関との連携を強化したりする一方で、そもそも要介護にならないための予防医学の充実にしっかり取り組んで参ります。
[地球儀を俯瞰する外交を]
 昨年の総理のいわゆる戦後70周年談話、年末の日韓外相会談とそれに続く共同声明により、日韓関係は改善の方向が見えてきました。もちろん慰安婦問題や領土問題などこれから詰めなければいけないことが沢山ありますが、この歴史的な流れを大切にしていきます。
 今、日本を取り巻く安全保障環境は激変しています。急速に軍事力を増強した中国の南シナ海・東南アジアにおける活動にしっかり対処するとともに、昨年パリで発生した同時多発テロのような事態を今年5月に開催される伊勢志摩サミットをはじめ国内で断固として防いでいくことなどが課題となります。私は安全保障担当の首相補佐官として、安心・安全確保のために全力を尽くします。 無論、シリア難民の支援やロシアとの北方領土問題、北朝鮮の核開発や拉致問題への対応等、課題は山積しています。グローバル化が進む中、外交は経済にも為替や市場の安定などを通じ、大きな意味を持っています。首相官邸はここには書けないような様々な情報が集まる場所であり、それをきちんと精査しながら危機管理を行っていく決意です。困難ではありますが、沖縄の普天間飛行場移設や先の通常国会で成立した平和安全法制の必要性も引き続き説明していきます。
[逃げずに改革を]
 選挙制度も私の重要な補佐官業務です。参議院に続き、最高裁で定数配分が違憲状態とされた衆議院において、定数削減と配分の見直しを党派の壁を超えて実施しなければいけません。18歳への投票年齢の確実な引き下げやインターネットの活用の検討など、様々なテーマに取り組みます。
 財政再建も改革待ったなしの状況を迎えています。平成28年度予算では、一般歳出の伸びを4700億円に抑制し、先述した税収増と相まって新規国債発行額は前年度より2.43兆円少ない34.43兆円と2年連続で40兆円を下回るとともに、公債依存度は35.6パーセントで、リーマン・ショック以前の水準まで回復しました。しかし依然として財政は危機的な状況であり、私は自民党の財政再建特命委員会の一員として、経済再生を図りながら歳出の徹底した効率化・合理化のために提言をしていく所存です。
 年末に大きな関心を呼んだ消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入についても、負担の軽減と課税の公正に加え、事業者の方々に対しては、インボイス導入までの簡易な納税を可能にするとともにレジ買い替えや受発注システムの改修などでしっかり支援をして参ります。
 日本はバブル崩壊後低迷していた時代をようやく乗り越えようとしています。未来を見据えて大きな方向を示していく時です。誤解を恐れずに言えば、「現状のつらさをなぐさめる」より、「たとえつらい目にあっても頑張れば必ずまた立ち直れる」ことを教育のテーマに掲げ、人材をしっかり育成し、そして様々なアイデアを生かして夢を実現していける社会を作っていくことが私の課題です。「努力は報われる」そうみんなが感じた時、日本は再び力強い前進を始めるでしょう。 被災地の復興もようやく進んできました。除染や廃炉もしっかり進めていきます。ラグビーの日本代表チームが、体操の日本代表チームが、障がい者スポーツで活躍する日本選手たちが、私たちの行く道を示しています。  皆様の引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。

平成27年≫

平成27年12月16日

[軽減税率の将来]
 焦点となっていた消費税の軽減税率は、加工品を含む食料品(酒類と外食を除く)、定期購読契約に基づく日々又は週2回以上発行される新聞を対象品目とすることで、公明党との与党協議及び自民党税制調査会の了承を得ました。
 私は、ずっと以前から「消費税率は将来を考えたら10パーセントを超える可能性が高い。そこで低所得の方々に配慮するとなれば、民主党政権時代に自・公・民各党で合意した税と社会保障の一体改革に掲げたとおり、個人の所得に着目した給付付き税額控除を導入するか、消費税の軽減税率を導入するかを選ぶことになる。給付付き税額控除は魅力的なプランだが、たとえマイナンバー制度を導入しても所得の完全な把握は現時点では無理だと野田毅党税調会長ご自身が述べている。となれば、いずれかの時点では軽減税率の導入を準備するしかない。」と、党での議論で主張し続けてきました。
 特に、今年9月19日のこのブログで紹介したとおり、財務省が夏に示した「一度店舗で10パーセントの消費税を等しく負担しつつ、マイナンバーカードで購入履歴をチェックして食料品の8パーセントを超える部分は還付請求する」という案には、当時党の財務金融部会長という財務省のカウンターパートでありながら、「日当を現金でもらうような日雇いの方々や高齢者の方々が、マイナンバーカードを買い物に持参したうえ、銀行口座を指定して還付手続をインターネットで行うことができるのか」と党税調の会議で発言し、多くのメディアに取り上げられました。将来の軽減対象品目の拡大や、ネット販売・訪問販売などへの活用にも難がありますし、一度丸々消費税を負担するから痛税感の緩和にもつながらないのです。
 この私の発言は結構強烈で、自民党の多くの方々が私に賛同しました。しかし軽減税率導入を昨年冬の総選挙の公約に掲げた公明党の反発はそれ以上でした。
 この際明言しますが、私は別にこの発言を菅官房長官と示し合わせてしたのではなく、完全に私自身の考えでしたのです。ただ、政治的に考えても、公明党が与党で協議して政権公約に掲げた軽減税率の導入からかけ離れた案を導入することは困難だったと考えます。
 その後も、軽減税率は事業者の負担が大変だと主張する財務省に対し、一定の理解を示しつつも、他の国で実施している事例も勘案して何とか工夫して欲しいと主張し続けました。
 私が秋の人事で官邸入りし、この問題は与党協議と菅官房長官との調整に預けられることになって私が表立って発言することはなくなりましたが、結果としてよい結論になったことには喜んでいます。 本来あるべき方法は事業者がインボイスを使って個別の取引や税金を明らかにすることだと思いますが、それを平成33年4月とかなり先に定めてそれまでの間は簡素な処理ができるようにします。極力事業者の負担が生じないようにしつつ、課税の不公平をなくしていけるようにしなければいけません。 軽減税率導入に伴い必要とされる1兆円の財源も、責任を持って確保する必要があります。私は党の財政再建特命委員会のメンバーでもあります。
 困難な道ですが、今後のことを考えてしっかりした仕組みを考えていきます。
[インドとの協力の持つ意味]
 安倍総理とインドのモディ首相が首脳会談をして幅広い日印連携を約束したことは大きな意味を持ちます。
 インドネシアでの新幹線の受注において中国に敗れた日本は、巨大市場で今後さらなる発展を目指すインドで新幹線を導入することを約束することに成功し、私はメディアのインタビューで、これは両国のウィン・ウィンの関係につながるとコメントしました。 自由主義・民主主義の価値観を共有するインドとは、インフラのみならず、安全保障、民生の原子力に関する協定など、幅広い合意が得られました。私も出席した先日の横須賀での自衛隊の観艦式において、インドの艦船も共同訓練に参加しています。
 ただ、インドはNPT(核拡散防止条約)に非加盟であり、日本の原子力発電所の輸出に際しては一定の歯止めが必要になってきます。私も岸田外務大臣もこの問題は重く見ており、しっかりチェックしていきます。 一方インドは今再生可能エネルギーにも大きく注目しており、今回の日印合意文書にも「再生可能エネルギーの利用」「太陽光発電の協力」が明文で入り、素晴らしいと思います。
 このインドとの連携を、日本のみならず世界の安定に資するようにしっかり発展させていく所存です。

平成27年11月24日

[謙虚な分析を]
 22日投開票だった大阪府知事・市長のダブル選挙は、大阪維新の会が公認する松井氏と吉村氏がそれぞれ圧勝しました。
 自民党は栗原知事候補と柳本市長候補を懸命に応援していたのでとても残念ですが、ここはきちんと敗因を分析しないといけません。 大阪は春の都構想に関する住民投票を僅差で否決していましたが、住民の地方自治に関する意識はこれでかなり高まっており、ここで大阪維新の会側がこれまで進めてきた改革の実績とこれからの方向を明確に訴えていたのに対して、こちら側は具体的な政策の主張が乏しく、挙句の果てには数合わせのため共産党と手を組み、SEALDsの集会で演説をするなど、沖縄で批判してきたことをしてしまったのが有権者の信頼を損なった、と多くの方々がネットでおっしゃっています。
 今回の選挙がもたらす教訓は、やはり選挙は「批判より理念」ということではないでしょうか。また、現在自民党の支持率が高いとはいえ、それは対抗できる理念・体質・候補者を擁した他党がまだ出現していないからという消極的な支持に過ぎず、これら「理念・体質・候補者」をわが党が常にブラッシュアップしていかなければ、政界再編の荒波に飲み込まれる危険は引き続き大きいという自覚をしっかり持ち続けなければいけません。
 今度の参議院選挙に向けてしっかり体制を整え直すとともに、今後政策の面で協力できる面があれば、大阪維新の会とも話し合う必要が出てくると思います。
[フランスのテロは対岸の火事か]
 フランスで14日に発生した同時多発テロは、今年1月に同国の出版社シャルリー・エブドが襲撃され、当局が監視を強めていた中での事件だっただけに、世界中に衝撃を与えました。
 ロシア機の撃墜同様、ISが犯行声明を出しており、私は「こうした脅威には国際社会が一糸乱れず結束しなければならない」と訴えました。 ISはいまだに「イスラム国」とメディアで呼称されますが、特定の領域や戦闘員を有しているわけではなく、過激思想に共感する者で構成されるグローバルな組織です。したがって、結束した対応と言っても、それは拠点の空爆だけで効果があるわけではなく、貧困など過激主義を生む土壌を改善したり、各国の法執行機関の能力向上を支援したり、テロリストの資金源対策を講じたり、それ以外にも様々なことを考え、実行しなければいけないでしょう。私もしっかり検討していきます。
 来年は日本で伊勢志摩サミットが開催されます。テロ対策は安全保障の面のみならず、治安・情報収集の面でも講じていかなければいけません。警察も含めた「国際テロ情報収集ユニット」を来月上旬にも設置するとともに、水際対策や重要施設の警備強化もしっかり行って参ります。
 なお、一部報道で、安倍総理のISへの対応表明や平和安全法制が、日本を危険な状況にしているなどという言説が見られますが、湯川春菜さんが拘束されたのはそれ以前のことで根拠薄弱であるうえ、こうした無責任な主張には賛同できません。
 いずれにせよ「平和ボケ」と言われる私たち日本人の認識を改め、テロを対岸の火事と捉えないことが必要です。

平成27年11月5日

[信念を貫いて]
 昨日11月4日、日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が、東京証券取引所第1部に株式を同時上場しました。初日の終値はいずれも売出価格を上回り、特にかんぽ生命株は3,430円と売出価格比で55.9%も高値となりました。この間、ずっと郵政民営化に携わってきた者として感無量です。
 思えば小泉政権の時代に初当選して以来、あの自民党を二分する政局の時も一貫して民営化を主張してきました。有楽町マリオン前で竹中郵政民営化担当大臣と武部幹事長の前で紙芝居をし、ネットワークの民間開放が過疎地でも新たなビジネスチャンスを生み出すと力説してテレビで全国放送されたのも懐かしい思い出です。当時の衆議院特別委員会でも質問に立たせていただきました。
 施設売却や中央郵便局の高度化をめぐり社会的な論議があった時も民間経営の合理性を訴え、民主党政権のもとで株式売却が一時凍結された時も当初の構想を貫くべきと主張してきました。今思い返せば、あの時道を誤っていたらと背筋が凍る思いです。
 潮目が変わったのは、政権を奪還し、安倍政権の下で官房長官となった菅義偉元総務大臣が、日本郵政の社長人事において、時の政権に相談することなく財務省OBを続けることに強く異を唱えるとともに、郵政担当の総務副大臣に私を抜擢して下さったことです。
 私は郵政関連会社の幹部や総務省の担当者と徹底的に経営の検証を行い、改革を後押ししました。TPPで郵政を守るにはどうするかも含めてです。そして私がこだわったのが「3社同時上場」でした。
 当時、郵便の取扱いが減少している日本郵便を抱えた日本郵政は、相対的に経営好調のゆうちょ銀行やかんぽ生命と異時上場したら、当初の予定通りの金融子会社2社の独立を伴う民営化は不可能になる・・・
 ただ、世界的にも例のない3社同時上場です。財務省の幹部も何度も、総務副大臣を退任した後も私の所に説明に来て下さいました。幹事会社を含め、多くの関係された方々に心から敬意を表します。
 今回の上場成功は、中国の経済停滞や、東芝の不祥事・マンションデータ改ざんなどで景況感に不透明感が出かねない状況に明るい話題を提供してくれましたし、個人投資家や海外投資家が日本の市場全体を見直すきっかけになると思います。昨日首相官邸で菅官房長官と「よかったですよね」と話し合っていました。
 ただ、金融子会社の貯金・保険限度額引き上げ問題や新規業務開放問題など、これからも課題は山積しています。真っ当な民間会社として競争の公平性をきちんと踏まえつつ希望ある制度設計を進めて行けるよう、これからも信念を貫き全力を尽くして参ります。
[アジアの平和を守るために]
 中国の南シナ海での埋め立て工事に抗議して、米国がイージス艦「ラッセン」を中国が領海と主張する人工島の12カイリ内に派遣したことは大きな話題となりました。
 私はテレビ生番組に出演し、国際法にのっとった今回の米国の措置を評価する一方で、日本がこれにどう関与していくかについては慎重に見極めていくべきだと述べました。
 折しも日中韓首脳会談が11月1日、2日に開催される寸前で、私は韓国との間の慰安婦問題を含め、これからの各国の協力関係のみならず懸案事項も率直に話し合われるべきだとテレビでも訴えました。中国との二国間会合や韓国との二国間会合の詳細は非公表となっていますが、突っ込んだ話し合いがなされたと聞いています。
 韓国海軍が日本が領有権を主張する竹島の防衛訓練を来週予定どおり実施することが明らかとなるなど、これからの3か国の懸案解決はまだまだ前途多難だと感じますが、筋は通しつつ継続的な話し合いの糸は首脳レベルでも途切れさせないことが大切です。私も安全保障担当の補佐官として、総理と緊密に連携を取りながら貢献していきたいと思います。

平成27年10月19日

[国と地方の連携を]
 昨日投開票のあった地元所沢での市長選挙は、現職の藤本正人候補が2期目の当選を果たされました。
 私は選対本部長でしたが、今回の選挙は、小中学校へのエアコン設置問題や、育児休業取得時の上の子の退園問題で話題となった厳しい選挙戦でした。 昨日の開票時の挨拶でも申し上げましたが、藤本市長の思い自体は間違ってはいないと思います。力強い人づくりや絆の復活、所沢駅東西口再開発やKADOKAWAなどの誘致に向けて前進しました。公明党の推薦や多くの団体の推薦もいただきました。ただ、これからは藤本候補に投票しなかった方々の思いも尊重し、丁寧に市政運営をすることによって、所沢をさらなる発展へと導いて欲しいと思うのです。
 地方分権の時代と言われ、確かに地域発のアイデアの尊重や規制・財源の見直しは必要だと思いますが、難しい課題を乗り越えていくには国、あるいは民間との連携も大切になってきます。この日本の縮図のような多様性のある所沢から、日本を再生する動きを本格化できるよう、私も微力ながら貢献して参ります。
[首相補佐官として本格始動へ]
 10月7日の内閣改造で、内閣総理大臣補佐官を拝命しました。安倍総理からは「国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度」を主たる担務にするよう指示を受けましたが、「それ以外でも幅広く官邸と現場の架け橋になって欲しい」とおっしゃっていただきました。これまで現場の声を聞き、臆することなく自らの信念に基き提言を行ってきた自分を官邸に呼んでいただいたことは、このスタイルを貫くことを期待されていることの現われだと思います。 突破力のある河野太郎議員が行政改革担当大臣になるなど、この内閣は結果を出すことを志向していることが明らかです。全力を尽くす所存です。
 既に、国家安全保障に関する4大臣会議(総理、官房長官、外相、防衛相)に出席して意見を述べたり、テレビ番組で今後の経済政策について議論したり、昨日実施された横須賀の観艦式に総理と共に出席するなど、本格的に業務を開始しています。 安倍総理が観艦式に出席されるのは9年前の総理就任直後から2回目で、その時は私も一議員として参加していました。しかし、今回は米、豪、仏、印、韓各国の艦船との共同実施になるなど内容が格段に充実していたように思います。
 自衛隊のヘリコプターで、東日本大震災の際に「トモダチ作戦」を展開してくれた米海軍空母ロナルド・レーガンに初めて降り立った安倍総理と同行したのは貴重な経験となりました。船内を案内していただき、ボルト艦長や本来東部洋上を所管する第3艦隊のタイソン司令官と意見交換し、現在の安全保障環境の変化や、日米の防衛環境の異同、相互協力の必要性などについて認識を新たにしました。特筆すべきは、タイソン司令官ご自身を含め、米軍では女性の登用がかなり進んでいるということです。
 貴重な機会をしっかりと生かしていきます。

平成27年10月4日

[シリア難民と憲法89条]
 9月29日から10月3日まで、日本国際交流センター主催の、「国会議員・NGOリーダーによる日米人道政策対話ミッション」に出席するため、ワシントンDCを訪問しました。
 日本から参加の国会議員は、自民党から鈴木馨祐議員と私、公明党からは伊佐進一議員、民主党は玉木雄一郎議員でした。
 通常であればなかなか自民党とは接点のない、内外で活躍する若手のNGOリーダーたちとともに、国際人道支援NGOのMercy Corpsのアレンジにより、USAID(米国国際開発庁)やホワイトハウスのNSC(国家安全保障会議)、SD(国務省)や、CSIS(戦略国際問題研究所)などのシンクタンクに加え、現地のNGOや有識者とともに、これからの難民支援を含めた人道支援という、ともすると日本が後ろ向きになりがちな問題について正面から充実した議論をすることができました。
 人道支援というとどこか遠い問題と考えがちですが、東日本大震災の際、日本が米国の自衛隊や内外のNGOの受け入れに手続や時間がかかったことを思い出せば、官民を問わずどこの国でも重要な課題であることは明らかです。
 NGOやNPOというと、最近この欄で紹介したとおり、その活動を支援しようという休眠預金口座活用のための議員立法の手続が困難を極めていることに表れていますが、ともすると営利活動や反社会的活動の隠れ蓑という偏った見方があり、政治とのパイプは決して強固ではありません。 特に、公的支援や税制上の優遇措置を考えた場合、税金を使う以上その使途を厳格にチェックする必要があるのは(党の財務金融部会長としても)無理のないところです。憲法89条も「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業」に、公金その他の公の財産の支出・供用をしてはならないという規定があります。これはそれら団体の自主性確保の意味もあります。
 しかし、震災が起きた場合など、全てを役所や自衛隊・消防のような「公的部門」に頼ることは不可能ですし、効率的でもありません。
 東日本大震災が発生した民主党政権の時代、NGOやNPOに対する寄付税制を拡張したり、米国との災害対話の入り組んだチャンネルを整理したり、一定の改革が実行されました。しかし今回のミッションで、さらに取り組まなければいけない課題が見えてきました。
 一つは、NGOなどへの資金の手当ての脆弱性、手続の煩雑さです。Overhead Costと言われる間接費用の一括支給を日本では認めようとしません。実費の積み重ねと雀の涙程の人件費では、海外で大きく育っているようなNGOが日本で育つはずはありません。 もう一つは人材の供給です。日本ではトップレベルの学生がNGOなどに就職する事例が少なく、あったとしても海外の名の通ったNGOを目指すというのが実態です。もっとNGOと外務省など役所との接点のみならず人材交流を進めたり、海外との合同研修プログラムなどを推進したりすべきです。
 既に日本NGO連携無償資金協力や、経済界を巻き込んだジャパン・プラットフォーム、JICA草の根技術協力、国連の機関との連携などが存在していますが、もっとそれらを活発化しないといけません。 そして、お金を入り口で縛るよりも問題を起こしたNGOに対する処分を厳しくするというように、事前規制から事後規制へとマインドを変更するとともに、憲法89条の改正も行うべきだと思います。(自民党の憲法改正案でも対応がされています。)
 このような環境を整えることで、話題となっているシリアの難民についても日本で単なる資金提供でなく、少しでも受け入れの枠を拡大できないかという議論ができると思うのです。 私自身は現実的にシリア難民の受け入れは日本の経済や治安の状況を見ると極めて難しいと思いますが、かつてインドシナ事変の際、日本が28年という期間をかけて総勢1万人を超える難民を定住で受け入れた実績もあることですし、少なくとも議論はしておくべきでしょう。
 今回の出張では、それ以外でもCSISで中国経済や女性・保健の問題を議論したり、ジェラルド・カーティス教授と議員間で日本の国際的役割についてディスカッションをしたり、米国議会議員たちと交流したりと大変盛り沢山でした。 成田での出発の際TPP閣僚会議に臨む甘利大臣と遭遇して激励の握手をしたり、同時期に国連総会で演説をされた安倍総理と電話でお話しする機会があったことも。この貴重なひと時を今後の活躍に生かしていきます。

平成27年9月19日

[自己責任の時代へ]

 今朝9月19日未明、一連の平和安全法案が参議院で可決、成立しました。

 これまでこのブログでもこの法案の意義については何度か触れています。日本は今までの「個別的自衛権」の行使しか認められなかった憲法解釈では、米国に有事の際守ってもらうことはあっても、米国が攻撃を受けた際一緒に反撃をすることはできませんでした。

 それが、今回の憲法解釈の変更と法整備により、日本の存立が脅かされる明白な危険があり、他の手段がない場合に限り、限定的に反撃をすることが可能になります。

 民主党の枝野議員は昨日の衆議院での演説で、このような場合は「個別的自衛権で対応できる」と主張しましたが、国際的にこのような拡張解釈は通用しません。 また、同氏は「このような事例は現実的には想定できず、立法事実があるとは言えない」とも主張しましたが、公海上で朝鮮半島有事の際避難する在外邦人たちを乗せた米国などの艦船を守る等の事態は当然十分あり得る事例です。

 何よりも枝野氏が「日本は基地を米軍のために提供しているので、米国に対する応分の責任を既に果たしている」という趣旨の発言をされたのには、国際社会の現実を見ているのかと言いたくなりました。 確かに、基地が日本にあることの負担は決して軽くはなく、様々な不安を払拭するための方策は必要です。私の地元所沢にも米軍通信基地があります。しかし、他国のために自らを危険にさらしている国が、自国への攻撃に対して(厳しい要件を付けたうえででも)共に反撃してくれる余地はあると言われるのと、その余地はないと言われるのと、同盟関係に同じ効果しかないと考える方がどうかしています。

 憲法9条は不戦の誓いを高らかにうたっています。そしてこれまで日本は、集団的自衛権の行使にも、急速にグローバル化が進む中で国連を中心として展開された集団安全保障の様々な取り組みにも、その9条の存在を理由として、多くの場合背を向けてきました。

 でも、これまでの冷戦構造下、あるいはその後も米国が世界の警察になっていた時代は、それで事足りていました。日本の平和が守られていたのは、9条によってという部分も確かにありますが、こうした国際情勢による要素が極めて大きかったのです。

 しかし時代は大きく変わりました。米国の覇権の揺らぎと中国の台頭、北朝鮮の動向やロシアの動向、中東をはじめとするテロの脅威の拡大、そして何よりも世界で活躍する日本人が飛躍的に増加しています。
 このような中で、9条1項の憲法の不戦の規定はそのままにしつつ、自衛隊や自衛権を正面から憲法9条2項に書き込むことを目指すのと並行して(自民党の改憲草案ではそうした案となっています)、その自衛権自体の解釈の見直しや、そうした国際社会の変化に対する切れ目のない法整備、サイバーセキュリティーも含む体制の整備などを進めていかなければならないのです。
 よく「解釈の変更ではなく、憲法の明文の改正で対応すべきだ」という主張がなされますが、上記のとおり、明文変更とは次元の違う話だということをご理解いただきたいと思います。(明文変更するまで対応できないとした場合の実質的な不合理もご理解いただきたいと思います。)

 「多くの学者や法制局長官経験者・最高裁長官経験者が今回の解釈変更や平和安全法制を違憲と主張しているではないか」という批判があります。そして多くの批判は、政府が今回の解釈変更の際援用している、昭和47年解釈や砂川事件判決は、集団的自衛権を認めたものではないと主張しています。
 しかし、過去の政府解釈や実務に携わって来られた方が、過去の結論を口にするのは別段不思議ではありませんし、私たちは昭和47年解釈や砂川事件判決を「集団的自衛権を認めたもの」と言っているのではなく、その立脚する趣旨に基けば、現在の状況変化の中で、新たな解釈と法整備が可能である、と申し上げているに過ぎません。

 「歯止めがきかなくなるのではないか」「米国の戦争に巻き込まれるのでないか」という不安は確かに理解できます。しかし、上記したとおり、集団的自衛権の行使には法律上(刑法などと同じような明確な基準で)要件が設定されており、国会承認決議などの手続も(緊急の場合は事後になりますが)要求されています。そして、大事なのは激動の国際社会にあって、抑止力のために隙間のない「オプション」を準備することであり、実際にそのオプションを使うかどうかは、今後は国会議員を含め、まさに成熟した国家として判断していかなければいけないということなのです。

 「成熟した判断」といえば、私が党で色々発言している成年年齢の問題にも通じる部分があります。 選挙権を行使できる年齢は今度の参議院議員選挙から18歳に引き下げとなります。しかし、国際的に18歳というのは自己責任を問うことのできる年齢であり、私は、民法や少年法の規定をはじめ、広く「大人」としての権利義務を認められるべきと訴えてきました。
 無論、現在の18歳がそれにふさわしい成熟度を日本において示す年齢か、という議論もあります。今後は十分経過規定を設け、教育のあり方を含めてしっかり見直していくことが必要ですし、たとえ成年とされても、現行の少年法の下で規定されている保護処分を有効に活用するなどの制度改正をしていくべきだと考えます。

 そして、大きく報道された酒や煙草などの解禁については、20歳以上という規制が医学上設けられていると説明されているので国民的に議論しなければいけないということで今回は結論を出さないように主張しました。そのような提言になったことは評価したいと思います。
 これからもともすると日本人に欠けてきたと言われる「自己責任」のあり方について、しっかり議論して参ります。

[自己責任で片付けることにまだ疑問のあるマイナンバーカードと軽減税率]

 ただし、その私でも自己責任の範囲として進めるのに躊躇しているのが、今財務省から示されている、軽減税率に代わる「還付ポイント制度案」です。

 これは与党の税制調査会にも突然示された案で、酒を除く食料品につき、消費税が10%に引き上げられる再来年を目指し、実質的に2%の軽減税率を適用しつつ、軽減額に一人当たり4000円の上限を設けるとともに、店頭で価格を割り引くのではなくマイナンバーカードで割引金額をポイントとして貯めておいて後日銀行口座への還付手続をインターネットで行う、という内容です。

 財務省が知恵を絞って考えた案ですが、買い物の度に顔写真やマイナンバーが明示された貴重なカードを提示することが現実的なのか、特に子供の買い食いなどにも提示が要求されるのか、といった疑問があります。プライバシーの懸念もあるでしょう。
 零細な個人商店にもポイント読み取り機を普及させるのに、コストや期間はどれくらいかかるのか、何よりも、いったん窓口で軽減されない代金を支払う以上、痛税感の緩和にはならず、消費の落ち込みにもつながらないか、還付漏れで財務省が得をするだけの制度ではないか、という批判もあります。

 私も平場の議論で「日当を現金でもらうような日雇いの方々や高齢者の方々が、銀行口座を指定して還付手続をインターネットで行うことができるのか」と発言し、12日の読売新聞1面や朝日新聞4面、17日の朝日新聞7面に取り上げられました。
 これに対して財務省からは、世帯単位の手続の活用、ポイントの後日申告、銀行口座のない方への郵便為替還付、高齢者に対する役所や郵便局などでの援助など、対策を説明しています。

 しかし、将来仮にさらに消費税が引き上げられても、ずっとこの世界に例のない「現場負担・後日還付」の制度を守れるのでしょうか。また、食料品以外に欧州では生活必需品の多くは軽減税率・ゼロ税率の対象となっているのですが、そういった対応やネット販売・訪問販売などへの対応はどうするのでしょうか。

 まだまだきちんと議論を詰めなければいけません。

[安倍総裁のもと、オープンな議論と結論の結束を]

 9月8日、自民党総裁選の告示とともに、無投票で安倍総裁の再選が決まりました。

 この欄で書いたとおり、私自身は、覚悟とビジョンのある人は名乗りをあげてよいという立場でしたが、結局対抗するビジョンが説得的に多くの同僚を集める事態にはならなかったということだと思います。かくなる上は、(私の発言が一部メディアで報道されましたが)しっかりと改革姿勢を堅持して日本再生・地方創生のために安倍総裁には頑張ってもらいたいですし、私も全力で私の立場で尽力していきます。

 一部の人は、党内で物が言えない体制になっているのでないかと批判していますが、断じてそんなことはありません。上記した平和安全法制についても、税の問題にしても、オープンに議論して充実した方策をまとめ、そのかわり決まったらきちんと先送りをすることなく進むというのが私たち責任政党の使命です。言うべきことを言っていることをなかなかメディアは取り上げませんが、是非注目していただきたいと思います。

平成27年8月27日

[再生可能エネルギーで地方創生を]

 昨日26日、私が委員長を務める党の再生可能エネルギー普及拡大委員会で取りまとめて一昨日党の政調審議会で了承を得た「再生可能エネルギーによる地方創生戦略」を、首相官邸の菅官房長官はじめ各省庁にお届けしました。

 届けた省庁・政務三役は、望月環境大臣、林農水大臣、山際経済産業副大臣、北川国土交通副大臣です。今日27日には高市総務大臣にもお持ちします。

 再エネというと、コスト増の負の側面が強調されることが多いですが、これまで大手一般電気事業者が事実上独占していた電力市場を地方の新事業者にも開放し、雇用を生み出すとか、イノベーションや新産業を促すとか、環境面で大きなプラスになるとか、化石燃料の輸入で流出していた国富を取り戻すなどのプラスの側面が非常に大きいのです。原発の再稼働が予定どおり進む保証はなく、是非とも省庁の垣根を超えてしっかり進めていかねばなりません。

 事務局長の秋本真利衆議院議員をはじめ、各電源ごとに担当して下さった主査・顧問の先生方に心から感謝申し上げ、以下その提言の総論部分を掲げます。

再生可能エネルギーによる地方創生戦略
~ローカルアベノミクス~

平成27年8月25日
自由民主党政務調査会

東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故を受けて、わが国のエネルギー政策は正に分水嶺にある。福島の教訓を生かし、また、COP21に先立ち提出したわが国の約束草案の実現を図るため、重要な低炭素の国産のエネルギー源である再生可能エネルギーの普及拡大に取組むことが喫緊の課題となっている。
再生可能エネルギーについては、エネルギー基本計画では発電電力量の約21%を更に上回る導入を目指すとし、長期エネルギー需給見通しでは2030年度までに22%~24%の導入を見込んでいる。
平成28年4月の電力小売自由化により、全体で年間約18兆円規模(2013年度)の市場が開放されることとなり、国産である再生可能エネルギー24%で電気料金収入年間約4.3兆円、更には、30%で年間約5.4兆円の相当部分を国内にもたらすことが可能となる。経済波及効果は更に大きくなることが見込まれる。
再生可能エネルギーによる地方創生のためには、固定価格買取制度のみならず、発電設備の導入コストに対する支援を行い、需要家の電気料金負担増とならない施策を拡充することが必要である。したがって、地域の再生可能エネルギーを普及拡大するため、各府省庁にまたがる支援策等を共有できる地域の体制を自治体主導で全国的に整備すべきである。
以上の点を踏まえ、再生可能エネルギーによるローカルアベノミクス推進のため、別紙記載のとおり提言し、予算措置及び課題解決を求める。

※別紙の課題及び提言は、再生可能エネルギー普及拡大委員会の柴山昌彦委員長を筆頭に、以下の同委員会役員及び分科会主査が作成を担当した。
秋 本 真 利    岩 屋   毅    大 岡 敏 孝
門   博 文    河 野 太 郎    高 野 光二郎
谷   公 一    牧 島 かれん    務 台 俊 介
山 本 一 太    吉 川 貴 盛      (五十音順)


(別紙)

再生可能エネルギー普及拡大のための課題及び提言

1.再生可能エネルギー全体に共通する課題
○福島県が策定した2040年を目途に同県内のエネルギー需要の100%以上に相当する再生可能エネルギーを生み出すことを目標とすることを内容とする「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン(改訂版)」の実現に向け、具体的な工程表を示して、政府がより積極的で持続的な支援に取り組むべきである。
○再生可能エネルギーの導入見通しについては、エネルギー基本計画見直しの際などに再生可能エネルギーの最大導入を念頭においた将来見通しを検討・設定すべきである。
○環境負荷に関する情報及び電源構成開示の義務化については、消費者の選択の自由を実質的に確保するという観点から検討すべきである。
○地方創生の実現に向け地域社会が主体的に再生可能エネルギー事業を実施しその収益で地域に貢献できるよう、地域への貢献を企図し公共的意義をもつ事業者に対しては、ローカルマネジメント法人制度の導入による税制優遇等の支援、収益納付型補助金による信用補完や公共資金による出資など、その信用力を補完することで地方創生の実現を後押しするための新たな制度を構築するべきである。
○活用事例を集約したガイドブックについて、全国の市町村に配布し、市町村の関心を喚起すべきである。
○接続可能量については、廃炉決定があった場合その他大きな事情の変化があった場合に計算を見直すとともに、継続的かつ小刻みな見直しを行うべきである。
○出力抑制の見通しの精度向上のための実証事業について、スケジュールを前倒しして行うべきである。
○固定価格買取制度下では省令で定める一定の日数もしくは時間数を超えて出力抑制を実施した場合に損失発電量相当額を補償させることとなっており、今後の出力抑制の実効性を高めるためにも、電力会社の出力抑制の見通しと実績値の差が大きい場合には補償措置を実施することも含めて制度の在り方も検討すべきである。
○電力会社の出力抑制見通しと出力抑制の実績については、需給状況に関するデータなども含め、出力抑制の必要性・合理性について第三者が検証可能なデータを開示すべきである。
○不当に高額な工事負担金を課されることがないよう、少なくとも工事負担金の標準的な単価や、電力広域的運営推進機関の相談窓口での対応内容については公表するべきである。
○「再生困難」とされた農地について、再生可能エネルギーに活用することができるよう運用の改善を図るべきである。
○広域系統運用の拡大を図るため、地域間連系線の利用ルールを見直し、再生可能エネルギー電気の導入量を大幅に拡大すべきである。
○再生可能エネルギー電気の更なる導入拡大を図るため、地域間連系線の整備・増強を図るとともに地域内送電網の整備・増強もより一層推進すべきである。また、北海道本州間連系設備について30万キロワットの増強を図っているが、再生可能エネルギー電気の導入及び連系の増加がどの程度見込めるのか、具体的な試算を示すべきである。
○出力抑制について電力会社が適切に説明義務を履行したか否か、国において責任をもって監視すべきである。
○出力抑制に関する電力広域的運営推進機関の検証結果については、出力抑制の行われた日の属する月の翌月に公表されるよう、公表期間の遵守を義務付けるべきである。
○出力抑制を実施した場合に、電気事業者は、出力の抑制が行われた日及び時間帯並びにその時間帯ごとに抑制の指示を行った出力の合計を出力抑制の行われた日の属する月の翌月に公表するだけでなく、出力抑制を実施した理由を、第三者が出力抑制の合理性を検証できるような形で具体的に公表すべきである。
○再生可能エネルギーの供給の変動を吸収し系統安定化対策に資する大型蓄電池の導入促進を図るため、エネルギー基本計画に記載されている2020年までに大型蓄電池のコストを半減する計画の実現を前倒しするよう政府として取組みを一層強化すべきである。
○産業連関表に再生可能エネルギー部門を速やかに創設すべきである。なお、創設に当たっては、電源ごとに部門立てすることが望ましい。
○賦課金額は 2030年度以降に急速に下がっていくとの試算もあることから、国として、2030年以降の賦課金額も根拠ある形で試算し、産業界に対して長期的な見通しを示すべきである。
○農山漁村再生可能エネルギー法の活用状況や再生可能エネルギー導入促進の程度について、市町村向けアンケート調査などの実施を含めた検証を早期に行い、その結果を優良事例等とともに公表することが望まれる。
○再生可能エネルギーの推進のためには地方自治体の主体的取組が必須であり、そのための方策を講じるべきである。特に、エネルギー基本計画に記載されている「全国の自治体を中心に地域のエネルギー協議会を作り、多様な主体がエネルギーに関わる様々な課題を議論し、学び合い、理解を深めて政策を前進させていくような取組」を国として積極的に推進すべきである。

2.太陽光の課題
○太陽光の設備認定に関し、土地・設備の確保ができていない案件に対する報告徴収及び聴聞、設備認定の取消の手続きをより一層迅速に行えるような体制を構築すべきである。
○太陽光パネルの中古リサイクル市場の創設やリサイクルしやすいパネルを製造するインセンティブ付与など太陽光発電設備の適切な処理・リサイクル体制の構築をすべきである。
○太陽光発電の調達価格の決定時期に関する「270日ルール」は、事業検討に支障をきたすため見直すべきである。
○農地の一時転用許可を得て支柱を立てて営農を継続しつつ太陽光発電設備を設置した場合における再度の一時転用許可の取扱いについて、それまでの転用期間における下部の農地での営農の状況について、十分勘案し、総合的に判断する旨を都道府県に通知し、それと同時に、各市町村にも周知徹底されたかどうかを確認すべきである。

3.風力の課題
○現行のエネルギーミックスでは固定価格買取制度の買取費用の上限を設定した上での導入となってしまっているが、次期エネルギー基本計画の見直しの際には、風力発電に関して、買取費用の上限にとらわれなくてすむような導入方法も検討し、かつ、意欲的な導入目標を設定すべきである。
○風力というリードタイムの長い再生可能エネルギー電源について、適切に系統接続枠を確保できるよう系統接続の在り方を見直すなど施策を講じるべきである。
○風力発電のための送電網整備実証事業が行われる特定風力集中整備地区については、全事業の進捗状況、地域のポテンシャル等を踏まえながら拡大すべきである。
○洋上風力発電の推進のため、対象海域のゾーニング、一般海域の利用ルールの明確化といった法令の整備を、経産省や国交省が緊密に連絡を取り合いながら行うべきである。
○ヘリコプターからナセル等風車本体その他設備に人が直接降りて設備の保守等を行うことは、福島沖での浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業のような今後導入が進んでいく大規模風車には必要である。この場合、航空法81条及び航空法施行規則174条1号ロで定める航空機の最低安全高度の規制が問題となるが、航空法81条ただし書に基づく許可を原則として受けられるようにすべきである。

4.バイオマスの課題
○バイオマス発電の普及拡大のため、未利用資源の利用量の目標数値を600万㎥から大幅に増加するための見直しにすみやかに着手し、結論を得るべきである。
○燃料となる木材の安定供給のため、森林の境界明確化及び地籍調査をより加速して実施すべきである。特に地籍調査については、未着手・休止中の市町村が明確にゼロとなるよう目標年次を定め、当該年度までに目標を達成すべく迅速に取り組むべきである。
○木質バイオマス発電は多くの熱を放出していることから熱の回収・利用によるエネルギー利用効率の向上が必要であり、熱電併給へのインセンティブの付与、熱供給のための管路の整備を行うなど、熱電併給システムの構築に向けて国が積極的に支援をすべきである。
○木質チップ、ペレット等の固形バイオ燃料の規格統一を平成27年度内に確実に実施できるよう、国が主導して取り組むべきである。
○ボイラーについては、欧米の基準を参考にするなど更なる規制緩和に努めるべきである。○路網整備に本格的に取り組むとともに、「馬搬」などの伝統的技能も活用すべきである。

5.水力の課題
○公営水力の売電契約について入札の原則を徹底するため、国が自治体に対し、より積極的に指導を行うべきである。
○山間部において発電所から送電のための系統連系費用が高額となるため、費用の負担の在り方について財政的措置も含めて検討すべきである。
○水力発電は多額のイニシャルコストがかかることが支障となっている。小水力発電機等の規格化などイニシャルコストの引き下げを促進するような取組を積極的に行うべきである。
○小規模水力発電に適応した保険の開発のため、国は、保険会社にとってリスクを引き受けやすい体制整備を積極的に進めるべきである。

6.地熱の課題
○本年7月30日に環境省が方針を決定した国立・国定公園内の地熱発電開発の規制緩和に伴い、長期エネルギー需給見通しにおける2030年の電源構成における比率の10%強まで地熱発電の開発可能ポテンシャルが伸びることとなったが、事業化リスクが高くポテンシャル調査等の負担が大きいことから、現在行われている支援、特に自治体や地元関係法人が行う調査等への支援等を更に拡充させ、ベースロード電源である地熱発電の事業化を一層推進すべきである。
○上記規制緩和に関し、通知の改正を早急に行い、自治体に対し周知徹底すべきである。
○地熱というリードタイムの長い再生可能エネルギー電源について、適切に系統接続枠を確保できるよう系統接続の在り方を見直すなど施策を講じるべきである。

7.再生可能エネルギー熱の課題
○エネルギー全体における熱利用が50%を超える現状に鑑み、太陽熱、地中熱、雪氷熱、温泉熱、海水熱、河川熱、下水熱等の再生可能エネルギー熱の導入支援を最大限促進すべきである。

平成27年8月24日

[わかりやすい政治を]

 8月20日、第1回の自民党総裁選管理委員会が開催されました。

 現在の安倍総裁の任期が9月30日ということで、9月20日から任期満了までのいずれかで総裁選挙を実施しなければならず、その運営の打ち合わせのためです。

 私はこれに先立ち、所属する清和政策研究会から、管理委員になるよう依頼されていました。

 委員は総裁選の運営に携わることになりますが、他の選管の委員同様、選挙にあっては中立を保ち、推薦人になることもできません。しかも任期は3年で、政務三役に抜擢されるか新総裁によって異なるメンバーが指名されるかするまでその地位が続くということです。
 今回の総裁選がどのような展開になるかは、無投票になるのではないかとか、女性が立候補するのでないかとか、色々憶測記事が出ていますが、この前不利と言われながら安倍総裁誕生の際に尽力し、推薦人にも名を連ねた私が管理委員に指名されたことがどのような意味を持つのか、奥の深いものがあります。自分で言うのもおこがましいですが、いつも政局になると突破力を発揮してきた自負がありますので・・・

 しかし今回はあえてミッションを受け、外から総裁選を見ることにしました。

 ちなみにメンバーは、野田毅衆議院議員を管理委員長として、船田元衆議院議員、河野太郎衆議院議員、田村憲久衆議院議員、江渡聡徳衆議院議員、小野寺五典衆議院議員、山口壯衆議院議員、橋本聖子参議院議員、松山政司参議院議員、野村哲郎参議院議員、そして私の合計11人です。大臣経験者が5人もいる重厚な布陣で、メンバー構成を知ったのは8月20日の初回会合においてでした。

 私は以前選挙公約で「総理大臣がコロコロ変わるようでは国益を損なう。議院内閣制を規定した憲法にあっても国民が総理大臣を選ぶことができるようにし、かつ任期を全うできるようにすべき」と訴えていましたので、自民党改革の一環として、総裁選規則を変更し、党員票の割合を増やすべきだと強硬に主張して実現に結び付けました。現在、議員票と党員票は同じだけの重みを持っています。(もっとも、そうすると前回の総裁選では安倍総裁は誕生していなかったことになりますが・・・)

 私の今回の総裁選に関する意見は不動です。立候補する意思とビジョンのある人は堂々と名乗りをあげるべきだということです。透明な議論をし、そして結果が出たらその議論を踏まえてまた一致結束して進んで行く、それが国民の求めるわかりやすい政治ではないでしょうか。
 これからも自らのスタンスをしっかり保ち続けていきたいと思います。

[難産の末、党内手続を通過した休眠預金活用法案]

 先週末の党の総務会において、金融機関で10年以上出し入れのない休眠預金の一定部分を、民間の社会福祉事業に活用しようという超党派の議員立法が了承されました。

 休眠預金は毎年全国で800億円程発生していますが、金融機関は預金債務を時効消滅させることなく、預金者から10年経過後も請求されれば払い戻しに応じる実務としています。しかしそれでも毎年500億円の新規休眠預金が発生していて、この有効活用が社会の活性化のため必要だと考えられてきました。

 私は以前、振り込め詐欺の被害金を取り戻すため犯人の預金口座を凍結し、預金保険機構の活用によって被害者による届け出・分配を実施するという議員立法を成立させた経験があります。そしてそれでも被害者が不明の残金は、犯罪被害者の社会福祉に活用するという立てつけとしていました。

 今回の法案も詳細な説明は省きますが、やはり預金保険機構を活用し、中央に民間の分配組織を設立したうえで地域で事業展開するNPOなどに助成金や貸付金として回す仕組みとしています。

 これに対しては、休眠預金は国庫に入れるべきだとか、団体の関与を認めると不明瞭な使途に使われるとか、マイナンバーを預金に紐付けすれば休眠預金はなくなっていくとか疑問の声がありました。しかし、私は以前の経験からこれは必要な法案だと判断し、党の財務金融部会長として、イギリスなどでも似た仕組みのあるこの法案の実現のために尽力してきた同僚の山本朋広議員や坂井学議員たちと連携して後押しをしてきたのです。

 政府の国庫にこれだけの金を入れるよりは、行政の目では十分目配りできない人を新たな発想で助ける民間の活動を支援する方が、より大きな効果をもたらす可能性があると思います。マイナンバーが預金に紐付けされるのはまだ先のことですし、資金の透明性確保のためのチェックもきちんと整えています。是非とも皆様のご理解を賜れればと思います。

 色々自分の仕事が形になっていくのは嬉しいのですが、また新たな課題・難題がやってきています。概算要求などの対応も、少し不透明感の出てきた景気の分析もしなければいけません。ひき続き全力で走り続けます。

平成27年8月16日

[70周年の誓い]

 昨日、日本は終戦70周年の節目の日を迎えました。

 私の両親を含め、戦争を体験した方々の数は年々少なくなっています。ましてや実際に従軍したり、戦後の日本を、価値観の戦前からの断絶を乗り越え力強く復興させる原動力になって下さったりした方々の話を生で伺う機会は極めて少なくなってしまいました。

 だからこそ、私たちは過去の歴史をしっかり学び、後世に伝えていかねばなりません。

 もはや日本がアメリカに戦争をしたことすら知らない若者が増える中、文部科学省は5日、日本史と世界史を含む近現代史を高校の必修科目とすることを中央教育審議会の特別部会に提示しました。ともすると近現代史の部分で、歴史の授業が、時間切れとなってしまったり、多様な視点から物事を分析するのが難しいと敬遠されたりしがちなことからすれば重要な方針だと思います。

 14日に発表された政府談話も重要で内容の濃いものでした。

 海外のメディアは「安倍内閣自身のお詫びが読み取れない」とか「植民地支配や侵略に対する言及が間接的だ」と批判していますが、私はこの談話は練りに練られた周到なものだと感じます。

 談話では、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」と明言しています。既に歴代総理大臣が謝罪し、賠償問題が決着しているのみならずその後の支援も真摯に行い、これから未来志向のパートナーシップを築いていこうとするアジア諸国に対して、いつまでも土下座外交を続けるとすれば、今なお慰安婦問題などで訴訟を提起され、戦時徴用工の位置付けなどでも問題が生じているアジア諸国に対して誤ったメッセージを与えかねません。

 私たちの行うべきことは、そうした「痛切な反省と心からのお詫び」を「引き継ぐこと」であり、過去の歴史として世代を超えて謙虚に向き合うことであって、まさに談話の示したとおりだと考えます。

 私は自民党の「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」の事務局長として、慰安婦問題などで誤った情報が内外に流布していることには毅然と反論するべきと訴え、総理に直接提言をお渡ししましたが、その部分は残念ながら直接は談話に盛り込まれませんでした。しかし談話発表の記者会見場において総理から「政治的、外交的な意図によって歴史が歪められるようなことは決してあってはならない」と発言がなされたことは、私たちの主張を認めて下さった面があったと解釈しています。

 のみならず、戦時下において女性の尊厳や名誉が傷つけられたことは率直に認めるとともに、70年の平和国家の歩みと今後の世界の繁栄への貢献の誓いに触れた部分は、私たち特命委員会の提言に沿った内容だと評価させていただいています。

 「植民地支配」や「侵略」は多義的な概念であり、しかも当時の国際法上の理解と今日の理解には異なる面があります。しかし少なくとも、今回の談話ではそのような文言を明示的に掲げるとともに、「もう二度と」そのような行為をしないと誓っているわけですから、このような非難を浴びる行為をわが国が行ったこと自体は正面から認めていることは明らかです。かつて日本は世界の大勢を見失い、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいは勢力を拡大しようとしたのであって、その全体を率直に反省し、法の支配を尊重し、不戦の誓いを表明したことの意義は大きいと言えます。

 過去の「村山談話」のように、ただ「過去の一時期国策を誤り」といった抽象的な表現ではなく、具体的な表現で過去の日本の行為を検証している点では、より充実した反省になっているとも評価できるでしょう。

[誓いだけでは不戦は実現しない]

 ただし、平和と不戦を唱えているだけでは戦争をなくすことはできません。この談話にも書かれているとおり、かつて第一次世界大戦の反省を踏まえ、人々は平和を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。しかし世界恐慌や経済のブロック化などにより、次第に日本は孤立を深めていったのです。また国際連盟は強制力を持つ軍を組織することができず、紛争解決に独自の指導力を発揮し得なかったと指摘されており、結果としてナチス・ドイツの台頭に対しても宥和政策が取られてきたという実態があります。 

その反省から現在国際連合憲章では、軍事的制裁が定められるとともに、国連安全保障理事会の国際平和・安全維持措置を取るまでの間の個別的・集団的自衛権の行使が認められています。

 不戦条約という「ルール」は、「ルール破りへの制裁」という強制力があって初めて機能するということです。これは国内の法律が刑罰や強制執行などの裏付けを持っていることと同じです。

 今回の平和安全法案は、集団的自衛権のごく限られた部分を、極めて厳しい条件のもとに認めるに過ぎません。そして今回の政府談話では、世界の繁栄への日本の貢献も含め、不戦の誓いはよりゆるぎなき、現実味のあるものになっていると確信しています。

 今後も自由・民主主義・法の支配などの価値観をしっかり世界と共有し、積極的平和主義を掲げて懸命に進む日本の与党の一員として全力を尽くすことをここに誓うものです。

平成27年8月11日

[脇を締めて]

 一昨日8月9日投開票の埼玉県知事選で、自民党埼玉県連が推薦した塚田桂祐氏は残念ながら当選を果たすことができませんでした。
 現職知事が自ら提出した多選自粛条例に違反して立候補したことや、国と県との連携が不足していて、新藤総務大臣・柴山総務副大臣時代に国家戦略特区の提案もなく、県の経済が停滞していること、県民1人あたりの警察官の数も医師数も全国最下位に甘んじていることなどを争点とし、塚田候補の地方行政経験の豊富さや国とのパイプ、危機管理能力の高さを訴えたのですが、立候補表明が選挙直前となってしまい、運動が十分浸透しきれなかったことが最大の敗因だと思います。

 ただ、昨日の埼玉県庁での県連幹部による記者会見でも指摘があったのですが、共産党候補は平和安全法制反対を訴えて今回の選挙に臨み、かなりの健闘を見せました。 県政に関わる選挙で平和安全法制の是非を訴えることには違和感があり、それが塚田候補の得票にどれだけ影響したかはわかりませんが(法案賛成派も反対派も上田氏には幅広く投票しています)、今後の各種活動に向けて留意しなければならないでしょう。

 国の方では、私もインナーメンバーとして検討に参画していた、党の河野行革本部長を中心とした新国立競技場見直しプランがまとまりました。

 私は、「過去の検証をしっかり行い、新プランについては工事の進捗管理と対外情報公開を、工費を含め、きちんとした責任体制の下で行うべき」「新プランについては五輪後のビジネスモデルを含めた事業コンペを実施すべきであり、単なるデザインのコンペにすべきではない」などと意見を申し上げてきたところですが、そうした意見が反映された提言になったことには満足しています。また、今回の提言は特に費用の上限を明示しない代わりに、いくつかのプランの選択肢とそのメリット・デメリットを明らかにした点に特徴があります。うち一つの選択肢が「既存の施設を有効活用して新施設を作らない」という「ゼロ・オプション」です。現実味に欠けるなどの批判もありますが、国民の間で議論の題材を提供するという意味では有意義だと思っています。

 また、私が法務委員会の筆頭理事だった時に審議入りした、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案も、70時間の審議と、自民・民主・公明・維新4党で行った修正を経て、衆議院の本会議で可決されました。

 相次ぐ冤罪事件を反省して、私もずっと取り組んできた「取調べの録音録画」を、必ずしも十分ではないものの警察段階も含め一定の事件について前進させるとともに、司法取引の部分的な制度化や、通信傍受の対象事件の拡大及び手続の合理化、証拠開示制度の拡充、証人等の氏名等の情報を保護するための制度創設など、司法の適正化を進める内容です。私としては必要な審議を確保しつつ、弁護士会も合意したこの法案を速やかに成立させるべきという立場でしたので、よい結果になったことは率直に評価したいと思います。
 まだ通常国会は続きます。夏の地元イベントも花盛りですが、どの活動にも全力投球をして参ります。

平成27年7月13日

[丁寧な説明を]

 同僚議員の一部による勉強会で、マスメディアに圧力をかけるかのような発言が出たことが、大きな批判を受けました。もとより、放送法は、放送における報道が政治的に公平であることや事実に基づくことを義務付けており、こうした観点から問題があると思われる報道もあるので気持ちはわかります。しかし、以前もこの欄で触れたとおり、大前提として「報道の自由」は憲法上保障された権利であって、特に政治家が反論の域を超えてメディアに圧力をかけるようなことはあってはならないと考えます。地道な説明を謙虚に行い、問題のある報道は放送番組審議会やBPO(放送倫理・番組向上機構)などの対応に委ねるという姿勢が必要です。

[戦後未曾有の大改革]

 今国会では、私も大きく関わり、既に成立した電気事業改正法の他、農協法改正案や労働者派遣法改正案、マイナンバー法改正案など、経済や社会のあり方を大きく変える法案の審議が目白押しです。会期が戦後最長の95日間延長になったのは平和安全法制の議論のためだけではないのです。

 まず、今回の電気事業法改正で2020年に電力会社の発・送電部門が法的に分離されることとなり、既に来年4月から実施が決まっている電力小売りの完全自由化がより実効性を持ち、再生可能エネルギーを扱う発電会社がこれまでの電気事業者と市場を通じて競争できる環境が整います。技術革新や競争による料金引き下げが進むし、原子力発電への依存度も下がっていくことでしょう。併せて都市ガスの小売り事業自由化などの改革も進めます。

 農協法改革は、地域による農業の多様化や担い手の高齢化が進む中で、JA中央会の監査指導権を見直し、単位農協の創意工夫を発揮していただくとともに、各地の農業委員会をより農地利用の最適化にふさわしい判断ができるよう委員の選任方法などを改め、輸出拡大や運送・加工との連携や発展の観点から農業生産法人改革も行う画期的なものです。

 また、「生涯ハケン固定法案」などと誤った宣伝がされている労働者派遣法改正案は、業務によって期間制限が異なる現在のわかりにくい制度を改め実務の混乱を回避するとともに、雇用安定措置やキャリアアップ制度の創設に加え、均衡待遇も推進することとしました。アベノミクスは最大限それぞれの能力を発揮していただく考えに基づきますが、併せて、望まない格差・貧困も極力縮小できるよう努めて参ります。

 マイナンバー法改正案は、データ社会にあって、個人のプライバシーの保護と、データ利用拡大による利便性の向上を両立させていくために、また行政の効率化を進めるために、しっかり成立させることが必要だと考えています。ただ、預貯金口座・医療データなどについて、マイナンバーの有用性は認めつつその活用による情報漏えいが起きないか不安視する声があるのも事実です。特に年金情報漏えい事件がその不安を一層拡大してしまったことは否めません。もっとも、マイナンバーができてもデータが統一管理されるわけではなく、それぞれの管理者が異なるコードを用いるなどしており、なりすましを防ぐための本人認証の厳格な手続き(証明書の提示など)もありますので、いたずらに危険を過大視することなく冷静に議論してさらなるセキュリティ対策に努めるべきです。

 改革は経済を着実に好転させています。消費税率引き上げによる景気の減速も一服し、株価は(ギリシャなどの外部不安要因もありますが)現時点ではまだ非常に高い水準を維持しています。無論、それが暮らしに実感できる豊かさにつながっていくことが大切ですが、年金の運用が健全化したり高齢者の雇用が拡大したり健康管理の意識が高まったりしていくことで先輩方の暮らしがよりよくなると思いますし、加えて、昨年のこの欄でも紹介し安倍総理が大きく力を入れている女性の活躍促進、例えば税制や社会保険のあり方の見直しによる「103万円の壁」「130万円の壁」問題への対応や保育所・学童保育・再就職支援策なども充実させていきます。

 そして将来世代のために借金を残さないようにするべく、国も地方も支出を効率化させなければいけません。質の高い教育や、地域包括ケアシステムの実現、このたび新規事業化が決定した三芳スマートインターのフル化など地方創生や安心安全の確保にしっかりつながるような予算にしていくよう、力を尽くして参ります。

[子供たちの未来のために]

 現在、アメリカの外交的・軍事的な力が低下し、一方で中国が東シナ海や南シナ海で埋め立てを強行したり公船による領海侵犯を行ったりしています。北朝鮮は核実験やミサイル発射を繰り返し、ISIL(いわゆる「イスラム国」)などの国際テロ組織が世界の平和を脅かしています。もはやこれまでの一国平和主義には限界が生じており、政府は、同盟国との連携によって安全を守ることができるよう「平和安全法制」をこの国会において成立させることを目指しています。

 既に閣議決定により、集団的自衛権(日本と密接な他国が攻撃を受ける場合も日本が反撃する権利)を、日本の存立危機が明白に認められる場合に限り、かつ他の手段がなく必要最小限の範囲であれば行使することは認められるとされました。また、日本人のボランティアなどを海外で自衛隊が駆け付け警護したり、日本の領海警備を充実したりすることも大切で、是非皆様には上記「平和安全法制」に対してご理解をいただきたいと思います。

 思い返せば日米安保条約が締結されたり改定されたりした数十年前にも「憲法違反だ」「日本が戦争に巻き込まれる」と大反対運動が起きました。しかし日本は未曽有の戦禍を貴重な教訓とし、二度と戦争を繰り返さないと明確に憲法9条1項で誓っています。この誓いはこれまでも、そしてこれからも不変であり、今回の法整備はあくまで「隙のない構えで抑止力を強化する」ためのものです。また、憲法18条に違反する「徴兵制」を導入することは断じてあり得ません。

 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉も山場です。AIIB(アジアインフラ投資銀行)で中国がアジアの経済に大きな影響を及ぼす中、このアジアで公平な経済ルールに基づく貿易・投資・知的財産などの枠組みを作ることが必要なのです。既に国会で日本の重要な農産品を守ることなどが決議されており、国益を最大限に生かす形で決着させられるよう私も頑張ります。

 この夏、産業革命世界遺産登録などをめぐり韓国との間も依然として微妙な関係が続いています。今後、慰安婦問題を含めて正確な情報を国際的に発信するとともに、将来紛争が再び生じないようにして反省すべきは反省し、未来志向の外交関係を構築できるよう頑張っていきます。

 これまで後押しをしてきた日本郵政の上場もこの秋に迫ってきています。何にせよ国際社会も国内経済も激動の時代を迎える中で、子供たちに豊かで平和な社会を、そして私たちの祖先が大切にしてきた日本のよき伝統を、何とか受け継いでいきたいと思います。

 昨年の総選挙に続き、今年は統一地方選、知事選、秋の市長選と選挙が目白押しですが、こうした思いで一歩一歩これからも活動していきますので、引き続き皆様の暖かいご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

平成27年6月13日

[許さぬ後世へのつけ回し]

 昨日12日、私もメンバーとなっている党の財政再建に関する特命委員会で提言案がまとまりました。

 私は、昨年法人税率の引き下げを議論した時には、減税の一方で景気回復が見込まれることから、代替財源確保のための増税を行うことには慎重な立場でした。

 しかし、今回の議論はそもそも出発点が名目成長率を3.6%とこれまでの実績に比べてかなり高い水準を達成することを前提としてなされています。そのうえで(再来年の10%への消費増税を織り込んでも)2020年度に基礎的財政収支を黒字に転換させるためには、9.4兆円の歳出抑制が必要だと、内閣府や党の行政改革実行本部で判断しました。 これに対しては「昨年度の好景気により税収の上振れ分が既に2兆円超生じている」「税収弾性値(経済成長と税収の伸び率の関係)を1と想定しているが現実的には1.3などもっと高い値になるはず」「公共事業の民営化などによりさらなる高い税収が見込まれるはず」などの根拠でハードルを引き下げるべきだという反論がありますが、私は今回はこうした反論は当たらないと考えています。そもそも上記したとおり名目成長率をずっと高い水準に保つということ自体非常に難しいのです。税収弾性値も長期的に見れば1に収束することはほとんど議論がなく、こうした長期的な試算をする場合には固めの数字を目標とするべきです。

 歳出削減をすると景気回復の足を引っ張る面はないとは言えませんが、法人税や消費税の議論と違って、歳出削減の場合は「費用対効果」を精査することにより、より政策効果や景気対策としての実効性が高いものに予算配分を行うこと(ワイズスペンディング)は可能です。古典的なIS曲線分析で「増税と歳出削減は同様の効果を持つ」などとは割り切れず、現に近年のIMF報告書でも、増税より歳出削減の方が経済成長にはより適切だとの記述があるのです。

 現在少子高齢化により急速に増加している社会保障費を中心として、あらゆる歳出を単純な一律カットではなく、しっかり費用対効果を検証したうえで9.4兆円の歳出抑制を行うことは、決して不可能ではないと考えます。

 ジェネリック薬品の国際水準並みの普及、病気予防のインセンティブの工夫、病床配分の合理化、終末医療についての検証など、具体策に踏み込んで提言をまとめましたが、結局昨日の最終提言には上記した数値目標までは盛り込まれませんでした。これを踏まえて政府の「骨太の方針」(経済財政運営の指針)がどのように表現されるか注目です。

 なお、「9.4兆円の歳出抑制」といっても、そもそも物価の伸びなどにより2020年までには自然体だと15兆円歳出が増える計算であり、結局今回の抑制をしても歳出は5.4兆円増えることになりますから、「緊縮財政」であるとの批判は当たらないと思います。
 また、基礎的財政収支よりむしろ債務残高対GDP比を安定させることを目標とすべきとの主張もありますが、長期的な金利上昇の圧力も考えれば、やはりまず基礎的財政収支をしっかり黒字化することに注力しなければいけません。

 提言では、中間年度となる2018年度にきちんと歳出額の目標設定を行うべきと書いていますので、着実に計画を実施していきたいと思います。

[荒れる国会]

 上記歳出改革にも大きな意味を持つマイナンバー制が来年からの施行に向けて準備される中、年金情報の流出という大変なニュースが飛び込んできました。標的型ウイルスメールによる感染が、あまりにずさんな管理体制の下で発生したことは残念としか言いようがありません。しっかり検証のうえ、不安を残さないマイナンバーとしていくよう、この制度導入を総務副大臣や衆議院内閣委員長として後押ししてきた者としてしっかりチェックしていきます。

 それにしても、この問題と派遣法改正案の審議がかかっている衆議院厚生労働委員会の混乱ぶりは目に余ります。

 平和安全法制を議論している衆議院特別委員会の質疑も、集団的自衛権に関して憲法審査会に与党が呼んだ参考人まで違憲と陳述したことを受けて波乱含みです。学者の見解は見解として、政府も与党も過去の判例を踏まえて慎重に解釈し、立法したのですから、冷静な議会運営をするべきです。
 もちろん私が自民党筆頭理事を務める衆議院法務委員会もです。

[パーティー実施の感謝]

 去る6月11日、私の政経パーティーを開催させていただいたところ、地元の方々、仕事でお世話になっている先輩や同僚をはじめとする方々、昔からの仲間たちなど、本当に多くの皆様にご参加をいただき、心から感謝申し上げる次第です。

 所属する清和政策研究会の細田会長ともども、前会長で衆議院前議長の町村信孝先生にお悔やみの言葉を申し上げさせていただきました。本当にお世話になりましたし、一方で税制の議論や党の総裁選で色々ご迷惑をおかけしたことが走馬灯のように頭を巡ります。

 そのご恩に報いるためにも、これからも全力を尽くすことをお誓い申し上げます。

平成27年6月1日

[未来を変える「よそ者・若者・ばか者」]

 5月28日夜、BSフジの「プライムニュース」に出演させていただきました。

 テーマは、私がこれまで取り組んできたコーポレート・ガバナンス改革についてで、他の出演者は野村修也中央大学法科大学院教授とイェスパー・コールJPモルガン証券株式調査部長でした。

 6月1日から東京証券取引所で、会員の準則(順守しない場合は説明責任が生じる)となる画期的な「コーポレート・ガバナンス・コード」が施行されるということで、とてもタイムリーな企画だったと思います。

 これまで経団連は、このコーポレート・ガバナンス改革に正直言って前向きとは言えませんでした。それは無理からぬところで、従来この改革は企業の不祥事防止という後ろ向きな文脈で語られることが多く、前例踏襲からなかなか抜け出せない大企業としては「企業の適切な管理は千差万別なはず」と内向きの論理に引きこもるとともに、対外的に自らの内情を開示することにどちらかというと消極的だったのです。そして経営陣の安定を株式の持ち合いという慣行が支えていました。

 しかし時代は変わり、もはや資本はグローバル化して、対外的な株主への説明責任が避けられなくなりました。また、ROE(株主資本利益率)の向上など、稼ぐ力を高めないと市場から見放されるという文脈でもコーポレート・ガバナンス改革が不可避のものとなったのです。

 もとより、日本の企業風土はすぐに変わるものではありません。また、株主のみならず従業員や取引先、地域貢献なども大切にする日本ならではの良さも尊重する必要があり、今回のコーポレート・ガバナンス・コードはそうした要素も盛り込んでいます。また、複数設置を求めている社外取締役の「市場」もしっかり育てていく必要があると考えています。

 今回のコードのいくつかの哲学のうちの一つが「外部の目の重要性」ということです。折しも同じ5月28日の日経新聞最終面「私の履歴書」に、川村隆日立製作所相談役が、社外取締役などの発言を通じて「自分の姿や行動を外から見るための『カメラ』を用意することが大切だ」と述べておられます。「よそ者のKY(空気を読まない)な発言」が時に客観的で真理を突き、組織を生まれ変わらせることがあるのです。

 よく、地方創生のキーマンとなるのは「よそ者・若者・ばか者」だと言われます。上記した「よそ者」に加え、行き詰まった組織や地域に新しい発想を吹き込むのが「若者」と「ばか者(これまでのやり方にとらわれない発想の持ち主)」だということです。女性の活用もこの文脈で語ることができるでしょう。
 地方創生だけではありません。例えば政党でも、歴史のある自民党が私の補欠選挙で立党以来初めての全国公募を実施し、今では公募が原則となったように、組織がどれだけ未来に向けて改革しようという決意が本気であるかを見るバロメーターが、「よそ者・若者・ばか者」をいかに登用しているかだと思うのです。今、党でかつて「KY議員」と揶揄され、必ずしも中心的と言えなかった方々が(誰々とは申しませんが)政権の中枢に数多くいらっしゃるのは、安倍総理がしっかりそうしたことを認識されていることの現れだと思います。

 もとより、伝統や慣行は大切であり、それを全否定する必要はありません。日本人は「改善」を重ねることが本来得意な民族なはずです。これからもしっかり地に足の着いた改革を社会にもたらすべく、全力を尽くします。

平成27年5月18日

[大阪都構想の後は]

 非常に大きく注目されていた大阪都構想についての住民投票は、僅差で反対多数となりました。維新以外の既存政党がこぞって反対に向けた活動をする中で、この大接戦は注目に値すると思います。

 確かに行政コストの算定や将来のビジョンなど、今回の都構想には疑問が多々ありました。賛成多数となったら橋下市長は必ず国政に進出するという見方もありました。今回の反対多数を受けて現時点では橋下氏は政界引退を表明しています。そして維新の党の求心力は確実に低下すると言われています。

 ただ、野党が民主党と維新の党という全く逆のベクトルを持つ中で勢力を分散されていたことや、今安倍内閣が大きな改革に取り組もうとしている中で、今回の結果が自民党にとってプラスの効果ばかりをもたらすわけではないのではないでしょうか。折しも、私も党の役員メンバーとなって取り組んでいる道州制の推進にも影響が出てくる可能性があります。

 目的達成のためやむを得なかったとはいえ、沖縄の知事選であれだけ批判していた共産党との共闘が、今後辺野古問題や憲法改正に向けた動きに影を落とす可能性があるかもしれません。

 いずれにせよ、この大阪都構想の後、政局に生じる変化にも、しっかり対応してあるべき方向を目指して参ります。

[外国メディアのインタビューから]

 先週末、某有名外国メディアの東京支局長からインタビューを受けました。全て英語でした。

 6月1日から東京証券取引所で発効する「コーポレート・ガバナンス・コード」を大変高く評価しつつも、これが真に経済社会を変えるきっかけとなるのか、独立社外取締役の市場をどのように整備するのかなどを、この問題に熱心に取り組んできた私に尋ねてこられました。

 話は安全保障法制や憲法改正にも及びました。自民党改正憲法草案にある天皇の元首としての位置付けや基本的人権に関する規定の変化は、反動的な動きで問題でないか、との質問があり、私がいかに天皇という地位に関する学説や外交プロトコルの話をしたり、権利と義務のバランスや安倍政権が取り組んでいる女性活躍支援の話をしても納得されなかったので、次のような話をしました。
 「諸外国に支援をいただいた東日本大震災の時、被災地では信じられないような被害が発生したが、他の国ではこうした時当然行われるような強奪や混乱が見られなかったことについて、世界が驚嘆した。」「被災地では自らの避難のほか、整然と住民を誘導したり隣人を危険を顧みず救出しようとする動きが相次いだ。」

 こうした極限状態で、自己の権利を至上のものとする現行憲法の価値観、それはとりもなおさず近代西欧社会の価値観ともいえると思いますが、それに捕われていてこういう世界にまれに見る行動がとれると思いますか?

 支局長には言葉がありませんでした。

 こういう価値観は日本国憲法が導入される前に築き上げられたものです。そして今こそ大切にしなければいけません。私は戦前、言論の自由が弾圧され、個人が集団の犠牲になるような社会を決して再現してはならないと思っています。しかし、過去の私たちの価値観を全否定したり、他国に対して日本がしてきたことを、もちろん悪いことは率直に認めて反省しなければいけませんが、明らかに歪曲するような動きに同調したりすることはいけないと考えます。

 不十分な英語でどれだけ伝わったかはわかりませんが、私なりに全力を尽くしたつもりです。

 後半国会もいよいよ本格化します。これからも地元対応も含め、懸命に頑張っていきます。

平成27年5月8日

[米国訪問で感じたこと]

 4月29日から5月2日まで、2泊4日という強行日程でマンスフィールド財団の主催する議員交流プログラムに参加しました。

 参加議員は私以外には、自民党の森まさこ前内閣府特命担当大臣、民主党の長島昭久元防衛副大臣でした。
 私以外は米国の留学経験があるため比較的順当な人選だと思いますが、私に関しては最近の活動が米国関係者の目に留まり、是非対象にとの強い推薦があったとのことで大変ありがたいことでした。自然と力も入り、参加者の中で唯一、通訳の有無にかかわらず、パネルディスカッションを含め全ての先方との会話を英語で通しました。参加されたシーファー元駐日米大使をはじめとした現地の方々や日本の民間を含めた在米駐在員の方々から評価のコメントをいただき、今後の活動の糧となったと思います。

 折しも、今回のミッションは安倍総理の歴史的な米議会での演説と時期を同じくし、笹川平和記念財団主催の安全保障フォーラムにおける総理の演説やディスカッションも目の前で見聞きすることができました。また、この二つのミッションを終えた総理から宿舎であるブレアハウスへの訪問を許され、他の自民党議員に先立って短時間ではありましたが、その演説を踏まえたうえでの私の取り組んでいる諸案件についての思いを、総理に直接お伝えすることができたことは私の今回の訪米のさらなる成果でした。そして総理のそれに対するコメントも私の得心のいくもので、今後の具体的な指針になるものでした。

 総理の上記議会演説の中に、慰安婦に対する「お詫び」という言葉が入っていなかったとの一部批判がありますが、総理は先の大戦に対する痛切な反省を口にされ、歴代内閣の姿勢を踏襲すると明言するとともに、女性の活躍支援や人権に力を入れることを強調されていました。夜の総理との直接の会話で、この部分の文言についてはしっかり練られたものであることを理解するとともに、その真意もよくわかりましたので、私が事務局長を務める党の日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会の議論・提言に反映していきたいと考えています。

 総理はオバマ政権のリバランス(防衛力再均衡)政策を徹底的に支持すると明言したうえ、日米同盟を強化するための安全保障法制の整備をこの夏までに実現すると述べました。これについても日本の国会軽視だという批判がありますが、法案提出者としての決意を述べたものであると理解できます。何より、今中国などとの懸案を落ち着かせ、アジアの安定を図るためには、日米の間に隙間風をもたらそうという動きは断固として阻止しなくてはいけないのです。笹川平和記念財団のフォーラムで総理が「安全保障によって世界貢献を目指す」と言われたのもそういう文脈です。法の支配による平和のためには、安全保障による実効性の確保が必要だということです。

 そしてTPPや農協改革、医療やエネルギーなどの規制緩和、コーポレートガバナンス強化などの重要性をあげ、「クォンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあること、この道しかないという昨年の選挙戦でも使ったフレーズを議会演説で使っています。TPPについてはその安全保障上の意義も強調されました。

 マンスフィールド財団のパネルディスカッションにおける私のプレゼンテーションも、AIIBに見られるアジアの経済秩序の中国主導による変化と、それにしっかり日米が公正な経済ルールという筋道をつけるためのTPPの重要性を強調させていただきました。無論、私も昨年の選挙での党の公約である「聖域なき関税撤廃に反対」する姿勢は堅持しています。しかし、知的財産権のフェアなルール作りや、政府調達の透明化などは是非とも進めなければいけません。
 米国も自動車部品の関税問題などでTPPについては正念場です。私としては、上下両院でTPA(貿易促進権限法案、大統領に包括的な交渉妥結権限を与えるもの)法案が可決に向けて動きを見せていることを評価できると述べてきました。 質疑応答では、日本の財政問題、中国と台湾についてなど広範な議論ができ、大変有意義でした。

 共和・民主両党の議員や、USTR(通商代表部)を個別訪問して、それぞれの案件についてヒアリングをしたり、政府・議会スタッフに裏話を聞いたり、現地評論家との食事会で米国での大統領・上院・下院の与野党のねじれをどう調整しているのかの話を聞いたりしたのはとても参考になりました。この最後の問題は、米国ならではの「議員を予算で落とす」取り引きの実態なども浮き彫りとなりました。

 訪米されていた多くの日本の議員や民間の方々とともに、米国側の議員、関係者ともレセプションで交流の機会を持ったり、一時帰国されたACCJ(在日米国商工会議所)の方に私の立場を説明したりしたことなど、とにかく予定ビッシリの実質2日間でした。時差ボケをコーヒーのがぶ飲みでごまかし、何とかしのいだ印象です。
 それにしても米国はやはり明確な議論を好む国だな、ということがよくわかりました。また、米国の民主党議員が、健康保険の充実を主張しながらもやはり皆保険となると色々大変だと感じているということもわかり、やはり自助が基本の国なのだということも感じることができました。

 GW明けは早速数々の難題に取り組む必要があり、打ち合わせや取材・講演などが待ち構えています。これからも全力で頑張ります。

平成27年4月29日

[問われる危機管理体制]

 通常国会の後半は、安全保障法制が大きなテーマとなります。

 これまで自民党・公明党の与党協議が行われるとともに、その経過は逐次自民党の安全保障調査会にフィードバックされ、党内議論が行われてきました。

 問題とされている集団的自衛権の行使の限界という論点はごく一部であり、それ以外にも、領海警備や海外での平和維持活動はどうあるべきかなど沢山の論点があります。マスメディアでは、与党協議でいかに歯止めをかけるかということばかり議論されているかのように報じられていますが、実は自民党の中では、ここまでオペレーションに歯止めをかけてしまって本当に国民の生命と安全を守ることができるのか、という議論がかなりありました。

 折しも、4月22日には首相官邸の屋上で、微量の放射性物質セシウムを搭載したドローン(無人小型飛行機)が発見されたばかりです。空撮などで最近よく利用されるドローンですが、現在法規制がない状態で、テロなどへの利用のおそれを真剣に考えねばなりません。人が大勢集まる場所や原発施設などが標的になったらと考えると、検討されているような飛行制限区域の設定だけで足りるのか、はなはだ疑問です。
 ISIL(イスラム国)の事件でも痛感しましたが、日本の平和ボケぶりは深刻だと言わざるを得ません。法整備のみならず危機管理体制もしっかり国際水準を参考に充実させることが必要です。

 ネパールで発生した日本人を含む4300人以上が犠牲となっている大地震への対応も急務です。現地の急峻な地形のため、世界各国の救助・支援部隊の活動が難航しているようですが、日本は4月28日未明、既に派遣されている消防庁などの災害援助チームに加え、約110人の医療救援などにあたる自衛隊を現地に送ると発表しました。
 人命救助は時間との勝負です。こちらもしっかりした体制作りが必要です。

[地方創生を新しいエネルギー政策で]

 統一地方選が終わり、自民党は全国的にまずまずの成果を確保しました。景気回復を背景にした高い内閣・与党の支持率が要因だと思いますが、応援演説で訴えさせていただいたとおり、これからは「地方創生」が大きな課題となってきます。

 私の地元で言えば、ふじみ野市・三芳町で立候補した2人の自民党県議候補のうちお一人が共産党候補の当選に伴い議席を失いました。所沢では、共産党・民主党の現職が手堅く議席を確保する一方、自民党の3人の県議候補は、推薦のお一人が当選するにとどまりました。
 幸い後半の市議選及び町議選では、自民党の公認・推薦候補は全員当選をしましたが、決して楽観する状況ではないと思います。

 このような中、経済産業省から示された2030年のエネルギーミックス案は、原子力の割合を20~22パーセント、再生可能エネルギーの割合を22~24パーセントとしています。
 しかし私は自民党の再生可能エネルギー普及拡大委員会委員長として、秋本真利事務局長たちメンバーとともに、再生可能エネルギーが地方創生の観点からいかに望ましいか、コストも低減できるかを研究してきました。この度提言をまとめて発表したところ、政府より踏み込んだ内容ということで多くの反響があり、是非今後の議論に生かしていきたいと思います。以下に提言の内容を掲げます。


再エネによる地方創生〜日本経済活性化のために〜再生可能エネルギー普及拡大に関する提言
2015年4月22日自由民主党 資源・エネルギー戦略調査会再生可能エネルギー普及拡大委員会

2015年4月22日
自由民主党 資源・エネルギー戦略調査会
再生可能エネルギー普及拡大委員会

【主旨】
 わが国の2030年の電源構成について、再生可能エネルギーの導入目標数値は、30%以上とするべきである。

【エネルギー政策に対する考え方】
 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、わが国のエネルギー政策は、大きな転換期にある。

 これまで、わが国のエネルギー供給の中心となってきた化石燃料やウラン燃料は国内に資源がなく、そのほとんど全てを海外からの輸入に頼ってきた。そのため、エネルギーの供給が国民生活と産業活動の血脈でありながらも、わが国のエネルギー政策は国内外の状況に大きく影響を受けてきた。このような脆弱なエネルギー供給体制を抜本的に改革し、2030年以降も、将来にわたって安定供給と経済効率性を両立することのできる電源構成の構築が必要である。

 再生可能エネルギーは、わが国における唯一の「純国産」エネルギーであり、地球温暖化問題への貢献、新しい雇用の創出、安定的エネルギー資源の確保と、さまざまな効果をもたらす。

 また、再生可能エネルギーの導入は、地域経済の循環に大きな可能性を持つ。なぜなら、一般電気事業者の電気料金収入(平成25年度)は、全国で約16兆8,100億円であり、その30%が再生可能エネルギーとなれば、少なくとも毎年5兆円以上の大きな経済効果が期待できるからである。

 さらに、再生可能エネルギーの普及拡大策については、固定価格買取制度のみならず、経済産業省、農林水産省、国土交通省、環境省及び総務省並びに地方公共団体による「地方創生に資する分散型エネルギーおよび関連システム施策」への更なる重点配分と民間資本の活用により、国民が支払う電気料金を国内で循環させる方向へと誘導することで、国や地方の経済に弾みをつけることができる。

 よって、現在のわが国の経済状況に現れているアベノミクスの効果を全国津々浦々まで届け、さらに発展させるためには、新しい成長分野の柱としてエネルギーを位置づけ、地方創生の観点から再生可能エネルギーの導入を図ることが肝要である。

【エネルギー政策の基本的視点】
 エネルギー政策は、安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図らなければならない(3E+S)。また、エネルギー政策は、国際的な動きを的確に捉えて構築されなければならない。

(1)安全性エネルギー供給には、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、地震大国であるわが国の地政学的な状況を前提に、国民に十分な安心感を与えられるだけの安全性が必要である。この観点から、各種電源の安全性は厳しく評価される必要があり、再生可能エネルギーは、他の電源に比べて格段に安全性が確保された電源であるといえる。

(2)安定供給再生可能エネルギーのうち、太陽光・風力による発電は、出力が変動的で、系統の整備、広域的な運用による調整力の確保や蓄電池の活用等の必要があると言われている。一方で、原子力発電には、安全性確保のための審査の長期化や裁判等による長期間の運転停止等のリスクがあり、火力発電については、化石燃料の高騰や中東の不安定化にともなう供給リスクの問題が存在する。安定供給の観点から、これらのリスクも踏まえ、各種電源を導入する必要がある。

(3)経済効率性再生可能エネルギーによる発電コストは大幅な低減傾向にあり、他の電源種別と遜色ない経済効率性が実現されると考えられる。特にここ数年間で、再生可能エネルギーのコストは急激に低下している(太陽光発電のモジュールコストは、過去5年間で8割低減。風力発電は、欧州、北米、ブラジル、インド、中国などで、4円/kWhを達成)。欧米など再生可能エネルギーの加速的な導入が進んでいる国々では、将来的に、非常に安いコストで再生可能エネルギーから電力を調達できるようになる可能性が高い。
原子力発電のコストについては、太陽光発電のコストよりも高いとする欧米の研究機関もある。それに加えて、現状の経済政策の継続を前提とすれば円安およびインフレ傾向が今後も継続される可能性が高いことを考慮しなくてはならない。円安が進行すれば、それにより化石燃料、ウラン燃料を含む輸入資源の価格は高騰していく。現在、化石燃料の価格は国際的に見て低水準で推移しているため、円安による価格高騰の影響を緩和しているが、世界全体のエネルギー需要に鑑みれば今後こうした低価格が維持されるとは限らない。その一方で、再生可能エネルギー電源のコストは、円安による資源価格上昇の影響を受けず、また発電期間中のインフレによる価格上昇が原則としては生じないため、円安やインフレによるリスクの小さいエネルギーである。

(4)環境適合原子力発電については、遵守すべき大原則である40年間の設備利用期間を前提にする必要がある。これを前提にした場合、再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を実現しなければ、結局は火力発電に頼らざるを得なくなる。しかし、電力供給の大半を火力発電に頼るとすれば、大幅な二酸化炭素排出量の削減は見込めない。
わが国が、温暖化防止の取組に積極的な貢献を果たし、国際的な地位を保持し続けるためには、消費者たる国民の協力の下、再生可能エネルギーや、火力の中でも相対的に二酸化炭素排出量が低い天然ガスなどの低炭素電源を8割程度導入することが求められる。

【2030年再生可能エネルギー30%時の電源構成の基本的考え方】
1.省エネルギー:わが国では、現状でも、2010年に比べて約8%の省電力がすでに実現されている。現在想定されている省エネ政策の実施と自然減を前提としても、2030年には2010年に比べて15%以上の削減が必須である。スマートメーターなどの新しい技術の普及やデマンドレスポンスなどの新市場の創設により、さらなる省エネルギーの深掘りは十分可能である。

2.原子力:国際的に遜色のない再生可能エネルギーの導入目標の達成と、さらに原子力発電への依存度を可能な限り低減させるというわが党の政権公約の実現を前提とすれば、新規の原子力発電所建設(リプレース含む)は考慮するべきではない。原子力規制委員会により安全性が確認された原子力発電所は順次再稼働を進めるが、原子炉等規制法及びわが党の政権公約に従い、原子力発電所の稼働期間は40年間を大原則とするべきである。

3.火力発電:一定の原子力発電の維持と、再生可能エネルギーの最大限の導入を前提としても、2030年時点では、相当程度の火力発電による電力供給が必要である。しかし、国際的な課題である地球温暖化問題も鑑み、より二酸化炭素排出量の低い火力発電への移行が望まれる。

平成27年4月9日

[突如浮上したAIIB問題]

 この一月余り、中国が主導となって設立を目指しているAIIB(アジアインフラ投資銀行)への対応が大きな話題となっています。

 中国は創設メンバーとなるための期限を今年3月31日と定めていましたが、日本政府はガバナンスや出資の透明性のなさ、個別の融資先に対する相当の審査の確保への疑問などから、米国などとも連携し、期限内の参加については見送ることとしました。

 ただ、イギリスなど欧州主要国も含め、50を超える国と地域が雪崩を打つように参加を表明したことは、このAIIBが国際金融や途上国開発に大きな存在感を発揮することを意味します。

 私は党の財務金融部会長として、財務省からこの間の経緯については報告を受けていましたが、事の重要性からこれは党として平場できちんと説明を受け、議論をする機会が必要だと判断し、党の秋葉賢也外交部会長に呼びかけて、外交・財務金融合同部会を開催することを決めました。
 直後、安倍総理も別件で秋葉部会長と面談された折、党としてAIIB問題を議論するよう指示。4月1日開催の合同部会で、今後は衛藤征士郎党外交経済連携本部長も含めた合同会議を立ち上げて、有識者ヒアリングを多角的に行い、夏を目処に議論を整理すると私から発言しました。

 経済界からはビジネスチャンスの拡大につながるとして参加の期待が大きいことは理解しています。これまでの世界銀行・IMF・アジア開発銀行などでこうしたインフラ整備の要請に充分応え切れていないことも事実です。
 しかしこの問題は、これまでのドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制や、外交・安全保障、環境問題にも影響する非常に重要なテーマです。極力多くの方々の意見を聞いて慎重に判断するべきでしょう。

 昨日8日、早速第1回のヒアリングを行いました。講師の津上俊哉先生や吉崎達彦双日総研チーフエコノミストからは、たとえ日本が参加しなくても国際金融体制もAIIBに向いていくとの指摘や、日本の出資は参加した場合相当額に上らざるを得ないであろうとの指摘などがあり、とても示唆に富む内容でした。今後もしっかり議論を続けます。

[中国との対話の道]

 中国との間には厳しい懸案が多数あります。しかし安倍総理は習近平主席と会談し、対話を進める姿勢を示しています。折しも来日中のチベット仏教最高指導者であるダライ・ラマ14世と自民党同僚議員とともにお目にかかる機会がありましたが、やはり中国が重要な隣人であるが故によりフェアな国になってもらいたいと強調されていました。

 私も微力ながら、外交の分野でも尽力をしていきたいと思っています。

[統一地方選前半戦は佳境へ]

 統一地方選は、北海道や大分の知事選が与野党対決構造であるとともに、私の地元埼玉県でも県議選が熾烈な戦いとなっています。前半戦の投票日は12日で、いよいよ佳境となってきました。
 ふじみ野市・三芳町では自民党候補2人、なかんずく日頃連携を密に取っている土屋惠一候補の、所沢では自民党の公認である浜野好明・安田義広候補、推薦である岡田静佳候補の、当選を目指して全力で応援を続けます。皆様のご支援をお願い申し上げます。

平成27年3月27日

[前向きな議論を]

 3月23日午後10時から放映された、BS日テレ「深層NEWS」に生出演しました。

 テーマは「バブル再来!?で生活は 財布のヒモのゆるめ方」というもので、日経平均株価が2万円をうかがう好調な経済情勢は果たして実体経済を反映したものか、また、安心してお金を使っても大丈夫か、という内容でした。

 ゲストには私のほかに、日銀の国債買い入れの膨張を財政破綻シナリオだと批判する藤巻健史参議院議員(維新の党)でした。

 藤巻議員は今回の株価上昇を、異次元の金融緩和政策の結果バブルが始まりつつあることを示していると主張しましたが、私は1980年代末のバブルとは根本的に状況が違うと申し上げました。

 あの時は金利も物価上昇も現在とは比較にならない高水準で、株価は押しなべて好調、世の中全体が浮かれていたと言えますが、今はそうした経験を踏まえ、投資家はコーポレートガバナンスやROE、PERなどの指標から成長銘柄を見極めています。そして安倍政権が打ち出している成長戦略(法人税引き下げ、国家戦略特区制度の拡大、マイナンバー制度やイノベーションの後押しなど)も将来のビジネスにつながるという期待に間違いなく寄与し、好結果に結び付いているのです。

 安心してお金を使ってよいかについても、藤巻議員は「経済の好循環はごく短い期間だと思う」と懸念を示しましたが、私は「大手企業のベースアップに加え、下請け企業への外注費が増えれば、トータルとしての実質賃金の上昇による力強い消費の回復が見込まれる」と前向きな見方を示しました。

 そして25日夜には、地元の所沢市民文化センター(ミューズ)に茂木敏充元経済産業大臣をお迎えして、来たる県議選に立候補を予定している保守系市議会議員お三方(浜野好明・安田義広・岡田静佳各氏)とともに「ところざわ未来フォーラム」を開催させていただきました。それ以外の保守系市議会議員の方々も駆け付けて下さいました。

 市民の方々から寄せていただいた質問や、茂木元大臣の講演をもとに、財政と高齢化の問題、都市間競争における所沢の魅力、子育て・女性活力支援、地域活性化や規制緩和・農業改革など、多様な論点を取り上げ、充実したディスカッションができました。所沢は都市と自然があって住みやすいし通勤の便もよく、西武球団や狭山茶などの名産もあるのですが、道路が混雑したり市の真ん中に米軍通信基地が存在するなど、これから改善すべき点もあります。この米軍通信基地については市民の方々も参加し米軍との調整も行っている基地対策協議会の功績もあり、東西連絡道路が平成30年度に完成、31年度の供用開始が見込まれています。

 財政についても高齢者の活躍支援や収入・支出の改革などで改善を目指そうという方針が示され、これからは地方のアイデアと国との連携が鍵になってくるということを確認し合って統一選必勝を誓い合いました。

 国も地方も課題解決は決して容易ではありませんが、是非前向きな議論・提言・実践を重ねて未来を切り開いていきたいと思います。

平成27年3月9日

[日本の夜明けを確かなものに]

 昨日3月8日、立党60年となる自民党の党大会が開催されました。

 安倍総理は演説で、経済政策をはじめ数々の難題にこれからも立ち向かい、4月の統一地方選に勝ち抜いて、たそがれから新しい朝を迎えた日本の夜明けを確かなものにしていこう、と力強く訴えました。

 地方創生のためにも、しっかり今回の統一地方選で私たちが議席を確保することが必要です。ご支援をどうぞよろしくお願い致します。

[伝統と不利益解消の両立を]

 私が出演したテレビ番組が3月2日に放送され、渋谷区で検討されている同性カップルを対象とした「パートナーシップ証明」が話題となりました。

 賃貸住宅への入居や病院での面会など、現在認められていない権利を認められるようにするという内容で、確かに性的マイノリティーの方々の不利益解消につながると思います。

 私は弁護士ですし、自分が同性愛者だとカミングアウトした友人もいますので、極力そうした方々の不利益や差別をなくしていくことに賛成する立場です。

 しかし、こうした問題はむしろ国として議論するべきだと思いますし、どういう要件でどういう効果を認めていくのかは慎重に検討しなければいけないと思いますので、上記番組では「現時点では議論が不十分で時期尚早」と申し上げた次第です。

 世界に目を転じると確かに同性婚まで認めている国が、特に先進国で増えています。しかし一方同性愛を刑罰をもって禁止している国もあります。婚姻制度がその国の伝統や文化に応じて多様であることの現れだと思います。

 少なくとも日本においては、婚姻制度は典型的には男女が子供をもうける共同体として理解されており、そしてそれに着目して法律上の相続や同居義務、各種の税制上の効果などが認められています。無論現在において子供のいない家庭や母子・父子家庭など、家族のあり方は多様化しており、それぞれに対して対応が求められていますが、やはり一般の経済ルールなどと違い、日本を支えてきたこうした伝統や家族のあり方は大切にしていくべきだと思うのです。

 ちなみに現行憲法は24条で、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と規定しており、同性婚を否定する根拠として引用されることがありますが、これは結婚に戸主の同意などを必要としないとして昔の「家」制度から婚姻を開放する趣旨に基づく規定です。ただ、やはり同性婚を認めるには不自然な文言であることは確かでしょう。

 同性婚を認めるべきという立場の方々からは、「認めることによってどういう不利益が生じるのか」との主張がなされます。これについては昔から世界中で様々な議論がなされていますので、ここで詳しくは触れません。ただ、上記放送の中で私は「同性婚が少子化に拍車をかけるのでないか」と発言し、これが物議を醸しました。

 同性婚を制度化した国には、出生率がその後上昇した国も低下した国もあり、確かにデータ上同性婚が少子化をもたらしたと断言はできません。ただ、出生率の上昇は同性婚を導入したことによってではなく、他の少子化対策によってもたらされた可能性も高いわけですから、少なくとも自然な方法で夫婦間に子供ができる可能性のない同性婚を進めることで出生率が上がるという根拠はないと言わざるを得ないでしょう。
 「同性カップルは別に同性婚を認めるかどうかにかかわらず異性との間で子供をもうけることはない。少子化とは無関係だ。」というご指摘も数多くいただきました。これも番組出演前から想定していたことで、確かにそういう事例が多いと思いますが、バイセクシャルで現行制度の中において異性間の結婚により子供をもうけている方もいらっしゃるはずですから、「少子化とは無関係だ」と断言することができるかは疑問です。
 なお、もし(体外受精を含めた)何らかの方法で、こうしたカップルの方が子供をもうけた場合、その子供のアイデンティティなどの議論も必要になってくるでしょう。

 繰り返しになりますが、性的マイノリティーの方々の不利益や差別は極力解消していかなければいけないという立場ですので、例えば任意後見制度など現行法上認められている手法でどこまでのことができるかを議論したり、場合によっては権利保護のために既存の法律を改正することには決して反対するものではありません。現に、放送でも申し上げましたが、性同一性障害者の性別変更を認める法律も施行されており、こうした要件や手続を満たせば、同性カップルも結婚することができます。ただ、不利益を極力解消することと、同性カップルに異性間と同じ結婚を正面から認めるということの間にはやはり差があると感じるのです。

 ちなみに、私が党のヘイトスピーチ対策プロジェクトチームの座長代理であることから、「性的マイノリティー差別を行うヘイトスピーチを行う人物がこのような役職に就くのは不適切だ」という書き込みがツイッター上見られますが、このブログをお読みいただければ全くそのような批判が当たらないことはお分かりだと思います。(もちろん、今世界で議論している「ヘイトクライム」や「ヘイトスピーチ」が単なるヘイト(嫌悪)と違うことも承知していますし、これが現行法上の名誉毀損罪や侮辱罪でカバーされない部分があることが問題であることも承知しています。)

 皆様のご理解をお願い致します。

平成27年2月4日

[平和への祈り]

 過激派組織「イスラム国(ISIL)」が後藤健二さんを殺害した映像を公開しました。犯人グループに対する強い憤りを覚えます。後藤さんのご冥福をお祈りするとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。

 後藤さんが外務省から3度にわたり渡航中止を求められながらも、危険な取材を敢行したことには色々意見が出されています。ご本人は高い志を持って行動されたと思いますが、結果として日本政府あげての対応がなされ、それにもかかわらず最悪の結果となってしまったこと、そしてISILの世界に向けたアピールに利用されてしまったことは残念としか言いようがありません。

 私は2008年、福田・麻生内閣において、外務政務官として北米と中東を担当していました。当時、邦人の殺害やテロはあっても今よりは中東は安定していました。しかしその後、シリアの内戦やアラブの春などを経て、過激派指導者が暴力を背景に一方的に国家樹立を宣言し、社会に不満を持つ若者を世界中からリクルートするに至り、事態は変質したのです。もはや世界の危機です。

 ISILは、2邦人殺害予告動画が公開された6日後、世界中の支持者にテロを起こすよう呼びかけるメッセージを公開しました。
 また、ジャーナリストの加賀孝英氏が一部メディアで、複数の日米情報当局関係者から得た情報として、
 「米情報当局は昨年秋、以下のような報告書をまとめた。『世界各国から約2万人がイスラム国に傭兵として参加している。日本人も数人いるとの情報もある。その中の選抜メンバーに母国への帰国、母国でのテロ攻撃の立案、決行が命令された』。各国の危機が高まった」
 「イスラム国は当初、安倍首相の中東歴訪を重要視していなかった。日本国内などの協力者が、歴訪に合わせて『世界が注目するチャンスだ』と入れ知恵した可能性が高い。この人物を絞り込みつつある」
と述べていることは注目に値します。

 また、今回の邦人人質事件について政府に抗議する日本のデモの写真を、ISILがツイートしたり、日本人がISILアカウントに数多くアクセスしていることからすれば、ISILが日本国内の反政府活動を自らのプロパガンダに利用したり、知らず知らずのうちにISILの活動と日本におけるこうした活動に接点が生じてしまう可能性が絶無とは言い切れません。

 今回の人質事件における政府の対応を検証することは、類似事案を防止するために有意義だと思いますし、その過程で場合によっては政府への批判が生じることもあるでしょう。そしてデモは健全な民主主義国家にあって表現の自由により保障されるべきものです。

 しかし、検証に際して外交や安全上の秘匿情報があるのは当然ですし、上記したとおりこの件に関する活動には慎重さが求められると思います。
 国際的に見て、日本政府の今回の事件への対応は高く評価するメディアが圧倒的であり、これから日本が、日本にできる方法で、国際社会と連携してISILの活動を抑止するよう、毅然と行動していくことが必要だと考えます。

 人質とされていたヨルダンのパイロットも殺害されていたことが明らかとなりました。テロ撲滅への道は平坦ではありませんし、取り締まりだけでは解決できない根深い背景がありますが、決して許さない姿勢を堅持して法対応も含めて対応していかねばなりません。
 皆様のご理解をお願い致します。

平成27年1月26日

[世界に目を向けて]

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による邦人人質事件には、本当に怒りを禁じ得ません。

 日本の人道支援に言いがかりをつけて2億ドルの身代金を要求したと思ったら、湯川さんの殺害場面の写真を後藤さんに持たせて、第三国であるヨルダンで収監されている自分たちの仲間の死刑囚を釈放するよう働きかけを要求する・・・余りに理不尽です。

 ある国の人間を拘束し、その国と親密な別の国に対して理不尽な要求をする人質事件が横行したら、外交関係はめちゃくちゃになり、こうした犯罪はさらに増えてしまいます。

 「イスラム国」は、世界から若者をリクルートし、独自の価値観で、イラクからシリアにかけての現在の支配地域のみならず、アフガニスタンやイラク北東部にも戦線を拡大しようと試み、敵対勢力へのテロ攻撃を促進しています。今回の事件で、グローバル化社会にあって世界中に行き来・滞在する日本人が、決してこうした案件を対岸の火事ととらえることができないことを改めて痛感しました。

 共産党の志位委員長はテレビ番組で、「このような残虐非道な蛮行は、絶対に許されるものではない。強く非難する。人質を直ちに解放することを強く要求する。政府は、人命最優先で、解放のために、あらゆる可能性・手段を追求して、全力をあげてほしい。」とコメントするとともに、犯人グループを批判せず安倍総理を批判した同党議員について、政府が全力を挙げて取り組んでいる最中にそのような発信をすることは不適切だと述べています。おっしゃるとおりだと思います。私も政府の対応を応援し、事件が一番よい方向で解決することを祈るとともに、こうしたテロときちんと対峙するための制度設計の議論を加速していきます。

 別件ですが、先日日本を訪問した、カート・キャンベル前米国国務次官補とマイケル・グリーン元米国家安全保障会議アジア部長を、稲田朋美政調会長や、党に設けられた日本の名誉を回復する特命委員会の中曽根弘文委員長たちとともにお迎えし、いわゆる慰安婦問題など戦後70年を迎える日本とアジアのこれからについて意見交換しました。未来志向で中国や韓国と関係改善するために、私たちは現在の問題として解決しなければいけない諸案件に対処していかなければいけないと申し上げました。

 この党の特命委員会では私が事務局長を務めており、同じく担当しているヘイトスピーチ問題などとともに道筋をつけるべく議論を加速し、提言にこぎつけることを目指します。

[難題山積の通常国会]

 これ以外にも、党の規制改革委員会のメンバーとして農協改革について議論したり、これからの財政再建について検討を本格化する作業に入ります。また、昨日開会した通常国会では、引き続き法務委員会に所属し、債権法や刑事訴訟法の大改正に取り組みます。
 まだまだ課題は山積していますが、これからも全力で走り続けることをお誓い致します。

平成27年1月19日

[政治の歯車を、前へ]

 昨夜、民主党の代表選が実施され、新代表に岡田克也氏が選出されました。

 私はこれからの日本が、自民・非自民の不毛な対立から、政策本位の真の二大政党制に向かうためには、いわゆるリベラル色を前面に出した長妻昭氏が選出されるべきだと(外野席の立場ではありましたが)思っていました。しかし、細野豪志氏が選ばれたら政界全体の世代交代が進むきっかけになるだろうとも思っていました。

 1回目の投票で細野氏がトップに立ったのはさすがだと思いました。
 おそらく自民党では40代の候補が(たとえ1回目でも)トップに立つことは難しいでしょう。しかし他国のリーダーを見ると、若手がトップに立つことは決しておかしいことではありません。

 ただ、党員・サポーター票を見ると、岡田氏が上回っています。実績と、細野氏が代表になった場合の保守系野党との連携への警戒があったと思われ、これはこれで理解できる結果です。
 続いて行われた決選投票の結果、3位の長妻氏に投じられた国会議員票の多くを獲得したと思われる岡田氏が、次の代表に選出されました。

 民主党の結束は保たれ、当面今の政界地図が変わることはないでしょう。しかし私は感じています。「理念本位の二大政党制」と「世代交代」は両立させるべき課題だと。そして政治の歯車を着実に前に進めるべく、私も頑張っていきます。

[エネルギー問題への第一歩]

 年末・年始には税制改正や予算の議論に加え、私が関心を寄せている公的金融問題の議論や、委員長を務めている党の再生可能エネルギー普及拡大委員会における再エネの系統接続制限問題の議論が活発になされました。

 前者においては、政策投資銀行や商工中金の民営化は残念ながら少し先の話になりました。現時点におけるセーフティーネット融資や成長マネーの出し手が、民間できちんと育っていないことに鑑みると、やむを得ないのかもしれません。ただ、そうした民間の資金の出し手を育てるための検討をきちんと行うよう強く要望し、この問題の検討PT根本匠座長の提言に折り込まれました。

 後者においては、旧電力会社が再エネの系統接続制限を容量不足を理由に無制限・無補償で行い、かつ家庭用小規模発電にも適用しようという内容の省令を、経産省がこの1月13日に施行しようとしていたことにストップをかけて議論を行い、接続可能量の再検証や、出力抑制する場合のルール・公表の仕組み、監視システムの早期の立ち上げなどを明記してもらうこと、小規模発電については地域ごとのより細かな基準を設けることなど、明記・修正してもらうことで了承しました。
 河野太郎議員をはじめ、メンバーの議員たちとの熱い論議で、よりよい内容になったと思います。また、パブリックコメントが単なるガス抜きではなく、制度をよりよくするための重要なプロセスであることもより明らかにできたと思います。

 エネルギー問題は原発再稼働や廃炉・除染も含め、これから難しい局面が続きます。これを第一歩としてこれからも頑張っていきます。

 講演依頼に地元イベント等、忙しい日々を全力でこれからも駆け抜けます。

平成27年1月7日

[切れ目なき活動]

 皆様におかれましては素晴らしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 当選の余韻を噛みしめるいとまもなく、昨年は12月30日まで党本部で税制改正の議論、年明けには地元回り、少し体を休めて昨日は党本部の仕事始めと、慌ただしい日程を過ごしました。

 税制改正論議は選挙後ということもあり、特に経済再生・地方創生に対する参加議員の熱心な議論が際立っていたと思います。
 メディアには「踏み込み不足」「金持ち優遇」などの批判もありますが、例えば私が(財政の党における政策責任者でありながら)法人税減税に向けて力を込めて進めてきたのは、「努力が報われ、世界に通用する日本」を創り上げるためでした。だからこそ、前回のこの欄に書かせていただいたとおり、利益が出なくても課税する外形標準課税の拡大には一定の理解を示しつつ、頑張る中小企業にはきちんと配慮する措置を設けるべきと主張してきたのです。結果として賃上げ分の付加価値額からの控除や付加価値額40億円未満企業の負担軽減などかなり満足できるものになったと自負しています。

 「地方重視」「中小企業重視」と言っても、結局のところは「お金を出せる人がきちんと地方でお金を回していく」ことを進めていかなければ、どんなに国がセーフティーネットを充実させても活力にはつながりません。その意味では、生前贈与の促進や新環境基準のエコカー減税などは、力になるだろうと思うのです。

 また、これはあまり報道されていないことですが、私が党の日本再生ビジョンで訴えた「金融改革」の一つである「銀行の事業会社の株式保有の見直し」についても対応がされています。保有株式に対する受取配当への課税強化です。グループ会社として必然的な株式保有や、受取配当が契約者配当金として利用される損保会社などに配慮しつつも、それ以外の課税を強化することで株式保有コストが引きあがることになります。

 オープンイノベーション型を拡充する研究開発税制の見直し、本社機能の地方移転なども税制の観点から後押ししていきます。

 無論税制だけではなく、さらなる景気対策も議論しています。円安による負担の軽減や地域振興券などに活用できる交付金の拡大など、単純なバラまきに陥らない、地域のアイデアも盛り込んだ景気対策がまとまったと思います。

[激動の予感]

 しかしながら、私の担当する、公的金融改革や総合取引所実現に向けたハードルは未だ高く、また再生可能エネルギーの普及に関しても、せっかく燃料電池や風力・熱活用などの事業が進もうとしているのに、キャパシティー不足を理由に接続制限が必要以上に拡大しようとしています。特区制度についてもさらにメニューや地域を充実していく必要があり、稲田政調会長が苦労されている規制改革も待ったなしです。

 安倍総理が「改革をさらに進める」と高らかに宣言していますが、一方で統一地方選や来年の参院選を考えると、そこにひきずられて改革のスピードが鈍るのでないかとの疑問の部分もあります。
 その意味からも、昨年違憲状態と判断された参議院選挙制度改革、野田前総理と安倍総理の約束である衆議院定数削減などを含め、きちんと進めていかなければいけません。

 社会保障制度をどうするのか、安全保障法制をどうするのか、難しい問題が山積しています。私は全力で今年も時に壁に体当たりし、安倍政権を支え、必要な時にはきちんと声をあげていく所存です。
 皆様の引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。

平成26年≫

平成26年12月12日

[感謝の向こうに]

 嵐のような選挙戦が終わり、本当に多くの方々の献身的なご尽力のおかげで5期目の当選を果たすことができました。

 師走の慌ただしい中、自らの仕事を持ちながら、また議会中にもかかわらず、連日選挙事務所に駆けつけていただいた民間企業の方々や市議会・町議会議員の方々、県議会議員、首長の方々、厳寒の駅頭に朝晩立ってパンフレットを配って下さった方々、ポスターの裏貼りや証紙貼り、選挙葉書の処理をして下さった方々、受付をして下さった方々、選挙カーを運転して下さったりウグイスをして下さった方々、各種団体で推薦をいただいた方々、必勝ビラを送って下さった方々、激励に訪れて下さったりメッセージを送って下さったりした本当に多くの方々・・・
 そして事務所のスタッフに、心から感謝申し上げます。

 改めて選挙は一人では何もできないということを痛感しました。それとともに、これからインターネットがますます発達する情報社会にあって、選挙の仕方も変化が必要になってくるのではないかとも感じました。これから検討していきたいと思います。

 他陣営も必死の選挙戦でした。
 ただ、広報物を見てかなり事実と違う記述がされていることには疑問を持ちましたし、特に書かれた問題の地元の当事者から「このような有権者を惑わすビラをまく候補には絶対負けないで下さい」というメールや激励もいくつもいただき、闘争心に火がついたのも事実です。

 小さい政府をより突き詰める維新の党と、平等色の濃い民主党・・・政治理念が正反対の両党が候補者調整をしたことも、どのように選挙に影響するか気掛かりでした。バラバラの政党が政権を取ったら大変だと理解していただけるとは思いましたが、事前の世論調査で自民党圧勝という報道が各社から出されたこともあり、自民党に対する批判票がかなり流れるのでないかとも感じたからです。

 地元の方々の反応は、序盤・中盤はかなり良かったですが、最後の2日間は他陣営の必死の巻き返しもあり、かなり押し込まれた感覚があります。楽な選挙などないのだと実感しています。

[皆様との約束]

 選挙戦を通じ、中小企業の皆さん・市民の皆さんが、肌感覚で景気回復が実感できるようにしたいと訴えてきました。国会に戻ったらすぐ税制改正や年末の予算の議論が待っています。
 まず消費税増税の延期をしっかり決めるとともに、ずっと取り組んできた法人税の減税を着実に実行したいと思います。ただ、それに伴い外形標準課税の強化が取り沙汰されているのが気掛かりです。
 私は党の財務金融部会長として、利益がなかなか上がらなくても真面目にチャレンジしている中小企業が損をしないよう、検討を深めていきます。

 この欄で議論をしており、応援に駆け付けて下さった塩崎厚生労働大臣も「この道のエキスパート」とおっしゃって下さっている、上場企業の企業統治のあり方(コーポレートガバナンス・コード)の策定もいよいよ大詰めですので、しっかり関与していきます。それ以外の諸課題にも全力で取り組みを進めます。

 地元に関係する課題としては、米軍通信基地の東西連絡道路の開設、国立リハビリテーションセンターへの東京パラリンピックトレーニング施設の誘致、三芳スマートインターのフル化といった公約に掲げた事柄の他、所沢駅前再開発や、西部・東部のインフラ開設などの利便化についても費用対効果の観点からきちんと後押ししていきたいと思います。

 皆様からいただいたご恩をしっかりお返しするよう全力を尽くしますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します!

平成26年12月2日

[いざ、出陣!]

 いよいよ今日、衆議院総選挙の公示日を迎えることとなりました。

 2年前皆様から再び信任をいただき、安倍政権が発足してから、総務副大臣として放送・情報通信・郵政・防災・地方行政などの課題に取り組み、衆議院内閣委員長として国家公務員法改正・国家戦略特別区域法制定などに尽力し、そして自民党財務金融部会長として、企業統治改革・法人税減税・消費税増税延期などに関わって参りました。

 地元においても、いかに国の財政が限られた中で有効なまちづくりをお手伝いできるかという観点で、浄化センター廃止に伴う所沢市の補助金返還負担の大幅な免除、米軍所沢通信基地東西連絡道路開通に向けた着実な取組み、三芳スマートインターチェンジフル化に向けた働きかけ、今年の豪雪被害における国の補償の充実、太陽光エネルギーの普及、商店街の活性化などで成果を挙げることができたと思います。

 対立候補が、例えば米軍所沢通信基地の問題が進んでいないと主張していますが、この間も所沢市の基地対策協議会が国や民間有識者たちと連携して着実に道路開設に向けたルートや費用の策定などを進めており、しかも国で今回日米ガイドラインの改定をした場合、様々な米軍基地問題における米国側の配慮・譲歩が進むことが期待されると私が自民党国防部会において防衛省に確認した事実もあります。目に見えなくてもしっかり物事が進んでおり、このような批判は当たりません。

 この2年間、アベノミクス「三本の矢」により雇用の改善、賃金の上昇など、景気には着実に明るい兆しが見えてきました。これに対し、野党は「雇用の改善といっても正規雇用が非正規になって数が増えているだけじゃないか」とか、「物価の上昇を考慮した実質賃金は減っているではないか」などと主張し、最低賃金の引き上げなどを主張しています。
 しかし、正規雇用はこの間9万人が主に高齢者の定年によって減っているのであり、若年層については逆に増える傾向です。かつ、雇用全体はこの間全体で100万人増え、有効求人倍率は22年ぶりの高水準、47都道府県全てでアップしています。実質賃金についても、主に消費税の引き上げに賃上げが追い付いていないことが伸び悩みの主要因であり、これは今回再増税の延期をすることによって解消が見込まれます。

 とはいえ、大企業を中心とした企業の高収益が、中小企業や地方、一人一人の暮らしに実感をもたらしているかと言えば、それはまだ道半ばであり、引き続き持続的な成長を全国津々浦々に届けることが私の使命であると確信しています。そして前回この欄で書いたとおり、そのためには第三の矢の充実などに民意の後押しが必要で、ここにこの度の解散の大義があるのです。

 加えて、外交・安全保障の強化、社会保障改革など、様々な課題が山積する中、今この歩みを止めたり逆戻りすることは許されません。

 私、しばやま昌彦は「正直者がバカを見ない社会の実現」という初当選以来持ち続けている熱い理念を忘れることなく、皆様とともにこの戦いを勝ち抜いていく強い決意です。野党が候補者を一本化するなど、報道よりはるかに厳しい戦いが予想されますが、理念なき数合わせではこの国が混乱することはこれまでの幾多の事例から明らかです。是非とも変わらぬご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます!

[景気回復、この道しかない。~しばやま昌彦5つの覚悟]

 前回のこの欄で言及しましたが、円安対策や中小企業対策など、アベノミクスをさらに行き届いたものに強化し、併せて私が今回皆様に発表する公約は以下のとおりです。

1.持続的な成長戦略の加速と実質賃金の上昇!
 ~経済再生・財政再建という車の両輪を進めます~
 ・消費税引き上げの延期
 ・エネルギー価格対策、老朽インフラ整備、イノベーション支援やクールジャパン戦略などの景気対策
 ・財政健全化への着実な取組み(目標の堅持)
 ・成長志向型の法人税改革→数年で法人実効税率を20%台に引き下げ、中小企業の理不尽な負担は回避
 ・コーポレートガバナンスの強化、賃金や下請けへの配慮の要請
 ・公的・準公的資金(GPIF等)のあり方の見直し

2.地方創生/中堅・中小企業、農業等の活性化!
 ~地方創生により、雇用と賃金を増やします~
 ・まち・ひと・しごとづくり、人口減少による空き家問題への対処など
 ・IT利活用を含む地域活性化の推進、戦略産業の育成
 ・地産地消、6次産業化・輸出促進などによる攻めの農業
 ・三芳スマートインターチェンジのフル化
 ・国立障害者リハビリテーションセンターへの東京パラリンピックトレーニングルーム施設の誘致などを通じた地域活性化
 ・原発依存度低下と「新エネルギー戦略」の構築

3.女性の活躍支援と、働き方改革、社会保障制度の充実!
 ~暮らしの安心・安全を守ります~
 ・子育て新制度・学童保育などの充実
 ・「103万円の壁」「130万円の壁」などの見直し、多様な働き方の支援と処遇改善
 ・健康産業活性化と、後発薬の役割・予防インセンティブ・保険外併用療養費制度などを重視した医療、救急医療とかかりつけ医の役割分担
 ・自治体と連携した介護の改革、自立を前提とした生活保護制度の見直し

4.憲法改正、外交・総合安全保障の確立!
 ~地球儀を俯瞰した積極的平和外交を推進します~
 ・積極的平和外交の推進による国際平和への貢献、正確な情報発信
 ・自らが自らの国を守れる体制づくりに向けた新憲法の制定
 ・北朝鮮による拉致問題、核ミサイル問題、テロなどへの対処

5.未来に向けた国づくりの推進
 ~教育制度の充実、自らの身を切る改革を断行します~
 ・世代を超えた教育の充実、土曜授業促進や教科書検定・採択制度の見直し、大学改革、英語教育の充実
 ・国民の期待に応えうる定数削減を含めた国会改革、行政改革など、国家統治機構の大幅な見直し
 ・大震災等、非常事態に対応した「国家緊急事態体制」の整備

平成26年11月22日

[解散の裏側]

 衆議院は昨日11月21日、解散されました。

 突然の解散と思えたのは、前回11月4日のブログにも書いたとおり、日銀がいわゆる「黒田バズーカ」とも言える大胆な国債の買い入れ額増加等を内容とする金融緩和を発表したことが、市場のテコ入れを通じて「景気は支えるし、財政カードも切ってしまったから、消費税率は予定どおり上げて欲しい」というメッセージそのものだったからです。

 消費税率引き上げを、三党合意という国会の圧倒的な数による決定を(たとえ景気条項で法律上認められているとはいえ)、覆して延期することは、国民の意思を問う正当な理由になると思ってはいました。しかし上記のとおりそれが遠のいたかと思ったのを、17日に発表された7-9月期の実質GDPが吹き飛ばしました。
 前期比マイナス0.4パーセント、年率換算マイナス1.6パーセントと、この予想外の落ち込みではやはり消費税率引き上げは延期せざるを得ません。

 野党の皆さんは「この落ち込みはアベノミクスの失敗だ」と言われますが、全くのお門違いです。
そもそも今回の消費増税行程は、通常の「●パーセント引き上げ」というのみならず、「今年の4月に3パーセント、来年の10月に2パーセント」という極めて短期の間に2回引き上げるというものだったため、国民の間には「大きな買い物はとにかく前倒ししなければ」という駆け込み需要が相当大きくあったのです。その反動減が深く長いものであることは、ベースとして実施されているアベノミクスの失敗とは結びつきません。現に、11月14日から16日にかけての日本テレビの世論調査でも、「あなたは消費税率の10パーセントへの引き上げが先送りされた場合、それはアベノミクスが失敗したことだと思うか」という問いに対し、思うと答えたのは32パーセント、思わないと答えたのは51パーセントだったのです。

 今回の解散の大きなテーマは「アベノミクス是か非か」であり、それは取りも直さず「三本の矢のうち本当に重要な第三の矢、すなわち規制改革などの成長戦略」を進めることの是非でもあります。自民党内でもいわゆる岩盤規制の改革にかなり抵抗があり、安倍総理の支持率が下がるようなことがあれば途端に「安倍おろし」が起きる可能性もあります。

 野党が批判し、身内からの異論もあるこのアベノミクスを、さらに力強く進めるためには、再度の民意の支持が必要なのです。

 もちろん、この欄に書いたとおり、行き過ぎた円安の副作用に対する対策も必要ですし、大きなテーマとなっている「地方創生」のためにも、地方や中小企業で、また家計のうえで、アベノミクスを実感できるように行き届いた対応が必要になります。それを付加的に政権公約に掲げたものを、後日この欄でも紹介致します。
 野党はまた耳触りのよいバラまき政策を打ち出してくる可能性がありますが、是非グローバル化した中における日本のあり方として、私たちの公約とどちらがふさわしいか、冷静にご判断いただければ幸いです。

 師走の選挙でご迷惑をおかけしますが、ご理解賜りますようお願い致します。

 野党の皆さんは、集団的自衛権・特定秘密保護法隠しだともおっしゃいますが、全く隠すつもりはありません。日本を取り巻く環境の変化に応じ、しっかり法律で歯止めをかけながらこうした取り組みを進めることが重要です。
 また、定数削減の野田前総理との約束が反故にされているとも主張されていますが、これについては自民党は明確に、衆議院において選挙区5の定数削減に加えて比例区も30減らすという案を主張しています。それを野党が受け入れず、国会全体の問題なので第三者委員会を設置してその答申を尊重して議論しようという中での今回の解散であること、既に違憲状態とされた選挙区の定数削減は今回の選挙で実現していることを、是非ご理解いただければ幸いです。

 しっかりと頑張り抜くことをお誓い申し上げます!

平成26年11月4日

[日銀の断固たるメッセージは・・・]

 日銀が10月31日、金融政策決定会合で、資金供給量・長期国債の買い入れ量を共に年間80兆円に拡大するなどの追加緩和策を決定したことに、市場は大きく反応しています。

 折しも直前の29日、FRB(米連邦準備理事会)が、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、好景気を理由に10月一杯で量的緩和を終了することを決定したばかりでした。このタイミングでの日銀の上記発表は影響を倍増させました。

 私は自民党の財務金融部会長として、経済情勢や年末の消費税増税について次のとおりコメントしてきました。
 「米国の利上げ観測がくすぶる中、日本が追加緩和を行うと言った瞬間、円安は加速する。アベノミクスは正しい道を進んでいるが、行き過ぎた円安は8%への消費増税と相まって中小企業の経営を圧迫し、実質賃金の伸び悩みをもたらす副作用をもたらす可能性がある。(10月14日、ロイター)」
 「日本経済は消費増税の反動による消費の落ち込みなどが厳しく、現時点では10%への消費税再増税に耐える力はまだ戻っていない。これから年末にかけて発表される経済指標が景気回復の兆しを見せるものでなければ、勇気を持って増税延期を決断すべきであり、金融緩和はその決断によって生じるかもしれない不測の事態に備えたカードとして取っておくべきだ。(10月28日、ブルームバーグ)」

 しかしこれに対し、日銀は真っ向から逆のメッセージを発したというわけです。記者たちにコメントを求められ、私はただ一言言いました。「日銀のメッセージはただ一つです」
・・・消費税を予定どおり10%に引き上げるため、市場のテコ入れを図ったとしか考えられないという意味でした。

 しかし今回の決定が5対4というギリギリの判断だったことからわかるとおり、これからの道は困難を極めることが予想されます。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産運用が国債から株式への大幅なシフトをもたらすことが発表されたことを考えると、確かに政策に整合性は取れていると思いますが(国債の消化可能性は確保)、中小企業・低所得者対策をきちんと講じつつ、いかに財政規律を保って「第三の矢」による成長を目指すかが問われます。

 課題は山積しています。
 衆議院では労働者派遣法改正案が質疑入りしました。これまで硬直的で実態にそぐわなかった法規制を緩和しつつ、派遣社員の意に反する固定化がされないよう、延長のための手続の法定や雇用安定措置・教育訓練の充実などを内容としたものですが、民主党などが強硬に反対しています。新産業の起爆剤となり得るIR(カジノ)法案の今国会での成立も微妙になってきました。
 また、私も関与している規制緩和や国家戦略特区の充実、歳出の合理化も政治的に大きなパワーを必要とします。

 「政治とカネ」で揺れる国会ですが、重要課題にはしっかり対応することが求められます。折しも総理が予算委員会で、3年前に私が当時の枝野官房長官に対して行った革マル派に関する国会質問に言及されて話題を呼んでいますが、これは「政策論議が重要だ」という意図を持ってなされた発言であると理解しています。

 さらに、10月30日には党本部にて、「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」が立ち上がりました。過去の日本の慰安婦問題などに関する名誉を回復し、外交上生かしていくための重要な委員会で、私が事務局長を拝命することになっています。

 引き続き全力で頑張りますので、ご指導賜りますようよろしくお願い致します。

平成26年10月13日

[エネルギー政策の重要な局面]

 原子力規制委員会が、福島第一原発事故について検証した中間報告書をまとめました。

 炉心溶融などの原因について、国会事故調査委員会は地震の揺れである可能性を示唆していましたが、今回の報告書はそれを否定して「津波による浸水が原因」であるとの見解を示しています。

 10月10日に実施された自民党原子力規制に関するプロジェクトチームの会合で、規制委員会からこの報告書を英文にして対外的に発信すると表明がありました。しかし私はこれは極めて慎重に行わなければいけないと思っています。

 この報告書に従えば、福島第一原発で事故を起こし、今なお多くの放射線を出し続け、地域住民の生活を一変させた、1970年代から稼働している最古の格納容器マークⅠを擁する福島第一原発は、マグニチュード9、震度6強の地震があっても、津波さえなければシビアアクシデントは起きなかったということになります。
 原発が世界各国で製造されようとしているこの時期にこの報告書がもたらす影響は極めて大きく、日本の原発の安全性確保に向けた取り組みや対外戦略が修正を余儀なくされる可能性もあります。

 私は上記自民党の会合で、国会事故調のメンバーをこの報告書作成にあたって関与させたのか、発表した後に誤りだったということのないように反対論を含めた分析を充分行うべきでないかと意見を述べました。
 規制委員会側の説明では、国会事故調は既に解散しておりメンバーを関与させてはおらず、この報告書を送付はしたが現時点で異論を受けていないとのこと。また、現在規制委員会が作成している原発の安全性基準をこの報告書により緩和することはないとのこと。

 手続としてそれで充分なのでしょうか。また、現在の安全性基準がそのままということは、それが過剰規制だと世界から指摘されないのでしょうか。

 折しも、九州電力などで太陽光発電の新規購入が見直される動きが相次いでいます。固定価格買取り制度で割高になっていることは確かに大きな原因だと思いますが、今後の発送電分離を見越した送電線投資、電力の会社間の融通の拡大、高度システムによる需給調整、料金制度の改革などをしっかり進めないと、原発への依存度低減や再生可能エネルギー普及が進まないことになりかねません。

 原発先進国のフランスですら、原発依存度を今後減らす方針を明確にしているのです。日本が時代に逆行した政策を取らないよう、しっかりチェックしていきます。

[首の回らない日々]

 党の幹部や同僚から、引き続き次々と電話による仕事の依頼が相次いでいます。上記エネルギー問題でも今度設置するという委員会の委員長を依頼されました。いつも「それは〇〇さんの方が適任では・・・」と訴えるのですが、なかなか効を奏しません。地方創生、TPP、皇室問題・・・様々な課題を担当します。
 また、予算委員会が終わって衆議院では各委員会の審議が始まっていますが、私は法務委員会の与党を代表しての運営責任者である筆頭理事を拝命することとなりました。党の財務金融部会長である以上、衆議院でも財務金融委員会の理事を務めるのが慣例なのですが、そちらは通常の委員でよいから法務委員会の筆頭理事をせよとの自民党国会対策委員会からの指示・・・かくなるうえは、法務委員会の進行がそれだけ大事な局面なのだと自らを納得させ、全力で取り組むしかありません。

 各種セミナーや講演、(内外含めた)取材、シーズンを迎えた地元イベントなど、目の回る忙しさですが、見ている人が見ていると信じ、首の回らない中でこれからも頑張ります。

平成26年10月5日

[悲しみを超えて]

 9月27日の御嶽山の噴火は、自然災害の恐ろしさを改めて感じる大惨事となりました。

 このブログを書いている時点で51名もの方が亡くなられており、行方不明の方も数多く残っています。亡くなられた方々とそのご遺族に心からお悔やみを申し上げるとともに、政府には引き続き救助活動や周囲の方々の安全確保など、必要な措置を迅速に取るよう求めます。

 広島の土砂災害もそうですが、こうした一つ一つの災害の教訓を生かし、悲しみを超えて、減災・避難などの取組みをさらに進めていかなければいけません。副大臣をしていた総務省は消防行政を所管していましたが、政府全体の課題だと思います。

[始まった論戦]

 いよいよ秋の臨時国会が始まりました。各党の質問は、景気対策などしっかり受け止めるべきものもありますが、今の政権とそもそも寄って立つ理念の違いを示すものもあります。

 基本的に安倍政権の考え方は、自助・共助の理念に基づいています。すなわち、
「これからの少子高齢化に対応するため、活力を生む様々な創意工夫を応援する」
「複雑化する国際社会に対応するため、外交力・自衛力等国益を守る多様な手段を確保する」
という前向きなものです。

 例えば武装集団「イスラム国」への対応に見るまでもなく、国際社会が武力を含む辛い選択をせざるを得ない時、日本はいつまで異質であると主張し続けることができるのでしょうか。そもそも、今の国連を、日本が中心となって安全保障理事会など根本的に改革する必要があるのではないでしょうか。野党の集団的自衛権をめぐる議論を見ると、認識がきちんと持てているのか不安になります。

 民主党の海江田代表は、私たちが懸命に取り組んできたGPIF改革による年金積立金運用の改善を「株価操作」と切り捨て、産業構造の変化に対応したり実態に即した雇用条件の改善を目指したりしようとしている労働法制改革にも後ろ向きです。
 みんなの党の浅尾代表も、郵政に関して私たちの改革・民営化路線に対抗し、ゆうちょ銀行の資本を国が主導して減少して復興財源にあてるよう主張しています。

 特に後者は総務副大臣として関心を持ってきた分野です。日本郵政は上場に向けて幹事会社を11社決定し(私は日本郵政の金融子会社であるゆうちょ銀行やかんぽ生命の上場も行うべきと主張しています)、民間への株式売却によって国の財政改善を図ろうとしています。ゆうちょ銀行の資本減少をするかどうかも基本的に民間企業が経営戦略に基づいて決めることです。
 ちなみに郵政はお荷物とみられてきた日本郵便も、物流改革や不動産活用など、積極的な民間経営で利益を生む体質に生まれ変わりつつあります。この前向きな流れを逆行させるべきではありません。

 やはり、理念や哲学が違う政党とは明確に一線を画すべきです。そして、方向性の違う野党が「非自民」の旗のもとに結集することも国民のためにはならないと確信しています。

平成26年9月20日

[静かにして断固たる船出]

 党の情報調査局長、財務金融部会長を拝命することが決まり、早速活動を開始しました。

 情報調査局長の活動としては、次長となる議員を数名決め、お願いする作業をしています。また、報道をはじめとする情報の収集及び分析、党の各部局へのフィードバックのシステムを再構築しました。

 財務金融部会長の活動としては・・・

 まず前回のブログで述べたような私の財政や金融に関する問題意識を共有できる部会長代理や副部会長の選任を目指し(とはいえ、党の公的な組織ですから、党サイドとも協議のうえ質・数双方の観点から充実した陣営としました)、全員に私から直接就任のお願いをし、快諾をいただきました。

 そして財務省や金融庁から、所管業務についてや部会の進め方などについてヒアリングを連日続けています。
 その過程で、内容などで納得のできない点を忌憚なく述べさせてもらったり、他分野を所管する議員や省庁との調整をお願いしたり、私が重要と考える分野を部会の議題に加えてもらったり、様々なキャッチボールをしています。

 いくつか例を挙げれば、来週の24日に、いつも党の内閣部会(私が衆議院の委員長をしていた内閣委員会の党での検討組織にあたり、省庁横断案件を扱う)で内閣府の月例経済報告を検討する会議が開かれるのですが、今年末の消費税の扱いをどうするかの判断に景気動向が密接にかかわっていることや、この場で日銀からも金融経済月報や短観(全国企業短期経済観測調査)などの報告があることから、これからしばらくは特別に、当該会議を財務金融部会との合同会議として欲しい旨、秋元司内閣部会長に私からお願いして快諾をいただきました。ここでしっかりと経済動向について私たち財務金融部会のメンバーにも議論に参加させていただき、関連する金融政策についても色々意見を申し上げるつもりです。

 また、その次に開催される部会で、臨時国会提出予定法案を議論する際に、追加議題として、日本再興戦略で「東京証券取引所と金融庁を共同事務局とする有識者会議において、秋頃までを目途に基本的な考え方を取りまとめ、東京証券取引所が、来年の株主総会のシーズンに間に合うよう新たに」策定すると明定された(というか、塩崎恭久議員や私たちが明定させた)コーポレートガバナンスコードの検討の進捗状況報告を盛り込みました。

 それ以外にも(既に議員立法まで準備されている)証券・商品などの総合取引所実現のための準備状況をどうチェックするか、金商法におけるプロ向けファンドについてどのような考えでどう規制について検討していくのか、日進月歩の決済システムについての規律をどうするか、法人税改革に伴う財源をどうするか(一義的には党税制調査会の議題ですがこちらでも検討)など、目先の課題は山積しています。厚労省で議論しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革も財政や金融市場に関係がありますので、注視する必要があります。
 また、前回のブログにも書きましたが、特例公債法(法改正によりかつてのように毎年は議決を政局に絡めることはできなくなりました)の関係で、歳出改革をどのように目指していくのかも考えていかなければいけません。

 奇をてらったことはするつもりはありません。しかし、静かにして断固たる船出を目指します。

[相次ぐ仕事の依頼]

 これら以外にも仕事の依頼が相次ぎ、地元に帰る時間を取ることがますます難しくなってくると思います。しかしここでしっかり汗をかくことが日本の再生のために必要だと自分に言い聞かせ、努力を重ねて参ります。

平成26年9月13日

[異例の人事]

 9月3日以降、順次内閣改造・自民党役員人事の変更が行われています。

 今回の内閣改造は、支持率が高水準の中で挙党体制の確立のため行われたとあり、なかなか難しいものがあったと思います。ただ、政権が女性の活躍を広く応援する立場を明確にしたこともあって、
1.主要閣僚の留任
2.過去最多の5名の女性閣僚の登用
3.未入閣の先輩方からの選任
というコンセプトでの改造が、国民の方々の一定の理解を得られたことにはホッと胸をなでおろしています。

 党人事についても、野党時代の自民党の党勢回復に尽力した谷垣禎一元総裁を幹事長に登用するといったサプライズが好感を持たれました。

 今回の改造に際して、地元をはじめ多くの方々から私の処遇への期待の声をいただき(Yahooで私の名前を検索すると「入閣」というキーワードが出てきます)光栄だったのですが、私自身は上記コンセプトがある程度わかっていましたので、「今回は大それたことは考えておらず、与えられた持ち場で全力を尽くします」とコメントしていました。

[実はこだわっていた役職]

 しかし実はその陰で、是非やりたい役職があったのです。今回の組閣に先立ち、未入閣で当選回数5回以下の自民党の全議員に対し、幹事長室から希望役職調査票が配られたのですが、そこにある第1希望から第5希望の欄で私がたった一つ書いたのが、「財務金融部会長」でした。

 これは党の中で、財務省や金融庁が所管する法案などについての検討を行う、財務金融部会の責任者です。これから大変な局面を迎える消費税率の再引き上げや、法人税率の引き下げなどは、党の税制調査会において議論するのですが、財務金融部会長になると(他の部会長もですが)他の議員に先立って発言する権利も与えられます。

 今年の前半、党内で成長戦略(日本再生ビジョン。これが政府が発表した「日本再興戦略]の原案になった)を作る際、塩崎恭久政調会長代理の命を受けて、「法人税率の引き下げ」「コーポレートガバナンス改革」「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革」「総合取引所の実現」「株式持ち合いの見直し」「地方金融の見直し」などの、提言の柱とも言える部分の作成に関わりました。
 ゴールデンウィーク期間中、深夜や早朝にメールのやり取りをしたり、議員会館で財務・金融当局と火花を散らせる激論を交わしたりしてようやく取りまとめられたのが今回の提言です。

 また、国際競争力を高める観点からの法人税率の引き下げについては、若手の経済に関心のある議員たちとともに勉強会を立ち上げ、当初は消極的だった党の税制調査会を動かし、来年度から実施するという文言を入れてもらいました。

 おかげさまで今回の成長戦略は好感をもって受け止められましたが、これをしっかり実現するためには不断のチェックが必要です。
 また、夏の概算要求が合計で初の100兆円に達し、このままでは財政再建に大きな足かせになると感じています。確かに「地方再生」「国土強靭化」は重要なテーマですが、歳出の効率化や改革はしっかり進めていかないといけません。

 より根本的には、大量の国債を日銀が引き受けたり、公的金融機関や公的ファンドが拡大を続けるという現状が果たしてどこまで続くのか、という懸念があります。
 時には民間の市場マインドを持たねばならない金融当局と、金利の暴騰による国債の返済不能を防がなくてはいけない財務当局のマインドがずれる場合もあるのではないか、そしてかつて小泉政権のもとで目指されたような、規制緩和と事後チェック機能の強化、公的金融の民営化へのシフトという方向が、真の強い経済のためには必要なのではないか・・・

 しかし残念ながら、こういったメンタリティーを持つ議員は、自民党の中では(少なくとも幹部クラスでは)少数派と言わざるを得ません。「上げ潮派」「改革派」の政策は確かにデフレ下にあってはそぐわないものもあるでしょうが、これからは二大政党制の時代です。日本の力強い未来のためにも、私のような人間が、自民党の財務金融部会長になって政策に関与することが持つ意味は極めて大きいと自負しているのです。

[激動の10日間]

 9月3日午後、就任したての稲田朋美政調会長から私の携帯電話に連絡がありました。「安倍総理は今回の人事に賭けている。政調会長のもとに少人数からなる政策検討チームを作るので、是非そのメンバーに入って欲しい。」というものでした。それに対して私が「政調会長、私の希望役職調査票をご覧いただいていますか?」と尋ねると「まだ見ていません。」とのこと。「会長を直接支える立場も大変光栄だと思いますが、私は今回財務金融部会長のポストにかなりこだわりを持っています。どうか各議員の希望役職をご覧のうえ検討いただき、再度お電話をいただけますか?」とお返事しました。
 同日夜、党の行政改革本部長に内定した河野太郎議員からも電話があり、「行政改革に力を貸して欲しい。是非副本部長を受けて欲しい。」とご連絡がありました。私は自民党の無駄撲滅プロジェクトチームの一員として河野議員と仕事をしていましたし、確かに歳出削減は今回の私のテーマではあったのですが、私からは「現在政調会長と部会長人事で調整中なので追って連絡します。」とお答えしました。
 後日、谷垣禎一幹事長からも携帯電話に直接連絡がありました。「平将明さんの後任の情報調査局長をお願いできないか。」という趣旨でした。情報調査局長は、報道をはじめ様々な情報を収集し、分析のうえ広報本部や必要な各部局にフィードバックする大切な役職です。しかし私からはここでも「現在政調会長と部会長人事で調整中なのですが、兼職が可能か教えていただけますでしょうか。」と僭越ながらお答えしました。

 参議院の役職が未定ということもあって人事が難航する中、色々調整をしていただき、幹部の皆さんには大変ご迷惑をおかけしました。人事案件は党総務会での承認手続が必要ということもあって、揉めることはないだろうかと胃の痛い日々が続きましたが、結果として、私の人事は、党情報調査局長兼財務金融部会長ということに落ち着きました。行政改革副本部長のポストは結果としてお受けできませんでしたが、歳出削減の観点から行政改革本部とは密に連携を取り合うということになりました。

 実は党の国会対策委員会からも連絡があり、まだ大きな役職を受けることになりそうですが、決まったらまたお知らせする所存です。また国会が忙しくなると地元日程や講演依頼などとの調整が難しくなりそうですが、全力を尽くして参ります。

平成26年8月24日

[内外の悲報]

 広島市で発生した土砂災害で、既に46人の方の死亡が確認されています。行方不明の方は41人。一刻も早い救出を祈るばかりです。

 この夏は猛暑のみならず、前線の停滞により日本の特定の地域で大変な豪雨となったのが大きな特徴です。温暖化対策も急務であると実感します。

 目を海外に転じれば、中東地区での市民を巻き込んだ戦闘、イラクの政変、諸外国からの関与もある過激派の動向などが、ニュースや動画サイトなどで注目を集めています。米国がどのような対応をするかが注目されますが、おそらく極東対応(米中軍用機接近など)でかなり勢力が分散されることに鑑みれば、日本もそれぞれの問題で応分の筋を通すことが求められます。

 私の立場でも提言・活動をしていきたいと思います。

[慰安婦問題などで進展]

 8月21日、政府が進めているいわゆる慰安婦問題の検証の報告と今後どうするかの検討が、自民党本部にて行われました。

 政府は対象となっている女性の日本軍による強制連行はなかったと主張していますが、これまでの河野談話はそれと食い違う表現となっており、それが国内の歴史教科書の記述や諸外国での日本の評価に悪影響を与えていました。

 この日の検証では、韓国がこの問題の金銭的補償請求権を不問とする旨明言しながら、日本側の談話の作成・修文に強く関与していた様子が明らかにされました。要は、もう蒸し返さない代わりに事実と異なる談話を出さされたという日本の外交的配慮に基づくものだったということです。

 今回朝日新聞の検証記事でこの問題が再度クローズアップされましたが、私はこの日の会議で、「今後教科書検定の変更や国内啓発を進めるためにはさらなるしっかりとした事実の発信行為が必要であるし、米国で慰安婦の石碑などが韓国コミュニティーのロビイングで建設が進むことを例えば訴訟などで阻止したりすることも、世界的な人権機関のお墨付きがなければ難しいだろう。そのための対外的働きかけも不可欠だ。」と発言しました。
 併せて、今党内で検討していると報じられているいわゆるヘイトスピーチの規制に関しても、「この慰安婦問題など根底にある部分の解決が必要な中、表現行為の規制は内容・手段等慎重にするべきだ。」と発言しました。

 高市政調会長は、今後政府に新たな談話の発表を求める提言を党としてしたいとするとともに、ヘイトスピーチに関してはそれを特別の規制対象とすることはないと明言しました。

[裁判員裁判の意義]

 この日別の会議では、児童虐待死事案で裁判員の関与した判決が、被告夫婦に検察が求刑した懲役10年を上回る15年の判決だったのを、最高裁が破棄して10年と8年とした事案も議論されました。

 判決では他の判決との公平性を破棄の理由と訴えていますが、これまで被害者や国民の感情とかけ離れた軽い判決が続いたのを是正するのも裁判員制度の導入趣旨であることに鑑みれば、比較するのは「他の判決」ではなく「他の裁判員判決」であるはずです。しかも、本件のような児童虐待事案などについては、その緻密な類型化が進められているのはつい最近のことだと思います。

 これまでの裁判に問題があったという認識を持たず、裁判員裁判がこれまでの判決と異なる刑を出すにはその根拠が具体的・説得的に判示されるべきであるとか、裁判員間の評議が十分なされたと思えないとか判断するのは、司法官僚の上から目線に基づくものではないでしょうか。

 会議で私は、検察も含め、過去の量刑を考慮する際はそれが裁判員裁判によるものなのか、またいかなる事案に基づくものかを精査し、裁判員裁判の趣旨を没却しないように強く訴えました。

[地元の行事も佳境]

 夏祭りなど地元の行事を精力的に回り、沢山のご激励をいただいています。これからもしっかり頑張ります。

平成26年7月28日

[怒涛の出張]

 6月下旬、地域振興・科学技術や戦没者追悼式への出席のため沖縄に内閣委員会として出張しましたが、この7月20日から26日まで、インドネシア、シンガポール、インドと同じく委員会として出張しました。

1.最初の訪問国は、大統領選投票直後のインドネシア。庶民派ジョコ氏が接戦を制するのでないかという報道の中、イスラム圏ではあっても安定した社会・経済情勢であることが伺えました。ここでは「クールジャパン」の具体的な展開を視察するとともに、今後の課題を調査しました。

 AKB48にならって結成され、日本のメディアでも取り上げられた「JKT48」のステージでは、日本から参加したメンバーが活躍している様を見ましたし、伊藤忠商事と仮面ライダーでおなじみの石森プロが製作した「ガルーダ戦士BIMA」では、日本の子供向け戦隊番組に現地スタッフによる「ローカライズ(その地方ならではの味付け)」がうまくはまって大ヒットしている様も見ました。

 ともすると日本の素晴らしさをアピールしようと焦りがちですが、まず「何が現地で受け入れられるのか」を、現地の方々の視点も交えて入念に市場調査することが必要です。この点は私が総務副大臣の頃から繰り返し主張してきたところです。

 また、日本のサービスや物のコスト高が他のアジア国との競争のネックになっている問題も如実にわかりました。特にビジネス展開初期における日本の支援が不可欠であることがわかるとともに、著作権の二次利用やキャラクターグッズないしイベントなど波及効果をもたらす産業の裾野をいかに広げるかも課題として痛感しました。
 日本の農産物の輸出などは、ハラルフーズ認証(イスラム圏ならではの食材や調理法の制限を守っていることの認証)や検疫などの壁はありますが、高品質や安全を売りに、富裕層相手のビジネスチャンスはあると感じました。他の日本企業の事業展開には外資規制などの問題もあります。現地でのロビイングのみならず国として交渉することも必要です。

2.二番目の訪問国は、IR(カジノ)法案の参考のため、日本が見習うべきと考えたシンガポールです。他にIT教育の先端であるフューチャースクールの一つ義安中学での実態調査や、日本でのGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)改革の手本となり得るGIC(シンガポール政府投資公社)の訪問・ヒアリングも行いました。

 ちなみにフューチャースクールは日本よりかなり先を走っている状況で、全生徒のIT環境の整備はもとより、課題解決のために、学校横断組織の研究機関が立ち上がっていたり、生徒のITリテラシーやマナーへの配慮もありました。各中学生が3Dプリンターを使いこなせるというのはすごいです。
 GICは、専門家による理事会が(政府の任命、方針の承認というフィルターはあるものの)ガバナンスをするシステムになっており、外貨準備高を元手に「いかなる額を、いかなる期間で」運用するかを、取ることのできるリスクなどをもとに純理論的に検討している様子がよくわかりました。

 カジノについては、内閣委員会で臨時国会の目玉法案となることもあり、ビジネスマン向けと言われるマリーナ・ベイ・サンズホテルと、家族向けと言われるリゾート・ワールド・セントーサを共に視察し、前者については実際に宿泊するとともに小一時間ではありますが実際に手持ちのお金で体験もしてみました。(ちなみにルーレットを細々とやって日本円で400円強の負けでした)

 前者は米国資本が経営主体であり、豪華さが売りとなっていながらも入場規制などが極めて厳格になっている様子がわかりました。後者はシンガポール資本が主体であって、訪れるお客さんのリゾートニーズを巧みにつかみながらお金を落としてもらう様子、最新鋭のIC活用などの工夫がわかりました。

 2010年にカジノをスタートしてから観光客が2倍近くに増え、施設の収益も大きく改善するなど効果があることはわかりましたが、ギャンブル依存症やマネーロンダリングなどの弊害をどのように防止するかが重要な関心事です。

 この点シンガポールではカジノスタートの5年前から対策組織や法律を整備するなど綿密に準備を重ねてきました。
 カジノ規制庁、社会家庭振興省、警察当局をはじめとした政府各機関が、カジノへの入場規制や顧客登録制度の厳格化、業者のプロファイリングの徹底、限度額規制、家族からの中止申し出の制度化、国際的な犯罪防止協力などで協力し合っている様子が伺えました。マカオや韓国などの事例と一味違うと感じましたが、これらについては秋に始まる国会でしっかり議論してもらいたいと思います。

3.最後の訪問国は、マイナンバー制度と生体認証(指紋、虹彩、顔写真)を結び付けて住民登録を整備しているインドです。通信IT省やユニークID庁といった機関を訪れ、その効用とセキュリティーやプライバシーなどへの配慮についてのヒアリングを行いました。

 貧富の差が激しく、福祉サービスが十分行き渡らないインドでは、女性や子供の保健衛生の確保とともにこうした徹底した住民登録制度が必要なのだと痛感しました。そしてNECやアクセンチュアなど、日本企業がこうした最先端の技術支援を行っていることを誇らしく思いました。現在12億人の人口のうち、この登録を半分が完了しているとのことです。

 ヴァルダン保健・家庭福祉大臣や、暗殺されたラジブ・ガンディー元首相の義理の妹マネカ・ガンディー女性子供開発大臣と会談するなど中身の濃いミッションとなりました。

[猛暑の中を行く]

 帰国して、各種講演や地元活動などで忙しい日々が戻ってきました。暑さに負けずしっかり頑張ります。

平成26年6月30日

[怒涛の全力疾走]

 通常国会が終わりました。

 この欄で紹介させていただいた骨太方針や日本再興戦略など、おかげさまで(紆余曲折はありましたが)何とかこれまでにないインパクトのあるものがまとまったと思います。
党の側で盛り込んだ政策も数多く(この後紹介させていただくエネルギーの提言もそうです)、もうメディアも「政高党低」などと言わなくなりました。政府から党に戻ってきた自分としてはちょっと嬉しい気分です。

 前回のこの欄で書かせていただいた、集団的自衛権などを扱う自公与党協議もようやくまとまる方向です。私も自民党内での議論に参加し、積極的に発言してきましたが、主張してきたとおり「固めの」解釈変更に落ち着きます。また、武力行使を伴う集団安全保障の枠組には(たとえ国連決議があっても)、これまでどおり参加しないことになり、一部の反対勢力が言う「子供を戦地に送ろうとしている」という批判は的外れなものとわかります。

 最後27日の党内会議で私が「この作業は、慎重な政府解釈の変更であって、決して『解釈改憲』と言われるものでないことを周知徹底していただきたい」と発言したことに、高村副総裁も石破幹事長も賛意を表明して下さいました。高村副総裁は「柴山さんのおっしゃることは一人一人の議員がきちんと言ってもらわないと」とコメントされていました。

 折しも29日には北朝鮮が短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射しています。同国は、これは通常の軍事訓練で日朝の拉致問題の実務者協議などには影響しない、とコメントしているようですが、きちんと真意や影響を分析して対応することが必要です。

 これ以外では、あまり報道されていませんが、戦後最大の消費者問題である安愚楽牧場事件で、被害者の方々から政府の対応(特に民主党政権時代)の不備を理由とした国家賠償請求訴訟が提起されました。
 私も自民党のこの件に関するプロジェクトチーム座長として政府に働きかけをしていたところ、森消費者担当大臣から誠意ある対応をする旨記者会見で言及があったことは一歩前進ではないかと思います。

[エネルギー改革~脱原発依存~の第一歩]

 再生可能エネルギーなどの新規発電事業者からの小売契約を自由化する、電気事業法の改正案が今国会最終盤で成立しました。

 私は党の「電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会」の委員長として、この流れを本格化するための抜本的な制度改正を行うとともに、その新規事業が地域での景気浮揚に確実に結びつく道筋を提言として取りまとめました。作業にあたってくれた秋本真利事務局長やヒアリングに協力して下さった自治体・有識者の方々、高い要求に応じて下さった総務省・経産省をはじめとする役所の方々に感謝しつつ、以下に提言全文を掲げます。

平成26年6月19日

電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会 提言

自由民主党政務調査会
資源・エネルギー戦略調査会
電力全面自由化による地域の新規事業・新規雇用創出委員会

【総論】

 電力システム改革により、新しく開放される現在規制下にある約7兆5,000億円の市場について、分散型電源等の導入を促進することにより地域経済の活性化につなげる。計画及び実施にあたり、自治体が地域金融機関と連携しながら財源面の手当てを含めた総合調整を着実に行う。その経済規模は2030年までに1兆円以上とする。

電力市場全体における新規参入事業者(現在の一般電気事業者系以外の新電力)の比率については今後10年で3割を目標とし、併せて、既存電力会社間の競争も進め、消費者の電力間乗り換え率については料金規制撤廃までの期間内に1割以上を目標とする。また、すでに自由化されている部門についても市場の開放をさらに促進し、その実現のために独立規制機関による規制を導入する。

【各論】

1.公平な競争環境の整備

(1)我が国のエネルギー供給の将来像については、「電力システムに関する改革方針」(2013年4月)において、小売及び発電の全面自由化や送配電部門の中立性の一層の確保等を中心に改革を進めることとされ、大規模集中電源から分散型電源の割合を高める方向での議論が行われている。

 需給逼迫等の環境変化により、電力需給を均衡させるための手段として分散型エネルギー等への期待が高まっており、分散型エネルギーの一例として、地域の自然資源を利用した太陽光、風力、バイオマス、小水力等の再生可能エネルギーや水素による発電や熱供給等に大きな役割が期待されている。また、多様な主体による発電事業への参加や需要管理の実現など、多くの主体がエネルギーの生産・消費に積極的に関わることのできる環境整備が目指されている。


(2)このような状況の中、地域において分散型エネルギーの導入を促進するためには、その前提として、電力市場への参入障壁が撤廃され、公平な競争政策が徹底されることが必要である。そのためには、電気事業の規制に関する事務をつかさどる行政組織を、独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織へ一日も早く移行させること(電気事業法の一部を改正する法律附則第11条第6項)が必要である。

 送電分野は公益的独占事業となるため、新たな行政組織を中立性を担保するための独立規制機関とすることが大変重要であり、その独立規制機関は、利害関係者や他の行政主体及び政治から独立し、予算や人的資源が自立していることが必要である。

特に法的分離の場合は、送配電会社が別会社化されるとしても、旧垂直統合事業者から分離された発電事業会社が小売り事業会社と資本関係を有することから、同じグループ会社間での取引が優先的に行われていないことを監視することが必要であり、独立規制機関を国家行政組織法第3条や第8条に基づく組織とすることも含めて検討し、独立性・専門性の高い組織とする。

独立規制機関は、託送料金、インバランス料金が適正かどうかを判断し、認可する。また、市場における独占が行われていないかなどの監視や卸電力取引所の活用状況のモニタリングを行い、非対称規制の実施も含め、既存電力会社と新規参入事業者の市場独占率の適正化を図る。発電事業者と送配電事業者の取引の透明性を担保し、情報公開を進めていく。需要家への料金メニュー等の説明義務が果たされているかなどについても監視を行う。送電線の増強計画についても送配電事業者への監視・是正を行う。併せて、送配電部門の中立性が確実に担保されるよう、送配電事業者の役員の兼職に関する厳格な規制などの様々な行為規制を立案し実施する。さらに、災害やテロ等の危機管理が必要となる緊急時にも最終的な安定供給が確保されるよう、関係者間での適正な役割分担を図る。


(3)競争市場が創設され、公平に運営されているかを測るための目安が必要である。市場での新規参入事業者(現在の一般電気事業者系以外の新電力)の比率が、3年で1割、10年で3割を市場開放の目標とする。既存電力会社間の競争状態、競争の進展についても独立規制機関はモニタリングを行い、実質的な競争を実現する。

有力な新規参入主体のひとつであるガス業界は、2030年までに、①コージェネレーション容量を3,000万kW(系統への逆潮分1,000 万kWを含む)、②家庭用燃料電池を500万台、③ガス空調については電力ピーク換算2,600万kW相当とすること等を掲げている。これらを合計すると、3,800万kWから4,300万kWの電力ピークカット効果や、年間 826万kℓ(原油換算)の省エネルギー効果等が見込まれる。これらの数値を達成すると、市場で15%のシェアとなる。


2.地域における分散型エネルギーの導入促進

(1)電力システム改革は、エネルギー供給事業者の相互参入、新たな技術やサービスのノウハウを持つ様々な新規参入事業者の参入を促し、エネルギー市場を活性化し、地域金融機関の資金の活用をはじめ、地域に資金の好循環をもたらすことが期待されている。ただし、地域によってはインフラの未整備が、エネルギーに係る多様な事業主体の立ち上げのネックとなることが多い。

 発電事業や熱供給事業などの地域のエネルギー供給事業と、それに必要な送電網や熱導管などの分散型エネルギーインフラに対する投資が同時に進めば、この好循環は自立的な軌道に乗ることが期待できる。しかし、インフラ整備については、初期投資から資金回収までに相当の期間を要すること等から、自治体が主導的な役割を果たしながら、地域金融機関をはじめ、地域の総力を挙げた取り組みが必要である。なお、熱供給に伴うインフラ投資額としては、1地域の平均単価として約50億円が想定できる。

 また、地域のエネルギーインフラの整備にあたっては、大規模集中電源との接続を含めた総合的な協力関係の構築と全体システムの設計が必要であり、数多くの関係者を含めた事業調整が不可欠であるため、この点においても、自治体による調整に大きな期待が寄せられている。

 これらの自治体の役割を支援するために、地域活性化事業債や過疎対策事業債などを柔軟に活用していかなければならない。


(2)需要地の近くにある分散型エネルギーの促進の観点からは、託送料金の体系を検討することでメリットが生じるケースがある。ただし、託送料金が割高となるケースも考えられるので、託送料金や低圧配電網の運用について今後の制度設計の中で検討するべきである。


(3)地域において分散型エネルギーの導入を促進するためには、消費者保護を担保した上で、消費者の選択肢を拡大するべきである。

 海外の事例では、消費者保護と開かれた電力市場の観点から、市場取引を誰でもリアルタイムで見ることができ、各電力プロバイダーの提供するメニューについても、価格・環境性能などの比較サイトも充実している。こうした取り組みにより、単に表面的な価格だけではない良質な電気を消費者が選択する際の参考となっている。

地域における分散型エネルギーの導入促進にあたっては、消費者の選択肢拡大の目途となる市場での達成目標を導入する。具体的には、料金規制撤廃までの期間内で消費者の電力間乗り換え率を1割以上とするなどの数値を設定する。

また、消費者の電力会社乗り換えにあたっては、できるだけ簡素化された手続きを採用し、消費者の二度手間を避けるなど、消費者の利便性を最大限確保する。

また、消費者保護の観点から、電気料金の明細表示も必要である。現在、燃料調整費と再エネ賦課金に関わる部分については電気料金票に明示されているものの、その他課金されている税金や、原子力発電に関わるコスト、送電線にかかる費用などについては、まったく記載がないことは問題である。電気料金の課金システムを透明化することで、消費者の選択の幅を広げることが可能となる。


3.地域の活性化

(1)分散型エネルギーの導入により地域を活性化するには、地域コージェネレーションにより、エネルギーコストを削減しつつ、地域の物的及び人的資源を活用することが有用である。特に、木質バイオマスの利用は、地域における雇用創出の効果が高く、農村に新しい富をもたらす。例えば、木質バイオマスを利用した地域エネルギー事業において、総務省の試算では、1箇所あたり少なくとも50人の新規雇用が期待されている。さらに、バイオマス先進国であるドイツでは、2012年には約12万8,900人の雇用が創出されている。

 また、発電事業や熱供給事業などの地域のエネルギー供給事業にとどまらず、地域全体のまちづくりを見直し、先端技術を積極的に導入するスマートシティを目指すことも有効である。


(2)スマートシティとは、エネルギー利用と「情報」を組み合わせた新しい都市管理の在り方である。エネルギーの需給量を電子データで管理し、供給・需要双方に合わせたエネルギー管理を実現する。具体的には、需給逼迫時の自動需要コントロールや、需要低減時の自動供給コントロールなどである。同時に、これらの情報を蓄積することにより、ある程度の予測的調整・管理も可能となる。

 比較的小さな地域レベルでは、まずこれらの電子的管理システムを導入し需給調整を行い、広域的には、複数の都市の管理データを集めて精度の高い予測的調整・管理を実施することが可能となる。

 スマートメーターの我が国での普及については、現時点では一般電気事業者が2024年までに全戸に普及させるという目標を持っているが、国としても、小売り全面自由化から2年で5割、5年で8割などの数値目標を目途として進捗を管理することが求められる。


(3)バイオマスを我が国に普及促進するにあたり、以下のような障害があると報告されている。

①新型発電設備の輸入の支障

 我が国のバイオマス発電設備は、石炭火力発電技術を転用したため、残材利用ができない、熱電供給ではないなど、非効率なものが大変多くなっている。一方、欧州のバイオマス発電設備は残材利用を基本としている上、熱電併給が基本となっている。

 しかし、欧州製のボイラーを導入するためには、電気工作物としての規制を受けるため、事実上、輸入することは困難となっている。欧州製ボイラーの輸入が容易となるよう、一日も早く関係規格の取り込みを行う。

②熱事業と電気事業の異なる法体系

我が国の最終エネルギー消費の現状においては、熱利用を中心とした非電力での用途が過半数を占めている。我が国では、熱供給事業と電気供給事業は別の法制下におかれているところ、熱の有効利用を促進していくためには、電力・ガスシステム改革と併せて、事業規制や料金規制を緩和し、熱供給事業に新規事業者が参入しやすいよう加熱能力規模や熱媒体条件を見直すなど、熱供給事業法の改正が必要である。

以上


[これからの課題]

 党所属の人たちの発言が問題になっています。私たちはいつでも緊張感を持ち、謙虚にかつ地道に活動しなければいけません。国民の信頼はあっという間に失われるものです。
 反省の念を込め、夏休みに入っても、内閣委員会での国内・国外出張や、地元での活動などしっかり続けていきます。メディア取材なども次々と入っていますので対応していきます。

平成26年5月19日

[急がば回れ]

 安倍総理の諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)がついに集団的自衛権等に関する報告書を発表しました。

 現在、米国にかつてのような世界の警察としての役割が期待できないようになり、かつ、尖閣諸島やベトナムなどで中国が緊張感を高めています。北朝鮮の核開発・ミサイルの動向も目が離せません。
 このような状況の変化の中、日本が取れる方策としては、
1.自らの国を自らが守り切る軍事力の整備か、もしくは
2.同盟国と必要に応じて多様な連携を取り、勢力の均衡により脅威を抑え込む
しかありません。(国連を通じて対応するということはまず期待できず、ましてや「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持(日本国憲法前文)」するというような担保のない方法が実効性を有しないことは多くの国民が実感しているところです。)

 今まで実戦を経験していない自衛隊が、しかも予算の制約のある中で、1の方法を取ることは当面できません。となれば現実的には2の方法、すなわち集団的自衛権をオプションに加えるしかないのです。

 しかも時代は日本国憲法ができてから大きく様変わりしました。東西冷戦とその終焉、民族紛争や地域紛争の多発、テロ組織の国家との複雑な関係などの中、グローバル化に伴い世界の一部の脅威が大きく周辺に影響をもたらすようにもなりました。
 安保法制懇の報告書は、武装集団による不法行為や退去に応じない外国潜水艦に対応するなど警察権と防衛出動の間のグレーゾーンをどう扱うかや、在外邦人の救出、PKOにおける駆け付け警護などの新たな課題にも指針を示しています。

 こうした対応をするなら、憲法の明文を変えるべきで、政府の憲法解釈を変更するべきではないという主張も見られます。しかしそれは二つの意味でまずいと思います。

 一つは、理論的な問題。集団的自衛権は個別的自衛権とともに、国際法上行使が認められている権利です。日本がこれまで「わが国を守るために必要最小限の武力の行使とは言えない」と政府が当時の国際情勢に応じて解釈していただけですから、上記のように国際情勢が変わり、慎重な検討と安定的な要件を設けるならば、やはり政府の解釈で変更できるのが筋です。現に自民党の改正憲法草案では、自衛権と国防軍の存在は明記していますが、集団的自衛権行使を認める、といった明文はありません。

 もう一つは、憲法改正には多くの時間を要し、現に生じている現下の事態に対応できないということです。

 これから公明党との協議を本格化させるわけですが、大事なのはしっかり国民的理解を得ながら進めること、あと、集団的自衛権行使を認める場面をなるべく限定することです。国民の多くは、日本が解釈変更をすることにより、海外での武力行使がなし崩し的に拡大したり、外国の戦争に日本が巻き込まれることを危惧しています。先ほど述べたように「集団的自衛権を認める方が安全なのだ」と誰もが納得でき、かつ、政権が変わったらコロコロ解釈が変わるようにしないようにすることが必要です。

 私も近く、憲法のタウンミーティングなどで出張座談会に出かけることがあろうと思いますが、丁寧に説明をしていきます。

[ラストスパート]

 成長戦略の取りまとめがいよいよ大詰めです。私の担当しているGPIF改革、コーポレートガバナンス改革、総合取引所の設置など、内容を仕上げる段階に来ました。
 仲間たちと取り組んでいる法人税引き下げの勉強会もいよいよ提言を党や政府に申し入れます。また、電力システム改革で地域での発電を雇用につなげるという党の委員会を立ち上げ、エネルギーの新たな未来を作るという、リベンジ・プロジェクトを立ち上げました。さらに今週は皆が驚くリベンジ・プロジェクト第二弾も計画しています。

 寝不足の日々が続きますが、まだまだ走り続けます!

平成26年4月28日

[議員10周年、いばらの道へ]

 4月25日、衆議院議員に初当選してから10周年を迎えました。

 本当に色々なことがありましたが、ずっとこの仕事を続けていられるのもこの間支えていただいた皆様のおかげであり、心から感謝申し上げます。

 昨日実施された鹿児島2区の補欠選挙同様、逆風の中での初当選でした。それだけに昨日の補欠選挙の勝利はとても嬉しいですし、難題に取り組んでいる安倍政権への信任を示すものだと考えます。

 特に直前の日米首脳会談の成果は特筆すべきものがありました。私は金曜日の内閣委員会で、TPP交渉を日米首脳会談と並行して行った直後の甘利大臣に対する質疑(直接は地域経済活性化支援機構法改正案についてのものでしたが、TPP交渉についての質疑も行われました)を委員長としてリードしながら、その成果を確信しました。

 鹿児島など農産地では、砂糖や畜産物など重要5品目の関税を維持しなければ生活が成り立ちません。確かにこれから農協・全農をはじめ、様々な改革をすることにより農業の競争力をつけなければいけませんが、それには現場の協力が不可欠で、ここで無理にTPPの合意をしたらそれらの改革が一気に水の泡になりかねませんでした。また、関税維持をうたった国会決議違反だと非難され、国会の承認を得られたかどうかもわかりません。

 交渉は着実に進展しており、米側にも相当の譲歩を迫るものとなっているはずです。中間選挙を控え、かつ議会から交渉決着権限を取り上げられたオバマ大統領も苦しい立場にあるのです。今回の交渉の最大の成果は「決裂させずに継続協議を行える環境を整備したこと」です。

 しかも目を安全保障に転じれば、現職のアメリカ大統領として初めての、尖閣諸島は日米安全保障条約の適用地域だとのコメントを引き出すとともに、中国の軍事的な挑発を牽制し、鹿児島や沖縄の安全確保にとっても極めて大きな意味をもたらす結果となりました。

 中国の領有権の主張に配慮したり、韓国に行ってから慰安婦問題に踏み込んだ発言をしたりしたオバマ大統領ですが、私は今回の首脳会談で安倍総理の求心力は高まったと確信しています。

 もっともこれから、さらなる成長戦略の実行や集団的自衛権の議論など、いばらの道はまだ続きます。安倍総理とは会食を共にするなど、色々意見を伝える機会が増えました。しっかり支えて参ります。

[決してあきらめずに政策を]

 先端的な規制緩和を行う国家戦略特区の指定がなされ、これから6月に発表される経済財政運営の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)の策定に向けた動きが加速化していきます。投資家たちはこの中にどのような政策が盛り込まれるかを注目しています。


 私が総務副大臣の時代から一貫して主張していた「日本郵政の金融子会社2社の早期上場」に西室社長が言及し、また、西武ホールディングスが予想以上の価格で再上場のスタートを切り、消費税率引き上げにもかかわらずまだ日本の行方に市場は期待をつなげている状況だと思うのです。

 私も、党の日本経済再生本部の中で、金融資本市場・企業統治改革小委員会の委員長として、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革やコーポレートガバナンス(企業統治)改革などの提言作りの作業に日夜追われています。

 また、若手の同僚議員たちと準備を進めてきた「新世代の税制を考える会」という勉強会を4月23日に発足させ、財務省や党の税制調査会の幹部が慎重な、法人税実効税率の大胆な引き下げを目指していくことを確認しました。税収中立を法人税の体系の中で、かつ単年度で図るという考えから、成長による果実で財政を好転させ、かつ歳出の効率化をしっかり目指していくという新しいモデルを打ち出します。無論、研究開発や投資促進のための税制措置は守っていきます。

 こうした作業が、例えば日経ビジネスの4月21日号に「新成長戦略、ROE向上に照準」という記事で取り上げられ、相次ぎ大手メディア(特に海外メディアが多い)から取材を申し込まれるようになっています。

 それにとどまることはありません。私がこれまで取り組んできた(一見挫折したと思われる)政策にも、光が差してきました。近く、リベンジ・プロジェクトをいくつか発足させます。

 地元でも座談会などでこうした取り組みを紹介していきますし、あきらめずに地道に続けることの大切さを訴えて参ります。

平成26年4月5日

[ノーベル賞学者たちの重み]

 前回のこの欄でも紹介しましたが、現在私が委員長を務める内閣委員会で、独立行政法人日本医療研究開発機構(いわゆる日本版NIH)法案の審議が進んでいます。

 少子高齢化社会にあって、健康長寿のために医療分野の基礎から実用化までの一貫した研究開発を強力に推進するため、健康・医療戦略推進本部(新設)の作成する計画に基づき、経産省、文部科学省、厚生労働省などの垣根を超え、産・学・官が連携して、医療分野の研究開発や環境の整備の司令塔を担う独立行政法人を設立するというものです。

 アメリカの予算3兆円を超えるNIHに比べると、1000億円少しと小ぶりのスタートになりますが、これまでともすると研究がバラバラで戦略性に欠けるとともに、資金提供者との橋渡しもうまくいかず実用化のための「死の谷」を超えられない事例をなくしていくための重要な法案だという意見が、昨日実施された参考人質疑でも示されました。

 参考人は、東北大学大学院の大隅典子教授、慶応大学の末松誠医学部長、ヒューマンサイエンス振興財団の竹中登一会長、ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長と錚々たる顔ぶれでした。

 一昨日には同じ問題を、内閣委員会と厚生労働委員会の合同審査という形で、菅義偉内閣官房長官、田村憲久厚生労働大臣出席のもと議論しました。私が合同審査会の委員長を務め、会場は予算委員会と同じ衆議院第一委員室でした。その場に、やはりノーベル賞受賞者の野依良治理化学研究所長も出席されました。

 両日とも、今話題となっている不正論文をどう防ぐかとか、研究所のガバナンスをどうするかという議論も展開されました。

 それにしてもノーベル賞受賞者たちをはじめ、一線の研究者たちの実態を踏まえた議論は大変有意義でわかりやすかったです。研究者のモラル、共同研究の際の責任分担や第三者チェック、今後の発展のためにも「研究記録」をしっかり残すことの重要性などなど今後の課題にしっかりと取り組んでいく必要を感じました。

[消費税がいよいよ8パーセントに]

 折しも衆議院では、地域医療介護確保推進法も上程されました。

 都道府県・市町村が地域の実情に応じて医療・介護の総合的な確保のための事業実施計画を定めることができることとし、都道府県がその事業のための基金を設ける際には国が必要な資金の3分の2を負担、その財源は消費税の増収分をあてるという内容です。

 これ以外にも、消費税は年金財政の健全化や待機児童解消などの子育て支援に使われます。

 いよいよ新しい税率となりましたが、こうした必要性を訴えるとともに、過剰な負担とならないための景気対策などに全力を尽くして参ります。

[それでもエネルギー政策の転換は必要]

 昨日は党のエネルギー戦略調査会で、エネルギー基本計画の修正案が了承されました。

 再生可能エネルギーの飛躍的な拡大と、高速増殖炉の役割の転換に関する記述は盛り込まれたものの、明確な「脱原発依存」の方向は明示されず、私としては不十分なものだと考えています。無論新しい原子力研究自体を否定するものではありませんし、それにより廃棄物問題などが解決されればよいとは思いますが、現時点ではエネルギー政策転換を経済と両立する形で進めるべきだと考えます。

 もっとも、UAEやトルコとの原子力協定に関しては、日本が協力しなければ中国などが質に劣る原発を輸出してしまうこと、相手国が濃縮・再処理(これをしてしまうと原発が「過渡的なエネルギー」でなく「恒久的なエネルギー」となってしまう)することへの了承はしないという政府答弁があったこと、党の正式な手続を経たことなどから、昨日の本会議では私も賛成の起立をした次第です。

[地元の桜]

 週末は地元のイベントなどで満開の桜を楽しみたいと思います。最近東京日程が忙し過ぎてなかなかこうした機会がありませんでしたが、しっかり地域課題にも取り組んで参ります。

平成26年3月27日

[総理と語った「次の矢」]

 ハーグでの核安全保障サミットの日程を終え帰国直後の安倍総理と、仲間の議員数名で都内にて会食しました。

 原発推進派の議員もおられたのでエネルギー問題についてはちょっとしか話題に出ませんでしたが(総理は私のスタンスはよくおわかりのようでした)、ハーグでの会談やロシア問題などについてはくだけた席ではありましたが色々伺うことができました。

 詳細は述べることを控えますが、総理がいかに「信念を大切にしつつ国際情勢をしっかり見ているか」を認識することができました。前回のこの欄で書かせていただいたとおり、まずは原理・原則を大切にする姿勢が大事です。そのうえで着地点を模索していきます。(ちなみに外交問題に関しては3月24日に「ビートたけしのTVタックル」に出演したところ、激励のメッセージを沢山いただきました。)

 特筆すべきは成長戦略についてです。

 法人税の引き下げや、私が主査を務める「党日本経済再生本部 金融・企業統治グループ」での案件について、出席議員の方々を含め、かなり認識を共有できたと思います。現在、6月に発表予定の提言取りまとめのため必死で作業をしていますが、しっかり昨夜の議論が反映できるよう、仲間たちと協力していきます。

[激務の日々]

 上記した党の日本経済再生本部の作業も含め、連日激務が続いています。

 昨日は委員長をしている内閣委員会で、政府の総合科学技術会議の司令塔機能の強化を図る内閣府設置法一部改正案が可決されました。今日午後1時からの本会議で私から経過報告をし、採決されます。その後には独立行政法人日本医療研究開発機構(いわゆる日本版NIH)の設立についての審議なども控えており、連日与野党の理事・委員の方々と協議させていただいています。

 ITについての基盤整備についても、党の戦略特命委員会での議論に参加したり、3月14日にはICPF情報通信政策フォーラムで「共通番号制度の可能性と個人情報保護」に関するセミナーのパネリストを務めるなど、微力ながら貢献しています。先週末石垣島で開催された政界・実業界・スポーツ界・文化界などのリーダーが集まるG1サミットでも、この問題について提言をまとめる役をさせていただきました。

 これ以外の業務も含め、引き続き一層頑張りますので、皆様のご指導ご鞭撻をどうぞお願い申し上げます。

平成26年3月11日

[あれから3年]

 東日本大震災から今日で3周年です。今年も、国立劇場で開催される追悼式典に、政府関係者はじめ多くの方々と出席致します。

 まだ仮設住宅から移ることができなかったり、仕事ができなかったり、家族などの大切な人や故郷を失った悲しみに苦しんだりしている被災者の方々が大勢いらっしゃるのに、震災の記憶が早くも風化しつつあるのが残念でなりません。

 私は自民党の青年局の一員として、小泉進次郎前局長の率いる「TEAM-11」という毎月11日に被災地を訪問して現場のヒアリングや視察を行う組織にたびたび参加してきました。全体としてがれき処理はかなり進んできていますが、福島第一原発の周辺ではまだ居住制限がされている区域が残るなど、復興には多くの行政課題があります。青年局を卒業した今後も、しっかり被災地に寄り添った政治を心掛けて参ります。
 また、現在与党で検討しているエネルギー基本計画が、震災をきっかけとした原発行政の反省にきちんと立脚したものであるよう、声を上げていきます。

[激動への対応]

 平和の祭典オリンピックの開催国ロシアがウクライナへの圧力で国際的な非難を浴び、世界情勢は一変しました。

 ソチパラリンピックには日本は参加し、選手団が活躍していますが、政府高官の派遣を取りやめた国も多かったようです。

 注目されるのは制裁を表明したオバマ大統領で、政治的に中間選挙を控えるなど厳しい状況の中、またシリア問題で腰砕けと批判された後、どれだけ毅然とした対応を取るのかが問題です。
 一方日本はロシアと関係を好転させ、北方領土問題を解決したり、共産主義を取る中国・北朝鮮への対応に有利な立場を築いたりしようとしていた矢先の出来事で、難しいかじ取りが求められます。

 「迷ったら原点に戻る」それぞれの地域の事情を考慮しつつ、国際的に非難されることは許さないという姿勢は大切にしないといけません。今北朝鮮がミサイル発射など増長しているのは、世界が原理原則を大切にする姿勢を失いつつあるからだと思うのです。

 私の立場で、きちんと提言していきたいと思います。

[より求められるリーダーシップ]

 外交も内政も激変しています。集団的自衛権の論議も、消費税率引き上げを控えた追加の景気対策も機動的に行っていかなければいけません。安倍政権には謙虚な姿勢を保ちつつもよりリーダーシップを発揮してもらう必要があるのです。

 構造改革が進まないことによる外国投資家の日本売りが始まっているとも言われます。ビットコイン問題など新しい事象への対応もですが、今の日本のシステムのあり方(ソフト、ハードを含め)をしっかり見直し、あるべきリーダーシップを支えて参ります。

平成26年2月22日

[想定外からやってくる大災害]

 2週続いての記録的な大雪により、各地で大きな被害が発生しました。

 群馬、埼玉などで24人の方々が亡くなり、道路が寸断されるなどして孤立状態に陥ったのは11都県50市町村231地区に及んだということです。農畜産物や建築物の被害も数多く、損害の全容はまだ明らかになっていません。
 自衛隊などの物的・人的規模に限界があり、ヘリコプターも悪天候でなかなか飛ばせない中、私の所にも他地域から問い合わせや要望が寄せられ、対応させていただきました。

 私の地元でもカーポートや倉庫の屋根が落ちたり、ビニールハウスが潰れるなどの被害が相次ぎました。隣の富士見市でも総合体育館のメインアリーナの屋根が潰れ、ニュースで放送されました。

 昨日の衆議院内閣委員会でこの件について何人かの議員が質問されましたが、古屋防災担当大臣や消防を所管する新藤総務大臣たちが災害発生前から懸命の努力をしていた様子が伺えました。ただ、ソチ五輪と重なってしまい、報道での取り扱いがなかなか大きくならなかったこと、ソーシャルネットワークなどをより機動的に活用するようにすることなどが反省点だと思います。
 今後も救出や食料の支給など万全の対応にあたるとともに、被害回復の後押しをすべく、特別交付税の計上などもしっかり行って欲しいです。

 今回の災害では、あまり日頃大雪が降らない所で大きな被害が発生しているのが特徴的です。雪国では豪雪の場合の雪下ろしや、危機対応の方法など経験が蓄積していますが、そういった経験がないこと、すなわち「想定外」が、当該地域のインフラや建築物の構造ですとか人々の行動に表れ、被害の大規模化を招いてしまったのです。
 大きな災害ではなかなか警察や消防に多くを頼ることはできません。日頃の隣近所のお付き合い・連携や、防災訓練などでいかに「想定外」の事態に備えておくかが実はとても重要です。こうした取り組みを喚起して参ります。

[ソチの感動]

 羽生選手の金メダル、葛西選手の銀メダル、浅田選手のフリー演技での大健闘など、連日オリンピックの感動で寝不足の日々が続きます。

 4年に1度、しかも運命の要素がかなり大きいオリンピックの舞台で、期待どおりの結果を出すというのは本当に至難の業だと実感します。日頃の厳しい練習に加え、大きな舞台で力を十分に発揮するためには何が必要か、これはオリンピック以外でもとても重要な課題です。かつてチャンスに強いと言われた野球の長島選手や清原選手、サッカーの中山選手たちは、大きな舞台におじけるのではなく、それを絶好のアピールの場と喜び、かつそこで得た成功体験を、次の修羅場でのプラスイメージの醸成に役立てたといいます。
 今の若い人たちにこうした「前向きな成功体験」を作っていくことが、本番に強い人材の育成につながってくるのだと思います。これからもより多くの「感動」を共有できるよう頑張ります。

[次なる課題へ]

 委員長を拝命し、多くの議題を扱う衆議院内閣委員会も本格的に始まり、それ以外にもエネルギー基本計画の検討、TPP交渉、金融・企業統治の見直しなど、私が関与する重要案件が山積しています。
 講演や取材も変わらず女性誌や海外メディアを含めバラエティーに富んだ依頼が相次ぎ、今日はこれから自民党愛知県連青年局のイベントに赴き、時局講演をして来ることになっています。
 一日一日を全力で過ごし、次なる課題へ挑戦して参ります。

平成26年2月10日

[雪と氷の祭典]

 ソチ五輪がいよいよ開幕しました。
 橋本聖子団長のもと、是非選手の皆さんには日頃の練習の成果を存分に発揮していただきたいと思います。

 冬季五輪では初めて男子の数を女子が上回る日本選手団。上村愛子選手は残念ながらメダルに手が届きませんでしたが、浅田真央選手や、地元所沢の早大人間科学部を卒業して西武園遊園地の「ウォータージャンプS-air」などで練習を重ねたスキースロープスタイルの高尾千穂選手たちを応援しています。
 無論、羽生結弦選手たち男子選手の活躍にも大いに期待しています。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに弾みをつけ、私たちをも元気づける、「日本の底力」を内外に示して欲しいと強く願っています。

[「ねじれ」を考える]

 東京都知事選は自民党が支持する舛添要一候補の圧勝に終わりました。

 脱原発を訴える宇都宮健児候補と細川護熙候補の合計票を、舛添候補が上回ったことから、今後の国の原発政策に影響が出るのではないかと取材を受けましたが、事実上の影響はともかく、関係ありませんと答えています。

 この欄でも触れたとおり、舛添候補は「即ゼロ」ではないですが穏健な「脱原発依存」の方向を記者会見で示していますし、有権者へのアンケートで示されているとおり都知事選の争点は原発問題だけではありません。私たち自民党エネルギー政策議員連盟も今回の都知事選には議連としては関与しない姿勢を貫きました。

 むしろ都知事選が終わったこれから、エネルギー基本計画など今後の国の方針の議論が本格化します。今週は、先日私たちが対外発表した「経済や海外情勢も踏まえ、原発新増設をせず、核燃料サイクルを見直す」提言を、政府や党に申し入れることにしています。

 それにしても・・・今回の猪瀬直樹知事の辞任劇は、議会と衝突する首長の困難を如実に表しました。確かに地方政治は、住民自治・団体自治の観点から、団体の長であり住民に直接選ばれる首長と、同じく住民から選挙で選ばれる議員たちによって構成される議会が、車の両輪となってお互いを牽制しながら政治を進めていくことになっています。しかしこの「二つの車輪」が逆方向に走ってしまうと、政治が方向転換どころか暗礁に乗り上げてしまう例が多々あります。

 大阪市についても同じことです。大阪都構想の推進を巡って首長と議会が対立し、それを調整することができないことから、選挙前の異例の橋下市長辞任表明となりました。

 しかし、仮に橋下市長が民意の信任を受けて再任されたとしても、議会の構成が変わらない限り市長の政策が達成される保証はありません。

 長く続いた国会の衆議院と参議院のねじれもそうですが、迅速な意思決定が求められる時代に、「慎重な政治」を目指したこうした制度が本当にそのままでよいのか、今後の検討課題となりそうです。

[相次ぐ講演・シンポジウムの依頼]

 地元・東京・地方と、講演依頼を相次ぎいただいています。内容は経済・税制改正・情報通信など極めてバラエティーに富んでいます。
 憲法や外交も含め、取材依頼も数多くあります。現在、党の日本経済再生本部の中で、コーポレートガバナンス(企業統治)について検討を進めているので、それに関する取材もいただいています。忙しい中でも、また寒い中でもこれからも全力で頑張っていきます。

平成26年1月31日

[この道しか]

 総理の施政方針演説等に対する各党の代表質問が終わりました。

 ちなみに通常国会冒頭の総理の演説が施政方針演説で、それ以外の特別会や臨時会冒頭の演説は所信表明演説です。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年を意識し、かなり高い目標を掲げました。プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化、指導的地位の3割以上が女性となる社会の実現、中学校での英語を用いた授業の実施などです。

 減反政策の転換、対外的に貢献の度を増す「積極的平和主義」の推進、福祉や防災などの「安心・安全」の確保…おそらく、相当の政治的パワーが求められてくるでしょう。

 党大会の後、私がNHKのインタビューに答えたとおり、「決める政治」を進めながらも、現場の実態を常に意識し、丁寧なプロセスを踏むことが重要になってきます。ねじれ国会が解消し、支持率が高い今だからこそ、自覚を持たなければいけません。

 ただし、前政権やねじれ国会時代の政策の停滞の結果、やらなければいけないことは山積しています。私の内閣委員会でも、前国会で継続審議となった国家公務員法改正をはじめ、この通常国会で10本以上の閣法・議員立法を審議しなければいけないと言われています。

 安倍総理の対外政策が、平和外交からの転換であるかのような伝えられ方をしていることもあってか、最近の地元の新年会などでは「柴山さん、ブレーキ役になってね」と言われる機会がしばしばあります。

 確かに前述のような「丁寧さ」は必要ですが、今日本がアジアなど新興国と熾烈な国際競争を展開していること、北朝鮮や中国からの安全保障の脅威にさらされていること、資源の確保に影響する領土問題でかなりの戦略的な劣位にあること、急速な少子高齢化や社会保障費の増加への対応の必要などを考えると、スピード感を持って、毅然として国民利益の確保に邁進する必要があるのです。
 そして全てのこれら対応を支えるのが「強い経済」です。

 アベノミクス3本の矢は、色々言われていますが、崖っぷちの日本経済に再生の目処をつけました。相次ぐ国際社会からの注目がその正しさを証明しています。無論、まだ実感を感じていない現場への浸透を目指さなければいけませんし、円安の原料高などの副作用や人件費の高騰などへの対処、4月からの消費税率の引き上げを景気のブレーキとしないための方策が必要になってはきますが、総理の言葉を借りれば「この道しかない」のです。

 経済は水ものです。3本目の成長戦略が不十分であるとなると、途端に投資家は失望売りに走ります。さらなる規制緩和や法人税率の引き下げなど、私たち中堅・若手のパワーのある議員が、しっかり(現場の混乱を避けつつ)進めていきます。

 身を粉にして頑張ります。皆様のご理解とご支援をお願い致します。

[地方選挙の大切さ]

 沖縄名護市の市長選挙は残念ながら自民党が推す候補が敗れました。都知事選、長崎知事選、山口知事選など、重要な地方選挙が続きます。

 これからの地方の持つ役割の大きさを考えると、これら選挙で、自民党の推す候補がしっかり勝利してもらうことがとても大切になってきます。

 都知事選では、自民党が舛添候補(http://www.masuzoe.gr.jp/link)を支持することに色々意見があります。私もテレビ番組「新報道2001」にて、「舛添さんのエネルギー政策を注目している」とコメントしました。
 しかし、前回のこの欄で書かせていただいたとおり、自民党東京都連が、過去の経緯を踏まえつつも、その実績と能力を評価して支援を党本部に要請し、本部がそれを了としたのです。舛添さんが記者会見で穏健な脱原発依存を口にされたこともあります。是非ご理解をいただければと思います。

平成26年1月14日

[脱原発依存の誤解]

 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えのこととお慶び申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 今年は年初から名護市長選、都知事選と重要な地方選挙が相次ぎます。そして前者で普天間飛行場の移設問題が、後者で原発政策が争点になると言われています。

 国策の是非が、関連するとはいえ自治体の首長選挙で全面的に左右されるのは妥当とは言えません。しかし一定の影響があることは否めないでしょう。

 特に、東京都知事選は細川元総理が小泉元総理と連携して、脱原発を訴えて出馬するかが注目されています。おかしな動きだと批判する意見もありますが、最大電力消費地である東京、そして2020年オリンピック開催地である東京のトップが、「原発に依存しない都政を目指す」と国の内外に発信することは、二人の元総理の注目度からしてもかなりの影響がありそうです。

 ただ、自民党の東京都連は既に舛添元厚労大臣の支援を決め、党本部と協議に入っています。舛添さんは、私が若手の会合の際携帯電話で激励させていただいた直後に離党され、幹部の中でも支援に慎重論があります。とはいえ平成17年の党憲法改正草案取りまとめの事務局長をされるなど高い能力を持ち、もし党本部での支援が決定すれば私は現時点ではそれに異を唱えるつもりはありません。

 しかしながら原発政策に関しては、都知事選と関係なく、私は現在政府で検討されているエネルギー基本計画に示された「原発を重要なベース電源とする」という方針は転換されるべきだと考えています。

 日本原燃が青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の安全審査を、今月7日に原子力規制委員会に対して申請しましたが、この工場はこれまでトラブルが相次ぎ生じてきたほか、周囲には大地震を引き起こす可能性のある断層の存在も指摘されています。また、これを仮に認めても、生成する有毒物質であるプルトニウムを処理する高速増殖炉「もんじゅ」の稼働もトラブル続きで停止したままです。核燃料サイクルの実現には世界的に見てもまだ大きな技術的ハードルがあるのです。
 また、その過程で生じる高レベル放射性廃棄物をガラス固化体にして地層処分するにせよ、その候補地はまだ国内で決定していません。

 私も「原発即ゼロ」とすることは、原価計算や中東の政治リスク、温暖化などの観点からして非現実的だと思いますが、少なくとも、これまでのように「原発新増設容認」や「(研究レベルにとどまらない)核燃料サイクルの全面的・商業的レベルでの推進」という方向は、関連自治体の理解も国民の理解も得られないと思います。何より、今後福島第一原発の廃炉や汚染水処理に多くの原子力専門家や予算を投入しなければいけない日本に、その余裕があるでしょうか?

 誤解をしていただきたくないのは、私は既存原発の再稼働が絶対いけないとは言いませんし、中国が目指している原発の海外展開に対抗する観点からも、技術の進んだ日本の原発が過渡的電源として海外で活用されることを否定するわけでもありません。(再稼働を容認するからこそ、それをチェックする「原子力規制委員会」は政府や原子力ムラから独立した行政委員会とする議員立法を野党の時代に成立させる努力をしたのです。)
 しかし少なくとも既に建設に着手されているものを除き原発の新増設をやめ、核燃料サイクル政策を見直し、「原発に依存しなくてもよい経済・社会の実現」を目指すべきです。

 実は自民党は野党時代、こうした方向性を(党内での大激論の末)正式決定し、2012年の総選挙の公約に掲げているのです。しかも安倍総裁の総裁選の公約でも「脱原発依存」は明記されましたし、総理の年頭記者会見でも「原発の新増設は全く想定していない」との明言がありました。私の意見が、党や総理の方向性と外れているとは思えません。むしろなし崩し的に原発強化策に回帰することは筋を曲げ、再生可能エネルギーのイノベーションを阻害するもので許されないと確信しています。

 近々、河野太郎議員たちと作る若手を中心とした「自民党エネルギー政策議員連盟」で提言をとりまとめるべく、現在会合を重ねています。是非ご理解をいただくようお願い致します。

平成25年≫

平成25年12月30日

[後悔しないためには]

 安倍総理による靖国神社参拝、仲井真沖縄県知事による普天間飛行場の辺野古沖移設のための埋め立て承認など、年末に大きな政治的決断が続きます。

 私は総理の靖国神社参拝を前日に知りましたが、毛沢東生誕記念日にあたることもあり、正直半信半疑でした。
 しかし官邸としては、北朝鮮の権力闘争で中国に少なからず動揺が生じていることや、南スーダンでのPKO(国連平和維持活動)に従事する韓国軍に弾薬を提供する決定をしたこと、上記した普天間飛行場返還に向けた前進により日米同盟の再強化が見込めることなどを総合考慮して、「各国の反発があるにせよ今なら最小限で済む。やるならこの時期しかない。」という決断に至ったものと思われます。

 靖国問題に関しては、この欄でも何度か触れています。首相の参拝には、憲法の政教分離原則違反の懸念、A級戦犯合祀の問題、近隣国への配慮の必要などが指摘され、それに対し反論もしていますが、ここでは繰り返しません。
 大切なのは、一国のリーダーである安倍総理が「国のために命を捧げた英霊に尊崇の念を示すことは世界中で当然のことだ」という信念に基づき、自民党総裁選の時もずっと参拝の意向を示してきたことです。口にしてきたことを実行するのは政治家として大切だと思うのです。

 現に、昨日明らかになった共同の緊急世論調査では、1週間前と比較して、安倍内閣の支持率は54.2パーセントから55.2パーセントへ、自民党の支持率は36.2パーセントから39.7パーセントへ、それぞれアップしています。
 政権与党の一員であり、法の支配を世界に広げて平和をもたらすことをライフワークとしている自分としては、今回の参拝が決して日本を戦争に導くためのものではないことを、内外のより多くの方々に発信していくことが使命だと思います。


 今は米国でも韓国コミュニティーの政治家へのロビー活動は日本を上回る規模で行われていますし、状況は決して容易だとは思いませんが、「参拝しなければよかった」という後悔をしないよう全力を尽くします。ご理解・ご支援をお願いする次第です。

 2013年ももうすぐ暮れようとしています。来たる年が皆様にとって素晴らしいものであることを心からお祈り申し上げます。

平成25年12月17日

[北の脅威]

 北朝鮮の前国防委員会副委員長で、ナンバー2の実力者だった張成沢氏が処刑されました。

 最高権力者金正恩氏の叔父でありながら、失脚直後にまともな司法手続も経ず処刑されるという私たちの常識を超えた事態を見ると、北朝鮮がいかに人権や民主主義に逆行した国であるかを改めて思い知らされます。

 張氏は軍部と対立していたとの情報があり、同氏の処刑が北朝鮮の今後の軍事的暴走を招くのでないかとの不安が指摘されています。

 私はこれ以前の中国の防空識別圏設定に際し、単に中国に撤回を求めるのでなく、資本主義陣営の連携を強めて対抗措置を取るべきだと繰り返し党の国防部会などで主張してきました。その理由の一つが流動化する北朝鮮情勢でした。
 米国が経済的に中国への依存度を高める中で、中国が軍事的に膨張するとともに北朝鮮と関係を深め、日本に圧力をかけてきている状態を是正するには、米国との同盟関係の再構築や台湾や韓国との連携により、強いメッセージを出す必要があるからです。

 韓国が、自ら排他的経済水域だと主張する離於島に中国の防空識別圏が拡大されたことにより、対抗的にこれを含む形で自らの防空識別圏を拡大する発表をした際、米国はこれを「評価する(appreciate)」と宣言しました。
 確かに日本は韓中間の領土問題については中立の立場ですし、既に竹島が韓国の防空識別圏にあることへの抗議のメッセージはあってしかるべきだったと思いますが、今回の韓国の防空識別圏設定は中国のそれと異なり、明示的な領土の主張や武力の威嚇を伴うのでなく、中国の現状変更への対抗的メッセージという側面を持つものです。私は基本的に米韓と連携して中国を牽制するべきだと思います。また、昨日は台湾の駐日代表処の沈斯淳代表と会い、日台間のますますの交流強化に向けて意見が一致しました。

 先日12月8日に出演したフジテレビの「新報道2001」でも日米同盟の再構築の重要性を訴えました。無論日本一国で中国にも北朝鮮にも対抗できればよいのですが、当面の体制を見れば非現実的なことは明らかです。しっかり筋を誤らないようにしていきます。無論、韓国への領土問題や歴史問題などの筋は通します。

[来年度予算から無駄を排除]

 党の行政改革推進本部のもとに設けられた、河野太郎座長をはじめとする「無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)」が、来年度の予算概算要求について省庁ヒアリングをした結果、以下のとおり報告書をまとめました。河野座長、私、平将明議員が主査として、また福田峰之議員、鈴木馨祐議員、武村展英議員たちも力を発揮していただきました。以下紹介させていただきます。

報 告 書

(農林水産省)

美しい農村再生支援事業

○PTのこれまでのヒアリングと議論を受けて、農林水産省から以下のような提案があった。
・この事業の対象となりうる地域を日本の棚田百選134か所、日本の疎水百選110か所の合計244か所の中から法律に基づき景観保全に取り組む地区とされる170か所及び世界農業遺産5か所の175か所に限定すること。
・ハード事業の比率を落とし、ソフト単独の事業も認める。
・ハード事業は、1地区1,700万円を上限とし、材料費等に限定し、作業は建設会社等に発注することはせず、直接施行に限定する。
・持続可能性のある事業に絞り込み、限定した事業数でスタートする。また、想定していた効果が見出せない事業については、事業中止もありうる。
○PTは、これを了とした。

バイオ燃料生産拠点確立事業

○農林水産省からは、来年度はとりあえず3社とも継続し、来年度中に有識者による選択と集中のための絞り込みを行うとの提案があったが、PTはこれを認めず、下記の提案を行った。
・年度末までに有識者による3社の事業計画の見直しを行い、事業展開の可能性があるかどうか結論づける。事業に継続の可能性があるものについては、現在の出資者が少なくとも国と等分のリスクをカバーすることを前提に補助金の支出を認めるが、継続の可能性がないと判断されたものについては、予算の執行を停止する。

(経済産業省)

再生可能エネルギー賦課金

○賦課金の計算の前提となった数字が経済産業省から提出された。
○例えば東京電力の回避可能費用(※)に稼働していない原子力発電が含まれているなど、経済産業省の説明は非論理的であり、この方式で計算された賦課金を消費者から徴収することには問題が大きく、このままでは、認められない。
(※)電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることが出来た費用をいう。電気代に上乗せして徴収される再生可能エネルギー賦課金は、買い取り経費及び事務経費から回避可能費用を差し引いて算出する。

(厚生労働省)

がん登録における死亡届

○厚生労働省の統計情報部が、紙の死亡届も電子化して健康局に提供するところは合意された。
○死亡届にICD(※)符号などがつけられた情報の取り扱いについて総務省とPTで協議する。
(※)ICD:疾病及び関連保健問題の国際統計分類。
○がん登録以外の疾病登録が必要なものについて、厚生労働省に整理を求めた。
○厚生労働省の統計情報部の業務について、PTでヒアリングを行う。

工賃向上計画支援事業

○共同受注窓口など、工賃の向上に役立っているものと役立っていないものを明確にして、役立っている支援事業に特化する。
○工賃がいくらに達したらこの事業を廃止するのか、目標を定めること。
○積み上げられた成功事例を共有化することで工賃の向上を実現できるはずであり、コンサルタントを派遣する予算の削減を行うこと。

国民年金保険料の収納対策に係る増員要求

○この増員には根拠がなく、認めがたい。PTが内閣官房の「年金保険料の徴収体制強化等のための検討チーム」と対策について協議する。
○PTとしては、費用対効果の観点から最も効率的な納付率向上策を制度設計し、これを踏まえて日本年金機構の新たな中期計画における目標を達成するために必要な人員計画を策定すると同時に、収納率の低下の原因を明確にしたうえでの抜本的な対策を導入することを求める。

紙台帳検索システム

○厚生労働省は、PTとのこれまでの議論の結果、機器台数や作業量を見直し、概算要求から11億円の削減を提示。ランニングコストについても現在のシステムから7億円以上の削減となる。PTはこれを了としたが、次期のサーバー更新時にはクラウドの利用などによる更なるコストダウンを実現するように検討を求めた。

医薬品等承認審査事業

○PTは厚生労働省の説明を了とした。

ジェネリック医薬品の普及促進事業

○近日中に薬価等の新しい方針が定まるので、継続的なヒアリングを実施する。
○医療費の削減、伸びの抑制に関する厚生労働省の取り組みについて、新たにレビューシートを起こすこととした。

(国土交通省)

公共事業関係費、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金、道路事業

○国土交通省の説明が要領を得ないため、再度、ヒアリングを実施する。
○国土交通省は、今年度、新規事業に採択された道路について、具体的に採択までのステップを説明すること。
○公共事業の中で、防災・減災対策、老朽化対策に充てられる割合を、国土交通省は明確に説明すること。
○国際競争力の強化の観点から、港湾予算のうち、京浜港・阪神港の整備の割合、空港整備予算のうち、首都圏空港の整備に充てられる予算の割合について、国土交通省はきちんと説明すること。
○整備新幹線の路線に関して、空港や高速道路の整備をどうするのか、国土交通省はきちんと説明すること。
○国土交通省は、コンパクトシティー化を踏まえ、老朽化するインフラをどこまで国及び地方で再整備するのか。また、再整備しないインフラはどこなのか、考え方をきちんと示すこと。

(文部科学省)

新国立競技場

○文部科学省は、新国立競技場及び周辺整備に許される費用の上限を早急に示すこと。
○上記の費用のなかで整備された新国立競技場の収支は黒字になることが前提であり、年度の収支が赤字になっても税金等での補填は行わないこと。
○新国立競技場が風致地区であることを踏まえ、文部科学省はそのデザイン・設計が風致地区にふさわしいものであると有識者の多くが納得するようなものになるように日本スポーツ振興センター(JSC)を指導すること。
○JSCは、自らの移転に係る費用が必要最低限になるようにすること。
○コンペの選考過程に関する報告書を速やかに公表すると同時に、コンペの勝者との契約書を公開すること。
○新国立競技場を陸上競技場とするならば、オリンピック後のサブトラックについての計画を当初から盛り込むこと。
○サッカーのワールドカップの再誘致の前に、2002年のワールドカップのために整備したスタジアムの稼働率及び収益の改善を実現すること。

 上述のとおり少なくとも既に10億円以上の予算削減をできる見込みになりました。これ以外にも不断に作業は行わなければいけませんが、まずはしっかり今回の指摘のフォローアップをしていきます。
 12月13日には首相官邸で、政府の要である菅義偉官房長官にこの報告書を提出しました。菅長官からは「最強のメンバーだね。しっかり受け止めます。」とおっしゃっていただきました。

[年末に向けて]
 シンポジウムや原稿の依頼、各種イベントなど忙しい年末です。
 党の税制調査会で大綱がまとめられ、軽自動車税や消費税軽減税率などの扱いに取りあえず決着はつきましたが、与党になったので予算関係の会議もこれからですし、TPPも越年交渉となりました。日本の国益のため引き続き全力を尽くしていきます。

平成25年12月7日

[なぜ今特定秘密保護法か]

 昨夜、参議院で特定秘密保護法案が可決・成立しました。

 中国が国際的に通用しない独自の解釈で、日本の領土である尖閣諸島や、公海の上空を、防空識別圏に組み入れるとともに、事前通報なき当該空域の飛行に対しては武力攻撃も辞さないとアナウンスするなど、この地域の軍事的緊張は高まっています。
 しかし国際社会が連携して安全保障やテロ対策に取り組む場合、それに必要な秘密情報の管理を徹底できなければ、日本は世界から相手にされません。

 これまで日本の情報管理は「だだ漏れ」とやゆされるほど甘いものでした。第二次世界大戦でのスパイ対策がなっていなかったことを例に挙げるまでもなく、今も機微に関する情報までどんどん明らかになってしまい、「日本では情報は『上がらず・回らず・漏れる』ものだ」という悪評が定着していたのです。

 日本版NSC(国家安全保障会議)の立ち上げとともに、こうした状況の改善を行うのはむしろ遅すぎたと言えるのです。実は政権に復帰する前から町村信孝議員のもとで、インテリジェンスに関する勉強会が立ち上がっており、私もメンバーとして検討に加わっていました。

 しかし政権に復帰すると、私は総務副大臣となり、この勉強会のチームからは外れてしまいました。その後もチーム限定メンバーでの議論がかなり長く続き、法案ができて党全体で議論するプロセスに入ったのは、既にメディアが色々とこの法案の問題点を報じるようになってから、提出の直前になってからでした。私も正直、それまでこの法案の条文を見ることはありませんでした。

 こうしたプロセスに全く問題がなかったかと言えば、再考の余地はあります。法律家として条文を見た時、もう少し丁寧に議論をしないといけないと感じました。そこで、党内手続きを終えた後も、党の他の同僚法曹有資格者議員とともに、森まさこ担当大臣のもとで政府職員と一緒に独自の勉強会を継続して行いました。この時の問題意識がかなり各党間の修正協議に生きたと思います。

 そうは言っても、現在報道されていたり、一般の方々に伝わっている「特定秘密保護法」のイメージはあまりに事実とかけ離れていると言わざるを得ません。

 最大の誤解は、現在も公務員による秘密漏えい罪が処罰されていることをほとんどの方が意識されていないということです。今回の法律は、特に防衛やテロなど秘密性の高いその一部について、要件を明確に定めて加重処罰するという性質のものであり、メディアの正当な取材活動を教唆犯として処罰しないことも明確に定めていることからすれば、平成の治安維持法だという批判は全く的外れだとわかります。

 また、修正協議により、秘密指定を行政機関が勝手に行うことのないよう、指定基準を外部有識者会議の意見を聞いたうえで決めるとともに、秘密指定・解除の状況を国会報告しチェックする仕組みを作りました。
 また、不当に長期に秘密のままにしておかれることのないよう、上限を30年とするとともに、日本や国民の安全を確保するためやむを得ない理由を内閣全体で承認した場合のみ延長が認められ、さらに秘匿性の高い情報として限定的に定めたもの以外は60年を超えることができないようにしました。
 秘密でなくなった情報を国立公文書館等で保管し、処分されないようにすることにもしています。
 国会議員を通じての情報漏洩も見過ごせないことから国会議員も処罰の対象となりますが、憲法上認められた秘密会に対しては秘密保護措置を国会でとってもらって情報提供することが明記されました。

 もはや議論は熟していると判断し、私はこの法案に賛成しました。ご理解を賜れれば幸いです。

[激動の日々]

 私が委員長を務める衆議院内閣委員会では、国家公務員法改正案というこれまた日本の未来にとって重要な案件を扱っており、省庁の縦割りを排した画期的な改革を目指しています。既に与野党で修正協議もまとまり、継続措置もとりましたので、来年通常国会で成立することを確信しています。

 TPP交渉も大詰めです。甘利大臣が体調不良で一時戦線を離脱するのは痛いですが、しっかり残ったメンバーで国益を主張し、いい形でまとめてもらえればと思います。

 このような中、中国問題や沖縄問題で鍵となる日米関係について、私がインタビューを受け、録画出演をすることとなりました。明日12月8日(日)フジテレビで午前7時30分から8時55分まで放送される「新報道2001」です。一人でも多くの方にご覧いただけたら幸いです。

平成25年11月21日

[千里の道も一歩から]

 昨日、最高裁大法廷で、昨年実施された衆議院総選挙における一票の格差をめぐり、「違憲状態」であったとの判決が下されました。

 選挙後の「0増5減法」の成立は評価して選挙無効の判断はされなかったものの、さらなる改革を求める内容であり、私たちは厳粛に受け止めなくてはいけません。地元紙の取材にそうコメントしました。

 まもなくこの夏の参議院選挙の一票の格差についての判決も下されます。

 昨年のこの時期に、当時の野田総理と自民党安倍総裁の党首討論で約束した選挙制度抜本改革。既に国会のねじれは解消しています。与党がイニシアティブを取り、実現しなくてはいけません。私も動いていきます。

 これとは別に、自民党改革において、総裁選のあり方の見直しも行われています。前々回の総選挙で私は「議院内閣制のもとではあるが、国民が総理を選び、長い期間リーダーシップを取れる制度に近付ける」と選挙公報の公約に掲げました。党員投票のウェイトを高め、小泉総理やオバマ大統領誕生の時のように国民の関心を集められるよう力を注ぎます。

[アベノミクス第三の矢もさらなる一歩]

 昨日、私が委員長を務める内閣委員会で、国家戦略特区法案が賛成多数で可決されました。

 区域を限って規制緩和や税制の特例を設け、日本の成長を引っ張る構想で、野党の中には「メニューが小粒だ」との批判もありましたが、これまで岩盤規制に守られていた農業の土地利用や信用保証、公立学校の民間運営委託、外国人医師の活動、土地利用の高度化などに踏み込んだものです。民主党政権時代の総合特区構想は残しつつ、地方からの手挙げのみに任せるのでなく国が戦略を持って地域と共同していく今回の構想が、年末の税制改正と相まって必ずいい結果をもたらすと確信しています。

 ちなみに委員会採決は、法案修正も含め、自民・公明・民主・みんな・維新の5会派が賛成、付帯決議には生活も賛成ということでした。昨日は締めくくり総括質疑に安倍総理も来られ、私から「内閣総理大臣、安倍晋三君」と答弁に指名させていただいたのも貴重な経験でした。

 今日の本会議で、委員長提案である「アルコール健康障害対策基本法案」(超党派議員立法)とともに採決されます。

[会期後半に向けて]

 25日月曜日には、公開で党の無駄撲滅プロジェクトチームの仕分けヒアリングを実施しますし、会社法の改正でも忙しい毎日です。寒くなりますが体調に留意しつつ全力を傾けて参ります。

平成25年10月31日

[分身できたら…]

 昨日は衆議院内閣委員会の初日。委員長として臨みました。

 菅官房長官、古屋国家公安委員長、新藤大臣(分権改革・地域活性化担当として)、山本科学技術担当大臣、森少子化担当大臣、甘利経済財政担当大臣、稲田行政改革担当大臣をはじめ、世耕官房副長官や各担当の副大臣・政務官が揃って挨拶をされる様子は圧巻。このような委員会は予算委員会を除いてありません。省庁横断案件を扱う内閣委員会ならではです。

 前回のこの欄に書いたとおり、国家戦略特区法案と国家公務員法改正案という重要な2法案が短い臨時国会の中で提出を予定され、それぞれ早くて11月5日の閣議決定との見通しです。大変厳しい委員会運営になると思いますが、各党理事の議員の方々と打ち合わせ、円滑かつ規律ある進行に努めて参ります。

 この件もそうですが、党内で私が関わる緊急の諸案件が数多くあります。

 最高裁が違憲決定を出した婚外子相続分をめぐる民法改正問題はそのうちの大きなものです。党内では法律婚を守るため改正に慎重な意見が根強く、いかに最高裁の決定を尊重し、戸籍などの実務への混乱を防ぎつつ着地点を見出すか難しい調整が続いています。

 みずほ銀行の反社会的勢力との関係の表面化をきっかけとした、再発防止策や会社法改正などのガバナンスのあり方の検討にも加わっています。法律による社外取締役の義務化などが問われます。

 自民党で復活した無駄撲滅プロジェクトチーム(通称ムダボ)の主査として、来年度予算の吟味や海外への委員派遣など国会の無駄への切り込みも着々と行っています。アベノミクスの観点から適切な予算付けは必要ですが、消費税率引き上げに伴い、しっかりと歳出削減を行わなければいけません。

 前総務副大臣として、党の情報通信戦略調査会でこれからの情報通信・電波行政のあり方の議論にも加わっています。

 その他にも内政・外交の重要施策に色々関わり、しかも最近増えている取材やテレビ出演、講演やシンポジウムのパネリストの依頼、各種原稿などで本当に目の回るような忙しさです。

 11月17日(日)にはBS-TBSで午後1時から1時間、「ニッポン未来会議」というテレビ番組でこれからの外交戦略について討論することになっています。

 つくづく分身の術が使えたらと思いますが、全力で一つ一つの課題をこなしていきます。

平成25年10月16日

[臨時国会の幕開け]

 昨日、53日間にわたる臨時国会がスタートしました。

 最初の本会議で各委員会の委員長選任手続があり、私は衆議院内閣常任委員長に決定しました。

 国会は各省庁(法務・総務・外務・財務・厚労・文部科学等々)の諸案件を審議するため、それぞれの与野党議員数十人からなる委員会に分かれますが、内閣委員会は省庁横断案件を扱います。最近では電子政府を実現するための「マイナンバー法案」がこの内閣委員会の審議を経て、本会議で可決されました。

 今国会でも、成長戦略の重要な柱となる「国家戦略特区制度」や、行政の基本となる「国家公務員制度改革」など、短期国会であるにもかかわらず重要案件が目白押しです。委員長として、円滑かつ規律正しい議会運営に努めて参ります。

 安倍総理の所信演説も同日実施されました。

 デフレから脱却し、起業・創業の精神に満ちあふれた国を取り戻す、若者が活躍し女性が活躍する社会を創り上げると力強く宣言され、電力システム改革、難病対策、研究開発支援、攻めの農業などを進めると明言しました。

 復興支援については、被災市町村ごとの「住まいの復興工程表」の着実な実施、福島第一原発の廃炉・汚染水対策の国が前面に立った遂行を訴えています。

 消費税の引き上げに伴い少子化対策を含め全世代型の社会保障制度を確立すること、財政再建と両立させることをうたい、外交面では、国家安全保障会議を創設するなど積極的な平和主義を掲げています。
 上記した内閣委員会の諸案件についても演説に盛り込んでいただきました。

 少し気になるのは、今度役職の変更に伴い本会議場でベテランの座る後ろの席に移動したのですが、先輩議員の中で総理の演説の最中にぶつぶつ言っておられる方がいたこと。
 今、必要なのは「作文」でなく「実行」です。そのためには、私たち与党が(慎重な手続はもちろん必要ですが)一丸となって目標に向かって進まなければいけません。

 様々な(前向きな)意見は、しかるべき議論の場所できちんと表明し、より良いものにするよう努力し、その代わり決まったらしっかり一丸となることが必要です。そうできるように、議会も党も変わっていかなければいけません。

 私の立場で全力を尽くしていくことをお誓いします。

[相次ぐ取材・講演など]

 おかげさまでテレビや新聞の取材、出演依頼、講演依頼などをいくつもいただいています。きちんとメッセージが伝わることが必要で、これからも情報発信に努めて参ります。

平成25年9月24日

[決断の時]

 いつしか蝉しぐれも聞こえなくなり、朝晩は急速に涼しくなってきました。

 いよいよ来月からは臨時国会。消費税増税についての決定をはじめ、政治が大きく動き出します。

 私は自他ともに認める「上げ潮派」であり、増税には極力慎重であるべきで財政の好転のためには経済成長による税収増と歳出削減が本筋であると訴えています。
 政権からの転落前に自民党の若手で結成した勉強会「プロジェクト日本復活」でも、ハーバード大のアレシナ教授の主張や小泉政権時代にプライマリーバランス(基礎的財政収支)が大幅に改善されたことを根拠に、増税は慎重にとの提言をしています。昨年の8月には当時の野田総理の「近いうち解散」に対する不誠実な対応に、他党提出の内閣不信任案に賛成票を投じ、たとえ消費税増税に関する3党合意が犠牲になっても仕方ないと考えていました。

 しかし状況は大きく変わりました。安倍政権になってから経済指標は好転し、4~6月期のGDP(国内総生産)改定値も年率換算3.8パーセント増と好調です。東京オリンピックの招致も決定しました。「デフレ下の増税は経済に深刻な打撃を与える」という主張の前提に変化が生じたのです。
 さらに、諸外国に比べて高水準で日本への投資の足かせとなっていた法人税率の引き下げや、景気対策などを併せて実施することとなり、税率引き上げ後の反動不況を極力防止する方針です。

 諸外国に比べて税の直間比率が直接税に偏り、かつ国民負担率が(社会保険などの負担を含めても)低水準、債務残高対GDP比は220パーセントと突出して高い日本の消費税率の引き上げは、いつかは避けられない課題です。決断できなければ世界の日本の財政に対する信頼も損ないかねず、それは市場にも大きく影響します。
 このタイミングで安倍総理が決断するのであれば、私はそれを支えねばならないと考えます。

 ただし、しなければいけないことは沢山あります。
 まず支出面の見直しをしっかり進めること。復興対策や汚染水対策などはきちんと実施しないといけませんが、国の支出全面にわたって費用対効果を検討し直し、無駄をしっかりなくしていかないといけません。
 また、消費税率の引き上げが生産者や下請けの中小企業に理不尽なしわ寄せを及ぼさないよう、公正取引委員会などを通じて現場の監視をしっかりする必要があります。

 皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げます。

[国際社会の激変]

 シリアのアサド政権に対する反対勢力に、武装集団が加入する動きを見せています。ケニアの首都ナイロビでも、ショッピングモールを武装集団が襲撃したというニュースが飛び込んできました。

 過激派とそれを結果として支援している国や軍事産業が、世界の不安を増長させている構図になってきました。こうなってくるともはや「誰が悪いのか」という決めつけでは事態が収束することはできなくなっています。国際社会で治安悪化に毅然と対処するコンセンサスをどう作っていくか、今こそ関係各国の良識とリーダーシップが問われます。

 日本を取り巻く近隣国の環境も変わっています。オリンピック招致もその一つの要因になるでしょう。国益を実効的に守るため、私の立場でできることをしっかり行っていきます。
 おかげさまで党青年局の台湾出張も、日台親善の強化や、党の地方組織との認識共有という意味で大きな成果を挙げたと思います。

 先週総務副大臣として出張したベトナムでも、情報通信分野での日越連携をうたう覚書を3年間更新するとともに、現地の郵便事業を支援していくことを発表しました(ミャンマーに続き2国目)。投資している日本などにも大きな好影響をもたらすと自負しています。安倍総理が就任後初めて訪問したのもベトナムであり、今後の現地の発展の可能性を肌で感じました。

 日本とベトナムとの外交関係は樹立後40周年を迎え、これを記念した日越共同製作ドラマが9月29日、ベトナム国営テレビでは午後8時から、日本のTBSテレビでは午後9時から、ほぼ同時に放送されます。「ザ・パートナー」というタイトルで、東山紀之さん演じる100年前の日本の医師と、ベトナムの活動家の友情を軸に両国の現在に至る関係を描いた壮大な内容で、私もベトナムの政府関係者ともども完成披露パーティーで祝辞を述べました。海外への放送コンテンツ展開は、総務省も関与する「クールジャパン戦略」の大きな柱です。これからも類似の取組みを強化していきます。

[今後いかなる立場になろうとも]

 テレビと言えば、明日9月25日午後7時から日本テレビで放送される「太田光の私が総理大臣になったら~秘書田中」のスペシャル番組に、子育て支援についての議論で出演する予定です。是非ご覧いただければと思います。

 秋の政府・党の人事が取り沙汰されています。私は現時点で何の連絡もいただいていませんが、いかなる立場であっても全力で政権を支え、国民生活の発展のために頑張っていく所存です。山積する難題に正面から体当たりしていくことをここにお誓いする次第です。

平成25年9月9日

[次世代リーダーに必要なもの]

 「TOKYO」の文字が書かれた紙をジャック・ロゲ国際オリンピック委員会会長が示した瞬間、思わずガッツポーズをしていました。

 日本オリンピック委員会はじめ関係者の方々のご努力に心から敬意と感謝を表します。長期にわたる各国への働きかけも大変だったと思いますが、開催を求めたプレゼンテーションも映像・それぞれのスピーチともに素晴らしかった。

 国内の空気も4年前とは明らかに変わっていました。震災を経て、復興のために、みんなで一丸となって招致を実現しようという盛り上がりが感じられ、東京オリンピック・パラリンピック開催を支持する意見は国民の7割に達しました。

 これからは、敗れたスペインやトルコの分まで、世界中の方々に喜んでいただくような大会にすべく、力を合わせて頑張らなければいけません。
 最新の8Kスーパーハイビジョンで、エキサイティングな競技の数々を見て手に汗握ることを楽しみにしています。

 この東京オリンピック・パラリンピック招致には日本の運命がかかっていました。
 最終決定直前に福島第一原発の汚染水漏れの報道が世界を駆け巡り、これで落選したら風評被害が一層加速します。オリンピック特需を見込んだ景気にも冷や水をさすこととなり、秋の消費税論議も影響を受ける可能性がありました。また、現在日本と微妙な関係にある中国や韓国が東京開催に慎重な姿勢を示していたことから、日本の外交上の地位低下ももたらしかねない状況でした。

 最後に日本開催を決定付けたのは安倍総理の迫力のある英語での演説、そしてそれに続く質疑応答でした。
 東京にオリンピックを誘致することの意義、それに対しての熱意、汚染水問題に対する具体的な数値を挙げての対策の強調・・・このことは多くのIOC委員や海外メディアがそろって認めているところです。

 見ていて私は確信しました。これからの日本のリーダーは世界を相手に主張し、想いを伝えることができなければ務まらないのだと。
 そしてこの世界中の注目が集まった舞台での活躍が、安倍総理の外交上の存在感を高めることにつながることを期待しています。

 もっとも、「根拠薄弱な主張に外国人がだまされたのだ」と心無いコメントをする人もいます。
 私は前回のこの欄で、汚染水対策にはオールジャパンいやオールワールドで知見を結集しなければいけないと書いていますし、党の原子力対策の会議でもそのための体制・工程表につき、政府の一員でありながらもっと充実させるよう厳しく指摘しました。(そのことが複数のメディアで紹介されています。)これを受けて政府は対策を練り直し、私にも担当者が再説明に来てくれました。

 容易なことではないのはみんな百も承知なのです。要は、その解決に全力を挙げるという心からの政治的決意なのです。安倍総理は、それを国際社会の前で示したのでした。

 2020年に向け、私たちは重要な宿題を背負ったことになります。その実行のためにみんなで力を合わせなければいけません。私も全力を尽くすことをここに宣言致します。

[連日のミッション]

 総務省では急速に普及するスマートフォンのプライバシー情報をどう管理するか、青少年のソーシャルネットワークでの保護をどのように図っていくかなどを検討する、利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会が、充実した提言を発表しました。私も何度も会議に出席して発言するなど取りまとめに貢献させていただきました。

 TPPとの関係で注目される郵政、電波利用料の見直しなど、重要案件に引き続き取り組みます。今月から来月にかけては、戦略的な海外出張も複数控えていますので、しっかり準備していきたいと思います。

 なお、今日からは4日間の予定で台湾に出張致します。これまで何度も参加した自民党青年局の活動で、今年は年齢的に最後の機会となります。
 これまで台湾とのパイプは議員外交、党では青年局が担っており、中国との関係が微妙な時期に政府の一員である私が訪問することには逡巡もありましたが、調整の末踏み切りました。
 日本にとって大切なパートナーである台湾との連携強化に向け、私ができること、すべきことをしっかり考え、小泉局長や仲間たちとともに頑張って参ります。

 テレビ出演・新聞取材の依頼もいただいています。情報発信にも取り組みを進めていきます。

平成25年8月27日

[国の威信を賭けて]

 福島第一原発において、高濃度の汚染水の漏えいが問題となっています。

 保管タンクの建設や管理、情報開示などで東電のずさんさが改めて浮き彫りになっていますが、そんなことを言っているより、まず国が前面に出て、この問題の収束を図らなければいけません。廃炉に向けての大きなネックとなりますし、これまで風評被害撲滅のために取り組んできた多くの方々の努力が水の泡になりかねません。諸外国からの賠償請求も現実味を帯びてきます。

 昨日茂木敏充経産大臣は現場を視察のうえ「今後は国が前面に出る」と述べ、漏れがあったタンクをより頑丈なタンクに交換することや、周辺の巡回回数を増やすなどの対策を指示し、今後対策での予備費の活用を含め検討していく考えを示すとともに、部会を設置して必要に応じて海外の専門家からも助言を仰ぐとしました。

 オールジャパン、いや、オールワールドで知見を結集することが必要であることは言うまでもありません。そして、原子力規制委員会には、他の原発の再稼働のための安全性判断もさることながら、原発事故の原因究明、正確な状況の公表と有効な対策の指導に、全力を尽くして欲しいと思います。対策には短期のもの、中長期のもの、それぞれあると思いますが、いずれにせよ迅速な対応が不可欠です。

 総務省としても機構・定員の面で、厳しい状況のもとでもしっかりバックアップしていきます。

 環境省でも除染・中間貯蔵という重要課題に向けた体制強化を行いますが、まずは前述した「汚染源をきちんとふさぐ」という作業を行わないと、国費がいくらあっても足りないということになりかねません。政府トータルとしての戦略パッケージが必要です。

[進化を続ける郵便局]

 日本郵便株式会社が、高齢者の方が多い全国6つのエリア(北海道、宮城、山梨、石川、岡山、長崎の一部)において、会員向けの見守りサービスを10月1日から実施します。

 既存のネットワークを生かしつつ、郵政民営化の成果を地域に実感していただく新たな事業展開で、安否確認や買い物支援など、今後ニーズは広がるでしょう。
 事業開始にあたっては総務大臣への届出が必要となりますが、今後の成長分野として是非応援したいと思います。

 昨日は江東区新砂の新東京郵便局に視察に行き、膨大な信書や荷物が機械で仕分けされる状況を目の当たりにしました。現場の実態につき説明を伺い、引き続き設備投資により業務改善をする余地があることを確信しました。

 つくづく思うのは、私たちが誇るこの郵便局というシステムはもっともっと進化できること、そして国際社会への貢献も含め、大きな可能性を持っているというということです。担当副大臣としてしっかり後押しを続けて参ります。

[気がかりな判決]

 ソウル高裁が新日鉄住金に対し、戦時徴用による損害賠償を認めた判決が波紋を呼んでいます。

 多くの方々からこの判決についてコメントを求められていますが、本件は大法院に上告され、確定していませんので、基本的に控えようと思います。

 ただし・・・

 本件のもたらす影響が極めて大きいだろうことは指摘しておかなければいけません。昭和40年の日韓請求権協定により個人的請求権については国家間で決着したはず。それを「韓国内での請求」を理由に蒸し返すことを認めれば、もはや二国間は昭和40年以前の状態に逆戻りし、韓国内での日本企業の経済活動にも大きな影響が出てくるでしょう。また、それに伴う両国の外交や国民感情がどうなるのか・・・対応が困難になることは容易に想像がつきます。

 中国で事業展開する日本企業についても、8割以上が引き続き事業展開を模索しつつ、3割が売上高が尖閣問題以前に回復していないとのアンケート結果が出ています。

 中東情勢も含め、国際社会の問題解決にもしっかり関心を寄せていきます。

平成25年8月16日

[望むだけでは実現できない平和]

 終戦の日は、日本中が平和や諸外国との関係を考え直す貴重な機会です。

 私はかつて外務大臣政務官時代、核軍縮・不拡散問題を担当し、平成21年にはニューヨークの国連本部で、翌年開催のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議に向けての準備委員会において、当時の中曽根外務大臣の代理でスピーチを行いました。

 はっきり言って、平和は人々が争うことをやめて武器をなくせば実現できる…そんな教育を戦後行ってきたことに対し、私たちは猛烈に反省をしなければならないと思います。そして、悲惨な戦争の直後に占領軍によって実質的に起草され、60年以上も経過して現実と食い違いが生じたままの文章となっている現行憲法を、きちんと現実を踏まえたものに改めなければいけません。

 上述した私のスピーチの内容は、北朝鮮関連の国連安保理決議の実施を強く求めるとともに、イランによる国際的信用の回復を求めること、NPT未加入国による非核兵器国としてのNPT加入を求めること、そして、中曽根大臣が提案した「世界的核軍縮のための11の指標」を紹介するものでした。

 そもそも、国際法や合意は、それを担保するため、破った国に対する制裁が不可欠です。経済制裁が功を奏しない場合、一段上の強制力が必要な事例もあり得ます。
 また、軍縮のためにはお互いが信頼関係を構築し、それぞれが目に見える形で(検証可能なように)軍備の削減を行わなければいけません。その信頼関係を構築することが大変です。互いに国益を賭けているわけですから、その交渉には当然駆け引きや同盟によるバランスなど多様な判断を必要とします。

 また、現代社会においては、国と国の間の戦争ばかりではなく、テロや今エジプトなどで深刻な事態となっている内乱など、武力紛争のあり方は多義的であり、その背景も千差万別です。

 それぞれの国の内外で、法の支配をきちんと確立するとともに、そうした背景となっている民族対立や貧困などの問題解決のため、場合によっては危険を覚悟で、誰かが汗をかかなければいけないのです。

 そうした実態を、今どれだけの子供がきちんと教育されているのでしょうか?そして世界水準からどう見ても軍隊である自衛隊について「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という憲法のもと、子供や外国を欺き、結局は彼らを失望させ、法に対する信頼を失わせることをいつまで続けるのでしょうか?

 今こそ必要な憲法の改正を行わなければいけません。そのための活動を続けることが、真の平和につながると信じて。

[靖国神社への参拝について]

 この欄で何度か触れたとおり、私は国のために犠牲となった英霊が祭られている靖国神社に対し、尊崇の念を表すため参拝することは認められるべきだと思っています。一般にネックとされるA級戦犯の合祀問題にせよ、東京裁判の幾多の問題点やその後の国会決議などを考えれば少なくとも今の全ての戦犯を問題視するのは適切でないと考えますし、憲法に定められた政教分離の問題にせよ、クリアできる方法はあり得ると考えています。

 問題は中国や韓国などの反発で、これは時間をかけて話し合うしかありません。現在のこれら諸国と日本の関係悪化の要因は決して日本だけにあるのではないと考えます。
 ただ、民主党政権時代のミスも含め、日本にも当然反省するべき点はあることからすれば、行うべき主張や行動は淡々と事実や法に基づいて行い、感情的対立は極力避けるべきだと考えます。特にこれら隣国は私たちにとって重要であることは事実ですから。

 私自身は何度か靖国神社に参拝し、遊就館の展示に涙した人間です。ただ、当選以後、ちょうどお盆前後には毎年休暇を取り、終戦の日の参拝は代理で失礼させていただいています。今年もその形を取りました。

 皆様のご理解をお願い申し上げます。

[国会が終わっても・・・]

 8月の上旬の国会が終わり、秋の臨時国会まで暫く間が空きます。しかし総務副大臣としての公務は続きます。おそらく国内外を飛び回ることになるでしょう。

 党でも社会保障と税の一体改革の各論についての議論など重要な会議が続きます。先日、安愚楽牧場被害者の会での要望を踏まえ、党での対策検討プロジェクトチーム前座長として、牧原秀樹現座長とともに、森まさこ消費者担当大臣に消費者被害・詐欺に対する対策強化を訴えたり、党の青年局・女性局合同の被災地視察で、なかなかメディアに取り上げられない千葉県を訪問したりするなども行いました。

 暑い日は当分続くでしょうが、全力で走り続けます。

平成25年8月3日

[決められる政治とは]

 昨日、参院選で当選された議員の方々が登院される中、参院議長の選任をはじめとする新たな国会の構成を確定させるための短期の臨時国会が開会しました。

 衆議院では大きな動きはありませんが、党所属の議員が東京に来られるということで色々な会議が実施されています。昨日は外交・経済連携本部・TPP対策委員会合同会議が開催されました。

 遅れて参加した日本がTPP交渉においてどのようなことを受け入れなければいけないのか、どのような分野でわが国の主張をどの程度反映できるのか、極めて国民の関心は高いです。また、自民党が選挙戦の公約で示した、重要5品目の関税の維持などが確保できるかも検証しなければいけません。

 しかし各国の交渉担当者には、交渉が円滑に進むように「守秘義務」が課されています。もしこの守秘義務が形式的・厳格に守られてしまうと、交渉の結果条約が締結されても、「そんなことは聞いていない。条件は受け入れられない。」ということで、利害関係者や議員は賛成することができず、国会の承認は得られないでしょう。

 今回の参院選は確かにねじれを解消しましたが、与党が単独で審議をおろそかにして物事をどんどん決めてしまうことになれば、国民不在の政治と批判されることは確実です。また、そもそもその前段階として、与党である自民党内でできちんと統一的な意思決定をするためには、情報を政府側が明らかにして、それに基づき各議員がきちんと議論をすることが不可欠です。

 確かに、迅速な意思決定をしたり難しい改革をしたりするためには、支持率の高いトップリーダーが決断を示すことも必要です。古くは橋本・中曽根各内閣での行政改革や国鉄などの民営化、近くでは小泉内閣の郵政民営化などがそうでした。
 しかし「決められる政治」の実現のためには、決定によって利害が左右される関係者をプロセスに参加させてその意見を極力反映させること、国民の代表である議員たちが議論してその経験や理想をきちんと生かすことが大切だと私は考えています。古い政治家の中には「議論していると揉めていると思われるから、派閥の長が根回ししたり金を配ったりしてシャンシャンで終わらせることが会議の要諦だ」などと考えているようですがとんでもありません。たとえ議員の一部が言うことを聞いたとしても国民が納得しないでしょう。

 むしろきちんと各自の意見を反映する機会が与えられ、議論をする中で成案がより精緻な良いものとなり、そのうえで多数の合意によって決まるというプロセスにより、その結果には納得がいかなくとも各議員や利害関係者がそれを受け入れる(結果に拘束される)ということが正当化されるのです。これは民主主義の基本であり、「デュー・プロセス(適正手続の理念)」と言ってアメリカなどで尊重される価値でもあります。

 ひるがえって、今回のTPPの交渉でも、交渉担当者は自民党の石破幹事長に対し、農水・医療など、各利害関係の団体や専門的な議員などと打ち合わせるべき重要な局面が生じればきちんと相談することとなりました。そして石破幹事長は条件交渉にあたり、必要な範囲での関係者間での情報の共有ときちんとした議論の橋渡しを行うことをしていきます。また、今後は、類似した条件の国や関係団体同士が連携して、他の国の要求に対して共闘していくなどの戦術も構築していくことになるでしょう。

 私が副大臣をしている郵政においても、例えばかんぽ生命保険が国の間接的な株式全部保有により、民間会社や海外の会社との公正な競争を阻害していると指摘されています。
 先日発表されたアフラックのがん保険販売に関する日本郵政との提携(郵便局の拠点を利用した販売やかんぽ生命での代理店契約を促進することなど)がこの交渉に何らかの影響を与えることはあり得ますが、基本的にはきちんと前述の指摘を受け止め、これにどう対応するかを考えなければいけないと思っています。そのための情報を私の立場で求めていきます。

 「決められる政治」が「丁寧でない政治」になってはいけません。

[電波行政の決定も次々と]

 この欄でも紹介した、私が主催する電波利用料の見直しに関する検討会も、多賀谷座長のもと有識者の方々にご議論いただき、大まかな方針を決めました。
 携帯事業会社や新規参入放送会社にも、公益性を有する内容のサービスに着目して1/2の特性係数(割引)の適用を認めることとするほか、今後電力改革などで需給調整の鍵となってくる「スマートメーター」などの機器については、たとえ電波を利用するとしても利用料に一定の上限を設けるなど、理論性と妥当性の両面を追求した画期的な案になっていると自負しています。結果として放送事業者の負担は増えることになりますが、ご理解をお願いしたいと思います。

 また、放送の高度化についても、4Kや8Kといったスーパーハイビジョンや、インターネットサービスと並行して受信できるスマートテレビの普及を後押ししていくこととなります。

 ニュースでも話題になりましたが、2.5ギガヘルツ帯周波数の追加割り当てに関する特定基地局開設計画の認定を、KDDI系のUQコミュニケーションズにするか、ソフトバンク系のワイヤレスシティプランニングにするかについても、電波監理審議会のご議論を経て、前者にすることと決まりました。総務省からの天下りが影響しているとか、談合があったなどの批判がされましたが、そのようなことはなく、また、総務省として特定の会社を有利に扱ったり不利に扱ったりすることは(当然私も総務副大臣として)致しません。これまでと同じ書類の提出を受け、これまでと同じプロセスで決定したものです。もしそこに問題があったならもっと前に議論がなされ得たはずと信じています。

私としても職務上歴史的に重要な決定を相次いでする立場にあることを厳粛に受け止めるとともに、しっかり公正に「決められる政治」をすることをお誓い致します。

平成25年7月23日

[「勝利」の実態]

 猛暑の参院選は与党の勝利で幕を閉じました。

 前回のこの欄で触れた埼玉選挙区も、自・公各候補が1位と2位を占め、かつ古川候補は100万票を超える独走で圧勝しました。
 皆様の格段のご支援に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 ちなみにこうしたお礼のメッセージを記載することや、選挙中のインターネット活用は、これまで公職選挙法上禁じられていましたが、今回の選挙からこれらが認められることになりました。
 実際どのような効果、あるいは問題があったのかは、今後きちんと検証しなければいけませんが、例えば街頭演説会の告知によって、その場に多くの方々が集まり候補者や応援弁士の生の声に耳を傾けることができるようになるなど、一定の意義はあったと思います。

 しかし、選挙が終わってみると、いくつか注意しなければいけない点に気付きます。

 まず、事前報道の影響の大きさと、死に物狂いの選挙運動の大切さです。
 事前に自民党圧勝の報道があり、特に1人区で劣勢に立たされているとされた野党は必死の選挙戦を展開しました。私が入手していた世論調査のポイントからもっと大差をつけて勝つと予想された自民党候補者が、接戦を強いられた選挙区がいくつもあります。逆に、苦杯をなめた沖縄選挙区は、実はもう少し野党の候補者が大きくリードしていました。最終盤に応援弁士を含め、必死の追い上げをして、あと1歩のところまで迫ったのです。
 また、東京は自民党の2議席獲得が固いとの報道が流れ、1時は丸川候補をリードしていると伝えられた武見候補の票が減ってしまい、逆に丸川候補の得票数が突出する結果となりました。
 「投票箱のふたが閉まるまで選挙はわからない」・・・言い古されたこの標語は、風が大きく選挙を左右するようになっても厳然と生きているのです。

 第2に、参院選における組織票の意義と、それと矛盾するようですが無党派のパワーの強さです。
 民主党の比例代表で当選した7人のうち6人が、日教組を含め、労働組合の組織候補でした。自民党も比例代表の上位当選者には何らかの組織による支援があり、竹中平蔵さんや片山さつきさんのような全国的知名度を背景とした当選者は少なかったように思います。
 そして猛威を発揮したのが無党派層でした。維新・みんなの選挙協力はうまくいかなかったとはいえ、民主党と競合する選挙区では第三極として、どちらかが民主党を上回る結果を数多く残しました。維新の橋下代表は「野党が結集して自民党に対抗できれば力になる」とおっしゃいますが、そうした面はあると思います。
 しかし世界の流れを考えれば、日本の未来のためにも、「反自民」による野党の結集ではなく、政策・理念による政界の再編が求められるのであろうと思います。民主党が分裂し、第三極がきちんと「小さい政府」「大きな政府」で旗印を鮮明にし、日本でも2つのグループができてイギリスの保守党と労働党のように政策によって国民に信を問い、競い合うような体制にしなければいけない(無論少数政党には配慮した形で)というのが私の確固たる持論です。そうした意味ではみんなの渡辺代表が「あくまで理念・政策本位で党のスタンスを決める」とおっしゃることには共感を覚えます。
 東京選挙区の山本太郎さんの健闘も目を見張るものがありました。ご本人に政治の経験や組織はなくても、都市部の無党派やインターネットの力を背景に議席を獲得したということは既存の政党が有権者に魅力を感じてもらっていないことの現れであり、真摯に受け止めなければいけません。実は自民党の比例獲得議席数も本来もっと伸びてしかるべきでした。上述したような政策本位の政党政治の実現や、党改革をしっかり行わなければいけません。

 第3に、共産党の躍進です。特に都市部での躍進は目を見張るものがあります。
 もっとも、「理念本位の2大政党制」を掲げる私の立場からすれば、終始理論的一貫性を有し、弱者の味方という立場を貫く共産党が支持を集めるのはむしろ当然の流れかもしれません。いずれは社民党や民主党と共産党が合体する日が来るのかもしれません。
 しかし、革新県政(都政)と呼ばれる時代に多くの自治体が経済的な停滞を経験し、世界で共産主義が相次ぎ崩壊している現実を見れば、過激な左派勢力が政権を取るのは国民生活のために決して望ましいことではなく、いかに穏健かつ現実的なリベラル勢力に衣替えができるのかが課題となるように思います。

[今後の課題]

 参院選の勝利は決してゴールではなく、新たなスタートラインです。経済政策、今日から始まるTPP交渉、原発などエネルギー問題、消費税を含む税と社会保障の一体改革、外交・安全保障・憲法問題・・・難題が山積しています。特に沖縄で自民党候補が敗れ、普天間基地の危険除去と米軍再編問題はまた暗礁に乗り上げました。

 私は昨年の今頃、民主党政権で日本が内外とも壁に突き当たっていた時、「この難局を打開できるのは(谷垣総裁のもとで解散が実現できるのでなければ)安倍晋三総裁しかいない」と、それまでの国政での経験をもとに確信していました。

 当時は超党派議員グループ「創生日本」など、日本の伝統や教育・憲法改正などの面から安倍総裁を支持する動きがありましたが、私は経済再生、特に構造改革の面から、小泉内閣のもとで官房長官を務め、改革分野にも通じている安倍総裁に成長戦略をリードしてもらいたいと痛切に感じていました。安倍議員を代表とする金融緩和の勉強会は山本幸三議員・田村憲久議員などにより立ち上がっていましたが、いわゆるアベノミクス第3の矢に相当する成長戦略のエンジンは立ち上がっていませんでした。(ちなみに山本・田村両議員は総裁選では安倍陣営ではありませんでした。)

 下村博文議員、礒崎陽輔議員、義家弘介議員と水面下で構想を練り、世耕弘成議員たちにもお手伝いいただきキックオフした「新経済成長戦略勉強会」こそが、今回のアベノミクス誕生の原動力になったと自負しています。(このことは小川榮太郎氏の近著「国家の命運」にはきちんと書かれていない事実です。)

 しかし自民党内では、同じ理念を持つ議員が必ずしも多数とは言えない現状にあります。改革派の菅義偉官房長官が内閣の要でしっかり政府をまとめていただいていますが、ともすると逆のモーメントが働きがちである実態を私はあちこちで見聞きしています。

 もちろん、改革が全て善だと言うつもりはありません。地方や現場の実態にきちんと耳を傾け、目で確かめ、きちんとプロセスを踏んで物事を決めていかなければいけません。
 しかし一歩引いてみれば、今日本は国際競争の中で残るかどうかの崖っぷちにいるのです。ここであらゆることを加速しなければ、日本は本当に立ち遅れてしまいます。そしてその危機感こそが、今回の参院選でねじれ国会を解消した最大の原動力になったはずなのです。

 一部報道では、「現在の執行部・政府の体制は参院選向けの仮の姿だ」と公言している自民党重鎮がいるなどと報じられていますが、ここで時計の針を逆戻りさせるような体制の先祖返りは断固として阻止しなければいけません。私の立場でできることを、全力で行って参ります。

 最後に、参議院議員選挙の定数配分違憲訴訟が全国で一斉に起こったことも明記しなければいけません。
 衆議院議員選挙の1票の格差は曲がりなりにも1対2以下を目指す形になりましたが、参議院は都道府県単位の選挙のため選挙区間には2倍をはるかに超える格差があり、この欄でも触れたように、2人区よりも1人区の勝敗が全体の帰趨を決する、極めていびつでかつ過疎地オリエントな制度となっているのです。現に、衆院選では各党は都市部に受けのいい「改革」を訴え、参院選では過疎地に受けのいい「格差是正」を訴えるのが勝利につながるとも言われています。
 こうした実態をどうすればよいのか。参議院選挙制度改革は今、衆議院同様(というより衆議院よりも深刻な)暗礁に乗り上げたままです。道州制の検討を含め、参議院のこれからをしっかり議論する時期がやってきました。

 全力で頑張りますので、皆様のご支援を心からよろしくお願い致します!

≫平成25年7月16日

[正直者が馬鹿を見ないように]

 連日選挙戦で活動していますが、どうも参院選は身近でないためか今一つ盛り上がりに欠けているような気がしてなりません。

 前回のこの欄で書かせていただいたとおり、今後の政治運営の、特に国際社会における日本経済の浮沈を賭ける極めて重要な選挙ですので、是非ご関心をお寄せいただきたく存じます。

 野党は、日本維新の会とみんなの党がうまく選挙協力できていないことや、民主党の党勢回復ができていないこともあり、お互いにつぶし合いをして共産党の躍進が見込まれるという論調があります。
 確かに先日実施された東京都議選はそうした傾向がありました。しかし日本全国でそのような結果になるかと言えば、私は決してそうではないと思います。

 例えば埼玉選挙区です。
 ここでは6年前の参院選において民主党に追い風が吹き、定数3のところを2人の候補者を立ててともに1位と3位で当選させました。新人の自民党古川俊治候補は2位。現職だった公明党の高野博師候補は4位で落選してしまいました。

 今回は自民党の古川候補が2期目のチャレンジで、報道では有利な戦いと報じられていますが、選挙は緩んだ陣営が思わぬ苦杯を舐める例が後を絶ちません。しっかり頑張らないといけません。
 何よりも民主党は今回背水の陣ということで候補者を一人に絞り、死に物狂いの組織戦を展開しています。決してあなどることはできないと脅威を感じています。

 そして何と、前回埼玉でトップ当選した民主党の現職は、今回はみんなの党から立候補するのです。みんなの党は、今回自民党を「既得権益に縛られ改革をし切れない政党」と批判しており、一定の支持を集める可能性があります。
 私は自他ともに認める改革派であり、大変信頼し、いつも連絡を取り合っている菅官房長官が今後きちんと規制改革や行政改革などの必要なかじ取りをしていくことを信じていますし、全力で協力していく所存です。にも関わらず、労働組合を基盤に持ちみんなの党の渡辺代表も批判している民主党から、党籍を移って堂々とみんなの党より立候補される方が、与党として自民党とともに責任ある政策運営を行ってきた公明党の候補者を押しのけて当選するということには納得がいきません。

 もしここで公明党の新人矢倉克夫候補が4位で落選するようなことがあれば、6年前の与党に大逆風が吹いていた時と、今回のように逆に支持されている時が、結局選挙区において全く同じ議席配分となってしまいます。こんな理不尽は到底認めることができません!

 自民党は今回、公明党の矢倉候補にも推薦を出す異例の措置を取り、与党で2議席を確保する運動をしています。古川候補を公認しているので非常に難しい選挙戦ではありますが、是非ご理解をいただきたいと思います。
 明日17日午後5時には自民党の石破幹事長と公明党の山口代表が揃って所沢駅西口で街頭演説を行いますので、お時間のある方には是非おいでいただきたく存じます。

 総務省の公務や地域イベントもありますが、あと暫く、(他県の応援も含めて)参院選にも全力を尽くして参ります。

≫平成25年7月1日

[国会が閉じても…]

 通常国会は野党の参議院での問責決議案可決によって幕切れとなり、電気事業法改正案など重要な法案が廃案となってしまいました。

 ねじれ国会は熟議の場を作るという意義があるはずですが、現状を見るとこの危機的な国政を停滞させていることは紛れもない事実です。
 来たる参院選では何としてもこのねじれを解消し、アベノミクスを中小企業や個々人が実感できるよう加速させなければいけません。

 地元の埼玉県ではもちろんのこと、他の地域でも要請があれば応援に駆けつける所存です。

 もちろん、総務省の公務は当然のことながら国会が閉じても続きます。

 当面の注目は、3年に1度の電波利用料の見直しです。そのための検討会は私が主催者となり、有識者の方々と共に議論を経て結論を出します。NHKや民放各社などの放送局も、携帯電話などの通信事業者も、スマートメーターなどの新しい機器も、この議論の結論によって展開が大きく左右されるため、慎重に検討しなければいけません。
 今日たたき台の第1弾を発表します。

 また、経営が難しくなっているラジオ放送の強化を、災害などに対応する放送インフラの強靭化という観点でどこまで行うことが正当かという議論も、新しい通信メディアの登場という観点から慎重な検討が必要です。報告書に皆様のご意見をいただいているところです。

 強靭化といえば、トンネルなどの社会資本インフラの強靭化の検討会議も副大臣級の協議会が実施されています。効率化を図るためのセンサー活用などを総務省から提言していきます。

 それを含め、この欄で再三紹介しているICT成長戦略は、安倍本部長のもとでまとまった提言をきちんと実行に移すことが必要です。法制度の改正を含め、しっかり結果を出していきます。

 そして、TPPとの関係で、郵政民営化をどのように進めるかも極めて需要な局面を迎えました。

 私は郵政関係各社の事業の徹底的な検証と現地への視察を踏まえて、これからの新規事業展開と株式上場に向けた道筋が見えるようにしなければいけないと考えます。

 JPタワーなど都会の取組みばかりでなく、地方の郵便局の実態もヒアリングし、いかに民営化・経営マインドの強化により、業績を好転できるか、また民間会社とのイコールフィッティングが確保できるかを検討しています。日本郵政西室新社長はじめ各会社の方々ときちんと連携して取り組みを進めていきます。

 ちなみに今日は、クールジャパン推進担当副大臣の一人として、テレビ新広島の「スーパーニュース(午後5時53分から午後7時)」にインタビュー出演し、現在の政府の取組みや、日本酒など期待できる分野の話をさせていただく予定です。

 忙しい日々が続きますが、引き続きのご支援をよろしくお願い致します!

≫平成25年6月19日

[時代が求めるブレイクスルー]

 発表された安倍内閣の追加成長戦略に、「踏み込み不足だ」などという批判が出され、株式相場などの乱高下も手伝って「アベノミクスはバブルだ」とコメントする人々がいます。

 行き過ぎた相場には調整局面があるのは当然ですし、国際要因等もあるので、相場の動向に一喜一憂するべきではありません。

 ただし、これからいかに財政健全化や構造改革が進むかは、非常に重要だと思います。

 震災復興・国土強靭化・相次ぐ景気対策により、財政は大きく膨張しています。景気が良くなれば当然歳出削減を行わなければいけません。使途も少子化対策や新規成長産業の育成などにシフトし、消費税を着実に上げられる環境を整えるべきです。

 そして、この新規成長産業の柱となるのが、今総務省として携わっているIT戦略です。
 6月10日、日経新聞との共催で開催した世界ICTサミットのレセプションで私は、「現在わが国では、安倍総理をヘッドとするIT総合戦略本部において、私も参加したIT戦略起草委員会等の議論を踏まえて、安倍ビジョンの取りまとめを行っており、この中では『世界最先端IT国家創造宣言』をしております。」と挨拶しました。

 具体的な工程表を作成し、IT戦略によって経済・社会の閉塞感を打破して日本の再生に貢献すること・国際社会に貢献していくことを、力強く打ち出しています。

 ただし、こうした戦略が功を奏するかどうかは、ひとえに、関係当事者がどれだけ本気になれるかにかかっています。

 誤解を恐れずに言えば、日本の官民の安定・安全志向やセクショナリズムが成長を阻害してきました。リスクを取れない企業に勝ち目はないし、決断ができない政府に成長は支えられません。

 IT総合戦略本部、新規に創設した政府CIO(内閣情報通信政策監)が横串を通し、省庁間の、官民の、中央と地方の、国境の、壁を取り払って(もちろんセキュリティーにはきちんと配慮して)、ロードマップをしっかり推進していかなければ日本に明日はないという気概で各自取り組まなければいけないのです。

 しかし課題は山積しています。

 6月10日に総務省で開催した、「放送コンテンツ流通の促進方策に関する検討会」では、今後放送と通信の融合を想定し、新たな方向を打ち出しました。
 一つは権利処理です。実演家や音楽などの著作権の処理が、伝統的な逐一同意を得る方式であってはとてもでないですが新時代には通用しません。時間やコストを効率化する方策について権利処理のための機関の活用を含め、新たな方向性が示されたのは非常に画期的でした。もう一つは、私も首相官邸でのクールジャパン推進会議などで訴えていましたが、放送コンテンツや製品・サービスを、総合的にストーリーをもって海外展開していく体制が整ったことです。

 この会議や私のコメントはニュースになりましたが、要はこれをきちんと実施できるかです。

 さらに、6月17日には、放送業界・通信業界・家電業界のトップが参加する中、「次世代放送推進フォーラム」の設立発表会が実施されました。
 4K・8Kなどのハイビジョンと、インターネットと融合したサービスを利用できるスマートテレビを、一体的に導入することにより、放送コンテンツを高画質や多様な方法で楽しむことができるようになるだけではなく、医療・機械の設計・防犯など幅広い分野でも応用できるようになり、色々な意味で国際競争力でも優位に立てる契機になると言えます。

 この会議や私のコメントもテレビ各局でニュースになりましたが、きちんと利用者のニーズを踏まえた展開ができるかが大きな鍵になってきます。

 折しも6月12日に総務副大臣室を訪問された米国グーグル社のアジア太平洋公共政策局長であるスーザン・ポインター女史と、これからのビッグデータ戦略・著作権戦略について有意義な意見交換をすることができました。

 これからも日本の成長に向け、全力を尽くして参ります。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

≫平成25年6月12日

[放送の中立性]

 最近、テレビ放送の中立性についてメールなどでご意見をいただくことが多くなりました。

 放送法は4条で、事業者の番組編集につき、「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を義務として定めています。

 放送は、有限の電波を用いて行われる公共性のある事業であり、その影響も大きいことから、一定の認定を受けた事業者が免許を得て行うものです。中立性・真実性の要請は当然のものと考えます。

 一方で、事業者には憲法21条に保障された表現の自由があり、放送法3条も放送番組編成の自由を明記しています。
 特に、放送は時の権力の影響を受けがちであり、それがもたらしてきた幾多の悲劇から、権力を持つ者が放送内容に口を出すことは、たとえそれが放送法4条に反するのでないかとの疑念を持つことによるものだったとしても、慎まなければいけないというのが現在の法体系なのです。

 私は放送担当の総務副大臣です。色々個別の放送に思うところはありますが、上記の原則は守らなければいけません。

 無論放送行政を所管している以上、放送事業者に対して一切権限が行使できないわけではありません。例えばNHKについては、受信料の基準は総務大臣の認可が必要ですし、業務報告についての意見表明も総務大臣が行います。ただしこれらは事業展開や不祥事に関するものが主となり、放送内容に関わるものとは言えません。ちなみに私は今年の総務大臣意見につき、わが国の国益の尊重という趣旨を盛り込むように強硬に主張し、結果として「我が国の公共放送としての位置付けを踏まえ」という文言の挿入が実現しました。

 もっとも、NHKの予算について国会衆参の総務委員会で質疑が行われ、その中で出席議員から、NHKの政治姿勢や番組に関する質問が行われることがあります。ただこの場合の答弁は出席しているNHK会長が行います。
 ちなみに党の総務部会で、このNHK予算に関する承認を行う際、番組に関する疑問が出席議員方から出されることがあります。この場合はそれに対する局側の答弁が不充分な時は、部会長が答弁の補充を指示しない時、私から促すこともしています。ここまで私が踏み込むのは、党の部会は国会の委員会と違って議事録が残らず、公の批判にさらされることがないからです。

 過去に総務大臣や有力政治家が番組内容にクレームをつけたこともありますが、まず間違いなくスキャンダルとなっています。

 「では偏った番組内容を是正するにはどうすればいいのか」という疑問が当然出てきます。放送法は6条で、各事業者が学識経験者からなる放送番組審議機関を設置しなければならないと定めています。

 特にNHKに関しては81条で、細かい番組についての準則を定めたうえで、82条でこれに沿ってチェックする放送番組審議会を、中央・地方・国際それぞれの放送に関して設置することとなっており、中央・国際各審議会委員の人選は、NHK経営委員会の同意を得てNHK会長が委嘱することとなっています。
 この審議委員個々人について総務副大臣が監督するような仕組みには当然のことながらなっていません。

 ちなみにこの同意をするNHKの経営委員会の委員については、両議院の同意を得たうえで内閣総理大臣が任命することとなっています。このリストは私たち総務省で作りますが、任期がありますので先日は一部の方々を更新するにとどまりました。

 こうした体制で充分なのかは疑問もあるところでしょう。ちなみに業界自主機関としてBPO(放送倫理・番組向上機構)が設置され、放送倫理検証委員会や放送と人権等権利に関する委員会などがありますが、わが党の佐藤勉元総務大臣が指摘されたとおり、業界で設けた組織であってお手盛りにならないかとの懸念があります。

 事業者には視聴者の意見に耳を傾けてもらうことが必要だと考えています。例えばNHKは視聴者から寄せられる意見・要望について、どう対応したかを1か月ごとに集約して経営委員会に報告するとともに、NHKの各部署で情報を共有し、業務改善に役立てることとなっています。また、その状況はHPにアップされています。これを是非しっかり活用して欲しいと思います。

 今後、場合によっては放送法の改正も含め、議論がなされることがあり得ます。私の立場で今何ができるのかを真剣に検討して参ります。

≫平成25年5月30日

[利用者目線]

 最近、仕事をしていて痛切に感じるのは「利用者の視点を欠いては物事はうまくいかない」ということです。当然のことなのですが肝に銘じなければいけません。

 28日午後、成長戦略の一環として、政府で日本食や文化の海外展開を進めるための「クールジャパン推進会議」の行動計画が正式決定しました。秋元康さん、コシノジュンコさん、金美齢さんたちとともに、私たち各省庁の代表も参加して取りまとめられたものです。

 日本料理に造詣の深い「食の伝道師」の育成・活用、世界文化遺産を目指す観光資源「日本遺産」のアピール、アニメなどのポップカルチャーやデジタルコンテンツの海外展開、そのための若手クリエーターの支援など、多様でよい方針が示されたと思いますが、大切なのは、押し付けでなく、それを受け入れる海外においていかにブレイクしてもらうかという視点です。

 日本と外国の放送事業者が共同で番組を作るとか、現地のニーズをきちんと調査するなど、相手を知り、また巻き込んでいくという姿勢を忘れてはいけません。私のみならず複数のメンバーがこのことを指摘していたのが印象的でした。
 この発想、選挙にも通じるものがあると思います。

 話は変わりますが、最近総務省でICT街づくり推進会議の現地視察として、街づくりにITを積極的に取り入れている柏市や三鷹市に伺った際もそのことを強烈に感じました。

 ともすると街の行政情報を駅前でWi-Fi(高速無線LAN)で確認できるとか、要援護者の見守りや防災情報提供をITを使って行うなどの先進的な側面ばかりが目につきますが、実はそれらが普及し、持続可能なものとなるかどうかはまさしく住民ニーズや、利用者の親しみやすさなどをきちんと把握するとともに、住民を(ボランティアを含め)巻き込んでいかないといけないのです。
 健康情報をスマートフォンで管理する場合、どの程度の予算と住民の講習などが必要なのか、要援護者のプライバシーはどう確保し、病気や災害の時に誰が現場に駆けつけるのか等々…しっかりと検討する必要があります。

 これから情報の共有を図る「ビッグデータ化」はますます進み、自治体を含む「電子政府」の実現・統一化も待ったなしの状況です。しかし急ぎながらもこうした視点を忘れることなく、官民連携して頑張っていきたいと思います。

[医療フォーラムの盛況]

 27日に所沢市民文化センター(ミューズ)において、古川俊治参議院議員、藤本市長とともに「医療フォーラム どうなる日本」のパネルディスカッションに参加させていただきました。会場ほぼ満員の関心を集めるとともに、有意義な議論ができたと思います。

 ここでも利用者の意識が医療を変えるということを痛感しました。
 各自が健康現役社会を目標に生きがいを持って過ごしていただくこと、救急医療が真に必要な方々のものであるという自覚を持っていただくこと、コストは最終的に自分たちの負担となることから、それをどう分配するのが公平かを考えねばならないということ、きつい労働環境の勤務医や隣接職の方々の処遇をどう改善するかということ…厳しい問題もありましたが、目を背けてはいけないでしょう。

 もっとも、ITなどを活用した医療と介護の連携ですとか、最先端治療(iPS細胞など)が産業フロンティアを導くことですとか、前向きな話も色々できました。地元の医療事情に関する有用な情報も沢山提供できたと思います。

 尽力して下さった皆様、ご参加いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。

≫平成25年5月20日

[方法重視]

 北朝鮮を訪問していた飯島勲内閣官房参与の動向が注目されています。

 安倍総理は「拉致問題の解決なくして日朝正常化なし」の姿勢を堅持し、核問題などについて定めた日朝平壌宣言がミサイル発射により蔑ろにされていることを批判する姿勢を崩していません。しかし問題の解決に向けて選択する方法については、徹底した情報収集と多様な人材の適切な活用が必要になります。

 アメリカの政権の状況、対ロシアの日本のスタンス、日韓関係、中国と北朝鮮の関係などをにらみつつ、小泉政権において当時の安倍官房副長官と北朝鮮を訪問した飯島氏が、今後の戦略を広げる役割を果たしていると思います。

 日本維新の会の橋下共同代表の発言も、問題解決の意図があったにせよ、プロセスとしては不適切だったと言わざるを得ません。
 これからは、いつ、どこで、誰が、何をどうするかというプロセスの選択が、目的達成の可否を大きく左右するのです。

[経済再生の処方箋]

 安倍総理が都内で講演し、民間投資の拡大や攻めの農業などを柱とする成長戦略第2弾を発表しました。メディアでは規制改革などの大胆なメニューが盛り込まれなかったと批判もありますが、有効性を配慮しつつ時期的に優先順位をつけたのだと思います。
 私たち総務省が主張した放送コンテンツの活用を軸としたクールジャパン戦略や、ビッグデータの活用も盛り込まれていますが、実はここに著作権のあり方の見直しや、電子政府導入に伴う大胆な規制改革が求められてくるのです。パーソナルデータの利用・流通に関する提言も今日発表されます。是非しっかりとご覧いただければ幸いです。

[スカイツリーへの電波塔移転]

 一部で、今月中に想定しているスカイツリーへの電波塔移転が大幅に遅れる可能性が報じられています。

 しかし試験放送をする中で、要対策施設とされた約11万件のうち、9.8万件が工事完了、0.7万件が工事日が確定しており、99パーセントの目処はついています。新藤義孝大臣が「大量未処理のまま強引な移行はしない」と国会答弁していますが、なし崩しに大幅に遅れる可能性は少ないと言えます。今後も移転リハーサルを行うとともに、移転後にしかアンテナ工事ができない場合のCATV対応、簡易アンテナの活用などによって、早期の移転に全力を尽くしていきます。

 地デジ対応は、高画質化や今後のデータ通信への道を開くこと、電波の空き領域の有効活用の可能性をもたらすことから必要な政策でした。ご理解を是非お願い致します。

[所沢副大臣就任祝賀会へのお礼]

 所沢地区で齋藤博元所沢市長を発起人代表とした副大臣就任祝賀会を企画していただきました。昨日の会合には大井・三芳地区のご来賓や、町村信孝元内閣官房長官、新藤総務大臣、古川俊治参議院議員、西田実仁参議院議員をはじめ多くのご参加があり、安倍総理のビデオメッセージも紹介されました。
 参加された方々、ご準備いただいた方々に心からお礼申し上げます。

≫平成25年5月8日

[チャレンジの国から]

 4月30日から5月4日まで、米国ワシントンDC、サンフランシスコに出張に行ってきました。

 ボストンのテロの後ということもあり、事前に行先や目的を紹介するのは控えさせていただきました。

 今回のミッションはかなり前から決まっていたもので、米国で大きな課題となっている(また日本でも今後重要テーマとなる)インターネット上の業務妨害・プライバシー侵害などに対するセキュリティー対策や、その裏腹となるインターネットによる経済成長戦略について、また、遅ればせながら日本でも進み出した電子政府や国民番号制度、情報の共有システム(クラウド化)について、米国政府担当機関や民間の情報通信会社と情報交換し、また連携を強化する目的でした。
 おかげさまで大きな成果を得られたと思います。

 加えて、飛行機で一緒だった竹中平蔵教授や土居丈朗教授たちとの意見交換、佐々江賢一郎駐米大使や猪俣弘司サンフランシスコ総領事をはじめ、現地駐在の日本政府関係者や、北加日本商工会議所や在ワシントン情報通信関係日本企業の責任者の方々との会談・会食などもとても有意義でした。

 米国では、セキュリティー対策を何が何でも政府が全部やろうとしているわけではなく、今年2月にオバマ大統領がサイバーセキュリティー強化を目的として発した大統領令でも、DHS(国土安全保障省)をはじめとした政府と、民間企業との間で、マルウェア(不正プログラム)などの情報共有を進めると定められていますし、過度な規制を導入するよりも金融・エネルギー・治安などそれぞれの領域でベストプラクティスを確立することが目指されていることなどが印象的でした。(マカフィーなど民間のセキュリティー会社が発達しているのもうなずけます。)

 スマートフォンの普及により、位置情報や各種アプリケーションの活用を通じてユーザーのプライバシーの侵害の危機が生じていることや、迷惑メール対策が必要になっていることなどについても、通信事業者や消費者団体などの利害関係者を幅広く協議に参加させ、個人情報に関する取扱いの説明・同意に関する方針や迷惑メール発信情報の扱いなどを官民で決めています。アプリケーション提供事業者でもあるアップル社がとても熱心に取り組んでいるのが印象的でした。

 何と言っても実感したのは「やはりアメリカはチャレンジの国なんだなあ」ということです。

 ホワイトハウスで政府CIO(情報統括監)のヴァンケロール氏に、あるいは前政府CIOのクンドラ氏と面会し、政府情報をオープンにして利便性を高めるため「クラウド・ファースト」を徹底するとともに、各政府機関の情報システムにかかる経費を徹底的にダッシュボードを用いてオープンにし、経費削減の競争をさせたり、政府調達システムにも競争原理を導入し、どんどん新しくよいものに更新したりしています。エコカーシステムなどで膨大な情報処理が必要になっても、積極的に民間から優れた人材やソフトの導入を行って対応しています。

 シリコンバレーで訪問した民間企業でも、グーグル社におけるイノベーションを立ち上げるための大胆なM&A戦略や、各種法的紛争(ユーチューブなどの著作権の問題や、検索サービスでのサジェスト機能《キーワード表示》によるプライバシー侵害の判決など)をものともせず(というか、それは法的リスクの一部だと割り切って)どんどん利用者ニーズに応えようとするメンタリティーは、会社の大らかな雰囲気と併せて本当に印象的でしたし、日本の多数の官民主体(地方自治体を含め)が業務委託しているというクラウドサービス提供会社のセールスフォース・ドットコム社も、「ビッグデータ革命」とその裏腹としてのセキュリティーを技術面に加えて監査・人材教育など充実したガバナンスでも確保しているという「信頼革命」を、見事に両立しているのが印象的でした。

 この出張の成果を新藤大臣にも報告しましたし、今後の各種会議でもフィードバックしていきます。政治主導で日本の取組みを、省庁の壁を超え、官民の壁を超え、中央と地方の壁を超え、国境の壁を超え、加速させなければいけません。

[日本の外交戦略]

 安倍総理をはじめ、GW中の各閣僚の外交も戦略的だったと思います。私もマイケル・グリーンCSIS(戦略問題研究所)日本部長との意見交換の中で、日本を取り巻く経済や安全保障の微妙なバランスについて認識を新たにすることができました。ここには全ては書けませんが、誤りなき対応を今後とも心掛けていきます。

≫平成25年4月28日

[続く記念日]

 今日これから政府主催の「主権回復の日」の式典に出席して参ります。

 高市早苗政調会長が指摘されるとおり、この日は主権の重みを考え、なぜ占領されるに至ったか、占領下はどういう政治だったか、沖縄・奄美・小笠原がなぜ同時期に回復できなかったかということも考えていただく、意味のある日です。沖縄の方々からはご意見もあるようですが、この文脈でしっかりと考えていきたいと思います。

 ゴールデンウィークには国外出張に出かけてしまうため、憲法記念日には日本にいないことになります。憲法を取り巻く環境や今後のあり方についても、国民的議論が必要だと考えています。私は政府の一員となる前、衆議院の憲法審査会や特別委員会で、「主権者である国民が憲法について判断する機会を事実上奪っている、両議院での3分の2の発議要件は緩和するべきだ」と繰り返し発言してきています。各党での合意がまとまるよう期待しています。

[靖国問題は冷静に]

 安倍内閣の閣僚が靖国神社に相次いで参拝したことに、中国や韓国などから批判の声が上がっています。

 これについて政府は「国策に従って尊い命を捧げた方々に尊崇の念を示すことは内政問題である」という立場を取っており、これ自体はそのとおりだと思います。

 論点は、いわゆるA級戦犯と言われる人たちが合祀されていること、最高裁判所が靖国神社への政府への一定の関与が憲法の定める政教分離原則に反するとしていることです。

 前者については、勝者が敗者を裁く形を取り、内容的にも遡及処罰など国際法の原則から疑問の残る東京裁判で、A級戦犯とされた人たちが合祀されていることは(全ての人に問題がないのかの議論は別として)決定的なネックとは言えないと判断します。

 後者についても、閣僚の参拝が(私的参拝の形式を含めて)全て憲法違反かというと、判例の解釈からはそうは言えないでしょう。また、政教分離原則をどうすべきかは現在の実情を踏まえて憲法論議をするべき部分です。

 理屈のうえでは上記のとおりなのですが…現在日本をとりまくアジアの国々との大変難しい安全保障をはじめとする懸案事項の解決に、この問題が影響を与えることは必ずしも得策ではありません。内政問題であると主張する以上は、ツイッターにも書きましたが、淡々とできることとできないことの主張をすればよいと考えます。私自身は靖国神社へは随時参拝をしていますが、注目される節目の日の参拝は(今のところは)していません。

[成長戦略も大詰め]

 安倍内閣の成長戦略の取りまとめがいよいよ5月に大詰めを迎えます。

 総務省でもICT成長戦略会議や地域の元気創造本部での議論について、現在集約作業に入っています。私も参加する会議では積極的に発言し、特にイノベーションや新ビジネスモデルの発掘などについてエッジの効いたかつ現実味のある制度改革ができるよう頑張っています。クールジャパン推進会議や総合科学技術会議などの議論も重要です。是非ご注目下さい。

[GW中の出演]

 5月2日(木曜日)午後7時から2時間、日本テレビの「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中」スペシャル番組が放送される予定です。私も収録に参加して、アジア情勢について語っているのですが、さて、どうなりますか…

≫平成25年4月20日

[ITで変わる老後、そして教育]

 総務省で立ち上げたICT成長戦略会議の下部組織である「ICT超高齢社会構想会議(座長:小宮山宏元東大総長)」において、このたび基本提言がまとまりました。私も会議では積極的に発言して提言に貢献しています。

 題して「スマートプラチナ社会の実現」。

 これまでともすると「お年寄りはITが使えず、見るのはテレビだけ」というイメージが定着していました。しかしお隣韓国は違います。「IT社会が進んでもお年寄りを別途保護しよう」という発想でなく、「こんなに便利なものをお年寄りが使えないならどうすれば使っていただけるようにするか」という前向きの政策を打ち出し、実行しているのです。

 私たちのこの提言ではまず、ITを使って健康を維持し、自立的に暮らすビジョンを打ち出しています。
 具体的には、健康寿命の延伸の観点から病気予防のための生活モデルを一人一人の特性に即して確立し、自分で日々管理できる仕組みを構築する大規模な社会実証をしたり、医療・介護・健康関係のデータを関係機関に共有・活用する(いわゆるビッグデータとする)ための基礎的インフラを整備したり、買い物・見守りなどの生活支援をGPS(衛星測位システム)で行うライフサポートビジネスを創出するなどです。災害などでもこうしたお年寄り情報をしっかり救助に活用します。

 そしてお年寄りが生きがいを持って働き、社会参加するようにします。
 具体的には、生涯学習センターや自治会などでのITの学びの場をもっと活発化するとともに、テレワークなどを活用した現役世代とのベストミックス就労モデルを実証したり、テレビ電話などを通じた子供たちとの交流の促進を進めたりします。また、ITを使って、お年寄りの個々のニーズに沿った身体的機能を補完する介護ロボットやコミュニケーションロボットなどができてきますので、その社会実証やガイドラインなどを策定します。

 こうしたこれまでの「シルバー産業」を超えた新たな産業群を「スマートプラチナ産業」と名付け、オープンイノベーションによって展開していくための支援をどんどん行うとともに、この分野で日本がフロントランナーとして世界に貢献できるよう、ITシステムの標準化や各国との共同連携を進めて参ります。

 私たちとしてはこのプロジェクトにより、2020年に23兆円規模の新産業が創出できると期待しています。

 教育の分野のIT化も進めていきます。

 折しもタイでの選挙公約で示された「全ての生徒にタブレットコンピューターを」という項目に基づき、インラック首相が公立小学校1年生の生徒のため90万台の(中国製)タブレットコンピューターを導入したことが話題となりました。日本の選挙公約もこのようにきちんと実行されるべきです。

 私たち総務省では「フューチャースクール推進事業」と銘打ち、文部科学省との連名によって同様の推進を行うためのガイドライン(2013版)を、学校や教育委員会など関係者に宛てて策定しました。

 小学校における機器やネットワーク環境の構築、中学校や特別支援学校では遠隔地との交流授業などの利活用事例などについても掲載されています。

 教える人材が不足しているなどの問題もありますが、徹底した研修プログラムなどを導入していきます。将来世代のITリテラシーやネットエチケットの教育は絶対に必要となってきます。

[テレビ番組の収録]

 日本テレビのゴールデンウィークに放送予定の特番に出演するため、昨夜収録を行いました。先日のフジテレビ新報道2001など、最近立て続けにテレビ出演の依頼が来るようになりましたが、私としては積極的に情報発信していこうと思います。

 放送まで間がありどう政治が動いていくかわかりませんし、どのように放送されるかも確定していない部分がありますので、直前になったら告知させていただきます。

≫平成25年4月10日

[暴走か計算か]

 北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」を発射する準備ができていると報じられています。

 防災・危機管理を担当する総務省としても即応体制を取ることが求められます。Jアラートの情報が迅速に国民に伝わるようにしないといけません。
 今回は北朝鮮から特段の発射予告がなく、小野寺防衛大臣は迎撃のための破壊措置命令を非公表の形で発したということで、やむを得ない措置だと思います。

 それにしても若き指導者金正恩氏は何を考えているのでしょうか。今回は中国すら北朝鮮の行動を擁護していません。国際的な孤立や武力衝突につながりかねない暴走ととらえる向きもあります。

 しかし一方で、「核武装をした国に対しては米国は攻撃をしてこない」という計算に基づく行動とも言えます。
 私は中東担当の外務政務官の時代に、決して日本と関係が悪くないイランに対し、核開発についての疑惑を払拭するよう再三訴えました。米国やイスラエルなどとイランの関係からして、上記のような計算に基づく行動をイランが取ると思われてもやむを得なかったからです。

 もちろんこのような計算に基づく行動が正当化されれば、世界で歯止めなき核開発競争が展開されてしまいます。何としても国際社会を敵に回した核武装が割に合わないというコンセンサスを作り、今回の北朝鮮の動きに、関係各国が連携して事前・事後に毅然とした対応をしていかなければいけません。

 今後とも注視を深めて参ります。

≫平成25年3月30日

[周回遅れの議論]

 全国各地で昨年末の衆議院総選挙の1票の格差について提起された訴訟の判決が、高裁段階で出揃いました。

 16件中、違憲と明確に判断したのは14件。残り2件も「違憲状態」としており、合憲判断は1つもありませんでした。しかも違憲判決のうち2件は史上初めて選挙無効にまで踏み込んでいます。この無効判決が確定したら、当該選挙区の議員は将来に向かって失職することになります。

 この場合、新たな区割りができるまでは補欠選挙も含めて事実上再度の選挙は不可能となり、長期にわたって当該選挙区は衆議院での代表不在という事態になりかねません。このような不都合にもかかわらずこうした判決が出たことの重みを、私たちはしっかり受け止めなければいけません。

 折しも3月28日には、前国会の最終日に成立した0増5減の具体的な区割りについて勧告がなされたところですが、本来これを確定する作業は、昨年の選挙の前に済ませておくべきでした。というのも、さらにその前の2009年の選挙時の1票の格差が既に違憲状態と最高裁で示され、それに基づき各党で定数是正案がかなりの長期間議論され、しかし合意に至らなかったという実態があるからです。

 昨年11月15日付のこの欄のブログで紹介したとおり、早くから自民党は、政治制度改革推進本部の細田本部長(事務局次長は私でした)のもとで、最高裁が1票の格差を2倍未満にするのに障害になると指摘した各都道府県1人別枠方式に風穴をあけ、0増5減によって小選挙区での1票の格差を2倍未満に引き下げるとともに、比例区における30減を併せて提案していました。

 しかし民主党は、身内の議員からも公然と「憲法違反だ」と声が上がる「比例区連用制」に固執し、これにより絶対に実現が不可能だと知りながらも、パフォーマンスで大幅な定数削減を含む案を提示して自民党を批判し続け、合意を壊してきたのです。この「連用制」は、公明党など小政党に、大幅な定数削減のもとでも比例区議席を逆に劇的に上積みさせるもので、まさに党利党略としか言えない性質のものでした。

 制度全体に関する合意が困難になったことにより、自民党の発案により各党間でようやく合意したのが小選挙区0増5減の先行法案です。そしてこの夏までの通常国会で、より抜本的な選挙制度改革をするというのが当時の野田総理と安倍自民党総裁の約束だったはずです。

 今国会、自民党はこれまでの細田案を改善した案を提示しており、民主党は岡田元代表が「自民党の案は憲法違反のおそれがある」などと主張しているようですが、上記のとおり違憲の疑いが強いこれまでの民主党案に比べればはるかにまともな案です。

 また、自民党案は定数削減幅・見直し対象区が少なすぎるという批判がありますが、それならきちんと0増5減を決着させた後、堂々と国会でオープンに議論しながら合意形成を進めるべきだと思います。自分の地位が危うくなる議員にも厳しい案を受け入れさせるためには世論の力が必要です。第三者機関での確定の必要を求める声もありますが、しょせん法案への反対者が多くつぶされてしまっては元も子もありません。

 もちろん、私はどんな案が出てもそれが理屈が通り、国益にかなうものであれば自らの保身を図ることなく賛成する覚悟です。全ての国会議員が真剣に国益を考えねばなりません。

 ただし中選挙区制の復活には反対です。この欄で再三触れたとおり、理念を明確にし、政策本位で政党を選べる二大政党制(少数政党にはもちろん配慮します)を実現させるべきというのが私の一貫した主張だからです。

 選挙所管の総務省の副大臣として、今後とも全力で取り組んで参ります。

[メディアでの主張]

 衆参両院での平成25年度NHK予算案の委員会質疑も終わりました。きちんと自らの主張を明確にし、しかしチームとしての和を尊重しながら進めていくのが今の総務省政務三役です。東京郵便局のJPタワーも開業してこれからビジネスが拡大します。ITによる成長戦略の策定も、行政改革も、取組みが本格化します。

 そのような中で、明日3月31日(日曜日)午前7時30分から8時52分まで、フジテレビの「新報道2001」に生出演することが決定しました。橋下徹大阪市長や、元鳥取県知事・総務大臣の片山善博慶大教授たちとともに、大阪市政改革などを題材とした日本再生策をどうするべきかを徹底的に討論します。是非ご覧いただければ幸いです。

≫平成25年3月20日

[リーダーの資格]

 安倍総理が、2月22日のオバマ米大統領とのTPPに関する文書での合意(全ての品目をテーブルに乗せるが、聖域なき関税撤廃を前提とはしない)を受け、3月15日に交渉参加を表明したことは大きな意義を持ちます。

 私はこの欄で2月21日に、政府がとるべき基本的なスタンスについて、また各分野での懸念がだいぶ払拭されている旨書かせていただきました。

 TPPに参加することのメリットがよくわからないという意見もありますが、むしろ「参加しないデメリット」を考えるとよくわかります。

 成長するアジア太平洋地域に対して貿易の拡大によりその果実を得ようとする日本にとって、今後この地域で進むRCEP(東アジア地域包括的経済連携)やFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)などの動きに影響を間違いなくもたらすTPPにおいて、ルール作りに関与できなくなってしまいます。これは政治的リーダーシップの低下にもつながるでしょう。

 中国や韓国との懸案事項の存在や安全保障上の問題を考えても、日米同盟を基軸とする日本がTPPによって経済的な連携を強めていかなければいけません。

 もちろん今後の交渉の推移は予断を許しません。細部については3か月明示されないとの不安もあります。

 自民党では、農林水産分野の重要5品目等(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等)や、国民皆保険などの死活的利益の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は脱退も辞さないという決議を行いました。そして先の総選挙では主権を損なう内容のISD(投資家対国家の紛争解決)条項を認めないなど6項目の公約を掲げていますが、これを守っていくこと、及び十分な情報の開示を行っていくことも求めています。

 不利益を被る産業について、いかなる対応をするかをきちんと明らかにすることも大事です。

 今後のTPP交渉にあっては、強力な政府一体の交渉チームを作ること、そしてこれを支える与党が参議院選挙でしっかりと安定した勢力を確保することが必要になってきます。私も政府の一員として全力を尽くすことをここにお誓いする次第です。

 安倍総理は3月17日の党大会で、自らの今の地位は農村地域での暖かい支援が原点であり、それに対する感謝を決して忘れないこと、また日本の美しい国土や国柄を断固として守り抜くことを力強く宣言されました。リーダーは、きちんと各方面の意見を聞き、決断する時は決断し、全力でそれを実行するとともに責任を引き受けなければならない…今の安倍内閣に対する支持が高いのは、そんな総理の姿勢を国民の皆様が感じ取っているからだと思います。

[情報分野での活動]

 昨夜、社団法人デジタルメディア協会が開催した、優秀なデジタルコンテンツなどの制作者を表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'12/第18回AMDアワード」の授賞式に、大賞/総務大臣賞のプレゼンターとして出席しました。

 受賞したのは「おおかみこどもの雨と雪」(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会/スタジオ地図)、細田守監督によるオリジナルアニメーション映画です。私から受賞理由を「素晴らしい描写力と、シナリオの力を実感させていただいた。日本のアニメーション技術、そして構成の質の高さを示していただいたのではないかと思う」と説明させていただきました。

 ちなみに協会理事長賞には「EPUB 3」(IDPF:国際電子出版フォーラム)が選ばれました。米国の電子書籍標準化団体IDPFが普及促進している電子書籍用ファイルフォーマットで、英語圏ではEPUBは既に標準規格となっており、EPUB 3では各国の担当者により各国語対応のサブセットの開発が進められています。電子出版市場を世界標準のプラットフォームに乗せた功績は大きいです。

 優秀賞にはテレビでおなじみのゴールデンボンバーたちも輝き、会場が盛り上がりました。これからも優れたコンテンツの作成や海外展開を積極的に後押ししていきます。

 3月21日には衆議院総務委員会が開催されます。午後のNHK予算関連質疑では、私も放送分野の担当副大臣として答弁に立ちます。

 21日から22日にかけて、真夜中の12時半から朝の5時まで、NHK総合テレビでこの様子は録画放送されるので、是非ご覧いただければと思います。

≫平成25年3月12日

[風化を許さない記憶]

 昨日、東日本大震災から丸2年を迎えました。

 死者・行方不明者が2万人超、仮設住宅などで避難生活を送られている方はいまだ32万人近くにのぼり、復興は進んでいる部分とそうでない部分にかなり格差が出てきています。

 昨日は天皇皇后両陛下のご臨席のもと、国立劇場で2周年の追悼式が実施され、被災地域から3名の方々がご遺族代表で追悼の言葉を述べられました。ご家族を失いながら、懸命にその分まで頑張ろうとされる姿に、思わず涙せずにいられませんでした。

 天皇陛下のお言葉は昨年の追悼式よりも長く、被災者の方々を励まし、現場で救援・復興にあたられている関係の方々に感謝の念を示していただく内容でした。とても身近で暖かいと感じました。

 安倍総理は各閣僚に「全員が復興担当大臣の気持ちで復興に全力で当たるよう」指示を出されていますが、昨日の式典にも大臣・私たち副大臣・政務官と出席し、その気持ちを新たにしました。

 私の取組みの関係で言えば、野党時代に尽力した二重ローン対策の周知徹底や、総務省で今年度の補正予算に計上した震災復興特別交付税の活用を進めていくこと、そして被災自治体のマンパワーをバックアップするために、全国の公務員OBを積極的に活用して下さいと訴えているところです。

 この欄でも触れましたが、2月11日には党青年局の仲間たちと福島第一原発周辺地域を再度訪問させていただきました。住民の方々の帰る目処が立たず、原発サイトには冷却水や汚染地下水をためるタンクが(前回の訪問時から)さらに数多く増設されている様を目の当たりにして、危機感を新たにしました。

 改めて地区ごとの将来像をしっかり示すとともに、除染技術の積極的な導入・推進を進めなければいけません。私もいくつか提案の橋渡しをさせていただきました。

 このほか、現地の複雑な権利関係の調整、建設資材不足や入札不調のオールジャパンでの対応など、現地に出先を設けた復興庁を中心に政府与党が詳細かつ強力に対応を進めていきます。

 そのような中で、損害賠償や料金設定に揺れる東電をはじめ、電力システム全体の改革が不可避な状況となっています。

 経済と両立する形での新電力の徹底した導入やそのための民間資金の活用、発送電の分離など、今ここで大胆な改革をしなければ日本はダメになってしまいます。色々抵抗もありますが、全力で進めて参ります。

[なかなか帰れない地元、これまでの担当の引き継ぎ]

 日々の活動に追われ、地元にはなかなか帰れないでいますが、応援して下さる方々との連携によって何とか私の日々の取組みや思いが伝わるように、また現場の声が聞けるようにしていければと思っています。

 また、安愚楽牧場問題やサンセット法案など野党時代の多数の仕掛り案件が、政府の一員となり、なかなか対応できなくなってしまっています。これらの引継ぎなどによる再スタートに向けても努力を重ねて参ります。

≫平成25年3月5日

[目的化した会議は不要]

 平成24年度補正予算案が参議院本会議をわずか1票差で通過し、すぐに本年度の予算審議が衆議院でスタートします。

 現在、政府4演説(施政方針、外交、財政、経済)に対する代表質問が行われています。

 ねじれ国会にもかかわらず、補正予算案に維新の会などの野党が賛成し、参議院を通過した意味は極めて大きく、総理が言われるとおり「決められる国会」を通じて国民に対する責任を果たせる体制ができることを期待しています。そのためには、与党として決しておごることなく誠実に野党との交渉に臨むことが必要です。

 そこは最大野党の民主党にも配慮を求めるところです。何でも反対の姿勢を取ったり、かつて自らが与党時代に行った主張と異なる対応をしたりして政権の足を引っ張れば、それはかえって国民の離反を招くことを自覚していただきたいと思います。

 社会保障制度改革にせよ、国会の定数是正にせよ、実りある与野党協議を期待します。

 そのような中、現在私は総務副大臣として連日分刻みのスケジュールに追われています。

 日本の優れたコンテンツの海外発信をどうするか、という観点から、国際放送の充実や、各国の言語に対応する字幕や音声への翻訳、権利処理の円滑化などを進めています。

 昨日は首相官邸で、安倍総理を本部長として省庁横断の「クールジャパン推進会議」が開催されましたが、私も出席し、日本酒などの食材の海外展開のためにも「発信戦略」の強化を訴えたところです。

 先週はこれ以外にも沢山の会議がありました。28日の「放送サービスの高度化に関する検討会」では、構成員の方々に対し、「デジタル技術のスピードは速く、国際競争も激しい。スピード感を持って議論をし、4k/8kといったスーパーハイビジョンやスマートテレビの事業化に官民力を合わせて取り組むことが必要だ」と訴えさせていただきました。

 そして当初の計画を前倒しし、来年のブラジルリオでのサッカーW杯を目処に4k放送の環境を整備し、東京が招致活動をしている2020年のオリンピックでは、4k/8k双方の視聴が可能なテレビの普及を図るという計画で概ね合意しました。

 もちろん、真にビジネススキームとして成り立つかの検討はしっかり行わねばいけませんが、日本がこうした先進的な取り組みをすることに意義があると思っています。

 安倍総理の掲げる成長戦略の実現のために、総務省では「ICT成長戦略会議」が2月22日に立ち上がり、上記した放送サービス高度化検討会のほか「ICTコトづくり検討会議」など、計8つの分科会ができていて精力的に活動しています。

 私は野党時代、審議会などのサンセット法案を作成したこともあり、無駄な会議は極力なくしていこうという立場です。役所の免罪符としてしか機能しなかったり、会議自体が目的化しているようなものは、どんどん廃止しなければいけません。そうでなくとも、きちんと目的を持って進行し、必ず成果をあげるようにしないと会議の意味はありません。

 現在の私の担当する会議は民主党政権から引き継いだものもあり、少し整理・統合したり、早く提言を出して終了しなければいけないものを取り出したりする必要性を感じています。

[チャレンジ・スピリットを大切に]

 思えば自民党ではかつてインターネットでの著作権のあり方について、権利者の許諾のあり方やアメリカなどでの「フェア・ユース(公正な利用)」等につき議論をしていましたがなかなか進まなかった経緯があります。これ以外にも、新しいことを始めようとすると必ず既存の利害関係を持つ方々との利害調整が生じ、規制緩和がなかなか進まず、海外との競争で遅れを取るということをいやというほど経験してきました。

 電気製品や通信環境で「ガラパゴス」と揶揄されている内向きの姿勢はもう卒業しなければいけません。今こそ最先端のフロンティアに打って出るチャレンジ・スピリットを、私たちが復活させなければ日本の未来はないのです。

 地元でも2日、応援して下さっている若手を中心とした「しばワンCLUB」の合同役員会が盛大に開催されました。心から感謝し、皆さんの思いを受けて全力で頑張っていくことをお誓い致します。

平成25年2月21日

[国益のために]

 安倍総理がオバマ大統領との会談のため訪米します。

 TPP(環太平洋経済連携協定)がクローズアップされていますが、総理には是非国益のために有意義な訪米として欲しいと願っています。

 TPPであれ、その他の外交交渉であれ、日本国民に選ばれた日本を代表する政治家が、日本の利益を最大限目指すのは当たり前です。先方の市場に対して自国品を売り込み、自国産業は守りつつ消費者の利益を増やす。二国間で打開できない局面は多国間協定で打開し、逆に多国間協定でカバーできない個別の案件を二国間で解決する。それ以上でもそれ以下でもありません。

 自民党は全党挙げての議論の結果、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加には反対だという大方針を打ち出すとともに、国民皆保険を守る、食の安全安心の基準を守るなどの公約を掲げました。私もこれに沿った主張を選挙前後を通じて展開しました。

 民主党の国会戦術により平成24年度補正予算の参議院通過は訪米後に持ち越しとなり、国会で本件は激しい議論になることと思いますが、自民党の外交・経済連携調査会での検討を見ると、こうした自民党の方針・公約に照らしても、だいぶ懸念や疑問が払拭されつつある印象を受けます。また、最近の中国や韓国、核実験を強行した北朝鮮の動向を見ると、日中韓が中心となるアジア連携協定だけで本当に国益が守れるのか首をかしげてしまいます。

 安倍総理は国益の意識が高く、バランス感覚も備えておられるので、きっと成果をあげられることでしょう。

 TPPの陰に隠れていますが、先進国で日本だけが加盟していないハーグ条約(国際結婚における子の連れ去りを防止するための条約)も国際社会では大きなテーマになっています。

 私は党の前法務部会長(シャドーキャビネット法務大臣)として、この条約の重要性、一方でDV(家庭内暴力)に耐えかねて日本人の妻が子を連れ帰ることへの影響を検討してきました。今回、党の外交・法務合同部会で、DVに懸念する弁護士会などの疑問に配慮する国内法案がまとまったことに伴い、条約と併せて承認の運びとなりました。

 これからはしっかりと国内のみならず在外公館での相談・DV支援の体制を整えていかねばなりません。併せて、両親がたとえ離婚しても共に子供の親としての責務を果たしていけるような制度設計に努めます。

[副大臣としての相次ぐ視察]

 情報通信・郵政担当の総務副大臣として、事業会社の幹部の訪問をいただいたり、施設の視察を行うなどの活動を精力的に行っています。

 先週実施したNTT東日本霞ヶ関ビルの視察では、都心の通信インフラの状況や安全確保についての理解が深まりましたし、昨日訪問した丸の内のJPタワー(東京中央郵便局)では、3月21日のフルオープンを前に、店舗の準備の様子やオフィステナントが続々と決定している状況、局舎の伝統を守りながら高度化を図っている工夫などを見ることができました。

 もっとも、郵便事業に関しては、この東京中央郵便局ですらかろうじて黒字を出しているという状況です。民営化の趣旨を生かし、今後どう事業展開していくかを真剣に考えていきます。

 NHKの予算や放送法に関する検討も始まります。これまでの蓄積があり、急激な改革は難しいですが、しっかり問題意識を磨き、適切な対応をしていきます。

≫平成25年2月9日

[ガバナンスへの疑問]

 中国軍艦船の日本護衛艦などへの火器管制レーダー照射事件は大きな波紋を呼びました。

 戦闘行為に発展しかねない危険な挑発。当然、どのレベルまで関与していたのかが問題となります。本国共産党指導部が了知していたら日本との関係は暗礁に乗り上げますし、現場の暴走となればガバナンスの欠如が指摘されます。

 苦慮した中国は「そうした事実はない」と事実を否定する方針を取りました。

 これに対し「これは現場の暴走だろう。上記した中国の事情も配慮し、今後の再発防止にお互いパイプを太くしていけばよい。」という意見があるようですが、私は納得しかねます。再発防止には事実の確定とお互いの信頼関係の構築が不可欠でしょう。もし現場の暴走であればそれを早期にチェックしないととんでもないことになります。きちんと中国側に対応を求め、誠意が見られなければ次のステップに進むことも検討すべきではないでしょうか。詳細は副大臣会議の中で主張していきます。

 副大臣会議と言えば、今週開催の際、この欄で触れたミャンマーへの出張の際感じた、インフラ整備などでの各省連携の必要性について私から訴えさせていただきました。加藤内閣官房副長官から「関係閣僚会議を設けていく」との答弁をいただきました。折しも経団連のミャンマー訪問団も、2015年を目途に経済特区の整備を設ける旨先方の閣僚と合意したとのニュースが流れており、わが国政府としてこれをバックアップする必要性を感じています。

 また、その際私から「支援に際しては当然環境問題も対応しなければならない。中国の大気汚染のようなことを引き起こしてはならない。」と訴えました。そして井上環境副大臣はこの中国の大気汚染について力強い発言をして下さったので、きっと環境省から方針として示していただけることと思います。

[福島への訪問]

 いよいよ予算委員会が始まりました。濃厚な議論が続いていることは評価できます。昨日は地方分権について新藤総務大臣も沢山答弁に立ちました。質問者の問題意識はわかります。それが国民にとってどういう意味を持つのかを幅広く検証し、分権を進めた場合のガバナンスの確保や自治体間の差をどうするかを含めて深く議論すべきです。

 私は通告がなく、今週は委員会室に足を運ぶことはありませんでした。省内での打ち合わせなどに追われていました。打ち合わせでは私から意見を言う機会も増え、事務方がそれを前向きに形にしてくれるというよい意味での役割分担・政治主導が定着しつつあるように感じます。

 今日は福島で開催されるG1サミットという各界からの有識者の会議で、ネットでの選挙運動について(総務副大臣という政府の担当部局として)パネルディスカッションに加わります。午後4時15分からツイッターなどでの実況もあるようです。是非ご注目いただければ幸いです。

 また明後日は自民党青年局顧問として、小泉進次郎青年局長たちとやはり福島の視察に赴きます。毎月11日に実施される「TEAM11」という被災地訪問・要望実現に向けた取り組みです。

 色々多忙ですが全力を尽くして参ります。

[感謝の気持ち]

 来週火曜日には5人の知事や新藤大臣たちと宮中を訪れ、天皇陛下と昼食をお供しながら地方事情のご説明をすることになっています。また昨夜は地元で私の所沢選対の新春初顔合わせ会が実施されました。

 日々感謝の気持ちを新たにしています。それを前に進む原動力とし、結果で恩返しをできるよう、精進を重ねていくことをお誓い致します。

≫平成25年1月28日

[悲しみからの教訓]

 アルジェリア人質事件は、政府や関係者の懸命の努力にもかかわらず、多くの方々が亡くなる悲しい結果となってしまいました。ご遺族には心からお悔やみを申し上げます。

 出張先のミャンマーでも報道される情報には逐一注目していました。そして帰国当日参加した各省副大臣会議で、「今回の事件に先立ちテロの兆候はなかったのか、今後の類似事案の再発防止にどのようなことが可能なのかしっかり検討するべきだ。」と発言させていただきました。

 今後も社会・経済のグローバル化に伴い、多くの方々が海外に常駐されることでしょう。安全確保や危機管理は極めて重要な政策課題となってきます。早急に手当てをする必要があります。
 ただし根本的には「危ないから内向きでいい」という発想ではなく「危険を最大限に回避しつつ挑戦すべき時は挑戦する」という道を歩む必要があります。

 今、留学や海外駐在を希望する若者が激減しているということです。緊急医療の現場を含め、きつい職場を避ける風潮もこれに通じるものがあるかもしれません。今回の事件がそれに拍車をかけることのないようにしなければいけません。韓国では若者の徴兵制度があります。日本ではどのような教育や制度がよいのか検討していきます。

 また、中東担当の外務大臣政務官だった私のもとには、イスラム圏の大使などがお悔やみの表明と引き続きの交流維持を訴えに来られています。
 言うまでもなく、憎むべきはテロであって当該の国でもイスラム教でもありません。これは私が中東への出張で何度も現地で言われ、また感じたことでもあります。きちんと発信していきます。
 もっとも、国際社会が人権侵害などで非難している国に関しては、日本も厳しいメッセージを出す必要があります。

[ミャンマーの可能性]

 1月21日から4日間、ミャンマーに出張に行きました。

 前回のこの欄で紹介したとおり、1月初頭の麻生副総理・財務大臣の訪問時に5000億円の延滞債務の解消と500億円の低利円借款の再開を表明されたところですが、民政化が進み、海外からの経済制裁が相次ぎ解除され、信心深くて親日的なミャンマーは、既に開発が進んでいる東南アジアのラスト・リゾートとして、今後劇的に発展する余地を有しています。

 私は麻生副総理の出張をフォローアップするとともに、開発に不可欠な通信・郵便インフラの整備支援をするべく、関連の民間企業にアナウンスして、官民共同の現地での活動をリードするべく今回臨んだのです。

 訪問直前に会おうとしていた通信・情報技術大臣が辞任されるというアクシデントはありましたが、タウン・ティン副大臣や、カン・ゾー国家計画・経済開発大臣、ソー・テイン投資委員会委員長、ウィン・アウン商工会議所会頭、ヤンゴン知事のミン・スエ地域首相などに面談し、日本の高規格インフラの優位性を訴えるとともに、今年終わりに開催される東南アジアスポーツ競技会(SEA GAMES)に向けた緊急の光ファイバー敷設の確実な実行や、投資受入れの透明性・迅速性を要望してきました。

 首都ネピドーに一年前リニューアルオープンした国際空港には中国からの資本が投入され、空港のロビーの真ん中には中国の国旗入りでミャンマーの感謝を示す大きな碑が立っています。私たちの出張の途中にもフランスや韓国からの訪問団がバッティングし、熾烈な競争をまざまざと実感しました。今後きちんとフォローアップしていきます。

 ネピドーとヤンゴンで開催したワークショップには、当方・現地の関係者が200人以上も参加する大盛況ぶりで、関心の高さを伺わせました。私も英語で、スピーチしたり現地でのテレビ取材に応じたりし、日本でも全国紙やネットニュースで取り上げられています。

 ネックとなるのはエネルギーや輸送。水力発電は急速な発展に追いつかず、私の出張中も何度も停電に見舞われました。また大都市での交通網はそこそこ整備されているのですが信号や横断歩道はほとんどなく、人々が平気で4車線の高速自動車道を横切っています。日本の中古車など車が急速に増え、渋滞は恒常的です。今後は各省横断で支援に対応する必要があり、私から働きかけていきます。

 郵便局は公務員が旧態依然とした非効率な手作業を行っており、普通便の不着率が3割にのぼっています。視察したヤンゴンの中央郵便局では何と入口に、別の民間会社が高額だけど迅速な特別便を扱う窓口を開設しており、これを郵便局が黙認しているという奇妙な現象を見ることができました。改革を進めなければいけません!

 公務の合間を縫い、太平洋戦争で犠牲となった英霊を祀る日本人墓地にも赴き献花しました。「ビルマの竪琴」の映画は現地でも知られていました。

[今日から始まる通常国会]

 いよいよ今日から通常国会が始まります。安倍政権にとって大切な国会です。副大臣である私は各省での出張答弁など一層忙しくなると思いますが、全力を尽くしていきます。

 インターネットでの選挙運動解禁についても、ツイッターなどのSNSの登場でだいぶ法規制が様変わりすることが予想されます。早くよい制度を確立できるよう所管官庁としても頑張ります。

≫平成25年1月19日

[世界に目を]

 アルジェリアの人質事件は今なお情報が錯綜しています。

 日本人を含む数多くの人質の安否がいまだわからず、犠牲者も出ているとのことで、関係の方々のご心痛は察するに余りあります。安倍総理は外遊を切り上げ帰国されるとのことですが、外務省・官邸などが連携して早期の情報収集と、人質の安全確保に向けた働きかけの継続をはじめ十分な体制を取らなければいけません。

 現地に向かった同期の城内実外務政務官には是非頑張って欲しいです。

 思えば平成16年の私の初当選の時、投票日直前にイラクでの3邦人人質事件が発生し、逢沢一郎外務副大臣が現地に飛んで解放に向けた努力をされました。全員の無事解放を国民みんなが喜びました。

 ただ…今回の一連の流れで、この人質の拘束がもしもなかったら、それに先立つフランスのマリへの軍事介入にどれだけ多くの国民が関心を持ったのか、もっと言えば、今回の人質に日本人が含まれていなかったら、どれだけ多くの国民が関心を持ったのか、考えてしまいます。
 他の国では国際政治は大きくメディアが報じ、関心も高いですが、日本人はまだまだ直接自分に関わることにならないと関心が高まらない傾向があります。これまで「外交は票にならない」と言われ、国土交通や厚生労働に比べて政治家の取り組みも少なく、民主党政権でとんでもない素人外交の迷走が続いた原因の一つはそういう部分であると感じます。

 直接自分の利害に関わるようになってからようやく関心を持つのでは遅いのです。シビアな競争が繰り広げられる国際情勢に率直に向き合い、憲法論議などあらゆる必要な事柄をタブーとしない政治が今こそ求められるとともに、そうした状況を教育や報道できちんと伝えるよう進めていきます。

[ミャンマーへのミッション]

 このような中、私は1月21日から4日間の予定でミャンマーに出張することとなりました。

 軍事政権が長く続いたミャンマーですが、民主化・経済発展が急速に進むと予想され、近隣の中国をはじめとする大国がこぞって市場開拓に向けて動き出しています。日本の民間会社の注目も半端ではありません。

 昨年10月29日、自民党ユーストリーム番組「カフェスタ」にヒューマンライツウォッチ日本代表で弁護士修習同期の土井香苗さんと出演した際、ミャンマーにおける人権問題で私たち日本人が取り組みを進めてきたことの紹介をさせていただきました。カンボジアでの法整備支援もそうですが、民主主義社会に必要なソフトインフラと併せて必要な経済交流を打ち立てることができるのは日本であると信じています。

 今年初め麻生副総理もミャンマーを訪れています。私の今回の出張はそのフォローアップで、多くの民間企業も帯同する非常に重要なミッションです。
 総務副大臣である私の所管は情報通信インフラに関する支援ということになりますが、併せてしっかり現地とのパイプを深めて来ようと思っています。帰国したらまた報告させていただきます。

≫平成25年1月9日

[あくまで謙虚に]

 平成25年が穏やかにスタートしました。

 安倍新政権も自民党も、おかげさまで大きな期待の中順調に始動し、株価など市場も好反応しています。

 しかし浮かれる気持ちは誰にもありません。

 指摘されているとおり、内外とも課題が山積しています。株高・円安になっても、それが賃金の上昇や、地場産業の着実な発展につながらなければ消費や雇用は増えません。財政への不安が生じれば過度の金利上昇となり住宅ローンなどに影響が出てくることも想定されます。年金生活をされている方々への配慮も必要になってきます。
 また、ペースがあまりに早ければ、エネルギー価格の高騰や輸入産業への悪影響などの副作用にもつながります。

 また、冷静に一歩下がって見れば、アジアの急速な発展に比し、日本の産業構造の変革は大きく後れを取っており、震災からの復興も前政権下で遅々として進んでいません。デフレからの脱却とともにあらゆる手段を用いて対策を加速させなければいけないのです。

 私が副大臣を務める総務省も本格的にスタートしています。連日事務方と打ち合わせの会議をしていますし、色々行事も入っています。特に私の所管する情報通信・放送行政・郵政は、あらゆる産業と連携すべきインフラであり、かつ国際競争の激しい分野であるため、どんどん民間の、あるいは海外の動向や知恵を取り込んで改革を進める必要があります。

 こうした状況を踏まえ、私は総務省の職員に対する年頭の挨拶の中で、「ここが日本再生のラストチャンスだ」と述べさせていただきました。幸い新藤大臣が同じ機会に挨拶で「副大臣などがどんどん新しい取り組みを自主的にして欲しい」とお墨付きを与えて下さったので、これからいくつかプロジェクトを立ち上げるつもりです。既にアイデアを練っています。
 ただし会議や企画をむやみやたらに乱立しても迷走するだけですから、きちんと戦略を立てていきます。この欄で順次紹介していきます。

 安倍総理から検討を指示されているインターネットを用いた選挙運動の法整備など、既にかなり各党で検討が進み、環境が熟している分野についてもきちんと精査し推進します。

[託すべきこと]

 犯罪人引き渡し条約にもかかわらず、中国人の靖国神社放火犯を韓国が司法判断を理由に拒否した事案や、除染作業について大規模な手抜きが発覚した事案など、新しい諸課題も出ています。
 これまでだと私も自民党の部会で様々な課題につき徹底的に議論に参加していたのですが、副大臣の職務のため手が回らない部分が多々出てきます。そこは有望な数多くの新人をはじめ、同僚議員に思いを託すこととします。

 地元での新年会などの行事も多いですが、これからはなかなか時間が取れないことも出てくるでしょう。スタッフや仲間たちときちんと相談し、引き続き地元の声になるべく耳を傾けつついかにスケジュールを分刻みで整理したり役割分担するかについても、きちんと対応して参ります。

 また、所管の内外に関わらず、早速各種のインタビューや取材もいただいています。

 色々ご迷惑をかけたり、不十分な点もあるかと思いますが、今年も全力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い致します!

平成24年

≫平成24年12月31日

[運命というもの]

 第二次安倍内閣が発足し、私は総務副大臣を拝命することとなりました。

 これまで私は、外務政務官や党法務部会長、副幹事長など、幅広い経験を積ませていただきました。
 総務省は、地方行政、行政管理、分権改革、地域活性化、情報通信、放送行政、郵政改革など多岐にわたる分野を所管しています。かつて総務大臣を務められた菅官房長官から連絡があり、「しっかり経験を積んで下さい」と激励をいただきました。重責に身の引き締まる思いです。

 私は主に、日進月歩の情報通信、様々な課題のある放送行政、郵政改革を担当することとなりますが、副大臣は大臣所管の全事項について決裁権限がありますので、同じく副大臣となった坂本哲志さんの所管についても補助して全力を尽くす所存です。

 併せて、私が党の政治制度改革推進本部の事務局次長として取り組みを進め、安倍総理が今国会での実現を党首討論で約束された選挙制度改革についても、将来の政治の形を決める大変重要な第一歩となりますが、総務省の所管事項であり、(もちろん一義的には各党レベルの話し合いにより決定することですが)しっかり進めていきます。

 総務大臣は同じ埼玉の新藤義孝衆議院議員。県連会長であり、副会長の私とは様々な課題で連携して下さっています。領土問題で勇躍されていますが改革マインドにもたけ、上司としては理想的であると感じています。
 そして官房長官が菅義偉衆議院議員だというのも大変心強いです。地方議会のご出身で先述のとおり総務大臣を歴任され、NHK改革や郵政問題でリーダーシップを発揮された気骨と実力のある方です。大臣とともにきちんと連携していきます。

 民主党のように、官僚バッシングにより優秀な彼らを萎縮させるのではなく、しっかりと官僚との対話と役割分担をすることにより、真の政治主導が実現できると確信しています。私の就任後の職員の方々への挨拶でもそう申し上げました。そして、自らの方針に従って進めたことについては、責任を決して部下に押し付けないことです。

 もっとも課題は山積しています。通信や放送の分野は迅速な対応・改革が必要な事項がいくらでもありますし、前回のこの欄で触れたとおり、郵政の方向性についてもきちんと再設定する必要があるでしょう。思えば安倍幹事長時代に私が公募で当選した補欠選挙、そしてその後の郵政選挙では「改革」の実現が大きなテーマとなりました。私が今安倍政権でこのポジションにいるのは運命の巡り合わせだと感じています。

 東京プレスクラブ出版の「国会議員(三ツ星)データブック 2012総選挙版 質問王ランキング」によると、私は議員立法提出回数(10回)で全体の2位、自民党では第1位にランキングされているそうです。無論私がメインとなっているわけではないものや、日の目を見ていないものもありますが、これまでの野党の一員としての実績については、国会での質問も含め、それなりの成果を挙げてきていると自負しています。

 私の職責を通じ、安倍内閣が掲げる地域再生・日本再生に貢献できるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げます。

 元旦の朝は早速、平成25年度年賀郵便元旦配達出発式のため、さいたま地方郵便局に赴きます。年賀状の一枚一枚が、心を届け、絆を深める有意義な機会となるよう、確実な配達をお願いするつもりです。

 皆様のご支援を引き続き心からお願い申し上げます。どうぞよいお年をお迎え下さい!

≫平成24年12月20日

[新たなる旅立ち]

 皆様のお力により、16日投開票の衆議院総選挙にて、4回目の当選を果たすことができました。

 本来なら心からの当選御礼をすべきところですが、公職選挙法上お礼の挨拶の制限があるため、意を尽くせずに本当に申し訳ありません。

 結果としては悲願だった小選挙区での勝利を収めることができ、維新や未来からの立候補があって混沌とした選挙戦だったものの次点とはかなりの票差で、他候補の比例復活もありませんでした。

 喜びを噛みしめる一方、地元からの唯一の議員ということで責任の重さも感じています。

 当選直後に出演したテレビ番組でも話したことですが、選挙戦を通じ、3年前の政権交代選挙に比べて有権者の方々の反応はよく、一定の手応えを感じてはいました。しかし郵政選挙の時のような、誰も彼もの熱烈さはなく、かなりの方がしらけムードでなかったかと危惧しています。それは投票率の大幅な低下に表れています。

 「民主党はダメだったけど第三極も信用できない」という方の消極的支持が自民党に向いたにすぎず、ここで自民党が国民の信頼を取り戻さなければ日本の政治は本当に終わってしまいます。自覚を持ち、全力で、謙虚さを決して忘れることなく、日々の活動に取り組んで参ります。

 幸い、多様なバックグランドを持つ多くの優秀な若手議員が誕生しました。私はこれまで当選回数も年齢も全体から見ればごく下っ端でしたが、ベテラン議員の多くの引退もあり、一気に中堅以上に躍進することになります。これまで党改革にまい進してきた自負がありますが、間違いなく自民党は一新するでしょう。
 民主党のネガティブキャンペーンで「古い政治に戻していいのか」という決め台詞がありましたが、そのようなことはないと信じています。例えば国土強靭化にしても、私も中心となって尽力した道路特定財源の一般化の改革の中で、真に必要・有益なインフラ整備から進めるようしっかりチェックをしていきます。党の組織や運営についても透明で民主的かつ適材適所なものになるよう、私の立場から声を上げていきます。

 今懸念しているのは、これも私が取り組んできた超党派の国会改革の動きです。国会を政府の追認機関とせず、ねじれ国会を停滞させず、審議の機能を発揮させるための様々な取り組みを提言してきましたが、自民党と公明党で衆議院の定数の3分の2を占め、参議院とのねじれがあっても法案を再可決できる環境ができてしまったことにより、この熱が一気に冷めてしまうのでないかと思うのです。そうならないよう力を尽くす所存です。

[郵政の逆行にストップを]

 民主党・国民新党の主導で郵政民営化の流れが修正され、ゆうちょ銀行などの株式の民間への売却前に新規業務を行わせようとしたり、日本郵政の斎藤次郎社長が突如、大株主が国なのに政権に復帰する自民党への一切の相談なく、同じ財務省出身の坂篤郎副社長に社長職を移転する旨の会見を昨日行ったりするなどの動きがあります。

 郵政改革の後退を私同様懸念している菅義偉幹事長代行・元総務大臣も、この流れに不快感を表明しています。

 斎藤社長は「社長は取締役会で決めるものだから国や自民党の意向は関係ない」などとうそぶいているようですが、国が株主である以上、株主総会で新社長を対象とした取締役解任決議をすることもできます。指名委員会の決定について新総務大臣が認可を出さないこともあり得ます(鳩山総務大臣の時西川社長の更迭が話題となりました)。斎藤社長の態度はあまりに謙虚さが足りないのではないでしょうか。

 時計の針を逆行させぬよう尽力していきます。

[保守の時代に]

 韓国で朴新大統領の誕生が確実となりました。

 安倍総裁とも接触があり、日本への理解もある新大統領には期待したいと思います。保守の流れの中、懸案事項には毅然と対応しつつも是々非々で付き合っていくべきです。

 しっかり軸足を定め、内政も外交もぶれずに進んで参ります。

≫平成24年12月3日

[思いを実現するために]

 いよいよ明日は衆議院総選挙の公示日。選挙前のブログの更新はこれで最後になります。

 それにしても国民が選挙や政治に関心を持ち、ホームページなどのアクセス数が増えるこのタイミングでのインターネット上の選挙運動を禁止している現在の法制度はどう考えても時代に逆行しています。自民党は世耕弘成参議院議員を中心に、インターネット選挙運動を解禁する法案を既に作っています。成立に向けた活動を続けていきます。

 この3年3か月、日本の政治は迷走を続けました。「一度やらせてみて下さい」とできない公約をオンパレードで並べるのみならず、自助自立の気風を損ない、予算を膨張させるとともに日本から活力を失わせ、領土問題をはじめ外交敗北を続ける今の民主党政権をこのまま延命させるわけにはいきません。
 かと言って、政権を失った当時の自民党から進歩しなければ国民は再度私たちに政権を任せてはくれないでしょう。まずは政治に対する信頼を取り戻し、自民党に対する信頼も回復させ、きちんとした政策を立ててそれを遂行することにより、日本を取り戻さなくてはいけません。

[だからあえて反省から]

 私は自民党立党以来初の全国公募候補として国会にデビューしました。「新しい血」を所属議員に入れていくことにより、党の政策力も行動力も向上すると確信しています。現在、党の候補者選考における公募の実施は定着し、結果としていわゆる世襲候補が誕生することは極めて少なくなっています。今回の選挙で自民党の小選挙区新人候補は113名ですが、うち世襲議員は1割に満たない9名です。特に私が県支部連合会副会長を務める埼玉では、全県一括公募という画期的な方法を取り、一般の主婦など外部の方にも入っていただいた選考委員会で全県にわたり前職も含めて厳正な審査を行い、素晴らしい候補者の方々を選定しました。

 派閥についても既に政策グループ化しており、現に安倍総裁も石破幹事長も派閥により選ばれてはいません。

 何より野党になってから現場の声を大切にしようと、全国500か所を超えるふるさと対話集会を実施し、選挙区外の議員も入れて小規模な対話を通じて様々な要望を聞いてきたのです。

 運営やポストなど、改革をさらに進めるべき部分もあります。しかし、私はこれまで党改革委員会事務局次長として仕事をしてきた自負があります。今後ともしっかり取組みを続けます。

[今も進む危機]

 北朝鮮が人工衛星と称する長距離弾道ミサイルの発射実験を予告し、各国が対応に追われています。そもそも解散後の死に体となっている野田政権が日朝外務省局長級協議をしようとしていたこともおかしな話で、もしミサイルが発射されれば、金正恩新体制に対する国際社会が連携しての毅然たる非難を導いていく必要があると考えます。

 国内では笹子トンネルでの崩落事故で多数の死傷者が出るという悲惨な事故が発生してしまいました。交通インフラの補修を含め、防災等に必要な公共事業は実施していかなければいけません。「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズで、あの小泉政権をはるかに上回る公共事業の圧縮を行ってきた現政権のスタンスを続けていては、必要な安心・安全が守れないばかりではなく、景気の低迷を長引かせてしまいます。

[しばやま昌彦の思い~正直者が報われる社会]

 私はこれまでずっとまっとうなチャレンジを応援し続けてきました。

 ともすると公務員や教師が、何もしない方がチャレンジして失敗するより評価が高いなどと言われているのには我慢ができません。そして若い人たちには失敗を恐れず挑戦する気概を持って欲しいのです。そのためには、失敗しても再び立ち上がることのできる環境が必要です。デフレからの脱却を大胆な金融緩和でリードし、規制の見直しや成長分野への資源配分で雇用を生み出していきます。官民の英知を結集する「日本経済再生本部」を立ち上げるとともに、公務員制度改革として、総人件費の抑制や特別会計の見直しなどカット面ばかりでなく、まっとうに努力した汗が報われる評価をしていくことを提唱していきます。

 外交や防衛も同じことです。日米同盟は無論大事ですが、自らの大切な国益を自ら守る、国際的に必要な安全保障活動に日本に適した参加を行っていく、そのために必要な憲法や防衛関係の法制度の改正を行います。文民統制はしっかり行い「自民党政権になったら戦争が起きる」などというバカな宣伝にはきっちり反論していきます。弁護士出身議員として、領土問題や国際人権問題での司法的解決(国際司法裁判所、国際刑事裁判所)には極めて高い関心を持っています。

 福祉分野においては、民主党の最低保障年金は、非現実的な高水準もさることながら、保険料を納めた人とそうでない人の不公平感がともするとぬぐえないものになりがちでした。生活保護についてもモラルの欠如を容認してきた側面があります。私たちは正直者がバカを見ないよう、これらの抜本改革に取り組みます。
 医療分野のイノベーションを成長の糧にするとともに、人生の先輩方の健康現役社会を促進、社会保障番号の導入に合わせて医療と介護の総合合算制度を創設し、療養病床問題も解決を目指します。
 女性の復職・子育て支援や不妊治療の充実を行い、社会の活力増進と少子化対策に結び付けます。
 AIJ問題などを再発させないよう、企業年金の見直しを行います。

 被災地の復興が遅れています。政治が権利調整など泥をかぶることをせず、現場の自治体との連携もうまく取れていないからです。本当の政治主導でオールジャパンで復興を成し遂げていきます。二重ローン対策法を立案した担当者の一人として、事業再開を後押ししていきます。地元でも取り組んだ風評被害の撲滅は日本規模で行います。

[未来のために残すもの]

 未来のために残すもののひとつは人材です。土曜授業促進や高等教育の国際化などを通じて充実した教育を目指します。いじめ問題の徹底的な取組みなど、学校をより明るくします。
 職業教育の充実やモラルの涵養などにも努めます。高校無償化は所得制限を行うことも含め効果をきちんと検証し、免除付き奨学金の普及などを目指します。

 原発政策の見直しも将来世代のために必要です。国民負担を考えれば「2030年代に原発ゼロを目指す」という民主党の方針はどう考えてもパフォーマンスとしか思えませんが、私は自民党エネルギー政策議員連盟の事務局長として、徹底した電力改革と再生可能エネルギーへの投資、電力卸市場への新規参入・節電・蓄電技術の促進等を通じ、脱原発依存を経済と両立させて実現させるとともに放射性廃棄物の処分問題に真剣に取り組みます。私も中心メンバーの一人として設立に尽力した、業者や政府から独立した原子力規制委員会による原発の安全性のチェックを経て、再稼働の判断を3年以内に行います。

[地域の重視]

 道州制の実現と分権改革で地域の活力を引き出します。

 攻めの農業と地産地消の推進、土地利用・税制・経営形態の見直し、TPPの「聖域なき関税撤廃」には反対してEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)を促進するなど、国益につながる自給率向上を目指します。

 防衛医大などの地域医療連携、既に自民党政権時代から進んでいた所沢米軍通信基地の東西連絡道路設置に向けた検討の加速など、地元の問題にも全力で取り組みます。埼玉8区は湖も山も緑も都会もあり、日本の縮図のような地域なのです。

[覚悟の時]

 今、覚悟と信念が問われていると思います。そしてこれまでの任期に対する評価が問われています。繰り返しますが今の与党では日本は本当に沈没してしまいます。公明党など他の野党とも連携をし、何としても今度の選挙では日本を取り戻すべく全力を尽くします。皆様のご支援を心からお願い申し上げます!

≫平成24年11月23日

[どんな状況になろうとも]

 愛知県豊川市の信金立てこもり事件は、人質の全員解放と犯人の逮捕で解決し、本当にホッとしました。

 ガザ地区における空爆もとても心配です。選挙が終わり、国会に戻った暁には中東情勢に(与党時代の元担当外務大臣政務官としても)しっかり取り組みます。

 今月19日には所沢市基地対策協議会の方々とともに、地元の米軍通信基地の中に入り、東西連絡道路予定地を視察しました。地図などではわからない施設の近辺の地形などがわかり、大変参考になりました。コストを下げる工夫ができないかなと考えるとともに、以前から抱いていた素朴な疑問をさらに強めましたので、こちらも国会に戻れたら予算委員会の分科会などで質問できればと思っています。

 解散後、地元を走り回って思いを訴えています。声援を受けることは前回より多くなりましたが、決して油断してはいけません。日本維新の会から立候補される方もいるようで、とにかくこれまでの活動や理念を地道に伝えていくことで厳しい選挙戦に臨んでいく覚悟です。

 一昨日21日には、大井・三芳地区の街頭演説に山本一太参議院議員も駆けつけて下さり、熱い応援メッセージをいただきました。「比例区での復活当選ではバッジは半分。是非次世代ホープとして小選挙区で勝ち抜いて下さい!」その言葉をしっかり目標に据え、全力を尽くします!

[市場は正直]

 安倍総裁の大胆な金融緩和発言には賛否両論がありますが、私は方向を支持します。
 景気回復のために必要な、規制改革も、新規産業へのシフトも、リスクマネーの導入も、中小企業支援や雇用対策も、震災復興も、全て現在の円高・デフレを是正しなければなかなか対策を打てないのです。これらを行うためにもまず金融緩和を、これまでの常識にとらわれない形で行う必要があります。

 今の金融緩和に慎重な日銀総裁は、民主党が国会で自民党の人事にさんざん抵抗して苦労して選んだ総裁です。今後の日銀体制を法制度も含めて見直す必要があります。

 自民党の政権公約は安倍総裁の方針をかなり鮮明に打ち出したものです。そして解散とともに株価が上昇し、円は下がりました。市場は正直に、安倍政権の誕生を待っているのです。

 皆様のご理解を心よりお願い申し上げます。

≫平成24年11月15日

[たった一つの道]

 昨日の党首討論で、明日11月16日の解散、12月16日の衆議院選挙投票が事実上決まりました。

 民主党内の(前回この欄でも触れたような)猛烈な解散阻止の動きを、半ば電撃的な解散時期の明示という手段で打開し、結果として自民党谷垣前総裁との約束を守った野田総理の決断を率直に評価します。

 ただし、それは野田総理がおっしゃった「正直の上にバカがつく」「身を切る覚悟を示す」という次元とは異なる背景に基づくことは声を大にして指摘しなければいけません。

 野田民主党政権は内閣支持率、政党支持率とも2割前後の水準となり、この欄で書いたとおりもはや死に体の状況で内政・外交とも行き詰まっていました。
 速報の7-9月四半期GDP(国内総生産)は実質でマイナス0.9パーセント、年率換算マイナス3.5パーセントとなり、このままでいけば来年の消費税引き上げも不可能になる深刻な不景気となりかねません。米国大統領、韓国など主要な国のトップが選挙の洗礼を受ける中、諸外国からも信頼を失っている野田政権の延命は事実上不可能でした。

 そのうえ民主党内では強烈な「野田降ろし」の動きが出ていました。
 「この低支持率のまま選挙に突入したら生き残れない」「野田を人気のある細野にすげかえ、支持率が上がったところで解散をするべきだ」…野党から会期末に内閣不信任案が出されると身内の造反により、過半数をかろうじて維持している野田政権は解散を余儀なくされる可能性があり、その前に党の両議員総会で代表交代の動議を出す可能性もあったと聞きます。テレビカメラの前で公然と「野田総理には解散させない。その前に交代だ」と発言する議員が続出しました。

 野田総理に残されたたった一つの道は、この党首討論で自ら解散の道筋をつけることだったのです。

 それにしても許せないのは野田総理の選挙制度を利用した不誠実なパフォーマンスです。「安倍総裁が定数削減に応じて下さると確約すれば明後日に解散する」…とんでもないわなが隠れているのです。

 この欄で再三述べたとおり、民主党が主張している「比例区40削減」は、そもそも憲法上あり得ない「連用制」を用いたものです。
 この制度は、通常の比例代表選挙が各党につき、比例得票数を1、2、3…と整数で割っていって、その結果の多い順に議席数を割り振るのに対し、小選挙区で当選した議員プラス1から徐々に割る数を増やしていくという複雑な制度を用いるものなのです。

 結果として、小選挙区で当選する議員が増えれば増えるほど、たとえ比例区でも多くの票を獲得した政党でもどんどん比例区の議席数が逆に減っていってしまうというとんでもない制度なのです!このような制度を用いている国は当然のことながら世界中どこを探してもありません。

 しかも民主党の案は比例復活議員を決めるための惜敗率を、これまでの道州を基本としたブロック単位ではなく、全国一律に算定しようというのです。
 その結果として、例えば東海地方なら東海地方全体で、二大政党のうち負けた政党の議員が1人もいなくなってしまうという、衆議院の国民代表機能を失わせかねない変更なのです。

 このような制度を持ち出したのは、少数政党(特に公明党)の支持を取り付けるためです。前回の選挙制度で公明党の取った議席は21ですが、この制度を導入すると数議席増えることになります。

 しかし考えてみて下さい!小選挙区も比例区も定数を減らすというのに、一部の政党が逆に議席を増やすというのはどう考えても不合理ではありませんか?

 これまで自民党は「比例区30減」「その代わり一定の少数政党による優先枠を若干上乗せする」という穏健な案を提示し、各党協議に臨んできました。しかもその案はどの党より先に示したものだったのです。
 しかし少数政党の同意を得ることに苦労し、かつ解散を先延ばししたい民主党は、あり得ない自らの案に固執し続けました。

 結果として局面の打開を図ろうと、憲法違反の一票の格差を是正するための「0増5減」を先行して法案として提出したのが自民党だったのです。

 こうした経緯を熟知しながら、昨日の党首討論の最後で「技術的な問題にこだわる自民党には政権を戻せない」と捨て台詞を吐き、あたかも自分だけ身を切る努力をして自民党がそれに後ろ向きである印象を作ろうとした野田総理のパフォーマンスは絶対に許せません!
 安倍総裁が主張するとおり、この問題は民主主義の土俵を設定するものであって、極力各党の理解を得るよう努力し、場合によっては議長のあっせんなども活用しなければいけない重大な案件なのです。過去の歴史がそうなのです。それをしてこなかったのは他ならぬ民主党です!しかも解散後に議席数がどうなっているのかわからない政党同士で、与党になることを前提に制度変更を約束するというのも理論上おかしな話です。

 尊敬に値するのは公明党の山口代表です。
 この間の事情を正確に把握されている山口代表は、たとえ公明党に有利であり、かつパフォーマンスとしては野田総理の提案に即座に応じるのが得策であったにもかかわらず、昨日の党首討論ではその道を取らずに筋を貫きました。結果として安倍総裁が一人で悪者になることが避けられたのです。

 いずれにせよ、その直後の安倍総裁の記者会見(私も報道局次長として同席しました)において、安倍総裁は「総理の提案を受け止める。定数削減は審判を受けた通常国会にて実現する。」という趣旨の発言を行い(これは決して民主党案そのものを受け入れるという発言ではありません)、ここで解散が決定したということです。

 国民の皆さんの中には、定数是正がされないままの解散では選挙が無効になってしまうのでないか、との疑問もあると思いますが、違憲状態であるにせよ、是正に向けた道筋をつけているので、完全な立法府の不作為というわけではありません。選挙無効とまでは言えないように思います。いずれにせよそれは将来の司法判断に委ねるしかないでしょう。

 いずれにせよ選挙戦がいよいよ始まります。実現できないマニフェストに始まり、最後までパフォーマンスだらけで国益を失った民主党政権に終止符を打つとともに、しっかりと自らの進むべき理念・政策を力強く打ち出し、日本を立て直すことをここにお誓い致します!

≫平成24年11月8日

[続く綱渡り]

 アメリカの大統領選はオバマ氏の再選となりました。

 併せて実施された下院選挙では野党共和党が過半数を占め、引き続き大統領や上院とのねじれが続くことになります。ニューヨーク市場では一時株価が急落しました。

 アメリカ政府と、経済政策でアピールをしていたロムニー候補を擁する共和党との協議が今後どう進むかは不透明です。今後世界経済が好転することはなかなか考えづらいのではないでしょうか。それとともに、対中政策やTPP協議などで日本への圧力が高まることも充分あり得ます。

 アメリカ与党と同じ「民主党」という名のわが国の与党が、あやかれると喜ぶ環境には全くない、いやむしろ、指導力を失って完全にレームダック(死に体)となっている野田政権には厳しい状況が続くことは間違いありません。

[神妙なのは顔だけの与党に騙されるな]

 これまで「マニフェストの達成率は低くない」と強弁していた民主党(地方組織ではいまだにそのような例があると聞き及んでいます)が、全国紙に「マニフェストが実施できなかったことのお詫び」の広告を打ち出しました。これを受けて、全国で出直しの対話集会を実施するとのことです。

 一見真摯な反省のようですが、実はとんでもない謀略が隠れています。

 まず内容です。例えば税と社会保障の一体改革について「政権を取れば何とかなるとの甘い見通しがあった」と書かれているようですが、実際政権を取っていなくても国会で充分問題を議論していたのですから「知らなかった」では通りません。しかも前原国家戦略担当大臣がかつて与謝野議員との対談で「財源確保は絶対無理だ」と発言していたり、藤井元財務大臣が「できなければゴメンナサイと言えばいい」と発言しているとおり、幹部クラスはこのマニフェストが「詐欺フェスト」であることを完全に認識していたのです。

 しかも、対話集会のスケジュールは、野党が求めている年内解散を想定したものとは到底思えません。


 結局、お詫びに名を借りた「嘘の上塗り」と「選挙対策」、そして「解散の先延ばし」でしかないのです。

 民主党の不誠実さは、特例公債法案を早く通さなくてはいけないとか、解散の前に議員定数の削減をしなくてはいけないなどと言っていることからも明らかです。

 そもそも特例公債法は、予算の財源担保のための法律として予算と同時に処理されるのが当たり前です。今年の通常国会では自民党が予算について組み替え・縮減の対案を主張していたのに、与党は特例公債法案を単独で審議。成立の見込みが全くないままねじれた参議院に送付して廃案としました。そしてその後も臨時国会の召集を遅れに遅らせて10月29日としたのは与党です。11月分の地方交付税の支出を円滑に行うためにはそもそも国会を早期に開会すべきだったのであり、今回地方自治体の財政運営に影響が出ているのはひとえに民主党の無責任によるものです。

 自民党の安倍総裁は、年内解散の確約が取れていない段階でも特例公債法案を人質に取るとか審議拒否をするとかはしないと明言をし、現に今日これから本会議でようやく審議が始まります。

 議員定数の是正についても、繰り返し述べるとおり自民党は既に違憲状態となっている一票の格差是正のための「0増5減案」を提出していますし、比例定数の削減も他党に先駆けて具体案を提示しています。しかし民主党は、比例部分に憲法違反の疑いが強い「連用制」を持ち出して与野党協議を難航させ、そのうえで比例定数の削減をあたかも自分たちしか提案していないかのような宣伝をしています。
 違憲状態の解消を結局自ら遅らせながら「遅れているのは野党の責任」「野党の案は不十分」という構図を作り、しかも遅れていることを口実に解散を先延ばしする民主党の姿勢はあまりにも欺瞞に満ちているとしか言いようがないのです。

 そのうえ、民主党は、新しく組閣しかつ会期も変わった場合には必ず開催されている予算委員会について、開催に同意はしたものの現時点で日程をセットしようとせず、党首討論でお茶を濁そうとしています。

 解散について前向きの発言を繰り返す前原大臣、来春開校予定の3大学に認可を与えないと言明をしながら現場の混乱を受けてそれを撤回した田中真紀子文部科学大臣など、個々の閣僚が、国民が注目するテレビ中継入りの予算委員会できちんと説明をしてもらわなければいけません。しかもこの欄で取り上げた復興予算の流用などがその後どうなったのかも予算委員会でこそ説明してもらいたいです。

 こうした様々な不誠実さを乗り越え、真のあるべき文部科学行政や予算などにつき、私たちが責任を持って対応していきます。

≫平成24年10月30日

[緊迫の臨時国会]

 昨日野田総理の所信表明演説が行われ、臨時国会がようやくスタートしました。

 会期は1か月で最小限の案件を審理する時間しか取れていません。滞留する案件や復興予算の使い道の議論をほったらかしにして、与党が国会を逃げるという常識外の姿勢に出ているのです。

 自民党や公明党は、参議院での野田内閣問責決議を重く見て、参議院では総理の所信表明演説や代表質問を行わない方針です。色々意見のあるところではありましょうが、審議促進を妨げるものではありません。野田総理には異常ともいえるマニフェスト違反による問責の意味をしっかり受け止め、谷垣総理との「予算編成を行わずに(年内に)解散する」という約束を果たして欲しいと思います。

 総理は所信の中で「明日への責任を果たすために道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません」「やみくもに政治空白を作って、政策に停滞をもたらすようなことがあってはなりません」などとうそぶいていましたが、野田政権の居座りが最大の空白・停滞であることを認識していないのでしょうか。

 所信は抽象論のオンパレード。民主党政権の目玉だった行政改革についても「地域主権改革は政権にとって改革の1丁目1番地」「独立行政法人・特別会計改革、国家公務員の総人件費の抑制、公務員制度改革を引き続き推進するとともに、退職給付の官民較差解消を図ります。」と、政権交代前からの掛け声をスタンプで押したように繰り返し。「まだやってないのか」と突っ込みたくなります。

 外交に関しても、混迷を招いたことへの反省の弁は驚くべきことに一切なし。「領土・領海を守るという国家としての当然の責務を、国際法に従って、不退転の決意で果たします」と言いながら、一方では日韓関係の改善を理由に竹島領土問題のICJ(国際司法裁判所)への提訴を先送りするなど、言行の不一致もいいところです。

 今度の国会では衆議院法務委員会筆頭理事に加え、予算委員会の委員にもなることが決まりました。しっかり政府与党に議論を挑んで参ります。

[新党結成の未来]

 石原都知事の電撃辞職と新党結成の表明が波紋を呼んでいます。

 第三極の結集と言いますが、もし石原伸晃前幹事長が総裁選を勝ち抜いても同じ行動に出たのでしょうか。

 橋下大阪市長が率いる日本維新の会との連携を模索するようですが、消費税の使途で両者の意見が食い違うと言われていますし、憲法に関しては石原氏は破棄、橋下氏は改正、原発に関しては石原氏は継続、橋下氏は30年代にゼロ、行政改革についても石原氏は郵政改革に反対した平沼赳夫氏や亀井静香氏と行動を共にしようとし、橋下氏は竹中平蔵氏や古賀茂明氏をブレーンとしています。「小さいことは乗り越えられる」という次元の問題でしょうか。

 一昨日の鹿児島三区の衆議院議員補欠選挙では、自民・公明両党が応援する宮路和明候補が低い投票率の中思わぬ接戦を強いられましたが、私は既成政党への批判をしっかり受け止め、自民党が民主党との対立軸をしっかり示したうえで刷新を行い、有権者の信頼を取り戻していくことに注力したいと思います。ご支援をお願い申し上げます。

≫平成24年10月18日

[デタラメを許すな]

 復興予算の流用が大きくクローズアップされています。

 この問題はそもそも1か月以上前から、「復興予算枠で実質的に復興と関係ない支出をするのはおかしいのでないか」という、素朴かつ複数の党の議員が問題としていた論点を、衆議院決算行政監視委員会の野党側理事の要求にもかかわらず与党側がずるずる審議先延ばしをしてきたのが発端です。

 初めは「民主党も自民党もトップの選挙があるから」と言い、次に「内閣改造があるから」「委員会理事の変更があるから」と言い訳をしてきたのですが、そもそも閉会中審査の要求なのですから、委員会理事は通常国会のままでよいのです。

 果ては「これは問題だ。行政刷新会議の事業仕分けに掛ける。」と岡田副総理が表明する始末。正規の委員会審議をこれだけサボっておきながら、権限も効果もあいまいな「事業仕分け」を、かつて民主党の支持率がそれで高まったことを理由に持ち出そうというのは余りに党利党略と言わざるを得ません。

 そもそもかつての事業仕分けは、当時与党だった自民党が編成した予算の問題点を指摘するという意味合いがありました。しかし今回は完全に自分たちの政権で編成した予算を、国会の関与しない自らの土俵で審査しようというのですから、「シワケ」でなく「ザンゲ」でないかとツイッターに書き込んだところです。

 前原政調会長は「自民党も賛成した予算でないか」と、こちら側に責任転嫁しようとしていますが、完全に的外れです。

 そもそも(補正を含め)予算及び関連法案は、政府与党側に提出の責任があります。

 それに、復興予算が復興に関係ない費目に使われているのは、いわゆるプライマリーバランス(基礎的財政収支)の対象となる一般の支出が、厳しい財政事情の中で総額を据え置くという大方針のもとにあり、結局5年間で19兆円が計上されるこの復興予算の特別枠を使わなければ各省が予算増額をすることが難しい、という背景があります。また、震災から時間がさほど経過していない段階では、自治体と国の連携不足や被災地での権利調整の遅れ、オールジャパンの力の結集ができていないなど予算枠不足以外の理由で、復興や予算消化が思うように進まず、こうした流用を暫定的に認めてもさほど復興の足かせにはならないということもありました。
 自民党は、予算や関連法案の成立に協力しなければ、そもそも復興もデフレからの脱却も進まないということで賛成したのであって、決して上記のような硬直的な予算のシステムを是としたわけではありません。全体の国土強靭化や経済対策に必要な予算はそれにふさわしい項目のもとに支出をどうするか考えるべきであり、現に自民党はそうした提言を次の選挙の公約に盛り込んでいます。また、復興もこれからは加速させなければいけません。

 与党は速やかに委員会審議に応じ、もしこうした問題意識を共有できるのであれば新たな枠組みをどうするべきか、生産的な議論を行うべきです。

[相次ぐ新たな使命]

 この問題もそうですが、メディアにきちんとした情報を発信していただくことは今後極めて重要です。今度私は党の報道局次長を拝命し、情報戦略立案・報道分析を行うことになりました。
 小泉青年局長や島尻女性局長などもこの報道局次長を兼ねています。私も副幹事長との兼務になりますが、安倍総裁の記者会見への同席や部内の定例会議など、しっかり頑張っていきます。

 衆議院法務委員会の自民党筆頭理事にも決定しました。与党交渉で辣腕をふるった棚橋筆頭理事の後任ということで大変ですが、城内次席理事と協力してしっかり委員会に臨みます。田中慶秋法務大臣の、外国人の経営する会社からの献金受領問題や暴力団関係者との交際も取り沙汰されていますが、そもそも政策の問題できちんと対応できるのか、しっかり議論をしていきます。

 昨日は来日したデービース北朝鮮担当特別代表が議員会館事務所に来られ、今後の北朝鮮核・拉致問題について意見交換をしました。外務省の杉山アジア大洋州局長・韓国の林外交通商省平和交渉本部長との三者会談の後、明日の離日を前にわざわざ訪問して下さったことを感謝するとともに、今後の予断を許さない北朝鮮状況について認識を共有させていただきました。

 これからも様々なミッションに全力で取り組んで参ります。

平成24年10月10日

[新時代の予感]

 山中伸弥京大教授がiPS細胞の研究で見事ノーベル賞を受賞しました。

 同僚で清和政策研究会の世耕弘成参議院議員の中高の同期ということで、数年前に会派で開催された合宿に講師としておいでいただき、色々話を伺い質問させていただいたことを鮮明に覚えています。

 万能細胞は再生医療の切り札というが、病気によっては自らの細胞を用いることが根本的な解決にならないのでないか、という(意地悪な?)質問にも懇切丁寧に答えて下さいました。

 印象的だったのはその飾らない人柄でした。「自分は雑草。何度も挫折を繰り返し、『何でダメなんだろう』と疑問に思うことを大切にしてきた。」とおっしゃる素朴な口ぶりと、そこはかとないユーモアのセンスが、鮮明に記憶に残っています。

 その後、経済人の会合などで何度かご一緒し、私自身年齢が近いということもあって、今回の快挙には心から喝采を送りたいと思います。

 教授のような優れた頭脳が海外に流出しないように、予算・研究環境を含め、きちんと体制を整えることも政治の役割です。私は予算の費用対効果は吟味しなければいけないという立場ですが、はやぶさプロジェクトをはじめ、短期的に成果が出なくても大きな成長の種になる科学技術の支援体制は充実させることが必要です。
 また、知的財産戦術の充実によって、こうした日本の研究がただ乗りされて国益が損なわれないようにすることにも留意しなければいけません。

 それにしても若い研究者の25年ぶりの快挙(生理学・医学賞受賞)は、私たちに大いに励みになります。スポーツの世界を含め、日本人が海外に通用する大活躍を重ねていくのもグローバル社会のプラスの側面ではないでしょうか。

[初の全国幹事長会議]

 昨日は党本部で、全国の都道府県支部の幹事長による合同会議が新体制発足後初めて開催されました。

 安倍新総裁からは、野田総理が谷垣前総裁との約束を守り、一刻も早く党首会談をして解散の見通しを示して欲しいと述べられるとともに、各地の声にしっかりと耳を傾け、党として生まれ変わったと誰が見てもわかるようにしていきたいと力強いご挨拶がありました。
 石破幹事長からは、年内解散を想定して12月9日を念頭に準備を進め、全候補者の当選を目指すとお話がありました。

 集まった支部幹事長からは、総裁選での党員票の重視を求める意見が相次ぎました。
 このブログでも、私は安倍新総裁誕生という結果には満足しつつ、党員票を国会議員票が逆転するということは反省しなければいけない側面があると書かせていただいています。
 また、3年前の総選挙で、私は選挙公報の選挙公約の一番に、コロコロ総理大臣が変わることを防ぎ、トップにリーダーシップをもって改革を実行して欲しいという見地から、「国民が総理を直接選べる制度を作る」と書いているのです。

 首相公選制が憲法の制約のもと難しいとなれば、党員の拡大と総裁選における党員票の尊重は次善の策として当然の帰結です。党改革の一環として、総裁選規程を改正するよう、党本部副幹事長の私からも主張していきます。
 新体制での党改革実行本部長は安倍選対の先輩古屋圭司議員。その後の懇親会で声を掛けさせていただき、既にまとめた党改革中間提言につき、まず早急に第1弾を実行し、第2、第3と続けていくとおっしゃっていただきました。

 政策面でも、外交防衛・社会保障・放射能問題などについて活発な意見が出ました。その後は懇親会で総裁・幹事長が全テーブルを回ってお話をされるなど、本当にこれは自民党が変わっていくなという感覚を確かなものとすることができました。

 私のような者でも、地方からの講演や選挙応援の依頼もあります。鹿児島3区での補欠選挙や各地の知事選挙など、できる貢献をしっかりしていき、党勢回復に弾みをつけていきたいと思います。無論、地元活動も充実させて参ります。

平成24年10月6日

[新体制の発足]

 安倍新総裁のもと、自民党の新人事が固まりつつあります。

 党務の要である幹事長職には、総裁選で1回目の最高得票数を得た石破元政調会長が、政調会長には安倍選対の本部長を務め、経済分野に精通した甘利元経産大臣が就任されたということで、党の進むべき方向性は、党改革と成長路線であることがかなり明確に示されたと思います。

 私は副幹事長を拝命することとなり、これまで党改革委員会の事務局次長として取りまとめに尽力し、しかし前幹事長の元で実質的にお蔵入りになってしまった党改革の中間提言を進めていくべく張り切っています。適材適所の人材配置、しっかりした情報戦略に基づいた選挙態勢の強化、党運営の合理化・透明化などを通じて「自民党は生まれ変わった」と実感していただけるよう努力して参ります。

 早速第一回の幹事長室会議では、党に関する報道の検証や政府・与党の新体制への対応の仕方などについて石破幹事長に意見を申し上げました。幹事長からは真摯な答えをいただき、次回の会合に期待しています。

[政府・与党新執行部の欺瞞]

 秋の臨時国会がなかなか開催される気配を見せません。

 先日私が出演した番組「朝まで生テレビ」の中で、福山元官房副長官が「自民党が参議院での問責決議などで審議拒否をしているのが、原子力規制委員会の同意人事などの国会案件が停滞している理由だ」という趣旨の発言をされていましたが、これは意図的なミスリードだと言わざるを得ません。

 公党の代表である野田総理が、谷垣前総裁との間で合意した近いうちの解散を含め、今後の与野党の折衝にどのような姿勢で臨むのか、まずきちんと方針を決めるべきです。
 また、自民党も、緊急を要する案件などでは審議に応じるなど一定の譲歩をするのはやぶさかではありません。

 内閣改造を見ても、ベテランの選挙対策の厚遇や、離党予備軍で新執行部に協力した者への論功行賞など、政策重視の布陣とは到底言えない体制です。これで内外に山積する諸課題に果断に対応できるとは到底思えません。
 これでは国会論戦を避けようとしているのは与党側だということは明らかでしょう。

 これからも与党に対して毅然とした姿勢で臨むよう、私の立場からも主張していきます。ご理解賜るようよろしくお願い致します。

≫平成24年9月27日

[小さな奇跡といばらの道]

 昨日9月26日に実施された自民党総裁選では、40年ぶりの決選投票の結果、応援していた安倍晋三元総理が逆転で2度目の総裁の座を射止めました。

 午前中、党員投票の情報が続々と入ってきたのですが、特に安倍選挙対策本部のメンバー議員のいない県を中心に(いる県でも)石破候補が大きく他候補をリードし、さすが予算委員会や遊説などのご活躍が幅広い評価を得ているなと感じ入りました。
 私の地元埼玉県でも、安倍候補の党員得票数は3,714票だったのに対し、石破候補は7,099票でした。

 ただし、トータルとしては安倍候補14万票、石破候補23万票で、安倍候補の党員得票数は石破候補の6割強という結果でした。
 安倍元総理があのような辞任の仕方をしてから間がなく、しかも保守合同後二度総裁を務めた経験のある人物はなく、半年前には全く下馬評に名前すら出なかったのにここまで健闘するというのは、まさしく安倍元総理の覚悟と経験、日本の危機的な状況が党員の方々の心に響いたということだと思うのです。

 一方、一緒に仕事をして各候補についてよく知っている同僚議員の評価は分かれました。最初の議員投票では石原候補が58票とトップ。安倍候補は54票でした。ベテラン議員の支援を受けた石原陣営が猛烈な働きかけをしたとも報じられています。石破候補は34票でした。

 党員票は国政選挙のドント式に従って300票に圧縮・比例配分され、(ただしこうすると各都道府県で実際の票より多数得票者が有利な数字が出る傾向があります)石破165、安倍87、石原38という結果でした。
 議員票と党員票が全く逆の順位となったということは、私たち議員の感覚をきちんと反省しなければいけないことの現れかもしれません。もっとも、上位二者による決選投票は安倍108対石破89と、1回目の得票差が1縮まったことからして、議員もそれなりにバランス感覚を発揮したものと考えられます。

 ただ、私はやはりこの欄で書いたとおり、経験と官僚の掌握の手腕、ぶれない国家観、挫折を踏まえた悲壮な覚悟、街頭演説の際の人気などを総合的に考え、安倍候補を最後まで応援し続けました。

 この判断が党員や国民に納得してもらえるよう、新総裁には大いなるリーダーシップのもと、運営・組織を含めて党の体制の立て直しを行い、明確な政策ビジョンを示して毅然と与党に対峙し、国益のため一刻も早い解散を求めていって欲しいと思います。私も全力で支える覚悟です。

[相次ぐ活動]

 9月22日に自民党所沢支部で開催した「どうする日本!危機管理フォーラム」はおかげさまで大盛況となりました。震災や領土問題などをテーマに、今を生きる私たち一人一人が自助・共助の理念や私たちの伝統を大切にし、最悪の事態にしっかり備えて私たちの未来を守っていくという筋が打ち出せたのではないかと思います。ご参加いただいた方々や準備に携わった方々に心からお礼申し上げます。

 今度の金曜日(28日)から翌土曜日にかけては、テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」に出演する予定です。原発ゼロ社会の検証という難しいテーマですが、全力を尽くす所存です。是非多くの方々にご覧いただければと存じます。

≫平成24年9月20日

[激しい憤り]

 中国における大規模な反日デモは当局の国民への自重の呼びかけもあり、ようやく沈静化に向かいそうです。

 日本の尖閣諸島の国有化については、中国の次期最高指導者となる習近平国家副主席が「茶番だ」と批判したり、米国のパネッタ国防長官に対して梁光烈国防相が日米安保条約の対象とすることに反対するなど、中国での官民合わせての反発はかなりのものがありました。
 民主党政権が打ち出した国有化の方針自体は誤っていなかったと思いますが(自民党の各総裁候補も国有化の方針は撤回すべきではないと明言しています)、タイミングの検討や外交的に摩擦を最小限にする努力などを真剣にしていたかは疑問です。

 それはともかく、中国のこのような自重の呼びかけが遅れたのは極めて問題です。既に在中国の日本企業や商店が襲撃を受けるなど損害を受け、日本の大使館・総領事館も窓ガラスを割られたり汚損されています。「官製デモだ」という声もあるとおり、中国当局が在留している日本の外交使節や日本人を守るというウィーン条約などの義務に反して法治国家として必要な対応を怠ったと言わざるを得ません。

 総裁選の遊説を急きょ中断して開催された党の外交部会では、外務省の担当者が、発生した日本人の損害について、2005年の事例も挙げながら、補償を中国に対して求めることは可能だと説明していました。是非毅然とした姿勢を求めたいと思います。また、引き続き中国に対して邦人保護を徹底するよう、高いレベルの外交ルートで申し入れをすべきです。

 尖閣諸島を巡っては、民間の漁船が大挙して押し寄せるのでないかとの観測があり、中国の公船も漁政・海監など10隻を超える船が接続水域入域・領海侵入を繰り返して、日本の海上保安庁の巡視船などの警告に対し「こちらの領海から退去せよ」などと挑発的なメッセージを出したという事件も発生しています。

 短期的には警察や海上保安庁の警備体制を徹底的に強化するとともに、今後は自衛隊の警備行動との切れ目ない連携ができるよう法整備をし、また尖閣諸島への公務員滞在や避難港整備などの実効支配強化を行っていかなければいけません。

 何より安倍政権時代に、中国漁船の船員の尖閣上陸を徹底して阻んだように、わが国の領土・領海、日本人の命を断固として守り抜くという強いメッセージが必要なのです。

[激動の総裁選]

 昨日、総裁選に立候補を表明していた町村候補が体調を崩し一時入院するというニュースが飛び込んできました。一刻も早い回復をお祈りするばかりです。

 私も町村派に属していますが、今回の総裁選に際しては安倍候補を応援するしかないという信念に基づいて行動しています。町村会長のお気持ちを察すると苦渋の決断ではありましたが、日本を取り戻すためには、もはや派閥の枠を超えた仲間とともに最後まで安倍総裁実現に向けて突き進んで行こうという覚悟です。

 ただ、考え方を共有するグループであることも事実です。今、党員票で安倍候補が石破候補を追い上げているとの情報もありますが、いかなる状況であっても誹謗中傷合戦をすることなく、堂々とそれぞれの思いを訴えていけたらと思います。

 5人の総裁候補はいずれも素晴らしいと思いますが、安倍陣営の一員として総裁選の遊説や記者会見に同行する中、やはり経験とぶれない国家観、挫折を踏まえた悲壮な覚悟、街頭演説の際の人気などを総合的に考えて、安倍候補を応援している自分の姿勢は間違っていなかったと感じます。これからも党員への呼びかけなど様々な活動を全力で行っていきます。

[地元でも活動]

 こうした激動の中、地元での活動も行っています。来たる9月22日午後7時からは、所沢市民文化センター、ミューズ中ホールにて、藤本正人市長やヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員とともに、「どうする日本!危機管理フォーラム」を開催し、私たちの未来をどう守っていくのか会場の皆さんと考えていきたいと思います。是非一人でも多くの方にご参加いただければ幸いです。

≫平成24年9月11日

[苦しみを超えて]

 昨夜、ご本人の自民党所属時代に親交のあった松下忠洋金融担当大臣が亡くなるというショッキングなニュースが飛び込んできました。郵政民営化をめぐり立場を異にしましたが、心からご冥福をお祈り申し上げます。

 ショッキングと言えば、同日発表された谷垣総裁の総裁選出馬断念もそうです。

 無論ご本人でなければ本当の気持ちはわかりません。ただお二人とも(事情は全く異なりますが)自らの幕を自ら引くにあたり、本当に辛い思いをされたのだろうと思います。

 谷垣総裁の出馬断念には党執行部の候補者一本化の不調が背景にあったことは確かですが、それだけではなく、もっと色々な割り切れない事情が伝わってきています。

 今度の自民党総裁選は、総理の選択ともなるかもしれない重要な選挙です。国の未来・政治の未来がかかっています。保身やしがらみは国民とは何の関係もないことです。ただ一点、なぜその人を選ぶことが未来のために最適か・・・それをきちんと説明しつつ、正々堂々とした総裁選になればと念じるのみです。

 前回のこの欄で、安倍元総理を代表世話人とする新経済成長戦略勉強会を立ち上げたと報告致しました。A.T.カーニーの梅澤高明日本代表を講師にお招きした第一回の会合では、おかげさまで47人の議員本人、18人の議員代理の方のご出席をいただきました。熾烈な経済のグローバル競争の中で、日本が残酷なまでに停滞している実態を客観的な数字や事例で説明していただきました。
 このような事態にあって、バブル期を除く株価最高値をその在任中に記録し、小泉内閣を引き継いで成長戦略を進めるとともに、教育を含め社会や統治の大改革を試み、「戦後レジームからの脱却」と「再チャレンジ可能な社会」を掲げてきめの細かい政策を展開してきた安倍元総理に今一度総裁に立候補していただきたいとの声が、第二回の勉強会で強く上がりました。

 在任中中国漁船の尖閣上陸の試みに対し、「何としても上陸させるな」と海上保安庁の巡視船を体当たりさせてこれを阻止したことも記憶に残っています。
 今の民主党政権に毅然とした対抗姿勢を打ち出し、路線も明確です。

 ただ、安倍元総理も自らの幕を自ら引いた経験がおありです。多くの方々は厳しいご意見をお持ちで、私もあちこちで指摘されます。
 しかしながら誰よりも辛い経験をし、その重さを身に染みてわかっておられ、そして総理としての進んでおられた道を今なお多くの民間の方々や有識者の方々が評価されているからこそ、日本の再起にとってもっともふさわしい候補者であろうと思うのです。

 この欄で書かせていただいたとおり、ご本人の病状は新薬の効果もあり劇的に回復しました。そしてご本人は、私たちの思いに報いたいと力強く答えて下さいました。

 既に立候補に必要な20名を上回る推薦状をいただいており、ご本人は12日の午後、正式に出馬会見を行う予定です。

 2度総理を務めるとなれば保守合同後では初めてのこととなります。しかし時代はそれを求めるほど困難な状況であると思います。

 私も微力ながら選対の一員として全力を尽くして参ります。ご理解ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

≫平成24年9月2日

[新経済成長戦略勉強会]

 私のUSBメモリースティックに「新経済成長戦略勉強会(仮称)発起人ご就任のお願い」という私の書いた書面ファイルが保存されています。日付は今年の5月15日です。

 当時消費税率の引き上げをめぐり与党は大混乱していました。自民党は既に税率の引き上げを参議院選挙での公約にしていましたが、そのもたらす経済への悪影響、毎年1兆円の社会保障費の増額、加速する人口減少などを考えると、あわせて相当力強い経済成長のための政策が必要であるという危機感を私は強く持っていたのです。

 民主党の目先の人気狙いのバラまきや、戦略なき各種施策の寄せ集めではもたないことは明らかで、一日も早くデフレから脱却するため金融政策を含め思い切った戦略を取るとともに、効果的な投資・競争力の強化を行い、日本の潜在的な可能性を最大限発揮できるようすることが急務だと感じていました。

 当時自民党の内外で、公式・非公式に経済政策に関する検討が多々なされていましたが、同じ思いを持つ少数の議員が「改めて経済成長をテーマに勉強会を党内に立ち上げるべきでないか」という認識を共有し、「じゃあ柴山さん、発起人をお願いする案内書を書いてよ」ということで起案したのが冒頭の書面です。

 当初の検討メンバーは安倍晋三元総理、下村博文議員、義家弘介議員、礒崎陽輔議員など少人数であり、安倍元総理を除けば閣僚経験者もいませんでした。どれだけ支持の輪が広がるかとの思いがありましたし、政局に与えるインパクトを考えると、いつ本格的に活動を開始するかということで色々逡巡がありました。(私はなるべく早く開催すべきだと言っていたのですが。)

 しかし政局はさらに混乱し、通常国会は残念ながら谷垣総裁の思いとは逆に、解散なく閉じられようとしています。前回のこの欄で書かせていただいたとおり、こうした政治の混乱・停滞を払拭するためにも一歩踏み出すべきだと皆が認識を共有し、発起人をそれぞれ本格的に募りました。

 このような経緯ですので、先日安倍元総理が維新の会との連携を示唆したことは、本会の発足に何ら影響を与えていません。元総理ご自身、自民党を出て維新の会に合流するつもりはないと明言しています。
 なお、私は維新の会については共感できる面もありますが、個別の政策については疑問を持つものもあり、今の時点では協力を超えた超党派的な合流を模索することには反対です。

 また、安倍元総理の健康状態は劇的に回復したとご本人から聞いています。

 幸い支持の輪は大きく広がり、発起人は衆議院議員が41人、参議院議員が20人の合計61人となりました。実に自民党の現職国会議員のほぼ3分の1に相当する方々が明示的に発起人を引き受けて下さったのです。

 来たる9月5日(水曜日)午後3時30分より、いよいよ第1回の勉強会を開催します。私は司会を務める予定です。この動きがさらに大きく拡大していくことを強く望んでいます。

≫平成24年8月28日

[打開の道]

 竹島をめぐる日韓関係は残念ながら悪化の一途をたどっています。

 野田総理から李大統領に対し、この竹島をめぐる韓国側の対応についての遺憾の意を表する旨、また国際的な機関における紛争解決への呼びかけと冷静な対処を求める旨を記した親書が送られたところ、大統領側はこの親書を送り返してくるという前代未聞の行為に出ました。

 理由は、事前に親書の概要が公表されたのは失礼ということですが、親書の内容をどこまで事前に明らかにするかは国際慣例上当然のことながらケースバイケースで、本件のように既に日本の方針が対外的に示され、文書の概要のみが公表されたような件でこのような対応を取ることは全く理解に苦しみます。むしろ「一顧だに値しない」としか反論できないということは、やはり自らの立場(日本側の主張を否定したり、国際司法裁判所などの機関での解決に協力しなかったり)をまともに説明できないことの現れであるとしか考えられません。

 それにしても日本政府はこうした対応を想定できなかったのでしょうか。返送をさらに拒否するなど駄々っ子のような対応をするのであれば(しかも追加での郵送での返送は受理している)、むしろそうした暴挙に対する反論や、前回のこの欄で述べたような日韓スワップ協定破棄など具体的な対抗措置の警告等の準備をしておくべきではなかったかと思います。

 せっかく事情聴取のため日本に召還した武藤駐韓大使を、急いで帰任させる必要があったのかも疑問です。そもそも事案が生じてから一週間以上経過した21日にようやく関係閣僚会議を開催し(しかも領土問題にもかかわらず防衛大臣は抜き)、そこでは中身の乏しい報告をわずか20分行って散会するなど、トップの真剣さがどうしても伝わってこないのです。

 この問題に関しては外務省のホームページにハングル語で日本の主張をきちんと載せたり、海外メディアに対する情報発信を積極的に行うなどのほか、真剣に前回この欄で書いたような対抗措置を検討すべきだと思いますし、国民への啓蒙活動や教育における対応を充実させなければいけません。私自身、今後韓国の次世代リーダーとの交流を杜絶しようとは思いませんが、自らの立場をきちんと主張するよう心掛けて参ります。

 一方、香港活動家の尖閣諸島への上陸の強行を撮影した動画は、度重なる私たちの要求に応じてやっと公開されました。

 案の定先方のレンガを投げるなどの物理的妨害行為はかなりのもので、前回の漁船衝突事件同様、充分公務執行妨害罪として立件が可能な案件です。これを単なる不法入国案件として強制送還し、刑事処分を見送るのみならず、小泉政権時代と異なりそれに対する政治的な関与を否定して責任を現場に押し付けるという政府の方針には、全く賛同できません。これでは類似の案件が多発することになるでしょう。

 日本としては今度は刑事処分を行うことを明示するとともに、尖閣諸島への自衛隊の常駐など実効支配を強化するなどの措置や、こうした事案に関係機関がきちんと対応するのに必要な立法を検討するべきです。私も動いていきます。

[袋小路の政局]

 税と社会保障一体改革に関する法案は成立しましたが、案の定野田政権は、特例公債法の制定に続き補正予算の編成など追加の課題に取り組む姿勢を示し、今国会での解散は見込めない状況になってきました。

 また、選挙制度改革法案についても、小選挙区5、比例枠40の衆議院議員定数削減という民主党案について、昨日の衆議院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で全野党欠席の中、採決を強行しています。これについては大いなる誤解があるようです。

 まず内容的に言って、この与党側の法案には、比例枠に連用制という、小選挙区で票を伸ばすほど多数を取った政党の議席が少なくなるという憲法違反のおそれのある内容を含んでいます。自民党は今は小選挙区を5のみ減らす案を提案していますが、私が事務局次長をしている選挙制度改革委員会では比例枠30を併せて削減し、かつ残りの比例枠のうち一定部分を少数政党に配慮した特別枠とするという案を作成し、しかしながら政党間調整がつかなかったという背景があります。したがって自民党が定数削減に民主党ほど積極でないというわけではありません。しかもこうした案件ではやはり運営も含め、各政党に一定の配慮を示すのは当然です。

 また、もしこの法律を本気で成立させるというのであれば、このように会期末で参議院での否決・廃案が明らかな時期を狙ってくるのはおかしいと言わざるを得ません。与党は閉会後「自分たちは身を削って消費税増税をお願いしようとしているのに野党は協力しない」というキャンペーンを行おうとしていることが火を見るより明らかです。

 かくなるうえは自民党の対案をきちんと練り直し、しっかりとした国民を納得させられるものにしていくことが必要であると考えます。

 ちなみに維新の会の主張する「議員定数半減」は、それにより行政コントロール(特に野党の存在)が受ける影響を考えると極論でしょう。国会議員を集められないことが背景にあるのではないでしょうか。

 こうした袋小路の政局の影響もあり、経済は思ったような回復を見せていません。やはり政治を立て直し、特に経済成長を力強く訴えていくことが、自民党が野党の立場ではあっても必要であると痛感しています。そのためのを取り組みを今週から本格的に行って参ります。

≫平成24年8月17日

[求む、毅然とした姿勢]

 ロンドン五輪は熱気のもと閉幕しましたが、終盤の男子サッカー日韓三位決定戦は、李明博大統領の竹島訪問や選手のプラカード掲示問題などが絡み、大変後味の悪いものとなってしまいました。

 李大統領はこの後天皇陛下の韓国訪問に関し「訪問したければ独立運動で亡くなられた方々を訪れ心から謝罪していただきたい」と発言するなど、最近の言動は常軌を逸しているとしか言いようがありません。
 竹島は領土紛争がある中でこれまで一度も韓国の首脳が訪れたことはありませんし、天皇陛下の訪問についてもそもそも平成20年に李大統領が訪日した際、大統領から両陛下に直接要請したものであって、無礼であることこのうえありません。

 確かに五輪日韓戦は注目のイベントですし、大統領選を控え、再選がないとはいえ権力移行時に大統領の収監等が日常茶飯事の韓国で、かつ不景気やスキャンダルで求心力が低下している李大統領にとっては、ここでナショナリズムを煽る動機があるのでしょう。しかし今回の一連の行動はあまりにひどすぎます。

 ちなみにプラカードを掲げた選手については五輪憲章違反の調査が実施され、メダル授与が留保されているとのことですが、動画サイトを見たり、その前後の経緯を見ると、本当に他の韓国選手やKFA(韓国サッカー協会)が無関係なのか疑問を持ってしまいます。

 加えて、韓流スターの竹島遠泳など、これに輪をかけた動きが広がっていることも気がかりです。

 これに対しわが国の対応は相変わらず口だけの抗議。これを見越して韓国側が対応をエスカレートさせているのが全く分かっていません。そもそも民主党政権の朝鮮儀軌返還に端を発した太陽外交は全く逆効果に終わっているのが現実です。

 昨日急きょ実施された自民党の外交・領土特命委員会ではこの問題につき、国会での非難決議はもちろん、日韓通貨スワップ協定の延長拒否(ないし破棄)や韓国債売却などの経済対抗措置も検討すべきだとの声も出ました。スワップ協定破棄については私がその場で出席した財務省担当課長に確認したところ、「諸情勢に鑑み慎重に検討する」との答えでした。また、ICJ(国際司法裁判所)への領土問題の提訴を真剣に検討するとともに、相手方に提訴拒絶ができないITLOS(国際海洋法裁判所)での手続も検討して欲しいと要望しました。前者については日本が単独提訴した場合、韓国側にこれを拒否する説明責任が生じ、その過程で国際世論にアピールすることができます。また後者では海洋資源問題などの先決事項として領海紛争が判断される可能性があります。

 今後の韓国人の日本への入国許可について、竹島上陸をいかなる立場で行ったかを考慮することも検討に値するかもしれません。

 ナショナリズムの行き過ぎにはお互い警戒しなければいけないと思いますが当方としても毅然とした対応が求められます。また、党の部会で発言したことですが、これが日韓の文化交流にまで波及することは避けられないのでしょう。

 そしてお盆の只中、香港の活動家たちが尖閣諸島に上陸したというニュースも飛び込んできました。

 日本は彼らを逮捕のうえ強制送還する措置を決めたとのことですが、大いに疑問があります。この問題も昨日の自民党領土特命委員会で取り上げられました。

 まず、海上保安庁の巡視船が多数警戒に当たっていたにもかかわらずなぜやすやすと彼らの上陸を許してしまったのでしょう?そして彼らの船には香港側の報道カメラクルーが乗り込み、活動を逐次録画していたとのことですが、日本の海上保安庁の録画はなぜ公開されないのでしょう?

 今回は2年前の中国漁船衝突のように、「入管法違反」に加えて「公務執行妨害」という罪名を付けると後が厄介だから、日本が香港側に配慮したと勘繰られても仕方ありません。
 入管法65条は、被疑者が不法入国以外の罪を犯していない場合、司法警察員は送検をすることなく入国警備官に引き渡し、強制送還のルートに乗せることができるとされています。あの漁船衝突の時に被疑者を刑事手続のため送検して拘束したことが様々な問題を招いたことから、意識的に先方の妨害行為を避けようと政治的な力が働いたということはないのでしょうか?活動家たちはレンガを巡視船に対して投げつけていたと昨日の党の部会で国交省は認めているのです!

 結局あの2年前の腰砕けの釈放が、「日本はこれ以上強硬な手段を取れない」というメッセージを与えてしまい、それが今回の事件を招くとともに、中国側が日本に「早期釈放」を求め、日本がそれに応じるという形を取ってしまうことになるのです。中国側はこれを自国の外交的勝利・日本の外交的敗北と宣伝するでしょう。

 野田総理はこれらの重要問題のさなか夏休み。関係各大臣も靖国神社には参拝しても登庁することはなく、危機感を欠いています。ようやく総理は尖閣問題で「法律に基づき毅然とした処分を」とコメントしましたが、それと活動家たちの釈放という結論に生じたギャップに対する違和感は拭えません。
 もはや国益を損なうこの政権が立ち行かないことは明らかです。速やかにこれらについて国会での集中審議を行い、今後の対策を立て直す材料にするとともに、政権の再交代を求めて参ります。

≫平成24年8月10日

[一貫した姿勢]

 昨日、衆議院本会議で、みんなの党や共産党などの野党が提出した内閣不信任案の採決がありました。
 自民党では棄権のため退席するという議院運営委員会からの指示がありましたが、私はあえて出席して賛成しました。

 この欄にいつも書いているとおり、郵政改革関連法案について、あるいは税と社会保障一体改革関連法案について、常に私の取ってきた立場は「きちんと議論は尽くさせてもらう。そのかわり出た結論には、個人的な思いはどうあれ従う。」というものです。そしてそれは実は今回の案件についても何ら変わっていません。

 前回のこの欄にも書きましたが、私は小泉進次郎党青年局長はじめ有志とともに、民主党が三党合意の前提となるバラまきマニフェストの(少なくとも)凍結を一向に認めようとせず、しかも身内の造反を恐れて、参議院において採決に熟した税と社会保障一体改革法案の処理を先延ばししようと画策していたことなどから、もはや三党合意の前提となる事実や信頼関係が崩れており、たとえ法案の成立が犠牲になっても合意を破棄して今国会中に政権を解散に追い込むべきだ、という趣旨の申し入れを谷垣総裁に対して8月1日に行っていました。谷垣総裁はこれに対し、重く受け止めるとお答えになったのです。

 その後、野田総理が、自民党がこれまで一貫して求めてきた「税と社会保障一体改革法案が成立したら速やかに解散すべきだ」という姿勢を真っ向から否定するかのように来年度予算編成に意欲を示したと伝えられた際「俺にケンカを売っているのか」と不快感をあらわにしたということで、もはや民主党サイドが採決を前倒しに持って行っても早期解散の確約がない限り、谷垣総裁は三党合意に関わらず採決を拒絶する強硬姿勢を取って下さるものと信じていました。
 現に私たちの執行部が一昨日の午前中、与党側が提示した「法案を成立させたら近い将来に解散する」というあいまいな表現を蹴って、譲歩がなければ他の野党と別個の自民党の内閣不信任案を提出するという最後通告をしたと聞き、全力でこの姿勢を支持しようと思ったのです。

 その午後実はシャドーキャビネットが開催されました。もしそこに谷垣総裁が来られ、そこでこの方針について議論がなされ、そして違う意見が結論となれば私はそれに従ったでしょう。しかし谷垣総裁はシャドーキャビネットを欠席され、上記方針で交渉に当たられました。

 ちなみに上記8月1日の有志申し入れに対し、実に36都道府県連66名の党各地方青年局長・部長からこれを断固として支持するという書面が届き、これを小泉青年局長や私たちは大島副総裁・石原幹事長に手渡しました。彼らの思いはおそらく多くの自民党の同志の思いだったはずです。

 しかし突如、与党側から示された「近いうちに解散する」なる文言の微修正に応じ、谷垣総裁は野田総理とトップ会談に応じ、自民党独自の内閣不信任案提出を取り下げてしまうのです。しかも他の野党提出の内閣不信任案に対しては欠席をするという方針は、昨日急きょ決められ、党の両議員総会及び代議士会(採決直前30分)まで議論を尽くす機会もありませんでした。

 一般国民から「なぜ『近い将来』はダメで『近いうちに』ならいいのか」と尋ねられたら、私はそれに対して回答できません。また、不信任案に対して賛成でなく棄権をする方針についても、「解散より法案重視」という意図や、「他の野党提出の不信任案はマニフェストにない増税を理由としているからこれに賛成すると三党合意を進めてきた自民党の方針がおかしくなる」という理屈はわからないでもないですが、結果として政権の延命に中途半端に手を貸すこととなり、どうしても納得しかねます。また、谷垣総裁が早期解散を求めてきたのはやはり民主党のマニフェスト違反が根本の理由ではなかったのでしょうか。
 こうした疑問に対し、谷垣総裁からどういう説明があるのかと思っていたのですが「法案の成立後速やかに政権を終わらせる」という断固とした決意の表明はあったものの、全く理由ある説明がありませんでした。

 もちろん、満足な議論がなかったから私の冒頭書いたポリシーからも正当化されるとは言いながらも、党の決めたことに反することには逡巡もありました。清和研の何人かの方々から「早まるな」と説得を受けたのも事実です。しかし苦しいながらもここで自分の筋を曲げることはできませんでした。是非ご理解賜るようお願い申し上げます。そしてこれからも、筋を貫いた行動を取っていくことをお誓い致します。

≫平成24年8月4日

[リセットなくして前進なし]

 みんなの党や共産党が主導して衆議院に内閣不信任案を提出する動きが出ていると報じられています。

 ちなみに来週早々、参議院では税と社会保障の一体改革関連法案の採決の環境が整いますが、民主党がすんなり採決に応じるかは疑問です。というのも、採決に際してやはり造反・離党の動きが出てくるのでないかと言われ、参議院の第一会派の座がなくなれば議長人事などを失うことから民主党としては極力採決を引き延ばしたいという動機があるからです。

 しかし三党合意で上記法案に協力している自民党としてはたまったものではありません。景気回復や国民会議での社会保障改革実現やバラまきマニフェストの凍結を前提としての消費税率引き上げのはずなのに、それがなかなか国民に伝わらず「増税政権への抱きつき」などと批判され、しかも参議院に法案が移っても民主党は一向にマニフェストの凍結を公的な場で認めようとしません。
 そして私は先月19日のBS11テレビ番組「INsideOUT」に出演した際、「私としては自民党執行部に色々注文をつけながらもそれへの対応・説明を見て苦しみつつ衆議院の採決で法案に賛成している。与党は野党に話を持ってくるならまず自分の党をきちんとまとめてから来るべきだ。」と発言させていただきましたが、今まさにそういう状況が生じているのです。

 かくなるうえは三党合意の前提となる事実や信頼関係は完全に崩れていると言わざるを得ず、たとえ法案の成立が犠牲となったとしても速やかに上記合意を破棄し、政権を今国会中に解散に追い込むことに軸足を移すべきだと考えます。
 今月1日、小泉進次郎党青年局長をはじめ私を含む11人の若手議員でこの旨を書面にし、谷垣総裁のもとに届けました。谷垣総裁は「重く受け止める」とコメントされました。

 これから冒頭述べた衆議院の内閣不信任決議や、参議院での問責決議などを果敢に利用するよう行動していきます。もちろん、衆議院の不信任案には一時不再議の効力があって、否決されてしまえば今国会中の有効なカードがなくなってしまうとともに法案審議への協力を余儀なくされるという副次効果もあると言われています。参議院ときちんと連携をして有効な手立てを模索していきます。

 リセットなくして今政治の前進はあり得ません!

[大津いじめ自殺事件のイライラする展開]

 この欄でも紹介した自民党文部科学・法務合同部会における大津いじめ自殺事件の検証、再発防止の取り組みはイライラする展開となっています。

 私たちの要請に応じ、文部科学省が現地調査を行い、大臣官房に1日「子ども安全対策支援室」を設置する旨発表したのは一応の成果と言えそうですが、問題は形でなく実行です。各地の学校・教育委員会がいじめを超えた犯罪があった時、これに何ら有効な手立てを打たなかったり隠蔽したりする場合(現にこの問題での教育委員会のアンケート調査が一部しか公開されなかった等問題が判明している)、文科省が適切に現場を指導したり、警察との連携を行ったりできるのか?

 警察は自殺した生徒の父親から、被害届が三度にわたり出されたのに、今回報道で問題化するまでなぜ放置したのか?

 加害少年が転校しているとのことだが、本人や家族などの聞き取りや実態把握ができているのか?当時の担当教師に処分がないのはなぜか?また、加害少年側のプライバシーなどはどのようになっているのか?

 いまだ満足な回答はありません。大津市長は被害者の父親に謝罪したとのことですが、市・県の姿勢や教育現場の体質は根が深そうです。第三者委員会の立ち上げがあるということですが、問題のある組織が関与してきちんとした調査ができるのかも疑問があります。
 これからもこの問題にきちんと切り込んで参ります。

[エネルギー問題への取り組み]

 東電の家庭用電気料金引き上げ幅が8.46%で決着しました。私たち自民党消費者問題調査会のメンバーで松原消費者担当大臣に対し、人件費厚生費のさらなる見直しや資産の徹底処分、燃料の共同調達実施、賠償費用の処理の再検討や福島原発の減価償却費の除外、総括原価方式の見直しなど項目を挙げ、具体的に検証したうえでの引き上げ幅圧縮を経産省に求めて欲しい、と申し入れをしたのですが、このような結果となりました。これが不十分であることは松原大臣ご本人が認めていらっしゃいます。

 原子力規制委員会の同意人事をめぐっても議論が錯綜しています。人事が事前に明らかになっていたのみならず、原子力推進側の立場を反映する人事でないかとの疑問も絶えません。この委員会を議員立法で立ち上げた責任者の一人として、しっかりチェックして参ります。

≫平成24年7月28日

[ロンドン五輪の陰で]

 待ちに待ったロンドン五輪は、男女サッカーチームの勝利という華やかなスタートを切りました。これから手に汗を握る熱戦が続くでしょう。

 しかしその陰でイライラするような国政の停滞があることを私たちは忘れてはいけません。

 今週火曜日から3日間、私は小泉進次郎局長をはじめ自民党青年局の全国の60人を超える仲間たちと沖縄を訪問し、オスプレイ配備や尖閣問題について、普天間基地のある宜野湾市の佐喜眞淳市長や、尖閣諸島の属する石垣市の中山義隆市長をはじめとする当事者にお話を伺うとともに現地を視察してきました。

 実は沖縄知事選応援などを通じ、佐喜眞市長とは旧知の仲。また、中山市長とも、中国漁船衝突事件で自民党を代表して森まさこ参議院議員と現地調査に訪れた際既に色々話を伺っています。

 両名とも自民党の若きエースで、国防と地域の利益の調和を真剣に考えている尊敬できる方々です。本来であれば、防衛力向上のためのオスプレイ配備や、領有権を主張している尖閣諸島の国有化などについては前向きであってもおかしくありません。

 しかし両名とも悩みながらも、これらについての国の方針には極めて大きな不信感を募らせています。

 まずオスプレイの配備については、この欄で触れたとおり、墜落事故が頻発する中での安全性の検証をわが国独自で行うべきという主張(島尻参議院議員や私が展開しました。オリンパス問題などでわかるとおり身内での検証は信頼性を疑わせるからです)が国に届き、日本の調査団の派遣が行われるという方向になりましたが、そのプロセスをより具体的に説明するとともに、たとえ日米安保条約上はスケジュール設定などにつき米国の専権に属すると言っても、日本国民の安全に関わる問題を日本が要望できないとする理由はないと考えられますので、きちんと当該検証が決着するまでオスプレイの飛行を行わない(暫定搬入した岩国基地でも)という方向で交渉をまとめるよう国に要望しなければいけないと考えます。機体自体が安全でも、操作上の安全確保のための措置(技術の熟練など)も行わないといけません。

 佐喜眞市長は2004年の沖縄国際大学でのヘリコプター墜落事故も念頭に置き、安全性確保を第一に連日政府との折衝に臨んでいるとのことですが、何と言っても「最低でも県外」と言ってこれまでの普天間基地の辺野古への移転プロセスをぐちゃぐちゃにした政権です。苦労の連続だろうと思います。

 尖閣諸島については、中国の艦船や漁船が近海を航行する事例が相次ぐ中、一刻も早く現在の実効支配を形に見えるものにすることが必要です。現場は安全保障の観点のみならず海底資源や豊富な漁場もあり、トータルな国益の観点から絶対に譲ることのできない地域です。石垣島から船で5時間かかる遠距離に位置することからしても、観測所や漁船避難港の設置など、管理主体の国には現況の変化に合わせて政策の変更が必要になっているのです。

 しかし国の定まらない姿勢に、業を煮やした石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島の地権者からの購入を表明、全国からの募金は13億円を突破しました。

 このような状況で国が国有化の方針を表明したからといって信頼できるでしょうか?中国の主張を容認するかのような発言が物議をかもした丹羽在中国大使の更迭もせず、漁船衝突犯の釈放を行ってその責任を那覇地検になすりつける政府に、地権者や石原知事のみならず、中山市長が不信感を示すのも当然のことです。

 まずは野党の立場ではあっても私たちが、こうした現場の不信感や要望をきちんと国政の場に届けなければいけません。そして全国に情報を伝え、大きな運動にしていきたいと思います。
 実は2004年にも私は現地を視察していますが、辺野古沖に展開していた基地移設反対の活動家の船がなくなっているなど、時代の変化を感じ取ることができました。目先のパフォーマンスでなく筋を通し続けていくことが大切だと感じました。

 この他、前回のブログに書いた大津いじめ事件のその後、19日に生出演したテレビ番組での発言、電気問題(値上げや原子力規制委員会人事)等については、長くなるので分けて書かせていただきます。

≫平成24年7月17日

[聖域を作るな]

 滋賀大津市の中学2年生の自殺について、同級生たちの陰湿ないじめや教師の見て見ぬふりの実態が明るみとなり、大きな波紋を呼んでいます。

 私は自民党の法務部会長として、この問題がもはや犯罪の域に達していると確信し、また人権行政がどのようになっているのか、また逆に加害少年者側のプライバシーがインターネット等を通じてさらされていることへの対応を検討しなければいけないとの思いから、文部科学行政上の問題点を所管する下村博文文部科学部会長に呼びかけ、先週関係省庁からの担当者を集めて合同検証会議を開催しました。

 この問題では学校や教育委員会の隠ぺい体質が指摘されていますが、当初は警察も非常に及び腰でした。被害者の親の届け出も軽視、教育委員会におざなりのヒアリングをして事件化することがありませんでした。私は警察庁に、本来自殺教唆などの犯罪の疑いがあれば、警察は直接関係者を取り調べる等の捜査ができるはずではないか、と問いただし、この合同検証会議の日に警察の捜査は実行されました。

 文部科学省もこの問題への関与は極めて消極的でした。安倍政権時代に地教行法が改正され、緊急に生徒の生命・身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、教育委員会の対応に関しても文部科学大臣は是正の指示ができるとされているにもかかわらず、こうした措置は一切なし。「もう生徒さんは亡くなっているのですから、この規定(50条)の適用はありません」と平然とこの合同検証会議で文科省の担当者は答えました。
 そうした生命に関わる事件があった場合の調査などにもきちんと文科省の強制権限を明記することを検討するよう求め、また、過去において自民党時代に小渕文科政務官がすぐいじめ事件の現場に聞き取りに出かけたように、人材を現場に派遣するよう求めました。

 こうした私たちのスタンスに関しては、地方分権や教育の自主性という観点から反論も予想されます。しかしいじめが犯罪という国家的な対応を必要とする場合に、国がその職責を果たすことができないようであれば、かえって日々の教育の現場での自主性を信頼し、そこに任せることが困難になってしまうのではないでしょうか。

 思い出すのが平成7年のオウム真理教への強制捜査です。私は司法試験受験生でしたが、当時は各種団体の自主性を重んじ、法律の適用や司法審査を団体内部の問題に及ぼすのを差し控えようというリベラルな法実務が強くなっていました。無論犯罪捜査などはこうした理論からは外れるのですが、私はこうした一連の法実務の方向性が殺人教団の出現を許してしまった側面があると感じていますし、いまだにオウム後継団体が存続していることは問題だと思っています。

 地方教育の現場や団体の自主性を重んじつつ、それを「聖域」とすることなく、国として関与するべき問題が生じれば毅然として対応することを求めていく考えです。

[相次ぐ地元行事]

 夏に入り、お祭りなど各種地元行事も多くなってきました。いつ解散になるかわからないという政局の中、地域の国政に関する声を受け止める意味からも、積極的に参加して参ります。

≫平成24年7月6日

[形から入ることの大切さ]

 昨日公表された福島第一原発の国会事故調査委員会の報告書が手元に届きました。

 ここでは、歴代及び当時の政府、規制当局、事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如が厳しく指摘され、今回の事故は天災でなく人災であると結論づけられています。私たちの与党時代も含め、真摯に受け止めなければいけない内容です。

 東電が事故の直接原因を想定外の津波にあったと早々と報告したことに対し、「地震そのものによって引き起こされた」可能性が科学的解析から導けること、
 規制当局が政策推進部門(経産省)から独立性を欠き、被規制産業の利益最大化に傾注してしまったこと(「規制の虜」と表現)、
 事故時の情報処理や政治介入のまずさ、東電は全面退避を決めた形跡がなく、菅前総理により全面撤退が阻止されたと理解することはできないこと、
 等々、国会事故調だからこそ明快に指摘できたことが多々あります。

 もし政府の事故調査委員会や民間の事故調査委員会だけだったら、規制当局や行政に不利なことをえぐり出し、かつ国政調査権や議論のプロセスの公開(世論への問題提起)を背景にしてのこうしたまとまった調査をすることはできていなかったのだと思います。

 ここで私が強調したいのは、調査結果の内容より、このように信頼できるプロセス(形)を取ることが現代において非常に大切だということです。

 私が議員立法に関与した原子力規制委員会の設置において、それが政治から独立した行政委員会(国家行政組織法上の三条委員会)としたことや、少し次元は違うかもしれませんが、今国内配備が図られようとしている米軍オスプレイ機の基地配備に関しても同じことが言えます。
 すなわち、原発の規制は信頼できる体制を持つ機関が行うべきであって、再稼働も当該機関のチェックを受けてから行うのが筋であるし、モロッコやフロリダで墜落事故が起きているヘリコプターを受け入れるためにはきちんと原因究明調査結果が出て、機体についての安全性の問題でないと結論付けられたかを検証するというプロセスが必要だということなのです。

 今だいぶ法務省で検討が進んでいる「取り調べの可視化(録画・録音)」にも同様の見方ができると思います。

 複雑な内容を持つ政策や判断を万人の理解を得て行うことが難しいとすれば、やはりその立案・実行の過程で、極力、組織や手続の中立性を確保したり、不利益を受ける方々にきちんと参加してもらったり説明を行ったりするということの重要性は近代的適正手続(デュー・プロセス)の要請です。しっかり進めていきたいと思います。

[これからの活動]

 明日7日(土)午後4時から、JR大宮駅西口にて、自民党埼玉県連青年部主催の街頭演説会が開催されます。これは党青年局の全国一斉行動として行われるもので、埼玉では諸般の事情で予定の6月にできなかったものです。最近の政局や北朝鮮拉致問題について私も演説しますので、ご都合のつく方は是非いらしていただきたいと思います。(※この企画は悪天候のため急きょ中止となりました。申し訳ありませんでした。)

 また、9日(月)午後8時からは、雑誌「SPA!」、ニコニコ動画、電通パブリックリレーションズの運営によるインターネット番組「ニコSPA!タックル」に生出演します。電力問題について東京財団の石川和男さんたちと議論します。URLは、
http://www.nicovideo.jp/
です。時間は1時間。面白いものになると思うので是非ご覧下さい!

≫平成24年6月30日

[お騒がせして申し訳ありません]

 一部報道にあったように、私が支部長を務めている自民党所沢支部が、収支報告書の提出を期限内に2年続けて行わなかったため、活動を停止することとなりました。

 私が議員になる前から、同支部は党員の自主組織として活動しており、会計担当も一般の民間の方です。私は初当選してから1年ほど後に、保守一本化のために(当該地域の自民党衆議院議員は一人だったことから)支部長に選任されました。

 この会計担当の方は毎年行われる決算の整理・説明をとてもしっかりこなしていて、支部党員の信頼を集めています。報告書の提出も毎年して下さっています。

 しかし昨年3月末提出予定の平成22年分にかかる報告書については、決算はしたものの、震災後の混乱で総会が6月にずれ込み、混乱も重なって期限内の報告書への転記・選管への提出がなされませんでした。今年はちゃんと出せるということだったのですが、この方がお仕事で多忙を極め、結果として期限を過ぎてしまったということです。

 政治資金規正法では、2回連続で収支報告書の提出を怠ると活動ができなくなります。選管から4月27日付のその旨の書面を受け取った時には、まさかきちんと決算処理がされていた報告書が未提出であったとは信じられず、会計担当者ご本人から事情を聞くとともに選管にも秘書を通じて問い合わせ、活動を継続するための方策を検討しました。
 その結果、未提出分の収支報告書をきちんと提出していったん支部を解散し、再設立すれば活動を続けられるとのことでしたので(過去に複数例があるとのこと)、5月に一連の処理を行うとともに、今後どうするかをこの会計担当の方と話し合いました。

 この方は無償で会計事務をして下さっているので強いことは言いづらいのですが、やはり類例があるとはいえ、また資金の流用や着服、虚偽報告という悪質な事案ではなかったとはいえ、不祥事であることは厳然たる事実です。
 私も支部長という立場にあり、しかも民主党の鳩山元総理や小沢元代表の政治資金不正疑惑を追及してきたということもあります。

 ここは臨時の役員会を開催して、そこで一連の経緯を正直に説明するとともに、設立された新しい所沢支部の役員に関しては原則として旧所沢支部と同一とするものの、私たち両名に関してはそろってけじめをつけようということで話がまとまりました。そのうえで各役員に通知を発送するとともに、県のホームページでは既に活動停止団体として公表がされていたこともあり、メディアの前で説明を行ったところです。

 市議会のスケジュールの関係もあって役員会は7月の予定ですので、そこで正式に身の処し方が決まってから説明をしようとも考えたのですが、主だった役員に説明が終わったこの段階で発表させていただきました。お騒がせして本当に申し訳ございませんでした。

 ただ、一部に「これで柴山は不正追及ができなくなった」という声があることについては、断固として否定致します。自らのことはきちんとけじめをつけ、これからも一層職務にまい進していきます。

[民主党分裂の動き]

 前回この欄で、小沢元代表のグループ(派閥)の消費税をめぐる造反の動きを、反執行部が世論に迎合しつつ党内のキャスティングボートを握ろうと企てていると批判するとともに、本当に離党を想定しているのか疑問を提示しました。

 しかし色々調整の結果、離党の方向が濃厚になってきたようです。

 既に先行して離党している新党きづなのメンバーは9人。これと連携して内閣不信任案を提出するには42名の離党があればできます。造反した57人のメンバー数からすれば手が届く数字です。もっとも、内閣不信任案が可決されるためには54名の離党がなければならず、これは難しいでしょう。ただ否決されるとそれは一時不再議のルールを通じて、9月上旬までの会期中の解散を先送りし、執行部を揺さぶる戦略にもつながります。

 造反組の中には、そもそも前回の民主党追い風の選挙でも比例復活でしか当選できなかったり、小選挙区と重複立候補しておらず、比例単独で下位当選している議員が大勢います。これらの議員は次回民主党で立候補してもほぼ間違いなく落選するので、離党することに何の抵抗もありません。
 問題は前回この欄でも触れたとおり、小選挙区の候補者で当選の可能性があり、離党しても第三極の流れの展望が開けず迷っていると思われる議員たちの動向です。

 しかしたとえ離党が衆議院で十分な数を確保できなくても、新党きづなと同様、与党を離れれば堂々と政権を批判することができ、内情を知ったうえでの暴露が議事録にも正式に残ることにもなりますから政権としてはかなりこたえるでしょう。また、参議院でもし19人同調して民主党を離党する議員がいれば、民主党は第一会派の地位から転落し、議長を自民党に譲ることとなって政権運営が危うくなることもあり得ます。

 小沢・輿石会談と併行してこうした数合わせが水面下で色々行われているとすれば、それは全く国民を置き去りにした権力闘争以外の何物でもありません。もし税と社会保障一体改革の三党合意を実行することができないのであれば、与野党協力関係の前提は失われたと判断せざるを得ず、野田総理は即刻解散・総選挙を行うべきだと考えます。

[増資インサイダーの問題化]

 前回この欄でSMBC日興証券のインサイダー取引について触れましたが、より深刻な増資インサイダー問題が野村・大和両証券会社を揺るがしています。

 公募増資情報を、主幹事の証券会社が営業部門を通じて得意先の機関投資家に漏らしていたという事案がそれぞれの会社で発覚したということで、まさに癒着を通じて市場の信頼が損なわれたという悪質な事案です。
 ただ、情報を漏洩した営業部門担当者への罰則は現行法上存在せず、引受け部門と営業部門との間の情報遮断(チャイニーズウォール)をきちんと行わなかった証券会社への行政処分もそれに連動して軽いのでないかと言われています。

 この問題は党の財務・金融部会で議論されることとなりましたが、私も関心分野ということでしっかりと再発防止に向けた制度設計に関わっていきたいと思います。

≫平成24年6月27日

[造反の本質]

 昨日、衆議院本会議で、税と社会保障一体改革関連法案が可決しました。

 前回のこの欄で少し触れましたが、今回の自公民三党合意には、景気弾力条項に名目3%、実質2%という目標数字を残し、かつ成長戦略や事前防災・減災等に関する分野に資金を重点配分することなど、我が国の経済成長等に向けた施策を検討する旨の規定も自民党の要求を踏まえ盛り込まれることになりました。

 社会保障制度に関しても、民主党のいわゆる最低保障年金7万円などのバラまきマニフェストが少なくとも凍結されるとともに、1年以内、すなわち消費増税実施前に諸々必要な立法措置を取ることとし、私たちが恐れていた「増税先行法案」とは言えなくなりました。

 「負担を求めるなら議員定数の削減をはじめ、身を切る改革も行うべきだ」という声にこたえ、選挙制度に関しても、自民党では我々の案(小選挙区、比例区併せて当面35議席削減するとともに、比例区の一部を少数政党枠とする案)と、民主党の主張している小選挙区制度で得票を増やした政党が少なくしか議席を取れない不可思議な「連用制」を比較して集中的に議論することになりました。もちろん他の行政改革についても積極的に提言していきます。

 何よりも重要なのが、これらについての党での平場の議論のプロセスが私たちの要求で実現し、そこで谷垣総裁はじめ執行部から様々な疑問に対する答えが示されるとともに、国益を損ない続ける与党に対して決して救命ボートを差し出すことなく解散を求めていくという決意が示され、大連立(小沢グループを除いた民主党についてでも)を否定する言質を取ったことです。

 もっとももし採決が与党の都合でズルズル遅れるようなら上記三党合意を破棄するべきだと主張しましたが、予定から5日の遅れはギリギリの許容範囲でしょう。総合的に考え、私も賛成票を投じました。

 しかし民主党からは小沢・鳩山両グループを中心に57名という大量の造反が出ました。彼らは「マニフェストに掲げていない増税を行うことは許されない」「景気は増税で腰折れしてしまう」と一見もっともな理屈を掲げていますが、的外れもいいところです。

 まず、民主党のマニフェストは「無駄を16.8兆円削って必要な政策の財源にあてる」というものであって、消費税率を上げないとしてもその16.8兆円の財源を示せないならマニフェスト違反であることは全く変わりません。そもそも小沢グループ自身が、マニフェストに掲げた「ガソリン税暫定税率の撤廃」を早々と破っているのです。
 また、増税が景気を腰折れさせないように上記のように念入りに制度設計しており、もし引き上げが深刻な景気への悪影響を及ぼすようであれば増税を凍結する道も残されているのです。

 要は、今回の造反は、民主党の反執行部が世論に迎合しつつ党内のキャスティングボートを握ろうと企てているというのが実態でしょう。

 造反した議員の中には小沢氏とともに離党して新党を結成する考えを口にする人もいますが、彼らが第三極として生き残れる可能性がどれだけあるでしょうか。石原慎太郎東京都知事は小沢氏との連携に否定的、維新の会の橋下大阪市長も世論を見極めつつ小沢氏との連携については巧みに確約を避けているように思えます。現在の衆議院の小選挙区制度では新党の将来の展望はないのではないでしょうか。
 昨日、小沢氏から数年前「野田は総理にしていい」との発言を聞いたという方のお話を聞きました。そのように小沢氏に一目置かれている野田総理と、小沢氏の側近である輿石幹事長が、小沢氏たちについて除籍などの厳しい処分をするはずはない…そうした読みが安心して57名もの造反議員を生むことにつながったのです。現にインタビューに答えて「私たちが民主党の本流だ。自ら離党するいわれはない」と答えている議員が複数いました。何より小沢氏自らが「当面離党する気はない」と堂々と述べているのです。本心推して知るべしです。

 私たちはこのような動きに関わらず、自ら必要な政策・改革をきちんと進めていくことを心掛けていかねばなりません。そのために私も全力を尽くします。

[東電の株主総会など]

 今日、東京電力ほか各電力会社の株主総会が一斉に開催されます。東電については国の資本が1兆円投入され、私が主張してきた法的整理が頓挫することが正式に決まるわけです。残念でなりませんが、これで本当に改革が進むのか、原発政策を含め私が事務局長の自民党エネルギー政策議員連盟できっちりチェックしていかなくてはいけません。

 AIJ浅川社長の逮捕に加え、SMBC日興証券をめぐるインサイダー取引の問題化など、金融ガバナンスのあり方が問われています。また、国際社会に目を転じても、ギリシャの破綻はギリギリ回避されたようですが欧州経済は依然予断を許さず、中東情勢に関してもイランの制裁に伴うエネルギー確保の問題やエジプト・シリアの不透明な状況が気がかりです。今の政権にこれらに対処する力があるとは到底思えません。TPPなどの貿易交渉や中国・ロシアの領土をめぐる懸案なども含め、きちんと私たちが対応していかねばならないという使命感を持ち、活動して参ります。

≫平成24年6月19日

[手探りの戦い]

 いよいよ会期末直前となり政界には疑心暗鬼の渦があちこちにできているようです。

 私の主張は至って単純です。「民主党は実現不可能であるとわかっていたマニフェストを国民との約束として政権を取った。解散を求めることにより詐欺取消しあるいは契約解除を実現するべきだ」「ただし私たちの対案を国民に示し、保守の理念に基づき民主党との差別化を図らなければいけない」というものです。

 今回の税と社会保障の一体改革についての与野党協議では、この「解散をどう求めるか」「民主党と違う案をどう出すか」ということに主眼を置くのが筋でした。しかし自公民三党は実務者レベルで合意案をまとめました。

 確かに、税の直間比率の是正や長期的な財政健全化を図って国難を回避することは必要で、消費税率の引き上げ自体は私たちも所得税法等一部改正法附則104条を決定した以上覚悟をしています。しかし、前回のこの欄に書かせていただいたとおり、それは社会保障だけでなく他の領域も含めてきちんと歳出削減を行い、経済成長を確保して国民に過度の負担を押し付けない案でなければいけません。そして自民党ならではの高いハードルを掲げて、民主党が同意できないところで野田政権を解散に追い込むのが基本戦略だと私は考えていました。
 しかも、自民党が民主党に抱き着かれるようなことがあれば、それは改革方針を掲げた維新の会などの第三極を選挙で利するだけで国益を損ないます。

 最も問題なのは、この合意が日本の未来にとっても私たち党の浮沈にとっても極めて重要な意味を持つにもかかわらず、党執行部が一任を受けていたということを根拠に、総務会の決議のみで決着されようとしていたことです。
 私は合意がなされる直前の15日金曜日午後6時からの臨時総務会に乗り込んで、決定の前には全議員・支部長懇談会を行うべきだと(総務メンバーではありませんでしたが)オブザーバー席から強く主張しました。
 そして18日月曜日朝8時から全議員・支部長懇談会が開催されました。急な案内にもかかわらず本当に多くの方々が出席され、活発な意見交換がなされました。

 これら総務会及び全議員・支部長懇談会の詳細には触れませんが、今回の法案については国際社会も成否を注視していること、また、仮に解散を経て政権を奪還しても参議院とのねじれが続くことを考えればこの時点で最大限の譲歩を迫ったうえで合意しておいた方がよいことなどが執行部から説明されました。また、今回の社会保障制度改革推進法案(自民党案)の根幹部分は堅持され、年金、医療及び介護においては社会保険制度を基本とするという明文が残っていて民主党の最低保障年金を容認する余地はなく、後期高齢者医療制度についても現在の検討状況からして、新設の国民会議における抜本的な改正はあり得ないこと、かつ三党の確認書で年金や高齢者医療改革については三党での合意に向けた協議を義務付けること(そうなるとここでは党派にかかわらず合意できるセーフティーネット部分を決めることになる)、前記した国民会議は法律施行後1年以内に結果を出し、その後消費税の引き上げというスケジュールになるとされたことから、決して増税先行のプランではないことなどについて説明がありました。

 会議の参加者たちからは、民主党が「マニフェストを守った」などという主張をしているのはおかしいとか、取り沙汰されている民自大連立は打ち消してほしい、などと厳しい意見が出されました。私も「これがマニフェストの撤回少なくとも凍結を意味していることを充分説明し、広報してほしい」「ここで合意して解散戦略が描けるのか」と意見を言わせていただきました。谷垣総裁からは大連立の明確な否定と、あらゆる手立てを講じて解散に向けた努力を尽くすという決意が表明されました。(全議員・支部長懇談会後の私のインタビューがNHKニュースで取り上げられています。)

 今日になって実施された党の合同会議では税法における三党合意案が示されましたが、消費税増税に際しての景気弾力条項における成長目標値(名目3%、実質2%程度)が維持されるなど、ギリギリ容認できるものと言えます。結論として執行部への一任が取り付けられました。

 今後は民主党内の状況も含め、手探りの解散に向けた戦いがなされていくものと考えます。

 ここで見過ごせないのが衆議院議員定数削減など選挙制度改革に向けた動きです。民主党は小選挙区の0増5減に加え、比例定数の40削減、比例ブロックの全国化と一部連用制の導入などを提案してきました。
 自民党としても小選挙区の削減、比例定数の削減は既に細田政治制度改革実行本部長が具体案を示し、数字としてはほぼ民主党案と似たものとなっています。しかしなぜ衆議院で参議院と同じ全国比例制度を導入したり、民意を小選挙区勝利政党に不利に変える連用制を導入しなければいけないのかなど、首をかしげる部分が多過ぎます。民主党は本気で身を削り、解散の環境を整える気があるのでしょうか?


[福島警戒区域の現状]

 11日に小泉進次郎局長たち党青年局の有志たちと、今なお放射線レベルの高い福島第一原発の警戒区域の視察に行きました。痛烈に感じたのは、いまだ避難されている方々が多い中で復興がほとんど進んでいないことです。倒壊家屋もがれきもほぼそのまま。防潮堤や道路の整備、土地の境界画定などの作業もこれからで(境界画定の問題は15日の衆議院法務委員会で人権委員会設置法案などとともに法務省に質問しました)、町作りをどうするかの計画も行政からは示されていません。除染や補償の加速も必要です。「視察はもういいから早く実行に移してほしい」という現地の方の声や、浪江町の牧場で牛の安楽死を行政から求められながら懸命に世話をする方の姿が脳裏に焼き付いています。

 たとえ悪者になったとしても国が方針を自治体に投げずにきちんと決めること、情報の隠蔽を決して行わないことなど、様々な課題を実感しましたので、これを今後の活動に生かしていきます。

≫平成24年6月10日

[情報戦と根回しに対抗]

 総理が大飯原発再稼働を記者会見で表明しました。

 私は再稼働を必ずしも否定しませんが、今回の一連のプロセスはあまりに稚拙であると言わざるを得ません。
 ストレステストは法律の枠組に基かず、三大臣(官房長官、経産大臣、内閣府特命担当大臣)の昨年7月の取りまとめにより菅総理の思い付きの体裁を整えたものに過ぎません。また、中越地震の際問題となり、再稼働に当たっての安全性の判断基準とされているフィルター付ベント管や免震事務棟の設置などについても、「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準(今年4月の四大臣会合)」では事業者による実施計画を求めるにとどまり、今回の再稼働では満たされていません。

 細野環境大臣は5日や8日の国会質疑で「何度も議論して決定したことだ」と答弁していますが、上記のような問題があり、過去の地震データも不十分にしか取り入れられていない今回の決定が、安全より需給対策を優先させたことは明らかです。政府は「需給バランスいかんを問わず安全性のみで再稼働は判断されなければいけない」と述べながら、それが通らないとなると「電力が足りなくなる」と言い訳をし、その後私たちが節電や代替調達を含めてきちんとデータを示せと追及すると「電力コストが上がる」と理由を変えました。

 政府の迷走に対する国民の信頼は地に落ちており、これを回復するためには、前回この欄で指摘したとおり、現在審議されている原子力規制委員会設置法案(自公提出議員立法)を成立させ、そこでの新たな基準をもって再稼働の判断をするのが望ましいと私は衆議院環境委員会で提出者として答弁しました。

 一方枝野経産大臣は「再稼働を停止していることがむしろ法律上の根拠を欠く」「私は再稼働には慎重な立場だが慎重と反対は違う」などと私の目の前で答弁していましたが、国民の理解がどれだけ得られるでしょうか。恒久的な再稼働として既成事実を作られないようにチェックしていかねばなりません。

 肝心の法案については驚くばかりです。私たちへの取材や条文の確認がないのに明らかに誤った報道(議員立法案にも核不拡散保障措置が抜けている、とか)がなされ、民主党との実務者協議で決まっていないことが「決まった」と報じられています。政府(特に環境省)の情報戦と根回しは恐るべきものがあります。
 ただ、私も質問に立った8日の参考人質疑で、有識者の方々は概ね私たちの案に好意的な陳述をして下さいました。特に政治家が介入する「菅リスク」については、菅総理による東電の撤退拒否を評価した民間事故調の北澤委員長も「そもそもきちんと科学的に責任をもって判断する機関があればそうした総理の発言は必要なかった」という趣旨の答弁をされ、政治家の介入を排除する私たちの案に納得されているのです。

 議論は大詰めを迎えましたが全力で頑張ります。

[消費税論議に欠けているもの]

 自民党で(私や塩崎議員が上記委員会準備のため出席できない時間帯に)ようやく党の税制調査会の平場の議論が開催されました。そこでは政府の増税案から景気条項の数字目標を落とす形で臨むという基本方針が示されたようです。

 景気の議論や、再増税を招く歳出拡大をどうするかの議論が生煮えのまま、1度きりの論議で今後の扱いを税調や党幹部に一任するとの決着がなされたようで、正直不安でなりません。確かに政局上極めて微妙な時期を迎えているのはわかりますが、是非税と社会保障一体改革に矮小化されない形での再度の平場の議論が早急に開催されるよう、シャドーキャビネットなどで主張していきます。説明もなく抱きつきを行えば維新の会など第三極を利するだけで、国益を損なうと考えます。

[懸念する外交問題]

 内閣改造で民間出身の森本防衛大臣が誕生しました。政策通であることは間違いないでしょうが、高度に政治性を有する防衛行政の責任者として適格かどうかはきちんと見極めねばいけません。民主党の人材不足を露呈したものと言えましょう。また、ご本人がテレビ番組で「鳩山総理に請われていたら受けなかった」とされていますが、その鳩山元総理がいまだに外交担当で飛び回っている民主党でよいのでしょうか。

 丹羽中国大使がフィナンシャル・タイムズのインタビューで「石原都知事が仮に尖閣諸島購入をやろうとすれば、日中関係は重大な危機に遭遇するだろう」と発言したことが、大きく波紋を呼んでいます。外務省は注意で終わらせるようですが、それでは今後の対中交渉で足元を見られかねないでしょう。更迭が必要だと考えます。

 シリアのアサド政権の国内弾圧も気がかりです。ゴラン高原には自衛隊のPKO活動も展開しています。日本は昨年8月に大統領に「道を譲るべき」との談話を出したほか、政権幹部の資産凍結などの措置を既に実施していますが、これで足りるのか検討するべきだと党の外交部会で外務省に要請しました。また、中国やロシアが人権侵害停止などの国連安保理決議に拒否権を行使したことは中東軍事利権を背景とするもので国際的に容認できるものではなく、引き続き国際社会全体の厳しい対応を求めるべきです。

[大詰め近し]

 通常国会が大詰めを近く迎える中で地元活動も行っています。まだ、明日11日には小泉青年局長たちと福島の警戒区域でのヒアリングも予定しています。引き続き全力で頑張ります。

≫平成24年5月30日

[動かせ日本]

 昨日、この欄で幾度となく主張してきた原子力規制組織関連法案の審議入りがようやく実現しました。

 政府案が原子力規制庁を環境省の外局に置き、総理など政治家の原子力安全行政への介入の余地を残しているのは「菅リスク」への反省がないとしか言いようがありません。また、放射線モニタリングの実施部門や核の転用に関する査察を扱う部門を文部科学省に残すなど、規制組織を一元化し切れていないため、東日本大震災の後生じた連携不足が再燃するおそれもあります。

 一方、自民・公明両党の対案は、当該組織を公正取引委員会と同じような独立性の高い国家行政法上の「3条委員会」として予算の独立性や人事の独立性(国会同意)を図るとともに、規制部門の一元化を徹底する内容です。これはIAEA(国際原子力機関)の要請にもかなっています。

 これに対しては、人材確保・育成の点から問題であるとか、緊急時にうまく機能しないのではないかなどの批判がありますが、先進国では、原子力規制組織は他の組織からの独立性を徹底しながらも好待遇とキャリアパスが確立して人材を確保していますし、緊急時に備えて災害シュミレーションを平時から政治部門と連携を取って構築し、不都合がないようになっています。合議機関であっても本当に迅速な決断が必要な場合は長官が独自に決定する実務となっており、こうした仕組みを私たちの対案で取り込みました。

 自民党の本件に関するプロジェクトチーム事務局長として、昨日の本会議では私も各党の質問に対して答弁に立ち、政府案についてなされた野田総理や細野環境大臣の答弁についての問題点を浮き彫りにできたのではないかと思っています。これから両案は衆議院環境委員会で質疑に付されます。頑張ります。
 本来この組織が再稼働を目指す原子力発電所の安全性をきちんとチェックするのが筋だと昨日の本会議で私から申し上げました。

 また、昨日は自民党の社会保障改革についての基本法の対案が議論され、明日は政調全体会議で消費税を含めた議論がなされます。ようやく自民党が方向性を明確にする機会が訪れました。前回のこの欄に書いたとおり、しっかりと議論に加わっていきます。

 社会保障に関して言えば、自民党の生活保護をめぐる方針は、芸能人の親族の受給をきっかけに色々議論を呼びましたが、私はやはり就労できる方にはなるべく就労を目指してもらう仕組みを打ち出し、扶養できる方がいれば扶養していただき、現金給付は最後の手段と位置付けるべきだと思っています。医薬品を大量に入手して売りさばいている人、ベンツに乗りながら生活保護を受けている人、年金保険料を真面目に払った人より多くの給付を受けている人などがいることに思いを致せば、やはり「自助・共助・公助」の順序を念頭に置いた保守の理念からの改革が必要なのです。
 節約できる予算は2~3兆円であっても自民党の今後の様々な政策を貫く理念を示すのに象徴的な問題です。反対派のネガティブキャンペーンに屈することなく頑張ります。

[東電の姿勢に異議あり]

 国費を1兆円投入して現在の東京電力を国有化する再建計画が来月の株主総会にかかろうとしています。

 福島第一原発事故による損害賠償や廃炉費用で間違いなく債務超過に陥る東電は会社更生法などの法的処理が必要です。私は経産省OBの古賀茂明さんや一部の同僚議員たちとともに、東電国有化の前にまずこうした法的破綻処理をして、経営陣の一新、株主や金融機関等債権者による損失負担、発送電分離・資産売却などを行うようさんざん指摘してきました。そのうえで原発や送電網などは国有化し、発電会社は独立の民営会社として多様な新エネルギー会社と競争する環境を作るという構想です。それによって東電がはじめて生まれ変わり、国民負担も極小化できるからです。
 そう言いながら国会で物議を呼んだ原子力損害賠償機構法案に反対しなかったのは、損害などの全体像が明らかでない段階では国が責任を持てる仕組みを先に作ることは必要だと思ったからです。

 だいぶ状況も明らかになってきました。にもかかわらず東電の再建計画は発送電を社内カンパニーとして保有し続け、子会社の処分や天下り人事の改革も幹部のリストラも不十分、独占的価格設定もスマートメーターの仕様もどのようになるのか不透明、利害関係者の損失分担もなしとなれば(株主総会で株式の価値を減らさない案は承認される可能性が濃厚)、税金や電力料金の負担が増し、国民が犠牲を余儀なくされることは明らかです。

 いったん国費が現実に注入されてしまえば、その価値を減少させる法的破綻処理を行うことは事実上できなくなります。だから来月の株主総会の前にこの問題提起を行い、国民的議論を巻き起こしていきたいと思います。

[人権委員会設置法案の提出見送り報道]

 私が部会長をしている自民党法務部会で、政府内で今国会における提出が再度準備されているという人権委員会設置法案等をめぐる動きをヒアリングしました。

 既に部会としては、問題の大きい3条委員会方式(上記したとおり独立した権限を持つ委員会で、全ての人権侵害案件を対象とする)を問題があるとして骨子の段階で反対する姿勢を明確にしています。にもかかわらず、それに沿った法案ができ、法制局や各省間の調整も済み、政務三役から指示を受けて閣議決定にかかるのを待つばかりということがわかり、異論が続出。法案提出に反対する意見が10人、賛成はわずか1人でした。

 この状況を今日開催されるシャドー・キャビネットで谷垣総裁や茂木政調会長に報告しようと思っていたら、「今国会提出断念」の報道が飛び込んできました。しかしまだ安心・信用できません。引き続きしっかりチェックしていきます。

[総会のシーズン]

 地元では各種総会のシーズン。様々な団体の方々が「自民党にしっかりしてもらいたい」と期待とお叱りの言葉を口にされます。しっかり受け止めて今後の活動に生かして参ります。

≫平成24年5月21日

[極めて重大な局面]

 政局はこう着したままです。

 参議院で問責決議した前田国交大臣も田中防衛大臣も辞任する気配がなく、一部の例外(税と社会保障の一体改革特別委員会など)を除き、国会での審議はストップしています。

 深刻な高速バス事故や野田総理の中・韓両国首脳との会談を国会で検証しなくてよいのは、むしろ与党にとってプラスなのかもしれません。また、前回のこの欄で触れた原子力規制組織についての審議入りもすることなく引っ張って、原発の安全性やチェック機関についての議論をうやむやにし、ただ夏の電力不足を強調して再稼働が必要だという風潮を盛り上げようという意図もあるように思います。

 今週は自民党総合エネルギー政策特命委員会で、今後のエネルギー政策についての党の方針が決まると思います。軸足の定まらない与党に対し、しっかり私たちの方向を明確化することが必要です。

 また、今後維新の会や小沢元代表のグループなどが動きを活発化する中で、自民党の立ち位置が極めて重要となってきます。

 もし自民党が安易に民主党の増税論に乗り、景気回復や歳出削減の積極的な対案を示せないとすれば、維新の会や小沢グループはみんなの党などと結束して「増税反対・経済回復・歳出削減」の旗を立てて集結・対抗する動きを強めるでしょう。これで選挙を迎えれば、自民・民主連合が「大きな政府・財務省主導」のリベラル派、維新の会などが保守派ということになってしまいます。

 この欄で何度も触れていますが、私は基本的に経済は保守でいくしかないと思っています。「人は翼のないエンジェルではなく二本足で歩くサルである」と以前衆議院憲法審査会で発言しましたが、人間は本来過酷な生存競争で進化し、文明の発達に伴って助け合いの精神やコミュニティーを育てて本来生き残ることのできない人たちも救うことのできる豊かさを実現してきたのです。
 やはりまず「自助・自立」「活力」「改革」を考えなければ社会は停滞してしまうし、日本の基幹産業の衰退や高齢化、新興国の成長が進めば、増税してもいつ欧州のような状況になるかわからないのです。

 そして国益のことを考えれば、保守派にイメージ先行の政治経験の浅い実力未知数の議員ばかりが出現するようなことは避けるべきです。自民党が保守政党として、むしろ民主党に対峙する形でこれらの勢力と一部連携を取りながら(政治手法がかけ離れているグループは避けるべきと思いますが)進むべきと考えます。

 今若手の有志で「消費税増税を考える会」を作り、自民党が安易に民主党と妥協することのないよう活動を続けています。政界の未来がかかる活動です。頑張ります。

[日食の感動]

 今朝金環日食を好天の中見ることができました。長年皆既日食とともに見たいと思っていたので感動はひとしおです。太陽の電子風など、宇宙の研究は私たちの暮らしに直結します。これからも宇宙議員連盟の一員として、かつ天体ファンの一人として、力強く宇宙開発・研究を応援していきます。

≫平成24年5月13日

[本格化する税と社会保障一体改革論議]

 先週本会議で、年金改革関連法案・子ども子育て支援法案・消費税等税制抜本改革法案などが相次いで審議入りしました。

 政府案の説明を聞いて強く感じたのは、野田総理が政治生命を賭けて臨むとされた消費税率の引き上げについて、その目的がよくわからないこと、そして本当に本気なのかということです。

 消費税率の引き上げが深刻化する財政悪化を好転させるために必要というのであれば、それと矛盾する効果の薄いバラまきマニフェストは即時撤回してもらわなければいけません。また、一方で歳出削減をどのように進めるかのビジョンがなければいけないのに、与党はいまだに議員定数削減の真剣な協議に取り組んでいなかったり(総理が前向きな発言をしても幹事長代行が「あれは総理の個人的発言」と否定している)、公務員制度改革や事業仕分けの改善がどうなっているかわからなかったりという問題があります。また、社会保障の一体改革についても「削減・効率化」という要素が入ってしかるべきですが、高齢者医療など既に自民党政権が示した案を否定しておきながら説得的な対案を示していませんし、生活保護の膨張をはじめとしたモラルハザードの対策もあまりに不十分です。

 消費税率の引き上げが逆に社会保障の「充実」に必要だというならば、どの分野(年金以外にも医療・介護などがあります)に充当するのか、最低保障年金の具体像はどうなっているのか、世代間の格差や少子化対策と高齢者対策のバランスはどうするのか、また、保険料と税という二つの制度のバランスや哲学の違い(保険料については受益と負担の関係がある程度明確になっている必要がある)をどう整理するのかなど無数の論点があります。

 増税しても財源としては限られた額となるため震災復興対策とどのように折り合いをつけるのか、また、引き上げに伴う景気への悪影響をどうするのかも考慮しなければいけません。当然説得力のあるデフレ対策が必要です。

 無論自民党もこれらについて詰めた検討が必要です。今後平場で改めて議論があるでしょう。ただいずれにせよ今国会で決着をつけるのであれば与党サイドで相当な努力が必要なはずで、依然として反執行部の姿勢を鮮明にしている小沢元代表についての党員資格停止処分の解除を控訴前に(しかも与党案への賛成の確約もなく)行っていることは理解に苦しみます。
 輿石幹事長の「来年まで解散はなくていい」という発言もそうですが、政策を成立させるよりも党内融和が優先しているのでないかとの疑問が拭えません。今後政局は不透明感が増すと思いますが、しっかり対応していきます。

[原子力規制をめぐる迷走]

 大飯原発再稼動については、政府から示される安全性を示すデータもこの夏の電力需給の見通しも信用されず、滋賀や大阪といった隣接自治体も厳しい意見を持っていることから暗礁に乗り上げている感があります。

 特に安全性のチェックをしっかり行うためには、現在の原子力安全委員会や保安院の組織を抜本的に改組し、この欄でもたびたび言及している自民・公明両党提出の「原子力規制委員会設置法案」を一日も早く通すことが、再稼動にせよ凍結にせよ問題の決着に必要なプロセスだと思うのですが、どうもこの法案をめぐる与野党の動きがよくわかりません。

 先週の日曜討論で民主党城島国対委員長が、「ゴールデンウィーク中に民主・自民の実務者協議で、政府案と自公案のすり合わせがあと一歩の所まで進んだ」という趣旨の発言をされましたが、自民党原子力規制組織プロジェクトチームの塩崎座長も事務局長の私も吉野環境部会長も何も聞いていません。そもそも規制部門の一体化や政府からの独立性がなされていない政府案と、それを国際水準並みに徹底しようとする私たちの案は、根本的に理念が違うので、折衷案などあり得ないと思っています。

 現に9日開催の党環境部会では、政府案に対する厳しい指摘が続出し到底受け入れられないという結論が出ました。かと思えば一転して「与党が自公案を丸呑み」という報道。一体どうなっているのでしょうか。本会議・委員会でのオープンな審議を求めていきたいと思います。

 AIJ問題など他の案件にも携わっていますが、混迷する政局を打開するためには政策だけの活動では足りません。色々動いていくつもりです。

≫平成24年5月3日

[主権回復記念日を祝いたい]

 今日は憲法記念日です。戦後の日本が自由を謳歌し、世界にまれに見る豊かな国となる礎ができたことは現憲法の功績であり、きちんと評価しなければいけません。

 しかしこの憲法は、制定当時の理想主義的な色彩が強かったのみならず、占領軍の対日政策という思惑をかなり含んだものでした。自由民主党は、この憲法が日本の国情に必ずしも合わない側面があることや、押し付けられたものであることなどを理由に、憲法改正を党是としてきました。

 ここで大議論を展開するつもりはありませんが、結論から言って、私はたとえ押し付けられた側面があるとはいえ現憲法が無効であるという立場は取りません。形式上明治憲法の改正手続にのっとり、以後主権者とされた国民の意識に支えられ、定着し、上記のとおり大きな功績を有してきた憲法です。

 しかしあまりに改正が困難であるがために、冷戦終結と地域紛争の激化・グローバル経済の進展など激動する世界情勢や、急速な少子高齢化・行き過ぎた個人主義の弊害といった国内情勢に機敏に対応できないものとなってしまっています。各国の憲法が何度も改正されているにもかかわらず、日本は明文の改正ができないために、無理な解釈改憲を重ね、憲法が本来持つべき「権力の制限機能」がかえって失われる事態になっているのです。

 私は司法試験受験生・あるいは法曹として、また、国会議員となって衆議院憲法特別委員会などのメンバーを務める中で、憲法と長年向き合ってきました。そしてこの憲法は早急に改正されなければいけないと確信し、いくつも提言を行ってきました。(ホームページの議事録で一部ご覧いただけます。)平成17年の際にも、今回も、自民党改正憲法草案の条文作成に関わらせていただきました。

 折しも今年はサンフランシスコ講和条約が発効し、日本が主権を回復してから60周年の節目にあたります。そしてその記念日である4月28日に実施された主権回復記念日国民集会に私は出席しました。前日に最終決定した自民党改正憲法草案もこの場で正式に発表されました。

 主権回復記念日をお祝いするとともに、一日も早く、主権者たる国民の手で、憲法改正が行われることを期待しています。

[憲法改正の要点]

 今回発表された自民党改正憲法草案は、平成17年案の時から含め、膨大な検討の結晶となっており、それを逐条説明すると分厚い本ができてしまいます。ここではほんのさわりだけ紹介します。

 まず問題となったのは緊急事態条項です。
 平成17年時には国民保護法など事態対処法の活用・拡充により、憲法改正までは必要ないという結論だったのですが、今回の震災や海外の事例などに鑑み、国民の権利が必要最小限の制限を受けるのみならず、法律にのっとり公的機関が出す指示に国民が従う義務を生じさせたり、統治機関の特例を設けたりするために必要な章立てを行いました。事後の議会による承認手続など歯止めを明文化しています。

 前文は憲法の基本理念を示す大事な部分です。国民主権・基本的人権の尊重・平和主義のいわゆる三原則は堅持しながらも、日本の歴史や文化、家族や国など共同体の尊重にも意を用いるべきことを謳っています。

 報道でクローズアップされている天皇の元首性については、純粋な法的論議に基づき、たとえ現在天皇が国政に関する実質的な決定権を持たなくてもその対内・対外的立場からして元首と言えると結論付けました。他の国民主権国家でも同様の位置付けとなっています。

 9条に関しては議論が白熱した部分です。自衛隊が海外では軍と扱われていることから欺瞞的な名称をやめ、軍と正面から位置づけるとともに、自衛権行使と国際平和維持活動、災害救援などの生命・自由保護の活動を任務として明確に定めました。田中防衛大臣が混乱した文民統制の規定も明確となるよう改め、軍事審判(特別裁判所にはあたりません)を設けました。

 集団的自衛権については概念が成熟していないことから今回の案には取り込んでおらず、自衛権の解釈となります。また、軍の名称は私は「自衛軍」を主張していたのですが(党の第一次公約にもこの名称が使われています)、英語にすると「Self-Defense Forces」となってあたかも軍が自らを守るかのような錯覚を呼ぶとの異論が出て、総裁裁定で「国防軍」と改まりました。

 国旗・国歌の規定についても諸外国では憲法の位置付けがあるもの、ないものがあって見解が分かれましたが、総裁裁定で憲法上書き込むこととなりました。

 基本的人権については、障害者の差別を禁止したり、犯罪被害者の権利やプライバシー権、環境権などの新しい権利を書き込みました。ただ、いわゆる国家からの自由を定める権利と国家に対して請求する権利を条文上書き分け、後者については国の責務という形で定め直しました。現行憲法が個人の尊重を至上価値としたため解釈が困難となった「公共の福祉」については、「公益及び公の秩序」と改めました。パターナリズムに基づく制約(深刻な、あるいは発達段階にある青少年の、自己加害の制限)、社会通念により形成された秩序への配慮などを読み取れるようにしたものです。

 在外国民の保護や選挙権の国籍要件なども定めました。

 なお、政党の活動の公正や政治活動の自由を定め、憲法尊重擁護義務の対象に明示的に全ての国民を含めたことは、今度の憲法草案が徹底した(アナーキズムを含めた)価値相対主義には立たないことを意味しています。寛容は必要ですがそれが破壊につながることに一定の警鐘を鳴らす必要があると考えます。

 内閣総理大臣が欠けた時の権限代行を規定したり、総理大臣の衆議院解散決定権や行政各部の指揮・総合調整権を明定したり、大臣が海外出張など職務遂行上特に必要がある時は国会出席しなくてよいなどの規定を整備しました。

 予算単年度主義の緩和、健全性の確保や、地方自治の規定の充実化と国・自治体の役割分担と協力関係も定めました。分権や道州制については条文上は盛られませんでしたが、今後進めていきたいと考えます。

 憲法改正要件については、その本質が主権者の国民投票であることから、その機会を極力確保するため発議要件を衆参それぞれの過半数と緩和することとしています。

 この他、判例上条文の明確化や実質上の修正が行われている部分についてはそれを取り入れました。政教分離の規定、公務員の労働基本権、裁判官の報酬の減額、私学助成の合憲化などです。

 このようにかなり詰めた検討をしてきましたが、首相公選制や二院制の問題については心残りがあります。
 前者については、国の実質的な代表である総理大臣が民意を背景に力を持ち、4年間なら4年間、腰を据えて職務に当たれる環境を整えることは必要だと思いますし、私の前回の選挙でもそれに極力近づけることを公約の一つに掲げていました。ただこれは当面党の総裁選挙のあり方などを工夫し、一般党員票の比率を高めるなどによって対応することを目指します。
 後者の二院制については私は堅持を主張していますが、権限も選出方法も衆参がほぼ同様の今のあり方には相当違和感を抱いています。ねじれ国会の解決や参議院の一票の格差論議とも関係します。例えば道州を基本とした中選挙区を検討したり、法案再可決要件を緩和して衆議院の優越性を強めること(ここは憲法改正案件)も是非踏み込んで欲しいところでした。

 いずれにせよ、他の野党も改正案を出しています。国会でしっかり議論をし、憲法改正要件の緩和など優先度の高いものを是非実現させたいと思います。

[改革とグローバル経済の灯]

 4月26日の創生日本の会議で、グローバル経済に異論を唱えているという京都大学大学院の中野剛志准教授の講演とディスカッションに臨みました。

 事前に同姓の柴山桂太氏との対談に目を通して臨んだのですが、さすがに分析が詳細で納得できる部分は多かったと思います。氏は構造改革とグローバル経済自体を悪と主張しているのではなく、デフレ下にあっては取るべきではないと述べておられたのが印象的でした。

 確かに高橋是清も恐慌の時に財政出動を行った後、景気が回復した局面では歳出削減を行っていましたし、米国でも不況時に民主党が政権を取って、財政出動と富裕層課税、保護貿易化を進め、好況時に共和党が政権を取って減税策を進めるのが常となっています。
 必要なのは、いつもこの欄で訴えているように、時代の変化に応じて国民が政策パッケージを掲げた政党を選べるようにすることであり、一つの政党が政権を取り続けて時代に応じて自らの判断で政策モデルをコロコロ変えることではないのです。

 私は労働組合の支持を受けている日本の民主党が、米国の民主党や英国の労働党のように、大きな政府を志向する政党となり、自民党は改革とグローバル経済を志向する効率的な政府を目指す政党になるべきだと考えます。無論、具体的には各種政策の検討の結果その中庸に落ち着くことが多いのだと思いますが、基本的な筋は見失ってはいけません。

 中野先生に「いつまで先生の政策を取り続ければよいのですか。」とお尋ねしたところ、「物価、失業率、長期金利、為替などを総合的に勘案することが大切です。プライマリーバランスなどで判断してはいけません。」と答えられました。実際の局面転換にはやはり選挙の洗礼が必要となるのでしょうが、しっかり細部にわたって検討していきたいと思います。

[大井、三芳の自民党支部総会]

 4月30日には自民党大井支部の、今夜は自民党三芳支部の総会が相次いで開催となります。政権奪還を目指し、地元から力強くエネルギーを発揮していだだけることと思います。ゴールデンウィークにもかかわらずご参加の皆様に心から感謝申し上げます。

≫平成24年4月27日

[限りなく透明から遠いグレー]

 昨日小沢元民主党代表の判決公判が日本全国の注目の中行われました。

 私は事前にツイッターで「共犯事件なので評価の側面が大きい。有罪・無罪にばかり関心が集まっているようだが、判決理由に注目したい。」とコメントしましたが、案の定、読むととても興味深い判決です。

 まず、強制起訴の効力については、私も動画番組に出演の際「検察審査会の起訴議決と公訴事実の内容の食い違いは、無効をもたらすものではない」と述べていたところですが、やはり有効となりました。

 そして問題の有罪・無罪判断ですが、これは95パーセント有罪の判断です。判決の最終ページには「本件証拠調べの結果によれば、既に説示したとおり、石川や池田によって作成、提出された公訴事実記載の平成16年分及び平成17年分の収支報告書の記載は、虚偽の記入ないしは記載すべき事項の不記載に当たることが認められ、さらに、被告人(小沢氏)の本件虚偽記入及び不記載についての故意及び秘書との共謀の有無については、被告人は、本件土地公表の先送りや本件4億円の簿外処理について、石川らから、報告を受けて了承をしていたと認められることや被告人と秘書との関係等を総合すると、被告人の共謀共同正犯を疑うことには相当の根拠があるといえる。」と言明しているのです。

 それではなぜ無罪なのか?小沢元代表が違法な不記入であることを認識していなかった「可能性を否定することができない」ということで、検察官役弁護士のこの部分の立証が不十分ということ、ただその一点です。

 報道で見ると石川議員が「いい判決だ」とコメントしていましたが、自分は真っ黒な認定がされているのです。小沢元代表を応援する人たちが涙ながらに「疑惑が晴れてよかった」とコメントしているのはあまりに実態とかけ離れています。

 今回の事件においては検察の捜査に大きな批判が集まりました。私はそれはもっともだと思いますし、取調べの可視化などを進めていくべきだという意見に変わりありません。しかし権力狩りだとか小沢つぶしだとか言われているのは認識が誤りです。少なくとも小沢氏は、当時の秘書たちが有罪認定を受ける行為を行い、その報告も受けている以上、議員本人として非常に強い政治的道義的責任があるのは明白です。

 国会で証人喚問を行い、小沢元代表に説明責任を果たしてもらう必要があります。
 さらに、今回の判断によると、結局秘書が政治とカネにかかる不祥事で有罪となっても、議員本人は自ら積極的に指示していない限り無罪になってしまうということになりかねません。検察官役の弁護士には控訴して上級審の判断を受けることも検討してもらいたいですし、立法府として改革のアクションが必要かもしれません。これからも展開を注視していきます。

 いずれにせよ小沢元代表やそのグループの活動が今後活発になるでしょう。ただでさえ税と社会保障の一体改革等検討案件が膨大なのにこのような政局(特に与党内政局)の中、きちんと物事が進むのでしょうか?

[原発政策の未来]

 昨日は党の総合エネルギー政策特命委員会の幹部数人で、原子力発生の地である東海村に視察に行きました。第二発電所では使用済み核燃料の保管場所なども見ることができ、大変有意義でした。

 昨年の震災の際にはやはり津波に見舞われ、たまたま半年前に作った防潮壁が生きて3つある臨時電源のうち水につかってダメになったのが1つで済んだなどの報告を聞き、背筋が寒くなる思いをしました。使用済み核燃料の保管施設は六ヶ所村やむつ市の施設がきちんと増設・稼働することを前提としたキャパシティーしかなく、同じ日本原子力発電株式会社の敦賀原発は活断層のため稼働見通しが不分明だなど、重い課題がいくつも突きつけられた感じです。

 自民党として今後の原子力政策(核燃料サイクルも含め)につき、先送りすることなく、きちんと責任ある提言をしていく必要を痛感しました。私も議員連盟の活動などを積極的に進めていく所存です。

≫平成24年4月21日

[優先順位を、慎重に]

 昨日20日、参議院で田中防衛大臣と前田国交大臣の問責決議案が可決されました。

 田中防衛大臣は前回この欄で取り上げた北朝鮮ミサイル対応を含め、あまりに自衛隊の司令官としての適格性を欠いており、前田国交大臣は禁止されている選挙の事前運動を、しかも建設業界団体に対して大臣の地位を利用して行っていたということで、ともに辞任に値することは言うまでもありません。

 ただ、内閣総辞職か解散がもたらされる衆議院での内閣不信任決議と異なり、参議院で、ましてや閣僚個々人の問責決議を行うことには法律上の効果はなく、可決された対象大臣が辞めなければ審議を拒否する、しかもその大臣が所管する委員会だけでなく全ての委員会の審議を拒否するという戦術に対しては色々意見があるでしょう。今度衆議院選挙が実施され、たとえ自民党が過半数を占めても共産党を含む野党が参議院の多数派となってねじれ国会が再来することとなり、同じような手法を取られてしまうという懸念もあります。

 今の民主党政権や問題2大臣があまりに国益を損ない、国民の信頼を失っていることからやむを得ないと考えますがただ一つ、もし本当に国益を考えるのであれば一切の例外を認めないというスタンスは取らないで欲しいと思います。
 昨日はこの欄でたびたび紹介してきた「原子力規制委員会設置法案」を、議員立法担当者の一人として衆議院事務総長に提出してきました。(NHKなどで取り上げられています。)政府の提出している原子力規制庁法案は、当該機関を環境省の外局として大臣の政治的コントロールが及ぶようにしていますが、これではIAEA(国際原子力機関)の独立性の基準に反し、世界的に見て信頼のおける組織とはなりません。私たちの案ではこれは独立行政委員会(国家行政組織法の3条委員会)としています。

 一刻も早く国会で取り上げていただき、私たちの対案を政府に丸のみしてもらわなければ、原発再稼働の判断を巡る疑心暗鬼は延々と続いてしまうでしょう。それは私たちの安全やエネルギー政策に大きな悪影響をもたらします。

 自民党の岸田国会対策委員長に「この法案は国益の観点から、たとえ審議拒否をしていても本会議の重要広範議案として代表質問・審議入りを目指して欲しい」と訴えました。これからも活動していきます。

[法曹の質と量]

 4月7日のこの欄で紹介した自民党企業統治改革案について、16日の日本外国特派員協会において民主党の大久保議員たちとパネルディスカッションを行う機会を得、大きな反響をいただきました。

 公益通報保護制度を担う窓口として、会社顧問以外の弁護士などの活用が求められてきます。
 折しも私が党の法務部会長として民主党が提出している裁判所法等改正案(貸与制に移行した司法修習生の生活資金の返還免除要件を定めるもの)を議論する中で、法曹養成全体のあり方をもっとしっかり考えるべきだという意見が続出していたところでした。

 法の支配を官民含めあまねく行き渡らせ、かつ国際社会にも通用する人材を生み出すために、かつて法曹人口の拡大は喫緊の課題とされていました。

 既に昭和30年代の終わりから法曹人口が海外に比べて極めて少ないことの問題点が指摘されていたのに司法試験の合格者は500人から一向に増えず、昭和末期には受験生が3万人近い中で合格率は1パーセント台に落ち込んでいました。
 「昭和の科挙」とまで言われる過酷な試験で、競争率5倍を超える択一試験(一次試験)に受かっても論文試験(二次試験)に合格するのは8人以上に一人だけ。これらの「論文浪人」のうち「次こそは合格できる」というレベルの人たちは受験専業で来年に臨むこととなり、そうした人たちがどんどん受験回数の制限のない中で堆積していきました。

 平成元年には合格者の平均年齢は確か29歳で平均受験回数も7回だったと思います。これはあくまで合格した人のデータであり、国会でこの司法試験の異常さが取り上げられた際には受験回数20回を超えた人が数十人いることが法務省から発表され、法務委員会のメンバーがため息をついていたという報道がされています。

 私もその時期に受験生をしており、論文試験会場で廃人寸前の風体をした中年を数多く目に焼き付けています。今さらまともな就職先もなく、受かる見込みが少ない受験を続けざるを得ない人も多く、自殺者も出て社会問題化しました。そして私自身、民間企業から脱サラして受験生活を続け、なかなか受からずに苦労し、精神の変調をきたす一歩手前までいきました。

 合格率があまりに低いと、一部の極めて優秀な人を除けば、同じような力を持った人でも問題の当たりはずれで合格時期に数年の誤差が出てしまい、社会的に大きな損失となることが実体験でも、国会の審議でも明らかになりました。受験予備校も全盛を極め、論証フォームの丸暗記をする受験生が増えました。

 当時東大法学部の年間600人以上の卒業生のうち、公法コース(2類)は半分が民間企業で残りの半分が国家公務員(キャリア)に進んでいたと思いますが、私法コース(1類)は半分が民間企業で、残りの半分近くは司法浪人という実態でした。留年生も含めて東大生の在学中の合格者は20人足らず。500人の合格者全体中、他大学を含めても在学中の合格者は30~40人程度ではなかったかと思います。現在、「ロースクールに行くより旧司法試験の方が早く実務に出て活躍できる」という主張もありますが、全くの空論であることがわかると思います。

 弁護士会は既得権益を擁護するため合格者の増加にはずっと後ろ向きで、司法試験に合格したら競争もなく、ほとんどが個人商店となっていました。これでは海外のローファームには全く対抗できません。

 こうした実態を受け、重い腰をようやく法務省も弁護士会も上げました。合格者を徐々に増やすとともに、500人を超える部分については受験回数3回以内の者から優先的に合格させるという措置を取りました。しかし移行期間も含め、これが実施されたのは実に平成10年になってからです。この時は合格者総数は800人でした。私が回数制限のない一般枠で合格したのがこの年です。

 その後司法制度改革が一気に進みました。平成15年あたりから政府でも自民党でも司法制度改革本部が立ち上がり、失われた期間を取り戻すかのように、省庁横断で強力なリーダーシップを取って合格者を3000人に増やそうとし、ロースクール制度を設けて「卒業生の7~8割が合格できる試験にする」を目標に制度設計がされてきたのです。

 しかしここにきて、ロースクールの乱立と厳格な修了認定なきままでの卒業・受験が横行し、結局合格率は2割と低迷。受験回数が3回と制限されて、それで受からない受験生は予備試験という極めて高いハードルからチャレンジしなくてはいけないこととなります。合格者の質は数を増やし過ぎたため低下し、就職難も本格化しています。ロースクールの学費負担と修習資金貸与制への変化に伴い、経済的に厳しい法曹の卵も出ているのは事実です。それでも結局合格者数は3000人を達成できていません。

 これでは国民の信頼に足る司法とはならず、再度制度の見直しが必要だと考えています。かと言って時代に背を向けた旧制度の復活はいけません。きちんと実態に即した制度改革を進めていきます。

[地元の相次ぐ大会]

 自民党所沢支部の総会がおかげさまで盛大に開催されました。この後、三芳・大井各地区でも相次ぎ開催の予定です。しっかり結束を確認しあい、政権奪還に向けてみんなで力を合わせていきたいと思います。関係者の方々に改めて感謝を申し上げます。

≫平成24年4月14日

[許されざる暴挙]

 昨日4月13日、北朝鮮が「人工衛星」と称する飛翔体を打ち上げました。

 これは日本を含む極東の平和を脅かすもので、国際社会の再三の中止要請を無視し、また弾道ミサイル計画やその技術の使用による発射を禁じた累次の国連安保理決議に明確に違反した暴挙であって、到底容認することはできません。
 北朝鮮に対しては国連決議の順守と六者会合共同声明の完全実施を、国際社会に対してはこれら決議に基づく制裁を、日本政府に対しては北朝鮮への独自制裁の実施及び関係各国と連携した国連安保理のさらなる措置への働きかけを求めます。

 しかし、防衛省が7時40分にSEW(Satellite Early Warning)で米国から情報を得、これに基き宮古島などのPAC3部隊は照明弾打ち上げなど即座に反応したにもかかわらず、その情報が官邸に達したのは8時16分。発射の第一報がメディアを通じて世界を駆け巡る中、8時03分には官邸は各自治体にMネットで「我が国としては発射確認していない」との通知を発してしまい、「すわ、メディアの発射報道は誤報か?」などの混乱が生じてしまいました。

 官邸に情報を伝えない防衛省も防衛省ですし、防衛省に確認せず全国に通知を発する官邸も官邸です。しかも大臣クラスは何をしていたんでしょう?こうした危機管理の乱れが、いち早く情報を正確に公表できた韓国に比較され、信頼を落とすことがわからないのでしょうか?

 国威をかけた発射が失敗に終わったことで、混乱がささやかれている金正恩新体制の一段の足並みの乱れや、追加発射の強行など、気になる動きが次々と出てくる可能性があります。外務省・防衛省・官邸など政府が一丸となって遺漏ないように進めていかなければいけません。しっかりチェックしていきます。

[郵政民営化への思い]

 4月12日、郵政民営化法改正案が衆議院本会議で採決されました。自民党では賛成の党議拘束がかかっていました。

 自民党の「造反警戒リスト」に私の名前も載っていたそうです。しかし今回、私は賛成しました。別に処分がこわかったわけではありません。これまでの私の行動・発言からすればこうなるのが必然だと思ったからです。

 「7年前、紙芝居まで買って出て、郵政民営化を強硬に進めておきながらどうしたんだ。」という声もあります。しかしあの時、私たちは党内で徹底的にこの問題を議論しました。そのうえで党の方針を決定したにもかかわらず、採決で造反した議員を自民党は公認せず、選挙で大勝したのです。私は「反対の人の意見も充分に聞き、議論を尽くし、そのうえで結論を出し、党議拘束までかけたにも関わらず理念が違う人たちを党に戻してはいけない」と、彼らの復党に反対する運動を行いました。

 民主主義はデュープロセス(適正手続)の結晶です。色々な意見があり、それらをきちんと踏まえて議論を尽くし、そのうえでまとまらなければ全ての意見を尊重して採決し(全てを尊重するから数的多数決が正当化されるのです。民主主義は多数決の論理ではなく参加の論理なのです)、そしていったん方針が決定し、党議拘束がかかれば、個人的に反対でもそれに従わなければ、政党政治は成り立ちません。

 もちろん全ての案件に党議拘束をかけるべきかは議論があります。超党派国会改革の勉強会では、党議拘束を緩和し、マニフェストに関わる問題でなければ、あるいは個人的信条を扱う問題であれば、党議拘束をかけずに自由投票を認める余地を広げようと提案しています。

 かつて道路特定財源の一般財源化を福田総理が宣言した際、これと矛盾する財源特例法が衆議院で採決されようとしていました。私はこの時には「党の代表たる総理が明言した方針と矛盾する内容の法律に賛成するのはおかしい。党内手続少なくとも総務会できちんと法律が改正されるという担保をつけない限り法案には反対する」と明言しました。おわかりのように、これは党としての方針転換にもきちんと民主的プロセスを求めようという私の思いで、趣旨は今回と一貫しているのです。

 今回の郵政民営化改正法案については、本会議場で私の隣に座る赤澤亮正議員が、政党間協議の任に当たり、逐次平場の会議を開催してくれました。私は「現職の議員以外の意見も聞いて欲しい」と要請しましたが、マニフェストに関する全国政調会長会議が仙台で開催される中、この問題での異論はありませんでした。本来であれば落選中の支部長も入った全議員懇談会が今月末に開催されるのでそれを待って欲しかったとの思いはありますが、民主的手続に大きな欠陥があるとは思いません。私は平場の議論でもシャドーキャビネットでも堂々と自説を展開しました。もし私が関われないところで今回の決定がなされたのであれば間違いなく私は造反しましたが、今回しかるべき手続が取られたことを了とし、自分のこれまでの主義からして賛成に回ったのです。

 中川秀直議員が「総務会は全会一致でなく、党議拘束には瑕疵(欠陥)がある」と主張されているとのことですが、総務会で全会一致を求める慣例は直していかないと物事は進んで行かないでしょう。運用は改められなければいけません。

 「民主党のマニフェストの変更を自民党は攻撃しているではないか。もう郵政民営化方針を選挙の洗礼なく行った自民党に民主党を批判する資格はない。」という意見もあります。確かにこの問題は争点にはなっていませんが、既に選挙は衆参何度も実施しています。私は「この間、郵政民営化を変更する特段の必要性はなかった」という主張ですが、この主張が多数派に受け入れられず「時代や状況が変化すれば政策も変わっていい」という意見が多数を占めてしまったのです。これはプロセスの問題でなく、主張の中身の問題です。

 しかも、民主党のマニフェストの場合「できないとわかっていたのに政権を取るためエイヤで決めた」と前原政調会長や藤井元財務大臣が認めているのであり、これは政策の変更でなく詐欺そのものです。国民は取消しすなわち解散を求めることができるのは明らかで、この案件と今回の事案を同一視することはできません。

 そうは言っても私自身、今回の結論に至るまで相当悩みました。シャドーキャビネットで茂木政調会長が「法律が緩和されても郵政改革の方向自体が変わるわけではない」とおっしゃったことに一縷の希望をつなぎ、割り切れない思いを抱えつつ、山本一太議員の「臥薪嘗胆」の思い(将来自民党に改革派の若手が多数登場すること、あるいは政界再編があることを希望しつつ今は涙をこらえて耐える)を噛みしめ、ここに決断した次第です。色々ご批判はあると思いますが、ご理解賜れれば幸いです。

≫平成24年4月7日

[桜で門外の変?]

 新年度に入り、ようやく本格的な春の陽気になってきたと実感します。首都圏の桜の花もほころぶ中、入社式や入学式が各地で実施されています。

 新たな門出と言えば、国民新党での混乱が政界に波紋を投げかけています。自見庄三郎大臣らが与党内に留まる意思を表明する中、亀井静香代表・亀井亜紀子政調会長が消費税増税に反発して連立解消を主張。下地幹郎幹事長から両亀井氏の解任が発表されるなど異例の展開を見せた結果、結局両名の離党の記者会見となりました。

 国民新党が与党なのか野党なのかわからない中、国会運営や政党間交渉にも影響が出かねないとして早期収拾が図られたと見られます。(思えば新党きづなも与党と野党の中間の「ゆ党」などと言われました。)

 離党したお二人は会派を形成するのでしょうか。衆議院議員1人、参議院議員1人だけでは色々難しい面もあると思います。かといって現時点で他の仲間がどれだけ見込めるのか…

 ツイッターでお二人の新グループを「カメカメクラブ」と命名し、「ひとりじゃーなーいー」「石原新党へ in the sky(いいんですかい)…」などとぶしつけながらコメントしたところ、大きな反響がありました(笑)。

 しかし、亀井静香氏は小泉改革に異を唱えて自民党からの離脱となり、国民新党代表として戦った先の参院選で一議席も確保できなかった責任者であるという事実を忘れてはいけません。今回の離党に限ってみれば筋が通って見えるからといって、石原都知事が新党を呼びかけるなどしたら、それは新党としての輝きを失うでしょう。

 あえて言えば、たちあがれ日本などと民主党政権打倒に向けた国会での協力をしていただくというのが適切であると思います。

[政局は緊迫化]

 北朝鮮のミサイル発射予告を前に、田中直紀防衛大臣の問責決議案が現実味を帯びています。高校の先輩で複雑な思いもありますが、この欄で資質を問題とした小川敏夫法務大臣とともに、速やかに国益を考えた行動を取られることを望んでいます。

 このように民主党政権が迷走を続ける中、自民党内でこの時期に「消費税増税賛成」はては「民自大連立」などという議論が出てきていることは理解できません。「自民党の支持率が上がらないのは与党への協力姿勢を明確にせず、解散ばかり口にしているからだ」などという意見があるのですが本当でしょうか?むしろ「民主党もダメだが自民党も民主党と大差ない」という意見が多数ではないでしょうか?

 私たちはがれき処理をはじめ協力できる部分は積極的に協力をし、むしろ経験に基づき政府の後押しをしてきました。審議にも積極的に応じてきました。しかし考えが違う部分についてはそれを国会審議で明らかにしたうえで与野党協議に臨み、溝が埋まらないなら反対するべきなのです。

 「消費税を2010年代半ばまでに景気状況を踏まえ10パーセントまで引き上げる」という部分だけを捉えれば、確かに既に示した自民党の方針と共通です。しかし例えば「あなたも覚悟している会費1000円を支払って下さい」と言われたからといって、何に使われるかわからず、しかも追加の会費もすぐに取られかねないとすれば、イエスと承諾できるでしょうか?
 子ども手当は所得を考慮した児童手当に戻りましたが、まだ農家の戸別所得補償等撤回されていないバラまきマニフェストが残っています。年金・医療の抜本改革どころか、生活保護が政権交代後25パーセント膨らんでしまっているなど、税と一体改革すべき社会保障制度の見直しは一向に進んでいません。国家公務員給与の7.8パーセント減は何とか与野党合意を見ましたが、トータルとしての公務員人件費削減は新人採用を6割減らして達成しようとしており、組織の活性化のための改革からは程遠い内容であるばかりでなく、民間の新規採用にも悪影響を及ぼそうとしています。議員定数の削減に至っては、憲法上違憲とされている小選挙区の定数配分の見直しすら進まず、自民党がリードする始末。

 このような中、消費税を含め、私たちの対案がようやく世に出ることになります。9日に仙台において私もシャドーキャビネットメンバーとして参加する全国の政調会長会議で示され、そしてさ来週には、前回のこの欄で触れたとおり、私が茂木政調会長に進言させていただいた「全議員・支部長懇談会」が開催され、郵政などの問題と併せて議論されることになるでしょう。

 起草委員会でまとめた党の改正憲法草案もいよいよ大詰めの取りまとめです。ちなみに衆議院の憲法審査会での国民投票制度に関する議論も並行して行われており、昨日の読売新聞全国4面には、この制度を憲法改正に関わる問題以外に拡大することについての私の慎重意見が紹介されています。

 これからも党としてできることをするため、私も全力を尽くす所存です。

[党の企業統治に関する提言全文]

 前回のこの欄で紹介し、今週のシャドーキャビネットで谷垣総裁・茂木政調会長に私から報告した、自民党の企業統治に関する提言について、外国人特派員協会に赴いての説明をする機会をいただきました。しっかりプレゼンテーションをしたいと思います。以下全文を掲げます。

   企業統治改革案について
                     平成24年4月1日

     自由民主党政務調査会
     法務部会・財務金融部会・経済産業部会・
     企業・資本市場法制PT・財務金融部会企業会計小委員会
     合同会議

 オリンパス問題や大王製紙問題を契機とした日本の企業統治(ガバナンス)に対する海外からの信頼低下は深刻な状況にある。折しも政府では会社法改正など企業統治に関する改革案が取りまとめられているが、本質的・抜本的なものとは残念ながら言い難い。
 自民党では法務部会・財務金融部会・経済産業部会・「企業・資本市場法制PT」・企業会計小委員会の合同会議にて、当事者であるオリンパス株式会社のM.ウッドフォード元社長をはじめ有識者からのヒアリングを重ね、問題点を集中的・多角的に検討してきた。その結果、下記のとおり対案を提示し、充実した国会討議に資するものとしたい。なお、本文書で充分取り上げられていない企業再編法制などについては、引き続き検討を深めていく。また、有価証券報告書提出会社・上場会社のように投資家の信頼確保が特に必要な類型(いわゆる公開会社)については、金商法・会社法等を統合した厳格な法制を定めていくことを重要課題として検討する。

1.社外取締役の要件厳格化(以下「独立取締役」という)

 現在法定されている社外取締役の要件は「会社や子会社の業務執行役員、社員、それらの出身者以外」となっており、法制審中間試案でもこれに、親会社の役員等、会社の役員等の親族を加えるのみとなっている。しかしこれに加えて、一定の基準(金額・割合等)による「主要な取引先関係者」「その会社から多額の報酬などを受け取る専門家」なども独立性が疑われるので、社外取締役はこれら以外の者とし、呼称を独立取締役とするべきである。

2.上場会社における複数独立取締役選任義務の明確化

 法制審議会における選択肢として、公開かつ大会社における監査役会設置会社において1人以上の社外取締役の選任を義務付ける案、あるいは金商法24条1項の規定によって有価証券報告書を提出しなければならない株式会社において1人以上の社外取締役の選任を義務付ける案が検討されている。しかし株主の地位が高度に流動化し、経営陣のチェックが深刻な問題となる上場会社においては、複数の独立取締役によりガバナンスの適正化を徹底する必要がとりわけ高い。上場会社における複数独立取締役の選任を上場規則で明定すべきであり、それができなければ法律で義務付ける。
 新設が検討されている監査・監督委員会はその機能を果たし得ると解されるが、そもそも当該制度が現在の委員会設置会社の単なる要件緩和とならないか検討するとともに、指名・報酬についての具体的提案を行えるようにする。
 複数の独立取締役の選任されている会社においては、取締役と会社の利益相反行為の決議につき、取締役会の前後に独立取締役のみの合議・是認がなければ任務懈怠が全取締役に推認されるものとする。

3.会計監査人選任における監査役・独立取締役のあり方

 会計監査人の選解任、報酬決定に関する議案が会社の取締役会により決定される現状においては、十全たる会計監査及び監査人の地位の独立性を確保することは困難とされる(いわゆる「インセンティブのねじれ」)。独立取締役及び監査委員会(新設の監査・監督委員会を含む)に明示的に会計監査人の選解任等や報酬等についての決定権を与えるものとする。監査役、監査役会(取締役会における議決権が存しない)についても、上記議案につきまず緊急に書面での事前要望を制度化するものとし、さらに調査のうえ決定権を与える改正を行う。
 なお今後、監査役の機能不全の実態に伴い、社外監査役のあり方や監査役設置会社を廃止すべきか否かなどを検討する。

4.公益通報制度の実効化

 公益通報者保護制度を改正し、上場会社については、独立取締役、監査役(会)、監査委員会(監査監督委員会を含む)に加え、会社の顧問弁護士と別の弁護士など社外の者を、内部通報窓口とするとともに、通報できる者として労働者以外の役員を含むこととする。通報者にインセンティブを与えることも検討する。当該機関は通報者に対し、受領した情報をどのように処理したか報告する義務を負うともに、適切な措置を取る義務を負うこととする。また、これを受け会社は是正のための措置を講じなければいけない旨法文化するとともに、解雇のみならず公益通報したことを理由とする不利益取り扱いを無効とし、生じた損害を支払わねばならない旨定める。
 与党の検討する「従業員代表の監査役就任」については、利益相反を禁じる会社法335条2項に抵触することから認めない。

5.親子会社等に関する規律

 完全・最終親会社の株主による子会社役員への代表訴訟(多重代表訴訟)制度や、親会社・子会社間の利益相反取引についての親会社の責任に関する明文規定を設けるべきかは、様々な親子会社の類型があることを十分配慮し、肯定の類型を検討する。
 詐害的会社分割についての会社債権者による訴訟法制を整備する。

6.監査法人・公認会計士制度の見直し、当局の刑罰厳格化

 今回の事件を機に、公認会計士協会のモニタリング制度が充分に機能していないのでないか疑問が生じており、実態を検証する。既存の公認会計士のローテーションが機能しているかチェックするとともに、監査法人のローテーションシステムについては引き続き今後の検討課題とする。不正の実態を把握できるようにするためのよりよい情報開示制度のあり方について検討する。
 期中交代か否かにかかわらず、監査法人の交代の際、法律による担保をもって、引き継ぎに必要な範囲での守秘義務の解除を行う。そのうえで適切な引き継ぎが行われているか公認会計士協会及び公認会計士・監査審査会の審査を受けるものとする。
 オリンパス・大王製紙などの問題案件についての金融庁をはじめとする当局の処分が甘く遅いという批判が多く、運用の実態調査と役員等関係者への罰則の強化・公正な適用を進める。ガバナンスが機能しない場合は上場廃止もためらうべきではない。証券取引等監視委員会については、会計士等・法曹などの集中的な採用などにより捜査・立件機能を強化するとともに、行政処分権能自体を付与することで準司法機関としての独立性を確立する。
 会計監査人の権限(金商法193条の3の法令違反等事実発見への対応等)を強化する。

7.「過去は問わない」一定期の自首による免責の検討

 代々引き継がれてきた不祥事は風船爆弾のように次に引き継がれがちである。総会屋の取り締まりの際見られたように、例えば今後3年、就任後3か月以内など一定の期間を区切って、役員等関係者の自首を要件とした虚偽記載に関する必要的刑事免責・減軽制度を設けることを検討する。

8.その他

・証券市場における規律のあり方、東証・大証合併の問題点の検討
・株式持ち合いの解消に向けての検討

                    以 上

≫平成24年3月30日

[臥薪嘗胆の思いを胸に]

 消費税政局であまり報道されませんでしたが、郵政改革の問題を巡って自民党が大いに揺れました。

 郵便、郵便局、郵貯と簡保の金融2社をそれぞれ郵政事業から分割させ、日本郵政というホールディングカンパニーの傘下に株式会社化する。そして政府がこのホールディングカンパニーの株式を2017年9月までに3分の1になるまで売却し、金融2社の株式は同時期までに完全売却する。(郵便・郵便局についてはユニバーサルサービスの確保のため売却しない。郵便局は地域サービスの拠点として年金・コンビニなど様々な業種からの委託をも受けられるものとする。)これが小泉政権下で、さんざん激論のうえ決着した事柄です。

 金融2社の地方での撤退がなるべくないように基金を創設したり、新規事業の展開のための審議会を設けて民間とのイコールフィッティングを図るなど、各方面に配慮した案でした。しかしかんぽの宿売却問題などで元大蔵次官斎藤次郎氏が日本郵政の社長となり、改革が凍結され、かつ政権交代がなされて国民新党と連立を組む民主党政権下で改革の停滞は決定的なものとなりました。

 「私たちの虎の子財産を預けた金融会社がハゲタカファンドに持って行かれる」「郵便局が地方からなくなる」どれだけ多くのネガティブキャンペーンが行われたでしょう。他の民間金融機関に預けたお金はハゲタカファンドのえじきになっているのでしょうか。総体としての郵便局が果たしてどれだけ減ってきたのでしょうか。このような停滞の中、人材や不良施設のリストラは凍結され、新ビジネスの展開もないままリーマンショックを迎え、結局郵政事業の再生は非常に難しくなってしまいました。

 かといって、現在のように金融会社の運用が7割以上国債で、見えない政府保証の残ったままで預金限度額を上げるなどの検討がなされている姿は異常としか言いようがありません。今、他の民間金融機関が運用先の確保に苦しんでいるからといって、郵政金融2社の株式売却を先送りし、改革に取り組むインセンティブを失わせるようなことになったら大いに禍根を残すことになるでしょう。

 まだほとんど進んでいない民営化をさしたる検証もなく逆行させることは、とりもなおさず民主党と自民党の違いを不明確にし、第三局となるみんなの党や維新の会を利するのみです。
 私はシャドーキャビネットの会合で茂木政調会長に、この逆行が合理性を欠くこと、とりわけ落選中の党の支部長などのヒアリングを行って欲しいと意見を述べました。政調会長からは、「改革の方向性は変わらない」「全国政調会長会議や落選中の支部長からのヒアリングを行う」と約束していただきました。

 思えば…党改革もどうなってしまったのか。あれほど血道をあげて中間提言をまとめ、谷垣総裁に提出したのに、総裁選出プロセスの改正も、国会戦略の見直しも、党のこれまで政策の内容や決定プロセスの検証も、いったん通知が各議員に出された党内の禁煙も、結局棚上げ。党改革委員長の塩崎恭久議員も事務局長の石田真敏議員も失意のうちに辞表を提出されました。

 加えて、私が事務局長を務め、今与党に対抗して提出しようとしている原子力規制機関の見直し方針(この欄でも紹介しているとおり、保安院や各省庁の原子力規制部門、原子力安全基盤機構などの独立法人を一元化するとともに、それを世界水準に沿って原子力推進部門や政治の圧力から独立させるため、独立行政委員会(三条委員会化)とする案)にも、党内で反対の声が多く出ています。福島の悲劇を繰り返さず、世界に向かって日本の原子力行政が立て直されたと発信するために極めて重要な改革ですから、しっかり進めていきたいと思います。

 これまで様々な改革を主導されてきた山本一太議員が、参議院人事で苦杯を喫した際「臥薪嘗胆」という言葉を口にされました。今は多くの同じ理念を持つ都市部の若手有望議員が落選してしまっている不遇の時。絶対にこの思いを忘れることのないよう、同じ言葉を胸に刻み込むこととします。
 地方の思いをないがしろにしようとか、「売国方針」を進めようとかいう気持ちは毛頭ありません。改革をしないことは日本の国際競争力を失わせ、結局は地方も含めた「亡国方針」になってしまうという危機感です。民間出身の議員はほとんど同じ思いを持っている(しかしながら今は党内少数派)であることをお伝えしておきます。

[自民党の企業統治案]

 上場会社の独立取締役の上場規則による義務化、公益通報制度の充実、監査法人の独立性の確保、関係者の処分の厳格化とともに「過去は問わない」一定期間の申告による虚偽記載罪の刑事責任の減免などを柱とする自民党の改革案を事務局長としてまとめ上げました。
 オリンパス・大王製紙がきっかけとなりましたが、企業不祥事という点でAIJ問題にも汎用性がある部分が大きいと思っています。既に取材依頼が来ています。しっかりと発信していきます。

 地元活動も大切で睡眠時間もなかなか取れませんが、健康に留意して頑張っていきます。

≫平成24年3月19日

[小川法務大臣は即時罷免を!]

 私は一度口にしたことは貫くタイプの人間なので、軽々しくセンセーショナルな発言をすることはあまりないのですが、16日の法務委員会での質疑を通じ、小川法務大臣は即刻辞任しなければいけないという確信に至りました。

 問題の大きさは外国人献金を受けていたという前原元外務大臣の比ではありません。

 事案は「あたみ百万石」というホテルを運営していたファーイースト・キャピタルマネージメント(以下「F社」といいます)が、滞納家賃の支払いと建物の明渡しを求められた訴訟で、この被告会社F社の代理人弁護士を小川大臣(就任前)が務めていたというものです。

 「依頼者とは長い付き合いだった」「訴訟の進展が読めなかった」ということで、着手金は当時一応の目安として存在した弁護士報酬規程によることとし、明確な金額を入れた見積書や契約書は存在しなかったということです。しかしこんなことは滅多になく、訴額が18億円超とF社の経営に重大な影響を与える訴訟であることからすればなおさら不自然です。

 訴訟の初めに大臣はF社から1000万円の着手金をもらい、東京地裁での裁判の途中に500万円もらったとのことですが、平成22年2月26日に原告である家主が全面勝訴という判決が出た後、信じられない行動に出ます。

 この判決には、控訴がされても強制執行ができるという「仮執行宣言」という裁判所のお墨付きが出ており、これに基いて原告家主がF社の持つ預金債権や売掛債権を差し押さえしてきたのですが、何とその3日後に、敗訴した一審の弁護士着手金残金を3300万円とし、かつ控訴審の弁護士着手金を4000万円とする公正証書を、大臣はF社との間に作成したのです。

 控訴審では小川大臣は1回書面を提出したのみで、裁判期日は6月7日と判決当日の7月7日の2回しか開かれていません。裁判は所詮一審の蒸し返しにすぎないと裁判所に指摘され、あえなく再び全面敗訴。7月11日には小川大臣自身の参院選投票日で、まともな裁判活動があったかも疑わしい案件でした。

 ここで問題なのは、一審で敗訴し、二審も敗色が濃厚な訴訟の着手金を、あえて高額に設定し(原告側の弁護士報酬の10倍とのことです)、かつ原告家主が強制執行をかけてきた後に、弁護士である小川大臣が依頼者F社との間に公正証書で定めた理由は何かということです。

 この7300万円という高額の着手金合計額の弁済期は、公正証書作成日からわずか5日後の3月23日と定められ、とてもF社から支払ってもらうことを目的としたものでないことは明らかです。公正証書はこれを作れば、確定判決と同様に強制執行が可能な強力な書面なので、強制執行が目的の書面だとしか思えません。

 「え?自分の依頼者に対して強制執行なんて?」と普通思うでしょう。そのとおりです。何と小川大臣はこの公正証書をもって、原告家主の差し押さえた同じF社の持つ預金・売掛金債権を差し押さえたのです!

 「先行した差押えがある以上、これらのF社の財産はこのままでは原告家主に行ってしまう。だからその原告家主に行く財産を競合する差押えで減らそう」これを小川弁護士とF社がグルになって画策したということなんです。だからなるべく多くの弁護士着手金を定め、少しでも多く執行妨害しようとしたということです。
 本当にF社から着手金を取ることが目的だったら、わざわざ差押えのかかった財産を狙って重複差押えをすることなどあり得ません!

 この件はさらに不透明な部分があります。F社と同じ系列で、人事の面でも代表をF社から迎えたり、F社の前本店所在地ビルを所有していたりする蓮村不動産という会社があるのですが、この蓮村不動産が、小川大臣の公正証書作成日と同じ3月18日に、やはりF社に対して7000万円もの貸付けを行うとともにその旨の公正証書を作成しているのです。これは小川大臣の公正証書と同じ機会・場所で作られたものでした。

 形式的には蓮村不動産と小川大臣はともにF社に対する債権者として利益相反する立場にあるにもかかわらず、小川大臣は蓮村不動産の代理人弁護士としても、この7000万円の公正証書による差押えを、先に述べた原告家主の差押え財産に対してこれまた重複して行っているのです。
 この貸付けも弁済期がわずか5日後であり、F社からの回収ではなく原告家主の強制執行の取り分を減少させることを目的としていることは明らかです。小川大臣は「利益相反がないようちゃんと関係各社の同意を得ている」と委員会答弁しましたが、これこそみんなグルになって執行妨害を画策したと自白したも同然です。

 小川大臣は「この蓮村不動産から貸した7000万円にはちゃんと実態がある。預金振込みにするとまた差押えがかかるので現金でF社に渡し、必要な支払いにあててもらった。」と述べていますが、これも差押え逃れを自白しています。必要な支払いと言いますが、倒産間際の会社が一部の債権者に7000万円も支払っていることは不公平であり、破産手続において否認権の行使の対象にもなりかねない行為です。

 その後F社が、原告家主の申立てにより破産し、小川大臣も蓮村不動産も堂々と自らの債権を届け出ています。これらの行為が強制執行妨害罪(刑法96条の2)や、詐欺罪(刑法246条)に該当する行為ともなり、政権のスキャンダルであると、いみじくも原告家主の代理人弁護士が意見書を破産管財人に提出しています。破産管財人は小川大臣の債権を「認めない債権」に分類し、蓮村不動産の貸付債権については分類を留保しています。

 この蓮村不動産の代表者は在日韓国人の方と報道されていますが、小川大臣が外国人地方参政権に賛成の立場に立つことが何らかの影響を受けたものだとすると問題があります。しかも、原告家主はサービサー(債権回収会社)の系列会社で、サービサー許可省庁が法務省であることに鑑みれば、そのトップが小川大臣であることは断じて容認できません。刑事事件に発展しかねないこの件について、当局のトップが小川大臣であることも大問題です。

 小川大臣にはこれ以外にもたくさんの問題がありますが、これから同僚議員と協力し、大臣の資格がないことを厳しく問うていきます。

≫平成24年3月9日

[今だからあえて憲法]

 私も起草委員の一人として案文決定に尽力をした新しい憲法改正案を、自民党が平場で議論することとなりました。

 報道各社の論調を見ると、天皇の元首性の明記や自衛軍の明定に着目して反動色が強いと批判したり、他に国政上の課題が山積する中サンフランシスコ講和条約60周年を機に自民党の党是を明確にしようとすることは党利党略でないかと批判する意見があるようです。

 名目上の代表であっても法的に見て元首といえる天皇の地位を明確化したり、国際的に見て「軍じゃない」と言うことが困難である自衛隊の再定義をしたり、国際平和活動や(限定的であれ)集団的自衛権を対等な日米関係や国際平和・日本の対外的な信頼の向上のために認める条文を整備することを反動的だというのは理解に苦しみます。
 そもそもそれ以外の部分も含め、現行憲法は施行後65年の長きにわたり一言も改訂されておらず、時代の要請から大きなずれが指摘されていました。今日本が急速に内外に抱えるようになった諸問題(外交の危機や社会保障の制度破綻、国際競争力の低下、震災復興に必要なスピードの欠如、行政情報の隠ぺいなど)の根っこにあるのが、日本が失いつつある「自助・自立の精神」「奉仕の倫理観」等々であり、国を変えるのは小手先の制度をいじることによっては限界があるということをつくづく痛感している昨今なのです。

 今こそ私たち全ての国民が、無論現下の様々な制度的問題に対処しつつ、その背景にあり抜本的な改革が必要となっている憲法の問題にタブー視せず取り組むことが、必要な時期と言えるのではないでしょうか。

 ちなみにこれとは別に、国会の義務違反が生じている国民投票法上の諸検討を進めることは必要です。これを扱う衆議院の憲法審査会での議論にも積極的に参加しています。

[予算案の衆議院通過]

 昨日、平成24年度予算案が衆議院を通過しました。

 自民党は民主党の「消費税10パーセントへの引き上げではとても足りない規律を失った予算」「税と社会保障一体改革をうたいながら何ら社会保障の具体的改革案が示されず増税のみ先行させる予算」「交付国債という粉飾を伴う国民に不誠実な予算」には反対する意思表示をするとともに、党として1.1兆円の削減を内容とする組み替え動議を提出しました。(否決)

 これに先立つ党の代議士会で、極秘党首会談が取り沙汰され、地元でも落選支部長からも不信が高まっている執行部に対し、「賛成すべきは賛成し、反対すべきは反対することに何の後ろめたいこともない。筋を通した党運営をお願いしたい。」とあえて発言しました。党のあり方をよりよくしようという若手の勉強会も進めています。

 郵政問題、企業統治問題、年金問題、色々課題は山積していますが、これからも火の出るような覚悟を持って、日々の活動を進めて参ります。

≫平成24年2月29日

[相次ぐ破綻]

 AIJ投資顧問が受託した企業年金資産の大半である約2000億円が消失してしまった事件が大きく波紋を呼んでいます。

 私が司会を務め、企業統治についての法規制の見直しを進めている自民党合同部会では、オリンパスがケイマンなど租税回避地のファンドを用いて飛ばしによる損失隠しを行ってきたことを問題としてきました。今回もケイマンの私募投信が金融当局の監視を逃れるために利用されたと見られており、私たちのチームでこの問題の背景の分析と再発防止のための立法を検討したいと思います。監査のあり方や情報開示の見直しが主となるでしょう。

 中小企業の年金が消失するという信じがたい事案であり、関係者の厳格な処分も必要です。一方で、運用利回りを出しにくい厳しい経済状況下で、柔軟なポートフォリオを組むことは認められなければいけません。筋を誤らないように気を付けていきます。

 そして半導体のDRAMメーカー、エルピーダメモリの会社更生法申請です。国策による公的支援を受けていましたが、経産省幹部のインサイダー取引が発覚するなどそのあり方に疑問の声もありました。韓国などとの競争力の差はいかんともしがたく残念な結果となりましたが、これを機に企業の体質・方針・スポンサーなどを抜本的に見直し、再生してほしいと思います。

 東京電力にしても、今回自民党でも再び見直しがされようとしている日本郵政にしても、民間の厳しい競争環境に正面からさらされ、改革を行うことによってしか再生することはできないのです。国が公的支援を注入することで延命させようという発想は大きく転換する必要があります。

[大きな反響を呼んだ予算委員会の質問]

 山口県光市の母子殺害事件で犯行当時18歳だった元少年に対する最高裁判決により、死刑が確定しました。被害者の夫であり、父親である本村さんは13年の長きにわたり苦しい思いをしてきたのであり、この間被害者の権利を推進させる大きな力となってきました。

 予算委員会では死刑執行問題について小川新法務大臣に問いただしましたが、職責に対する自覚も被害者に対する思いも感じることは残念ながらできませんでした。

 今国会提出が見込まれながら、中での適正手続が確保されるか懸念されている人権委員会の設置法案についても、こうした委員会を設ける必然性について納得いく説明があったとは到底感じられません。各地の人権擁護委員の方々の非常勤公務員化についても、その国籍条項がどうなるのかは「外国人参政権」についての考え方が不明確なことからあいまいな答弁になっています。

 会員数7万3000人、負債4300億円という戦後最大の消費者被害事件となった安愚楽牧場についても質問しました。政権交代後の消費者庁の不手際や、法規制の不備が如実に明らかとなり、今後私たちできちんと対応していかなければならないと思います。

[覚悟を示せ]

 国家公務員給与を2年間、人事院勧告による引き下げ分を含め平均7.8パーセント削減する特例法案が衆議院を通過しました。地方公務員については、地方交付税の引き下げで対応する意見もありましたが、自治体が自主的かつ適切に対応することとされています。

 これは復興財源捻出という側面もありますが、官民格差の是正と行政改革という側面もあります。民主党は公務員人件費の2割削減をマニフェストで掲げていました。

 一方、特に国会議員の定数について大幅な削減の政党間協議が進まない中、議員についての歳費も見直さなければいけないと感じています。デフレを加速するとか、諸外国に比べて議員の定数も秘書などのスタッフも決して多くないとかいう意見もありますが、身を削る姿勢を示して初めて負担の増加が受け入れられると思うのです。

 これからも覚悟を示せるよう、頑張っていきます。

≫平成24年2月18日

[ねじれ国会での与野党協議の重み]

 メディアでいつも訴えているのですが、私は国会の一院化には反対です。先進国では二院制が当たり前で(ただし両院が異なる性格を持つ場合がほとんど)、両院間のねじれは国会を熟議の場にするプラスの要素ととらえられているからです。
 ねじれを解消するためとして自民党と民主党が合併することにも反対。むしろ同じ理念を持つ議員同士が集まり(特に民主党が割れ)政界再編が起きることを目指すべきだと考えていますが、これにはしばらく時間がかかるでしょう。

 いずれにせよ、ねじれ国会を前に進めていくためには、徹底的かつオープンな国会での議論とその結果としての与野党間の合意形成を目指すことこそが何より必要になってきます。(その与野党合意の指針は、例えば直近の国政選挙の民意の方を尊重するですとか、憲法上制度化されている両院協議会を活用し各院のメンバーを会派構成比に変更したうえ議決要件を過半数にするとか、色々工夫があるでしょう。若手超党派国会改革勉強会でも試案を提示しています。)

 この与野党間の合意がきちんと守られなければ、難しい国会運営などできるはずがありません。

 今回の高校無償化をめぐる国会の空転は、自・公・民各党が昨年8月9日付で交わした「確認書」で明定されている「政策効果の検証と必要な見直しの検討」について、民主党の閣僚が全く不誠実な答弁を繰り返して審議が続かなくなり、予算委員長が休憩を宣言したことによって生じたものです。
 そして2月14日に、民主党が、与野党の新たな確認書の中で、「対応について不誠実であるとの批判を真摯に受け止め、謝罪する」「政策効果の検証と必要な見直しの検討につき政党間協議を行う」「引き続き予算審議の中で論議を深め、上記の協議を踏まえ、必要に応じ予算に反映させることも含め、誠実に対処する」としたことによって、審議が動き出したというのが「真実」なのです。

 一部報道で自民党が審議拒否をしたとか、与党も野党もどちらも悪いなどとされていますが、全く当たらないことは明らかです。与党には今回のことをきちんと反省してもらう必要がありますし、ガソリン税をめぐる混乱で与野党合意が無視されたり今回の事例があったりしたことで私は民主党を全く信用できないことから、「必要法案を通したうえでの話し合い解散」などというアイデアには到底乗れないと主張しているのです。
 なお、こうしたことをなくすためにも、国会中継は一般質疑も含めきちんとゴールデンタイムにオープンにテレビ放送することが必要だと、仲間たちとともに訴えています。

 そして与野党協議でもう一つ注目を集めているのが、衆議院選挙制度改革です。

 こう着していた議論が、私も賛成している自民党の案に民主党が近付いてきたことによってようやく動き出しました。すなわち次期総選挙に限った緊急措置として、自民党主張のとおり小選挙区の「0増5減」を行って一票の格差を是正するとともに定数削減を行い、さらに比例枠を削減しつつ少数政党に一定の配慮を示すということです。

 ただし上記の民主党案はまだ「樽床案」であって民主党内部の集約が済んでおらず、さらに比例枠の削減を80(総数180のうち)とすることに公明党などが反発し、また少数政党への配慮の方法として「連用制」というかなり偶発的に少数政党を偏重する(憲法違反との指摘まで一部にある)仕組みに言及していることなどから、まだ決着までには時間がかかりそうです。

 もし民主党が、選挙を先送りする口実にこの問題の引き延ばしを利用しようとするのでないなら(もちろん解散自体がこの問題が決着しないからといって法的にできなくなるわけではありませんが)、さらなる改善を提案するべきです。比例枠の80減は民主党のマニフェストに書いてあるから譲れないということですが、既にマニフェストは総崩れになっているのですからここで頑張る意味はありません。むしろ最高裁判所が違憲と判断した一票の格差の問題に、国会が成案を得ることでひとまずの決着を得ることが重要なのです。

 これから総選挙があり自民党が多数を取っても国会はねじれることを考えると、「与野党協議の重み」は引き続きしっかり受け止めていくべきです。

[自民党エネルギー問題へのひとまずの決着]

 2月15日に、山本一太委員長のもとで党の正式機関となっている「総合エネルギー政策特命委員会」にて自民党のエネルギー政策についての一応の集約がなされました。

 河野太郎議員たちが代表世話人となり、私が事務局長を務めている「自民党エネルギー政策議員連盟」は、現実的な原発依存からの脱却や業界との癒着の解消、多様な主体による分散型技術革新、世界に先駆けた再生エネルギービジョンの実現を主張し、党の正式方針に取り入れてもらうためにギリギリまで努力を続けました。
 私たちの主張はこの欄でも紹介したとおりで、商業用原子炉の新増設・更新を行わず、運転開始後40年を経過した原子炉は廃炉にする。使用済み核燃料の乾式貯蔵による長期貯蔵施設を建設する。NPT(核兵器不拡散条約)に加盟していない国への原子力関連物品・サービスの提供を行わない。2020年までに水力を含む再生可能エネルギーの導入目標を現在の需要量の20パーセントとするとともに、企業の生産性と国民生活の利便性を損なうことなく、同じ時期までに20パーセントの省エネを目指す。東電は債務超過になった時点で破綻処理を行い、国有化後に発送電分離を行う。スマートグリッドの普及に努める。原子力規制庁は独立の三条委員会として新設する。国会の事故調査委員会での調査結果を踏まえて原発再稼働は行う…かなり野心的な提言でしたが、党の方針には、一定の方向は取り入れていただいた部分もあると思っています。数字が入らなかったことは残念ですが。

 今回の方針は中間的なものなので、引き続き活動を続けていきたいと思います。また、除染や健康への配慮に基づく方針をどうするかについてもきちんと検討していきます。

 私たちの上記提案のうち、原子力規制庁を国家行政組織法三条の独立行政委員会とすることに、党内でも相当異論が出ているようです。しかし諸外国の実例や、IAEA(国際原子力機関)の基準に照らせば、政府が出している今の、独立性の乏しい環境省の外局とする法案に乗れないのは明らかで、菅前総理が海水注入を止めさせようとしたりベントに口出ししたりするなどしたことを二度と起きないようにすることからも、行政から規制庁の独立を確保することは必要です。規制庁の誤った判断の責任を行政に問えないなどという声もありますが、国家機関であり、国会同意人事でも名簿は政府が提出するのですから、そのようなことはありません。

[財政のまっとうな議論を]

 財政の問題については、消費税増税はやむを得ないとは思いますが、民主党政権になってからの予算が10兆円増えていること(復興のための補正予算を除く)に鑑みれば、5パーセントの引き上げによる税収のほとんどは、民主党の上記の歳出増、具体的には(相当は挫折したものの)マニフェストや、事業仕分けでもほとんど切り込めずにむしろバラまきの人気取りで復活させたり事業効率化を先送りしたりしたりしたことの、言わば尻拭いに使われていると言わざるを得ません。
 公務員人件費の削減のみならず、少なくとも自民党政権並みに予算規模を縮小してから(私はさらなる改革を主張していますが)、また景気対策をしっかり講じつつ、増税論議をして欲しいものです。(しかも2014年だからマニフェストに反しないなどという姑息な説明を一切やめて欲しい)

[出番を回避せず]

 前回のこの欄で触れたとおり、おかげさまで国会内外で様々な活動の場をいただきます。しっかり答えていくとともに、活動状況を対外的にお示しする努力を進めて参ります。

≫平成24年2月6日

[閣僚の資質とは]

 連日の予算委員会の質疑で、田中防衛大臣が集中砲火を浴びています。高校の先輩としてお気の毒と思える部分もありますが、やはり公務の上では厳しく大臣としての適格性を問題とせざるを得ません。

 そもそも政治主導を看板に掲げている民主党が、当該省庁の諸施策につき理解のない大臣を据えるのはおかしいのです。無論、細かい数字や法律を全て知っている必要はありませんが、国民主権と議院内閣制に基づく与党の負託を受け、大きな方針を事務方に提示し、事務方を代表して国会論戦や対外メッセージ発出にきちんと臨むためのコミュニケーションができる人物でなければいけないはずです。ましてや、対外的に秘匿すべき情報の管理に手落ちがあってはなりません。

 無論自民党でも肝に銘じなければいけません。大臣は年功序列・派閥順送りのポストであってはならず、かと言って業界べったりの議員がついて公正な行政を誤らせるものであってもいけないのです。今自分がシャドーキャビネットとはいえ法務大臣であることを重く受け止め、適材適所の自問と自覚を持って頑張ります。

 閣僚と言えば、年金など社会保障問題についての答弁に小宮山厚労大臣ではなく岡田副総理が立つ場面が多いのも気になります。かつて民主党で本問題の議論に携わっていたことなどから副総理として抜擢されたとはいえ、現在の施策につき小宮山大臣の不明瞭な答弁をバックアップしている感は否めません。ここでも野田総理の「適材適所・最強の布陣」について疑問が生じてしまいます。

[嘘はもうやめて]

 この欄で私が1月9日に指摘したとおり、民主党が消費税10パーセントへの引き上げでは到底まかなえない予算を組んでおり、すぐにも追加増税を行わなければいけない実態が徐々に明らかになってきました。きちんと国民の前に実態を示してもらわなければ与野党協議など到底できません。
 最低保障年金の実現が50年先で今は追加の国民負担が生じないと言うのなら、そのマニフェストも撤回してもらわなければいけません。また、消費税引き上げに伴い、低所得者に配慮した給付付き税額控除を導入するとなれば、納税者番号制度で金融所得などの把握ができるのかといった問題を国民の前に明らかにしてもらわなければいけないはずです。

 1月31日に拙速にも提出された原子力規制庁設置法案(福島第一原発国会事故調査委員会の黒川委員長が「自分たちの所掌事務に関する法律がなぜ相談もなく提出されたか」と怒っておられます)もマニフェスト違反です。この欄で前回紹介した「新しい規制機関は、既存の行政から独立した3条委員会とする」という案は民主党のマニフェスト(INDEX)に明確に記入されていた方針なのに、与党になったら環境省の外局にくっつける案を提示してきたからです。

 重なる嘘や情報隠蔽はマニフェストだけでなく、今の国会質疑にも見られ、もはや与党の信頼は全くありません。

 ここで自民党がしっかり信頼を取り戻す必要性を痛感します。さもなければ橋下さんや石原さんの新党構想(亀井静香さんが加わったことでかなり正体不明の感を持ちますが)に飲み込まれてしまいかねません。執行部に働きかけていきます。

[安愚楽牧場問題・原子力政策を動かす!]

 大阪の投資家たちが安愚楽牧場を詐欺で刑事告訴しました。そもそもこの案件が4200億円もの戦後最大の消費者被害を発生させながら、行政の怠慢と法の不備でそれを防げなかったことは極めて大きな問題です。また、この案件では経営陣が少なくとも破綻近い段階で満額配当不可能であることを知りながら投資勧誘をしていた可能性が極めて高く、私を座長とした自民党プロジェクトチームは実態解明・再発防止策(議員立法含む)立案を精力的に行っています。行政を私たちが少しずつでも動かしていると感じていますし、これからも頑張って消費者が報われるよう努力を続けます。無論預託農家の今後の営業についてもしっかり考えていきます。

 事務局長をしている自民党エネルギー政策議員連盟の提言取りまとめも大詰めです。党の総合エネルギー特命委員会は2月中旬に党のエネルギー政策の方向性を出すとのことですので、これにその提言を反映させられるよう全力を尽くします。

[相次ぐシンポジウム・取材等]

 原子力政策、党改革問題、現在オリンパスなどを題材に検討している企業統治の問題、安愚楽問題、二重ローン問題…最近シンポジウムのパネリストの依頼や取材の依頼が相次いでいます。地元の会合も含め、大変多忙な毎日が続きますがきちんと対応していきます。

≫平成24年1月28日

[始まった国会]

 ようやく通常国会が始まり、施政方針演説と各党の代表質問が行われました。

 一言で言って総理の答弁には、国政の混乱やマニフェスト違反への反省が極めて希薄です。放射線対策や年金などの政策についての答弁も実質的な中身なし。本会議場が沸いたのは自民党の細田議員が3年前の総選挙のマニフェストパンフレットを壇上で与党席に示しつつ、ユーモアたっぷりに「どじょう総理を籠に追い込みたい」と述べた時くらいでした。

 よく地元の新年会などで「自民党は反対ばかりして足を引っ張っている」と言われますが、私は詐欺的マニフェストを掲げて政権を取り、あらゆる場面で国政を機能不全にしている与党を解散に追い込むべきことは当然だと思います。ただ、「解散に追い込んだ後政策などをどうするのか」「たとえ私たちが政権を取ったとしても続くねじれ国会をどう動かすのか」ということを併せて示さないと国民は納得しないでしょう。

 シャドーキャビネットもいよいよ活動を再開させ、すぐにも始まる第4次補正予算のあるべき姿や、今後の自民党の重点施策についての検討が進んでいます。
 今回の補正予算は、実質的に平成24年度予算に計上すべき多額の経常経費を先取りして予算枠をごまかす見逃し難いものであるなどの問題を指摘するとともに、私たちの側も、22日の党大会で茂木政調会長が示した国土強靭化やデフレ脱却、外交の再建などの方針を、自助自立の保守の精神をもとに、いかに具体化して示せるかが問われています。シャドーキャビネットメンバーの一員として迅速に作業をしていきます。原子力政策など、過去の反省もきちんと行わないといけません。

 この欄で紹介している自分が関与する各種プロジェクトも一斉に再開し、地元日程や取材なども重なって連日目の回るような忙しさです。

[安全規制の独立性を]

 そのような中で緊急の案件として、政府が今国会で提出しようとしている「原子力安全規制庁」の検討があります。
 震災後ほとんど機能しなかった専門性の低い原子力安全委員会や保安院を改組・移動し、環境庁の外局として専門家を補充するとともに緊急時に総理のリーダーシップが取れるようにするという内容です。

 しかし考えてみて下さい。総理や政治家が安全対策に余計な(非科学的な)圧力をかけたり、多数の関係機関で情報が分散・隠ぺいされたりしたことが今回の悲劇を大きくしたのではなかったでしょうか。
 私たちはこの機関を独立行政委員会(3条委員会)として独立性を確保するとともに、規制部門の一元化を図り、IAEA(国際原子力機関)の理念により適合した内容とすることを対案として示したいと思っています。ご理解いただければ幸いです。

≫平成24年1月20日

[1日も早い国会を]

 野田総理が「最強だ」と胸を張る改造内閣、果たしてどうでしょうか。

 適材適所だと野党からの問責大臣をかばいながら、対象となった一川・山岡両大臣のみならず国会での追及がさらに厳しいと予想される蓮舫・平岡各大臣を含めた交代を行ったのは、やはりその適格性に不安があったからだと言わざるを得ません。
 しかし新内閣にも早くも新防衛大臣と外務大臣、財務大臣の間で、核開発が問題となっているイランからの原油輸入の縮小を巡って調整不足が露呈したり、新防衛大臣が武器輸出三原則とPKO隊員の武器使用基準の緩和を混同したりと、暗雲が漂っているように思います。

 それにしても総理が、安住財務大臣のガイトナー米財務長官に対するイランからの原油輸入の段階的縮小についての発言を、「個人的見解」だと言ってのけたのにはびっくりしました。確かに日本はイランへの原油依存度を徐々に減らし、今はその率は1割とされていますが、輸入原油の大半を通るホルムズ海峡の封鎖にイランは言及しています。原発政策が見直しを迫られ、対イラン制裁について慎重な態度を示す国が相次ぐ中、このように突出した発言の重さを「個人的発言」で片づけてよいのでしょうか。しかも自民党の外交部会で事実確認をしたところ「役所の事務方レベルでは連携を取っています」との答弁があり、要は大臣と事務方の、あるいは総理と大臣の、十分なすり合わせができていないということを示すものに他なりません。

 前回のこの欄で疑問を示した税と社会保障の一体改革にしても、野田総理の消費税増税にかける思いは伝わってくるものの、マニフェスト違反への謝罪やそこで示された農家の戸別所得補償など残ったバラまき政策の撤回には何ら言及がありません。

 こうしたことを一日も早く国会で議論しなければならないでしょう。シャドーキャビネット法務大臣としては、新任の小川法務大臣について、広島で起きた刑務所からの脱獄や今後の死刑についてのあり方を含めた治安の問題、大臣が前向きとされる外国人地方参政権や人権救済法案、司法改革の今後など多様な課題での質疑を早く行いたいと考えます。被災地の要望が大きい法テラス相談における資力要件緩和なども進めなければいけません。

[それでも連日の東京]

 国会は始まらず、まだ地元の新年会回りも続いていますが、私がメンバーである自民党憲法起草委員会での議論に連日参加し、平成17年に策定した自民党改正憲法草案の見直し作業をしています。また、今度設置される原子力安全庁についての検討を行う党の「原子力規制組織に関するプロジェクトチーム」の事務局長を拝命し、ストレステストを経てこれから再稼働を行おうとしている原子炉を含めた原発の安全確保についての議論を進めます。

 こうした中で取材やテレビ出演も相次いでいます。14日にはBS-TBS「NEWS21 サタデースコープ」に馬淵澄夫元国土交通大臣と出演したほか、明日21日(土)夜10時からは朝日ニュースター「闘え!山里ジャーナル!!」に、22日(日)朝10時からは岸井成格さんが司会のBS-TBS「政策討論 われらの時代」に、それぞれ出演します。

 しっかりと情報発信をしていきますので、ご覧いただければ幸いです。

≫平成24年1月9日

[激動の幕開け]

 2012年の幕開けです。ご清祥のこととおよろこび申し上げます。

 1月5日の党本部での仕事始めにて、谷垣総裁が「マニフェストで任期中に消費税増税をしないと主張して政権を取った民主党に、消費税増税法案を提出する資格はない。解散で民意を問うべきだ。」と述べられたのは正論だと思います。

 ただ、それだけでは弱いのであって、「民主党の出している予算案は消費税率10パーセントへの引き上げでは到底まかなえない水ぶくれ予算であり、しかも与野党協議しようにも後ろからそれをひっくり返す勢力があって与党がまとまっていない。このような状況では到底与野党の話し合いはできず、まず与党がきちんと閣議決定を行い、そして自民党が国会で堂々と対案を示し、そのうえで解散させるべきだ。」というのが筋ではないでしょうか。

 いずれにせよ、今の段階で与党の抱きつき戦法に乗ることはできません。一部党内には「昨年のマニフェストで与野党が協議すると自民党も言っている」という声もありますが、上記のとおり、その前提がないと言えるでしょう。また、今の混迷する政局を打開するには政治のリセット以外にはありません。

[連日の地元日程]

 上記したことを昨日地元で行った街頭演説で主張したところ、多くの方々が足を止めて聞いて下さいました。また、年末年始と数多くの地元行事に参加していますが、「今年は頑張って」という激励の声を多くの方々にいただきます。(今の自民党執行部への注文もかなり多いですが)
 こうした声に応えるべく、仲間の議員たちと力を合わせて頑張る所存です。本年もどうぞよろしくお願い致します!

平成23年

≫平成23年12月31日

[あり得ない税制改革案]

 29日深夜に決着した民主党税制改革案に、唖然とするばかりです。

 そもそも今回の混乱の発端は、前原政調会長ですら疑問を感じていたという「無駄をなくして16.8兆円の財源捻出を行えば消費税増税はいらない」とのマニフェストの破綻にあったはずです。

 党としての体面を維持するため、無理が明らかなマニフェストにこだわって国家財政の危機を招くのか。それともマニフェストを撤回し(総選挙を行って)政界のリセットと国家の救済を図るのか。二つに一つ。最終的には解散権を持つ総理のハラにかかっていたはずです。その総理が最終的に乗り込んで決まった党税制調査会の結論は…

 一度は提示した消費税増税のタイミングを半年遅らせて、14年4月に8パーセントに、15年10月に10パーセントに引き上げ…あり得ない!

 衆議院定数削減には言及してみたものの、本来財源とすべき公務員給与改革や他の無駄をなくしての16.8兆円の財源捻出にほとんど全く手をつけず、形だけ任期満了の13年8月末までは消費税率引き上げの閣議決定を行わないと先送り。これで有権者との約束を守ったつもりなら開いた口がふさがりません。選挙後の政権に当該閣議決定を押し付ける姑息な手段であり、しかも第一段と第二段の引き上げが近接しすぎていることの諸システムや経済への影響も検討不十分。
 実際に引き上げを決める際の景気弾力条項の意味もよくわからず、所得税・相続税の増税で高所得者をやり玉にあげて国民の多数の怒りをしずめようとしても、単にアンチビジネスな政権スタンスに市場がそっぽを向く結果を招くだけという気がします。

 かと言って、今の段階で民主党を離党した議員たちに国民の支持が集まるでしょうか。小沢一派の泥船脱出と捉えられても仕方ないでしょう。橋下市長や改革を掲げたグループがこうした方々と組む可能性が高いとは思えません。

 民主党に残された道はただ一つ。マニフェストをリセットし、消費税増税を正面から掲げて解散で民意を問い直す。その後に政界再編などがあれば、さらに新しい枠組みの元で選挙をするのです。日本の政治がマニフェストでまとまった成熟した政党政治を実現するには、もう暫く時間がかからざるを得ないのです。

 自民党は来年中の選挙に向けて、政策・体制、あらゆる面で準備を進めなければいけません。「消費税で反対できないから自民党は解散に追い込めない」という意見がありますが、消費税にとどまらず政策のトータルなパッケージで民主党との理念・体質の違いをわかりやすく示して選挙に持ち込むことは十分可能だし、今の日本の閉塞感を打ち破るにはそれしかないと思っています。

[大都市問題への対応]

 自民党の大都市問題に関する検討プロジェクトチームが27日、橋下市長が指摘する大都市における府県との二重行政の解消に向けた特別区設置の議員立法骨子案をまとめ、報道にも取り上げられました。このPTには私も参加し、道州制も視野に入れた積極的な分権改革を具体的に主張させていただいています。
 自民党は地方だけの政党ではないし、改革をあきらめてもいないということをきちんと示していきます。

[原発問題の将来へ]

 厚労省が20日に示した食品に含まれる放射性セシウムの新しい規制値は、飲料水でキロ当たり10ベクレルとかなり厳しいものですが、私や大塚拓前衆議院議員たちが茶の基準値に関して訴えた「肉や野菜などと同様の、生葉や荒茶の状態でキロ当たり500ベクレルとすることはおかしい」という主張は取り入れてもらえたと評価しています。ただ、まだきちんとした測定や品質管理が必須のレベルですので、引き続き検討を重ねて参ります。

 原発被害への政府や東電の対応のまずさが浮き彫りになる中、今後の原子力行政や補償のあり方を引き続き検討しなければいけません。徐々に提出されているストレステストの検証も含め、事務局長を務める党エネルギー政策議員連盟で取り上げていきます。フランスでも原子力政策の転換が叫ばれる中、国際的なスタンスも含めた自民党のあり方をきちんと示せるよう全力を尽くします。

 今年もあと一日で終わりです。昨年の大晦日、今日の状況を誰が予測したでしょう。
 来年は日本にとって、地域にとって、何より一人一人の暮らしにとって、よりよい飛躍・転換の一年となりますことを心からお祈り申し上げ、併せて自らの一層の精進をお誓い致します。どうぞよいお年をお迎え下さい。

≫平成23年12月25日

[毅然とした姿勢は不変]

 北朝鮮の金正日総書記の死去が大きな不安を駆りたてています。

 後継者の正恩氏の経験が浅く、国内の貧困問題も深刻化していることなどから、大きな体制変革があるのでないかとの観測も流れました。しかし中東などと違い、国内で徹底的な思想教育と軍部の監督が行われていることや、北朝鮮の政変で大量の難民が流入するのを恐れる中国が強烈に援助と統制を行っていることから、当面の混乱は回避されているようです。
 正日氏の死去の対外的な発表を遅らせて正恩氏への指導体制の移行の準備をし、一部報道では(国威発揚のため危機や指導者交代の際打ち上げられるとされる)ミサイルの日本海への発射も19日午前にあったとされたことから、私もいち早くツイッターなどのコメントで「北朝鮮は変わらないのでないか」と見通しを述べさせていただきました。もっとも、国威発揚を狙い、最近の米韓の融和的姿勢に付け込んで、一定の対外的強硬策に出る可能性は否定できません。

 こうした時期に超党派の国会議員が「日朝関係改善のため」と称して訪朝を企画し、今日本が示している北朝鮮による拉致や核の問題に対する厳しい姿勢にほころびを見せる動きがあることには断固反対です。これまでの経緯からして、北朝鮮は融和的な対応には増長し、懸案事項の解決は遠のきます。むしろ日本は米韓と、北朝鮮の民主化に向けた連携をきちんと確認していかなければいけません。

 さらに不安なのは(中・韓にも物を言えない)野田政権の危機管理体制です。総理は正日氏死去の北朝鮮の正午の放送の当日19日、事前に情報をつかみながら一旦は新橋の街頭演説に行こうとして引き返す羽目になり、警察責任者である山岡国家公安委員長に至っては放送まで情報が伝わっておらず、地元栃木から午後一番に開催された総理官邸の関係大臣安全保障会議に間に合わなかったという体たらくです。
 関係省庁からの情報を確認すると、役所は山岡大臣を危機管理の責任者としてではなく、関わってもらったら迷惑な存在として捉えていることが浮き彫りになりました。北朝鮮に対してだけでなく、今の野田政権に対しても毅然とした姿勢が引き続き必要であることを実感しました。

[首をかしげる予算]

 年明けには2.5兆円規模の平成23年度第4次補正予算が、そして過去最悪の49%の国債依存率となる90.3兆円の平成24年度予算が、相次いで国会審議を迎えます。

 民主党内には消費税率引き上げ反対グループが増税の前に一層の行政改革をするよう求めていますが、これらのグループも含め、自動車課税の抜本改革のプランは示されず、社会保障の全体改革も先送りとなっています。
 これに対し、炭素課税の改革や、高齢者・高額医療の効率化・増え続ける生活保護と年金制度の見直しなど、きちんと自民党として訴え、総崩れとなった民主党マニフェストの総括・撤回の要請と合わせて通常国会へと臨んで参ります。無論、公務員改革や議員定数見直しなどについても党内議論を活発化させていきたいと思います。

 民主党の離党議員のニュースが報じられていますが、この動きは今後活発化するかもしれません。

[年末年始も全力投球]

 自民党の憲法改正推進本部に起草委員会が立ち上がり、私もメンバーとなって逐条審議など精力的な活動をしております。衆議院の憲法審査会に反映し、新しい日本を作る土台となるよう頑張ります。
 安愚楽牧場プロジェクトチームでの預託法の改正の検討も、臨時国会閉会後にきちんと作業を続けています。また、オリンパスへの強制捜査を受け、年明けに党の企業統治に関する合同会議を活発化させるための準備も進めていきます。オリンパスの職員にかん口令が敷かれているとのことで道はまだ遠いと感じますが…
 他にも、法テラス拡大議員立法、修習生の給費制問題など、課題山積の厳しい中、先日は応援して下さっている地元女性の会である「しばざくらの会」のバスツアーを実施していただき、一服の清涼剤とも言えるとても楽しく有意義なひと時を過ごすことができました。参加された方々に心からお礼申し上げます。

≫平成23年12月16日

[自民党エネルギー政策議員連盟提言たたき台]

 前回のこの欄で紹介したとおり、自民党エネルギー政策議員連盟が活動を再開し、党のエネルギー政策に反映してもらう提言案を検討しています。代表世話人の一人である河野太郎議員(他の代表世話人は世耕弘成議員・西村康稔議員・牧島かれん支部長)はインパクトのある提言案を出さなければ現状は変わらないと主張しておられます。

 以下、河野議員の骨子案を紹介しますが、年明けに様々な有識者と議論していきたいと思います。

● 商業用原子炉の新増設は今後、行わない。
● 運転開始後40年を経過した原子炉は廃炉にする。
● 現在国内にある原子炉(54基)の中で、電力の安定供給のために必要な原子炉数を特定し、その他の原子炉は安全性の問題の大きいものから順次廃炉にする。
● 原子力安全庁は三条委員会として新設する。
● 原子力安全基盤機構は原子力安全庁に統合し、また、核、放射能関連事業を行っている中央官庁の部門も原子力安全庁に統合する。
● 原子力関連予算を整理統合し、再生可能エネルギーやスマートグリッドの普及拡大、シビアアクシデント対応および高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の中間貯蔵と最終処分の予算にその大部分を組み替える。
● 環境関連法令の適用除外を削除し、原子炉由来の環境汚染について環境省も所管する。
● 全ての原子力発電所および関連事業、使用済み核燃料およびその最終処分責任を電力会社から国に移管する。
● 電力会社の地域独占を廃止し、電気事業を自由化する。総括原価方式は速やかに廃止する。
● 電力会社の配送電部門を分離独立させ、送電網会社を設立する。送電網への発電会社からのアクセスの平等性、公平性を担保する。
● 東京電力には公費の追加投入をせず、債務超過になった時点で破綻処理を行い、一時的な国有化を行う。ただし、燃料の購入その他事業の継続に影響が出ないように資金繰りは政府が全面的に責任を持つ。国有化後に、発電部門、配送電部門、福島第一・第二原発処理部門に三分割し、発電部門、配送電部門は再上場する。
● 高速増殖炉は、全ての原子炉がフェードアウトされる時期に実用化が間に合わないので開発を中止する。
● 「もんじゅ」を廃炉にする。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。「もんじゅ」に替わる国の研究施設を地域に設立する。
● 六カ所再処理工場は稼働させずに廃止する。地域への財政および雇用に関する支援を当面、国が行う。再処理工場に替わる国の研究施設を地域に設立する。
● 再処理を前提とする現行の特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を改正する。
● 日本が保有するプルトニウムを国際管理に移管する。
● 使用済み核燃料の原子力発電所内での乾式貯蔵を始める。
● 使用済み核燃料の乾式貯蔵による長期中間貯蔵施設を建設する。
● 日本原子力研究開発機構を改組し、福島原発の廃炉管理、放射性物質の除洗技術の開発、使用済み核燃料および高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性物質の半減期をより短くするための研究開発を実施する。
● 原子炉の輸出に関する政府の支援は行わない。
● NPTに加盟していない国との原子力協定を速やかに破棄するとともに、NPTに加盟していない国々に対するいかなる原子力関連物品、サービスの提供を禁止する。
● 企業の生産性と国民生活の利便性を損なうことなく、2020年までに国内の電力需要量20%削減、2050年までに国内の電力需要量40%削減を目指した省エネ目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。
● スマートグリッド導入に関する検討を進め、必要な法令改正を実施する。
● 再生可能エネルギーの固定価格の買取制度を充実させる。再生可能エネルギー普及のための規制緩和並びに法改正を速やかに実施する。
● 2020年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の20%をまかない、2050年までに再生可能エネルギー(水力含む)で電力需要量の50%をまかなうための導入目標を設定し、必要な法令改正および研究開発支援を行う。
● 国内の周波数問題の解消に向けての戦略を定める。
● 高圧直流電線によるアジアグリッドの研究を進める。

 皆様からも是非ご意見をいただければと思います。

[企業統治の曲がり角]

 一昨日、私が立ち上げた党の法務・財務金融・経済産業・企業資本市場法制PT・企業会計小委員会の合同部会に、オリンパス元社長のM.C.ウッドフォード氏がお見えになりました。

 今のオリンパスの役員は全て交代するべきだし、過半数の取締役を社外から選ぶべきだと言い、監査役の改革・監査法人のローテーションシステム・株の持ち合いの解消にも言及するなど、厳しい指摘をする一方で、自分には愛社精神があり、中堅以下の従業員は信頼しているということ、臨時株主総会での敵対的な委任状争奪戦(プロクシファイト)はなるべく避けたいし高山社長とも話し合いたいということ、不振のカメラ事業を含め、コア事業の切り離しや売却(スピンオフ)は行わないということなど、注目すべき発言もされています。来日中にお会いになる株主がどのように受け止めるか注目するとともに、自民党としても引き続き有意義な企画やあるべき国際的に納得される企業ガバナンス制度の提言取りまとめを加速させねばと決意を新たにしました。

[メッセージを明確に]

 これからはあらゆる場で(責任ある)明確なメッセージを発出していきたいと思います。この11日には松下政経塾でシンポジウムのパネラーとなり、国会改革について密度の濃い議論ができました。他にもテレビ番組出演や取材の依頼もいただいていますが、きちんと逃げることなくお受けしていく所存です。皆様の忌憚なきご意見をお待ちしています。

≫平成23年12月8日

[会期が終わっても政局は続く]

 明日で臨時国会は会期末を迎えます。

 時代は変わりました。私たちが与党の時は、与党はなるべく多数の案件を処理するため会期の延長を求め、野党はそれに反対するという構図でしたが、今の与党は国会が長引くと様々な問題の追及を受けるので、率先して国会を閉じようとします。公務員の給与改定や労働基本権の問題も、原発やエネルギー政策の今後の方針も、年金制度の抜本見直しを含む税と社会保障の一体改革の議論も、TPPの集中審議も来年に先送りです。

 そして明日は職責や沖縄問題にあまりに自覚のない一川防衛大臣と、マルチ業者との不明朗な関係や選挙違反・論文盗用などの疑惑が持たれている山岡消費者担当大臣の参議院での問責決議が想定されています。可決されれば更迭なき限り政権運営は極めて困難となるでしょう。しかも来年の消費税率引き上げをめぐって、小沢元代表のグループが反対の署名を集めだしたと報道されています。
 年明け、政局は(解散を含め)何があってもおかしくありません。

 自民党法務部会長としても、刑法の改正(一部執行猶予制度の導入)などは与野党協力ができたものの、司法修習生の給費制をはじめ法曹養成制度の見直しや、被災地の相談ニーズにこたえる法テラスの充実などは時間切れとなってしまいました。
 議員立法を準備していた補助金や審議会・不要な法律などのサンセット(終了)法案も来年に持ち越しです。

 この政権のままでは本当に重要な政治課題は進めることはできないのだと確信しました。このような中で自民党内でも様々な勉強会が立ち上がり、政局の中で次の核になるような動きを見せています。私は自らの信念で、動く時には必ず動きます。今はあえて我慢の時。あるいは「小動き」の時。

[それでも進む案件]

 党のオリンパス問題合同会議に出席していただいた第三者委員会の甲斐中辰夫委員長の今日の報告は大変衝撃的でした。監査法人が会社の頑強な不正の前に屈する構図。また、私の質問に対して、損失隠しに関わった大手証券元社員や外国人などの協力者周辺に会社の資金71億円が流れた可能性があると答えていただきました。こうした事柄がこの会社だけの特異な事例だとは思えません。必ず党として今後の再発防止策をまとめ上げねばならないと確信し、素案作成にかかりたいと思います。

 エネルギー政策議員連盟の活動も再開しました。今後の再生可能エネルギーの普及に向けたシナリオや数値目標を政府や党の正式機関をリードする形で来年初めに示していくことができればと思います。また、河野太郎議員とともに、再生可能エネルギー買取法案にある調達価格等算定委員会の委員人選が果たして買取り促進という観点から妥当なのか問題提起を行い、メディアにも取り上げていただいています。

 衆議院憲法審議会での審議もスタートし、委員として、憲法改正や国民投票についての課題について積極的に毎回提言を積み重ねています。

 女性宮家創設の動きや領土問題への鈍い対応などについてもしっかり議論を行っていくつもりです。

 しかし残念ながらいくら日々努力を重ねても、それが一般の方に伝わりにくいのが現状です。こうしたインターネットを通じた情報発信や明日も予定されているシャドーキャビネットの街頭演説、各種シンポジウムなど少しでも多くの機会を活用し、私たちの考えを伝えていきたいと思います。また、未定の政策方針についてしっかり政府案への対案を示せるよう、全力を尽くす所存です。

≫平成23年11月29日

[維新ショック、目覚めよ自民]

 大阪維新の会が、既成政党候補を府知事選・市長選で破ったことが波紋を呼んでいます。

 私は副幹事長でいた時から、二大政党は政策で区別されるべきであって、組合主導の民主党と違い自民党は行政改革を遂行する維新の会と関係改善を行うべきであると訴えてきましたが、地方の問題であることからなかなか執行部全体の危機意識になるに至りませんでした。

 確かにこれまで、新規政党や知名度のある首長は、一過性のブームを呼んでもそれが長続きすることはなかなかなく、「結局は自民党」ということに落ち着いてきたのは事実です。しかし先進国で右肩上がりの時代が終わり、次々と国家財政の危機が明るみに出る中で、「頑張る人に光を当てて、その足を引っ張る既存のしがらみを改革していく」といういわゆる経済保守をより明確に打ち出す考え方を取る政党が各地で支持を集めて連携し、閉塞感を打ち破りたい国民の要求をとらえて、自民党に代わって民主党に対抗する大きな勢力に成長する可能性は決して否定できないと思うのです。

 ブキャナンやワーグナーの「赤字財政の政治経済学」で述べられたとおり、有権者の目先の支持を得ようとすればどうしても「高福祉・低負担」のマニフェストで痛みを伴う改革を先送りにし、選挙戦を有利にしようと思いがちです。民主と自民がこれを競い合う限り、私は自民党の未来はないと思っています。自民党に必要なのは、永遠に政権を取るために曖昧で甘い政策を掲げることではなく、有権者が改革をしなければいけないと思った時にその筋道をきちんと示せる政党であることなのです。せっかく民主党の前原政策調査会長が「維新の考え方と民主党の考え方は違う」と言ってくれたのですから、自民党がそれに対抗する考えを示し切れなかったことは返す返すも残念です。

 無論橋下さんの考えに全て同意しているわけではありません。大阪都や中京都を言うなら、他の政令指定都市の二重行政は一体どこまで解消すべきなのか、道州制や民間との役割分担など国政のあり方も含めた広範な議論が必要だと思います。今になって各政党が選挙に勝った維新の会と競って連携する動きを見せていますが、ここは逆に冷静に、地方分権や郵政の問題をはじめ、改めて自民党の基本的な考え方をきちんと固め直す時だと思っています。そして議員や支部長の顔ぶれももう一度精査してみる必要があるのではないでしょうか。

 明日は自民党の全議員・支部長懇談会。最近の党支持率不振や見えない党改革も含め、厳しい意見が出そうです。

[地道に発信し続け、ぶれない]

 私は基本的に初当選以来基本的なスタンスは変わらず、地道に発信し続けているつもりです。25日にグロービス経営大学院が開催した「日本のビジョン『100の行動』シンポジウム」に与野党議員6名で出席した時にもそうでした。来週もBLOGOSの企画にお呼びいただいていますが、引き続きあらゆる機会で全力を尽くす所存です。

[安全な狭山茶を多くの方に!]

 地元ブランドの狭山茶が引き続き放射線の風評被害に悩まされていることから、国の(他の食品と飲料を区別しない非科学的な)暫定基準値のきめ細かな見直しをお隣の大塚拓前衆議院議員とともに厚生労働省に訴える一方、所沢駅頭で27日午後実施された地元青年会議所主催の試飲PRキャンペーン活動に参加しました。現在店頭に並んでいる商品は今の暫定基準値についても自主検査でクリアしている安全な物なので、是非多くの方々にお求めいただけるよう改めてお願いする次第です。

≫平成23年11月19日

[ガバナンスを取り戻す時]

 前回のこの欄で「市場の信頼が失われる中、新しい取組みをスタートさせたい」と書かせていただきましたが、早くも党内で実現の運びとなりました。

 私が部会長を務める法務部会と、財務金融部会、経済産業部会、企業・資本市場法制プロジェクトチーム、企業会計小委員会の合同会議で、オリンパス問題を取り上げ、企業統治(ガバナンス)や監査制度の問題点について検討することとなったのです。

 大王製紙の巨額不正融資や東電・九電などの不祥事、巨人軍の内紛も、やはりガバナンスの問題を露呈したものと言わざるを得ません。せっかく復興を軌道に乗せようという時に、「やはり日本企業や市場は信頼できない」というメッセージを海外に発信することは大きなマイナスです。

 オリンパスにおいてはウッドフォード元社長が不透明なM&Aを告発して解任されたことで、菊川前会長のワンマン経営ぶりと、巨額の架空資産の計上を監査法人が指摘しないまま交代したという異常さが明るみに出たわけですが、党の合同会議ではこうした事態がなぜ生じたか、今後起きないようにするにはどうすればよいか、白熱した議論が続いています。青山学院大学の八田進二先生にも来ていただきましたが、今後とも実態の真相に迫るとともに提言をまとめていきたいと思います。

 民主党でも、社外取締役の選出を上場会社に義務付けたり、会計監査人の地位の独立性を強化するなどの改善案が検討されているようですが、私たちはそれだけでは終わりたくありません。仏とそれにいれるべき魂を共に形作ってこそあるべき提言だと思っています。

 本来不祥事を指摘すべき場所はどこなのか?内部で握りつぶされないためには(公益通報制度の活用も含めた)検討が必要でないか?監督すべき者が内部に詳しいことと独立であることは二律背反でないか?過去の不祥事は風船爆弾のように受け継がれていくものでないか?
 しっかり本質に迫った議論を行います。

≫平成23年11月8日

[始まった予算委員会]

 昨日から衆議院の予算委員会が始まっています。

 私も本日トップバッターに立った自民党茂木政調会長との打ち合わせの中で申し上げた、平岡法務大臣の基地問題へのスタンスや、法務省の今回の第三次補正予算での(本来の目的である復興と関係ない)衛星携帯電話導入のコスト(1台35万円で1274台)や契約形態・必要性など大幅に取り上げていただきました。

 午後質問に立った先輩議員の吉野正芳シャドーキャビネット環境大臣も、昨日私にお話しして下さったとおり、一昨日の上富祭りで私がご一緒した林伊佐雄三芳町長が被災地訪問してお手伝いされ、吉野議員と面談した経緯について予算委員会で取り上げて下さっています。

 私は今回質問には立ちませんが、こうした形で実際の質問に貢献できることは光栄だと思っています。今後とも自分にできることを着実に行っていきます。

[党改革の火は消さず]

 少し旧聞に属しますが、11月1日の朝日新聞の朝刊に「これが自民の生きる道」と題した特集が掲載されました。党改革の必要性と、復興をはじめとした政策の野党としての貢献・発信の必要性につき的確に取り上げていただいたと思っています。今度被災地女川町長選挙に立候補される党青年部の同志、須田善明宮城県議会議員とともに、私の文章も掲載されました。「永田町文化」を粘り強く変えていく必要性や党改革委員会での活動について、多くの方々から共感のメッセージをいただきましたが、正念場はこれからだと思っています。引き続きのご支援をお願い致します。

[引き続き全力疾走]

 管理命令が出た安愚楽牧場のプロジェクトチーム、使命を終えた補助金や審議会などのサンセット(修了)法など、懸案事項も本格的に再稼動しています。市場の信頼が失われる中、新しい取組みもスタートさせたいと思います。地元日程と併せ、引き続き全力で頑張って参ります。

≫平成23年11月4日

[TPPへの自民党の対応]

 つい先ほど、党のTPP検討小委員会におけるインナー会議、その後の平場の外交・経済連携調査会が終了しました。

 私はこの欄で述べてきたとおり、米韓FTA(自由貿易協定)が締結され、日本が貿易立国の観点で不利な立場となる中で、どのような政策をいつまでに取るのかきちんと決断すべきことを訴えて議論に加わってきました。
 しかし残念なことに、政府からの情報は極めて乏しいものでした。まずTPPのメリット・デメリットについての各省の試算がバラバラで統一のためのすり合わせすら行われていない。医療・労働など各分野における規制緩和についても正確なことがわからない。「聖域なき関税ゼロ」が前提となる中でどうやって日本の国益を賭けた交渉が機能するのか、それに費やす財政措置がどれくらいなのかも不明確。これでは決断のしようがありません。私はJAからのTPP参加反対の署名依頼に対し、「日本の主張がきちんとできる環境ができないなら」という条件の一文を添えたうえで協力することにしました。

 交渉日程等について政府の説明がぶれたことも私たちの不審を招きました。予備交渉はもう期限が切れるとか、米国が自由貿易を重んじる共和党政権にでもなったら日本の条件交渉はより厳しくなるとか言われていましたが、米国の手続を考えると元々交渉にはあと1年以上が必要だということがわかったのです。

 党での今日のとりまとめでも、このような状況下では、民主党政権が目指す今度のAPECにおけるTPP交渉参加表明については反対だ、という結論となりました。おそらく党の正式方針になると思います。

 ただ、私の「反対するだけではいけない。対案を示すべき。」という訴えは取り上げていただきました。様々なEPA/FTA、地域協定のメリット、デメリットを検討し、メリットの大きなものについては積極的に推進すると共に、これによって打撃を受ける分野については必要な国境措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じていくことを、引き続き追求していくこととされています。ASEANと6ヶ国などの枠組みで行う経済連携などが想定できると思います。

≫平成23年10月27日

[奇跡の当選]

 23日投開票の所沢市長選挙では、自民党推薦の藤本正人候補が、現職・民主党支持の当麻よし子候補をわずか1,626票差で抑え、38,655票をもって初当選を飾りました。

 先輩衆議院議員の並木正芳さんが無所属で立候補し、保守分裂となる厳しい選挙でした。知名度・実績のあるお二人に競り勝ったのは、藤本さんの「震災を経て絆が必要な時代に変わった。所沢も変わらなければいけない。動け、所沢!」という熱い思いと49歳のパワー、その思いを達成するために人づくり・コミュニティーの再生を通じて教育やお金のかからない福祉を充実させていくという、シンプルだけれど骨太の主張が、多くの方々の共感を得たことが大きいと思います。また、市議会議員の方々や同僚県議の方々をはじめ、応援してくださる方々が懸命に支持の輪を広げていただき、雪だるま式に盛り上がりが出てきたことを肌で感じることができました。党本部からも、片山さつき、佐藤ゆかり、山本一太、石破茂各議員にお入りいただきました。

 山本議員が「柴山さん、これは勝っても負けても1,000票台差の大接戦だよ。最後まで頑張って!」と励まして下さったとおりの結果でした。浮動票が多いと言われる都市部で、しかも保守分裂の逆境の中、民主党の2期目に向かう現職に勝てたのは奇跡的であり、大きな意味があると感じています。

 しかしこれからが市も国も正念場だと思います。市長ともども謙虚に皆様の声に耳を傾け、職務に一層真剣に取り組むことをここにお誓い致します。

[休む間もなく臨時国会]

 金曜日から始まった臨時国会では、大臣所信あいさつとそれに対する委員会質疑が始まっています。私も市長選直後疲れの癒えぬ中、懸命に衆議院法務委員会で影の法務大臣として、平岡大臣に1.5時間にわたり質問をぶつけました。この欄で書かせていただいた修習生の給費制、取調べの可視化、人権救済法案といった政策論議に加え、大臣の政治姿勢や死刑への取組み、北朝鮮と親密とされる「市民の党」との関係など、適格性の部分にまで踏み込んだつもりです。理論で詰めるやり方を目指し、おかげさまでかなりの反響をいただいています。

 大臣はこれまで、基地反対運動への従事、死刑制度・領土問題への消極性、外国人地方参政権・人権救済法案への積極性に見られるとおり革新的行動が色濃く、たびたび話題となることがあったのですが、閣僚になったら途端にこれまでの主張を封印し、厳しい質問には逃げを繰り返しています。有権者は一体何を信じて政治家を選べばよいのでしょうか?

 二重ローン問題もようやく民・自・公三党の実務者協議がまとまりそうです。衆議院に東日本大震災事業者再生支援機構法案がやって来てからは私はあまり担当交渉には入りませんでしたが、今回、この機構と既存の各県の投資事業有限責任組合を並存させる方向です。機構の業務範囲は担保土地そのものを取得しないなど若干窮屈ですが、対象事業者範囲は両機関で補完して幅広く救うこととし、一定のニーズには応えられるものになると思います。
 全国銀行協会も、当面新債務が発生しない仮設住宅入居者についても個人版私的整理ガイドラインの運用対象に加えるなど、努力を重ねているようです。

 前回のこの欄で主張したとおり、難しいTPPの議論も、林芳正政調会長代理の下に設けられた検討小委員会で集中的に行います。ヒアリングや意見交換を通じて何とか方向性が出ればよいと思いますが、的確な情報が少なくて大変です。日本の国益を賭けた外交交渉がきちんと機能し、メリットを得られるのかしっかり見極めて参ります。

[情報発信の場]

 この他、エネルギーや安愚楽牧場の問題、党や国会のあり方について本格的に活動していきます。取材をいただくことも多いので、ブログ(最近少し少なめですが)やtwitter,Facebookなどと併せてしっかり情報発信していきたいと思います。24日付の北海道新聞では超党派国会改革の動きが取り上げられています。ご覧いただければ幸いです。

≫平成23年10月15日

[影の法務大臣拝命]

 自民党の改造人事で、法務部会長兼影の法務大臣を拝命しました。

 三次補正予算や瓦礫処理に伴う法律問題への取り組みなど、震災関連の案件もありますが、人権救済法案への対応、司法修習生の給費のあり方や司法試験・法科大学院・法曹人口など法曹養成の仕組みの見直し、子供の連れ去りを規制するハーグ条約への対応をどうするか、取調べの録画・録音をどう進めるか、入管行政のチェック等々、案件が山積しています。
 平岡法務大臣の死刑に対するスタンスなどもきちんと質していかねばなりません。

 併せて、今回副幹事長は引かせていただくことにしました。

 私は幹事長室では、自民党が信頼回復するためにどうすべきか真剣に議論させていただき、党改革実行本部の事務局次長として中間提言の取りまとめと谷垣総裁への提出に尽力しましたが、その後塩崎恭久党改革委員長の辞任もあり、この提言をフォローする動きがストップしています。参議院をはじめとする人事のあり方も、私たちが提言した改革の方向と逆行しているようにしか見えませんでした。

 しばらく運営に関してはお休みをいただき、政策面で「自民党はこうする」というものをきちんと打ち出すことに注力しようと考えたのです。

 この間の心理の葛藤については取材を受けましたので、後日新聞で紹介されることになるかもしれません。しかし長い目で見れば、私は必ず自民党は国民の信頼を取り戻す政党に生まれ変われると思っています。

[エネルギー、TPPで方向を打ち出せ]

 民主党は三次補正や来年度予算の財源ばかりでなく、原子力発電を含むエネルギー政策をどうするか、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加をどうするかでなかなか方針を打ち出せずにいます。

 自民党はこのような民主党に代わり、積極的に議論して方向を打ち出すべきではないでしょうか。

 折しも党総合エネルギー政策特命委員会の企画で、発電を開始したばかりの川崎浮島発電所、バイオマス発電所、東芝府中事業所のスマートコミュニティーなどを視察し、現在の再生可能エネルギーが直面する課題や今後の技術開発の方向性について大変有用なヒントを得ました。
 また、私の高校の先輩の日本原子力学会幹部の方の講演・質疑応答からも、現在の原子力規制機関に専門的知見がないことや、原子力災害対策特別措置法の政治介入のあり方の問題、津波の研究費を出しているのが電事連だったり情報の適切な開示を責任を持って行う仕組みが欠けていたりすることの問題など多岐にわたる示唆が得られました。

 こうした知見を、私が事務局長を務める自民党エネルギー政策議員連盟の提言などに生かし、あるべき方向性を打ち出していきたいと思います。

 TPPについても、WTOラウンド協定との違いや、他国の動向など、国民への情報があまりに乏しいと思います。米韓自由貿易協定(FTA)が締結され、日本が貿易立国の観点で不利な立場となる中で、どのような方策をいつまでに取るのかきちんと決断することが必要です。

 取材に対しても言ったのですが、与党案が出るまで何もしないでおいて、こそっと反対案を取りつくろうようなことがあってはなりません。頑張っていきます。

[告示を明日に控えて]

 所沢市長選挙の告示が明日に迫りました。自民党が推薦する藤本正人候補予定者は、出遅れを若さと勢いでカバーすべく懸命に頑張っています。私も選対本部長としてベストを尽くし、隣市(川越・入間・狭山)に遅れをとっている現在の市政を転換すべく頑張り抜きます!!

≫平成23年10月7日

[それでも重い腰]

 野田総理が朝霞市の公務員宿舎予定地を視察し、5年間の建設凍結を決定したことに波紋が広がっています。

 蓮舫大臣も予算委員会で建設を容認したのに、世論を意識して方針を撤回。しかもわざわざ現地に公費を使って視察に行ったのはパフォーマンス以外の何ものでもありません。
 首都圏に宿舎が余っているならそれを有効活用したり、それで不便なら民間住宅入居者への家賃補助をしたりして、当該土地は売却すればよいという声も出ています。それに対する説得的な説明をするべきではないでしょうか?

 原発事故への対応も未だ不十分です。

 私の地元の隣市入間市で、狭山茶の製造・販売業者が破産したという報道がありました。この一ヶ月で売り上げが半減したとのことで、東京電力や国の迅速な救済策がとられなかったことも大きな一因であると思います。東電はリストラを実行して賠償の原資を捻出するという方針ですが、経営陣の責任や、株主・債権者などの負担は今後どうなるのでしょうか。県は茶関連業者への新規融資や返済猶予への円滑な対応を求める通知を農協や県内金融機関に出しているようですが、こうした取り組みへの国のバックアップはどうなるのでしょうか。

 様々な議論をしたくても、国会は復興特別委員会の閉会中審査を除き、9月末をもって閉じられてしまいました。何とか今後自民党の中で、政策に携わるセクションにつき、野党ながらしっかり対応したいと思います。

[安愚楽牧場への本格調査]

 私たち自民党が政党の中で唯一プロジェクトチームを作り、被害の実態解明と政府対応の促進を訴えてきた安愚楽牧場問題で、消費者庁がようやく本格的な調査に乗り出しました。

 会社が自転車操業だったにもかかわらず高配当の誇大広告を出していた可能性があり、景品表示法違反の疑いがあるからです。
 他にも様々な問題があると思われ、私たちプロジェクトチームはこれからも関係者と連携してあるべき解決や立法を目指していきます。

[小沢元代表の法廷での主張]

 昨日東京地裁で、民主党小沢元代表の陸山会事件での初公判がありました。

 小沢氏は今回の捜査につき、権力の乱用だと強く非難し、一切罪になることはないと言っています。しかし元秘書の裁判では一審ながら有罪判決が出ているのであり、「権力の乱用」などと言うのは行き過ぎでプラスにならないように思います。また、一切罪になることはないと言いつつ、問題となった土地購入の原資は「色々調べられているからそちらで確認したらどうだ」と言っているのはどういうことなのでしょう。「説明は裁判でする」と国会での証人喚問を否定しながら「裁判はすぐ中止すべきである」と言っているのも納得できません。

 この裁判は有罪か無罪かもそうですが、プロセスそのものが様々な注目を集めることは必至でしょう。そして民主党や所属各議員がどういうスタンスを取るかが、まさに政治改革のバロメーターになってきます。
 公共工事を発注するに際しての「天の声」に小沢元代表が関わったのか、小沢氏の関係政治団体の資金の流れが同氏の力の源泉になっていたのではないか、今後しっかり注目していきます。

[台湾への感謝を込めて]

 10月9日から2日間、中華民国建国100周年祝賀自由民主党訪華団の一員として台湾を訪れます。日本に対して友好を示し続け、今回の震災の際にも多大な支援をされた台湾で、総統や立法院長とお会いして感謝の意思を示すとともに、次世代リーダーたちとの意見交換を通じて絆を深める所存です。9日は地元で所沢祭りがありますが、午後から羽田に向かうことになります。

 地元の所沢市長選挙もいよいよ準備が本格化しつつあります。こちらも全力で頑張っていきます。

≫平成23年9月29日

[何も決まら内閣]

 待ちに待った国会がようやく実質的にスタートし、週末にはもう閉じてしまいます。

 野田総理の答弁を「安全運転」と評する声もありますが、総論だけ話して問われたことに答えない事例が多発しており、これは「(総理への代表質問の際にあった)答弁漏れ」と表現した方が近いと思います。各大臣もこちらの質問に対し「検討する」のオンパレード。平岡法務大臣の基地問題での逆ギレや、山岡消費者大臣の自らのマルチ問題での答弁などはもうコメントできません。

 政府だけでなく民主党も重要事項を決められません。前回のこの欄で予告したとおり、党の税制調査会で今後予算を組むにあたってどのように財源を確保するかが大揉めです。

 いったんは増税幅を11.2兆としながら、税外収入でもう2兆円が浮くと言ってのけています。が、例えばJT株の売却益にしても、たばこ税の引き上げが示され被災地を含めた葉タバコ農家がその影響を不安視している状況の中でどれだけ見込めるかは不透明です。

 公務員住宅の売却にしても、事業仕分けで見直し対象になっているはずの代替施設朝霞公務員住宅の建設を、震災後という厳しい財政状況にもかかわらず十分なプロセス・説明もなく復活させるとしたり、労働問題があるのに公務員の人件費削減ができると言ったり、とにかく方針が不可解です。特別会計はどうなるのか、選挙制度や議員定数はどうするのか、私たちは既に提案を準備しつつありますが、民主党がまとまる気配はありません。
 ましてや所得税・法人税などの基幹税増税について、左右の乖離が著しい党内がまとまるはずがありません。(それでも無理にやれば、個々の議員は「私は反対したが執行部が勝手に決めた」と言い訳するに決まっています。)

 ちなみに消費税率引き上げについては今回議論の対象となっていません。確かに復興目的に使うかどうかは問題がありますが、私たちは既に税法の附則に書き込み、昨年の参院選では10%にする方針を明示しています。引き上げ時期としては震災を経て景気動向に配慮しなければいけないと思いますが、野田内閣は「消費税引き上げ実施の際には解散で民意を問う」という菅内閣からの方針を踏襲し、解散を先送りにしたいあまりに、議論さえ封印しているのです。

 与党は責任を与野党協議という形で野党に転嫁しようとしているようですが、まずは目指す国家観(高福祉高負担を目指すのかどうか)を明らかにして閣議決定で原案を示すべきです。

 何はともあれ、私たち野党が提案した、原発事故調査委員会の国会内の設置に伴う国会法改正案が、今日衆議院で可決されたことはせめてもの救いでした。

[陸山会判決を受けて]

 石川知裕議員ほか民主党小沢元代表の三人の元秘書全員が、東京地裁の有罪判決を受けたことは永田町に大きな衝撃を与えました。この問題を予算委員会で質問し、一貫した立場を取ってきた者としては感慨深いものがあります。

 事件は控訴されましたし小沢元代表の裁判もこれからですが、小沢氏には是非部下だった者の有罪判決を受けてどのように考え、行動するのか国民に説明して欲しいと思います。また、石川議員については野党が辞職勧告決議案を提出していますが、石川議員が既に離党しているにもかかわらず民主党はこの採決にすら入りません。(自民党はかつて判決確定前でも、事案によっては同僚だった議員の辞職勧告決議案に賛成したケースがあります。)これも党の表面上の結束がモラルに先立つことの現われでしょう。

 何と言っても判決が、公共工事の「天の声」と利権という古い体質につき、厳しく非難していることが注目されます。

 この判決については、裁判所が自白調書を大量に採用しなかったにもかかわらず客観証拠から事実認定した手法に一部批判が出ています。しかし今後取調べの可視化などが進んで自白の強要をいましめる風潮が広がれば、当然客観証拠や法廷供述が認定に際して重きを置かれることになり、この判決はその一例として位置付けられることになるでしょう。控訴審の展開や小沢元代表の裁判が注目されます。また、共謀の認定が平成15年最高裁判例以降進展していることも見逃せません。私はこの傾向はきちんとした認定がなされる限り、社会通念上是認しうるものと考えます。

[所沢市長選挙について]

 自民党埼玉県連は、この10月23日に実施される所沢市長選挙の候補者として、藤本正人埼玉県議会議員を推薦することを決定しました。藤本さんは既に県議を辞職していますが、是非持ち前のガッツと現場での経験を生かして、勝利目指して頑張って欲しいと思います。しっかり応援していきます。

≫平成23年9月18日

[場当たり的な運営]

 前回のこの欄で、閣僚の様々な問題と今国会がわずか4日間で閉じられてしまうことへの疑問を書かせていただいたところですが、何と土壇場になって急きょ、9月30日までの会期延長が決まりました。

 さんざん批判のある中で与党がわずかその4日前に本会議で採決をしたこと(会期)を説明もなく覆すというのは何とも合点がいきません。野党の結束が思ったより固かったとか、今後の議会運営の円滑を考えたとか報道されていますが、そもそも新首相と新閣僚が決まったのに予算委員会も大臣所信表明もなく、私たちが求めていた二重ローン対策法案や原発事故調査委員会国会内設置法案なども審議できない日程を組んだこと自体が異常としか言いようがありません。民主党の執行部の中も揉めたようです。

 6月の通常国会の会期末には、菅総理の早期退陣・補正予算の早期編成のためいったん50日の延長で切ったうえで速やかに臨時国会を開会するという与野党合意を民主党が反故にしたことから、70日の会期延長に反対しましたが、新内閣が発足した今回は極力会期を長く取るべきです。再延長の主張も視野に入れて国会活動に励みます。

 民主党の政策調査会が自民党同様の事前調査・党内協議を取り入れるようです。しかし、左右大きく分かれた党内で、国会での開かれた議論なく、民主的に意見集約ができるのか極めて疑問です。税制などで早晩矛盾が露呈することでしょう。消費税増税を封印し、所得税・住民税を10年増税するという案で、本当にまとまり得るのでしょうか?

[いよいよ安愚楽牧場問題対策PT本格スタート]

 私が座長を務める自民党安愚楽牧場問題対策PTが15日に初会合を開催しました。和牛商法が問題となり、農水省から特定商品預託法の所管が消費者庁に移った後も、例えば金融商品に見られる損失補てんの禁止、本人確認義務、運用報告書の交付義務、受託者の固有財産との分別義務などがなく、役所の検査監督体制にも問題があったことがわかりました。オーナー側の弁護団長を務める紀藤弁護士からは、安愚楽牧場の経営の問題として、口蹄疫などで資金繰りが悪化したのに高配当を出したり、牛を預かっている農家に餌代を半分にするよう求めていたなどの指摘がありました。引き続き実態の調査や法規制の見直しなどを続けていきたいと考えています。
 本件については16日の日本農業新聞の2面でかなり詳しい記事が掲載されました。

[いばらの道だからこそ]

 日々の活動の中で、苦しいことや、間違った情報が伝わることが多々あります。きちんとプロセスを踏み、誠実に対応するしかありません。いばらの道だからこそ痛みをかみしめながら一歩一歩進まなければいけない。そう感じる今日この頃です。

≫平成23年9月10日

[早速始まった内閣の瓦解]

 野田新内閣の閣僚の相次ぐ失言が問題となっています。

 もともと閣僚の顔ぶれを見て、「この内閣は『適材適所もどき』内閣だ」と取材記者にはコメントしていました。ある分野で目立った発言をした大臣を何人か登用しましたが、小宮山厚労大臣はたばこ税増税をめぐり、これまでの経緯や関係省庁の立場を全く無視した発言をしています。閣僚の一員ではありませんが、前原政策調査会長の武器輸出三原則見直し発言は党内のコンセンサスを全く得ない段階のもので、その発言への信頼を失わせるもの。一方、財務大臣や外務大臣という重要ポストは(役所の言うことをそのまま聞いていればよいと言うかのような)経験不足が指摘される陣容であり、一川防衛大臣に至っては「素人が大臣になることが文民統制だ」と、文民統制の意味を全く履き違えた発言をして物議をかもしました。

 鉢呂経産大臣の「死のまち」「放射能がうつったぞ」発言に至っては辞任ものです。

 あまり議論はされませんが、民主党政権では法務大臣や国家公安委員長など日本の治安の責任者に、これまでコンプライアンスで問題のあった方や左翼活動で逆に取り締まられたりする立場にあった方を据える傾向があるのも非常に気になります。法務行政や捜査の公正を害したり、情報漏洩につながったりするおそれがあるからです。単に「死刑を執行するかどうか」などではなく、国の根幹を揺るがす大問題です。

 党内融和・派閥均衡と論功行賞が実は本質のこの布陣。小泉内閣以前の自民党への先祖返りを見ているようです。民主党の平野国会対策委員長が早々と臨時国会に蓋を閉める理由が「今の内閣は不完全で十分な国会答弁ができない」と本音を漏らしたことが全てを物語っています。

[国会が開かれなくても]

 第三次補正予算の編成は10月半ば過ぎということで、残念ながらこの欄でさんざん訴えてきた二重ローン対策法案の検討などは先送りとなってしまいましたが、閉会中でも色々プロジェクトは進めています。一つは私が事務局長を務めている自民党エネルギー政策議員連盟の次なる課題の抽出、もう一つは今月6日に民事再生開始決定が出された安愚楽牧場をめぐる問題の検討です。

 後者については出資オーナーへの負債が4000億円を超える大規模な社会問題となっていますが、これまでの法規制の見直しや、監督官庁の消費者庁への移管の不備の是正、検査体制の確立など、政治的な課題がいくつも出ています。放射線被害や先の台風12号も影響を及ぼしており、悲惨な被害者からのメールもいただいています。

 自民党ではこの問題に対するプロジェクトチームを立ち上げ、私が座長に就任することが決まりました。早速来週にでも会議を開催し、方針を打ち出せるよう取り組んでいきます。

 最近シンポジウムのパネリストの依頼も多いです。この8日には日本弁護士会主催の「女性こそ主役に!災害復興~東日本大震災後の日本社会の在り方を問う~」にて自民党を代表して復興に関する女性の役割と政治の課題についてコメントしましたし、9日と今日10日には、国際会議「第7回ラウンドテーブル・ジャパン(コンサルタント会社スマジャ&アソシエート・フォルマ共催、日本経済新聞社等後援)」に出席するとともに、大学同期の古川元久新国家戦略担当大臣や、公明党の坂口力元厚労大臣と、停滞する日本の政治にあって効果的なガバナンスを達成するために何をすべきか議論します。モデレーターは日経新聞の芹川洋一論説委員長ということで、楽しみにしている企画です。

[所沢市長選挙への対応]

 自民党所沢支部としての所沢市長選挙対応もいよいよ方向性が見えてきました。近々記者発表する機会があると思います。

≫平成23年8月30日

[だまされてはいけない]

 昨日の民主党代表選挙では、当初の予想を覆し、野田佳彦氏が選出されました。

 優勢と見られた海江田候補が「マニフェスト修正に関する民自公三党合意の見直し」に言及し、小沢元代表のスタンスに近すぎて政局の混乱を嫌う議員が出たこと、野田候補が結束を訴えるとともに「この顔ですからすぐには支持率は上がらないでしょうから解散はしません」と明言したことなども影響しているでしょう。

 極めて内向きの論理による選挙で、しかもこの欄で主張した「開かれた政策本位の選挙」にも程遠いものでした。

 ところで野田新代表は「自民党には101回でもプロポーズする」「三党合意は守る」と一見低姿勢に自民党との連携を目指す考えを示していますが、党内に配った自らの「政権構想」と題した紙では「今こそ、マニフェストを含め政権交代の原点に立ち戻る時です」と出だしで宣言し、農林漁業・農山漁村の再生・強化の項では「戸別所得補償制度や6次産業化を通じて進める」と明言しているのです。先般報道された朝鮮高校について「高校無償化」に向けた検討がなされる現内閣の、野田大臣は一員ではなかったのでしょうか。あちらでもよい顔をし、こちらでもよい顔をしようというのは逆に不誠実であり、三党合意と党内融和はもはや両立しない命題であると断じざるを得ません。明確に説明を求めていきたいと思います。

 この野田氏の「政権構想」では円高対策について「日銀の金融政策とも緊密に連携しつつ、為替介入も含め、断固とした措置を講じる」と書かれていますが、為替介入の遅れや無策が批判された当の大臣がよくまあ..という感じです。また、増税先行のイメージを払拭するためか、公務員制度改革を訴えてはいるものの、「時限的」給与カットと明示し、実績評価主義や組合問題を含めた公務員制度のトータルな改革については触れずじまいです。

 だまされてはいけません。この政権は早々に行き詰ります。私たち自民党は復興には全面協力するべきですが、きちんと問題点を国会で正すためにも、時限的にも民主党と大連立を組んではいけません。そして(どうやら提出が10月にずれこむという残念な情報がありますが)第三次補正予算を成立させたら解散して国民の信を問うよう求めていきます。今日午前開催された党の全議員・支部長懇談会でも、大連立に慎重な意見が続出しました。今後とも筋を通すよう行動していきます。
 併せて、自民党への信頼を回復するには、見える形で党改革を実行に移し、我々のビジョンを示さなければいけません。

[所沢市長選挙対応]

 今日自民党所沢支部の役員会で、市長選挙に対するスタンスを協議します。現時点で保守系一本化はできていませんが、支部としての対応をしっかり皆さんと考えます。

≫平成23年8月26日

[本当のことが伝わらない]

 民主党の議員や報道が「ねじれ国会のせいで(自民党が何でも反対するから)物事が進まない」と言うため、地元でもそれを信じる方が大勢います。

 まず震災対応が進まないのは、これは全く自民党のせいではありません。昨日のNHKニュース9がようやく報じたとおり、自民党は震災対応の法案にことごとく協力しているばかりか、民主党の権限不明な組織に代わり復興庁を設立させたり、民主党が機能不全の自治体に負担させようとしたがれき処理の費用を国が支出することとしたりと、被災者のニーズにより合致した対案を出してそれを政府に受け入れさせているのです。自民党が全国から募金や救援物資を集め、被災地に届けたり、現地の豊富なネットワークを用いて557に上る提言を行っていることも忘れてはいけません。

 震災対応がまずいのは、菅政権が、方針を誤って迷走したり自治体や役所とうまく連携が取れなかったり、身内のごたごたで決断ができなかったりしたためなのです。

 ただ、震災以外の案件については、確かにねじれ国会がない時ほどは法案成立率は高くないでしょう。小泉政権の時は内閣が提出した法案はほぼ間違いなく成立していましたから。

 しかし考えてみると、本来国会が様々な利害を反映して熟議や法案修正を行うべきにもかかわらず、単に政府の提案を追認するだけの存在であってよいのか、という問題意識があってしかるべきではないでしょうか?二院制をとっているのは他の先進国でも同じであり、一定の規律によりきちんと国政は運営されています。自民党も国会論戦こそ厳しく行っていますが協力するべき法案は震災関連以外でもきちんと通しており、もう少し国会ルールが整備されれば十分だと思うのです。

 政府が提出してなかなか成立しなかった特例公債法は、これは自民党としてバラまきマニフェストを撤回させずしてこの国難に多額の赤字国債を発行させてよいかという強い危機感を持っていたことから反対してきましたが、民主党との真摯な協議・合意を経て賛成に舵を切りました。
 また、政府の郵政改革法案は、小泉政権下でさんざん議論した郵政民営化の基本的な枠組みを大きく変えるもので、株式の政府の売却に歯止めをかけつつ郵便貯金限度額などの拡大(もともと民主党は逆に縮小を訴えていた)や、郵政関係会社の民間事業への参入を促進しようというもので、それこそ国営巨大民営圧迫企業を誕生させてよいのか、郵政関係者が支持する国民新党の支持を当て込んでいるだけではないかという批判を免れないでしょう。
 公務員の給与引き下げ法案は、一見よいように見えますし、自民党も公務員の人件費削減には賛成ですが、民主党がそれとセットで進めようという公務員の労働基本権の解禁が大問題です。既に最高裁判例で、税金を使っていて市場の歯止めがなく、職務の公共性を有する公務員の労働基本権は制限されてしかるべきという判断が出ていることから、これをきちんと踏まえた検討をしないと大きな禍根を残しかねません。今自民党でもこの案件は精力的に検討を進めているところなのです。

 私は自民党が与党の時代から、与野党議員の有志(8人)で協議した結果、ねじれ国会があるのはむしろ当然であることを前提として、それは国会が単なる政府の追認機関とならないためのよい機会であり、むしろそれを機能させる方策を考えようという結論に至ってそれを中央公論や文芸春秋などの雑誌に共同提言しました。「ねじれ国会だから大連立」ではなく、「ねじれ国会だから熟議の国会へ」という提言でした。

 今回の民主党代表選では、この時の提言メンバーとして馬淵澄夫議員が立候補しています。他の代表候補が安易に(民主党のためには抱きつき戦法が有利ということもあって)小選挙区制度のもとであるにも関わらず民意による選択を無視した大連立を口にしているのに対し、彼だけが「必ずしも大連立は必要ない」と正論を訴えています。私は彼が国交大臣の時、海上保安庁巡視船衝突事件の映像管理に関して予算委員会で追及の質問をしましたが、こうした姿勢は率直に評価したいと思います。

[二重ローン対策法の危機]

 むしろ民主党の抵抗で、野党(共産党・みんなの党を含む)が一致して参議院を通過させた、被災事業者の二重ローンへの対策法が、今国会で成案を見ないという危機が訪れようとしています。私も自民党を代表して実務者協議に参加してきたメンバーの一員として、この状況を深く憂いています。

 この案は、政府機関(私たちは預金保険機構と貯金保険機構を主張)が基本の出資を行い、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構を設立して、そこが被災事業者(農家や医療関係者も含む)からの不良債権買取りを行って減免を行うというものです。これに対して政府側は、既存の中小企業基盤整備機構が中心となって作る投資事業組合(利益を目的とし、しかも中小企業の産業活力増進や再編を促進するための債権買取り)を活用すればよくて特段の法律は必要ないという対応を貫いてきました。

 そもそもこの既存の組織は平時に、しかも違う目的のためにできたもので、今回のように正常な企業が大量に二重ローンで苦しんでいる場面で対応するには全く不十分です。この組合にできたたまり金は1500億円に過ぎず、政府は債権買取り規模は2000億円に予備費を加えた額でよいと言いますが、買取りが必要な不良債権は2兆円とも言われ、到底対応不可能です。

 私たちの案だと新機構は政府保証の借入もでき、安定した基盤のもとで債務者に担保を残したり保証人を開放したりこともできるようになります。相談業務のワンストップや各省庁の協力も明示されます。これに対して政府の案ではこうした仕組みが明らかでなく、むしろ実務者協議では「借入など認めなくてよいのでないか」と言われる始末です。支援対象も既存の仕組みでは農家や医療関係者もカバーするかが明確でなく、そもそも民主党がこの既存の中小企業基盤整備機構を事業仕分けで縮小させておきながら十分な活動を行えるかが保障されません。
 私たちは既に弁護士会や被災地の事業者たちとも相談・協議を重ねており、彼らは野党案の成立を心待ちにしているのです。

 民主党の皆さんには是非多数を持っている衆議院で、私たちの提案を今国会内に成案に導き、被災地の要望に応えていただくよう、心からお願いする次第です。

≫平成23年8月19日

[リーダー選びのプロセス]

 菅総理の退陣表明の後、民主党の代表選がどうなるか取り沙汰されています。しかしどことなく熱気が感じられないのは私だけでしょうか。

 多くの方が名乗りを上げるのはよいと思います。自民党改革の中間提言でも、総裁選の活性化のため推薦人要件の緩和を打ち出しています。では、候補とされる方々がじっくり考えを訴え、絞り込みをされていくプロセスはどうなっているのでしょうか?

 アメリカの大統領選挙では、党の候補者を選出するのに多くの演説会を開き、支持の集計を行い、徐々にスターが絞り込まれるとともに国民の関心も集まっていきます。埋もれていたスターが燦然と輝くこともあります。長い時間をかけ、国民が支持するリーダーが選ばれる結果、強い民意を背景に思い切った政策を実施し、4年間というある程度の期間をにらんで計画を立てることもできるのです。目先にとらわれた甘い嘘を並べ立てるのではなく、高い給付を訴えるかわりに増税は我慢してもらう、あるいは減税を訴えるかわりに給付は絞るという道筋を打ち出し、国民は経済・社会の状況に応じ、またそれぞれの信条に従い、リーダーを選ぶのです。

 民主党ではこのような丁寧なプロセスを踏むことはできません。自民党の一部と社会党の連立でできた政党で「政権交代」を錦の御旗にしていた党ですからそもそも綱領がなく、丁寧な論戦を行えばたちどころに党が分解してしまうからです。ごく短期間の代表選、しかも「政権交代」を実現してしまい、国のあるべき方向性を語れず、甘いことだらけの公約を実行できるかどうかや、自民党との連立をどうするか位しか争点にならないようなプロセスが盛り上がるはずがないではありませんか。

 かつて過渡的に、また政局の流れで、自社さ連立を組んだ時期もありましたが、これからは理念や筋を大切にしてグループを作るべきです。6月、内閣不信任案が提出された菅総理は鳩山前総理との合意の中で「民主党を割らない」という約束をしていますが、もはや時代はそのような姿勢を許さないでしょう。政界再編が必要です!

 そしてしっかり任期を務められ、国際的にも信頼される国のリーダーを、国民が選べるようなプロセスを、私たち若手が中心となって作っていかねばならないと強く感じています。
 もちろん現憲法の議院内閣制ではそれが難しい仕組みであることは充分わかっていますが、仲間たちと知恵を絞っていきたいと思います。

[所沢市長選の動き]

 所沢市長選挙でも様々な動きが出始めています。自民党所沢支部としてきちんとした対応ができるよう、意見集約を図って参ります。

≫平成23年8月12日

[総理が退陣しても]

 昨日、衆議院を特例公債法案が通過しました。

 前回のこの欄で書いたとおり、私は国の借金を積み増すことを容認するには、子ども手当以外のバラまき政策をも撤回させるべきだと幹事長室などで主張し続けていましたが、急きょ自民・公明・民主の三党合意により、高速道路の無料化は来年度の予算から外し、高校無償化と農家戸別所得補償についても来年度以降については政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討することが確定したため、賛成の方針に異存はありません。財政破綻を防ぐ必要もありました。

 しかしまだマニフェストの撤回が確定したとは言えません。幹事長には、きちんと自民党として平場の会でこれらについてチェックし続けるよう要望しました。
 また、基本的な政策や性格の違いがあり、小選挙区で相争った第一党と第二党が、たとえ菅総理が退陣したとしても、震災復興のため全面協力し合うのは当然のことですが、それを超えて一緒になるようなことは国益を損ない、政治の健全性を損ないます。

 谷垣総裁からは「閣外協力にとどめる」という説明がありましたが、民主党代表選の行方も不透明ですので私たちがきちんと筋を通すよう引き続き主張しなければいけません。

[再生可能エネルギー買取法案、修正案まとまるも]

 自民党のエネルギー特命委員会で19回の議論の末、ようやく政府提出修正案が固まり、公明党や民主党とも合意を見ました。

 買取価格の公平な決定プロセスや企業向け軽減措置が報道されていますが、私たち自民党エネルギー政策議員連盟が主張してきた「価格キャップ制の排除」「軽減措置の前提としての使用量等実態調査の徹底」などを盛り込んで再生エネルギーの拡大と経済の両立を、公正を確保したうえで明確にしてもらった点で満足度の高いものとなったと思います。このようなプロセスは今の民主党であり得ないものであり、新生自民党が目指すべき方向性を示すものと言えるでしょう。

 しかしこれで終わりではありません。価格決定の第三者機関の人選がどうなるか、エネルギー基本計画がまっとうに定められるのかなど、私たちの議連でもしっかりチェックし続けます。また、がれきの除染や放射線損害の補償のあり方(とにかくスピードが遅い!)、原子力安全庁の独立性、東電処理のこれからなどについても追及・提案を行っていきます。

[国会終盤の気になる動き]

 郵政改革の見直しや人権救済法案提出など、会期末のどさくさに紛れて気になる動きが出ています。きちんと取り上げて問題を明らかにしていきます。

≫平成23年8月6日

[今政治に必要なこと]

 広島に原爆が投下されてから66年目を迎えます。

 先程実施された平和祈念式典には、いつも朝の勉強会でご一緒する米国ズムワルト公使をはじめ、数多くの海外からの参列者がおられたのが目を引きました。
 今年福島第一原発の事故を受け、総理からどういう挨拶があるのかも注目されましたが、結局「原発を減らしていく」「原子力に依存しないエネルギー政策を目指す」という表現に落ち着いたようです。

 原爆による未曾有の放射能被害に苦しんだわが国が、それを二度と再来させないため核軍縮の議論をリードする立場にあるのは当然のことです。また、原子力という強力なエネルギーの平和利用に大きく支えられてここまで成長してきたものの、そのプロセスや安全性に震災をきっかけに様々な疑問が出てきた以上、その検証をしっかりと行い、今後のエネルギー基本計画も見直さなければいけないのも当然です。

 しかし事実として今日本は30%のエネルギーを原子力に頼っています。これだけ国内産業が危機にひんしている中、今すぐ原子力発電を止められないのはもちろん、定期点検を行うために運転を相次ぎ停止する原子炉の運転再開を全て止めることはできません。私が事務局長をしている「自民党エネルギー政策議員連盟」でも、新規の原子炉立地は(政治的にも)困難であるが、既存の原発は安全性を厳格にチェックしたうえで運転を継続し、耐用年数が経過したものにつき徐々に廃炉としていくという大方針を打ち出しています。

 数十年規模の方針としては、菅総理の発言とほとんど変わらないことになりますが、地下原発を進めようという一部の論者を除けば、おそらく多くの方々がこの方向で一致するのでないでしょうか。脱原発論者が言えば脱原発に聞こえ、これまで原発を推進してきた立場の方が言えば原発の温存と聞こえるという印象の問題です。

 もはや今政治に求められているのは、脱原発かどうかの神学論争でなく、具体的にどういう対策を取るかです。

 自民党に正式機関として設けられた総合エネルギー政策特命委員会では、政府から提出されている再生可能エネルギー買取法案に対し、「ポピュリズムにつきあう必要はない」「エネルギー基本計画を政府が見直してから議論すれば足りることだ」という慎重論も出ています。しかし、再生可能エネルギーの占める割合はわずか1割足らずでその大半が水力発電(ダム事業)であり、ドイツなどが国策として2割まで(今後9年だと3割5分まで)このエネルギーを増やしてきたのに比べて大きく遅れを取っていることを見逃すわけにはいきません。また、原油やメタンハイドレードなどの化石燃料は中国など新興国の急激な需要増加や投機を背景に価格が高騰しており、今年に入ってから電力料金は既に標準世帯で500円上がっているのです。これは原発事故によるものではありません。

 こうした中で再生可能エネルギーのシェアを拡大するのは喫緊の課題と言えるのであって、買取価格をいかに公正に定めるかをより明確にしたり、それが経済や家庭の大きな負担とならないためにどうするかを考慮したりして一定の法案修正をすることは必要となるでしょうが、私は今国会でこの法案を成立させるよう努力していきます。それは菅総理の退陣要件のひとつにこれが入っているかどうかには関係ありません。

 こうした私の立場を、明日7日日曜日午前10時から、BS-TBSで放送されるテレビ番組「政策討論 われらの時代」で訴えます。また、私のコメントが同じく明日7日の朝日新聞オピニオン面「ザ・コラム」で紹介される予定とのことです。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

[特例公債法をめぐる攻防など]

 自民・公明の野党と民主党の合意で、来年度から子ども手当が廃止され、所得制限の基準を年収960万円程度(夫婦と児童二人世帯)とした児童手当の拡充(既存の分プラス5000円。3歳から12歳までは第3子以降の加算が復活することになる。ただし児童手当のない中学生には一律1万円の手当が新設される)がされることとなりました。
 「社会が子どもを育てる」という思想から、所得制限や第3子以降の加算もなく2万6千円という多額の金を財源もなくふるまう民主党の目玉政策はここに終焉を迎えるわけです。

 無論私たちが主張してきた外国の子供の問題、施設の児童や給食費の扱いについても盛り込まれる見込みで、大きな交渉の成果と言えるでしょう。

 しかし、これで与党が求めている特例公債法案をすんなり通せるわけではありません。私たちは農家戸別所得補償など他のバラまき政策も撤回を主張しています。ここでも菅総理の退陣とは関係なく、できるところまでは筋を通すべきと幹事長室で働きかけています。

 民主党は復興を控えた日本の財源の問題や経済・行革の将来を真剣に考えているのでしょうか?
 増税の方針も不明確で、為替介入も余りにタイミングが遅く、経産省のトップ人事も「責任を取る」という名目で事実上の体制温存を図ったものと言えます。保安院のやらせコメントも言語道断です。
 これらは自民党としても難しい問題ではありますが、きちんと立場を定めていかなければいけません。特に法人税の定率増税が経済状況から難しいとあらば、きちんと歳出削減に向けた取り組みを示す必要があります。エネルギー特別会計見直し、郵政株などの政府保有資産の売却、また、私は秋葉議員とともに現在、補助金などのサンセット(廃止見直し)法案の議員立法に向けて動いています。

[韓国の許し難い暴挙]

 自民党の新藤・稲田衆議院議員や佐藤参議院議員が、鬱陵島訪問のため韓国に入国しようとしたところ拒否された事件は両国間の関係に大きな汚点を残しました。

 議員たちは領土問題の正当な調査のために準備をしてきたのであって、決して両国間の関係を壊すことも、売名行為を行うことも目的としていません。何より、日本への韓国からの調査団をこのような形で拒否した例は過去にありません。先方は今回の入国拒否につき「日本議員の安全確保と友好関係への悪影響」を理由としているようですが、主権国ができる言い訳でしょうか。

 日本としては厳重な抗議に加え、今後の日本の韓国に対する入管行政も含め、毅然とした見直しを行うべきだと思います。

≫平成23年7月30日

[正体は枯れ尾花・・・ハードランディングへの恐怖]

 原子力損害につき国が仮払いをする法案と、東電の処理のために原子力損害賠償支援機構を立ち上げる法案が成立しました。

 民主党からは国費が東電の救済のためにどんどん注ぎ込まれ、東電が延々と賠償責任を負いつつ利害関係人の責任を問わないというとんでもない法案が出ており、これを何とか法的処理をさせる仕組みに変えようと同志の議員たち(塩崎、河野、平議員など)や有識者の方々と汗をかいてきましたが、一定の修正はなされたものの玉虫色のそしりは免れず、何とも後味の悪い結末となってしまいました。

 「損害が確定していないので更生法の適用は無理」「東電債の毀損が市場の大混乱を招く」「被災者の損害賠償を確保するには法的破綻を避けるべき」・・・プロパガンダと業界・役所を巻き込んだ猛烈な議員への根回しが続きました。改めて政治の難しさが身にしみてわかるとともに、日本が韓国などにどんどん置いていかれるのは当然だと痛感しました。

 バブル崩壊後、日本は金融危機に際して一部の破綻はあったものの、住専処理など総じてソフトランディング路線を取ってきたといえます。既存の仕組みを温存することは、一面では伝統技術の継承や金融のユニバーサルサービスによる利便性を守る利点がありました。しかしIMF危機や貿易自由化の波にさらされる中、産業の再編と、サムソン、ヒュンダイ、LGなど世界を席巻する企業を生んだ韓国や、急成長を遂げる中国にすっかり遅れを取る結果となっています。

 よいものは残してもよい。ただ、石炭産業や天然繊維が斜陽化したように時代の流れに沿ってどうしても産業の栄枯盛衰は避けられません。そこでいかに伝統や環境を守りながら国益を最大化していくかが私たち政治家に求められているのです。また、いつも言っているとおり「正直者が馬鹿を見ないようにする」公正な社会を実現することも大事です。

 ハードランディングにはどうしても取り付け騒ぎのような恐怖感が伴います。しかしながら、連鎖性の強い金融機関の「破産」と違い、巨大とはいえ東電という事業会社の、しかも更生処理という(事業継続を前提とした)処理を先送りにしたことはやはりマイナス面が大きいと思います。国民負担の最小化と市場の「健全性」「公正性」のために、引き続き全力を尽くしてあるべき処理を目指していく所存です。

≫平成23年7月25日

[世界中の閉塞感]

 なでしこジャパンのワールドカップ優勝は非常に明るいニュースでした。一週間を過ぎても興奮が冷めやりません。

 女子スポーツでの日本の活躍は(外国に比べた社会的・物的環境が恵まれていることを指摘する声もありますが)、日本の女子選手が粘り強く、優れた監督の元で結束して目標に向かっていることが大きな要因です。今後国やあらゆる組織が力強く前に進むよい手本となるものです。

 しかし、勝利報告を受けた総理やその周囲がこうした快挙にきちんと学べるかどうかは未知数です。激動する政局の中で、私たちが求めているばらまきマニフェストの撤回や、この欄で触れている原発・再生可能エネルギー法案の修正に、いかに総理が対応してもらえるか、今週が大きな山となります。私も自らが事務局長を務めるエネルギー政策勉強会の勉強会で同志ときちんと提言力を高め、担当する二重ローン問題などでも方向を出します。
 総理の対応次第では、さらに厳しい追及は避けられないでしょう。

 もっとも、自民党衆議院の国会質疑に今ひとつ戦略性が見えません。参議院では執行部の刷新により、国会質疑は政務調査会・幹事長室・国会対策委員会が連携を取って作戦会議を開き、そこで質問事項の決定やその内容に適したバッターの選抜などを行っています。その際にはネットやメディアの評判も織り込んでいます。一方、衆議院は委員会現場の理事にベテランを通じて個別に質問者になりたいという陳情が行ったり、一人の質問者の追及事項を違う質問者が掘り下げるというようなことがなかったりと組織性・戦略性が欠けています。メディアで大きな反響を呼んだ質問者の再登板にも(他の議員とのバランスなどという内向きの論理から)消極的です。

 私は自民党改革推進本部の国会改革担当部会長として、「適材適所の国会戦略実施」「ディベートスクール設置」「質疑のモニター調査」などを提唱し、谷垣総裁の了承をいただいています。きちんと実行に移すよう働きかけていきます。

 こうした中、セシウムに汚染された牛の拡散問題は大きな行政のミスと言わざるを得ません。既に福島第一原発から放出された大量の放射線物質に飼料が汚染された可能性は指摘されており、農水省は汚染された草を家畜に与えないように要請する文書は県に降ろしていました。

 しかし、いかに放射能汚染が深刻かのデータは国民に示されず、内部被ばくの問題意識も充分広がっていたとは言えません。どのような飼料が高濃度で汚染されているかの調査も行われていませんでした。

 今後は、汚染された度合いの高い地域のいかなる飼料が、どのような家畜に摂取され、その家畜が二次以降の流通を含めてどこに出荷されているかを徹底的に調べ、その放射線サンプル検査を迅速に実施して被害の拡大を食い止めることです。また、被害農家の家畜の買い取りを含めた補償に加え、肉屋などの損害にも真摯に対応するべきです。

 気になるのはアフガニスタンやノルウェーで相次ぐテロです。

 旧タリバンや極右勢力などの関与が取り沙汰されていますが、社会の閉塞感が高まるとこうした犯罪が起きやすくなると言われるのです。対岸の火事とするのでなく、きちんと情報を収集するとともに、日本でこのようなことがないよう治安確保に万全を期さなければいけません。

[知事選と夏祭りの毎日]

 7月31日の知事選の最大の懸念は低投票率。多くの方々に関心を持ってもらうよう、各種イベントに取り組んでいます。
 地元では震災後の自粛ムードから形を変える所はありますが夏祭りが各地で開催されています。地域の盛り上げを促進するためにも、子供たちの思い出のためにも、こうした企画を進めてこられた方々のご尽力に心から敬意を表します。

≫平成23年7月15日

[脱原発は一歩一歩]

 菅総理が13日の記者会見で表明した「脱原発」が波紋を呼んでいます。

 お題目は人目を引くが熟慮と具体性に乏しく、現場を混乱に陥れるパフォーマンス...いつもの総理の会見と同じです。しかも関係閣僚とも調整せず「個人的見解」と言い切ってはばからない無神経さ。

 これまで民主党政権はエネルギー基本計画で「2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する」「再生可能エネルギーの割合を2020年までに10%程度まで引き上げる」と主張してきましたが、それは14基の原発新設が前提となっており、今回の原発事故で抜本的な見直しが必要になりました。
 現在原子力発電への依存度は約30%。もし温室効果ガスの削減という看板を下ろさないのであれば、原子力と化石燃料両方の削減を再生可能エネルギーでカバーしなくてはいけないことになり、全くつじつまが合いません。総理はドービルサミットで「再生可能エネルギーの割合を2020年代のできるだけ早い時期に少なくとも20%を超える水準」と言明していますが、これ自体非常に高いハードルなのです。

 自らの延命につながることは公に訴え、ストレステストの統一見解など混乱の尻拭いは官房長官など部下にさせる。内閣支持率の急落もうなずけます。

 突然総理の錦の御旗になった再生可能エネルギー特別措置法案にも熟慮が必要です。

 固定価格で再生可能エネルギーを全量買い取るという方向性自体は、当該エネルギーの普及をもたらすもので賛成ですが、日照時間の違う地域による価格差をどうするか、料金設定によっては産業界に大きな打撃を与え、家庭・大規模電力需要産業は区別すべきでないか、戸建住宅2600万戸のわが国で1000万戸の太陽光発電を本当にできるのか、耕作放棄地や水力発電(政権は脱ダムの方向)の利用はどうなるのか、など疑問が多々わいてきます。

 私が事務局長を務める自民党エネルギー政策議員連盟では、新規の原発立地を見合わせたうえで、電力会社の抜本改革と併せて経済との両立を図りつつ、計画的に再生可能エネルギー(太陽光に加え、風力、水力、地熱など)への転換を目指していきます。

[自民党での東電処理の激論]

 今日、自民党の原発事故被害に関する特命委員会(額賀福志郎委員長)で、前回この欄で酷評した原子力損害賠償支援機構法案について自民党の修正案を議論しました。

 既に経産省の古賀茂明氏や、公正な社会を考える民間フォーラム(政策研究大学院大学教授の福井秀夫氏、大阪大学教授の八田達夫氏、政策工房代表取締役の原英史氏、弁護士の久保利英明氏など)が主張しているとおり、私たちは既に債務超過が明らかな東電は会社更生型の法的手続にのっとり、金融機関や株主の公正な責任負担と役員の交代を実現し、至らない賠償は国で援助することを訴えています。これなくして電気料金値上げ(しかも被災地と関係ない地域の料金引き上げ)をすることは筋が通らないと、私を含む多くの議員が主張しました。
 党の考え方の案には、この東電の法的処理のあり方に明確な記述がなく、また、東電を債務超過にさせない(=延命させる)ための国の支援についての閣議決定にも言及がなかったので、激論となった次第です。

 党の担当の方々に交渉は一任するが、適宜党の平場の議論にフィードバックして欲しい、とも要望しました。これからもきちんとチェックして参ります。

[始まった知事選]

 昨日告示となった埼玉県知事選は、自・公・民各党が支持する上田清司候補が有利という見方が一般的です。相乗り推薦はしないということですが、自民党と協力関係にある知事の再選には前向きに取り組む所存です。

≫平成23年7月10日

[迷路にはまり込んだ政局]

 玄海原発の運転再開を巡って政府内も現場も迷走しています。

 あれだけ「浜岡以外の原発は安全だ」と、震災以前のデータをもとに主張し、他の点検停止中の原発の運転再開を容認していた菅総理。実はこのデータでは福島原発の事故可能性も0%とされており、その部分が隠蔽されていました。

 河野議員や私はかねてから「浜岡も含め全ての原発でストレステストなどのより信頼できる調査をし、地元との意見交換やエネルギー需給の確認等きちんとプロセスを踏んでから原発の停止を判断するべきだ」と訴えていました。
 しかし菅総理は、突然の浜岡原発の運転停止要請に続き、今度は安全としていた玄海原発運転再開に際しての唐突なストレステストへの言及。運転再開に向けて厳しい政治環境の中努力をしていた海江田経産大臣も古川知事も岸本町長も梯子を外されることになりました。

 海江田大臣が参院予算委員会で声を詰まらせながら「一定の時期が来たら私も責任を取る」と答弁した中に、パフォーマンスで方針を決めて責任は部下に押し付ける菅総理への激しい怒りが見て取れます。

 松本龍前復興大臣が、自分をお客様扱いしたうえ傲慢なオフレコ要請を行ったり、被災地の方々への配慮を欠いた「知恵を出さなければ助けない」発言をして辞任をしたばかりです。この内閣にもはや原発対策や復興対策を任せることはできません。

 九州電力が玄海原発再開に向けた意見をメールで募集した際、社員に外部パソコンからやらせメールを送るよう指示したのもお粗末でした。もっとも、この手のイベントには左翼活動家が組織的に大量の反対意見を送ってくることがしばしばあり、そうした実態もきちんと明らかにする必要があります。

[特例公債法は3党合意を踏まえて]

 赤字国債発行を基礎づける特例公債法の扱いが迷走を続けています。子ども手当などの民主党マニフェスト見直しや基礎年金の財源確保が、自公民3党の合意でうたわれているわけですから、これと違う扱いをするのなら合意後にどんな事情があり、どのような合意変更が行われるのか、納得のいく説明が必要です。幹事長室会議などで訴えて参ります。

[提出された二重ローン対策法案]

 私も実務担当者となっていた、自民公明両党提案の「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案」が、7月8日、参議院に提出されました。
 民主党は私たちの提案に対し、既存の中小企業再生支援協議会やファンドを活用した被災3県での機構を創設すると回答しましたが、農林水産業者が対象になるのか、既存の枠組がほとんど実績もない中で膨大な中小企業の救済に対応できないのでないかなどの疑いを払拭できず、自公の法案提出となった次第です。不良債権の買い取りを行い、買い取った額以上の回収は債務者の状況に応じて免除するよう努めることとしており、再生が早期に進むことが期待されます。
 これからも個人向け私的整理ガイドラインの議論など、二重ローン問題に全力で取り組みます。

[政府の東電救済案に異議あり!]

 8日に、東電の原子力損害賠償を電力会社各社や国の拠出金でまかない、株主や金融機関の責任を明確にしない「原子力損害賠償支援機構法案」が提出されました。法的な負担の不公平や電力料金の上昇などをもたらすひどい法案です。私たち自民党エネルギー政策議員連盟ではきちんと対案の作成に向けた活動をしていきます。

[横田夫妻の思いに応えたい]

 昨日、横田めぐみさんを北朝鮮に拉致された滋さん・早紀江さんご夫妻の公演が所沢ミューズで実施されました。会場は満員で、私も挨拶に立ちました。この問題を絶対風化させてはいけないと決意を新たにするとともに、総理の資金管理団体が拉致容疑者の家族が所属する政治団体の関係団体に6000万円の寄付をしていることに対する怒りがこみ上げてきました。イベントを大成功に終わらせた関係各位のご努力に心より敬意を表します。

≫平成23年6月29日

[他山の石]

 自民党の浜田和幸参議院議員が、自民党を離党して総務政務官に就任しました。

 「自民党は震災復興に協力せず、政府の足を引っ張っている。政府に入って活動したい。」というのが理由のようですが、再三この欄で述べたように、自民党は大連立にこそ慎重ながら復興には全面的に協力しており、事実に反します。

 何より浜田議員がこれまで党の災害対策本部などで活動されていたという記憶は(誰に聞いても)ほとんどありません。しかも、当初言われていた復興担当政務官でなく、総務政務官となっているのも不可解です。
 ここ暫く、国民新党の亀井代表が村上正邦元自民党参院議員会長と連携して、自民党に不満のある議員を一本釣りしているという情報が流れており、学者出身の浜田議員は選挙区の複雑な事情や、ポストなどのメリットから今回の提案に乗ったというのが大方の見方です。

 この政府のやり方には民主党の中からも、「ねじれ国会で与野党の信頼関係構築が大切な時にとんでもないことをしてくれた」「何も聞いていない」という幹部の不満が続出していると聞きます。
 当然自民党でも、参議院議員幹部の方々が浜田議員本人に事情を確認した際には離党などしないと断言されながら、そのわずか数時間後に秘書を通じて辞表が出され、私たちが厳しく批判している菅内閣の一員となってしまったという浜田議員の行為や、信義を欠く政府のやり方に激しい批判が続出しています。党紀委員会が開催されますが、除名処分は免れないでしょう。

 このような事案と、党議拘束に反した投票行動を取った議員の処分を同列に扱うのはおかしいと思います。そもそもどういう案件にどれだけ厳しい党議拘束をかけるかというのも一つの論点です。(私は国会改革の提言で、個人の倫理に関わるものなど一定の案件については党議拘束を緩和することを主張しています)また、党議拘束をかける以上、議員が当該意思決定にきちんと関与し、「みんなで議論した以上決まったことには従う」という、適正手続の要請をなるべく確保するとともに、その方針についてはきちんと議員や国民に対して説明する場面を設けるべきだと思うのです。
 今回会期延長に賛成したり欠席した議員について、こうしたプロセスをきちんと取るゆとりはなかったかもしれませんが、それなら一層、当該行為の背景事情もきちんと調査を尽くしたうえで、厳しすぎない扱いをするべきでないでしょうか。民主党と違い、私たちはしっかりと組織としてのガバナンスを確立していかなければいけません。

[話題の会議]

 与野党の二重ローン問題については、民主党と、公的債権買取機構の創設を目指す自民公明両党との見解の開きがまだ大きい状況の中、野党で先に議員立法案をまとめることができないか、私も実務担当者として連日汗を流しています。
 また、事務局を務めている自民党エネルギー政策議員連盟では、明日夜に2度目の総会を開催します。東電の債務処理や電力産業の再生につき、今話題の経産省官房付の古賀茂明氏をゲストとして招いて検討を行います。国民が納得できる政策を目指して間違いなく突っ込んだ議論となるでしょうし、それが自民党の大きな流れにつながると確信しています。
 紆余曲折あった党改革の中間提言も、明日午後谷垣総裁に正式に答申致します。今後の着実な実行と残された課題の解決を訴えて参ります。

[地元でも]

 一昨日、震災で延期となっていた自民党所沢支部の総会が無事開催されました。参加された多くの方々の前で、関口・古川両参議院議員や藤本県議たちとともに、我々の思いや政情を熱く語らせていただきました。開催に尽力された方々に心から感謝申し上げるとともに、節電の中でも、エネルギー全開で頑張り続けることをお誓いします。どうぞよろしくお願い致します!

≫平成23年6月23日

[漂流する与党]

 昨日、通常国会の会期が70日間延長されました。

 会期延長は前回のこの欄で述べたとおり、菅総理の延命工作のための「くせ球」だったのですが、民主党執行部はこれにギリギリまで抵抗してくれたのです。

 繰り返しますが、会期延長も復興のための第二次・三次補正予算を含めた議論も、自民党として何ら異論はありません。菅総理のもとでそれがスムーズに進みようがないことに最大の問題があります。この事を正しく認識した民主党執行部は、菅総理退陣に向けた「包囲網作戦」を取ることにしました。

 一昨日の昼、民主党は自民公明両党との幹事長会談において、「ぎりぎりの案」として8月上旬までの50日間の会期延長と、その中で(子ども手当てなどの見直しを前提として)第二次補正予算と特例公債法案を通すとともに、菅総理がこだわる再生可能エネルギー法案に成立の目処をつけること、いったん会期を閉じて新しい総理のもとで第三次補正予算に取り組むことを提示し、私たちはそれを了承しました。
 そしてその既成事実を持って民主党執行部は総理を説得にかかったのですが、これが超難航。一夜明けて延長幅は70日間となり、野党側への説明には「諸案件の処理を確実にするため」という言い訳がされましたが、提案としては全く異質のものとなってしまったのです。

 8月中旬には来年度予算の概算要求がなされます。来年の基本方針を決めた以上それに責任を持つという主張が当然菅総理から出てくるでしょう。
 より深刻なのは第三次補正予算の編成時期です。もし8月上旬に閉会となれば、その後速やかに民主党代表選挙を行って9月初めには新内閣から第三次補正予算が提出されることが可能となり、スケジュール的には国会の切れ目はほとんど影響がなくなります。しかし、70日の会期となって菅総理がその間地位に固執すれば、代表選挙後の補正予算提出は10月と大幅に遅れ、大きな批判が巻き起こることは必至です。結果として、会期終了後は「代表選などやっている場合ではない」という意見がわき起こり、「ポスト菅は菅」という最悪の事態となりかねなくなってしまうのです!

 民主党の当初の提案どおり、50日の会期延長後速やかに代表選を行い、切れ目なく臨時国会を開催すること。それが国益のための最善策であり、本会議場ではそのような討論が自民公明両党からなされました。

 自民党から何人かの造反議員が出たことは残念です。このブログの5月18日、27日で書かせていただいた超党派の議員連盟が会期の大幅延長を訴えており、それが自縄自縛になった方々もいるでしょう。そこに書いたとおり私は超党派議連についてはメンバーや内容をきちんと吟味して対応すべきという考えですが、今回その意を強くしました。
 また、被災地出身の議員は、有権者からの「なぜ復興に取り組む内閣の足を引っ張るのか」という大きな声に答えざるを得なかったことは理解できますが、むしろ復興の足を引っ張っているのは現内閣であることや、70日会期延長への反対は決して国会の活動停止を訴えているのではないことを、難しいながらきちんと訴えるべきでなかったかと感じています。

 それにしても、菅内閣不信任案に同調する構えを見せていた民主党内の反執行部議員たちが、今回の総理の延命工作に表立って異論を述べた形跡がないのが不可解です。解散含みの政局になることを恐れているのでしょうか?信念の通った議員はいないのでしょうか?

[今後の与野党協議への暗雲]

 このように、一度決まったことがいとも簡単に引っくり返り、閣内不一致も表面化している現政権のもとで、私も担当している二重ローン問題をはじめとする重要案件がきちんと与野党協議によって決着できるのか極めて不安です。交渉担当者が権限を与えられていないのにその方を信用するのは無理ですから...

[まずは自民党内できちんと政策を]

 今度自民党のエネルギー関係の各検討会議を合同した委員会が、山本一太参議院政審会長を委員長として立ち上がります。その幹部の主要メンバーが、先般中堅・若手を中心にエネルギー政策の見直しを目指して立ち上げた「自民党エネルギー政策議員連盟」の幹部と重なる方向のようで、これで菅総理が総選挙の争点として「エネルギー政策の見直し」を掲げることは極めて難しくなったと言えるでしょう。
 それ以外にも、政府・与党が出さない政策、東電賠償スキームなど出していても疑問の多い政策など、与野党協議の不安を無視して今後は私たちサイドでどんどん提案・対案を出していく方向です。「自民党は何もしていない」という批判が出ないよう、全力を尽くす所存です。

≫平成23年6月16日

[「やめやめ詐欺」を許すな]

 菅総理が「会期大幅延長」「1.5次補正予算」というくせ球を用いて延命工作にかかりました。

 もちろん復興対策の本格化は必要なことで、私も二重ローン問題の実務者協議に参加して与党との合意を目指しています。しかし菅内閣のもとでまともな与野党の協力関係が築けるとは思えません。

 福島第一原発事故への対応について、初動の様々な誤りで原子炉のメルトダウンを許し、高濃度汚染水を閣僚間の合意もなく海に排出するなど失態を重ねるのみならず、放射能飛散予測データ(SPEEDI)などの情報を隠し、仮設住宅の建設やがれきの撤去・補償の支払いなどを大幅に遅らせ、現地との意思疎通もままならず権限不明の会議を乱立させて無用な命令系統の混乱を招き、部下である官僚や身内である党内からも愛想をつかされ、もはや経済界からも公然と早期退陣を求められている菅総理には一刻も早く身を引いてもらわなければいけません。外国からの信頼も地に落ちます。

 民主党や政府の幹部は、こうした「やめやめ詐欺」の片棒を担いでいると思われないように、毅然とした対応を貫くべきです。やめる総理が改造など信じられません。そしてそれができないなら自民党は野党連携して与党側に対し、国益を守るべく総理の退陣を強力に迫るべきです。

[今日のテレビ出演]

 こうした主張をはじめ、自民党としてこれからあるべき姿を今日16日午後10時から1時間放送されるBS-11のテレビ番組「INsideOUT」で語って参ります。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

[これからの手続のあり方]

 党改革委員長の塩崎恭久議員が、中間提言をまとめるにあたり執行部との衝突があったことを理由に辞任を表明しました。

 一部始終を近くで見ていましたが、一言で言って党内意思決定プロセスが練れていなかったことが最大の問題です。

 これまでともすると、尖鋭的な提言をまとめようとするあまり利害関係者の関与できないところで物事を進める=一部の幹部が水面下で物事を進めるということが往々にして行われました。しかしながら適正手続(デュー・プロセス)の要請からすれば、関係者がきちんと関与できるオープンな手続で議論を尽くし、そのかわりに決まったことにはきちんと従うという仕組みを確立しなければいけません。

 そのために平場の議論を設けるのですが、問題は、利害関係人がこうした平場の会議に時間的な都合で出席できなかったり、角が立つとしてあえて出席を回避することです。だから事後に責任者に対して「なぜあらかじめ説明に来ないのだ」という不満が出ることになり、根回し文化が横行することとなるのです。

 民間の株主総会なら、議題・議案は株主に事前にきちんと示して、充実した議論や賛否の意思決定ができるようにしています。そのかわりに本番の会議にはきちんと出席して意見を言ってもらい、欠席者には委任状で意見表明の機会を確保し、結論には皆従ってもらうことになっているのです。

 これからは党の意思決定プロセスを改革し、提言の内容の濃さと手続の充実を両立させるための努力をしていくべきです。それも重要な党改革の一環だと思います。
 また、塩崎委員長には引き続き党改革のプロセスを進めていただかなければいけません。石原幹事長・塩崎委員長双方が一歩前に進んでいただくよう働きかけます。

[走り出した議員連盟]

 ついに「自民党エネルギー政策議員連盟」が立ち上がりました。これからは政府の東電処理の問題点の検討をはじめ、しがらみのない立場で筋の通った提言を次々と行っていく所存です。多くの方々のご参加をお願いする次第です。

≫平成23年6月8日

[続く政権の迷走]

 内閣不信任案が提出されてから、政権内部でも崩壊の動きが本格化しました。

 もはや人心一新とともに、与野党新しい協力体制のもとで原発対策や復興支援などの難題に取り組んでいかなければいけません。私たち野党は国会でのチェックをきちんと行いつつ、様々な提言や行動を通じて事態の好転を目指していきます。もっとも、財源などの方針や期限の合意なき無原則・拙速な連立などに走ればかえって混乱を招くだけです。筋は通していきます。

 復興基本法に続き第2次補正予算を早期に成立させ、被災地再生をスピードアップさせる必要があります。
 また、自民党から政府へ出された復興に向けた第3次提言には、私が主張した「相続放棄の申述期間の延長」が取り入れられましたが、これを受け立法作業が始まっています。震災で発生した相続により重い債務を背負った方々の救済に役立てば幸いです。

[満を持して立ち上がる議員連盟]

 いよいよ「自民党エネルギー政策議員連盟」が立ち上がります。自民党の過去の原子力政策のあり方をきちんと反省するとともに、代替エネルギーの推進や電力供給体制の見直しを目指していくもので、若手が中心となって精力的に活動していきます。私が事務局長を務めさせていただくことになろうかと思いますが、是非周知を集めてよい結果につなげていきたいです。

[またも場当たり的な処理]

 原子力損害賠償の指針がなかなか確定しません。東京電力の仮払いは、金額も対象も(特に風評被害などの部分につき)極めて不十分であり、自民党は国が建て替え払いをするという議員立法を提案しました。救済を重視した場合、最終的な国民負担につながったとしてもそれはやむを得ない部分があると考えます。

 前回この欄で紹介した乾燥状態の荒茶の放射線測定。国から県に届いたのは、法的根拠のあいまいな厚労省の課名がついた「依頼」と書かれた事務連絡でした。当該決定がなされたのも厚労省なのか官邸なのかが判然としません。埼玉県は現在のところ内容・責任が不明確として国に再考を求めていますが、理屈の通らないことを平気で決める現政権の体質がここにも出ていると断じざるを得ません。

 一方で、被災地の瓦礫の処理については、オールジャパンで支援を結集するリーダーシップを取ることなく自治体任せ。こうしたちぐはぐな状態を改めなければいけません。

[党・行政それぞれの改革]

 党改革の中間提言については、国民の信頼を政策面でも体質面でも取り戻すにふさわしい内容が議論の末まもなくまとまると思います。
 行政改革については、公務員の給与1割削減(一時的)と、労働組合の協約締結権がセットになった政府の方針が本当に適切か、現場で汗を流す自衛官などが損をするのはおかしくないか、縦割り行政や天下りの問題が解決されずむしろ後退するのでないかなど、私もこれまで議論に深く関わってきた立場でチェックしていきます。

≫平成23年6月3日

[筋を通すということ]

 昨日、内閣不信任案が否決されました。

 前日の6月1日に実施された党首討論で、菅内閣の原発対応の誤り、仮設住宅をはじめ復興対策の遅れや現地との意思疎通のまずさ、会議の乱立による命令系統の混乱、官僚からも党内からも信頼されずリーダーとしての資格がないことが改めて浮き彫りとなりました。
 総理はこれに対してこれからは頑張ると繰り返すのみ。しかもこれまで慎重だった会期の大幅延長と二次補正予算審議を一転して認め、挙句の果てには、党内でまとまらなければいけないにもかかわらず、自分より小沢元代表が民主党の実権を取ればかえって与野党協議は進まないと余計なことまで言う始末。

 私も小沢氏との連携はできないという立場ですが、この場でこんなことを言う総理の感性は理解できません。また、取り繕ったように言い出した二次補正予算についても、谷垣総裁の「ではそうした指示を財務省にしているのか」と、本気の取り組みを質した質問には答えることができませんでした。

 これを受けて、直後に出された自民党・公明党・たちあがれ日本の提案した内閣不信任案。1日未明から2日にかけて熾烈な民主党内の多数派工作が行われ、翌朝には不信任案可決は必至の状態になっていました。

 ここで動いた鳩山前総理。菅総理との昨日午前中の会談で、復興基本法案を成立させるとともに二次補正予算の早期編成に目処をつけるとの合意書を取り交わし、そのうえで総理に早期退陣を表明することの念を押して正午の民主党代議士会に臨んだのです。

 菅総理はその場で、震災対応など一定の目処がついた段階で若い世代に責任を引き継いでいただきたいと辞任を示唆。しかし期限は一切明確にしませんでした。その中継を谷垣総裁と私たち自民党幹事長室のメンバーは別室でライブで視聴していたのですが、口々に「腰砕けだ」「茶番以外の何物でもない」という厳しい指摘が相次いだのです。

 これでは、エジプトのムバラク大統領が「一定の目処がつけば辞めるから」と民主化勢力に対抗して延命を図ったのと同じではありませんか!

 しかしエジプト国民が納得しなかったのに対し、小沢グループは自主投票。結局不信任案に賛成したのは、離党を表明している横粂議員以外には松木謙公議員のみにとどまったのです。
 被災地の対策本部にいた東副大臣たちは、前日に内閣に辞表を出しておきながら不信任案には反対。一体、議員としての筋はどうなっているのでしょう。また、被災地の方々に説明ができるのでしょうか。

 民主党執行部の処分も不可解です。既に党員資格停止になっている小沢氏は処分見送りで、賛成の二人が除籍とあっては、小沢氏に配慮をしているとしか思えません。

 夜の記者会見の総理の満面の笑顔を見て、この政権が当面続き、それが日本の国益をさらに損なうことを確信しました。しかし総理が退陣を口にした以上、これは死に体内閣であって外国からも相手にされませんし、決して不信任案否決が菅内閣を信任したことにはつながりません。今後の退陣時期や、公債特例法をはじめとした諸案件について、厳しい質疑が続くでしょう。

 与党のキーマンたちにはきちんとこの間の経緯を説明してもらわなければいけません。野党サイドについても、この期の不信任案提出の決定理由や今後の見通しについての説明を求められるでしょう。

[埼玉の放射線測定]

 文部科学省が、私たちのいわゆる校庭20ミリシーベルト基準の見直し要請をようやく受け入れる形で、5月27日に、児童生徒が受ける放射線量については年間1ミリシーベルト以下を目指すという方針を打ち出しました。これは一定の成果だと思います。
 これを受けて埼玉県では、県内を6キロメートル区画に分けた約100カ所で、園庭・校庭での調査を7月中を目処に実施する旨を表明しました。私は上田知事と直接連絡を取り、この調査をなるべく前倒しして実施し、親御さんたちに情報提供して欲しいと要望しました。

 政府から、お茶の放射線量測定は、荒茶段階でも行うという方針が発表されました。しかし他の野菜が「口に入る状態で」水洗いなどの措置をしてから測定するのと均衡を失しています。荒茶は蒸した生葉を乾燥させて製品化する段階の物で、これが直接口に入ることはありません。一方、体積が減るので生葉に比べて見かけ上5倍の数値が出ることとなり、かえって消費者を混乱させることを、かつてのダイオキシン騒動で私は確信しています。

 上田知事も「この方針はおかしい」と明言しています。政府に適切な措置と説明を求めていきます。

[覚悟の瞬間(とき)]

 インターネット番組「覚悟の瞬間(とき)」に出演し、人生における転機とは何かについて語らせていただきました。多くの方にご覧いただければ幸いです。
 これから、前回のこの欄でも触れた様々な活動を本格化させます。覚悟と筋(すじ)を持って全力で走って参ります。ご指導よろしくお願い申し上げます。

≫平成23年5月27日

[本物を見る目]

 最近の政局を見ていると、復興に名を借りた「生存目的アピール合戦」に辟易します。

 あまり報道されていませんが、政府から「交通基本法案」なる物が提出を予定されています。「国民等の交通に対する基本的な需要の充足」のため、計画的に道路を作っていきましょうということで、民主党の「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズを事実上撤回するものです。

 政府はさらに、復興基本法についても自民党の案への接近を図ってくるでしょう。

 国益を考えればこのような政府の自民党案への接近は歓迎すべきことですが、報道は「自民党の成果」とせず「政府の決断」としてしか扱いません。そのうえ、菅内閣の場当たり的な決定に加え、情報隠蔽体質や責任転嫁の姿勢、たとえ政策が転換されてもその実施が極めて遅いことなどにより、内閣の支持率は思ったほど上がっていかないと予想します。

 結果として、自民党の姿も見えず、菅内閣の支持率も上がらないという閉塞感がただようこととなるのです。

 菅内閣に批判的な与党グループは、様々な会合を行って政府や執行部との違いをアピールするのに躍起です。そして「超党派で国難を回避し、復興を目指す」という(世論受けする)大義名分で、最近選挙で調子のよい自民党に声をかけて議員連盟を作る動きも盛んです。

 しかし、メンバーの多くがマニフェスト原理主義者である反菅勢力が、財源論を含めた現実性のある提言を行うことができるとは思えません。各選挙区で政党間の争いをする小選挙区制度をとるわが国で、こうした方向性のわからない保身第一の議員たちと連携を取ることには私は慎重です。

 自民党の中にも、こうした議連で注目を浴びたいという議員がいます。
 また、早期の内閣不信任案提出を主張する自民党議員の中には、それへの与党からの造反が思うほど多くない結果、否決された後に、信任されたこととなる政権が働きかける大連立でポストを受けたいというベテランもいると言われています。

 こんなことで本当によいのでしょうか?

 前回のこの欄に書いたとおり、基本的に「自助・共助を基本とし、頑張る人が正当に報われる効率的な政府を目指す政党」と「多くの給付を行う大きな政府を目指す政党」の共通項として、最小限のセーフティーネットである年金等を構築する議員連盟や、外交・安全保障を考える議員連盟なら、超党派で行うことができると考えます。また、与野党共通のルールを定める国会改革も、超党派の議連になじみやすいと思います。(他に個別問題の議員連盟なら超党派でできるものもあるかもしれませんが。)
 そうでない超党派議連は、政治のあり方や責任を不明確にするのみならず、実効性も薄いものとなるでしょう。

 ただし、自民も民主も上記した性質の二大政党となり切れていないことから、真の政策本位の政界再編を目指す一つの核となる政策を打ち立てた超党派議員連盟もこれからは必要になってくるでしょう。これには相当の覚悟が必要となります。

 私は、このような中で「筋を通し、本物である活動」を見極めていきたいと思います。

 まずは、自民党の中でエネルギー政策の勉強会を立ち上げるのに参画します。
 これまでエネルギー政策において、ともすると安全面への配慮に欠けたり利権構造が指摘されたりしたことを反省し、新規の原子炉の立地を行わないとしたうえで、再生可能エネルギーの導入を加速させる動きを進めていきます。再生可能エネルギーは経済発展の新機軸となる可能性をも秘めているのです。
 既存の原子炉は徹底した安全の確認をしつつ徐々に減らしていきます。また、地域独占や送発電一体といった電力業界の再編や、東京電力の債務をどうするかなど今後の処理についても検討を進めます。もちろん、今回の事故に関しては国会の下に独立した事故調査委員会を設置し、公正な原因分析を行わなければいけません。

 復興については、増税を先行させるのでなく、「上げ潮」を基調とするデフレ対策を目指す動きをしていきます。党で「復興国債」を発行して既存の国債と区分管理する方針が出ていますが、一定の歯止めをかけたうえで日銀の買いオペの対象とするなどの対策を主張していきます。これについては超党派の政界再編を目指す動きとなってもよいでしょう。

 最近とみに目立つ諸外国との領土に関する問題については、国益を守るため、例えば不動産の外国への売却規制などを検討していきたいと思います。また、対外貢献のあり方として、自衛隊本体のみならず病院船などの人道貢献も目指す動きをしていきます。これらも超党派の(政界再編にはつながらないでしょうが)動きとなっていいと思います。

 党の震災対策本部でも引き続き活動を続け、過重債務対策として相続放棄の申述期間(3ヶ月)を延長することを第3次提言に入れてもらいましたし、ダブルローン対策にしても、そもそも二度目のローンがなかなか下りない実態を的確に捉え、債権買取もよいですがきちんと再生の見通しをもった公的金融(保証)を広げていくことを訴えていきます。

 来週6月1日に、ようやく国家基本政策委員会(党首討論)が、岸田文雄筆頭理事からの再三の申し入れを受け入れてもらって開催されることとなりました。私もまた理事として、菅総理と谷垣総裁・山口公明党代表との熱い討論を身近に聞くことになります。前記したとおりこの直後に内閣不信任案を提出すべきとの意見もありますが、私はしっかり成立の見込みを極大化するための算段を(参議院の問責決議も加味して)熟慮すべきと考えます。

[党改革・選挙制度改革は胸突き八丁]

 党改革委員会で、派閥を純粋な政策研究会とすることや、開かれた総裁選に向けた手続見直し、選挙における公認の公募による透明化や、党の国会質問や役職における評価の確立、官僚に依存しないための政策専門事務職の創設、ソーシャルネットワークなどをフル活用したイメージ戦略の徹底など、かなり踏み込んだ提案を行いました。党内に大きな波紋を呼んでいますが、それは覚悟のうえです。きちんと平場で議論をして方針を取りまとめたいと思います。この後はこれまでの政策の総括にも踏み込んでいきたいと思います。

 一票の格差是正や定数削減を内容とする衆議院選挙制度改革についても、来週は大きな山場です。こちらは踏み込みが足りないとも言われますが、法案ですから反対が多くてつぶれてしまっては元も子もありません。次回選挙までにきちんと成立を目指し、各党での対案の検討も含め、手続を進めます。

≫平成23年5月18日

[対案を示すべし]

 前回のこの欄で、東京電力の法的処理の必要性を訴えました。政府方針をめぐり、その後与党内でも異論が続出しています。

 しかしよく聞くと、「国が原子力政策の責任を負うべきで東電に過重な負担を押し付けるべきではない」とか「金融機関などの債権者に負担を求めるとこれからの資金調達ができない」など、私の前回の主張と異なる方向での意見のようです。(私は東電の責任は重いと考えますし、株主にガバナンスの責任もあると思います。金融機関の既存債務のあり方については法的公平性をもって処理し、東電改革を抜本的に進めてニューマネーを調達できるようにすべきです。)

 ここで、自民党として、エネルギー政策や東電処理についてきちんとした対案を打ち出すことが必要ではないでしょうか。

 政策と電気会社の体制は関連しています。例えば、発電事業と送電会社を分離して自由化を進めるとなれば、当然小規模発電会社の蓄電設備なども整備しなくてはいけないし、風力発電など、発電方法の多様化も進めるインセンティブを与えないといけないでしょう。
 温暖化対策をどのようにするかも検討が必要です。もともと民主党の訴えていた、温室効果ガスを2020年に1990年比で25%削減させるという目標は現実離れしていて撤回が必要でしたが、夏の冷房を節約しようという時に、化石燃料発電を全力で再開させてよいのか疑問が残ります。私はLEDや太陽電池の普及やエコポイント延長、サマータイム拡大をはじめ、経済と両立しうる温暖化対策を大いに進めるべきだと主張しています。点検停止中の原発の運転再開についても、きちんとした安全性の確保のうえで進め、徐々に再生可能エネルギーへの転換を図っていくべきだと考えています。

[二次補正予算と政局の動き]

 自民党の幹部からは「原発対策や復興対策を進めるためには会期の延長と二次補正予算の成立が必要だ。できないなら内閣不信任案提出も辞すべきではない。」という覚悟が示されています。一方、自民党と民主党の超党派の議員連盟が次々とできています。

 私は、この欄で常々「政策で二大政党制を確立すべきだ。」「ねじれ国会でも先進国では国会の知恵で統一政策を打ち出せている。大連立などすべきでない。」と再三訴えています。「超党派で進めるべきは、年金などの最小限のセーフティーネットの構築と外交・安保政策だ。」とも訴えています。(それ以外にも個別の論点で検討できるものもあるでしょうが。)

 ふわっとした大規模な超党派議連を作り、中で方向性が一致しなければどれだけの意味があるのでしょう。そうした議連に民主党から参加している議員はマニフェストを修正することまで許容しているのか、反執行部で内閣不信任案に賛成することまで覚悟しているのか...「他の民主党議員と違うことをしているんだぞ」とただ有権者にアピールをするための議連だったら、そんなパフォーマンスに野党の私たちが手を貸すことなどありません。また、国益に資することもないでしょう。

 ただし、本当の政策本位の二大政党制の一つの核になるための覚悟を持った議員の集まりなら意味はあるかもしれません。(ねじれ国会を機能させるための勉強会も意味はあります。既に参加しています。)山本一太議員が口にされているとおり、見かけの人数よりむしろ、信念・確固たる見通しを共有できる少数の同志の方が最終的には大きな流れを作り出せると思っています。これから色々状況を確認したうえできちんと筋の通った対応をしていきたいと思います。

 与党から示される復興基本法では、権限の不明確な対策本部なる会議体を設けることとしていますが、自民党は省庁横断で実施権限も持った「復興再生院」を設立する案を提出します。与野党で、国会の場でどうどうと議論すればよいのです。
 二次補正予算でも、財源でマニフェストをどうするか、国債や税制をどうするかについてきちんと案を出し合って議論をします。内閣不信任を出すことには(タイミングの問題はあれ)賛成ですが、それを機に筋の通らない連立工作を取ることには反対し続けます。

[必ず実現する一票の格差是正と定数削減]

 党の選挙制度改革委員会で、衆議院の選挙制度改革案が示されました。

 自民党がマニフェストで訴えているとおり定数を削減することや、最高裁が違憲と判決した1対2以上の一票の格差・その主因となっている一人別枠方式を是正することが喫緊の課題となっています。
 今回の案は、人口が90万人以下で現在定数3の5県の定数を2と減らす一方、人口の多い都県などで区画変更を行って定数増を避け、小選挙区を300から295とします。そして比例区については、180人から150人とする代わりに、得票率20%未満の政党のみに追加割り当てを行う「30人枠」を設けて少数政党に配慮することとしています。

 理論的には、「20%の政党と19%の政党で議席数に逆転現象が生じないか」という問題がありますが、そこをクリアする方法さえ考えれば、比較的に全政党に受け入れられやすい案ではないかと思います。

 それでも各党(自民党も含め)異論があるようですが、それなら対案をそれぞれ持ち寄って議論するべきでしょう。ねじれ国会の中でもきちんと何らかの成案を得て選挙を実施できるようにしなければ有権者への責任を果たしたことになりません。

[反響を呼んだ国会質問]

 昨日法務委員会で、黒岩宇洋法務政務官の登録政治団体が、国旗を引きずりおろして除名になった元横浜市議やよど号ハイジャック犯の子供で20歳まで北朝鮮で育った三鷹市議選への候補者が所属する「市民の党」に資金支援などを行っている問題を取り上げました。公安調査庁がある法務省で、こうした政務三役がいてよいのか問題提起は必要だと思います。何より、この件について政務官本人がかつて自分のブログで触れていたのに国会で答弁をきちんと行わず、問題が発覚したらこっそりブログを削除していたということが納得できません。

 この問題も含め、国会での活動について取材の機会が増えてきました。あらゆる活動に全力で取り組み、きちんと説明をしていきたいと思います。

[地元の動き]

 市議会、町議会の会派構成も決まり、自民党の支部総会も相次いで開催されています。フレッシュな気持ちを共有し、これからも地に足をつけた活動を心がけて頑張っていこうと思います。

≫平成23年5月12日

[東電処理は透明性を徹底せよ]

 東京電力の原発事故への補償のあり方と政府支援の枠組みが固まったという報道がありました。東電のリストラなどを監視する国の新組織を新設し、東電の補償には上限額を設けないことなどが柱とされています。

 一見よさそうに思えますが、私はこの案には見過ごせない問題があると言っています。既に河野太郎議員などのコメントがありますので、少し違う視点から述べてみます。

 最大の問題点は、長期にわたり東電を巨額の補償をさせ続けながら温存するこの構想が、大胆な企業再編や資産処分といった抜本的な取組み(今後の東電の再生・体力強化に不可欠な手術)を妨げる足かせになることです。

 JALも法的枠組みを用いて破綻処理をし、公的な飛行サービスを温存しながら透明な改革や株主負担などを実現しています。東電との市場独占性の違いはあってもなるべくこれに近い処理をすることが、公平の観点から必要だと考えます。

 基準日を設け、更生計画類似のスキームを作り、役員は交代。必要な取引債権は国が保証するが金融機関の債権についてはカットされることとします。併せて、これまでの東電のガバナンスをチェックし切れなかった株主に損失が生ずることもやむを得ないでしょう。金融機関や株主の救済を税金で行うことには国民の理解は得られないと思います。

 社債については電気事業法上の一般先取特権では保護が不十分ということで市場の混乱を指摘する声もありますが、他債権と区別して扱うことも考慮すればよいでしょう。

 こうした処理をすることで、円滑な資金調達ができなくなるのでないかという懸念があります。しかし私は今後の事業再編・改革の説得的青写真を示すことで、ニューマネーの調達は可能だと思っています。送電会社と発電事業の分離や持株会社化、スマートグリッドの活用など、利益を伸ばす新しい取組みを可能とするなら、それを担う有為な人材や、スポンサーを集めることは可能です。

 繰り返しますが、役員の報酬カットでお茶を濁して今の体制を温存させたり、子会社への負担の押し付けをしたりすることなどを認めてはいけません。抜本的な改革を行い、併せて原子力安全委員会の改組(3条委員会化)・事故調査委員会の見直しなども行うことが必要です。

[原子力損害補填はスピードを持って]

 4月28日に、原子力損害賠償紛争審査会が第1次指針を出してからも、救済は極めて遅いペースでしか進んでいません。また、避難区域外の事業損害や風評被害などのあり方をどうするかもまだ決まっていません。

 与党の中でこれを救済するための議員立法も検討されているとのことですが、元来私たちの要望事項。自民党できちんと提案を行うよう主張していきます。

[政局は筋を通すの一言]

 菅総理が浜岡原発の停止を十分な検討も行わず、また法的根拠もなく、中部電力に要望したことが大いなる波紋を呼んでいます。当事者である中部電力は当然のこと、他の原発への波及効や経済への影響をきちんと踏まえた形跡もありません。結論の是非はともかく、プロセス軽視・パフォーマンスありきのこうした姿勢では一時的な人気は上がっても決して長続きはしないと確信しています。

 私たち若手の間でも色々な動きがありますが、パフォーマンスにとらわれて筋を曲げないよう心がけていきます。

≫平成23年5月4日

[転換点のテロ対策]

 9.11テロの首謀者とされ、アルカイダの指導者であるウサマ・ビンラディン容疑者が、米国の特殊部隊によって殺害されたというニュースが世界を駆け巡りました。

 日本人を含む3000人もの犠牲者を出した事件は確かに衝撃的であり、その後過激派により引き起こされた多数のテロを食い止めるため、世界各国の努力が続きました。インド洋沖給油作戦では当時の野党民主党と激論を交わしながらも日本が任務を遂行しました。

 しかしその後テロ組織はより拡散・多様化し、ビンラディン容疑者の持つ指導者としての意義は薄れつつありました。イスラム社会も民主化の波にさらされるなど変質し、今回の殺害を評価する声もあるなど、状況は複雑化しています。

 私が2年前外務政務官を務めていた時には、まさに中東と北米を担当エリアとしていました。クウェートへの出張先で面会したイスラム教関係者からは「Extremist(過激派)は博愛を目指すイスラム教の本筋ではない」と言われましたし、ワシントンに出張した際にはアフガニスタンとパキスタンの首脳が今後の経済支援などを求めて当地を訪れていました。ある意味、オバマ大統領がイスラム社会との融和を図りつつ、経済的支援を交えながらテロそのものには毅然と対決するというアプローチを取っていることには総論として理解を示すことができます。

 しかし実態となると、米国のアフガニスタンへの軍事展開はなかなか出口がつかめておらず、米・イスラム圏の融和も必ずしも進んでいません。今回の殺害を米国はアフガニスタン撤退の出口戦略としたい意向でしょうが、ビンラディンを(たとえ抵抗を示してやむを得なかったとしても)裁判を受けさせることなく殺害し、遺体の水葬も済ませてしまったことへの反発などによる今後の報復攻撃の可能性も考えると、事態はオバマ大統領の思惑どおりすんなりと好転はしない可能性が高いと思います。
 また、政権基盤の必ずしも強くないアフガニスタンや今回容疑者が潜伏していたパキスタンの政情は今後も不安定要因を抱え、テロの問題は引き続き尾を引くことでしょう。

 来年再度の大統領選に臨むオバマ氏にとっては今回の殺害は大きなポイントになりますが、米国にとってどのような意味を持つのか、そして世界にとってどのような意味を持つのか、きちんと検証する必要があります。
 そのような中で、イスラム圏にも米国やイスラエルにも友好関係を持ち、中東諸国に経済支援もでき法的な筋も通せる日本の役割は大きくあってしかるべきです。今後もしっかりと政府与党の対応策をチェックしていきます。

[補正予算は通ったが]

 震災復興を内容とする平成23年度第1次補正予算案が、このゴールデンウィークに国会で可決・成立しました。

 政府案は災害救助等関係費や廃棄物処理費、公共事業関係費など4兆150億円を計上し、財源としては子ども手当の上積みの見直し、高速道路無料化実験の一時凍結、基礎年金国庫負担引き上げに活用を予定していた埋蔵金の流用などを行う一方、国債発行をゼロにするという内容でした。

 これに対して自民党は、支出として、被災した学生への就学援助金の支給500億円、災害救助関係費や公共事業関係費の国庫負担率100パーセント化に伴う被災自治体の負担軽減2950億円、夏の電力不足対策費980億円などを上積みすべきと主張する一方、財源として、子ども手当は撤廃して児童手当を復活させ、高速道路無料化は撤回する(ただし、前回のこのブログで書いたとおり私は罹災者の高速代は免除すべきと主張しています)、農家戸別所得補償を見直す、国債発行はどうせ今後必要になるのだから今回もきちんと復興債として従来のものと区別したうえで発行する代わりに、年金財源を脅かす埋蔵金の流用は認めるべきでないと訴え、政府と対立していました。

 このままでは補正予算案に反対せざるを得ないとの意見も出る中、4月29日に民主党の玄葉政策調査会長、自民党の石破政務調査会長、公明党の石井政務調査会長の間で以下のような合意がなされたのです。

1.子どもに対する手当の制度的なあり方や高速道路料金割引制度をはじめとする歳出の見直し及び法人税減税等を含む平成23年度税制改正法案の扱いについて、各党で早急に検討を進める。
 また、平成23年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、平成23年度第2次補正予算の編成の際にその見直しも含め検討を行う。
 これらを前提として、特例公債を発行可能とするための法案について、各党で、成立に向け真摯に検討を進める。

2.復旧・復興のために必要な財源については、既存歳出の削減とともに、復興のための国債の発行等により賄う。復興のための国債は、従来の国債と区別して管理し、その消化や償還を担保する。

3.年金財政に対する信頼を回復するためにも、社会保障改革と税制改革の一体的検討は必須の課題であり、政府・与党は実行可能な案を可及的速やかにかつ明確に示し、国民の理解を求める。

 合意の内容としては不十分な点もありますが、私たちが特に問題としている歳入面での問題を検討するとされており、一刻も早い復興支援が求められていたこともあって、今回の1次補正予算には自民党は賛成することとしました。これを反映した2次補正予算の速やかな成立をはじめとした政府・与党の誠実な対応が求められる一方、私たちも責任ある方針決定を行う必要があります。私もしっかりと議論をしていきます。

[場当たり的な原子力災害対策に、喝!]

 4月29日、小佐古敏荘東大大学院教授が、内閣官房参与を辞任しました。

 その辞意表明文を見ると、今の菅内閣の場当たり的な原子力災害対策に対する怒りがありありと見て取れます。

 「とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を、20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。」「文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000km の広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。」と情報開示のずさんさを明らかにし、

 また、放射線業務従事者の緊急時被ばくの限度について、 ICRP(国際放射線防護委員会)の2007年勧告を受け、500mSvあるいは1Svという基準とすると放射線審議会で長年議論をして決定したのに、これを全く無視して経産大臣・文科大臣の「250mSvで妥当か」との諮問への答申を震災前に「妥当」としたこと、またそれを今回また500mSvに再度引き上げる動きが出ていることへのプロセスの疑問を訴え、

 さらに、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準について、通常の放射線防護基準が年間1mSV(特殊な例でも年間5mSv)であることに鑑み、警戒期であることを周知のうえ、特別な措置をとれば、数カ月は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、年間20mSvの数値の使用についてはヒューマニズムから受け入れられないと主張されています。

 ICRPは緊急事態にあっては20mSvも許容しているとされていますが、子どもは成人に比べ、放射線の影響を受けやすいとされています。何より日本の原子力安全委員会自体が4月30日の記者会見で「子どもが20mSvまで浴びていいということではない。線量はできるだけ低くしなければならない」と認めているのです。

 いかなる条件を満たせばこの基準が正当化されるのか、きちんと政府には細部の詰めを行い、国民に説明する責任があります。追及を重ねていきます。

≫平成23年4月26日

[不透明な時]

 衆議院愛知6区補選では自民党の丹羽秀樹候補が減税日本の候補に圧勝。応援に入った身として嬉しく思います。
 また、統一地方選後半戦でも自民党の民主党に対する優位が続いており、私の地元でも自民党の公認・推薦候補の健闘が目立ちました。

 しかし投票率や世論調査などを見てみると、決して世論は自民党に諸手を挙げて再信認しているわけではありません。

 厳しい選挙結果を受け、民主党内部ではますます菅政権を公然と批判する動きが、特に小沢元代表を支持するグループから出てきます。ここで仮に「菅政権を倒すために小沢派と組んで内閣不信任を」とか「パワーのある小沢氏となら救国政権ができる」などという動きが自民党で出てくるとすれば、それは目先にとらわれた愚策です。
 小沢派は民主党マニフェスト原理主義派であり、中核を占めるのが「ガソリン値下げ隊」でも知られるとおり、ガソリン税の暫定税率撤廃を訴えているグループです。この欄で指摘したとおり、私は子ども手当をはじめとするバラまきマニフェストは撤回させ、ガソリン税暫定税率を一定の価格を超えたら自動的になくすトリガー条項は税法改正で撤廃すべきだと主張しており、後者も自民党の政府への申し入れ事項に入れていただいています。復興財源捻出のためのこれら重要方針で一致できない以上、小沢派と組む選択肢はあり得ません。

 さらに、現在福島第1原発による深刻な放射能の(風評を含む)被害につき、東京電力の巨額の賠償負担を国が救済するなどという動きについても、自民党が前のめりになってはいけません。国が救済すべきは被災者であり、東電の情報開示の不手際や原子力損害賠償法に基づく責任・執行部の責任は(いかに東電が公益性・独占性が高い企業であっても)きちんと追及する必要がありますし、これを機会に会社の形態やメディア・政界との関係など幅広い見直しが必要なのです。むしろ自民党はこれまでの東電との関係を率直に反省し、利権を排除するというメッセージを打ち出すことが必要でしょう。

 筋を曲げれば世論は途端に引いていきます。官庁との適度な緊張関係の緩みや党改革の動きの停滞、気になる動きが出ていますので、私たち若手がきちんと声を出さねばいけません。

 菅政権からの補正予算・関連法案や復興基本法についての働きかけについても、きちんと内容を吟味しなければいけません。会議の乱立など無駄を排し、財源について安易に増税に頼るというメッセージをいましめるべきです。また、大幅なマニフェストの転換を与党が行うなら震災対策がひと段落したら解散で信を問う姿勢を堅持することが大切です。

[健全な批判勢力として]

 原発をめぐる国の避難区域の変更による混乱、放射能の安全基準の場当たり的な緩和、外国の技術支援の遅すぎる受け入れ、情報開示の不徹底、被災者救済策の無策ぶりなど、様々な問題をきちんと国会で議論しなければいけません。また、今週も現地の要請に応じ、被災者の高速料金などの問題で活動を続けます。
 復興に全面協力しながらも健全な批判勢力としての使命を果たさなければ国益を損ねます。外交も含め、今の政権の問題点をこれからもしっかりと対案を伴う形で生産的に議論していきます。

≫平成23年4月16日

[行動あるのみ]

 4月13日、被災地の視察・調査のため福島県に出張しました。

 実際目で見てみるとその惨状は息を飲むばかりでした。堤防は無残に決壊。がれきの山が延々と続き、大きな船舶が陸に乗り上げて転倒、至る所でひしゃげた車両が転がっていました。自衛隊や自治体の方々、片付けに来られた住民の方たちが懸命に作業をされる姿に胸がつぶれる思いでした。
 また、小学校の避難所で寝泊りされている方々は、仕事や学校に行くこともかなわず、不安な日々を送っておられました。

 勿来ボランティアセンター所長のお話では、いわき市においては前々日の余震が3月11日を超える激しい揺れとなっており、大規模な断水となっているとのことでした。至急今津元防衛副長官から防衛省に連絡してもらい、撤退を始めていた自衛隊の給水車を再配備してくれるよう要請しました。

 福島県の漁連をはじめ、JAや商工会議所など、実態のヒアリングも行いました。放射能の風評被害で物資を届けてくれる人も少ない状況、漁業や農業を再開してよいかどうかもわからない中、正確な情報が示されないことに対するいら立ち、行政の手続きが麻痺していて必要な申請ができない実態など、現地の様子や国に対する要望を詳細にチェックしました。

 これらを自民党の第二次提言に生かしてもらうとともに、別途昨日、視察で一緒だった田野瀬幹事長代理ほかと水産庁、経産省、環境省の担当者と個別に面談し、至急の要望を出しました。

 まずは現場で移動することすらできない方々に、一時金を迅速に出してもらうこと。
 昨日、政府に設けられた原子力発電所事故による経済被害対応本部では、避難・屋内退避による損害については東京電力から仮払金を支払う方針を示しましたが、それ以外の農林水産業被害者や中小企業の被害者、周辺地域の津波の被災者には義援金も政府の一時金もいまだに届いていないのです。罹災証明書のある方々に、10万円でも30万円でも国が責任を持ってなぜ支給できないのでしょうか。

 また、漁業においては冷凍設備が損傷し、既に水揚げされた(もちろん放射能汚染などない)大量の魚類が腐りかけている状況で、海上投棄を法規制がはばんでいるのを何とかして欲しいという切実な要望がありました。環境省の告示で対応してもらうと約束を取りました。

 これからも迅速・適切な行動を重ねて参ります。

[政局は次のステージへ]

 統一地方選の後半戦と愛知6区の補欠選挙が迫ってきました。前半戦の民主党への厳しい結果を受け、この欄で予想したとおり、民主党内でも政権に対する厳しい批判が相次いでいますが、私たちとしては気を緩めることなくしっかり臨んでいきます。地元のほか、愛知にも応援に行くことになるでしょう。(先日行った春日井市ではおかげさまでよい結果が出ています。)
 今後の復興への政府への協力、補正予算案に対する健全な議論、いずれも大切です。こうした私の取り組みや思いを、明日4月17日(日)午前10時から放送されるBS-TBSのテレビ番組「われらの時代」にて熱く語らせていただきました。他にも取材を色々お受けしています。是非ご覧いただければ幸いです。

 党改革もそろそろ再スタートしなければいけません。詳しくは今は書きませんが、様々な動きを見てそのことを実感します。

≫平成23年4月11日

[激動の幕開け]

 昨日投開票が実施された統一地方選前半戦は、民主党の惨敗となりました。

 与野党対決となった知事選全てを自民党推薦候補が制し、政令市長選挙や道府県議選でも党として民主党が自民党に勝利したケースはほとんどありません。有権者が現政権の震災後の情報管理・危機管理能力に著しい不信感を抱いていることが改めて実感できました。

 これを受け、民主党内で混乱が起きる可能性があります。

 私はこの欄で再三述べているとおり、政権に協力することはやぶさかではありませんが、復興に向けた方向性の一致や期間の見通しもない大連立には反対ですし、民主党反執行部と自民党が連携することにも(彼らがマニフェストの維持にこだわっている限り方向性の一致を見ませんので)慎重です。

 非常時にあっては与野党の別は不要だとか総理を変えることはできないという論理には賛成できません。
 今の情報管理や危機管理の問題点を国民の疑問を解消する形でオープンに議論し、改善するには健全な野党が不可欠です。それがなかった大政翼賛会が戦争対応を誤らせたのではないでしょうか。また、戦中・戦後の非常時・復興期には内閣は実は頻繁に変わっており、強力な第二次吉田内閣になって初めて本格的な復興が実現したのです。

 むしろ今後は知事選や政令市長選挙のように、国のレベルに近い選挙では与野党相乗りが減っていくように思います。もちろん今の自民党と民主党に政策的な対立軸が明確とは言えないところもありますので、真の近代的な二大政党制に向けた政界再編の動きが出てくるように(本格的には次期総選挙後でしょうが)なるのかと思います。
 私は今後「真面目な努力が報われ、バラまきでなく自助・共助・公助の順で絆を重んじる効率的な政府を目指し」「真面目な人に、再チャレンジの機会を保障してどうしてもできない方にはセーフティーネットを守る社会」を目指して初心を忘れず努力を重ねていこうと思います。

[風評被害を省庁横断で解決]

 政府が放射能汚染水を排出したことに世界的な非難が高まっています。農水省や関係業界、海外への説明が不十分ですし、今後省庁横断的に実態調査や補償メニューを作っていかなければいけないでしょう。日本製品が海外で受け入れられるための、海外検査機関と連携しての品質保証制度、広報の充実も行っていかなければいけません。

[まずは行動]

 所沢の県議選は、現職で自民党公認の藤本正人候補が県での最高得票でトップ当選を果たしましたが、新人で自民党推薦の大石健一候補が当選に一歩及ばず残念でした。これから後半の所沢・ふじみ野市議選、三芳町議選が控えており、多忙な時期は続きます。
 そのような中で被災地への出張、テレビ番組などでの情報発信、今後のエネルギー問題や外交問題提言のための勉強会など、様々な行動をしていきます。私の思いを伝えられるよう、また現場の思いが伝わるよう、全力投球していきます。

≫平成23年4月4日

[現場の声を聞け]

 千葉県浦安市が、10日実施の県議選の事務を拒否している問題で、市選管は県の選管が行った是正指示を「効力がない」と拒否する文書を出したとのことです。

 浦安市は震災で液状化の被害を受け、安全性や災害復旧優先を理由に投開票所の貸し出しや職員の派遣ができないとしています。総務大臣は「やれないことはない。法に従って実施して欲しい。」と発言しています。

 私は17日のこのブログで、「総務大臣は現場の自治体のヒアリングを行ったうえで選挙の実施を決定して欲しい。」とした要望が受け入れられたと報告していますが、総務省の説明は嘘だったのでしょうか?もし「選挙に支障がない」というのであれば、この間どういうやり取りが行われたのか、総務大臣にはきちんと説明して欲しいと思います。

[混迷する原発対応]

 福島第1原発では深刻な原子炉の損傷と放射能漏れがあることがわかりました。私たちの「正確な情報公開を」という再三の要望に答えられなかった東電や保安院、政府の後手の対応が本当に悔やまれます。
 何はともあれ、原子炉の冷却(水をかける)と、放射能汚染水の拡散防止は、両立が困難な作業です。作業員の安全を考慮しながらの現場の必死の取り組みには心から感謝していますが、フランス、アメリカなど海外からの支援をはじめ、あらゆる官民の英知を結集して事態収束にあたるべきです。メガフロート(大型浮体式海洋構造物)の活用、樹脂コーティングや止水コンクリート、カルバート工法など、私たちもしっかり検討します。

 また、IAEA(国際原子力機関)との認識のずれをなくすべく、基準についての統一はきちんと行って欲しいと思います。福島県飯館村での日本との調査の食い違いは、IAEA側の別サンプル調査で一応無くなりましたが、日本の海外での信用がさらに低下する事態をもたらしたことは否めません。

[エネルギーの将来像]

 このような事態の中、新規の原子力発電所の建設は事実上とん挫したと言えるでしょう。今後、短期的あるいは長期的にいかなるエネルギー戦略を立てるか、これまでの延長線ではない大転換を行っていかなければいけません。

 夏の電力需要期を前に、経済への影響を最小限とする(計画停電を極力回避する)企業対応を検討するとともに、サマータイムや軽装出勤などの取り組みも本格的に進めるべきです。
 そして、太陽光・風力・水力などの自然エネルギーを本格的に活用した50年後のビジョンをまとめるため、若手の勉強会も行っています。大胆に提言をできればと思います。

[震災緊急提言は大連立を意味しない]

 既に3月30日、自民党で取りまとめをした震災対策の第1次緊急提言が、谷垣総裁・石破政調会長から官邸に申し入れられています。この中には、私が災害対策会議で提言した「自治体の被災者臨時雇用」「ガソリン税トリガー条項の廃止」などについても盛り込まれ、国による被災県での思いやり基金や災害臨時交付金の創設、行政手続きの緩和などもうたった詳細なプランが書かれています。4月中旬に第2次提言が予定されています。
 与野党実務者協議でも、仮設住宅の必要数と完成時期について検討したり、まだ状況が深刻な被災地の燃料・インフラ支援についても議論がなされています。

 今、大連立についての取材も数多く受けますが、現在のように自民党が与党に全面的に協力している中、どのような形が想定されているのかがわかりません。

 自民党はチームで連携を取って活動しており、数名の入閣で事態が改善されるとは思えないのです。しかも私はこの欄で最初から訴えているとおり、与野党の復興政策に向けた大枠合意(イコール民主党のマニフェスト撤回)と政府の情報の適正公開、事態改善に必要な一定の時期後の解散実施などの見通しがついての「救国内閣」でなければ、所詮は責任転嫁と菅政権延命に利用されるのが関の山だと感じています。真の国益に沿う政治を行うよう主張して参ります。

[31日の政局その2]

 東北関東大震災の復興支援のため、国会議員の各自の歳費から半年間で300万円の返上を行うことが決まりました。このような案件はともすると各党のバナナのたたき売りのようになってしまうのですが、迅速な合意を見たことはよかったと思います。これにより衆参で約22億円の財源が確保されることとなります。

 公務員にも是非身を削ってもらうための方策を検討したいと思います。既に30日の衆議院法務委員会で、判事補の昇進延期について質問しています。

 また、あまり報道はされていませんが、3月31日には「お茶振興法」が衆議院で可決されたことも明記したいと思います。

 自民党の茶業議員連盟は前国会で「茶業振興法案」を取りまとめ、私もメンバーの一人として視察や提言をその成果に反映させてきたところでした。審議が進まない中で今国会を迎え、ようやく民主党でも機運が盛り上がって与党案がまとまり、その案に自民党など野党が注文をつけて修正が加わったのが本法案です。

 国がお茶の生産振興策と生産目標を定め、各県で振興計画とそれに沿った事業・予算を策定することとなります。また、これまで法律のなかった生産・加工・流通・販売について、一体的な推進を行います。お茶の文化・伝統を尊重して消費を拡大し、海外への輸出対策にも触れられています。

 カテキンなど健康面でも注目されるお茶の振興に努めて参ります。

[地元での声、再び]

 東北に物資が割り当てられるため、関東での建設産業など事業活動に回る分が劇的に縮小している事態が続いています。上述した先週の法務委員会で私が取り上げた金融支援対策に加え、物流・輸入対策なども講じていかなければならないでしょう。

 埼玉で生産する安全な野菜が風評被害を受けていることも見逃せません。政府に対策を要請するのみならず、自民党でも食堂での積極的な野菜消費をしていきます。官公庁での活用も訴え、私たち議員も自ら消費するなど安全のためのアピールに取り組んでいきます。

 原子力損害賠償法では電力事業者が原発事故と相当因果関係にある損害を賠償しなければいけないとされ、枝野官房長官はこれが天災による免責を受けることがないとするとともに国も支援策をとると明言していますが、こうした埼玉での様々な被害をどうカバーするのかは依然不透明です。今後チェックしていきます。

[娘誕生]

 こうした数々の国会活動に加え、統一地方選挙への対応もある中、昨日4月3日に娘が生まれました。記念すべき第1子がこのような国難の中に誕生したことに感慨を覚えます。これを励みにして、将来世代が希望を持てるような日本・世界を作るべく、今後とも一層精進をすることをお誓い申し上げます。

≫平成23年4月1日

[昨日の政局から]

 昨日、子ども手当のつなぎ法案が参議院を通過しました。

 衆議院を通過した段階では、内閣から既に出されていた子ども手当修正案(3歳未満につき月額2万円への増額をはじめ、外国にいる子供や施設の子供の扱いなど私たちが指摘してきた問題へ一定の対応をしたもの)と二重に審理されていたという異常な状態でした。
 この修正案を取り下げたとはいえ、国民の8割が「子ども手当の財源を震災復興に回すべき」と考えているという調査がある中、問題を抱えたままの現行法を維持するのはおかしいと考えざるを得ません。

 これをつぶした際の児童手当の復活や混乱回避などの処理は確かに大変な作業を伴いますが、対応できないものではなかったはず。参院本会議で国民新党の亀井亜紀子議員が退席するというハプニングもあり、採決は可否同数で議長決裁による成立という36年ぶりの事態となりました。
 委員会段階でも可否同数の委員長決裁だったということで、その異常さが際立ちます。

 今後の震災復興に向けて、しっかりした財源の議論と国民への説明責任が必要になると思います。

 説明責任といえば昨日は衆議院ではHNS(いわゆる思いやり予算)協定も採決されました。
 民主党は3年前の野党時代に、サービス系基地従業員経費の負担を「対米従属」と言うなど、様々な理由を挙げて協定に反対し、日米関係に大きな影響を与えたにもかかわらず、今回十分な説明もなく賛成に回っています。

 もはや国益を軽視し、パフォーマンスをしている場合ではありません。
 私も正面からの議論をすることを心がけ、おかげさまで先日出演した「ニュースの深層」も、水曜日の法務委員会での質疑にも暖かいお声をいただいています。今後とも肝に銘じて参ります。

[いよいよ統一地方選]

 とても重要な統一地方選が始まります。私は震災の影響を考え、もっと延期の地方を広げるべきだと考えていましたが、私の地元でも選挙に突入します。やる以上はできる応援をしっかりして、あるべき政治を作り上げるための貢献をしたいと思います。

≫平成23年3月27日

[今原発で何が起きているのか]

 東京電力は昨日、福島第1原発2号機の原子炉建屋から水が流れ出た跡が見つかったと発表しました。しかし建屋内のどこから出たかはわかっていません。

 既に25日朝、南放水口付近で採取した海水からは法定濃度の1250倍に当たる放射性ヨウ素が検出されています。一体何が原子炉内で起きているのでしょうか。

 損傷の可能性が低いと言われている格納容器から汚染された水が流れ出ていることも想定され、事態の早期把握が不可欠でしょう。
 無論高濃度の放射線の中、作業員の安全確保が必要ですから、できる作業を優先順位をつけて行わざるを得ません。真水の注入や外部電源の稼働の努力など、現場での身を賭した取り組みには心から感謝しています。しかし、何が起きているかわからなければ国民の不安を取り除くことも適切な対策を取ることも難しくなります。

 放水車のノズルの先にカメラを設置してはどうか?ライトの点いたラジコンヘリやロボットで内部を調べられないのか?様々なアイデアが寄せられています。是非関係者には検討のうえ、何が起きているのか、今後どうなるのかをしっかり伝えて欲しいと思います。

[そして私たちの暮らしへの影響は]

 原子力安全委員会は25日になって、ようやく文科省が実施している環境モニタリング結果につき、午後3時ごろまでのその日の大気などに含まれる放射性物質など評価のうえ毎日公表することを決めました。私たちの要望がようやく容れられた形ですが、余りに遅すぎました。官邸、文科省、原子力安全委員会、東京電力、責任のなすりつけ合いや情報の隠ぺいは絶対許されません。関係機関の体質が問われます。

 福島県の浪江町において、昨日原発から30キロメートルの地点で1日屋外で過ごした際の放射線量が年間の基準値1ミリシーベルトを超えたとのことです。「ただちに健康に影響を与えるものではない」とのことですが、この「ただちに」をもっと詳しく説明して欲しいです。また、30キロメートル圏内でこれまで政府は「屋内待機」を指示し、地域の不安を増してきましたが、今後は「自主避難」を要請するとのこと。私たちの要求する「県外避難」をきちんと指示するとともに、被災者の受け入れを責任を持って進めるべきです。東電も保養施設などの解放を是非行って欲しいと思います。

 野菜や牛乳などの被害も深刻な事態が続いています。

 福島県伊達市でハウス栽培の花ワサビから放射性ヨウ素・セシウム共に暫定基準値(1キログラム当たりヨウ素は2000ベクレル、セシウムは500ベクレル)を超える値が検出されました。ハウス物でこのような値が検出されたことは深刻な事態です。茨城県神栖市のピーマン農家では、地震の影響でハウスが損壊した物についてどうなっているのかとの声も聞かれます。原発から離れた千葉県旭市でも、春菊やパセリなどから暫定基準値を超える放射性ヨウ素が検出されています。

 この欄でも主張したとおり、細かく品目や場所を特定して検査を行い、問題のある物は出荷を停止するとともに、検査済の安全なものであるならその旨を示すシールを貼るなどの工夫をすることが求められるのではないでしょうか。

 水道水をめぐる混乱も大変です。23日に東京の金町浄水場で採取した水が乳児向け暫定基準値である1キログラム当たり100ベクレルを超えたため、一気に都内でペットボトルのミネラルウォーターの買い占めが進みました。その後この値が下がったこととペットボトル増産により、少し状態は落ち着いていますが、いつ状態が悪くなるかわかりません。
 このレベルの基準値は私たち大人には影響のないものです。私たちが子供を犠牲にすることがないよう、冷静な対応をすべきですし、国も自治体も(子ども手当が子供につけを残すことから撤回されるべきがごとく)こうした買い占めを子供のために制限するよう積極的に動くべきです。

[地元から寄せられる様々な声]

 「被災地のボランティア募集はどうなっているのか」「地元の被災者受け入れはどうなっているのか」様々な声をいただきます。例えば所沢では市民武道館などでの受け入れ、生涯学習センターでの支援物資受付を行いますし、自民党のホームページからボランティア登録などの情報も得ることができます。

 私の地元でも、今回の震災は様々な影響をもたらしています。工場の稼働が計画停電により影響を受け、お茶など何日も生産に時間がかかるものが全ラインの停止を余儀なくされているとか、ベニヤ板やビニール管など建設資材が全く入って来ず、建設業に多大な影響が出ているとか、東日本の学校の受験が減り、ワンルーム賃貸の需要が冷え込んでいるとか、経済的にも二番底の懸念が広がっています。しっかり実態を把握して今後の活動に反映させていこうと思います。

[法制度・税制の検討へ]

 震災復興に向けた法制度・税制の検討が自民党で始まりました。街を元気に復活させるため、あらゆる検討を行います。阪神大震災と違い、津波による大規模な散乱などがあり、また財源の問題もあり、難しい問題が多々ありますが英知を結集して頑張ります。3月28日月曜日午後8時からはCSテレビ朝日ニュースター「ニュースの深層」に生出演し、危機管理の問題や復興の問題をお話しする予定です。多くの方々にご覧いただければ幸いです。

≫平成23年3月23日

[ガソリンの値段は]

 リビアにおいて多国籍軍の空爆が続く中、石油価格の一段の上昇が懸念されていると報道されています。

 ガソリン税などの暫定税率については昨年、160円超えの状態が3ヶ月続けば停止されるという「トリガー条項」が民主党政権により導入されています。もしかするとこれが発動される事態が生じ、国民はあの「ガソリン25円値下げ騒動」に再び振り回されるかもしれません。
 しかもこれは、価格が130円に戻って3ヶ月すれば(すなわち実質5円再び価格下落の状態が続けば)再び元に戻るという性質のものです。

 震災でガソリンがこのように貴重な時に、今の仕組みをそのままにしておいてよいのか是非政府には再考して欲しいと思います。

[災害対策本部での検討は続く]

 昨日主張したような、情報の官邸一元化や野菜の風評被害対策に加え、被災者間の支援格差や計画停電の不公平の見直し、公共交通機関や医療現場での混乱回避など、昨日の災害対策本部で改めて具体的に要望しました。また、被災地での求められる物資の変化(ガスや衣類などの需要が高まっている)ことに伴う対応についても議論となりました。

 政府にはこれらの要望について、どう対応しているかをきちんと説明して欲しいと思います。

 原子力発電所の復旧困難が、放射線の問題のみならず、これから夏に向かう私たちの生活にどのように影響してくるのかもきちんと考えていかなければいけません。野党ではありますが、責任ある検討を続けます。

≫平成23年3月22日

[刻一刻と変わる情勢]

 災害情報は刻一刻と変わります。必要なのは総理官邸に全ての情報を集約し、優先度をきちんと考えて衆知を集めて対策を決め、それを各担当現場に迅速にフィードバックして実行に移すことです。過去の慣例などにとらわれず、民間の工夫などを取り入れて積極的に行動しなければいけません。

 官邸は、自民党の提案を取り入れてか、枝野長官が原発事故対応など、仙谷副長官が被災者支援対応などと役割分担する動きを見せていますが、まだ情報の一元化が進んでいる様子が見えず、引き続き改善を働きかけます。

 経産省は石油製品の供給増のため、民間備蓄を新たに22日分放出することを発表したとのことで、遅きに失したとはいえ評価したいと思います。ただ、海江田大臣が、放水作業中の東京消防庁職員に対して「言うことを聞かないと処分する」と恫喝まがいの発言をしたとの報道はいただけません。現場職員は命を顧みずギリギリの活動をしているのです。大臣にはきちんと釈明をし、現場の士気を改めて高めて欲しいです。

[政局は災害対応に]

 今週から国会も(災害対応ながら)徐々に動き出します。参議院の予算委員会で、現場視察をした自民党議員が前向きな提言をしているのが目に付きます。

 さらに、今なお民主党の予算やその関連法案が、私たちの修正要求にもかかわらず着地点を見せない中で、国民生活に密接に関わる租税特別措置法(特別償却、登録免許税、間接税などの国税、不動産取得税などの地方税)について、つなぎ法である3ヶ月間の延長法案を自民・公明両党の議員立法で提出することになりました。一刻も早く全体の方向についての協議ができればと思っています。

 大枠の方向の一致(必然的な民主党マニフェスト変更につながる)や、今なおできていない政府情報の適正開示、事態好転後の解散実施などを前提とすれば、救国連立政権もあり得なくはないと思いますが、菅総理が党内手続も不十分なまま谷垣総裁に電話一本で入閣の打診をしたというのは余りに非常識で、単なる政権の延命策と取られても仕方ありません。もちろん自民党も現在設置されている超党派での災害対策協議会などをフルに活用し、全力で政府の対応に協力をしていかなくてはいけません。私も引き続き全力を尽くします。

[気になる風評被害]

 農作物などから放射線の検出があったという報道がされています。これもきちんと地域の特定や、いかなる条件(ハウス物か路地物かなど)をしないと風評被害につながりかねません。政府には十分行き届いた広報をお願いしたいと思います。

[埼玉でも被災者受け入れ]

 さいたまスーパーアリーナなどで、埼玉県でもかなりの被災者受け入れが始まっています。しかし各市町村でどのような施設にどれだけ受け入れられるかをきちんと把握できるようにしておくことが重要です。地元でも社会福祉施設などの活用がされるとのことですが、引き続き積極的な対策を働きかけていきたいと思います。

≫平成23年3月17日

(NO.3)
[統一地方選はどうなるのか]

 今日、衆議院本会議で、統一地方選挙の延期に関する特例法が可決されました。

 地震の影響で選挙を適正に行うことが困難として総務大臣が指定する市町村、及び当該市町村を含む県の議会議員・長の選挙は、この法律の施行日から起算して、2ヶ月超6ヶ月以内で政令で定める日に延期することを内容としています。無論、延期された場合の任期は当該延期選挙日の前日まで延長されることになります。

 問題は総務大臣がどのような市町村・県を指定するかということですが、総務大臣の発表によれば物的損壊の著しい岩手・宮城・福島の3県のみが想定されているとのことです。
 私は「それはおかしい。隣接している県でも被災者を受け入れたり、物資援助や停電による経済混乱が激しかったりして、とても選挙のための体制が整わない所もあるだろう。例えば関東以北は原則投票を延期することとして、支障がないという自治体には選挙を実施してもらうということでもよいのでないか。」と党内の部会で意見を述べており、総務省からは「短い期間ではあるが全国各自治体の意見をヒアリングする。」との前向きな回答を得ています。具体的にどのエリアが投票延期となるのか、また情報が入り次第提供して参ります。

[自民党のこれからのスタンス]

 自民党は野党ではありますが、今回の災害で政府の対応の足を引っ張るつもりは毛頭ありません。私たちの経験やネットワークに基づく協力を、超党派で設置する会議で提供することは当然でしょう。しかし政府がただ私たちを取り込んで責任だけ負わせ、私たちの要望に誠実に対応しているかどうかの検証ができないようでは困ります。また、今の官邸は政治主導と言いながら各省の連携が不十分だったり、政治家が責任を東電など現場に押し付けたり、無用の現場視察を行ったりするなどのパフォーマンスを行う様子も散見されます。

 こうした状況の改善を求めるとともに、例えば子ども手当の増額凍結、高速道路無償化の実施の中止などを通じ、5兆円規模の補正予算を組むことを訴えていきます。

 各論ベースでの要望は以下のとおりです。

○震災担当特命大臣の任命。
○混乱を回避する為、官邸機能を原発対策と津波・震災対策の指揮命令系統を二つに分け、責任体制を明確化する。
○官房長官発表の際に、専門家の補佐を置くこと。
○高齢者、障害者、病人、子ども、女性を始めとして、休館予定の大規模ホテルや余裕のある議員宿舎等への受入れ等、ホテル・旅館等への可能な限りの受入れを要請し、国による費用負担を検討すること。
○政府から自治体に対して「財源は心配しないで躊躇なく対策を打つべし」というメッセージを発すること。
○政府から「食料供給体制は大丈夫である」と発信を行うこと。
○物資関連
・特に、水、食料、燃料(ガソリン・軽油・灯油・A重油等)の流通ルートの確保。また医薬品、血液、検査試薬、消毒薬、ロングライフミルク、果汁、お茶パック、パン、赤ちゃん用粉ミルク、簡易トイレ等も重要。
・道路・港湾の復旧等、ロジスティクスを早急に確立すること。特に港湾からのアクセス道に関し、大至急障害物を除去し、海運を活用すること。
・自衛隊等の能力を活用し、医療・入浴・トイレ等を早急に被災民に提供する。
・国家備蓄・民間備蓄を活用すること。
○原発事故関連
・モニタリング・ポストを10km地点、20km地点、30km地点等に環状に配置し、数値をインターネットでリアルタイムに流す等、適時適切な公表を行って、国民の不安・疑念を解消すること。その際、放射線量の健康に与える影響等の周知を徹底すること。また、原子炉格納容器が壊れていないと判断する根拠データを公表すること。
・官邸と東京電力が一体となる体制を作ったが、官邸と現地(福島)とも密接な連携体制を確立すべき。原子力保安院・東京電力等がバラバラに会見・発表するのではなく、一体的に行うこと。
・現在、屋内退避勧告が出されている福島第一原発の周辺20-30kmの住民について、圏外退避を至急指示すべき。その際周辺各県への退避も視野に検討すること。
・現地は退避の為の車輌のガソリンに困窮しており、供給体制を至急に確立すること。
・停止した原子炉の冷却・安全化と共に、使用済燃料の冷却状態の確認・確保に万全を期すこと。

○計画停電関連
・早期に計画を提示し、企業の生産計画等が立てられやすくすること。
・特に鉄道輸送・病院・在宅患者等に対して配慮すること。
・児童・生徒の通学時間帯(信号機が機能しない際の安全確保や鉄道が動かない際の通学手段の確保など)や、学校における授業時間帯(授業が分断される際や給食の調理など)に停電の時間が当たる際の対応方針を策定すること。
・東京湾岸の火力発電所の復旧など早急に行うこと。
○外交・自衛隊
・救援・復興支援が長期化することを見越しての自衛隊の交代要員等を検討すること。
・松島の航空自衛隊基地の航空機に関し、必要ならば予算措置を行い、早急に調査・修理を行うこと。
・10万人体制に伴う運用の影響も考慮し、必要予算を確保すること。
・米軍との協力体制の推進。
・在外公館における支援金受付(現在の支援金受付は国際赤十字のみ)
・中国・韓国・フィリピン等の大量の研修生(労働者)の安否確認。
・外国人留学生や研修生(労働者)に対する見舞・生活支援・帰国支援等を手厚くすること。
・海外からの支援チームの活動支援と、特に原発関係の丁寧な情報提供。
・政府の会見は外国人にも分かるように同時通訳やテロップ表示を行うこと。
○雇用対策
・雇用調整助成金の運用拡大による雇用維持を図ること(企業負担の軽減)。
・失業保険の失業給付期間の延長等と特例納付の拡大。
○税制関連
・税制始め、確定申告等についても税制控除や申告の延期等の措置を講ずるべき。
・平成7年の「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部改正」や「阪神・淡路大震災の被災者等にかかる国税関係法律の臨時特例に関する法律」をベースに対応すること。
○金融関連
・急激な資金需要への対応の為、銀行等の窓口、ATMの早期復旧(個人資金ニーズへの対応)、中小・小規模企業者の資金ニーズへの対応、地方銀行等、地域金融機関への万全な支援体制等を確立すること。
・被災地以外の地域においても、政策金融等の活用により、資金需要の円滑化を図ること。
・証書がなくても、払い戻しができる措置を金融機関において講ずること。
○4月1日から開始予定の高速道路新料金制度については、混乱回避のため、中止すべき。
○緊急通行車両確認標章は出発地の警察署等で発行するが、発行基準を大幅に緩和し、この標章で日本全国の全ての高速道路を無料で通行できるようにすること。また、制限区域も栃木以北とすること。更に、重機等の運搬も緊急通行車両に加えること。
○災害復旧事業は、全額を国が負担すると宣言すること。また改良復旧事業についても、当然、全額国庫負担事業に含まれると宣言すること。県土、地域の復興については、用地調整、測量調査、計画作成の段階からの支援を行うと宣言すること。

○学校耐震化工事等の国庫補助率のかさ上げ措置の有効期限が、平成23年3月31日に切れるため、かさ上げ措置を5年間延長すること。
○公共学校施設の耐震化工事を加速する必要があり、補正予算などで必要な予算を確保すること。
○がれきの処理計画を迅速に策定し、実行すること。
○検死体制の更なる強化及びご遺体の埋葬等に関する尊厳ある対応(必要な資材の確保等)
○3月交付の特別交付税(7551億円)について、全自治体への速やかな配分を実施すること。また、平成23年度予算関連法案「地方交付税一部改正案」について、特別交付税の割合引下げ部分を削除すべき。
○行政機能を失った市町村について、行政の代行について法制化(代行機関は、市町村を包括する県を想定)を検討すること。(国民健康保険・介護保険・生活保護・年金給付・教育委員会)。
○市役所・町村役場への各府省横断の人的支援体制を組織化して、市町村行政のバックアップを検討すること。
○平成23年度補正予算の編成に当たって、大型の地方交付税措置を行うとともに、特に被災自治体に対して地方交付税を大幅に加算すること。
○生活貸付等、緊急に必要とされる生活費への対応(生活福祉資金貸付等)。
○医療機関・介護施設への医療費・介護費用の確実な支払いを可能とすること。窓口負担の免除等に伴う保険者の財政負担の軽減を検討すること。
○関係団体等への情報収集及び連携を強化すること。
○被災地のペット問題についても配慮すること。

(NO.2)
[原発への対応は冷静かつ正確に]

 福島第1原発の3号機に、自衛隊機が空中から冷却水を散布する処理を行いました。この後、機動隊による放水処理が行われるとのことです。危険を顧みず作業にあたっておられる方々には心から敬意を申し上げます。

 ただ、放射線は距離の二乗に反比例して濃度が減少し、さらに今回漏出しているのは半減期が短い種類であることから、至近距離の住民の方以外は即座に健康被害が出るようなことはありません。デマに振り回されないことが何より大切です。

 最も重要なのは、きちんと現状についての情報開示が、タイムリーかつ正確に行われることです。このことは何度でも主張します。

 IAEA(国際原子力機関)の天野之弥事務局長は日本を訪問して現状調査を行う旨明らかにしています。
 米大使館が原発から80キロ圏内の自国民・93キロ圏内の米軍兵に避難を勧告しているとかフランスの救援隊が仙台から三沢に避難したなどのニュースが大きく取り上げられていますが、まずはきちんと情報を精査したうえ、日米共同で放射能除去のための適切な行動を取ることを明言することが必要です。

 例えば「病院なび」http://byoinnavi.jp/saitama/のようなホームページで放射線診療を受けられる病院の紹介があります。
 また、各地での放射線測定の状況を示す文部科学省のホームページはこちらです。http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm

 ただ、繰り返すとおり、冷静に対応して窓口がパニックにならないようお願いします。

[計画停電への注文]

 このブログで述べているとおり、計画停電自体はやむを得ないと思います。しかしきちんと情報を事前に広報して欲しいのと、電車など公共交通機関についてはなるべく(本数は少なくともよいので)動かせるようにして欲しいと思います。これらが動かずに車で移動するとなるとガソリンの消費が増え、渋滞や被災地支援にも影響が出てきます。政府や東電に考慮していただきたいです。

(NO.1)
[続々と届く現場の声]

 被災地を視察した議員やそれぞれの地元から、続々と切実な声が寄せられています。

 冷え込みが厳しい被災地では、何と言っても暖を取るための灯油などの確保が急務。避難所や病院で温度を保てないために二次災害が生じている状況です。
 加えて、ガソリンの補給も急務です。水や医薬品の運搬をするにも、原発危険地域からの退避を行うためにも、ガソリンを至急届けなければいけません。

 緊急車両以外なかなか高速道路を利用できない状況が続いていましたが、今般わが党から、タンクローリーは入り口ですぐ許可証を出してもらう扱いにして欲しいと申し入れをしたところです。
 塩釜製油所が今日から再稼動するほか、民間備蓄(原油ではなく製品)の3日分の引き下げが政府から要請されています。

 被災地以外でのこうした必要物資の買い占めは何としても避けて欲しいと思います。

 支援物資の提供については、経団連の各企業がなかなか政府から指示が来ないということで、自民党から、青森・茨城を含めた被災地に自衛隊を通じて物資を輸送してもらうためのホットラインを設置するよう働きかけを行いました。
 JRでも、関東から日本海側を通じ、青森経由で盛岡まで運ぶ体制を整えています。

 自民党も、乾電池、携帯充電器、幼児用・介護用紙おむつ、携帯カイロ、アルコール性ウェットティッシュの提供を3月31日まで受け付けます。ただし、受け入れの便宜上1ケースなどなるべくまとまった単位でお願い致します。お問い合わせは
自由民主党本部 緊急救援物資係
〒100-8910 千代田区永田町1-11-23 電話03-3581-6211(代表)です。

 募金についても
りそな銀行 衆議院支店
支店番号 328 口座番号 (普通) 0037627
名義 東日本巨大地震救援募金
で受け付け、日本赤十字社を通して被災者支援に活用させていただきます。

≫平成23年3月15日

[一刻も早い支援を]

 東日本大震災で亡くなった方の数は現時点で約2000人、安否の確認が取れない方は約1万5000人にのぼっています。

 マグニチュード9.0という世界最大規模の震災は、数えきれない方々の平穏な生活を奪い、生活に必要な鉄道・道路のネットワークもずたずたにしてしまいました。
 高速道路は緊急車両等限られた利用となり、海岸沿いの道路は寸断されているため、物資はヘリなどで運ぶのでなければ一般道で北上し、目的地にめがけて右折して海岸に向かうしかありません。道路は大変に混雑し、現地では灯油・ガソリンや水、医薬品など生活物資が不足する厳しい毎日が続いています。 (ガソリンについては他地域でも鉄道網の混乱に伴い不足が顕著です。)

 自衛隊の救援が5万人から10万人に増強され、懸命な人命救助活動が続いていますが、既に災害発生から4日が経とうとする中、物資補給や避難所の整備に大きな力が必要となってきました。諸外国からの支援受け入れ体制も政府には迅速に広げてもらわないといけません。

 各地での募金・物資の提供などの動きもありますが、現地では当面現金なく様々な支援が行われているうえ、必要な物資についても現地とのしっかりした連携がないとかえって迷惑となりかねないとの声が大きくなっています。きちんと状況を見極めます。

[政治は全面協力。しかし…]

 このような事態ですから、国会は政府の災害対策に全面協力しなければいけないと思います。補正予算を今年度中にも成立させ、繰越処理を行うなどの知恵も必要になってくるかもしれません。また、自民党はこれまでの災害支援の経験の蓄積と、豊富な地域・組織のネットワークがあります。
 しかし、総理や官房長官の会見が不明瞭だったり、各省大臣が効果的な支援のため連携しているか首をかしげる場面を見ると、大変な困難を感じます。

 まず福島第一原発については、党の災害対策本部で経産省や東京電力に対して様々な改善要望や質問が相次いでいます。モニタリングポストにおける放射線測定がきちんとできないとあらば、専用自動車できちんと半径10キロ、20キロ地点の観測を行い、避難エリアの住民に正確な情報を提供しなければいけませんし、現在燃料棒の溶融の危機が叫ばれている2号機についても、きちんとした情報を収集・発表して欲しいと思います。いたずらに危機をあおる必要はありませんが、正確な情報を提供し、今後の避難や復旧の見通しを示して欲しいと思っています。

 計画停電についても、発表が昨日の実施の直前、しかも予定した停電が急きょ行われなくなった地域がある一方で予定されていなかった被災地で停電が実施されたりと混乱が著しく、通勤・通学電車などの交通インフラも予測なきダイヤの乱れに見舞われました。

 病院などの臨時電力確保の確認を行うとともに、本当にきちんと計画的に停電措置を、十分な広報のもと、確実に実施して欲しいと昨日の災害対策本部で意見具申しました。もはや1000万キロワットの供給不足は節電で補えるレベルでないことは明らかなのですから…

[地元でも相次ぐ予定の変更]

 先日この欄で予告していた、17日19時から所沢文化センターミューズで実施予定だった石破茂元防衛大臣をお招きしての時局講演会は、やむを得ず中止とさせていただき、それに先立つ自民党所沢支部の総会も延期とすることとしました。関係の方々には深くお詫び申し上げます。
 統一地方選挙を控えて様々な予定がありますが、変更を余儀なくされる物が増えるでしょう。また、地域の経済活動にも様々な影響が出てくると思います。慎重に活動を進めていきます。加えて、被災地でおそらく統一地方選の実施が延期などされると思うのですが、それがどこまで、どういう影響をもたらすのか、しっかり確認して参ります。

≫平成23年3月11日

(NO.2)
[頼むから無事で]

 夕刻、議員会館のテレビに次から次へと各地の被害情報が飛び込んできます。

 余震が少し収まっても、津波や火災への厳重な警戒は引き続き必要です。とにかく安全な場所にいて動かないこと。そしてテレビ・ラジオ・インターネットなどで情報を絶えず入手していることです。

 宮城県や茨城県など、被害の大きな地域の映像が流れています。港で家や車が流されている映像に愕然とします。多数の行方不明の方々が出ている模様です。「頼むから無事でいて」そう多くの方々とともに祈るばかりです。

 党としての緊急対策本部の設置が急務。情報把握・政府への提案が大切です。しっかりと役目を果たさねば。

(NO.1)
[かつてない激震]

 今日午後2時46分、三陸沖を震源地とする大地震が発生しました。

 二日前にはやはり三陸沖で最大震度5弱という大きな地震があり、かねてから予測されていた宮城県沖大地震との関係が取り沙汰されていましたが、専門家は「別物であって依然警戒が必要」と判断していたところです。

 当時私は国会図書館の打合せ室で同僚議員と会合をしていたのですが、人生最大の激しい揺れに見舞われ、机の下に潜り込みました。天井のプレートが剥がれてぶら下がり、備え付けのコピー機は台から落ちる寸前。防災の日に乗り込んだ地震体験車を思い起こすほどでした。

 その後も相次ぐ余震。会合は中止して議員会館に戻りましたが、電話もメールも使いにくい状態が続いています。開会中の参議院予算委員会も中止となりました。

[残念な相次ぐ予定のキャンセル]

 今夜は地元所沢の青年会議所で、ヤンキー先生こと義家弘介参議院議員の家庭教育に関する講演が行われる予定でしたが、急きょキャンセルとなりました。

 明日12日は、J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)の企画で、党大阪府連主催の「柴山昌彦衆議院議員を囲む政策勉強会」を夕刻予定していたのですが、公共交通機関も復旧の目処が立たない中、中止せざるを得ません。ご準備いただいた方々、企画を楽しみにしていた方々、本当にすみません。またの機会に、是非。

 さらに明日は、13日投開票の名古屋市議会選挙で、最終盤の街頭演説応援依頼も複数いただいています。幸いイベントは開催できる状況のようですが、私が伺えるかどうかは明日になるまでわかりません...

 19日には応援依頼に基づき、県議会議員の方の報告会に出席のため山形に出張予定なのですが、東北地方とあってこちらもどうなるか気掛かりです...

[政局は非常事態対応へ]

 前原外務大臣が外国人からの違法献金で辞任したと思ったら、今度は菅総理に同様の疑惑が持ち上がったとの報道がされています。しかし今はそれどころではありません。政府が立ち上げた緊急災害対策本部に、国会は与野党の別なく全面的に協力するべきです。

[はたして地元の企画は]

 来たる3月17日午後7時からは、所沢文化センターミューズの中ホールにて、石破茂党政調会長をお招きしての時局講演会を開催することになっています。「石破茂元防衛大臣・柴山昌彦 どうする地方とニッポン!」とのタイトルで、混迷する地方政治と国政のこれからにつき、タイムリーで有意義なお話をと企画を進めてきました。もっとも上記のとおり災害対応に全力を尽くさなければならず、どうなるかは流動的です。予定の変更があればまた報告させていただきます。

平成23年2月23日

[大自然の脅威]

 霧島山系の新燃岳噴火によって多くの方々が生活不安にさいなまれる中、今度はニュージーランドクライストチャーチ市で発生した震災により、100人近い死者が出ているとのニュースが飛び込んできました。

 邦人も20名以上行方不明ということで、一刻も早い救出を望むばかりです。大自然は私たちに大いなる脅威をもってどんな警告を発しているのでしょうか。

[国会改革の道は遠けど]

 2月21日には「政治と金」をめぐり予算委員会の集中質疑が開催され、私はまた質疑に立つことになりました。冒頭、予算委員会は予算の審議に特化し、政治倫理の問題は中継入りの別の委員会で行ってそこに証人や参考人を呼べるような仕組みにしたらどうか、と私たち超党派若手議員グループが国会改革につき提言している内容を菅総理にぶつけてみました。

 総理は「初めて聞く話で…」と鈍い反応でした。国会改革の道のりはまだ遠いですが、これからもあきらめることなく努力を重ねて参ります。

[景気の回復は本物か]

 党内閣部会の月例経済報告検討会議では、一部明るい兆しが見えてきたと言われる日本経済も、(欧州はまだ不透明感があるものの)米国の回復や新興国の勢いからはまだまだ遅れている実態が改めて浮き彫りになりました。

 家計資産が消費に直結せず、エコポイントやエコカー減税、地デジ買い替えなどによる需要が頼りの状態です。公共事業の落ち込みも著しく、「コンクリートから人へ」のスローガンが仇となっています。

 リバースモゲージや生前贈与の促進、かねてから主張している年金制度の超党派議論など、やるべきことは沢山あります。しかし何より必要なのは政府が成長戦略を重視する姿勢のはず。与党は、小沢グループの造反を恐れ、国民新党のみならず社民党にも協力を呼びかけようとしています。それでまともな方針が打ち出せるのか、予算委員会で総理に問いただしたところ、「衆議院での3分の2の多数維持に心配をされるなら、予算(関連法案)に賛成して下さい」と的外れな答えが返ってきました。

 今や民主党の身内からも「この予算でよいのか」と疑問が出るような代物に、修正なしで賛成することはできません。また、政権は成長戦略に極めて鈍感であると断じざるを得ません。

[加速する党改革]

 連日、党改革委員会で外部講師の意見を聴取するとともに、5つの分科会で中間提言作成の作業にあたっています。

 特筆すべきは、党改革委員会の議論には落選中の支部長や地方組織の方にも来ていただき、国会の外からの忌憚なき改革への思いを伺っていることです。2月26日には、岡山県と自民党空白区の滋賀県にタウンミーティングに出かけ、一般の方から「何が自民党に足りないのか」率直にご意見をお聞きするつもりです。

 「自民党の支持率もなかなか上がらない」という危機感のためか、かなり多くの議員が関心を持っています。この大事な局面で必ず、自民党への信頼回復のため、改革をやり遂げる!強い決意を持って、事務局次長として力を尽くします。

[竹島の日、島根に飛ぶ]

 昨日2月22日は、島根県が「竹島の日」と定め、韓国との間で領有権の争いとなっている竹島についての啓発活動が行われる日でした。

 尖閣、北方領土と、昨年からの政権の領土問題についての相次ぐ失態に加え、この竹島問題でも韓国の海洋科学基地建設やヘリポート改修、漁業者宿泊所の拡張改築工事について、政府は抗議するどころか情報を国民に明らかにせず、従来の日本の立場を述べることすらしないと枝野官房長官が言明する始末。

 これはおかしい。自民党時代も確かに反省すべき点はありましたが、敗戦後李承晩ラインで竹島の実効支配を奪われたのち、抗議とICJ(国際司法裁判所)への付託を求め、戦後の改憲の困難さや正面から軍事的活動ができない中ではそれなりに苦労をしてきたのです。

 島根県民会館での式典参加ののち、党青年局の古川局長ほかと街頭遊説に臨みました。これから私たち若い世代が中心となり、領土問題の啓発・教育に全力を尽くすとともに、法的・平和的解決を実現するためのあらゆる努力をすること、憲法改正や自国を自分たちで守れる体制の整備に向かっていかねばならないことなど、渾身の力を込めて訴えました。

 統一地方選挙を控えた自民党地方議員の青年部の方々も多く参加されました。この動きを日本全土に広げていきます。

[そして地方の政局へ]

 子ども手当をめぐる予算の攻防は、そのまま地方負担の問題へと直結します。今後この問題にどう対応するのか。党としての対応を示すよう全力で働きかけます。

平成23年2月16日

[もう逃げられない]

 2月9日の党首討論に続き、昨日は、所得税法・地方税法や公債発行特例法などの予算関連法案がいよいよ審議入りしました。

 今の政府・与党の案を一言でまとめると、壮大なバラまきマニフェストに税収が追いつかないので、子ども手当(月額2.6万円予定を2万円へ。しかも3歳以上は1.3万円のまま)など規模を縮小するがとても足りずに2年続けて税収(41兆円)より新規の借金(44兆円)が多くなってしまううえ、埋蔵金に引き続き手を突っ込んで実質的な財政悪化を招いているというものです。

 これではとても予算は今後安定的に組めないので、6月に社会保障と税の一体改革の方針を示すということですが、当然そこでは具体的な数字を伴う試算のもと、消費税の引き上げ幅や実施時期についても言及がなければいけません。

 民主党はさんざん「無駄を省けば16.8兆円の財源は出てくるから消費税は引き上げなくてもよい」とうたっており(実はこれができないとわかっていたことは私が2月1日の予算委員会で指摘しました)、この今年6月の方針決定までに当然マニフェストを修正しなければいけないはずです。しかしマニフェストの修正は秋にずれ込むということなのです。
 また、こうした抜本的な方針転換をこの通常国会で議論しようにも、6月になれば国会は閉じてしまいます。 4月の統一地方選挙を前に国会での議論を逃げるのかと言われても仕方ありません。

 社会保障と税の一体改革につき、与党は「野党と超党派で協議したい」と述べています。一般論としては、ねじれ国会の中で与野党が協議して成案を得ることは必要です。(国会改革の勉強会でもそう提言しています。)しかし今回だけは事情が違うのです。

 まず第一は、民主党が大きな国民との契約(マニフェスト)違反をしていることです。(公明党の山口代表は「契約不履行で有権者から解除されてしかるべき」と述べておられますが、上記のとおり初めからできないとわかっていたのですから、むしろ詐欺による取消に値するとも言えます。)わが党谷垣総裁が「八百長相撲の片棒をかつげと言われても乗るわけにはいかない」と党首討論で述べられたのはもっともです。

 第二に、民主党の目指す国家像が全くわからないことです。菅総理は「公共事業依存型の経済でも市場原理主義型の経済でもなく、消費者側の援助に重きを置いた第三の道を目指す」「小泉構造改革が格差を拡大した」と言って、労働法制の規制強化や郵政の実質的再国有化方針を打ち出しましたが、ここにきてTPP(環太平洋経済連携協定)への加入や法人税減税を(中途半端な規模で)打ち出すなど、全く哲学がありません。再度ラブコールを送られている社民党は法人税の減税には反対です。

 私たちは「自助・共助・公助」という順序の社会を目指すと宣言し、適切な規模の小さな政府のもとで効率的な社会保障(医療改革など)を実現して消費税を当面10パーセントまでの引き上げにとどめようと提案しています。政府の側がきちんと哲学を明らかにしたうえで対案を出し、それから協議を呼びかけるのが筋でしょう。

 菅総理は再三「消費税引き上げの実施前には解散で国民の信を問う」と言われますが、もし上述の案がマニフェストから大きく変質したものであれば、それこそ国民との契約を解散により結び直して各政党が正当性を持った案を持ち寄ってから協議するべきなのです。

 この欄でも述べてきましたが、小さな政府(低福祉低負担)を目指す政党も、大きな政府(高福祉高負担)を目指す政党も、一致して進めることができるのは最低限の社会保障である年金制度の確立です。これについては自民党が与党の時代に再三超党派での協議を呼びかけてきたのですが、民主党は年金問題を選挙の争点にしたいがために、協議を拒んできたのです。立場が変わったら言うことをコロッと変えるというのでは、国民の信頼は得られないでしょう。
 結論として私は、年金問題についてのみ超党派での議論を行うべきという立場です。

 この私の考えにつき、2月10日のBS11のテレビ番組「INsideOUT」や、昨日実施され、U-STREAMでも中継された東京財団主催の「税・社会保障制度の抜本改革を考える討論会(自民・民主・みんなの党、経団連・経済同友会出席)」でも主張してきました。(ブログなどで反応があり、感謝しています。)これからも筋を通した活動をして参ります。

 外交問題も気がかりです。エジプトでの大統領辞任はイランやバーレーンなど隣接国にどのような影響をもたらすのか、北方領土問題で今後ロシアとの関係はどうなるのか...小池百合子議員から「柴山さん、今度また質問に立つことがあったら、中東問題取り上げてね。」と言われましたが、さてどうなることか。

[予算委員会と地元との往復]

 2月10日には私のこの国会2回目の予算委員会での質問がありました。
 民主党小沢元代表が主催者だった旧自由党から、税金由来の政党交付金15億円を受領して領収書を作成した藤井官房副長官は、その領収書の署名は認識がないと答弁していましたが、私が自民党に保管されている藤井氏の署名(衆議院の定数削減に関する自民・自由・公明の三党合意書に記されたもの)と筆跡を照合させて一致したことが誰の目にも明らかであるにも関わらず、不合理な否定に終始しています。巨額の金を自らの軍資金とした疑惑が持たれている小沢元代表の片棒を担いだとしか思えません。

 民主党は小沢元代表について党員資格停止の処分を行うようですが、この問題を含め、小沢氏の証人喚問を行わなければ真に国民への説明責任を果たしたことにはならないと思います。無論、政治と金の問題については自民党も今後しっかりと制度の検討を含めて対応しなくてはいけませんし、議員定数の見直しについても、まさしく今日、党・政治制度改革本部で事務局次長として議論を行って参ります。

 いつも指摘しているとおり、本来予算委員会とは別に、政治倫理を扱う委員会を、常設のテレビ中継入り委員会として設置し、そこに参考人や証人を呼べる仕組みを作っていくべきと国会改革勉強会で提言しています。

 地元では統一地方選挙が近付き、慌しくなっています。しっかり双方の活動に臨んで参ります。

平成23年2月9日

[サンセット法の提案]

 来たる総選挙も視野に入れ、1月末までに自民党全国会議員を対象に議員立法の募集がありました。

 私はここで、宮城県議会でキャリアのある秋葉賢也衆議院議員とともに、これまで練りに練ってきた「サンセット法」を提出することにしました。

 これは、法律や国の行政組織・事務・事業等(特に審議会等、補助金、租税特別措置)について、廃止期限を設け、または定期的にその存廃を検討することを義務付けることによって、見直し作業を必然化させ、行政の無駄をなくす法案です。既にアメリカやイタリアなどで先例があり、それとの比較や、内閣府・総務省・財務省当局、衆議院法制局とも何度も打ち合わせをしています。

 いずれ詳細をご紹介する機会があると思います。

[予算委員会質疑の爆発的波紋]

 前回のこの欄で紹介した予算委員会の質疑では、民主党の組合依存体質がいかに税制などの政策や治安などに不安を生じているかや、マニフェスト詐欺とも言える実態、鳩山前総理の1億3000万円にのぼる贈与税の還付と法制度の不備などを指摘しましたが、この欄でかねてから触れているとおり、民主党小沢元代表の資金問題と説明責任についても追及しました。

 特に、旧自由党の、税金を原資とする政党交付金15億円が、小沢氏が代表を務める「改革フォーラム21」に裏金として流れているのでないかという疑惑報道につき、当時自由党の幹事長だった藤井裕久内閣官房副長官に問いただしたところ、「知らない」の一点張り。ご自分が署名捺印した領収書についても「記憶にない」「本物かわからない」とされる様子に、テレビをご覧の方々からも大変多くの疑問の声が寄せられています。

 もちろん、予算や政策の中身についても(対案を示しつつ)国会で論戦していくことが必要です。
 こうした方針につき、テレビに出演して説明することになりました。
 2月10日(木)午後10時から10時48分まで、BS11「INsideOUT」という番組です。鈴木哲夫報道局長、松田喬和毎日新聞論説委員の司会のもと、齋藤健衆議院議員と熱く語りますので是非ご覧下さい。

[第3回G1サミットへの参加]

 2月11日より山梨県八ヶ岳で実施される第3回のG1サミットに参加します。

 世耕弘成参議院議員よりお誘いを受けたもので、政界・財界・スポーツ界などの最前線で活躍する方々が様々なセッションに分かれ、パネルディスカッションなどを行うものです。私は12日の「最高裁と特捜検察という“聖域”を斬る」というセッションのパネリストとなる予定です。現在の司法の課題を大いに議論して来ようと思います。

[相変わらず超多忙な毎日]

 昨日はこれまでチャーターメンバーとして取り組んできた「超党派国会改革勉強会」が、全国会議員を対象としての集会を実施しました。事務局を務めて下さったのはこの日説明者となった平将明衆議院議員です。チャーターメンバーでの検討事項は多岐にわたる深いものですが、少しでも今国会で形になればよいと思っています。

 このほかにも、私が事務局次長となっている自民党改革や政治制度(選挙や政治資金)の改革など、毎日分刻みのスケジュールです。後者の問題では今日公明党案の検討に臨むことになっています。

 また、今日は菅内閣になってから8カ月にして、ようやく党首討論が実施されます。委員会の理事として、自民党三役とともに、総理と谷垣総裁との熱い討論を間近で見ることとなります。様々なことを吸収したいと考えています。

 地元では統一地方選の準備も始まり、とにかく落ち着きません。体に気を付けつつ、日々の活動に取り組みます。

平成23年2月1日

[小沢氏強制起訴]

 昨日、民主党の小沢元代表が強制起訴されました。

 小沢氏は「検察庁が有罪の見込みを持って起訴する場合と、今回のように検察庁が起訴を見送って検察審査会が一度裁判を受けさせてみるべきと判断した場合では異なる。離党はしない。」と述べているようですが、一般の方から選ばれた審査会委員が、しかも2回とも全て違うメンバーとなって、いずれも起訴相当の議決をしたことは重く受け止められるべきです。

 折しも石川知裕議員の初公判が2月7日に予定されています。検察庁がどのような事実を主張するか、それが小沢元代表の政治的責任を大きく左右するでしょう。

 「政治とカネ」に強い姿勢を取るという民主党執行部の対応が注目されます。

 私はこの欄でも出演したメディアでも一貫して「小沢氏の起訴議決に無効をもたらす欠陥はない」「それとは別に小沢氏は証人喚問に応じるべきだ」と主張しています。折しも今日は(昨年に引き続き)私が衆議院予算委員会で質問に立つことになっています。小沢氏の問題も取り上げざるを得ないでしょう。

 予算委員会は今日一日自民党の質問で、NHK総合テレビで中継されます。私はトリを務めることとなっており、時間は4時20分ごろから5時までです。是非ご覧いただければ幸いです。

[エジプトの混乱]

 チュニジアでの革命はエジプトに飛び火し、連日ムバラク大統領の退陣を求める大規模なデモが続いています。

 私は麻生内閣で中東担当の外務大臣政務官を務めており、エジプトも訪問しました。美しい街並みと暖かい人々を思い出すと、混乱と破壊の映像が信じられません。

 確かに中東諸国では政権が長期化し、宗派的対立や経済など様々な理由で不安定要因を抱えているケースが多いので、ツイッターなどで情報が多くの市民に共有され、大規模行動が起きやすいように思います。北朝鮮のような情報管理を徹底した国とは違い、市民は自立できて情報も豊かなのです。

 今後、過度の混乱が中東全域に広がることがないか、しっかり見ていきます。

[地元の活動も怠らず]

 国会が連日忙しいですが、極力地元に帰り、活動するよう心がけています。1月29日には私は福島県田村市に呼ばれて時局講演した後に、地元ふじみ野市で自民党大井支部の時局講演会にとんぼ返りしました。片山さつき参議院議員が講師となり成長戦略などについて話して下さって、会場となった大井産業文化センターは立ち見が出る大盛況でした。ご準備された方々に心からお礼申し上げます。

平成23年1月21日

[まだ開かれない国会]

 今日現在、まだ通常国会は開かれていません。

 昨年の今日、代表質問どころか既にテレビ中継入りの予算委員会が実施されており、私が質問に立っていました。リーマンショック後の麻生内閣では1月5日に開会した例もあります。

 権力闘争に明け暮れ、国会をなおざりにする政権のどこが「国民の生活が第一」なのでしょうか。

 政府の試算によれば、2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は、名目成長率を1パーセント台半ばとすれば依然マイナス23.2兆円と高水準のままという見通しで、民主党政権になってからの国の借金は猛烈に増え続けることになります。
 昨日の報道では事業仕分けの反映などで3.1兆円の財源が出たとなっていますが、うち1.4兆円は不要資産の国庫返納などのストック改革ですから、いわゆる支出の向上に役立った部分は1.7兆円、それも仕分けというより各省庁内部の行政事業レビューで出たものが大半です。もはやバラまきマニフェストを実施する余裕はありません。

 心温まるタイガーマスクの寄付が話題を集めていますが、「子供たちにランドセルを背負わせる伊達直人、子供たちに借金を背負わせる何とか直人」とならないようにして欲しいものです。

 マニフェストをどう変えるのか。公務員改革などの歳出削減をどうするのか。郵政改革をどうするのか。消費税をどうするのか。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をどうするのか。閣僚間でもいまだ議論がバラバラだとのことですが、一刻も早く国会で論戦に応じて欲しいものです。
 外交・安全保障でも、普天間基地をどうするかや北朝鮮問題への対応など、突っ込みどころは満載です。

[何とか進めたい国会改革]

 6日のこの欄でも書いた与野党8人の国会改革の勉強会は、人員を大幅に拡大して再開しています。今日は午前10時から、当面の提言について記者会見で発表を行います。

 その中の一つに、予算委員会では予算の議論をして、政治倫理の問題は(証人喚問の担保や少数党による開催、報道への公開を前提に)政治倫理審査会など別の委員会でやるべきだ、というものがあるのですが、昨日民主党の岡田幹事長は政倫審の議決につき、「しても小沢元代表が出ないことが明らかなので意味がない」として、断念すると述べたそうです。

 そうなるとまたこの予算委員会でも、政治倫理の問題を追及せざるを得ないことになるでしょう。一刻も早く国会改革がなされるようにこれからも活動を続けていきます。

[党大会での決意]

 来る1月23日の党大会では、自民党が再び政権を担うに足る政党に力強く生まれ変わる旨のメッセージが打ち出されることになるでしょう。運動方針には党改革の独立項目や反省の姿勢、草の根運動など行動の方向が示されます。私が準備に汗をかく前日22日午後1時からの党本部704号室での「政権奪還への党改革ワークショップ」では、全国からの来訪者を前に、党改革に向けた提言・議論を行います。ここ数日マスメディアからの取材が相次いでおり、しっかり頑張りたいと思います。

平成23年1月14日

[末期的保身人事]

 菅第2次改造内閣が今日発足します。

 自民党は、参議院で問責決議が可決された仙谷官房長官と馬淵国交大臣の交代を求めていましたが、菅政権は「法的拘束力のない問責決議で閣僚を交代できない。野党が審議拒否をしても世論は味方しない。」と当初は強気の姿勢を示してきました。

 ここへ来て両者の交代を余儀なくされたのは、野党の主張のためではなく、もはや修復不可能になった党内の亀裂のためです。

 政権の支持率が急落する中、参議院西岡議長をはじめ小沢元幹事長を支持する議員が平然と「仙谷降ろし」を口にし、昨日開催の党大会やそれに先立って開かれた両院議員総会でも執行部退陣などの不測の動議が出かねない状態でした。新年会でも菅支持派より小沢支持派の方が多く議員が集まる中、政府としては改造は避けられない状況だったのです。

 しかし、菅内閣が投げてきたのは「与謝野経済財政大臣」というビーンボールでした。

 菅総理は「経済的に発想が近い」などとうそぶいているようですが、冗談も休み休み言って欲しいと思います。与謝野さんは自民党政権では官房長官や財務大臣を歴任した中枢人物で、その「増税財政再建路線」を、民主党は厳しく批判してきたのです。そして民主党政権が発足した際、与謝野さんは民主党の政策を強く批判し、「保守勢力の結集・打倒民主党政権」を掲げて、新党たちあがれ日本を結成しました。予算委員会で鳩山総理の政治資金問題を舌鋒鋭く追及した張本人でもあります。蓮舫大臣が野党時代に猪口少子化担当大臣に障害者にまつわる心なき質問をしたことを、テレビで口を極めて批判したこともあります。

 同じ選挙区で激しく戦った海江田大臣の後任として与謝野さんを起用するというのは常軌を逸しているとしか言いようがありません。しかも、与謝野さんはその海江田さんに先の衆院選で小選挙区で敗れ、自民党の比例枠で復活した議員です。自民党を辞めるのみならず民主党政権の中枢に座るのであれば、議員辞職してからにしてもらわなければ、東京一区の有権者は、与党支持者も野党支持者も納得できないでしょう。

 これで自民党の政策面での追及が甘くなると思ったら大間違いです。もはや民主党のマニフェストは完全に破綻したことが明らかとなりました。その政治責任に加え、この厳しい経済下で成長戦略を取れない政権スタンスをしっかり明らかにしていきます。
 加えて、今回の人事では依然として小沢氏支持グループが厚遇されておらず、民主党の党内抗争が沈静化するとは到底思えません。石川議員や小沢氏の司法手続は、私が様々な機会に見通しを述べたとおり着々と進んでおり、それが政局に影響することも必至でしょう。

[そこで私たちは]

 自民党も党大会を控え、運動方針を確定しました。私が関わっている党改革も、前日地方からの参加者を交えたワークショップを開催するとともに、党大会での運動方針にしっかり明記され、成案作りが進んでいます。また、統一地方選を控えてマニフェストのブラッシュアップも着々と進んでおり、政権奪還への体制が整いつつあります。

 連日の新年会での激励の声もとみに増えてきました。その声をしっかり受け止め、本格的に今年も走り出します!

平成23年1月6日

[激動の年の幕開け]

 いよいよ平成23年のスタートです。自民党本部でも昨日が仕事始めでした。

 谷垣総裁より力強く「現政権を追い込み、解散を目指す」との挨拶がありました。この方針に対しては「国民は政局よりも政策の進展を望んでいるはずだ」という異論があるところです。

 一般論としては、総選挙で民意を得た政権政党がマニフェストにのっとった統治をし、次回選挙で(マニフェストの適否やその実行度合いなどを含めた)審判を受けるべきです。しかしこの政権に関しては、明らかに通常のケースと違うのです。

 前原外務大臣や藤井元財務大臣が既に認めているとおり、民主党は「財源論で絶対無理と承知でマニフェストを作った」のであり、ほぼ全ての候補者がこの「無駄をなくせば16.8兆(場合により“20兆”)の財源が出て、子ども手当てをはじめとしたマニフェストの実行が可能だ」とうたって議席を得ているのです。
 一般の契約でも重大な詐欺により締結された場合は取り消すことができるとされ、もはや世論の大半が菅内閣を支持していないのみならず早期解散を求めている現在、菅政権打倒を訴えるのは当然です。マニフェスト修正の動きも顕著ですが、国民との約束を大幅に変更するのであれば民意を問うてからにすべきです。(なお、小沢元幹事長は「マニフェストを実行することは可能だ」などと主張していますが、ガソリン値下げ隊を結成してまで訴えていたガソリン税暫定税率廃止を自ら簡単に翻すなど、主張に一貫性がなく、単なる政局目当てであるとしか言いようがありません。)

 財源論のみならず、後期高齢者医療制度の廃止、天下りなど公務員制度の改革、普天間基地の県外移設(鳩山前代表の演説)など、自民党と違うことをすると訴えたことはことごとく失敗し、国益を損ねているのです。もはや一刻も早く、現政権に退陣を迫ることが国民にとっての要請であると思います。

 もっとも、当面ねじれ国会が続く以上、仮に「何でも反対というこれまでの野党と同様の戦略」によって政権の足をむやみに引っ張れば、私たちが政権に復帰しても同様の対抗措置を取られかねません。どの政党が政権を取っても、きちんと野党が責任ある対案を提示し、国会の場で成案を目指す議論を行って必要な修正・合意も行えるようにする仕組みを作ることは、党派の壁を越えて行わなければいけないことです。
 現在、私を含む若手8人の議員で国会改革の提言を行っていますが、それはこのような観点から訴えているものであり、決して与党を利するためのものではありません。そして、この3月の予算関連法案に臨んで自民党としてどうすべきかということについても、議論が煮詰まらない場合はテーブルを蹴ることも十分あると思っています。(私の考えは、文藝春秋昨年10月号「総理が誰でも国会は動く」対談をご覧下さい)

 加えて、仮に政権交代しても継続的に取り組まなければいけない問題は、超党派で進めるべきだと思っています。具体的には、年金など福祉の最低限のセーフティーネットの仕組みと、国防についての基本的な考え方です。
 二大政党制は基本的に「低負担・低福祉」を目指す政党と「高負担・高福祉」を目指す政党の対立ですので、必要最小限の福祉のあり方については争点とならないはずなのです。また、国防についての基本的な考え方と同様、長期的な展望が必要でころころ変えることが望ましくない領域でもあります。

 これに対して、消費税率をどれだけにするべきかという議論は、福祉の全体量をどれだけにするかと関連するので、超党派で行うのにはなじまないと考えます。

 ちなみに民主党は「消費税を見直す場合は解散で民意を問う」と繰り返し表明していますので、その意味からも今年中の解散は避けられないでしょう。

 以上、激動の年に臨む私の考えを表明させていただきました。私の発言はいつも同じです。これからもぶれることなく、信念を貫いて参ります。そして来たるべき政局動乱にいつでも対応できるよう、今月開催される党大会を大きなステップとし、春までには自民党改革をきちんと形にできるよう頑張ります。

[地方も激動の時]

 この春は統一地方選挙のシーズンです。地方分権の重要性が叫ばれる中、何としてもよい結果を出さなければいけないと思っています。私は自民党埼玉県支部連合会の副会長として、また党所沢支部長として、ベストを尽くす所存です。

 もっとも、この春には私も第一子が授かる予定で、色々不安が尽きません。同じくお子さんを出産された野田聖子議員にもお話を伺うなどして、何とか乗り越えていきたいと思います。

 本年もよろしくお願い致します。

平成22年

平成22年12月29日

[年の瀬のドタバタ劇]

 昨日、民主党小沢元幹事長が急きょ記者会見を行い、衆議院政治倫理審査会に出席すると発表しました。

 用意された紙を読み上げる会見。しかも「出席により国会審議が円滑に進むのであれば通常国会の冒頭で」「そうでなければ予算成立後」という条件付きです。

 言うまでもなく、自民党は参議院で問責決議をした仙谷長官と馬淵大臣の交代を審議入りの前提としていますから、小沢氏が掲げた前者の条件は、この両者を変えない限り満たされないということです。しかも司法手続がどうなるか予断を許さない中、この内容では実質的に時間稼ぎと言われても仕方ありません。
 案の定、民主党執行部も無条件で通常国会前の政倫審出席を求める方向を示しており、小沢氏との対立は依然解消されていません。

 前回のこの欄で、私は「証人喚問の前段階としてなら政倫審を要求する意義はある」と書かせていただきましたが、民主党執行部も小沢氏も、偽証罪の適用のある証人喚問を実施する覚悟はなさそうです。昨日自民党の逢沢国対委員長に電話したら、野党間できちんと連携してこの問題に対応したいと言われていました。

 政局は予断を許さない状況が続いています。私自身色々思うところがありますが、副幹事長としてきちんと行動していきます。

[自民党所沢支部の方針]

 一昨日、私が支部長を務める自民党所沢支部は、対外的に春の統一地方選挙に臨む姿勢を発表しました。

 市議会議員については保守系の現職を推薦、希望者には公認を、自民党埼玉県連に申請します。新人の希望があれば、推薦・公認について、一定の基準を設け、オープンに支部役員会で協議します。

 県議会議員については、藤本正人県議の公認が既に決定していますが、さらに新人の希望があれば、上記と同様支部役員会でオープンに協議します。

 1月末が県連の申請中間締め切りとなりますので、それに先立ち協議のための役員会を開催します。(調整の結果1月6日となりそうです。)現在県議会の推薦を大石健一市議が求めておられます。開かれたプロセスを取り、地域から新しい自民党を作っていきます。

 今年は夏の参院選をはじめ、本当に様々な出来事がありました。とにかく政治を前に進めて欲しいという切なる声を耳にします。国会改革や党改革、新しい政策の旗に向けた取り組みなど、私ができることを来年も全力を尽くしてしていきたいと思っています。引き続きのご支援をお願い申し上げますとともに、よい年を迎えられるよう心よりお祈り致します。(来年早々、報告することがありそうです。)

平成22年12月20日

[理念なき増税に喝!]

 16日に決定された税制大綱は、民主党の完全な行き詰まりを示しました。

 法人税の実効税率5パーセント引き下げは、長期的な国際競争力強化のために必要なこととはいえ、規模が小さく力不足です。何より7割の法人が欠損を抱える中、繰越欠損の縮小を財源にあてるというのでは企業の実質負担減につながりません。減価償却や研究開発減税の圧縮も、成長と矛盾した単なる帳尻合わせの色彩が大きいものです。

 個人税制についても、目先の選挙に向け、所得の高い方々への負担を増やす内容のものが多くなる一方で、各種控除制度をどうするかなど理念に関わる部分は結局先送り。子ども手当ての導入に伴い決定された15歳以下の扶養控除廃止により、児童手当に比べて負担が増えることの多い3歳未満の子どもに月7000円の子ども手当て上積みをするという、まさにつじつま合わせの改正をしています。

 アンチビジネスの政策はそのまま、頑張る人が報われない税制、これでは外国から金も人も集まるはずがありません。しかも消費税をめぐる迷走に見られるとおり、現政権はそもそも姿勢の一貫性や信頼性に欠けていることが万人に明らかとなっています。不況からの脱出が当分先になり、財政再建も目処が立ちません。

[小沢氏をめぐる迷走に喝!]

 衆議院政治倫理審査会への対応をめぐり、菅総理と小沢元幹事長の会談が実施されます。前回のこの欄に書いたとおり、民主党の党内抗争に関わらず自民党としては証人喚問を求めていくべきだと考えていますが、その前段階としてなら、野党が結束して政治倫理審査会開催の議決を求める意義はあると考えています。議決に強制力がなくても、小沢氏がこれを拒めば「国会で議決されれば説明に応じる」という本人の姿勢に矛盾が生じることを明らかにできるからです。強制起訴があっても国会で説明すべきことはいくらでもあります。

[地元政治も活発化]

 昨日投開票を迎えた三芳町長選挙では、自民党・民主党・公明党が推薦していた現職の鈴木英美町長が、僅差で新人の林伊佐雄町議に敗れました。この選挙では色々なことがありました。新町長には地域の発展のため尽力いただきたいと思います。来年の統一地方選挙に向けた動きもこれから活発に動いていくでしょう。

平成22年12月13日

[党内抗争、数合わせ、そんなの関係ねえ]

 昨日実施された茨城県議会議員選挙で、民主党の議席伸び悩みが伝えられています。都道府県は基礎的自治体(市町村)と国の中間に位置しますので、国政の動向がかなり色濃く反映された結果であると言えます。

 しかしながら自民党が(圧倒的多数を維持していますが)議席を減らし、無所属が増えているということも真摯に受け止める必要があります。
 党改革委員会は今週でひとまず年内の活動を休止することになるでしょうが、先週金曜日にゲストとして来られた田原総一朗さんの「国会は政策をまとめ、市民に責任を持って説得せよ」という指摘も取り入れた形で、提言を練り上げる作業は引き続き行っていきます。今週は、これまで選挙に負けるたびにまとめられた「総括」が、その後どのように実行されてきたかの検証も行います。

 民主党は小沢元幹事長の衆議院政治倫理審査会への招致をめぐり、分裂もささやかれる深刻な党内抗争に発展しています。しかし、国民の大多数が小沢氏の政治とカネについての説明責任は不十分だと考えている中、小沢氏と本当に行動を共にする議員がどれだけいるのでしょうか。総理は代表選で「政治とカネの問題に決着をつける」と断言していたはずです。政治倫理審査会は無論のこと、偽証罪の適用のある証人喚問の開催に動くべきです。

 (ちなみに前回のこの欄で触れた超党派若手議員で行った国会改革の提言では、「予算委員会ではスキャンダルを扱わない」としていますが、それはあくまで政治倫理審査会がきちんと中継入りで開催され、証人や参考人も呼べるようにする、という改革を前提条件としています。現時点での自民党の姿勢とは矛盾していません。)

 この問題も含めてですが、民主党は今、衆議院の3分の2の数合わせだけに心を砕き、理念がそっちのけになっています。
 確かに参議院で野党が多数を占める中、法案の再可決を確実にするために衆議院で3分の2を確保する多数派工作をしたいのはわかります。しかしそれは、国会を数合わせのセレモニーの場としか考えない一昔前の国会対策政治の発想です。
 戦時中の大政翼賛会ならいざ知らず、このような(諸外国でも共通に苦しんでいる)不況や財政再建に取り組むということで、外交の深刻な失敗を招いた社民党との連立復活を模索したり、小選挙区で相争った自民党との大連立を考えるなど、世界に説明できない恥ずかしいものではないでしょうか。

 まずは与野党の真摯な話し合いのための努力が必要です。(前述の国会改革の提言はそのために行ったのです!)そして長い目で実現するなら、理念を軸とした政界再編でしょう。予算を組むのにも、無駄の排除を行うにも、哲学や理念が背景になければいけません。そうした政党の魂とも言える理念をそっちのけにした数合わせの動きには、断固反対していきます。

 こうした私の思いを、昨日放送されたテレビ番組BS-TBS「政策討論 われらの時代」で訴えました。来週19日の午後5時から5時54分にかけても再放送されますのでご覧いただければ幸いです。
 最近メディアの取材を受けることが多くなっていますが、思いをきちんと伝えていくつもりです。

 メディアと言えば、政府が来年中に消費税の引き上げを決定するという報道があります。民主党は「消費税の引き上げをする場合は信を問う」と言い続けていますから、来年に解散・総選挙を行うという方針を固めたということでしょうか。

[地元政局も動く]

 明日は地元三芳町長選挙の告示日。また、自民党所沢支部の役員会も開催されます。年末から来年にかけては、首長・議会選挙が相次いで実施される重要な時期です。難しい問題も多々ありますが、しっかり対応して参ります。

平成22年12月6日

[ついに全力前進へ、党・政治制度改革]

 12月2日、いよいよ党・政治制度改革推進本部の、党改革委員会第1回総会が実施されました。

 谷垣総裁、石原幹事長、石破政調会長、小池総務会長が勢揃いする中、会は冒頭から谷垣総裁により強いリーダーシップを求める声が出るなど白熱しました。小泉進次郎議員も「自民党は野党でいる間に徹底的に変えるべき所を変えなければいけない」と発言し、注目を集めました。

 例えば、前回のこの欄で紹介し、12月1日に予定されていた党首討論が結局開催されなかったことが話題となりました。
 これは、自民党が「参議院での問責決議が可決された仙谷長官や馬淵大臣の党首討論への同席は認めない」と主張し、民主党が「法的な意味のない決議で両者の同席が妨げられてはならない」と主張して折り合えなかったわけです。私は党首討論委員会理事として、岸田筆頭理事にも「相手の主張を飲む必要はないが、そもそも大臣の党首討論への同席は単なる慣習だと言って開催して欲しい」とお願いしていました。2日の小泉議員も「もし自民党が大臣抜きの党首討論を持ちかけ、民主党が拒否していたら、逃げる民主党をアピールできた」と、慣習にこだわらないことの重要性を指摘したのです。

 運営や組織には、先人のノウハウが生きている部分もあります。しかしそれが国民の信頼を失っている原因になっているとすれば、「変えていく」か「変えない必要性をきちんと国民に説得する」かいずれかが必要です。
 今後集中的に会合を開き、党改革を来年の早い時期までに仕上げていきます。明日も2時から会合を開きます。「民主党がダメなのはわかった。でも自民党は何をするのか」「自民党は国民の信頼を失ったが、政権復帰に足りる信頼回復ができているのか」ようやく支持率が回復してきたとはいえ、自民党に本当に多く寄せられるこれらの声に応えていくのです。マスメディアの関心も非常に高く、多くの取材をいただいています。

 折りしも、今朝の毎日新聞には、河野議員ほか超党派若手議員との国会改革に関する提言(今年の文藝春秋10月号に掲載した内容をまとめたもの)が取り上げられています。これからのあるべき政治についてきちんと訴えていきます。定数削減や政治資金の問題についても逃げることなく取り組みます。

[45回目のBirthday]

 昨日、45回目の誕生日を迎えました。あっという間に政治の世界で6年半が過ぎました。しかし闘志はいささかも衰えていません。昨日は所沢シティーマラソン5キロの部に参加しました。(記録は23分台とそこそこでしたが。)また、大井しばワンCLUBの皆様との忘年会に先立つボーリング大会でも大いに汗を流しました。これからも全力で走り続けて行きます。

≫平成22年11月29日

[大いなる不安と一縷の望み]

 23日午後の北朝鮮による韓国延坪島の爆撃により、極東には大きな緊張が走りました。

 何よりも心配だったのは被害の大きさと以後の全面衝突への可能性でした。
 衝撃的な映像に比較すれば犠牲者の数は軍人2人、民間人2人であり、かつ北朝鮮は民間人犠牲者を出すのは本意ではないというメッセージを出しているようですから、おそらく全面戦争への発展までは容認していないのでしょう。金正恩体制への移行に伴い、韓国の軍事演習にかこつけた悪質な国威発揚を狙ったものという感じがします。

 日本の初期対応は極めてお粗末で、総理は第一報をメディアで知り、関係閣僚会議は午後8時45分の開催と砲撃から6時間経過後に開催。防衛省制服組の参加する安全保障会議は開催されることなく、治安の要岡崎国家公安委員長は関係閣僚会議が開かれるまで登庁の動きなし。仙谷長官の北朝鮮への非難メッセージは米国のそれに3時間遅れる午後10時近くでした。「政治主導」と言いながら、民主党の政務レベルが事務方から信頼されておらず、危機管理をリードできないことが改めて明らかになったといえます。

 しかも中・露への明確な対北朝鮮制裁の働きかけもなく、邦人保護も(元来自民党の提案している自衛隊法改正を店ざらしにしていること自体問題なのですが)きちんとした対応ができていると感じられません。私も党の国防部会で問題点を指摘するとともに、毅然とした対応を政府に求めました。

 昨日始まった米韓軍事演習に日本は参加していません。この演習中の不測の事態に備え、菅総理は「閣僚はすぐに出勤できる場所にいるように」「警察は不測の事態に備えるように」と指示するのみ。大丈夫でしょうか。

 中国は案の定、昨夜になって6カ国協議の枠組みでの話し合いによる解決をうたい出しました。この期に及んで妥協で北朝鮮に宥和的な解決を図ることは許されないでしょう。既に北朝鮮はウラン濃縮に成功し、核ミサイルで壊滅的な被害を与えることのできる力を手に入れているのです。明確な封じ込めのための対策・制裁を、日・米・韓が連携して求めていく以外にありません。

 そうした中、昨日投開票の沖縄知事選で、自民党県連が推薦した現職の仲井真弘多氏が僅差ながら再選されたのは本当に良かったことだと思います。対立候補の伊波氏は強硬な左翼と言われており、もしこの知事が誕生すれば普天間基地の固定化と日米同盟のさらなる悪化は避けられない状況でした。

 仲井真知事も基地の県内移設には反対の方針ですが、政府との対話を否定してはいません。民主党政権の間は解決困難でしょうが、政権を私たちが奪還し、しっかりとした見通しと誠意をもって話し合えば、きっと解決に向けた明りが見えてくるでしょう。

[国内政治も緊迫]

 補正予算は成立しましたが、仙谷官房長官と馬淵国交大臣の問責決議は成立し、国会は緊迫の度を増しています。小沢元幹事長の証人喚問も目処が立っていません。前回のこの欄で問題とした防衛次官通達も撤回されていません。バラまきマニフェストで有効な経済対策も望み薄です。

 私は党首討論実施のための国家基本問題検討委員会の理事をしていますが、何とか12月1日にこのような状況をどうするか菅総理に明らかにしてもらうための党首討論を実施するよう、岸田文雄筆頭理事とともに求めていきたいと思います。

 無論党改革への動きも加速させます。党・政治改革実行本部で、議員歳費の日割り法案を了承しましたが、もっと大きな改革への動きに踏み出す動きがようやく起こせそうです。

≫平成22年11月22日

[急きょの登板その1]

 柳田法務大臣が辞任を表明しました。

 「法務大臣は二つ覚えていればいい。『個別の事案についてはお答えを差し控えます。』これはいい文句ですよ。分からなかったらこれを言う。もう一つ『法と証拠に基づいて適切にやっております。』この二つ。何回使ったことか。」

 憲法63条は、国務大臣の議院での説明のための出席義務を規定していますが、これはその趣旨を踏みにじる、国会軽視も甚だしい発言です。しかも死刑執行のサインまでもするという法務大臣の責務を軽んじ、歴代法務大臣の職をおとしめるものでもあり、断じて許されません。

 柳田大臣はこの問題を16日の衆議院法務委員会で指摘された際、「身内の会合で」「少々茶化したかもしれません」などと答弁していましたが、実はカメラも回っている法務大臣就任祝賀会での発言であり、映像を見てあ然とした方が大半だったのではないでしょうか。こうした自覚のない方には即刻辞めていただく以外にありません。

 のみならず、柳田大臣はこれまでその職責を全うしていたとは到底思えません。

 衝突事件で逮捕した中国漁船船長の不可思議な釈放につき、那覇地検と最高検で方針決定した際自分は報告を受けながら異論を唱えなかったと認めながら、委員会で私が責任を追及すると、自分の責任につき副大臣に答弁させようとしました。一連の検察不祥事の検証のため設けられた最高検のチームの座長に、訓告処分を受けた次長検事当人を指名するなど、人事も首をかしげるようなものが多く、国会の質疑では聞かれたことを理解せずに的外れの答弁を行うなど、法律知識のみならず一般常識も欠けていた大臣です。

 もしも今日辞任表明をしていなかったら、参議院で柳田大臣の問責決議案が、衆議院で不信任案が提出される予定でした。そして衆議院で自民党を代表して不信任案への賛成討論を行うよう指示をされていたのが私だったのです。

 準備をしていた緊急特命はなくなりましたが、柳田大臣は直前まで辞任を否定し、任命権者の菅総理も大臣をかばおうとしていたのですから、総理の見識のなさや責任も極めて重いと言わざるを得ません。これからも国会で議論を続けます。

[急きょの登板その2]

 前回のこの欄で紹介した中国漁船衝突・映像流出事件調査のための11、12両日の石垣島への出張について、谷垣総裁や石原幹事長に報告していた15日のことです。急きょ「今日これから予算委員会で15分質問して欲しい」と指名されました。馬淵国土交通大臣と仙谷官房長官の不信任案提出を裏付ける質問ということで、かなりの重責です。特に、前回のこの欄で書いたとおりこれまで職務にそれほど不具合がなかったと思われる海上保安庁につき、また国民の多くが同情している映像流出を行った神戸の保安官につき、所管の馬淵大臣のいかなる責任を追及するかが鍵となりました。

 疑問のある映像の秘匿ではあっても、対中国の外交材料として仙谷官房長官が厳格に行う方針を定め、馬淵大臣もその旨了解しながら何ら有効な手立てを講じることなく、日本の情報管理の杜撰さを天下に知らしめることとなったのはやはり問題で、そういう観点から端的に質問を行いました。その後の不信任案では公明党やみんなの党も同調し、一定のインパクトはあったのでないかと思っています。

 予算委員会の質疑の様子や、党の公式ホームページでの石垣出張報告を是非ご覧下さい。今後とも国境の安全についてしっかり考えて参ります。

[地元入間基地での出来事]

 私の選挙区の隣にある航空自衛隊入間基地で3日に開催された航空祭。いつもお元気な後援団体の会長のご挨拶は、今の政権を厳しく批判する内容でした。しかしこの会長は自民党政権時もだらしがないことがあれば歯に衣着せぬ物言いで政権を批判し、自衛隊の発展をこよなく願ってきたのです。
 今回防衛事務次官名で、こうした民間団体の方の発言を事前チェックして自衛隊の行事への出席を制限するかのような通達が出たのは、表現の自由に対する重大な挑戦であるように思えてなりません。これまでこのようなことは一切なく、出席していた民主党議員が何らかの圧力をかけたという疑いが濃厚です。

 現場にいた一人として、またこれからの自衛隊を憂うる者として、きちんとチェックをしていきます。

≫平成22年11月14日

[炎の沖縄出張]

 党の特命を受け、11月11、12日にかけて森雅子参議院議員と石垣市及び那覇市を訪れ、尖閣沖中国漁船衝突事件についての現地調査を行いました。ニュースでも取り上げられています。

 衝突時を撮影したビデオの流出についても関係者から話を伺いましたが、今回の出張は行為者とされる海保職員や海保の落ち度を追及するためのものではありません。現地で衝突の様子や、釈放に伴い現地にどういう不安・怒りが生じているかを確認するためのものでした。

 インターネットでは、衝突の際に海保職員がモリで抵抗されたとか、負傷(殉職)したとかいう情報も流れていましたが、巡視船「みずき」の船員、現地の方々や葬儀社に直接お話しを伺い、病院の情報も集めたところ、そのような事実は確認されませんでした。もっとも、過去においては海保の職員が海に突き落とされるなどかなり頑強な抵抗を受けたこともあったようです。

 漁師さんたちはしょっちゅう不審船と遭遇しているということで、今回の釈放が漁の安全に与える影響をとても心配しておられました。また、避難港など、日本の領有たる証であるとともに漁師たちの便宜にもなる設備を尖閣諸島に作って欲しいと要望されていました。

 石垣海保へのヒアリングによると、この海域には8月から中国漁船が増え、当日も付近には30隻もの中国漁船が航行していたとのことです。当然これら全てが領海侵犯や不正漁業を行えば石垣海保単独で対応できるものではありません。東京の本部を含め、海保相互の連携によって迅速に応援体制が敷かれるようネットワークができています。また、これまでも台湾船などが領海侵犯で逮捕される事案は多く、衛星回線を用いたネットワークで、現場撮影映像を石垣海保や那覇の第11管区海上保安本部に電送して捜査に利用するというルーティーンができあがっていたのです。

 捜査資料ですから映像を一般の方が自由に見られるようであれば明らかに問題ですが、海保の職員にのみ閲覧が特定される仕組みになっているなら、上記のようなオール海保での業務が求められる以上、情報のセキュリティーや漏洩者の特定システムに改善の余地があったとしても、少なくとも今までは致命的な欠陥があったとは言えないのでないでしょうか。

 ビデオを流出した海保の職員が国家公務員法上の守秘義務違反の罪に問われるかが注目されています。私は前回のこの欄で述べたとおり、今回の事案は公益通報には当たらないと思いますが、保護されるべき実質秘にあたるかは慎重に検討されるべきでしょう。個人的にはこうした行為を正面から許せば社会が成り立たなくなるとは思いますが、少なくとも情状面では充分有利な材料があると考えます。

 11管区海保の幹部の方が、現場の士気を落としたくないと語っておられたのが印象的でした。今後の国会質疑に生かしていきます。

≫平成22年11月6日

[悲痛な声、政権の瓦解]

 尖閣沖における中国漁船と海保巡視船の衝突の様子を撮影したビデオの流出が与えた衝撃はとても大きなものでした。

 昨日昼に党の領土問題特命委員会に出席した際、国土交通省に背景事情の説明を厳しく求めたところ、「調査中」の一点張り。本物かどうかの質問にまで「調査中」と答える姿に、そこまで中国に配慮しなくても…と怒りを通り越して滑稽にすら感じてしまいました。

 異例とも言える漁船船長の釈放も、ビデオの限定公開も、政府(内閣の言い分だと検察庁?)がAPEC(アジア太平洋経済協力会議)開催を前に、外交上の配慮をして決めた方針です。私は長期的な国益を考えれば、司法手続を曲げたことにもビデオの公開を遅らせたことにも反対ですが、少なくともここまで来れば「ビデオの全面公開」は外交上対中カードとして適切に使わなければいけないと考えていました。こんなことになるならやはり最初から提出しておけばよかったという感が否めません。

 案の定中国はそれでも意図的な衝突を否定しているようですが、APECなどの外交にどのような影響があるかは未知数です。何より、「今の日本政府に機密管理能力がない」という烙印が(さらに)押されることは確実でしょう。

 石原都知事は「これは内部告発だ」とコメントしているようです。公益通報という概念には厳密には当たらないでしょうが、映像を見る限り、これだけひどいことをした漁船船長を釈放した政府(検察庁?)の決定に対し、海保の職員が怒りに燃えていることは火を見るより明らかだと思います。そうした現場の思いに対して、菅政権は一体どう対応してきたのでしょうか?組織のガバナンス(統治)をなしていないと断じざるを得ません。犯人を特定して厳しく処分することだけで問題解決だとするのは大間違いです。

 今後、自民党としてはビデオの全面公開を求めていくことになるでしょう。逮捕のシーンを含めた「ビデオのさらなる流出」という失態は防がなくてはいけません。

 先述した私の領土特命委員会での質問の後、いくつかのメディアの取材を受けたので、上記のようなコメントをしておきました。

[予算委員会の質問はなくても…]

 党の国会対策委員会からは、来週の予算委員会に向けて準備はしておくようにと言われていたのですが、上記案件などの影響からか今回の私の質問はなくなったようです。テレビ生中継はありませんが、インターネットで視聴できる法務委員会などで引き続き様々な問題を取り上げていきます。

 党・政治制度改革実行本部の活動もいよいよ本格化します。党の抜本的信頼回復に向け、全力を尽くして参ります。

[米国中間選挙の衝撃]

 米国ではオバマ政権を支える民主党が中間選挙で大敗北しました。苦境からの脱出のためには単なるキャッチフレーズやパフォーマンスではなく、厳しさを乗り越える覚悟が必要だという国民のメッセージではないかと思います。草の根で小さな政府を主張した運動が広がったことも注目されました。私たちも、経済不況をはじめ様々な苦境に立つ現政権に対し、取って代わる明確なメッセージを打ち立てていかなければ、と決意を新たにしました。

≫平成22年10月28日

[ラジオで訴えたこと]
 昨夜、ラジオJ-WAVE81.3FMの「JAM THE WORLD」という番組の「カッティングエッジ」というコーナーに生出演しました。

 始まった事業仕分け第3弾について語る企画で、自民党による「事業仕分けを民主党議員が行うことは、国会議員の公務員兼職を原則として禁止した国会法39条に照らして問題があるのでないか」という主張について説明をし、ひいては今後求められる事業仕分けのあり方についてお話ししました。

 5月11日の衆議院決算行政監視委員会でも指摘したとおり(議事録をご覧下さい)、私は自民党無駄撲滅プロジェクトチームの一員として、事業仕分け自体には賛成です。また、与党時代にもう少ししっかりアピールすればよかったとも思います。

 しかしあのように、(一部撤回されるものもあるとはいえ)一定の効力がある会議が、行政府でしかも国費を使って行われている以上、より透明で妥当性のある仕組みにならないといけないという問題提起をしました。そのために他の審議会などでも求められている上記したような国会法39条の「両議院一致での議決」を経るべきなのです。

 そもそも、今は民主党が自民党政権が残した予算や行政をチェックしているからそれほど違和感がないのかもしれませんが、今後政権が時を重ねたら民主党政権が作った予算や行政を民主党だけが(外部有識者も入るとはいえ)チェックすることとなってしまいます。こうした手続は、きちんとやるのであれば、本来国会で、決算(行政監視)委員会において、与野党合同の議論をもって、仕分け人の選任も含め、公正かつ透明なプロセスにより行われるべきでしょう。

 今後も理解が得られるよう議論を重ねて参ります。また、自民党無駄撲滅チームの会議では、民主党が、自民党政権で懸命に進めた天下りの規制などにつき、今着々とその抜け穴作りをするなど公務員制度改革の逆行を行っている実態を分析しています。これではいくら仕分けをしてもとてもまともな予算の節約はできません。

[政策の詐欺を許さない]

 民主党はあれほど訴えていた「企業・団体献金の禁止」を棚上げし、献金受領を再開するそうです。「法で禁止してから3年で実行するのだから今は再開しても問題はない」とのことですが、納得する方はいないでしょう。
 私は個人献金を拡大するのは賛成ですが、一部の党を除き、すぐには与党も野党も企業・団体献金の全廃はできない実態を知っていますから、まずは政治資金のディスクロージャー(情報開示)により透明性を高めること、そして外部チェックをしっかり行うことが大切だと主張し続けています。できないことをパフォーマンスで言って「あれはやめます」と撤回することがどれほど政治家や政治に対する国民の信頼を失わせるか。私は自分の言葉に責任を持ちたいと思います。

 このことは、TPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定)をめぐる民主党内での混乱にも言えることです。いったいどうマニフェストやこれまでの主張と整合性を取るのか。きちんと明らかにしてもらわないといけません。

[台湾行き、再び]

 自民党青年局前国際部長として、10月末に、台北松山空港と東京羽田空港との就航記念行事に参加するため、台湾を訪問します。今回は安倍晋三元総理もご一緒です。懸案事項もある日台関係ですが、筋の通った関係強化のためにしっかり頑張ります。

 奄美の豪雨も心配ですが、地元でも冷たい雨がたびたび降るようになっています。農業・経済は少しでも暖かくなるように祈るばかりです。

≫平成22年10月25日

[補選の圧勝が語るもの]

 昨日投票が行われた北海道5区補欠選挙は、町村信孝候補が民主党の新人に3万票以上の大差をつけて圧勝しました。

 実は今回の補欠選挙は私の6年半前のデビュー戦となった補欠選挙と瓜二つだったのです。

 小選挙区選挙で勝利した前職が不祥事で辞職し、その後38歳の若手が立候補するのを、比例復活していた対立候補が議員辞職して迎え撃つ…

 しかし私は勝利し、今回の新人は苦杯をなめました。私は候補者の個人的なことはわかりませんが、少なくとも国政の状況が二つの選挙で全く正反対だったことは断言できます。

 私の選挙の時は直前にイラクにおける邦人人質事件が発生し、過激派による殺害の恐怖が高まる中、小泉総理は要求された自衛隊の撤退に断固応じることなく解決に向けた努力を重ね、まさに補選の直前に全員の電撃的解放という最良の結果を迎えました。そしてその翌日、奇しくも小泉総理の所沢入りの日程が組まれていたのです。駅は聴衆の方々の熱気にあふれました。

 一方、今回の補選では直前にフジタ職員が拘束される中、菅政権は勾留していた中国人船長を釈放してしまい、尖閣問題で筋を曲げたと捉えられてしまいました。総理はついに選挙区に入ることはありませんでした。

 今の政権は政策で筋を曲げ続け、小沢氏の証人喚問からも逃げています。前回のこの欄で紹介した党首討論の27日の開催への要求も「難しい」などと言って拒否しています。

 今回の選挙では無党派層の5割が町村候補に投票したとされます。総理、あなたが逃げれば民意も去っていきます。

[委員会質問でわかったこと]

 22日には衆院法務委員会で質問を行いました。テレビ中継はされませんでしたが、インターネットなどで激励の言葉を多数いただいています。今回の質問で法務大臣に基本的な法律のバックグランドがないことや、積み重なる法務不祥事への対応が場当たり的なことが露呈しました。是非その様子を動画サイトなどでご覧いただきたいですし、当方はしっかり対案を提示できるよう頑張りたいと思っています。

[政局流動化]

 今後国会の緊迫化が予想されます。地元日程を調整しながらも私も様々な場面で活動する機会が増えるでしょう。イギリス・フランス・豪州など海外からのお客様と面会する機会も増えました。皆さん日本の政局に関心を持ち、熱心に私の意見を聞いて下さいます。(極力英語で対応しています…)
 できることを一歩一歩、着実に行っていきます。

≫平成22年10月20日

[最注目の委員会]

 昨日、私が理事を務める衆議院国家基本政策委員会の第1回会議が開催されました。

 なじみの薄い名前ですが、要は参議院と交代で行われる党首討論の場です。議論に立つのは党首だけですが、自民党の委員を見ると顔ぶれがすごい。
 谷垣総裁、大島副総裁、石原幹事長、石破政調会長、小池総務会長の5人です。党のトップが党首討論での総理の発言を子細にチェックして対応を検討するということでしょう。こうした委員会の理事になり、一番近い席で総理と質問者の表情や息づかいまでも感じられるということは、大変な勉強になると思います。

 私は9月22日の自民党全国会議員懇談会の場で、党首討論は定例的に開催するべきだと主張し、昨日は、ともに本委員会で自民党理事を務められる岸田文雄議員から与党側に対し、同趣旨の申し入れを行っています。補正予算の審議などを考え、来週27日を今国会の最初の党首討論日にしてもらうべく働きかけを続けます。

[委員会質疑、始まる]

 併せて、昨日は所属する法務委員会で、柳田法務大臣の所信表明があり、明後日には早速それに対する質疑が実施されます。自民党からは影の法務大臣平沢勝栄議員に加え、稲田議員と私が質問に立つことになりました。

 中国漁船船長釈放問題、村木元局長裁判証拠偽造問題、民主党小沢元幹事長の起訴相当議決をめぐる問題、司法修習生の給費の問題など、法務行政はかつてないほど問題が山積し、注目も高い分野です。まずは法務大臣のスタンスを大きな目できちんと確認しておこうと思っています。

[イベント満載の秋]

 山本一太議員ほかと行っている中央大学政策大学院でのゼミもスタートし、地元での文化祭などのイベントも盛り沢山です。季節の変わり目ですが健康に留意して走り続けます。

≫平成22年10月11日

[必ず進む党改革]

 6日、自民党の党改革・政治制度改革実行本部の役員会が開催されました。

 選挙制度や政治資金の仕組みは与野党を超えてきちんと議論をしなければいけないし、有権者の支持が依然として思わしくない自民党をどう立て直すかも喫緊の課題です。

 私は事務局次長として全ての案件で汗をかくこととなりました。特に党改革問題については、塩崎恭久本部長代理が、私の補欠選挙の際全国公募を立党以来初めて導入された実績もあり、踏み込んだ改革ができると確信しています。

 今回の党人事では影の内閣入りを辞退してでもこの案件に賭けたいと言ってきました。全力で頑張ります。

[小沢問題、手探りの民主党]

 検察審査会による小沢氏の2度目の起訴議決は民主党に大きな波紋をもたらしています。

 私は5日夜から6日にかけてのニコニコ生動画放送に出演し、前回のこの欄で書いたとおり、客観的に見て起訴が妥当であるし、証人喚問に本人が応じて説明責任を果たすべきだと主張しました。

 出演前に議決書の写しを読み、添付別紙に記載された犯罪事実に、不起訴の対象となった不動産取得の期ずれのみならず、原資となった4億円の不記載も含まれていることについてはわかっていました。
 放送前の楽屋では他の出演者と「石川知裕議員の起訴事実を準用したのだろう」「しかし期ずれとこの原資の問題は密接に関わっており、起訴議決自体が無効とはならないし修正が可能だろう」という議論をあらかじめしていたのです。

 放送でも私は同じように主張しました。(一部報道で「柴山議員が初めは議決が問題ないと言っていたのに途中から問題を認めた」などというものがありますが誤りです。)元東京地検特捜部の若狭勝弁護士も基本的に私と同意見のようであり、これからの展開が注目されます。

[邦人は解放されたが・・・]

 中国当局により拘束されていたフジタの高橋定さんが釈放されたとのニュースが流れました。漁船衝突問題に見られるような中国の強引な手法に国際社会の反発が強まり、ノーベル平和賞にも人権活動家で中国にて服役中の劉暁波氏が輝いたということが響いているのは確実です。
 これから日中関係は好転するかもしれませんが、 圧力に屈したという事実はこれからも私たちの国際戦略に重い影を落とし続けるでしょう。折しも円高は日銀のゼロ金利政策にもかかわらず深刻な状況を続けています。日本の覚悟が信頼されていないように思えてなりません。漁船衝突時のビデオの公開も、これでやらなくてよくなったわけではないはずです。

[今週は予算委員会と北海道出張]

 いよいよ予算委員会が衆参両院で実施されます。私は夏に質問に立っていて今回は休み。火曜日初日は幹事長と政調会長に続いて河野太郎議員が質疑をする予定です。是非今の政権の問題点につき指摘するとともに、私たちがどういうスタンスであるか示していただきたいと思います。

 北海道5区の補欠選挙もだんだん近付いてきました。私の地元でも秋のイベントが種々行われていますが、今週は現地に応援に入ります。これからの政局にも影響する重大な選挙、町村候補に勝っていただくよう全力を尽くします。

≫平成22月10月4日

[小沢氏の起訴相当議決]

 東京第5検察審査会が、民主党小沢元幹事長の政治資金規正法違反事件につき、2度目の起訴相当議決を下しました。これで強制起訴となることが確定したわけです。

 前回のこのブログに書いたとおり、本件を検討してきた結果、一連の検察不祥事で取調べの信用性に疑問が生じても客観的な諸事情に照らしてほとんど結論に影響はないと感じています。小沢氏は即刻、衆参両院における証人喚問に応じ、説明責任を果たすべきです。

 民主党は小沢氏を除名ないし離党勧告処分にするのか速やかに明確にするべきです。また、今回の代表選挙において小沢氏が立候補したことをどう評価するか説明するべきです。

[なお司法の危機]

 大阪地検特捜部の捜査資料改ざん事件は、前特捜部長と前副部長が逮捕されるという異常な事態に発展しました。

 改ざんを行った前田検事の同僚から指摘を受け、調査の結果故意の改ざんがあったにも関わらず、組織的に隠ぺい工作を図ったうえ、前田検事に虚偽の報告書を提出するよう指導していた疑いが濃いとの報道です。徹底的に調査するとともに、実はこれが氷山の一角で検察庁に組織的なねつ造・隠ぺい・封建的体質があったのでないかを、外部の目を入れてしっかり検証する作業が必要であると感じています。

 折りしも、今年の新司法試験の合格者が、当初目標の3000人を大きく下回る2000人強となり、合格者の質の問題や、この秋貸与制への変更を予定していた司法修習生の国による給費制度をどうするかという問題の早急な検討が必要な時期です。司法関係者として、法科大学院も含めた制度全体の見直しをしていきます。

[政権は怒りの声に答えよ]

 尖閣沖中国漁船衝突事件の政府による処理に怒りの声が渦巻いています。船長の釈放に加え、衝突時の状況を撮影したビデオを、中国に配慮して公開しないという方針は、「やはり日本は一人でも人質を取られると意思決定ができなくなる弱腰の国なのだ」という印象を世界にもたらしています。韓国やロシアなど、日本との領土問題を抱える国々の対応にも影響してくるでしょう。
 しかも中国はレアアース(希少土類)の禁輸を、WTO(世界貿易機関)紛争となるのをなるべく避けようと巧妙に行っているなどの指摘があるしたたかな国です。毅然とした対応ができなければ日本の国益が失われます。

 この問題については、私も3日放送のフジテレビ「新報道2001」にビデオ出演して発言するなど行動しています。これからも筋を通すよう主張していきます。

[自民党改革へ動き本格化]

 菅政権の経済政策も含め、不信感が増す一方で、支持率が伸び悩む自民党でも、今週いよいよ党改革実行本部の総会が開催されます。私も事務局次長として、正面から大胆な改革を、選挙制度改革・国会改革なども含めて行う一助をしていきたいと強く決意しています。皆様のご指導をお願い致します。

≫平成22年9月25日

[不安と怒りの民主党外交]

 昨日那覇地検が、海保巡視船との衝突で公務執行妨害容疑により勾留中の中国人漁船船長を釈放しました。

 同地検の次席検事は私の空手部の先輩で、よく存じ上げています。しかし記者会見で、「日本国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を続けるのは相当でない」と外交関係にまで踏み込んで理由を説明されたことには、どうしても納得がいきません。

 確かに勾留中の被疑者を釈放することや、起訴・不起訴の判断を行うことは、法的には検察の裁量に委ねられています。
 しかし、検察はいったん19日に捜査継続が必要とみて10日間の勾留延長をしているのですから、29日に処分を決定するのが当然であって、中国当局に日本のゼネコン職員4人が拘束されているとの中国側のプレスリリースの直後に、外交的に極めて重要かつ異例な判断を検察が単独で行うことは考えられません。また、仙谷官房長官が当初は「日本の捜査に対しては冷静に対処して欲しい」とコメントして捜査当局の判断を尊重するような姿勢を示しつつ、実は衝突の状況を撮影した証拠となるビデオが首相官邸に持ち込まれているという事実も昨日の自民党外交部会で国交省当局が明らかにしているのです。政治レベルの判断が一切介在していないなどと誰が納得するでしょうか。

 そしてその悪影響は計り知れません。

 まず海上保安庁の職員の士気が大きく低下することです。それはそうでしょう。日本が領土問題など存在しないとする海域での領海侵犯を防ごうとした全く正当な職務行為を、政府当局が守ってくれないことが明らかになったのですから。これから同種事案はやられ放題ということです。

 現場海域で仕事をしている漁師さんたちにも大きな不安、制約となります。

 今後、ICJ(国際司法裁判所)で仮にこの海域の領土問題が判断されるに到った場合、国際的に見て異例の日本の譲歩の事実が、中国の領海であることの承認を示す間接事実と捉えられかねません。

 何より、「中国にモノを言えない日本」だということを、全世界に発信してしまったことの悪影響はもはやぬぐい難いものがあります。
  ASEAN(東南アジア諸国連合)は南シナ海で中国と領土問題を抱え、中国の外交的・軍事的プレッシャーと闘いながら国益を守ろうと必死なのです。日米安保体制を取っていて世界第三の経済大国である日本による、「人質を取られて脅されれば簡単に譲歩する」というメッセージを発したことが、折しもニューヨークで行われている米ASEANの協議にどう影を落とすのでしょうか。

 また、リベラル系の論者には、この釈放で今後中国との関係悪化が食い止められると考える人がいるようですが、全く逆だと思います。領土のように法的主張や司法手続をめぐる問題では絶対譲歩をしてはいけないのです。現にその後、中国はこの件で「中国の主張が正しかったことが証明された」と大々的なキャンペーンを張り、しかも日本政府に謝罪と損害賠償を求めてくるなどさらに攻勢を強めているではありませんか。そもそも小沢氏が100人を超える大量の国会議員を連れて訪中した時から、このボタンの掛け違いが始まっているのではないでしょうか。是非ご地元の民主党議員に意見を聞いていただきたいと思います。

 私は弁護士時代に、総会屋や反社会的勢力に悩む会社に「脅しには絶対屈してはならない」と指導し続けていました。小泉政権では、私の最初の補欠選挙期間中、イラクで武装勢力が日本人の人質を取り、自衛隊が撤退しなければ殺害も辞さないという緊迫した場面に際し、最後まで譲歩をせず人質解放にこぎつけました。

 同じ法曹出身の仙谷長官によるこの一連の対応には、強い怒りを感じます。一刻も早く政権奪還をし、米国をはじめ諸外国との関係正常化を行っていかなければいけないと感じています。

[検察の膿を出し切れ]

 大阪地検特捜部主任検事が、厚労省の村木元局長に無罪判決が出た郵便料金不正事件において押収した証拠を改ざんしたとして逮捕された事件は大きな波紋を呼んでいます。結局申請されなかったとはいえ、こうした実態が司法への信頼を損なうことは著しく、上司がいつ事実を知ったかなど徹底的な捜査を行い、検察の体質改革を行わなければいけません。

 過去の同検事の取り調べた案件を再度精査せよという声が出てくることは当然でしょう。もっとも、現在の民主党小沢元幹事長の検察審査会案件については関係ない資料がかなり多いので、結論は予断を許さないものの影響は限定的でないかと思います。

[急な秋の足音]

 夏の猛暑が嘘のように急激に冷えてきました。地元では秋の様々なイベントが行われています。季節の変わり目に体調を崩されることのないようにお祈り申し上げます。

≫平成22年9月17日

[菅改造内閣の顔ぶれ決まるも...]

 菅改造内閣の顔ぶれが決まりました。民主党幹事長への岡田外務大臣の起用ともども、私が前回この欄で注目点とした「脱小沢色」はかなり色濃いものとなったと思います。

 しかしその一方で論功行賞的性格が強いあまり「本当にこれで適材適所・政治主導となるのか」という疑問点があちこちに見られます。普天間問題や経済・財政問題など課題は山積しており、おそらく秋の臨時国会はかなり厳しい国会運営になるでしょう。政権が行き詰まれば冷遇された小沢グループが党内政局に打って出るかもしれません。いずれにせよ、現時点で再び上昇している菅内閣の支持率は、参院選の前のように再び急落しかねません。

 自民党も着々と「影の内閣」の設置を決め、執行部を含めて人事を固めつつあります。私も副幹事長に再任され、これからの政局や自民党の再生に正面から関わる立場となります。しっかりと頑張って参ります。

[為替介入の効果]

 菅代表再選後、政府は相次ぐ為替介入を行っています。

 前回のこの欄で述べたとおり為替相場への無策が批判された菅氏の再選を受けて大きく円高に振れて少ししてからの介入で、タイミングとしてはよく考えられたものと言えるでしょう。
 しかし米国で「自国の輸出に悪影響が出る」と早くも議会が懸念を表明するなど、やはり日本単体のオペレーションの限界がささやかれています。しっかり中期的なデフレ対策を打てるかが問われます。

[番組出演の依頼]

 今後の政局や二大政党制のあり方、財政や消費税、経済などの問題について、明日午後10時から、CSテレビ放送局朝日ニュースターの「闘え!山里ジャーナル」に出演して議論することとなりました。民主党からは蓮舫大臣が出演の予定だったようですが、組閣に伴い、別の方が出演されるそうです。みんなの党山内議員やメディア・学界の方々を交えて2時間、ご覧いただければ幸いです。

[台湾からの訪問客]

 8月末に党の青年局海外研修で台湾に出張した折にお会いした、台湾国民党の金溥聰秘書長(幹事長)をはじめとする訪問団が、つい先ほど自民党を訪問されました。

 谷垣総裁と私でお迎えしたのですが、尖閣諸島問題について総裁から、台湾の活動家に対して台湾当局がこれを守る姿勢をとったことにつき、抗議の表明がありました。私からも、2年前に続いての事件で今後の影響を懸念していると表明するとともに、国民党が中国と一緒になって日本に対抗しているような印象を日本人が持つことになりかねないと指摘しました。
 金秘書長からは、問題の人物はあくまでライセンスを持った漁民であり、台湾側として領有権を主張している尖閣海域に行くことを止めるわけにはいかないし、安全に問題が予見されれば守らなければいけないという主張がなされるとともに、中国と一緒になって日本と対抗するといったことはないと断言されました。

 お互いの主張をきちんとしたうえで協力関係を築き、問題解決の方法をともに考えるのが私たちの役割だと考えています。

[司法改革のこれから]

 厚労省の村木元局長が無罪判決を受けた郵便不正事件で、大阪地検が控訴を断念する方針を固めたということです。

 検察が客観的裏付けの不十分な供述を誘導などの手法で証拠としたことは大いに問題で、私がいつも主張している取調べの可視化にも一石を投じるものとなります。無論、捜査手法の多様性などと併せて改革をしないと、「嘘のつき得」「笑う真犯人」を認めてしまうことになりかねませんので、バランスの取れた改革が必要です。

 この秋から廃止となる予定の司法修習生の給費制をどうするかも問題となっています。貸与制を決めた6年前から弁護士の就職環境も大きく変わり、法曹や法科大学院の質の問題、チャレンジする受験者の減少など、司法改革の方向性はよしとしつつも今一度検証するべき状況は生まれていると思います。そして検証の間、一時貸与制導入を凍結してもよいとは思います。

 これからも司法全般について、きちんと議論を進めていきます。

[茶業議連の活動]

 13日に、党の野菜・果樹・畑作物等対策小委員会で、静岡県の茶業現地視察に行きました。私は狭山茶の産地の代表として、また茶業議員連盟のメンバーとして、厳しい現状にあり、文化・健康に大切な茶業の今後を考えるために出席しました。

 後継者不足と国民の嗜好の多様化、流通の激変と競争の激化など様々な実態が浮かび上がりました。既に、生産計画の作成や不作の際の助成などを内容とした茶業振興法を議員立法で提出しようとしているところですが、技術改革の促進や輸出振興、生産地表示や流通のあり方の見直しなど、幅広い対策が必要となります。引き続き検討していきます。

≫平成22年9月15日

[新たな政局の始まり]

 昨日、民主党代表選において菅氏が再選されました。

 互いを批判する熾烈な選挙戦だったようで、菅氏は「小沢氏だと透明な運営やクリーンさのない古い政治になってしまう」と言い、小沢氏は「菅氏だと政治的リーダーシップなき官僚言いなりの政治になる」と言って、相手に総理の資格がないと主張していました。

 これは残念ながらどちらもそのとおりです。

 一方政策面では、菅氏は「一に雇用・二に雇用で成長を目指す」と言い、小沢氏は「無駄をなくせばマニフェストを守る財源は出る」と言っていました。

 しかし菅代表再選を受けて、円高は一気に1ドル82円台と急速に悪化し、一方国債への安心感が生まれて長期金利は1.100%へと大きく低下しています。つまり、政策面では二人の主張は全く市場に信用されていなかったのです。

 何と国民にとって不幸な、究極の選択だったことでしょうか。

 ちなみに鳩山前首相のツイッターによれば、菅氏の応援には、官僚出身、元アナウンサー、政経塾出身、弁護士などの議員が多く回り、小沢氏を応援したのは一匹狼的な議員が多いとのこと。鳩山氏はこれは覚悟の差ではないかと言っておられますが、私は究極の選択の中でも冷静に考えを巡らせることができるか否か(または剛腕小沢で次の選挙の不安を何とか切り抜けたいと思っているかどうか)ではないかの違いだと思っています。各地元で有権者の方々は、民主党議員にどちらを支持したか質問されてみてはいかがでしょうか。

 いずれにせよ世論の多くが小沢不支持だったことに触発されて、議員票が(グループの足し算と異なり)菅氏支持が多数となったわけです。今後の菅氏の党運営は、小沢氏に厳しいものとならざるを得ないでしょう。まずは自分でおっしゃったようにクリーンな政治を目指して小沢氏に説明責任を果たさせるかどうか、新しい人事で脱小沢色を発揮できるかが焦点です。

[迎え撃つ自民党の体制]

 対する自民党は、人事の前倒しにより、石原幹事長、小池総務会長、石破政調会長という布陣となりました。「平時」モードから発信力の強い「乱世」モードに切り替わったと言え、地元の反応も上々です。私はまだどのような立場になるかわかりませんが、全力で職務を務めます。

 8日には私も議論に加わった党独自の経済対策が発表されました。独立行政法人の資産売却や民主党バラまきマニフェスト中止により、公共施設の耐震工事や雇用調整助成金の拡大、家電エコポイントの延長など5兆円規模の補正予算編成を行うことを提言しています。円高差益のファンド投資による還元やインフレターゲットの政府・日銀連携による共有といったところまで踏み込みました。

 きちんと対案を示したうえで秋の国会に臨みます。何でも反対ではねじれ国会の中、国民の生活は守れません。先日発売の月刊文芸春秋10月号に、民主党馬淵、長島、細野、泉各議員、自民党河野、みんなの党水野、山内各議員と私の対談・提言記事が掲載されています。「総理が誰でも国会は動く」というタイトルで、いかに国会を機能させるかについて議論しているので是非ご覧いただきたいと思います。

[心配な尖閣沖問題]

 尖閣諸島付近で海上保安庁巡視船と中国漁船が7日に衝突したことで、中国・台湾と日本の関係が緊張しています。言うまでもなく尖閣諸島は日本の領土であるにも関わらず中国が領有権を主張しており、政府には毅然とした対応が求められます。官房長官の対応は果たして適切か?しっかり監視していきます。

≫平成22年9月6日

[小沢氏でも日本は沈む]

 民主党代表選挙に関する各種世論調査を見ると、新聞などでは菅氏が優位を保つものの、インターネットや経営者の間では小沢氏の人気が高いようです。これを見て、自民党総裁選でネット上の人気が高かった麻生前総理のことを思い出しました。

 大手マスメディアの世論調査は、質問の仕方で結果がかなり動くという危険がありますが、ネット上の世論調査は、対象が限られていることや匿名性、一部の熱狂的支持・中傷情報で大量に結果が左右されがちなことなど、これまた過信は禁物です。

 確かに菅氏は前回のこの欄に書いたとおり、日本の直面する課題に有効なリーダーシップを発揮していませんが、小沢氏の代表就任が日本を救うとはとても思えません。

 その最大の理由は、小沢氏のイメージと実態のギャップが余りに著しく、そのギャップが利用されて非民主的な暗黒政治が実現されてしまうことです。

 小沢氏はかつて著書「日本改造計画」により、徹底した自己責任社会と国連中心主義による「普通の国」を主張し、大きな注目を集めました。私もこの時期政治家ではありませんでしたが、小沢氏が改革原理主義者だと思って共感していました。

 しかしその後の小沢氏を見ていると、「選挙第一主義者」であり、地元への公共事業や放送事業などの誘致への圧倒的な力を背景に票と金を集めてきました。自民党で小泉氏が総理になれば、かつての改革主義を封印して「日本は格差の大きい国」と言い、郵政票をまとめるために郵政改革に反対しています。バラまき型のマニフェスト(農家戸別所得補償やガソリン税暫定税率廃止)を最終決定したのも彼でした。政策よりも選挙。それが小沢氏の実態です。与党になったら幹事長室を通して陳情をさせるというのも露骨な選挙対策です。在日外国人の地方参政権を肯定し、「在日米軍は第七艦隊で充分」などと国際関係を無視した暴論を口にするのも、在日外国人の選挙活動を見込んでのものという性質が否定できません。

 日銀総裁人事を止め、国民生活混乱を承知で暫定税率を失効させる。与党になれば前代未聞の問責決議案無視での参院選挙。彼の頭には国民生活よりも政局が優位に立っているのです。しかも暫定税率失効にそこまでこだわり、「マニフェストを守らなければいけない」と言っておきながら、鶴の一声で存続を決めてしまいました。

 民主党の中でもそうした事柄に疑問を投げかける声は少なくありません。しかし、生方副幹事長が解任されかけたように、金と人事で公認まで左右しかねない実態に直面し、健全な批判までもが封印されてしまう。これは本当に危険な非民主的体質なのです。また、民主党の中では若手議員も活躍する政策調査会が復活する動きですが、小沢氏はこれに反対しています。このままでは民主党議員は小沢氏に喝さいを送り、採決の時に起立するだけの存在になりかねません。

 かつて小沢氏を支持していた側近と言われている人のほとんどが彼のもとを離れています。まず小沢氏は疎遠になると連絡が取れなくなると言います。逆に秘書に関しては管理・情報把握を徹底。にも関わらず、秘書がこれだけ逮捕されても「知らない」を繰り返すその姿勢で本当にいいのでしょうか。小沢氏は「検察審査会の起訴相当決議が出ても逃げない」を言っていますが、本当にそういう姿勢ならなぜこれまで説明をして来なかったのでしょうか。その発言は代表選を有利にするためのパフォーマンスでないと言い切れるのでしょうか。

 もっとも、そうした「神話と実態のギャップ」を明らかにするには、小沢氏が総理になって徹底的に論戦を挑んだ方がよいのかもしれません。その間政治に混乱と失望が広がっても、それが必要なコストならやむを得ないかもしれないと考えています。しかし絶対にしてはいけないのは、小沢氏と自民党が組むことです。無論政党間協議はあってしかるべきですが、仮に民主党が分裂して小沢氏が合併の話を持ちかけてきても受けるべきではない。私はそうした動きには断固として反対していきます。

≫平成22年9月2日

[だまされてはいけない記者会見]

 昨日民主党代表選に出馬する菅、小沢両氏の共同記者会見が実施されました。

 菅氏が「膨張する社会保障費には消費税の引き上げなど責任ある財政の対応が必要だ」と主張し、小沢氏が「まず徹底的に無駄の排除を行うべきだ」と主張していることから、一見、この代表選挙は自民党の中の財政再建派と上げ潮派のような路線対立であり、政策的に意味のある代表選挙であるように見えます。有識者の中には、野党もこの両者どちらと組むかをはっきりして政界再編に結びつけるべきだと主張する方もいます。しかし…

 この一見まともな「政策論争」は、実は真っ赤な偽物なのです!

 もともとバラまき色の強い民主党の政策(農家の戸別所得補償やガソリン税暫定税率廃止)は、上げ潮派が目指す成長路線・小さな政府とは全く異質なもので、しかも前原国土交通大臣がかつて出した手記によれば、民主党内部では財源の手当てがつかないとわかっていたにもかかわらず、小沢氏の「エイヤ」(政権に近づくための強引な決定)で決められたものだったのです。この誰が見ても不可能な詐欺的なバラまきマニフェストを、無駄の排除で実現すると言い募る小沢氏のどこが上げ潮派なのでしょうか?
 さりとて菅氏は、マニフェストの修正と責任ある増税ということで一応まともなことを主張しているようですが、パフォーマンスの事業仕分けを別とすれば、専門性のある議員や民間の知恵を生かすということがほとんどできておらず、政治主導とはほど遠い役所依存・組合主導の左翼的色彩の強い政治をだらだら続けています。

 こんな対立に自民党が巻き込まれるなどあってはならないことです。自民党はあくまで自らの理念を磨きつつ、真の理念本位の政界再編のために力をつけること、そして国民生活のためには、ねじれ国会の中で理念なき多数派工作をすることによってでなく、政党間の協議や国会論戦の充実によって物事を進めていくことが大切だと提言していきます。

[充実した台湾出張]

 8月29日から昨日まで、自民党青年局国際部長として、井上信治青年局長や全国の青年部・学生部の仲間たちとともに台湾に出張に行き、馬英九総統や王金平立法委員長、国民・民進両党幹部などと意見交換をしてきました。

 ともすると現在の台湾は、今年6月のECFA(両岸経済協力枠組取決め)締結など中国重視の姿勢を取っていると見られがちですが、一方で日本とも FTA(自由貿易協定)あるいはEPA(経済連携協定)協議を要望するなど経済相互交流の強化を目指しており、昨年は日台間で、台北市内の松山空港と羽田空港の航空便就航合意が実現するなど様々な関係改善が見られます。日台共同で中国の投資環境を良くしていけるのか、しっかり見極めていくべきでしょう。

 さらに興味深かったのは台湾の政局です。今年11月には台北・高雄両市をはじめ5つの直轄市で、市長・市議会議員の選挙が予定されています。最近馬総統の人気に陰りが出ている中で、民進党はこの選挙を政権奪還に向けた前哨戦と位置付け、逆に与党国民党の側は党勢回復に向けて懸命の努力を続けています。

 国民党は伝統ある政党で自民党に近い部分がありますが、昨年の県知事選の苦戦を受け、議員や市長を経験したことのない(党での職務や副市長の経験はありますが)学者畑の金溥聰氏を幹事長にするという思い切った人事を行い、同氏を中心に若者支持層の開拓を目指して政治スターの発掘・育成に取り組む活動をしているとのことでした。こうした思い切った改革を日本の自民党でも行わなくてはいけないと、党副幹事長として大いに触発されました。

[そして進む自民党改革]

 中曽根参院会長の誕生に引き続き、世耕弘成議員が参議院幹事長代理に、山本一太議員が参議院政審会長に就任しました。
 実はお二人は先の党総裁選で、谷垣禎一候補でなく河野太郎候補を推す中心的な存在でした。総裁選後、同じく河野陣営だった私は副幹事長に就任しましたが、他のメンバーは執行部には入れられず、その後党勢低迷の危機を脱するために執行部の若返りを行うよう私が繰り返し主張したことが影響したかどうかはわかりませんが、河野議員が幹事長代理に就任、同じく河野陣営だった平将明衆議院議員も政権戦力委員会(ネクスト・ジャパン)のメンバーとなっていました。

 もはや谷垣体制のもとで党改革を行っていこうという意識でみんな頑張っています。山本・世耕両議員のような発信力や政策に長じた若手が執行部に入ったことにより、さらにこの改革の動きが加速することを期待しています。そして民主党の茶番ともいえる代表選と旧態依然とした体制に比べ、国民の信頼を取り戻す受け皿となっていくことを確信しています。

≫平成22年8月26日

[小沢氏の出馬表明]

 小沢前幹事長が民主党の代表選に出馬する旨表明しました。

 出ようという方が立候補することは大いに結構です。しかし今回の代表選には多くの疑問があります。

 一つは、争点が必ずしも明確ではないことです。衆院選マニフェストの修正が是か非かが一見争点となっているようですが、詐欺的なマニフェストを徹底できないことはもはや誰の目にも明らかで、無理やり作られた争点の感が否めません。
 小沢氏は政治とカネの問題で辞任して以来、国会の場で一度も説明責任を果たしていません。しかももし代表となれば確実に総理大臣となるわけですから、検察審査会で審査中の政治資金規正法違反事件で再度の起訴相当の議決が出ても、憲法75条により本人の同意なく起訴ができなくなってしまいます。(前の総理の時「鳩山システム」と呼ばれていました。)こうしたことを国民の多くが受け入れるとは到底思えず、そうした総理を、選挙に強いという党内論理で誕生させてよいのか、はなはだ疑問です。
 また、民主党のサポーターには国籍条項がなく、金を払えば誰でも代表選に参加できるということも、国民主権の点から多くの疑問が提示されています。
 何といっても、この代表選で政治が空白の中、どんどん株安・円高が進行してしまっていることは見過ごせません。

 この欄で指摘した4~6月期GDP(国内総生産)の不振が発表され、中国に抜かれて以来、急速に進行する円高・株安に政府・日銀は全く有効な政策を打ち出していません。確かに短期的に有効とされる金融緩和にはほとんど余地がなく、為替介入も通貨安を容認している諸外国との連携が取りづらい環境にあることは理解しています。今カードを切ってしまうといよいよという時に手詰まりになるということもあるでしょう。

 しかし、投資環境整備に向けた減税や規制緩和の検討など長期的な政策にすら言及せず、余りにも無策を露呈しています。経済財政諮問会議を開催することもなく、政府と日銀の連携もうまく取れず、しかも代表選で私たち野党が求めている国会の閉会中審査にも応じないとなれば、もはやこの状況は「平成の民主党大不況」につながっていく可能性が極めて強いのではないでしょうか。しっかり主張を強めていきます。

[自民党新体制の始動]

 一昨日は党で中曽根新参院会長が選出されて以来初めての役員連絡会議、幹事長室会議が実施されました。菅総理が「三年後に衆参同日選挙」などと、あたかも解散権を封じ、停滞する政治・経済を自らの政権基盤確保のために犠牲にするような発言をしたことに批判が集まりました。
 私は同意したうえで、「いつ政局が変化するかわからず、民主党代表選挙の行方も不透明な中、私たち自民党も緊張感を持って党改革を進めるべきだ。このような状況下でも菅内閣の支持率は回復している。自民党が緊張感をなくしているようなメッセージが参院会長選時をはじめ幹部の方から出ているように報じられたが、発言にはご留意をいただきたい。」と発言しました。9月には自民党も人事の時期となるのです。

[札幌への出張]

 役員連絡会や幹事長室会議の後すぐ衆院法務委員会の視察のため北海道に飛びました。札幌にて裁判所・保護観察所・刑務所などを視察、広大な農場での受刑者の作業など、参考になる場面が多々ありました。今後の質疑に生かして参ります。しかし札幌の涼しさと東京・埼玉の酷暑のギャップは辛い…

[残暑払いの開催]

 昨夜、地元の方々100人余りと残暑払いを行わせていただきました。先の参院選で当選された関口昌一参議院議員も駆けつけて下さり、夏の夜のひと時を楽しみました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!

≫平成22年8月21日

[未来への胎動]

 昨日、都内某所で開催されたある雑誌のインタビュー企画で、与野党の若手議員が数名集まって長時間の議論をしました。

 感じたのは、共に同じ問題意識を持っている部分は多々あるな、ということ。与野党大連立には日頃から反対をしている私ですが、もしも「永田町の一般社会からかけ離れた文化や仕組み」を変えていく点で協力できるなら、私たちが先頭に立ってどんどん行動・提言していかなければと思います。

 きっといい記事ができあがることでしょう。

 無駄撲滅チームの活動も本格的に再開します。徐々に夏モードからギアを入れ替えていきます。

[見過ごせない動き]

 軽井沢では、鳩山前総理や小沢前幹事長をはじめとした与党議員大勢による勉強会が開催されているようです。

 勉強会自体は問題ないのですが、いったん政権が行き詰まって鳩山・小沢両氏は抱きつき辞任し、しかも鳩山前総理に至っては政界引退まで口にされているのです。まだお二人とも(特に小沢前幹事長は全く)国会の場で私たちが求めている資料提出や証人喚問などに応じようとはしていません。
 自分が一度口にしたことを簡単に反故にすることが許されるのでしょうか?小沢前幹事長の代表選出馬も取り沙汰されていますが、一度役職を退いたらみそぎは済んだということなのでしょうか?再度の復権を印象付けるこの二人が率いる民主党に、自民党を批判する資格があるとは思えません。

 無論、自民党の改革はきちんと進めていきます。ツイッターなどで「自民若手はいつになっても改革を唱えて結果が出ていない」という意見もいただきますが、この5年間で自民党の執行部がいかにメンバーが変わったか、いかにカルチャーが変わってきたかを、しっかりご覧いただきたいと思います。まだ及ばない点が多々あるのは承知していますが、タイミングも見計らい、仲間たちとも連携を取りながら、臆することなく行動していきます。

[今日も地元へ]

 夏祭りの会場などで、「今の政権じゃあ本当に日本がおかしくなってしまうよ。」「うちの会社をはじめ、本当に政策の失敗で苦しんでいるところが沢山あるよ。」というお声を沢山いただきます。「自民党に頑張って欲しいんだけどまだ頼りないね。柴山さんしっかりね。」と叱咤激励のお声も頂戴しています。今日も地元で沢山の声をいただき、それを前に進む力に変え、頑張ることをお誓い致します。

≫平成22年8月17日

[能力・実績主義に反対する人たち]

 おそらく秋の臨時国会では、先の通常国会で廃案になってしまった「公務員制度改革関連法案」が再び大きなテーマになると思います。

 私も提出者になった自民・みんなの党の案では、財務省・総務省・人事院などに機能が分かれている人事行政を(不服申し立て審査などを除き)内閣人事局に一元化することや、幹部クラス人事の降格(一方では抜擢)の柔軟化、天下りあっせん根絶などを柱としていました。給与法の改正などと合わせて、民間企業レベルの人事の仕組みを取り入れようとしたのです。

 実は現在の仕組みでも、能力・実績のある者が評価され、ない者が淘汰されることとなってはいますが、能力・実績主義は(実は地方もですが)役所は民間企業よりずっと遅れているのです。

 そして議員の世界も同じこと。適材適所を進めるべきと言いながら、実際は当選回数に応じた硬直的な年功序列・談合人事が行われる例が多いと言えます。(国会人事・党内人事とも)

 能力・実績主義に反対する人は二種類います。
 ひとつは、「民間企業では稼ぎが多い者が高く評価されるということで基準は明確だが、役所や政治の世界では能力や実績を客観的に評価するのは難しい」という意見。一見正論ですが、民間企業でも稼ぎに直接つながらない職種があり、そこでも様々な評価手法が工夫されていることから、あまり妥当とは言えません。
 もうひとつは、(こちらが実は隠された本音だと思いますが)「能力・実績主義など導入されたら自分は出世できない。」という意見です。こういう人たちは、ある者は長く勤めれば自分にもチャンスがめぐってくるということで年功序列の仕組みをとるよう主張し、ある者は人事に影響力を行使する実力者に取り入って自分を引き上げてもらおうとします。

 (徒党を組んで交渉力をもって人事権者に待遇向上を求める道があるではないか、と言う人がいるかもしれませんが、こうした団体交渉は労使の力の差を埋めるためのものであって、能力・実績主義を修正させるためのものではありません。だから例えば公務員に能力主義を導入して解雇しやすくする代償として公務員の労働基本権を求めるのは理論的に筋違いということになります。)

 民間でもそうしたことがあるかもしれませんが、税金で国民のため働いている公務員・政治家ですから、こうした不明朗な動きを率先して追放していかなければいけません。その先頭に立って努力する所存です。

[菅政権の経済失策]

 民主党は、「自民党の生産者側に偏った経済対策ではなく、需要サイド・消費者側を重視した経済対策をとる。コンクリートから人へ投資先を変え、高速道路無償化や子ども手当てなどを給付するのはその一環だ。」とさんざん主張してきました。
 しかし内閣府が16日に発表した4~6月期のGDPは前期から大幅に鈍化。強化しているはずの消費が不振という皮肉な結果となっています。

 先日予算委員会では別件で質問させていただいた荒井国家戦略担当大臣は、「景気の着実な持ち直しが続いている」とコメントされてましたが、津村内閣府政務官は景気が踊り場入りしているとの懸念を表明されています。私も津村政務官と同じ感覚です。

 雇用を支えているのは企業であり、生産者です。それらが求めている政策を、経営側の意見として軽視し、それこそ正規労働者の既得権益を維持するがあまり雇用のパイを減らしたり、企業や生産者の業態転換や市場での活動の足を引っ張って海外流出を加速させるような動きを見せたら、雇用確保に不透明感が出るのは当然です。そして労働者が将来への不安を感じれば、少しばかりお金をバラまいても消費が促進されることはありません。そしてデフレも解消しません。

 財政はあくまで将来の富を生むような効率的な使い方を、供給側を含めて適切に行うことが必要です。また、構造改革を再度進め、民間の創意工夫が競争原理の中で働くようにすることも必要です。

 もっとも時代はあのサブプライムショックを受け、自由主義経済の修正が幅を利かせています。会計原則で時価主義を重視したIFRSの見直しがうたわれ、欧州委員会では国債を含む証券の空売り規制が検討されています。
 確かに短期売買が横行し、実体経済をはるかに上回って深刻なバブル崩壊を招き、その爪あとが残るようなものでは困ります。勤労の美風を損なうまでの投機偏重が起きても困ります。ただ、微妙なバランスを意識しながらも、今はデフレ脱却・景気対策を最重点に考えるべきではないでしょうか。

 え?景気も大事だが環境はもっと大事だろうって?この猛暑をどう考えるって?…環境志向を新たな「需要」(お金を出してでも環境に配慮した製品・サービスを求めたい)とし、そこで景気の梃子とするのです。エコポイントの延長は結構ですが、それはごく一部でしょう。

 ただ、それでも今の環境破壊や温暖化が進むとあったら…党経済産業部会長代理でありながら、その先は難しい選択を色々迫られることになるでしょう。

[地元の状況]

 猛暑の中、体力には僭越ながらかなり自信のある自分もかなり消耗していると感じており、ましてやご高齢の方に関しては大変なご負担だと思います。前回のこの欄でも触れたとおり、地元のご不幸のお知らせがとみに多いように感じます。夏祭りも(実は埼玉は里帰りの方が多いこともありお盆はお祭り閑散期でした)これから後半のピークが訪れて何かと忙しい日が続きます。テレビ出演の依頼を今日残念ながらお断りしてしまいましたが、極力両立できるようにします。これからも頑張っていきます。

≫平成22年8月11日

[二つの接戦が進めるもの]

 つい先ほど、自民党の参議院会長選挙で、中曽根弘文議員が当選したというニュースが飛び込んできました。

 既に私の所属会派清和研の谷川秀善議員が立候補の意思を示し、主要派閥の支持も得ていましたが、開かれた選挙を求めて対抗馬を立てる動きが中堅・若手を中心に派閥横断的に盛り上がっていたのです。選挙の実施も異例でしたが、両者同数の40票で抽選により当選者が決定するという結末も劇的でした。

 私はこの欄で再三述べていますが、既にかつての派閥は政策勉強会に変質しており、党の運営に関しては開かれた透明なプロセスが進んできています。今回は衆議院議員の私は部外者でしたが、結果の是非ではなく、こうした動きそのものを着実に進めていきたいと思います。ちなみに中曽根議員は、前回のこの欄で紹介したとおり、私が外務政務官時代に仕えた大臣。温厚で着実な仕事ぶりに期待します。

 党の改革にさらにドライブをかける要因となりそうなのが、先日日曜日の長野県知事選挙でした。

 自民・公明両党が実質応援していた腰原候補が大接戦の末、民主党候補に僅差で敗れてしまい、本当に残念な思いで一杯です。もっとも、参院選で自民党の候補が民主党の二人の候補の合計得票に水をあけられ、県内の衆議院議員がいなくなってしまっている現状からすれば、復活の兆しは見えてきたとは感じますが。

 しかしながらこの復調を確実なものにするには、選挙結果をきちんと分析する必要があります。今回腰原候補は長野市では競り勝ったものの、やはり大きな市で苦戦をする傾向がありました。パフォーマンスだけではしょうがないですけれども、「自民党が新しく生まれ変わった」と感じていただくことが、都市部の浮動票と言われる人たちの支持を得ることにつながるのだと思います。今回の惜敗を糧にして、執行部の一員として、若手の活用や組織のさらなる改革、党の運営の透明化に向けて提言していきます。無論、政策のさらなるブラッシュアップも必要です。

 このお盆の少し時間のある時間に、前回この欄で書いたとおり、様々な準備を(中央でも地元でも)進めていきます。

[続く灼熱の毎日]

 昨日、応援して下さるしばワンCLUBの主催によるゴルフコンペが開催されました。台風接近で天気が心配されましたが、朝には雨も少しあったものの何とかもったようです。灼熱の毎日だっただけに逆に回りやすかったのではないでしょうか。(私自身は挨拶だけでしたが。)
 お盆直前の平日にもかかわらず多くの方々が参加して下さり、懇親会も盛り上がりました。ご尽力いただいた方々に心から感謝申し上げます。

 連日の猛暑のせいでしょうか。最近訃報に接する機会が多いように感じます。くれぐれも熱射病には気をつけていただきたいと思います。

 高齢者の行方不明の事案は大きな社会問題になりつつあります。お年寄りの安否をきちんと確認する仕組みは実は法的にはかなり充実していますが、現場での運用がかなり不十分だという実態があります。年金の受給実態にモラルハザード(倫理欠如)が生じていないかも含め、しっかりした調査が必要です。
 猛暑の中、日韓併合100年を機に示された総理談話にも問題が山積しています。将来の日韓関係に悪影響を及ぼしかねず、同僚議員としっかりチェックしていきます。

≫平成22年8月8日

[嵐の前の静けさ、水面下の動き]

 臨時国会が終了し、国会はひとまず休みの時期に入ります。

 既に民主党の中で代表選に向けた多数派工作が活発化しているようですが、争点が見えません。マニフェストを守るかどうかというのが一見争点のようですが、どこまで修正するかは別として守れないことは既に明らかなのですから、増税をメインとした修正をするのか、歳出削減をメインとした修正を行うのか、そこまで踏み込んで「国の形・進むべき方向」を論じて欲しいと思います。場合によっては大きな政界の変動につながる議論となるはずです。

 ちなみに自民党は既にこの1月、「効率的な政府」の理念を綱領としてまとめ、夏の参院選でも成長戦略を正面から掲げています。党のあり方についても、例えば参議院会長の選出を開かれた選挙で行うべきだという動きが(当然のこととはいえ)活発化するなど、改革が進んでいると感じています。ただ、秋の政界の動きを想定すると、同じ理念を共有できる方々との、党派を超えた連携や意見交換は、しっかり進めていかないといけません。今は、嵐の前のつかの間の静かなひと時、しかるべき準備をしています。

[平和への祈り]

 広島・長崎への原爆投下から早65年。今年は広島の平和記念式典に米国のルース駐日大使が出席するなど、核軍縮の世界的な取り組みが進んでいると感じています。

 核の平和利用、テロ組織への核兵器流出阻止、IAEA(国際原子力機関)の機能強化と北朝鮮やイランの動向...理想主義的な核廃絶の訴えよりも、しっかり管理・監視のうえ軍縮を進めていくアプローチが必要です。私は昨年、ニューヨークのNPT(核拡散防止条約)運用検討会議準備委員会で、中曽根外務大臣の進める核軍縮に向けた取り組みについてスピーチをさせていただきました。広島・長崎両市長ともお会いしたこの会議から、一歩一歩ではありますが、着実な歩みをこれからも求めていきます。

[星に願いを]

 8月5日、所属している超党派の「日本宇宙議員連盟」で、ISS(国際宇宙ステーション)・日本実験棟「きぼう」で長期滞在を終えて帰還した宇宙飛行士野口聡一さんの報告会がありました。

 報道されていない映像を交えたとても充実したお話に感動し、私自身、日本に期待される宇宙開発の役割や長期滞在の医学上の問題などについて質問しました。筋力の維持はかなりできるようになったが平衡感覚の衰えはかなり苦労するということで、様々な世代による宇宙滞在の課題となりそうです。

 私は幼少時から、天体望遠鏡に凝るなど星を見るのが大好きです。初めて南半球を訪れた際は、天頂に駆け上がるさそり座、逆さに見えるしし座の大釜、輝く南十字星やアルファ・ケンタウリ、銀の砂をひっくり返したような銀河の美しさにしばし茫然と我を忘れていました。

 叶えることのできなかった宇宙への夢を多くの方々に託し、宇宙の平和利用をはじめとした様々な取り組みが進むよう応援していきたいと思っています。

[連日の夏祭り]

 地元各地で実施されている夏祭りを訪問していますが、数が多くてどうしても全部訪れることはできません。秘書に行ってもらったり来年伺うなど、失礼することもあると思いますがお許しいただきたく存じます。多くの会場で、昨年と打って変わって激励の言葉をかけていただくことが増えたように思います。生の声に接する機会を大切にして、これからも頑張る旨お誓いしています。

≫平成22年8月4日

[静かなジャブの応酬から・・・]

 衆議院の予算委員会の質疑が終わりました。菅総理はねじれ国会を意識してか、「国会運営には反省すべき点もあった」「自民党の主張にも真摯に耳を傾けたい」などと、前国会からは考えられないような低姿勢を強調していました。

 谷垣総裁や石破政調会長の質疑も、経済・税制問題、安保外交問題、農業問題など、取り上げるべき事項を織り込みつつ淡々と進んだように思います。
 ねじれ国会で与野党協議の重要性が増すことは言うまでもありませんが、自民党としてのスタンスを明示し、譲れないところは政府・与党の姿勢を厳しく追及すべきことは当然です。また、民意の支持を受けたマニフェストを撤回することや、閣僚が過去の主張と矛盾する発言を平気ですることを、安易に認めたら選挙の正当性が失われます。

 私は事前の党内打ち合わせで、法務関係や政治とカネの問題を取り上げることとなっていました。(政治とカネの問題は、小沢前幹事長・荒井国家戦略担当大臣・郵政法案についてのものを取り上げました。)
 過去の質疑より、ご覧になっている国民の方々にわかりやすく伝えることを意識したつもりです。おかげさまで反応もおおむね良好で、マスメディアの論調も(ごく一部を除き)好意的でした。夜の報道ステーションでも取り上げられました。(インターネットでも質疑の様子がアップされています。)

 引き続き参議院でも委員会質疑が続きます。衆議院での質疑を受け、さらに充実した質疑がなされるよう期待しています。

[夏も続く活動]

 質問後も様々な取材をいただいています。昨夜は動画サイト「ニコニコ生放送『とりあえず生中(三杯目)』ニュースの火曜日」にも出演しました。今の政権の問題点や、これからの自民党のあるべき方向性など、きちんと説明をしていきます。また、国民に訴えていきます。

 8月下旬には、党青年局国際部長として、全国の青年局関係者とともに台湾への出張を予定しています。対中関係がどうなるか微妙な中、野党として台湾の実力者たちと意見交換するのは有意義な企画だと思っています。
 暑い中ですが、前回のこの欄で触れたとおり、地元での活動も充実させていきます。

[突然の訃報]

 埼玉14区の党小選挙区支部長、三ツ林隆志前衆議院議員がお亡くなりになりました。あまりに突然のことで信じられません。同じ会派で埼玉の先輩として親しくご指導いただいていましたし、お亡くなりになる直前までお元気だったのに...カムバックのため最後まで情熱を持ち続けていたと伺っています。心からご冥福をお祈り申し上げます。

≫平成22年8月1日

[いよいよ始まった臨時国会]

 先週金曜日に、新しく当選された参議院議員の方々を交えて臨時国会がスタートしました。

 明日からは予算委員会が衆議院で2日間、参議院で2日間行われます。明日8月2日(月)は、午後から自民党の質疑。トップバッターは谷垣総裁、2番手が石破政調会長、次の私が最後の質疑者となります。

 ちなみに私の質疑時間は午後4時10分から5時まで。NHK総合テレビの中継が入ります。多くの方にご覧いただければ幸いです。

 打ち合わせの席で割り当てられた項目は色々ありましたが、少し絞ったほうがよさそうです。

 もっとも、本格的な政界の動きは9月に入ってからでしょう。私もそれに向けた力を養っていきたいと思います。

[政策面の関心事]

 この時期は外国の要人との面談も入る時期。最近の菅内閣は国益の対外的主張という面で不安がいっぱいです。竹島記述問題に発した防衛白書の先送り、仙谷官房長官の戦後補償検討発言、相変わらず先の見えない普天間問題...そのような中で議員レベルで継続的な主張と同盟連携のための人脈作りの必要性を感じています。私は党青年局国際部長の立場で、活動をしっかり続けていきます。

 日本のヤフーとアメリカのグーグルのインターネット広告・検索システムの連携に対して、マイクロソフト社が反発しています。日本の国際競争力を高めるため、企業結合基準の緩和を主張してきましたが、日本の検索エンジンの9割を米グーグルの技術が支配するのは、やはりきちんとした検討が必要だと思います。公正取引委員会の判断を党でも精査すべきでしょう。

 党の無駄撲滅プロジェクトチームが取り上げている問題で、貸金業法の検証にからんでヤミ金融の実態が徐々に明らかになってきたようです。早急に対応が必要でしょう。また、新薬等の認可が遅れるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの問題は命にかかわる重要案件。情報開示と自己責任を大切にして改革が求められます。
 しばらくしたらまた会合を開催したいと思っています。

 twitter上で、少子化問題を議論していて白熱した展開となっています。子育てオリエントな社会にすることの必要性と政治の役割を痛感する一方、国民の意識や社会の規範のあり方の急激な変化がとても大きく影響していることもわかります。文明国の傾向とあきらめることなく、引き続き提言していくとともに、移民政策についてもいかなる問題があるか検討したいと思います。

[暑さ続く]

 8月に入り、猛暑の中、地元の夏イベントもまだまだ続きます。しっかり体調を整えたうえで参加していきます。地域の伝統と絆を大切にしていきたいです。

≫平成22年7月24日

[異例ずくめの金元工作員来訪]

 中井国家公安委員長の強い意向で、大韓航空機爆破事件実行犯の金賢姫元死刑囚が訪日し、拉致被害者ご家族との面会を行いました。

 テロ犯の異例の入国と厳戒態勢。遊覧旅行の配慮もしたということで、大きな疑問の声が出ています。今回の訪問でどれだけのコストがかかったのか。なぜご家族の韓国訪問という道を取らなかったのか。また、滞在先に鳩山前総理の軽井沢の別荘を選んだのはなぜか。

 しかも金元工作員は特筆すべき新情報を持ち合わせておらず、日本政府からお土産を受け取ったとも報じられています。まさしく、谷垣自民党総裁が言われるとおり、国際的にも疑問を持たれるテロ犯のVIP待遇による政権の壮大なパフォーマンスではないかとの批判を免れません。

 金元工作員に全く同情の余地がないとは思いませんし、拉致被害者ご家族が、「きっと拉致された方々は生きていますよ」という言葉をはじめとした金工作員の話に元気づけられたことも事実でしょう。しかし私が許せないのは、いつも民主党が人の苦しさや切実な要望を逆手にとり、後日生じる不都合など意に介さず理不尽なパフォーマンスをして政権浮揚を図ろうとするその下心なのです。

 しっかりこの問題は追及しなければいけません。

[いよいよ始まる国会]

 7月30日から臨時国会が開催されます。予算委員会も衆参開かれることが決まりました。通常国会を強引に閉じて参院選になだれこんだ菅政権も、厳しい選挙結果を受けて議論の場を設けざるを得なかったのでしょう。誰が質問に立つかはまだ決まっていませんが、私も対策会議には呼ばれて戦略の検討に加わっています。あまりに多い現政権の問題点を指摘するとともに、あるべき方向性を提示できればと思っています。

 ねじれ国会で与党が成立させたい法案ごとに連立の相手を変える「パーシャル連合」を取るのでないかと報じられています。理解できなくはありませんが、例えば自民党と組んで証券市場活性化策を取りながら、国民新党と組んでファンド叩きをするとか、みんなの党の公務員改革を受け入れつつ人件費の問題には踏み込まないなど、政策の整合性に疑問が生じますし、過度のバラまきにより財政的な困難が生じることも予想されます。メディアの方々にも慎重に検討してもらいたいと思います。

 自民党の改革も進めていきます。衆議院空白小選挙区支部長への公募制をはじめとした透明な選定プロセスの制度化は実現の方向です。また、好評だった「なまごえプロジェクト」で、現場の声にさらに耳を傾けます。
 私も今後、人事の透明化、定数などの選挙制度や国会改革などを検討するプロジェクトチームの立ち上げなど、様々な提言をしていきます。

 また、政策面でも、税制・社会保障の抜本的検討の場を作ったり、マニフェストに工程表を作る動きが出されています。もちろん無駄撲滅プロジェクトチームの活動も続けます。

[新たなステージへ]

 議員会館の引っ越しも進み、新たな気持ちで仕事に打ち込みます。連日暑い日が続きますが、しっかり地元でのイベントにも参加していきます。

 ヒートアイランド化が進み、気温の上昇が高齢者の方々の健康をはじめ様々な問題を引き起こしています。都市の緑化、省エネ・リサイクル、サマータイム制の導入など、真剣な対策の検討が必要です。

≫平成22年7月18日

[菅内閣に政治主導の改革は不可能]

 参院選後民主党からは、敗戦の責任をどうするかや人事の話、多数派工作の話などが聞こえてきますが、政治主導でこの国をどうするかという話はほとんど聞こえません。

 「国家戦略局」構想の大幅な後退は、表向きは総理のフリーハンドを維持するということでしょうが、内実は政治主導がとん挫したことの現れです。

 それもそのはず。リーダーに民意の後押しがあり、明確なビジョンと覚悟があり、しっかりしたブレーンがチームとして付いていなければ、そして政界や官界を引っ張っていく人脈と手続の妙がなければ、政治主導の改革はできないことを、小泉総理後の政治状況を見て私たちは痛感しているのです。今の菅政権にそれが可能であるとは到底思えません。

 だから私たちは、次の政治主導の改革を目指して、しっかり力を蓄えていくべきだと思います。
 今は衆参ねじれ国会の中で、政界に化学変化が起こる土壌があります。私が常に(この欄でも書いているとおり)理想としている、政治理念重視の二大勢力結集を通じて国民が政策を選べる社会を目指し、全力を尽くしていくとともに、その一つの核となって民意をバックにしっかり改革を進めていくということです。

 口蹄疫問題や豪雨災害問題など、依然として現政権の危機管理体制には疑問を抱かざるを得ません。事態が大きくなり、迅速なトップの決断を要する時、政治的リーダーシップの欠如は決定的に痛手となります。選挙の票に必ずしもつながらない危機管理の問題に、パフォーマンス重視の民主党政権が真剣でなかったことは重大視せざるを得ません。今後対北朝鮮問題をはじめ、対外危機管理もどうなっていくのでしょうか?

[気になる司法の動きのいくつかについて]

 民主党小沢前幹事長の07年分の収支報告書虚偽記入容疑につき、検察審査会の「不起訴不当」の議決が出ました。これに続き、今後04、05年分の再審査が予定されていますが、熟慮のうえ公正な議決がなされることを期待しています。いかなるタイミングでどのような内容の議決がされようとも、小沢氏が国会での説明責任を逃れることはできません。

 年金払い方式の保険金への相続税と、毎年の年金(元本部分)への所得税が二重課税と判断された最高裁判例もとても大きな影響を経済にもたらします。この判例の射程がどういう商品に及ぶのかとか、税還付の方法をどうするのかなどにつき、金融行政が何らかの基準をきちんと示せるのでしょうか。

 非嫡出子の相続分格差(結婚した夫婦の子供の相続分に比べ、婚外子の相続分が半分となっていること)が、憲法の平等原則に照らして合理的と言えるかどうかについての判断が、最高裁の大法廷に送られることになりました。これまでの合憲判断が見直されることになるのでしょうか。家族の絆の重要性が叫ばれる中、選択的夫婦別姓など家族の形に影響しそうです。

 日本振興銀行の検査妨害事件で、木村剛前会長はじめ5人が逮捕された事件も衝撃です。関係者はしっかり捜査に応じ、再発防止に努めてほしいと思います。

[自民党で始まる選挙後の体制見直し]

 前回このブログで「勝ってかぶとの緒を締めよ」と書かせていただきましたが、自民党における今後の体制作りも(手始めの参議院議員会長人事を含め)一筋縄ではいかないようです。いずれにせよ透明な手続をとり、自民党が変わったという姿勢を内外に示していくべきです。

 参議院の議長、予算委員長、議院運営委員長などのポストは、野党が連携できるならばきちんと要求してよいと思います。慣例として議長は第一党から出すということで、非改選枠も合わせると第一党の民主党から選ばれるかもしれませんが、努力の結果としてそうなってもやむを得ないでしょう。

 与党サイドは数合わせのため色々な形で野党に手を突っ込んでくるでしょう。先ほど「化学変化」を容認する旨書きましたが、筋の通らない動きには断固として応じてはいけません。ねじれ国会でもきちんと機能させるべきことは、2008年3月、私も含めた超党派7人の議員による中央公論での論文「機能不全の国会を改革する八つの方策」に書かせていただいています。

 以上、役員連絡会など様々な機会を通じ、きちんと主張をしていきます。

[梅雨明け、暑さ本格化]

 いよいよ夏も本番。各地で夏の催しが本格的に実施されます。私も(体調に留意しつつ)しっかり皆さんとの交流・話し合いを持っていきたいと思います。これからもよろしくお願い致します。

≫平成22年7月12日

[勝ってかぶとの緒を締めよ]

 昨夜実施された参院選で、自民党は50議席を突破し、改選枠における比較第1党の座を占めるとともに、与党過半数割れを実現しました。

 これは菅総理がおっしゃる「消費税についての発言が唐突だったから」などということでは片付けられません。税は政策と密接に関わっています。昨年の総選挙の際に掲げたマニフェストの撤回や総理の財源に関する発言のぶれが与党や税制に対する信頼をなくしました。このほか、郵政や公務員制度に見られる改革の逆行や、あまりに強引な国会運営等により、国民が民主党政権に厳しい判断を下したのです。

 改革の逆行は、民主党が唯一成果としている「事業仕分け」によるプラスを、押し流してしまう(金額的にも負担を増やしてしまう)作用をもたらしたのでした。

 しかし今回民主党にノーを突きつけた有権者の方々が、自民党を再度支持しているかというとそういうわけでもありません。自民党に投票した人は地方区・比例区合わせて3356万票で、民主党の4120万票に遠く及びません。人口の少ない一人区で大幅に勝ち越したことが自民党の議席増につながっているのであり、都市部では非自民・非民主票がみんなの党に集まっています。

 私たちは今回の結果に浮かれることなく、しっかり党の政策や組織の改革をはじめ様々な課題に取り組まなければいけません。昨日出演した番組でも言ったとおり「勝ってかぶとの緒を締めよ」です。

 議員定数を含めた選挙制度改革やネット選挙の解禁など、日をおかず主張していきます。そしてもちろん、雇用対策をはじめ様々な領域で与党に対案を出して議論を挑みます。ねじれ国会を機能させるためには、何でも反対の野党でなく、是々非々の立場で国益を考えて行動しなければいけません。

 早速政局が動き始めました。記者からは「〇〇という大物と〇〇という大物が会ったということですが、情報が入っていますか?」という連絡もあります。様々な会合もセットされています。私も筋を通して行動していきます。

[埼玉の安堵]

 全力で応援した関口昌一候補がトップの成績で当選し、まずは胸をなで下ろしました。民主党からは2人の候補者が出ていましたが、公明党の西田実仁候補が当選を果たしたため、1人の議席となりました。与党に歯止めをかけたことには率直に満足しています。暑い中、駅頭活動をして下さった方々、声かけ活動をして下さった方々、車を回したり電話をかけたりポスターを貼ったり開票立会をして下さった方々に、心から感謝したいと思います。

 応援した候補もほとんどが当選を果たしたのですが、岩手の高橋候補と小野寺候補が苦杯をなめたことが残念でなりません。小沢前幹事長のお膝元だっただけに、何とか勝って欲しかったです。

 応援には入りませんでしたが、山梨の宮川候補も、輿石候補にあと一歩まで迫ったのは惜しかった!

 千葉景子法務大臣が落選をしながら法務大臣を続投されるということです。法的には問題ありませんが、それが妥当な方策といえるか。委員会で大臣の所見も伺っていきたいと思います。

≫平成22年7月10日

[合理的悲観主義という道]

 ワールドカップ決勝戦は事前の大方の予想を覆し、オランダ対スペインの対決となりました。ここで「決勝進出のオランダに一次リーグで善戦した日本もレベルが上がってきたということだ。」と考える人もいますが、それは甘いと思うのです。

 本戦前の日本代表はさえない試合を繰り返していました。しかし前回のこの欄で書いたとおり、日の丸の誇りを胸に、結束してあきらめずに最後まで食らいついたからこそ結果につながったのです。私のような素人が見ても、世界トップクラスの試合と日本のレベルは雲泥の差があると痛感します。「ベスト4」という目的を掲げるなら、善戦に浮かれることなく、この現実をきちんと認識のうえで、足りない部分を死に物狂いで全国レベルで強化していかなければいけません。

 明日投票を迎える参院選も、多くのメディアが「与党過半数割れか」などと報道していることで、「自民党は健闘する」と楽観ムードが流れるのを私は強く懸念しています。

 私のいる埼玉は、各メディアの分析がバラバラで、大混戦となっていることを窺わせます。同様に多くの地域が競り合っています。最後の頑張りで結果は大きく変わります。

 しかも、例えば2人区で自民・民主が一議席ずつ獲得したとしても、今回の民主党は基本的に複数定員の選挙区では複数候補者で争わせており、当選に至らない第2の候補者が死に物狂いで掘り起こした票は、次の統一地方選挙や衆議院選挙に効いてくるのです。

 目先の結果に左右されることなく、厳しい現実に目を向けて全力を尽くすのが、私が常日頃から心掛けている「合理的悲観主義」のアプローチです。

[開票日のテレビ出演]

 明日は各局とも選挙特別番組を放送しますが、私は二つに出演を依頼されています。
 一つは、日本テレビで午後11時55分ごろから放送される「ZERO×選挙2010 第2部」です。参院選の結果を踏まえ、これからの日本をどうしていくべきか若い世代の各分野の代表が集まって話し合うという生放送の企画です。
 もう一つは、テレビ朝日で午後8時から放送される「選挙ステーション」 で、こちらは顔を出すというわけではないのですが、番組でフォローしている政界・有識者などのtwitter(つぶやきブログ)に出てきたメッセージを、番組内で紹介するという企画に参加します。デジタル放送の枠部分にツイート(つぶやきメッセージ)が表示されるとともに、(アナログ放送も含め)番組内で投稿されたメッセージを適宜紹介するということです。

 多くの方にご覧いただければ幸いです。

[大相撲激震に思う]

 野球賭博のスキャンダルで、大相撲は存亡の危機に直面しました。名古屋場所の中継放送はなくなり、親方や現職大関の解雇をはじめ、多くの関係者が処分されるというのは事態の深刻さを物語っています。

 しかし、私がtwitterで、「『ねえ、なんでやきゅうとばくはいけなくてtotoやけいばとかはいいの?』と子供に素朴に尋ねられた時、端的にどう答えますか?」と問題提起したところ、多くのご意見が寄せられました。
 「公営ギャンブルは自治体などの収入となることが法定されているのに、この非公式の野球賭博は暴力団の資金源となっている」「公営ギャンブルだって結局はギャンブルで行為自体の悪質性は野球賭博と同じ。公益目的と言っても所詮天下り団体を太らせている以上本質的に差はないのでは」「法律を作る者の都合のよいように規制はされるのだ」等々。

 結局、刑法で犯罪とされているにもかかわらず、賭博自体は国民はそう悪質だと捉えていないということです。非公式の賭け事も身近にいくらでも例があります。今は、お台場カジノ構想だとかパチンコの規制が議論されるなど、時代は変わっています。あの規律の強いシンガポールでもカジノが観光産業として合法化されているのです。今後の規制のあり方を再検討する時期が来ているように思われます。

 大相撲の賭博関係者も、全てが暴力団との関わりを認識していたのか、金額に差はないか、など、もう少しきめの細かい調査・処分ができなかったのでしょうか。先ほど述べたとおり、行為をした人たちは賭博自体はおそらくそれほど悪いことではないと思っていたような気がします。(コメンテーターで、某相撲部屋の傷害致死隠ぺい事件のほうがよほど悪質だと述べていた方がいましたが、わかる気がします。)

 処分されたり問題となっているのは、元貴闘力の大嶽親方や、元益荒雄の阿武松親方など、先日理事選挙で異例の貴乃花親方当選を進めたとされる人が数多く含まれています。貴乃花親方が退職を申し入れたということと何か関係があるのでしょうか。そして今回の騒動の背景に一体何があるのでしょうか。きちんと再検証して欲しいと思います。

[コメントに物申す]

 Yahoo!「みんなの政治」7月5日投稿に、私が民主党小沢前幹事長の検察審査会あて上申書を、政治的圧力でないかとコメントしたとの一部報道に対し、批判的な意見が寄せられています。

 誤解をされては困るのですが、私は小沢前幹事長を無理に起訴させるためにあのようなコメントをしたのではありません。

 本来検察審査会は、検察庁の不起訴処分が不当なものとなっていないかを市民感覚でチェックする制度です。だから当然審査の対象は、検察庁が不起訴と判断した材料、すなわち既に出されている証拠であって、新たに上申書を出すことはもともと想定されていないのです。(審査会側からもう少し調べたいということで求めるなら別ですが)
 しかもこの上申書はおそらく弁護士が周到に吟味した物でしょう。こうしたイレギュラーな手法ではなく、法廷で(とはいえ再度起訴相当の議決がされるかどうかは無論わかりませんが)堂々と争うべきです。

[選挙の後]

 今は選挙に全力を尽くします(今日は谷垣総裁が埼玉に来られます)。が、その後何が起こるかわかりません。月曜日には同僚と意見交換をする予定。これからもしっかり活動していきます。

≫平成22年6月30日

[頭をよぎった94年のシーン]

 昨夜のワールドカップサッカー南ア大会で、日本代表は120分の死闘の末、惜しくもPK戦で敗れました。

 大会前に日本代表がここまで健闘すると予想した人はほとんどいなかったでしょう。本番でチームは結束を強め、モチベーションを高め、見違えるように成長して私たちに希望を与えてくれました。この、日の丸を掲げ、「いちばん」を目指して絆を強くし、成長する姿こそ私たちが理想とする国・社会の方向を示唆したものだったのです。(谷垣総裁のCMもそのメッセージをよく伝えていたと思います。)

 PK戦を見て思い出したのは、94年アメリカ大会の決勝戦で、ブラジルとイタリアが演じた激戦です。この大会で、イタリアのエース、ロベルト・バッジオは、故障に苦しみながらも奇跡的な活躍でチームを決勝戦に導き、もつれた末のPK戦で疲労困ぱいの中最終キッカーとなり、大きくボールをクロスバーの上にそらして勝利を逃したのです。ブラジルのキャプテンで後にジュビロ磐田で活躍し、現在ブラジルの代表監督を務めるドゥンガがカップを誇らしげに掲げ、そらしたバッジオがうなだれるシーンを見て、これが勝負の素晴らしさだと感動しました。

 PKを外した駒野選手には、胸を張って日本に帰ってきてほしい。あなたの獅子奮迅の活躍はみんなが素晴らしいと感じているはずです。

[ぶれない勇気]

 消費税をめぐって菅総理の発言がぶれています。「10パーセントを参考にすると言ったが、2~3年以後のこと」「議論のテーブルに乗せると言っただけ」消費税に言及して支持率が下がったからといって、その発言を事実上撤回するのではいかにも覚悟が感じられません。
 小沢前幹事長とさや当てを演じている枝野幹事長にしても、政策面でかけ離れているみんなの党に連携の秋波を送り、連立相手の国民新党から不快感を示されるなど、筋が通っていないと思われる動きがあります。

 状況に応じて柔軟に対応することが必要な時もありますが、政治には「ぶれない勇気」というものが(民主的なプロセスを踏んで決めたことを前提として)求められるのでないかと思います。

[日々疾走]

 連日選挙運動に忙しく動いています。(TwitterやGREEでメッセージを紹介しています。)候補者は昨日は私の地元で終日活動。著名な女性弁士も参加され、雨の中盛り上がりました。埼玉以外への応援もいくつか行うことになりそうです。「日本が危ない」危機感を持って頑張っていこうと思います。
 今日を含め、取材もいくつかいただいています。目先の選挙見通しだけでなく、長期的な大きな視点で質問されることが多いように思います。

≫平成22年6月23日

[シンデレラ・ツイート]

 あとわずかで参院選の公示日。インターネットでの選挙運動が解禁されなかったため、ブログやツイッターで候補者や政党の支持を訴えることはできなくなります。

 あれほどネット選挙に前向きな姿勢を示していたのに、そして自民党が対案を示していたのに、菅内閣の支持率が高くかつネット上の民主党の評判が厳しいと見るや、あっさりと方針転換する現政権。

 バラまきによって持続可能な成長の足を引っ張るマニフェストや、日米外交の停滞などに見られる国益の軽視も確かに今の与党の問題です。しかしもっとも許せないのは、理屈や過去に主張してきたこととの整合性などに一切配慮しなかったり、党内で本来激論が交わされるべき問題を(ガス抜きぐらいはしているかもしれませんが)民主的なプロセスなしに決めてしまうという、その体質なのです。

 「自民党だって策を弄した。程度問題だ。」そのようにおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、本質的に民主党のような国家社会主義的な体質は自民党にはありません。また、衆院選を機に、問題点を改善し、また、志ある若手がしっかり行動できるようになっているのです。派閥も今は政策提言グループに改革されつつあります。

 今はこの与党に断じて参議院過半数を取らせないよう、私たちの未来のために全力で戦います。状況は不利ですし、政治以外の話題が多くてなかなかメッセージを伝えることが難しい状況ですが、ワールドカップ日本代表と同じく、最後まであきらめません。

[超党派協議のわな]

 与党が消費税を含めた税制改革協議を超党派でやろうと主張しています。しかし本来、税制の姿はいかなる政策・支出を行うかということと切り離しては考えられません。与党は、バラまきの尻ぬぐいを野党に転嫁しようという趣旨で(大きな負担増の責任を自分たちだけで取りたくないため)超党派の議論をしようというのであり、受けるわけにはいきません。

 本来超党派で行う議論に適するのは、年金など福祉の最低部分をどう長期的に安定させるかとか、ころころ変えられない国際合意の実行をどうするかとかいう問題のはずです。しっかり筋を通して参ります。

[出演に応援に全力投球]

 日本テレビの選挙当日の夜の特別番組に出演することが決まりました。若手の感覚を生かし、これからの政治に対する熱い思いを訴えるのでぜひご覧下さい。

 また、地元関口昌一候補予定者の応援のほか、県外にも応援に出かける可能性があります。心を込めて活動していきます。

 無論、政治活動はそれだけではありません。今日は自民党無駄撲滅プロジェクトチームの会合がありました。規制や地方機関の仕分け、民主党が不十分な部分です。私たちは今や自民党の正規軍なのです。

[引き続きニュースに注目]

 人民元の切り上げのニュース、マツダ工場での無差別殺傷のニュース、しっかり分析しなくてはいけません。国の進むべき方向を間違えないように。

≫平成22年6月19日

[史上最低の〇〇内閣]

 通常国会が終わり、参議院選挙戦が事実上スタートしました。

 提出された法案63本のうち、成立したのはわずか35本。大学紛争で混乱した佐藤栄作内閣時の1969年の通常国会を下回る、戦後最低の法案成立率55.6%でした。

 丁寧に審議がされたのかといえば全くそのようなことはありません。わずか1日で委員会を通過させた郵政再国有化法や、全く根拠薄弱な地球温暖化対策基本法をはじめ、新内閣の目玉といえる法案を相次いで衆議院で強行採決させていたのです。

 支持率を復活させるため代表のすげ替えをし、さんざん電波ジャックをしておいて、思惑どおり内閣や政党の支持率が上がったと見るや、その間停滞した国政の尻ぬぐいをすることもなく、国会をそそくさと閉会してしまう。これが史上最低の仕事しかしなかった民主党政権の実態なのです。

 しかも、これまで新しい総理が選出された場合、新政権の姿勢を示すため一度も例外なく開いていた予算委員会を全く開くことなく、また、事務所費問題が出ている荒井国家戦略大臣への問責決議案などの提出を予定していた参議院本会議の開催までも封じ込めて閉会にしたのはあまりに異常としか言いようがありません。どんなに言い訳をしようとこのことは与党民主党の汚点です。

[マニフェストの攻防]

 17日に自民党も民主党もマニフェストを発表しました。自民党は(色々議論はありましたが)消費税10%への引き上げを明記し、民主党も菅総理が「この数字を参考にする」と述べています。

 民主党は成長戦略に関する記述がこれまで不十分で、かつ昨年の衆院選マニフェストで消費税は4年間引き上げないと言っていたにもかかわらず、自民党の政策にすり寄ってきたのであって、石破自民党政調会長が「抱きつきお化けだ」と批判したのは当然です。仙谷官房長官が「消費税を引き上げる時は解散して民意を問うべき」と会見で表明しましたが、それで済むものではありません。

 しかし谷垣総裁が「この10%は当面のことであって、さらなる引き上げが必要だ」と述べていたのには、私は違和感を覚えました。

 参議院選挙は議員数の割合が都市部に比べて多い1人区(人口の少ない県)が勝敗を決すると言われ、どちらかというと「いかに手厚い格差対策を打つか」をアピールした方がよいとされています。自民党が格差問題や年金問題をめぐり参院選で苦戦したのも無理からぬことでした。
 しかし手厚い給付には増税の裏付けが必要です。菅さんは今回、自民党の増税に抱きつくことによって、この問題を(少なくとも自民対民主の)争点から外すことに成功したのです。

 では来るべき衆院選ではどうでしょう。人口にほぼ比例して都市部の小選挙区の数が多い衆院選では、逆に都市部対策が雌雄を決すると言われています。しかも景気が回復していたら、当然、いかに国の支出・無駄遣いをせず、増税幅を抑えていくかと訴えて、バラまき政党民主党との差別化を目指していかなければいけなくなるはずです。
 にもかかわらず、民主党の方が「自民党は消費税を10%超にしますよ、しっかりした改革や無駄撲滅もなしに。民主党は事業仕分けを進めて税率は10%以内に抑えますよ」と、まるで自民と民主が逆であるかのようなキャンペーンを打ったら、自民党は惨敗します。

 景気に与えるインパクトなどを懸念する声も早速地元から寄せられています。谷垣総裁には、増税のメッセージの出し方はくれぐれも慎重にしていただきたいのです。
 また、これからは、河野太郎さんや平将明さんや私などが行っている「無駄撲滅プロジェクト」が極めて重要性を増してくるということもわかっていただきたいと思います。

[熱いスポーツ]

 今日はワールドカップ一次リーグのオランダ戦が行われます。カメルーン戦で思わぬ勝利を挙げ、日本チームへの期待が高まっています。いつも勝負の時に私が言うのは「最後まで投げるな。なめるな。奇跡は起こすもの。」デンマーク戦をにらんであまり力を温存しようとすると、アルゼンチン戦の韓国のように大敗してしまいます。よい試合を期待しています。

 大相撲会を揺るがす賭博問題は看過できません。場所を開くのであれば、徹底した内部調査、再発防止策の発表、関係者の処分などをどうするかを検討してもらいたいと思います。

≫平成22年6月12日

[連立与党体制の動揺]

 参院選を何としても支持率の高いままで行いたい民主党と、郵政再国有化法(とあえて表現します)を成立させたい国民新党。

 民主党が会期延長に慎重であるのに対し、もしこのまま参院選を経て、民主党が単独過半数になれば、民主党が連立から国民新党を排除し、郵政法案の扱いも(民主党内部にも実は異論がかなりあると聞きます)不透明になるということで、国民新党は会期延長により法案可決を目指すべきだとしていました。

 結論は、参議院選挙の日はずらすことなく、会期延長は(あったとしても)最大限1日として郵政法案は廃案とし、国民新党は与党にとどまる代わりに、亀井代表が大臣を辞任するという、何ともわかりづらいものとなりました。

 大きな喝さいを浴びてわずか9か月前にスタートした連立政権の3党トップ(鳩山、福島、亀井各氏)が全て閣外に去ったということは、この政権がいかに無理な政策・運営を進めてきたかを物語っています。表紙を変えて支持率を上げ、参議院選挙で与党が勝利することにでもなれば、本当に取り返しがつかないことになってしまいます。

[所信表明演説を聞いて]

 官僚作文で内容に乏しく、案の定読み違いも多かったです(TICADⅣなど)。仙谷新官房長官が会議場の「起きろ!」というヤジにも関わらず、事務局に起こされるまで居眠り(というか爆睡)されていたのも無理からぬところだったでしょうか。

 この演説を踏まえ(予算委員会が開催されない可能性もにらみ)、早速自民党の動画に「次の内閣(NEXT JAPAN)無駄撲滅副担当」として問題点の指摘を行うメッセージをアップしました。多くの方にご覧いただければ幸いです。

 また、6月13日(日)夕方6時から日本テレビで放送予定の「バンキシャ!」に、同僚議員とともにVTR出演する予定です。そこでは下記のような話をします。

 今の内閣の方向は「最小不幸」という総理のキャッチフレーズに見られるように、バラまきの縮み志向が鮮明です。また、早くも事務所費をめぐるスキャンダルが発覚し、説明責任と法令順守が問われます。
 何よりも口蹄疫が都城市などに拡大し、大問題となっている中で、代表交代劇を引き延ばし、国会を早く閉じようとしているなど言語道断、イギリスでは逆に選挙を延期しました。

 自民党のキャッチフレーズは「いちばん」。蓮舫大臣のスーパーコンピューターに関する事業仕分けの時の発言「2番じゃなぜだめなんですか」と違い、前向きな希望のある社会を目指します。(その割に谷垣総裁の参院選獲得議席目標が40台と低くて残念だったのですが、訂正されたようです。)

 ご理解賜りますようお願い致します。

[キーワードは、基準の明確化]

 NTTの退職者年金減額を厚労省が承認しなかった案件で、最高裁はNTT側の上告を退けました。また、日本振興銀行が金融庁の検査妨害の疑いを持たれています。

 やはりこれから企業が自由な活動をするために、様々な場面で「基準の明確化」が求められてくるように思います。しっかり検討していきます。

≫平成22年6月6日

[菅体制への懸念]

 衆議院本会議で菅直人氏が総理大臣に指名されました。

 それに先立つ民主党の代表選では、全国的な知名度で劣る樽床伸二氏が129票を獲得。小沢グループは「自主投票」としていましたが、かなりの結束力を示したことになります。

 今後、菅新総理が本当に「小沢カラーの払拭」に踏み切れるのでしょうか。現在社民党が連立政権から離脱し、参議院は与党はギリギリの過半数。もし造反が出て法案が否決されたら、衆議院で再可決しようにも、現在の国民新党のみとの連立では、法案を成立させる3分の2に至りません。

 強硬手段を辞さない小沢グループなら、意に沿わない政権運営がなされればいつでも国対委員長に起用された樽床氏を引き上げ、解散リスクを引き受けてでも政権を引き倒しにかかるでしょう。場合によったら自民党の一部に接触して政界再編を目指すかもしれません。

 菅氏に、それをはねのける度胸があるとはとても思えません。しかも小沢氏は、9月の民主党の新たな代表選をにらみ、場合によっては独自候補を立てる動きを強めてきます。
 菅政権の小沢氏へのスタンスに注目したいと思います。

 目玉新閣僚の就任予定もあり、支持率は上昇していますが、前回のこの欄に書いたように、普天間問題や口蹄疫・財政問題をはじめ、我が国が民主党政権によって劇的に苦境に陥っている状況は何ら変わりありません。
 また、菅氏の、日本人拉致実行犯辛光洙(シンガンス)に対する釈放要求に見られる北朝鮮に対するスタンス、三権分立が憲法に書いていないという政治に対する認識、乗数効果などの議論に見られる経済・財政問題の無策は、彼がいかなる分野でもリーダーシップを発揮できないことを示唆しています。議論を混ぜっ返すのは確かに得意でしょうが、鳩山総理が「菅君は私より切れ者。時にキレすぎる。」と講演で表現したキレやすいキャラクターが足を引っ張る可能性があります。書かれた原稿が読めない方なので、ともすると用意された原稿を無視して取り返しのつかない答弁をすることも予想されます。

 まずはこの後、郵政逆行法案をどのように処理するか。菅新総理の手腕が試されます。

 気になるのは、舛添議員が、民主党との関係についてはあらゆる可能性を排除しないと発言しておられること。第三極勢力には存在感の濃淡が色々ありますが、理念無視で与党に擦り寄ることは、一時的には政権に近づきますが、長期的に見て当該勢力に大きなダメージとなりますし、国益も損ねます。

[法令順守の姿勢を示せ]

 ダイエー創業者の次男、中内正氏が2億7000万円の贈与税脱税容疑で逮捕されました。鳩山総理は不訴追特権のある総理大臣を辞任されたのですから、巨額の子ども手当に対する脱税捜査は当然行われるべきです。
 また、総理が検察庁に出していた資料の返還請求及び国会提出、小沢前幹事長の政治と金にまつわる証人喚問の実施など、当方の要求を拒んできた項目についての姿勢は、新政権の法令順守に関する体質を明らかにするでしょう。前回この欄で書いた、辻前副幹事長の検察審査会への接触に関し、野党法曹資格者たちで作った公開質問状も先日発送しました。既に先方に到着しているはずであり、これに対する速やかな回答を求めます。

[子ども手当]

 支給がいよいよ始まりました。私の地元所沢市でも15日付で2カ月分のひとり2万6000円が振り込みで支払われるとのこと。他の市町村では現金給付とし、窓口で保育園の保育料や学校給食費の滞納がある場合にはその支払いを要請しているとのことですが、所沢市では振込用紙にこれらについて「払ってほしい」との文言もないということでした。確かに人口の規模からみて振り込みにするのはやむを得ないでしょうが、定額給付金についての扱いとの温度差が大き過ぎはしないでしょうか。

≫平成22年6月2日

[出しそびれた内閣不信任案]

 鳩山総理が辞意を表明しました。

 昨日の自民党役員連絡会では、衆議院での内閣不信任案や参議院での内閣問責決議案の提出について話題に出たものの慎重論も根強く、「与党の動向を見て」対応することとなりました。もう少し早く出して与党の更なる分断・動揺を図りたかったところでした。

 その役員連絡会で私は、「総理が交代しても民主党の体質が変わらないことをアピールしていかないと、民主党の代表選挙が起死回生の一手となってしまう」と主張したのですが、民主党は小沢幹事長も辞任することによってイメージアップを図るようです。北海道教職員組合から違法献金を受けた小林千代美衆議院議員も辞職の方向とのことです。

 しかし民主党が「民意を問わずに表紙だけ変えてきた」と自民党政権下の総理の度重なる交代を批判していた以上、また、自分たちのマニフェスト違反が相次いだ以上、解散・総選挙により直ちに民意を問うべきことは当然です。
 また、代表選挙がわずか2日後の6月4日に行われるということで、「開かれた代表選」とは程遠いことも問題です。私の主張するとおり、結局民主党の閉鎖的な党運営は変わらないのです。普天間問題が8月末までに日米合意による決着を図らなければいけないことも変わっていません。

 さらに、5月26日、小沢幹事長の2度目の不起訴処分が決まったわずか5日後に、辻恵民主党副幹事長が、再度の処分審査を行う東京検察審査会の事務局に対し、今後の手続や補助員を務める弁護士の選任方法などについて説明を求めていたことが発覚。私や公明党の大口善徳衆議院議員など有志の法曹出身議員が「司法手続への政治介入を許すべきではない」と抗議の意思を表すとともに、辻議員に対して公開質問状を送って事実関係を明らかにするよう求めていくことにしました。(今朝の複数の新聞に取り上げられています。)これこそが民主党の極めて危険な体質なのです。

 そのうえ、信じられない強行採決で衆議院を通過した郵政実質国営化法案は、参議院での審議ができず廃案となることは確実ですが、民主党新政権はこれを再度マニフェストとして掲げ、特定郵便局長会などの支援を求めていくのでしょう。

 ちなみに今度の参院選で民主党が大敗した場合、新代表は責任を取って辞任するのでしょうか?新幹事長は?

 自民党として、国会閉会後、いかなる戦略をもって参議院選挙に臨んでいくか。同僚議員と意見交換しながら進んで参ります。

[政局でおろそかにできないニュース]

 政局の話題だけでなく、とても心配なニュースも飛び込んできています。

 一つは、国内ニュースで、昨年の合計特殊出生率が一昨年と同じ1.37となり、上昇に4年ぶりにブレーキがかかってしまったことです。少子化対策をさらに真剣に進めていかなければなりません。

 パレスチナ自治区ガザへの国際支援船団をイスラエル軍が襲撃し、中東情勢がまた緊迫していることも気がかりです。私が外務政務官時代に準備会合に出席し、このたび最終文書を出すことに成功した核不拡散条約(NPT)の再検討会議のフォローに影響が出てくるかもしれません。

 もう地元での活動に注力したいところですが、朝鮮半島情勢も含め、気の抜けない状況が続きます。

≫平成22年5月29日

[小沢幹事長の恐るべき「選挙危機管理能力」と、再び選択した「社民切り」というオプション]

 昨日、社民党の福島瑞穂党首が閣僚を罷免されました。

 検討の結果、普天間基地問題で自民党案しか取れないと(ようやく気付いた)鳩山政権に残された道は既に二つに限られていました。問題を先送りして福島大臣を留任させる道か、少なくとも米国との基本合意で方針を明らかにしたうえで、福島大臣を罷免するか、です。

 後者の道を取った場合、鳩山総理の過去の発言(「最低でも県外」)との食い違いを突かれ、地元が大反発することは必至でした。しかし、物事が自分の思うとおりに進まないと徹底して強硬手段を取る小沢幹事長です。過去、細川非自民連立政権のとき、やはり政権が立ち行かなくなって社民党との連立を解消した小沢さんにとって、「社民切り」を選択することは想像ができました。
 そのうえ、これが政権を揺るがす大問題であっても、参議院選挙まではあと一カ月以上あります。過去の豊富な経験から「民衆は選挙まで1カ月あれば怒りなど忘れてしまう」と踏んだのでしょう。小沢さんは今決断をすることを選びました。

 しかも、昨日は何とあの亀井大臣が主導した、郵貯及び簡保の限度額引き上げ・実質的国有化を内容とした、恐るべき「郵政民営化逆行法案」が、何とわずか一日(6時間)の質疑で、衆議院総務委員会で強行採決されたのです。小泉政権下で郵政民営化法案が100時間を超える審議を経たことを考えると、この運営はあまりに異常です。
 「何が何でもこの法案を通して、特定郵便局長会ら集票組織を参院選でフルに活動させたい」という思いが明白でした。

 ところがどうでしょう。この暴挙はどれだけマスコミに取り上げられましたか?普天間問題に隠れてほとんど国民に伝わっていないではありませんか。今、政権を揺るがす「政治とカネ」「口蹄疫」「普天間」「公務員制度改革・郵政改革逆行」これらを一気にまとめて6月上旬までの会期中に片づけておけば、(あまりにそれぞれの問題が大きすぎるので、それらをまとめて処理しても打撃の大きさがさほど違わない)あとは選挙までの間1カ月で有権者の怒りを鎮め、臨時事業仕分けでもやれば選挙に勝てる...鳩山政権は、日本の危機管理能力はゼロでも、選挙危機管理能力は抜群なのです。

 私たちは、与党がいやがおうにも延長を拒む今国会が終わった後、いかに参議院選挙までの間に「今の民主党政権が国益を損なうとんでもない政権であること」を国民の皆様に忘れさせないかが課題となってきます。

[メディアでの活動は続く]

 このたび、遅ればせながらTWITTERを始めました。早速フォロワーが600を超え、GREEとともに身近なメッセージを発信する媒体として活用しようと思います。
 一昨日はUSTREAM番組に出演、来週にも某局のテレビ番組の取材依頼をいただいています。激動の政局の中、これからも筋を通し、全力で活動していきます。

 参院選から、選挙運動でのネット利用が(今の与党に不利な部分を除いて)認められるようになりそうです。お金をかけず思いを伝えるツールとしてもっと有効活用していきたいと思います。

≫平成22年5月26日

[外交部会で私が叫んだ理由]

 私は4月13日のこの欄で書いたとおり、先月韓国に出張した際に(日本では当時ほとんど報道されていなかった)韓国の哨戒艦の沈没事故が現地で連日大きく取り上げられていたことにびっくりしました。

 そして、これが北朝鮮の魚雷によるものであるという先進各国の共同調査が発表され、それを北朝鮮が事実無根と否定する一方で、韓国の李明博大統領が「国連安保理付託を含む断固たる措置を取る」と演説するに至り、私は大きな危機感を持ったのです。

 これまで北朝鮮は日本に向けてミサイルを発射しましたが、軍事的境界線を接する韓国は、日米の北朝鮮に対する毅然とした非難と異なり、慎重な態度を示していました。しかし、今回はまさしくその南北朝鮮間で緊張が拡大しているのです。

 私は昨日の朝開かれた自民党の外交・国防合同部会で、政府の対応に危機感が薄いと感じ、そんなことでよいのか、しっかりと有事の際のシミュレーションをしておくべきだし、鳩山総理が「日本が先頭に立って制裁に臨む」などと軽々しく述べたことは、(影響の大きさを考えると)はなはだ疑問だ、と大声で発言しました。

 そして今朝、私の懸念を裏付けるように、北朝鮮が、韓国の国境近い開城工業地区にある南北経済協力協議事務所の撤廃・韓国関係者の追放を含む、韓国との全関係断絶を発表したとのニュースが飛び込んできました。これを全面戦争に発展させてはいけません。日本は米韓両国と緊密な連絡を取るのはもちろん、北朝鮮に対して慎重な中国・ロシアに対し、北朝鮮をきちんと平和に向けて説得するよう働きかけていくべきです。日本の安全保障が脅かされる可能性があるのですから!

[タイでの緊迫、解決せず]

 タイでもタクシン派の反政府勢力のデモなどで、日本の現地法人を含む経済活動までもが大きな打撃を受けています。日本政府の存在感は、相変わらず薄いままです。

 前政権で外務政務官をしていた身としては、普天間問題を含め、今の政府の外交政策に大きな不安を抱かざるを得ません。

[小沢幹事長のおひざ元、岩手に乗り込む!]

 23日日曜日には、自民党の井上青年局長・丸川女性局長とともに盛岡駅前で、今年の参議院選挙に岩手から立候補を予定している高橋雪文さん、全国比例候補予定者で釜石市出身の小野寺有一さんとともに、街頭遊説を行いました。

 通行人の方々の反応や、それに先立つ近くのホテルでの対話集会での参加された方々の反応を見ると、やはり民主党の小沢幹事長のおひざ元だけあって、冷やかな反応が目立つような気がしました。しかし岩手から是非とも日本の政治が(体質を含めて)変わって欲しいと思います。

[地元でも対話集会]

 翌日月曜日には、小手指の地元事務所や三芳町の藤久保公民館で、地元の方々と対話集会に臨みました。党本部からも衛藤晟一参議院議員や阿部俊子衆議院議員が参加して下さり、充実した会になりました。今後ともこうした対話集会を沢山開催できればと思っています。

[山本一太議員から求められた派閥の離脱]

 山本一太議員が、仕事や会合で一緒になると「柴山さん、派閥を出なくちゃ」と言われます。影響の大きいご自分のブログにも、私への激励とともにそうしたご意見を書かれるのですが...

 おっしゃることはよく理解できます。自民党の派閥はかつて中選挙区制下で、人事などを一部の幹部で左右し、透明な党運営を阻んできたのですから。
 しかし5月12日のこの欄で詳しく書いたとおり、私はむしろ派閥を近代的な政策勉強会へと改革し、党運営に(副幹事長として)様々な提言を行っていきたいと思います。ご理解をいただきたいと思います。

≫平成22年5月21日

[悲惨な口蹄疫の実態]

 宮崎県で爆発的に進んでいる口蹄疫の拡大を何とかしなくてはいけません。

 自民党は先月からこの問題の深刻さに着目し、いち早く対策本部を設けるとともに政府などに様々な提言を行ってきました。(私のGREEのメッセージにもしばしば取り上げています。)しかし、赤松大臣をはじめ政府の危機感の薄さはひどいもので、地元の自民党江藤拓議員による質問に対する答弁からも、全く自ら陣頭指揮をとるとか、海外出張を切り上げるとかいう意識がないことがよくわかります。(この質疑の様子は動画サイトで非常に多くのアクセスの対象となっています。)

 この問題に限らず、民主党は、マスコミが注目する話題ならば(過去の経緯など無視して)世論受けのする行動を取るのですが、そうでなければたとえ重大な国益の問題があっても極めて対応がずさんです。

 埋却処分地や熟練した獣医の確保、ワクチンの入手、隔離措置、被害農家への適切な補償、とにかくできることを全てかつ迅速に行うことが必要です。12万頭もの家畜が殺処分の対象となるということで、宮崎県の畜産農家は存亡の危機にさらされていますし、日本全体への感染の拡大も現実のものとなってきているのです。

[相次ぐ街頭遊説への熱い視線]

 12日の新宿、15日の所沢に続き、19日には池袋で街頭遊説を実施しました。足を止める方の数が多く、反応もとてもよいものです。これからも熱い思いを訴えて参ります。

[質問と動画サイト]

 事業仕分けに関する11日の質問に加え、17日には普天間問題と所沢米軍通信基地に関して岡田外務大臣他に質問しました。最近私の質問の様子が動画サイトに取り上げられる機会が増え、多くの応援を頂いています。今日もこれから法務委員会での質問。グローバル化に伴い、不可欠と見られてきた国際裁判管轄の法案に関する質疑のほか、不起訴とみられている小沢幹事長の件、政治主導の名のもとに政府に大量に送りこまれている民主党職員のあり方などについて質問をします。

[青木議員の引退に際し]

 この夏島根県から立候補を予定していた青木幹雄参議院議員が体調不良のため引退を表明しました。病気は残念ですが、これを機に世代交代を進めていかなければいけません。(私のこのコメントが16日付の日経新聞全国版にも取り上げられています。)本当は後継候補の選出にも公募などのオープンなプロセスを導入すべきというのが私たち若手の意見でしたが、時間の問題と地元の調整の結果、ご長男の一彦さんが候補予定者となります。確かに形だけの公募となってしまっては逆に反発を受ける可能性もありますので難しいところでした。

≫平成22年5月14日

[マニフェストのブラッシュアップは続く]

 今日、自民党のマニフェストが発表されました。

 私は成長戦略特命委員会の一員として、景気・雇用対策の立案に関与してきました。塩崎座長のもと、実はかなり大胆な案ができていたのですが、今日発表されたものを見るとだいぶ削られているようです。

 民主党のいい加減なマニフェストを見ると、政権奪還した際にウソにならないように誠実なものを作らなければいけないと思いますが、さて、どんなご意見が集まるか。
 パブリック・コメントのような形で寄せられた反響を踏まえ、最終的なものを定めていきます。自民党のプロセスはあくまでオープンです。

[都合が悪い法案]

 公務員改革関連法案に続き、今日は地球温暖化対策基本法案が、委員会で審議打ち切り・採決となりました。科学的根拠薄弱で、日本単独の温暖化ガス削減目標(排出権取引を伴わない真水の数字)を入れない不完全な法律であり、当然自民党は対案を出していました。どうも民主党は都合の悪い法案で強行採決を連発しているのでないかとの疑いがぬぐえません。

 もっとも、内閣委員会と異なり、今日は議員が小競り合いとなることはありませんでした。内閣委員会では転倒した民主党の議員がおり、そのシーンが動画サイトに取り上げられ、本当に小突かれたのかが議論になっているようです。

[明日は街頭演説]

 12日に新宿駅西口で谷垣総裁と(公務員改革関連法案の採決に抗議して)街頭演説をしましたが、明日15日も午後5時から、所沢駅西口で街頭演説を行います。国政がこのままでよいのかについて、自民党広報本部長の小池百合子議員と、政調会長代理の鴨下一郎議員とともに熱く語りたいと思います。一人でも多くの方においでいただければ幸いです。

≫平成22年5月12日

[相手の得意分野に切り込む!]

 先週この欄で予告したとおり、昨日の衆議院決算行政監視委員会で、棚橋泰文議員に続いて質問に立ちました。

 あえて、今話題となっている事業仕分けや、マニフェストの変更について、菅財務大臣や枝野行政刷新大臣などに問いただしました。ニコニコ動画をはじめ反響が大きく、感謝しています。(時間が足りず予定した質問が消化し切れなかったのが残念ですが...)見どころは沢山あると思っていますので、是非動画をご覧下さい。

[あり得ない普天間問題の先送り]

 鳩山総理の沖縄訪問で問題が解決しそうにないと見るや、政府・与党は、こぞって「5月末を過ぎても解決に向けた努力をすべきである」と言い始めました。

 聞こえはよいですが、今腹案として(もう腹案ではなくなっていますけれど)示されている「辺野古沖合い杭打ち桟橋方式・徳之島一部機能移転案」は、徳之島の方々のご理解も、米国の同意も、得られる見込みはほとんどありません。今の政権は、前政権と違う解決案を示すことにこだわる余り、問題解決の先送りを容認しているにほかならず、しかも「5月末」と繰り返し自ら期限を設定していた鳩山総理の責任さえあいまいにしようとしています。

 こんなことが許されるなら、それこそ「総理の言葉って何?責任って何?」ということになりますし、普天間の方々の危険除去も蔑ろになってしまい、断固として許すわけにはいきません!国会で厳しく追及していきます。

 気がかりなのは、この問題がほかの米軍施設の再編プログラムにどう影響するかということ。岩国は?横田は?
 ちなみに私の地元の所沢の米軍通信基地での東西連絡道路の開設はどうなるのでしょうか?

[ヤワラちゃん公認に思う]

 谷亮子選手が、引き続きオリンピックの金メダルを目指しながら民主党の参議院議員候補になるということが発表されました。

 そういえば、トヨタのリコール問題が大変な時、社員である谷選手は民主党の小沢幹事長にお会いして支援を要請していました...これは自民党も自戒しなければいけないことですが、候補者を決める際、それが党の方向性や施策にどう結びつくのか、きちんと検討しなければいけません。谷選手には、自民党のどこがダメで、民主党の何を進めるために立候補するのか、もう少し説明していただきたいと思いますし、民主党もその観点からいかなる検討がされたか明らかにすべきです。

[すわ、強行採決か?]

 今日、内閣委員会で公務員制度改革関係法案が審議されますが、一部に「強行採決があるのでないか」との噂があります。民主党があれだけこだわっていた「天下り根絶」「政治主導の人事」に極めて不十分な案として私たちが対案を出していますが、果たしてどのような運営がされるのでしょうか。場合によっては抗議の意味を込めて、夕方都内で街頭演説を行います。私のGREEでのメッセージに場所などを明示します。

[イギリスでは再政権交代]

 実に13年ぶりにイギリスで保守党が労働党から政権を奪還しました。過半数をどの政党も取れない「ハング・パーラメント(宙ぶらりん議会)」という状況ですが、第三極として浮上した「自由民主党」と連立を組んで安定運営を目指すとのことです。

 しかし、小選挙区であることが影響してか、自由民主党は下馬評ほどは議席を取れませんでした。「柴山さんは自民党にとどまるのか」などという質問をする方がいますが、安定的な第三極を小選挙区制度において作るのは極めて難しいことだと思います。むしろ、繰り返しになりますが、自民党を近代的な保守政党に改革していくことこそ、今の時点で私が目指す方向です。

 あと、今「自民党の派閥解消を」という声があります。私も以前、派閥は閉鎖的な人事や談合的運営の温床だと思い、初当選以来しばらく所属をしなかった時期がありましたが、徐々に派閥が「政策グループ化」していることに気づき、その動きが進んで近代的な政党の中の勉強会ということになっていくなら、(民主党の中の議員グループ同様)方向性が一致している限り所属してもよいのでないか、と思うに至りました。
 清和政策研究会は、当時の小泉総理の出身派閥であり、郵政改革と教育正常化を大きな旗印とし、私の目指す方向性と一致していたことが決め手となって入りました。その後、派閥の改革にも色々提言をし、町村会長も私の相談に真摯に耳を傾けて下さっています。少なくとも今派閥を離脱する考えはありません。
 明日はその清和研のパーティーが開催されます。

 パーティーの会場となるグランドプリンスホテル赤坂(通称赤プリ)は、時代の動きに伴い、まもなく新館と別館が閉鎖されるとのこと。思い出に残るパーティーになりそうです。ちなみに、今後個人としてのイベントをどうするかも、支持者の方々と相談しつつ検討して参ります。

≫平成22年5月6日

[そして政局は変動へ]

 鳩山総理の沖縄訪問は(予想どおり)新たな解決策を示せないばかりか地元の大きな反発を招いて終わりました。

 「海兵隊の抑止力を把握していなかった」「普天間基地の移設先について、最低でも沖縄県外と言ったのはマニフェストではない」などという言い方は、一国のリーダーとして余りに不適当です。その一方で、5月末までにこの件が決着しなかった場合の責任は自分だけにあるとも言わんばかりです。

 言うまでもなく、連立を組んでいる社民党も含め、総理の方針は政権全体の方針であり、その責任は政府与党全体が取らなければいけません。もし5月末までの解決が無理ならば、参議院選挙の前までに速やかにこの件に関するマニフェストを作り直して国民に信を問うべきです。

 もはや今の政権が世論をつなぎとめる手立ては事業仕分けのみです。そしてこの事業仕分けにも様々な問題があります。連休明けに私が衆議院決算行政監視委員会で質問に立ち、それを突っ込むことになっています。(充分な質問時間が取れずに残念ですが。)
 ただ...連休明けは民主党小沢幹事長の政治資金問題や、公務員制度改革などの問題も含め、政局が色々動きそうです。私は連休直前、大島幹事長と一対一でお話しする時間を取っていただいて意見を申し上げました。国が滅ぶことのないよう、しっかりした国会対応が求められます。

[揺れ動く海外の動向]

 財政難に苦しむギリシャでは、政府の緊縮政策に抗議して大規模なデモが発生し、3人の犠牲者が出る事態となっています。数年前、ギリシャに旅行に行った際の美しい思い出が頭をよぎり、やり切れない気持ちで一杯です。今の日本も民主党政権が続けば財政の急速な悪化は避けられず、対岸の火事とは思えません。

 米国証券取引委員会(SEC)が証券詐欺の疑いで提訴しているゴールドマン・サックスの状況も気がかりです。上院公聴会では顧客軽視の営業が垣間見え、市場取引の規制強化につながる可能性があります。無論、忠実義務や情報開示は極めて重要ですが、それに見合った制度設計となるか、しっかり注目していきます。

 何といってもまもなく始まるイギリスの選挙が世界に(アメリカや日本にも)大きな影響をもたらすでしょう。ブラウン首相の投票直前の女性との対話での失態(マイクの外し忘れと悪口)もあり、労働党が厳しい戦いを強いられるのは避けられそうもありません。

[久々の同期会]

 今夜、所沢青年会議所同期の仲間たちと久々に懇親会を持ちます。どんな話が出てくるか今から楽しみです。

≫平成22年4月30日

[だから可視化]

 民主党小沢幹事長の政治資金規正法違反事件につき、検察審査会が「起訴相当」の議決をしたことは、永田町に大きな衝撃を与えました。

 しかし小沢問題を国会で取り上げてきた私としては、この結論は充分予想されるものだったのです。(だからこそこのブログで書いてきたように、質問の中で色々「罠」を仕掛けてきました。)世田谷の土地購入原資につき、一貫性のない不自然な釈明をしてきたことや、秘書が独断で行ったとの主張の不合理さは、素朴な市民感覚からすれば理解不能です。水谷建設関係者や石川議員の元秘書などの供述も、小沢幹事長の犯罪を間接的に裏付けるものとなっています。

 ただ、検察審査会の構成員である市民の方々は、今ある証拠を前提として起訴相当と判断されているのでしょうが、仮に起訴されれば弁護側が公判廷で不利な供述についてとことん争ってくるのは目に見えています。

 折しも、4月27日には大阪地裁で、障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用事件につき、被告の団体設立者が元厚労省局長と共謀したことを裏付けるとされた供述調書が、信用性がないと判断されたばかりです。小沢事件についても今後紆余曲折があるでしょう。このような事態をなくすためにも、取り調べ過程の可視化(録画・録音)が求められてくるのです。

[必要な説明責任]

 しかし、(マスコミの取材にも答えましたが、)小沢幹事長は国会で説明責任を果たすことが一層求められます。検察審査会11人が全て起訴相当と判断したということは、単純な事務ミスでなくもっと大きな不正があるのではないかと国民が感じているということです。これ以外にも存在する様々な疑惑とともに、同僚議員としっかりチェックしていきます。

[再び続く取材]

 週刊誌、単行本などの取材が再び相次ぐようになりました。この5月2日(日曜日)午後5時からは、次世代リーダー討論番組とされ、毎日新聞の岸井成格氏が司会を務めるBS-TBSテレビの「政策討論 われらの時代」に出演することになっています(5月9日午後5時再放送)。ご覧いただければ幸いです。

≫平成22年4月27日

[光陰矢の如し]

 この4月25日で、初当選6周年を迎えました。あの自転車で走り回った補欠選挙を思い出します。

 多くの方々に支えていただき、充実した議員生活を送らせていただいていることに改めて感謝するとともに、これからも一層精進することをお誓い致します。

 同じ年に行われた参院選で当選された関口昌一議員が、今年また戦いに挑みます。迷走する道路行政、米国ワシントンポストに国辱ともいえる表現で酷評された外交をはじめ、今の政権が国益を大きく損なうことは明らかです。しっかりと関口さんを応援していきます。

[鳩山総理不起訴~まだ幕引きは早い]

 総理の偽装献金事件で、「不起訴相当」の議決を行った検察審査会は、同時に、総理が虚偽記入や母親からの12億円を超える「子ども手当て」を知らなかったと述べていることに、「素朴な国民感情として考え難い」と異例のコメントを発表しました。

 起訴できるだけの証拠が見つからなくても決して「シロ」と判断しているのではないのだということを強調しているのであり、総理には引き続き説明責任が問われます。この事件は秘書が政治家の罪をかぶったというのが実態であり、このまま終われば、トカゲのしっぽ切りとなってしまいます。

 脱税問題の処理も残っていますし、何よりも、公職選挙法違反の可能性もある「膨大な資金の使途」については、きちんと公判終了とともに、総理自身が3月3日に明言したとおり(しかも前回のこの欄で書いたとおり、中井国家委員長も千葉法務大臣も「総理が約束を守ると信じている」と私の質問に対して答弁された)、国会に資料を提出して、説明してもらわなければいけません。

 しかし4月21日の党首討論で、総理は「基本的には資料の提出などというものは必要のないものではないかと、そのように私は考えております」と発言しました。こんな不誠実な態度でよいのか、今後も国会で徹底的に追及していきます。

 早速私のところに来た取材に、上記のようなコメントを発表しました。

 民主党小沢幹事長についての検察審査会の議決も近く行われるはずです。注目したいと思います。

[始まった事業仕訳、静かに進行する自民党の対案プロジェクト]

 民主党が事業仕訳第2弾を実施していますが、やはり国民の関心は第1弾に比べるとかなり低いようです。また、自民党でも河野太郎無駄撲滅担当が中心の対案プロジェクト(というよりこちらが元祖なのですが)が進められ、近く開催される決算行政監視委員会では私が質問に立つことになりそうです。不十分な点はしっかり(制度論にさかのぼって)指摘していきます。

[残念な舛添議員の離党]

 舛添議員が新党立ち上げとともに自民党を離党しました。

 同議員と「経済戦略研究会」でともに議論し、改革の旗を党内で立ててくれるよう求めていた私としては、残念な気持ちでいっぱいです。「政界再編には与党(民主党)が割れるための戦略がなければいけない」「理念の違う者と一緒になるのは野合だ」マスコミにも取り上げられた私の発言は、かえりみられることはなかったのでしょうか。

 私は今は党内で、改革を目指して歯を食いしばる道を進みます。

[一安心の欧州空の便]

 アイスランドの火山噴火で大混乱を招いていたヨーロッパの空の便が、ヒースロー空港の再開などでようやく平常に戻りました。危機管理の重要性を改めて思い知ります。普天間問題でこれだけ手こずる日本の鳩山政権を見て、大いなる不安を感じるのは私だけではないはずです。

[頑張る地元の方々]

 4月25日に所沢市民体育館で開催されたbjリーグ(バスケットボール)の、埼玉ブロンコスの今シーズン最終ホームゲームは、めでたく勝利で終わりました。今シーズンは厳しい試合が続きましたが、是非地元の埼玉西武ライオンズとともに、今後頂点を目指して欲しいと思います。
 昨日は応援して下さる女性の集い「しばざくら会」のバスツアーも実施されました。秩父羊山公園で、それこそ美しい芝桜の丘を堪能し、地元関口参議院議員とまつり会館を見学しました。天気にも恵まれ、素晴らしい企画になりました。尽力された方々、参加された方々に心から感謝申し上げます。

≫平成22年4月21日

[迫り来る政治資金問題の節目]

 報道によると、今月中にも民主党小沢幹事長の政治資金規正法違反について、検察審査会(国民から選ばれた11人で検察庁の不起訴処分の相当性を検討する組織)の議決が出るとのことです。

 昨日の法務委員会では私が質問に立ち、千葉法務大臣に、不起訴不当あるいは起訴相当の議決があったらそれは尊重されるのかを尋ねました。大臣は何とも苦しい答弁でした。(後ほど議事録をアップします。)

 鳩山総理の元公設秘書の判決公判も明日22日に予定されています。罪状を認めているため控訴の可能性は低く、「刑事処分が終結すれば検察庁に提出されている書類を返還してもらい、国会にて議論の資料とする」と再三明言している総理が約束を守るか注目されます。(この資料には、総理が母上から受け取っていた巨額の子ども手当ての使い道が書いてある可能性があります。)
 昨日の国会質疑では、千葉法務大臣も、中井国家公安委員長も、総理が約束を守ると信じていると明言されています。状況を見守ろうと思います。

 さらに、私の「両大臣は参議院選挙でのマニフェストを昨年の衆議院選挙から大幅に変更することについてどう思うか」という質問に対し、お二人とも「大幅変更はするべきでない」と答弁されました。今後どうなるかしっかりとチェックしていきます。

[今日は党首討論]

 今日は鳩山総理と谷垣自民党総裁の党首討論が予定されています。私は同僚たちと昨日、谷垣総裁に直接お会いして、民主党が前政権から明らかに天下り問題をはじめトーンダウンした公務員改革関連法につき、党首討論で取り上げてもらうように、また強行採決などさせないように、要望し、その後記者会見を行いました。今日の党首討論は傍聴しに行くつもりです。

[テレビでの訴え]

 明日22日(木曜日)午後7時半から放送されるNHK総合テレビの「クローズアップ現代」では、現在支持率がなかなか伸びない自民党の現状や注目を集めている舛添議員についての考えなどを、同僚の議員と話し合う様子が放送される予定です。私たち若手が政策・組織などでしっかり改革を進めていく道筋などについて訴えました。
 また、翌23日(金曜日)午後7時56分から放送される、日本テレビ「太田光の私が総理大臣になったら~秘書田中」にも出演します。三遊亭円楽さんが示す「都道府県を廃止して市町村だけにする」のマニフェストに対し、「都道府県は合併させて道州制導入」を訴えて反論するのですが、詳しくは放送をご覧下さい。

 民主党が「事業仕訳第2段」で支持率の浮揚を狙っています。無駄撲滅副担当として、リーダーの河野太郎議員とともに、自民党が民主党を上回る成果をもたらす仕訳ができるよう、至急検討します。
 河野議員といえば、明日22日夜に、山本一太議員、世耕弘成議員、平将明議員、山内康一議員や私と一緒に某ライブハウスでトークショーを行う予定です。事前申し込みがとても多いと聞いていますので、しっかり頑張ろうと思います。

≫平成22年4月17日

[議員立法提出の責任]

 柔軟な人事を可能とする幹部公務員法と、天下り撲滅を期した国家公務員法改正の野党側対案提出者として、毎回衆議院内閣委員会で答弁側の席に立っています。大臣になるといつもこんな感じなんだろうなあ、などと感慨深いです。ちなみに政府案の方の提出責任大臣は仙谷由人議員。作戦なんでしょうが、もう少し答弁を明瞭・簡潔にしてほしいです。

 この問題で民主党は政権を取る前に主張していたこととは180度異なる後退した案を出してきています。まさか強行採決などあり得ないと思いますが、最近の厚生労働関係(子ども手当てや国民健康保険に関する法案の連日の強行採決)を見ると不安になります。
 (それにしても本会議場で連日傍聴される方々の多いこと。議会の大部分を占める民主党議員の後援会の方々が多いのでしょうが、議場で繰り広げられる民主党の無味乾燥なヨイショ質問と、問題点を突き、政権の危険性を指摘する我々野党の質問を比較してお聞きになってどのような感想を持って帰られるのか、一度伺ってみたいです。)

 4月14日の公務員法改正案質疑のトップバッターは小泉進次郎議員。わかりやすく、堂々とした質問でした。答弁した私にその後日本テレビがインタビュー。翌朝8時からの「スッキリ!!」で放送されました(gooTVトピック検索にはなぜか出ていませんが)。お父様譲りのユーモアのセンスと言葉の使い方のうまさはとても参考になります。

 私の方も取材・講演依頼が引き続き相次いでいます。14日にはラジオニッポン放送系33社の「お早うネットの会」にて、各局報道担当者を前に講演を行いました。今後も日本テレビのバラエティー番組、TBSの政治番組、NHKの番組などに出演の予定です。「若手が自民党で頑張っているんだ」というところをぜひ伝えたいと思っています。

[定例化された全議員懇談会]

 党の政策・運営について平場の意見を聞く全議員懇談会が15日木曜日に開催されました。今後毎月定例化されるということで、とてもよいことだと思います。独裁的な小沢民主党とは雲泥の差であり、ここで前向きに出た意見が集約されればきっと党はまとまっていけると思います。
 この日に続出したのは、離党した与謝野馨議員に対する厳しい意見。来週党紀委員会で処分されることとなりそうです。私からは、今後リーダーが指導力を発揮するためには国民がリーダーを選ぶ仕組みに近づけていくことが必要で、まずは党の総裁選につき党員一人一票制を進めてほしいと訴えました。(国民的人気が高い舛添議員の勉強会に私が入っていることと結びつけて受け止める方がいましたが、そういう考えがあったわけではありません。)また、そろそろ取りまとめに入るマニフェストでは、民主党の成長戦略が自民党の「パクリ」になることを危惧。付け焼刃の成長戦略ではモノにならないことを示す「骨太のキャッチフレーズ」を示すべきだと訴えました。具体的な提案内容はここでは書きません。

[激動する国際社会への懸念]

 ポーランド政府専用機の墜落で、カチンスキ大統領夫妻をはじめ97人の要人全員が死亡したというニュースと、タイの反政府デモと当局の衝突で、ロイター通信の日本人カメラマン村本博之さんが亡くなられたというニュースが相次いで飛び込んできました。再発防止に関係者に取り組んでほしいと切に願うとともに、国際社会に対して何ら指導力を発揮できない日本の現状にもどかしさを覚えます。
 普天間問題で鳩山総理が約束どおり5月中に解決策を示せる可能性はどう見ても低く、平野官房長官が「解決策」のハードルを下げ始めたことはぶざまとしか言いようがありません。

 中国でも、邦人の死刑執行や青海省の大地震など、気がかりな状況が相次いでおり、フォローしていきたいと思います。

 米国オバマ大統領の核セキュリティーサミットでの言動が注目を集めています。非核保有国に核を使用しないという原則はうなずけます。昨年ニューヨークで開催されたNPT(核不拡散)条約検討委員会準備会合で外務政務官として核軍縮を訴えたことを昨日のことのように思い出しました。

≫平成22年4月13日

[友好は大切だが国益は守る]

 4月9日から3日間、政策研究大学院大学のご案内により、「日韓未来構想2010年済州島セミナー」に出席しました。

 日本側は自民党の林芳正参議院議員をはじめ、9名の超党派の国会議員団が参加し、韓国側は一昨年に自民党青年局で韓国出張に出かけた際にお会いした(この欄の平成20年8月2日分をご参照下さい)ハンナラ党の次世代リーダー南景弼(ナム・ギョンピル)議員をはじめとした8名の超党派の議員団が参加しました。

 夜の歓迎会が予定された初日金曜日は、鳩山総理の「修正協議は一切考えていない」という発言で紛糾した国家公務員法改正案の審議で、議員立法提出者として終日時間が取られていたために、深夜ソウルに到着してプログラムには参加できませんでした。翌朝6時30分発の飛行機で、眠い目をこすりながら会場の済州島に到着。ここは4年前の日中韓次世代リーダーフォーラムでも訪れた美しい場所ですが、今回は残念ながら景色を楽しむ時間はありません。

 土曜日午前中の二大政党制をめぐる議論に続き、午後の普天間問題をはじめとした東アジア安全保障の議論、日本の竹島をめぐる教科書検定の議論で大いに盛り上がりました。韓国では、日本の小学校教科書に全て竹島の記述がなされるようになったことが非常に大きくマスメディアで取り上げられており、「韓国哨戒艇沈没による多くの兵士の犠牲で韓国が大変な時期であるのに乗じて、日本の文科省が竹島領土問題で子どもを洗脳する方向に舵を切った」とも取れるような報道が横行、対日感情が険悪化しているところだったのです。(少し落ち着きを見せていたところのようですが。)

 私は、文科省にそのような意図があるということは、検定制度の実態上ありえないと主張するとともに、これまで日本は領土問題のみならず余りに近現代史に関しての教育がおろそかだったこと、日本が隣国に対して侵略的意図を持つことはないことなどを力説しました。

 そのうえで、日本としては竹島は日本の領土であるという解釈だし、この解釈を争うなら国際司法裁判所(ICJ)へ日韓が合意提訴するべきだと訴えるとともに、日韓の友好を深めることは大切だが、日本としては国益を守ることが必要であって、この問題では私は主張を続けると明言したのです。韓国側からは、(予想どおり)ICJ判事に日本人判事小和田恒氏が就任していることや、ICJに日本の巨額の拠出金があることなどから判断の公正性を疑う指摘がありましたが、思ったほど感情的な反発はありませんでした。

 日本の民主党議員に対しても、国益を守ることの大切さを訴え続けたこの出張、私にとっては意義ある機会だったと確信しています。

[思いを伝える場]

 4月8日には、母校私立武蔵高校同窓会木曜会の講師として、最近の政局と今後の日本の目指す方向につき訴えました。今日は、午後所沢市内を、自民党埼玉県連の街頭宣伝車に乗って遊説に回ります。「今のままでは日本が滅ぶ」強い危機感を多くの場で訴えていきたいと思います。また、先週からGREEに登録し、ちょっとした日記を書き始めました。このブログと併せて、多くの方が読んでいただくことを期待しています。私が幹事の一人である党の成長戦略特命委員会の方針とりまとめも大詰めです。

[心に空いた穴]

 私の後援会の初代会長である栗原敦喜さんが亡くなられました。いつも親身に心配して下さり、ご出身の農協のみならず地元の方々にも一目置かれる大きな存在でした。体調を崩し入院されていたのですが残念なこととなりました。さびしい気持ちでいっぱいです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

≫平成22年4月7日

[与謝野・園田議員の離党と谷垣執行部の対応]

 与謝野馨議員が3日、谷垣総裁に自民党の離党届を提出しました。園田博之・藤井孝男議員もこれに続き、新党を結成するとのことです。

 郵政問題など必ずしも政策で一致しない平沼議員との、清新さを欠くメンバーでの新党構想に、自民党若手から追従する動きは限られるでしょう。私は同じ日、都内中野区で松本文明前衆議院議員や大村秀章議員と「ふるさと対話集会」に臨んでいましたが、同行取材の記者に対し、「若手の同調者は少ないと思う。ただ、与謝野さんが出ること自体は、党改革への強い警鐘と真摯に受け止めなければならない。」とコメントしました。(翌日報道されました。)

 そして週明け、自民党は動きました。

 常々執行部を批判してきた河野太郎議員を、園田議員の後任の幹事長代理に抜擢しました。また、党内から若手を大幅に入れた「影の内閣」設置を要望する声が高かったことに答えて、「ネクスト・ジャパン(政権力委員会)」を設けることを決定しました。河野議員はここで、「無駄撲滅担当(行革担当大臣に相当)」となり、私はその直属の「副担当(副大臣)」に指名されました。

 また、前回のこの欄で書いたとおり、天下り根絶に余りに無力な政府提出の公務員法改正案に対し、みんなの党と共同で、改革色の強い対案を提出することを決定(自民党総務会でみんなの党との連携に対し疑問の声が続出したと聞きますが塩谷立行革本部長や平井卓也事務局長が押し切りました)、私も共同提出者の一人として本会議場で答弁に立ち、直後に記者会見を行いました。

 自民党が改革に向けて(不十分かもしれませんが)舵を切ったことを、私は評価したいと思います。河野議員が執行部に取り込まれたとの見方もあるでしょうが、私は河野議員の性格からして、いかなる場面でも自説を貫く覚悟だと確信しています。私もそういうスタンスで臆することなく役員会などで行動してきましたので。
 また、「ネクスト・ジャパン」については、そのメンバー表を見ると色々な「思惑」が見えてきます。今の政権構想委員会(部会長会議)との関係がどうなるのかなど、不明瞭なこともあります。(部会長が立案で、ネクスト・ジャパンの大臣(担当)は対外発信だということですが、発信力を高める格段の努力が必要でしょう。)しかし、おそらく現時点では、谷垣自民党としてはできるだけの改革を試みたのだと思います。

 週刊誌などの取材で、これで満足なのかという質問がありましたが、私は「もちろん、これから党改革には不断のチェックをしていきます。与謝野氏らの離党が『災い転じて福となる』と言えるかどうか判断するには、まだ時間がかかると思います。」と答えました。

 これからますます忙しくなりそうですが、地元活動にも全力で取り組んで参ります。

[埼玉県衆議院小選挙区支部長選定作業、推進中!]

 初の全国一括公募で68人の応募者があった、自民党埼玉県連の衆議院小選挙区支部長選定作業が進んでいます。私は候補者選考委員会委員長代理として、なるべく早く、地元の理解もいただける支部長を選任できるよう鋭意取り組んでいます。色々なことがありますが、この時点ではまだ公表を控えさせていただき、「急いで頑張っている」ということだけお伝えしたいと思います。

≫平成22年4月2日

(本日のブログは複数回に分けて書き込みます。)

[谷垣総裁の覚悟~しかし若干の注文あり]

 一昨日の3月31日、久々に鳩山総理と自民党谷垣総裁・公明党山口代表との党首討論が実施されました。私も会場で傍聴しました。

 終了後、記者団に感想を求められたので、次のとおり答えました。
「党の両院議員懇談会を明日に控え、谷垣総裁は並々ならぬ覚悟を持って討論に臨まれたと思います。前回に比べて強い気迫がありました。詳細な準備をされたと思いますが、想定問答どおりでなくとも総理の不十分な答弁にアドリブで二の矢を突っ込むなど、詰めを厳しくすればよりよかったと思います。」

 その後私が出席した勉強会で舛添議員が、「与党が迷走する郵政の問題を取り上げたほうがよかった」と発言されましたが、谷垣総裁は山口代表と事前に役割分担をしていたようです。持ち時間の限界もあり、谷垣総裁が「政治とカネ」「普天間」に議論を絞ったのはやむを得ないでしょう。

 谷垣総裁のリーダーシップは、翌日の両院議員懇談会でも発揮されました。

 冒頭、何人かの議員から、執行部の刷新など党改革への要望が出された際、総裁は「自分が選んだ執行部について刷新することは毛頭考えていない。ただ、今度の参議院選挙の選挙対策本部に中堅・若手に入ってもらうので、そこで是非活躍して欲しい。」と答えられたのです。

 しかし、その後も「一度不信任を受けた以上経営陣は退陣するべきだ」「予算委員会の質問などでも攻撃力のある若手を抜擢すべきだ」などの意見が続出。足の引っ張り合いをせず谷垣総裁のもと結束することは必要だとしながらも、国民にとって生まれ変わったことを人事の面からも印象付けるよう求める声がほとんどでした。

 谷垣総裁は終わりの方では余り発言されませんでしたが、こうした平場の議論をガス抜きに終わらせてはいけないと思います。自民党は民主党と異なり、 開かれた議論が持ち味です。そしてそれを集約し、決まったことには結束して従う、それが必要だと何度もこの欄でも書いてきました。

 議論が終わった後、取材陣に囲まれてコメントを求められました。「かなり総裁と議員の方々の間にギャップがあるようです。私は副幹事長という立場から今日は発言を控えましたが、総裁には、是非民主的に各議員の方々の思いに誠意を持って対処していただきたい。そのことを、重大な決意を持って、直接谷垣総裁に訴えます。」

 その日の夜、党の組織運動本部の役員として、谷垣総裁との懇親会に出席した際、私は真剣に総裁に思いを訴えました。総裁は真摯に耳を傾けて下さったと思います。「まあ、今日だけで結論を出すことはしませんよ。」ホッとしました。

 これからも党改革に向けて頑張ります。

[思いを込めての出演]

 本日2日、午後3時30分からと午後11時から、TBSテレビのCS放送ニュースバード「~国会トーク~ フロントライン」に出演します。

 一昨日の党首討論、昨日の自民党両院議員懇談会と谷垣総裁への申し入れ、新党問題、郵政問題、これから目指していく政策...30分の枠ですが、どうぞ番組をご覧下さい。(再放送は土曜日午前9時30分からと日曜日午前0時30分からです。インターネットニュース「TBS News i」では土曜日から流れるとのことです。)

[まとまった公務員制度改革の対案]

 民主党をはじめとする与党は公務員制度改革について、国費を膨張させ、しかも不徹底な案を提案しようとしています。これに対し、幹部公務員の柔軟な人事と、天下り問題の解決を目指した対案を塩崎恭久議員たちとまとめました。私も議員立法提出者の一員として、塩崎議員や西村康稔議員、菅原一秀議員とともに答弁席に立つことになります。みんなの党と共同することになるでしょう。

[素晴らしかった荒幡地区の座談会]

 3月31日の夜、荒幡地区で座談会を開いていただきました。80名ほどの方々が年度末のお忙しい中集まって下さり、今の国政や地域の問題など、熱心にお話しすることができました。貴重なご準備をいただけたことに心から感謝するとともに、他のエリアでも開催が実現すればと思います。

≫平成22年3月27日

(本日のブログは複数回に分けて書き込みます)

[政権の末期的症状]

 あぜんとしたというのは正にこのことです。

 亀井金融担当大臣は24日に、郵貯・簡保の限度額大幅引き上げを発表しました。しかし民主党は5年前、郵政選挙に先立ち発表したマニフェストで、「民営化を行わない代わりに郵貯限度額を500万円に引き下げる」としていたはずです。早速閣内から仙谷・菅両大臣の異論が上がり、鳩山総理も「まだ決まったわけではない」とコメントしました。

 政府出資が残っている郵貯・簡保では、事実上顧客の貯金・保険金は全額保護されることになり、民間金融機関が1000万円のペイオフ限度内でしか保護されないことを考えれば、こうした限度額引き上げは明らかに民業圧迫につながります。しかも現在の郵貯は貯金を事実上国債で運用しており、やみくもな限度額引き上げは国債の更なる引き受けを通じて、ただでさえ国の財政赤字が増えているのをさらに加速することにもなるのです。

 無論金融の過疎地でのサービス維持は必要ですが、それなら民主党の5年前のマニフェストのように限度額を引き下げて民業補完に徹するべきです。しかし多くの国民はあの選挙で、郵政民営化によって郵政各事業が、より多様な業務展開やサービスの向上を行えるようにすることを選択したのです。

 亀井大臣の下で仕事をしている、日銀出身の民主党大塚副大臣は何をしているのでしょうか。そして何よりも所管大臣が正式に記者発表した基本方針が、総理にすら了解を得ていないということがあり得るのでしょうか。

 もはや今の政権は、政策も運営も末期的症状と言わざるを得ません。

[実現した平場の議論]

 私が副幹事長としてかねてから役員会などの場で主張してきた、全議員が参加できる平場でのマニフェスト作成や党運営に対するオープンな意見表明の機会が実現しました。4月1日に党運営などにつき、2日に基本政策につき、全議員懇談会が開催されます。正式な議決機関である両院議員総会でないことに若干の不満もありますが、この場で真剣な議論が行われることを期待します。その開かれた党運営が民主党との最大の違いなのです。

[ディベーター柴山の出番続々]

 最近ニコニコ動画などで、私の声が、アニメ「ドラゴンボール」のキャラクターである「ベジータ」の声に似ているという指摘がよくあります。自分ではよくわかりませんが...
 ただ、「ベジータ柴山」ならぬ「ディベーター柴山」の出番はおかげさまでだいぶ増えてきました。法務委員会での3月12日の質問の後、3月25日には消費者特別委員会で、中井国家公安委員長の議員宿舎の鍵の貸与問題や、トヨタ車のリコール問題などの質問をしています。

 質疑を通じて、この政権には、縦割り行政を打破する気概も、国民の安全を守る意識も、自国産業を適正に伸ばしていくという方針もないことが明白になったと確信しています。動画でご覧いただければ幸いです。(上の2回の質問はお互い関連しています。)

 3月26日には、構想日本主催の「政治とカネ」をめぐる徹底討論にパネリストとして参加しました。このブログでも主張してきた、問題の抜本的な解決案や民主党の「企業・団体献金禁止」の落とし穴などにつき、この問題に詳しい岩井奉信教授をはじめ、同僚の平将明議員、みんなの党の柿沢未途議員、民主党の藤末健三議員などと熱く語り合いました。NHKの取材もありました。

 このほかにもテレビの出演依頼が複数出てきています。スケジュール調整したいと思っています。

 昨日27日には、自民党埼玉県連主催の講演会で、古川俊治議員とともに講師を務め、この国の未来をどうするのか、今の政権の問題は何か、外国人参政権や高校授業料無償化などの問題をテーマに大いに語り、会場の皆さんとも意見交換しました。300名以上の参加をいただき、大盛会だったと思います。これからは地元で、より小規模に、こうした会合をしていければと思っています。

[力を振り絞っての課題対応]

 来週は公務員制度改革法案がいよいよ審議されます。麻生政権時代の自民党の法案(廃案になってしまいましたが)より明らかに後退した天下り容認法案であり、もはや「政治主導」の掛け声はむなしく響くばかりです。これに対し、塩崎恭久議員などと対案を提出しようとしています。前政権時代は党内で激論を繰り広げたこの問題ですが、私はしっかりとその時からの筋を通していきたいと思っています。
 また、石破茂政調会長が5月までにとりまとめをする参議院選挙のマニフェストにおける重要な柱となる「成長戦略」につき、幹部の一人として今懸命に作成に取り組んでいるところです。睡眠時間がなかなか取れませんが、自らの課題に全力でぶつかっていくことをお誓い致します。

≫平成22年3月13日

[無念の出演辞退]

 昨夜収録があったTBSテレビの特番に出演依頼をされていたのですが、重要な地元での会合とどうしても調整がつかず、お断りせざるを得ませんでした。
 この欄でも指摘しているとおり、メディアで思いを訴えることは重要です。チャンスがあれば積極的にお受けしたいと思っています。

[国益を損なう数々の動き]

 昨日、様々な問題点を含む子ども手当法案と公立高校授業料無償化法案が、強行採決の結果委員会を通過しました。確固たる財源もなく理念なきバラまきを行うことは極めて問題であるうえ、子ども手当が(十分な証拠もなく)海外にいるとされる子どもの養育名目で流出したり、高校無償化法案による支援対象に、あえて日本政府の監督を受けず各種学校扱いとなっている朝鮮学校が含まれる方針が示されていたなど、国益を軽視しているのでないかとの疑いがぬぐえません。

 急きょ、朝鮮学校は支援対象外とするようですが、まさに現政権が世論を風見鶏のように見たうえで展望を欠いた政策をとっているとの批判は免れないでしょう。そんなに世論を気にするなら、国民の大半が必要だと考える民主党小沢幹事長の国会での参考人質疑を実現させて欲しいものです。

 核密約に対する政府の対応もお粗末です。外務省の有識者委員会は9日、かねてから存在が疑われていた核密約については、現在効力がある「狭義の密約]はないが、核を積んだ米国艦船が日本に寄港することを暗黙のうちに認めていたという「広義の密約」があったという報告書を発表しました。

 私は外務政務官時代、この問題について河野太郎外務委員長と、これまで外務省が否定し続けていた密約の存在について本格的に調査を進めていかなければいけないと話してはいました。しかしそれは必然的に、今後もし極東で有事が発生し、米国の核が(少なくとも一時的には)日本領土・領海を通過する可能性があることにどう対応するかという議論を巻き起こすことにつながるものだったのです。

 これまで日本は戦後のタブーに正面から向かい合い、国民的な議論をすることを避けてきました。では岡田外務大臣に、その問題に取り組む覚悟があるかといえば、これまでどおり、「日本に核の持ち込みがあるとは考えられない。米国船寄港の際の確認作業も非核三原則の見直しも必要ない」という答弁に終始しています。これでは今までと何ら変わりはなく、これまで(その是非はともかく)苦渋の選択をしてきた自民党政権をただ攻撃するだけが目的のパフォーマンスだと言われてもやむを得ないのではないでしょうか。

 トヨタ車のリコール問題についても、米国議会で豊田章男社長の公聴会が実施されるなどの展開がある一方で、日本政府の対応がよくわかりません。
 安全確保のために、また日本ブランドに対する国際的な信頼を失わせないために何が必要かを真剣に考えるべきです。米国はこの問題を国益・政治のレベルで捉えているのです。

[温かい声に支えられ]

 駅頭で早朝のご挨拶をしていると、多くの方から「頑張れ」と声をかけていただきます。まだ寒い朝が多く手はかじかみますが、そうした温かい声が私の前進のエネルギーとなります。これからもしっかり頑張ります。

 来週は山本一太議員と緊急の会合を行います。自民党の副幹事長として、今後の政局についてしっかり話し合うつもりです。

≫平成22年3月7日

[政治資金問題の本質]

 鳩山総理大臣や民主党小沢幹事長の政治資金問題に続き、民主党議員への違法な資金提供事件で北海道教職員組合の幹部などが逮捕された問題で、政界が大きく揺れ動いています。

 「企業・団体献金の全面禁止」を目指す与野党協議機関の設置が話題となっていますが、上記のような団体による献金(しかもこれが北海道教職員組合に限られた事例とは考えられない)がある民主党が、本気でこれを進めようとしているとは思えません。これは実はトリックなのです。

 自民党は企業からの献金が比較的多く、しかも企業による寄付は会計帳簿上の公開が求められています。一方、民主党が大きく献金を依存する労働組合などは、その寄付に関して公開が求められていないのはもちろんのこと、組合員に対する経理報告についても、外部監査が罰則により義務付けられていないなど、制度上大きな問題を抱えているのです。

 要するに、「企業・団体献金の禁止」と一口で言っても、アンダーグランドの金でそれを免れることが容易な民主党が、あたかも自分たちが政治改革に積極的だというポーズを作って、自民党のイメージダウンを狙っているわけです。

 小沢氏自身、以前こう言っておられました。「政治にお金がかかること自体が悪いわけじゃない。その入りと出の透明化と有権者による監視がきちんとできているかどうかが最大のポイントなんだ。」と。
 私は、政治にいくらでもお金をかけていいとすると、お金持ちの人や巨大資本を持つスポンサーがいる人しか政治家になれなくなったり、多くの資金を提供する人や業界に政策が偏ってしまう危険があることから、問題があると思いますが、小沢氏の「情報公開(ディスクロージャー)と監視体制が政治資金問題の本質だ」という主張はそのとおりであると感じています。数年前、「一円領収書」が問題となった時にそのようにNHKテレビ「日曜討論」で主張し、それに沿った法改正を導いた経験もありますし、先日のCS 日テレ放送「闘論」でもそのように主張しました。

 鳩山問題・小沢問題も根っこは同じです。まずは、実効性のある政治資金の情報開示と監視をどのように行うかという議論なくして、パフォーマンスの機関には乗れません。

[日本の司法制度の重大な危機]

 政治とカネの問題を機に、今、日本の司法制度に、重大な政治的圧力がかかろうとしているように思います。小沢氏の起訴・不起訴をめぐる一連の過程、民主党で起きている様々な司法に対する動きや議論...このまま見過ごしては将来に禍根を残します。3月9日火曜日の午前10時から、法務委員会でこうした問題点を質問する予定です。是非ご関心をお寄せいただければ幸いです。

[子供手当て・公立高校授業料無償化の問題点]

 平成22年度予算各案、国税・地方税関連法案は3月2日に衆議院を通過しましたが、お金持ちにも過大な税金を支給し、海外に住む外国人子女まで対象となってしまう子供手当てですとか、公立・私立学校の授業料格差をかえって拡大し、各種学校や留年生の扱いなど余りに準備不足が明らかな高校無償化など、その問題点は深刻です。

 今後は関連法案の議論や、地方での予算・条例審議などで大きく問題化してくることでしょう。自民党の幹部としてしっかり対応しなければいけません。

[大成功のしばワンCLUBイベント]

 3月5日夜、「しばワンCLUB Start for 2010」と題して、私の応援をして下さっているしばワンCLUBのイベントが開催されました。小泉進次郎代議士はじめ、多くの魅力的なゲストにお越しいただき、とても有意義で楽しいものとなりました。おいでいただいた130人の方々や、役員の皆さん、遅くまで尽力されたスタッフに心から感謝申し上げるとともに、そのご期待を決して無にしないことを強くお誓いする次第です。

≫平成22年2月27日

[今ある危機感と反省]

 昨日、私も幹事の一人である自民党の成長戦略特命委員会が開催されました。

 諸外国との比較も行いながら、企業合併のあり方、エネルギー・IT産業の強化策、法人税率引き下げなど国内産業空洞化への対応、雇用のマッチングの今後、ものづくりやアニメコンテンツの優位性発揮など、様々な議論がありました。

 しかし私には、もっと本質的な問題があるのでないかという思いが沸々とわいてきました。それは「経済活動を支える人材の危機」です。

 経済のみではありません。スポーツ界も同じです。バンクーバー五輪で、国民の体格が日本とさほど変わらず人口が半分弱の韓国に、ここまでメダル獲得数で差をつけられるのは、人材育成策ひいては競争や目標に対する考え方に、根本的な問題があるように感じられてならないのです。(でも真央ちゃんはよく頑張ったと思います。)

 韓国には徴兵制があります。し烈な受験戦争があります。日本に対する複雑な感情があります。全てを真似ることはできないかもしれませんが、そのグローバル戦略を含め、日本は大いに参考にするべきではないでしょうか。日本の内向き志向は、アジア諸国と比較した海外留学者数の少なさにも如実に表れているのです。
 これまでの自民党政権について大いに反省するとともに、科学技術の問題で「なぜ世界一にならなければいけないのか、世界第二位でよくないのか」などと平然と主張する議員がいる民主党に大いなる不安を感じます。

[弾丸大阪視察]

 昨日、自民党の財務・金融関係の議員の方たちと大阪天王寺税務署への日帰り視察に出かけました。鳩山問題で税金を納めるのが馬鹿らしくなったからというわけでもないと思いますが、訪れていた方の数はまばらでした。税務相談にあたっていた税理士会の方々も交え、E-TAX申請の実態や添付書類などの課題につきヒアリングを行った有意義な企画でした。マスメディアにもオープンだったと思います。

[審議復帰]

 自民党は強引な議会運営をしてきた民主党の議院運営委員長や衆議院議長に対する解任決議案あるいは不信任決議案を提出するとともに、審議に復帰しました。

 私は、前回のこの欄で書き、メディアでも取り上げられているとおり、執行部の中で早期の審議復帰を主張していました。「長崎知事選や東京町田市長選で勝ったのは、議会での追及を民主党が逃げたからだ。審議拒否を続けたら、今度はこちらが逃げていると評価される。審議を通じて与党を追い込んでいけばよい。」参議院選挙も間近です。有権者の視点を忘れてはいけません。

[心から感謝]

 今日はずっと私の活動を支えて下さったお隣埼玉9区の大野松茂元内閣官房副長官の旭日重光章の受章祝賀会が開催されます。とても嬉しく思います。改めて大野先生の長年のご活躍に心から感謝を申し上げます。

≫平成22年2月22日

[かぶとの緒を締めよ]

 昨日の長崎県知事選挙と町田市長選挙では、自民党が応援する候補者が勝利し、党の副幹事長としてはひとまず安どする結果となりました。

 もっとも心境は複雑です。
 長崎県知事選挙に与党から立候補された農水省OBの橋本剛氏は、国際交流基金などが開催し、この欄でも紹介した日中韓次世代リーダーフォーラムに、私と共に2006年度に参加した同志です。彼と私を含む日本代表の6名は、11日間にわたり寝食を共にし、韓国や中国の次世代リーダーたちと英語で熱く議論し合い、その後もずっと連絡を取り合ってきた仲間なのです。
 今回は立場上応援することができませんでしたが、落ち着いたらまたお会いしたいと思っています。

 また、この選挙結果を受け、自民党内部に国会運営に関する行き過ぎた強硬論が出てきていることも心配です。

 既に報道されているように、この19日に急きょ幹事長室会議が開催され、私たちが求めている小沢氏の参考人質疑などを全く開くそぶりもなく、強引な国会運営を続ける与党にどう対応するかが話し合われました。

 このままでは憲法上、参議院での質疑いかんによらず予算が年度内自然成立してしまう2月中の衆議院通過をみすみす許してしまうことになり、国会の機能が失われてしまうという声が数多く上がりました。
 もちろん参議院も民主党をはじめとする与党が多数を占めているわけですが、審議の内容を充実させるためにも、上記のような事態は避けたいところです。

 しかしだからと言って審議拒否を重ね、「長崎知事選等でわかるとおり民意はわれわれを支持している」などというのはいささか傲慢だと思います。また、委員会に参加して与党の不誠実さを追及した方が、審議拒否よりも与党に与えるダメージは大きいでしょう。そのように大島幹事長には意見を申し上げ、今朝党本部で幹事長をお見かけした時にも「謙虚に行きましょう」とお話ししました。

 これから町田駅で4時から街頭演説を行いますが、こうした胸の内を有権者の方々に伝えて参る所存です。

[大井しばワンCLUBの皆様に感謝!]

 一昨日、応援していただいている大井しばワンCLUBの方々の新年会が開催されました。関口昌一参議院議員ほかご来賓も参加して下さり、とても充実した会になったと思います。ご尽力を賜った方々に心よりお礼申し上げます。

≫平成22年2月17日

[明日のテレビ生出演]

 明日、CS日テレニュース24の「闘論・トークバトル」に生出演することとなりました。

 政治資金に関する説明責任や、企業献金などの今後のあり方について、与党議員や若狭勝元東京地検公安部長(先日の「太田光の私が総理大臣になったら」の出演でご一緒しました)と議論してきます。

 放送時間は、18日21時から22時までが生放送、19日24時から25時までと20日7時から8時まで(午前)が再放送です。ぜひご覧いただければ幸いです。

[盛り上がるメダル獲得]

 バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートルで、長島圭一郎選手が銀、加藤条治選手が銅メダルを獲得しました。本当に素晴らしいレースだったと思います。加藤選手はレース直後悔しい表情をしていましたが、表彰式を経て徐々に嬉しさが増してきたようです。

 それにしても韓国の男女500メートル金メダル独占はすごいと思います。韓国は(体格・体力でほぼ自国の選手と同じの)日本選手が活躍する競技をしっかり強化対象とし、日本を上回る結果を出すことに力を注いでいる印象です。負けるな!JAPAN!

[舛添議員が掲げる旗]

 今日、舛添要一参議院議員を会長とし、塩崎恭久、菅義偉、世耕弘成、山本一太、河野太郎、中川秀直といった議員の方々をメンバーとする「経済戦略研究会」が発足しました。鳩山邦夫議員も、舛添議員とともに新党結成をしたいとほのめかしたこともあってか参加されていました。

 しかし(政策中心の二大政党制の確立を信条とする)私は、総務大臣経験者である菅議員と鳩山議員のスタンスが一致しているとはどうしても思えません。そして、配られた基本確認事項の中では、「真の郵政民営化を進め、官から民への流れを推進」という項目が盛り込まれています。ここは、確かに官の果たすセーフティーネット確保の機能は認めつつ、発展の阻害や無駄の温存をなくすための民営化を進めていく方向を明らかにしなければいけません。手を挙げてそのような方向を示すべきだと主張しました。あわせて、舛添議員に、政界再編を目指すなら民主党を割らなければ成功しないが、そのような戦略や見通しがあるのか問いただしました。

 舛添議員は私の質問に「まあ、柴山さんとは一度酒を飲みながら話したいと思いますが...」と言われて一息置いたうえで、「政界再編は野党から仕掛けるのはなかなか難しい。まずは議論・提言をできる集団としていく」と決意を述べられました。あわせて、郵政民営化をしっかり実現していきたいと述べられました。菅議員も同様の発言をされましたが、既に鳩山議員は席を立ってしまっていました。

 今の話もニュースで取り上げられています。この研究会が今後経済界などを巻き込み、大きな発信力を発揮していくことを期待しています。(新世代保守の会とも活動が重なっていくと思いますが)

[公募に68人]

 自民党埼玉県連の衆議院小選挙区支部長一括公募が12日に締め切られました。

 13選挙区に応募が68人。思った以上に多くの応募がありホッとしています。昨日は第一回の選考委員会も実施され、一般の方も交えて今後の方針につき意見交換がなされました。

 前衆議院議員の方や県議・市議の方のみならず、弁護士や会社員など多様なバックグランドを持つ方が応募して下さっています。私も選考委員長代理として、公正な手続きで今後選考が進むよう努力して参ります。

≫平成22年2月15日

[始まった冬季オリンピック]

 バンクーバーで始まった冬季オリンピック。リュージュの公式練習でグルジアの選手が事故死したり、上村愛子選手が惜しくもメダルを逃したり、残念な幕開けとなりましたが、これから日本選手が活躍してくれることを期待しています。

 スノーボード男子ハーフパイプ代表の国母和宏選手の服装の乱れや記者会見での態度が問題となっている件で、橋本聖子選手団長は同選手の開会式出席をやめさせる一方、スキー連盟が申し出ている試合への出場辞退は認めませんでした。
 私が外務政務官時代、精力的に副大臣として世界を飛び回った橋本先生らしい、色々考えをめぐらした結果の判断だったと思います。国母選手にはしっかりした反省の上に立って、批判を吹き飛ばすような結果を残してほしいです。

[佐賀で注目]

 一昨日、自民党青年局・女性局の佐賀県でのイベントに日帰りで参加しました。

 街頭遊説に加え、子育て中のお母さんたちと話をしたり、佐賀県連の政治大学校でのパネル・ディスカッションで、子育て支援・景気・農業対策などの政策や党再生に向けた思いを語り合いました。

 自民党佐賀県連はこの欄で紹介したとおり、サポーター制度を導入したり、県連会長に若き福岡資麿前衆議院議員を選出したりするなど、先進的な取り組みで知られています。私も改革に向けて全力を尽くす決意を表明するとともに、国の政策が現場で必ずしも生かされていない実情を聞き、やはり地道な意見交換の機会をもっと広げていかねばならないと決意を新たにしました。

 この企画、早速新聞やインターネットで取り上げていただいているようです。

[与謝野議員の質問]

 2月12日に衆議院予算委員会で行われた、鳩山総理の政治姿勢に関する集中審議で、与謝野馨議員が鳩山邦夫議員の発言を紹介したことが話題となっています。

 実は1月21日に私が予算委員会で質問に立つ前に、既に与謝野議員とは情報交換をしていました。総理が母親からの資金提供を知らなかったと主張しているが、実は総理と母親は頻繁に会っていること、邦夫議員が「母親から『由紀夫さんは子分に配るお金が足りないということだけど、あなたは大丈夫なの』という話があった」と本会議場で与謝野議員に対して打ち明けたこと、総理から金が民主党の某議員(実名も伺いました)を通じて配られているという情報があることなどを指摘されました。

 早速私自ら邦夫議員に真偽を確かめましたが、質問に私が立つことを意識されてか、口を濁しておられました。裏を取る時間もなく、取りあえず私の質問の中では、「母親からの資金が同僚に配られたのではないか」「母親と会食するなど接触していた事実はあるか」「母親に金が足りないと言ったことはないか」といった事実確認をし、総理の答弁が後日問題となる可能性を作っておいたのです。(この欄で1月27日に紹介した「言質を取る質問」です。インターネット上とぼけた質問だなどという意見もありましたが、そのようなものではありません。)

 私が質問の後、与謝野議員に対して、一緒に邦夫議員に再度面会の上事実を確認してはどうかと打診した際、与謝野議員は「柴山君、もし再確認などしたら、邦夫さんは『やっぱり言わないでくれ』などと止める可能性がある。私と邦夫さんの長年の人間関係をベースに、このまま質問に立ちたい。」とおっしゃいました。かくして、12日の質問となったわけです。

 今後の展開が注目されるところです。

[続く鳩山不況]

 サントリーホールディングスとキリンホールディングスの経営統合に続き、新生銀行とあおぞら銀行の合併も白紙に戻りました。経営方針の違いなどがあり、その結論自体には評価が様々あるでしょうが、新政権の合併に対するスタンスが不明確であることが指摘されています。菅直人財務大臣は鳩山不況が続くことへの不安を払しょくできるのでしょうか。

 トヨタの新型プリウスのリコール問題なども含め、経済問題への対応を進めて参ります。

≫平成22年2月9日

(以下のブログは事実関係の修正を施しました。)

[日本の政治が大きく停滞する日]

 昨日、田村耕太郎参議院議員が民主党への入党を表明しました。

 この欄でも昨年12月19日に書かせていただいたとおり、田村議員は経済成長戦略のエキスパートです。いわゆる「改革」マインドを強く持ち、私も幾多の勉強会で一緒に活動してきました。

 バラまきや、郵政改革の逆行など社会主義的スタンスを強める民主党とはもっとも対極的な理念を持つ議員のはず。自民党離党のニュースが永田町をかけめぐった時も、「いかに選挙区事情が厳しくても、みんなの党への入党なら理解できるが民主党への入党はあってはならない」と考えていました。私より親しい議員を通じて、田村議員を説得してほしいとお願いもしました。

 昨夜も記者の取材に答えて言いましたが、私はこれにより、民主党が国民新党などとの統一会派による過半数を参議院で確保して、社民党に依存しなくてよくなったということよりも大きなマイナスを日本政治にもたらしたと思います。

 格差が避けられない時代にあって、日本は他の成熟した先進諸国のように、自由主義的な理念を持つ政党と、社会民主主義的な理念を持つ政党の二大政党制に移行し、国民が社会の状況に応じて政策・理念により政党を選ぶシステムを構築しなければいけないのです。今の自民党も民主党も内部に政策のねじれを抱えており、今後政界再編が必要だと私は信じているのです。

 田村議員の民主党入党は、そうした「政党の旗」を立てようとする動きを阻害し、結局(社民党は仮に政権で軽視されるようになったとしても)旧社会党系の議員から自民党離党組の議員まで極めて幅の広い、政権の方向性がよくわからない民主党の再編を遅らせることになってしまうのです。残念でなりません。

 道は遠くなりましたが、政治システムの近代化を求め、これからも活動を続けて参ります。

≫平成22年2月5日

[今回は遠慮]

 平成22年度本予算についての国会審議が始まり、衆議院予算委員会の初日の質疑(テレビ中継入り)に、もう一度立ってくれないかと自民党幹部の方々からお声掛けがありました。

 ただ、既に昨年11月、今年1月と2回続けてテレビ中継の予算委員会で質問しており、今回は遠慮させていただくことにしました。多くの若手議員がよい質問をして下さることで、党への評価が高まることを期待しています。

[不起訴でも決着しない小沢問題]

 東京地検は、民主党小沢幹事長の土地取引に関する収支報告書虚偽記載問題で、石川議員をはじめとする3人の元秘書を起訴する一方、小沢氏本人については嫌疑不十分として起訴を断念しました。

 自民党の谷垣総裁や石破政調会長が言われるとおり、これは決して小沢氏が「シロ」だと検察庁が判断したわけではないし、ましてや虚偽記載事件について小沢氏に認識がなかったことを示すものでもありません。

 小沢氏が今回の虚偽記載事件について共犯(そそのかしたという教唆犯か、秘書と共謀したという共同正犯)の刑事責任を問われるためには、小沢氏に、秘書の虚偽記載についてただ認識していたという故意だけではなく、より積極的な関与が必要となります。そうしたことが確実に立証できるとまでは言えないというのが検察庁の判断なのです。

 秘書が三人も起訴され、しかも小沢氏本人が2回もの事情聴取を受け、例えば土地取引の原資という重要な要素について供述が二転三転するなど、小沢氏が潔白だなどと言うことはとてもできません。しかも地元ダム建設についての業界との癒着や、脱税などの疑惑については検察は何ら判断していないのです。
 民主党のこれまでのスタンスであれば、当然引き続き国会での究明が必要となってくるはずです。私も(これからどのような役回りとなるかわかりませんが)しっかり問題意識を持っていきたいと思います。

[相撲界の激震]

 先の初場所で優勝した横綱朝青龍が、場所中の知人への暴行問題の責任を取って引退を表明したというニュースが飛び込んできました。

 事案も深刻だし、横綱の事後的な対応も問題だったということで、やむを得ない結果だったのでしょう。いかに相撲協会の看板力士であっても、許されないことをすれば不透明なもみ消しなどを図るのではなく、きちんと責任を取らなければいけない、そういう当たり前の時代になってきたのです。
 政治の世界でも、いかに総理や幹事長であっても特別扱いされることなく、きちんと責任を取らなければ国民の政治への信頼は守れないでしょう。

 元横綱貴乃花の理事選挙当選も大きな出来事です。改革を求める貴乃花氏を支持する他の一門の親方たちが、事前の割り振りと異なった投票をするなどということは、これまででは考えられなかったことなのでしょう。
 しかし、力士暴行事件などをきっかけに相撲界も改革が進んでいます。私はこうした動きを支持したいと思います。

≫平成22年2月1日

[三本の矢?]

 昨日、ようやく民主党内から小沢幹事長の政治資金問題の責任に触れる発言が出てきたと報じられました。

 枝野幸男元政調会長「説明に一定の国民の理解と納得が得られなければ、けじめをつけていただかないといけない。」
 前原誠司国交相「新たな局面が生まれた時には、我々は厳しく自浄能力を発揮しなくてはいけない。」
 野田佳彦財務副大臣「参院選で与党が勝利し、安定政権を作る大目標のためにどういう判断をするか、その都度考えていくということだ。」

 三氏が打ち合わせた上で同じタイミングでこうした責任論に言及したのかどうかはわかりません。しかし、一人でこうした発言をするのは(今の民主党では)極めて勇気がいることだろうと思います。それは、メディアなどで民主党議員が、どう考えても無理な理屈で小沢幹事長や逮捕された石川議員をかばっていることや、これまで小沢幹事長の党運営に不気味なほど異論が出ていなかったことからも伺えます。

 なるほど、幹事長は選挙や党運営の最高責任者です。しかし、だからといってあたかも民主党が小沢独裁体制であるかのような観を呈しているのは、民主政治のあり方として見過ごすわけにはいきません。毛利元就の「三本の矢」ではありませんが、志と勇気のある議員が結束して、こうした体質と戦って欲しいと思います。

[全国初の方式、衆議院埼玉小選挙区支部長公募実施の記者会見]

 今日、党本部で、新藤義孝自民党埼玉県連会長と古川俊治副会長とともに、衆議院埼玉小選挙区支部長を全国公募する旨の記者会見に臨みました。

 私自身、党本部初の全国公募による候補者として当選させていただき、古川議員も公募に応募して議員となっています。1月30日には、国会・県会・支部長合同会議で、全県一括で選挙区を特定せずとも応募可能という全国初の画期的な手法で2月1日から12日まで日本全国より候補者を募る方針を了承していただきました。
 併せて、党の公認においていわゆる地盤・看板・カバンを持つ方が新規参入を妨げないよう、同一選挙区において一定の親族には原則として支部長の引継ぎを認めないという世襲制限の方針も打ち出しています。

 自民党ホームページにもメッセージを動画で載せています。是非とも一人でも多くの方に、新しい政治を作る仲間となっていただけたら嬉しいです。

[嬉しいオファー]

 自民党佐賀県連から、党の再生に向けた講演をして欲しいとの依頼が届きました。

 党のサポーター制度を導入し、先進的な取組みで党本部に表彰された佐賀県連にお招きいただいたことを大変光栄と感じます。微力ながらしっかり思いを伝えに佐賀に参ります。

[所沢にも雪]

 山下達郎氏の歌ではありませんが、夜に雨から変わった雪がここ所沢でも静かに降り積もっています。

 「所沢に雪が積もらなくなってから何年経つんだろう」と、進む温暖化を嘆いていましたが、今年は久しぶりに昨年12月31日に雪がちらつき、今夜は積もる勢いです。何となくホッとしています。

 鳩山政権の環境問題への取り組みは必ずしも明確な見通しを持ったものとは言えないと思いますが、世界が結束して温暖化対策に取り組まねばならないという危機感は共有したいと思います。

≫平成22年1月27日

[やっと受けられた出演]

 今週の金曜日(1月29日)午後7時56分から放送の日本テレビ「太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中」に出演することとなりました。地上波の番組はこれまでなかなか収録のスケジュールが合わなかったのですが、今回何とか都合がつきました。

 政治とカネの問題、政党の意思決定のあり方...どれだけ思いが伝わるかわかりませんが、ご覧いただければ幸いです。

 明日28日には、CSテレビ朝日ニュースター「ニュースの真相」に午後8時から1時間生出演します。今非常に大きく問われている「政治家の説明責任」について、考えを述べて参ります。

 予算委員会は衆議院から参議院へ舞台を変えました。昨日の質疑も白熱していたと思います。

 ひとつ言わせていただくと、質問には「その場で相手を追及する質問」と、「言質を取っておく質問(時限爆弾と言ってよい)」があります。
 例えば、今回の衆議院予算委員会における自民党谷垣総裁の「もし総理がお母様からの資金提供をご存知だったという事実が判明すれば総理をお辞めになりますね」という質問は、その場での追及にはつながりませんでしたが、鳩山総理が「もしそのような事実があればバッジをつけている意味はありません(議員辞職します)」という言質を引き出したという点で重要です。

 私の昨年11月4日の予算委員会における「総理の偽装献金には、お母様などの親族や企業・団体からのものなどは原資となっていませんか」という質問もそうでした。あの時には総理は「そのようなものはないと信じている」と答弁をしておられましたが、結局母親からの資金提供が発覚したため、この私の質問シーンが繰り返し報道されたのです。

 こうした「言質を取っておく質問」は、既に情報をキャッチしているけれど追及するにはまだ証拠が不十分という場合に使うと、後でそれが明るみになった時に相手が追い込まれることになるので、極めて効果的です。

 ちなみに21日の予算委員会での私の質問の中にも(何でそんなこと聞くんだというヤジを受けながら)、こうした時限爆弾の意図で投じたものがかなりあります。思いつきで意味のないことを尋ねた場面は一つもありません。ご理解をたまわり、分析していただければと思います。

[目を覆う国益の損失]

 名護市長選挙は接戦の末、普天間基地移設反対派の市長が当選しました。それを受けて与党内でこの投票結果を今後の基地再編問題でどう反映させるかにつき、迷走が続いています。
 もし現下の北朝鮮状況を含む国際情勢下で、基地の日本からの撤退を結論付けるというのであれば、それが国防(のみならず極東安全保障)や日米関係にどう影響するかきちんと分析しなければいけないのに、政権の一角を担う社民党などにはその姿勢は全く見られません。
 そして嘉手納基地統合なども視野に入れる国民新党についても、これまでの交渉の経過や実現可能性などにどの程度配慮しているのか疑問が生じます。県外への移設も、(橋下大阪府知事の大阪移転検討発言もありますが)とてもでないですが5月までに決められるものではありません。

 この問題、引き続き注視して参ります。

 東シナ海の資源開発問題における現政権の姿勢も納得できません。1月26日の自民党内閣・外交・国防部会で問題となりました。

 日中海域中間線付近でのガス田開発につき、既に日本の資本参加が決まっている「白樺」エリアや、共同開発を行うことになっている北部海域以外の部分は、継続協議を行いたいと日本が申し入れているのに、中国からは目立った反応がありません。上記合意の国際約束締結すら実施されていないのです。日本との交渉を遅らせている間に中国側が(日本の排他的経済水域にまたがる分も含めて)ガスの採掘を行っているのでないか、その状況写真を、自民党政権の時代には必ず外務省はオープンにしていましたが、民主党政権になってからは、今後の交渉に支障が出るなどという理由で非公開としています。

 しかし、一般の民間機ですら自由に撮影ができる地域での写真を非公開にする理由は乏しく、過度に中国に配慮して国益を損なっているのでないかという疑問がぬぐえません。岡田大臣は日米間の核密約は情報公開しようとやっきになっているのに、なぜこの問題に関しては隠ぺいを図るのでしょうか?

[予算と地元]

 二次補正予算は確かに地元にも一定の配分がなされています。しかし、麻生政権下での一次補正予算の一部執行停止などでかなりの悪影響が出ており、これを上回る乗数効果を菅大臣が説明できないのはかなり問題でしょう。これからもしっかりチェックを進めて参ります。

≫平成22年1月23日

[予算委員会での質問]

 一昨日の21日午後、衆議院予算委員会で自民党の谷垣総裁に続き質問に立ちました。

 他の質問予定者との事前打ち合わせで、二次補正予算の項目自体については茂木敏充幹事長代理が行うこととなり、私は前回の臨時国会に引き続き、「政治とカネ」の問題につき質問をすることになりました。持ち時間は1時間を超えますが、鳩山総理と小沢幹事長両方の問題を取り上げることとなるため、それほど余裕はありません。質問事項のいくつかを他の質問者にお任せしました。

 時間のない中で、新政権の財政規律への認識がどうしても聞きたかったので、基礎的財政収支(プライマリーバランス)をどのように回復するかについて質問しました。自民党で掲げた目標が達成できなかったことや、経済状況が変化するということでこの概念にこだわらないとの答弁でしたが、国民が納得するでしょうか。

 政治とカネの問題については、現時点の材料の中では私なりに努力したつもりです。色々「タネ」はまいておきました。

[相次ぐ出演依頼]

 質問の後、インターネット番組や、地上波・CSなどのテレビ番組の出演が相次いでいます。早速今日1件、今度の月曜日に1件アポイントを取りました。極力お受けするつもりです。

[さっそく公募開始]

 2月にいよいよ自民党埼玉県連が、衆議院選挙区空白区の公募を(全国真っ先に)開始します。私も公募出身の議員であり、何としても全国から有為な人材を集め、埼玉から日本を変える波を起こしていきたいと思っています。
 新年会のラッシュも峠を越えましたが、地元での皆様とのふれあいも大切にして参ります。

≫平成22年1月16日

[石川議員逮捕]

 昨夜、民主党の石川知裕衆議院議員が政治資金規正法違反で逮捕されました。

 昨年新聞報道で、民主党小沢幹事長の資金管理団体である陸山会が、土地の購入時期を3か月遅らせて登記し、収支報告書でもその旨記載したことが判明した際、小沢氏の反応は余裕でした。
「登記時期をずらすことはよくあることだよ。」
 しかし、西田昌司参議院議員をはじめ、自民党の情報調査チームでは、その背景の金融取引の不自然さに着目し、国会でも取り上げてきたのです。

 「政治資金規正法の虚偽記載罪は形式犯。逮捕なんかあり得ない。」という「神話」が永田町にはありましたが、小沢氏の元秘書である石川議員の逮捕は、悪質な案件についてはそのような理解は通用しないという当たり前のことを示した意義ある展開だと思います。

 「スキャンダルよりもっと重要な政策問題を国会では議論すべきだ」という意見は当然ありますが、その政策の公正性や、決定プロセスの透明性に、こうした問題が影響してくることをぜひご理解いただきたいです。無論、政策や予算の議論もこの18日に始まる通常国会では徹底的に行って参ります。

 私も自民党調査チームの一員として活動しており、一昨日にはフジテレビの密着取材を受けました。その様子が明日17日(日曜日)午前7時30分から放送の「新報道2001」で紹介される予定ですので、ご覧いただければ幸いです。(カットされなければですが。)

[補給支援活動撤退の持つ意味]

 昨日、アフガニスタンのテロ対策のため海上自衛隊により実施されていた給油支援活動が、法律で定められた期限の経過をもって終了しました。
 鳩山政権は今後代わりの民生支援を実施するとのことですが、その安全確保をどう考えるのか、国際社会における日本の評価にどのような影響があるのかを明確に示していません。

 昨日開催された自民党の国防・外交合同部会で私がそのように発言したら、何と中国のネットニュースで私の発言が(石破茂政調会長のご発言と併せて)取り上げられているようです。(people.com)

[自民党埼玉県連の復活への一歩]

 昨日、私が座長を務める自民党埼玉県連の党勢回復会議の最終回が開催され、無事答申書がまとまりました。その後、私から県連の滝瀬幹事長に提出し、小谷野五雄副座長とともに記者会見に臨みました。

 焦点となっていた小選挙区支部長の公募問題については、全県一括方式によることも想定して、あらゆる選挙区において実施するかどうかについての記述を削除。国会議員と県議会議員の間の行き違いについても、私が県議団の会合に赴き、今後意思疎通を密にする旨表明して決着しました。

 もう参議院選挙は目の前に来ています。国民生活にとって余りに問題の多い現政権をしっかり迎え撃つための体制を構築して参ります。

≫平成22年1月10日

[断腸の思いでお断り]

 今夜放送予定の「みのもんたVS国会議員 ずばッとコロシアムⅥ」には、せっかく出演依頼をいただいたにもかかわらず、どうしても外せない予定が収録とぶつかってしまい、お断りせざるをえませんでした。出演された山本一太参議院議員によると、長丁場の熱のこもった収録だったとのこと。またの機会が(もし)あればぜひお受けしたいと思います。

[そろりと始動]

 5日には自民党本部で仕事始め。式典では思いもよらず司会に抜擢されました。党の信頼回復と、迷走する政権の監視をしっかり行い、夏の参議院選挙につなげていかなければいけません。

 地元の新年会などのイベントに出ると、「衆院選落選の定年対象者を今年参院選比例候補に回すなんて論外だ」とか、「舛添さんは新党を作るのか」など、多くの方から厳しい突っ込みをいただきます。私としては、一般の方にわかりやすい筋を通すこと、そして確固たる戦略が必要だと言い続けています。

[財務大臣辞任の波紋]

 藤井裕久財務大臣が体調不良を理由に辞任され、後任に菅直人氏の就任が決まりました。

 マスメディアでは、辞任の真の理由は、民主党小沢幹事長との確執があったからだとか、自由党幹事長時代の政治資金問題の追及を恐れたからだとかいう報道がされています。
 それらを別にしても、37兆円の税収しかないのに92兆円の支出を余儀なくされ、それを国会で説明しなくてはいけないというプレッシャーは並大抵のものではなかったはずです。

 菅新大臣は、円安容認とも取れる異例の発言でマーケットに影響を与えていますが、それがどのような意味を持つかを深く考えておられるのでしょうか。また、これまでの菅氏の行動パターンを見ていると、この後国民受けするパフォーマンスが待っているように思えてなりません。

[日本航空の法的処理]

 日本航空の会社更生法適用申請方針が固まりました。金融機関としては納得できない面も多々あると思いますが、弁護士として見ると、企業年金の扱いなどここまで調整が行き詰ればやむを得ないという感覚です。これまでの手続がかなり生かされるとは思いますが、ぜひ関係各位には筋を通した処理をしていただきたいです。今後の先例となるのですから。

≫平成22年1月1日

 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えと存じます。

 私は昨年夏の衆院選で、大変厳しい審判を受ける一方、多くのご期待も寄せていただき、奇跡的に議席を獲得できました。こうした思いにこたえるのが私の使命です。

 まずは真摯な反省が必要です。若輩ながら党の副幹事長に就任しましたので、より開かれた、皆様の声に耳を傾ける自民党に改革していきます。

 私は(無論自分も含めて)政治家の言葉に覚悟と責任を求めます。無理なマニフェストを掲げて政権を取った今の与党は、お金持ちにも過大な子供手当をバラまき、高速道路の無料化を進め、郵政改革を逆戻しし、借金漬けの日本を作ろうとしています。期待していた無駄撲滅はほとんど進まない一方で景気回復のために必要な予算を計上できず、将来の不安は高まるばかり。外交でも対米関係の悪化や環境問題への見通しの欠如は目に余ります。

 そもそも、総理が民主党小沢幹事長の意向に振り回されたり、自らの資金問題にも対応できなかったりするようでは、国のかじ取りなどおぼつかないでしょう。その小沢幹事長にも多くの醜聞が噴出しています。

 今こそ、自立の精神を重んじて国の支出をなるべく減らすとともに有効な経済戦略をとって税収を増やし、一方で失敗した人や弱者にはきちんと適切な救済策を講じるという「効率的な政府」路線をもう一度明確にすべきです。そして教育の充実と品格の復活により、世界の尊敬を受けられるような日本にすべきです。私たちの明るい未来を取り戻すため、再度の大きな方向転換に向けて共に歩き出そうではありませんか。

 共に日本をよくしようという思いのスタッフ・ボランティア希望の方を募集しています。また、皆様との対話をしっかり進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

平成21年

≫平成21年12月25日

[党幹部としての日程調整の難しさ]

 自民党埼玉県連副会長とともに、党本部の副幹事長を拝命したがために、様々な党務に携わっています。

 一昨日は、(ネットニュースや地方紙にも取り上げられていますが)大島理森幹事長および地元の伊東良孝衆議院議員とともに、北海道別海町で開催され、水沼猛町長や町議、農漁業者、経済界など約30名が参加した「ふるさと対話集会」に出席し、意見交換に加わりました。地方の実情や党の抱える課題の一端を知る大変有意義な機会だったことは間違いありません。

 しかし一方で日程調整がしづらくなっているのも事実です。最近、「テレビタックル」「サタデーずばッと」「サンデープロジェクト」などの番組ご担当者がお声をかけて下さるのですが、調整ができないことが増えてきました。もちろんお声がけいただくのは本当にありがたく、今後基本的に全て出演する方向で検討したいと思っています。政治家は説明責任を果たすのが使命ですから。

[鳩山政権、迷走続く]

 昨日、総理は政治資金問題で元公設秘書が起訴されたのを受けて謝罪会見し、その中で総理を続投する旨表明しました。

 私が11月4日の衆議院予算委員会で、「秘書の責任は議員の責任」と総理が過去に述べていたことを追及した際、「このことは私自身にも当てはまることだと思っています」と答弁されたため、身の処し方を注目していたのですが、案の定の結果です。

 「行為した者が私腹を肥やす意図を持っていない」という理由で上司が責任を免れられるのであれば、民間会社の社長が部下の不祥事を理由に辞めることも大いに減り、社会に少なからぬ影響を与えるでしょう。

 12月11日のこの欄でも触れましたが、私は販売中の月刊誌WiLLに「鳩山総理を誌上喚問する」というタイトルで文章を載せており、その中で総理の責任の重さについて書かせていただきました。実はまだ書いていないこともあります。今後どうするかきちんと検討します。

 税制・予算も大きな問題となります。一般会計総額は過去最大の92兆円にふくれ上がり、国債発行額を見かけ上抑えるために大幅な貯金取り崩しを行うことになりました。特別会計見直しは、貯金の取り崩しよりも、一般会計と別の財布にお金が流れる仕組みをどうするかという改革こそが重要なはずでしたが、その部分はほとんど進んでいません。10兆円を超える無駄は必ずなくせると(私の選挙区の候補者も含め)民主党の議員が言っていたはずなのにどうしてしまったのでしょうか?

 中身も、(詳しくはまた来年の国会で追及しますが)子供手当て(実は「親手当て])を温存するなど無駄をねん出するために必要な支出を抑えるといういびつな構造になっています。一言で言って、「選挙受けを意識するあまり、頑張る人が報われるという発想が欠如した、未来の明るさがない予算」と言わざるをえません。

 ガソリン税暫定税率の廃止や、後期高齢者医療制度の廃止などをうたったマニフェストへの違反も目に余ります。さらに、事業仕分けで衆目監視の下、1.6兆円の予算の削減を決めたはずが、いつの間にか削減幅が0.6兆円になっているのは何なんでしょう?

 政策もそうですが、運営の在り方も破たんしています。小沢幹事長が政府・与党の意思決定プロセスに占める位置をどう説明するのでしょうか?

 中国の習近平副主席の天皇陛下との会見に関する小沢さんの発言を、鳩山総理は全面的に受け入れているのでしょうか?

 外国の賓客と会うことを「国事行為」とした小沢さんの解釈も軽率ですが、内閣の助言と承認さえあれば、すなわち内閣が責任を取りさえすれば、天皇が外国の賓客とどのような形で会おうと構わないという結論につながりかねない今回の経緯には、強く反発を感じます。

 言うまでもなく、羽毛田宮内庁長官は、陛下への会見まで「1か月を要するルール」を厳密に守ること自体にこだわったというより、そのルールを時の政権が国民の支持獲得のために恣意的に曲げるという先例を作ることに対して、天皇の政治的中立性を守ろうとする現憲法の精神から危機感を持ったのです。

 無論羽毛田長官も政府の一員ですから内閣の決定に従うのは当然ですが、このような憲法の精神に反する動きに警鐘を鳴らしたのはやむを得ないものがあったと考えます。

[事務所新体制の構築]

 このたび、初当選以来長くお世話になった所沢市上新井の事務所から、小手指町1−39−9大城ビル3階に移転することとなりました。これまで低廉な価格で事務所をお貸しいただいた仲隆さんには改めてお礼を申し上げます。新事務所は小手指駅から徒歩4分、西友のすぐ北にあります。今後ともよろしくお願い致します。
 事務所スタッフも大きく入れ替わっています。今は数が少ないですが、結束してこれからの日本のため・地域のために頑張ろうと決意を新たにしています。学生さんで興味のある方も来ていただいたりしています。熱意にあふれる方のご来訪をお待ちしています!

 今年もまもなく終わります。今年ほど人の気持ちのありがたさや政治の厳しさを実感する年はありませんでした。来年もまだ社会・経済の厳しい状況は続きますが、引き続き頑張って参ります。どうぞよいお年をお迎え下さい。

≫平成21年12月19日

 本日のメッセージは2回にわたって書かせていただきました。

[田村耕太郎参議院議員離党の衝撃]

 昨日、いつも勉強会などで行動を共にしている経済成長戦略のエキスパート、田村耕太郎参議院議員が党本部に離党届を提出しました。

 彼のダンディーな風貌や進歩的な政策が、改革が進まず「ジュラシックパーク」ともやゆされる参議院自民党でなかなか受け入れられていないのはわかっていました。しかし、参議院自民党にも新人をはじめとして新しい流れが出てきており、これから若手が中心となって改革を進めていこうとしていた矢先、渡辺喜美議員に続き大切な同志を失った損失は余りに大きいです。
 選挙区の事情もあったのでしょうか、誰にも相談しないで決めたと記者会見でおっしゃっていたと聞きます。

 昨日記者から取材を受けた際にも言ったのですが、私は党内で歯を食いしばって改革を進める道に今は賭けたいと思います。

[極めて充実した台湾訪問]

 昨日、自民党青年局国際部長として、井上信治青年局長らと訪問していた台湾から帰国しました。台北で実施され、要人が集まった、わが国天皇陛下のご在位20周年祝賀会に出席したほか、馬英九総統や日本の総理大臣にあたる呉敦義行政院長、国会の議長にあたる王金平立法院長をはじめ与野党の幹部と意見交換したり、この12月実施された知事選で与党国民党から民進党が勝利をもぎ取った宜蘭県にもヒアリングに行きました。

 たった3人の訪台団でかつ2泊3日という短い期間ではありましたが、極めて充実した日程であり、今後の中国に対する対応や、二大政党制のもとでの政権交代戦略など、しっかりとしたレポートができそうです。(新人議員を大挙引き連れ、記念撮影旅行と言われた民主党の中国出張よりは中身があったと思います。)

[自民党埼玉県連の再生への試練]

 自民党埼玉県支部連合会で、大勢落選者が出て大半が空白区となっている衆議院小選挙区支部長(候補予定者)選出をどうするかで大きな騒動となっています。

 既に、小選挙区支部長決定権限者である党本部からは、この夏落選しながらも再チャレンジするにふさわしい支部長候補として、惜敗率60パーセント以上・年齢65歳以下という基準が示されており、該当する候補で問題ないか各県連としての意見を11月下旬に提出するよう求められていました。埼玉県での該当者は5区の牧原秀樹氏、9区の大塚拓氏、10区の山口泰明氏、13区の土屋品子氏、14区の三ツ林隆志氏、15区の田中良生氏です。これに対して埼玉県連としては、11月24日に役員会が行われることもあり、それまで待って欲しいと党本部に要請していたのです。

 しかしその11月24日の県連役員会の席で、県議会議員の方から、「12月4日に開かれる『党勢回復会議』が開催されるまで意見表明はするべきでない」という意見が出されたのです。ここで「変だな」と思いました。

 11月9日のこの欄でも紹介したとおり、党勢回復会議とは私が座長を務める県連の一諮問機関であり、県のレベルで党再生を図るための提言を取りまとめることを目的として立ち上げられていました。ここでは既に11月9日にオープンヒアリングという形で、会議のメンバー以外の県内の議員や地域・職域支部の代表者などから広く意見を聴取する手続きを終え、あとはそれを提言の形にまとめて12月4日の最終会議において了承をもらうばかりになっていたのです。
 しかも、提言の内容としては、衆議院小選挙区支部長選任のために公募制を導入するとか、党費の負担の軽い準党員制度を導入するとか、地域を細かく分けてそれぞれの事情に適した活動を展開するとかいったいわば大まかな方針を示しているに過ぎず、具体的に支部長として誰がふさわしいかなどという個別の問題は、一諮問機関であるこの党勢回復会議の決定にはなじみません。

 そして11月24日の県連役員会ではさんざん議論した結果、県連に「候補者選考委員会」を早急に立ち上げてそこに地域・職域支部の代表者や外部有識者などに入っていただき、公明正大に衆議院小選挙区支部長を検討するということになりました。その上で、そうした選考委員会が立ち上がるまで党本部に何の回答もしないというのもまずいから、とりあえず内示されている支部長について、それぞれ選挙区となっている各地域支部の事情や意見についてヒアリングをし、その経過を党本部に報告しようと新藤県連会長がしていたのを、党勢回復会議前にそのようなヒアリングをすることは認められないと猛然とボイコットしたのが一部の県議会議員だったのです。別に内示されている支部長について県連としての最終見解を述べようとしているわけではなかったのに、です。

 私はこうした経過から、12月4日の党勢回復会議では、もしかすると党本部から内示されている支部長候補者をひっくり返すような意見が出てくるのかもしれないと思っていました。ところが、当日の会議はそのようなこともなくスムーズに進み、最後に私から「本日の議論を踏まえ、この会議の県連に対する答申書の最終案を作成して本日各委員の皆様に発送する予定ですので、追加・訂正事項がありましたら12月15日までに事務局あてにご連絡下さい。委員の皆様のご承認をもって本答申書の完成とし、座長・副座長より県連会長または幹事長に速やかに提出してその後記者発表を行います。」と締めくくったのです。(その後期限を12月14日と変更しました。)この会議後、私は東京の用事のためその場を離れ、副座長の小谷野県議が記者ブリーフを行いました。

 しかし、新聞に小谷野氏が、13小選挙区支部全てで公募制を行いたいという趣旨の発言をされたことが報道され、私に委員の一人から連絡がありました。「この答申書のままだと、空白小選挙区支部長を例外なく公募で選ばなければいけないというように拡大解釈されるおそれがあるので、そこは新しく立ち上がる『候補者選考委員会』が公募を実施するかどうかも検討できると読める文言にするべきでないか。」私もまったく同感でした。

 私自身公募で選ばれた議員であり、これから新たに衆議院の候補者を発掘する際には公募(ないし予備選挙)を義務付けようと活動してはきましたが、これまでの経験上、よほど注意深く工夫しないと、公募とは名ばかりで結局は地盤・看板・カバンを持つ者が選ばれたり、地域のボスが選定作業に大きく関与したりすることがあることがわかってきたのです。

 また、衆院選で健闘して地元が再チャレンジでまとまっているような場合は、公募手続を踏んで時間や労力を費やしたり混乱を招いたりするよりも、一刻も早くこれまでの支部長が活動を再開させた方がよい場合があります。

 そこで、このようなことを中立性を有する候補者選考委員会がきちんと協議できるよう、「小選挙区支部長の選任については公募制を導入すること『を基本』とし」というように、答申書案の文言にカギかっこの部分を挿入することとしたのです。

 この私の行為が「改ざん」であるかのような疑念が一部に出されていますが、全くの誤解です。12月4日の党勢回復会議では上述したとおり、追加・訂正事項の申請を求めたうえで異存がなければ12月15日に(後に12月14日に変更)確定することとなっていたわけですから、答申書は未確定であり、それまでに修正を加えることは当然認められています。また、それを踏まえた新たな会議は予定されていないことから、追加・訂正があった場合はその反映は当然座長・副座長に一任されていたわけです。

 ちなみに、私に上記修正を助言した委員とともに、党勢回復会議の各委員に連絡を取って確認したところ、この修正に異論を唱える方はいらっしゃいませんでした。また、12月14日終了までにそれ以外の追加・訂正意見はありませんでした。ただ、小谷野副座長は、「そのような公募の例外を明文上認めた場合、それが拡大されるおそれがあるため、あくまで文言上は原案のままとするべきだと思う。15日の申し入れ当日座長と話し合いたい。」とおっしゃいました。

 12月15日の当日、県連役員室にて小谷野副座長と議論しましたが意見がまとまらず、答申書を受け取りに来られた滝瀬幹事長も、同行された野本副会長が「公募は例外なく行うべきだ。そうでないように修正をするならもう一度そのことを議論するために党勢回復会議を開くべきであり、それまで答申書は受け取れない」と発言されたことを受けて、答申書を受け取らず退出されたのです。

 この直後予定していた記者会見には私がそのまま臨み、本日答申書が提出されなかった経緯について説明を行いました。

 このようなことはないと思いますが、もしも一部の県議会議員が、党本部の内定した小選挙区支部長候補のうち特定の者に異論があり、そのことを表面化させないために全選挙区での公募に固執しているのだとすれば、それは正常な姿ではありません。正々堂々と候補者選考委員会で、そうした地域の事情について説明するのが筋だと思います。

 いずれにせよ、私はこの間の経緯につき、自民党県議団の方々に釈明を求められているので、きちんと上述のとおり説明を行う所存です。そして一刻も早く党勢回復会議を開き、この件につき結論を得たいと思っています。

≫平成21年12月11日

[新たな一歩へ]

 この5日に44歳の誕生日を迎えました。

 政治の世界では「若手・中堅」などと言われますが、スポーツの世界ではほとんどが現役を退いている年齢です。桶狭間の戦いの時、討たれた今川義元は41歳で織田信長は26歳でした。幕末の志士も若者ばかり。改革を進めるには世代交代が必要です。

[素晴らしい企画]

 昨日、明治大学で、来日中のミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領と、明石康元国連事務次長、作家で元外交官の佐藤優氏、伊藤剛明治大学教授、そして私をパネラーとした特別フォーラムが実施されました。タイトルは「冷戦終結20年 これからの世界 〜核軍縮への道〜」というもので、司会は石川一洋NHK解説委員。NHKのカメラも入る大きなイベントでした。

 冒頭、テレビ番組で一緒になることが多い福山哲郎外務副大臣が祝辞を述べ、その後たっぷり2時間以上にわたり、熱い議論が交わされました。ゴルバチョフ氏のスタンスはとても明快で、ソ連の改革を進めながらも行き過ぎた市場原理主義や覇権主義に疑問を持っていた立場として、米国もオバマ氏による路線修正によって旧東側陣営と融和を進め、核軍縮や環境問題への取り組みに本気にならないといけない、というものでした。明石さんも「過度のナショナリズム」が平和を遠のかせると警鐘を鳴らしていました。
 私はあえて、そうは言っても愛国心や国益を追求することは、領土問題に見られるとおり必要なことであり、ロシアも昨年国際的非難を浴びながらグルジア介入をしているという実態があることを直視するべきであって、ナショナリズムを大切にしつつ法の支配や査察などによる相互の信頼醸成を進めることで軍縮を段階的に進めていくしかないと訴えました。(見に来ていて本国への報告を準備していたロシア大使館の方の前でグルジア問題や領土問題にあえて触れたという側面もあります。)

 理想主義も大切ですが、国際社会の実態を踏まえないと今の民主党政権のように結局は外交が前に進まないということを私たちは認識すべきです。いずれにせよ、このような素晴らしい企画に抜擢していただいたことを感謝します。

[また忙しい日々]

 最近私にテレビを含め各種メディアの取材が多く、今日は月刊誌WILLの方がお見えになります。しっかり対応して参ります。

 「鳩山不況対策プロジェクトチーム」や税制調査会など自民党のイベントも多く、忙しい毎日です。
 しかし今自民党は野党なのです。年末年始に税制改正や予算編成で役所と折衝をする必要はありません。業界団体だって与党の民主党に陳情をシフトしています。

 勉強会も細々したことまで詰めるのではなく、骨太の政府・与党攻撃戦略(通常国会に向けて)を固めれば、あとはしっかり地元の日常活動をすればよいと思います。先日、谷垣総裁や大島幹事長の出席する役員会で「まだ自民党は与党ボケしている」と苦言を呈してきました。

 そんな中、昨日は土屋恵一県議の一般質問を、支持者の方々と共に傍聴に行きました。国レベルの問題から地元の問題まで多岐にわたった充実したもので、大変勉強になりました。これからの活動にしっかり生かして参ります。

≫平成21年12月3日

[国民の望む改革]

 たった今、自民党の政権構想会議公開意見交換会が終わりました。衆院選で涙をのんだ多くの前議員も参加される中で、党の基本路線が議論されました。

 民主党がバラまき政策を取り、独裁的運営がなされるなど社会主義政党の色彩を強めていますが、一方で公開の事業仕分けを行ったり若い大臣が一生懸命仕事に取り組んだりして、依然高い支持率を誇っています。
 対する自民党は、何ら目に見える改革を行っておらず、国民の支持を取り戻せていません。

 私たちは古臭いしがらみに逃げ戻るのでなくて、民主党の対抗軸となる新しい保守の理念を打ち立てるべきなのです。具体的には、これまで保護行政の中で競争力を失ってきた業種や地方に新規投資などで活力を取り戻し(取り戻せない場合は業態転換や集中化を進め)、個人も互いの絆は尊重しつつ自立できる力を育て、地方にできることは地方に任せることで、国際化・グローバル化社会の中で勝ち残る日本を作り上げていくのです。まっとうな改革を国民は望んでいるのであり、私はその実現のため全力を尽くしていきます。

 事業内容に必ずしも通じているとは言えない方を事業会社社長に据え、一体的な官業ビジネスに郵政を逆戻ししようという民主党らの法案には、本来正々堂々と反対の党議拘束をかけたうえで採決に臨んでよかったのです。たまたま与党側が強引に臨時国会を小幅延長で閉じることに抗議して、私たちが法案審議・採決に応じないことになったため、投票の機会がなかったのが残念です。

[栄誉ある番組出演]

 ウェブサイトChannelJの「旬の政治家VSベテラン政治記者(仮題)」という番組に出演しました。新聞・テレビなどのベテラン論説委員・記者たちが、与野党から旬の政治家合計33名を選出し、それぞれの議員に選出記者の一人がインタビューを行うという企画です。

 旬の議員のひとりに選んでいただいたことも光栄ですし、インタビューアーがおなじみ毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏だったこともよかったです。(以前別のテレビ番組でご一緒していました。)

 円高・デフレ対策、総理の偽装献金問題(あまり手の内を明らかにはできませんでしたが)など、あっという間の15分でした。12月7日から視聴できる予定ですので是非ご覧下さい。

[地元での活動を]

 明日で国会も終わります。ありがたいことに、地元では若手の方々からも、大石忠之前県議や元市議などの先輩方からも、イベントやご挨拶の機会に暖かい激励の言葉をいただいています。これからはもっと地元で私の思いを訴え、地域の声に耳を傾ける機会を増やして参ります。
 当摩好子所沢市長が昨日、米軍所沢通信施設内の東西連絡道路用地返還に伴い発生する各種費用につき、市の負担軽減を求める陳情を防衛省と民主党小沢幹事長に行ったということで、この問題の行方やプロセスも大いに関心を持ち、国政の場で取り上げるべきものは取り上げていきたいと思っています。

≫平成21年11月24日

[恐るべき非民主的政治]

 今日、フジテレビの取材を受けることになりました。鳩山内閣の問題点につき自らの考えを述べたいと思います。

 政策の問題や政治資金の問題もさることながら、この政権は民主的プロセスの欠如という点で決定的な危険性を持っています。

 タイミングも何もなく与党の演説で喝采しまくり、委員会のヤジ要員として動員されれば黙々と従う新人議員。民主党幹事長の小沢氏が「11月30日の会期末までに全法案を成立させよ」と言えば、一日で12本の法案を強行採決にまで持ち込むという前代未聞の暴挙に出ようと準備し、小沢氏が「もっと丁寧にやれ」と言えば、一転して本会議の日程をずらすという運営...

 今年の総選挙前に、民主党代表だった小沢氏が政治資金問題で政党支持率を下げた時、小沢氏の辞任を唱えた仙谷由人氏までもが、鳩山政権が発足し、行政刷新会議のメンバーに担当大臣として比例復活の新人議員を入れた際に小沢氏が難色を示したということで、小沢氏に謝罪に行っています。もはや小沢氏に文句を言う人間は誰一人いないということです。

 このようなことを容認していたら、重要な政策も、修正案作成など内容面や、実施の有無などが一人の意思で左右されることとなり、まさに独裁です。小泉元総理が独裁的だなどと評されたこともありましたが、少なくともこのような独断的なプロセスは取っていません。また、私も、谷垣総裁だろうが大島幹事長であろうが、おかしいと思うことはきちんと会って意見を主張しています。

 このような危険な政治は断固として終わらせなければいけません。

[オバマ氏の急速な支持率低下]

 米国ギャラップ社の世論調査でオバマ大統領の支持率が50パーセントを切りました。就任から10カ月での過半数割れは、第二次世界大戦後に就任した12人の大統領の中で4番目に早いとのことで、高い人気は急速に落ち得るのだということを改めて示しています。日本では評価が高そうな医療保険制度改革も含め、バラまきとも取られる政策には(日本と違って)しっかり根付いた保守層がきちんと反対の意を唱えているということです。

 日本にも早くこうした健全な二大政党プロセスが定着することを望みます。

[激動する国際舞台]

 リスボン条約発効を迎えるに際し、EUの初代大統領にベルギー首相のファロンパイ氏が決まりました。世界の秩序が大きく変わります。中国も、先日北京を訪れた際会談した李源潮中国共産党中央組織部長などの話によれば、競争力の強化を国際協調を目指す中で大幅に進めているとのこと。日本もうかうかしてはいられません。

≫平成21年11月16日

[急きょ決まった中国出張]

 自民党国際局次長として、今日明日と北京に出張します。

 民主党がアジア重視の外交を展開する中、自民党としても筋を通した形でのアジアとのパイプを作っておくことは有用です。北京は3年前に日中韓次世代リーダーフォーラムで訪れて以来ですが、共産党幹部との会談など、密度の濃い二日間となりそうです。

[心配な韓国での火災]

 釜山市の射撃場での火災で亡くなった10人の方の大半が日本人だとの情報があります。徴兵制度がある韓国と異なり、日本では一般人が実弾射撃をする機会がほとんどなく、この店の利用者の大半は日本人だったと伝えられています。
 ご家族の方々の心中はいかばかりかと存じます。一刻も早く安否の確認がされることを望みます。

[日米首脳会談の成果]

 オバマ大統領が訪日され、鳩山総理と会談を行いました。しかし懸案の米軍再編問題は正面から議題とならず、要は日本が新たなアフガニスタン支援策として、今後5年間で最大50億ドルを拠出する方針を決めたということが、アフガン問題に取り組むオバマ大統領の成果になったということです。

 この金額はこれまで援助関係者が8年間に消化した18億ドルをはるかに上回る額であり、その算出根拠は全く不明確です。ちなみに年間900億円というこの予算規模は、民主党が中止を決めたインド洋での給油支援年間100億円弱と比べてもあまりに過大です。

[事業仕分けに注目]

 11月14日に放送されたTBSテレビ「報道特集NEXT」に出演しました。今、新政権が無駄撲滅のために行っている「事業仕分け」を扱う企画でした。

 確かにこの取り組み自体はとてもよいことだと思います。しかし、自民党が与党時代に、私を含む若手議員で構成していた「無駄撲滅プロジェクトチーム」は、これよりもずっと丁寧に、かつ厳しく、民間有識者の力も借りながら事業仕分けに取り組んでいたのです。(残念ながらほとんどニュースにはならず、また道半ばでしたが。)今回新政権が対象とした447事業は、政府の全体の事業数の約15パーセントにすぎません。選定には財務省の査定部門である主計局の多大な関与があったとされており、結局仕分けが始まる前に大きな方向が決まっていて、マスメディアでの公開は壮大なパフォーマンスだとの指摘があります。

 そもそも、今回の事業仕分けは、民主党がマニフェストで新たに支出すると決めた年間16.8兆円もの財源を捻出するために行われているもので、目標とされている3兆円の削減は、仮に達成されたとしても、財政健全化には遠く及びません。お金持ちにも子供手当を2万6000円配るとか、高速道路を無料化するとか、マニフェストに掲げた事業自体は仕分け人はどう評価しているのでしょうか。
 マニフェストに掲げた項目は国民との約束だから仕方ないという意見もあるでしょうが、それ以外にも、上述したアフガン支援などで政府は新たに巨額の根拠不明な事業を決定しているのです。これまで自民党の先輩たちが国の借金の山を築いてきたことは真摯に反省しなければいけませんが、これから新たに積み上がる借金は新政権の責任です。

 早速自民党の無駄撲滅プロジェクトチームも活動を再開させました。財務省所管事業も含め、今後しっかりと、かつ丁寧な作業をして参ります。

≫平成21年11月9日

[閣内不一致がもたらすもの]

 11月7日早朝、TBSテレビ「みのもんたのサタデーずばッと」に出演しました。

 内訳について鳩山総理が過去の公開を求める方針から一転して非公開として話題となっている官房機密費については、「たとえ国民一般に対して開示できないにせよ、後で使途につき検証できるような仕組みを作っておくことが必要だ」と提言し、ニュースとなっています。

 これ以外でも、医療問題や基地問題、東国原知事を交えての地方分権談義などで積極的に発言しました。

 基地問題については、現行案を容認する姿勢を見せる北沢防衛大臣、普天間基地の嘉手納基地への統合をも模索する岡田外務大臣、普天間基地の沖縄県内移設に強硬に反対する福島内閣府担当大臣の方針がバラバラで、鳩山総理のリーダーシップが一向に見えてきません。

 このような中、米国は早くも在日海兵隊のグアムへの移転にかかる予算を、対日交渉の不透明を理由に大幅に減らす動きを見せています。沖縄の負担軽減が先送りされることとなり、見逃すことのできない動きです。

 そもそも、現行憲法は「行政の一体性」を求めています。
 会社法では、代表取締役は(委員会設置会社等を別にして)取締役会の決議で選任され、取締役を解任するのは代表取締役ではなく株主総会の特別決議です。代表取締役のワンマンを取締役がチェックすることが求められているのです。
 これに対して、内閣総理大臣は、閣僚によって選ばれるのでなく国会議員によって指名され、閣僚は自分で任意に任命できるし、罷免もできるのです。内閣の方針を総理が強力にリードし、それに従わない閣僚は自由に首にできるとすることにより、迅速で一体的な行政の運用ができるというわけです。

 麻生内閣でも閣僚が自由にバラバラの発言をして総理のリーダーシップが問われました。閣僚の発言自体はある程度認められるとしても、それが内閣の統一性を失わせたり、ましてや対外交渉に影響して国益を損なうようなことがあっては言語道断です。鳩山総理には速やかに調整に乗り出していただくことを求めます。

[党勢回復会議の実施]

 今日は自民党埼玉県支部連合会で、党勢回復に向けた関係各位からのオープンヒアリングを行います。県連副会長として、また本会の座長として、謙虚に皆さんからの意見に耳を傾け、今後の方針にまとめていきたいと思います。

≫平成21年11月4日

[時代の変化と政治家の責任]

 衆議院の予算委員会が始まり、本格的な論戦が戦わされています。

 財政規律やマニフェストのあり方、外交問題、景気対策、福祉政策、環境問題、そしてまだ本格化していませんが教育の問題などで、新政権が抱える問題点が明らかになればと思っています。

 私に関しては、今日は予算委員会で総理の献金問題について質問しました。
 民主党は「企業・団体献金の廃止」の方針を掲げていますが、個人献金の巨額の偽装を放置したら政治資金の透明化・適正化は図れませんし、何よりも企業・団体献金隠しに利用される可能性があるのです。この厳しい財政難の折に税法違反も取り沙汰される中で、総理に説明責任を果たしてもらうことが必要です。

 つくづく感じるのは、今は社会・経済の変化が極めて激しいということ、そしてそのような中でも、政治家は自分の言動にきちんと責任を持たなければいけないということです。その場限りで世論の歓心を買うためにいいかげんなことを言ったり嘘をついたりすれば、それは必ず自分に降りかかってくるのです。(マニフェストも同じです。)

[国民目線とは]

 いつも有権者と接し、その感覚に敏感でなければいけないと思っています。地元の活動も充実させていきます。しかし、たとえ有権者の多くの意見であっても、将来のことや公益や政策間の整合性などを考えれば、従えないこともあります。そうした場合の相手方への「説得力」をみがくことが大切になってくると思います。

≫平成21年10月26日

[いざ臨時国会へ]

 神奈川、静岡両県の参院補欠選挙は、いずれも民主党推薦候補の当選となりました。

 依然として自民党に対して逆風が吹いていると言えます。各種団体の支持も固められず、来年の参院選に向けて本当に私たちは危機感を持つ必要があります。

 そのような中で、やっと今日から臨時国会が始まります。これまでこの欄で指摘した事項のほか、景気・雇用問題、日本郵政の社長人事、日米関係をめぐる新政権の迷走など、「日本のこれからの形」を問う重要な問題でしっかり論戦をしていかねばなりません。特に若手のパワー集結が求められます。

[目の回る忙しさ]

 臨時国会をどうするか、副幹事長として打ち合わせに参加するとともに、自民党埼玉県支部連合会では党勢回復会議の座長としてヒアリングや提言とりまとめを行います。さらに、山本一太参議院議員から依頼を受け、中央大学の政策大学院客員教授として教壇に立つことになりました。

 地元の行事も目白押しで、今後ますます忙しくなりそうです。しっかりと頑張ります。

[ふじみ野市長選終わる]

 昨日は各地で首長選挙も行われました。地元のふじみ野市長選挙も投開票が実施され、応援していた島田行雄候補が接戦の末敗れてしまいました。私の選挙区の旧大井町と、埼玉7区の地域である旧上福岡市から選出された共産党以外の全国会議員が島田候補の応援に入り、連合などの組織の推薦も出ていたことを考えると、これからの選挙は本当に難しいと感じざるを得ません。

≫平成21年10月17日

[一致した見解]

 先日、小さいながら妙なことがありました。

 私は黙っていたのですが、しばらくしてから、気が付いた記者の方や先輩議員から問い合わせの電話をいただきました。注意深く最小限のお話をしたところ、異口同音に「何ですか、それ?」「信じられない」という一致した反応が返ってきました。内容も、経過も、私たちの抱えている問題を象徴しています。改革が必要です。

[概算要求固まる]

 来年度予算の概算要求は、一般会計総額で95兆381億円という過去最高額になることが明らかとなりました。

 昨日は自民党の厚生労働部会において、今年度補正予算の凍結項目と新年度予算の要求項目を検討しました。
 もっとも、凍結といっても結局来年に回すものや、生活保護の母子加算復活などマニフェストに掲げる重要項目なのに新年度予算要求額を示さない「事項要求」が乱発されるなど、首をかしげる処理が数多くあります。膨大な新規国債が発行される可能性がある一方、必要なところにお金が回らないなどの弊害も予想され、社会・経済に大きな不安が生じかねません。

 そのような中で、民主党の鳩山代表の政治資金が問題視されています。このような厳しい経済状況の中で、国民が納得できない事実があれば、当然責任を取っていただかなくてはいけません。

[意外な好意的反応]

 何度か中断しながらも、何とか地元でのお礼の駅立ちをひととおり終えました。思ったより乗客の方々の反応が好意的なのに元気付けられました。「次は頑張れ」などという声もかけていただいています。

 外国の方にも良好な対応をいただき、大使館から食事のお誘いを受けたりしています。政治・経済・高齢化社会の問題や、今般オバマ大統領のノーベル平和賞受賞要因だった「核軍縮」の話題など、お話しすることは沢山あります。

 もちろん、今崖っぷちの政治状況に置かれていることはきちんと認識して頑張る所存です。

[明日から始まるふじみ野市長選挙]

 明日、ふじみ野市長選挙が告示となります。私の選挙区である旧大井町の町長時代から、改革派首長として私も色々指導していただいた島田市長にとって、合併後二期目のチャレンジとなります。旧上福岡市出身の保守系候補もいるなど複雑な選挙戦ですが、自民党大井支部も私も島田市長の再選を目指してしっかり応援していくつもりです。

≫平成21年10月10日

[臨時国会までの無気味な間]

 鳩山内閣での補正予算削減額が3兆円に達したと報じられています。

 それでも足りない4兆円については来年度予算から減額させるとのこと。帳尻合わせの先送りとなりそうです。しかも見直すべき公共事業その他の仕分けがどれだけきちんと行われているのか疑問も残ります。

 一方、普天間基地の移設費用など、(内容の是非はともかく)民主党のマニフェストと矛盾する項目が削減対象となっていなかったり、景気悪化に備えて第二次補正予算も検討されていると鳩山総理が発言したりと、新政権の方針がぶれている印象も否めません。

 とにかく一刻も早く臨時国会を開いてもらい、論戦を通じて新政権のあり方の是非を国民に検討していただきたいと思っています。残念なことに、国会開催は今月末、静岡と神奈川の参議院補欠選挙の後とのことで、どうも選挙を意識して国会開催を先送りしたように思えてなりません。

[あふれる涙]

 昨日、中川昭一前衆議院議員の告別式に出席しました。突然の悲報には本当に驚きました。

 友人代表の安倍晋三元総理の弔辞を聞いているうちに涙があふれてきました。再起を決していたことや、来週ご家族とのエジプト旅行を控えていたとのお話があり、やはりご病気でなくなったのだと理解しました。

 その安倍先生と中川先生とは、読売新聞の渡辺恒雄主筆を交えて4人で会食させていただいたことがあります。郵政政局の真っただ中で、何とか解散を避ける方法はないかと真剣に悩む中川先生の姿が印象的でした。
 その前にも、平沼赳夫先生と古屋圭司先生、同期の城内実さんと中川先生を囲んで食事したことがあります。保守の理念を説き、当時一期生だった城内議員や私に参考書籍の紹介をしていただくなど、とても熱い方だなあと感心したことを記憶しています。

 一番最初の私の補欠選挙の応援演説のために、所沢のダイエー前まで来ていただいたことや、政調会長として、色々政策の相談に乗っていただいたことなどが思い出されます。本当に惜しい方をなくしたと残念でなりません。心からご冥福をお祈り致します。

[自民党新人事の発表]

 谷垣執行部が次々と新しい人事を確定させています。総裁選で河野太郎候補の推薦人代表だったこともあり、私としては何かを期待するようなことはなかったのですが、図らずも副幹事長を拝命することとなりました。

 大島幹事長にお目にかかった際、「君には党の色々なところからお呼びがかかったが、私から、副幹事長としてしっかりやってもらいたいということで兼務をお断りした。期待しているので頑張って欲しい。」とおっしゃっていただきました。私からは、感謝の気持ちを述べるとともに、是非若手を大切にして下さいとお願いしておきました。

 石破政調会長のもとで、若手の論客が次々と部会長に抜擢されています。9月30日のこの欄では、新三役などを見て本当に民意にこたえようとしているのかと疑問を呈させていただきましたが、これで国会に臨む陣営が何とか整いつつあるのではないかと感じています。

[地元活動にも全力投球]

 10月5日には、ここのところ毎回傍聴している所沢市基地対策協議会に出席しました。私が関心を寄せ続けていた基地の東西連絡道路の設置に向けた努力が進められているのは大いに結構なのですが、市の費用負担などに関係し、疑問の点が色々あります。私としてもきちんと筋の通った事業のために活動していきます。
 その翌日には、藤本正人県議会議員の一般質問の傍聴に行きました。八ツ場ダムの問題や教育・環境問題をはじめ、充実した内容に大いに触発されました。一緒に傍聴に行かれた地元の方々ともども、貴重な時間を過ごさせていただきました。

 これからもしっかりと地に足のついた活動を心がけて参ります。

≫平成21年9月30日

[世論との重大な二段階のギャップ]

 自民党の総裁選挙が終わり、谷垣禎一元財務大臣が当選しました。

 河野候補の推薦人代表としては残念な結果だったわけですが、選挙結果を見ると重要なことがわかります。

 党改革を訴えた河野候補は、全国各地で実施された総裁候補街頭遊説で一番の喝采を受け、世論調査でも(開票前日の新報道2001に見られるように)谷垣候補を支持率でリードしていました。有楽町などで行ったゲリラ街頭遊説でも、動員していないのにみるみる聴衆が集まり、熱い声援を受けていました。

 にもかかわらず、党員票は谷垣候補が180票に対し、河野候補は109票にとどまりました。東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪などの大都市ではほぼ互角の(河野候補の地元神奈川では圧勝でした)戦いを展開しながら、地方特に西日本や、河野選対陣営の国会議員がいない県で苦戦を強いられました。

 何と言っても国会議員票は西村43、河野35、谷垣120と谷垣候補が圧倒しているのです。谷垣陣営が国会議員や秘書の組織力をフルに生かして電話作戦などを行えばどうしてもこちらは分が悪くなります。
 また、河野候補の歯に衣着せぬ物言いや改革志向が、地方の保守層に必ずしも受け入れられない部分もあったのでしょう。

 各都道府県の党員票数の割り振りも必ずしも党員数に比例していませんでした。各県に基礎票3が割り当てられているので、党員数の少ない地方県でも最低4票が確保されていることとなり、都市部の票より重く扱われる「一票の格差」が明らかでした。(この点は改善を主張しなくてはいけません。)

 しかし、今後行われる補欠選挙や参議院選挙などは、一般の国民が対象なのです。今回の自民党員票よりむしろ世論調査の方が実態を反映しているのではないかと思います。
 ましてや(河野つぶしやポスト狙いや派閥力学など様々な思惑が働いた)国会議員の投票行動は世論と全くかけ離れています。むしろ落選した議員たちが、党の危機的な状況を正しく認識していました。

 この「世論と党員票と国会議員の二段階の深刻なギャップ」を谷垣執行部には真剣に把握してもらい、今後の党運営や組織に反映していただきたいです。

[新執行部の発足]

 そのような中で党三役や国会対策委員長が決まりました。無難な人選だと思いますが、総裁選挙で若手候補が訴えていたことや、上述した世論・党員の動向がどれだけ考慮されたのかという思いがぬぐえません。
 これからも党を支えていきつつ、党が誤った方向に向かわないよう、志を同じくする仲間たちと連携しながら提言・活動を続けていきたいと思います。それが健全な政党政治の実現を通じて国民生活に寄与すると信じているからです。

[地元での活動]

 これで少し中央も落ち着いたと思います。これから時間も取れるでしょうし、秋のイベントも増えるでしょう。地元の活動を充実させていきます。

≫平成21年9月25日

[真の二大政党制を確立するために]

 自民党の総裁選挙開票日が3日後に迫りました。

 選挙選は残念ながらマスメディアでの露出が不十分で、与党時代との違いをまざまざと思い知りましたが、日本の成熟した二大政党制の確立のためには、実は極めて重要な(与党でいた時期よりも重要な)総裁選挙であると思うのです。

 谷垣候補は、党の体制については「全員野球」で融和を旨とし、政策においては「絆」をキーワードとして、財政出動を手厚くする(その一方で増税の可能性を示唆する)社会民主主義的な色彩を色濃く出しています。

 世界的な不況の時代にはアメリカのルーズヴェルト大統領が提唱したニューディール政策など、政府の財政出動がある程度求められるのは事実です。
 しかし民主党が、これだけ子供手当やガソリン税暫定税率の廃止などでバラまき色を強め、経済成長に対する明確なビジョンを打ち出せない中で、しっかりと経済的に保守の旗を掲げて「小さくて効率的な、しかし暖かみのある社会保障に配慮した政府」を打ち出して改革を進めていくことこそが、対立政党としての自民党に求められているのであり、これを最も明確に示しているのが河野候補なのです。

 改革を進めていくためには当然役所や業界団体とのこれまでのしがらみを見直していくことや地方分権が必要ですし、党の組織の抜本的な見直しも必要でしょう。老壮青のバランスよりむしろ党としての論戦力・情報発信力・行動力をいかに高めていくかを考えて適材適所の人事を貫き、力のある議員の発掘のために場合によっては選挙での公認候補の差し替えなど、あえて摩擦を生むような路線をとることも必要になってくると思います。

 日本の和の精神を重んじる自民党支持者の多くは、河野候補の過激な発言に違和感を感じるでしょうが、その真意は、こうした改革に果敢にチャレンジしなければいけないという危機感なのです。無論、個人に対する中傷ととられかねない発言や不必要な議論については、私も含めた陣営メンバーが適宜意見を述べて軌道修正を求めています。

 もう一度言います。今回の総裁選挙は日本が真の成熟した(マニフェスト型の)二大政党制を確立できるのか、単なる「与党」「アンチ与党」の争いを温存させるのかを決める総裁選挙であり、日本でもオバマやキャメロン、馬英九といった若きカリスマ性のあるリーダーが野党を力強く復活に導けるということを示せるのかどうかという選挙です。

 党員票ではこうした私たちの主張をかなり理解していただく結果が出るのではないかと思います。そしてそれが国会議員票にしっかり反映されるよう、最後まで活動を続けていきます。

 前回もお知らせしたとおり、こうした活動についてNHK総合テレビの「クローズアップ現代」(9月28日月曜日午後7時半より放送)にて取り上げていただく予定です。是非多くの方にご覧いただければ幸いです。

[新政権への注文]

 鳩山内閣が引き続き世論の関心を集めています。

 まず閣僚のメンバーを見て思うのは、前原氏が国土交通大臣であるとか、福島氏が少子化担当大臣であるなど、「もっと別のポストがよいのでは」と感じられる人事が随所にあることです。連立政権の結束など、適材適所を上回る思惑があるとすれば、それは自民党のこれまでのポスト配分とあまり違わないということになるでしょう。

 また、前回のこの欄でも書きましたが、八ッ場ダムの建設中止など、政策決定プロセス(マニフェスト決定プロセスと言ってよいかもしれません)に、利害当事者の民主的な意見反映が足りないように思います。小沢幹事長の強権的な政治手法や、議論をすると党が分裂してしまうような議員の思想のバラバラなあり方が影響しているのでしょう。

 亀井金融担当大臣の(郵政に関する発言は言うに及ばず)モラトリアムに関する言及は、金融政策に対する識見を疑わせるようなものだと言わざるを得ません。

 新政権は高い支持率に支えられていますが、私たちとしては真の国民政党に自民党を生まれ変わらせた上で、こうした問題にしっかりと対処していきます。新政権が発足して100日間は外国でもハネムーン期間と言われていますが、真価が問われるのはそう先のことではないと思っています。

≫平成21年9月22日

[政権交代の光と影]

 鳩山新政権が、相次いで新しい政策や組織の立ち上げを発表しています。

 無駄の徹底撲滅や公務員制度改革、年金制度の見直し、日米間の核密約についての再調査などについては私たち自民党若手改革派も進めようと検討してきたことであり、大いに進めて欲しいと思います。

 また、民主党がマニフェストで明記し、選挙戦の争点にした子供手当の給付や高速道路の無償化などについても、(私たちは反対でしたが)民意の支持があった以上、進めざるを得ないでしょう。無論国会論戦を通じて、こうした政策の副作用がないかをしっかりチェックしていきます。

 しかし、八ツ場ダム建設中止とか、全予算の組み替えや補正予算の執行停止などを発表していることには違和感を覚えます。本来大きな政策転換を行う時には、ヒアリングや現地調査などそれなりのプロセスが必要でしょう。また、地方などでは既に走り出している予算や政策について(本当にマズいものならともかく)中止を余儀なくされることには混乱も伴います。是非再考して欲しいと思います。

[自民党総裁選挙は背水の陣]

 9月18日に告示された自民党総裁選挙には、西村康稔・河野太郎・谷垣禎一の三氏が立候補しました。

 前回のこの欄で書いたとおり、私は「自民党が抜本的に生まれ変わった」と納得してもらえるような行動力のある若手リーダーを擁立するべく努力を重ね、河野太郎氏の推薦人となりました。立候補に至るまでに色々ありましたが、河野氏は派閥の動きと関係なく、山本一太・世耕弘成参議院議員をはじめとした草の根レベルの説得活動により、立候補に必要な20人の推薦人を集めたのです。

 告示の日に開催された党の立会演説会で、私は河野候補の応援演説を任されました。(インターネット上で公開されています。)上述したとおり、若手改革派として民主党の政策に賛成することもあるが、是々非々で論戦を進められる人物としての河野氏の資質を訴えました。

 厳密に言えば、河野氏の過激な発言や、原子力政策や靖国問題の考え方などには賛成しかねる部分もあります。それでも今の自民党を立て直すために、河野氏に総裁になっていただくしかないと思っています。

 既に各候補は全国遊説を行っています。河野候補はちなみに23日には午前10時半に所沢の狭山茶製造農家の視察を行った後、午後1時からの川口駅での街頭演説に向かいます。

 私もマスメディアの取材を受けています。28日午後7時半からは、今回の自民党総裁選を特集するNHK総合テレビのクローズアップ現代に登場する予定です。

 多くの党員の方々にも是非ご理解をいただきたいと思います。

≫平成21年9月16日

[いよいよスタート]

 特別国会出席のため、今日初登院します。

 本会議場での野党席への席替え、総理大臣とならない方への首班指名投票をはじめ、新しいことの連続です。また、厳しい選挙だったことから、バッジを着ける時には特別の感慨があるでしょう。
 気分を新たにして全力で頑張ります。

[次の第一歩は総裁選]

 自民党の総裁選挙に谷垣禎一元財務大臣が立候補されることを表明しました。人格・識見とも申し分なく、財政出動に前向きなスタンスも今の自民党の多くの議員の考えに沿うと言えるでしょう。

 しかし今の自民党に求められているのは、国民の間に充満する閉そく感を打ち破り、党の反転攻勢をリードするパワーのある若手リーダーだと思うのです。二大政党制のもとで、野に下った政党が復活をするのは実は並大抵のことではありません。支持団体も政権に近づいていきます。
 今こそ、イギリス保守党のキャメロンや台湾国民党の馬英九のように、若きカリスマのもとで政権奪還を目指すべきです。

 これまで、総選挙の敗北を受けて自民党再生に向けた若手検討会をリードしてきたのは小野寺五典議員です。この方もとても温厚でバランス感覚に優れ、外務副大臣や副幹事長など要職を歴任されています。先日BS放送のテレビ番組に一緒に出演しましたが、やはり世代交代を訴えておられたのが印象的でした。

 しかし私は、さらなる爆発力のあるリーダーが必要だと思っています。暴れ馬は制御することができますが、おとなしい馬を猛然と走らせることは困難です。「自民党は抜本的に生まれ変わった」と納得してもらえるだけのリーダーを擁立するべく、今懸命に努力を続けています。

[埼玉県でのプレッシャー]

 埼玉県の自民党衆議院議員は16人から2人へと激減してしまいました。私にかかってくるプレッシャーも大きくなってきます。色々ご指導ご支援を受けながら、しっかり頑張らなければいけないと決意を新たにしています。どうぞよろしくお願い致します。

≫平成21年9月9日

[まず半歩、しかしまだ半歩]

 昨日の自民党両院議員総会で、今後の総裁選挙に関する手続きや、16日の特別国会における首班指名への対応について議論がありました。

 実は衆議院選挙後、小野寺五典議員ほかが呼びかけ、若手が中心になって自民党をどう再生していくかを議論する場が何度か設けられていました。

 その中で、「総裁選挙は党の今後の命運を左右するものであり、広く一般党員に参加してもらうとともに、意欲ある候補者の出馬の機会や所信表明の機会を十分確保するなど、開かれたものでなければいけない。首班指名までに急いで決着させようとするとまた派閥の談合などが行われ、自民党は反省していないとの国民の不信を招く。」「首班指名においては党が結束して臨むべき。ただし新総裁を選ぶ時間が取れず、麻生総裁が辞任の意向を表明している以上、若林正俊両院議員総会長などの総裁に代わる方に投票するべき。」などの方針が確認されました。
 また、執行部をはじめ党の組織を刷新し、大幅な世代交代や適材適所への転換を行っていこうということで意見集約を行いました。

 意見が一致を見なかったのは、私などが主張していた総裁選挙立候補に際しての「国会議員20人以上の推薦人」の要件緩和や、若手から総裁候補を擁立すべきかという点です。私は「日本のオバマ」「日本のキャメロン」を作っていくべく、国のリーダーを志しパワーのある若手議員に、国民に対して訴える機会(スタートラインに立つ機会)を与えるためこれらを進めるべきだと主張していましたが、「単なるパフォーマンスと見られる」と反対論が根強くありました。

 しかし、国会議員数が激減した以上、推薦人要件を引き下げたり、「党所属国会議員の○○パーセント以上」といった形に変えることは決しておかしいことではありません。また、派閥単位で総裁候補を決めることをなくしていくことにもつながるでしょう。

 昨日の両院議員総会では当初、推薦人要件については「党則で決まっていることだし、党の総務会で変更しないことを確認した」ということで幹部が押し切ろうとしたのですが、「本来最高機関である両院議員総会で問題を協議できないのがおかしい」という山本一太議員の意見や(私の「緊急動議とすべきだ」という声を受けた)河野太郎議員の緊急動議により、急きょその場で多数決による決定が行われました。結果は否決でしたが、平場での若手の発言が幹部決定を覆しうる可能性を開いたのは大きな意味を持ったと思います。

 また、新総裁が決まらない中で首班指名では白紙投票とすべきだとの意見の是非についても、オープンな議論を踏まえて多数決で、若林両院議員総会長を推すという決定がされました。

 これまではこのようにオープンな場で意見表明や多数決による採決が行われて若手の意見が反映されるということはほとんどなかっただけに、私は昨日が党再生への半歩であったと評価しうると思います。(幹部の先生たちは苦々しい顔をしていましたが)

 しかし両院議員総会では、総裁選挙までの準備や今後の党改革の方針を検討するための当選回数別の代表数名ずつによる委員会の設置が決められました。これが密室政治につながらないか少し懸念しています。今回の選挙の総括や今後自民党が進むべき方向・哲学の検討も(落選議員も含めて)オープンに議論しなければいけないはずです。
 昨夜急きょ若手議員が集まり、問題意識を共有しました。

[地元での毎日]

 奇跡の選挙を支えて下さった方々への挨拶はまだまだ続きます。本当に感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。
 また今日は自民党埼玉県連の緊急会議もあります。厳しい選挙結果を踏まえたものとなりますが、県連のあり方も新しい考え方を反映するべきでないか検討する必要がありそうです。

≫平成21年9月1日

[厳しい審判]

 嵐のような選挙が終わりました。

 結果は与党の大敗。300議席を超えた民主党が中心の新しい政治が始まります。

 埼玉県では小選挙区で自民党の候補者が全滅し、2区の新藤義孝議員と8区の私が、かろうじて比例代表で議席を得ました。まずはこの厳しい結果を謙虚に受け止めなければいけません。

 自民党は深い反省の上で、解党的な出直しを迫られます。党の体質や意思決定プロセスの大改革、新しい総裁をはじめとした組織の確立、何よりも国民本位の政策の再度の練り直しなどが急務です。
 しかし残念なことに、同じ思いを持っていた多くの若手改革派議員が落選してしまいました。今となっては少しでも多くの仲間に私から声をかけ、刷新に向けた行動を開始します。

[深い感謝のもとに]

 このような大逆風の中で、多くの支持者の方々、地方議員の方々やスタッフの皆さんに、昼夜を問わずご尽力をいただきました。猛暑の中、骨の折れる仕事の数々に取り組んで下さったことが、奇跡の議席獲得に結び付いたと思います。連立与党の公明党の方々にも格段のご協力をいただきました。この場をお借りして皆様に心から感謝の意を表します。本当にありがとうございました!!そしてその思いを受け止めて下さった有権者の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。

 この感謝の気持ちを忘れることなく、これからもしっかり職務に取り組むとともに、皆様との意見交換などをいっそう深めていきたいと思います。

[早速活動再開へ]

 当選直後から、TBSテレビの朝の番組に出演したり各種取材をいただくなど、新たな活動も始まりました。民主党がどのような政権運営をしていくかを野党の立場でしっかり見ていきます。しかし国民のため、必要なことにはきちんと協力する「建設的野党」でなければいけないと思っています。是非皆様の引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

≫平成21年8月17日

[決戦の時]

 いよいよ待ちに待った衆議院選挙の公示を迎えます。

 思い返せば、様々な社会の出来事が理不尽だと思いながら長く苦しい司法浪人生活を送っていた時、私は生涯をかけて「正直者がバカを見ない社会」を目指すことを誓いました。

 その後、企業再生などを手がける一方、弱い立場の人たちの国選弁護を引き受ける中で、社会の仕組みを変える必要性を痛感し、責任ある改革を目指すため、政治の世界に飛び込んだのです。以来5年間、全力で「新しい政治」を作ることに尽くしてきたつもりです。おかげさまで多くの方々に激励をいただき、時にマスメディアで取り上げていただきました。

 与党は確かに苦戦を強いられるでしょう。しかし今ここで倒れるわけにはいきません。これから政界は激動の時代を迎えます。その中でこれからも初心をいささかも忘れることなく、全力で立ち向かうのです!!

[まず進める行政と政治の大改革]

 「官僚主導政治の打破」が問われています。今、国民が総理大臣を直接選べる制度を作るとともに、総理大臣や大臣がくるくる変わることをなくし、外国から信頼される政治主導の行政を実現することを進めなければいけません。

 多様なバックグランドを持つ信頼できる議員が、シンクタンクなども用いて、オープンに議論して方針を決め、役所は不透明な根回しをしたり、天下り・「渡り」・現場のサボタージュなどの保身に走ったりすることなく、きちんと職務にまい進していく。そんな制度を、若手法律家の視点で、作り上げていきます。

[一度変わらせてみればの声に]

 健全な民主主義のプロセスとして、政権交代はあって当然です。問題なのは、ともすると公約がバラまき色を強め、政党の目指す国家観(ビジョン)が見えなくなっていることなのです。

 例えばアメリカでは共和党は減税を訴えて社会の活力を目指し、民主党は給付の充実を訴えて手厚い社会保障を目指します。財源の限界を考えたら、この二つ、すなわち減税と給付の充実を同時にすることは、(特に財政状況が厳しい現実のもとでは)責任政党としてできないのです。

 日本で民主党の岡田幹事長や前原元代表ご自身が、つい先日まで「どんなに無駄を省いても絶対無理だ」とおっしゃっていた民主党の「増税なき過剰な給付」は、私たちの子供や孫に大きなつけを残すばかりではありません。国債の信用を落とし、長期金利が引き上がり、景気低迷がさらに深刻化することで、現在の私たちの暮らしに跳ね返ってくるのです。

 岡田さんは今、「消費を刺激するために財政による給付の増加が有効だ」と主張します。しかし給付は消費を生むとは限りません。一時的な景気対策として給付を行うのは別として、ずっと過大な給付を行っていれば、国民はすぐにそれに慣れてしまい、景気への効果は減ってしまいます。(この弊害に気付いたヨーロッパが何とかしようと、EU統合など活力増強に苦労していることからもわかります。)

 外交・安全保障や教育の問題も深刻です。

 「一度野党にやらせてみればよい」で数年間たてば、その間にも北朝鮮をはじめ国際社会は激動し、子供はあっというまに成長します。責任ある外交・安全保障ビジョンや、教育のあり方をきちんと示せなくて、本当に大丈夫なのですかと私は訴えたいのです。

 美濃部都政時代に都が財政悪化をはじめさまざまな大きな問題を抱えたことを思い出さないわけにはいきません。

[私のビジョン]

 このページ左の「政策提言」欄に書かせていただきました。とにかく日本を(環境に配慮しつつ)豊かにして、きちんとセーフティーネット(安全網)確保に必要な福祉の財源をまかなっていくこと、甘い汁を吸う理不尽を許さないこと、未来を見据えた教育こそがわが国の活力の源泉だということ、毅然とした外交(将来の核軍縮のリードを含めて)を行っていくことが柱となっています。是非ご覧いただきたいと思います。

[地元の皆様の大きな力]

 このような逆風下にあって、連日遅くまでご尽力下さる地元の議員の方々やボランティアの方々、熱い応援をして下さる多くの有権者のお声やお力は、私を奮い立たせてくれます。皆様の思いに何としても応える!そして勝つ!あとわずかの期間、全力で頑張ることをお誓い致します!!

≫平成21年8月9日

[深刻な薬物汚染]

 芸能人のショッキングな麻薬・覚せい剤の事件が相次いでいます。

 一般の青少年の薬物汚染(特にMDMAなどの合成麻薬)は深刻な状況であると夜回り先生の水谷修さんも指摘されています。薬物の販売は暴力団やテロ組織などの資金源になり、私たちの安全を脅かすことにつながります。

 野党は薬物犯罪の撲滅や治安の確保・テロとの戦いに必ずしも明確なメッセージを出していませんが、重要な課題であると確信しています。

[一歩ずつ進むマニフェスト]

 前回の選挙で自民党が掲げたマニフェストの達成度合いにつき、厳しい意見があります。

 幼児教育の無償化も分権改革も確かに遅れています。大きな改革は副作用もありますので時間をかけて進めなければいけない側面がありますが、より強力なリーダーシップが必要になるでしょう。

 しかし野党の郵政改革逆行とか、過大な児童手当を恒常化させて将来につけを生むなどの(すぐ目には見えるけれども)誤った方向の政策を取るよりは、正しい方向性に向けてゆっくりでも進む方がまだましです。年金記録漏れは当初の5分の1の水準まで減りました。これからも着実に政策実行の後押しをしていきます。

[政見放送録画取り]

 昨日、政見放送に使う映像を録画撮りしました。短い言葉で思いを伝えるのは大変なことです。出来栄えについては是非お一人お一人でお確かめいただければと思います。

≫平成21年8月1日

[出そろったマニフェスト]

 早期提出が求められていた自民党のマニフェストが発表され、いよいよ政策論議が本格化します。

 自民党の政策は一言で言って、経済成長によって必要な福祉を充実させる財源をまかなうというものであり、また、国際化が進展する中で責任ある外交・防衛政策を取っていくというものです。

 私たち若手グループが申し入れていた行政・政治改革についての記述が少し迫力不足の感があるものの、基本としてあるべき方向性としては甘い言葉のオンパレードである民主党のマニフェストより明らかに優れています。地方分権についての記述も充実しており、連立政権パートナーである公明党のマニフェストと整合性も取れています。

 例えば橋下大阪府知事も民主党のマニフェストに比べて、与党サイドのマニフェストが優れていると評価しています。

 あとは、「幼児教育の無償化」などにつき、きちんと成果を出していく具体的な行程表が求められます。

[注目される新しい動き]

 神奈川の自民党山内康一前衆議院議員に続き、民主党の浅尾慶一郎参議院議員が離党しました。中田宏横浜市長も辞職の意思を表明しておられます。
 私は自民党改革を標榜して厳しい戦いに臨んでいますが、彼らの動きには注目しています。小選挙区制度では「第三極」の結集は極めて困難ですが、これが政界に一石を投じることになるのでないかという予感がするからです。

[固い握手からもらうエネルギー]

 地元で駅に立ったり、お祭りを訪問したりして、多くの方々と触れ合っています。厳しい逆風だなと感じる一方、私の手を固く握り、「本当に期待しています」「たとえ自民党がダメでも柴山さんには当選して欲しい」と言って下さる方が沢山いらっしゃるのです。胸が熱くなるとともに、この思いを断じて裏切ることなく、これからも頑張らねば!と決意を新たにしています。
 各種専門職の方々やベテラン・若手の方々も(この逆風の中にもかかわらず)応援団を次々と結成して下さっています。「きちんとお話しすればわかって下さる」そうした確信を持ち、これから残された期間、支持を広げていく努力をして参ります。

≫平成21年7月24日

[急きょ決定した山本一太議員の遊説日程]

 昨日、民主党の鳩山由紀夫代表が所沢市を訪れ、所沢駅と私の地元小手指の西友前で演説をされたということです。岡田克也議員、小沢一郎議員、前原誠司議員、渡部恒三議員などが異例ともいえるペースで続々とこの選挙区に駆けつけて来られています。

 私のような当選2回の若手にそこまでされるとは、よほど「公募第一号の自民党衆議院議員」を消し去りたいのでしょうか。間違いなく訪れる政界再編の時には、若手が結集して力を発揮しなければいけないのに…

 しかしここでくじけるわけにはいきません。一昨日のこの欄で書きましたが(左のshibaOne's messageをご覧下さい)、国の根幹をなす教育や外交政策で、今の民主党に私たちの未来を託すことは絶対にできないし、甘い政策は(財源が足りないというだけではなく)「正直者が報われるべき」という私の理念に逆行するものが多々含まれるのです。郵政改革逆行も含め、活力ある「チェンジ」になっていないのです。

 しっかりと世代交代を含めた自民党の刷新を訴え、責任を伴った国民目線のマニフェストを掲げれば、私は有権者の支持を得ることができると確信しています。もちろん、きめ細かでみんなが支え合い規律がとれている社会保障政策や再挑戦支援策などをきちんと訴えていかねばなりません。
 併せてこれまでの私の活動を伝えて参ります。この苦しい戦いを勝ち抜けば、さらに皆様のご期待に大きくこたえられるようになるでしょう。

 今日の夜7時30分から、所沢でしばワンclubの決起大会があります。そしてそこに向けて、本日実施の山本一太参議院議員との所沢市内の街頭遊説が急きょ固まりました。熱い思いを訴えて参ります。

≫平成21年7月22日

[皆既日食〜たとえ太陽がひと時隠れても]

 昨日衆議院は予定どおり解散されました。8月30日に向けて長い熱戦の火ぶたが切られたのです。

 両院議員総会に代わって開催された懇談会はマスコミフルオープンで実施され、総理の率直な地方選総括と総選挙に向けた決意が聞けたことはよかったと思います。いかんせん開催時間が短く、党改革を求める人の声が少なかったことに物足りなさもありましたが。(私も手を挙げましたが、指されませんでした。)

 いずれにせよ、大変厳しい闘いの幕開けです。メディアは軒並み壊滅的な苦戦を予想していますが、しっかりと世代交代を含めた党の刷新を訴え、責任を伴った国民目線のマニフェストを掲げれば、私は有権者の支持を得ることができると確信しています。どう考えても民主党の教育、外交政策に私たちの未来を託すことはできないし、甘い政策は(財源が足りないというだけではなく)「正直者が報われるべき」という私の理念に逆行するものが多々含まれるのです。郵政改革逆行も含め、活力ある「チェンジ」になっていないのです。

 もちろん、きめ細かでみんなが支え合い規律のとれた社会保障政策や再挑戦支援策などをきちんと訴えていきます。併せてこれまでの私の活動をしっかり伝えて参ります。

 残念なこと。一緒に無駄撲滅プロジェクトチームや様々な勉強会で活動を共にしてきた神奈川の山内康一衆議院議員が自民党を離党したこと。渡辺喜美議員の時のような寂しさ・無念さを禁じ得ません。自民党の刷新の道付けをもっと(わずかではありますが)先輩の議員として示せれば、こうした事態も避けられたと思うと悔しいです。その志を残った者がしっかり受け継いでいかなければと決意を新たにしています。

 今日は46年ぶりに国内で皆既日食が見られます。天文ファンの私としては、見に行きたい気持ちでいっぱいでした。しかし今は戦いに集中します。
 日食でたとえ太陽は一時的に月に隠されても、再び力強くその姿を現します。そして私も、いかなる困難があろうとも、これからの激動の地域・日本・世界を、きちんと照らしていけるよう、これからも全力で走り続けます。

≫平成21年7月17日

[それぞれの正義]

 都議会選挙で自民党が苦杯を喫した翌日の月曜日、麻生総理が来週解散、8月30日投票という日程を与党協議で決定したというニュースが永田町を駆け巡りました。

 考えてみれば8月30日は任期満了直前で、解散を急ぐべきでないという与党内の意見にぎりぎり配慮したタイミングの投票日と言えます。そのうえで、都議選の厳しい結果で強まるであろう「麻生降ろし」を封じるため、異例の「翌週の解散発表」を即座に行ったのです。
 そしてこれを見て野党側は、麻生内閣の不信任決議案を衆議院に、問責決議案を参議院に、それぞれ提出しました。

 私はこの欄で常日頃から、麻生総理が方針においてぶれるのを防ぐには、現場で汗をかいている若手議員の意見をきちんとオープンに反映させる組織の抜本改革を行うこと、そしてマニフェストの早期策定が必要だと主張し続けてきました。しかし、7月6日のこの欄で述べたとおり、「麻生降ろし」には正直、違和感を持っていました。大義がないし、もはや自民党の逆風は表紙を変えただけでは回避できないと思うからです。むしろ選挙の洗礼なく4回目の総裁変更を行うことへの反発や、(よほどの人気総理ならともかく)新総理のスキャンダルやバッシングがマスメディアに取り上げられた場合の効果などを考えると、選挙へのマイナス効果もあり得ます。

 この日急きょ出演したBS11の「INsideOUTスペシャル」という衛星テレビ番組では、こうした意見を、先輩の小野寺五典衆議院議員とともに述べてきました。

 翌日、一人の造反もなく不信任決議案は衆議院で否決され、私はこれで「麻生降ろし」はなくなったと思いました。そして、地方選挙連敗の総括と今後の総選挙に向けた対策を話し合う両院議員総会を開催するよう求める署名集めが始まり、与謝野大臣と石破大臣もこれに協力しているという情報が入りました。

 このような総括は大いに結構で、私はこの署名集めをしている議員に、「既に決着がついている総裁選前倒しや解散日程の変更などを伴わないことが明らかならば署名に協力する」と連絡したのです。しかしその議員が、「色々な考えを持っている人がいるから、そのようなことは担保できない」とおっしゃるのです。

 筋を通すことを一義的に考える私としては、そうであれば署名への協力は控えざるを得ないと答え、現在に至っています。

 まだ来週、政局がどう動くかわかりませんが、もはや正攻法で行くしかありません。そのうえで全力を尽くして参ります。

≫平成21年7月12日

[始まる政局の嵐]

 今日は都議会選挙の投票日。与党への逆風が強いですが、鳩山代表の政治資金疑惑問題などもあり、最後まで予断を許さない情勢が続きます。

 今夜、若手の会をはじめ、様々な動きがあります。前回のこの欄に書いたとおり、後で振り返って納得できる行動をこれから取っていくつもりです。

[いわゆる核密約問題について]

 日米安保条約改定時に、核の持ち込みに関してアメリカとの間に「密約」があったのでないかが外務委員会の焦点となっています。

 外務省は「密約はない」「事前協議がない以上核持ち込みはない」というこれまでの答弁を繰り返しています。しかし、村田良平元外務次官によるものをはじめ、これと矛盾する数多くの証言が出ているのです。

 冷戦下、しかも社会の情報化が進んでいない段階であれば、様々な戦略的配慮により、こうした外務省の答弁にも一定の合理性があったのかもしれません。しかし時代は変わりました。ここまで北朝鮮などの核問題が現実のものとして扱われる中、日本が新たに戦略を練り直すことが求められている時に、従来と同じスタンスの答弁を続けていてよいのでしょうか。

 今後、河野太郎衆議院外務委員長は、政府答弁の修正を求めていく意向ということです。しかし6月26日のこの欄で書いたとおり、役所は過去の答弁との整合性にこだわりますから、役所の起案による限り答弁の変更はないでしょう。

 今こそ、政治レベルで、今後の新しい戦略に向けた第一歩を踏み出すかどうかの決断が求められている。私は外務政務官としてそう強く感じています。

[地元の汗]

 地元では、スタッフや支援して下さる方々が本当に尽力して下さっています。その汗を一つに結集していく作業が必要になってきます。あまり時間はありませんが、皆さんと力を合わせて全力を尽くしていきます。

≫平成21年7月6日

[今なすべきこと]

 大接戦の末、静岡知事選挙で与党推薦の坂本候補が勝利を逃しました。本当に残念でなりません。

 ちなみに先週、自民党の中堅・若手議員で構成するいくつかのグループが連合して、衆院選の政権公約(マニフェスト)をまとめました。

 この欄で主張し続けているとおり、本来すでに立ち上がった党の正式機関がオープンにマニフェストを検討べきなのにその動きが全く見えない。だから私たちがたたき台を作って細田幹事長や菅マニフェスト策定プロジェクトチーム座長に改めて早期検討の申し入れをしたわけです。

 ただ、これを「マニフェスト型総裁選挙の前倒し」にしようとすることには、正直違和感を覚えます。私たちが大きな支持を与えながらその総裁を任期満了前に辞めさせるというには余程の「大義」が必要だからです。(いかなる組織でもトップ解任のための要件は厳格です。)私が総裁選挙規定の党則変更を主張していたのは、確かに解任要件の再検討も必要かもしれませんが、むしろ両院総会によるのか一般党員によるのかという仕分けが前回の総裁選挙で大きな問題となったということによるものでした。
 7月2日の読売新聞全国版4面にも、私が今回の動きに関し、「正攻法でしっかりとマニフェストを作り、党の刷新を図ることを第一に考えたい」と主張していることが掲載されています。

 それができないようであれば、まず党幹部の入れ替えにより、若手の思いがきちんと実現する風通しのよい組織にすることが大切で、私は他のメンバーと異なり、今回の麻生総理による大胆な党人事にむしろ期待していました。

 ただし、結局党人事は見送られ、今回の静岡知事選挙がこのような結果となり、今週末の都議会選挙も非常に厳しい戦いが予想されます。日々の地元活動で、与党に対する逆風が厳しいことは肌で感じています。今後色々な政局の動きが出てくることでしょう。後で振り返ってきちんと自分や周囲が納得できる行動を、これから取っていきたいと思います。

[もう一つの選挙]

 核の番人、IAEA(国際原子力機関)の次期事務局長に、在ウィーン国際機関日本代表部の天野之弥さんが当選しました。前回は信任投票で1票差で落選、今回は1票差で当選と、まさに薄氷の勝利でした。出張して関係国の説得活動にあたられた同僚の御法川政務官や外務省の関係各位に心から感謝申し上げます。

 北朝鮮が核開発を続け、2日前には7発のミサイルが日本海に撃ち込まれる中、核不拡散への取り組みが非常に重要になってきています。唯一の被爆国日本が、お金以外の部分で是非リーダーシップを発揮していかねばならないと強く思っています。無論、核の平和利用や核軍縮の問題を含め、難問が山積していますが、天野さんには大いに期待しています。
 3日、天皇陛下がカナダ・アメリカの歴訪にご出発されるのを中曽根外務大臣に代わってお見送りした後の車中、天野さんからお礼の電話を早速頂きました。大いに頑張って下さいと激励申し上げました。

≫平成21年6月26日

[風雲急な政局]

 麻生総理が早期解散に言及するなど、政局がにわかに動き始めたようです。

 前回6月18日のこの欄で示したとおり、自民党が信頼を取り戻すためには、私たち若手が、マニフェストの策定にせよ、党の統治にせよ、思いを反映させるよう全力で活動するべきだと確信しており、まずはその努力を進めていきたいと思います。

[本当の狙いは]

 古賀誠選対委員長が東国原知事に自民党からの衆議院選挙出馬を要請したところ、総裁選に名乗りを上げることを逆提案されたというニュースが波紋を呼んでいます。

 古賀委員長が自ら宮崎県庁に出向いて行かれたことや、夜に懇親会をセットしていたことなどからして、事前の打ち合わせは十分あったのだと思います。

 とすれば、東国原知事の反応もある程度想定されていたのでないかと思います。「東国原総裁候補」というアドバルーンをあげれば、自民党支持率回復の起爆剤につながるという読みがあったのかもしれません。

 しかし、(各種メディアでのインタビューでも申し上げましたが)一期目の途中での国政進出は宮崎県民に対するしっかりした説明が必要になるでしょうし、総裁選というからには国政各般にわたるきちんとしたマニフェストを準備していただかないといけません。県民も国民も決して甘い反応は示さないと思うのです。

 かつて徳川吉宗が紀伊藩主から急きょ将軍の座を射止めた事例もありますし、分権改革を進めたいという東国原知事の思いもわかりますが、ここまで来たらあまり奇策に頼るべきではないと思います。
 もちろん分権改革はしっかりマニフェストに掲げるべきです。何も橋本知事をはじめとする首長会が政党支持は分権改革がしっかり示せるかどうかで判断すると述べているからだけではありません。国が身近な問題に口をはさんで実態にそぐわないコントロールをすることをなくしていくことが必要だからです。早くマニフェスト策定の会議を開いて欲しい!その思いで一杯です。

[公務員制度改革法案審議入り]

 ようやく私たち有志議員が強く求めてきた公務員制度改革法案が昨日の衆議院本会議で審議入りしました。天下りや官僚支配を是正していくための前向きな議論(場合によっては法案修正)を是非期待したいと思います。
 昨日は党の行政改革推進本部公益法人小委員会が開催され、塩崎恭久先生をはじめ私たちの要望を踏まえて、棚橋泰文委員長が、「国の補助金が支出されている公益法人への所管(関連)省庁からの天下りを原則認めない」という方針を官邸に申し入れることを明言されました。まずは叩き台として有意義な議論がなされることを期待しましたが、今日のニュースによると、どうやら官邸では総理とのギャップが埋まらなかったようです。次の一手を考えないといけません。

[正義の要求]

 足利事件で菅家利和さんの再審が決定しました。誤ったDNA鑑定と自白の強要。取調べの可視化を進める私の立場からは、きちんと検証すべき諸点が多い事件であると思います。
 政治と金などをめぐるスキャンダルも与野党問わず色々取り沙汰されています。とにかく捜査当局や裁判所には公明正大な処理を行うことを求めたいと思います。今後裁判員制度を実施する中で、司法システムへの信頼がますます必要になってくるでしょうから。

[外務政務官の公務で感じること]

 外務政務官として委員会で答弁することが増えてきましたが、役所の起草した答弁案が、過去の答弁との整合性を重視するあまり質問に対する答えになっていなかったり、余事記載・趣旨不明になっているものが結構あることに気付きます。無論過去の答弁との整合性を気にすることは必要ですし、質問通告から会議までの時間の制約があるのもわかりますが(だからこそ私は仲間の議員と、質問通告を余裕を持ってできるようにすることを提言しています)、実のある国会審議ということをもう少し意識すべきだと感じており、役所との打ち合わせに臨んでいます。

 イランのデモが国際的な関心を集めています。かつてと異なり、インターネットを通じて国際社会へ情報は即時発信されます。公正な事態の収拾が強く求められます。

 米国の地下鉄事故やマイケル・ジャクソンさん、ファラ・フォーセットさんの死去のニュースなどが飛び込んできています。本当に胸が痛みます。マイケルは人の何倍もの人生を一気に駆け抜けて行ったように思えてなりません...合掌。

≫平成21年6月18日

[骨太この4年〜それでも改革の魂を死なせてはいけない]

 昨日党の政務調査会全体会議で、二回目の「骨太方針」(政府が取りまとめた『経済財政改革の基本方針2009』原案)が検討されました(私は委員会の関係で議論には参加できませんでした)。

 思えば、この4年で、骨太方針のトーンはガラッと変わりました。あの郵政選挙直後は、まず経済成長と政府の合理化・分権推進により、歳出削減と増収によって財政好転を目指し、消費税増税は最小限にする(それでも2パーセントは引き上げるとされていました)という流れでした。

 時は流れ、今度の総選挙では奇しくも再度、郵政の問題が取り上げられようとしています。しかしあの時から、格差問題がクローズアップされ、郵政造反議員の復党があり、参議院選挙で大敗し、総理は3回変わり、未曽有の国際金融危機に見舞われました。
 一言で言うと、景気悪化の中で「歳出削減」でなくて「財政出動」が求められるようになり、党の中に(党のリーダーまでも)郵政などの改革が格差を広げたので見直さなければいけない、という気運が再度強まっているということなのです。

 この動きに既得権を維持しようという役所が乗じているのですから、骨太方針も変わるわけです。全体として、景気回復のための支出をどう増やすかという記述が大半を占め、改革に関する記述はほんの僅か。しかも、特殊法人の役員の給与水準見直しについて記述が補充されたものの、「無駄の削減を進める」「公務員改革を進める」と抽象的に書かれるのみで、具体的に何をするのかの記述が薄いように思われます。

 私は経済の変化に応じて政策の方向性を変えることが悪いと言っているわけではありません。しかし、4月17日のこの欄で書いたとおり、財政出動するにせよその内容を精査して、将来の成長にきちんと結びつかないなら見直すということにしないと、(国が成長率を超える金利負担にあえぐなど)後世に大きなつけ回しをすることになるということを声を大にして主張したいと思います。加えて1月23日のこの欄で書いたとおり、消費税の引き上げをするなら徹底した無駄の排除が(並行的に)求められます。特別会計(埋蔵金)の見直しや、政府資産有効活用、政策棚卸し、分権改革の徹底と道州制推進など、もっとしっかり訴えるべきではないでしょうか。

 世間では、「消費税を7パーセント引き上げる」という話ばかりが先行して伝わっています。この景気状況でそんなシナリオを掲げることが本当に現実的なのでしょうか?選挙に向かって誤ったメッセージを発しないよう求めていきます。一方、民主党鳩山代表の「4年間消費税を引き上げない」という発言も、これまた無責任極まりない話ですので、きちんと反論していきます。
 なお、園田政調会長代理と尾辻党参院会長の社会保障費削減をめぐるやり取りが注目を集めていますが、結局「社会保障支出の自然増分からの2200億円抑制」をこのまま続けていくと医療などの現場が崩壊するからこの方針をそもそもなくすべきだというのか、大方針としては維持するものの現場の必要性に応じて基準の明確な特別枠を付加するのかという争いです。私は後者により説得力を感じます。

[まだ続く日本郵政社長人事問題]

 結局麻生総理は、側近の鳩山邦夫総務大臣を辞職させ、日本郵政の西川善文社長については業務改善命令に対する対応を見つつ今後検討するという判断を出しました。

 前回のこの欄で書いたように、地元では「両者辞めてもらう」という意見もありました。西川社長に改善に値する部分があり、また鳩山大臣の単独辞任には国民の多くが必ずしも納得していない以上、そうした選択肢もあり得たと思います。
 しかし総理は決断されました。きのうの党首討論でもきちんと「民間経営に対する政府の判断は最小限にするべき」と(私の前回のこの欄で書かせていただいた思いと同じことを)説明されていたと思います。しかし国民には「結局鳩山邦夫大臣のはしごを外したんじゃないか」「決断になぜこんなに時間がかかったんだ」という疑問は残るでしょう。今こそ、私たち若手がきちんと総理のブレをなくすよう、全力で活動するべきだと思います。マニフェスト策定にせよ、党の統治にせよ、これから私たちの思いをいかに反映させることができるかによって、国民の支持が、また選挙の結果が、違ってくるのではないかと思うのです。

 そんな中で、最近菅義偉議員がマニフェスト策定の座長を引き受け、郵政問題でも活発に発言し、国会議員の世襲問題と併せて存在感を増しています。私も意見交換する機会が最近とみに増えてきました。
 改革派でかつ麻生総理の近い存在である菅議員の存在は貴重です。これからもしっかり意見交換していきます。

 意見交換と言えば、6月4日の橋下大阪府知事との勉強会も有意義でした。やはり分権や改革は有権者の支持による強力なリーダーシップにより進めていかないといけないことがよくわかりました。「霞が関(官庁)解体を、国民が『ぎょへ〜』と言えるようなレベルで進めていかないと自民党は確実に負ける」とおっしゃったその言葉には説得力がありました。私は公務員バッシングをするつもりはありませんが、その思いをもとに、私が代表世話人の一人でもある「自民党第三世代の会」などでしっかり提言を進めていきたいと思います。

 それにしても、民主党鳩山代表が「私が国民新党や社民党と政権を取ったら西川社長にお辞めいただく」と宣言していることは本当に民主党にとってプラスなのでしょうか。これから様々なメディアを通じて西川社長のネガティブキャンペーンが進むのかもしれませんが。

 ちなみに、社民党と国民新党との連立政権というのは、教育や安全保障のことを考えると大きな問題があります。何も相手の土俵で相撲を取るばかりではなく、そうした国の大きな方向性で、是非しっかり論争をしていきたいと思います。

[臓器移植法改正案の採決]

 いよいよ今日衆議院本会議で、臓器移植法改正案の採決があります。前回この欄で書いたとおり、採決の方法で成立する案が変わる可能性があることから、私は小坂憲次議院運営委員長に、同僚議員の署名を合わせ「順次採決でなく各案同時採決の方法を取るべきであるし、各議員の思いが反映されるよう、まず上位2案を決め、過半数を取る案がなければ(無論棄権の自由を認めながら)決選投票を行ったらどうか」と申し入れに行きました。(このことは報道されています。)

 しかし残念ながら私の申し入れは聞き入れられず、今日A案からD案が、国会に上程された順序で採決されます。悩みは多いですが、やはりA案でなければ新たな命を救うことの拡大にはつながりません。その思いで最後まで活動を続けます。

[北朝鮮とイラン、緊迫]

 各方面の大変な尽力により、北朝鮮を非難する国連安保理決議が採択されました。今後はこれを実効化することが大切で、わが国としては特に船舶検査法の制定を加速しないといけません。私は「北朝鮮外交を慎重に進める会」に呼ばれる中で、日本がこの決議をリードしてきた立場として、厳しい内容を持つ立法が必要だと要請されています。しっかり活動を進めて参ります。

 対米批判の姿勢を鮮明にしている保守派のアフマディネジャド氏が再任されたイラン大統領選挙では、不正が取り沙汰されて大きな市民のデモなどが実施されています。納得のいく収拾をつけることが強く期待されるところです。

 温暖化ガス削減中期目標15パーセント減もしっかり進めていかなければいけませんし、外交案件は難しいことばかりです。地元での活動も大変ですが、後悔しないよう全てに全力を尽くします。

≫平成21年6月9日

[臓器移植法改正に向けた動き]

 今日、衆議院本会議で、臓器移植法の審議についての中間報告が行われます。

 厚生労働委員会にて現在提出されているA案からD案までは、結局委員会採決されることなく、今日の本会議での各案提出者の意見表明を受けることとなります。そして後日、各党の党議拘束を外した形で採決の手続を迎えるのです。

 5月23日のこの欄(左のshibaOne's messageをご覧下さい)に書いたとおり、新たに命を救うという観点から私はA案に対する支持を広げる活動をしていますが、それが万一可決されなかった場合、限定的ながら15歳未満の子供からの臓器提供に道を開くD案に対してどう対応するかという点が問題です。同時投票か各案順次の投票か、国会の採決の方法によって議員の投票行動が変わる可能性があります。

 今日はこの問題でTBSの夕方のテレビ番組「THE NEWS」のインタビューを受ける予定です。難しい問題ですが、しっかり意見を述べて参ります。

[日本郵政社長人事の混乱をめぐって]

 既に取締役会の指名委員会で続投の方針が支持された日本郵政の西川善文社長の人事をめぐり、鳩山邦夫総務大臣がこれを認可しないと主張し続けていることが大きな波紋を呼んでいます。

 前回のこの欄でGM破綻について書いたとおり、政治が民間企業の方針に過度に関与することは歪みを生む可能性があります。確かにかんぽの宿売却問題で、より国民の理解を得られるような配慮(時期・手続など)が必要だったかもしれませんが、これはむしろ官業時代に採算を度外視した過大な施設を作り続けたことの方が問題であって、西川社長に大きな落ち度があるとまでは言えないと思います。

 問題なのは、鳩山大臣を支持する意見が結構強いことに目をつけた民主党が、郵政改革見直しを図る勢力と連携して、この問題を政局に利用しようとしていることです。もし西川社長のみを辞任させることになれば、そのもたらす政治的な影響が極めて大きいのみならず、今後新たに民間から社長に就任しようという方がなかなか現れないということにもなりかねません。その結果郵政官僚出身の社長が就任するなどして、これまでの方向性をひっくり返すようなことになったら…

 地元からは「こうなったら、西川社長も鳩山大臣も両方辞めてもらったらいいんじゃないの?」などという意見も出ています。内閣の一員としてコメントは差し控えますが、麻生総理には是非、国益を損なうことのないよう、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。

[党改革とマニフェスト]

 6月5日の党改革実行本部総会では、国会議員の世襲問題や定数削減を巡って激しい議論が繰り広げられました。前者は「オープンプロセスによる厳正なスクリーニングを公認の条件にする」という方針、後者については「『国会かくあるべし』との考え方に基づき、○年後の衆参両院議員定数を3割削減する」という方針が示され、最終的には武部本部長に下駄を預ける形となりました。

 この欄で4月26日に主張したとおり、私は「公正な公募・予備選挙などのオープンプロセスを踏むようにすること」は一つの選択肢だと思っていましたし、今自分で配っているチラシにもそのように書かせていただいているので、この部分には主張が認められたとの一定の評価はしています。また、議員定数の3割削減も、私がいつも主張していたとおりです。

 しかし最大の難点は、実施の時期が書いていないことです。私は、世襲問題については、即座に実施をするべきだと思いますし、議員定数削減は、政権公約である以上衆議院任期の4年を○印に書き込んでほしいと思います。今後マニフェスト策定の場でしっかりと主張し続けます。

 今週からはいよいよそのマニフェストの議論が始まります。責任を持った、しかし有権者の視線に立った、議論と行動をして参ります。

 ちなみに、世襲問題については、公募などのオープンプロセスが公正な形で全国で行われるようになるまでにはまだまだ時間がかかること、有権者の意識も世襲議員についてきちんと冷静な評価ができるようになるまで少し間があるだろうという懸念はあります。
 やはりしばらくは、親族が引退した後一定の期間、同一選挙区での公認はしないというハードルを設けた方がよいと主張しました。しかしこの場合でも、落選議員と新人とのバランスなどを考えると、既存の政党支部長に適用されるのではなく、今後決定する支部長からとせざるを得ないでしょう。

[外交諸案件]

 北朝鮮をめぐる方針につき、中曽根大臣に時間を取っていただき、私の前回のこの欄で書いた「気になること」を話し合いました。詳細は書きませんが、クリントン米国務長官が北朝鮮のテロ支援国家指定の復活を検討すると発言したことが大きな意味を持っています。

 レバノン議会選挙で親欧米派が多数を占めたことも大きなニュースですが、何といっても今週は12日のイラン大統領選挙が大きな注目を集めるでしょう。今後の中東情勢を大きく左右する可能性があります。しっかり見据えて参ります。

≫平成21年6月2日

[世襲問題・定数削減問題の決着に向けて]

 5月29日午後、菅義偉・河野太郎衆議院議員たちとともに結成している勉強会「新しい政治を拓く会」に出席し、世襲問題や議員定数削減問題、国会議員の資金管理団体の承継問題につき議論を交わしました。弁護士として「職業選択の自由」や「結社の自由」などという錦の御旗によりこれらを改革しないようにする企てには断固として立ち向かわなければいけません。徹底的に意見を述べました。

 おそらく今週中には提言がまとまります。そして自民党の党改革実行本部での結論に間違いなく反映されるはずです。先述した勉強会の、かつ党改革実行本部のメンバーとして、きちんとよい決着に貢献していく決意です。

 そのような中で、衛星チャンネル朝日ニュースターの「山ちゃんのジャーナルしちゃうぞ!」という番組に出演することとなりました。エンターテインメント界でブレイク中の南海キャンディーズ山里亮太さんが、国会議員の世襲問題につき突撃取材するレポート番組ということで、私と後藤田正純衆議院議員が出演します。放送は6月27日土曜日の深夜0時から0時55分ということで遅い時間となりますが、問題点をわかりやすく議論したいと思いますので是非ご覧いただければと思います。

[米製造業最大の破綻]

 GMが連邦破産法11条(いわゆるチャプターイレブン。民事再生法に相当。)を申請し、法的再建手続に入りました。
 負債額1728億ドルという莫大な規模の企業の倒産がもたらす影響は極めて大きいものがありますが、アメリカ政府は301億ドルの追加融資によりこれを事実上国有化することを宣言。迅速な立て直しを国を挙げて進めることになります。

 一言で言うと、巨大企業が構造改革を怠ったがゆえの悲劇でしょう。過去の成功体験にとらわれ、日本の安くて性能のいい小型車に追い上げられても、業態転換などの改革をするのではなく、むしろ(民主党が中心となった一連の)保護主義的な日本バッシングで乗り切ろうとしました。巨大な労働組合の力による雇用維持や年金などの福利厚生の拡大は、一面従業員の生活確保に貢献しましたが、長期的に見て企業収益の圧迫と人材の新陳代謝の阻害を生んだのです。

 今、「構造改革が社会の格差と疲弊を生んだ」という論調が大きいですが、それに対してはこのように反論しましょう。「今改革しますか?それとも破綻への道を選びますか?」今後のマニフェスト選挙の核となる議論です。

 もちろん、きめ細かな現場対応や福祉の安全網(セーフティーネット)をおろそかにしてはいけません。

[スタインバーグ米国務副長官との面談]

 昨日、中曽根大臣や伊藤副大臣とともに、アメリカのスタインバーグ国務副長官との会談に出席しました。温暖化問題や中東問題に加え、北朝鮮の核実験へどう対応するかということが大きな話題となっています。今後日本としっかり連携して北朝鮮への圧力を強めていくこと、中国に対してもこうした動きに協力するよう求めることなどで一致し、有意義な会談だったと思います。ただ...

 「気になること」があります。今後何らかの行動を起こした方がいいかもしれません。

[すっきりしない空模様]

 梅雨が近づいているのでしょうか。すっきりしない空模様が続いています。今の政局のようです。会期は大幅延長で決着するようですが、総理にはきちんとマニフェストを明らかにしたうえで、なるべく早く国民の信を問うて欲しいと思います。それがこの天候不良の政局を晴朗なものとするための第一歩になると思うからです。
 おかげさまで30日の大井しばワンclub総会も大いなる盛り上がりを見せました。これからもしっかり活動をしていきます。

 臓器移植法の問題、温暖化ガス削減中期目標の問題、まだまだ気がかりなことが山積みですが、一歩一歩進んでいくしかありません。

≫平成21年5月26日

[断じて許せぬ北朝鮮の行動]

 北朝鮮は昨日朝、同国において観測された異常な地震につき、地下核実験成功によるものと発表しました。

 真実であれば、4月のミサイル発射ともあいまって国際社会、特に日本に対する極めて重大な脅威をもたらす行為であり、絶対に許すことはできません。世界的に進む核軍縮の動きをあざ笑うものとしか言いようがなく、オバマ米国大統領をはじめとした各国の厳しい反応は当然です。

 引き続き情報収集に努めるとともに、国連安保理緊急会合の要請、米国や韓国などとの連携、日本独自の制裁の検討などを至急進めることになるでしょう。思えば3年前の北朝鮮の核実験の後、国際社会は毅然とした対応を取ることと決めたのに足並みを乱し、実効性を欠いた苦い経験があります。もう同じ過ちは繰り返せません。

 今日午後には、自民党内で「北朝鮮に対する抑止力強化を検討する会」が開催されます。私も外務省から呼ばれて参加致します。

[しばワンclubの熱い動き]

 昨日は深夜まで所沢のしばワンclubの役員会が実施され、今後の政局に対する対応が協議されました。また、30日には大井のしばワンclubの総会が予定されており、あの「行列のできる法律相談所」で橋下現知事とともに回答者として人気を博し、24時間マラソンで国民の感動を呼んだ丸山和也弁護士・参議院議員も応援に駆けつけて下さる予定です。

 本当にありがたい、こうした仲間たちの熱い思いに、何としても応えていきたいと思っています。

≫平成21年5月23日

[臓器移植の議論を加速せよ]

 5月2日のこの欄で書いたように、臓器移植法の改正論議がいよいよ本格化してきました。

 超党派で、基本的に現在の仕組み(臓器提供をもって初めて脳死を人の死とし、臓器提供には本人の生前の承諾が必要)を維持しながら、本人の承諾の有効性が問題となる15歳未満の子供の移植については、家族の同意と虐待でないことをチェックする病院の倫理委員会などの承認を要件として認めるという「D案」が衆議院に提出されています。

 これまでのA案からC案までの法的問題点を克服した上で子供の移植にも道を開こうとしたことには一定の評価をしたいと思いますが、海外ではもはや常識となっている「脳死は人の死」という概念を、国民的に広げていくことが今求められていると思うのです。
 おそらく、お医者さんが「ご臨終です」と声明してくれないD案の仕組みでは脳死体からの移植医療が広がることはないでしょうし、虐待を防止すると言いますが、子供を虐待によって脳死状態にした者に死の責任を問うことも、脳死を人の死と認めないD案では困難となるのではないでしょうか。

 もちろん、今の日本の社会通念や提供側の家族の心情に配慮することは必要ですが、やはり私としてはこれからもA案に対する支持を広げるため、活動をしていきたいと思います。

 もっとも、A案が成立しない場合に、現行法が全く変わらないという状況は避けないといけません。その時のことを今から考えていくかどうか...仲間の議員と協議していきます。

[景気復活への冷や水]

 今年1月から3月の国内総生産(GDP)成長率は、年率換算でマイナス15.2パーセントと戦後最悪の値となりました。

 もっとも、消費者態度や中小企業売り上げ見通しなどにより判断される景気先行指数は、3月の速報値が前月比で6カ月ぶりにプラスに転じるなど、明るい兆しも見えてきています。「夜明け前が一番暗い」と言われますが、これから景気対策も本格化する中で、みんなで力を合わせて明るい未来を築いていければと思います。

 そのような中で冷や水を浴びせているのが新型インフルエンザです。

 この数日で国内感染者は300人を超えるまでに急拡大しており、昨日は私の住む埼玉県でも感染者が確認されています。もはや日本全土への広がりは時間の問題となってきました。

 前回のこの欄で述べたとおりきちんとした対応は必要ですが(私も地元での対策検討などに加わっていますが)、人や物の移動ですとか様々な行事ですとか、国民の経済・社会活動が過度に制約されてはいけません。政府のインフルエンザ緊急対策会議では、軽症者の自宅療養や、一般医療機関での受診の許容など、状況に応じた柔軟な対応をするよう求めています。気持ちをしっかり前向きに保っていくべきです。

[しかし温暖化への取り組みはしっかりと]

 景気といえば、わが国の2020年までの温室効果ガス削減に向けた中期目標の検討が大詰めを迎えています。政府が4月に示した6つの案のうち、経団連などは最も緩い「1990年比4パーセント増」を支持しています。

 確かに、景気や国際競争力への配慮、環境対策を講じていない国との公平などの観点は重要だと思います。しかし、この6月からの国際交渉に向け、日本の温暖化対策に向けた強いリーダーシップを示し、温室効果ガス削減の負担を過度に将来世代に先送りしないことも、一層重要だと思います。

 週末、政府の最後の「地球温暖化問題に関する懇談会」が、麻生総理も出席される中で、首相官邸で開催されます。外務省からは、中曽根大臣が出席できないため、私が代理で出席することになりました。
 しっかり意見を述べ、総理の決定に資するようにできればと思います。

[世襲問題は避けられない]

 菅義偉衆議院議員が音頭を取って、世襲制限問題や議員定数削減問題、資金管理団体の資金移動問題を検討する勉強会「新しい政治を拓(ひら)く会」が、21日に発足しました。私も呼びかけ人の一人に名を連ねています。

 初回は田原総一朗さんを講師に迎え、主に世襲制限についての議論を行いました。田原さんは国会議員の親族が同一選挙区から立候補することを制限することに賛成の立場であり、私もその部分は同意見です。しかし、田原さんが「世襲議員はひ弱で闘争心も欠ける人が多い」ということを根拠としていたことには異論があります。

 小泉純一郎元総理も山本一太参議院議員も今回座長を務めた河野太郎議員も世襲であり、世襲議員がひ弱で闘争心に欠けたり、スマートで上品だったりするというのは私は先入観にすぎないと思うのです。
 この問題はむしろ、「ひ弱で闘争心がなく、議員たるにふさわしい資質がない世襲候補でも地盤・看板・カバンがあれば今の日本では当選の可能性が高く、それがゆえに政党が有為で志の高い別の候補者をなかなか公認しない」という参入障害の問題なのです。それがひいては、優秀な候補者に「自民党から出られないから民主党から立候補する」などという行動をとらせることにつながり、二大政党の政策の違いをあいまいにする結果、成熟したマニフェスト(政権公約)選挙の実行を困難にしているし、ベスト・アンド・ブライテストの結集もできなくしているのです。さらには、世襲議員が選挙に強かったり、先代の同僚から当選後重宝されたりすることにより、大臣などの重要ポストにつきやすく、適材適所を阻んでいることが問題なのです。マスメディアの取材する中、田原さんの面前でそのように意見を申し上げてきました。

 繰り返しますが、今の世襲の議員の質が劣っているというつもりはさらさらありません。また、今の閣僚の中で主張されているように、「世襲制限するなら現職も含めてしなければ徹底しない」などというのも、参入規制を新たに撤廃しようという議論である以上、適当でないと言えるでしょう。

 制限に反対の方々には、是非平場で私たちときちんと議論をして欲しいと思います。私たちに言うだけ言わせてあとは上層部でひっくり返せばよいなどと考えておられるとすれば、それは極めて手続き上問題があるうえ、自民党の未来に大きな禍根を残すものだと申し上げます。

≫平成21年5月18日

[鳩山新代表と政局]

 民主党の新代表は予想どおり鳩山由紀夫氏でした。

 毎日新聞が昨日及び一昨日に実施した世論調査の結果からは、「鳩山代表や民主党の体質改善には期待しないけど、やはり民主党に政権を一度やらせてみればよい」という民意が窺えます。

 与党の幹部の中には「鳩山代表なら選挙は戦いやすい」と思っていた方が多いようですが、私が前回のこの欄で書かせていただいたように、それは見方が甘いということです。解散の時期が遠のくとの見方が出てきましたし、本気で若手・中堅を中心にした自民党の(あるいは行政のあり方の)刷新を進め、マニフェストに盛り込んでいかないといけないと思います。

 ただし、鳩山代表は「小沢さんを執行部に据え、その力を借りたい」とおっしゃっていました。これは結束を優先する旧来型の永田町の論理でしょう。

 小泉元総理は前回の郵政選挙で、党の分裂による惨敗のリスクをあえて承知で、郵政民営化の是非を国民に問うために、徹底した議論の後なお法案に反対の議員について対立候補を送り込んでまでも解散を断行して国民の審判を仰ぎました。その政治生命をかけた決意に多くの国民が賛意を示したのです。

 もし鳩山さんが本当に新しい政治を求めるなら、政治とカネの問題でこれだけの大きな疑惑を持たれて説明責任を果たせない小沢代表に決別をし、公認を与えず対立候補を立てるというくらいの態度を示すべきだったのではないでしょうか。それくらいの覚悟を国民は求めていると思います。
 また、党の政策の財源論についても、岡田さんと異なり、誠意が見えなかったのが残念です。今後国会での議論を通じ、自民党のマニフェストとの優劣が明らかになってくると思います。そして個々の民主党の候補予定者にも、小沢代表の説明責任や政策の財源論についてどのようなスタンスであるかを示してもらわないといけません。昔の自民党と同じような人たちが幹部を占める政党に政権を交代することが新しい政治を作ることになるのか、一円たりとも無駄にしないことにつながるのか。むしろ、世代交代と政界再編を国民は望んでいるのではないでしょうか。

[新型インフルエンザの拡大続く]

 国内でのインフルエンザ感染報告例があっという間に100に迫り、もはやこの問題は海外からの侵入を防ぐという水際対策の段階を超えたことが明らかになったと言えます。
 致死率が0.01パーセント程度と通常のインフルエンザ並みであることや、既存のタミフルが有効であること、抵抗力のある若年層の感染が多いことなどから、パニックに陥るべきではないと思いますが、前回のこの欄で書いたとおり、これが今年の冬に強毒性に変異して猛威を振るうという事態にならないよう、しっかりとした対策・準備が必要になってきます。早速地元の防衛医大の幹部の方々と会談し、必要な体制について協議しました。今後も活動を続けて参ります。

≫平成21年5月12日

[小沢代表辞任がもたらすもの]

 地元所沢にいる時、その一報は飛び込んできました。

 早速メディアの電話取材を受けましたが、「いずれあると思っていた事態です。小沢代表としてはベストのタイミングを計っていたのでしょう。世論調査の速報なども影響していると思います。」とコメントしました。

 福田総理が起死回生を期して辞任カードを切られた時と比較して、今回の小沢代表の辞任は、それがライバル政党に及ぼす波及効果という点で、大きく異なると思います。
 民主党の次期代表は、小沢氏よりクリーンなイメージで国民的支持の高い人に決まるでしょう。それにより民主党の支持率が持ち直すこととなった場合、自民党は、景気対策を着実に実施し、民主党のマニフェストが財源的裏付けを欠くことを主張し続けるだけで本当によいのでしょうか。

 「クリーンさ」「改革」は、単にイメージの問題のみならず、政治や行政の説明責任ですとか、組織・政策の改善にとって不可欠なのです。これまでもそういう観点から若手を中心として様々な勉強会で提言をしてきましたが、早速今日、「士気の高い霞ヶ関の再構築を実現するための研究会」「自民党を刷新する第三世代の会」が相次いで会合を持ちます。しっかりと私の意見を主張してきます。
 もちろん、今日午後6時からの有楽町マリオン前でのプロジェクトJ(日本復活)の街頭演説でも、思いを伝えることができると思います。

[依然続く外交の激動]

 ロシアのプーチン首相が来日しました。経済協力や資源についての日露首脳会談が予定されていますが、領土問題や安全保障にも注目が集まっています。
 新型インフルエンザについても日本人が感染したり中国で隔離されたりするなど依然として注目が集まっています。今年の冬に求められるインフルエンザ対策のためにも、今必要な準備をしなければいけません。
 北朝鮮問題、中東問題、まだまだ忙しい日々が続きます。

≫平成21年5月8日

[大騒動の米国出張]

 この3日から7日まで、公務でアメリカに出張してきました。

 来年、5年に1回のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議が実施されるのですが、その際には、先月中曽根外務大臣が東京で発表した「核軍縮に向けて各国が守るべき11の指標(benchmarks)」を是非とも土台にして合意を目指して欲しいと、今回ニューヨークで来年の検討会議に向けた準備委員会が開催されるにあたり、日本を代表して訴えるためでした。

 前回のNPT運用検討会議(2005年)では、安全保障や原子力平和利用をめぐる核保有国と非保有国の間の(またそれぞれの陣営内部での)利害対立のため、結局核不拡散や核軍縮に向けた合意ができずに終わったという苦い経験があります。この欄でも昨年7月10日や9月23日に書いたとおり(左の“shiba One's message”をご覧下さい)、温暖化ガス削減や核不拡散は持つ者持たざる者の熾烈な争いなのです。

 しかし今年に入り、4月にオバマ大統領がプラハで「核兵器による加害国としての道義的責任があるアメリカが、核のない世界に向けて積極的に行動しなければいけない」と発言したり、北朝鮮の核開発への警戒やテロ集団への拡散防止などの要請が高まるなど、核問題へ取り組もうとする世界的機運が盛り上がってきていることは事実です。
 当初、今回のニューヨークの準備委員会には外務省の実務担当者が出席して淡々と日本の立場を述べることになっていたのですが、民主党の国会議員たちが北太平洋非核地域構想を主張するため渡航して来たり、広島や長崎の市長が会議において発表しに来たりする中で、日本も唯一の被爆国として政治レベルで断固とした主張を行うべきだと私が訴えたことが今回の私の出張につながりました。英語の原稿も当初の案から私の意見を入れて増やしてもらい、おかげさまでこのスピーチは、各種マスメディアで取り上げていただいたり、ニュージーランドが委員会の中で早速賛同を示してくれたりするなど、世界にインパクトを与えることができたと思います。

 広島・長崎市長をはじめとした世界平和市長会議の方々と会談したり、国連事務総長の潘基文氏にお会いした後は、9.11テロの跡地グランド・ゼロを視察するなどして、すぐにワシントンに移動し、北東安全保障や中東問題について、米国務省要人や上下両院議員、ブルッキングズ財団の方と意見交換するなど、非常に充実したプログラムとなりました。

 イスラエルのペレス大統領やアフガニスタンのカルザイ大統領が同時に訪米して物々しい雰囲気だったり、新型インフルエンザの検疫で成田空港がごったがえすなど大変な思いをしましたが、その甲斐はあったと思います。
 しかし、アメリカ内では(国際会議出席のための海外からの参加者も含め)誰もマスクをしないで平然としているのに対して、日本では空港でも多くの人がマスクをして、検疫官が到着飛行機内に乗り込みサーモグラフィー検査をするなど、あまりの対応の違いに驚きました。もちろん、万全を期すに如くはありませんが...

[いよいよ緊迫]

 補正予算の審議が本格化し、いよいよ解散の足音が近づいてきたように思います。できることを着実にやっていくのみだと思っています。前回5月2日のこの欄(これについても左のmessageにございます)で書かせていただいたとおり、おかげさまで4月30日所沢で開催した「しばやま昌彦シンポジウム」は、多くの方々のご支援の結果大成功に終わりました。感謝の気持ちを忘れることなく、この勢いを生かして厳しい戦いに望んで参ります。引き続きのご支援をお願い申し上げます。

≫平成21年5月2日

[大盛況のシンポジウム]

 おかげさまで、4月30日開催のシンポジウムは、会場いっぱいのお客様であふれ、立ち見も出るほどの大盛況でした。事務所にも直前まで問い合わせが続き、関心の高さを伺わせました。マスメディア各社の取材も、当日のみならず翌日もありました。

 安倍元総理も、義家先生も、事前に打ち合わせなどしなかったにもかかわらず、私の(地元の話題や、最新のニュースを含めたアドリブを含む)問題提起に対してわかりやすくお話をしていただき、内容的にもとても充実していたと思います。参加された方々が口々に笑顔で「よいお話を聞かせていただいてありがとう」とおっしゃりながら帰られたのが印象的でした。

 ご参加の方々、ご来賓の皆様、そして開催のお手伝いをして下さった多くの方々に心から御礼申し上げます。そして、今回のシンポジウムで改めて明らかになったとおり、教育の問題がひいては社会保障や筋を通した外交にもつながっていく極めて重要なものであることを再度自覚し、責任と活力を備えた人材の育成のため、今後とも全力を尽くしていくことをお誓い致します。

[新型インフルエンザの猛威]

 シンポジウムの翌日の早朝にも、外務省では新型インフルエンザの緊急対策会議が実施されました。伊藤信太郎副大臣をはじめ外務省幹部とともに情報を整理し、国内感染を防止するための対策とメキシコへの緊急援助などについて話し合いました。充実した緊急対策を講じることも大切ですが、正確な情報のもと、冷静さを失わないことが重要です。

[国会の機能不全〜臓器移植の例から]

 海外に比べて日本の脳死者からの臓器移植は要件が厳しく、特に年少者については皆無です。このため臓器移植を求める日本の患者が高額の費用で海外渡航をして手術をする事例が相次いでいました。

 今年の5月にはWHO(世界保健機構)の総会で、自国内の死体からの臓器提供者を増やし、移植ツーリズム等への対応を行う旨の指針改正案や決議が採択される見込みです。もはや世界の非常識は通用しなくなるのです。

 私は早くから、臓器売買や小児虐待への懸念をクリアする手だてを講じることを条件として、脳死者からの臓器摘出のためには、本人の意思が不明である場合、家族の書面による承諾があれば、小児も含めて認めてよいとする案(A案と言われます)に賛成してきました。これに対し、これまで15歳以上の者にしか認められなかった臓器提供の意思表示を12歳に引き下げるという内容の案(B案)や、事実上移植をより制限する案(C案)が議論されてきたのです。

 国会は内閣の提出法案が優先的に審議されることが多く、しかも、こうした死生観に関わる議員立法は党議拘束をかけないようにするため、なかなか法改正が実現しません。先述したとおり国際的な事情の変化を前にようやく議論が本格化しましたが、それでも今国会の改正は(政局も絡み)微妙な情勢です。

 今こそ国会改革の時です!委員会を議員提案をもとに柔軟に開催し、その中で成案を得るべく修正をいとわないというように、国会を真の「議論の府」に生まれ変わらせる。そしてねじれ国会をどうしていくかということを、与野党の壁を越えて考えていくのです。臓器移植の扱いをそのよいきっかけとしていければと思っています。(共著「機能不全の国会を改革する八つの方策(平成20年2月9日発売中央公論3月号)」に詳しく書かれています)

[再び、外務省案件]

 在沖縄米海兵隊のグアムへの移転に関する協定(2月18日のこの欄に書いたとおり署名に同席しました)は、衆議院の採決後参議院に送付されました。私も初めて参議院本会議の雛壇で答弁される中曽根大臣の脇に担当政務官として座り、大臣に補足資料をお渡しするなど貴重な経験をさせていただきました。
 また、4月23日には海賊対処法案の締めくくり委員会審議が、麻生総理の出席のもと、NHK総合テレビの生中継の中で実施されましたが、このホームページの議事録を更新したとおり、担当政務官として2回答弁に立ちました。

 このゴールデンウィークについても公務でつぶれてしまいます。政局の行方も気がかりです。またこの欄で報告させていただきます。

≫平成21年4月26日

[緊迫する政局]

 今週から15兆円の財政出動を伴った追加景気対策を内容とする補正予算の審議が始まります。予算が成立するのは6月の後半。そこで解散があるのかが政局の焦点となってきました。

 最重要課題である景気対策がひと段落ついたら、国政の停滞を打開するためなるべく早く民意を問うべきだと主張し続けています。水面下の動きもあわただしくなっているようです。

[国会議員の世襲問題]

 そのような中で、マニフェストに国会議員の世襲制限を盛り込むかどうかが大きな論点となってきました。
 私は4月2日のこの欄で述べたとおり、小選挙区選挙で政党が候補者選定を行うにあたり、地盤(後援会)・看板(知名度)・カバン(資金)の親族からの承継が、志ある有為な人材の参入を妨げないように制度化するべきだと主張しています。具体的には、一定の期間を置くなどの例外を除いて同一選挙区(あるいはより狭い選挙区)からの世襲立候補を認めないとか、公正な公募・予備選挙を義務付けるなどです。最近はテレビでも私の発言を取り上げていただいており、昨日も日本テレビ「バンキシャ!」の取材がありました。

 誤解するべきでないのは、世襲議員が必ずしも資質に欠けるわけではないということです。商売の世界でも親の代を継いで立派に成功している人はいくらでもいるのであり、私はそれを事業承継税制などの促進という形で応援してきました。
 ただ、国会議員の場合、国民の代表として働きたいという有為な人材が広く集まるべきであって、そのための公平なプロセスとして私は上記のような主張をしているのです。現職の自民党の世襲議員の方が負い目を感じる必要は全くなく、今後求められるプロセスの改革としての議論に是非参加して欲しいと思います。さもなくば、民主党が改革に熱心で自民党が保身に走っていると有権者に誤った印象を与えてしまいます。

 私は自民党初の全国公募候補者として、全くのゼロから選挙を戦い、初当選から昨日で丸5年を迎えました。郵政選挙では私の成功事例を踏まえ、各地で公募候補が大活躍をし、今や自民党の世襲議員の割合も3割台と大きく下がっているのです。1割台の民主党との違いは、あと一歩でなくなります。

[外国の気になる話題]

 WHO(世界保健機関)が、メキシコと米国で豚インフルエンザの人への感染が起きている問題は、パンデミック(世界的大流行)に備える警戒レベルをフェーズ3(6段階中)から4にするか検討を要する段階だと発表しました。
 先般の鳥インフルエンザから一歩進んでいるような無気味な印象を持ちます。しっかり情報分析するとともに、先般から私も所沢市役所などに働きかけているパンデミック対策を、国と地方が連携してきちんと進めていくべきです。

 別件ですが、斎賀富美子ICC(国際刑事裁判所)判事の急逝のニュースは大変ショッキングなものでした。
 私は自民党のICC議員連盟事務局長として、平和と法の支配を進めるため日本のICC加盟を後押ししてきており、それが何とか実現したうえ判事の日本からの選出も実現し、今般の選挙でもその斎賀判事が再任されたということで本当に期待していたのです。ご冥福を心からお祈り申し上げます。

[しばやま昌彦シンポジウム迫る!]

 「国造りは人造り」をテーマとし、安倍晋三元総理とヤンキー先生義家弘介参議院議員とともにパネラーとして話し合う「しばやま昌彦」シンポジウムの準備もだいぶ進んできました。所沢市民文化センター「ミューズ」中ホールで、4月30日(木曜日)午後6時半から開催します。多くの方にご参加いただければ幸いです。

≫平成21年4月17日

[北朝鮮問題のこれから]

 北朝鮮の行為を国連安保理決議違反であると非難し、その決議違反を是正するための具体的措置を盛り込んだ議長声明が採択されました。

 日本が当初からこだわってきた安保理決議という形にならなかったのは残念ですが、国連加盟各国に拘束力が生じていた3年前の安保理決議の違反であることを、中国・ロシアを含めた安保理各国了解のもと議長が表明したことの意義は大きかったと思います。

 北朝鮮はさっそく六カ国協議を離脱すると強硬な姿勢を示しています。今後どのような対応を取るかしっかり検討して参ります。

[国際情勢緊迫]

 タイのデモでASEAN会議が中止され、参加予定国首脳がヘリコプターでホテルを脱出する事態となったことは大変な衝撃でした。タクシン派と反タクシン派の間の恨みを伴った深刻な溝の深さを思い知りました。
 アフガニスタンとパキスタンの治安情勢も深刻で、国際社会が一致して解決に向けて動き出しています。イスラエル・パレスチナ問題も含め、日本も貢献が求められていますし、政務官としての業務も多忙となってきました。

[公務員改革・これからも]

 財政出動15兆円を伴う景気対策が発表され、これから補正予算を通じて実行されることになります。市場の評価もおおむね好評だと思います。今後は、これが後世の過大なつけとならないよう、きちんと効果を検証し、見直すべきものが生じれば適時に見直していかなければいけません。それが改革の精神を生かすことだと思っています。

 公務員制度改革についても、法案の対象となっていない問題(特に幹部公務員や給与の問題)について、さらなる検討が必要だと思っています。今国会中にできることを模索し、活動していきます。

[皆さんのご好意を生かすために]

 13日、所属する清和政策研究会のパーティーが開催され、今年も3つの会場を埋める多くの方々にお集まりいただくとともに、チケットの購入を通じて大きなご支援を賜りました。厚くお礼申し上げます。そしてそのご好意を無にしないよう、今後とも全力を尽くすことをお誓い申し上げます。しかし、少しでも金がかからない政治に変わっていかないといけません。実践・提言を続けて参ります。

 安倍元総理やヤンキー先生義家議員をお招きしての4月30日の国政報告会に向けた準備を進めています。おそらくシンポジウムとなるでしょうが、会場においで下さった方に有意義なものとできるよう心がけていきます。

≫平成21年4月8日

[Violations must be punished]

 北朝鮮は、自制を求める国際社会の声を無視して、5日午前11時30分、弾道ミサイルの発射を強行しました。

 北朝鮮は人工衛星の打ち上げだと主張していますが、それが真実だと仮定しても打ち上げに使用されているのはテポドン2であり、わが国の秋田・岩手両県の上空を通過したのみならず、日本海と太平洋上に推進装置が落下したと判断されることからも極めて危険な行為です。
 これは北朝鮮の弾道ミサイル関連活動を禁じた国連安保理決議第1718号や第1695号に違反するとともに、日朝平壌宣言や、日・米・韓・中・露と北朝鮮の六者会合共同声明とも相容れず、わが国としては国際社会が連携して北朝鮮に対して毅然とした対応、特に新たな安保理決議を採択するよう働きかけているところです。

 米国のオバマ大統領は、この打ち上げが既出の安保理決議の違反であると明確に述べるとともに、プラハでの演説で「違反は罰せられなければならない(Violations must be punished)」と極めて明快なメッセージを打ち出しました。中国とロシアはこの行為が人工衛星の打ち上げだった場合には国連決議に反しているとは言えないとか、北朝鮮を追い込んではいけないなどと慎重な姿勢を示していますが、そもそも既に述べたとおり人工衛星であっても国連決議違反であることは明白であるうえ、この飛翔体が人工衛星としての実質を持っていたかについても、各国の分析により大きな疑問が提示されています。いずれにせよ、今後の六者協議の実効性もにらみつつ、政府としてはぎりぎりの調整を続けます。外務省内でも何度も会議を行っています。

 脅威を最も受けた日本は、北朝鮮に対する追加経済制裁を含む措置を与党が検討する一方、民主党は社民党などとの協力に配慮していま一つ腰が引けているようです。昨日の参議院での発射非難決議もかなりの難産だったと世耕弘成議員から伺いました。

 日本の安全確保は政権の最低限の任務です。本当に、今の民主党に、「一度やらせてみればよい」のでしょうか?

[国民の審判に向け、急ピッチ]

 昨日は党の税制調査会で、贈与税の軽減措置や企業の交際費課税・研究開発費税制について議論がありました。金持ち優遇批判があっても、合理的な範囲で、高齢者から消費をする若い世代に資産を移転することを促進し、景気を浮揚するべきです。それがひいては所得や資産が十分でない方々にもきちんとメリットがある仕組みを作っていけばよいのです。

 勉強会プロジェクト日本復活の活動も活発です。6日には慶応大学清水教授の開発した電気自動車「エリーカ」の視察・試乗を、昨日は有楽町マリオン前で10人を超えるメンバーによる街頭演説会を実施しています。これから毎週街頭演説活動をし、自民党に未来を動かす若手集団が存在するのだということを世に示していければと思っています。

 もちろん地元での活動も活発化していきます。4月30日には所沢市民文化センター「ミューズ」で、安倍晋三元総理とヤンキー先生として有名な義家弘介参議院議員をお招きして国政報告会を実施する予定です。多くの方にお集まりいただければ幸いです。

≫平成21年4月2日

[選挙の足音]

 麻生総理が記者会見で、民主党の国会対応いかんでは5月の解散もあり得ることを示唆しました。

 ねじれ国会がもたらしている停滞(もし国会の審議ルールが成熟すればここまで混乱することはないのですが)を考えた場合、その打開のため民意を問うべきだと私も思います。もうマニフェスト策定などの準備にかからなければいけません。

 これまでともすると役所から上がってきた政策をホチキス止めしたものを政権公約とし、国のあるべき骨太の道筋を示せないばかりか民主党との違いを不明確にしてきた自民党。官僚主導でなく、政治主導の政治を実現するためにも、マニフェストの作成はオープンな政治の場での議論(地方組織のヒアリングも含め)が必要です。そして前回の郵政選挙のマニフェストの検証も行わなくてはいけません。

 実はこの問題を含め、政治の刷新を求める様々な勉強会や議員連盟が(若手を中心として)党内で立ち上がっていました。3月6日のこの欄で紹介したとおり、そうした同じ思いを持つ議員が結束して行動するよう、山本一太参議院議員をはじめ何人かの議員が準備しました。そして昨日、実に61名の国会議員の署名とともに、細田幹事長に対し、「マニフェスト起草委員会」を党内に立ち上げてオープンな議論を開始するよう、申し入れをすることができました。来週にはよいお返事がいただけると思います。

 もちろんそこでは、町村会長のもと現在開催されている日本経済再生戦略会議や武部本部長のもと開催されている党改革実行本部などとのキャッチボールが必要になります。
 昨日はペンメディアに全面公開された党改革実行本部総会が開催される中で、事務方から議員定数削減に否定的な資料(諸外国における人口と議員定数の割合に比べて、日本の議員は多すぎると言えないことを示している)が出てきました。しかし、比較の対象となっている多くの国がEU諸国であって、EUが現在統合に向かっている以上、単純な比較はできないと主張しました。他にも、一人区の結果で決定的に左右されてしまう参議院選挙の改革などにつき主張しました。

 他の議員からは世襲制度の見直しについて発言がされていました。これについては難しい問題がありますが、小選挙区において地盤・看板・カバンの承継が有為な人材の参入を阻まないよう徹底すべきです。党の内規として行うのか、法律レベルで全ての議員について行うのかを含め、きちんと議論します。

[公務員制度改革の火種]

 問題となっていた内閣人事局長のあり方については、私も含め、多くの先生方が「内閣官房副長官級の総理に直結したポストにすること」「専任ポストとして役所主導の人事を変えること」という方向を求めていたのですが、総理の強い意向もあり、文言上は、現在の内閣官房副長官の数を増やさずその中から選ぶということとなり、私たちの思いは官邸に報告されるということで法案が了承されました。

 これだと事務の官房副長官が内閣人事局長になり続け、実質的に人事の実務を官僚に下請けに出し、これまでと同じような人事が温存される恐れがあるように思います。参議院での審議が心配です。
 あと、天下りや幹部公務員のあり方については、抜本的な改革が必要となるでしょう。そのための準備を進めていきます。

[外務省の多忙]

 ここ二日、アラブ日本週間2009という相互交流企画のスピーチ、ディスカッション、レセプションに出席しています。イスラエルでのネタニヤフ政権誕生が中東和平にどう影響するかは読みにくい部分もありますが、アラブとイスラエルに中立的なポジションを持ち、しかも法と正義の理念や非軍事の「スマートパワー」に恵まれた日本の役割は(長い目で見た仲介の役割も含め)大きいと主張しました。

 北朝鮮の弾道ミサイル弾の緊張は高まっています。万全の態勢を国際社会が連携して取らなければいけません。野党にも責任ある議論を求めたいものです。

≫平成21年3月25日

[真の勝負師の証明]

 昨日実施されたWBC(ワールドベースボールクラシック)決勝の韓国戦は素晴らしい内容でした。今大会不振だったイチローが最後に決勝点。記者会見では、ポーカーフェイスを保ちながら苦しみぬいた大会中の胸の内を明かしておられました。

 「本当の勝負師」は、ここぞという時に、プレッシャーと戦いながらも、きっちり結果を出す星回りにあるといつも感じています。いつもは目立っているけど勝負どきになると期待を裏切ったり腰砕けになる人たちは結構いますが、「本当の勝負師」は、強運と、度胸と、努力の才に恵まれたごく一部の人間です。

 政界を見ると、今ははっきり言って「嵐の前の静けさ」とも言うべき凪(なぎ)の状態です。小沢代表の続投宣言も、(失言ですら進退問題が生じる自民党だったら公設秘書の起訴を世論が許すはずはありませんが)今代表が辞任したらたちどころに内部の路線対立が顕在化して一丸となった戦いに臨めない民主党のお家事情からすれば、当然の結果だったと思います。小沢代表続投が決まったことにより、自民党の中で変化を求める動きも少しトーンダウンするでしょう。
 しかし私は確信があります。必ず近いうちに「ここぞという時」がやってきます。そこで変革を起こすのは、必ずしも今色々目立っている(目立とうとしている)人ではなく、「本当の勝負師」なのです。

 私は、これまで重要な節目節目で、ある程度結果を出してきた自負はありますが、いよいよこれから、応援して下さる方々と一丸となった真の戦いが始まります。

[北朝鮮への対応]

 北朝鮮が「衛星実験」と称して弾道ミサイル発射を予告している問題にどう対処するかは、日本の安全保障や、それに対する国際社会の信頼・抑止力を大きく左右する重大なテーマです。
 昨日も党の国防部会や、私が所属する「北朝鮮外交を慎重に進める会」が相次いで開かれ、私も出席してあるべき対応などにつき意見を述べました。さらに、これまで巨額の費用を投じて整備を進めるとともに実効性につき分析を行ってきたミサイル防衛網について、「政府筋」の人が「当たるわけがない」などと発言したと伝えられたことにつき、猛烈に批判しました。こういう報道が国益にどう影響するかということの認識が足りないのではないでしょうか、と。国防部会では政府に釈明を求めていただけるようです。

[疾走する毎日]

 先日、所属する「危機と闘う!セーフティーネット議連」で、民主党の雇用対策関係者からヒアリングを行いました。党派の壁を越えたこのような動きは極めて異例ですが、ねじれ国会の中で、急を要する雇用安全網の整備については、与野党で合意できるものから、着実に実施していかなければいけないのです。大宮で実施された埼玉派遣村のイベントにも視察に行きました。
 そして公務員制度改革も法案提出の大詰めです。甘利行革担当大臣と直接電話でやり取りをしたり、党の公務員制度改革小委員会で発言するなど、骨抜きにならないよう活動しています。
 「プロジェクト日本復活」も昨夜の会合で今後のスケジュールが決まりました。
 公務で、永田町で、地元で、文字どおり走り続ける毎日が続きます。頑張れば必ず未来を開ける、そう信じて、取り組みを続けます。

≫平成21年3月19日

[硫黄島からの手紙]

 昨日18日、第11回目となる日米硫黄島戦没者合同慰霊顕彰式に政府代表として出席するため、硫黄島に飛び立ちました。

 3月とは思えない強い日差しの中、地元所沢からの出席者を含め、90人を超える日本側遺族の方々が参加されました。米国側もグアム経由で、退役軍人や遺族が多数参加していました。

 壮絶な激闘の結果2万7千人近い犠牲者が出たこの地での戦いは、クリント・イーストウッド監督による映画「硫黄島からの手紙」に描写され、大きな感動を呼びました。渡辺謙が演じた日本軍指揮官の栗林忠道中将は、今回参加された新藤義孝衆議院議員の祖父にあたります。

 私は式典でのスピーチで、戦争の惨禍を二度と繰り返さないよう誓うとともに、今後の日米両国の繁栄を祈り、愛する祖国や家族を守るために命を賭けて戦った御霊への心からの哀悼と敬意の念を表させていただきました。
 その後島内を視察したのですが、あちこちに残る当時の塹壕・戦車・大砲や、海岸の沈没船の残骸が大変印象的でした。まだ多くの遺骨が残ったままになっているとのことです。最近の新聞記事で、当時の米兵から、日本兵が遺族に残した写真や絵などの遺品が返されたことが話題になっていましたが、より多くの遺骨や遺品が早く戻ることを念じています。

[政治資金の問題・再燃]

 民主党の小沢代表が企業献金の見直しに言及されましたが、これまで多額の企業献金を受領しながらそれに対する批判をそらそうとしているという印象があります。
 すでに私は政治資金に関して、与党のプロジェクトチームで領収書の公開ルールの整備や外部チェックの導入を最前線で進めてきました。このたび党改革実行本部の委員にも選ばれたことですし、この問題を含め、また尽力していきます。

[雇用の確保、着実に]

 春の賃金労使交渉は、やはり主要製造業が軒並みゼロ回答という厳しい状況です。米国では、公的資金の投入されたAIGの幹部が巨額の賞与を受領していた問題がオバマ政権に打撃を与えています。
 このような中、「危機と闘う!セーフティーネット議連」メンバーで、党の幹部や舛添厚生労働大臣に、雇用創出に向けた財政措置や雇用保険の充実、失業者の住居確保など、様々な提言を行ってきました。今日の衆議院本会議で雇用保険法の改正案が可決される見込みです。今後も国民生活のニーズをとらえた活動を進めて参ります。

≫平成21年3月13日

[炎のゼロ泊3日]

 3月10日から外務大臣政務官の公務として3日間クウェートへ出張に行ってきました。

 2001年に当時の河野洋平外務大臣が「湾岸諸国との重層的関係に向けた新構想」の一環として提唱され開始された、第7回目の日本とイスラム世界との文明間対話セミナーに出席するためでした。
 今回のメインテーマは「環境と文明の調和」で、開催国のクウェートは、これまでの石油輸出に頼る経済から、温暖化防止に向けたエネルギー構造の転換を表明する場となりました。また、湾岸戦争当時、油井の炎上やペルシャ湾への原油の流出で深刻な環境悪化に見舞われたクウェートでは、浄化に向けた取り組みや環境教育などに、日本のJETRO(日本貿易振興機構)やNPO(非営利組織)が協力しています。

 このあたりの事情や今後の日本の(特に将来世代の若者たちの)取り組みについて、開会式でスピーチをするとともに、首長の妹でありクウェートボランティア協会長でもあるアムサール閣下やフセイン・ナーセル司法大臣と会談し、現地のマスメディアの取材を受け、海岸や戦争記念館などの視察を行ったうえで、一泊もすることなく日本へとんぼ返りです。風邪気味のうえ強行日程なので大変でしたが気合いで乗り切りました。

 「今後イスラム諸国との関係強化のためには治安の改善が鍵となる」という私の指摘に対し、訪れたモスクの司祭や、昼食を共にしたアデル・ファラーハイスラム事項担当相次官が、「イスラム教は命を大切にする宗教であり、過激派は真の教義に反する行動をしている。しっかりした啓蒙を通じて和平実現に努力する。」という同じ趣旨の発言をしていたのが印象的でした。
 今後、宗教的な寛容性を有し、イスラム諸国にもイスラエルやアメリカにも友好的な関係を持てている日本の役割が問われます。

[景気と政局]

 早速政治改革や雇用確保など様々な活動を再開することとなります。北朝鮮の動きも気がかりです。全力で取り組んで参ります。

[熱のこもった自民党所沢支部総会]

 3月9日の自民党所沢支部総会は、危機感を持った多くの党員の方が参加され、熱のこもったものとなりました。地域や国をこれからよくするため、みんなで頑張っていこうという思いを共有できた有意義なものでした。本当にありがとうございました。議員の皆様をはじめご来賓の方々にも心から感謝申し上げます。

≫平成21年3月6日

[政治への信頼を取り戻すこと]

 西松建設から巨額の違法献金を受け取っていた疑いで民主党の小沢代表の公設第一秘書が逮捕された事件は、政界に大きな波紋を呼んでいます。

 多くのメディアからコメントを求められました。「捜査の対象となったわけですからその推移を見守りたいと思います。ただ、政権を担おうとする政党の代表として、きちんと国民に説明責任を果たしていただきたいです。政党支持率がどうなるかにより、この事件によって解散時期が左右されるということは十分あり得ると思います。」

 民主党は国策捜査だなどと批判しているようですが、司法の独立が憲法上規定される中でそのようなことがあってよいはずがありません。いずれ法と証拠に基づき、真実が明らかになるでしょう。

 しかし一方で自民党の幹部の方々が、この事件が反転攻勢の材料となると過度に期待するととんでもないことになります。
 まず、この事件は言うなれば敵失であり、自民党自体の信頼回復は依然として、私が主張し続けているとおり、様々な改革を通じてしか実現しないということです。それを怠り、万一小沢代表が辞任して若い代表が誕生するような事態になったらどうなるでしょうか。

 折しも、自民党で衆議院当選1、2、3回の会が一昨日発足しました。私も参加しています。この対象となる議員数は自民党の中ですでに半数を超えています。その政策や、近代的な党運営に対する思いを、何とか執行部に伝えていかなければいけません。

 国会のテレビ中継では、民主党は若手の論客が質問に立ちます。本会議や委員会質問でその実力を認められた議員が、どんどんそうした場で活躍しているのです。一方自民党は、そういう重要な場においては、役職や当選回数に基づき質問者が決定されることが多く、質問内容も役所が事前に振り付けをしていたり、地元の利益になることをきいていたりすることが多いのです。視聴者の印象がどうかということを、幹部の方は考えておられるのでしょうか。公務員改革で能力主義を導入するというならば、政治の世界が今のままであってよいはずはありません。

 同じ思いをもつ若手議員たちが、様々な議員連盟や勉強会に参加しています。ここで一度、各議員連盟が結束して、政治の刷新を求めていくことが必要になってくるかもしれません。頑張っていきたいと思います。

 まずはマニフェスト(政権公約)を、早くオープンな場で議論するよう求めていくことや、その場で、しっかり希望の持てる将来に向けた提案をすることから始めます。皆様のご支援をお願い申し上げます。

≫平成21年3月1日

[国会の責任]

 2月27日、平成21年度予算が衆議院を通過しました。

 同日発表された失業率は4.1パーセントで、前月に比べ0.2ポイント改善しましたが、これは職探し自体をやめてしまう男性が増えたためにすぎないようです。有効求人倍率は0.67倍となって前月を0.06ポイント下回り、5年4か月ぶりの低水準となっていることを見ても、依然として雇用状況の悪化は深刻です。
 一刻も早く予算及びその執行のための関連法案を成立させ、75兆円の景気対策を講じなければ、国民生活の悪化はさらに深刻な状態となるでしょう。

 野党には迅速審議の責任があります。それをせずに景気悪化の全ての責任を与党にかぶせるのは許されないと思います。危機に臨んでは、両院がねじれた国会でも国民のために必要なことは協力して前に進めなければならないのです。「自分がされて嫌なことを人にするな」という言葉が示すとおり、民主党に本当の政権政党たる資格があるなら、自らが与党となった時に野党からされて許せないことをしてはいけません。

 最近、民主党の中で政策論議がないと聞きます。青年会議所主催の討論会などでも、かつては自民党議員が参加を避けていたが、最近は民主党議員が避ける例が多いとか。
 小沢代表が「日本に駐留する米軍は第7艦隊で十分」と発言されたことも唐突です。それが日本の自衛力を大幅に増強させようという趣旨だとすれば、本当に民主党が結束してそれに従えるのでしょうか。

 今の自民党支持率低下は「オウンゴール」による部分が大きいと思います。民主党がもし「何もしなくても政権が転がり込んでくる」と思っているとすれば、国民にとって不幸なことです。現に、民主党の若手の中で、これでよいのかと疑問を持つ議員がいます。

[緊迫化する政局]

 そのような中で私は、前回書いたとおり、政治に対する信頼を取り戻すための改革や、透明なプロセスでのマニフェスト(政権公約)の作成を、仲間の議員とともに主張しています。
 ちなみに最近は自民党の中で様々な勉強会が乱立しているようですが、仮にそれが「ポスト麻生」をにらんだ主導権争いだとかパフォーマンスだとかいうように国民の目に映った場合には、支持を回復することはできないでしょう。昨年12月11日のこの欄でも書きましたが、議連や勉強会は、メンバーが誰かということとその目指すものをしっかり判断し、参加を決めていきます。

[地元の反応]

 外務省での活動や国会活動で忙殺される中、地元でなるべく多くの方の生の声を聞きたいと思っています。厳しい声が多いですが、それを自らの糧として、引き続き頑張る所存です。

≫平成21年2月18日

[止まらない政権への逆風]

 中川昭一財務・金融担当大臣の辞任は麻生政権にとって厳しい打撃となることは避けられません。

 大臣をよく存じ上げているだけに残念ですが、昨年10-12月期の国内総生産(GDP)が年率換算12.7パーセント減となり、国際社会に対して日本の経済対策をきちんと説明しなければいけないG7会議後の会見であのような形で信頼を失ってしまった以上、やむを得ないと思います。問題なのは、当初は大臣も総理も続投の方針を示し、それが予算関連法案成立後辞任→即時辞任と相次ぎ変更を余儀なくされたということで、内閣の危機管理能力や総理の任命責任について大きな疑問が生じてしまったことです。

 折しも、今日は党改革実行本部の総会が開催されます。自民党や政治に対する信頼はもはや最低の状態です。候補者の選定(二世議員の扱いなど)、政府や党の人事の仕組みの抜本的見直し、意思決定プロセスの民主化・透明化、総裁選挙規定の見直し、二院制をはじめとした国会のあり方の改革等々、あらゆる問題を徹底的に我々若手が主導して見直していかなければ政治の未来はあり得ません。マニフェストも当然オープンに議論して決めていかなければいけないでしょう。郵政問題をはじめ、政策の方向性がぶれないようにしていきます。

[クリントン国務長官の来日]

 アメリカのクリントン国務長官が16日に来日され、積極的な外交を展開されました。在沖縄米海兵隊のグアムへの移転に関する協定の署名式や中曽根外務大臣との記者会見には、私も担当政務官として同席しました。対日政策や北朝鮮への対応が変化するのでないかという懸念がある中で、日米同盟をアジア太平洋地域の安定と発展の基礎(コーナーストーン)と位置づけ、横田早紀江さんたち拉致被害家族の方と面会を果たしてその思いを受け止められたことには意義があったと思います。しかし、今月24日に麻生総理がホワイトハウスを、オバマ政権となって以来外国首脳として初めて訪問するという話には正直驚きました。色々な背景があるのでしょう。

[石破大臣とのコラボレーション]

 おかげさまで、15日に自民党三芳・大井支部に開催していただき、石破農林水産大臣にお越しいただいた時局講演会は大盛況となりました。会場が一杯でお入りいただけなかった方々にお詫び申し上げます。新しい政治と伝統的な価値観の融合について、また防衛や農業・将来の社会保障や景気問題について、私も大臣も熱く語らせていただきました。お越しいただいた方々、ご来賓の方々、そして開催のためお手伝いいただいた多くの方々にこの場をお借りして心からお礼申し上げるとともに、皆様のご期待に今後しっかり応えていくことを、ここにお誓い致します。今度は所沢で、やはり強力な企画を実施して参ります。

≫平成21年2月12日

[日本の中東での役割]

 案の定、イスラエルの総選挙では対パレスチナ強硬派の大幅な躍進となり、将来の中東和平にとって不安な結果となりました。

 米国オバマ大統領はアラブ諸国に対話重視の姿勢を示していますが、国内のユダヤ勢力や、イスラエルとの関係を考えた時、困難な舵取りとなることは否定できません。パキスタン等への米国の治安介入の動きも出る中で、「結局オバマ政権も変わらないじゃないか」と失望感が世界に広がらなければよいのですが…私は、イスラエルにもアラブ諸国にも中立的な立場で行動できる日本が果たすべき役割は大きいと真剣に考え、中東諸国との要人と積極的に会い、共通の理解を進めていくつもりです。

[経済政策は慎重に]

 明日日経ビジネスの記者が、今後の経済政策について私のところにインタビューに来られます。不況克服のため、積極的な財政・金融政策を進めながらも、改革を怠らないこと、「持続可能な福祉」の旗を降ろさないことなど、私の思いの一端を伝えたいと思います。
 政府紙幣について検討する動きも急ピッチで進んでいます。政府紙幣は日銀券と異なり、資産の裏付けのないお金ですから、「ある人が大量に偽札を刷って得をする。」という事案とどこが異なるかといえば、国が通貨発行する権利があるから処罰されないというだけです。このような政策を安易に認めたら、財政規律もなくなるし、インフレも発生します。(デフレで円高の今だからそれは歓迎という考えもありますが。)よくよく慎重な検討が必要でしょう。相続税免除の無利子国債についても金持ち優遇との批判がありますので、しっかり議論して参ります。

[地元の支え]

 政権への逆風の中、「でも柴山は応援する」とおっしゃって下さる方が多くいらっしゃるのは心強い限りです。そのような中、2月15日(日曜日)夕方6時から、三芳町役場脇のコピス三芳にて、石破茂農林水産大臣とともに国政報告会を開催することとなっています。多くの方にご来場いただければ幸いです。

≫平成21年2月9日

[まだ続く海外不安]

 日本人が船長の中国漁船がケニア沖で昨年11月に乗っ取られていた事件は、昨日、漁船及び船長を含めた全乗組員の無事解放という形で決着を見たようです。

 ホッとしました。関係各位のご尽力があってこそだと思います。今後とも、海賊行為への対処をしっかり行っていかないといけません。新法制定の議論もありますが、今できることから順番に、武器使用基準の検討や、警備活動の実効性を上げるためのフォーメーション(編成)の検討などを加速し、海外にアナウンスしていくべきです。

 その後、モンゴルにおいて邦人が殺害されたというニュースが飛び込んできました。オーストラリアの森林火災やイスラエルの総選挙の動向なども気がかりです。引き続き情報収集に努めます。

[総理の郵政見直し発言]

 麻生総理が、郵政民営化には実は反対だったと発言されたことが波紋を呼んでいます。

 法律上今年が見直しの時期になっていますから、制度の進捗状況をチェックしたり、不備を是正することは必要だと思います。しかし(たとえ郵政担当でなかったにせよ)総務大臣として法案提出にサインし、本会議でも賛成票を投じておきながら、その行為があたかも誤っていたかのようなメッセージを発してはいけないと思います。総理には、「検討の結果これを進めるべきだという結論に至った」ということを追加説明していただきたいです。

 分社化の本質は、郵政各事業会社を分けて民間開放することにより、潜在的な活力を発揮させようということだったはずです。まだそれができていない段階で、採算が合わないから元に戻そうということが妥当なのでしょうか。相当議論が必要だと思います。

 国の機関が採算が悪い原因を議論すると必ず、それは民間ではできない安全網(セーフティーネット)を維持しているからだ、民営化は格差拡大をもたらす、と主張される方がいます。
 しかし、色々な現場の声を聞くと、国の機関において非効率や無駄遣いがまだまだあるのが現実なのです。トップの天下りの連続から、社保庁などの現場まで、こうした部分にメスを入れていくために何らかの形で民間の力を入れていくことはやはり有効でしょう。もちろん、セーフティーネットはしっかり守っていくよう、きめ細かな配慮はしていかなければいけませんから、きちんと検討する必要があります。

[新しい組織の形を!]

 先週は私の所属する政策グループ、清和政策研究会の人事がメディアをにぎわせ、私の「所属議員の考えを聞いたうえでそれを集約すべきだ」との意見も複数のメディアで取り上げられました。(一部では正しく引用されていませんでしたが。)
 「トップ人事は必ずしも平場で決めるものではない」という意見もありましたが、それではどのように決めるのが透明で合理的なのかということを会則などで明記するべきではないでしょうか。町村新会長にはそのように私から直接要望しておきました。

 党も政策集団も、新しい時代に適した運営(ガバナンス)が必要です。マニフェストの策定を含め、これから私たち若手もしっかりオープンな議論を行って参ります。

≫平成21年2月3日

[冬から春へ]

 今日は節分。例年地元の神明神社の豆まきに参加しています。これから徐々に春が近づいてくるのです。景気の春が来るまではまだ少し時間がかかりそうですが、あらゆる知恵を結集すれば必ず苦難は乗り切れる、そう信じています。
 あの議論を呼んだ定額給付金についても、自治体の中には、地元の商工会議所などと連携して、プレミアム(公費上乗せ)付き地域振興券発行を模索するなど、景気回復という観点から前向きに検討する所が出始めているようです。よい傾向だと思います。

 今日から若手勉強会「プロジェクト日本復活」が再開されます。「すみやか議連」でも、政策アジェンダがまとまります。これからの日本の進むべき道を模索し、政権に提言するエンジンとなるよう、頑張っていきます。

 外務省でも、オバマ政権の今後やアフガンをはじめとした中東問題など、所管事項で困難な課題が山積しています。こうした課題や、それ以外でも「しなければいけないこと」に取り組んでいきます。

[政局は動くのか?]

 残念ながら1月25日の山形知事選挙では、自民党の多くの方々が応援された現職候補が、民主党などの応援した新人候補に大接戦の末敗れてしまいました。地元の保守陣営分裂の影響などがあったことは事実ですが、国政が無関係というわけではなかったでしょう。
 そのような中で実施された総理の施政方針演説の後、報道各社から感想のコメントを求められました。総花的な演説を避け、思いを訴えていたという点で、本来の施政方針演説のあり方を示しているのでないか、ただし野党は相当厳しい質問をしてくるだろうと答えました。特に消費税については総理のこだわりが感じられましたねと言ったら記者の方々は笑っていました。オバマ新大統領の就任演説と比べてどうかという質問もありましたが、あの演説は、日本より厳しい環境にあるアメリカで、それこそ国民に対して直接、新政権発足にあたっての決意を訴えた演説ですから、国会議員を相手にした演説とは性格が違うとお答えしました。

 代表質問は無事に終わったように思います。公務員の「渡り」をどうするかで少し火種が残ったように感じましたが。
 公務員制度改革に関しては、工程表の中で、内閣人事・行政管理局をどのような仕組みにするかもポイントになります。人事院の抜本的な見直しを求めていかなければいけません。

 これから厳しい中で、私たちとしては政権を結束して盛りたてていくべきです。ただしそれは、先ほど述べたように、若手議員が現場の声をもとにしっかり提言を行っていくことと両立することなのです。
 先日の清和政策研究会でも、一部に言われているようなお家騒動などないように、結束しなければいけないと発言しました。

 今後の政局はいったん落ち着くのでしょうが、この世界は一寸先は闇と言われていることは肝に銘じないといけないと思います。

≫平成21年1月23日

[消費税問題は決着したのか?]

 昨日開催された党の財務金融部会で、税制改正法案の付則に消費税率引き上げを含む税制抜本改革が盛り込まれることとなりました。

 私は、確かに消費税率の引き上げは避けられないが、今のマイナス成長下にあって、2年後からの税率引上げを宣言することは経済に負のアナウンスメント効果をもたらし、かえって税収減を招くとして、同じ思いを持つ同僚議員たちと見直しを主張してきました。(世界では、今景気対策として消費税減税をする国はあっても、増税の議論をしている国はどこもありません)「国民視点の政策を実現する会」の水野賢一、上野賢一郎、牧原秀樹、山内康一、山本一太、田村耕太郎各議員と連絡を取りながら、たとえ2011年までに消費税率引き上げに向けた法整備を進めるとしても、実際の引き上げについては経済環境が税率引き上げを許すものとなっているかどうかを(政府などでなく)国会議員が判断して別途施行日や税率を決める法律を決めるという2段階方式をとることが明確になるなら、次に書くことを条件に受け入れていいだろうということで一致しました。

 ひとつは、麻生総理の説明責任です。総理は「2011年度から、景気回復を前提として、無駄遣い削減を進めながら、消費税率を引き上げる」とコメントしていますが、私たちの考えは、そうした前提が満たされるかどうかは総理(政府)が判断するのではなく、国会で判断し直すのですから、現実に2011年からの引き上げが経済上難しいと国会議員の多くが感じている現在、総理に答弁を補足してもらわないといけないということです。

 第2点は、景気回復にしても、行政改革や無駄排除にしても、ただ法文上書き込むのではなく、これに向けた党内組織を確立し(特に、経済回復など国の総合政策を検討する国家戦略本部の活動再開)、具体的な数値目標(たとえば3年以内に何兆円の無駄をなくすとか議員定数を何割削減するとか)及びその実現のための具体策を集中的に検討することです。

 「国民視点の政策を実現する会」のメンバーとその旨記者会見で宣言しました。
 また、同趣旨の提言とともに、社会保障問題についての検討の充実も含めて「速やかな政策実現を目指す会」の塩崎恭久、茂木敏充、世耕弘成議員たちと、保利耕輔政調会長及び細田博之幹事長に申し入れました。

 まだまだこの問題については終わっていない、という認識です。おりしも、党の公務員制度改革小委員会では、天下り問題をはじめとした様々な議論が進んでいます。私も幹部の方から「ある取組み」に協力するよう依頼されました。今後とも活動を続けます。

[つきにくい予定]

 昨日も、朝日ニュースターの衛星放送テレビ番組「国会番外地」の収録に参加して参りました。お声がけいただいた自民党の萩原誠司衆議院議員、公明党の福島豊衆議院議員、民主党の市村浩一郎衆議院議員、共産党の塩川鉄也衆議院議員、社会民主党の阿部知子衆議院議員と、オバマ米大統領就任や、派遣・雇用など労働問題、2次補正予算と定額給付金、政局などについて2時間にわたり議論を繰り広げました。初めは淡々と話そうとしていましたが、次第に熱がこもり、いい番組になったと思います。
 放送は1月24日(土曜日)午後10時から11時55分までです。是非ご覧下さい。

 私の担当する外交日程の一部が、緊迫する国会との関係で確定できずにいます。1日も早い国会正常化は、国民経済のためにも必要です。与野党の壁を越えた努力が求められます。
 これからも地元日程を含め、ますます忙しくなると思います。

≫平成21年1月17日

[道路特定財源問題での大きな一歩]

 昨日実施された党の国土交通部会において、これまでガソリン税収の4分の1が特別会計を通じて自動的に道路予算に回っていた「地方道路整備臨時交付金」がなくなることが決まりました。併せて、これを事実上温存するのでないかと批判された、1兆円規模の地域活力基盤創造交付金(仮称)についても、これを公共事業などの使途特定につながるような法整備を行わないことで決着しました。

 水野賢一議員、河野太郎議員、棚橋泰文議員や、事務局として獅子奮迅の活躍をされた鈴木馨祐議員をはじめ、「道路特定財源の一般財源化を抜本的に進める会」に参加して下さり、オープンな場で主張を展開された先生方に心から感謝を申し上げたいと思います。
 新交付金から医療に回る予算が600億円と不充分でないかとか、使途決定をする所管が国土交通省(道路局でなく総合政策局になるようですが)でいいのかとか、特別会計の問題が先送りになったことは不満もありますが、福田前総理が表明された一般財源化を具体化する画期的な第一歩であって、これからも改革に向けて不断の努力を続けて参ります。

[ついに始まった消費税の党内議論]

 1月9日に私が細田幹事長に申し入れたように、消費税率引き上げの問題(特に、今回の税制改正法案の付則に盛り込むべきか)を検討するオープンな場がいよいよ開設されました。党の政務調査会全体会議と、財務金融部会です。
 私は山本一太議員はじめ6名の他の議員とともに、「国民視点の政策を実現する会」を立ち上げ、その中でこの不況にさらに水を差すような、消費税率の引き上げを平成23年度から実施するなどということをあえて総選挙の争点に据えるようなことをするべきではなく、もしするのであれば議員定数削減を含め明確な無駄撲滅に向けた姿勢を示すべきだと主張しました。

 財務金融部会では、「無駄の削減が先行などといったらいつまでたっても税率引き上げができない」といったご意見もありましたが、少なくとも同時並行的にでも、国民から見て明らかにおかしい(将来に全く結び付かない)無駄の削減や、公務員の天下りあっせん(公益法人への再就職などを繰り返す「渡り」を含め)を許容するような政令をそのままにしての税率引き上げは、決して国民の理解を得られないでしょう。ちなみに、この政令(職員の退職管理に関する政令)に関しては、昨日の党の行政改革本部公務員制度改革委員会で、私も含めて批判の声を出す議員が集中し、石原伸晃委員長が政府に撤回を求める方針を固めました。
 アメリカにおいて自動車ビッグスリーのトップが、議会公聴会に自家用飛行機で出席したことが大きな批判を呼んだように、政策決定者は痛みを押し付けるには自ら身を切る努力をしなければいけないのです。来週議論は正念場を迎えます。しっかり声を上げて参ります。

[派遣村村長さんのヒアリング]

 火曜日に立ち上がった「危機と闘う!セーフティネット政策勉強会」に参加し、日比谷派遣村村長の湯浅さんと意見交換しました。(湯浅さんは私の地元所沢の方です)教育の充実や派遣法・雇用保険制度改正の必要性を、静かながらも熱く主張する湯浅さんに共感しました。世上言われている「正社員との制度面や保護体制(組合などを含めた)の格差」を改めて訴えられるとともに、「まだ参加者が仕事の選り好みをしている」などの指摘にも、もう2度と同じつらい思いをしたくないという切実な参加者が大半だという現場の声を聞かせてもらいました。具体的にどう行動していくのか同僚議員とともに検討していきます。

[外務省で]

 色々お世話になったコーエン氏の後任であるベンシトリット在京イスラエル大使と会談し、緊迫するガザ地区空爆について状況確認するとともに、日本としての取り組みを模索しました。エジプトの仲介の動きを受け、作戦が終盤に向かいつつあるということでしたが、色々思いを聞かせてもらいましたので、今後それを受けた対応を早急に目指します。

 中国とのガス田に関する問題は、私から中曽根外務大臣に時間を取っていただいて二人で打ち合わせをしました。詳細は書きませんが、私の意見を大臣にお伝えしましたので、省内での検討が進むと期待しています。

[肝臓と心を強く!]

 1月15日にBS11のテレビ番組「INsideOUT」に生出演するなど、最近メディアに取り上げていただく機会がさらに増えています。自分の立場をしっかり見つめ直し、しかし信念を持って、行動する必要性を痛感しています。なお、この番組中で私が渡辺喜美先生を「批判した」と伝えられていますが、そのようなことはありません。渡辺先生とは極めて政策も近いですし、今後も一緒に仕事をしていきたかっただけに、離党されたことが残念だったということなのです。自民党にとって渡辺先生の離党は明らかにマイナスですし、同志を集めて思いを実現するという観点からすると、渡辺先生にとってもプラスでなかったのではないかと思います。政党政治のもと、特に小選挙区制が定着した今、党籍の変更は民意との関係でもよくよく慎重でなければいけないのであり、むしろ私は所属している党の刷新をまずは目指すというプロセスが必要だと思っています。

 地元では連日各種新年会にお招きいただいています。貴重な情報交換の場ですので極力時間を作って参加していますが、そろそろ肝臓が心配になってきました。でも...

 みんなが苦しい中頑張っているのです。私も頑張らなければいけません。明けない夜はない。終わらない冬はない。力を合わせ、明るい明日に向かって進みましょう!

≫平成21年1月9日

[幹事長への申し入れ]

 今日午後、自民党細田幹事長に電話を入れました。
「電話でも結構ですからお話ししたいことがあります。」「ああ、あと30分以内であれば来てもらえれば会えるよ。」

 誰かから言われたからでなく、自分の意思で、何としても幹事長に伝えたいことがあったのです。

 ひとつは定額給付金の問題です。ここにきて幹事長が「国会議員も含めて高額所得者も給付金を受け取って使うべきだ」と発言され、「高額所得者は給付金を辞退すべきだ」と主張されていた麻生総理と明確な違いを見せました。昨日の夕方に至っては、そうした幹事長の意向に沿った説明資料が、党所属各議員にファックスされました。

 この欄で12月25日に書かせていただいたとおり(左のshiba One's messageのタグをクリックすれば出てきます)、私はそもそも所得制限を設けるということは自治体に過大な負担を生じさせるものだと思ったし、高額所得者に自発的に辞退を求めるということも、どれだけ実効性があるのか、また、景気刺激策として限定的になるのでないかなどという疑問を持っていたことから、所得制限を設けず迅速に実施するべきだとの立場でした。

 しかし、その日に書いたとおり、閣僚の方々の間でも所得制限をすべきかどうかや基本的な趣旨(景気対策なのか貧困対策なのか)について意見が割れ、また景気の悪化が進んで追加の財政支出が余儀なくされる中では、改めて趣旨や費用対効果につきしっかり見直しの議論をし、場合によっては政策転換という道もあるのでないかと、二次補正予算閣議決定前の報道ステーションでコメントしたわけです。(撤回せねばいけないとしたのではありません。)

 今回の細田幹事長の意向は、当初の私の見解と一致しています。また、予算の閣議決定がなされてしまった以上、改めて党内議論を求めるのは難しいでしょう。ただ、今後しっかり給付金が有効に使われるための工夫を(商店街の方々をはじめとする色々な意見を伺いながら)深めていく必要があるとは思います。そういう含みを踏まえたうえでなら、賛成します。

 しかし、これだけ(特に総理のご発言が)基本的な制度設計につき二転三転したことが、明らかにこの定額給付金に対する国民の信頼を損ね、国会議員の不評を買っていることを深刻に党の幹部の方々には受け取ってほしいのです。これは明らかに、国会議員に開かれた議論も自治体のヒアリングなどもなく、トップダウンで物事を決めたことの弊害なのです!造反を避けるために締め付けをしたり、もめ事を避けようとして開かれた議論を回避したり、果てはこっそり隠れて決めようとするなど、壊さないようにしようとすることはかえって崩壊を早めるのであって、むしろ初めからオープンで徹底した議論を行うことにより、その意見集約の結果を党議拘束とすることが正当化されるのだということを、是非党の幹部にはわかっていただきたい。そう申し入れるために幹事長に会いに行ったのです。

 同じ理屈で、消費税引き上げのための中期プログラムについても、是非党内でしっかり平場の議論を設けて下さいとお願いしました。現に、道路特定財源の問題では、私たち一般財源化を求める議員の勉強会が、きちんと全議員が参加できる議論の場を設けるよう求めたことが実現したからよい方向に向かっているのだということも申し添えました。

 また、報道では私は「反麻生」とか、「造反予備軍」などと言われていますが、そのようなことではなく、組織人として筋を通そうとしているのだとお話ししたのです。

 細田幹事長からは、趣旨はわかったとお返事がありました。併せて、94年の政治改革関連法案の議論の際、小選挙区制導入に強硬に反対していた小泉純一郎先生が、結局党の方針に従って賛成したことに触れられました。

 今後とも開かれた党改革を求めて主張を続けます。

[地域金融の危機を救え!]

 一昨日、党の金融調査会が開催され、地域金融の現状についての報告が金融庁からありました。一言で言って、依然状況は厳しいが、貸し渋り対策は進んでおり、地域金融機関が破綻するようなこともないというものでした。

 はっきり言って認識が甘すぎると思います。地方の金融機関は取引先の倒産などにより不良債権が増え、保有株式の下落などによって自己資本比率も悪化しています。そのような中で、融資先の選別を厳しく行ったり、過去の好況時に他の地方に営業の手を伸ばしていたのを縮小してその進出先の地方の企業の資金繰りを悪化させ、それがその地方にある金融機関の健全性に影響するなど、とにかくこの年度末に向けて大きな信用不安が広がる可能性があることを、色々なところから私は聞いて知っています。

 一定の基準を満たさない金融機関に公的資金を(半ば)強制的に注入するとか、金融機関の保有する株式などの買い取りを行う機構を設ける(あるいは整理回収機構などにそれをさせる)とか、統合された日本政策金融公庫の融資を強化するとか、預貸率(預金に対する貸し出しの割合)が一定の基準を下回った場合、それを正当化する理由の説明を金融機関に求めることを金融検査マニュアルに入れていくとか、信用保証協会の審査機能を充実させるなどの提案を矢継ぎ早にしました。(仲間の議員たちとの検討に基づくものも含みます。)しかし金融庁の回答は極めて鈍いものでした。

 そんな甘い認識では困るのであり、中川大臣に人事権も考えてもらわなければいけないとついつい興奮してしまいましたが、出席されていた先生方も同じような考えだったと思います。私は決して金融機関のモラルハザード(倫理欠如)を許す立場ではありませんが、金融危機の場合には、ある程度公的な関与を条件として金融機関の救済に動く必要があると思っているのです。これからもしっかり活動していきます。

[外務省の動き]

 ソマリア沖海賊対策につき、日本籍の船内で発生する海賊行為に日本の刑法(国外犯の規定)を適用し、護送する海上自衛隊艦船に乗る海上保安官の権限によって身柄を拘束のうえ逮捕・起訴する方策がまとまりそうです。よく考えたアイデアだと思いますし、当面はこれで日本としての役割は(十分とは言えないまでも)とりあえず果たせるでしょう。今後はより一般的な海賊対策をどうするかを立法措置で検討するとともに、中東・アフリカの国々へ日本の取り組みをしっかりアピールすることが必要になってくると思います。

 中国の東シナ海における領海中間線付近ガス田「樫」の開発に向けた動きも見過ごすわけにはいきません。国益のために何ができるのか、省内で検討するよう働きかけて参ります。

 エチオピアで誘拐された日本人女医の赤羽桂子さんが無事解放されたことを心から喜んでいます。しかし一方、パレスチナの動向が不安でなりません。この欄でこの件を取り上げ、麻生総理の対応が求められると書かせていただいた日に、総理がパレスチナ自治政府アッバス議長と電話会談をされたのはよかったと思いますが、引き続き追加の手を検討しなければいけないでしょう。この不況下、また原油価格が上がるようなことがあれば、日本経済は本当に大打撃です。

≫平成21年1月3日

[大逆風の中で]

 平成21年の幕開けは、雇用・経済の不安と、世界平和への暗雲の中で迎えることとなりました。

 東京日比谷の派遣村で年を越さざるをえなかった方々を含め、急速に悪化する雇用への手当は急務です。安定した就職のために居住の確保が必要であることは、私が昨年このホームページの政策提言の中で、ワーキングプア対策として訴えさせていただきましたが、私が今度入会した「速やかな政策実現を求める有志議員の会」も12月下旬に、公務員住宅の空き室の解放や家賃補助の拡大、(公的住宅の民営化促進に逆行しない配慮をしつつ)雇用促進住宅など公的住宅の空き室のさらなる解放を行うことを舛添厚生労働大臣に提言しました。

 ハローワークをはじめとした相談体制の充実や雇用保険の機能強化(給付期間延長や非正規労働者の範囲拡大)、悪質な企業名の公表を含む内定取消し対策の充実に加え、事業主への雇用維持に向けた働きかけなど、政府が発表した対策も迅速に機能させなければいけません。

 日本では正規労働者の身分が手厚く保障されて、欧米のようなレイオフ(解雇)の柔軟な行使ができないため、変動する経済構造の変化に対応するためには、非正規職員の活用による労働力の流動化を促進することが労使双方にとって必要でした。労働者派遣法の改正などの規制緩和はその一環としてなされたものだったのです。
 しかし、こうした政策とセットで、私が常日頃訴えているとおり、「同一労働同一待遇」の原則の推進や、正規職員への登用拡大などの対策をもっと進めなければいけなかったと思いますし、労働者への教育訓練の充実なども若年段階からさらに進めなければいけないでしょう。先の臨時国会には労働者派遣法の改正案として、登録型派遣労働者の待遇改善や常用化などが盛り込まれました。

 グローバル化が進む中で、一部にみられるような、外国からの影響をなくすべきだという主張は非現実的だと思いますが、例えば日本の家族型雇用が、労働者の企業への貢献度を高めたり、訓練によい一面も持っているなどといったことや、労働者が持つモラルの高さといった美徳は、逆に日本から海外に広めていくべきではないかと思っています。(かつての成果主義をおろそかにしたような終身雇用制がよいとは必ずしも思いませんが。)

 私は、日本の教育の充実や治安のよさ、国民の豊かさや真面目さ、環境や食の安全の確かさなどは、世界が学ぶべきものだと思うし、円高の中で内需振興策を取るためにも、日本国民がもっと元気を出してプロジェクトを起こし、世界の人・物・お金を集めるようにならないといけないと思っています。海外発の不況なのですから、海外もよくならなければ本当の対策にはなりません。

[国際政治の鍵は]

 この年末、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの空爆により400名を超える犠牲者が出ました。これに対し、イスラム原理主義グループであるハマスの報復措置が行われるなど、中東情勢はにわかに緊迫度を増しつつあります。これはイスラエルとパレスチナの停戦合意が破棄され、かつ中東情勢に大きく影響を及ぼす米国が政権移行期だという背景があると思いますが、私は北米と中東を担当する外務大臣政務官として、この年末に秘書官より随時情報を入手し、これは容易なことではないと確信しました。

 田村耕太郎参議院議員から早速メールが来ました。ロシアのガスプロムのウクライナへのガス輸出の全面停止も含め、2009年は米国とイランの動向が鍵になる、と。しかしながら、たとえ米国の景気が製造業を中心に悪化しているからといって、軍需産業の拡大のためにオバマ新政権が対応を誤るようなことがあれば、それこそ世界の信頼を失墜しかねません。すぐその旨メールで返信しました。

 フランスのサルコジ大統領が迅速に動いて存在感を示しています。麻生総理もオルメルト首相に電話で攻撃停止を要請されたとのことですが、さらなる対策について検討して参ります。

[勝負の年]

 今年は必ず衆議院議員の総選挙が実施されます。私もそこで洗礼を受けることとなります。とにかく全力で政治システムへの信頼を取り戻さなければいけません。適切な政策を、迅速かつ適正なプロセスをもって実施すること。筋を通し、無駄を削り、覚悟を示していくこと。私は今数多くの勉強会に参加させていただいていますが、そうした理念の下で走り続けます。私の場合、報道では少し突出した言動が強調されているように思われますが、冷静に悔いの残らないよう行動したいと思っています。

平成20年

≫平成20年12月25日

[プロセスが重要]

 昨日、渡辺喜美元行革担当大臣が民主党の提出した衆議院解散要求決議案に、自民党の方針に反して賛成したことが波紋を呼んでいます。

 私も記者団に囲まれてコメントを求められたので次のように答えました。

 「渡辺さんの行動をどう思われますか?」→
 「事前に伺っていなかったのですが、どのような理由からこのような行動を取られたのかきちんと確認しなければいけません。野党の解散要求は、その根拠として①麻生内閣はそもそも選挙管理内閣だったはず②民主党の雇用対策4法案を否決した③衆議院は直近の民意を反映していない、ということを挙げていたと思いますが、②については政府がすでに対応しているかかえって不十分な処理となる事項を内容としており、民主党の単なるパフォーマンスと解さざるをえないですから理由となりません。①と③についても、麻生総理が急速に悪化する景気への対策に取り組むとおっしゃり、現に今日も追加対策についての記者会見をされているのですから、それが解散の要請に優先するのではないかと思います。」

 「自民党からは厳しい処分が予想されますが。」→
 「まず、今回の事案は、党内手続をきちんと経た法律案や予算案への造反と異なり、ただ本会議直前の代議士会で『野党の提案には着席で』と言われたにすぎないこと、また、麻生内閣不信任案でなく、解散を求めるという案だったことなどからすると、除名などの厳しい処分には値しないと思います。いずれにせよ、処分はデュープロセス(適正手続)の要請にのっとり、本人の弁明をきちんと聴取した上で明確な基準に従って行うべきです。水面下で不透明な処理をすることは許されません。」

 「今後の若手への波及効をどう思いますか?」→
 「特殊な案件に対する独自の見解に基づく行動だと思うのでただちに同調の動きが広がるとは思いませんが、なんらかの影響は出てくるかもしれません。」

 その後迅速に示された戒告処分は、党への影響を考慮してのことでしょうが、上記したデュープロセスの観点からはどうだったのでしょうか。

 この問題に限らず、私は「プロセス」については極めて重きを置いて考えています。

 例えば、次の通常国会で大きな政局の争点になりそうな定額給付金の問題です。11月6日のこの欄で述べたとおり、この政策については(当時選挙が近いと言われる中で党内でオープンな議論がなされる機会もなく)、政府・与党関係者の現場の実態を無視した発言が相次ぎ、その趣旨が不明確となっていました。

 私は景気対策の一環としての措置であれば所得制限を設けず迅速に実施すれば一定の効果はあるだろうと思っていました。
 しかし実施が遅れ、しかも景気が悪化する中で追加の財政支出を余儀なくされて新規発行国債が33兆円となる中で、本当に2兆円の支出により、その効果に色々論議があり、かつ国民の多くが反対している(だけどくれればもらうと言っている)施策に踏み切るべきかどうかは、改めて党内議論の場を設けてもよいのではないかと、先日予算の閣議決定がなされる前のテレビ朝日の取材に対してコメントし、それがその夜の報道ステーションで放送されたところでもあります。

 政策決定がなされた後に事情が変われば、しっかりとしたプロセスが取られたうえでなら政策転換をすることも許されると思うのです。

 また、昨日お昼に党本部で麻生総理が出席された上で開催された緊急経済対策本部では、消費税の3年後の引き上げをめぐってこう発言しようと思っていました。
 「責任ある財源論として消費税に逃げずに言及しようとしたことは評価できる部分もあるし、公明党とのぎりぎりのトップ会談でご苦労されたこともわかるが、これほど国民にとっても党にとっても重大な問題が党でのオープンな議論というプロセスを経ず決まってしまうのは問題でないか。また、きちんと徹底的に無駄づかいの削減を行うことが、消費税率引き上げに対する国民の納得を得るうえで不可欠であり、例えば公務員制度改革で天下りへの各省のあっせんが温存されるというような報道もある中でそのようなことを許さないというメッセージが必要でないか。」
 しかし本会議直前で時間がなかったということを理由に、議員の質疑の時間は一切設けられませんでした。

 再度言います。プロセスは、今後複雑な決定を行っていくに際し、結論そのものに匹敵するほどの重要性を持っているのです!今週月曜日に開かれた道路特定財源の一般化に関するプロジェクトチームでの一般議員参加での議論の場も、私たちの強い要望で谷垣座長や保利政調会長・園田会長代理が設けて下さったプロセスであり、私は今後につながるものと評価しています。この動きを止めてはなりません。近代政党は民主的なガバナンス(統治)を行うべきことを、強く主張して参ります。

[金融の深刻な現場への対応へ]

 新規経済対策の中で、中小企業への貸し渋り対策として、金融機能強化法に基づく公的資金注入申請要件の緩和や、信用保証協会の緊急融資枠の拡大などが打ち出されています。

 しかし地元で企業経営者の声を聞くと、せっかくの枠組みが十分活用されていません。借入のみならず、社債発行についても、金融機関が買取にきちんと応じてくれない例が多発しているようです。

 地方銀行は相当体力が落ちているのです。この実態をどう考えるのか。資本注入を単なる申請方式にゆだねて良いのか。参議院の田村耕太郎議員と連絡を取り合い、何らかの追加措置を検討していこうということで一致しました。今後具体的な行動に移していきたいと思います。

[外務省での新たな取組み]

 最近外務省で、私は、ブッシュ大統領が「悪の枢軸“Axis of Evil”」と表現したイランやイラクといった国の要人や、核兵器開発が取り沙汰されるシリアからの訪問者に面会を重ねています。
 これは決して、こうした国々に譲歩しようというのではありません。むしろ、今後日本が国際原子力機関(IAEA)事務局長に日本人(天野之弥氏)を推し、この機関の信頼性をより高めていきたいとする中で、しっかりその核査察を受け入れていただくことにより、今後の国際社会での平和国家としての信頼を高め、中東平和の発展のために貢献して欲しいという趣旨で要望をしているのです。そうすれば治安が回復し、日本との経済関係も発展していくでしょう。無論、北朝鮮に対する日本のスタンスを説明することも忘れていません。

[年の瀬を迎えて]

 2008年が終わろうとしています。今年はぎりぎりまで仕事に明け暮れることとなりそうです。来年は勝負の年。とにかく頑張ります。どうぞよいお年をお迎え下さい。
≫平成20年12月20日

[官民あげて危機脱出を!]

 麻生総理が23兆円の生活防衛経済対策を打ち出しました。雇用創出や金融不安解消などに加え、1兆円規模の「経済緊急対応予備費」が設けられていることが注目されます。

 日銀も政策金利を0.2パーセント引き下げるとともにコマーシャルペーパーの買い切り措置を行う旨発表し、米国でも政府がGMとクライスラー両社につなぎ融資を実施することを決定するなど、世界で年末の破たん回避に向けた動きが顕在化してきました。

 このような中、民主党は参議院で独自の雇用対策法案を強行採決し、衆議院でそれが採決されなければ解散要求をするなどと意気込んでいるようですが、そもそも民主党の法案は、すでに政府で対応している事項や、かえって不十分な処理となる事項などを内容としており、中身のあるものとは思えません。
 先日この欄で書いたとおり、パフォーマンスだけの政治は決して国民の理解を得られないでしょう。

 政治も民間企業も、本気で取り組むとともに、自ら襟を正さない限り、納税者や従業員の納得はありえないのです。

 消費税率の引き上げの明示をしたり、社員を解雇するなどする前に、本当に政策当局者・政治家は、そして会社役員は、とことんそれを回避するために身を削って努力をしているでしょうか?それを私は(どんな圧力があろうとも)言い続けていきたいと思います。

 例えば、党の政務調査会の機関として、各部門(厚生労働、国土交通、外務など)ごとに予算部会長と別に決算部会長を設け、無駄撲滅プロジェクトチームの各メンバーを割り振って徹底的に既存の法律や支出を洗い直し、使命を終えた法律や効果の薄い租税特別措置、変更した方がよい政策や削るべき支出を洗い出す作業を行うのです。政治家がそのような「政策の有効性」や「コスト感覚」についてのマインドを養うことにより、どういう時にどういう対策を打ち出すことが有効かという判断を迅速に行うことができるでしょう。
 また、議員宿舎のあり方や国会法の改正など、国会議員がきちんと議論するべき事項が議院運営委員会で決まってしまうのもおかしな話です。国会改革もぜひ我々議員のオープンな議論の対象としていくべきです。

 いよいよ道路特定財源の議論も大詰めです。すでに方向性は決まっているとの報道もありますが、月曜日の谷垣プロジェクトチームで、しっかりと一般財源化を骨抜きにしないよう主張して参ります。

[体の続く限り]

 12月15日に実施された裁判員制度に関する所沢での市民セミナーは、とても充実した内容になったと思います。また、おかげさまでこの冬も、商工会やロータリークラブなどでの講演のご依頼もいただき、忙しい日々が続きそうです。テレビ出演の依頼もありましたが、残念ながら調整がつきませんでした。来週は今年最後の外務委員会に出席します。

 経済も政局も緊迫した状況が続く中で、体の続く限り頑張っていきたいと思います。

≫平成20年12月11日

[覚悟を示せ!]

 最近、政界では様々な勉強会の立ち上げが目立っています。

 麻生内閣の支持率が急落していることから、何とか存在感を示さないといけないという議員の生存本能に基づく動きではないかと思います。しかしこれだけは言わなければいけません。

 自民党総裁選で選出したばかりの麻生総理(私の投票行動は別として)に、逆風が強いからといって、党にいながら今反旗を翻すことはなかなか国民の理解を得られないでしょう。

 勉強会は、あくまで個別の政策またはマニフェストについての検討を深め、それを党や政府の正式な意思決定プロセスに乗せる(提言を行う)ことにより、麻生内閣がきちんとあるべき方向に進んで国民の支持を得られるようにするために開催されるべきものだと思うのです。

 できもしないことを主張して世論の関心を集めようとするような動きは、結局は下心を国民に見透かされ、かえって支持を失うことにつながると思います。また、野党につけいれられれば進退に窮し、腰砕けになる結果となるでしょう。

 そのような主張をするのであれば覚悟をすべきです。すなわち、提言が党の執行部に受け入れられないなら、野党が乗ってきて内閣不信任案を提出した場合、それに賛同する(結果として自民党を除名される)というリスクを取るということです。政治家の言葉はそれほど重いのだと自覚しています。今景気が悪化の道を進み、雇用の確保を国民が真剣に心配している時に、中途半端なことなどできません!

 どの勉強会に参加するかは、私の信条に合い、重要な提言を発出するものかどうかを(呼びかけ人の顔ぶれも見て)慎重に判断します。

[裁判員制度の実施は近い]

 来年の5月からいよいよ裁判員制度が実施されます。既に裁判員名簿搭載の通知が候補者に郵送されました。

 このタイミングで、制度に対する疑問に答え、それを円滑な施行に生かす機会を設けるということはとても意味があると思います。
 今度の月曜日(12月15日)午後1時から、地元所沢市の市民文化会館(ミューズ)のキューブホールで、市民新聞社主催の市民セミナー「裁判員制度とは?」が実施されます。さいたま地検の検事の方が講師として、わかりやすい説明をされるということなので、是非参加していただきますようお願い致します。私も弁護士・衆議院議員としてお話しします。

[防衛医大の独立行政法人化見送り決定]

 地元の医療の拠点である防衛医大が、他の国立病院同様独法化されようとしていたところ、多くの自民党の議員から提示された疑問を受け、方針が撤回されたというニュースがありました。

 私も、医官養成機関としての公的な性格を有する防衛医大が、これだけ産科・小児科医の不足や緊急医療ネットワークの充実が叫ばれている中で、独法化されることがどのような影響をもたらすのかを慎重に検討するべきだと国会で主張し続けてきました。

 施設設備の更新にかかる費用の問題、人材の拡充や緊急事態に対する規律の問題はじめ、多くのテーマで議論がされ、結局見送りとなった次第です。役所が正式に決めたことを方針転換するのは極めて異例のことですが、これが政治主導の意味だと思っています。

 これからも、行動する政治家として走り続けます。

≫平成20年12月6日

[まだまだ若い!]

 昨日43回目の誕生日を迎えました。子供の時は40歳を超えた人を見るとおじさんだなあなどと思っていましたが、今国会見学に来てくれる小学生の目には、自分はどう映っているのでしょうか?みずみずしい感性を持ち続ければ、若くあり続けることはできると思うのですが...あとは、これからも「自分の足で走る国会議員」であり続けることがポイントでしょうか。

[今こそ知恵が必要]

 ここしばらく、予算の問題や道路特定財源問題について積極的に発言し、テレビや新聞に取り上げていただいています。

 繰り返しになりますが、この不況下にあっては積極的な財政出動を行うことは当然です。しかし、名目成長率が大きく落ち込もうとしている時に、成長を生まない支出のために大規模な国債の増発をしてしまえば、日本の金繰りは破たんしてしまうことが明らかです。
 これまでの政治は、議員が一時的な業界の延命を図るなど自らの権益を守るため、こうした配慮をせず、景気が悪くなれば支出増加の圧力を財政当局に対してかけまくっていました。その結果ずるずると800兆円もの借金が積み上がってきたのです。

 今こそ、財政支出は厳密にそれが成長を生むものかどうかを考えて行うこと、そして必ずその効果を検証することが必要です。予算のシーリングを撤廃したり、基礎的財政収支の均衡を先送りしたりするのであれば、きちんと新たな目標を設定し直して、財政再建への道筋を絶対あいまいにしないこと。それが私たちのこの国・そして子孫に対する責任です。

 このたび、鈴木馨祐衆議院議員たちと、「道路特定財源の一般財源化を抜本的に進める会」を立ち上げたのも、そういう危機感に基づくものです。ガソリン税などが道路整備に自動的に使われるのを防ぎ、必要な道路は造るが無駄な道路を造らず、現場の地方に予算の使いみちの判断を委ねるというのが、福田前総理の決断された一般財源化の趣旨であり、それを骨抜きにしないよう立ち上げました。

 今般自民党が創設を決めた1兆円の「地域活力基盤創造交付金」が、名を変えた特定財源にならないように注視するとともに、一般財源化によって使命を終えたはずの、無駄使いの温床となってきたいわゆる道路特別会計(社会資本整備事業特別会計の道路勘定)を廃止することを主張して参ります。

 私が政務官を務める外務省でも、先般自民党無駄撲滅プロジェクトチームでODA支出についての精査を要求されたり、会計検査院から、国際機関への信託基金の残余金を適切に請求していなかったことが指摘されるなど、国費の管理が問われています。しっかり意識改革していくことが必要だと思います。

 無駄をなくした後、どのように予算を使っていくのか...それが問題です。

 金融機関への資本注入や保証の充実、田村耕太郎参議院議員の主張される株式・債券・不動産などの重要資産買い取り、竹中平蔵教授の主張される羽田24時間国際空港化プロジェクト、新規有望産業立ち上げのためのエンジェル税制拡充などは、景気回復のために有効だと思いますし、不動産市況の活性化のためには、やはり住宅ローン減税に加え、自己資金での優良住宅建設についても税制での配慮を進めるべきだと思います。

 あとは雇用などのセーフティーネットと健康増進をどう図っていくかという問題、子育て支援でしょう。いずれにせよ、今後プロジェクト日本復活などできちんと勉強していきます。

 有権者の声にしっかり耳を傾けつつ、厳しい局面に知恵を発揮することのできる政治家、そして信念があってぶれない政治家のみが、次世代の議員として生き残る資格があると思っています。

≫平成20年11月29日

[外国からの危機感]

 エジプトへの出張は短いながらもとても充実したものでした。

 日本の科学技術ノウハウや人材などと、エジプトの伝統や、ヨーロッパ・アフリカ・中東への影響力を生かした科学技術大学(E-JUST)設立構想が、アレクサンドリアの地でいよいよ本格的にスタートします。実のある海外協力として、また将来の日本や世界に大きな利益をもたらす事業として、これからもしっかり応援していく旨、オープニングセレモニーで日本政府を代表して表明して参りました。JICAや京都大学・慶応大学などの教授陣をはじめ多くの日本関係者も出席する大がかりな式典で、エジプトのテレビの取材をいくつか受けてきました。

 ヒラール高等教育大臣や現地の高官との意見交換や、海外青年協力隊の方々への激励、圧倒的な蔵書や近代的検索システムを誇るアレクサンドリア図書館・博物館、大学建設予定地の視察を半日で終え、日本にとんぼ返りです。
 小池百合子代議士は、例えば国立大学の教授OBなどを人材としてE-JUSTに派遣するプログラムを考えればよいのではと提案して下さいました。さすがカイロ大のご出身。

 日本への帰途、タイでの国際空港占拠事件やインドでの同時テロなど、大変な事件が相次いで勃発しているというニュースが飛び込んできました。

 インドのムンバイで拘束されていた人質は解放されたようですが、出張されていた津田尚志さんが亡くなられました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 事件の背景究明を早急に行うべきです。そして、何度でも繰り返します。もはやテロとの戦いは、経済危機克服と並ぶ国際社会の最重要課題です。わが国のしっかりとした対応が求められています。

[若手改革派の本格始動]

 党内で、若手の改革派が政策提言を行う動きが活発化してきました。とにかく、麻生内閣が正しい方向に向かうよう全力を尽くさなければいけません。党内で多くの議員の反対があるかもしれない事柄であっても、ひるむことなく活動することが必要です。

 例をあげれば道路特定財源の問題です。福田内閣時代に一般財源化の方向が示されましたが、今はそれを骨抜きにする声の大合唱です。もちろん景気対策としても公共事業の充実は必要ですが、だからといって、無駄な道路を造ることは(この悪化した財政・社会保障環境などからは)許されません。必要な道路建設も割りを食うことになってしまうでしょう。
 こうした声をしっかり上げて参ります。

[地元の快挙]

 全国と埼玉県のお茶の大会で、地元所沢の茶業農家お二人の品が、見事第一席(農林水産大臣賞)をそれぞれ受賞しました。茶業議員連盟の一員で、狭山茶をこよなく愛する私としては喜びに堪えません。関係の皆様方みんなで勝ち取った快挙だと思います。西武ライオンズも優勝したし、これからも地元の良さがもっともっと出てくればよいと思っていますし、アピールに努めて参ります。

≫平成20年11月21日

[テロとの戦い]

 元厚生事務次官やその家族を狙った殺傷事件は、社会に大きな衝撃を与えています。

 さいたま市と中野区、二つの事件には宅配便を装った手口の類似性などから、関連性があることが強く疑われますが、単独犯なのか組織犯なのか、動機が何なのかなど、多くの謎があります。

 いかなる理由があるにせよ、このように暴力を通じて主張を行うとか、法の手続によらず恨みを晴らすといったテロを断じて許さないという毅然としたメッセージが必要です。警察には何としても早期に犯人を逮捕し、刑事手続に乗せて欲しいと思います。

 そして国際社会においても、いかなる理由があるにせよテロを断じて許してはいけません。犯人を逮捕して刑事手続を進めるための措置が必要で、そうしたことに役立つために今回のテロ対策補給支援法が提出されているというのに、野党は、二次補正予算の今臨時国会での審議がなければ採決には応じないというのです。

 「自衛隊への文民統制」などを追及し、それでも法案の採決には応じる方針を示してきた野党が、このような方針転換を行うことはまさに政局狙い以外の何物でもありません。強く再考を求める次第です。

[改革逆行を阻止するべし]

 一昨日自民党で、道路特定財源の一般化に関するプロジェクトチームの総会が開催されました。全国知事会、市長会、町村会などから代表の方が集まり、道路予算の確保の陳情をされました。「一度決まった道路計画は変更してはいけない」という意見も出されています。

 私は「財政状態も人口分布も変わっているのだから道路計画はしっかり見直すべきだ。道路の有効性も考えなければいけない。一般財源化のためにはいわゆる道路特別会計(社会資本整備特別会計)の廃止を含めた抜本的な措置が必要だ。ガソリン税暫定税率の仕組みを改め、炭素燃料課税へのモデルチェンジも視野に入れるべき。」と主張しました。

 この問題に限らず、郵政民営化や公務員制度改革などにおいて、改革逆行への動きが強烈に進んでいることに危機感を持ちます。自民党総裁選挙や衆議院選挙準備で少し静かになった若手の改革グループが、再び活動を始めなければいけないと思い始めました。もちろん公共工事や財政出動により景気の浮揚策をとらなければいけないのはわかっています。問題は、きちんと費用対効果が検証されているかということ。それをするのが新しい政治の役目です。

 なお、この問題も含め、総理のご発言が混乱を招いているとの批判があります。私もテレビの取材の中で、そうした印象が確かにあり、是非慎重な対応をお願いしたいとコメントしました。何度か放送されています。

[国籍法改正への大きな反響]

 ここしばらく、国籍法に関して多くのインターネット上の書き込みやメール・ファックスでの意見表明があります。

 この欄で昨年から紹介していることですが、近年重国籍者が大きく増え、どうするかという問題が深刻になってきました。
 この背景には、グローバル化の急速な進展や、昭和60年施行の国籍法改正(それまでは重国籍を避けるため、多くの国と同様、わが国では父母が国籍を異にする場合は父が日本人であることを日本国籍取得の要件としていたが、それを改め、母が日本人である場合も日本国籍取得を可能とした)から20年以上たったことなどがあります。

 法律の定めでは、未成年の重国籍者は22歳になるまでに、成年者は重国籍になってから2年以内に、国籍を選択しなければいけないとあり、法務大臣は書面を該当者に送って「一月以内に選択をしなければ日本国籍は失われる」と警告を発することができます。しかし法務省は、国籍選択という重大な決断を迫るのは様々なプレッシャーが伴うということや、重国籍の把握が完全にできないことなどを理由に、どの国籍を選ぶか決めるよう促したり、日本国籍喪失の警告などを行うことを避けてきました。そこで、真面目に国籍選択を法律どおり行おうと悩む人がいる一方で、法律を守らず重国籍のままでいる人がいて、正直者がバカを見る状況が出てきたのです。

 上記の国籍法改正施行時に生まれた子供が、国籍選択年齢の22歳になる2007年を迎えるにあたり、今の状況を何とかして、
 国籍選択を徹底させるか、
 それとも正面から重国籍を認めるか
を決めていこうと自民党内に国籍問題プロジェクトチーム(座長は河野太郎代議士、私が座長代理)が発足したことも、昨年来この欄で紹介しているとおりです。

 私はそもそも「重国籍積極推進主義者」というわけではなく、とにかくきちんと議論をして筋の通った結論を導きたいと思っています。
 このたび議論がなかなか進まないことから、座長がたたき台として、重国籍を認めつつ、それをきちんと罰則の強制をもって日本当局に届けさせ、国の重要な職務に就いた者に関してはそれ以外の国籍を放棄しなければいけないという制限を設けたり、海外で生まれて全く日本に住んだことがない者には国籍は与えないとか、親子関係のDNA鑑定を取り入れるなど、弊害をなくすための工夫を盛り込んだ案を提示されました。色々ご意見はあると思いますが、オープンに検討していきたいです。

 これと今週火曜日に衆議院を通過した国籍法の一部改正は違う問題です。この改正は、今年6月、最高裁判所の大法廷で国籍法は一部憲法違反であるとの判決が出たことにより、法務省が提案したものです。

 判例の事案は、日本人の男性がフィリピン人の女性との間に子供を作り、認知はしたものの結婚しなかったため、子供が日本国籍を取得できずに、日本での生活や学習に様々な弊害が出てきていたというものです。
 先ほど述べたとおり、国籍法は父親が日本人なら子供に国籍を与えますが、それはあくまで「子供の出生の時の父」と書かれており、出生後に子供が認知を受けて父子関係が生じた場合はこの要件が満たされないこととなってしまいます。こうした子供はその後父母が結婚していわゆる嫡出子(結婚した両親の間の子)という身分が取得された時点で国籍を認められることとなっているのです。

 判例は、「この規定が設けられた時には、単なる認知では父の国と子供との結びつきは高くなく、両親の結婚を国籍取得の要件とする合理性があったが、今の多様な家族形態の中では、また諸外国で国籍取得にこのような結婚を必要としていた国が相次いでそれを不要としている中にあっては、結婚した両親の間の認知子のみに国籍を与えるのは憲法14条の平等原則に反する」と判断したのです。
 親の無責任な行為により、生まれてくる子供が不利益をこうむってよいはずはありません。しかも、子が胎児の間に認知をすれば両親が結婚していなくても子供に国籍を認め、出生の後の認知なら両親が結婚していなければ国籍を認めない今の法律は全く不合理です。
 この判決は、産経新聞も含めて、一様にマスコミによって歓迎されました。

 普通であれば違憲判決が出ればその法律の条文は無効と扱われますから、あえて立法措置を取らなくても不都合は生じません。(かつて違憲とされた尊属殺人重罰規定が長年立法府により削除されなかった例があります。)しかし今回の国籍法については、認知だけされて両親が結婚をしていない子供に、これまで認められていなかった国籍を新たに与えるという創設的な内容を伴うため、その旨の新たな立法が必要になると、上記判例で5人の裁判官が指摘しました。そこでそうした条文の手当てを行い、加えて、自分の子供でないのに虚偽の認知届をした場合に罰則(1年以下の懲役または20万円以下の罰金)を創設したのが今回の改正法です。判決の趣旨に従った自然な内容の改正といえるでしょう。

 この改正案は、法務省からまず自民党の国籍問題プロジェクトチームに示され、了承を得た後、全自民党国会議員に日時が通知され出席の機会が与えられる法務部会での了承も得て、政策審議会、総務会と了承され、党として正式に審査を受け終えました。「他の議員に隠れて強引に通した」などと批判されますが、通常の法案審査と全く同様の手続です。一般に法務部会の案件は専門性が高く、出席議員はもともと少ないうえ、この法案が審査された時は全く世間の話題にのぼらなかったので多くの議員が意識していなかったのです。

 ただし、この手続の中で「偽装認知への対応はどうするのだ」と質問した議員がおられました。罰則が設けられたのは、法務省がこうした声を反映した結果です。

 よく「ホームレスの日本人に、フィリピン人の女性が金を渡して虚偽の認知をさせれば、簡単に子供に国籍を取得させられるではないか」と批判されます。しかし改正前の法律でも、上記したとおり認知届と婚姻届があれば子供に国籍を取得させることができ、婚姻届の受理には結婚生活の実質は不要なのですから、こうした行為が法改正によって、より容易になるという関係にはありません。

 結局、法改正によって救われる子供がいるというメリットがある一方、法改正によって生じるデメリットがあるとは言えないのですから、法改正は妥当ということになります。

 なお、不正国籍作出はもともと公正証書原本不実記載罪(刑法157条)で、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられることとなっています。今回の法改正は、そうした国籍の不正取得を狙って虚偽認知届をする行為そのものを、いわば不正国籍作出の予備行為とみて新たに処罰することとなるわけで、実際にそれによって不正国籍が作出されれば、虚偽認知届出罪と公正証書原本不実記載罪は併合罪(刑法45、47、48条)となって、結果としてそれぞれの罪より重く処罰されることとなるのです。これは従来よりむしろ厳しく扱っていると評価してよい部分です。

 今後親子関係を確認するのに、窓口でDNA鑑定を求めるかどうかという問題は確かに一つの論点ではありますが、繰り返すとおり、今回の法改正によって生じる弊害の除去という関係にはありませんので、今回の法改正とは別途検討することとした次第です。

 ちなみにドイツでは、認知届のみで国籍が取得できると立法した後、国籍不正取得の件数が増え、これに対応するため虚偽の認知届の無効を当局が事後的に主張できるように法改正がなされたと言われます。しかし日本ではこうした認知の無効を期間の限定なく、誰でも主張できるというのが判例・学説であり(民法786条は、認知無効の主張をできる「利害関係人」に特段の限定を加えていないことが根拠となります)、こうした手当てはもともとなされているのです。

 法案は既に参議院の審議に移りました。国民にわかりやすいオープンな議論がなされることを期待しています。

[急きょ、海外出張]

 このたび急きょ、エジプトのアレキサンドリアへ、外務政務官としての公務出張のため飛ぶこととなりました。日本とエジプトの共同事業の式典出席や政府高官との会談など、短い時間に集中的に日程が入っています。年末を控えて色々忙しくなりますがこれからも全力で職務に取り組みます。

≫平成20年11月13日

[キーワードは文民統制]

 今日実施される参議院外交防衛委員会は、総理出席のもとNHKテレビで中継されます。私も担当政務官として出席します。

 一昨日午前、同委員会では、政府見解と異なる論文の発表を理由に更迭された田母神俊雄前航空幕僚長が、参考人として質疑を受け、その中で、大臣がこうした部下の行為を把握し、適切に処分できていたかという意味で、「文民統制」の問題が取り上げられました。
 現在同委員会で審議されている、インド洋での補給支援延長法案も、補給活動への国会のコントロールをどのように及ぼしていくかという意味で「文民統制」が絡んできます。この問題がキーワードになってきたようです。

 田母神氏は、命を賭けて国を守ろうとしている自衛隊員が国を愛せなければ、その士気が低下すると主張しました。この考え自体はそのとおりだと思います。また、かつての日本軍に隊員として見習わなければいけない人物がいたのも事実でしょう。「日本は侵略国家でなかった」と主張したいのはわかります。

 しかし、こと歴史問題に関しては、あの太平洋戦争や東京裁判をめぐり、まだ歴史家の間で事実関係においてすら一致した認識をみない状況が続いています。そしてその事実に対する評価はさらに色々で、旧日本軍の行為が植民地の解放につながったとプラスの側面が取り上げられることもありますが、主権が侵害されたと主張する国や文民統制の観点からすればマイナスの側面が取り上げられるでしょう。

 日本軍の行為の「侵略性」を明示し、隣国に対する「謝罪」をしたいわゆる村山談話につき、ここでその是非を議論することはしませんが、その後の政権はこの談話を受け継ぎ、特に対外的に、上記したマイナスの側面を認めている状況です。

 この状況をどうすべきかは、外交への影響や、安全保障についての今後の議論に与える影響がどうなるのかなど、難しい問題をはらみ、時の政権や議会が悩んでいかなければいけない問題なのです。
 そのような中で、本来行政の一体性や文民統制のもとにあり、しかも航空幕僚長という重責を担う(そのため類似行為を行う隊員への波及効が予想される)人物が、政府と異なる見解を、対外的に、上司への連絡なく発表するという行為は、それがたとえ問題提起という意味を持っていたとしても、やはり不適切だったとのそしりを免れません。

 もちろん、そうした問題提起がいかなる方法をもっても許されないというつもりではありません。以前田母神氏が内部の同人誌に同種の寄稿を行ったということですが、手続や内容によっては異なる議論が可能でしょう。
 また、今回の論文発表に対する懲戒処分が行われず更迭が行われたということも、田母神氏が定年退職を迎える中で懲戒の手続に十分な時間が取れないことや、懲戒処分自体がさらなる混乱を巻き起こす可能性などに鑑みれば、理解しうるところです。ただし今後さらにしっかりした検証が求められます。

 かつて閣僚が憲法改正に言及しただけで罷免された状況を思い出しました。それがよいとは思いませんが、行政に携わる者の発言の重みを感じます。

[西武ライオンズ優勝]

 7戦にわたる激闘の末、所沢にホームグラウンドのある埼玉西武ライオンズが日本シリーズを制しました。最後まで逆転を信じて頑張ることの尊さを学ばせていただいたと思います。地元の活性化をもたらしてくれることを期待しています。

≫平成20年11月6日

[新大統領の誕生]

 バラク・オバマ氏が米国初の黒人大統領に就任することとなりました。

 獲得州の差を見ると圧勝のようですが、得票率を見ると、オバマ氏53パーセントに対し、マケイン氏47パーセントと結構な接戦になっています。民主党の大統領候補者が51パーセント以上を取るのはカーター氏以来とのことですが、深刻な経済不安に対する国民の怒りやブッシュ政権の支持率(2割程度)などを考えると、マケイン氏は善戦したといえるのではないでしょうか。

 貧困層の投票の困難さであるとか、黒人候補への潜在的な投票のためらいなどが指摘されますが、黒人であるパウエル氏やライス氏が既に政権の中枢に登用されたことを考えると、少なくとも後者の影響は近年小さくなっているように思われます。アメリカ人はやはり中身の部分で相当悩んだのです。

 いずれにせよ議会も含め、16年ぶりに民主党がホワイトハウスと議会の両方を制することとなるわけで、これが日本にどう影響するかが問題です。

 投票日前日、米国の下院農業委員会の元筆頭委員(元民主党議員)であるステンホルム氏と外務省政務官室で面談しました。この方はオバマ新政権で農業分野の最高レベルのポストに就くことが有力視されています。

 農業問題については、国情や文化の面も踏まえた現実的な話し合いをしていきたいと私が言葉を選びながら切り出したところ、早速、「文化も大事だがデータも大事だ。BSE問題で日本が米国産牛肉の輸入を過度に規制しているのは納得できない」と主張してこられました。
 ついつい英語で、「こちらもデータを軽視しているわけではなく、消費者には丁寧な説明をしていかなければいけないと思っている。ただし、今日本の消費者は食の安全に対してとても意識が高くなっていることはご理解いただきたい。何も米国産牛肉に限ったことではない」と反論しました。

 日本に対する要求は今後大きくなる可能性があります。

 また安全保障の面でも、新政権が日米同盟に比べて多極的交渉を重視する可能性があり、北朝鮮問題などでどのような展開となるのか予断を許しません。私も軍縮・核不拡散や平和構築の担当ではありますが、新政権が理にかなった措置を行うかについてはしっかり注視して参ります。

 また政局に関して言えば、「民主党」という名の政党が「チェンジ」を標語に政権交代を果たしたことが、日本への波及効をもたらすのではないかと言われています。

 確かに影響はあるでしょうが、日本の民主党は、外交・安全保障の面でも、きわめて重要な教育の面でもバラバラで、アメリカの民主党とは大きく性格が異なっています。自民党よりタカ派の議員も沢山います。
 また、もし格差や福祉の問題を取り上げるなら「継続的な」財源論を主張しなければいけないのに、小沢代表ご自身が、おっしゃることを政局をにらんでコロコロ変えておられる。この変化の激しい時代に、「日本で民主党に丸のまま政権を任せる」ことは考えられません。

 「チェンジ」というなら、むしろ、「政権交代よりも、同じ理念を持つ者が集まっての政界の再編」こそが、真のマニフェスト選挙や、二大政党制の実現のために求められている「チェンジ」なのではないでしょうか。私は何としても次期選挙を勝ち抜き、若手の立場で政界再編を巻き起こしていきたいと思っています。

[景気対策の迷走]

 麻生総理の記者会見の後、関係閣僚や自民党の幹部が様々な発言を行っています。

 高速料金についての議論はともかく、定額減税を給付金に変え、それを受ける世帯を所得に応じて制限するという問題に関する一連の政府・与党関係者の発言は、正直、世論をにらんだ場当たり的なものと言わざるを得ません。

 窓口実務がどのような影響を受け、どの程度時間がかかるのか、財政支出がどう変化するのか、消費喚起の意義がどうなるのか、極めて重要なことがほとんど検討されていません。もともとこの政策はバラマキという批判があるのを承知であえて緊急対策として打ち出したもののはず。迷走はかえってマイナスのような気がします。

[ひき逃げ犯の逮捕]

 大阪でひき逃げ犯が被害者を3キロ引きずって逃走した事件の容疑者が、殺人などの容疑で逮捕されました。被害者の家族の無念と社会に与える影響を考え、何としても捕まえて欲しいと思っていただけに、ホッとしています。刑事裁判は国民の大きな関心を集めるでしょう。裁判員制度にどう影響を与えるのかが注目されます。

≫平成20年10月31日

[麻生総理の記者会見を聞いて(追加)]

 昨日麻生総理が追加の経済対策に関する記者会見をされました。

 消費税率引き上げ時期について、景気の回復状況を見ながら3年後と明言された点が注目されましたが、あとはおおむね既に報道されたとおりの内容だったと思います。
 消費税率引き上げについてこの時期にコメントするのが妥当かは疑問もあるところですが、総じてオーソドックスで良い内容の発表ではなかったでしょうか。企業への融資促進を具体的にどう進めるかなど、もう少し聞きたい部分もありましたが。

 解散時期については、一般論に終始した感があります。野党の出方が不透明な以上仕方がないとも言えますけれども、即時行わないという以外よくわからなかったことについては、現場の議員としては選挙戦略上悩むことが多そうです。
 この問題については今日31日夕方5時からの日本テレビ「リアルタイム」の中で、私のコメントが放送される予定ですので、そちらをご覧いただければと思います。

 前回のこの欄で書いたとおり、麻生総理には「覚悟」を是非示していただきたいと思います。野党が納得できない国会運営を行ったり、政策面で大きな対立が生まれるような場合、苦しい戦況でも解散で民意を問うこと。その際、無駄の撲滅・議員定数削減・公務員の責任追及制度や人事制度見直しなど、行政や政治が自らの身を削って国民のための政治を行うことを本気で示せたなら、私は国民の支持は得られると思います。ただし、約束は絶対守らなければいけません。

 緊迫した状況が続くということで、応援して下さる方々、事務所のスタッフや外務省の政務官室の皆さんにも色々ご迷惑をおかけしますが、引き続きよろしくお願い致します。

[外務省のイベントなど]

 28日にオクラホマ州のアスキンス副知事が、政務官室の私を訪ねて来られました。姉妹都市京都で源氏物語千年祭が実施されるのに合わせて、来日されたとのことでした。
 副知事ご自身上院議員のご出身だとのことですが、同行されたのが元阪神タイガース選手のランディ・バース上院議員でした。所沢に住む私としては、あの昭和60年の西武対阪神の日本シリーズで、バース氏に手ひどい一撃をくらったことが脳裏に焼き付いています。バース氏にそのことを英語で伝えたところ、「ゴメンナサイ」と日本語で謝って下さり、サインボールを頂きました。

 同じ28日には、NHK放送センターで実施された世界の優れた教育番組に贈られる「日本賞」の表彰式に、外務大臣賞のプレゼンターとして出席しました。世界各地から集まった審査員のコメントも含めて、なかなか見ごたえのあるイベントだったと思います。11月2日の午後9時から、NHK教育テレビで放送される予定ですので是非ご覧下さい。(私の表彰はおそらく10時くらいです。なお、翌日午後6時から再放送があります。)

[地元の議員各位との連携を]

 政治は混迷の度を深めていますが、今後地方分権が進む中で、地方政治が果たす役割は極めて大きくなると思います。子育てなど福祉の分野、緑の保護など環境の分野など、地域の実情に耳を傾け、地域の自治がいかにうまくできるようにするかを考えていきたいと思います。

≫平成20年10月24日

[国政レポートの更新]

 今週初めから地元で新しい国政レポートを配り出しました。日本を元気に!生活に安心を!たるんだ行政に喝!と三本柱の政策提言を据えています。

 17日のこの欄で書いたとおり、今後は税制の議論が重要で、しかも追加経済対策の財源論では大改革が必要だと思います。国政レポートでは、不動産市況の活性化のため、住宅ローン減税の充実を唱え、そして改革の一環として、「離れですき焼き」との批判の多い特別会計の廃止を打ち出しました。

 そしてここ2日の報道を見るとどうでしょう。「景気対策には財政融資資金特別会計など『埋蔵金』の活用を」「麻生総理、住宅ローン減税の最大引き上げを指示」などの記事が出ています。一足先にこうした対策につながるリーフレットを出せたことを喜んでいます。

 実は、この『埋蔵金』という言葉は、自民党の財政改革研究会(官僚OBの方がメンバーの多くを占める)が使い始めたのです。それも、否定的な意味で。
 私の所属する自民党若手勉強会「プロジェクト日本復活」など、改革派の議員が政策提言で、特別会計や政府資産を精査すれば数十兆単位の使えるカネが出てくると主張した際、この財政改革研究会は、「積立金や剰余金にはそれぞれ意味があって使うことなどできない。できるという主張は『霞ヶ関埋蔵金伝説』の類である」と、報告書で切って捨てたのです。

 その中心メンバーの方々が、政権の中枢で、これを活用して景気対策をやろうと言っておられるのですから、政治とはわからないものです。とにかく有権者の方々には、どの議員が、これまでどのような主張や活動をしており、そしてこれからどう活躍できるのか、ということをしっかり見定めていただきたいと思います。そうしていただければ、今の自民党も民主党も相当大きく変わるはずです。

 今回の国政レポートはまた、人間柴山昌彦の人となりを(恥ずかしながら)紹介するものとなっています。是非お手に取ってご覧いただければ幸いです。

[金融のモラルハザードは避けるべき]

 自民党の財務金融部会では、地域金融機関への公的支援に関する金融機能強化法の復活についての党内審査が行われました。私も出席して発言しました。

 無論まず景気を回復しなければいけませんから、経営陣の交代や企業再編を資本注入の条件とするなどの厳しい条項を設けるのは妥当ではありません。しかし、いったん公的資金を投入する以上、金融当局としては単なる報告聴取でなく、ずさんな経営をチェックできなければいけないと思います。さらに、この制度の適用を受けるかどうかを全く金融機関の自由に任せると、放漫経営をしている金融機関は手を上げずにそのままとなりかねません。資産査定の結果によっては、強制的な管理も視野に入れるべきと主張しました。それ以外にも、時価会計の見直しについて少し意見を述べました。

[大詰めの政局]

 昨日参議院の外交防衛委員会で、補給支援法延長に関する審議がスタートし、私も委員会担当政務官として出席致しました。参議院の委員会に出席するのは初めてのことで、独特の「格式」が印象的でした。
 この法律は、私は与野党の違いを問う絶好の題材だと思います。前回この欄で書いたとおり、総理がこれをひとつの争点として解散に出るかどうかはまだ不透明だと思いますが、いずれにせよあと一週間で政局の方向性が見えてきます。総理には、国民が納得できるような、そして毅然とした覚悟が見えるような決断をしていただきたいと切にお願いする次第です。

≫平成20年10月17日

[皆で汗をかく国際平和]

 今日、衆議院で新テロ特別措置法(海上補給支援法)がいよいよ審議入りしました。

 私は答弁者ではありませんが、外務省での本法に関する打ち合わせ会議で、担当政務官として様々な議論をしています。

 遠い海外での自衛隊の活動に関する法律ということで、国民の関心もあまり高くないようですが、実はこの法律は私たちの暮らしに直結しているのです。
 私たちのエネルギー源として貴重な原油は、実に9割超を中東に依存しています。その通行路の治安の確保は、当然国益に直結しています。また、近年海外でテロで犠牲となる方々が相次ぎ、いつ日本人が犠牲となるかもわからない中、こうした武装勢力の活動を何としても阻止するため、国際社会が結束している時に日本だけが背を向けることは許されないでしょう。テロを認めることは、そこに大量の武器や資金が流れることを認めることにもなります。麻薬栽培・販売などを助長する効果も指摘されており、私たちにも決して無縁のことではないのです。

 民主党の小沢代表は、アフガニスタン本土でのテロ組織との戦いの本体活動に、国連決議の正当化をもってすれば、日本の自衛隊が参加することができると主張します。そんなことが日本の現状に鑑み受け入れられるのでしょうか?憲法9条をクリアーするため様々な条件を設定すると言いますが、そうなると結局日本が何もしないことになるように思われます。給油活動は、日本の高度な技術を生かせる重要なオペレーションなのです。

 テロの根本原因は貧困問題にあり、むしろ日本は民生部門で汗をかくべきだ、という主張もあります。しかし、アフガニスタンでこの8月に命を落とされた伊藤和也さんの事件を忘れてはいけません。民生部門の支援は、平和維持活動とセットで充実しなければいけないのです。

 3日前、アミン在京アフガニスタン大使が外務省に私を訪ねて来られました。日本の補給支援法の成立に強い期待を示しておられました。
 私からは、テロ組織タリバンとアフガニスタンの和平交渉の進展について報道されているがどのような状況になっているのか尋ねたところ、サウジアラビアの仲介提案があったがまだ暴力行為の停止に向けた話し合いが見込める段階ではなく、またタリバンが派閥に分かれて確固たる組織や交渉担当者を持っていないことも問題だと指摘されました。和平に向けた話し合いはよいことですが、治安維持行動の枠組みはきちんと整えていなければいけないでしょう。

 参議院でこの法案が否決されたら民意を問うこととなるのか...麻生総理の判断が注目されます。

[景気対策加速の成果は]

 10日のこの欄では、経済対策は量も大切ですが中身とタイミングが大切であり、進む貸し渋りに対する対策が必要だと書かせていただきました。金融機関(特に地方)の資本増強に対する公的資金の注入を円滑にする金融機能強化法を復活することは適切だと思いますし、国際会計基準が時価評価を一部凍結することも、これだけ金融機関をはじめとする企業の資産が痛んでいる中ではやむを得ないと思います。

 今後は税制の議論が極めて重要になってくるでしょうし、追加対策の財源論では、従来の国や地方の財政の仕組みを大改革することが必要となってきます。何としてもその場に立たねば。決意を新たにする次第です。

[政局は水物]

 もはや政局は個人の思惑を離れたところで動いています。解散時期についても、景気の状況、与野党の不祥事その他様々な要素に左右されます。民主党のマルチ商法の支援については、国民生活を脅かす大変な問題だと思いますが、まだまだ新たな問題が出てくるかもしれません。
 地元の活動も、様々な方のお支えをいただき進めて参ります。力の続く限り頑張らねば。

≫平成20年10月10日

[まずは景気、だが]

 補正予算案が8日の本会議で可決されました。

 この日の日経平均株価が、一日の下落率としては史上3番目の9.38パーセントを記録する中、麻生総理は昨日、追加の経済対策取りまとめを与党に指示しました。しかし、気をつけなければいけないことがあると思います。

 私はこの欄で9月30日に、国際社会が協調して金融危機を回避するべきだと主張しました。
 アメリカではいったん否決された金融安定化法案が修正のうえ可決され、そのうえ世界の10の国・地域が異例の同時利下げに踏み込み、何とか世界大恐慌を防ごうと懸命の努力をしています。日本がこうした動きに水を差してはいけないのは当然のことです。

 しかしやはり経済対策は、規模も大切ですがタイミングと中身がより重要だと思います。おりしも政策金融機関が統合され、中小企業は貸し渋りのさらなる進展に懸念を持っています。日銀は市場への資金供給を拡充するとのことですが、これを実効性のある中身にしなければいけません。また、減税などはきちんと内容の吟味を行い、赤字国債の発行には極めて慎重な対応が必要だと思います。これまでずるずると国の借金を先進国最悪規模に膨れ上がらせているのであり、このままですと国債の信用にも影響が出てしまうこととなるでしょうから。

[見通し取れない政局]

 このような中で、解散時期が不透明となりつつあります。つい先日テレビの取材を受ける中で私は、「解散が先延ばしになると、選挙に向けた準備をしている現場は、スケジュールが組めなかったり資金が枯渇したりして困る部分もある。しかし景気対策を総理が全力で実施すると表明している以上、それもやむを得ない。」という内容のコメントをしました。(放映されたのはその前半部分だけでしたが。)

 地元の公民館などの日程確保や、ボランティアの方の士気などにも影響が出てくることは避けられません。しかも民主党が抱きつき戦法をとっているように思えます。補正予算案には賛成し、テロ対策のための補給支援法の審議についても、かつてあれほど反対したにもかかわらず協力する姿勢を示しているとのことです。これは、与党が景気対策やテロとの戦いを争点として選挙をするのを封じる狙いがあると思えてなりません。

 民主党のバラまき政策は実現できないとか、後期高齢者医療制度は廃止でなく見直しを行うとか言うだけで、本当に選挙に勝てるのかが疑問です。先方は争点を「与党にできない無駄遣い撲滅をやれば全て解決します」という一点に絞って戦ってくるでしょう。

 6日には山本一太参議院議員が地元に応援に駆けつけて下さり、10箇所を超える箇所で街頭演説を行いましたが、厳しい状況が当面続きそうです。

[アジア・中東の未来]

 北朝鮮について、韓国との関係悪化や大統領選挙間近の米国によるテロ支援国家指定の解除の懸念なども、拉致問題を抱える日本にとって、予断を許さない状況です。また、昨日は政務官として、中曽根外務大臣とともに、来日中のバーレーン皇太子や外務大臣と会食し、その中で中東の安定とオイルマネーの活用、環境対策などが話題に上りました。色々大変な中、こうした問題にもしっかり取り組みます。
≫平成20年9月30日

[国際社会協調で金融危機回避を!]

 米国下院がまさかの金融安定化法案否決。ニューヨーク市場は最大の下落を記録しました。
 公的資金により不良債権を買取り、金融機関を救済する案に有権者が反発しているととらえた議員が多く反対したための悲劇。私は弁護士として不良債権処理の現場にいたため、この法案の重要性はよくわかります。

 政治家が世論に迎合して正論を主張できないことが、いかに国益(というか世界的利益)を損なうかという好例だと思います。もちろん世論と離れて独善的になってはいけませんが、必要な政策についてはきちんと説明責任を果たした上で、導入に踏み切るべきです。

[所信表明演説に何を求めるのか]

 昨日、麻生新総理による注目の所信表明演説が実施されました。

 異例ともいえる逆質問の連発に野党はいっせいに反発しており、今週行われる代表質問ではこれを無視しようという動きも出ていると聞きます。

 しかしこれは伝統的な国会運営への問題提起をもたらしたものと考えるべきです。

 これまでのわが国の国会では、答弁者席には政府の担当大臣や議員立法提出者が立ち、質問者席には与党ないし野党の議員が立ち、しかも質問は一方的に質問者から行われていました。

 与党は法案を内部の政務調査会や総務会で事前審査しているので、ともすると質問といっても法案の効用をアピールしたり、甚だしきは役所に質問事項を考えてもらうような事例もあると聞きます。そして野党は攻撃一辺倒で、議論は平行線のまま、審理計画にしたがって多数決で採決。このような国会が本当に国権の最高機関といえるのでしょうか。まさに万年与党・万年野党の発想ではないでしょうか。

 二大政党制が定着してきた以上、国会はそれぞれの党がマニフェストを掲げ、それに基づく互いの政策の良し悪しを徹底的に国民の前で議論し、修正すべき点があれば協議のうえ修正するという場でなければいけないと思います。
 議院内閣制を採用するわが国では、政府と与党は本来共同歩調を取っているわけですから、与党議員はむしろ野党の政策・マニフェストに対して疑問点を質問し、野党は逆に政府・与党を一体と見て疑問点を質問するべきなのです。無論、与党議員も審議の中で、法案の修正が必要だと感じれば、率直にその旨を述べるべきだし、野党議員でも国民生活のため賛成が必要と感じれば、その旨述べてよいと思います。与党の法案事前審査は、そのような与党議員の質問を許さない根拠とまではならないはずです。党議拘束はそうして修正を経た与党案につき、採決の段階でかければよいでしょう。

 このような運用は、実はイギリスなどで行われており、私は9月27日に東京財団と駐日英国大使館が共催した日英議会シンポジウムのパネリストの一人として、こうした議会改革についての議論にて発言をしてきました。

 この臨時国会が、新しい国会を作る第一歩となるよう期待しています。

[再び外務大臣政務官に]

 麻生新内閣で、外務大臣政務官に再任されました。中曽根弘文新大臣、橋本聖子新副大臣とともに、引き続き困難を極める外務案件に取り組んで参ります。

 麻生新総理は所信表明演説の中で、まず景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による経済成長が重要と訴えられました。そして「成長なくして財政再建はない」と明言されており、このくだりには深く共感するものです。

 今後とも与えられた役割を果たし、人々の幸せのため全力を尽くします。

≫平成20年9月23日

[まだ見えない政局]

 自民党総裁選が終わりました。結果は事前の予想どおり、麻生候補の圧勝でした。

 民主党小沢代表をしのぐ存在感、軽妙な語り口と親しみやすさ、経済対策に対する期待感、いわゆる「バンドワゴン(事前アナウンスによる勝ち馬への集中)効果」の存在...様々な要因がありました。

 そのような中で、小池候補が地方票で2位につけたということは、実はあまり報じられていません。
 明らかになっている党員票のうち、40万票が麻生候補に入りましたが、小池候補の票も7万票を大きく超え、小池候補と路線が近いと考えられる石原候補の6万票という数字をあわせて考えると、麻生候補が「完全なる勝利を収めた」とは言えないと思うのです。ちなみに、増税財政再建論を唱える与謝野候補の得票は、4万票弱でした。
 こうした地方票を忠実に反映させるためにも、私は今回の総裁選が始まる際、投票方法につき、地方党員の比例配分とする本則に近い形にするべきだと両院議員総会で訴え、それがNHKニュース等で取り上げられたのをご覧になった方も多いと思います。しかし結局技術的な理由から、地方票は各都道府県3票の割り当て(しかも総取り方式が大半)となって、何と小池候補の地方票の反映はゼロ票となってしまいました。私の心配が的中する形になってしまったわけです。

 しかもこの小池候補の健闘につき、「『上げ潮・改革路線』が評価されたんじゃない。女性候補であるから伸びたんだ。」という声もありますが、私は違うと思います。

 小池候補は、私のいる埼玉県を含め、34の道府県で2位を占め、それ以外でも3位という安定した戦いをしていました。そして総裁選挙の最中、各候補が明らかに、「景気対策を赤字国債なしで行う。『埋蔵金』を使う。」「行政の無駄をなくし、汚染米事件などの反省を踏まえて行政の責任を問う。」「消費税はすぐには引き上げない。」などと、これまでの各候補者の主張に照らすと首をかしげるような「改革路線へのすり寄り」が見られたのです。

 また、有権者の方々は感じておられるはずです。「緊急経済対策は必要だ。でもその後どうしてくれるのだ。」と。
 「日本経済は全治3年。瀕死の患者にはまず輸血しないと。」という主張はわかります。「企業の財務諸表が悪いのだから、償却の前倒しや減税措置、公的支援などの財政出動をまず考えるべきであって、金融政策の働く余地は小さい。」という主張にも、聞くべきものがあるとは思います。
 しかし、重病の患者に輸血をしただけでは、真の体質改善は図れません。やはり並行して大手術をしないといけないのです。財政出動についても、どの範囲で、どこに対して行うのかや、モラルハザードをもたらさないかを精査し、最終的にそれが企業の体質改善や改革を通じた業績上昇により、財政出動に見合った税収増加をもたらすものかをきちんと見極めないと、単なるバラまきと後世への負担の先送りをもたらすだけになってしまいます。

 やるなら、地域振興のためのスーパー特区を創設するなど、規制の大胆な見直しと事後チェックへの転換を行ったり、投資減税を行ったり、大企業の不公正な取引を是正したり、そもそも財務諸表悪化を招いている原材料価格の高騰そのものをどうするかを考えるのが筋でしょう。既に、原油高をもたらしたと言われる行き過ぎた投機マネーのコントロールのため、市場での空売りの規制が海外では検討されています。本質的な政策とは何なのかをしっかり考えるべきです。

 そして、消費税の引き上げに関しては、それが経済に与える効果を真剣に考え、急激に行うことには慎重であるべきであり、徹底的な歳出削減と政府資産の有効活用を図るべきなのです。上げ潮路線も捨ててはいけません。

 ここで声を大にして言います。「改革はやはり必要だ。それが弱者いじめなど歪んだ形になっているか精査は必要だが、グローバル化や行政・政治のガバナンス確保とスリム化、地方分権という流れを現時点で逆行させることは許されない。」

 新政権誕生後挙党一致で難局を乗り切らなければいけないことは理解していますが、同じ思いを持つ改革派の同志と連携を取り、それを政策に反映できるよう頑張ります。

 なお、解散を先延ばしするべきではないと思います。責任ある政策の道筋をつけたら、それにつき国民に信を問う。「負けそうだから民主党のスキャンダルなどの神風が吹くのを期待して、ひたすら耐え忍ぶべきだ。」などといった姿勢では必ずジリ貧をもたらします。

[原子力問題]

 原子力供給国グループ(NSG)臨時総会における、インドへの原子力関連物資・技術の輸出解禁に日本が賛成することに、なぜ同意したか述べます。

 核兵器不拡散条約(NPT)不参加のインドへの今回の措置が、NPT体制をなし崩しにしかねないとの懸念は、実はいくつかの国が持っており、中には強硬な反対論を唱える国もありました。
 しかしそもそも現在のNPT体制は(7月10日のこの欄で述べたように)既保有国の既得権擁護になっていないかとの疑問があり得るところで、真の意味での核兵器削減を各国が相互監視の下に行い、大国が自らの利益のために核兵器を用いることをなくしていく(あたかも日本で個人の銃器の使用が制限されているように、公的なコントロールを及ぼす)という発想が必要なのだと思います。

 とすれば、形式的にインドへの原子力関連物資の輸出禁止を行ったとした場合によるデメリット(温暖化対策の遅れやエネルギー計画の遅れ)を残すよりは、こうした核兵器への監視と縮小に向けたコントロールを実効あらしめることにより実質的にインドの行動を制限することの方が重要だと考えたのです。

 具体的には、インドの核実験モラトリアム(凍結)の維持を今回の措置の条件とし、インドの原子力活動の透明性を高め、引き続きNPTへの早期加入や、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期署名・批准を求めていくことを訴えることにしたのです。

 もっとも、厳密には、核実験モラトリアムが守られなかった場合は原子力協力が自動停止されるのではなく、対応を協議することとなっており、一抹の不安があることも事実です。しかし先進国としてのインドでの民主制の安定などにも鑑み、各国がぎりぎりのところで賛成した事実はきちんとお伝えしたいと思います。

≫平成20年9月19日

[激動の日々]

 大手証券リーマン・ブラザーズの破綻により、世界的な金融危機が懸念された中で、米国連邦準備理事会(FRB)は保険最大手のAIGに対する最大850億ドルの緊急融資を発表して事態の鎮静化を図りました。

 今回アメリカはサブプライムローン危機対策として、住宅公社のファニーメイやフレディーマックを救済し、しかし行き詰まったプレーヤーには市場からの退場を命ずるという毅然としたメッセージを出してリーマンを破綻させ、しかしそれが大きな波及効をもたらさないようにAIGに迅速に融資を行いました。一部には救う会社と潰す会社の基準が不明確だとの批判もありますし、精査すればそれが最も負担の少ない政策だったのか議論もありうると思いますが、明確なメッセージと適切なタイミングが重要なのであって、私は評価するべきと考えています。

 どうしてもかつての日本の金融危機にあって、対応が後手に回ったため、大きな市場の混乱と、巨額の公的資金の投入が必要になってしまった時のことを思い出します。その時こしらえた財政赤字が今なお日本を苦しめ、社会保障の足を引っ張っているのです。
 この9月1日にテレビで放送されたBS11の番組の中で私が主張したことですが、経済対策は適切なタイミングで発するのでなければ、効果は薄く、支出は大きくなってしまいます。日本ではまだまだ改善が必要と言えます。

 汚染米の問題も大きな広がりを見せています。

 日本に義務付けられたミニマム・アクセス米の輸入をスムーズに行うため、その流通・消費を促進しようとした農水省が、品質のチェックを甘くしていたのでないか、また不都合の隠ぺいをしていたのでないかとの疑問が噴出しています。また、特定業者と役所の不明朗な関係も指摘されています。

 もちろん不正を行った業者が一番悪いことは言うまでもありませんが、そうした不正を防ぐ仕組みを作り、その仕組みを機能させなければいけません。汚染された米をそもそも工業用に使う需要がないのにもかかわらず流通させる可能性を残し、廃棄や返還をしっかり行わせなかったのが極めて甘い処理でした。

 今回指摘された行政の甘さを防ぐためには、監督官庁の一元化や権限の強化(消費者庁構想)も進めなければいけませんが、行政の責任をしっかり追及できる仕組みを作ることも不可欠です。解雇を含む懲戒処分や刑事処分に加え、退職金の返還処分もできるようにしないといけません(民間では行われています)。甘い責任が甘い仕事の原因になっている現状をしっかり認識するべきです。

[総裁選の危機]

 政治の中にあって、とにかく、改革の必要性を日に日に感じています。経済の仕組み、社会保障の仕組み、教育や環境、公務員制度改革、そして政治の大改革。
 その多くは痛みが伴い、既得権益を壊す作業が必要となります。今回の総裁選挙で、そのことを正面から訴えている候補者を探していたところ、小泉純一郎元総理と小池百合子候補の昼食会に誘われました。

 他の候補者の方々もそれぞれ本当に立派な方ですし、様々な人間関係を考えると決断が鈍る部分もあったのですが、この際、将来の日本のため必要な改革を主張されていると判断した小池候補を支持することとしました。応援して下さる方々や政治の先輩方にはきちんと説明を致します。

 この総裁選挙が、単なる看板の掛け替えだとか結果が見えて茶番だとか言われることが、一番私たちにとってはマイナスだと思います。

[河野太郎先生からの宿題]

 河野太郎先生の有名なブログ「ごまめの歯ぎしり」9月9日号で、原子力供給グループ(NSG)臨時総会において、核不拡散条約(NPT)に未加入のインドを例外扱いする米印原子力協定に基づく原子力関連物資のインドへの輸出解禁に日本が賛成したことが取り上げられています。私が反対していたはずであり、この問題につき外務大臣政務官として、省内の議論の状況を明らかにするべきだと宿題をいただいていました。

 確かに省内で議論があり、私が慎重論を唱えていたことは事実ですが、紆余曲折の結果認めることとしたのです。少し長くなるので後ほど説明致します。

≫平成20年9月9日

[危機意識のなさ]

 自民党総裁選挙が明日告示されます。

 3日のこの欄で私は、「私たちプロジェクトJのマニフェストを、火の玉になって進めていける人材を、私たちの勉強会の中からでも外からでもよいですから、擁立することを目指して全力を尽くす」と宣言しました。そして勉強会のメンバーで真剣に検討し、最終的に山本一太参議院議員を推すこととして、5日に候補者を含め6人(直後の政策発表でさらに1人合流)で記者会見に臨みました。

 メンバーは山本一太参議院議員のほかに、河野太郎、亀井善太郎、田中良生、上野賢一郎、山内康一各衆議院議員と私です。

 「本気とは思えない。所詮売名行為さ。」「何で参議院議員が総理大臣になれるんだ。」そんな批判も聞こえました。しかしもちろん参議院議員が総理大臣になることに障害はありませんし、私たちは本当に真剣だったのです。でなければ、各自が様々な政治的リスクを犯してまで推薦人になることまで誓い、毎晩疲れた体を引きずって選対本部に集まり、終電がなくなってもマニフェストをブラッシュアップしたり推薦人集めの電話かけをしたりなどしません。

 今の政治に必要なのは、捨て身になっても本気で日本を変えていこうとする決意なのです。小泉元総理が「たとえ殺されてもこの改革を実行する」と言われましたが、これだけ政治が閉塞状況にあり、信頼を失っている中で、そうした決意がなければいけないという危機感を、なぜ多くの政治家が共有できていないのでしょうか。
 船の見た目をどうカッコよくするかとか、船の中でどの席に座るかとか、そんなことは船が沈んでしまえば何の意味もないのです。

 現場の意見に耳を傾けながらも決してバラまきに陥ることなく、「強い経済とやさしい社会」を作るための改革大手術を行うこと、徹底的にムダを排除し、地方の自立性を高めていくことを、官僚の壁を越えて断行していこうという思いを持つ議員は少なからずいました。だから複数の候補者を一本化できれば、決して 20人の推薦人は集まらないことはなかったのです。そして総裁選挙のスタートラインに立てれば、マスメディアや地方遊説を通じて、あたかもオバマ氏がブームを作って支持を伸ばしていったように、善戦をすることもあり得たと確信しています。

 しかし残念ながら、候補者一本化の試みは挫折してしまいました。多くを書きませんが、極限状態になると人間は本性が出てくるのだなあとつくづく感じました。繰り返しますが、私心や欲を捨てて本気にならなければ絶対に目標は果たせません。一方、人として最低限必要な仁義を(しがらみを捨て去る中でも)守ることも大切なのです。

 今回のことは私にとって大きな教訓となりました。いずれにせよ、しっかりと地元固めをし、私の思いを伝えていかないと今度の衆議院総選挙は厳しいものとなりそうです。頑張ります。

[取材の中で]

 最近、総裁選挙の件でもそうですが、マスメディアの方々の取材がとみに多くなっていると思います。昨日もCSニュース専門チャンネル日テレNEWS24の特別番組「国政R45」に午後9時30分から10時まで生出演してきました。同志の上野賢一郎衆議院議員や、民主党の古川元久衆議院議員と、社会保障や緊急経済対策、政治のあり方などにつき熱く語る番組でした。これからもこうした機会を大切にしていきたいと思います。

≫平成20年9月3日

[お詫びと再出発]

 福田総理の辞任会見は衝撃的でした。

 ねじれ国会への対応で苦労されながらも、最近は道路特定財源の一般財源化の方針を打ち出し、洞爺湖サミットを無事終えた後は大幅な内閣改造を行うなど、「福田カラー」を発揮しつつあった総理。
 しかしその後再び事務所費問題が噴出し、大幅な補正予算を伴う景気対策を発表しても内閣支持率が伸び悩むなど、厳しい状況が続いていました。このような中では、新テロ特措法など重要案件を抱える臨時国会を乗り切るのは困難であり、国会に迷惑をかけることが最小限であるこの時期に辞任するというのは、ご本人の言葉どおり、熟慮したうえの結論だったのでしょう。民主党小沢代表就任のタイミングを意識し、自民党のマニフェストを総裁選の政策論争を通じて有権者に浸透させるという面もあったと思います。

 ただ、二代続けて総理大臣が任期途中で辞任するということは、無責任という批判を免れられません。自民党への世論はとても厳しいものがあると思います。この点は、自民党の代議士として率直にお詫び申し上げます。

 いずれにせよ、次の自民党総裁の手により、間違いなく早期に解散・総選挙が行われます。

 昨晩遅く、私の所属する勉強会プロジェクトJ(日本復活)の緊急会合が行われました。その場で私も熱く思いを述べさせていただきました。

 開かれた総裁選挙を実施するべきです。本則どおり一般党員投票を行うこと、複数の候補者で戦うなかで政策論争をすることが最低限必要です。しかしそれだけではダメだと思います。

 これまでの私の経験でつくづく感じるのは、役所にも国会にも言いようのない閉そく感が漂っていることです。大きな柱を立て、無駄をなくし、大胆に実行するという政治がなかなかできずにいます。今、国民はそのような中で、変化を求めていると思うのです。

 私はこれまで新しい政治を作るため全力で走り続け、それなりの仕事ができたと思っていますが、それは私がしがらみのない若手だったということと、信念を持ってやってきたことが要因だったと思います。

 日本を救う次のリーダーを選ぶ総裁選では、やはり閉そく感を打破するフレッシュで信念を持った候補者が立たなければいけないと確信しています。毎週深夜までブラッシュアップしてきた、私たちプロジェクトJのマニフェストを、火の玉になって進めていける人材を、私たちの勉強会の中からでも外からでもよいですから、擁立することを目指して全力を尽くすこと。それが必要だと思っています。

 まだ時間はあります。外務省の公務にもきちんと対応しつつ、動きを進めて参ります。

≫平成20年8月30日

[悲しみの中で]

 連日山本一太副大臣のもと、アフガニスタンで拉致された伊藤和也さんの救出に向けて現地との対策協議に外務省一丸となって取り組んでいたのですが、とても残念な結果となってしまいました。

 アフガニスタンの復興・発展のため危険を顧みず日々の活動に取り組んでいた伊藤さんの命を奪った犯人には激しい憤りを覚えます。ご遺族の方々や同僚の皆様の心中は察するに余りあります。心からお悔やみを申し上げます。

 引き続き事件の全容の解明に全力を尽くすとともに、伊藤さんの志を無駄にすることのないよう、国際平和の構築・テロの根絶に向けて粘り強い努力をしていくことをお誓い申し上げます。

[しばワンクラブの暖かさ]

 一昨日、私を支えて下さっているしばワンクラブのゴルフコンペが開催されました。悪天候にもかかわらず、ほぼ全員の160人を超える方々が参加して下さり、感謝の気持ちでいっぱいです。

 私はアフガンの事件のため、お見送りのあと急きょ仕事に向かってしまったのですが、夜の懇親会でお詫びしたところ皆さん暖かく迎えて下さり、胸が熱くなりました。企画準備のため連夜遅くまで取り組んで下さった幹部やスタッフの皆さん、本当に素晴らしい会をありがとうございました。

[予算への疑問]

 連日のように各省の予算要求につき党内議論がされています。確かに景気対策は必要ですが、せっかく私たちが党内の無駄撲滅プロジェクトチームで横断的な歳出削減に向けた検討をしたのに、各省シーリング一杯の要求をしてくるというのはどういうことなのでしょうか。

 「無駄撲滅をしなければ有効な分野に十分予算を計上できなかったから意味はあった」という考えもあるでしょうが、膨大な借金を減らして将来世代の負担をなくすという発想が欠落しているように思います。現在政府の一員ですので議員としてのチェック活動が十分できない面もありますから、仲間の議員と連携して何らかの動きを進めて参ります。

≫平成20年8月26日

[外務省にて]

 アフガニスタンのNGOで働く伊藤和也さんの拉致のニュースが飛び込んできました。山本一太副大臣を本部長とする対策本部が立ち上がり、現地の大使館を中心とした情報収集に全力を挙げる方針を確認しました。
 アフガン政府からは解放の情報が一時流れたのですが、残念ながら誤報であることが判明しました。とにかく一刻も早く無事解放されることを願っています。

 北朝鮮が核の無能力化プロセスを中断するという情報も入っています。拉致問題も含め、早期に対応の協議を行わなければいけないでしょう。

 外務省で連日諸案件の打ち合わせをする中で、いつも問題とするのが、PDCA(プラン・ドゥー・チェック・アクト)のサイクルです。プランを立てるにあたっては目的と手段としての有効性を常に意識すること、実施後はその費用対効果をしっかりチェックすること、そのチェックは次の立案・実行に反映させることが大切です。特に「平和」「援助」など美しい名前のもとに行われているものほどチェックが甘くならないよう気をつける必要があります。
 そしてそうしたプロセスにはきちんと行程表を作ること、説明責任を国民に対して果たすことを、常日頃から意識していかないといけません。説明という点では、国際社会から信頼を得るためには、主張を明確にすることも必要でしょう。

 明日から3日間、さいたま市で第20回の国連軍縮会議が開催されます。海外から政府高官や軍縮問題専門家が個人の立場で参加するほか、市民の方々の参加プログラムも予定されています。
 川口順子元外務大臣のほか、私も外務大臣政務官として開会式で祝辞を述べることとなっていますが、是非実りのある会になればと思っています。


[不況に歯止めを!]

 テレビの衛星放送の録画取りをしました。BS11デジタル「西川のりおの言語道断」という番組で、9月1日(月)午後7時から9時45分までの放送です。私が登場するのは前半のコーナーで、民主党からは財務省出身の若手田村謙治衆議院議員が出演されます。思ったよりはるかに硬派な番組で、西川のりおさんは相変わらずの毒舌ですが、鋭い問題提起をなさいます。

 物価の高騰や中小企業・一次産業をはじめとした不況の波をどう脱却するかという話から始まって、臨時国会のテーマや民主党の代表選挙など、幅広い分野で熱のこもった議論をしているつもりですので、是非ご覧いただければ幸いです。

[気を引き締めて]

 清和政策研究会の夏季研修が終わりました。iPS細胞の山中伸弥教授の講演は、再生医療の可能性と研究への助成の必要性を再認識させるものでした。私も質問させていただき、充実したひと時を過ごしました。
 懇親会での諸先生のコメントはそれぞれのお立場が垣間見える興味深いものでしたが、まずは結束して来月からの通常国会にしっかり臨まなければなりません。本当に厳しい臨時国会になると思います。

 感動を呼んだ北京オリンピックも終わりました。今後の国際情勢や経済も予断を許さない展開が予想されます。できることをとにかく精一杯やっていきます。もちろん、地元のイベントや様々な意見交換も地道に大切にしていきたいと思います。

≫平成20年8月19日

[長寿医療制度についての要望]

 地元の76歳の方が、長寿医療制度に関して、私に次のようなご意見を述べられました。

 評判の悪い年金からの保険料引き落としについて、この方は保険料の支払い漏れをなくすために合理的だ、とおっしゃるのです。この方は払わなければならない介護保険料と長寿医療保険料の合算額が、年金受給額の半分を超えてしまうので、年金からの引き落としによって保険料を支払うことが認められず、納得ができないということです。

 いつも高齢者の方に長寿医療制度の合理性を訴える立場でしたが、このご指摘にはなるほどと思いました。
 確かにこの方のように保険料が年金受給額の半分を超える方や、老齢(退職)年金受給額が年18万円未満の方については、年金からの保険料の引き落とし(特別徴収)は認められません。しかしそれは年金受給者の生活を守るためなのですから、その受給者本人から進んで特別徴収でよいと申し出ている場合にそれを拒む理由はないと感じます。

 しかもこうした方々に納付書を使って収めればよいと言っておきながら、滞納の場合は強制徴収の対象となるわけです。とすれば、それを防ぐために保険料を納め忘れのない年金からの引き落としにして欲しいという申し出があれば、これを聞き入れるのが筋ではないでしょうか。しかも保険料未納率の減少にも役立つわけです。

 厚生労働省に問い合わせたところ、「システム上困難である」「口座振替制度を利用して保険料を支払えばよい」などという返答でしたが、説得力に欠けると思いました。制度変更には法律改正ではなく、政令改正で足りるようなので、今後動きを進めて参ります。

[外務省政務官室にて]

 政務官には、個々にとても立派な執務室が設けられています。デスクの脇には日本国旗が立てられ、大臣になったような気分にすらなります。公用車も付きます。もちろん公用車を公務以外の目的に利用することはしませんし、執務室も連日の打ち合わせ等のため有効に活用しています。

 ここには詳細を書きませんが、私の担当案件やマスコミで問題となっている事柄について、外務省職員の方と濃密に打ち合わせをする中で、しっかりと自分の意見を言わせていただいています。
 これまで党の中でも、法律家の感覚に基づく政策提言を積極的に行ってきており、それが一定の成果を残しているという自負があるからです。無論勘違いや不勉強の部分もあると思いますが、外交は国益にかかわる極めて重大な案件ですから、今後とも真剣に取り組んでいきますので、職員の方々にもよろしくお願い申し上げたいと思います。

[合宿でも勉強]

 今日から明日にかけて、所属する清和政策研究会の夏季研修に向かいます。講師はiPS細胞で一躍脚光を浴びた京都大学の山中伸弥教授。どんなお話が伺えるか楽しみです。
 その後はテレビの衛星放送の収録が控えています。これからますます忙しくなりそうです。

≫平成20年8月8日

[外務大臣政務官就任]

 今度の人事で、外務大臣政務官(Parliamentary Vice-Minister for Foreign Affairs)を拝命することとなりました。

 予想していなかったポストなので少し驚きましたが、よく考えたら当選以降、EU代表の招へいに応じてヨーロッパでの研修に行ったり、国際交流基金の活動で日中韓次世代リーダーフォーラムに参加したり、河野太郎衆議院議員たちとヨルダンをはじめ中東を訪問し、アラブ諸国の議員と意見交換するなどの活動をしていました。何よりも、高村正彦衆議院議員(現外務大臣)を会長とする、国際刑事裁判所(ICC)議員連盟の事務局長として活動していました。
 最近は北朝鮮や韓国との関係について発言・行動するなどしており、仕事に違和感はありません。

 福田総理から官邸で辞令をいただく際、お礼を申し上げたところ、ニコニコしながら「ピッタリでしょ?」と言われたのが印象的でした。

 担当は、地域としては大統領選挙を控えたアメリカ、そして今なお和平を模索する中東です。事項としては軍縮・不拡散、広報や文化で、安全保障や法の支配を進めることになります。一番厄介な委員会といわれる参議院の外交防衛委員会、衆議院のテロ・イラク特別委員会への出席を求められます。

 非常に難しい問題が山積していますが、これまでも私は郵政問題、耐震問題、道路財源問題、社会保険庁問題などの難題と全力で格闘してきたので、またファイトが湧いてきました。一緒に仕事をするのが、高村大臣のほか、伊藤信太郎・山本一太副大臣、西村康稔・御法川信英政務官で、改革マインドにあふれ気心の知れた方々だというのも心強いです。

 選挙が迫る中、地元の予定も非常に気になりますが、忙しい中でも是非、筋の通った、国益を主張する、そして説明責任の果たせる外交の展開に尽力したいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。

≫平成20年8月2日

[福田丸再発進]

 福田改造内閣の顔ぶれが昨日決まりました。

 昨日は地元所沢からの国会見学を案内したり、法務省との打ち合わせや予定されていた取材があったりしたため、私は永田町にいたのですが、閣僚候補者がバタバタ昼間から動いておられるのが印象的でした。

 複数の記者から組閣についてのコメントを求められたので、基本的に同じことを言いました。「福田総理は小泉内閣の官房長官を務められたが、今回の人事ではいわゆる『増税財政再建派』の登用という色彩を明確にしている。その良き悪しきは別にして、この厳しい政局下、自民党が結束しなければいけない。」「この顔ぶれに国民がどういう評価を下すか。景気が悪化の兆しを見せる中、マーケットにどのような影響があるか。それによっては、また、臨時国会での野党の対応によっては、政局が大きく動く可能性がある。」我々若手がしっかり総理に思うことを主張していかなければ、私は自民党に明日はないと思っています。

[韓国の厳しい風]

 自民党青年局・青年部の韓国公式訪問には、全国から90人の若手国会議員・地方議員・学生が集結しました。7月28日から31日までの日程で、ソウルに加え、板門店と釜山の選択視察となりました。私は3年前に板門店を訪問していたので、今回は釜山を選択しました。

 当初、李明博大統領や議長を含めた国会議員などの要人との会合が予定されていたのですが、竹島問題が浮上する中、先方からのキャンセルが相次いでしまいました。困難が生じればこそ両国間の徹底的な話し合いが必要だと思うのに、極めて残念でなりません。
 そのような中でも私たち国会議員や地方議員出身の青年局執行部と会談を設けてくれた、次世代リーダーと呼び声の高いハンナラ党の南景弼(ナムギョンピル)議員には、心から敬意を表し、感謝したいと思います。ただ、未来志向で非公式の個々の交流を深めていこうという主張には、少し反論させてもらいました。

 両国の若手が非公式に点と点の交流を進めて信頼関係を醸成しても、韓国の国内で反日的教育が行われている限り問題は残り続けます。何か問題が噴出したらほとぼりが冷めるのを待つということの繰り返しで、真の解決にはならないでしょう。韓国のリーダーは、私たちと話している時と自国有権者に話す時との姿勢を変えざるを得ません。
 私はむしろ、両国が歴史問題や領土問題につき、実際どのような根拠で、どのような主張をし、どう異なっているのかを、オープンなマスメディアでの議論を通じて韓国の国民に広く示していくことが必要ではないかと思うのです。そして、領土問題について紛争が生じれば、国際司法裁判所で解決するという当たり前の認識を広げていかなければいけません。

 米国が李明博大統領の指摘を受け、ホームページの竹島領有権に関する記載を「未確定」から「韓国領」に変更したというニュースが、滞在最終日に飛び込んできました。その時一緒にいた在韓日本公使の説明によれば、「米国はホームページ上で、竹島は韓国領であるという記載をしていた時期があり、それを『未確定』に改めた一方で、例えば北方領土については『ロシア領』としたままにしているなど一貫性に欠けていた。そこで今回の韓国からの指摘をきっかけに、いったん米国はホームページを旧来の記載に全部戻すことにして、きちんと問題の解決が図られた段階で改めて記載を直すことにしたという報告を、米国から日本外務省は受けている。」とのことです。
 ではなぜ日本政府は、そのような説明をしっかりとわが国の国民に対してしないのでしょうか。また、外形的に見れば韓国に言われて米国がその主張どおりの記載変更を行ったわけですから、それについて日本としての遺憾の意あるいは日本の主張の表明があってしかるべきだったのではないでしょうか。「きちんと問題の解決が図られたら再度記載を直す」とのことですが、それはいつなのでしょうか。

 上記公使の主張を島根県から参加して下さった県会議員にお伝えしましたが到底納得されませんでした。当たり前だと思います。米韓の間では、牛肉輸入をめぐるBSE問題や、FTA交渉など懸案事項があり、任期満了直前のブッシュ政権が成果を挙げようとして韓国に譲歩しているのでないかと勘繰られても仕方ありません。

 釜山では、港湾公社の説明を伺うとともに、開発が進む釜山新港を訪れました。日本の港湾が伸び悩む中、釜山は国際物流の拠点として大きく成長しています。
 また、ソウルではサムソングループの視察と役員との意見交換も行いました。ここも商品の多様化や海外への進出を通じ、大変な成長を遂げています。

 韓国では外国資本導入や規制改革などにより、コアとなる産業の国際的競争力を高めていることを改めて認識しました。このままでは本当に日本が置いていかれるという危機感を、地方議員も含めて、共有することができたという意味では、有意義なプログラムだったのではないかと思います。

[加速する活動]

 地元のイベントも、国会での活動も、充実度を高めていかなければいけません。衛星放送のテレビ収録の依頼もいただきました。ますます忙しくなりますが、今後とも全力で走り続けて参ります。

≫平成20年7月26日

[地震の連発]

 24日未明発生した最大震度6の岩手北部地震は、負傷者120人を超える大きな災害となりました。岩手・宮城内陸地震に続いて近隣でこうした大きな地震が発生したことにつき、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 この欄で6月15日に書きましたが、地球の異変が疑われます。地震の頻発につき、科学的にしっかりと分析し、行政で生かしていく必要があると思います。

[社会保険庁の今後]

 社保庁の基本計画については、私たちの指摘どおり、懲戒処分者の日本年金機構への再採用はなくなることとなりました。今後は、これが職員のモチベーション低下につながらないよう、日常業務の評価をしっかり記録化し、今後のキャリアに反映させるような仕組みが必要だと思います。

[原油高騰対策]

 原油価格の高騰が、物価や、一次産業・中小企業の収益に大きく影響しています。
 卵の値段が1パック300円から330円に上がるということですが、鶏の餌となるとうもろこしの価格がはるかに値上がりしていることからすれば、農家の生活を守るためにやむを得ないと思います。今後は、餌に米粉を利用するなどの工夫が求められていくでしょう。また、漁業も壊滅的な打撃を受けていますが、私たち消費者としても、餌として多数の魚を食べる高級魚を求めるのを少し控え、餌となっている多くの魚をおいしく食べる工夫をしていくべきではないかと指摘する声があります。

 無論、政治の責任を果たす必要があります。
 国際的な資源増産や新エネルギー開発、投機資金抑制などの動きを進めなければいけません。アメリカでサブプライムローン対策がとられていることは、投機資金の原油等への流入を鎮静化する効果が期待されます。

 地元でも物価や景気の問題は大きな関心事です。引き続き活動を進めます。

[韓国に行ってきます!]

 韓国が、竹島の領有権についての日本の教科書方針に反発する動きを強めています。

 日韓が協力して北朝鮮問題に対処しなくてはいけない中、また韓国の政権がBSE問題などで厳しい状況にある中、こうした対立が起きるのは極めてタイミングが悪いと思います。
 私は来週、全国の自民党青年局・青年部の仲間たちと、韓国を公式訪問する予定です。両国間の関係改善に資すればと思います。この欄で帰国後に内容の報告をさせていただきます。

≫平成20年7月19日

[やはりコンプライアンス(法令順守)]

 大分県の教員採用をめぐる贈収賄事件は大きな社会問題に発展しています。

「口利き」「贈答」はいずれも日本の伝統的な習慣で、これが一部の地域で起きた問題であるとは到底思えません。しかしこうした行為により、頑張って勉強した他の受験生は不利益をこうむります。会社の内部情報を得て株でもうけるインサイダー取引も、他のまじめな投資家に不利益をもたらす行為です。

 今、建築基準法の改正が現場にもたらしている混乱や、行き過ぎた規制が景気に与えている悪影響を「コンプライアンス不況」などと言いますが、やはり社会の公正を保ったり努力をした者が不利益をこうむらないようにしたりするためのルールや、国民の安全や財産を守るルールは、必要な範囲で整備し、その順守を図っていかなければいけません。「よいルール」のあり方について考えていきます。

 一昨日自民党の厚生労働部会で、社会保険庁の業務を引き継ぐ新法人である日本年金機構の基本計画が、私たちの指摘を受けて修正した形で再度示されました。これまで社保庁から懲戒処分を受けた職員については、組合ヤミ専従職員を除き、重い事案でなければ有期雇用で再採用されうるというものでした。

 私は真っ先に挙手をして、これで本当に国民の理解が得られるのかと反対しました。過去891件の社保庁の懲戒処分のうち、戒告にとどまる案件は637件あり、それには国民年金の不適正な処理を理由とするもの52件や、他人の記録の業務外閲覧事案などが含まれています。計画案ではこれらの人たちは再採用されうることになるわけです。

 しかし、国民の社会保障の根幹を扱う重要な組織の職員は、それに値する信頼を受ける存在でなければいけないのではないでしょうか。

 しかも再採用に際しては「職員採用審査会における公正かつ厳格な審査を経る」とされますが、この審査会の実態が明らかではありません。これとは別に、厚生労働大臣直属の外部専門家による服務違反調査委員会なる組織が別途作られ、その人数は10名程度なのです。
 結局、身内のおざなりな審査で有期雇用採用して、ほとぼりを3年程度冷まして、ちゃっかり正規雇用するという魂胆が透けて見えます。

 「処分歴がある者全てを解雇して再採用しないとなれば解雇権の乱用で訴えられる。そうなれば厚労省本省で受け入れざるを得なくなってしまう。」「処分を受けた者に再チャレンジの機会を与えないと士気が低下してしまう。」と社保庁や厚労省は主張します。しかし、日本年金機構はそもそも従来の社保庁とは独立した法人であり、従前の職員が再採用を求める権利があるわけではありません。新機構の1万人の正規職員のうち外部からの雇用は1割程度とされていますが、きちんとした資質のある人はどんどん外部から採用すればよいのです。そして処分歴がある人に関しては、他での再就職のための努力さえすれば、簡単に訴訟で負けることはないはずです。それでも敗訴した場合に改めて処理を検討すればよいのではないでしょうか。

 部会では同様の意見が相次ぎ、案は再度差し戻しとなりました。

[ムダボに燃える]

 一昨日はこれに加え、私の所属する自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム(略称ムダボ)エネルギー・農業分野」が4時間ぶっ続けで開催されました。その前日も4時間開催されており、私は両方参加しました。

 この二日間では、今年度の役所の委託調査費や広告費などのチェックを行ったのですが、複数省庁で取り組みが重複するのでないかとか、予定価格の積算根拠が不明確でないかとか、事業自体の必要性や効果の検証が不十分でないかなどの指摘を多々させていただきました。特に政府広告のチェックは厳格にしないといけないと思います。
 これらは政府方針の変更に伴い、随意契約から一般競争入札制度に契約が切り替わったのですが、一社しか応札がなくて、結局従前の公益法人などが事業を継続するという案件が非常に多かったのも印象的でした。確かに採算ベースに乗らない公益性が強い事業に多くの企業が参入することは期待できませんが、事業自体の必要性を吟味するとか、入札の仕方を細分化したり複数年度で考えたりするなどの柔軟なやり方に変えたりすることで、だいぶ状況は変わってくると思います。

 既にタクシー券やレクリエーションのチェックなどもしています。まだ無駄遣いの撲滅作業が続きそうです。

 問題は、私たち若手の議員のこうした作業が、きちんと党の最終報告書に生かされるかです。プロジェクトチーム幹部の先生方にしっかり取りまとめをお願いするしかありません。

[緊急事態と地域医療のために]

 地元の防衛医大の独立行政法人化に伴い、緊急事態に対処する医官養成施設としての役割が充分果たせるのかとか、地域医療ネットワークに与える影響がどうなるのかといった問題が指摘されています。国の問題として、地域医療関係の方々や防衛省などとしっかりコンタクトを取らなければいけないと思っています。

[暑い夏]

 これからますます暑くなり、地域のイベントも活発化してきます。このホームページ左の写真日記の更新も行って参ります。夏バテに気をつけて頑張りたいと思います。

≫平成20年7月10日

 洞爺湖サミットが閉幕しました。

 その評価は立場によって様々でしょうが、少なくともアメリカは、日本やEUの主張する「2050年までに世界の温室効果ガスを半減する」という方針につき、これを世界で進めていくことに異を唱えなかったわけです。また、中国・インドなどを含む主要16カ国排出国会合でも、「排出量削減の世界全体の長期目標を含むビジョンの共有を支持する」とあいまいな表現ながら方向性では一致しました。

 途上国側は「既に排出されている温暖化ガスは先進国が発展する過程で出したもの。これから途上国も含めて出さないようにしようというのは虫がよすぎる。」と不満を述べています。確かにそういう面はあるでしょう。持てる国が自らの既得権益を擁護しようと、世界のためという大義名分により持っていない国を押さえつけようとするのは、核拡散防止条約に似ています。
 しかしそれでも、省エネ技術などを先進国が途上国などに提供するなどして、何とか途上国の利益を図りながらみんなで地球環境を守っていく道は歩き続けて欲しいと思います。

 昨日は、民放テレビ局の政治解説委員の方々と会食していたのですが、「サミットの結果には少なくともがっかりはしていない。あまり期待していなかっただけに。」という形で、消極的ながら評価される方が多かったように思います。

 私がこの欄で日本が主導すべきと訴えてきた拉致問題への国際的な取組みについても、サミット共同宣言に書き込まれるという形で配慮が示されたことはよかったと思います。ただ、これからが大変です。

 ところで、社会保険庁の解体計画において、年金未納情報の漏えいやいわゆる組合ヤミ専従などの犯罪行為で懲戒処分を受けた職員につき、新法人である日本年金機構に再採用されてしまう案が、与党に相談なしに閣議決定されそうになっていました。能力の高い外部からの人材を採用する数もまだまだ少なすぎます。
 また、昨年あれほど問題となった年金記録問題についても、元の紙台帳の記録とコンピューター記録の突き合わせ作業をきちんと全記録につき行うと政府与党で決めたにもかかわらず、記録の間違いを申し出た人だけに行うような新計画が決定されようとしていました。記録の間違いを色々な資料をそろえて申し出るのは骨が折れるうえ、それに対してすら満足な対応や解決ができていない現状なのに、それ以外の記録の処理をやめてしまうということには、なかなか国民の支持を得られないと思います。たとえ紙台帳の記録が8億5000万件と膨大で、コストもかかるとはいえ、しっかり与党の平場で議論するべきではないでしょうか。自民党の厚生労働部会で、厚労省に苦言を呈してきました。

 教員の採用に伴う贈収賄問題や食料偽装問題もあります。閉会中で地元回りも大変ですが、取材を受けたり国の政策作りに取り組んだりする作業も大切にしていきます。

≫平成20年7月3日

 早いもので、今年も折り返し地点を過ぎました。

 法制度で突っ込んだ活動をしているためか、おかげさまで様々な分野で専門紙の取材をいただいたり、東京でもイベントに参加する機会が増えていますが、専門家や特定の方以外にも広くわかりやすいメッセージを(特に地元に)届けることの難しさを感じています。

 6月29日に自民党青年局の全国一斉街頭演説が実施されました。担当の遊説部長として、渋谷の演説で拉致問題担当大臣の町村信孝内閣官房長官のプレゼンターをつとめたところ、長官からは「君は結構アジる(盛り上げる)ねー」と言われました。

 それはそうでしょう。この演説のメインテーマは拉致問題であり、日本にとって厳しい展開となっています。一方、先週福田総理にこの遊説への参加をお願いに伺った際、総理からは「自分は都合がつかないが、核問題も拉致問題も解決して日朝関係を正常化させることが真の地域安定につながる。頑張って欲しい。」と激励されたのです。田原総一朗さんからは「ならどうするのだ」と詰問されもしましたが、日本がこの問題につき断固解決するのだという強い意識を国をあげて持ち続け、アメリカなど六箇国の議論や対朝調査などで主導的に関わっていかなければならないことははっきりしているのです。拉致が重大な国家犯罪であることを再認識しなければならないことを含め、しっかり訴えさせていただき、それに応じて町村長官も、拉致問題再調査への日本の取り組みを固めていきたいと意欲を示されました。

 今日は大宮でこの問題につき、自民党埼玉県青年局・青年部の街頭演説を4時半から実施します。

 インターネット上の著作権のあり方や、法曹養成の見直し、日本版国富ファンド(SWF)などについての検討も本格化しています。予定がなかなか調整できずに苦労していますが頑張ります。

≫平成20年6月25日

 通常国会がようやく閉幕しました。最後の代議士会では伊吹幹事長が、「休会中は選挙区の草取りを」と幹事長らしくご挨拶をまとめられましたが、この時期相当色々な草が伸びていて大変でしょう…

 アメリカが、明日26日に、北朝鮮の核計画の申告を受けてテロ支援国家指定解除の手続を行うということです。拉致問題をテロと位置づけ、その解決の推進をアメリカと協力して図っていこうとしている日本としては、納得しがたい展開です。昨日開かれた党の拉致問題対策特命委員会では、家族会の皆さんや安倍晋三特別顧問をはじめ、多くの方から懸念が示されました。
 そして今日私は、青年局遊説部長として、局長の井上信治衆議院議員とともに福田総理を官邸に訪ね、来る6月29日に開催する青年局の全国一斉街頭遊説につき総理に参加をお願いするとともに、この演説の柱として拉致問題の解決を取り上げることを説明しに参ります。

 柏市では、妻と息子夫婦と孫を乱打して殺害した男性が逮捕されるという事件が発生しています。不自由な体について色々言われたり邪魔者扱いされたりしたということですが、一家惨殺というのはあまりに残酷です。逆上したのか?一部の家族のみ殺すと残った家族が不憫だと考えたのか?社会問題が背景なのか?捜査の推移を見ていきたいと思います。
 それにしても、秋葉原事件に引き続き、大阪駅で38歳の女性が3人を切り付ける通り魔事件が発生するなど、身の回りで恐ろしい事件が相次いでいます。ここ数年犯罪の発生件数を抑えてきても、社会が不安を感じるようではいけません。治安対策本部で、しっかり議論する必要を感じます。

 犬吠埼沖での漁船転覆事故も悲惨です。行方不明の方々の一刻も早い救出が望まれます。

 災害といえば、一昨日夕方、所沢駅西口において、自民党所沢支部は緊急救援募金活動を実施しました。岩手・宮城内陸地震、中国四川省大地震、ミャンマーのサイクロンで被害にあわれた方々の支援を行うためで、これまでも大きな災害のたびごとに実施してきたものです。並木正芳環境政務官や藤本正人県議会議員、保守系の市議会議員の方々など多くのご参加をいただき、2時間で10万円を超える金額が集まりました。必ずこれを被災地に届けて参ります。

 これから地元で、できる限り多くの方々に対し、現在の私の活動や思いを伝えるとともに、声を聞く機会を持てたらと思います。既に農家の方々と少しそういう会を設けていますが、引き続き様々な会の開催を募集して参ります。

 昨日は休会中ということもあり、地元の土屋恵一県議会議員の一般質問の傍聴に、多くの後援会の方々と伺いました。地元の問題をはじめ広範で練られた質問であり、大いに勉強になりました。

≫平成20年6月15日

 激動の一週間でした。

 8日に秋葉原で7人が死亡するという恐ろしい通り魔事件が発生し、週の中盤では日朝実務者協議で北朝鮮から拉致問題の再調査の方針が表明されました。11日には参議院で福田内閣の問責決議案が可決され、昨日は最大震度6強の「岩手・宮城内陸地震」が発生して現時点で200名以上の死傷者が出ていると報道されています。

 特に地震に関しては、国内外で発生回数が非常に増えているように思われます。地球は、いったい、どうなっているのでしょうか。

 自民党治安対策本部では、秋葉原事件を受け、銃刀法の規制強化が議論されました。確かに殺傷力の高いダガーナイフなどがインターネット上も含め、自由に売買されている現状を見ると、この種の規制の強化も必要だと思いますが、教育・雇用などの社会問題を含めたより抜本的な取組みが必要だと思います。
 また、犯行をほのめかすネット上の書き込みも問題となっていますが、有害サイト規制に対して反対の意見を言っていた有識者が一転して規制強化を主張しているのには戸惑いを感じます。

 北朝鮮問題に関しては、最近強まっている宥和路線、とりわけ交渉する政府に先んじて議員レベルで制裁解除を進める動きに警鐘を鳴らす、「北朝鮮外交を慎重に進める会」に参加しました。これまでの経緯を踏まえ、この問題に関しては国際社会が歩調をそろえて筋を通すことが必要です。

 長寿医療制度について、先週の党での議論を踏まえ、公明党との協議の結果負担軽減策がまとまりました。私が主張した低所得者への保険料(均等割)9割軽減措置のさらなる見直しに関しては、「なお保険料を支払えない事情がある方については、個別の減免も含め、市区町村におけるきめ細かな相談体制を確立する」という文言となっています。しっかりマニュアルを作っていただきたいと思います。
 保険の広域連合についての責任の所在の明確化も対処が約束されましたが、終末医療確認の問題に関しては、当面の凍結を含め、中医協で議論を行うこととなっています。年金からの引き落としのあり方もそうですが、あまり制度の趣旨に反する改変を行うことには反対します。

 酪農農家に対する緊急措置も発表されるなど、最近の政治の動きは非常に早いですし、そのための財源に関する議論もこれからますます本格化していかなければいけません。野党の問責決議案は重く受け止めつつ、責任ある与党として福田内閣をしかるべき方向に進めていくために何ができるのか、仲間とともに次の手を考えているところです。
 民主党前原元代表からは、民主党のマニフェストに対する実現可能性につき疑問が投げかけられています。真に実のある政策論議ができることを期待しています。

≫平成20年6月6日

 一昨日、党の社会保障制度調査会・医療委員会・厚生労働部会の緊急合同会議が開催され、長寿医療制度が議論されました。

 この場で厚生労働省から、所得の低い方に対する保険料の軽減措置が提案され、私も発言させていただきました。
 「方向としてはよいが、全く所得のない方に関して保険料(均等割)の9割しか軽減しないのはいかがなものか。保険の理屈にこだわるべきではなく、セーフティーネットとして問題があるなら全額免除も検討するべきだ。自費負担があるのでサービスの野放図な膨張は招かない。」
 「保険の広域連合で責任の所在が不明確になるのを防ぐべき。」
 「終末医療確認は、若年層も含めたインフォームドコンセントの問題として扱うべき。」
 「世論の厳しい批判により、党内からも制度自体の廃止や出直しを主張する声が出ているが、かえって政策や党のあり方への信頼を損なう。修正のうえ継続するべき。」などです。前回のこの欄で述べたとおり、保険料は既に税と同じであることを念頭に置いています。また、制度導入で7割の方が保険料の負担減となるという報告に関しては、被扶養者である高齢者が除外されているとかモデル計算に問題があるという指摘がありました。

 ただ、野党は本制度の廃止法案を参議院で通過させ、衆議院で廃案された時点で問責決議案を提出することを検討しているようですが、ここで与党としてぶれるべきではないと思います。

 なお、同じ会議で、救急医療と搬送に関する課題と対策についても提言が示されました。情報システムの改善や院内トリアージ(緊急性による患者区分)の検討、救急医療機関の拠点化や急性期を脱した患者の転床の推進、担い手の育成などに加え、私の提言も取り入れていただき、患者サイドの救急車利用の見直しなどが盛り込まれています。

 衆議院の経済産業委員会で商店街の視察を実施しました。巣鴨地蔵通り商店街の視察と理事長へのヒアリングに参加し、街の個性を生かした改善への取り組みを学びました。
 さらに法務委員会では裁判員裁判の模擬法廷を傍聴。裁判員と裁判官の評議のあり方を含め、まだまだ準備を重ねることが必要です。長寿医療制度のような混乱を招くことは避けなければいけません。

 未婚の日本人の男性とフィリピン人の女性の間にできた子供の日本国籍を認めない国籍法の規定を違憲とする最高裁の判決が出ました。平成19年2月28日のこの欄でこの問題を取り上げましたが、私は裁判が決着したら法改正を検討するべきだということを、私が座長代理を務める自民党法務部会国籍問題プロジェクトチームで主張しており、早速河野太郎座長と相談した結果、来週水曜日にこの問題がプロジェクトチームで取り扱われることとなりました。

 今朝は問題となっている児童ポルノの規制についての検討が党で実施されます。表現の自由とのバランスをどう取るかにつき議論して参ります。

 地元では大井地区で、有山茂市議会議員はじめ関係の皆様のご尽力により「大井しばワンclub」が発足しました。島田行雄ふじみ野市長、土屋恵一県議会議員、神木洋寿自民党大井支部長、所沢しばワンクラブの幹部有志の方々が設立総会に参加して下さったほか、山本一太参議院議員も駆けつけて下さり、ご挨拶のあと出席された方々と交流して下さいました。この件は山本先生のブログでも取り上げていただいており、感謝の気持ちでいっぱいです。

 所沢では市議会で、保守系会派市民クラブが分裂という事態になりました。自民党所沢支部として、今後の推移を見ていく必要があると思います。

≫平成20年5月26日

 中国四川省の大震災は、死者8万人を超える大惨事となりそうです。昨日大きな余震で被害が拡大したとも報道されています。

 知人の新聞記者が現地から状況を伝えているのですが、言葉を失う惨状のようです。日本の緊急援助隊や医療チームも努力されていると思いますが、おそらく復興までの道は極めて厳しいものになるでしょう。
 北京オリンピックを前に中国にとっては大きな痛手となります。そして実体経済や農産品等の供給など、日本としてもしっかり情報分析と追加対応を検討しなければいけないと思います。必要な支援は行いつつ、今後の中国が様々な面でよりよい方向に向かうよう誘導していくことが必要です。

 サイクロンで大変な被害を受けていたミャンマーでは、新しい憲法草案が国民投票で承認され、軍事政権が継続することとなります。北朝鮮への対応も難しい局面です。TICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)や洞爺湖サミットなど、重要な外交日程が目白押しですが、そうした中でも日本がきちんと筋を通した主張をしていくことの必要性を訴え続けていきたいと思います。

 国内政治においても、神奈川の消費者センターや品川の国民生活センターの視察、裁判員裁判の模擬法廷の視察(予定)、経済産業委員会など相変わらず忙しく、取材や原稿の執筆依頼なども続いています。
 特に、金融財政事情研究会「旬刊金融法務事情」では、振り込め詐欺被害者救済法や関連規定についての解説を近日発表する予定です。

 地元でも様々な総会をはしごする日々です。皆さんに会うとホッとします。

 長寿医療制度について様々な批判がされています。4月22日のこの欄で書かせていただいたとおり、今この改革を行うことは必要と言わざるを得ません。サービスを受ける人はその対価を本来支払わなければならず、それをしないと支出の膨張と制度の破綻は目に見えているのです。
 「病気の割合が大きくなる高齢者を集めて、本来危険分散のために用いられる保険制度を、別個に設けるのはおかしい」「年金からの天引きは止めて欲しい」という声もありますが、そもそも年金や医療の保険料は、これだけサービスが普及した現在、既に税金とほとんど変わりません。税金なら一定の範囲であれば年金からの引き落としが認められており、何とか所得の低い方にご迷惑をかけない工夫をしつつ、この制度を維持することが必要なのです。

 医者をいくつもはしごして無駄な薬を沢山もらったり、安らかな最期を迎えたいのにチューブにつながれた無用な延命処置に時間と費用をかけたりしている患者さんが数多くいるという実態をみると、かかりつけの医者を設けたり、終末医療の意思決定を求めるということも合理性があります。後者については、若い人も含め、インフォームドコンセントの問題として取り上げていくべきだと思っています。

 社会の支出がどんどん増える中、増税論議が盛んになっています。とにかく無駄遣いの削減と成長路線を堅持し、増税は最小限に抑えるという立場に立って頑張ります。勉強会「プロジェクト日本復活」でも引き続き検討を続けます。

≫平成20年5月13日

 今日は、昨日参議院で否決された道路整備費財源特例法の衆議院での再可決の日です。

 昨日、私は首相官邸に、「福田総理を支え、道路特定財源の一般財源化を支持する議員連盟」の有志とともに訪れ、総理に思いを伝えました。

 議員側と総理のやり取りはおおむね次のとおりです。

1.以下につき国民へのわかりやすい説明を総理に要望する。

 ① なぜ一般財源化を明言しながら、内容の異なる道路整備費財源特例法を、明日通さなければいけないのか。

⇔(総理)10年で59兆円の特定財源の維持のほかに、この法律では7000億円の地方への臨時交付金や、無利子貸付などの根拠ともなっている。1日採決が遅れれば1日執行が遅れ、地方に迷惑をかける。一般財源化については、与党協議を進めてもらい、骨太方針や予算要求、税制改正などで盛り込む。明日(13日)の閣議決定では、この法律は平成21年度以降適用しないと明示するつもりだ。この方針を守らなければ与党の明日はない。いわばマニフェストと考えて欲しい。

 ② この国会で法案修正を行う余地はなかったのか。

⇔(総理)政府が一度出した法案が国会で審議されている間は、政府から修正案を出すことはできない仕組みになっている。法案が審議されている参議院では野党が多数なので、民主党に修正協議を呼びかけたが、結局民主党からは修正案が出なかった。民主党は平成21年度ではなく、今年度からの一般財源化を主張していたが、そのような要望にも応じるというメッセージを伝えていた。

2.一般財源化と、関係公益法人の支出などの無駄遣いの徹底排除等につき、総理の不退転の決意を改めて国民に表明して欲しい。

⇔(総理)これは絶対やらなければいけない。もう利権の構造は断ち切られた。我々は一度できた政策をやり続けるのでなく、不断に見直していくという「政策の棚卸し」をやるという強いメッセージを発しなければいけない。

 総理の答えは、大変強いものでした。

 私は所属する勉強会「プロジェクト日本復活」(今夜も開催されます)の記者会見で、「福田総理の提案が自民党の総務会と閣議決定で担保されない限り、この道路整備費財源特例法に賛成することは難しい」と明言しました。
 そして4月28日に自民党の総務会と政策審議会の総理方針の了承が、4月30日に道路調査会の平場での了承があり、きょう閣議決定が行われ、そして総理から上記のような説明が国民になされるのであれば、私は法案の再可決には賛成票を投じることになるでしょう。

 もしここで反対票を投じてしまえば、この2か月、自民党に党として一般財源化を決定させようと努力してきた自分たちの苦労は何だったのかという話になります。この法案を葬ったとしても、結局これからの予算や税制の決定の場面で、党内論議をコントロールしなければ、真の一般財源化は実現しません。私たちの活動は、むしろ今年のこれからの議論に軸足を置くべきなのです。
 そうした場で私たちは、「党の手続で福田提案を了承した以上、絶対骨抜きは許されない。小骨の一本たりとも抜かせはしない。」という強い姿勢で臨めると思います。「必要な道路は造る」という文言は確かにありますが、その必要性を厳格に検証していくことが必要です。

 医療の問題が大きく取り上げられています。こうした部分に、必要な財源を投入できるようにしていくことこそが、我々に課された使命なのです。

 中国四川省での大地震で8000人超の死者が出ているというニュースが飛び込んできています。早急な情報分析と、何ができるかの検討が求められます。

≫平成20年5月1日

 既にご案内しているとおり、5月3日(土)午前10時05分から11時30分までNHK総合テレビで放送予定の憲法記念日特集番組に、少し出演することになりました。

 自民党の河野太郎、水野賢一、山内康一各衆議院議員や、民主党の馬淵澄夫、細野豪志、泉健太各衆議院議員とともに、ねじれ国会における立法府のあり方について議論するという企画です。ご覧いただければ幸いです。

 昨日、ガソリン税の暫定税率などを定めた国税2法、地方税法3法が、衆議院で民主党議員の欠席のまま再可決されました。

 参議院でこの問題が放置され、いわゆる60日ルールにより衆議院で再議決ができるようになるまでの間、税率の一時引き下げによって国民生活に大きな混乱が生じたのみならず、自治体で必要な事業が執行できない状況が続きました。
 炭素燃料にかかる税金については、環境税への移行も含めて抜本的な改革が必要となるでしょうが、当面の暫定税率の復活はやむを得ないと思います。ガソリン価格高騰への対処は、事業負担の軽減や燃料への投機の抑制など別の方法で図るべきでしょう。民主党の中にも実は私と同じ意見の議員が結構いるはずです。昨日の本会議の採決に際し、民主党が反対でなく欠席という戦術を選択したのは、民主党執行部が造反を恐れたこともあるのでないかと推察しています。

 もっとも、今度の5月12日以降に衆議院で再可決が予定されている、10年間で59兆円もの道路特定財源を維持するという道路整備費財源特例法に関しては、福田総理の提唱する平成21年度からの道路財源の全額一般財源化と明らかに矛盾する内容が含まれています。
 私は「プロジェクト日本復活」や「福田総理を支え道路特定財源の一般財源化を支持する議員連盟」のメンバーとして、福田総理の方針に従った政策決定がなされる担保が必要だという観点から、総理の方針を自民党の正式な党内手続(総務会での決定)や閣議により了承することが必要だとマスメディアなどで訴え続けて参りました。

 衆議院山口2区の補欠選挙で与党候補が敗北したのは、後期高齢者医療制度の発足が原因だと言われていますが、「ガソリン税などの無駄遣いの原因となってきた特定財源制度をやめて、医療や福祉などにもお金が回るようにしていきます」と言えばもう少し善戦が期待できたと思うのです。

 この4月28日の月曜日、自民党は私たちの要望に沿った手続を行い、道路特定財源の平成21年度からの一般財源化に向け、公明党との与党協議会の設置や5月12日前後の閣議決定についても総理が明言されました。大変な前進だと思います。今後、これを国民の皆さんにどういう形で示していくのか、引き続き検討を進めて参ります。

 山口2区の補欠選挙と同日に実施され、与党、民主党、共産党の三つ巴となった上福岡地域の県議会議員再選挙は、国政の影響もあってか、自民党公認・公明党推薦の中野ひでゆき候補が、共産党の候補にわずか68票差で敗れてしまいました。私も何度も応援に入り、選挙違反の後の逆風の中追い上げムードも出ていただけに残念でなりません。

 前途多難な政局ですが引き続き全力を尽くします。

≫平成20年4月22日

 政局の緊迫に伴い、メディアの方々の取材を受けることが増えてきました。

 昨日発売の週刊誌では、道路特定財源問題に関する私のコメントが掲載され、明日は5月3日放送の憲法記念日特集の番組のため、ねじれ国会についてNHKの取材を受ける予定となっています。国政を良くするため若手議員が世論喚起をするのは意義のあることだと思っていますので、今後ともしっかり活動を続けて参ります。

 名古屋高裁で17日、イラクでの航空自衛隊の空輸活動は憲法9条1項に違反するものが含まれるという判断が示されました。
 立法府の一員ですので判決自体にコメントする立場にはありませんが、結果として原告の訴えが退けられていることから、国がこの判決に上訴できないということには違和感を感じます。

 判決において結論を導くのに必要でない部分(傍論)で憲法判断を示すのは、憲法保障という観点からは一定の評価ができるのですが、国が上訴できない結果、下級審で判断がバラバラとなるなど混乱を招く要素があります。こうした傍論の判断は一切無意味とするか、意味があるなら争点限りの上訴制度を設けるかなどの改正措置が必要となってくるのではないでしょうか。

 山口2区の補欠選挙が27日に実施されます。緊迫した国政に与える影響は大きいでしょう。しかし、筋を通した政策をきちんと説明責任を果たして訴えていくことの必要性が選挙により変わるわけではありません。

 例えば、後期高齢者医療制度が様々な混乱を呼んでいますが、こうした混乱や広報のまずさには率直に反省をしつつ、持続可能な医療を持続するための高齢者内部での負担調整、広域保険制度の確立などについてはその必要性をきちんと訴えることが不可欠です。保険料の年金からの天引きについても、年金が差押えの禁止される生活の糧であるとはいえ、保険料は制度を支える不可避の負担なわけですから、一定の額についてはこれを認めてよく、かえって納める手間を軽くするものだということを丁寧に訴えて参ります。

 道路問題についてもまだまだ改革に向けた行動を矢継ぎ早に取っていくことが必要です。

 地元でも同じ27日、上福岡地域で選挙違反による欠員に伴う県議会再選挙が実施されます。私の当選した時の補欠選挙同様逆風の中の選挙ですが、責任ある与党の立場から、地域のため、応援活動をしていきたいと思います。

 今日はこれから保険法改正に関する衆議院法務委員会の参考人質疑で、自民党を代表して業界関係の方々に質問する予定です。

≫平成20年4月10日

 昨日、国会で久々に福田総理と民主党小沢代表の党首討論が実施されました。私は閣僚席のすぐ後ろで傍聴していました。

 議会での意思決定がなかなか進まない状況に福田総理が困惑している状況がよく伝わりました。一方、もう少し小沢代表に対して切り込んでいくべきだったのではないかとも思います。

 日銀総裁人事に関する小沢代表の最大の問題は、スタンスに一貫性がないことなのです。

 当初財務次官経験者である武藤氏が日銀総裁に就任することにつき、小沢代表は「人物本位」の観点から容認する姿勢を示していました。しかし民主党内で、次官というトップ経験者の就任が金融政策の独立性のうえで問題があることや天下りを避けるべきとの批判があることを受け、反対することとしたのです。

 今回の渡辺氏は、財務省とはいえ財務官の出身で、しかも副総裁人事ですから、小沢代表の論理からすればむしろ賛成しやすい案件でした。経済の混乱を避ける観点からも民主党内では容認論が主流だったと聞きます。
 にもかかわらず小沢代表が天下り批判を持ち出して反対を押し通したのは、政局や党内の主導権争いを重視したとしか思えません。この姿勢には民主党内でも疑問の声が高まっており、昨日の衆議院本会議での日銀人事の採決を、私の大学時代の同期である古川元久衆議院議員は欠席しました。また他にも造反議員が出ています。

 道路財源の問題でも、民主党内では地方財政などに配慮すれば暫定税率の引き下げにこだわるより福田総理の一般財源化を評価して協議に応じるべきだという主張があるのです。このように、小沢氏が国民生活より政局を重視していることを明確にし、民主党内でも疑問の声が上がっていることを党首討論で訴えるべきではなかったかと思うのです。

 今、インターネットで氾濫している、いじめ裏サイトや有害情報をどうするかという問題に関わっています。共謀罪の問題や報道規制の問題もそうですが、伝統的な「表現内容の自由」が貫徹できない社会情勢の大きな変化を私たちがどう機敏にとらえていくかが問われていると思います。慎重に検討を進めて参ります。

≫平成20年4月4日

 道路財源の問題は相変わらず波紋を起こしています。

 4月に入って揮発油税などの暫定税率の引き下げに伴い、ガソリンスタンドは赤字覚悟の値引き競争、自治体では早くも必要な道路整備までもが見直される事態が相次いでいます。
 国会でも、福田総理の一般財源化方針を支持する与党の議員連盟が発足しましたが、この税率に関しては、旧水準に戻さなければいけないという意見が相次ぎました。

 ちなみに私は、自民党の行政改革推進本部公益法人小委員会で、道路特定財源から収入を得ている公益法人に関する徹底的な見直しを実施する主査の一員として提言作りに参加しています。こうした無駄遣いをなくした上でなければ税率の再引き上げは世論は支持しないでしょう。
 また、先述の議員連盟の中では、河野太郎議員をはじめとして、今後10年道路特定財源を維持するという内容の道路整備費財源特例法に関しては、福田総理の一般財源化方針と矛盾するという声が相次いでいます。この法案については、参議院が否決し、あるいは審議未了の場合、衆議院で無条件に3分の2で再可決するというのは難しいのではないでしょうか。きちんと総理の方針を担保するための措置をどう取れるのか、仲間と協議し、党にも呼び掛けていきたいと思います。

 先週の法務委員会に続き、今週は経済産業委員会で質問台に立ちました。特許法等の改正に関してです。

 かねてから私は、特許権の実現や紛争解決にあたり時間がかかりすぎることや、海外との連携についての法整備が不十分であることを指摘していました。今回の法改正はこれらに対応するもので、評価できると思います。
 しかし特許特別会計に関しては、登記特別会計同様一般会計化の方向性で見直す必要もあるのでないかと問題提起させていただきました。

 忙しい日々が続きますが懸命に努力して参ります。

≫平成20年3月29日

 この10日間、政局は激動しました。

 この欄で紹介した、自民党の中堅若手有志による提言(一定の経過期間後の道路特定財源の一般財源化、この秋の新需要予測データ等を基礎にした道路中期整備計画の見直し、大前提としての公益法人への支出見直しなど)は、総理の自・公各党への指示に盛り込んでいただきましたが、その後まとまった両党協議の成案の中では若干の後退が見られました。

 すなわち、一般財源化の時期については「『税制抜本改革時に』一般財源化に『向け』見直す」とあいまいな表現となり、道路中期整備計画の見直しについても、「必要な道路整備は着実に進める」という文言が入りました。

 民主党はこの与党案をもとにした合意を拒否。より抜本的な提案が求められていました。

 そして、私もメンバーとなっている自民党改革加速議員連盟は、26日に、平成21年度からの道路特定財源の一般財源化、この8月の概算要求までの中期計画の最新需要予測や厳格なコスト計算に基づく抜本的見直しなど、以前の中堅若手有志案よりさらに踏み込んだ内容の提言を採択するための総会を実施しました。

 しかしこの会では、提言内容が行き過ぎだという異論が続出。民主党の審議拒否や暫定税率即時廃止という無責任な主張を非難することの方が重要だという意見も多く出て、結局議連としては提言を採択できませんでした。

 それでも翌日、議連の棚橋泰文会長をはじめ、この新提言に賛同できる議員のみが有志という形で首相官邸を訪ね、福田総理に申し入れを行いました。

 その場で私から総理に対し、「率直に申し上げてかなり高い球となっていますが、今後のまとめのことを考えればよい提言ではないでしょうか。」と申し上げたところ、福田総理は、「いや、いいんじゃないですか。ストライクゾーンの真ん中に近い内容ですよ。」とおっしゃいました。そしてそのわずか2時間後、党幹部の慎重論を振り切って、ほぼこの内容に近い内容の記者会見を行ったのです。

 改革加速議員連盟ですらまとまらなかった先鋭的な内容の提言を、総理がオープンに発表するというのは極めて大きな意義を持ちます。しかも民主党との協議が決裂してもこの改革を実行するのだと明言し、退路を断ちました。私たち改革を志向する議員は、この総理の姿勢をしっかり支えていくことが必要だと思います。

 ところが民主党は、一般財源化は評価しつつも、ガソリン税等の暫定税率即時廃止がないとして受け入れを拒否。他の登録免許税等の租税特別措置や地方税の期限付き措置は5月末まで延長を認めることとしたため、この4月からは道路関係の暫定税率のみがなくなります。

 しかし、野党の対応は極めて無責任であるのみならず、議長あっせんの合意(年度末までに道路問題を含めた採決をする)に反するものです。国民の真の利益を考えた政治を、しっかり目指すべきだと考えます。

 台湾総統選挙は、国民党の馬候補が大差で勝利しました。直前のチベット騒乱を受け、北京オリンピックボイコットに言及したこともあると思いますが、経済の低迷が大きく影響したのでしょう。この結果が今後日本にどう影響するのか、しっかり見極めていきたいと思います。

≫平成20年3月20日

 日銀総裁はついに空席となりました。前代未聞の事態であり、政府も野党も深刻な反省が必要です。
 私がこの欄で繰り返し主張しているとおり、国会同意人事のあり方の再検討や、公務員制度の抜本的な改革を進めることの必要性を、たじろぐことなく訴え続けて参ります。

 先週の金曜日(3月14日)に、TBSテレビ「みのもんたの朝ズバッ!」に生出演しました。道路特定財源問題について、自民党の山本一太参議院議員、民主党の長妻昭衆議院議員・浅尾慶一郎参議院議員とともに議論するという企画でした。
 その放送の中で私は、本日(14日)中に自民党の中堅・若手有志議員で、道路特定財源に関する改革案を提言すると言ったのです。

 これまで自民党も民主党も自らの主張に固執し、解決の見通しが立っていなかったことから、話し合いの呼び水となるような抜本改革案を示すことが必要と考え、河野太郎衆議院議員、水野賢一衆議院議員、山内康一衆議院議員らと検討を続けてきていました。そして鈴木馨祐衆議院議員、木挽司衆議院議員、木原稔衆議院議員の賛同も頂き、この日の昼に発表したのです。

 内容は、大前提として、公益法人への不明朗な支出を徹底的になくすとともに、道路特定財源は、国は5年間、地方は2年間の経過措置の後一般財源化する。道路整備の中期計画は、新需要推計に基づき、この秋に合理的な水準まで圧縮する...など、10項目にわたるかなり踏み込んだものでした。
 そして今週に入り、公明党の斉藤鉄夫政調会長・自民党の谷垣禎一政調会長に相次いで申し入れをしたのです。篠田陽介衆議院議員にもご参加をいただきました。

 両政調会長は我々の提言を非常に高く評価して下さいました。そして今般福田総理からなされた両政調会長への抜本改革の指示は、まさしく我々の提言と軌を一にした内容であると思います。

 これから困難も予想されますが、是非国民のために、話し合いがまとまればと切望しています。

 土曜日(3月15日)、地元所沢で実施された防衛医大の卒業式に出席し、そこからすぐに台湾に出張しました。自民党青年局幹部で実施する視察に参加するためでした。
 卒業式に出席された石破茂防衛大臣にも、この出張の話をしましたが、中国の状況とも関係するということで大きな興味を示され、是非しっかり視察してきて欲しいと激励を受けました。

 国民党、民進党両陣営を訪れ、総統選挙前の最後の週末キャンペーンを視察するとともに、政府関係者を含め、ヒアリングを精力的に実施しました。やはり中国問題が影響してか、事前に伝え聞くほど対中開放路線をとる国民党が圧倒的に有利だとは言えないように思いました。
 4年前ほどではないとはいえ、やはり選挙の盛り上がりは大変なものです。日本の政治や選挙制度を考える上でも参考になる部分があると思います。
 わずか3日の視察でしたが、大変有意義なものでした。

 台湾総統選挙投票まであと2日。大いなる関心を持って見守りたいと思います。

≫平成20年3月13日

 国会は緊迫の度を増してきました。

 日銀総裁人事の件に関して言うと、野党の柔軟性を欠く姿勢はどうかと思いますが、私個人としてはこれまでの「財務省・日銀出身者によるたすき掛け(交替制)人事」に疑問を感じている一人です。

 日銀政策委員の中には学者や民間人もいるのであり、総裁としてふさわしいマクロ経済や金融政策に通じて国際感覚が豊かな人材が、これまでのような狭い慣行に縛られてしか選ばれない必然性はないと思います。
 また、財務省出身者ですと、役所を離れてからの期間にもよりますが、日銀の財政当局からの政策的独立性についての疑念や、天下り批判が生じてくることも否めません。

 今回の人事に関しては、候補者の所信表明やこれまでのスタンスに鑑みて党としての決定に従うとしても、今後再考することは必要だと思います。
 さらに、国会同意人事の取り扱いに関し、これまで与党が、地位における利益相反や監督官庁による処分の実効性とか独立行政法人の民間との情報格差など、天下りの弊害とされる事象にあまりにも無頓着だったことは事実です。今後政府から示される案の適否について詳細に検討することが、とりわけねじれ国会では必要になってくると思います。

 道路特定財源の問題に関しても、そろそろ野党とオープンに打開策につき意見交換をすべき段階に来ています。何らかのアクションを目指して参ります。

 今週末から、党青年局の幹部若干名で、総統選挙が実施される台湾に出張し、現地の視察と要人との意見交換を行うことになっています。対中政策など有意義な議論ができることを期待しています。

 現在、特定商取引法や割賦販売法の改正、消費者関連行政機関の見直しなどに取り組んでいます。また、競売制度改革、捜査の可視化など、法務案件でも過密な党内審議日程に追われています。
 人権擁護法案については、以前大きな話題となり、私も制定慎重論の立場から発言していましたが、最近また党内議論が活発化しています。社会にどういう変化が生じているのか、政局に絡めた動きでないのか、疑問を感じる部分が少なくありません。

 昨夜、所沢青年会議所の例会に山本一太参議院議員が講師としていらっしゃいました。外交や経済につき、大変パワフルかつ興味深い話をして下さり、参加した私にとっても有意義なひと時でした。
 明日は自民党所沢支部の総会もあります。支部長としてしっかりした姿勢で臨みたいと思います。

≫平成20年3月4日

 明日3月5日午後7時30分から放送される、NHK総合テレビの「クローズアップ現代」後半部分に、少し登場することとなりました(予定)。なお、衛星第二放送では同日午後8時32分から再放送されます。

 題材は道路特定財源問題であり、私が、自民党の道路調査会やこの欄で常々発言している内容に沿って、活動している模様が出てきますので、是非ご覧いただければ幸いです。

 今、日銀総裁人事が大きなテーマとなっています。案の是非は別として、予算や税制関係法案を与党が採決したから反対する、という民主党の主張には首をかしげざるを得ません。別個の問題としてしっかり協議すべきでしょう。

 昨日、「新しい日本を作る国民会議」(21世紀臨調)の北川正恭・佐々木毅両氏が中心となって立ち上げ、東国原知事の参加などでも話題となった政策集団「せんたく」の発足総会に出席しました。
 これは、100名を超える国会議員が、「せんたく議員連盟」という「せんたく」と活動を共にする組織につき、発起人の自民党河村健夫先生や民主党野田佳彦先生などの呼び掛けに応じて集まったものです。

 マニフェスト選挙の推進、分権社会の実現、生活者起点の政治改革というこの政策集団の方向性は、日頃私が主張してきた内容と重なります。エコノミスト誌でも、2月23日〜29日号の巻頭特集「JAPAIN(日本は痛い)」の中で、このグループに期待を寄せる旨の記述をしています。

 集団の意義や参加メンバーに疑問を呈する声もありますが、参加した以上しっかり結果を出していきたいと思います。

 おかげさまで2月23日に地元所沢で開催した新春の集いには、1000人の方々が来場されました。来場された方々や実行に尽力して下さった方々に深く感謝申し上げるとともに、開催を共同した並木正芳代議士・藤本正人県議会議員とともに今後ますます地域の発展のため頑張りますことをお誓いします。

≫平成20年2月23日

 19日に発生した、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故は、連日大きな波紋を引き起こしています。

 石破防衛大臣や福田総理への報告が遅れたり、漁船を視認したとされる時刻が変遷するなどしていることは、防衛省に適切な情報管理・開示を行う体制ができていないことを示しています。

 また、複数の漁船が往来する中で「あたご」が回避措置を取っていなかったのは、自衛艦側に航行の優先権があるかのような意識があったことも疑わせます。いずれにせよ、20年前の潜水艦「なだしお」の衝突事故の教訓が生かされていないことをいきどおるとともに、徹底した原因究明と再発防止の措置を望みたいと思います。そして大変厳しい状況ではありますが、行方不明となっているお二人の船員の一刻も早い発見をお祈りしています。

 今週火曜日の夜、山本一太参議院議員に誘われて小泉純一郎元総理と会食をしました。河野太郎衆議院議員、丸川珠代参議院議員も参加され、非常に充実した3時間を過ごしました。表に出なかった在任中の様々なエピソードや、政治家としての心構えに関するご意見には胸を打つものがありましたし、男と女の話や最近のご活動の話も含め、ユーモアあふれる「小泉節」に涙が出るほど笑いました。

 小泉元総理のバックグランドには、歴史上の数多い権力闘争に対する豊富な知識と、経験に裏打ちされた独特の勘、天の采配ともいえる様々な幸運があったのだと感じました。おこがましいですが私も少しでも近づけるよう、今後精進したいと思います。

 これまで携わってきた独占禁止法の改正は、ようやく方針がまとまりました。とはいえ、公正取引委員会の審判制度については議論が持ち越しとなっています。今後とも、中小企業対策や透明な行政のあり方の観点からもしっかり提言を続けて参ります。

 マスメディアに注目されている自民党の年金行政改革議員連盟、SWF(政府系ファンド)検討プロジェクトのメンバーにも呼んでいただくとともに、所属する法務委員会や経済産業委員会の審議も始まり、ますます忙しくなりそうです。

 地元でも、様々な業界の方々との意見交換会をはじめ、活動を続けています。
 また、今日23日には午後3時から、所沢駅東口くすのきホールにて、並木正芳環境大臣政務官、藤本正人県議会議員とともに、新春のつどいを開催させていただきます。森喜朗元内閣総理大臣の時局講演も予定されており、是非多くの方々に足を運んでいただければ幸いです。

≫平成20年2月12日

 2月9日発売の中央公論に、私を含めた自民党・民主党の若手衆議院議員計7名による緊急提言「機能不全の国会を改革する八つの方策」が掲載されました。(提言者:河野太郎、水野賢一、山内康一、柴山昌彦、馬淵澄夫、細野豪志、泉健太)

 衆参両院の与野党のねじれによって国会が機能不全に陥り、大連立構想などが取り沙汰されていますが、世界的に見れば二院制をとる国でこうしたねじれが生じることはまれではありません。
 徹底的かつオープンで活発な議論を戦わせることにより、局面を打開できるのでないかということで、会期不継続原則の見直しや党議拘束の緩和、議員立法の充実などの方法を提言しています。

 2月7日の朝日・読売朝刊各紙やテレビでも取り上げられましたが、国民のため必要な改革として、今後何とか実現できるように世論を盛り上げたいと思います。また、これ以外の方策についても今後検討して参ります。

 なお、これ以外にも、相変わらず一般新聞や専門誌(紙)からの取材依頼が続いています。メディアでの情報発信を大切にし、今後この欄で紹介していく所存です。

 前自民党衆議院議員で、清和政策研究会の同僚だった福田良彦さんが、10日実施の岩国市長選挙に見事当選しました。米軍岩国基地への空母艦載機受入れの是非という難しい争点を扱った選挙を、よく勝ち抜いたと思います。
 沖縄米兵の少女暴行事件がまた明るみに出るなど、米軍再編に水を差す話もありますが、実効性を伴う防衛措置は、慎重かつ着実に進めていかなければいけません。私も今後国会議員としてしっかりチェックしていきます。

 安全保障といえば、今、わが国の空港運営会社に外国企業からの出資規制を設けるかどうかで、自民党を二分する大論争が繰り広げられています。ともすると「対日投資拡大か国益保護か」と議論が単純化されがちですが、私は、どういう利益をいかなる方法で守るのがベストか、冷静に検討すべきだと思っています。

 空港の設備維持や、情報管理の面については、高度の国益は必要ですが、外資規制というよりは採算至上主義を排除した政府出資の拡大という手段が適切に思われます。また、商業施設との契約などの部分は、分割して外資規制のない民営化をするのが適切ではないでしょうか。

 現在自民党の中では、「平成の尊王攘夷論」ともいえる論調が台頭しているようですが、激動する世界状況の中、これ以上合理性を欠く内向き・後ろ向きの政策をとると、さらなる日本売りの加速を招くような気がします。

 先週は、しばワンClub大井支部や、しばやま昌彦を囲む三ヶ島の会を発足していただくなど、地元でも色々動きがありました。とても光栄なことだと感謝しています。自民党埼玉県連でも、女性部の懇談会や、青年部の勉強会などが開催されています。青年部勉強会では、日ごろお世話になっている世耕弘成参議院議員が講師を務めて下さいました。今後こうした機会をもっと増やせればと思っています。

 最近たちの悪い風邪に悩まされています。一方、地元神明社の節分祭もそうでしたが、ここのところ雪の中で震える機会も多いです。体調に留意しつつ頑張っていこうと思います。

≫平成20年2月4日

 中国産の餃子から殺虫剤成分が検出され、大きな混乱を呼んでいます。

 一連の賞味期限偽装も確かに問題ですが、今回の事案は生命の危険を狙った犯罪的行為である可能性もあり、全く性質が異なります。流通過程を含め、徹底的な原因解明と再発防止を、日中両国が協力して図っていかなければいけません。
 私はBSE問題が発生した際、産地表示の徹底や、日本側がイニシアティブを取る現地調査体制の強化などを主張し、日本農業新聞に取り上げていただいたことがあります。一方、今回の問題では、輸入企業が現地に安全管理者を常駐させていないことなど、チェック体制の甘さが指摘されています。
 今後、国際的な食の安全確保のため、輸入国や世界機関が官民挙げてチェック体制を強化することの必要性を感じています。とりわけオリンピックを前に大きく飛躍するであろう中国につき、迅速な対策を主張して参ります。

 消費者問題に関しては、私の所属する自民党消費者問題調査会が先週、韓国消費者院の代表をお招きして、消費者行政の実態につきヒアリングを行ったところです。大変示唆に富む内容で、私も詳細に色々質問させていただきましたので、その成果を今後の活動に生かしたいと思っています。

 ガソリン税暫定税率の問題は、先週「3月末の期限切れ後のつなぎ法案」をめぐり、緊迫した場面がありましたが、河野衆議院議長・江田参議院議長両名のあっせんにより、与野党幹事長が3月中に結論を得る旨の合意文書を取り交わしたことにより、つなぎ法案の撤回ということで落ち着きました。私自身はつなぎ法案は望ましい方法でないと思っていましたので、この決着にホッとしています。
 今後、道路特定財源の一般財源化の問題を含め、まずは野党と話し合い、合意を模索するべきだと思っています。

 前回この欄で取り上げた公正取引委員会の審判制度の問題は、2月1日に再度自民党独占禁止法調査会幹部会で議論されました。私も自分の意見を書面化して持参しましたが、あらかじめ結論ができているガス抜きの会であったように思えます。これが自民党の古い体質なのかなと思います。ただ、前回示された案よりはよくなっているので、今後よりよいものを目指して引き続き活動していきます。

 1月30日に、自民党大井支部の研修会が実施されました。国会見学の後、党本部で山本一太参議院議員が力強い講演をして下さり、とても有意義な会になったと思います。多くの方々が好天のもと参加されましたが、これからもこうした会をどんどん開催して参りますので、よろしくお願い致します。

≫平成20年1月28日

 大阪府知事選挙で弁護士の橋下徹さんが見事当選しました。

 候補者の知名度が高かったうえ、民主党小沢代表が新テロ特措法の本会議採決を欠席して対立候補応援に行ったことなども影響しているのかもしれません。
 新知事は行政改革などに積極的なようで、私も同じ思いを持つ弁護士出身議員として大いにエールを送りたいと思います。

 とにかく行政改革は本当に難しいということを、党の行政改革推進本部の幹事を務める中で痛切に感じています。
 予算や権限を縮小する動きに出ると、役所の人たちは、まず後ろ向きの理屈をとうとうと説いて抵抗し、この政治家は説得し切れないと感じれば、族議員や党の執行部の大物に泣きついて力技で自分たちの主張を何としても通そうとする。言うことを聞かない議員の悪口を言い、折衝状況を平気でマスコミにリークする。挙句の果てにはサボタージュです。無論そうしたことをしない方々もいますが、とにかくまっとうなプロセスで民主的な意思決定をしないとこの国がおかしくなってしまいます。

 1月24日には、公正取引委員会の方々が、談合・カルテル・不当廉売などについての審判制度の変更につき、自分たちの案を説明にいらっしゃいました。審判の対象の一部につき3年前の改正以前の方式に戻した上で、それ以外の審判を廃止するという内容でした。

 私は自民党で審判制度を含めた準司法制度全般を見直すセクションにいるものですから、その公取委の説明の場で、「この内容には多くの問題があるから、明朝私も参加する自民党独占禁止法調査会の幹部会では、しっかり指摘させていただく」とかなり強く言いました。そうしたら何と翌朝1月25日の日経新聞1面トップはじめ、各新聞に、その公取委の案が固まったかのような記事が踊っているではありませんか。

 故意か過失かはわかりませんが、公取委から記者に書面でかなり詳細に説明しなければ書けない内容です。

 まだこれから政治的検討がなされようという段階で、しかも私が幹部会の席で問題点を述べると言ってその幹部会の開かれる直前に、こうした情報リークがあるということは極めて遺憾です。幸い幹部会では他の先生方からも色々異論が出て結論は持ち越しになりましたが、こうした時代遅れの政治を何とかしなければいけないと思っています。

 時代遅れといえば、今日1月28日発売の日経ビジネスに、「株式会社自民党 倒産かV字回復か」という大変興味深い記事が載っており、その中で53年目に突入した自民党の課題について詳細に書いてあります。ここで、私のシンクタンクや公募制度に関する取材コメントが紹介されているので、是非お読みいただければ幸いです。組織は常に改良を続けていかなければいけないという問題意識です。

 先週は、私が所属する年金行政改革議員連盟で、ねんきん特別便の問題点を議論したり、山本有二前金融担当大臣が率いる政府資産有効活用を目指す議員連盟の会合にも出席し、景気対策について意見を述べました。これらもテレビなどで取り上げられ、国民の関心の高さを実感しました。

 ガソリン税暫定税率の延長問題で、今週も国会は大きく動きそうです。私も様々な課題を着実にこなしていきたいと思います。

≫平成20年1月19日

 新テロ特措法を何とか通過させた臨時国会が終了し、息つくひまもなく、話題満載の通常国会が昨日から始まりました。

 政府4演説(福田総理の施政方針演説、高村外相の外交演説、額賀財務相の財政演説、太田経済相の経済演説)が行われたわけですが、特に最後の経済演説が印象に残りました。

 「もはや日本は経済一流と呼ばれる状況ではない」としつつ、原油高対策、地域力再生、対日直接投資の増加、サービス業改革、人材育成、安易な歳出増加や負担先送りの防止など、私たちが勉強会「プロジェクト日本復活」で取り上げてきた方向性が示されています。元日のこの欄に書いたとおり、福田総理の姿勢が「後ろ向き、内向き」にならないよう、太田大臣にはしっかり頑張っていただきたいですし、私も全力で応援することをお誓いします。

 私の方は、最近印刷メディアで取り上げられることが増えています。今週発売の週刊誌FLASHでは、弁護士出身の国会議員が増えているという記事の中で写真とコメントが取り上げられました。今後も中央公論、日経ビジネス、金融法務事情に論文や取材記事が掲載される予定です。こうした分野でもきちんと活動して参りますし、この欄でも紹介させていただきます。

 現在、犯罪被害者救済に大きく関わっており、特にこの春破産手続きが終わるオウム事件被害者の救済のための議員立法や、テロ犯罪一般の救済法などを検討しています。
 また、福田総理が「消費者重視」を重要政策に掲げる中、党の消費者問題調査会のメンバーとして、消費者保護を担当する新行政組織の創設や国民生活センターの紛争解決機関(ADR)としての法整備などという仕事にも携わっています。しっかり頑張ります。

 先ほど原油高対策と申し上げましたが、ガソリン税などの暫定税率の問題が大きく取り上げられています。私の立場は、昨年来この欄で書いているとおり一貫しています。「無駄な道路は造らず道路特定財源は一般化を目指す。しかし、国と地方合わせて2.6兆円もの財源を生み、国際的にみても高いと言えない暫定税率を、一時の燃料高騰のため引き下げるということには慎重であるべき。環境対策も必要。」

 暫定税率がなくなると、所沢市では5億6千万円、ふじみ野市では1億7千万円、三芳町では8千万円の収入が一気に吹き飛びます。これらは通学路や生活道路の補修・整備や、開かずの踏切対策などに使われ、私の意見によれば、今後環境や福祉にも使われていくものなのです。責任ある立場でこうした議論をしっかりしていく所存です。ご支援をお願い申し上げます。

≫平成20年1月9日

 昨日、肝炎対策の議員立法案が衆議院本会議を全会一致で通過しましたが、山場は何といっても新テロ特別措置法をめぐる会期末に向けた攻防で、今週末から国会は緊迫しそうです。

 もっとも、まだ地元の新年会などの行事に出席するのが忙しい日々です。やはり「国の無駄遣いをなくして欲しい」「物価も高いし、景気はどうなるんだ」という声が多いです。こうした生の声に答えていくことが大切です。地方分権と行財政改革を徹底して無駄遣いをなくすこと、人も企業も活力を持てるような改革を進めること、教育など人材の育成と少子化対策、環境への配慮。抵抗もありますが、大きな支援の輪を広げていただけたら幸いです。

 このたび所沢市議会では、取り調べの可視化の実現と、民法772条の嫡出推定(婚姻解消から300日以内の子供を婚姻中の子供と扱うこと)に関する運用の見直しを求める意見書を国に提出されたとのことです。
 いずれも昨年マスメディアで大きく話題になり、私も自民党法務部会で検討の最前線にいる案件です。難しい問題ですが、基本的に所沢市議会の目指す方向と私の理念は一致していますので、しっかり意見交換もしながら取り組みを続けたいと思います。

≫平成20年1月1日

 激動の年、平成20年がいよいよ始まります。

 この正月、私は日本BS放送11の「新春討論 この国のゆくえ」というテレビ番組に出演し、今後の政局について野党の議員と議論することになっています。放送時間は、1月1日午前9時30分から、再放送が1月3日午前6時からと午後11時からで、放送時間は2時間です。出演は、自民党から菅原一秀衆議院議員、松本洋平衆議院議員と私、民主党から蓮舫参議院議員、細野豪志衆議院議員、笠浩史衆議院議員です。

 当然のことながら年金問題や肝炎対策が大きなテーマとなりますが、これらは本来与野党で大きな政策上の対立が生じにくいテーマなのです。
 年金は、老後のセーフティーネットとなる給付を穴がないよう整備するにはどうするかという話で、保険料方式から税方式への段階的な移行は避けられない状況ですし、肝炎対策については、薬害が明らかとなっている患者につき、道義的責任も含めた国の責任を認めた上で合理的な補償を行う方針に争いはありません。

 これらの問題は確かに国民的な関心事であり、かつ極めて重大な問題ですが、私は、「努力が正当に報われる社会を実現して将来に希望が持てるようにするのか、格差を強調するあまり日本の活力を低下させてしまうのか」という二大政党制の本質を見極めた政策論争を行うべきだと考えます。福祉の問題にせよ、消費税の問題にせよ、社会の活力をどう高めていくかという議論とセットでなければ語れないのです。今年はそうした観点から、具体的な提言を行っていきたいと考えています。

 世界の動向に対する世論の関心が薄らいでいるように感じるのも気がかりです。
 今年は北京五輪、米国大統領選挙、洞爺湖サミットほか重要な国際日程が目白押しです。韓国では経済強化を訴える李明博氏が久々の保守政権を率いることとなり、ロシアではメドベージェフ新大統領がプーチン氏の影響下で強烈な国益拡大を図ってくるでしょう。中国、インド、中東湾岸諸国もどんどん力をつけてきます。
 その一方で、環境の破壊と加速する温暖化、ブット元首相の暗殺をはじめ、政情不安地域の治安悪化と貧困の連鎖はとどまるところを知りません。
 こうした状況に的確に対応できなければ、日本の立場はたちどころに低下してしまい、大きな損失をこうむります。原油価格が高騰しているからといって、貴重な財源となっているガソリン税の暫定税率をなくしてしまうのが本質的な解決なのか、大きな視点を持てばもう少し冷静な議論が可能なはずです。

 いずれにせよ、今年の政治はねじれ国会のもと「耐え忍ぶ」政治となりそうですが、決してそれが「後ろ向き、内向き」の政治にならないよう、肝に銘じていきたいと思います。

平成19年

≫平成19年12月25日

 年末を迎え、引き続き忙しい毎日です。

 週刊誌の取材依頼や、議員立法提案者として取り組んできた振り込め詐欺被害者救済法の成立に伴って、金融専門誌から解説の原稿依頼があり、また、10日前の三芳商工会での研修に続き、今日は所沢ロータリークラブでの卓話にお招きをいただき、講師を務める予定です。

 諸活動の中で、政策や政治姿勢について様々な示唆をいただくことが多く、それをしっかり吸収していきたいと思います。中小企業や農家の方々、従業員の方々、医療関係の方々、ご家庭の主婦や学生の方々、福祉やボランティアで働いている方々、その他の方々に関しても、とにかく声を聞き、全てに満足できる答えを出せないかもしれないけれども、地方議員の皆さんとも連携を取り、対応に全力を尽くしていきたいと思っています。それが自民党に対する信頼の回復にもつながってくるでしょう。

 ここ暫く、党の行政改革実行本部幹事として、独立行政法人改革や特別会計改革、公務員労働基本権のあり方の検討などに関与しています。まだまだ内容・プロセスともに改善の余地があり、今後若手の同士や党の執行部、マスメディアなどを通して、改革に向けたエンジンをかけていきたいと思います。
 財政再建や福祉をはじめとした様々な行政サービスの向上は、こうした改革がなければ実現しないからです。

 C型肝炎問題で、福田総理が血液製剤の投与時期にかかわらず一律救済の方針を打ち出したことにより、事態は大きく動くことになりました。十分な救済が必要である一方、税金を使うわけですから、しっかり国民に説明責任を果たさなければいけません。議員立法による処理にあってはかなりの困難があると思いますが、早期の対応が望まれます。

 先日のこの欄で取り上げた銃規制に関しては、問題提起させていただいたとおり、泉信也国家公安委員長が、許可を受けた猟銃等とその所持者の全て(30万丁/17万人)の一斉検査を可及的速やかに実施するとともに、警察庁内にプロジェクトチームを立ち上げ、年度内に銃砲行政の総点検を実施することを明言されました。今後とも関心を持って活動を見守りたいと思います。

 今年もいよいよ終わろうとしています。来年は厳しい政局の年になろうかと思いますが、粉骨砕身、頑張って参りますので、引き続きのご指導を、心からお願い申し上げます。

≫平成19年12月17日

 佐世保市で発生した銃乱射事件は、日本でも身近な所まで銃汚染が進んでいることを浮き彫りにしました。

 今年に入って11月末までに、発砲事件は前年同期比10件増の54件、死傷者も12人上回る30人となっています。合法的に登録された民間の猟銃は30万丁となり、今回自殺した容疑者は規制基準の銃弾800発を大幅に上回る2500発を所持していたといいます。

 既に今年銃刀法の改正により、罰則強化をはじめとして規制が厳格化していますが、現実の所持許可、更新の運用が緩すぎるのでないかとの指摘があります。今回の容疑者に関しても、事前に問題行動が警察に報告されていたとのことです。今後「安全・安心を担う自民党」の名に恥じないような実態調査・提言を行う必要があります。私も積極的に活動して参ります。

 犯罪被害者の支援策もだいぶ整ってきました。しかし本来被害者に償いをするのは加害者であるべきことは言うまでもありません。国が被害者に経済的支援をした場合、適切に加害者に対して求償を行うべきだと私は強く主張していますが、法務省は、国が個人に対し、税債権などを除く一般私債権を請求する仕組みがないとして尻込みしています。

 この他にも、守屋前次官など、退職公務員の退職金不支給事由が明らかになった場合の、国による既払退職金の返還請求すらままならない異常な状況があります。

 私はこうした状況を打破し、国の財政再建と正義に資するため、必要な制度設計を行っていきたいと思います。

 日本人として初めてICC(国際刑事裁判所)の判事に選任された斎賀富美子さんが、今日自民党ICC議連の事務局長を務める私を訪ねて来られます。
 日本は今年10月にICCに加盟し、上記ICC議連の会長を務める高村外務大臣が、日本人の判事選任につき諸外国の理解を得るよう格段の努力をして下さいました。斎賀さんは国連代表部大使などの経験から人権分野での造詣が深く、「不処罰の文化」を世界から駆逐することに意欲を持っておられます。私からも激励のメッセージを送らせていただくとともに、今後のICCへの日本としての取り組みについて意見交換したいと思っています。

 国会は1月中旬まで臨時国会会期が延長されました。加入者が特定されない年金5000万件のうち、現在統合の見込みが立っているのが1100万件しかなく、1975万件が特定困難という衝撃的な結果が明るみに出ている中、解散時期は遠のいているとの見方があります。しかし、先延ばしにすれば本当に政局に明るさが見えるのか、不透明感は増すばかりです。

 このような中で、昨日、日経ビジネスの記者の方より、50年を超えた自民党の組織としての問題点をインタビューされました。意思決定のあり方や官僚との距離、人材発掘の方法、地方や団体との関係など、1時間にわたり話をしました。1月28日に一般書店で購入可能とのことなので、是非お読み下さい。

 党の税制調査会の大綱もまとまりました。私も後押ししていた事業承継税制の大幅な改革をはじめ、経済活性化を目指す様々な提言が取り入れられたのは良かったと思いますが、証券税制や保険に関する税制、相続税、法人・個人の課税のあり方、消費税など、持ち越しになった重要な論点が多々あります。
 また、政策税制に関しては野党からも効果の検証をしっかりすべきとの意見が出ています。
 こうした声をもとに、私も臆することなく必要な提言を進めて参ります。

≫平成19年12月9日

 地元で12月6日、新しい所沢の未来を創造する「しばワンCLUB」が発足しました。

 青年会議所や商工会議所、農業に携わる方、その他の30代から50代の若手約200名が会員となり、相互の交流やマンパワーの発揮により地元を活性化させていこうというものです。私も一体となり、地元から日本を変えていく原動力にしていきたいと思っています。

 おかげさまで、朝日ニュースター「ニュースの深層」への出演が無事終わりました。プロジェクト日本復活について、成立の経緯や方針を熱く語らせていただきました。

 欲を言えば、この勉強会が選挙対策などではなく、努力が報われ、将来に希望の持てる日本を再生するためのエンジンであることをもっと具体論をもって訴えたかったのですが、少し時間が足りませんでした。

 日本版GIC(シンガポール政府投資公社)を設立し、特別会計その他に眠っている政府資産の活用を行ったり、独立行政法人の整理・合理化を徹底することなど、タイムリーな提言をこれからも行っていきます。
 12月4日には渡辺喜美行革担当大臣と共に勉強会を実施し、現在のご苦労や施策を伺いました。次回11日には武部勤党改革実行本部長をお招きする予定です。

 少し残念なのは、前回のこの欄で触れた道路特定財源に関する私たちの提言がまとまらないうちに、自民党の方針が固まってしまったことです。
 私が党内で、「無駄な道路を造ってはならない。国交省の中期計画65兆円は根拠薄弱だ。」「財政難の折、一般財源化は避けられない。」と孤軍奮闘で発言したとおり、事業量は最大でも59兆円に圧縮され、それを超える分が明確に一般財源化されることになりました。

 しかしながら、これから地方分権を進めるのに、道路整備臨時交付金の交付率を引き上げることや、高速道路料金の引下げ手段として道路公団債務を国が最大2.5兆円引き受けることが本当に妥当か、もっと検討すべきだったと思います。また、今後常に道路利用の状況などの検証を行い、コストも含めた見直しを怠ってはならないでしょう。

 ガソリン税や自動車重量税などの暫定税率に関しては、民主党でも公明党でも廃止に向けた動きが出ています。私は既に述べたとおり、財政や環境を考えた場合、廃止は難しいと思いますが、今後折衝を見守りたいと思います。

 衆議院法務委員会で、借地借家法の改正案が、何とか野党の理解のもと、委員長提案という形で全会一致により委員会を通過しました。事業用借地権の上限を20年から50年に引き上げるという画期的な内容で、これで私が提案者となった議員立法は4本中3本がこの臨時国会で成立の見通しが立ったことになります。

 また、現在、オウム真理教によるテロ被害者救済のための特別立法に関与しています。振り込め詐欺もそうでしたが、犯罪被害者救済は大きなテーマの一つですので、しっかり取り組みたいと思います。
 さらに、党内で発足した「消費者問題調査会」のメンバーになることも決まりましたので、この分野でもきちんと成果を出して参ります。

≫平成19年12月1日

 先日のこの欄で、私がテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で取材に応じた場面が、11月30日の夜放送されると紹介しましたが、結局放送には使われませんでした。

 その理由として番組担当の方がおっしゃったのは、私が取材を受けた後、国や地方で道路特定財源堅持を訴える集会が相次いだり、また民主党でも検討会が行われ、一般財源化に慎重な意見が出たりして、それらを限られた時間枠内で放送する必要があったからということです。

 放送時間が限られているのは仕方がないことです。しかし私が取材を受ける中で、地元の方々と会合をした場面があったのですが、そこでは「年金などの仕組みをしっかりするべきであり、そのためにはたとえ党内で叱られても、無駄な道路を造るようなことは止めるよう提言して欲しい」といった意見が相次いでいたのです。

 都市と地方では有権者の考え方も違いますので、それを浮き彫りにするためにも、こうした場面や、私が取材の中で述べた意見も取り上げて欲しかったというのが本音です。

 私の意見は前回のこの欄で紹介したとおりで、上記の地元の方がおっしゃるように、道路の必要性は厳密に精査すべきだというものです。その意味で、国交省がこのたびまとめた道路整備の中期計画は、もっときちんと検証する必要性を感じています。

 ただ、その後プロジェクト日本復活の勉強会でこの問題を取り上げたのですが、必要な道路を検証する仕組みや暫定税率をどうするかで議論がなかなかまとまらず、次回までに世耕議員が提言の叩き台を作ってそれをさらに検討することになりました。

 無論、国と地方の関係を見た場合、この道路の問題でも、地方の裁量や財源の地方への配分割合を増やすということは当然だと思います。引き続き議論を深めて参ります。

 なお、新たなテレビ出演の依頼もあります。CS放送朝日ニュースター「ニュースの深層」という番組で、12月3日(月曜日)の午後8時から1時間の放送となります。生出演でキャスターとの対談ですので、今度は放送されないことはないと思います。
 テーマは、「財政再建に挑む!若手改革派」ということで、プロジェクト日本復活結成の背景と提言、日本が取るべき財政再建策などを話し合う予定です。是非多くの方にご覧いただければと思います。

 今週は、政治資金規正法の改正についても、与野党で方針がまとまったというニュースがありました。基本的に、私が8月のNHK日曜討論や与党プロジェクトチームの中で主張し、この欄でもたびたび紹介したとおりの内容です。
 すなわち、領収書等の原本チェックを、公認会計士などの第三者が行い、公開も全面公開を原則とするけれども、事務コストの増大や嫌がらせなどの排除のため、一万円以下の部分については、一定の理由によれば制限できるというものです。経理の常識に従った大きな前進であり、関係の方々には深く感謝する次第です。
 これからも新しい政治の実現のため、渾身の力を振り絞って進んで参ります。

≫平成19年11月27日

 24日の土曜日に、テレビ東京(12チャンネル)の「ワールドビジネスサテライト」という番組の密着取材を受けました。放送は30日(金曜日)夜11時からの予定です。

 年末の税制論議でも大きな話題となる、道路特定財源の見直しや関連税制の暫定税率をどうするかについて、自民党と民主党の議員が考えを述べるというものです。
 この問題では都市部選出の議員と地方選出の議員で意見が異なるだろうという前提のもと、私の日常の活動や地元の風景も取材されました。

 現在、ガソリン税や自動車重量税などは、道路整備に充当するという目的のもと、本則の2倍ないし2.5倍の暫定税率で課税されています。しかし、その大きな使途だった旧本州四国連絡橋公団の債務返済が終了し、公共事業も厳しい財政の中で削減を余儀なくされる中、余った部分は使途を特定しない一般財源とすべきだという閣議決定が既になされています。

 しかし参院選惨敗を地方の反乱ととらえ、「道路整備をしっかり行うためにも特定財源の堅持が必要だ」という意見が、特に地方選出の議員から主張されています。また、原油価格高騰により厳しい経営となっている石油・運輸をはじめとした業界からは、暫定税率廃止の要望も出されています。

 しかし、800兆円を超える負債を国が抱える中、環境問題や増大する社会保障費に対応するためには、これまで道路整備に充ててきた自動車関連税制の収入を一般財源に振り向け、道路整備の必要性を厳しく査定していくことが必要ではないでしょうか。

 また、暫定税率導入時には確かに目的税という意味合いがあったにせよ、一般財源化されたからといってそれを廃止してしまうと、国だけでも1.7兆円の歳入欠陥が生じることとなり、消費税引き上げが現実的でないこの時期においては、暫定税率の維持を立法府として改めて決断せざるを得ないと考えます。

 ただ、自動車関連税制が「環境税」的な色彩を帯びるとすれば、バイオ燃料やハイブリッド車などに関しては、インセンティブをつける意味で、一定の軽減をすることも選択肢だと思いますし、原油高の負担を少しでも和らげる対策も並行して講じるべきです。

 番組を多くの方にご覧いただき、また考えを練り上げていきたいと思います。所属する勉強会「プロジェクト日本復活」でもこの問題を取り上げることになろうと思います。

 プロジェクト日本復活といえば、先日21日に自民党財政改革研究会が中間報告を発表したのと機を同じくして、これに慎重な提言発表を行ったことが、翌22日の全国紙各紙に掲載されました。テレビのニュースでもかなり取り上げられています。

 党の財政改革研究会が、消費税率を2010年代半ばまでに少なくとも10%に引き上げるべきだと主張するのに対し、私たちは、まず歳出削減を既定路線のとおり徹底するとともに、金融政策を含むあらゆる手段で経済成長による増収を目指し、増税は最後の手段であると結論付けています。

 これは決して選挙対策ということではなく、特別会計や独立行政法人の見直し、政府資産の有効活用などによってまだ財政を好転する余地があるということ、先進諸国でも財政再建のためにはまず徹底した歳出削減によった場合が成功していること、増税アナウンスにより歳出規律の緩みや景気への悪影響が生じることなどを考慮したものなのです。現に、その後株価は、依然低迷を続けています。

 私たちの活動が日本を救うと信じ、これからもしっかり活動を続けて参ります。

 昨日は、お隣の埼玉9区選出の大野松茂内閣官房副長官のパーティーで司会を務めたり、衆議院法務委員会の視察があったりと忙しく過ごしました。
 法務委員会の視察は府中刑務所と東京拘置所を対象としており、私はいずれも訪れたことがあるのですが、ここまで丁寧に見せていただいたのは初めてでした。
 鳩山法務大臣の発言で死刑のあり方が問われる中、東京拘置所の死刑執行の刑場も視察しました。受刑者や刑務官の心情を思うと、非常に重いものを感じます。これからも様々な側面から、死刑の問題を考え続けていきたいと思います。

≫平成19年11月20日

 連日、防衛省の利権をめぐる不祥事に、永田町が揺れ続けています。

 私が天下りの問題も含め、常に党内で主張しているのは、職務の公平・適正に疑いを生じさせるような、利害関係者との人事交流や利益のやり取りなどは排除するのが当然だということです。
 これは司法に携わる者にとっては、「利益相反の禁止」「裁判官の除斥・忌避」の法理などにも見られるとおり、あたりまえのことなのですが、役所の感覚は極めてルーズであると言わざるを得ません。

 特に防衛省に関しては、「防衛機密」の深い闇の中で、こうしたことが半ば恒常化していたとの指摘もあります。だからこそ、昨年、一連の防衛施設庁をめぐる談合が問題となった際、石破議員(現防衛大臣)や私を含むプロジェクトチームの中で、監察官の設置や組織改編・規律強化などの改革を行ったのでした。

 国会が同意する役所の人事に関しても、従来与党は若干基準がルーズだったと思います。「経験が豊かだから」という理由で、独立行政法人などの関係機関のトップに所轄官庁の幹部を据えるなどの行為は、国民の理解を得られません。

 ただ、理解していただきたいのは、こうした問題点は、急速に改善されつつあるということです。

 先ほど述べた防衛省のプロジェクトチームもそうですし、数年前は、公務員倫理法の成立や、内部通報者保護のための公益通報者保護法も成立しています。今年の通常国会で成立した公務員法の改正も、こうした問題に対処するものでした。
 ある意味、今は新しい感覚からずれた過去の事例があぶり出されてきている過渡期なのだろうと思います。今後とも、しっかり改革の議論をリードしていきたいと思います。

 「あまりいじめると優秀な公務員が集まらなくなる」という議論がありますが、まっとうな職務遂行をしなければ厳しい処遇を受け、真面目に働けば報われるというシステムを導入することは、公務員いじめでも何でもありません。

 先日の大阪市長選でも、こうした問題が与党候補の惜敗に関係していると思います。
 この選挙は今後の政局をさらに不透明にする可能性があります。引き続き気を引き締めて、日常の活動を続けて参ります。

 昨夜、地元で自民党所沢支部の拡大役員会が開催されました。所沢市長選挙をめぐって混乱したこともあり、役員は支部長の私以下いったん退き、常任相談役の皆さんを中心とした選考委員会で選び直すこととなりました。
 その場で、私が再度支部長に指名され、副支部長に再指名された藤本県議とともに、選考委員会やほかの皆さんのご意見を伺いながら、今後の新体制を作っていくこととなりました。自民党にとって厳しい状況が続きますが、しっかり立て直しを図って参ります。

≫平成19年11月10日

 一連の民主党の混乱は、小沢代表の辞任表明の撤回によりひとまず収束したようです。

 私が前回のこの欄で指摘したとおり、日本では基本的に衆議院で小選挙区制度をとることになりました。選挙は政権選択の意味を持つようになり、民意を問わずに離党や政界再編を行うことは困難になっているのです。ベテランの政治家たちにそうした認識があったのか疑問を感じざるを得ません。

 ただ、小沢代表の行動が停滞する政局の打開に一定の意味を持ったことは事実だと思います。

 昨日の衆議院本会議で、私が議員立法案提出者として成立に尽力してきた被災者生活再建支援法がようやく可決しました。今臨時国会は昨日が最終日で、35日の延長決議を行いましたが、それまで一本の法律も成立していなかったのです。
 この法案は与党案が衆議院に、民主党案が野党多数の参議院に提出され、それぞれ審議されていたという、まさにねじれ国会を象徴する案件でした。しかしながら、被災者の方々から「一日も早く法律を成立させて、これまで認められなかった支援金の住宅本体の再建への利用をできるようにして欲しい」という声が大きく、与野党の協議が精力的に行われました。
 その結果、与党および野党のそれぞれの法案は共にいったん撤回され、支給額などに関して与党案を中心とした修正案を与野党が協議の上取りまとめ、新潟県中越沖地震をはじめとする今年発生した4つの災害にも特例として同法の適用を認める文言を織り込んで、改めて参議院に合意案を提出し直し、それが参議院・衆議院の順で本会議を通過したのです。
 この合意案は参議院に提出されたため、衆議院議員である私は形式的には提案者には入っていませんが、この歴史的な法案成立に関与できたことには満足しています。

 先の通常国会にせよ、今回の臨時国会にせよ、私は党内の政策立案段階での仕事が多く、なかなか議会での質問の時間がありません。そもそも内閣提出法案も議員立法案も、与党内手続きを経て議会に提出されているのですから、与党側の質問は時間も限られ、内容も穏当なものになりがちなのです。それでも重要な局面では質問に立たせていただいており、今後とも「質」に重きをおいて頑張りたいと思います。

 年末にかけて、消費税、道路関連税制、証券税制や、私が小委員会で総括主査を務めさせていただいている事業承継に関する税制などの議論がいよいよ党内で本格化します。改革派勉強会「プロジェクト日本復活」でもこうした問題をしっかり取り上げていきたいと思います。

 地元でも、10月31日に所沢青年会議所が主催した夜回り先生水谷修氏の講演会に出席するなどの活動をしています。この講演会では、現在の子供が直面する様々な変化や、親をはじめとする大人が何をすべきかを学ぶとても大きな機会となりました。ドラッグやリストカットの問題が非常に深刻になってきていることに改めて衝撃を受けました。

≫平成19年11月6日

 大連立政権への動きの表面化と、それが党内に受け入れられなかった民主党小沢代表の辞任表明。ここ数日政局が激動しています。

 衆参両院の間で多数派のねじれ現象が生じている以上、政策を前に進めようとすれば与野党の協力が必要です。しかし、衆議院で基本的に小選挙区を採用しているわが国で、争った勢力同士の大連立政権を作るとなると、国民に対してはかなり厳しい説明責任が生じるのではないでしょうか。ドイツなどでも大連立政権が実現していますが、基本的に比例代表選挙を採用していて連立が恒常化し、選挙に政権選択の意味合いがさほど濃くない国と日本を同一視することには若干無理があるように思います。

 福田・小沢会談の背景には、マスコミ幹部や元首相の関与も取り沙汰されていますが、国益を踏まえた慎重かつオープンな議論を期待します。

 小沢代表が辞任した場合の政界再編などの可能性も取り沙汰されていますが、中選挙区時代と違って、党の離合集散や離党はしにくい環境になっています。状況を注視していきたいと思います。

 現在、被災者生活再建支援法が衆議院災害対策特別委員会で審議入りしており、議員立法提出者の一人である私も答弁に立っています。相次ぐ冤罪事件を受けて、捜査の録画録音の議論も始まりました。いかなる政局になろうとも、自分のなすべき仕事を着実にこなして参ります。

 今夜は地元のロータリークラブで、近時の政局と中小企業対策についての講演を行います。その後は東京に戻って、深夜までプロジェクトJ(日本復活)の政策提言に向けた勉強会です。しっかり頑張ります。

≫平成19年10月27日

 連日、大変忙しい毎日です。

 党の金融調査会では、前回のこの欄で書いたとおり、消費者金融のATM利用料について、特に小規模の借入れと返済を繰り返さざるを得ない利用者に配慮を求めるよう、この夏当選の森雅子参議院議員たちと活動しました。結果として、1万円以下の利用に関し、当初案の420円から105円へと大幅な引き下げを実現しました。
 保険商品の金融機関における窓口販売についても、予定どおりこの12月に全面解禁を認める代わりに、前回のこの欄で示したとおり、保険代理店との公平性や顧客の個人情報保護などに配慮した政令を明確にすることで決着しました。窓口での説明責任の厳格化などを考えると、当面は一部の種類の商品のみが対象となるように思います。

 連日立ち上げのため奮闘中の、自民党中堅・若手議員の改革派勉強会「プロジェクトJ(日本復活)」の本格的な趣旨発表の記者会見が、10月23日に実施されました。このニュースは翌24日付のほぼ全ての全国紙政治面で取り上げられ、特に日本経済新聞2面では、全てのメンバーの名前の紹介と、前回ゲストで講演して下さった中川秀直元幹事長のインタビューが掲載されました。もちろんテレビのニュースでも会見の模様が放送されました。
 この勉強会がこれだけ注目を集めるのは、自民党の財政再建その他の政策の方向性を大きく左右する可能性を秘めているからだと自負しています。今党内では、参議院選挙の惨敗を受けて、改革の後退と地方にうけるバラまき型政治の復活の兆しが見え、財政再建のためには消費税の引き上げを大胆に行うべきだという意見が大きくなっています。しかしむしろ、改革を徹底するとともに、地方や不振な産業については活力を発揮する政策をとることにより、歳出削減と経済成長による増収を通じて財政再建を図るべきだというのが私たちの立場です。
 もちろん消費税の税率引き上げが不必要と言っているのではありません。特に基礎年金を全額税方式に移行していこうという流れが強まる中で、財源として消費税が注目されるのは当然です。しかし過去の歴史をひも解いても、財政再建にいきなり増税から入って成功した事例はまれであり、徹底した歳出削減を先行させなければいけないのです。また、現在日本では経済成長はさほど見込めないという意見もありますが、OECD諸国では平均5パーセントの名目成長率を達成しており、低水準とされるドイツでも、日本を上回る3パーセントとなっているのです。これにはEU統合の動きという要素がありますが、それでも日本が2パーセントという水準に甘んじるべきだとは思えません。社会保障のセーフティーネットを充実させるためにも、環境に配慮する余力を持つにも、経済がしっかりしていることが重要です。
 こうした活動を踏まえてか、私が事務局次長を務める党の国際競争力調査会において、西村康稔議員が会長代行に、山際大志郎議員が事務局次長に就任するなど、私たちの勉強会のメンバーが続々と役員に呼ばれています。今後とも、「強い経済とやさしい社会」を目指した提言を行って参ります。

 この他にも、衆議院の法務委員会理事として委員会運営に携わったり、経済産業委員として活動したりしています。私が今国会で提出者となっている4本の議員立法の取り扱いの協議にも参加しています。今日は、そのひとつである被災者生活再建支援法改正案について、都内で開催されるシンポジウムに、自民党を代表してパネリストとして出席します。
 体調に気を付けて日々を送りたいと思います。

 地元所沢の市長選挙では、民主党が推薦する当麻よし子前県議が当選となりました。自民党所沢支部としては保守系の市長が誕生するよう様々な努力をしてきましたが、こうなった以上、よりよい市政実現のため、市議会としっかり連携を取っていく所存です。今後ともよろしくお願い致します。

≫平成19年10月13日

 昨日朝、首都圏662駅の自動改札機が一斉に作動しなくなってしまいました。私は電車で国会に通っているため、駅の改札で職員の方々がカードの精算を求めるなどするお客さんたちの対応に追われる姿を目の当たりにし、システム化された現代社会の落とし穴の恐ろしさを感じました。航空機などの安全確保の部門や、金融市場などでこうした事態が発生したら取り返しがつかないことになりかねません。リスクの回避やメンテナンスなどには十分な配慮が必要です。
 いよいよ臨時国会は委員会審議が本格化します。テロ特措法をめぐり、民主党小沢代表が、アフガンのテロ防止のため、軍事力を伴う活動(ISAF)は直接の国連決議によって正当化されるから日本の自衛隊は参加すべきだが、給油活動には直接の国連決議がないから日本は参加できない、という論理を用い、しかも党内で詰めた議論を行っていないのにこの方針に反対する者は離党するしかないと発言したことが波紋を呼んでいます。国連に行くと憲法は変質するのかという石破防衛大臣の疑問はもっともです。他にも、年金や政治と金の問題が議論されています。
 そのような中で、9月15日のこの欄で紹介した、山本一太・世耕弘成議員をはじめとする自民党中堅・若手議員の改革勉強会が活発に活動を展開しています。今週の第2回の定例会では、勉強会の設立趣意書とアジェンダ(マニフェストの基礎となる検討項目)につき私が叩き台を作り、勉強会顧問の竹中平蔵教授とともに会の全員で検討し、あわせてゲストの中川秀直元幹事長のお話を伺いました。次回からは河野太郎議員も参加されるとのことです。この勉強会を通じて、改革の果実が国民生活にあまねく行き渡り、希望に満ちた未来を実現するための政策提言ができるよう、引き続き頑張ります。
 昨日、自民党のメンバーとして、公明党との政治資金透明化に関する協議会に出席し、議論に参加しました。その結果、国会議員に関しては全ての支出の領収書等の公開を行うこととしますが、その方法については、行政コストの肥大化防止に配慮し、かつ実効性のあるものとするという表現で合意しました。民主党の主張するような、全ての領収書のコピーを役所に提出・保存し、情報公開の対象にするといった仕組みでは、このような要請には答えられないと思います。私が前回この欄で書いたような、領収書の原本の外部専門家チェックを採用するとともに、税金が原資となっている政党交付金の支出に関しては全ての領収書のコピーを役所に備え付けて一般公開に供しますが、それ以外の支出に関しては一定のコスト削減に向けた工夫が必要になってくるでしょう。ライバルや悪意の第三者への考慮も織り込んだ仕組みを構築して参ります。
 この他にも、年内に全面解禁が予定されている、保険商品の金融機関における窓口販売を予定どおり行うかについて、党の財務金融部会副部会長として議論に参加しています。保険代理店との公平性や、顧客の個人情報保護などに配慮することが必要で、特に自動車保険などは、窓口販売のニーズがさほど高くないことからすれば、慎重にすべきだと思います。
 これとは別に、消費者金融のATM利用料の上限についても議論が行われ、私は適切な水準かどうかきちんと調査すべきと主張しました。
 地元所沢の市長選挙は混迷しています。自民党所沢支部としては、現時点では特定の候補者に対して支持ないし推薦を行うに至っていませんが、市の将来を真剣に考え、今後取るべき方向を、様々な意見を伺いながら模索して参ります。

≫平成19年9月30日

 ミャンマーで治安兵に射殺されたジャーナリスト長井健司さんの映像は、非常に衝撃的なものでした。
 デモ活動を取材しているところを至近距離から銃撃するという行為は到底許されるものではなく、真相解明と遺族への賠償措置、関係者の処罰が求められるのは当然です。
 野党が弱体化したミャンマーでは軍事政権への不満は水面下にたまっており、僧侶のデモをきっかけに一挙に政情が不安定になったという事情がありますが、こうした法と正義に反する事態を見過ごすわけにはいきません。中国やタイなど関係の深い国を含め、国際社会が連携して経済制裁などの措置を検討すべきと考えます。
 明日は私が所属する自民党政治資金透明化プロジェクトチームの第2回会合が開かれます。私は一円以上のすべての領収書を収支報告書に添付することは、原本であれば賛成ですが、写しであれば労多くして実効性が少ないと考えています。
 現在発生している領収書の多重コピー添付などを見破るには原本チェックが一番です。また、領収書の政治家側での書き直しなども認めている現行制度下では改ざんも容易にできてしまうところ、原本の添付が必要となればそうしたこともなくなります。コピーを取るとなれば事務やコストも膨らむし、民間企業でも確定申告などの際にこのようなことをしているわけではありません。それよりは、私がNHKテレビ日曜討論でも主張したとおり、原本を添付した収支報告書の公認会計士などの外部専門家のチェックを受けた後、一定の期間保管義務を政治家に課して、問題が発生した場合には証拠として提出させるという形にした方がよほど一般の経理の常識にかなっています。公開のあり方についても、透明性の徹底化と、ライバルや悪意の第三者への考慮を両立させる仕組みを、一般企業や公的機関の経理を参考にしながら構築していく所存です。

≫平成19年9月27日

 福田内閣が発足しました。
 閣僚は大半が安倍内閣からの留任ですが、福田総理の信頼感もあってか、内閣支持率は高水準のようです。全力で安倍総理を支持してきた者として、その辞任が国政の停滞を生んだことを改めてお詫びすると同時に、この内閣が国民の負託に応えられるよう引き続き自らの立場で努力を続けることをお誓い申し上げます。
 当面、年金・テロ特措法と並んで、政治とカネが問題となりますが、早速私は自民党政治資金の透明化に資するプロジェクトチームのメンバーとして招かれ、議論に参加しています。一円以上の全ての支出に領収書添付を義務付けることは時代の流れとして進めていく方向です。また、国民の常識に沿った経理処理を政治の世界に広げていくため力を尽くす所存です。
 23日のこの欄で触れた、被災者生活再建支援法の改正案についても、これから伊吹幹事長や二階総務会長への説明、党政策審議会や総務会での了承などを進めて参ります。今日は公立学校施設耐震化等整備促進議員連盟の総会もあります。無論、地元所沢市長選挙への対応も急務です。懸命にそれぞれの活動に取り組んで参ります。

≫平成19年9月23日

 本日午後、自民党総裁選挙の投票が実施されます。
 様々な討論会を通じて、福田・麻生両候補の主張に耳を傾けて参りました。特に、一昨日党の青年局が主催し、私が御法川信英議員とともに司会を務めた公開討論会では、全国から集まった若手地方議員の前で、両候補が本音で語り、その政策・人柄の違いが浮き彫りになったと思います。
 福田候補は、その策定に私も尽力させていただいた「200年住宅ビジョン」を例に、持続可能で環境に配慮した社会の実現を訴えるとともに、格差問題に関しては、予算執行の面で地方を重視しつつ、構造改革を貫くと明言されました。
 一方の麻生候補は、北朝鮮による拉致問題に大きな時間を割くとともに、構造改革に関しては、「小泉さんをあなたたちは支持したが、私は市場原理主義者にはついていけないと竹中さんとはずっと意見が対立してきた」と述べておられました。
 この数日間、私のもとには、総裁選挙に関して多くのE-mailが届きました。福田候補の選挙対策本部事務局入りすることに関しても、本当に私と福田候補の政策が一致しているのかとか、同床異夢の支持勢力を持つ福田候補に付くのは勝ち馬に乗りたいだけでないかなどの意見が寄せられています。さらに私が心配しているのは、両候補いずれが総裁になったとしても、自民党が先祖帰りして党改革が停滞してしまうのでないかということで、9月22日付の読売新聞全国版2面にも私がこうした懸念を持っていることが紹介されています。
 しかし、今回総裁候補となっているのはお二人だけなのです。完璧に自分の政策と一致していなくても、よりよいと思う候補に投票し、その上で自分の考える政策をいかに実現していくかを考えることこそが重要だと思います。もちろん党や政治全体の改革も是非とも進めていかなければいけません。私の立場はこのホームページの左の政策提言の欄に書かせていただいているとおり、「和魂洋才」です。残念ながら多くの自民党議員は、「和魂」を持つ方は「洋才」に心を閉じ、「洋才」に長けた方は「和魂」に思いを致しません。歴史問題に関しても、正確な事実の確定を行うこととそれをいかに評価すべきかをきちんと整理すべきだと私は主張していますが、その兆しも見えていません。こうした状況のもとでは、総裁選挙よりもこれからが大切なのだと思っています。自分にできることを、精一杯やっていく所存です。
 先週は、党の内閣部会長代理としても、非常に忙しい日々でした。被災者の生活再建支援法に関し、内閣がこれまで採ってきた「個人の資産形成のために予算は使えない」という頑迷な解釈のもと、住宅に関して解体費用や再築のためのローンの利子部分等にしか支援がなされなかったのを、住宅本体にも使える定額支援という形に改善するなどの内容の議員立法の取りまとめ作業をしていたのです。これまでの制度は非常に審査も大変で、民主党からは今国会に改正法案提出の動きが出ていました。公明党の赤羽一嘉衆議院議員が中心となり、全国知事会のご意見も参考にしながら、何とか与党案提出の目処が立ったところです。
 この法案を含め、私は今国会で4本の議員立法案提出を行うこととなりました。委員会で答弁席に立つなど、これから本当に忙しい日々が続きそうです。
 所沢市長選挙に関しても、自民党所沢支部としての対応をいよいよ決めなければいけません。拡大役員会を開催して何とか方向性を見い出したいと思っています。

≫平成19年9月18日

 自民党総裁選の福田・麻生両候補が、本格的な論戦を開始しました。
 福田候補の主張はバランスが取れていると思います。また、私が15日のこの欄で、重視する政策として挙げた「上げ潮路線」と「復党問題」についても、納得できる説明をされています。すなわち、前者については、構造改革をきちんと継続してその上に地方や弱者への対策を上乗せしていくという表現をされ、後者については、党の原則を尊重し、選挙区の事情を勘案しながらも現職を大事にするとされているのです。
 しかしながら、私のように、改革の基本路線を継承して、安倍改造内閣で芽生えた路線の変更をただせるから福田候補を支持するのだ、と主張する中川秀直前幹事長や塩崎恭久前内閣官房長官のような方々もいますが、小泉・安倍政治の転換を期待できるから福田候補を支持する、と逆の理由で支持を表明される方々もいます。こうした同床異夢の多彩な勢力に支えられた福田候補が、総裁就任後にしっかりリーダーシップを取れるためには、支える私たちがきちんと提言を行っていかなければいけないと感じています。また、福田候補はハト派のイメージが強いですが、対話路線はよいとしても筋を曲げない、主張する外交を是非展開していただきたいと思います。
 一方、麻生候補の演説はさすがに人を惹き付ける力があります。しかし私が重視する上げ潮路線や復党問題については、必ずしも納得できる方向を示しておられないように思います。一般世論の支持も、予想ほどは大きく伸びていないとの調査が出ています。
 諸般の事情を考慮し、今回私は福田候補の支持をすることを決めました。早速、福田選挙対策本部から事務局に呼んでいただき、中山成彬事務局長を支えて活動を開始しています。現在所沢市長選挙への対応をはじめ、地元での活動も非常に重要な局面を迎えていますが、どの場面でも全力投球していきたいと思います。

≫平成19年9月15日

 自民党総裁選をめぐり、この一両日、怒涛のような動きがありました。
 福田元内閣官房長官に対し、9派閥のうち8つが一気に支持表明をしたことに関しては、正直言って違和感を感じます。一昨日のこの欄で述べたとおり、まずは改革に対するスタンスなど、候補者が自分の理念を明らかにし、それに対してこれまでの言動も考慮した上で慎重に判断することが必要だと思うからです。福田元長官は、しっかり政策を述べた上で支持をいただいているのであり、派閥の密室談合という批判は当たらないとお述べになっていますが、それなら一刻も早くその理念・政策を公の場で明らかにし、やはり出馬表明をされた麻生幹事長と論戦の機会を持っていただきたいと思います。
 私がその論戦でまず注目しているのは、このホームページの政策提言の欄に述べさせていただいている「上げ潮」路線にどのようなスタンスを取られるかということです。歳出削減や公務員制度改革を含めた構造改革をしっかり行い、民間の創意工夫により得られる果実を最大限に図らなければ、地方や弱者の救済も図れないことから、この「上げ潮」政策はきちんと続けなければいけません。この点、改造内閣になってからスタンスが変わる兆しが見られたとの指摘があり、説明が必要です。
 もう一つは復党問題です。言うまでもなく、一昨年の衆議院総選挙は、郵政民営化の是非を最大の争点として行われました。にもかかわらず、これに反対して自民党を離れた方々を、何の条件もなく、落選議員も含めて、一気に復党させることとなれば、選挙の前提そのものが失われますし、国民からだまされたと言われても仕方ありません。現執行部はこうした動きを進めており、これに特に一回生議員は強く反発しています。しかし、利害関係を有する議員でなくても、民主主義、とりわけ小選挙区時代のマニフェスト選挙を死滅させることとなるこの動きには、しっかり反対の声を上げるべきだと思います。
 この他にも、政治と金の問題、年金問題、テロ特措法問題など、きちんとした論戦を期待します。
 このような中で、改革派の中堅・若手の議員が、竹中平蔵教授を顧問として、強い経済とやさしい社会を旗印として政策提言を行うための勉強会をスタートさせました。メンバーは、山本一太、世耕弘成、西村康稔、山際大志郎、上野賢一郎、山内康一、佐藤ゆかり、そして私の8人です。これからまた、真に理念を共にできる新メンバーを迎えていくことになりそうです。今後、しっかり活動し、政府・与党に提言をして参ります。

≫平成19年9月13日

 安倍総理の辞任はまさに衝撃的でした。
 総理の記者会見によると、テロ特措法の延長につき、民主党小沢代表との会談が暗礁に乗り上げたことが直接のきっかけだということですが、再起を期した改造内閣で問題が多発するなど、心労も極限に達していたのだと思います。健康上もかなりの不安があったとのことで、たとえ無責任との批判を受けても、最後に所信表明演説で自らの思いを絞り出して後継に託そうとされたのではないかと思います。
 私の政治活動の原点を、公募制度の導入という形で作って下さった総理が辞任されるのは残念でなりませんが、こうなった以上は頭を切り替え、厳しい日程の中でもしっかり国民の利益を体現できる強力な内閣を誕生させなくてはいけません。
 自民党では、議員や各県連代表だけによる総裁選挙を急いで行うべきとの意見もありますが、議員の感覚や力学が民意と食い違うことはこれまで様々な場面で経験してきたことです。少なくとも党員一般の意見を何らかの形で反映することを、混乱の期間を最小にする工夫を凝らしながら、図っていかなければいけません。
 私が所属する改革加速議員連盟の会合が、昨夜急遽開催されました。小泉前総理の再登板を求める声も強く出ましたが、まずはきちんと地方や弱者に配慮しながらも改革を続行する動きを大きな形にし、それを実現できる力のある候補者を、これまでの言動・今後表明される意見を見極めた上で、判断することが必要だと思います。権力闘争に振り回されたり浮足立ったりすることは厳に慎まなくてはいけません。

≫平成19年9月11日

 いよいよ会期2ヶ月の秋の臨時国会が始まりました。政治と金の問題やテロ対策特別措置法の延長などが大きなテーマになっています。
 安倍総理は、テロ防止のための給油活動の継続を国際公約と位置付け、職を賭して実現に取り組む方針を明らかにしました。全野党が反対の方針を示し、かつ参議院で野党が多数派であるにもかかわらず、このように退路を断つ形をとったことにより、政局の緊迫が予想されます。世界におけるテロに対しての毅然とした取り組みの状況や日本の活動の持つ意味等、国民に対して丁寧な説明をしていかなくてはなりません。
 こうした中、私は引き続き自民党の国際局次長を務めることになりました。昨日は、一週間にわたり開催されていた、外務省主催のイスラエル・パレスチナ合同青年招聘事業の懇親会に出席して、参加者や両駐日大使などと意見交換し、両国における若手の各界の担い手が率直に立場や意見の違いをぶつけ合いつつ、お互いの信頼を築いていくことの継続が、中東和平の促進に役立つと主張しました。
 自民党ではこのほか、新たに内閣部会長代理として、省庁横断案件の取りまとめに尽力することとなりました。それ以外にも、法務、経済産業の分野などで様々な重責を担うこととなりそうです。現在、政治が国民の信頼を裏切り、改革や透明化に逆行する動きがありますので、何とかそうした動きに対抗していきたいと思います。
 地元所沢の市長選挙は混迷の度を深めています。自民党所沢支部としての対応を、近く協議する必要があります。

≫平成19年9月3日

 遠藤武彦農水大臣が、自らが組合長を務める農業協同組合の補助金不正受給問題で辞任の意向を固めました。また、DV法の改正など仕事をご一緒することの多かった坂本由紀子外務政務官も、収支報告書で経費を二重計上していたことを理由に辞任するとのことです。
 内閣改造後まだ1週間しか経過していないのにこうした事態が相次ぐのはとても残念です。いずれの事例も議員本人が関与していたのではないことから発覚が遅れたのでしょうが、今後は議員からのスタッフへの指導徹底を図るとともに、経理などは、国会議員が関与する団体に関しては、外部専門資格者のチェックを受けさせる(もちろん問題発生時にはその資格者の懲戒処分あり)ようなシステムが必要なのではないでしょうか。現在、収支報告書に1円以上の領収書全てを添付する案が取り沙汰されていますが、このアイディアの方がより実践的であるように思います。
 今臨時国会では、私は、既に3本の議員立法提出者となっており、中心的に進めてきた者として委員会審議の答弁席に立つことも想定されるため、自民党に提出した人事希望申告書で政務官などの政府側のポストを書きませんでした。別の場面で色々忙しくなると思いますが、懸命に努力したいと思います。
 各省の概算要求が出揃いましたが、増額要求のオンパレードです。歳出削減が大きなテーマとなっている中、いかに格差是正が求められたり今後シーリングで削られたりするとはいえ、旧態依然としたやり方に憤りを感じます。自民党の各部会での了承も、締め切り直前で実質議論を行う余地がありません。同じ項目が複数省にまたがっている場合の役割分担や、コスト削減の努力がどうなっているかなど、もっと時間をかけ、もし党で議論することが困難なら別機関できちんと検証するなどしなければいけないと思います。総務省の評価や会計監査の見直しなど、決算の精査を予算に反映させる制度を1日も早く構築すべきです。
 改正国籍法で父母いずれが日本人でも子が国籍を取得できるようになってから22年が経過し、日本国籍を持ちながら他国籍を有する方が今後国籍選択をどうするのか、地味ではありますが大きな問題となっています。二重国籍の関連では、フジモリ元ペルー大統領が日本の参議院選挙に立候補できることが話題ともなりました。私が座長代理を務める自民党国籍問題検討プロジェクトチームでも、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア各大使館からヒアリングを行いましたが、二重国籍の扱いについては色々国ごとに立場が異なります。しっかり国民の意見をもとに制度設計したいと思います。
 地元でも、防衛医大で開催された航空自衛隊ヘリコプターの患者搬送訓練に立ち会って、救急医療体制のヒアリングを行ったり、みよし祭りに参加したりなど、忙しい日程をこなしています。これからは地元で多くの皆さんから意見を聴く機会をもっと増やし、それを国政での自分の糧にできればと思います。
 そんな中、8月30日には、日本ビデオニュース「永田町コンフィデンシャル」に出演しました。最近の政治状況について熱く語りましたので、是非インターネットでご覧下さい。

≫平成19年8月28日

 安倍改造内閣と自民党新執行部の布陣が決まりました。総理大臣としての意思は貫きつつ挙党一致を目指した重厚な内閣と、大派閥を避けた党執行部というのが印象的です。私が8月11日のこの欄で述べたように、舛添議員など「耳の痛い忠告をして下さる方」もきちんと入閣されていますし、いわゆるタカ派に偏しているわけでもありません。また、これで党の日常の意思決定に携わる調査会などには、これまで総理を支えた前内閣の方々が帰って来られます。じっくり考えられた布陣だと思います。しかし、実際に仕事で結果を出さないと、国民の納得は得られません。説明責任を適切に果たせるかも問題となります。私も今後どのような立場となるかはわかりませんが、しっかり職務に励んでいきたいと思います。
 地元の所沢でも、現職の斎藤博市長が5選不出馬を表明されて以降、様々な動きが出ています。私も、真に市のためとなるにはどうすべきかを慎重に考え、様々な意見も伺う中で行動して参ります。
 名古屋市で発生した女性殺害事件は、闇サイトで知り合った者同士が行きずりの凶行に及んだもので、手口も極めて残忍であり、以後の犯行も計画していたという衝撃的な案件でした。こうした凶悪犯罪はやはり共謀の段階から対処しなければいけないのではないでしょうか。表現の自由があるからといって手をこまねいていては、類似の案件を防げないように思います。
 前回8月21日のこの欄で、温暖化問題について「冷房スイッチや電気を少し止めてみるキャンペーンの強化」を主張しましたが、直後から経済産業省を中心としてそのような動きがかなり見られます。党の部会でも、新潟中越沖地震で稼働を停止した柏崎原子力発電所の運転再開の見通しに関連して、私も含め活発な議論がなされています。今後とも、適切なタイミングで、本質を突いた活動を心がけます。

≫平成19年8月21日

 昨日、那覇空港で発生した中華航空機炎上事故で、乗客乗員全員が無事脱出できたのはまさに奇跡でした。
 中華航空は、平成6年にも名古屋空港で264名が死亡する大事故を起こして、その補償問題で難航を極めましたし、その後もたびたび事故を起こしています。現在急速な発展を続ける中国で、製品の安全管理がなおざりになっていないのかを問い直し、今一度関係者に徹底した原因究明と再発防止を求めていくことが必要でしょう。また、日本でもこの春、航空機のエンジントラブルや胴体着陸などが続いた時期があります。改めて国土交通省を含め、点検や危機管理につき万全を期して欲しいと思います。
 この夏、地球温暖化の影響もあってか猛暑が続いています。財政赤字、少子化問題、教育問題と並び、環境問題は「選挙の争点となりにくい長期課題」です。しかし、目先の利益に一見関わりがなさそうですが、実はこれらが税制や経済をはじめとした暮らしのあり方や、年金や医療などの身近な問題を左右しているのであり、こうした課題にどれだけ本気で取り組めるかが日本の将来を決めるのだと思います。
 日本は環境問題で世界のイニシアティブを取ろうとしていますが、自国で京都議定書に定めた温暖化ガスの削減目標を達成することが極めて難しい状況です。歳出削減を言う前に無駄遣いをやめろというのと同じで、自国の取り組みを徹底しなければいけないのは当たり前のことです。政府は中国に対して環境技術の提供や資金協力を行う見返りとして、温暖化ガスの排出権を取得するということですが、それは必要なこととしても、私には環境問題に対する国・国民を挙げての本気度が十分に感じられません。まずは冷房スイッチや電気を少し止めてみるキャンペーンを強化してはどうでしょうか。無論、それ以外にも、このホームページの中の政策提言の欄で述べているような案などを進めてみることが必要だと思います。まずは行動を起こすことです。

≫平成19年8月11日

 参議院選挙に伴う院の構成の変更などの事務手続きが終わり、いよいよ国会は秋の臨時国会へと向かいます。
 自民党では安倍総裁続投の是非をめぐって色々議論がありました。議論自体はよいと思いますが、権力闘争をしている場合ではありません。衆議院と参議院で与野党の大きなねじれが生じてしまったという異常事態を乗り越えていくには、党が一致結束しなくてはならないのです。
 地方出身の自民党議員の方々からは、参議院選挙の敗北は政策の失敗が原因だという声が多く出され、昨日閣議決定された来年度予算の概算要求基準で歳出削減の方針が継続していることにも、地方切り捨てだと異論が唱えられています。しかし、800兆円の借金を抱える今の日本には、構造改革による歳出削減を堅持するしか道はありません。もちろん地方や恵まれない方々の再チャレンジ支援はさらにきちんと検討しなくてはいけませんが、改革が後退してはならないのです。これからはつらい時でも国民にしっかり説明責任を果たし、理解を求める政治が必要になっていくと思います。野党は参議院の多数派を占めていることから、今後様々な攻勢をかけてくるでしょうし、我々も一定の協調は必要になると思いますが、筋を外さず、是々非々の姿勢を貫いていくべきです。テロ特措法などについても同じことで、私の意見は先日5日に出演したNHKテレビ日曜討論でも述べさせていただいたところです。
 安倍総理には、党の新執行部や閣僚の決定に際しては、巷間言われているような派閥均衡人事でも論功行賞人事でもなく、適材適所のチーム形成に徹していただきたいと思います。足を引っ張るような人は論外ですが、耳の痛い忠告をきちんとして下さる方を入れて欲しいです。
 今後は参議院について、その意義や衆議院との関係、都市と地方の一票の格差をはじめとした選挙制度の問題点などを検討しなければいけません。また、日本で進んでいる二大政党制は今後どうあるべきか、アメリカなどとどう違うのかということも真剣に検討するべきです。
 7月28日のこの欄に書いたとおり、米国の個人向け住宅ローンの信用不安をきっかけとした市場の混乱と、日・米・欧の中央銀行による資金供給が続いており、経済問題からも目が離せません。今後、折に触れて様々な問題を検討して参ります。

≫平成19年8月4日

 明日8月5日(日)午前9時からNHK総合テレビで放送される日曜討論に生出演することになりました。選挙結果を踏まえて今後政治家はどのような対応が求められるのか、私を含めた自民党の3人の議員と、民主党の3人の議員が討論するという企画です。与党大敗を受けて厳しい指摘があるでしょうが、誠実な受け答えをしていきたいと思います。
 今後政局は不透明さを増すでしょう。このような時だからこそ、政策活動などにつき本筋を外れないこと、説明責任を果たすことが求められます。覚悟を決めて臨んで参ります。

≫平成19年7月30日

 参議院選挙は与党の大敗となりました。ここに示された民意を厳粛に受け止め、深い反省の上で行動しなければいけません。
 10年前、トニー・ブレア率いる労働党がイギリスで保守党から政権を奪った後、イギリスはサッチャーやメージャーの改革路線を引き継ぎながら、最低賃金制度の導入や失業者再雇用プログラムなどの貧困対策に取り組みました。今の安倍政権が進める路線と基本的に同じであり、私はそれ自体が国民の信任を得られなかったとは思いません。安倍政権としては困難に耐え、政治と金の問題や閣僚の不祥事など、現在の諸問題を一掃して再出発することが必要だと考えます。
 私も厳しい中、今までに増して全力で職務に邁進致しますので、引き続きご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

≫平成19年7月28日

 ニューヨーク株式市場で、個人住宅ローンの焦げ付き不安をきっかけとして相場が急落しています。日本の週明けの株式相場もこの影響を受けることは必定で、さらに参議院選挙の結果如何によっては、傷口が大きく広がる可能性があります。今ようやく景気が持ち直しつつある中で、暗黒の時代に逆戻りすることは何としても避けなければいけません。
 昨日、菅総務大臣が、社会保険庁の年金記録統合作業への着手がいまだに遅れていると指摘されたことは極めて重大です。総理の明確な期限の目標を伴った指示があるにもかかわらず、何らかの理由で社保庁がそれに従わないということなのでしょうか。
 ちなみに民主党は、年金記録の統合に向けた具体的な案を示さないばかりか、保険料の無駄遣いや業務の怠慢を続けてきた社保庁を国税庁と統合して公務員組織として温存するという、何とも社保庁に甘い政策を提示しています。民主党の支持基盤である自治労に配慮したものでしょうが、このような政策をとったら私たちの税金の徴収などにも大きな支障が出てきてしまうのではないでしょうか。社保庁は健康保険業務等も所管しています。その改革が社会保障制度の向上のためには不可欠です。
 私たち連立与党は、社保庁を解体・分割し、職員は一旦退職していただいて真面目に仕事をする人だけを非公務員として採用するという、いわば当たり前の政策を実施します。是非どちらの案がすぐれているかご判断いただきたいと存じます。
 この参議院選挙では、山梨の入倉要候補や千葉の白須賀貴樹候補の応援演説にも伺いました。いずれも若手のホープでありながら激戦となっています。真の政治改革を進めるためにも、こうした候補が国政の場で活躍することの必要性を感じています。
 今日はいよいよ選挙運動最終日。浦和で午後6時から古川候補の、所沢で午後7時から高野候補の、打ち上げ式がそれぞれ開催されます。何としても埼玉では与党で2議席を確保できるよう、最後まで皆様のご支援をお願いし続ける所存です。

≫平成19年7月23日

 昨日22日実施した所沢駅西口での古川候補の街頭演説会は、おかげさまで2000人の方々が集まる大盛会となりました。
 森元総理大臣は、自らの癌の手術に先端技術を駆使して臨んだ執刀チームに古川候補がおり、その後も国民の医療や暮らしの向上のため懸命に研鑚を重ねてきたこの人が、これからの国政に何としても必要な人材であることを訴えられました。SAMさんは、一つ年下で家が隣だった従弟の古川候補が、信頼できる真面目な男で、情にも篤いととつとつと語られました。
 今、与党が大敗することとなればどういうことが起きるのか、18年前社会党が「おたかさん」「マドンナ」旋風で大躍進した時、9年前橋本内閣が消費税の5パーセントへの引き上げをして参議院選挙で大敗し、菅さんが参議院で首班指名を受けた時を思い出していただきたいと思います。国民不在の政党の離合集散や、世論に迎合した改革の停滞、経済の低迷など、決して国民生活にはプラスになりませんでした。
 まだ野党は、連立与党に対抗するだけの、説得力ある統一的な政策を打ち出せているとは思えません。とすれば過去と同じような政治的混乱が生じることは必定です。何としても、有権者の皆様には、冷静に今度の選挙に際してご判断をいただきたいと存じます。

≫平成19年7月18日

 16日に発生した新潟県中越沖地震の被害が広がっています。17日夕刻の時点で死者9名、負傷者1100名で、電気や水道などライフラインが寸断されたまま、9000人近い方々が避難生活を余儀なくされているとのことです。ここ3年以内にたて続けにこの地域で3回大地震が発生するという信じられない事態で、被災者の方々の心労は察するに余りあります。
 私は自民党の遊説局長ですが、今回の選挙では党の方針もあり、地元の活動を優先させていただいています。今回の地震直後、安倍総裁遊説先の長崎から、関東にいる私の携帯電話に連絡があり、すぐに遊説を切り上げ、自衛隊機で移動するという報告がありました。迅速に対応することは重要でありよろしくお願いしますとお答えしましたが、自衛隊による救援物資の派遣や、激甚災害法の指定に向けた現地調査など、その後の展開は予想以上のスピードを見せています。今後も充実した対策が望まれます。柏崎刈羽原子力発電所の放射能漏れ等は現在大きなものではないという報告がありますが、しっかり調査を継続するべきです。
 年金の権利回復に関しても、中央第三者委員会が、領収書などがなくても給付が受けられるよう記録訂正を認める15件の決定を行い、17日からは地方も含め、全国で一斉に審査申し立ての受付が始まります。大変な作業ですがこちらも迅速かつ充実した対応だと思います。
 埼玉選挙区では、連日の雨の中、各陣営が熾烈な活動を展開しています。与党に対する逆風は肌で感じますが、このような時だからこそ、社会保障のエキスパートで政治と金の問題でも法律家として信頼のおける自民党の古川候補へのご支援と、与党で2議席を確保することの重要性を訴えています。22日(日曜日)の午後6時からは、森喜朗元内閣総理大臣の来場のもと、所沢駅西口で古川候補の街頭演説会を実施します。候補の従兄弟で、ダンスユニットTRFのSAMさんも応援に駆け付けて下さいます。私も心を込めて応援のエールを送りますので、是非多くの方にお集まりいただきたいと思います。

≫平成19年7月12日

 いよいよ今日第21回参議院選挙が公示され、17日間の熱い戦いが始まりました。
 安倍内閣は発足から9カ月で、最大の懸案といえる教育関係各法を改正したうえ、アジア諸国との関係を改善し、話題となっている年金制度においては、給付金の時効撤廃法や社会保険庁解体法を通常国会会期延長により成立させるとともに、保険料の無駄遣いをなくす中で積立金の運用を増やしたり不要な年金施設の処分を決めるなどして年金財政を好転させ、公務員制度についても、猛烈な抵抗の中、天下りの弊害をなくし、成績主義を徹底する改革法を成立させるなど、極めて大きな成果をあげてきました。
 60万人の雇用を創設し、失業率を9年ぶりに4パーセント未満とし、パートタイムで働いておられる方々の処遇改善にも道をつけるなど、成長が徐々に実感を伴う形になりつつある中で、この選挙は、成長か逆行かを問う大きな意味を持ちます。
 野党は、ここしばらくで負担が増えたとか、基礎年金を全額消費税でまかなうとか、全農家に国が所得補償をして食料自給率を100パーセントにするなどと主張しています。
 しかしながら、もし国民負担を安易に減らせば、厳しい財政事情のもとでは、社会保障などのサービスも大きく減ってします。出生率がようやく好転の兆しを見せておりますので、この傾向を強め、景気回復を進めて福祉にお金が回るようにすることが大切なのです。また、もし今基礎年金を全額消費税でまかなうなら、同じく税金でまかなわれる生活保護との関係やこれまでまじめに年金保険料を払った方がどう報われるのかがあいまいになります。それに消費税率を引き上げないという中で、そもそも消費税を財源としていた他の支出がどうなるのかも明確でありません。民主党の小沢代表は所得の高い人は支給される基礎年金をなくす(減らす)と言っていますが、そんなことをしたら、民主党が年金の2階部分で必要という所得比例の保険料をまじめに払おうとする人が出てくるのか、極めて大きな疑問となります。農業の問題でも、自給率をどうやって100パーセントにするのか、全戸所得補償で農家が頑張ろうという意欲が減り、貿易ルール上も批判を浴びるのでないか、不明確です。
 小泉総理が「消費税を自分の在任中は上げない」と言った時「無責任だ」と批判しておきながら、選挙戦となれば「消費税を上げない」と方針転換したり、児童手当の増額に反対しながら「子ども手当」で実質的に増額を主張するなど無責任な野党、教育や安全保障といった国の基本政策でバラバラの野党に、本当に政権を託してよいのでしょうか。今回の投票は、法律の成立に極めて大きな役割を持つ参議院の、6年間の任期を持つ議員を選ぶものであり、「与党にお灸をすえてやろう」などという軽いものでないことを是非ご理解いただければと存じます。
 私も今日は大宮、本川越と古川候補の出陣式を飛び回り、川口では安倍総理をお迎えし、夜は連立政権のパートナーである公明党高野候補の出陣式に出席しました。きつい17日間になりそうですが、精一杯頑張って参ります。

≫平成19年7月8日

 第166通常国会が閉会しました。
 7月4日には、最後の法務委員会で自民党を代表して質疑に立ち、15分と限られた枠の中で、改正DV法(配偶者暴力防止法)と新司法試験問題漏洩疑惑を取り上げました。
 DV法は私も与党プロジェクトチームの一員として改正案作成に携わったのですが、最終段階で、参議院の法制局が「ストーカー規制法」というDV法と異なる趣旨の法律に定めた行為を、禁止命令の対象拡大に利用するという案を持ち出したことには違和感を抱いていました。
 例えば、今回の改正では、DVにおびえて家を出た被害者に、加害者から電話をかけることを制限する命令を出すこととしますが、ストーカー規制法では原則夜10時以降の電話しか制限していないのです。改正法の趣旨は、「電話を許すと加害者の元へ戻って再度の暴力を受ける可能性がある」というものなのに、これでは中途半端ではないでしょうか。もちろん、夫婦である以上必要な連絡を何らかの手段で確保することは必要で、(現在、官民で設置されているシェルター《駆け込み寺》はこうした情報伝達の配慮をきちんとしていない問題があります)そうした工夫を盛り込む努力をすべきだが、この改正法ではおかしい、と同僚議員とともに主張し続けましたが、参議院法制局の根回し工作により反映されなかったのです。これ以外の不十分な点もありますが、改正は一歩前進という意義はあります。引き続き現場の声などを聞いていきたいと思います。
 年金問題でも大きな動きがありました。この欄で5月29日に書いたとおり、私は既に自民党の年金問題検討会において、「そもそもいくら保険料を払って、現時点ではいくらの年金がもらえることになるのか、その透明性をしっかり高め、加入者にはたとえ受給年齢に達しなくても、通知の機会(現在は35,45,58歳の定期便のみ)をより厚く保障していくことにより、年金への信頼を確保していくことが必要だ。領収書を長年にわたって保管させるのは無理だし、未納問題も年金制度が不透明であることに起因する不信が根底にある。」と主張していましたが、安倍総理が5日の記者会見で、「すべての(年齢の)年金加入者に加入履歴をお知らせする『ねんきん特別便』をお出しする」と言明されたのです。宙に浮いた5000万件については来年3月までを目途に、そしてそれ以外の方にも来年10月までには通知がされることになります。私は6日の党の検討会で、この問題での政府の対応を評価するとともに、「年金がその時点の算定でいくらもらえるかという通知についても、早期に対応してほしい」と主張しました。
 年金に関する今回の新たな政府の対応として、名寄せ作業の前倒しや、相談体制の拡充などがありますが、私がこのホームページ左の欄の「政策提言」(年金問題・少子高齢化社会の今後)で主張している「社会保障統一番号制度の導入」に関しては、医療も全ての年金も一元的に管理できる「社会保障カード」の導入が4年後を目途に行われるという部分が画期的です。こうした新たな対策を盛り込んだ、この上の欄にある「第2弾 ご安心ください!! あなたの年金は大丈夫です!!」を是非お読み下さい。私も自民党の年金行動議員連盟の幹事に就任しており、この問題を引き続き検討し続けて参ります。
 いよいよ参議院議員選挙が近付いてきました。自民党の古川俊治候補予定者も、12日に10時大宮駅、13時30分本川越駅で出陣式を行います。埼玉選挙区は定数3で、民主党が2人を擁立していますが、連立与党で2議席を確保できるよう頑張ります。

≫平成19年6月28日

 ミートホープ社の食肉偽装問題の悪質さが続々と明るみになるにつけ、食の安全や法令順守の必要性を改めて痛感します。不二家のフランチャイズ店が本社を提訴という報道もありました。とにかく短期的な利益追求のために不正をしても、決して割に合わないという意識が浸透しない限り、類似の事案は発生するでしょう。
 似たようなことは、現在政府でも党でも検討されている独占禁止法の改正をめぐる議論でも言えます。談合など不正行為が割に合わないという意識を浸透させるためにも、課徴金の悪質な事案における引き上げや時効期間の延長などは理にかなっています。経済界には慎重論もありますが、しっかり進めていくべきだと思います。そしてあわせて、中小企業いじめなどの優越的地位濫用行為等についても、構成要件の明確化は必要ですが、しっかり取り締まるべきです。
 昨日は、山口県美祢市でこの5月から稼働している、日本初のPFI(官民共同運営方式)による刑務所を視察して参りました。最先端のハイテクノロジーや、効率的な業務委託、地域に開放された併設婦人科診療所など、斬新な試みが随所に見られました。従来権力作用の最たるものと捉えられてきた刑務所に民間活力をこのように生かせるとなれば、官と民の垣根は何なのだろうと改めて考えさせられます。
 現在、総理が会期延長をしてでも何としても公務員改革を進めようとしておられます。私も、上記したように、官民のあり方を変えていくために、この改革が是非とも必要だと考えています。野党との考え方の違いは、リニューアルしたこのホームページの「政策提言」の7(最終章)に書いたとおり、「小さくて効率的な政府の実現」です。
 ところで先日17日に開催された古川俊治参議院議員候補予定者の時局講演会は、おかげさまで多くの方が集まり、盛会となりました。今後とも来たる夏の陣に向け、全力を尽くして参ります。

≫平成19年6月16日

 6月12日の日本経済新聞の一面トップ記事で、私が総括主査を務めている自民党事業承継問題検討小委員会(平井卓也委員長)がまとめる事業承継支援策が紹介されました。
 後継者の発掘・育成の支援や、同族会社株の相続税評価額の大幅な圧縮、遺留分放棄手続きの簡素化・相続争いの未然防止の工夫など、新法の制定を視野に入れた画期的な提言がまとまったと自負しています。中小企業の円滑な事業承継は、地域の活力や雇用の確保などにも大きな意味があります。年末の税制改正などに向け、引き続き頑張って参ります。
 明日17日午後7時30分から、所沢市民文化センターミューズ大ホールで、この夏埼玉で参議院議員に立候補を予定している古川俊治さん(医師・弁護士・慶応大学教授・テレビコメンテーター)の時局講演会を、地元の並木正芳代議士とともに主催致します。東京で立候補を予定している前テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代さんも応援に駆けつけて下さいます。古川さんは優秀な上、温厚でガッツにあふれた方です。これからの年金・医療の問題や、政治のあるべき方向など、私も含めて熱く語る会にしたいと思います。入場無料ですので、お時間のある方は是非お越し下さい。

≫平成19年6月10日

 株式会社コムスンが、職員の水増し申請などにより、介護報酬を不正に請求していた問題は、深刻な事態となってきました。私の地元でも関心が高まっています。
 今後少子高齢化が進む中、介護にかかる社会的な負担はどんどん増えていきます。そのような中で民間会社の参入により、サービスの効率化を図ること自体は私は時代の流れとしてやむを得ないと考えます。また、昨年春に施行された改正介護保険法においては、介護報酬不正請求を防止するため、企業への立ち入り検査等チェック体制の強化や、報酬基準の見直しなどが大幅に図られました。昨年、私が所属する「歳出改革に関するプロジェクトチーム社会保障分野」においても、こうした改正法の厳格な運用を強く求めたところです。
 しかし今回、コムスンは、グループ会社への事業譲渡により、厚生労働省の処分を免れることを検討していました。確かに処分により影響を受ける被介護者のことを考えることは必要ですが、別法人を使えば処分を免れられるというのでは監督の実効化が図れません。別法人の利用は債権者からの追及逃れなどにも使われる手法で、今後政治の場で対策を立てることが必要になるでしょう。
 昨夜は後援会の女性の方々が、地元の小手指に沢山集まって下さり、カラオケや夕食を楽しまれました。私も楽しいひと時を過ごせて本当によかったと思います。女性の方々は社会の動きに敏感です。今後も意見交換の場を持てれば幸いです。ご尽力くださった方々に心から感謝致します。

≫平成19年5月29日

 松岡農水大臣の自殺という大変な事態を受け、国会は大きく動いています。
 私は、故人が郵政民営化特別委員会の理事でいらっしゃる間、法案成立に向けて活動する中でお力添えをいただいたという経験があり、さらに私の2度目の当選の後は、故人が閣僚となるまで主催されていた食料問題に関する勉強会で丁寧なご指導をいただいていました。四ツ谷での仮通夜に伺ってお別れのご挨拶を致しましたが、松岡先生のお顔は心なしか無念そうでした。
 後に残った私達が、松岡先生が残された諸課題にしっかり取り組み、政治に対する信頼を取り戻すことで、先生への供養としていくしかないと思っています。
 「消えた年金5000万件」という報道が大きな関心を集めており、自民党でも緊急検討会が開催されました。まず誤解してならないことは、この5000万件というのは、基礎年金番号の導入により各個人の年金を一元化した後も事務上統合されていない各年金の総数であって、決して納入済みの保険料がなくなってしまったり、記録が紛失したりした件数ではないということです。もちろん「5000万人の年金」という意味でもありません。
 加入者から照会を受けて、社保庁で記録を確認した結果が、加入者の主張と食い違う例は1パーセントにも満たず、さらに追跡確認して年金納付記録の紛失が認められた事例はさらにそのごく一部で現在55件です。無論、国民年金の手書きの台帳がコンピューター化された後廃棄されたこと等により、ごく一部に氏名入力違いなどですぐには年金の同一性が分からない事例はありますが、それでも大部分が様々な検索・調査により解決しているのです。与党としては、こうした処理の過程で年金受給権が5年の消滅時効にかかる場合でも、時効の適用を行わないという法案を急きょ提出します。そしてごく一部残る年金の主張の食い違いの解決に関しては、第三者機関の判断を導入していくこととします。
 事務のミスで加入者に迷惑をかけることは絶対に避けなければいけませんが、かといって実際保険料を納めていない人がクレームをつければ年金をもらえるようなことになれば年金はたちまち破綻してしまいます。しっかり検討を進めます。また、そもそもいくら保険料を払って、現時点ではいくらの年金がもらえることになるのか、その透明性をしっかり高め、加入者にはたとえ受給年齢に達しなくても通知の機会をより厚く保障していくことにより、年金への信頼を確保していくことが必要になってくると思います。領収書を長年にわたって保管させるのは無理ですし、未納問題も年金制度が不透明であることに起因する不信が根底にあると考えるのです。党の検討会ではこうした主張をして参りました。無論、社保庁の解体・出直し法案の成立もしっかりサポートしていきます。
 最近、フォーラムや意見交換会に出席する機会が増えています。5月26日には、日本青年会議所の関東地区協議会がつくば市で開催した各党代表の国政フォーラムに、党を代表して出席し、参議院選挙にむけた党の成長戦略や憲法に対する考え方を述べて参りました。公明党は加藤修一副幹事長が、民主党は小川敏夫参議院幹事長が、共産党は小池晃参議院幹事長が、社民党は日森文尋副幹事長が出席され、錚々たるメンバーと充実した討論ができたと思います。
 また、昨日は、住宅生産団体連合会が開催した、所沢近辺の住宅業界の方々との住宅消費税に関する検討会で、200年住宅ビジョンの説明と税制に対する考え方を述べさせていただきました。
 明日はまたインターネット番組の取材もあります。
 参議院選挙と会期末で忙しい毎日ですが、しっかり活動して参ります。

≫平成19年5月24日

 銃器犯罪や、家族・隣人を対象とした猟奇的な殺人事件が続発しています。組織犯罪の影響が一般社会に広がっていること、この国の倫理観や家族・地域社会のネットワークが変質していることを改めて感じます。
 私は自民党法務部会長代理として、今度の参議院選挙の公約の一つに、「国民の安全・安心を守るべく、凶悪犯罪の根絶を図る」という項目を掲げることを党に提案しました。4月18日のこの欄で書かせていただいたとおり、取締りの強化や教育の見直しなど総合的な対策を講じていかなければいけないと思います。
 ところで、5月22日放送の、フジテレビ「めざましテレビ」にVTRで出演致しました。(当初午前7時からの放送とのことでしたが、6時台に早まったようです。)話題になっている民法772条についてのニュースでした。婚姻解消後300日以内に生まれた子を婚姻中に妊娠した子と推定する同条につき、離婚後の妊娠が医師の証明書などで明らかな場合は、これまでのような裁判によることなく、前の父の戸籍に入らない扱いが政令により施行されることとなったのです。ただし、この政令がカバーする子の割合は、当該推定を受けてしまう婚外子のわずか1割程度です。300日という期間は、婚姻最終段階で妊娠した子が生まれるまでの通常の期間とほぼ一致するので、その300日内に、離婚後生まれる子が少ないのは当たり前なのです。
 先ほど述べたとおり、私は家族の絆を大切にしたいと思う立場です。しかし、実態と違う戸籍ができることは誰の利益にもなりません。当該児童は、旅券の発行や、児童手当などの福祉の面でも不便を強いられます。そうした事態を生んでいるハードルは、不倫を助長するなどの弊害を極小化しつつ、もっと下げていいと思います。具体案を早急に詰めていきます。
 振り込め詐欺等被害金返還特別措置法案の党内了承手続が何とか終わりました。また、私が参画している、長持ちする住宅により国民生活の発展を図る「200年住宅ビジョン」の取りまとめも大詰めです。様々な政策に今後とも全力で取り組んで参ります。

≫平成19年5月7日

 フランス大統領選挙で、自由競争を重視する与党国民運動連合党首サルコジ氏の当選が決まりました。
 私は昨年EUを訪問し、加盟各国が従来の社会保障重視社会から自由競争重視社会へ舵を切っているような印象を受けていましたので、今回の結果はその流れに沿ったものだと思います。メルケル首相率いるドイツの政策などにも影響が出るでしょう。今、自由競争型のアメリカではこれと逆の流れが出ていますので、今後アメリカとEUの社会制度の接近化が進んでいくと思います。また、今後フランスの対外政策はEU統合再挑戦などに影響を及ぼします。日本の政治もこれらの動きにしっかり関心を持つべきと考えます。
 ゴールデンウィークには河野太郎、松本純、鈴木馨祐衆議院議員、浅尾慶一郎参議院議員や産学会のお二人と、昨年に引き続きヨルダンを訪問しました。パレスチナを含むアラブ9カ国の議員たちの参加する、ジャパニーズ・アラブ・リーダーシップ・ネットワーク・フォーラムという国際会議に出席するためでした。中東和平の今後や日本の果たす役割、あるべき経済関係などを話し合う有意義な機会で、私も会議の議長を一部務めさせていただきました。なお、日本団はヨルダン国王にも拝謁して話し合う機会に恵まれ、翌朝の現地各新聞でその記事が大きく取り上げられました。今後この経験を生かしていきたいと思います。
 5月3日の憲法記念日には、所沢市民文化センターにて、横田滋・早紀江ご夫妻の講演が、所沢ブルーリボンの会などのご尽力により、盛大に開催されました。私も出席して安倍総理の拉致問題解決に向けたメッセージを紹介させていただきました。今後日本が国際社会と連携し、対話と圧力の強い姿勢で北朝鮮に対して臨むことの重要性を改めて感じた次第です。
 後半国会が始まり、慌ただしい日々が続きます。議員立法に向けて取り組んでいる振り込め詐欺等被害金返還特別措置法案についても検討が進むと思います。なお、この問題に関する私の論稿が、雑誌「金融法務事情」最新号に掲載されました。今後とも引き続きのご支援をお願い申し上げます。

≫平成19年4月23日

 昨日は統一地方選挙後半戦の投票日でした。注目の長崎市長選挙では、射殺された伊藤前市長の長女の夫・横尾誠氏と、市役所職員の田上富久氏の、事実上の一騎打ちとなりましたが、田上氏が紙一重で勝利を飾りました。
 確かに前市長の事件は痛ましい限りですが、それと私達の代表を選ぶ選挙は別です。市外に住み、行政手腕も未知数の横尾氏ではなく、市政を知る田上氏が選出されたことは、政治が義理人情の世界から脱皮しつつあることを示すものであり、私はよいことだと思います。
 私の地元でも、所沢・ふじみ野各市で市議会議員選挙が、三芳町で町議会議員選挙が、それぞれ実施されました。先の県議会議員選挙で埼玉県全域に自民党への逆風が吹きましたが、今回もその風を感じています。自民党所沢支部では、これからは地方選挙でも政党化が進むことを想定し、候補者を公募する新しい試みを導入しましたが、公認・推薦した6名の候補者のうち、当選は3名でした。民主党が案の定躍進しています。しかし、時代認識や試み自体は誤ってはいなかったのでないかと思いますので、今後さらにどうすればよいのか、周囲の方々の意見も聞きながら検討していきたいと思います。
 参議院補欠選挙では、福島で自民党が敗北、沖縄で勝利となりました。私は両地域に入って応援しただけに2勝を目指していたのですが、残念な結果です。
 沖縄では革新系元知事のもとで、長く経済が停滞していたため、与党にフォローの風が吹いてきていると感じています。基地問題に対する野党の現実性を欠く戦略も効いていると思います。このように、経済成長や外交防衛に関して私達はもっと訴えを進めていくべきでしょう。格差問題に関しても、まず経済成長や貿易の発展がなければ、果実の分配も図られないのですから。
 福島は談合問題以降、知事選も含めて厳しい選挙が続いています。謙虚に受け止め、党改革や政策のブラッシュアップを進めていくべきだと思います。候補者選定に関してもきちんと考えなければいけません。
 選挙では、党及び政策・候補者が全て選択の対象となります。その上で、有権者の皆さんにそれらをきちんと伝え、支援して下さる方々とのパイプを作るという王道を、これからしっかり歩んでいきたいと思います。

≫平成19年4月18日

 昨夜、伊藤一長長崎市長が暴力団幹部により銃撃され、今朝懸命の救命措置及ばず亡くなりました。現行犯逮捕された容疑者は、自動車事故をめぐり市とトラブルをおこしたり、関連会社が公共工事を受注できなかったなど、市に不満を持っていたとのことですが、いかなる理由があろうと、断じてこのような暴力を許すことはできません。選挙期間中に現職の首長が射殺されるということは、民主主義社会への脅威でもあります。速やかに、断固たる刑事処分がなされることが必要です。
 米国でもバージニア工科大学で、留学中の韓国人学生が、寮や教室で銃を乱射し、32人を殺害するという痛ましい事件が発生しています。銃乱射事件では最悪の被害とのことですが、やはりあってはならない事件であり、今後、米国での銃規制に関する議論が再燃することも予想されます。
 今後、内外で「安全・安心」の確保がますます必要となってきます。今国会では、犯罪収益移転防止法(マネーロンダリング規制法)が成立していますが、これ以外にもテロ等謀議罪が継続審議となっており、入管規制も強化されています。飲酒運転の罰則強化なども実現する見込みです。無論、取り締まりをいたずらに強化すれば息苦しい社会となってしまいますが、調和のとれた規律を図ることは必要です。また、折しも、徳育などの尊重、教員の免許更新制、教育委員会の改善などを盛り込んだ教育再生関連三法が審議入りしています。教育改革もしっかりと進めなくてはいけないと思います。

≫平成19年4月13日

 昨日、衆議院本会議場で、来日中の温家宝首相が、中国要人としては22年ぶりに演説を行いました。日本との戦略的互恵関係が重要であること、中国の近代化に対する日本の支援に感謝すること、日本の国連安保理常任理事国入りを理解すること、自国における社会的正義や環境を重視することなどの前向きな内容は、評価できると思います。一方、日本の歴史問題に対する率直な認識と行動を求めたり、中国が台湾独立に断固反対の姿勢をとることについての日本の理解を求めたりするなどの厳しい部分もかなりありました。また、東シナ海のガス田開発については、係争を棚上げして共同開発を進めるべきだと、自国の活動の正当性を主張していました。今後北京オリンピックを控え、ますます勢いを増す中国には、しっかりと関係を築き、発言していくことが必要だと思っています。
 演説終了後、廊下を歩いていると安倍総理に後ろから肩を叩かれ、最近頑張ってるねと言われました。諸案件での活動はまだ半ばですが、今後とも全力で取り組みを進める所存です。
 昨日は所属する憲法調査特別委員会で、国民投票法案の採決がありました。これに先立ち最後の質疑がありましたが、自民党を代表して私が質問を行いました。この日は民主党からも与党案に配慮した修正案が提出されたのですが、国民投票運動に関するメディア規制のあり方や、一般的国民投票の扱いなど、ぎりぎりのところで折り合いがつかず、与党修正案の採択となりました。審議を尽くした結果なのでやむを得ないと思います。
 今週は参議院補欠選挙などの応援に沖縄に行ったり、公務員制度改革の方針が固まるなど、慌ただしかったです。週末も、安倍総理の遊説に遊説局長として同行したり、地元の統一地方選挙後半戦への支援活動を行ったりと忙しい日々が続きます。しっかり頑張って参ります。

≫平成19年4月4日

 25日に発生した能登半島沖の大地震は多大な被害をもたらしましたが、ようやく余震の回数も減り、市民生活も復興に向けて本格的にスタートしたようです。本会議場で私の隣の席におられる北村茂男議員は、選挙区がご出身の輪島市を含み、地震当時は地元でかつてない激しい揺れを実際に経験されました。北村議員は、地元での調査や各所への支援要請などに尽力されていましたが、昨日議場に来られ、現場の実態を話して下さいました。国としても人的・物的支援をしっかり行う必要があります。さらに、2日にはソロモン諸島付近でマグニチュード8規模の震災が発生しています。相次ぐ震災への対応は困難ですが、国際的な連携のもと、日本も救援に貢献すべきです。
 統一地方選挙戦が本格的にスタートしました。地方分権が進む中、この選挙は私達の生活に大きな意味を持ってきます。是非有権者の方々には投票に行っていただきたく、私もしっかり活動しています。
 国会では、所属する憲法調査特別委員会で、与党が民主党案を大幅に取り入れた憲法改正国民投票法修正案を提出しました。公務員や教員の地位を利用した投票運動に刑事罰を設けないこととするなど、重要な内容を含んでいますが、是非今国会で円満に成立して欲しいと思います。民主党の対応が注目されます。
 待婚期間の見直しに関する公明党との与党協議にも参加し、婚姻解消から再婚までの期間を6ヶ月から100日へ短縮することや、前婚の子供と法律上推定されてしまって出生届が容易でない後婚の子供に関する戸籍法の特例を設けることなどについて合意しました。一刻も早く法案が成立するよう願っていますが、まだ議員の中に慎重論があるとも聞きますので、しっかり説明を重ねていきます。

≫平成19年3月24日

 3月5日にこの欄で、インフルエンザの治療薬タミフルが、服用後の異常行動を招いているのでないかという報道に関し、慎重な調査を行うべきと主張致しました。そしてこのたび厚生労働省は、10代患者へのタミフルの使用中止を指示するとともに、使用と異常行動との因果関係を再調査する旨発表しました。妥当な判断だと思います。製造元のスイスロシュ社は、使用数に占める異常行動の割合が極めて僅少であり、病気そのものがもたらしたと考え得るなどの見解を発表していますが、迅速かつ広汎なデータ収集と分析を行わなければいけません。
 昨日、改革加速議連でまとめた公務員制度改革の具体案を、メンバーの議員達で総理官邸に赴き、安倍総理に直接手渡しました。渡辺大臣が検討している新・人材バンクの具体的な組織として、民間企業出身者等を次長に迎え、既存の就職サービスとの連携をさせるとともに、2009年度からの始動をうたい、各省斡旋の天下りの早期根絶を期しています。再就職先の制限についても、きちんと実効性などを踏まえて検討する旨書き込んだ極めて画期的な提言だと考えています。色々口出しをしましたが、提言の取りまとめを行った木原稔、木原誠二両衆議院議員に心から敬意を表します。総理からは、迅速に改革を進めたい旨のご発言があり、今後、この案が骨抜きにならないよう全力を尽くして参ります。
 昨日、向井亜紀さんの代理出産の件で、遺伝的には親子でも出産を伴わない母子関係を法律上認めることはできない旨の最高裁決定が出されました。法改正の検討も含め、今後私が部会長代理を務める法務部会で検討したいと思います。部会では、鹿児島冤罪事件や民法772条の待婚期間の見直しなど難題が山積していますが、しっかり頑張ります。
 今日は防衛医大の卒業式に出席致します。国のため、人々の医療のため、懸命に努力する若い皆さんの門出を心からお祝い申し上げます。

≫平成19年3月17日

 ライブドア前社長堀江貴文被告に、懲役2年6月の実刑判決が言い渡されました。率直に言って重いと感じますが、一般投資家を欺いた責任の大きさや、反省の無さを裁判官が認定している以上、やむを得ない判決でしょう。控訴審の行方にも引き続き注目したいと思います。堀江氏は2億円もの保釈金を追加納付して釈放されたとのことですが、多大な損害を被った投資家の方々の納得は得られないかもしれません。
 私は、若者がチャレンジする気概を持つのは大切なことだと思う一方、ルール違反は厳に慎まなければいけないと考えます。私が副部会長を務める自民党財務金融部会でも、一昨日、日興コーディアルグループの上場維持決定を受けて、東京証券取引所の西室泰三社長からヒアリングを行いました。出席の議員からは、処分の最終決定が長引いたことへの疑問などが相次ぎ、私からも、上場廃止の基準があいまいであるとの指摘をさせていただきました。今後ともルール遵守の社会を目指して参ります。
 所属する自民党改革加速議員連盟で、公務員の天下り問題を議論しました。今、渡辺喜美行政改革担当大臣が、新・人材バンクを作り、各省庁の予算や権限を背景とした押し付け的天下りは撲滅するとの方針を打ち出しています。しかし、先輩議員の方々からは「優秀な人材が集まらなくなる」「人材バンクなど機能しない」と反対の猛ラッシュで、構想を10年先送りするなどの案も聞こえています。
 私は先日この欄で紹介したとおり、年功序列の公務員システムを根本から見直すべきとの考えであり、今回の人材バンク構想は、その具体像が明確でないなどの問題があるものの、改革の第一歩として早急に進めるべきだと考えます。改革加速議連の会合ではそう申し上げるとともに、塩崎内閣官房長官や世耕補佐官にも、総理官邸がこの問題でリーダーシップを取ることをお願いしました。
 話は変わりますが、現在自民党で、再チャレンジ政策の一環として、パート労働者への社会保険適用拡大について検討しています。ただ、ヒアリングを進めるうちに、企業の負担の問題や、パート労働者側、特に3号被保険者からも、保険料という当面の負担を問題視する声が相次いでおり、慎重な議論が必要だと感じています。
 来週は法務部会長代理として、鹿児島の選挙違反事件など相次ぐ冤罪の問題や、民法772条が300日の待婚期間を設けていて子供が新しい父親との戸籍を取得できない問題など、様々な検討を行います。またご報告致します。
 インターネット番組の「超人大陸 カルショックインタビュー」に出演しました。政界をはじめ、多くのキーマンへのインタビュー企画で、私も当選してから今日までの活動状況について語らせていただきました。URLは、http://www.akibach.com/culshockです。是非ご覧下さい。

≫平成19年3月12日

 国会が緊迫してきました。
 先週木曜日の衆議院憲法調査特別委員会では、憲法改正に関する国民投票法案の審議のための公聴会を開催する決定が行われるはずでしたが、野党が出席を拒否して会議が開かれませんでした。誤解する方もいますが、この法案は仮に憲法改正案が出てきた場合、国民にその是非を問う「手続」について定めた法律にすぎず、既に現憲法で予定された法律案です。今まで民主党とも真摯に話し合って合意直前まで来ているのに、こうした対応をとられるのはとても残念です。
 本会議では、雇用保険法の改正案につき、民主党の質問者が事前通告なしに質問するという前代未聞の戦法に出ました。同法の改正は安倍内閣の「再チャレンジ」政策に関わり、国庫負担割合の見直しは歳出改革につながります。そして労働組合サイドも基本的に了解の方針と聞いています。仮に法案の問題点を指摘するにせよ、事前準備の機会を答弁側に与えて充実した審議を行うのが筋であるにもかかわらず、大臣が答弁に必要な準備を十分できていない様子を国民の前でことさら強調するこのやり方は、決してフェアなものではないと思います。これからもこうした戦法が続くのでしょうか。
 私の方は、現在座長代理として、サービサー(債権回収会社)法の改正に走り回っています。サービサーの扱う対象債権を倒産関連の一般債権に広げたり、サービサーが他業を営む場合に法務大臣に対して必要とされる兼業申請につき、市場化テストで公的債権の回収が認められる場合に不要とする一方、サービサーの業務の適正に対する規制を強化するという内容です。自民党の政務調査会の審議会や総務会での説明を終え、あとは公明党とのすり合わせを行います。
 現在立法担当チーム座長を務める振り込め詐欺対策法についても、条文化が急ピッチで進んでいます。金融機関が被害者不明のため残った金をどうするかなど、細かい部分も詰めていきます。
 その他にも、犯罪被害者対策法や戸籍法など、様々な案件を法務部会長代理として党内処理を進めています。また、3月5日のこの欄で紹介した、いわゆる事業承継の問題では、早速党内の小委員会で、共同相続人の遺留分の事前放棄の要件緩和や、相続税の農地における猶予措置の要件緩和などを訴えました。
 同期の衆議院議員の皆さんとともに、安倍総理と金曜日に首相官邸で会食しました。皆さんから総理に対し、公務員改革の徹底を訴える声、総理の最近の強気の姿勢を評価する声などが相次ぎました。私は、総理が教育に加えて市民の安全・安心に対する取り組み及び実績を有権者に訴えるべきだと主張するとともに、最近話題となっている慰安婦問題では、国としての権利義務に関わる主張と歴史上の事実認識は区別してご発言すべきでないかと僭越ながら述べさせていただいたところです。
 今日は安倍総理と地方選挙のポスター撮影があり、その後は、私もお手伝いした企画ですが、地元で所沢青年会議所が石破茂元防衛庁長官をお招きする講演会に出席致します。頑張ります。

≫平成19年3月5日

 徹夜国会の末、平成19年度予算がようやく衆議院本会議で可決しました。安全や福祉のために必要な予算を成立させることと、政治と金の問題の議論などは分けて考えるべきです。
 また、本会議での常任委員長解任動議の連発やその一部取り下げ、議案説明の引き延ばしなど、野党の戦術には首をかしげます。徹夜国会で税金が何千万円無駄になるか考えて欲しいと思います。
 今後は参議院での予算審議とともに、それ以外の様々な法案審議も本格化します。私もさらに忙しい日々となりますが、全力で取り組みます。
 先日土曜日のテレビ出演では、赤ちゃんポストに関して私も議論をさせていただきました。難しい問題ですが、メリットとデメリットをしっかり検討すべきだと思います。少なくとも匿名で利用するのを国が後押しすることには、私は慎重になるべきだと思っています。
 なお、放送はされませんでしたが、政治家の事務諸経費の開示についても私は挙手の上で発言しました。説明責任の観点から必ず開示を進めていかなければいけないと思いますが、いきなり一円単位で全領収書を(保存はともかく)公開するという極めて高いハードルを設ければ、それに対応できず混乱が続発するでしょう。また、番組で紹介されていたスコットランドの地方議会と国政が同一に論じられるかは、職務の量・スタッフ数・機密性の違いなどからも検討が必要です。だから改革は段階的に行うべきだと発言したのです。いずれにせよ、今後もこうしたテレビを通じての意見表明の機会があれば、なるべく大切にしていきたいと思います。
 昨日は、三芳町北永井の農業に従事する若手の皆さんと、都市近郊農業について意見交換会を持ちました。後継者不足・WTOについての不安・事業承継と相続税問題など、しっかり検討していきたいと思います。
 特に、「相続と事業承継」の問題は、農家のみならず中小企業一般についても、重大かつ緊急のテーマです。この問題に関しては自民党本部で検討チームができており、私はその主査を拝命しておりますので、法制面・税制面にわたる集中的な検討を行って参ります。
 インフルエンザの治療薬タミフルが、異常行動をもたらす副作用があるのでないかという気になるニュースがありました。慎重な調査が必要だと思います。

≫平成19年2月28日

 日経平均株価が700円以上急落しました。上海市場の大幅安が世界的に波及したもので、改めて中国経済の影響力を実感しました。折しも、今朝の自民党国防部会では中国の人工衛星破壊実験が取り上げられ、私が司会を務めた党国際局外交勉強会でも田中均元外務省アジア大洋州局長が中国問題に触れたところでした。夕刻には、猪口邦子衆議院議員や他の議員の方々と、五百旗頭真防衛大学校長を囲んでアジア問題について話し合いました。いずれの会議でも、中国の大きな存在を認識した上で、これまでともすると対立しがちであったのを見直し、世界とともによき隣人への変革へと誘導することが重要であるという意見が大勢だったと思います。引き続き検討を進めます。
 東京証券取引所の株安には、日興コーディアルグループの上場廃止見通しも影響を与えています。不正経理防止のための公認会計士法改正に関する議論を深めて参ります。
 今週の土曜日(3月3日)夜7時から、TBSテレビの「みのもんたvs国会議員 ずばッとコロシアム春」という2時間の特別番組に出演することになりました。与野党それぞれ10名の国会議員が、宮崎県の東国原新知事を交え、子育ての問題や政治と金の問題などについて激論を交わすという企画です。ただ、私は落ち着いて自分の意見をわかりやすく説明できればよいと思っています。
 ところでここ数日、注目すべき判決の報道が相次いでいます。鹿児島地裁で、県議会議員の選挙違反で逮捕された12人の市民全員が無罪となった案件ですとか、東京高裁で、フィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた婚外子の日本国籍が認められなかった案件などです。
 私は自民党法務部会長代理として、こうした案件の立法的解決を図っていきたいと思います。先週土曜日(2月24日)の朝日新聞の全国版2面では、前者の判決に関して、冤罪防止のため警察段階での取り調べの録画・録音について検討するべきだという意見を述べさせていただきました。後者の案件についても、既にこの欄で2月8日に書いたとおり、国際化に伴う問題として今後議論を加速させて参ります。

≫平成19年2月16日

 北朝鮮の核開発に歯止めをかけるための六ヶ国協議がひとまずまとまったことを受け、自民党内で議論が活発化しています。昨日私も、所属する清和政策研究会の会合で、交渉にあたった外務省の佐々江局長の話を伺いました。
 北朝鮮の核廃棄に向けた動きが不透明である以上、今回のような段階的支援と国際原子力機関(IAEA)査察の組み合わせという形を取るのはやむを得ないと思います。今後、既存の核物質及び核施設の着実な廃棄に向けたロードマップを、北朝鮮が早急に提示することを強く求めます。
 日本は、拉致問題が解決しない限り北朝鮮に対する支援に加わらないとの姿勢を堅持しました。この事自体は私は評価すべきだと思っています。ただし、日朝の交渉が他国と分断され、北朝鮮が拉致問題の解決に応じなくても他国の支援を受けられる状態になったことにより、拉致問題の解決に向けたカードが限られてくることは否めません。今後とも国際社会と連携した拉致問題解決の世論の盛り上がりに努めていきたいと思います。
 昨日、私が座長をした振り込め詐欺検討立法チームの骨子案が、親会である振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム(中野正志座長)の了承を得ました。一足早く昨日の読売新聞朝刊の一面トップにスクープされ、毎日新聞にも記事が載っていました。今、インターネットオークション詐欺やヤミ金融など、金融機関を利用した犯罪は多様化し、その被害額は年間数百億円と言われていますが、これまでは被害回復は法的に非常に困難で、被害者が泣き寝入りをする事例が後を絶ちませんでした。金融機関に滞留したままの被害金も70億円を超えています。これらにつき催告を経て名義人を失権させ、被害者に分配する手続を完備し、合わせて、それでも余ったお金を預金保険機構に積み立てて被害者救済などに充てていく制度を作ったものです。金融機関が口座凍結を迅速に行うためのルールの指針も定めました。何とか今通常国会での成立を目指して参ります。
 昨日は私が座長代理を務めているサービサー(債権回収会社)法改正案についても、自民党の了承手続のため走り回りました。債権の流動化の促進が経済活性化に役立ちます。債務者の不安をなくした形でしっかりした仕上げを行うため、こちらも全力を尽くします。

≫平成19年2月8日

 少子化問題に関し、柳沢厚生労働大臣が記者団の前で、「若い人達は結婚をしたい、それから子供を2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、そういう若者の希望に我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だ」と発言したと報道されました。
 現在、女性が一生に産む子供の数は2を大きく割り込んでいますが、もし子を産む世代の男女の大半が「自分は結婚したくない」とか、「1人しか子供が欲しくない」と考えているのであれば、この出生率を引き上げるのは容易ではありません。また、仮にそういう意識が若い世代に蔓延してしまっているならば、家族観の傾向としても望ましいとは言えないのではないでしょうか。しかし幸いなことに現在はそういう状況ではないわけで、柳沢大臣としてはこうした一般論を述べられたのであり、決して個々人のレベルで子供を2人望まないことが不健全だと言われているのではないことは、発言の流れから見て明らかです。
 「健全」という部分的な文言をとらえてこれを問題視するのはいかがかと思いますが、幸い野党が審議に復帰しましたので、議論を通じて少子化問題対策の検討が深まればよいと思っています。北九州市長選や愛知県知事選に以前の発言が影響を及ぼした面はあるでしょうが、大臣にはしっかりと職に留まり、論戦に臨んでいただきたいと思います。
 私の方は、昨日、自民党法務部会の国籍問題に関するプロジェクトチーム座長代理として、いわゆる婚外子の日本国籍取得問題を取り上げ、同僚の先生方と検討しました。現在対象者が増加している日本・外国の二重国籍の扱いも含め、価値観の対立のある難しい案件です。今後、検討を急いで参ります。
 私が座長をしている振り込め詐欺検討立法チームの骨子案もようやく形になりました。今後しっかり法案化に向けた手続を進めます。

≫平成19年1月31日

 柳沢伯夫厚生労働大臣が、出生数の減少を講演で説明するにあたり、「産む側の機械・装置は数が決まってしまったので、あとは一人あたりで頑張ってもらうしかない」などと発言したことに対し、野党のみならず自民党からも辞任すべきとの声が上がっています。
 大臣としては、合計特殊出生率(女性が一生に産む子供の数)が様々な要因で減少の一途をたどり、現在1.25と危機的な段階に落ち込んでいることや、団塊ジュニアと言われる数の多い世代でも現在30代前半を迎えており、妊娠・出産のための期間がある程度限られてしまうことなどをわかりやすく説明しようとして、冒頭のような表現をしたのだと思われますが、女性を機械に例えることは蔑視であると受け取られるのは当然であり、不適切な発言であることは明らかです。
 しかし、もしこれが例えば、「枝分かれ」などという表現であったとすればどうだったのでしょう。やはり「女性を木に例えるのは蔑視だから辞任すべきだ」という話になるのでしょうか。発言、特に閣僚の発言には慎重さが必要ですが、その不適切さを判断するには、文言のみならず、その真意であるとか、発言の場所、文脈、経過など様々な要素を考慮すべきだと思います。
 今回のケースでは、発言直後に大臣が自ら進んで「女性に失礼な表現をしてしまってごめんなさい」と謝罪されていることや、その後も再三にわたり自らの非を認めておられることも考慮すれば、本間税調会長や佐田大臣のように発言でなく行為が問題となった事例とは異なり、私は辞任するまでの必要はないと思います。海外メディアでもこの発言を大きく取り上げていますが、それが辞任に値すると報じているものはさほど多くありません。私は柳沢先生とは仕事でご一緒する機会が幾度かありましたが、豊かな経験のある優秀な方であり、しっかりと反省された上で職責を全うしていただければと思っています。
 野党は完全にこの問題を政局に絡めようとしています。発言がいかに問題があったとしても、審議拒否をすることが適当だとは思えません。また、批判の活動が、子供を産むことの軽視や行き過ぎたジェンダーフリー思想につながりかねないという危惧もあります。与党からは選挙への影響を心配する声も聞かれますが、反省すべきは反省しつつもしっかりとした対応をすべきであると考えます。

≫平成19年1月26日

 いよいよ第166通常国会がスタートし、今日は総理の施政方針演説のほか、外交・財政・経済各大臣による演説が行われました。
 日本再建に向けて、活力に満ちた経済を家計がリードしていくことが不可欠です。そのためのイノベーション(技術革新)、行財政改革、労働制度改革が大きな意味を持ってくることや、少子高齢化の中で効率的な社会保障を実現していくことの重要性など、私がこの欄で1月4日に書かせていただいたことは政府演説でも取り上げられました。労働制度改革の一環として、年長フリーターの採用の壁となっている募集・昇進における年齢差別を禁止することにつき、厚労省提出予定の雇用対策法案においては「努力義務」となっていますが、私は先日の自民党雇用生活調査会で、より強い規制をするべきだとの主張をしています。
 今日の演説において、国の根幹を支えている教育の見直しが、総理により力強く主張されたのが印象的でした。昨年末の臨時国会における教育基本法の改正を受け、教育再生会議の提言を踏まえた関連法案の今国会への提出が予定されています。私も衆議院文部科学委員として議論に参加して参ります。国語・道徳教育の充実、いじめ問題への対処、放課後の子供のあり方の検討、教員免許更新制の導入や社会人からの教員の登用増加、教育委員会改革と教員の責任の明確化など、難題が山積しています。また、ゆとり教育の見直しに関しては、大きな価値観の対立もあります。しかし、資源のない日本がここまで豊かになれたのは教育が充実していたからですし、今後世界の中で生き残っていくためには、詰め込み教育の弊害を是正しつつも、やはり低下が著しい学力の向上を図っていくしかありません。さらに、少子化、環境悪化、深刻化する給食費未納などの問題にも、教育が関係している面が少なくないと思います。全力で日本の教育再生に向けた提言を行っていきたいと思います。
 治安の問題も大きな焦点です。今日実施された自民党耐震偽装問題対策検討ワーキングチームでは、昨日発覚した京都のアパホテルにおける構造計算書の偽装を取り上げました。今後どのような展開を見せるか注意深く見ていきます。犯罪収益移転防止法案(いわゆるゲートキーパー法案)や共謀罪の取り扱いも、国際テロやマネーロンダリングなどの犯罪防止のために、過度の取締りとならないよう配慮をしながらもしっかり検討することが必要です。昨年、イギリス発の航空機が、爆弾テロで大惨事を起こすところだったのを未然に防げたのも、現地を初めとして治安への強力な取り組みがあったればこそです。自民党法務部会長代理として、国民の安全・安心の確保のため全力を尽くして参りますので、皆様のご理解をお願い申し上げます。

≫平成19年1月22日

 昨日投票日だった宮崎県知事選挙で、そのまんま東さんが政党推薦候補を破って当選されました。自民党が強いと言われる宮崎県でこのような結果となった背景として、マスコミでは、「東さんの知名度がタレントとして高かったからだ」とか、「有権者が談合事件に辟易して既存の政党や官僚に厳しい判断を下したからだ」などといった分析がされています。それは確かで、特に税金の無駄遣いである談合に対する市民の目はかつてないほど厳しくなっていますが、私はもっと深い根があるような気がします。
 一昨年の郵政民営化をめぐる総選挙で、宮崎県では、衆議院全小選挙区3つのうち2つにおいて、自民党に所属しながら郵政民営化法案に反対した議員が当選されました。その後の離党・復党問題で宮崎県の保守地盤は大きな混乱にさらされたのです。今回の自民党・公明党の推薦候補者は、その選挙で、いわゆる自民党の対抗馬として立たれて落選した方であり、党の地方組織が一部分裂して別の候補者を支援することとなってしまいました。こうした事情を有権者が厳しい目で見ていたことが、今回の結果の一因であると思います。
 確かに、今既存の組織や政党、そして市民の価値観は大きな変革を迎えています。しかしだからこそ、しっかり政党が政策体系としてマニフェストを掲げ、有権者がそれをもとに投票できるようにすべきですし、今後は首長選挙も与野党相乗りが減っていくと思います。私の地元所沢では現在、自民党支部により、市議会議員選挙における公認・推薦候補の公募が実施されており、今回の宮崎県知事選挙の結果が、応募を躊躇させる要因になる可能性がありますが、地方議会にあっても、特に都市部では、そうした政党選挙の流れができてくるのだと私は考えています。
 政党への信頼は、教育への信頼同様回復が難しいですが、しっかりとした政策体系の確立とコンプライアンス(法令遵守)に取り組んで参ります。

≫平成19年1月20日

 不二家が消費期限の切れた原料で洋菓子を作っていた問題が大きな波紋を呼んでいます。原料の消費期限が切れていたということは、商品が実際に食べられる時点ではさらに古くなっているわけです。当初はライン担当者の判断という話でしたが、組織ぐるみの関与であったことや、期限をごまかして表示した製品があることなどが発覚するにつれ、事案の深刻さが浮き彫りになっています。
 私は個人としては、スーパーなどで買い物をする際、あまり賞味期限にはこだわらない方です。世界中の飢餓で苦しむ人々から見たら、日本は食料を粗末に扱いすぎという気がしますし(各種新年会で残る食べ物が無残に捨てられることにいつも心を痛めています)、少し古くなっても品質上さほど問題がない食材が割り引きで売られていたら、そちらを買いたいと思ったりもします。しかし今回の事案では、本来の消費期限が消費者にわからないことや、組織ぐるみで嘘をついたことが大きな問題です。私のように考える消費者がいるとしても、製造者が正確な情報をまず提供して、消費者が自らの判断で選べるようにしないと話になりません。また、衛生管理体制・コンプライアンス(法令遵守)の杜撰さは、創業者一族経営に問題があったのではないかという声もあります。今回社長をはじめ、関係者が刷新されるとのことですが、国会でも企業統治の適正が問題となっているおり、是非消費者や真面目に働いている従業員、フランチャイズ店が納得できるような解決をはかって欲しいと思います。
 昨日は、私が座長を務めている振り込め詐欺検討立法チームの会議が再度開かれ、やっと大きな方向性が見えてきました。詐欺やヤミ金などの被害者が迅速に救済される制度です。まだ詰めの作業や与党手続などが残っていますが、何とか今国会で成立できればと思います。その国会はいよいよ来週開会です。また、国際局次長として、様々な海外のお客様との面会も予定されており、忙しい季節がやってきます。体調に留意して臨みたいと思います。

≫平成19年1月12日

 昨日、自民党行政改革実行本部の幹事として、自民党を代表して公務員制度改革についての東京新聞の取材を受けました。効率的な政府を実現し、民間企業との均衡を図っていくためにも、改革は緊急の課題です。よく、「自民党の改革は公務員にスト権を与える代わりに身分保障をなくし、解雇を可能とするものだ」と言われますが、必ずしも正確ではありません。今の公務員の身分保障は、政治的理由による不利益処分を排除して成績主義を確保することを目的としているに過ぎず、民間企業のような正当の理由を伴う免職処分等は既に現行法により可能なのです。しかしながら現在、職務の適性を欠いたりポストがなくなったりした場合に公務員を免職させるなどの分限処分も、非違行為があった場合に公務員を免職させるなどの懲戒処分も、極めてまれにしか行われていません。これが例えば社会保険庁の抜本改革を妨げているなどの声もあり、私達はきちんと法律に沿った民間並の扱いをするよう、提言を取りまとめる方針です。スト権などの労働基本権は一応この問題とは別の話で、現在公務員にこうした権利が制限されているのは、その携わる職務に公共性があるからとか、ストなどの代わりに人事院へ労働条件に関して行政措置を要求できるとかが理由とされています。これについても、公共性の高い民間企業になぞらえた改革ができるどうか、有識者の方々の議論を踏まえて、提言していきます。この他にも、以前から申し上げているとおり官民交流の活発化を図り、しかし天下りの弊害はきちんと除去していくなど、緊急度の高い問題に関してはこの通常国会へ法案提出を図って参りますので、ご支援いただければ幸いです。なお、取材に関しては今週末に記事になる予定です。
 昨日はまた、自民党本部で、私が座長を務めている振り込め詐欺対策検討立法チームの会議が開かれました。オレオレ詐欺と言われたものから今はインターネットによるオークション詐欺に至るまで、金融機関を利用した詐欺は多様化・巧妙化しています。しかし、迅速な被害回復は現行法制度上極めて難しい上に、犯人がすぐに振り込まれた金をおろして行方をくらましてしまうため、多くの被害者は泣き寝入りしているのが実状です。この問題を何とか解決するため、仲間の先生方と一緒に、今通常国会での立法化を目指して知恵を絞っている状況です。
 地元での様々な行事と合わせ、忙しい毎日ですが、しっかり頑張っていきたいと思います。

≫平成19年1月4日

 平成19年がスタートしました。昨年のこの時期には、耐震強度の偽装が大きな社会問題となっており、一年も経ったことが信じられません。私は対策検討ワーキングチームの副座長として、参考人質問に臨んだり、再発防止策を協議したりしていました。関係者の刑事処分が進み、建築基準法などが改正され、一部の建物は取り壊されましたが、被害を受けた住民の多くはまだ大きな負担に苦しんでいます。国民の安心・安全のためにも、こうした事態が二度と生じない制度を構築していかなければと思います。
 今年は大きな変化の一年となりそうです。私が当選以降主張し続けている「努力が報われる社会」の実現に向けた改革がどこまでできるかが問われます。公務員制度の改革、労働法制の見直し、グローバルな視点を持った公正なルールのもとでの産業の活性化が求められます。常々重要だと訴えている教育と環境の見直しも待ったなし。私の政策提言に示した「和魂洋才」を今年もキーワードに掲げたいと思います。団塊世代の大量退職を迎え、少子高齢化への対応も緊急の課題です。今年は統一地方選挙などもあり、地方の政治も大きな変革を迎えるでしょう。
 世界も大きく変わります。アメリカが世界の警察となり続けることができなくなり、国際社会が連携して問題解決にあたる仕組みが大きく問われます。昨年末、私は同僚の議員とともに、米国大使館の方々と意見交換しました。日米の関係や防衛政策も見直しが必要です。日本は国連の安全保障理事会から離れますが、引き続き国連改革にも努めなければいけません。国際刑事裁判所(ICC)への取り組みなども進めていきます。EUモデルがますます注目されることになりそうです。このような中、北朝鮮のみならず、中東地域の不安も除去することが大きな課題となります。FTAなどの経済連携に向けた動きも世界中でますます活発化するでしょう。自国の産業保護とグローバル化のバランスが難しい時代が続きます。
 今年は参議院議員選挙もあります。激動の年、国民の皆様が幸せになる政治のために、引き続き走り続けます。

平成18年

≫平成18年12月29日

 不適切な会計処理を理由に辞任を表明した佐田玄一郎行政改革担当大臣の後任に、渡辺喜美内閣府副大臣が決まりました。お二人ともよく存じ上げているだけに複雑な心境です。政府税調会長の辞任もそうですが、このように政策と関係ない問題で内閣のイメージが悪くなるのは極めて残念です。国民の代表たる立場の人はしっかり襟を正していかなければいけません。かつて政治家の不祥事が当たり前だと一定程度許されていた時代と違い、国民の意識は、不合理な特権や建前と本音の使い分けを許さない厳しいものになっています。
 例えば、少し違う問題ですが飲酒運転について考えると、かつては、確かに違法だけれど会合では酒を飲まないと場が盛り上がらないし、タクシーや家族を呼ぶのも面倒で、多少のことは許されるだろうという漠然とした社会通念があったと思います。しかし当たり前のことですが、飲酒運転は大事故につながる極めて危険な行為で、断固として許されるものではありません。そうした認識が徐々に芽生えてきたのであって、悲惨な事故の報道を機に大きな流れになったわけです。今後もこうした国民の意識改革を促す啓発活動の継続が必要ですし、不便というなら例えば代行車サービスの充実・適正化を図っていくなどの対策を立てていくのが筋です。私は自民党の飲酒運転根絶プロジェクトチームの一員として、こうした意見を述べてきました。チームがこのたび取りまとめた提言には、こうした意見や、飲酒運転に関する罰則の強化、死亡事故を起こした場合の免許再取得禁止期間の延長、酒を勧めた者や同乗者に対する罰則の新設が盛り込まれました。また、飲酒を隠すためにひき逃げして酔いをさましてから出頭する行為を防ぐため、ひき逃げの重罰化も盛り込まれています。今度の通常国会に、この提言に沿った道路交通法の改正案が提出されることが、昨日報道されました。
 話を戻しますが、政策通の渡辺新大臣には是非、大胆に行政改革に取り組んでいただきたいと思います。「効率的な政府」を目指すための行政改革は現在非常に大切な局面を迎えています。私も自民党で行政改革推進本部の幹事を拝命しておりますので、今後とも力一杯頑張ります。
 激動の平成18年も間もなく暮れようとしています。本年の皆様の多大なるご支援に心から感謝を申し上げるとともに、来る年が素晴らしいものになるようお祈り致します。

≫平成18年12月24日

 政府税調会長の辞任問題が大きな波紋を呼びました。膨大な財政赤字を減らすために国有財産の有効活用を議論している時に、税制の責任者が公務員宿舎を不適切に利用していたとなれば、その適格性に疑問が生じるのは当然です。辞任はやむを得ないと考えます。私は自民党で政府資産・債務の有効活用を検討するプロジェクトチームの一員となっています。家賃が低すぎると批判の多い公務員宿舎・議員宿舎のあり方にメスを入れるとともに、その利用形態についてもきちんと検討する仕組みを提言していきます。
 来年度予算の政府案が決定しました。新規国債発行額が過去最大の4.5兆円の減額により25.4兆円となり、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字幅も、今年度の11.2兆円から4.4兆円と大幅に改善します。2011年度の黒字化という政府目標が前倒しできる見込みが強まりました。小泉政権から安倍政権にかけて、税収増をもたらした成長戦略が効を奏したと言えます。
 しかしながら、これでも毎年借金の累計額が増え続けている現実には変わりはなく、今後も歳出削減を厳しく行っていかなければいけません。無論、少子化対策や再チャレンジの支援などの重点施策には充実した手当てが必要ですが、個々の支出を厳しく吟味するとともに、今なお残る、余った予算を無駄遣いするなどの悪弊を根絶するための方策を考えます。
 来年度の税制改正大綱に関しては、所得税や住民税の定率減税の廃止など負担が増える部分もありますが、住宅ローン減税の延長・拡充や、減価償却制度の見直しによる損金算入拡大、同族会社の留保金課税縮小などにより、社会の活性化を促進するものになったと思います。今後、更なる改善を図っていきます。
 明日、所沢市役所で、来年度に実施される所沢市議会議員選挙における、自民党の所沢支部から埼玉県支部連合会に対して公認・推薦を申請する候補(第一次)の発表を支部長として行います。今回、多くの方に公認・推薦候補となっていただき、また開かれた選考をするため、「公募形式」を取ることが自民党所沢支部役員会で決定されております。地方選挙でこうした取り組みをするのは全国的にも異例ですが、これからは地方政治にも新しい流れが広がっていくと思っています。

≫平成18年12月13日

 昨日久々に、再チャレンジ議員連盟の総会が実施されました。発足の際94人が出席したのに、昨日は52人の出席。安倍政権の目玉となる政策の支援の場であるにも関わらずこうした出席状況である背景には、内閣支持率が下がってきたこともあると思います。
 私はこの会議で、「現在の自民党の状況は、恵まれない個人や地方に再チャレンジの機会の平等を確保するという発想を踏み越え、バラマキ行政・改革後退に向かっているのでないか」という問題提起をさせていただきました。今年政府が骨太の方針として与党の了解を得て示した政府系金融機関改革にせよ、歳出削減にせよ、財政再建や活力ある社会の構築のためにこれからしっかり実行していかなければいけません。にもかかわらず、安倍総理が小泉前総理と異なり、党内議論を尊重する姿勢を示していることに乗じ、党内で、地方や業界への配慮からブレーキをかける声が大きくなり、それが安倍政権の改革に対する後ろ向きのイメージをもたらし、また、総理の顔が見えないということで支持率低下につながっていると感じるのです。また、株式市場も政治のそうした動きを敏感にキャッチしています。無論地方や業界への配慮は必要ですが、国民全体の利益を見失うことなく、安倍政権の改革を全力で支えていきたいと思います。
 一連の道路特定財源をめぐる議論も混乱しました。「道路整備のために自動車重量税や揮発油税を暫定税率で引き上げたのだから、得られた税収は道路整備のために使うべきであり、予算が余るなら税率を引き下げるべきだ」という議論は確かに正論です。1リットル48.6円という揮発油税の暫定税率の水準が、ガソリンの本体価格に比して妥当でないのでないかとか、消費税との二重間接税でないかとの議論もあるでしょう。しかし、歳入歳出一体改革で何とか国と地方の1000兆円という気の遠くなるような財政赤字を減らし、消費税を含む新しい増税の幅を極力押さえるために、税率を現行のままにしてその使途を借金返済を含めた形で拡大するというのは、大きな流れとしてはやむを得ないのではないでしょうか。
 再チャレンジ策に関しては、今後、同一労働同一賃金など、労働ビッグバンに向けた取り組みや、就職などのための個人の適性評価の充実、心理面を含むカウンセリング体制の充実、定住支援などといった対策を含め、ワーキングプアといった社会問題にも適切に取り組んでいきます。今後ともよろしくお願い致します。
 7日に実施させていただいた私の議員生活初の政経パーティーですが、都内で開かせていただいたにも関わらず、地元の方々も大勢お越し下さり、おかげさまで盛会となりました。森喜朗元総理大臣、尾身幸次財務大臣、長勢甚遠法務大臣、中川秀直幹事長をはじめ多くのご来賓も駆けつけて下さり、二次会には塩崎恭久内閣官房長官や若手の山本一太議員、後藤田正純議員、荻原健司議員、佐藤ゆかり議員もいらして下さいました。準備をはじめ、ご尽力いただいた方々に心からお礼申し上げます。

≫平成18年12月5日

 本日満41歳の誕生日を迎えました。過ぎる時の早さを感じますが、これからが議員活動の正念場だと思っています。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 今日は、国会図書館脇の憲政記念館で実施される「第28回PGA(地球規模問題に取り組む国際議員連盟)世界総会」において、ICC(国際刑事裁判所)の加盟問題についてのパネルディスカッションにパネラーとして出演することになっています。世界各地から集まる議員の皆さんに、自民党ICC議連事務局長として、日本のICC加盟に向けた積極的な取り組みと、果たすべき役割についてお話しするつもりです。夜の衆議院議長公邸でのレセプションでは、国会コーラス愛好会の一員として、歌で海外からのお客様をおもてなしします。
 昨日は首相官邸を訪ね、安倍総理と同期当選の衆議院議員の皆さんとの昼食懇談会に参加致しました。復党問題も話題となり、総理からは、条件を満たした方々につき自らの判断で認めたのであって、批判も甘んじて受ける旨のお話がありました。私も発言を求められましたので、政治が改革後退の方向に向かないよう一丸となって努力していく必要があると思う等、申し上げたところです。
 今月7日午後6時半からは、私が国会議員となって初めての政経パーティーを、ルポール麹町で開催させていただきます。色々不手際でご迷惑をおかけしますが、何とか成功させたいと思っております。

≫平成18年12月1日

 タウンミーティングでの不明朗な政府支出が問題となっています。昨日も参議院教育基本法に関する特別委員会で、静岡駅からタウンミーティング会場までの大臣送迎用のハイヤーを東京から調達したことや、1台あたりの費用上限規定をクリアするため車両数を水増ししていたことなどが野党議員から指摘されていました。
 今、企業会計の不正をなくすための規制強化や内部統制の充実といった問題を議論しているさなか、国が自ら襟を正せないのは極めて問題です。無駄遣いをなくさない限り、国民の痛みを伴う改革への納得など得られません。こうした事態の再発を防ぐためには、不正チェックの強化も大切ですが、以前から指摘させていただいているとおり、公務員に対し経費節減を動機付ける報酬制度などを真剣に検討する必要があるのではないでしょうか。民間企業同様、経費節約に対する意識を高めていくべきだと感じています。左の欄にある私の政策提言で詳しく述べています。

≫平成18年11月28日

 昨夜、郵政造反議員の復党につき、平沼先生を除く11人の復党が自民党役員会で承認されました。ただ、これに先立ち、党所属の国会議員が誰でも出席できる平場の党改革実行本部緊急総会では、当選2回以上を多数含む出席者のほぼ全員が反対ないし慎重な意見を示しており、この議論が全く手続に反映されないのはおかしいのではないかと考えています。復党が決まった方々は今後郵政民営化を含む自民党のマニフェストを守り、反党行為を行わない旨の誓約書を提出されましたが、郵政民営化反対を支持した有権者に対して説明責任を果たしていただきたいと思います。

≫平成18年11月27日

 郵政法案造反議員の復党問題が大きくクローズアップされてきました。この件で当初、自民党参議院執行部は、「無条件・早期・一括復党」を模索し、各派閥の事務総長と合意して、党紀委員会で速やかに審査を終えて処理する方向でした。そしてこれを支持する主張は以下のようなものでした。「既に造反議員の大半は解散・総選挙後に法案に賛成し直している。彼らは今回の首班指名で安倍総理に投票し、教育基本法改正案にも賛成した。同じ方向を向いた同志をなぜ仲間にしないのか。」「単一の法案で造反した者に刺客を送り、その上復党を認めないのは酷に過ぎる。」「自民党はこれまでも離党した者や無所属の者を受け入れた懐の深い政党だ。」「今度の参議院選挙で、勝敗の帰趨を決する一人区にこれらの議員の多くがおり、その協力が必須である。」
 しかし私は、常々この方針に疑問を感じていました。「確かに造反議員は郵政法案に賛成し直したが、刺客と激しく戦ったことを含め、それを踏まえて離党勧告がされたのであって、今復党を認めるのは時期尚早でないか。」「確かに政治には情が必要だが筋も必要だ。小泉政権が掲げた郵政民営化は、小さな政府・構造改革を目指すマニフェストの一大支柱であり、それに賛成か反対かで党派を分けて有権者に信を問うたのが先の選挙である以上、その後党籍変更を認めるのは筋に反するのみでなく、有権者に対する裏切り行為でないか。」「自民党は確かにこれまで融通無碍な政党だったが、小選挙区制度・マニフェスト選挙が定着し、有権者が政策を選ぶ時代にそうした姿勢のままでいいのか。」「世論が復党に慎重な意見が多い以上、参議院選挙に復党が本当にプラスになるのか。安倍総理は、厳しい選挙区の候補者差し替えなどを検討していると言われたが、このような別の方法で選挙対策を考えるべきでないか。」
 その後、造反議員と選挙区で競合する議員をはじめ、一回生議員の有志の方々が、復党慎重取り扱いを求める署名活動を展開しました。これには、「刺客が自分達のことを考えているだけだ。党に守ってもらおうなんて虫がいい。」「復党した議員と波風を立てたくない。」という声もありましたが、二回生以上の議員でも署名に協力した議員がいます。私も悩んだ末署名しました。私のような利害関係を持たない議員が動かないと、自民党の流れが一気に復党に動いてしまいそうだったからです。
 この問題は単に個々の議員の党紀違反の問題ではなく、新しい政治のあり方、自民党の組織のあり方の問題です。党改革実行本部など、党の議員が広く参加できる場できちんと議論すべきです。私は衆議院議員のサイレントマジョリティーはむしろ慎重な意見が多いのではないかと考えています。

≫平成18年11月20日

 昨日実施の沖縄県知事選挙で、与党が推薦する仲井真弘多(なかいまひろかず)氏が野党統一候補の糸数慶子氏を破り、初当選しました。沖縄の米軍基地再編と経済振興を争点とした大変難しい選挙で、米国での中間選挙でブッシュ政権を支える共和党が敗北したことや、先週教育基本法改正案が衆議院を通過したことがどう影響するかも注目されました。仲井真候補は、沖縄の文化、観光、科学技術などの振興による国際化の推進や、基地問題の県民及び国との対話を通じた現実的な解決を訴え、稲嶺現知事をはじめ多くの方々の支持を集めました。先週の福島県知事選挙に続きここで敗北するようなことがあれば、日本の安全保障にも安倍政権にも大きな影響が出るところでした。今回の選挙では党青年局の議員が全国から様々な離島に応援に入り、私も南北大東島を同僚の大塚拓衆議院議員と訪れました。また遊説局長として那覇市内を街宣車で回らせていただき、その反応や選挙事務所の盛り上がりを見て手応えを感じていただけに、今回の結果を本当に喜んでいます。今後もしっかり沖縄の問題に関心を持ち続けたいと思います。
 また昨日は、アジア21ヤングリーダーズサミットというソウルでの国際会議から3日間の日程を終えて帰国しました。これはロックフェラーが50年前に設立したアジアソサエティという財団が、アメリカやアジア各国から40歳以下の各界のリーダーを集めてアジアの安全や経済を話し合う会議で、日本の国会議員からは私一人が参加したものです。韓国の韓明淑首相や金大中元大統領も講演し、大きな盛り上がりを見せました。この経験と知り合った参加者との人脈を将来に生かして参ります。また、7月に国際交流基金のプログラムで韓国を訪問した時知り合った友人達とも再会を果たし、有意義なひとときを過ごしました。
 ただこのプログラムの初日金曜日には、地元所沢市で全国茶サミット埼玉大会が開催され、何としても全国から集まった皆さんに狭山茶のアピールをしなくてはいけないと意気込んで式典に出席させていただいたため、ソウルに出発したのは午後遅くなってからでした。帰国直後の昨夜も地元でいくつも行事があり、とても慌ただしい週末でした。

≫平成18年11月4日

 先週は、信託法等改正案・憲法改正国民投票法案という2つの大きな議案につき、それぞれ開かれた委員会でトップバッターとして質問に立たせていただきました。日本の経済・社会の大きな変化を象徴する両法案であり、後日更新する議事録を是非ご覧いただきたいと存じます。
 そして今度の火曜日(7日)午後1時から予定されている本会議では、いよいよ国民的関心を呼んだ貸金業法等の改正案が上程されます。ここで自民党を代表して全衆議院議員の前で政府に質問する役目を私が担うこととなりました。多重債務問題の根絶は国を挙げての喫緊の課題であり、連日の重責に身の引き締まる思いです。
 今回の改正の中心は、利息制限法で定める15ないし20%の上限金利と、書面を作成して任意に弁済すれば有効となる出資法上の29.2%の上限金利にはさまれたグレーゾーンを撤廃し、例外なく利息制限法に一本化することです。これについては、債務者の負担を軽くすると評価する意見がある一方、リスクの高い消費者金融利用者が融資を受けられなくなるという慎重意見がありました。自民党の中でもベテランの議員から当選1回の議員までが連日にわたり激しい議論を展開する中で、世論の後押しもあり、上記のような結論に至った次第です。まさしく自民党の大きな変化を象徴する結果だったと思います。
 もちろん、これ以外にもヤミ金融撲滅に向けた取締りの強化、返済能力を越えた過剰な融資の制限、貸金業者の取立てなどに関する規制の徹底、債務者のカウンセリング体制の充実など、重要な改革を盛り込んでいます。今回の改正は日本弁護士連合会などの多重債務問題に取り組んできた諸団体からも高い評価を受けました。今後とも必要な改革に全力を挙げて取り組みます。

≫平成18年10月23日

 昨日実施された衆議院議員補欠選挙は、神奈川・大阪とも自民党候補者の勝利で幕を閉じました。安倍政権の今後の運営にも影響する大きな意味合いを持つ戦いだっただけに、私も自民党の遊説局長として両選挙区の総理の遊説に同行し、声を枯らして前座を務めたり、また青年局次長として大阪での団体回りや商店街の練り歩きなどを行ったりしました。よい結果にまずは胸をなで下ろしたところです。
 民主党は小沢代表と格差問題により、4月の千葉7区補欠選挙に続く勝利を目指しました。しかし格差の問題に関しては、安倍政権が「再チャレンジ」の名の下に、改革の続行を図りながら教育などのきめ細かい機会の平等を図る政策を打ち出しました。加えて、今月の安倍総理の中国・韓国の訪問と北朝鮮への毅然とした対応により、有権者の皆さんに安心して今後を任せられるという信任を得られたのだと思います。先週実施された党首討論でも小沢代表が安倍総理を攻めあぐねる場面が目立ちました。もちろん、両候補者の素晴らしさや、連立与党を支える皆さんの懸命の努力なくしてこの結果はありません。何はともあれこれに満足することなく、今後ともしっかり国民のための政治を充実させるべく努力して参ります。

≫平成18年10月14日

 北朝鮮の核実験に対し、経済制裁を明記した国連安保理決議が全会一致で採択される公算が大きくなりました。いち早く北朝鮮からの輸入全面禁止などの措置を発表するとともに、安保理での議論をリードした日本の功績は高く評価されてよいと思います。安倍総理が就任直後に中韓両国を訪問し、信頼回復に努めたことも好影響をもたらしました。私はこの欄で、7月の北朝鮮によるミサイル発射直後に私が中国や韓国を訪問した際に、国際社会が一致して厳しい対応を取るべき旨強く主張してきたと書きました。かつてナチスドイツの侵略に対し、連合諸国が宥和政策をとったことが、その後の第二次大戦を大きく悲惨なものにしたことを忘れてはいけません。今後とも積極的に活動して参ります。
 昨日、森喜朗元内閣総理大臣を所沢文化センターマーキーホールにお招きして緊急時局講演会を実施しました。新政権誕生の舞台裏や今後の医療が抱える問題、教育のあり方など、多彩な話をしていただき、私の活動にもしっかりエールを送って下さいました。私も、年金・農業の問題や、新しい政治について、心を込めてお話ししたつもりです。会場に入りきれないほど多くの皆様にお越しいただいたことに感謝するとともに、大野松茂総務副大臣、並木正芳議員、来年の参議院選挙立候補予定者古川俊治さんほかご来賓の皆様や、綿密な準備の上スムーズな進行と素晴らしい演出をして下さったお手伝いの方々に、この場を借りて再度申し上げます。本当にありがとうございました。
 今日からは自民党遊説局長として、安倍総理とともに、今月22日投票の補欠選挙の応援演説に参ります。大阪・神奈川の皆様に思いを伝えるべく頑張りますので、テレビで見かけたら暖かく応援していただければ幸いです。

≫平成18年10月4日

 新政権発足にあたり、自民党の遊説局長を拝命致しました。選挙応援のため総理に帯同して全国を行脚するなど、大変重要な役職です。
 これまで遊説局長になられた方々の顔ぶれを見ると、与謝野馨先生、赤城徳彦先生、武見敬三先生、馳浩先生、高市早苗先生、世耕弘成先生、高木毅先生など、テレビなどでお馴染みの錚々たる論客が並びます。特に私の前任は、いつも親しくさせていただき、多大な実績を残されている山本一太先生で、私に代わりが本当に務まるのか不安でなりません。何はともあれ、まずは今月下旬に実施される大阪・神奈川の補欠選挙の勝利を目指し、全力を尽くす所存です。
 総理の所信表明演説や代表質問も終わり、いよいよ新政権も本格的に始動しました。これを機に、私の地元所沢市の市役所脇文化センターミューズマーキーホールにて、10月13日(金)午後6時より、森喜朗元内閣総理大臣をゲストにお迎えしての緊急時局講演会を開催させていただきます。新政権の今後の課題や、新しい政治の在り方など、有意義なお話をできたらと考えています。入場無料ですので、お近くにお住まいでお時間のある方は是非お越しいただければと存じます。

≫平成18年9月27日

 安倍内閣がいよいよ発足しました。党の執行部や閣僚の方々を拝見して、大変よく考えられた人事であると感じています。新総理のもとで全力を尽くす覚悟を持ち、かつ所管省庁の言いなりにならない一家言を持つ実力者が揃っています。派閥・年功序列にとらわれず、広い年齢層から登用されており、新しい政治の流れが定着したかなという気がします。
 目を引くのは官邸スタッフの充実です。塩崎新内閣官房長官をはじめ、議員も事務方も、新総理の信厚い優秀な人材を揃えています。米国ホワイトハウスにならって官邸がリーダーシップをとる体制を整えたと言えます。誤解されてはいけないのですが、これは決してイエスマンを並べたということではありません。
 私は、今回の閣僚・党執行部・官邸スタッフの方々の多くと仕事をご一緒させていただいていますが、皆様々なキャリアと人脈を持ち、豊かな見識を持っておられます。安倍新総理と信条の根本は共にしつつも、しっかりとした議論をして強力に新総理をサポートしていく布陣です。そうした意味で新政権には本当に期待したいと思います。
 私ももしかすると何らかの形でお手伝いすることになるかもしれませんが、そうなった暁には全力を尽くして頑張りたいと思います。

≫平成18年9月24日

 昨日、TBSのテレビ番組の収録をしてきました。「安倍政権誕生へ ニッポンの行方を徹底バトル〜どうなる参院選挙〜」というタイトルです。学生100人をスタジオに招いて、彼らの意見も聞きながら与野党の議員で安倍政権の課題につき議論するという内容でした。自民党の出演者は私以外では、山本一太参議院議員、菅原一秀衆議院議員、上野賢一郎衆議院議員でした。民主党からは、大学のクラスの1年先輩である浅尾慶一郎参議院議員、櫻井充参議院議員、高山智司衆議院議員、津村啓介衆議院議員が出演されました。
 放送は、今日9月24日(日)深夜から25日(月)にかけてで、午前1時50分から午前3時20分までという遅い時間です。翌日のご予定に支障がない範囲で、ご都合のつく方はぜひご覧いただきたいと思います。なお、CSニュースバードでも、25日(月)午後10時半から午前0時まで放送されるということです。

≫平成18年9月20日

 今日、安倍晋三内閣官房長官が、第21代自由民主党新総裁に選出されました。全国の党員票、国会議員票それぞれの66%を獲得するという大きな勝利でした。私は安倍先生の選挙対策本部事務局付きで、今回の選挙戦でささやかながらお手伝いをさせていただいたこともあり、この結果を大変嬉しく思っています。
 今後安倍政権は内外の様々な難題に取り組まなければいけませんが、私が望むのは、若手の意見も取り入れつつ常にオープンに議論をし、それでいて迅速にリーダーシップを持って決断をしていく政治です。その結果についてはもちろん政治的な責任が発生し、その結果小選挙区制のもとでは政権交代につながりかねないのですが、その緊張感が政治を良くしていくのであろうと思います。責任を取ることを恐れて、重要案件の解決を先送りしたり、足して2で割るような妥協を続けたりすることは時に国民にとってマイナスです。オレンジジュースを飲みたいという人が5人いて、アップルジュースを飲みたいという人が2人しかいない時に、両方のジュースを混ぜればよいという人はいないでしょう。幸い、今の自民党はリーダーシップをもって改革ができる政党になりつつあります。無論、弱者や地方の切り捨てなど負の側面が生じることは避けるよう配慮しながらも、この流れを止めてはいけません。また、私のような若手が主張する意見も、国政に反映されつつあります。役所の紙の無駄遣いを無くそうという主張が、白書類の統合というプロジェクトで検討されていますし、公務員と民間の人材の交流を促進すべきだという主張も、政府内で検討されています。消費者金融の上限金利引き下げ問題でも、世論を背景にした若手議員による主張が大きな影響を持ちました。こうした動きには時に反発もありますが、しっかりと信念を貫く必要性を感じています。
 誠実に、謙虚に、しかし信念を貫いて参ります。

≫平成18年9月11日

 昨日、8日間のヨーロッパ訪問の日程を終え、無事帰国しました。
 国際刑事裁判所(ICC)のキルシュ所長、国際司法裁判所(ICJ)にお勤めで、皇太子妃雅子様のお父上でもある小和田恒判事、欧州議会のヴィダル・カドラス副議長ほか、EUの様々な方々と意見交換をする機会に恵まれ、大変有意義なプログラムだったと思います。同時期、同プログラムには田村耕太郎参議院議員とインドのパイロット国会議員も参加されていましたが、基本的には各参加者の経歴などに即した個別日程でしたので、一対一の面談も数多くありました。
 今、ヨーロッパ各国も基本的に日本が取り組んでいるような少子化対策・歳出の合理化・IT産業の育成・自由貿易協定の各国との締結・農業保護政策の効率化などを進めており、自由な交通と資金の流れを可能にした巨大な欧州市場の形成によって成長モデルを確立しようとしています。会計や企業買収などの資本市場ルールも整いつつあります。一方で、増加する移民対策やテロへの備え・民主主義と人権尊重の徹底の必要・環境問題といった課題も抱えています。欧州憲法条約がフランスとオランダの国民投票で否決され、今後の統一への青写真も必ずしも明確ではありません。
 しかし私は、今のEUが、小異を残して大同団結するという流れは着実に進んでいくのだろうと思います。また、力ではなく法と正義によって国際問題を解決していくという発想は、今後必ず大きな流れとなっていくだろうと思いますし、領土問題などもそうした枠組みで考えるべきだと感じています。今後ともそうしたEUの姿勢を学んでいきたいと思います。ストラスブールの欧州議会総会には、竹中総務大臣も視察にいらっしゃっていました。
 さらに、今回のプログラムでは、日本の現状や北朝鮮をはじめとしたアジアを取り巻く様々な深刻な政治状況について少しでも理解してもらうべく奮闘したつもりでいます。
 新たな日本の政権の誕生まで僅かとなりましたが、今回のプログラムで得た経験を生かせるよう今後とも頑張って参ります。

≫平成18年9月2日

 ついに、安倍内閣官房長官が自民党総裁選への立候補を正式に表明するとともに、自身の政権構想を明らかにされました。
 私が2年5ヶ月前に埼玉8区衆議院議員補欠選挙に立候補する際、党の改革実行本部長として公募制を導入し、ご自身何度も選挙区入りされて全面的に応援して下さったのは当時の安倍幹事長でした。以後、様々な機会に一緒に仕事をさせていただく中で、毅然とした政治姿勢と、その一方で柔軟な発想を、両方備えた方であると実感しました。経験を疑問視する人がいますが、安倍先生は大変な読書家であり、かつ物事の本質を捉えるセンスに優れていらっしゃいます。今回の政権構想にしても、憲法・教育問題、格差の問題や外交問題をはじめ、日本が直面する困難をしっかり捉えたものだと感じます。
 麻生先生や谷垣先生も大変立派な方々であることは承知していますが、今の日本に必要なリーダーは安倍先生であると信じています。よく、「来年の参議院選挙で苦戦するから安倍さんは温存した方がいい」と言う人がいますが、その時代に最も適切なエースを投入していくのがこれからの政治に求められているのではないでしょうか。私には短い経験しかありませんが、政治はそんなに生易しいものではないと思います。安倍政権誕生に向け、またその後においても、私ができることをしっかりして参ります。
 しかし、私は来週1週間、欧州委員会の招致に応じ、ブリュッセル、ストラスブール、ハーグを訪問し、EU議会や私が日本の加入に尽力しているところの国際刑事裁判所(ICC)の幹部の方々と意見交換する予定となっています。これはEUVPという世界の様々な分野におけるリーダーを対象としたプログラムで、何ヶ月も前から私とEU側との間の話し合いで決まっていたものであり、これをキャンセルするわけにはいきません。総裁選を今月20日に控えた大切な時期ですが、きちんと公務として参加します。また帰国後の報告をさせていただきます。

≫平成18年8月23日

 昨日、自民党南関東・北関東ブロック合同大会が、パシフィコ横浜国立大ホールに5000人の観客の皆さんを集めて盛大に開催されました。
 私が支部長を務める埼玉8区からも大型バス1台で地元の方々にご参加いただき、会を盛り上げていただきました。往復の車中では靖国問題、ロシアによる日本漁船の襲撃問題などについての意見交換といった真面目な企画もありましたが、お互いの自己紹介やカラオケといったくだけた場面もあり、夜は横浜の夜景を見ながらディナークルーズを楽しみましたので、ご参加いただいた方々には喜んでいただけたと思います。こうした企画を今後も拡充していきたいと考えています。
 大会では、総裁候補と目される安倍・麻生・河野・谷垣・鳩山各先生の意見表明がありました。憲法や教育を真っ先に取り上げられた安倍先生、経験を強調して地域経済の活性化を訴えた麻生先生、年金制度の抜本改革と派閥によらない総裁選を主張して会場を沸かせた河野先生、消費税問題から逃げない姿勢を示すと共にアジアの首脳同士が腹を割って話し合うことの重要性に言及した谷垣先生、環境問題を丁寧に訴えた鳩山先生と、それぞれ個性を生かしたお話だったと思います。惜しむらくは、時間が足りずにお互いの討論や会場からの質問の機会がなかったことです。これからはもっとこうした機会を設け、総裁選を盛り上げていくべきでしょう。
 自民党所沢支部幹事長大舘靖治市議会議長、同代行浜野好明市議をはじめ、昨日の企画に関し、お世話になった方々に心からお礼を申し上げます。ご参加の皆さんも本当にありがとうございました。

≫平成18年8月7日

 昨日は暑い原爆記念日となりました。所沢斎場では戸丸瑛梨香さんの告別式が悲しみの中行われました。校長先生やお友達の弔辞に目尻が熱くなるとともに、ご両親の心中はいかばかりかと胸の張り裂けるような思いでした。改めて瑛梨香さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
 午後は、私も主催者の一人である「再チャレンジinさいたま」という川越で実施したタウンミーティングに参加しました。事業で失敗したり職を失った人、子育てを終えて再就職を希望する女性、社会に出遅れてしまった若者、経験や人脈を生かして再び社会貢献したい高齢者といった方々が再びチャレンジできるような社会を作るにはどうすればいいかを考えるものです。この問題を検討している議員連盟に所属する旧埼玉2区(現在埼玉7、8、9、10区)の国会議員で主催し、安倍内閣官房長官の講演と、各選挙区を代表して出席された事業者や税理士などのパネラーによるディスカッションを盛り込みました。お陰様で大変な盛況で、ご来場いただいた皆様には心から感謝致しますと共に、席が足りなくなるなど不手際があったことをお詫び申し上げます。今後とも子供達が希望を持てる、格差を固定化しない社会の実現のため、懸命に努力して参ります。

≫平成18年8月3日

 この欄で先日取り上げたプール事故に関しては、マスメディアで様々な問題点の指摘がされています。吸水口の柵がボルトで固定されていなかったこととか、事故当日柵が外れた際に監視員がプールのモーターの停止も遊泳の中止も行わなかったこととか、そもそも、市からプールの管理を受託していた会社が実際には別会社に業務を再発注し、当該下請け会社が持っていた管理マニュアルには吸水口の扱いや緊急事態に関する充分な規定がなく、しかも当該マニュアルが監視員に周知徹底されていなかったことなどです。こうした事項に関しては文部科学省が基準を設定していたのに、それが見落とされていたことも問題でした。
 民間企業への業務委託と安全性の関係については、昨年から取り組んでいる耐震偽装問題における民間の指定確認検査機関の確認業務のあり方においても類似の議論がありました。行政改革の流れの中で、政府の効率化と安全性の確保を両立すべく、上記したような問題点をきちんと是正していくことが必要です。
 行政改革や自治体の合併による効率化自体が悪いのではないということを訴えていきたいと思います。

≫平成18年8月1日

 昨日、ふじみ野市の市民プールで、小学2年生の女の子が排水口に吸い込まれて亡くなるという痛ましい事故が起きてしまいました。被害に遭われたのは私の近所のお子さんで、さらなるショックを受けています。市にはしっかり原因の究明を行い、再発防止に全力を傾けて欲しいですし、ご遺族に対して誠意ある対応をして欲しいと思います。
 この時期は水の事故が多いですが、全国で、このような悲劇が繰り返されないように切に希望します。亡くなった瑛梨香さんのご冥福をお祈り申し上げます。

≫平成18年7月24日

 韓国及び中国から無事帰国致しました。美しいリゾートでありながら複雑な歴史を持つ韓国済州島、北京オリンピックに向けて発展著しい中国青島を会場にして、両国の議員・官僚・経済人・学者・ジャーナリスト・NGOなどと議論を交わしたり現地での要人を表敬するなど、有意義なプログラムでした。
 政治問題にしても、FTAをはじめとした経済問題にしても、やはり歴史問題や東西対立に根ざす各国の相互不信が関係改善を阻んでいることを実感しました。とにかく、歴史問題に関しては共同研究により各国が受け入れられる史実を確定することが大切ですし、経済に関しては各国が法遵守と透明性の確保を図って協力関係を確立することが大切だという主張をしてきました。個別問題に関してはお互いが本音で語り合ったため時に厳しい対立となりましたが、率直な意見の交換がかえって参加者相互の親睦を深めたと言うのは新鮮な驚きでした。
 アジア外交は次期政権の大きな課題となります。今回のプログラムの成果を、私も今後の活動にしっかり生かしていきたいと思います。

≫平成18年7月12日

 6月24日のこの欄でお伝えしたとおり、7月9日から、国際交流基金ほかが主催する「日中韓次世代リーダーフォーラム2006」に参加しています。今日まで日本の仙台で討論・ヒアリングなどのプログラムを行いましたが、これから韓国と中国を訪問して参ります。
 他の参加国との領海問題が厳しい局面を迎えているうえ、北朝鮮の拉致問題やミサイル問題が大きな展開を見せた直後でもあり、各国の取るべき対応策について他国の議員達とかなり激しい議論を戦わせています。しかしとても理性的な雰囲気の中でプログラムが進んでおり、きっと有意義な企画になるだろうと思っています。また報告のレポートを書かせていただきます。

≫平成18年7月9日

 昨夜、所沢駅西口にて、さる5月27日に発生したジャワ島中部地震の被災者に対する救援募金活動を実施致しました。所沢の自民党有志によるもので、並木衆議院議員・大石県議・藤本県議・浜野市議や若手の党員の方々が参加されました。
 北朝鮮問題に隠れる形でメディアは余り取り上げなくなってしまいましたが、このマグニチュード6.3の大地震で5700人以上の方が亡くなり、15万戸の住宅が全壊して42万人の方が今なお家がない状態だと言われています。日本は地震の直後から、自衛隊や緊急医療チームを派遣したり、11億円相当の無償資金協力や2000万円の救援物資の供与を行うなどしてきましたが、まだまだ現地では水、電気、テントや毛布などが不足し、医療施設や学校の復旧もままならない中で人々が大変な生活難に陥っています。スマトラ沖地震に引き続きインドネシアは大きなダメージを受けたわけで、地震国日本としては草の根レベルで善意の手を差し伸べることが求められていると思いました。
 幸い、昨年11月にパキスタン地震の際に実施した募金活動の時と同様、多くのご支援をいただきました。しっかりと現地の皆さんのために役立たせていただきます。ありがとうございました。

≫平成18年7月5日

 本日未明から断続的に北朝鮮がミサイル7発を日本海に向けて発射しました。日本やアメリカなど関係国の事前の警告にもかかわらず強行された今回の発射は、日本の安全保障及び国際社会の平和と安定に対する重大な挑戦であり、日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラトリアムや六者会合の趣旨にも反する言語道断の蛮行です。
 北朝鮮はミサイル発射につき「自主権の問題でありいかなる合意にも拘束されない」などと遵法精神のかけらも伺えない声明を発表しています。中国、韓国、ロシアがやや慎重な対応をしているようですが、国際社会が一致して断固たる対応をするべきです。既に日本は万景峰号の入港や北朝鮮当局職員の入国を6ヶ月間禁止するなどの措置を発表していますが、更なる経済制裁の検討、国連安全保障理事会における適切な対応のリードなど、毅然とした姿勢を示さなければいけません。無論その際には、北朝鮮に拉致問題取材のため入国している報道関係者をはじめとした日本人の安全確保、ロシアとの協力による落下した機体の回収及び分析、アメリカとの連携による再度の発射に向けた情報収集とイージス艦の適切な配備などの迎撃体制の強化などが不可欠でしょう。もちろん、国内で韓国や北朝鮮の在留者に対して差別や中傷がないよう配慮していくことも大事です。中期的には、既に成立した国民保護法に基づく警報や避難の体制も自治体と連携して整えていく必要があります。
 いずれにせよ、国際的に甘いとされる日本の危機管理について、今後ともしっかり充実していくため努力して参ります。

≫平成18年7月3日

 昨日、所沢市民文化会館(ミューズ)において、第36回目の日本青年会議所埼玉県ブロック協議会大会が開催されました。所沢市での開催は実に30年振りです。航空発祥の地にふさわしく「空を見上げろ 空から見据えろ」がテーマで、NASA宇宙飛行士としてスペースシャトル搭乗を予定している星出彰彦さんの講演をはじめ様々な充実した企画が催されました。私も所沢青年会議所の新OBとして微力ながら協力をさせていただきましたが、盛会に終わったことを喜んでおります。関係の皆様のご尽力に感謝致します。
 話は変わりますが、7月19日(水曜日)午前11時30分から11時50分まで、ラジオ日本(1422khz)で放送される「こんにちは!鶴蒔靖夫です」という番組に出演することとなりました。深刻化する少子化がテーマで、現在の取り組みの状況や少子化対策税制などについてお話しさせていただきます。是非お聞き下さい。

≫平成18年6月24日

 サッカーワールドカップドイツ大会の一次リーグが終了しました。アジア勢は結局決勝トーナメントに一国も残れず、世界の壁の厚さを改めて感じます。ただ、今回開催国として強さが目立つドイツに、日本は本番直前、テストマッチとはいえ2−2の同点で引き分けているのですから、決して強豪国に伍することが不可能とは言えないと思います。選手起用やスタミナ維持など色々課題が指摘されていますが、是非次回大会ではしっかり軌道修正した上で、日本に上位進出を果たして欲しいと思います。
 私はこの7月、日本の議員を代表して、国際交流基金が主催する「日中韓次世代リーダーフォーラム2006」に参加します。各国で会議が開かれ連続10日にわたるプログラムで、他にも官界・学界・ビジネス界・メディア界・青年団体出身の方々が一同に参加されます。共にワールドカップを戦った韓国、発展著しい中国と様々な課題について議論できるのは大変貴重な機会だと思っています。頑張ってきます。

≫平成18年6月13日

 昨日実施された衆議院決算行政監視委員会の締めくくり総括質疑で、自民党の代表質問者に指名されました。小泉総理、谷垣財務大臣、竹中総務大臣に対して、「量の行政改革」に加えて「質の行政改革」を図っていくべきでないかと問いただしました。ちなみに民主党の代表質問者は菅直人先生であり、当選して僅か2年余りの私がこのような大役をいただくのは大変光栄なことだと思います。与党の立場としてはあまりない質問で、野党の皆さんからもお褒めの言葉をいただきましたが、驕ることなく今後も頑張っていきたいと思います。午後1時からNHK総合テレビで全国に生中継されたのですが、地元や他県の方々からも暖かいねぎらいの言葉をいただき、とても感謝しています。

≫平成18年6月3日

 昨日、自民党の若手議員が中心となって、再チャレンジ支援議員連盟の設立総会が実施されました。小泉改革により社会の格差が拡大したという声がある中で、一度失敗した人にもチャレンジの機会を平等に確保していくにはどうすればいいか、格差を固定化させないためにはどうすればいいかを考える議連です。再チャレンジは安倍内閣官房長官が今後進める政策の目玉と位置付けていることもあり、マスメディアはこの議連を「安倍派旗揚げ」と見て、大変な関心を示しています。しかし当面は山本有二会長が言われるとおり、純粋な勉強会として進んでいくのだろうと考えています。
 昨日の総会には代理を含めると100人以上の議員が出席し、大変な盛り上がりを見せました。しかし自民党の衆参両議院は合計405人であり、まだまだ活動を広げていくことが必要です。また、設立総会は若手の議員が中心となって実施されましたが、今後ベテランの先生方にも参加していただき、その知見を反映させていくべきだと思います。いずれにせよ、重要な議員連盟ですから、私もしっかり活動に加わって参ります。

≫平成18年5月23日

 昨夜、所沢中央ロータリークラブで「奉仕」をテーマに講演をさせていただきました。
 「奉仕」の本質は、個人のエゴを押さえて公共のために尽くすことだと思います。そこには高度の「倫理」が必要となってきます。しかし現実には、他人をかえりみない風潮が著しく見られ、耐震偽装問題や様々な企業犯罪に見られるとおり、真実をごまかしてでも私益を図ろうとする事案が続発しています。では、どうすれば「倫理の復活」を図ることができるのでしょうか。
 ひとつの方策としては、ロータリークラブのような地域のネットワークや、業界団体の強化を通じて、研修制度や相談窓口の確立を図ることです。例えば耐震偽装問題で、姉歯建築士は一匹狼的な仕事をしていて仲間との接点がなかったと聞いています。
 そしてもうひとつは、教育の改革です。専門教育においても、学校教育においても、「規範」を大切にし、戦後行き過ぎた個人の権利の偏重を改め、「公益性」を教えていくことが重要だと思います。
 いずれも時間がかかりますが、しっかり政治の場でも取り上げていきたいと申し上げました。
 昨夜は杉村太蔵議員も講師として参加され、ニート・フリーター問題につきお話しされました。
 お招きいただいたことに感謝致します。出席された皆様が有意義なひとときを過ごされたら幸いです。

≫平成18年5月12日

 このところ自民党総裁選を巡り、様々な動きが世間の耳目を集めています。昨日私も参加した清和政策研究会(いわゆる森派)の総会では、森会長が40分間という異例の長さでこの問題につき語られました。実はこれまで森会長は「清和研での総裁選候補者を一本化すべきだ」とは一度も言われていないのです。同様に、小泉総裁が「一本化には反対だ」と発言されたこともありません。マスメディアが両者の対立をあおるがごとき報道をしていることに対し、不快感を示されていました。ただ、いずれにせよ私は個人的な見解として、前から申し上げているとおり、自民党の体質は明らかに変わってきていると思います。旧来の派閥はもはや人事に決定的な意味を持たず、一定の政策を共有するグループと化していますし、本来党が一定の政策を掲げて選挙を戦う以上、その垣根がどんどん低くなっているのは当たり前のことなのです。候補者たらんとする者は、誰でも、明確に自らのビジョンを語り、手を挙げてよいのではないでしょうか。
 折しも、先日自民党大井支部で講演をして下さった河野太郎法務副大臣が、記者会見で立候補の意思を表明されました。私は河野先生が立候補されるのはまだちょっと早いように思いますが、こうした動きがあることは党を活性化するものとして歓迎致します。
 河野太郎先生とは5月初めに他の議員の方々(西村康稔、伊藤忠彦、鈴木馨祐衆議院議員と民主党の浅尾慶一郎参議院議員)と一緒にヨルダンを訪問致しました。アラブ諸国の議員とパレスチナ問題やイラク問題、イラン問題などを話し合い、日本のこの地域に対する貢献として何ができるかを考えるためでした。予定が変更となってしまい、ヨルダン以外のアラブの国の議員は参加できなかったのですが、ヨルダン国王をはじめ、ヨルダン政府や議会の要人と意見交換をしました。また、鈴木議員とはイスラエルやイギリスをも訪問して、各国の議員ないし日本大使・公使や新聞社の方々ともお話することができました。
 原油価格問題などを考えれば明らかですが、日本はこうした地域の安定と無縁では生きていけません。その意味でこの一連のプログラムは大変有意義でしたし、今後もしっかり活動をしていきたいと思います。

≫平成18年4月24日

 昨日実施された千葉7区の補欠選挙は大接戦となりましたが、自民党候補者は惜しくも議席を得るに至りませんでした。まずは謙虚に反省し、再出発を期さなければいけません。準備不足、民主党小沢新代表への期待、格差社会への批判等、色々原因が指摘されていますが、やはり昨年の総選挙での圧勝に対する反動が一番大きかったのではないでしょうか。
 自民党の中では、公募制度に対する疑問の声や「団体重視型選挙」への回帰を主張する声が出てきているようです。しかし、今回自民党が大きく負けたのはむしろ無党派層においてであって、私はそうした声は今回の選挙に関しては必ずしも当を得ていないと思います。きちんと党改革を進めながら、しかし有権者の声に耳を傾ける謙虚な姿勢が結局は王道なのではないかと思っています。なお、格差社会の問題については、現在更新中の政策提言欄において少し詳しく取り上げようと思っておりますので、そちらを後ほどご覧いただければ幸いです。
 今後もしばやま昌彦は走り続けます。

≫平成18年4月16日

 昨夜、自民党大井支部が河野太郎法務副大臣による時局講演会を開催したところ、大変な盛況でした。関係の皆様には厚くお礼申し上げます。
 副大臣のお話で特に感銘を受けたのは、お父様である河野洋平衆議院議長に対する生体肝移植に関するエピソードでした。「家族に対して臓器提供をするための手術を受けることを過度に美化してはいけない。中小企業の経営者が入院すれば社員は困る。また、提供者にも危険がある以上、老いた親に臓器提供するよりは自分の幼い子供のためにリスクを回避することを悩んだ上で決断した人だって尊重すべきだ。むしろ、脳死患者からの臓器移植がほとんどできない今の法制度を見直すべきでないか。」確かに、臓器移植の問題は死生観も絡み、難しい問題です。しかし少なくとも、重い病に苦しむ人が臓器移植が受けられないばかりに外国に渡航しなければならないという現状はやはり改革すべきではないでしょうか。皆様のご意見も伺いながら、慎重に検討していきたいと思います。

≫平成18年4月8日

 新たな民主党の代表に小沢一郎氏が選出されました。かつて自民党の要職を歴任した同氏は、自民党にとって大変手強い相手であろうと思います。しかし、今回の代表選で、同氏と思想的に距離があると思われるいわゆる革新系の議員達が早々と同氏支持を明らかにしたところに何か違和感を感じています。公開討論の機会も十分なかったのではないでしょうか。真に民主党が開かれた政党となっているのか検証が必要でしょう。また、先週この欄で述べたとおり、自民党としては誰が民主党の代表になっても不断の改革に取り組まなければならないのであって、そうした声をあげ続けていくことが必要だと思います。
 ちなみに今月実施される千葉7区の補欠選挙は、民主党の新執行部のもとで行われる最初の国政選挙です。対する自民党は公募候補を立てています。今後の政局に関わる大事な選挙となりそうです。

≫平成18年4月1日

 民主党の前原代表が辞任を表明し、同党執行部が総退陣することとなりました。確かに、いわゆる「堀江メール問題」に関する同党執行部の対応は混迷を極め、このような結果になったのはやむを得ないと思いますし、その決定も遅きに失したとは思います。しかし、次の民主党の執行部のあり方によっては、日本の政治全体が大きく後戻りする可能性があると危惧しています。
 前原氏は、党内の路線対立が激しい民主党内にあって、小泉自民党との「改革競争」を目指すことを鮮明に打ち出すとともに、若手がリーダーシップをとる体制を築いたと思います。このことがひいては自民党が改革続行へのモチベーションを高め、組織や意思決定や候補者選定のあり方についても見直しを進める側面からの原動力となったのです。この原動力が、民主党の執行部交代によって失われることになりかねません。それは国民にとって大きなマイナスとなります。
 私は初当選後一貫して、「柴山昌彦から政治が変わる」をスローガンに、新しい政策・政治システムの構築を目指して活動して参りました。今年は秋に自民党総裁選も実施されます。自民党内に緊張感がなくならないように、今後も仲間と力を合わせ、しっかり前進を続けます。

≫平成18年3月13日

 3月9日、東京秋葉原駅前の再開発事業で、2棟目のビルとなる「秋葉原UDX」が開業となりました。
 グランドオープンセレモニーで石原慎太郎東京都知事は、「つくばエクスプレスも開業し、秋葉原とつくばが1時間足らずで結ばれるということが非常に大きな意味を持っている。秋葉原をシリコンバレーよりももっと大きな、日本の工業力の発信基地にしていきたい。」と語られました。ともすると秋葉原は、引きこもりイメージから「オタク」と称されてきた人々が、テレビゲーム機器やサブカルチャーの集まりを求めてくる街として語られることが多くなっていましたが、今や本格的な産業拠点として位置づけられたということでしょう。
 今、無気力で働くこともしない「ニート」という若者の増加が問題となっています。この現象の原因として、しばしば「自分探し」という言葉に代表されるように、自分のやりがいのある、あるいは本当に好きな職業とは何なのかを追い求める一方で、そのような天職ともいえるものを見つけ出すことが困難なゆえに、どこにも飛び込んでいけない若者が増えていることが指摘されています。
 今回のような新しい性格を持つ産業拠点の出現は、そうした若者の中から就職に興味を持つ人が出現することを促すことにもなろうと思います。また、インターネットの発達によりもっと各業種の情報にアクセスできるようになり、さらに初等教育段階からの就業体験の機会を増やすような教育プログラムを推進すれば、一定の改善が見られるのではないかと期待しています。

≫平成18年2月27日

 人々の心を魅了し続けたトリノ冬季五輪が、26日をもって閉幕となりました。世界の祭典ではあっても、やはり日本人として、日本選手の活躍を大いに期待し、応援しました。
 今回金メダルを取った荒川静香選手は、努力して挫折を乗り越え、また直接は点数に結びつかない技を身につけて彼女の大きな個性としました。このことは、目先の成果にとらわれることなく、地道に腐らず努力することの尊さと、いわゆる「らしさ」を身につけることの大切さを教えていると思います。
 一方、あと一歩でメダルに手が届く選手も多数いました。こうした皆さんには、次回は是非限界にチャレンジして目標を達成していただき、多くの若い人達に勇気を与えて欲しいと思います。
 国内をみると、ルールを無視し、ただ「勝ち組」に入ればいいという考えによる事件が噴出しています。スポーツに限らず、ルールがある中で競うからこそ、充実感・喜び・感動を得られるのだと思います。礼儀・努力すること・勝つ喜び・負けた人を思いやる心など、今回のオリンピックから未来ある若者が、多くの財産を得ることを願って止みません。

≫平成18年2月17日

 昨日、自民党の菅原一秀衆議院議員、民主党の福山哲郎参議院議員及び松本大輔衆議院議員という若手のメンバーとともに、衛星テレビの朝日ニュースターの番組、「バトルポリティカ 政治に喝!」に出演しました。放送日時は、2月18日(土)午後11時から、2月19日(日)午前4時からと午後7時から、2月20日(月)午後3時05分から、3月2日(木)午後3時05分からで、それぞれ55分間の放送となります。
 大勢の新人議員が当選し、その一方で議員の不祥事が多発する中、国会議員の候補者の資質をどう考えるか、選挙制度に問題はないのか、政治のあるべき方向性と合わせて熱い議論が繰り広げられました。今の小選挙区制度においてはわかりやすいマニフェストを政党が掲げることが大切ですが、政策を磨き、将来を熱く語る候補者がその政党を支えているのでなければ、政党自体が有権者の皆様から見放されてしまうと思います。そのような信念を語ってきました。是非番組をご覧いただければと思います。

≫平成18年2月10日

 政府は、女系天皇容認・長子承継を内容とする皇室典範改正案を今国会に提出しない方針を固めました。私は当初から、この問題は慎重に議論しなければいけないと主張しています。国民の間では確かに女性天皇を受け入れる雰囲気が高まっていますが、父方が必ず天皇の血筋であるというこれまで続いてきた男系天皇の伝統までも今崩してよいかにつき、世論が必ずしも成熟しているわけではありません。行き過ぎたジェンダーフリーの問題も指摘される中、象徴としての天皇の地位をどう承継するかについては、腰を据えた議論が必要だと思うのです。もちろん、今言われている宮家の復活や養子縁組にも色々問題はあります。今回紀子様のご懐妊というご慶事により、世論もじっくり検討をした方がよいという方向になっているようで、私もそのようにすべきだと考えます。
 何はともあれ、紀子様には、変なプレッシャーにとらわれることなく元気なお子様をご出産されるよう、心からお祈り申し上げます。

≫平成18年1月27日

 昨日、所沢たばこ協同組合の新年会に出席致しました。たばこ税は、昨年末の自民党税制調査会で、国税と地方税合わせて1本約1円の引き上げが決まっています。児童扶養手当の引き上げなど財政の逼迫や、生活習慣病予防対策の充実の要請、国際的にもたばこにかかる税金は高いのが趨勢であること(昨年出張したシンガポールなどでもそうでした)などから、激論の末やむを得ず引き上げたことを理解していただきたいと訴えました。協会の皆様の清掃運動や喫煙マナー向上運動などには感謝しつつ、これからの変化の時代にどう対応するか問題提起させていただきました。今後とも国民の利益を考えて十分な議論を続けて参ります。

≫平成18年1月24日

 通常国会が開会し、代表質問が行われている中、ライブドア堀江社長の逮捕という大きなニュースが飛び込んできました。IT産業を育成したり、資本市場の充実を図ることは勿論大切です。若者が夢に向かってチャレンジするのも尊いことです。しかしそこに「世の中は全て金で動かせる」という誤った考えや、ルール無視の風潮が蔓延していたとすれば、それはしっかり正していかなければいけません。証券取引法をはじめとする法制度の見直しや教育の改革など、法律家として、また立法府の一員として、イニシアティブをもって必要な手段を講じて参ります。

≫平成18年1月19日

 耐震強度偽装問題についてのヒューザー小嶋社長の証人喚問が17日に行われ、また、元請設計会社スペースワンの井上社長、平成設計の山口社長と徳永元社員、総合経営研究所の四ヶ所チーフコンサルタントへの参考人質問が19日に行われました。私達自民党ワーキングチームは、早川座長が17日に、牧原事務局長と稲田委員と私が19日に質問に立ちました。
 自民党への様々な批判が渦巻く中での質問で緊張もありましたが、何とか役割は果たせたのではないかと思います。本件の構造をしっかり解明し、反省すべき点は正し、国民の皆様の安全確保と被害救済に全力で取り組んでいかなければいけないと改めて感じました。当ワーキングチームとしてさらなる提言を行います。

≫平成18年1月15日

 いよいよ2日後に耐震強度偽装問題についての証人喚問が行われます。皆様の関心も高く、私はこの問題に関する自民党ワーキングチームの副座長として、先週日曜日のサンデー・スクランブル(テレビ朝日)や金曜日のザ!情報ツウ(日本テレビ)でコメントしております。明日16日にも8時より放送のザ!情報ツウに出演して、真相究明に対する決意の一端を述べる予定です。喚問での自民党の質問者はまだ正式決定していないようですが、チームとして全力を尽くしますので、引き続きご支援をお願い致します。

≫平成18年1月5日

 明けましておめでとうございます。昨年様々な場面で支えていただいたことに改めて感謝申し上げます。今年は秋に自民党総裁選を控え、その帰趨に大きな関心が集まっていますが、まずは目前の諸課題をしっかり解決していくことが肝要であろうと思います。
 この冬は日本海側をはじめ、各地で豪雪の被害が生じており、しっかりとした対策を立てていかなくてはいけません。自衛隊の派遣のあり方などにも再検討が必要かもしれません。また、地球規模の異常気象は、災害のみならず人体の健康や農産物の育成に多大な影響を与えています。環境税の導入は昨年の党の税制調査会で見送られましたが、いずれにせよ日本がリーダーシップを取って環境対策に取り組む必要性を強く感じています。
 耐震強度偽装問題への対応も山場を迎えました。今年も全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。

平成17年

≫平成17年12月29日

 激動の一年がまもなく終わろうとしています。今年の皆様のご支援に心から感謝致しますとともに、来年もよろしくお願い申し上げます。
 今、耐震強度偽装問題が大きな関心を集めています。私達の安全・安心の根幹に関わり、日本の経済社会のあり方にも重大な疑問を投げかけるこの問題に、我々は与党として全力で取り組まねばいけません。
 自民党はこの問題につき、副幹事長の先生方を中心としたプロジェクトチームで対応しており、その現場作業を担うワーキングチームとして、早川忠孝代議士を座長とし、私を副座長とした組織が結成されています。このワーキングチームのメンバーには、私達以外の弁護士や公認会計士、不動産実務のエキスパート、衆議院国土交通委員などが入っており、連日精力的にヒアリングや現地調査を行っています。専用のホームページ (http://www.geocites.jp/taisin-gisou)も開設し、12月19日、同26日と、二回の緊急提言も発表しました。自民党は証人喚問に慎重であるなどという批判もあるようですが、私達ワーキングチームは率先して証人喚問に臨み、真相の究明を通じて今後の問題解決・再発防止のための政策形成を行って参ります。

≫平成17年12月5日

 本日、40歳の誕生日を迎えました。不惑と言われる年齢に恥じないよう、自覚を持って今後とも努力して参ります。
 12月3日、衆議院決算行政監視委員会で実施した6日間の海外視察から戻って参りました。規律の厳しさで知られるシンガポールと、著しい経済発展を遂げながら日本からのODAの適正性につき国会で取り上げられたことのあるマレーシアです。行政府が強力なリーダーシップを取って改革に取り組んでいる両国のあり方は大変参考になりました。今後の職務に生かして参ります。

≫平成17年11月24日

 昨夜、衛星放送朝日ニュースターのテレビ番組「猪瀬直樹の月刊ニュースの深層」に出演しました。放送日時は11月26日(土)の午後10時から2時間です。日本の財政再建をどう図っていくかというテーマで、第一部は自民党政調会長中川秀直先生へのインタビュー、第二部は自民党の木原誠二衆議院議員、民主党の浅尾慶一郎参議院議員、経済産業研究所の小林慶一郎氏と私とのディスカッションという形式でした。私としては、弁護士出身で決算行政監視委員会の理事ということもあり、行政のチェックや公務員法制のあり方という点に重点を置きたかったのですが、猪瀬さんは政府系金融機関の再編と国の資産処理に焦点を絞って話を進めていました。ただ、私にとっても大変有意義な企画であり、こうした出演の依頼が来ることを光栄に感じています。
 ちなみに今月号のGQジャパンの「ビジネスブックス オブ ザ イヤー」という特集でも私の記事がありますので、ご覧いただければ幸いです。

≫平成17年11月5日

 異例の長さだった特別国会はようやく閉会しました。議会の構成が大きく変化し、あれだけ難産だった郵政民営化関連諸法は無事成立しました。しかし難題山積の国会だったと思います。何と言っても700兆円を遙かに超え、今なお増え続ける国の借金をどうするかが最大の課題です。歳出のうち、国債の元利払いにあてる費用を除けば3分の1が社会保障関連支出であり、少子高齢化が進む中でさらにこの額は増え続けています。10月31日に成立した障害者自立支援法は、障害を持つ方々の就労などを支援しつつ、受ける福祉サービスの1割を負担していただくというもので、持続可能な障害者政策のために不可欠な法律でした。同様に、医療のあり方につき現在積極的に議論を進めています。無論、公務員の制度や給与のあり方を見直す作業も行っており、批判の多かった議員年金については、反対の諸先輩もおられましたが私は廃止論の先頭に立っていました。政府系金融機関の機能も大幅に民間に移し、最小限必要なものも整理・統合しなければいけません。今度私は衆議院決算行政監視委員会の理事を拝命しましたが、徹底した歳出チェックを行い、結果を今後の予算編成に生かす努力をしていきたいと考えています。
 これ以外にも党内で、外交問題では海洋権益の中国との関係などを議論し、教育問題ではニート対策、経済問題では会社のガバナンスの問題等につき、積極的に発言しております。農業に関しても、関係者の方々から当面の諸課題に関するヒアリングを行いました。所属する衆議院憲法調査特別委員会では憲法改正国民投票のあり方につき提言を重ね、衆議院法務委員会では共謀罪の創設等を内容とする条約刑法の問題点を指摘致しました。とにかく大変多忙な国会であったと言えましょう。個性豊かな新人議員の方々が大勢誕生し、理不尽な既得権益の擁護を内容とするような発言は影を潜めました。激動の政治状況において、今後もしっかり改革を進めていくことをお誓い申し上げます。

≫平成17年9月22日

 いよいよ特別国会が始まりました。私は昨年の補欠選挙で初当選したため、特別国会・首班指名は初めての経験です。小泉総理に投じられた340票(479票中)の数に驕ることなく、財政再建や教育改革・社会保障改革などの重要課題に真摯に取り組んで参ります。
自民党にエネルギッシュな新人議員が大勢加わり、私の本会議場での座席の位置は本来なら4回生くらいの方が座るかなり後ろの席となりました。少しでもその席の位置にふさわしい仕事をしなくてはいけないと痛感しています。

≫平成17年9月15日

 皆様の本当に熱いご支援により、再び当選させていただきました。心からお礼申し上げます。今回の選挙戦では皆様の改革に対する大きな期待を肌で感じることができ、それが全国レベルでの勝利につながったと思います。今回、所沢市から連立与党では自民党の並木正芳候補と公明党の長沢広明候補が比例選で立候補されており、並木候補は見事当選を果たされましたが、長沢候補は大変残念ながら当選に至りませんでした。引き続き連立政権の発展を図りつつ、並木先生と共に、所沢から日本を変えるため、全力を尽くして参りたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

≫平成17年8月17日

 8月8日、参議院で郵政民営化関連法案が否決され、同日衆議院が解散されました。その後、自民党執行部が法案反対議員の選挙区全てに対抗馬擁立の動きを見せていることが波紋を呼んでいます。しかし、本当に本法案の是非を国民に問うための解散であれば、やはり賛成する議員を立てて有権者に選択肢を提供するのはやむを得ないのではないでしょうか。7月5日付けで書いたとおり、本法案は日本の将来を左右する大変重要な法案です。16日に出された民主党のマニフェストでは、公社を維持したまま郵貯預入限度額を引き下げる案が提示されていますが、これでは郵政公社の経営悪化に拍車がかかり、従業員の雇用が確保できなくなるか公費投入が必要になるかのどちらかです。限度額オーバーとなる預金者も戸惑うでしょう。今あるネットワークを最大限活用するのが自民党の民営化案で、民業圧迫の懸念にも、逆に利用者の便益に反するサービス縮小の懸念にも、ともに配慮した工夫を凝らしているわけですから、民主党マニフェストとどちらが優れているかは明らかでしょう。完璧な法案ではないかもしれません。しかしその緊急の必要性からすれば、成立させて随時見直しを行っていくことが不可欠なのです。本当に構造改革を実現できるのは、新しい私達のグループであることを皆様に訴えつつ、これからの戦いに挑んで参ります。

≫平成17年8月2日

 私が所属する「真の人権擁護を考える懇談会」の会議が開催されました。法務省が今国会に提出を目指した「人権擁護法案」は、人権委員会という法務省の外局が、市町村長の意見を聞いて委嘱した人権擁護委員を使って、人権侵害や差別をなくしていこうというものです。しかし法案には様々な問題があり、このままでは人権の美名のもとに他者の人権が侵害されてしまう危険性があると思います。慎重な取扱いを求めた私達の活動が効を奏し、法案の今国会への提出は見送られました。今後もしっかりとしり検討を続けて参ります。

≫平成17年7月5日

 本日の本会議で、郵政民営化関連法案が可決されました。5票という僅差で正直ドキドキしました。私は郵政民営化に関する特別委員会の正式なメンバーであり、また、昨年来紙芝居などを通じてもこの法案の成立に必要性を訴えてきました。民営化によって、郵便局で働く方々の創意工夫が生かされ、国民生活が豊かになるとともに、340兆円という郵貯・簡保の資金が官から民へ流れるきっかけが生まれます。とても大きな改革ですから、今のうちに梶を切り始め、長い時間をかけて慎重に行わなければいけません。参議院での可決を経て実現することを期待しています。

≫平成17年4月25日

 昨日の補選で自民党が2議席を獲得しました。特に宮城2区は、昨年の私に続き、公募候補の秋葉賢也さんが接戦を制し、まさに政治改革の大きな流れが始まったと実感しました。今日はJR西日本福知山線で大きな脱線事故のニュースも飛び込んで来ています。きちんと迅速な対応が取れる政治でなければいけないと思っています。

≫平成17年4月23日

 再び朝日ニュースターのテレビ番組「バトルポリティカ 政治に渇!」に与野党の新人議員8名と共に出演しました。年金、BSE、郵政などの具体的問題や今後のビジョンにつき討論しました。こうした出演者が多い番組だと1人の活する時間が限られるので要領よく言いたいことをまとめる能力が必要になってきます。また、積極的に発言しすぎると出しゃばった感じになってしまい、バランスを取ることの難しさがわかります。

≫平成17年4月1日

 皆様に国会に送っていただいてからあっという間に一年が過ぎました。この間、経済も社会も猛烈なスピードで変化しています。政治はこうした動きに俊敏に対処しなくてはいけません。「守らなくてはいけないもの」は何なのか。「変えなければいけないもの」は何なのか。後者については「どのように変えていく」のか。きちんと見極めていきます。
 新人の国会議員の発言・活動も、大きな波となって党やマスメディアを動かし、政策決定に影響する時代になりました。また、私が第一号となった自民党の全国公募が、各地に広がる動きを見せています。まさに、「埼玉8区から政治が変わりつつある」のです。この流れをどんどん大きくしていきましょう!
 今の社会の活力を奪っているのは、何と言っても少子高齢化と財政赤字です。年金・介護・医療の負担を押さえ、景気浮揚を図るため、これらの問題にしっかりと対応していきます。子育てのコストを下げる工夫や、税金・保険料の使い道を見直すなどの改革を進めます。
 環境問題ももはや避けて通ることはできません。地球温暖化は自然破壊を促進し、災害を続発させています。炭酸ガスを排出しない燃料の拡大、環境配慮型の電気機器・車両の普及、廃棄物の減少・リサイクルの促進などの対策に取り組みます。
 お年寄り等を相手にした詐欺、数々の凶悪犯罪や企業不祥事の報道に接するたびに、私が議員になる際に公約に掲げた「公正なルールの確立」と、教育改革の重要性を思い知らされます。また、今の豊かな社会では難しいことかもしれませんが、「困難に耐えて目標を目指す」ということの尊さを今一度見直し、将来世代に活力を取り戻します。
 国際社会にも、「力」でなく「理」を重視する共通の理解を深めていくために尽力します。国際刑事裁判所の創設や国連改革など、難しい課題だとは思いますが、取り組んでいきます。無論、併せて内外の危機管理も充実させていきます。

≫平成17年3月15日

 「今泉雲海のこの人達と語る」というケーブルテレビの番組に、平沢勝栄先生と民主党の原口一博先生と共に出演しました。郵政、ライブドアの問題や北朝鮮、中国などへの対応についての討論となりました。二人の論客を相手に私も一生懸命頑張ったのですが、埼玉では地上波で見られないのが残念です。

≫平成17年3月10日

 今日、朝日ニュースターのテレビ番組「政策真髄」の録画撮りが党本部で実施されました。出演は与謝野馨政調会長と、葉梨泰弘、宮下一郎、山際大志郎各先生、そして私という新人議員4人です。小泉改革の評価や今後の政治課題について真剣に議論しました。本格的なテレビ出演は初めてだったのでやや緊張はしましたが、思ったことは伝えられたと思います。放送は12日7:10、13日23:10、15日5:10からそれぞれ50分です。

≫平成17年2月26日

 小池百合子環境大臣をコピス三芳にお招きして、時局講演会を開催しました。発効したばかりの京都議定書に関する諸課題や外交問題などについて充実したお話をしていただき、併せて私からも、国の経済・教育・治安の問題や地域の廃棄物処理施設の問題などについて心をこめて語らせていただきました。幸い参加して下さった方々の評判も上々で、これからもこうした機会が数多く持てればと思っております。

≫平成17年2月5日

 昨夜コピス三芳において、JAいるま野の主催で、中野清先生の秘書の方や民主党の小宮山泰子先生と、これからの農業について討論しました。地産地消の促進、担い手の育成、平地林などにかかる税制の見直しなど多くのテーマが取り上げられ、会場からも活発に質問をいただきました。この経験を今後の政治活動にしっかりと生かしていきます。

≫平成17年1月1日

「新年のご挨拶にかえて」
 あけましておめでとうございます。
 皆様のおかげで国政の場に出てから八ヶ月、無我夢中で頑張ってきました。私がしっかり仕事をすれば、自民党は私を候補者にする際に用いた公募制度を今後も積極的に推進するでしょう。開かれた政党となるために望ましいことだと思います。
 ちなみに民主党も候補者の公募を行っていますが、今後応募しようとする方は、どういう基準で政党の選択をすればよいのでしょうか。政権交代の可能性が高いと言われる二大政党化が進む中、ともすると「現政権がいいか悪いか」というだけの基準で選択がなされるように思います。しかし、候補者は理念や政策を掲げて立候補しているわけですから、本来選択の基準は政策であるべきです。同様に有権者の皆様にとっても、投票は政策の選択となった方が望ましいと思います。
 しかし現実には、自民党と民主党の基本的な政策の違いはなかなか見えてきません。アメリカでは、共和党が「減税」を有権者にアピールするのに対し、民主党は「高福祉」を有権者にアピールしています。すなわち、共和党は、企業の自由な活動を極力確保して、努力が報われる社会を理想とするのに対して、民主党はむしろ、競争の勝者をある程度犠牲にしてでも恵まれない人達の福祉を充実させて平等を図るのを理想としているのです。ここで重要なのは、「減税」と「高福祉」を同時に掲げることができないことです。そんなことをすればたちどころに国の財政は破綻してしまいます。しかしこれまでの自民党は、政権を維持したい余りに、色々理屈を付けてこの二つを同時に掲げてしまい、その結果七百兆円を超える国の借金を作ってしまいました。これによって、将来の我々の子供達につけを残すとともに、政策の他党との違いを曖昧にしてしまったのです。
 今後の政権は、この借金を解消しなくてはいけません。しかし、速やかに解消するためには、「増税」と「低福祉」と同時に行わなければならず、それを過度に進めると国民の生活は混乱してしまいますし、選挙に勝つことも極めて困難となってしまいます。私は、今後の国のあり方として、恵まれない方には一定の配慮をしながらも、ルールが公正であることを前提として、努力が報われるという価値にどちらかというとウェイトを置くことにより、借金の軽減を少しずつ進めていくべきだと考えています。これからは自己責任の価値が重要だと思うのです。皆様のご理解をお願い致します。
 今年一年が、皆様にとって素晴らしいものであることをお祈り申し上げます。

平成16年

≫平成16年10月3日

 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。議員活動にもようやく慣れ、皆様のご指導のもと、日々内外の政治課題に全力で取り組んでおります。
 「正直者が報われる」公正な市場ルールの確立のため、談合に対する取締りの強化などを内容とする独占禁止法改正に向けた提言を行いました。また、経営者の過重な保証責任を軽減するための法改正作業にも携わっております。さらに、安全な社会の実現のため、世界的に見て軽過ぎると言われる刑罰の強化に取り組むとともに、不法就労外国人の取締りを強化する入管法の改正も行いました。地域の問題としては、米軍所沢通信施設で発生した軽油燃料漏れ事故につき、外務省・環境省等を通じて汚染防止と原因究明に取り組んでいます。
 年金・介護・医療といった社会保障の抜本改革、地球温暖化対策としての環境税の導入、道徳や子育ての重要性を説く教育の充実、郵政の民営化や行政改革による国民負担の軽減など、今後解決すべき課題は数多くありますが、有権者の皆様の付託に応えられるようこれからも全力で頑張ります。また、説明責任を重視した政治をこの地から目指していきます。
 こうした決意を去る10月3日、安倍晋三自民党改革実行本部長をお招きしての国政報告会で語らせていただきました。雨にも関わらず多くの皆様が会場の所沢市民会館ミューズ中ホールにお集まりくださり、とても感動しました。

≫平成16年8月

 8月24日から28日にかけて、自民党青年局の仲間達と台湾に出張し、陳水扁総統、陳唐山外交部長、連戦国民党主席、李登輝前総統など与野党の要人や経済界の方々と相次ぎ会談し、意見交換をしました。対中政策についての激しい論戦の現状や、目覚ましい経済発展の様子がよく解り、大変有意義なプログラムでした。
 私が連戦主席に、伝統ある政党が若い人達の支持を集めるにはどうすればよいと考えるか質問したところ、「国民党は、次回立法院選挙における候補者の4分の1を若い世代にする」と即答されました。(それについて後日日本でも新聞報道されました。現実には45歳以下が3割を占めています。)国民党の幹部席にも若い人材が並び、改革にかける並々ならぬ決意が看取されました。

≫平成16年6月1日

 この度の衆議院議員補欠選挙では、皆様方の絶大なご支援のおかげで、当初の劣勢を挽回して勝利を収めることができました。改めて、心から御礼申し上げます。
 現在の日本は内政外政とも課題が山積し、解決への道のりは決して平坦ではありません。そのような中、私は法務や安全保障の委員会などで早速仕事をしております。既に破産法や行政事件訴訟法など重要な法律の改正に携わりましたが、今後も一層精進し、私が公約で掲げた「正直者が報われる社会」「人間力を高める教育」「老後と子育てに希望を持てる社会」などの実現のために、全力を尽くして頑張ります。今後ともご指導ご支援お願い申し上げます。

≫平成16年4月12日

 埼玉8区の公募者決定となってから、早1カ月余り。これまでの弁護士としての生活は180度変わってしまった。
 しかし、依頼者のためを思う気持ちと、国民のためを思う気持ちに、基本的に変わりはない。
 初め恥ずかしかった演説にも慣れてきた。だいぶ声は潰れてしまったが…。
 知名度のハンデは予想以上に大きいが、これから全力で頑張り、支援者の皆様に絶大な応援をいただければ、対立候補と肩を並べることはできると思う。

 明日は告示日。あと一息頑張りたい。